【モバマスSS】RAINBOW GIRL (103)
……たった一つ。
初めて彼女に会った時から、彼女と僕の間には大きな、
とても大きな壁が存在していた。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1395594955
フリーターの身から社長に見出されて突然のスカウトを受け、
プロデューサーと言う職業について2週間。
外部での基本研修を終え、職場に自分のデスクが与えられたその日。
僕は、ちひろさんに出会った。
・アイドルマスター シンデレラガールズのSSです。
・地の文、短め。書き溜めほぼ無し、ゆっくり書いていきます
「……とりあえず二週間お疲れ様、だな。
これで君も晴れて我が事務所の一員というわけだ」
出社開始から3週間目に入った月曜日。
外部研修を無事修了し、他の社員に混じって初の朝礼を受けたあとで、
社長に呼ばれ、自分の席となった綺麗な事務机の前へと案内された。
その場で研修のねぎらいの言葉をかけていただき、そして今後の仕事への取り組み方を教わる。
はれてプロデュース業の開始かとおもいきや、学ぶべきことは他にも沢山あるらしい。
「だがまあ、プロデューサーとしての仕事をしてもらう前に、まだまだ覚えてもらうことが一杯ある。
そこで、だ。
研修続きで悪いが、社内研修がてら、2ヶ月の間だけ君に事務仕事の補佐をやってもらうことにする」
事務仕事の補佐、か。
確かに、一般研修では営業向けのコースとして敬語の使い方、対人マナーや所作などをきっちり習得したが、
それはどの会社でも共通のことで、
恐らく一般職とは程遠いであろう"プロデューサー"という職にはもっと必要なことが沢山あるのだろう。
アイドルを育て、売り込み、トップの座に押し上げる。
少なくともプランニングやプレゼンの能力は必要だろうし、
それには時間管理能力や予算についての知識などもある程度持っていて当たり前か。
事務と聞いて経理や勤怠しか浮かばない時点でまだ社会人一年生並の想像力しか無いな、とは自省するが……
なるほど"プロデューサー"という仕事は、
営業も事務も出来てやっとスタート地点に立てるというものだ、などと勝手に納得。
2週の研修ののちにまた研修か、と少し不満はあるけれど、
センターでの味気ない研修とは違って、実地での仕事だ。
当然既にバリバリ仕事をこなしている先輩プロデューサーたちとの交流も始まるだろう、
と思うとワクワクしてくる。
それに、これが終わったらついに1人の"プロデューサー"だ。
「了解です、社長。
……ええと、僕はどなたの補佐に回れば良いのでしょうか?」
とは言えいきなりプロデュース業の邪魔になる位置では無いだろう。誰か事務員さんの下について…
と思ったところで少し違和感を感じる。
そう言えば、朝礼の時に事務員らしき人を1人も見なかった。
派遣社員の方が何人か後からいらしていたが、さすがにその人達に研修生のお世話などさせるまい。
では誰に…?
「そうだな、ここは…うむ」
そう言うと、少しの思案の末、社長は反対側の机へと移動した。
やけに小奇麗に整頓された机。
他の机が資料の束や担当アイドルの写真、その他の細々とした物で溢れてプライベートスペースの様を態する中で、
ただひとつだけ異様に整然とした空間。
その机上には、無骨なコード類とやけに多い台数のHDDが備え付けられ、真ん中には充電クレードルに乗っかったタブレットらしきデバイスが鎮座していた。
誰かの私物だろうか?
