男「ループって怖いよな」女「ループ?」 (207)
最近ループもののゲームをやってループもののSSをやってみたくなったんでやってみます。
所々稚拙な文になるかもしれませんが、その時は笑ってやって下さい(´・ω・`)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1394471658
男「なあ、お前ループって知ってるか?」
女「延々と同じこと繰り返すやつ?」
男「そう」
女「それがなに?」
男「いやさ、俺最近思ったんだよ」
女「何を?」
男「俺たちの人生もループしてるんじゃないかなって」
女「はあ?」
男「まあ単なる意見なんだけど、とりあえず聞いてくれよ」
女「暇だしいいけど…」
男「ほら、デジャヴュってあるだろ?」
女「初めて見るはずの景色が、見たことあるように思えるやつ?」
男「そう、それなんだよ」
女「デジャヴュが何なの?」
男「初めて見るはずの景色なのに、見たことあるって変だと思わないか?」
女「昔見たことある景色と似てたりだとか、自分が忘れてるだけで本当は見たことあるかもしれないじゃん」
男「でもさ、それが何回も起きるって不自然過ぎないか?」
女「不自然でも、実際に起きてるんだし」
男「まあ、そうなんだけど」
女「その不自然さの理由を言えるの?」
男「言えるよ!」
女「んじゃ、早く言ってよ」
男「デジャヴュが起きるのはさ、一回前の人生で見たことあるからだと思うんだよ」
女「…んん?」
男「だからさ、仮に俺たちの人生が何回も繰り返してるとするだろ」
女「ちょっと待った、その辺がいまいち理解できない」
男「どの辺だよ」
女「その…人生が繰り返すって所」
男「だからさ、俺たちは死んでもまた今と同じように生まれるんだよ」
女「来世ってやつ?」
男「来世は死後行く世界とされてる所のことだろうが」
女「あーもう、よくわかんない」
男「例えば、俺が寿命で死ぬとするだろ?」
女「うん」
男「そしたらさ、また俺は今と全く同じ、男として人生が始まるんだよ」
女「…また、今と同じように生きていくことになる?」
男「そう。今の俺の人生と全く同じように生きるとは限らないけどな」
女「じゃあ、私も死んだらまた私として生まれて、こうして男と話してるってこと?」
男「そういうことだ」
女「…はあ、馬鹿馬鹿しい」
男「俺たちは死んでも今と同じ人生を永遠に繰り返すんだよ」
女「ループするって?」
男「そうだ」
女「はあ…もう帰っていい?」
男「どうせ暇なんだろ。最後まで聞いてけよ」
女「まあ、いいけどさ…」
男「話戻すぞ」
女「どーぞ」
男「つまりデジャヴュが起きるのはだな、今まで繰り返してきた人生の中でその景色を見たことがあるからなんだ」
女「記憶は無くなるもんじゃないの?」
男「完全に無くなるわけじゃないんだと思う。印象が強いと、またその景色を見た時に既視感が出るんだろうな」
女「んー…まあ、筋は通ってるかも?」
男「だろ?面白いだろ?」
女「ループしてると思うと、生きてる意味がわかんなくなっちゃうけどね」
男「俺もそう思う。ていうか、前までは死んだら別の生き物になるんだと思ってた」
女「へえ」
男「生まれ変わったら鷹になってかっこよく生きたかったんだけどな…また俺になるんだよな」
女「なんだ、鷹になんかなりたかったんだ?」
男「鷹ってかっこいいだろ」
女「そう思ってるのは人間だけだよ」
男「でも、なりたいんだよ」
女「はあ、アバウトだね」
男「お前だって猫とかになりたいだろ?」
女「私は誰にも嫌われない生き物になりたい」
男「そんな生き物いないだろ」
女「わかんないよ。いるかも知れないじゃん」
男「木なら嫌われないぞ」
女「木の寿命って長いんだよね。色んな生き物を味わいたいから木はヤダ」
男「あーそう…まあ、自分で選べる訳じゃないしな」
女「あ、そういやさ」
男「ん?」
女「さっきのループの話で気になる所あるんだけど」
男「なんだ?」
女「私たちが同じ人生を繰り返すんなら、周りの人も同じようにループしてるんだよね?」
男「そうなるな」
女「じゃあ、遥か昔から遥か未来まで、全人類の人生は決まってるってこと?」
男「…すまん、よく分からん」
女「例えばさ、私がどれだけ未来に貢献することをしたとしてもそれは決められたことな訳でしょ」
男「まあ、全く同じ人生を繰り返す訳だしな」
女「じゃあ100年未来に生きる人たちの人生も決まってる訳だよね」
男「…」
女「…例えばタイムマシンで男が生まれる前に男の母親を殺しちゃうと、この世に男は生まれないでしょ?」
男「そりゃあそうだろ」
女「でも、ループの話が本当なら、私たちが何をしても未来が変わることはないじゃん」
男「うん」
女「ということは、私たちがこれから歴史に残る重犯罪を犯しても、100年先の未来に生きる人たちは決められた人生を送るでしょ」
男「…つまり、例えば今世界情勢がひっくり返るようなことが起きても…」
女「未来の人たちは、全く同じ人生を辿る」
男「神サマは、世界が滅びるまでの全人類の人生を既に決めてしまってるのか」
女「まあ、ループが本当ならありえるかもね」
男「例え今俺がここで死んでも」
女「それは決められたこと、になるんだろうね」
男「…じゃあ、今から俺が何を言うかも、考えるかも」
女「全部、予定通り」
男「我ながら恐ろしいことを考えてしまったな」
女「本当かどうかなんて誰もわかんないし、深く考えない方がいいんじゃない?私は信じてないし」
男「でも、面白いな」
今回はここまでです
永劫回帰かな?
円環の理?
解こうと思ってもこんがらがって解けないやつ?
「こんな日が続けばいいのに」かな?
はぁ、俺まだループ8回目だわ
おはようございます、投下していきます
女「まあ面白いけど、あってほしくはない話だよね」
男「何で?」
女「これから先起きること全部決まってるなんて嫌じゃん」
男「んー…確かにそうだな」
女「どれだけ奇想天外がことしても決められてるもんね」
男「そう思うと嫌だな…でも」
女「でも?」
男「ループするってことは、殆ど死んでないようなもんなんじゃねえの」
女「同じこと繰り返す訳だしね」
男「そう思うと気楽だよ」
女「同じ人生を繰り返してると思うと虚しいけどね…」
男「それは、気の持ちようだろ」
女「自分で忘れた方がいいって言っておいてちょっと恐くなってきた」
男「なんかすまんね」
女「でももっと恐いのは」
男「恐いのは?」
女「ループする時に記憶が引き継がれたらって思うとだよね」
男「んー…」
女「『ああ、また同じ人生の始まりか』って思うと嫌じゃない?」
男「いや、記憶を引き継ぐとなると全く同じ人生を繰り返すことにはならないんじゃないか?」
女「何で?」
男「ほら、例えばあと5分後に俺が水を飲むとするだろ」
女「うん」
男「でも前の人生の記憶を持ってたら、水をあえて飲まないこともできる」
女「…だから?」
男「そんなことができるんだから、前と全く同じ人生を歩む訳じゃないだろ」
女「そんな些細なことでも?」
男「ああ。でも記憶を引き継いでいたら嫌だけどな」
女「何で?何が起こるか分かるんだよ?」
男「それは前の人生での話になるだろ?」
女「でも、大きな事件とかは一緒じゃない?」
男「前の人生の記憶があるなら、それを起こした張本人がまた起こすとは限らないし、周りの人も黙ってやらせはしないだろ」
女「それだと、また新しい疑問が出るよ」
男「え?」
女「例えば、今私が自殺したらすぐに新しい人生が始まる訳でしょ?」
男「まあ…多分そうだろ」
女「そこで始まる人生で出会う男は、一体誰になるんだろうね」
男「…どういうことだ?」
女「じゃあ、今の私の人生が10回目で、男も10回目だと仮定するでしょ」
男「おう」
女「今私が死んだら、11回目の人生が始まるよね」
男「そうだな」
女「そこで出会う男は何回目の人生の男なのかな、って」
男「あー…」
女「前提が変わると、もう1つの可能性も出てくるけどね」
男「前提?」
女「記憶を引き継ぐか否か」
男「それで変わるのか?」
女「もし記憶を引き継がないんだったら、ループする人生で出会う男は全部人形みたいなもんだよ」
男「に、人形?」
女「私も人形になるけどね」
男「どういう意味だよ」
女「皆、決められたことをただ忠実にこなす人形って訳。本人が自分の意思でやってようとね」
男「…んー、確かに人形っぽいな」
女「踊らされてるだけだよ」
男「それで、もう1つの可能性って何だよ」
女「記憶が引き継がれないとしたら、私たちは個々でループしてるんだと思う」
男「個々?」
女「平行世界みたいなやつかな」
男「…俺が今死んで新しい人生にループしても…」
女「私は私で、今の人生を送る。男の世界の私とは別人だね」
男「…何かやだな…」
女「平行世界で考えるなら、今地球上にいる全人類分の世界があるわけだね」
男「で、それぞれの世界に俺たちがいると」
女「そ。どこかの誰かの世界で今の私たちと同じ話をしてるかもね」
男「途端にスケールがでかくなったな」
女「だんだん楽しくなってきたね」
男「最初は渋ってたくせにな」
女「私こういうの好きかも」
男「何か意外だな」
女「ね、記憶が引き継がれた時の話まだ終わってないよね」
男「えー…」
女「私が今死んで11回目の人生を迎えた時、そこで出会う男はどうなのかって話」
男「お前が死んで11回目の人生を始めた時、俺はまだ10回目の人生な訳だよな…」
女「そうそう」
男「何か考えはないのか?」
女「今のところは…」
男「んー…」
女「…」
男「…分からん」
女「えー」
男「ただ、さっきの平行世界の考えならそれっぽい回答はできるぞ」
女「ほう」
男「今俺が死んでループしてもさ、周りにいる人間は人形なんだよ」
女「うんうん」
男「平行世界の考えで行くんなら、ここは俺の世界だ」
女「ある意味ね」
男「俺の言動1つで世界の動きが変わるんだよ」
女「世界は俺を中心に周ってるって?ジャイアニズムだね」
男「もし記憶を引き継いでいるなら、今こんな話はしてないかもな」
女「つまり?」
男「つまり…えっと」
女「ループしてるのは自分だけで、周りの人はただ用意されてるだけ?」
男「うーん…そうだな」
女「難しいね…」
男「だな…」
女「もっと何か無いの?」
男「…あ、もう1つ思いついたぞ」
女「なになに」
男「今あるこの世界が滅びるまでが1周って考え」
女「???」
今回はここまでです
自分で書いてて意味分からなくなる
仮に記憶持ち越しで毎回違う行動起こせるなら毎回違う歴史になる、
それこそ人類の絶滅が大幅に前倒しされたり、猿から人への進化すら起こらないという事すらあり得る訳で、ループ構造を維持できないんじゃないか?
