季節外れネタ
ザッザッ
マルコ「うわぁ、すごい落ち葉だ…」
マルコ「掃いて集めたらこんなになったよ…」コンモリ
マルコ「はぁーあ、我ながらよくここまで一人でやったよ…」
マルコ「人手が足りないよな…全く…」
マルコ「…」
マルコ「…そういえばこの前皆で焼き芋やってたなぁ…」
マルコ「僕、なんだかんだで食べそこねちゃたんだよな…」
マルコ「食べたかったなあ…美味しいよね、焼き芋って」
マルコ「…」
マルコ「…よし!決めた!」
ザックザック
アニ(…あれは?)
マルコ「よっ!ほっ!」ザックザック
アニ「…あんた、何やってんの?」
マルコ「あ、アニ。見ての通りだよ」
アニ「穴を掘って落ち葉でも埋めるの?」
マルコ「はは、違うよ。焼き芋やろうと思って」
アニ「はぁ?一人で?」
マルコ「いや、この前皆が焼き芋やってたの知ってる?」
アニ「まぁ…」
マルコ「その時食べられなかったからちょっと悔しくなって…」
アニ「あんた、案外子どもっぽいんだね」
マルコ「そうかな…でも誰か来ると思ったから独り占めする気ではなかったよ。現にアニが来たし」
アニ「私は食べるとは一言も言ってないけど」
マルコ「でも食べるよな?」
アニ「…うん」
ザックザック
アニ「こんなところじゃない?」
マルコ「そうだな。それじゃあ落ち葉投入ー」ガサガサ
アニ「大量だね」
マルコ「この辺りずっと一人で掃除してたから…」
アニ「あんたって本当に真面目だね…」
マルコ「そうかな?」
アニ「他に人がいなきゃ適当にサボればいいのに」
マルコ「そうはいかないよ。結構人が通る場所だし、綺麗にしとかなきゃ」
アニ「…ふーん」
アニ「芋はまだ入れないの?」
マルコ「もう少し火が落ち着いてから。ちょっと枯れ枝も欲しいな…」
アニ「拾ってくるよ」
マルコ「お、ありがとう」
アニ「別に…」スタスタ
マルコ(なんだかんだでアニも焼き芋好きなんだろうな…)
アニ「こんなものでいい?」ガサガサ
マルコ「うん。ちょうどいい」
アニ「芋は?」
マルコ「もうちょっと待ってくれ」
アニ「うん」
マルコ「…アニも前の焼き芋いなかったっけ?」
アニ「私はあぁいう場に馴染まないでしょ」
マルコ「皆は歓迎してくれそうだけどな」
アニ「…さあね」
夜中に焼き芋の話をするなとあれほど…!!
続き楽しみにしてます
幼稚園の頃にやったなー
業務員さんや友達と一緒に新聞紙とアルミホイル巻いて
じっとできあがりを楽しみにしてたわ
期待
マルコ「そろそろかな」
アニ「芋いれていい?」
マルコ「うん。じゃあこの真ん中あたりに」
アニ「うん」ガサガサ
マルコ「上からまた被せて…それじゃ少し待とうか」
アニ「うん」
パチパチ
マルコ「…」
アニ「…」
マルコ「…」
アニ「…あったかい」
マルコ「そうだね…」
アニ「…うん」
マルコ「つい最近まで暑かったのに、季節が過ぎるのって早いね」
アニ「うん」
アニ「…寒いのは嫌い」
マルコ「まぁ好きって人はあんまりいないだろうな」
アニ「ここは酷く冷え込むんだね」
マルコ「地域差かな?アニはどこの出身だったけ?」
アニ「…人里離れた山奥だよ」
マルコ「ふーん…山奥の方が寒そうだけどな」
アニ「…うちは、暖かかったんだ」
マルコ「そうかー」
アニ「…この焚火も暖かいね」
マルコ「それは良かった」
アニ「ずっとここにいたい」
マルコ「うん」
マルコ「さっき季節が過ぎるのが早いって言ったけどさ、アニはこんな話知ってる?」
アニ「どんな?」
マルコ「小さいころと比べて時間が過ぎるの早いなーって思わない?」
アニ「分かるよ。昔、一日はもっと長かった」
マルコ「それがさ、年を取るにつれてどんどん時間が短くよね」
アニ「うん」
マルコ「きっと同じ一年でも5歳の子供とっては人生の5分の一だけど、50歳だとそれが50分の一になるせいじゃないかって僕は思うんだ」