などと思っていると、おもむろに社長がタブレットをクレードルから外し、電源ボタンに触れた。
スリープ状態から復帰した画面には、どこかの事務所のような風景……のCGと、
まるでゲームのようなウィンドウが浮かんでいる。
ご丁寧に、机の上には資料の山と湯気の立ったコーヒーカップまで描写されている。
訝しげに画面を見つめていると、社長が数回タップした後に画面に1人の人物がフェードインしてきた。
「彼女にお願いしようかね」
……周りのCGにそぐわない、妙にリアルなタッチの画風の立ち絵。
と言うかヌルヌルと動いている、まるでモーションキャプチャを使っているかのような見事なフラッシュだ。
それは女性だった。
黄緑の事務服を着て、栗色の長い髪を途中からゆるく編んだ、小柄な女性キャラクタ。
髪の先には鮮やかな赤いシュシュ。
胸元には"ちひろ"と、何故かひらがなで書かれた名札も付いている。
「紹介しよう。我が社の事務員、ちひろくんだ」
メッセージウィンドウに、文字が浮かぶ――
《こんにちは、新しいプロデューサーさんですね?
私は当社プロデュース部門のアシスタント、ちひろです。よろしくお願いしますね!》
とりあえず一区切り。
大まかな筋立ては出来てますが文章にするのに時間がかかると思います…
一週間以内に、次の区切りを投下できるように頑張ります
元ネタそっちかー!懐かしいな
レインボー=ゲイの象徴・・・あっ(察し)
ちひろさんAIなの…
ちひろさんがヒロインのギャルゲかな?
でも中の人的には18きn
ネウロかな?
RAINBOW Girlってあれか、随分昔VIPでやってたやつか
ちょっとゴタゴタがあって次の区切り書くのが遅れてます…
申し訳ない
4月頭に時間をとって書くので少しお待ちくださいませ
「はぁ? ……あっ、えっと、すみません」
思わず素っ頓狂な声を挙げてしまい、慌てて口を噤む。
なんだ、どういうことなんだ。
社長は僕のこの反応が想定済みだったようで、次の言葉を促すようにこっちを見ている。
「……社長、一体これは」
「見てのとおりだよ」
「えっと……ゲームかなんかですかね?」
「うむ、そうとってもらっても構わない。
ただ、ちひろくんは優秀な事務員だよ。それだけは安心してくれ」
「このキャラが、仕事を?」
「キャラじゃない、”ちひろくん”だ。彼女は我が事務所の一員として、色々な仕事を担当している」
「はあ」
……よくわからないが、とりあえず納得しておく。要するに、会計ソフトやデータ管理ソフトを内包したAIみたいなものだろうか?
「彼女はずっとここにいて、経理や文書作成は勿論、簡単な電話応対や備品の注文などをしてもらっているんだ」
「電話応対って事は、声がついてるんですか?すごい機能ですね……」
「……いや、残念ながら声は聞けないんだ。サンプルがなくてな。
代わりに電子音声を使って、留守中の対応や取次・転送をしてくれる」
「なるほど……」
なんとなく理解してきた。
色々とオーバーテクノロジーと言うか不可思議なところが多いけれど、使えるのだからいいものに越したことはない。
いや、一応僕が「補佐」として教わる側なのだから、使うと言う言葉は失礼か。
しかし、声付きではないというのが残念だ。
社長が触っている様子をみるとこちらの声にはある程度反応するようだから、
どうせなら擬似会話機能があればもっと捗るものだろうに。
……まあ、古そうなソフトの割には高機能のようなので、あまり求めすぎるのも酷だろう。
『サンプルが無い』と言うのは変な話だが、まあ拡張機能かDLCかが有ったのかもしれない。
社長の言葉の端々に何か含みがあるようには聞こえるけれど、とりあえず飲み込んでおく。
しばらく使って……いや、従っていれば、自ずと分かることもあるだろうから。
何にせよ、これから2ヶ月、彼女と一緒に仕事をするわけだ。
女性に師事するというのは女関係に縁のなかった自分にとっては新鮮なことだが、
相手が生身では無いので変な気負いや緊張が少なくて帰って楽かも知れない。
無駄にカッコつけて失敗、なんて入社早々黒歴史になりそうな事をすることも無いだろう。多分。
とは言え女性相手なので相応の対応ができるようにしないと、とも思う。
いずれプロデュース業に携わることも考えて、
まずは二次元の女性から、段々慣らしていくんだという気持ちで臨もう。
……もしかしたら、社長は僕の対人/対女性スキルの低さを見越して彼女を紹介したのでは?