記憶持ち越し且つちゃんとループするのなら、誕生時点の初期設定が同じな無数の世界がある事になりそう
>>29
>記憶持ち越し且つちゃんとループするのなら、誕生時点の初期設定が同じな無数の世界がある事になりそう
途中の記憶ありのループで平行世界になってる~って話はその考えでやってます
頭の中では分かってるんですが言葉で説明するとなると難しい(´・ω・`)
ゲームに例えてみよう。
世界が終わってから次の周→データ引き継ぎ(世界まるごと)2周目
個人個人で死亡したら次の周→セーブポイント(生まれた時)から再開
会話内容がディエスイレやデモンベインっぽい。
マスターテリオンやメルクリウスは無限を無限回ループしたらしいが、
生き生きしてる分メルクリウスの方がタフかもしれない。流石コズミック変態……
1:30頃更新します
支援
むしろ世界が滅びるまでが一周が先に浮かんだから人形説に驚いた
すいませんちょっと用事が入ったので遅れます
かなり遅れましたが投下していきます
男「だからさ、まずビッグバンが起こるだろ?で、その後色々星ができるんだっけ」
女「その辺りはよく知らない」
男「まあ、とにかく世界が創られるんだよ」
女「うん」
男「で、世界がいつか滅びるとするだろ。今から何千年先かわからないけど」
女「うんうん」
男「そしたら、また同じように世界が始まるんだ」
女「私たち個人がループするんじゃなく、世界そのものがループするの?」
男「そういうことだな」
女「記憶は?」
男「どっちもある」
女「どっちもあるって何よ…」
男「引き継がれる方と、引き継がれない方、両方の考えがあるってことな」
女「ああ、なるー」
男「引き継がれる場合だと、俺たちは存在してないかもしれないけどな」
女「何で?」
男「過去の人たちが史実と違うことをすれば、俺たちの先祖が死ぬ可能性だってあるし…」
女「そもそも、お父さんとお母さんがあえて出会わないことも?」
男「まあ、あり得るな」
女「やだなあ…」
男「その点、記憶が引き継がれない場合…」
女「私たちは、生まれることになる?」
男「分からんけど、可能性は高いと思う」
女「うーん…」
男「殆ど史実通りになるんだろうけど、毎回全く同じことをするとは限らないしな」
女「過去の人たちの決断1つで全部変わる可能性もあるしね」
男「そういうことだ」
女「…ね、もし本当にループしてるとしてさ」
男「ああ」
女「何で、ループなんかさせるんだろうね?」
男「…さあ、神様の考えることは分からないしな」
女「そこを考えるのが男でしょ」
男「んー…イマイチ思いつかない」
女「ダメだねー」
男「お前は何か考えあんのかよ」
女「あるよ!」
男(よくぞ聞いてくれましたみたいな顔してる…)
女「神様はね、最高の形を吟味してると思う」
男「最高の形?吟味?」
女「何回もループする中で、最高の世界が現れるのを待ってるんだと思うんだよね」
男「最高の形ってなんだよ」
女「…さあ、わかんない」
男「そこが一番大事だろ…あとな」
女「うん?」
男「それは俺たち個人がループする考えなのか、世界がループする考えなのかどっちなんだよ」
女「私は世界の方をイメージしてたよ」
男「そこはちゃんと考えておけよ」
女「だって個人のループの中から最高の人生を見つけるのって、凄く大変じゃない?」
男「神様なんだし、それくらいちょちょいのちょいだろ」
女「文句ばっか言ってないで、男も考えてよ」
男「へいへい」
女「ほら、何で世界はループしてると思う?」
男「その答えはお前と一緒だ」
女「えー、つまんない」
男「でもちょっとつけたしがあるぞ」
女「ほう!」
男「この世界の他にも、神様はいくつか世界を作ってるんだと思うんだよ」
女「他にも?」
男「最高の形の世界を探すとしたらさ、俺たちのいるこの世界だけじゃ効率悪いだろ」
女「だから、他にもいくつか世界を作ってどれもループさせる?」
男「そう」
女「じゃあ私たちのいる世界は、神様から見たら100番目の世界かもしれないってこと?」
男「そんな感じだな」
女「うわー…何か怖い」
男「どういう形で管理してるかは謎だけどな」
女「管理?」
男「もし俺たちの世界と他の世界が繋がることになったら大変だろ?」
女「まあ、そうだね」
男「だから、他の世界とは完全に隔離しなきゃならないんだよ」
女「でも、それくらいできるんじゃないの?」
男「メアリー・セレスト号って知ってるか?」
女「知らない」
男「1872年にポルトガル沖で、無人で漂流してるのを発見された船なんだ」
女「乗員が消えたってこと?」
男「様々な説があるんだよ。その船にはアルコールが入った樽が1700樽積まれてたんだ」
女「うん」
男「船が発見された時には、そのうちの9つが空になってたんだよ」
女「それで?」
男「アルコール樽が9つも漏れたとなると、それは大変な事態らしい。霧がたつくらいだそうだ」
女「うん」
男「船長は、航海中に船倉を開くように命令したんだ」
女「そしたら、アルコールが?」
男「そう。船倉に充満してた靄が激しく吹き出したんだよ」
女「おお…」
男「船が爆発すると考えた船長は、救命ボートに全員で避難したんだけど」
女「けど?」
男「焦るあまり、船と救命ボートと繋ぐ引き縄を上手く繋ぐことができなかった」
女「うんうん」
男「その後、強い風が吹くとボートは船から離される」
女「うわあ…」
男「その後は、溺れたか、飢餓か直射日光のために死んだとされてる」
女「…その話が、何なの?」
男「これはただ信憑性のある話ってだけ」
女「それで?」
男「俺が考えるのはさ、他の世界に消えたんじゃないかってこと」
女「え、隔離されてるんじゃないの?」
男「だから、多分完全には隔離されてないんだと思う。乗員全員、他の世界に移されたんだろうな」
女「そんなファンタジックな」
男「でも、こんな風に人が突然消える事件って一杯あるんだぞ?」
女「そうなの?」
男「ほら、神隠しとか聞いたことあるだろ」
女「あー、あるね」
男「それもさ、他の世界に行っちゃったと思うんだよな」
女「どうやって行くの?」
男「いや、方法なんて分からねえよ。突発的なものだし」
女「そういうとこは抜けてるよね」
男「そもそもただの意見なんだし、分かる訳が無いだろ…」
女「…はあ、飽きてきちゃった」
男「お前な…」
女「今日はそろそろ帰ろっかな」
男「じゃ、また明日な」
女「ん、バイバーイ」
男「おう」
ガチャ
男(…本当にループしてたら、怖いな…)
今回はここまでです
ベストエンド目指して無限と思えるほど繰り返してるんやで
17時頃おそらく更新します
すいません起きたら更新します
おはようございます
投下していきます
ーー後日、学校にてーー
男友「はあ…疲れた」
男「お疲れさん」
男友「おう、男か」
男「女友がお前のこと探してたぞ」
男友「え?」
男「電話したのにーとかわめいてた」
男友「マジだ、電話来てた」
男「正門前でうろちょろしてたし、行って来いよ」
男友「お前も来いよ。話終わったら飯食いに行こうぜ」
男「あー、まあいいけど」
男友「んじゃ行こうぜ」
男「すまん、俺も女に呼ばれてるんだよ」
男友「そうか、じゃあ終わったら連絡くれ」
男「おう」
男友「ほんじゃなー」
男「…さて、女に電話するか」ピッ
男「…あ、もしもし」
女『遅い!』
男「すまんすまん、男友探してたら時間かかってな」
女『じゃあ、許す』
男「よく分からん奴だな…で、用事って?」
女『日曜、服買いに行こーよ』
男「またか」
女『まただよ』
男「女友連れてけばいいんじゃないのか?」
女『女友ちゃん、センス悪いから…』
男「お前、最低だな…」
女『秘密だよ!』
男「分かってるって。じゃ、日曜な」
女『うん、また連絡するね』
男「あい」
女『バイバーイ』ピッ
男「男友、まだ正門にいんのかな」
男「とりあえずメールだけ送っておくか」
男「『こっち終わったしそっちも終わったら連絡くれ』」
男「うし、正門向かうか」
ーー正門ーー
男「おーい」
男友「おう」
男「結構時間かかったな」
男友「いや、今日遊びに行きたかったらしい」
男「じゃあ俺なんか優先しないで遊んでやれよ」
男友「ほら、男との約束の方が先だっただろ?俺はそういうのキッチリ守るんだよ」
男「お前、いつかフられるぞ」
男友「いや、付き合ってないからな」
男「無理して嘘つかなくていいからな」
男友「ほんとだって!」
男「大声出すと女友に聞かれるかもしれないぞ」
男友「…そうだな…」ボソボソ
男「いや、何もそんな小声にならんでも…」
男友「はっはっは、冗談だよ君」
男「お前結構おっさんだよな…勿体無い」
男友「それも魅力なんだよ」
男「ほんとにそう思ってるならお前はとんだ甘ちゃんだぜ」
男友「どっかで聞いたセリフ」
男「親父の受け売りだ」
男友「お前極稀に親父の真似するよな…」
男「ガハハ!違えねえ!」
男友「使い所違うだろ」
男「ツッコミ所も違うだろ!」
男友「ほら、早く行こうぜ」
男「くそ、何かムカつくな」
ーー食後ーー
男友「ふぃー」
男「お前ほんとよく食うよな」
男友「俺の腹はブラックホールだぜ」
男「よし、じゃあ焼肉を食いに行こうぜ」
男友「馬鹿野郎、焼肉はもっと特別な時に食いに行くんだよ」
男「逃げるのか」
男友「あ、タバコ吸いたいなー」
男「…」
男友「…吸いたいなー!」
男「またねーのかよ…」
男友「家に置いてきたんだよ」
男「持ってくればいいだろ」
男友「持ってくると消費量がハンパないからさ」
男「だからってタカるなよ…ほら」
男友「またマルメンかよ」
男「好きなんだよ」
男友「俺はあんま好きじゃないんだよな」
男「じゃあ返せ」
男友「いえいえ、いただきますとも」
男「はあ…そんで、この後どうすんだ?」
男友「お前の家行こうぜ」
男「何すんの?」
男友「…」
男「ノープランかよ」
男友「まあ、メンズトークに花を咲かそうぜ」
男「さぞかし穢れた花が咲くんだろうな」
男友「ガハハ!違えねえ!」
男「何、気に入った?」
男友「ちょっと好き」
男「使い所間違えると寒いだけだけどな」
男友「俺はそんなヘマしねえよ」
男「お前ならやってくれると信じているぞ」