アニ「それじゃあこれからもっと時間は速く過ぎるようになるんだね」
マルコ「うん。そうやって考えると人の一生の折り返し地点は18歳なんだってさ」
アニ「18歳までの体感時間と死ぬまでの体感時間は一緒ってこと?」
マルコ「あぁ」
アニ「あんた、いくつだったけ?」
マルコ「17だよ」
アニ「それじゃあ私と同い年だね」
マルコ「うん」
アニ「私たちは殆ど半分も生きたんだね」
マルコ「早いよな」
アニ「うん…」
アニ「まだ焼けないの?」
マルコ「うーん…30分ぐらいかかるかな」
アニ「意外と時間かかるんだね」
マルコ「焼き芋ってあんまりやったことない?」
アニ「いや…やったことはあるけどまだ小さかったから周りに全部任せてた気がする」
マルコ「アニの小さいころってなんか想像できないな」
アニ「私、意外と明るい子どもだったんだよ」
マルコ「あはは、アニがそんなこと言うなんて珍しいね」
アニ「…信じてないね」
アニ「あんたは小さいころから全く顔も性格も変わらないタイプでしょ?」
マルコ「あぁ…よく言われる…」
アニ「だろうね」
マルコ「全然家に帰ってないな…家族も、友達も今どうしてるんだろう…」
アニ「会いたいなら会いに行けばいいのに」
マルコ「…でも一旦帰ったらそこからまたここに戻ってくるのしんどくなりそうだし」
アニ「そう…」
アニ「まだ30分経たない?」
マルコ「まだ全然だから…アニってそんなに焼き芋好きなの?」
アニ「女の子は基本的に焼き芋大好きと思っていいよ」
マルコ「マジか」
アニ「貴重な甘味でもあるしね」
マルコ「アニって案外女の子っぽいよね」
アニ「案外、は余計だよ。私はちゃんと女の子だよ」
マルコ「ごめんごめん」
アニ「そんなんじゃモテないよ」
マルコ「うわぁ、刺さるなぁ」
期待、支援
焼き芋食べたい
炊飯器に薩摩芋セットした
のほほんとしてるのに何か寂しい…
相変わらず女の子の扱いに厳しいアニwww
雰囲気いいね
続き楽しみ
小学生のときアルミホイルに包んだ芋を焚き火に入れたら炭になったな
アニ「あんた、彼女の一人や二人いないの」
マルコ「いないよ」
アニ「やっぱりモテないんだね」
マルコ「うん、否定はしないよ…顔もイマイチなの自覚してるし」
アニ「…性格は同期の男子の中では一番だと思う」
マルコ「…フォローしてくれてるの?」
アニ「私が、お世辞言う人間だと思う?」
マルコ「…ありがたく受け取っておくよ」
マルコ「アニは?」
アニ「友達もいないのに恋人なんかいるわけないでしょ」
マルコ「アニってわざと一人でいるの?」
アニ「そうだね。一人の方が好き」
マルコ「…本当に?」
アニ「…ま、愛想もないしね。人も寄って来ないし」
マルコ「…」
マルコアニ((モテないって思ってるみたいだけど、意外と隠れファンがいることは黙っておこう…))
マルコ「うーん…早く焼けないかな…」ガサガサ
アニ「なんだかんだであんたも楽しみにしてるじゃない」
マルコ「そりゃ一人で準備始める程度にはね」
アニ「ところでまだ?」
マルコ「もう少しかな」
アニ「暇だね」
ライナー「…なんだ?」
マルコ「あ、ライナー、ベルトルト」
ライナー「マルコが焚き火してたのか」
ベルトルト「…冷えるね…」
ライナー「ここ、寒いな…」
マルコ「焚き火の周りは暖かいよ」
アニ「あんた達も来たの?」
ライナー「寒くてな…」
ライナー「そうか。実はさっきまで体動かしてたから腹が減ってたんだ」
ベルトルト「久しぶりに食べるなぁ…」
マルコ「お前達も焼き芋大会いなかったの?」
ライナー「あぁ。いろいろあってな」
マルコ「なんか前の欠席メンバーがちょうど集まったみたいだな」
ベルトルト「そうだね」
>>29ミス
マルコ「焚き火の近くに来なよ」
ライナー「あぁ」
ベルトルト「ありがとう」
マルコ「もう少し待てば焼き芋できるから食べてって」