と言うのはさすがに勘ぐり過ぎだろうか。
ひとまずここまで
総選挙が始まってしまったので、お気に入りの子のステマを優先するかもしれません。
なので、暫くの間、他のステマSSを書きつつゆっくりと書き溜めします、ごめんなさい。
ということで既に書いてしまった奴の宣伝:
小梅「「おなじ話」」P - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1396193083/)
……このSSはちひろさんSSなので他のアイドルは(名前有りでは)出さないと思います。多分。
まだー?
ほ
「説明を続けていいかね?」
なんとか頭が追い付いてきたのを察したのか、社長が話を本筋へと戻す。
「では、最後になるが、このタブレットを使用する際の諸注意について教えておこう。
会社の備品だから大事に扱うように。まずはそれが大前提だ。
それから…… ああ、マニュアルの類がなくてな、口頭で伝える事になるが大丈夫かね?」
「はい、きちんとメモを取りますので大丈夫です」
「そうか。万一の場合はちひろくんに確認してくれたまえ。ではまず……」
・電源はONのまま使用すること。また、私用のために操作しないこと。
・社外への持ち出しは厳禁とする。基本的にデスクまわりで使用すること。
・重要なデータが入っているので、くれぐれも漏洩のないように。
新しいソフトウェア・アプリをダウンロードしたり、勝手にwebに接続したりしないこと。
・退社時に必ずクレードルにセットして帰ること。
クレードルはHDDに繋がっており、充電台及びデータセンターになっているので、
タブレット同様大事に扱うこと。
・もし社内泊をする場合(研修中には無いとは思うが)、24時以降節電のため社内の電源のほぼ全てが落ちるため、
必ずそれまでにクレードルにセットしておくこと。その際自動的にスリープ状態になる。
翌朝4時までは電源が復帰しないので、その間は触らないこと。
「……以上だ。何も無ければ、以降の事はちひろくんに従ってくれ」
説明がこなれている。他にも何人かこの研修を受けた社員がいるのだろう。
……失礼な考えだが、このタブレットはそんなに貴重なものだったりするのだろうか?
勿論社用品をきちんと扱うのは当たり前の話ではあるが。
社長はまるでこれを、娘であるかのように大事に扱っている気がする。
実はもともと社長の私物だったりするのか?もしくはポケットマネーから供出したものであるとか……
この研修方法、もしくはこのソフトウェアを使用している事自体が社長の肝要りなのかもしれない。
などと、本質的な面以外での疑問は止めどなく湧いてくる。
聞けるようなことでは無いが、この人なら案外すんなりと答えてくれるのかも知れない。
……尋ねる度胸はまだ無いけれど。
いくら相手がフランクな人とはいえ、社長に込み入った意見をするというのはすごく失礼な事だし、
何よりペーペーの自分にはハードルが高過ぎる。
とにかく、”ちひろさん”の扱いといい、不思議な所の多い人なのだ、と受け止めておく。
まあ、それはスカウトされた時から常々思っていたことではあるのでいまさらだろう。
言葉をぐっと飲み込む。
「……大丈夫です、おおよそ把握しました」
「そうか。では、2ヵ月間頑張ってくれ」
「はい。失礼します」
ふらっと社長室へ戻っていく社長に、あわてて深々とお辞儀をする。
いつも飛び回っている人だが、週に一度、月曜日の午前中だけは必ず社長室にいるのだとか。
貴重な時間を割いてまで直接お話しをしていただけたことがとてもありがたい。
社長直々に、「ティンときた」とよくわからない理由ではあるがスカウトされただけに、
期待をされているところもあるのだろう。頑張らないと。
モニター内のちひろさんと聞いてすごいドキッとした・・・
一ヶ月近く色々あって更新できなくてすみません。
ようやく落ち着いたのですこしずつ書いていきます。
読んでくださっている方、ありがとうございます。
今日は一旦ここまで
む、乙
生きてたのならよし。ゆっくりで良いので続けてくれ
期待してる
はよ
---
「研修期間はどれくらい残ってるの?」
入社から一月程が立ったある日。
小休止のため休憩所に向かうと、ちょうど1人の先輩プロデューサーが一服しているところだった。
「あと一ヶ月です」
「ふむ。もう会社には慣れたかい?」
「いえ、まだまだわからないことだらけで」
「そうか、早く馴染めるように頑張ってな。
俺らは職業柄外回りが多いからあんまり社内にいないけど、いる時ならいくらでも頼ってくれよ」
「ありがとうございます。迷惑を掛けぬよう、精一杯頑張ります」
先輩はしきりにコーヒーを啜りつつ、プラスチックのスプーンを弄んでいる。
喫煙者なのだろうか?