男友「それも物真似か?」
男「最近言ってくれないから寂しいんだよな」
男友「一回親父に言ってみろよ。面白いぞ」
男「昔の話になりそうで嫌なんだよな」
ーー数分後、男宅ーー
男友「お邪魔しまーす」
男「さ、上がって上がってー」
男友「裏声で言うなよ、気色悪い」
男「え、可愛くなかった?」
男友「可愛いと思ったのか」
男「女に伝授してもらったんだけどな」
男友「お前と女、ほんと仲良いよな」
男「お前と女友ほどじゃないけどな」
男友「まあ、あいつとは中学からの縁だしな」
男「9年か、かなり長いな」
男友「何の話だよ」
男「もう結婚しろよ」
男友「だからそんなんじゃないって」
男「そこまで頑なに隠す意味が分からん」
男友「お前と女もだろ。隠してる」
男「いや、俺たちは本当に付き合ってないからな」
男友「それだよ。お前と一緒だって」
男「だから付き合ってないって」
男友「お前はそう言ってても、周りからはそう写るんだよ」
男「そんなもんか」
男友「そんなもんだ」
男「…で、暇なんだけど」
男友「ちょっと質問していい?」
男「どうぞ」
男友「お前と女ってちょくちょく2人で遊んでるけど、何してんの?」
男「自分のデートの参考にでもしたいのか」
男友「いやそんなんじゃなくて、単純に気になる」
男「いっつも俺が女の行きたい所に付き合わされてるだけだよ。昨日はたまたま話してばっかだったけど」
男友「行きたい所って?」
男「大体服だな」
男友「服か」
男「女友連れて行けばいいのにな」
男友「あいつは、センス悪いからな…絶望的に」
男「それ、女も言ってたな」
男友「大学での通称は『歩くランダマー』」
男「ランダマー…ランダム?」
男友「適当に服を選んでるようにしか見えないからそう名づけられた」
今回はここまでです
投下していきます
男「適当に服選んでも可愛くなりそうだけどな」
男友「それ以前に、服が微妙なのしかないのがな」
男「ああ、それはダメだな…」
男友「困ったもんだよ」
男「お前が服選んでやればいいんじゃないのか?」
男友「あいつ、1人で服買いに行くの好きだし無理」
男「無理やり追いていけよ」
男友「そんなことしたら俺が女友に『センス悪いな』って言ってるようなもんだろ」
男「いや、そこまで深く考えないだろ」
男友「あいつは考えるんだよ…」
男「めんどくさいな」
男友「そういやさ」
男 「ん?」
男友「お前、昨日たまたま話してたとか言ってたろ」
男「女とか?」
男友「そうそう」
男「それがなんなんだ」
男友「いや、どんな話してたのかなって」
男「ああ、ループについて話してた」
男友「ループ?」
男「そう、ループ」
男友「何か面白そうだな、聞かせろよ」
ーーーーーーーーーーーー
男友「へぇ…」
男「結構面白いだろ」
男友「本当にそうだったらと思うと怖いけどな」
男「まあ、あり得ないと思うけどな」
男友「でも、あながちそうじゃないように思ってしまうんだよな」
男「俺が言っておいてなんだけど、あんまり気にしすぎるのはやめとけよ」
男友「俺はそんなウジウジしてねーよ」
男「お前、結構考え込むタイプだしな」
男友「そうか?」
男「そうだよ」
男友「まあ、そうだとしても問題無いだろ」
男「何か1人で勝手な妄想しそうだしな…」
男友「それはお前だろ」
男「まあそうだけど…」
男友「でも、実際に起きてる事件のことも考えると真実味が出てくるよな」
男「メアリー・セレスト号か」
男友「それもだし、神隠しもあるしな」
男「神隠しって、結局は見つかってたりするんだよな」
男友「でも、別の世界に行って帰って来たって考えれば辻褄は合うだろ」
男「記憶は都合良く無くなってか?」
男友「あー…」
男「まあ、神様が消してるのかもしれないけど」
男友「記憶を?」
男「そう」
男友「消す理由は?」
男「こっちの世界に帰って来て、全く知らない別の世界の記憶持ってたらまずいだろ」
なんかNOeSISの千夜先輩と時雨が話してるみたいだなぁ…
男友「でも、周りの人からしたら混乱してるだけだろ」
男「神様は困るんだよ」
男友「他の世界の記憶持ってても、神様が特に困ることないだろ。何か行動を起こせる訳じゃあるまいし」
男「存在を知られること事態がやっかいなんだろ」
男友「そんなもんか?」
男「そんなもんだろ」
男友「テキトーだな」
男「考えても分からないしな」
男友「実はちょっとループしててほしい」
男「なんで?」
男友「死んでもまた同じような人生繰り返すんだろ?」
男「多分な」
男友「じゃあ、あんま悲観しないでいいな」
男「そうか?むしろ後から起こること全部決まってると思うと嫌だけどな」
男友「そんなの気にすんなよ」
男「いや、もし本当にループしてるとしたら気になるだろ」
男友「でも、女とループの話をするまでそんなこと全く意識してなかっただろ?」
男「まあな」
男友「じゃあ今まで通り過ごしてりゃいいんだよ」
男「それが難しいんだよ。一回そう考えてしまったらなかなか忘れられないし」
男友「そんなんだと、不幸になるぞ」
男「不幸?」
男友「今もし宝くじが当たったとしても、それも決まってることだと思うと素直に喜べないだろ?」
男「ん…まあな」
男友「だし、やっぱ考えないのが一番いいだろ」
男「そうだよな」
男友「大体、そんな人生つまらないだろ?」
男「面白い訳が無いだろ」
男友「じゃあ忘れろよ」
男「明日にでも記憶が消えてるといいんだけどな」
男友「それは都合良すぎる」
ーーーーーーーーーーーー
男「…で、お前今日どうすんの?」
男友「え?」
男「もう22時だけど」
男友「マジかよ」
男「泊まって行くか?」
男友「んー…」
男「俺はどっちでもいいけど」
男友「じゃ、お言葉に甘えて」
ーーその夜ーー
男「んー…」ゴロッ
男友「おっと」
男「…スー」
男友(こいつ、案外寝相悪いんだよな)
男友(回避回避…)
男友(…)
男友(……眠れねえなー)
男「…スー」
男友(…タバコ吸うか)
シュボッ
男友「…ふぅー…」
男友(男のループの話聞いたら眠れなくなったじゃねえか)
男友(自分で男に忘れろとか言っておきながら俺が忘れられなくなってる)
男友「…ふぅ…」
男友(…本当にありそうだから怖いんだよな…)
男友(…死ぬ前にも、俺はこんなこと考えてたのかな)
男友(男は、色んなループの仮説を言ってくれたけど)
男友(やっぱ世界が滅びるまで1周の仮説が一番しっくりくるな)
男友(けど、世界が滅びるってどこまでなんだ?)
男友(人類滅亡?地球爆発?)
男友(その辺、曖昧だよな)
男友「…はー…」
男友(…仮に、俺以外の人間全員が死んだら…)
男友(神様は、世界の滅亡と捉えてループさせるのかな?)
男友(もしそうなら、俺はループする瞬間を見れることになるのか?)
男友(…)
男友(…見てみたいな)
男友(まあ、無理だけど)
男友(…何か、神様の意表を突く事をしてみたいな)
男友「…ふー…」
男友(俺は延々とループするだけの人形じゃないってことを思い知らせてやりたい)
男友(それには…)
男友(…)
男友(…ループから抜け出すとかどうだ?)
男友(俺だけループから抜けて、本当の意味で人としての人生を全うする!)
男友(神様もびっくりだな)
男友(…まあ、そんなことできないけど)
今回はここまでです
>>68
普通というか、そこまで変わってない口調なので確かにゲームのキャラやアニメのキャラと被りそうですね(´・ω・` )
ーーその1時間前、女宅ーー
女友「でさ、男友がひどいんだって!」
女「何?」
女友「私より、男との約束を優先するんだよ!?」
女「まあ、仕方ないじゃん。先に約束してたのは男なんだし」
女友「ううー…」
女「でも、明日デートなんでしょ?」
女友「あ、いやデートとかじゃないよ!遊びに行くだけ!」
女「ふーん…」
女友「信じてないでしょー」
女「信じてるって」
女友「嘘っぽい」
女「…だって、女友と男友くん付き合ってるようにしか見えないし」
女友「それは男と女も一緒でしょ」
女「私達はまだ付き合ってないよ」
女友「まだ?」
女「そ、まだ」
女友「付き合う予定でもあるの?」
女「ううん」
女友「もー、訳わかんない」
女「私も男が好きだし、男も私のこと好きだと思うんだけど…」
女友「だけど?」
女「男がなかなか告白してくれないからさ」
女友「じゃ、女から告ればいいじゃん!」
女「んー、私そういうの嫌なんだよねー」
女友「そういうのって?」
女「何か、女の私から告白するってのが」
女友「んー、別に変わんないと思うけどね」
女「いや、何というか…」
女友「うん」
女「んとね、男には男らしい所を見せてもらいたいんだよね」
女友「男らしい?」
女「告白待ちの男子って何か嫌じゃない?」
女友「まあ、そういう言い方をしたら嫌だけど」
女「だから、男には告白っていう勇気ある行動をしてほしい」
女友「それが、男らしい?」
女「私はそう思う」
女友「何か、随分変なこと考えるねー」
女「めんどくさい女って言われるよ」
女友「男には、それ言ったの?」
女「言ってないよ」
女友「言わなきゃ、告白してくれないかもよ?」
女「男にさ、告白する手助けをしたくないんだよね」
女友「後押しみたいな?」
女「そ。自分で考えて自分の意思で告白してほしい」
女友「そこまでこだわるかなあ…」
女「きっかけはあげてるんだけどね」
女友「きっかけ?」
女「ちょくちょく遊びに誘ったりとかね」
女友「でも、言ってくれない?」
女「うん」
女友「やっぱ、ちょっと後押ししないとダメなんじゃない?」
女「そうなのかなー」
女友「それか、確信が持てないとか?」
女「確信?」
女友「女が男のことを好きなのかどうかっていう」
女「そんな勇気のいらない告白なんて求めてないよ…」
女友「でも、やっぱりフられたら嫌じゃん」
女「その時は自分に魅力が無かったってことで、自分を磨き直すよ」
女友「ポジティブだねー」
女「告白なんてそんなもんじゃない?」
女友「男の子はそう思わないんだろうね」
女「チキンだね」
女友「まあ、それが普通だと思うけどね…」
女「でも、誰かれ構わず告白してるのも嫌だけどね」
女友「あ、分かる」
女「数撃ちゃ当たるみたいなさ」
女友「一番嫌だよね」
女「高校の時さ、そんな奴いたんだよね」
女友「可愛いと思ったらすぐ告る感じ?」
女「Twitterとかmixiでさ、写真見て可愛い娘は皆フォローとかマイミクとか」
女友「うわー…」
女「付き合っても1、2週間で終わるしね」
女友「そりゃそうだよ」
女「で、別れたらすぐ次の女」
女友「最低だね!」
女「ひどいのがさ、付き合ってる最中に次の女をキープしてることだよ」
女友「え」
女「この女と別れてもすぐ次の女ができるようにしてるんだよ」
女友「ひどすぎるね」
女「最高何股までかけれるか挑戦してたこともあったみたい」
女友「うわ…」
女「やっぱ付き合うことってさ、そんな軽いことじゃないと思うんだよね」
女友「顔見て可愛いからってだけで付き合う人が多いよね」
女「そうそう。街中で口説く奴は何考えてるんだろうね」
女友「今時そんなのいるの?」
女「最近いなくなったけど、高校の時はよく口説かれたよ」
女友「まあ、こんな可愛い娘無視できないよね」
女「女友も可愛いじゃん」
女友「女には敵わないよ」
女「そう言うけど、大学じゃ女友の方が人気あるよ?」
女友「またまた」
女「男友と付き合ってる疑惑が浮かぶまでは、しょっちゅう私に間を取り持ってくれって言われてたし」
女友「そんなことあったんだ…」
女「女友はこんなにモテるのになんで私はモテないんだろうって思ったね!」
女友「いつから男と出会ったの?」
女「高1の時」
女友「その頃から?」
女「その時はまだ好きじゃなかったなー、あんまし仲良くなかったし」
女友「あれ、そうなんだ」
女「仲良くなったのは高2の終わり頃だね」
女友「きっかけは?」
女「たまたまバイトが同じだったんだよ」
女友「へぇー」
女「裏で休憩してたら、いきなり男が『うぃーっす』とか言って入って来てびっくりしたよ」
女友「あはは!」
女「その頃くらいかな、仲良くなったの」
女友「でも、その時点じゃまだ殆ど赤の他人でしょ?」
女「休憩中とか、バイト中に暇な時とか色々話してたんだけど」
女友「だんだん、好きになった?」
女「んーん。面白い人だなって思ったよ」
女友「どこのバイト?」
女「スーパーだよ」
女友「あれ、意外と地味だね」
女「男も私も同じ理由でスーパーのバイト選んでてびっくりしたよ」
女友「どんな理由?」
女「若い人がいなさそうってことで」
女友「え、普通逆じゃないの?」
女「私さ、同い年の人とあんまし上手く喋れないんだよね」
女友「でも、年上とか年下は大丈夫なの?」
女「うん、話しやすいし」
女友「そうかなー?」
女「年上だと敬語使っておけばいいし、話も合わせておくだけでいいし」
女友「年下とは?」
女「年下の子は話合わせてくれるから適当に話しておけばいいじゃん」
女友「同い年でも同じように話せばいいんじゃないの?」
女「んー…何か苦手なんだよね」
女友「変なの」
女「そういう人もいるってことだよ」
女友「そんなもんかなー……ふぁ」
女「もう寝る?」
女友「寝よ。瞼が重い…」
女「じゃ、電気消すねー」
女友「あーい」
女「おやすみー」
ーーーーーーーーーー
女「ん…」
???「嫌だ…死にたくない…」
女「え、な、何…?」
???「もうダメだ…俺達は、やり過ぎたんだ」
女「この人達、何を話してるの?」
???「2610年、8月3日。地球滅亡…」
女「え、滅亡…?」
???「嫌だ、まだ死にたくない!」
女「な、なんなの…?」
???「まさか、俺達が世界の終わりに立ち会うなんてな」
女「世界の、終わり…?」
???「人類の歴史は、ここで途絶えるのか…」
女「…なんなの…?」
???「神様、私の声が届いてますでしょうか?」
女「神様?」
???「私達は、このまま死に絶える運命なのでしょうか」
女「…神様に、話ができるの?」
???「誰だ!」
女「な、何!?」
???「世界は終わりを迎えました」
女「…凄い、浮いてる…」
???「この世界は、320万5931回目の世界です」
女「…もしかして」
???「何を訳の分からないことを言ってるんだ!」
女「ループする瞬間なのかな」
???「この世界は、また始まります」
女「ねえ、私の声が聞こえる?」
???「また始まる…?」
女「ねえ!」
???「あなた達は、今回も辿り着けませんでしたね…」
女「ダメ、聞こえてない…」
???「何の話をしてるんだ…?」
女「…なんなの…」
???「また、会いましょう」
女「あ、待って!」
???「おい、待て!」
女「訳分かんない…」
???「くそ、行っちまった」
女「ねえ、私が見える?」
???「おい、何だこの女は!」
女「!見えてるの?」
???「はっ、こんな時に女なんて、神様も気が利くな」
女「え、何…?」
???「どうせあと数分で俺達は死ぬんだ。楽しもうぜ」
女「嫌、来ないで…」
???「死にたくねえなぁ…」
女「嫌…」
???「なあ、俺達を解放してくれよ」
女「嫌ぁあああああああああ!!!」
ーーーーーーーーーーーー
今回はここまでです
最近ループ物の作品多いよな
ループもので一番面白かったのはFF零式ですかね(´・ω・` )
前半のストーリーと世界観も良かったですし
どうも
投下していきます
ーー男宅ーー
男「んー…」
男「よく寝たな」
男友「zzz…」
男「まだ寝てんのか…」
男「起きろ」ベシ
男友「ってえ!」
男「いつまで寝てんだ」
男友「今日休みだしいいだろ」
男「女友と遊びに行くんだろが」
男友「あ、忘れてた」
男「お前、最低だな…」
男友「今何時だ!」
男「もうすぐ11時」
男友「…男、風呂貸してくれ」
男「はあ…どうぞ」
男友「すまん、恩に着る!」
男「ふぁ…」
男「眠気覚ましに一本吸うか」シュボッ
男「…何か忘れてる気がすんな」
男「…」
男「まあいっか」
ーーーーーーーーーーー
男友「ふぃー…」
男「約束何時からなんだ?」
男友「12時」
男「あと30分しかないぞ」
男友「あいつ女の家にいるらしいから大丈夫だろ」
男「あいつの家車で20分くらいだぞ」
男友「待ち合わせ場所は駅だし、大丈夫」
ーー女宅ーー
女「っうわあ!」ガバッ
女友「うわっ!」
女「あ、ごめん…」
女友「おはよう、どうしたの?」
女「何か、凄くひどい夢を見た気がする…」
女友「大丈夫?汗びっしょりだよ」
女「…お風呂入って来る…」
女友「私はもう行くね、男友と約束だし」
女「ん、バイバイ」
女友「バイバーイ」ガチャ
女「…どんな夢だったっけ…」
ーーーーーーーーーーー
女「はぁ…スッキリした」
女「結局どんな夢か思い出せないし…」
女「恐ろしい夢だった感じはするんだけど」
女「…まあいっか」
女「…あ」
女「男と服買いに行く約束してたんだった!」
女「男から連絡来てるかな…」
女「…来てない…」
女「…とりあえず電話しよ」ピッ
女「…」
男『もしもーし』
女「もしもしじゃない。約束忘れたの?」
男『え、約束?』
女「まさか本当に忘れてる訳じゃないよね」
男『…』
女「…」
男『あ、服買いに行くんだったな!』
女「思い出すのが遅い!」
男『す、すいません!』
女「全く…」
男『今どこだ?』
女「家」
男『家かよ!』
女「だって男から連絡来ないし…」
男『え、お前から連絡するみたいなこと言ってたよな』
女「それでもこういうのは男から連絡するもんでしょ!」
男『えー…なんかすんません』
女「とりあえず駅に集合ね」
男『駅だと男友達と鉢合わせるし他の場所にしようぜ』
女「どこにする?」
男『んー…現地集合で』
女「じゃあ、店の前にいるからね」
男『おう』
女「あ、変な服着て来ないでよ!」
男『変な服ってなんだよ』
女「この前腹巻き巻いて来たでしょ!」
男『あれは親父の形見なんだよ』
女「男のお父さん死んでないでしょ!」
男『はっはっは』
女「何笑ってんの」
男『…』
女「何で黙んの!」
男『じゃあ、現地集合で』
女「ちょっとー!」
ピッ
女「切られた…」
女「本当たまに何考えてんのか分からないんだよね…」
女「…何着て行こっかな」
ーー男宅ーー
男「くっくっく…」
男友「完全に男だと思ってたな」
男「確実に怒られそうだけどな」
男友「まあ俺のせいにしといてくれ」
男「いやお前のせいだし当たり前だろ」
男友「友達だろ、そんなこと言うなよ」
男「どうでもええわ」
男友「照れんなって」
男「…お前時間大丈夫なのか」
男友「え?」
男「もう11時50分だけど」
男友「やべえええ!」
男「ほら、走れ走れー」
男友「じゃあ男、またな!」ガチャ
男「ん、じゃな」
男「さて、俺も準備するかな」
ーーーーーーーーーーーー
男「んー…」
男「ネタ要素が足りねえな」
男「ピンクパンサーの靴下履いてるけど靴下なんか見えねえし」
男「…あ、そういえば」
男「この棚にボタンを押したら鳥が飛び出る腕時計があったはず…」ガサガサ
男「…あれ、ない…」
男「そうだ…この前甥っ子にあげたんだった」
男「まずいな、このままじゃただの一般人だ」
男「何かねえかなー…」
今回はここまでです
1時頃更新します
間違えました、投下していきます
ーー駅前ーー
男友「やべえ15分遅れた」
男友「あいつどこだ?」
女友「…」
男友「明らかに不機嫌な顔してやがる…」
男友「…おーい」
女友「あ、遅い!」
男友「すまんすまん」
女友「はい、ビンタ」
男友「え、ちょっと待てよ」
女友「待たないよ?」ペチーン
男友「痛え…」
女友「ほら、行こ」
男友「へーい…」
ーー某服屋ーー
男友「え、服買うの?」
女友「え、ダメなの?」
男友「いやダメじゃないけどさ」
女友「じゃあ何さ」
男友「お前、いつも一人で買いに行くからさ」
女友「…最近ね」
男友「?」
女友「大学で、私の服のセンスが異常に悪いって噂を聞いたんだ…」
男友「…へー…」
女友「だから、男友に選んでもらおっかなって」
男友「女物の服とか分かんねえよ」
女友「えー…」
男友「店員さんに聞くなり、雑誌見るなりした方が早いんじゃねえ?」
女友「何か恥ずかしいじゃん」
男友「雑誌見るのは恥ずかしくないだろ」
女友「いや、雑誌に載ってる服買うと店員さんに『ああ、この人は雑誌見て買いに来たんだな』って思われるの嫌じゃん!恥ずかしいじゃん!」