スーツから仄かに香るコロンは臭い消しのためなのかもしれない。
「お吸いにならないんですか?」
「ん?…ああ、社内は全面禁煙なんだよ。お陰で口寂しくてな」
確かに、コーヒーサーバーとお菓子の詰まったキャビネット、そして小型の冷蔵庫はあるものの、灰皿はひとつも置かれていない。
「若いアイドルともかかわる事が多いから、本当は吸わないのが一番なんだが…なにぶんストレスが溜まる仕事だからなあ。
それに、付き合いで吸うこともある」
「なるほど…」
「まあ、だからといって無理に覚えなくてもいいさ。
担当の娘にも決していい顔はされないからな」
「分かりました」
全面禁煙と言うのは時代の流れか、芸能事務所だからとずっと徹底しているのか。
ちひろさんからも特に教わっていなかったし、吸う人間では無いので今のいままで気にしていなかった。
生身の人間と関わっていなかったな、とふと思い出す。
社長と話して以来、一対一の会話は久しぶりかも知れない。
失礼の無いようにしなければ。
「ところで、研修の担当者は誰なんだい?今総務には正社員がいなかったと思うんだが…まさか社長が直々に?」
「いえ、違いますよ。ちひろさんの補佐についています」
-しん。
と、空気が静止した、ような気がした。
先輩の表情が固まる。
いきなり地雷を踏んでしまった、のか。さっきの今で。
なぜだ。何が引っかかったのか。
背中を冷や汗が流れる。
少しの沈黙。
「……そうか」
「はい?」
「社長は、まだ諦めていないんだな」
呆れ、ではなかった。何か切なさを感じるような表情だった。
何も聞き返せない。
「すまん、ちょっとビックリしたんだ。ただそれだけだ。
まさかまだ使っているのか、と思って」
「……いつから使われているんですか?」
「もう、5年ぐらいになるかな」
5年。そんなに前のソフトウェアのようには思えないが。
「結構古いんですね。にしては、その…モデルと言うかグラフィックが綺麗なので、正直驚いています」
「そうだな。我々の中でも人気だったよ、ちひろさんは」
微妙に話が噛み合って居ない気もするが、なんとか空気が緩和して少しほっとする。
とは言えいたたまれなくなったので、わざとらしく時計に目をやり、失礼しますと頭を下げてデスクへ。
自分の席につくと、嫌な緊張がやっと解けて、肩から力が抜ける。
さっきの先輩の言葉を頭のなかで反芻してみる。
『人気があった』、か。
確かに5年も前からあるソフトでこのビジュアルなら、もてはやされてもおかしくない。
率直に言うなら、すごく自分の好みにあっている。
だがそれゆえに、不思議なところも多い。
これまでの人生でリアルの女性に縁がなかった分、いわゆる「ギャルゲー」「恋愛ゲー」にはそこそこ詳しい方だ。
「アイドルをプロデュースするゲーム」なんてのもやったことがある。
…実際のプロデュース業とは全然違うとは思うが、
社長のスカウトを受け入れてこの業界に飛び込んだ一つのキッカケではあると思う。
同じような趣向の友人と貸し借りをしたり、18禁ゲームを買いあさったり、
マンガやアニメにハマって「嫁」を作ってグッズを集めたりと、ある程度オタク文化にも足を突っ込んでいる。
…ちひろさんは、それらのキャラとは何か違う。
例えば、リアル志向の塗りにしては『不気味の谷現象』を全く感じない。
その辺のモデルさんを起用してモーションキャプチャをしたのか、とも思うが、それにしては表情差分が多い。