男友(あんな服を着て来る方が恥ずかしいんじゃないのか)
女友「ねえ、どう思う?」
男友「どう思うって…そんな人いっぱいいるだろ。ほら、あそこにいる人達も雑誌片手に歩いてるぞ」
女友「あ、ほんとだ」
男友「これから一人で買いに来る時はそうした方がいいんじゃねえか?」
女友「んー…」
男友「大学で可愛くない服着てるとか言われるよりマシだろ」
女友「私、そんなセンス悪いかな?」
男友「…ノーコメント」
女友「その時点で悪いって言ってるようなもんじゃん」
男友「まあハッキリ言うと、中学生みたいな服はやめとけ」
女友「ええ、可愛いのに」
男友「お前、もう大人だろ…」
女友「そうだけどさ」
男友「…もしかして、キティちゃんパンツなんか履いてるんじゃないだろうな」
女友「…」
男友「…」
女友「あ、あそこに可愛い服あるよー!」
男友「おい、図星かよ!」
ーーーーーーーーーー
男友「どんだけ買うんだよ…」
女友「今日はもう買わないよ」
男友「10以上も袋抱えるなんて初めてだぞ」
女友「いい経験になったじゃん!」
男友「つか、どんだけ金あるんだよ…」
女友「昨日給料日だったからね」
男友「いや、バイトごときの給料でこんなに買えないだろ」
女友「1日7時間、週5日、時給900円でいくら稼げるでしょうか?」
男友「えー…」
女友「12万6000円でしたー!」
男友「…全部使ったのか…」
女友「ううん」
男友「え」
女友「あと500円あるよ」
男友「…飯おごってやるから、食いに行くか」
女友「え、いいのー?」
男友「いいもクソもお前今月どうする気なんだ?」
女友「貯金で何とかするよ」
男友「ちなみに貯金はいくらあるんだ」
女友「190万くらい」
男友「え」
女友「一ヶ月8万くらい貯めてた」
男友「つーか、1日7時間バイトって睡眠とかどうなってんだ」
女友「学校終わるのが19時で、そこから直にバイト」
男友「…終わるの夜中の2時じゃねーか!」
女友「でも、起きるのは7時半だし5じかん半は寝てるよ」
男友「…よく肌荒れたりしないな」
女友「えへへー」
男友「あんま無理すんなよ」
女友「大丈夫だよ、卒業したら1年くらいフリーターする予定だし」
男友「お前、それは堕落するフラグだぞ」
女友「バイトは続けるから大丈夫」
男友「どうせフリーターするんだったら、今やってるバイトの時間少しは縮めればいいだろ」
女友「最初はそう思ってたんだけど、慣れてきちゃって」
男友「あと2年もこんなの続けるのか?」
女友「うん」
男友「すげーな…俺なら1ヶ月も続かねーぞ」
女友「…目標があるからね」
男友「目標?」
女友「秘密だけどね!」
男友「気になるじゃん、教えろよ」
女友「卒業したらね!」
男友「待てない待てない」
女友「恥ずかしいから嫌」
男友「人に言えないようなことなのか?」
女友「んー…男友には言ってもいいことなんだけど…」
男友「じゃあいいじゃん」
女友「でも教えないよ」
男友「気になるからー」
女友「秘密秘密」
男友「ケチだな」
女友「ほら、早くご飯食いに行こ!」
男友「ちょっと待ってくれ、かなり歩きにくいから」
女友「3つくらい持ってあげるよ」
男友「いや、せめて半分持ってくれ」
女友「私力無いからさ」
男友「いや服だからな」
女友「塵も積もれば山となる」
男友「ガハハ!違えねえ!」
女友「何今のおっさん臭いの」
男友「男の親父さんの真似」
女友「どんなお父さんなの…」
男友「一回会ったけど、かなり気さくな人だぞ」
女友「ちょっと見てみたい」
男友「やめとけ、あの人女なら見境無く手ぇ出すからな」
女友「男友が守ってくれるから大丈夫だよね?」
男友「あの親父さん、元はライフセーバーだったらしいんだよ…」
女友「凄いじゃん!」
男友「一回腕相撲したんだけどさ」
女友「うん」
男友「ピクリとも動かなかった…」
女友「…」
男友「二の腕触らせてもらったんだけど、岩かと思ったぞ」
女友「…素敵なおじ様だね」
男友「顔が笑ってないぞ」
女友「…さ、ご飯食いに行こ」
男友「どんだけ恐れてんだよ」
男友「飯食いに行く前にさ、この服お前の家に置いてこようぜ」
女友「そうだね、邪魔だし」
男友「ついでに色々着てみればいいじゃん」
女友「…エッチ」
男友「うへへへへへ」
女友「変な笑い方すんな!」ゲシッ
男友「痛え!」
女友「ほらさっさと行くよ!」
男友「おい走んな!歩きにくいんだって!」
ーーーーーーーーーーーーー
男友「ふぃー…」ドサッ
女友「お疲れ様」
男友「走ったから余計疲れた」
女友「ね、ご飯作ってあげよっか?」
男友「え、いいのか」
女友「お父さんもお母さんも出かけてるみたいだし」
男友「じゃ、もらおっかな」
女友「私、料理は自信あるからね!」
男友「一回お前にダークマターを食わされた記憶があるんだが」
女友「大丈夫、修行したから!」
男友「…じゃあ、オムライス作ってみてくれ」
女友「かしこまりぃ!」
男友(まともなものができればいいんだけどな)
女友「ね、服部屋に置いておいてー」
男友「あいあい」
女友「漁ったりしないでよ!」
今回はここまでです
おつ
1時頃更新します
投下していきます
ーー某服屋ーー
男「うし、着いた」
女「あ、こっちこっ…ち…」
男「ひっひっひ」
女「ちょっと、何なのその変なイヤリング!」
男「え、皆のアイドルピンクパンサーだけど」
女「はい、外して」ブチッ
男「いってえええええ!」
女「穴空いてる訳じゃ無いんでしょうが…」
男「いや、痛いに決まってるだろ」
女「ほら、早く行こうよ」
男「ちょっと待って、まだズキズキしてるし…」
女「情けない…」
男「ほら、女も付けてみ?可愛いからさ」
女「悪意に満ちた顔やめて」
男「ウケとれる自信あったんだけどな」
女「どうでもいいところで自信つけるのやめて」
男「面白かっただろ?」
女「友達じゃなかったら笑ってたよ」
男「むしろ友達だから笑って欲しかったけどな…」
女(…いつまで、友達関係が続くんだろ…)
男「ん、治った」
女「とっくに痛み引いてたでしょ」
男「いや、尾を引く痛みだった」
女「はいはい、早く行くよ」
男「お前はおかんか」
女「誰がおかんやねん」ギュー
男「ちょ、耳たぶつまむな!」
ーーーーーーーーーーーー
女「ね、これ可愛くない?」
男「んー、俺はこっちの方が好きだな」
女「えー、この柄あんまし好きじゃないし」
男「じゃあこっちは」
女「あ、結構いいかも」
男「とりあえず、全部着て見せてくれよ。そうしないとよく分からん」
女「うん」
男「ほら、あそこの試着室空いてるぞ」
女「…覗かないでよね」
男「お前、それ毎回言うよな」
女「お約束でしょ」シャッ
男「漫画かって」
女「んー、何から着たらいいかな」
男「とりあえず、お前が一番可愛いと思ったの着てみろよ」
女「あーい」
男「早くしてくれよー」
女「分かってるよー」
男「…」
女(…男、今日こそ告白してくれるかな)
男「…」
女(これだけデートに誘ってるんだし、そろそろ言ってくれてもいいと思うんだけど…)
男「…」
女(女友ちゃんの言う通り、確信が持てないのかな)
男「…」
女(でも、さすがに気づいてくれてると思うけどなぁ…)
男「…おーい、まだかー」
女「あ、もういいよ!」
男「んじゃ、開けるぞ?」シャッ
女「ちょ、返事する前に開けるな!」
男「もういいって言っただろ…」
女「どう、似合ってる?」
男「…うん、似合ってる」
女「本当に?」
男「可愛くなってるぞ」
女「ニヤニヤしながら言うと説得力無いなぁ」
男「真顔でこんな恥ずかしいこと言えるかよ…」
女「んじゃ、次の服着てみるね!」
男「あ、写真撮るし待って」
女「え…」
男「ダメだった?」
女「う、ううんいいよ!」
女(何か男の携帯に写真として残ると思うと嬉しいな…)
男「他の服着た時に比べないといけないしな」
女「え」
男「え?」
女「…馬鹿」シャッ
男「あっちょ、おい!」
ーーーーーーーーーーーーーー
女「…」
男「いつまで不機嫌にしてるんだよ…」
女「…」
男「悪かったって…」
女「…何が悪かったって思ってるの?」
男「え、いやそれは…」
女「とりあえず謝っておけばいいって思ってるんでしょ?」
男「そんなことねえよ」
女「じゃあ、何で謝るの?」
男「お前が不機嫌になってる原因が俺にあったからだろ」
女「だから、それが何なのかって聞いてるの!」
男「…それは分からないけどさ…」
女「…はあ」
男「…」
女「もういい」
男「え、おい」
女「私帰るね」
男「いや、待てよ」
女「バイバイ」
男「…待てって!」ガシッ
女「…何」
男「…実は、分かるかもしれん」
女「…」
男「けど、恥ずかしいから言いたくなかった」
女「…」
男「…写真撮ろうとした時さ、お前がちょっと嬉しがってんの分かってたんだよ」
女「…ほんとに?」
男「…その後、何か恥ずかしくなって適当な理由でっち上げたんだけど…」
女「嘘っぽい」
男「ほんとだって!俺の目見てみろ」
女「…」ジッ
男「っ…」
女「…ほんとならさ、言えるようになったことあるんじゃない?」
男「…恥ずかしい」
女「私はまじめだよ」
男「分かってるよ」
女「恥ずかしいのなんてさ、一瞬だけだよ。言ってしまえば後は楽だって」
男「…まあ、そうだよな」
女「…」
男「…」
女「…」
男「…好きです、付き合って下さい」
女「…」
男「…おい」
女「ぷっ」
男「え」
女「あははははは!」
男「おい、笑うな!」
女「だって、古典的すぎるから、あははは!」
男「それしか思いつかなかったんだよ!」
女「ウケ取れる自信あるだけはあるね」
男「はあ、言わなきゃ良かった」
女「えへへ、嘘嘘」
男「…返事、聞かせてくれよ」
女「…明日言うね!」
男「え」
女「じゃ、バイバイ!」
男「ちょ、おい!」
ーーーーーーーーーーーー
ーー女宅ーー
女「うひひひひひひ」
女「やった、やったー!」
女「えへ、えへへへへ…」
女「嬉しい、嬉しいぃー!」ボフボフ
女「あー、返事明日にして良かった」
女「今日はこの余韻だけで幸せに過ごせそう…」
女「男、今頃ドキマギしてるかな?うひひ」
ーー男宅ーー
男「あいつ、あそこまで思わせぶりなこと言っておいて明日返事するってなんだよ…」
男「あいつ、俺のこと好きだったから喜んだんじゃねえのか」
男「ここまで言わせて実は嫌いでしたとか無いよな…」
男「いやでも、あいつよく遊びに誘ってくれるしな…」
男「俺の好きなはずだよな…」
男「いや、女だぞ。何か裏があるに決まってる」
男「けど、あの時なんかマジな感じしたしな…」
男「うわードギマギするー!」
男「気になる、めっちゃ気になる…」
男「早く明日になれよ…」
男「…眠れるかな…」
今回はここまでです
スレタイ忘れたけど交通事故にあって死んだ女を助けるために延々とループするみたいなssあったよな
毎回ループるする度にどっちかは助かってどっちかは死ぬっていうの
23:45分頃更新します
>>134
読んだことあるような気がします
ループものってバッドエンドが多い気がしますね
遅れましたが投下していきます
ーー後日、学校ーー
男「…」
男(あいつのせいで寝不足だ…)
男(会うのが楽しみなのか怖いのか…)
男友「おう!」
男「おーう…」
男友「どうした、目が死んでるぞ」
男「元からじゃ無かったっけ…」
男友「魂まで抜けてやがる…」
男「俺は疲れたよ」
男友「何かあったのか?」
男「いや、昨日女にさ…」
男友「…そうか、辛かったな。今日はサボって遊びに行くか?」
男「え、いやいいよ」
男友「無理すんなよ。傷心には憂さ晴らしが一番だぞ」
男「別に傷ついてねえよ」
男友「お前、意外とメンタル強いな…」
男「まあ、かなり悩んだけど…」
男友「やっぱ諦めきれねえよな」
男「え、うんまあそうかな」
男友「というか、お前ら両想いだと思ってたんだけど」
男「俺もそう思ってたんだけどな」
男友「まさか、女の奴他に男いたのか?」
男「え、おい嘘だろ」
男友「え?」
男「え?」
男友「…ちょっと待て、お前フられたんだじゃないのか」
男「何言ってんだ」
男友「え?」
男「え?」
男友「お前昨日女と何あったんだ?」
男「告白したんだよ」
男友「サラッと言ったな…」
男「隠してどうすんだよ」
男友「で?どうだったんだ?」
男「返事待ち」
男友「返事待ちって…いつ返事来るんだよ」
男「今日」
男友「ああ…お前、昨日寝れなかっただろ」
男「寝れる訳ねえだろ!」
男友「両想いだと思ってたら1日待ってだもんな」
男「罠かと思うと心配でたまらん」
男友「いや、絶対大丈夫だろ」
男「何でそんなこと言えんだよ」
男友「普段のお前ら見てるとな…」
男「でも心配なんだよ…」
男友「大丈夫だって。お前がフられたら俺の貯金全部やるよ」
男「お前貯金してたの?」
男友「してると思う?」
男「案外真面目だし、してそうな感じはするな」
男友「まあ、お前がびっくりする額があるな」
男「まじかよ、じゃあどっちしろ俺は幸せだな」
男友「十中八九フられないと思うけどな」
男「はあ…会うの怖えな」
男友「ほら、講義始まるし行こうぜ」
ーー一方その頃(5分前)ーー
女「おはよー」
女友「おはよー!」
女「何、なんかご機嫌だね」
女友「女もね」
女「分かる、分かる?」
女友「顔見てたら分かるよ、にやけてるもん」
女「うへへへへへへへ」
女友「何か、キャラ変わってる…」
女「いやー、未だににやけちゃうよ」
女友「なに、何かあったの?」
女「えへ、えへへへへ…」
女友「ダメだ、トランスしてる」
女「男にね、告白されたのー!」
女友「えええ!」
女「人生で一番気持ちいい瞬間だったよ…」
女友「何、やっぱキスとかしたの?」
女「ううん、まだ返事すらしてないよ」
女友「ええ?」
女「だって、告白された余韻に浸りたいじゃん!」
女友「いや、分かんないから…」
女「何かさ、こう、よく分かんないけどさ!」
女友「分かった、分かったから落ち着いて」
女「えへへへへへへへへ」
女友「で、いつ返事するの?」
女「今日の夜!」
女友「なんでまたそんな遅く…」
女「少しでも幸せを噛み締めたいじゃん!」
女友「別に、恋人同士になっても幸せは噛み締めれると思うけど?」
女「それはまた別の幸せなの!」
女友「訳分かんないなあ…」
女「それで、女友は何で嬉しそうな顔してたの?」
女友「そうそう、男友に料理褒められたんだよ!」
女「にひひひ」
女友「な、何で笑ってんの」
女「いやー、どう見ても付き合ってるようにしか見えなくて」
女友「うー…女と男が付き合ったら本当に付き合ってるかどうか教えてあげる」
女「もう分かってるからいいよー」
女友「…やっぱ、何かキャラ変わった気がする」
ーー18時頃ーー
男「終わった…終わったぞ…」
男友「気のせいか、頬骨が浮き上がって見えるな」
男「やつれたか…」
男友「どんだけ精神にダメージ行ってんだよ」
男「いや、誰でもすり減るだろ」
男友「まあ、ようやく解放されるんだし良かったな」
男「ああ、待ちわびた」
男友「とりあえず、探してこいよ。今日ずっと電話無視されてたんだろ?」
男「そうなんだよ…何でだろうな…」
男友(しまった、地雷踏んだ)
男「やっぱ俺のこと嫌いなのかな」
男友「そんなことねえって。電話で返事するより、会って直接言いたいんだろ」
男「だといいけどな…」
男友「ウジウジしててもしょうがねえだろ。ほら走れ!」
男「うーい…」タッタッタッ
男友「世話の焼ける」
女友「や」
男友「うぉおい!」
女友「何でそんなびっくりしてんの」
男友「誰だっていきなり出てこられたらびっくりするわ!」
女友「で、男なんであんなにやつれてんの?」
男友「女の返事待ちでかなりモヤモヤしてたっぽいな」
女友「女はその余韻に浸り過ぎてキャラ変わってたけどね」
男友「なんだかんだあいつらお似合いだよな」
女友「だよねー」
男友「女の性格がよく分からんけどな…」
女友「私達みたいにすぐ付き合ってすぐABCまで行くのかと思ってたけど」
男友「男シャイだしな、Cまでいけるかどうか」
女友「まあ、ゆっくり愛を育んで欲しいよね」
男友「…お前、何かババくさいこと言うな」
女友「誰がババアだって?」
男友「いや、ババアとは言ってない」
女友「…罰」
男友「ひぃ!」
ーー一方その頃ーー
男「はぁはぁ…」
女「男、久しぶりー♪」
男「はぁ…疲れた…」
女(ああヤバい、可愛い可愛い可愛い抱き締めたいいいいぃ!)
男「お前…何で…こんな…公園の隅っこにいんだよ…」
女「お疲れ様!」
男「で…昨日の…ことなんだけど…」
女「ああ、あれ?」
女(ちょっとやつれてる…いっぱい悩んだのかな)
男「そう、あれ…」
女「夜、返事するね!」
女(ああ、悩んでる男を想像するだけで…ああぁ!)
男「え」
女「じゃ!」
女(抑えて、抑えて…)
男「おい、マジかよ」
女「バイバーイ!」
男「…また生殺しかよ…」
男「うわー…夜っていつだよ…」
男「もう18時だし夜じゃねーか」
男「いや、18時は夕方か?」
男「…はあ…」シュボッ
男「…フー…」
???「どこの世界でもタバコは皆吸ってるね」
男「は?」
???「ううん、こっちの話」
男「???」
???「ね、君ループがどうのこうの話してたよね?」
男「…何で知ってるんだ」
???「さあ、…ねえ、何でだと思う?」
男「え?いや、知るかよ」
???「ほら、そこで考えることをやめるでしょ?だからいつまで経ってもそこにいるんだよ」
男「…お前誰だよ、好き勝手言いやがって」
???「さあ、ねえ、誰だと思う?」
男「知らねえって言ってるだろ!」
???「ほら、また同じ」
男「なんなんだよ、お前…」
???「私ね、少しは考えた人の前にこうして現れるんだけどね」
男「聞いてねえよ」
???「君で何人目だろうね。私と会う人」
男「聞いてねえって言ってんだろ!」
???「殴る?殴るの?」
男「…うるせえ!」
???「ほら、当たらない」
男「うあああああああ!」
???「私、ただここにいる訳じゃないんだよ?」
今回はここまでです
今回はここまでです
1時頃更新します
待機
遅れましたが投下していきます
男「はあ…はあ…」
???「ね、本当のこと、知りたい?」
男「何だよ…本当のことって…」
???「本当にループしてるかどうか、ね」
男「はあ?」
???「君、この前面白い話してたよね?」
男「…待て、とりあえず名乗れ」
???「ようやく頭冷えてきた?あと、名前は教えない」
男「…」
天使「でも、天使ってことは教えておくね」
男「天使…?ファンタジックだな」
天使「信じてないでしょ?」
男「…いや、あながち嘘じゃないだろうな」
天使「あれ、信じてくれるんだ」
男「体がすり抜けたり、知らないはずの話を知ってたり…」
天使「うんうん」
男「…信じておく」
天使「じゃあ、本題に入ろっか?」
男「本題?」
天使「ね、本当にループしてると思う?」
男「俺自身か、それとも世界が?」
天使「それは教えないよ」
男「ループしてるかどうかは知らねえよ。けど、可能性はあると思う」
天使「知りたい?」
男「教えてくれるのか」
天使「私の出す問題に正解したら、少しずつ教えてあげる」
男「少しずつ?」
天使「一気に全部教えちゃつまんないじゃん」
男「ゲーム感覚かよ」
天使「まあ、全部教えちゃってもいいんだけどね」
男「じゃあ、全部言えよ」
天使「…じゃあ、こうしよっか」
男「?」
天使「問題に正解したら、未来を教えてあげる」
男「そんなの知ってどうすんだよ」
天使「起こりうる未来を変えるの、結構楽しいよ?」
男「お前から教えてもらった未来が、本当に起きるかどうか分からないだろ」
天使「1問目に正解したら何もせず私が教えた未来通りになるか確かめればいいよ」
男「じゃあ、最初に教える未来は、国際的な事件にしろよ。本当に起きたら信じてやる」
天使「いいよ」
男「…で、ループしてるかどうかはいつ教えるんだよ」
天使「最後に出す問題に正解したら、全部教えるよ」
男「…なるほどね」
天使「どう、面白いよね?」
男「正直、今の時点でループしてるって言ってるようなもんだけどな」
天使「まあそう感じるだろうけど、そこはお楽しみだよ」
男(こいつ、案外馬鹿なんだな)
天使「どうする、受ける?」
男「いいよ、受けてやる」