しかもヌルヌル動く。重くない。
試しにいままでの知識を総動員してこ何処のメーカーのゲームキャラなのか調べてみたが、見つける事は出来なかった。
よっぽどマイナーなメーカーなのか?にしては完成度が高すぎやしないか。
不思議な事は多い。
気にかかることは一杯ある。上手く説明出来ないけれど。
ただ、そうやって興味を持つほど、疑いを持つほどに、このちひろさんというキャラクタに惹かれていくのも本当だった。
2ヶ月に渡る研修がひと通り終わった日。
その日は、高校時代からの友人と久しぶりに会う予定があった。
僕の就職が決まった事を、数カ月前から働き始めていた彼が祝ってくれるという。
まあどちらも社会人一年生になったばかりだけど、
取り敢えず研修お疲れ様会ということで飲みに行くことになっている。
この2ヶ月、碌に知り合いと会話していなかった事を思い出す。
話した相手なんて片手で足りると言っても過言ではない。
奴と少しだけ電話したのと、社内では社長と先輩と…、
ちひろさんにはずっと喋り掛けていたが、あれは会話ではなく一方通行だ。
反応は(画面内で)してくれてはいたが…
なんというか、タルパを作っているかのような奇妙さがそこにはあった、ように感じる。
延々と画面に向かって言葉を発する不気味さ。
外からはそう見えるのだろう。
虚しさがそこにはあったはずで、それを感じなかったのはなぜだろう。
ちひろさんにはそれを感じさせない何かがあるのだと思うけれど、上手く説明できない。
午後6時。
いつも通り業務を終え、ちひろさんに挨拶をしてから帰宅準備をする。
おっと、クレードルに戻すのを忘れずに。
ちひろさんは24時までは起動しているのかもしれないが。
ウキウキ気分の僕に、画面越しに
”どうかしましたか?”
のメッセージ。
友人と飲みに行くんだ、と返すと、
”二日酔いに気をつけてくださいね。良ければ、冷蔵庫にエナジードリンクが入ってますよ。”
それは良い事を聞いた、と思ったけど、明日は休みだし大丈夫だろう。遠慮しておく。
じゃあ、サヨナラ。また月曜日に、と続けようとして、
そう言えば月曜からはいよいよプロデュース業にうつれるのかそれとも、と考え直す。
どちらにせよちひろさんとは一旦お別れかな。少し淋しいがしょうがない。
などと思いながら会社を出る。
あれ?今の会話なにかおかしくないか?
まるで、・・・いやそうじゃないだろう。
テンプレートテキストからは逸脱していたように思えたが、
きっとそういう方面にも幅広く会話パターンが作られているだけだ。
サラリーマンには飲み会など日常茶飯事だろうし、この業界ならなおさら。
それを想定した内容が組み込まれていてもおかしくは、無い。
今はそれよりも、だ。
久しぶりの再会と、酒。
奴の職場での話なんかも聞きたいところだ。
一旦ここまで。
もうちょいで一区切りなのですが、なかなか進まずごめんなさい。
見ている人いらっしゃったらありがとうございます。
できるだけ週一ぐらいで更新できるようにします。
誤字脱字等あれば指摘お願いします。
乙
…
一昨日PCが故障し、手を尽くしたのですがデータを碌にサルベージ出来ないまま修理に出すことになりました。
その為少しばかり書くのが遅れると思います、申し訳ありません。
一応紙でのメモが若干残っていたのでなんとか構築し直して続けます。
突然ですが宣伝です!
>>1が謝罪するまで続けます!
文句があればこのスレまで!