天使「あ、参加費が必要だからね?」
男「参加費?」
天使「うん」
男「参加費ってなんだよ、まさか金じゃねえだろうな」
天使「ううん、君の大切なものだよ」
男「大切なもの…?」
天使「そう」
男「…それが無くなると、俺が問題に答えれないほどの状態になることはないよな?」
天使「さあ、人によるね」
男「…いいよ、やってやる」
天使「最後に聞くよ。本当にいいの?」
男「くどいな、さっさと始めろ」
天使「じゃ、君の大切なものをもらうね」
男「…」
天使「…はい、オッケー」
男「…?別段変化は無いけど…」
天使「家の中の何かが無くなってるかもね」
男「ああ…そういうことか。で、最初の問題は?」
天使「まあ1問目だし、サービスしとこっかな。私は一体何でしょう?」
男「…天使」
天使「はい、せいかーい!」
男「茶番じゃねえか」
天使「じゃ、未来を教えるね」
男「おう」
天使「…明日、○○○で壮大なテロが起きるね。死者は2000人弱、負傷者は5000人強」
男「おいおい、どんな規模のテロだよ」
天使「毒が死因になってるね」
男「海外は本当に物騒だな…まあ、明日のニュース待ちだな」
天使「じゃあ、また明日来るね」
男「おい、ちょっと待てよ」
天使「?」
男「これ、何問あるんだ?」
天使「んー、5問くらいかな」
男「アバウトだな、ハッキリしろよ」
天使「じゃ、5問」
男「今正解したから、あと4問だな?」
天使「そうなるね」
男「分かった」
天使「それじゃ」シュン
男「…消えた…」
男「…嘘じゃなさそうだな、あいつの言ってること」
男「でも、目的が分からないな…」
男「俺にループしてるかどうか教えて、何になるんだ?」
男「ただ楽しんでるだけなのか…?」
男「あいつの言った未来が本当なら、やる気も出てくるってもんだな」
男「…あ」
男「そういえば、大切なものってなんだったんだ?」
男「家の中の何かが無くなってるって言ってたけどな…」
男「…女に返事ももらわなくちゃいけないし」
男「一回帰って、夜まで待つか…」
ーーーーーーーーーーーー
ーー男宅ーー
男「んー…」
男「何も無くなった感じはしないけどな…」
男「テレビ、携帯、通帳…全部あるよな」
男「俺が分からないだけで、本当は何か無くなってるのか?」
男「…まあ、そのうち見つかるかな?」
男「…ふぁ」
男「昨日あんまり寝れなかったせいで眠いな…」
男「…3時間くらい寝るか、起きたらちょうどいい時間だし」
男「女、何考えてんだろな…」
男「分かんねーなぁ…」
男「ふぁあ…」
男「…寝よ」バフッ
男「………」
男「……」
男「…」
男「…zzz…」
ーー3時間後ーー
デューン、デューン、デューン
男「はっ」ガバッ
デューン、デューン、デューン
男「もうこんな時間か」
デューン、デューン、デューン
男「アラームうっせ」カチッ
男「…さて、電話してみるか」
男「…」ピッ
男「…」
男「…」
男「出ねえ」
男「まさか、寝てんのか?」
男「…何か、ムカつくな」
今回はここまでです
まさか……
起きたら更新します
恐らく夜中になると思います
投下していきます
ーー後日ーー
男「ん…」
男「…あ、寝てたのか…」
男「何時だろ…」
男「あああああっ!」
隣人『っせーぞ!』ドン
男「やべえ、もう講義始まってる…」
男「…はあ、まあ1日くらい大丈夫か」
男「なんかだるくなったし、もう少し寝よ」
男「…あ」
男「女から連絡来てねえかな」
男「あ、男友から電話かかってきてる」
男「今日休むってメールしとくか」
男「…女から連絡ねーじゃん!」
男「何これ、フラれたってことなのか」
男「…はぁ…」
男「…女が帰る頃に行ってみるか」
男「…憂鬱だな…」
男「…寝よ」
男「寝て忘れよう」
男「…はぁ」
男「……」
ーーーーーーーーーーーーーーー
ーー大学ーー
男友(あいつ今日サボんのかよ…)
男友(…まあ、いいけど)
友「なぁ」ヒソヒソ
男友「ん?」
友「男、今日サボり?」ヒソヒソ
男友「みたいだな、さっき休むってメールきた」ヒソヒソ
友「今日、女も来てないみたいだぜ」ヒソヒソ
男友「マジかよ」ヒソヒソ
友「これってもう、あいつら付き合ってるの確定じゃね?」ヒソヒソ
男友「あーあり得るな…」ヒソヒソ
友「くそ、羨ましい」ヒソヒソ
男友「彼女なんてすぐにできるぞ」ヒソヒソ
友「モテる奴に言われても嬉しくねえよ」ヒソヒソ
男友「そんなことねえよ」ヒソヒソ
友「謙遜されると逆にムカつくからやめろ」ヒソヒソ
男友「謙遜なんかしてねえよ」ヒソヒソ
友「やべ、教授こっち見てるぞ」ヒソヒソ
男友「何か言われる前に黙っとくか」ヒソヒソ
友「そうしよう」ヒソヒソ
男友(あいつら、今頃イチャイチャしてんのかね)
男友(付き合い始めだからって言ってサボるのはどうかと思うけどな)
男友(…何にせよ、おめでたいな。今度おごってやるか)
ーー18時頃、男宅ーー
男「ふぁ…」
男「お、ちょうどいい時間に起きたな」
男「とりあえず女に電話して…」ピッ
男「…」
男「出ねえ…どうなってんだ」ピッ
男「直接来いってことなのか?」
男「…めんどくせえけど、さっさと行くか」
ーーーーーーーーーーーーーーー
男「着いた着いた」
男「まずは、チャイム鳴らすか」ピンポーンピンポーン
男「…出ない?」
男「どうなってんだ?」
男「もう少し粘るか」ピンポーンピンポーン
???『…どなたですか』
男「あ、えっと男です」
???『…男くん?』
男「はい、女さんのお母さんですか?」
女母『…そうよ、久しぶりね』
男「あの、女いますか?」
女母『…女は、今病院にいるわ』
男「病院!?怪我でもしたんですか!?」
女母『…色々話がしたいわね』
男「え、あ、はい」
女母『待ってて、今開けるわ』
男(病院って…どういうことだ?)
ガチャ
女母「…上がって」
男「あ、お邪魔します…」
男(…顔色悪いな…)
男(女、そんな重症なのか…?)
ーーリビングーー
女母「…」
男「あの…それで、女は何で病院に?」
女母「昨日の夕方、急に脳内出血を起こして…」
男「脳内出血!?」
女母「…植物人間に、なってしまったわ」
男「…植物……人間…」
女母「…」
男「何で、そんな急に脳内出血が起きるんですか!?」
女母「分からないわ。医者はストレスかもしれないと言ってたけど…」
男「ストレスなんて…そんな」
女母「…私ね」
男「?」
女母「ストレスの原因…あなたにあるかもしれないと思うの」
男「…俺が?」
女母「女、よく男くんのことで話してたわ」
男「俺の話を…」
女母「よく言ってたわ。『今日もダメだった』、って」
男「…それは、どういう意味ですか?」
女母「私が聞く限り、あなたと付き合えないことにイライラしてたように感じたわ」
男「でも、大学ではそんな様子は少しも見せませんでした」
女母「あの子はそんな感情を表に出さないわ。あなたも分かるでしょう?」
男「…確かに…あいつはそういう奴でした」
女母「…」
男「…俺とあいつは、殆ど付き合ってる状態だと思ってます」
女母「…何を言い出すの?」
男「…昨日、あいつに告白しました」
女母「!」
男「あいつ、服を試着した時に『写真撮ってやろうか』って言ったら、表に出すまいと抑えてたみたいですけど…明らかに喜んでました」
女母「…あの子、嬉しすぎると隠し切れずににやけるのよね」
男「でも、返事はまだくれなくて…」
女母「多分、告白された余韻を楽しみたかったんじゃないかしら」
男「余韻?」
女母「一昨日帰って来た時、部屋でバタバタしてたわ」
男「…」
女母「男くんと進展あったのかと思ったけれど…本当だったのね」
男「だから、あんなに引き伸ばしたんですね」
女母「…あなたが原因な訳ないわよね」
男「…でも、俺が日々募らせたストレスが原因かもしれません」
女母「そんなことないわ。一昨日告白されたことで全部吹き飛んだはずよ」
男「…だといいんですが、やっぱり責任を感じずにはいられませんよ」
女母「…ごめんね、余計なこと言っちゃって」
男「いえ、いいんです」
女母「…本当にいい子ね。女の見る目は間違って無かったわね」
男「…」
女母「高3の頃かしらね。あの子があんなに顔真っ赤にして帰って来たの」
男「そんなことあったんですか?」
女母「聞いてみたら、『好きな人できた』って言ってたわ」
男「…それ、いつ頃でした?」
女母「曖昧だけど、春だったと思うわ」
男「多分、5月半ばじゃないですか?」
女母「ああ、それくらいだったわね」
男「俺、たまたまバイトの帰りが一緒になったんで送っていったんですよ」
女母「あら、そうだったの?」
男「その時、ちょっとしたことで手繋いじゃったんですよ」
女母「いいわねえ」
男「で、目合っちゃって」
女母「青春ね」
男「…俺は、女のことそれ以前から好きだったので顔真っ赤でした」
女母「女と一緒ね」
男「その後、全く目を合わせてくれなかったし、話してもくれなかったので嫌われたんだと思ってました」
女母「真実は真逆だったわね」
男「でも結局次の日、普通に話してくれたんですよね。『女って分からねえな』って思いました」
女母「ふふ、いい話ねえ」
男「…」
女母「男くん?」
男「…俺、悔しいです」
女母「…」
男「…一番大事な時に、いてやれなくて…」
女母「…男くん」
男「…あいつが大変なことになってるってのに、呑気に過ごして…!」
女母「…」
男「…あいつの…側に…ヒグッ…いて…グスッ…やれなくて…」
女母「…女に、会いに行ってあげて」
男「…?」
女母「今はお父さんがいるけど…女も、あなたに会いたがってるわ」
男「…けど…」
女母「…きっと、待ってるわ」
男「…そう、ですね」
女母「…ありがとうね」
男「…はい」
女母「…女を…見捨てないでね…!」
男「…誓います、必ず、見捨てません」
女母「ありがとうね…ありがとう…」
おつ
エイプリルフールのSSが完結したので0時頃投下します
遅れましたが投下していきます
ーー病院ーー
男「…すいません、女の病室ってどこですか?」
受付「女さんですね。少々お待ちください」
男「…」
男(…女の母さんの前では言わなかった…てか、言えなかったけど)
男(…天使のせいだよな、これ)
男(大切なものって…女だったのか)
受付「あの」
男(…安易な気持ちで、受けるんじゃなかった)
受付「あのー…」
男(こんなことに、なるなんて)
受付「もしもーし」
男「えっ、あ、はい!」
受付「えっと、女さんの病室、◯◯号室ですね」
男「えーっと、どうやって行けばいいんですかね」
受付「ああ、あそこの道をまっすぐ行って…」
ーー病室前ーー
男「…」
男(…女…)
コンコン
???「…どうぞ」
男「…失礼、します」ガラッ
女父「…男くん、久しぶりだね」
男「…ご無沙汰、してます…」
女父「…ほら、座って」
男「あ、ありがとうございます…」
女父「…」
男「…」
女父「…」
男「…すいません」
女父「…なぜ君が謝るのかね」
男「…分かりません」
女父「分からないか」
男「…すいません」
女父「…謝ってばかりだね、君は」フゥー
男「…」
女父「…君が謝ることはないさ」
男「…」
女父「むしろ、娘がこんなことになる前に気づいてやれなかった自分が憎い」
男「…俺も、同じ気持ちです」
女父「妻から話は聞いてるよ」
男「…俺が、できる限り側にいてやれば…こんなことにはならなのかったかもしれません」
女父「…過ぎたことを気にしていても、仕方がない」
男「けど、悔やみ切れません」
女父「私だって同じさ」
男「…俺、このまま生きていける自信がありません」
女父「…君はつくづく私と似ているな」
男「…」
女父「私の生き甲斐だって、娘だけだったさ」
男「…」
女父「…だがな、娘はまだ死んでいない」
男「…」
女父「植物人間が、回復する例もある」
男「…睡眠薬を投与したら回復する、ってやつですか」
女父「よく知っているな。とにかく私は娘のためなら手段は選ばんさ」
男「…」
女父「…今できるのは、娘に語りかけることだけだ」
男「…俺も、話してみていいですか」
女父「ああ、話してみるといい。…私は、少し席を外すよ」
男「…すいません、ありがとうございます」
女父「娘も、父親より彼氏がいた方が嬉しいだろうからな」
男「…女」
女「…」
男「…ごめんな、俺のせいで」
女「…」
男「…お前は、俺のせいって知らないかもしれないけど」
女「…」
男「俺が、あんなくだらないことに付き合ったばっかりに…」
女「…」
男「…許してもらおうとは思ってない」
女「…」
男「…けど」
女「…」
男「…償いとして、絶対にお前を助けてやる」
女「…」
男「俺が死んででも、お前を助けてやるからな」
女「…」
男「でもお前のことだから、回復した時に俺が死んでたら怒るよな」
女「…」
男「けど、何でそうしたのかって、分かってくれると思うんだよ。お前ならさ」
女「…」
男「…」
女「…」
男「…実は、寝てるフリだったとか、無しだからな」
女「…」
男「…何寝てんだよ」
女「…」
男「起きてくれよ」
女「…」
男「…起きろよ…」
女「…」
ーーーーーーーーーーーーー
ーー病院付近の公園ーー
男「…」
男「…出てこいよ」
男「…」
男「…来る訳無いか…」シュボッ
男「…フゥー…」
男「全部、俺のせいだもんな」
男「…はぁ…」
男「…」
男「明日、天使が言ってた予言の日だ」
男「その時に、あいつも出てくるはず」
男「…問い詰めてやる」
男「…絶対、諦めねえぞ」
ーー後日ーー
男「…まだ、ニュースは来ねえのか」
男「…ん…っ」
男「…さすがに寝てないから辛いな」
男「…けど、女があんな状態なのに寝てられるか」
TV『緊急速報です』
男「!」
TV『◯◯◯で、同時多発テロが起きました』
男「…マジかよ」
TV『人が集まる朝の時間帯を狙って、毒を散布するという極悪非道なテロで、警察は犯行目的の解明と共に原因の調査にあたっています』
天使「信じてもらえた?」
男「…ああ」
天使「良かったー」
男「…良くねえよ」
天使「何で?」
男「…お前のせいで、女は…!」
天使「別に私のせいじゃないよ。君にもちゃんと確認とったよね」
男「あんな曖昧なので、確認なんて言えるか!」
天使「でも、君は承諾したじゃん」
男「…ぐ…」
天使「…」
男「…今すぐ、このゲームをやめる…」
天使「…それでも、あの人の意識が戻る訳じゃないからね」
男「なっ」
天使「…じゃあ、こうしよう。最後の問題に正解したら、君の望みを叶えてあげる」
男「…何でもだな」
天使「約束するよ。でも、1つだけだからね」
男「絶対だぞ」
天使「それだけの代償を払ってるんだ。私も嘘はつかないよ」
男「じゃあ、次の問題、言えよ」
今回はここまでです
0時頃投下します
すいません…投下すると言っておきながら忙しくて全然できませんでした
今日の0時必ず更新します!
投下していきます
天使「はいじゃあ2問目。あなたの友達の男友くんは誰と付き合っているでしょうか?」
男「…ふざけてんのか」
天使「そんなことないよ」
男「問題が簡単過ぎるって意味じゃねえぞ」
天使「悪意は無いからね」
男「…てめぇ」
天使「…で、答えは?」
男「…女友…」
天使「はい、正解」
男「…」
天使「…明日」
男「…何が起きるんだよ」
天使「あなたの友達が1人、死ぬ」
男「!」
天使「死因は大量出血」
男「待て、誰が死ぬんだ!」
天使「いや、そこまでは教えないよ」
男「んな」
天使「だって、ゲームだしね」
男「…ってめぇ!」
天使「…でも、未来を変えることもできる」
男「あ?」
天使「…じゃあね」シュン
男「おい!」
男「…消えた」
男「…未来を変えることもできるって…」
男「未然に防げるってことか?」
男「…大量出血…」
男「…俺の知り合いに急にそんなことが起きそうな奴なんて…」
男「…」
男「…女…」
男「…いや、あいつは今植物状態なんだ」
男「…無いと思いたい」
男「…他に、そんなことが起きそうな奴はいない」
男「…」
男「事故って考えるのが一番いいのか?」
男「…通り魔に刺されるとか、車に轢かれて内蔵破裂とか…」
男「でも、事故だったら防ぐのは難しいな…」
男「起きるのが確実だとしても、誰に事故が起きるのかまでは分からないし」
男「…どうする?」
男「…」
男「待てよ」
男「ストーカーならどうだ?」
男「俺の知り合いの誰かに執着してる奴がいれば、そいつが一番怪しいか…?」
男「…」
男「…今はこの線で調べてみよう」
男「…Twitterで見てみるか。最近ストーカーの被害に遭ってる奴…」
男「…」
男「…」
男「…」
男「…!」
男「大西、こいつだ」
男「とりあえず電話だ」ピッ
男「…」
大西『もしもしー?』
男「大西、お前ストーカー被害に遭ってるんだって?」
大西『そうなんだよねー、最近しつこくて』
男「良かったら明日、俺がボディーガードしてやるよ」
大西『え、男って女と付き合ってるんじゃないの?』
男「…いや、違うよ」
男(女が今あんな状態だって知らないのか)
大西『…ふーん…じゃ、お願いしよっかな』
男「分かった。明日何時帰りだ?」
大西『明日バイト無いし、学校終わったらすぐ帰るつもりー』
男「じゃ、学校終わったら連絡くれ。すぐ向かうし」
大西『にしてもどうしたの?急にボディーガードなんて』
男「え?あー、何というかな」
大西『…』
男「んー…まあ、何でかな」
大西『…じゃ、明日までに考えておいてね!』
男「ん、分かった」
大西『楽しみにしてるからね!』
男「おう、じゃ」ピッ
男「…理由か…」
男「…何も考えてなかった」
男「…」
男「適当でいいか」
男「…あと3、4問だ」
男「待ってろよ…」
ーー後日ーー
男(…とりあえず大学来たけど)
男(…女があんな状況だし、ずっと女側にいたいんだけどな)
男(約束もあるし、仕方ないよな)
男(すまん女、お前が起きたら嫌がられる程側にいてやるからな)
男友「おう!」
男「ん、おう」
男友「お前、くまひどいぞ」
男「…あんまし寝てないからな」
男友「昨日一昨日と来てないのに寝てないのかよ」
男「忙しかったんだよ」
男友「…」
男「なんだよ」
男友「お前、何か隠してない?」
男「…いや、そんなことない」
男友「ほんとか?」
男「…ほんとだって」
男友「…何かあったんなら、相談してくれよ?」
男「…分かった」
男友「詳しくは聞かないけど、頑張れよ。無理せず休んでてもいいんだぞ」
男「大丈夫だって」
男友「ならいいけどな」
男「もうすぐ講義始まるぞ」
男友「え、あ、マジだ」
男「ほら、急ごうぜ」
男友「おう!」
男(…こいつ、普通に見抜いたな)
男(…まあ、女のこと、もう少しで広まるんだろうけどな…)
ーー放課後ーー
男「…ふう…」
男友「おう、お疲れ」
男「サンキュ」
男友「飯でも食いに行くか?」
男「すまん、ちょっと用事あるんだ」
男友「そうか、じゃあまた今度な」
男「おう」
男友「いや、明日食いに行くぞ!」
男「なんだよ、いきなり」
男友「いいからいいから」
男「…まあ、予定が入らなかったらな」
男友「おう」
男「じゃ、明日な」
男友「んじゃな!」
男「…あいつ、ほんといい奴だよな」
ピリリリリリリリリリリ
男「ん…もしもし」ピッ
大西『あ、学校終わったよー!』
男「こっちもちょうど終わったし、迎えに行くわ」
大西『じゃ、正門にいるし早く来てね!』
男「分かった」ピッ
男「…あいつの学校、どこだっけ…」
男「…」
男「…あ、意外と近いのか」
男「歩いて15分くらいかな」
ーーーーーーーーーーーーーーー
男「…あ、いた」
大西「あ、遅い!」
男「あーすまんすまん、ちょっと迷った」
大西「年上なのに情けない」
男「今更だけどお前敬語使えよ」
大西「男と私の仲じゃん」
男「いやそうだけどさ」
大西「はいゴチャゴチャ言わない!」
男「…まあ、いっか」
大西「ほら、早く行こ」
男「おう」
ーーーーーーーーーーーーーーー
大西「にしても何で私がストーカーに遭ってるって知ってたの?」
男「あー、たまたまTwitterで見たんだよ」
大西「あれ、そんなツイートしてたっけ」
男「してたぞ」
大西「記憶に無いなー」
男「で、ストーカーってどんな奴なんだ?」
大西「2コ上の人」
男「俺と同い年か」
今回はここまでです
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