加蓮「サイレントヒルで待っているから。」
加蓮「サイレントヒルで待っているから。」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401372101/)
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>>494>>495>>496>>497>>498>>499>>500
……予想外のところから、解明の鍵は見つかるものである。
再会を祝して、グラスを交わす。
お互いにすっかり社会人になったな、と阿呆な言葉を投げ合う。
ああ、懐かしい時間が戻ってきた。
酒がはいると、彼はとても饒舌になる。
いつも僕は、彼の口から溢れてくるあれこれを適度に頷きながら聞くのが嫌いではなかった。
内容は時勢への批判のような高尚ぶった話から、
惚れた腫れたヤったヤらないの下世話な話まで。
ベラベラと勢いに任せてしゃべるのだが、なかなかに聞いていて飽きない。
今日はなんの話だろうか?
電話口での疲れた様子からなんとなく予想していたが、
彼の不満は今もっぱら会社での人間関係に有るようだった。
ゆーてもごく普通の会社だけどな、と言うが、
明らかに普通の場所ではない所に拾われた僕としては、
世間一般の会社と言うのに十分に興味がある。
一年目は事務の仕事をやっているらしい。
この間まで自分が受けていた研修と合致するようなところがそこそこ多く共感のしやすい内容だった。
やれ書類の不備だの、メールの書き方が不躾で怒られただのと語る友人の様子を見て、
僕も同じようなことでちひろさんに良くダメ出しを食らったなー、
などとこの2ヶ月を振り返る。
僕の上司は電子秘書だったんだと言ったら彼は驚くだろうか?
一時間ほど経っただろうか。
そこそこ腹も満ち、酔いも心地よく回ってきた頃、
それまでマシンガンのごとく一方的に喋り倒していた彼が顔をあげて初めてこちらに話を振る。
「いいよなーお前のところは。女の子一杯だろ」
む、失敬な話だ。
存在と遭遇は全然違うのだぞ。
確かに数だけならたくさんのアイドルが””在籍”しているが……
事務員見習いだった僕に彼女らとの接触の機会などない。
姿は時々見かけるけれど、話しかけてくる娘など当然いなかった。
先輩の担当アイドルには時々会釈だけされるけれど、それだけだ。
と、弁明しようにも聞いちゃいなかった。
まあいい、昔からこんな奴だ。
黙って続きを促すことにする。
「うちさー、男所帯なんだわ。
労働基準法?男女共同参画社会基本法?
そんなのぶっちぎってて。
基本、女に飢えてるんだよ。
でも、合コンはしない。できないんだな。
先輩は硬派だし、俺や同期はコミュ障だらけだし、イケメンは彼女持ちだからなあ。
そういう機会が皆無なんだ」
「へぇ……そりゃまた難儀だな」
「ああ。
でもな、
そんな俺らにも、女神様がいてさ……」
……ん?
女神様、とは。
宗教の話でもする気だろうか。
いくら友人でもそういう系統の話をするなら接し方を考えるぞ。
少し身構える。
「俺の嫁の中にさ、○○っていたろ?」
「……は?」
「ああ、勿論二次元の話な」
「なんだ、そっちかよ」
全く持って彼はいつもの彼のままだった。
肩の力がすっと抜ける。
彼とはギャルゲ友達でもあった。
青春時代の傷を舐め合いながら、
いくつものギャルゲを貸し借りしあい熱く語りあったものだった。
確か○○と言えば、眼鏡委員長界の中堅(と勝手に位置付けていたっけ)。
特徴的なツインテールがまた良いんだよ、と散々熱弁されたっけか。
残念ながら僕は栗毛三つ編みのちい姉さんキャラ推しだったから彼の持論など耳を通り抜けていったが。
「驚いたことに、彼女にまた出会ったんだよ。
奇跡かと思ってさ。
彼女はそこに、……居た、んん、いや、あった?
存在したんだ。
なんと言ったらいいか解らんがわかってくれ」
「お、おう」
なんとなく彼の言いたいことがわかる。
つまり彼はその……昔好きだったキャラ、に似た何かを見つけたのか。
職場で。
……ん?
それって、もしかして。
「リツコって言う子でさ。
緑の眼鏡に、ツインのおさげが似合う事務員なんだ。
二次元のな」
「……なあ。
それって、電子秘書って奴だったりする?」
「ん、なんだ知ってんのかよお前も」
「ああいや、別に。ちょっと興味があるだけで」
BINGO!
……ではあるものの、もっと情報が欲しいので逸る気持ちを抑えて敢えてよく知らない振りをしておく。
そうすれば彼は嬉々として喋りだすと経験上わかっているからだ。
「因みに、どんなソフトなんだ、その娘が出てくるのって」
「えっと、……」
Office ID:OL M@ster, 通称 ”事務マス” 。
個性的な事務員との日常を過ごす中で、
仕事を覚えたり勤怠を管理してもらったりできる、
という画期的なギャルゲー風人材育成・オフィス管理ソフト、らしい。
通りで僕の検索能力じゃ引っかからない訳だ。
まさかギャルゲカテゴリだとは思わなかった。
後で早速調べてみよう。
彼が言うには、
プレイアブルキャラは《リツコ》と《コトリ》の二人、
プラス条件次第で《マナミ》がシークレットで出るという話らしい。
ちひろさんの名は上がらなかった。
彼が確認を漏らすとは思わない。
授業をサボって徹夜でCG全コンプをしていたような男だ。
ならば、続編とかだろうか?
彼のお気に入りだというスクショを見せてもらったが、
だいぶ古かったから2~3バージョンぐらいは後続が出ていてもおかしくない。
その中に、ちひろさんも登場しているのだろう。多分。
「それでな、
おい聞いてくれよ、それでな、
俺がいつものようにリツコとイチャイチャしてたらな、
あのアホ上司が
『誰得眼鏡よりもコトリさんのほうがいいだろう?』
とかぬかしやがるんだよ。
……誰があんなピヨピヨばb」
……だいぶ酔いが回ってきているようだ。
そろそろお開きにして、彼のためにタクシーでも呼ぼう。
彼とは対照的に、僕の酔いはすっかり醒めていた。
こんなところでヒントを拾えるなんて。
もやもやとしていたここ二ヶ月の色々が、明日には恐らく晴れているだろう。
さあ、早く帰って調べなくては。
……
次の日の夜。
僕は、社長を問い詰めることになる。
ここまで
投下遅くて本当にすみません
次こそ一段落つけられると思います
おお、なんかいい感じに話が進んだな
おつおつ
ほ
まだー
午前0時半頃。
もうとっくに会社の明かりは落ちて、ちひろさんもスリープモードに移行しているだろう。
ふらふらの友人を送った結果終電を逃してしまったので、友人宅にそのまま泊まらせてもらうことにした。
小さなノートパソコンを開き、LANケーブルとコンセントを勝手に使わせてもらう。
眠気と戦いつつ、遅いADSL回線にイライラしつつ、ただひとつ知りたい事を目指して。
[ジムマスター カエル]
[ジムマス 事故]
[ジムマス 2/15]
[ジムマスター パンツ]
サジェストが変なものばかりだ。
通称の方だから正確な情報が出ないのか?
正式名称は……なんだっけ。さっき聞いたばかりなのに。
ようやくそれっぽいサイトを検索欄に見つける。
開いてみるも……error:404 not found の文字。
移転?それとも制作元が潰れた、とか……?
webアーカイブが残ってたりしないだろうか。
この手のものはちゃんと探せば意外と残っていたりするものだ。
検索欄に戻ってスクロールを続ける。
……あった。
匿名掲示板の片隅、倒産したゲームブランドを語るために建てられたスレッドに、魚拓が残っていた。
コメントに《ゲームメーカーではなくただのオフィスソフトウェア開発会社なので注意》との文言が添えられている。
何が注意なのかは分からないが、なるほど検索に手間取るわけだ。
リンクは切れているようなので、幾つかあるURLを1つずつ開いていくことにする。
ほ
待ってる
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