ライナー「そうか。実はさっきまで体動かしてたから腹が減ってたんだ」
ベルトルト「久しぶりに食べるなぁ…」
マルコ「お前達も焼き芋大会いなかったの?」
ライナー「あぁ。いろいろあってな」
マルコ「なんか前の欠席メンバーがちょうど集まったみたいだな」
ベルトルト「そうだね」
>>16
更にもう一ヶ所訂正
17歳じゃなくて16歳だった
もうひとつの焼き芋大会か
大人っぽい人が揃うのもいいね
保守
マルコ「それにしても3人も来てくれてよかった」
アニ「結構な量のサツマイモ入れてたね」
マルコ「さすがに何本も食べれないからな。一人でやるのは寂しいし」
ライナー「こんな人気のない場所でよくやろうと思ったな」
マルコ「意外と人は通るよ?まぁお前達みたいにフラッてくる人が多いけど」
ベルトルト「確かに来ようと思ってくるところじゃないね」
アニ「もしかしたらサシャ辺りが嗅ぎつけてやってくるかもね」
ライナー「はは、どうだろうな」
マルコ「顔が笑ってないよ。ライナー」
マルコ「…」
ベルトルト「…どうかした?」
マルコ「いや…やっぱりデカいなと思って…」
ベルトルト「あぁ…」
マルコ「ベルトルトだけでなくライナーも相当デカいよね」
アニ「本当にね」
ライナー「お前から見たら大体の奴はデカいだろ」
アニ「またひっくり返りたいの?」
マルコ「まぁまぁ…何cm?」
ベルトルト「最後に測ったときが192だったかな」
ライナー「俺は185cmだな」
マルコ「デカいなぁー」
ベルトルト「大きくなりたくない」
ライナー「あぁ」
マルコ「もう十分デカいからね」
ベルトルト「これよりも高い景色を見たくない」
ライナー「…」
アニ「…」
マルコ「切実だね」
マルコ「さすがにもう伸びない?」
ベルトルト「さぁ…どうだろう…そろそろ止まって欲しい…」
ライナー「俺も、もういいな…」
アニ「…」
マルコ「わぁ、アニがすごい怖い顔してる…」
ライナー「アニはとっくの昔に止まってるだろ」
アニ「筋肉は増えてるよ。どうする?」シュッシュッ
ライナー「素振りやめろ」
ベルトルト「まぁもう測る機会もないだろうし…」
ライナー「そうだな」
マルコ「ベルトルトはもう少し頑張れば2m行くんじゃない?」
ベルトルト「はは、それは嫌だな」
マルコ「2m級」
ベルトルト「はは」
マルコ「顔が笑ってないよ」
ベルトルト「…アニ、珍しく髪を解いてるんだね」
アニ「あぁ、うん。ヘアゴムがどっかに行っちゃったんだ」
マルコ「確かにちょっと新鮮な感じするね」
アニ「ボサボサになるからあんまり下ろしたくないんだ」
ライナー「確かにすごくボサボサしてるな、今」
アニ「寝起きだからしょうがないでしょ」
マルコ「話変わるけどさ」
ライナー「おう」
マルコ「芋って喉につかえるよね」
アニ「うん」
マルコ「水がいるかな」
ライナー「あぁ…ていうか今喉がカラカラなんだ」
マルコ「体動かしてたんだっけ?じゃあ余計にいるね」
アニ「私もほしい」
ベルトルト「僕も。ここに来るまでは、あつくてあつくて、しょうがなかったんだ」
マルコ「通りで二人とも汗だくだった訳だ」
アニ「なにしてたの?」
ライナー「走ってた」
アニ「二人で?」
ベルトルト「いや、ライナーだけだ」
アニ「あんたはいつも汗かいてるからね」
ベルトルト「あついのは苦手だ…」
マルコ「最近はだいぶ涼しいけどね」
マルコ「じゃあ汲んでくるから火を見ててくれないか?」
ライナー「おう」
ベルトルト「…」
アニ「…」
ライナー「…」
アニ「…寒い」
ベルトルト「あぁ」
ライナー「そうだな」
マルコ「汲んできたよ」
ライナー「おぉ…すまんな…一口もらう」
ベルトルト「僕も」
マルコ「おいおい。一口どころじゃないだろ、それ」
マルコ「あぁぁぁー…また汲んでこなきゃ。桶がからっぽだ」
ライナー「す、すまん・・」
マルコ「お前達、どんだけ喉乾いてたんだよ」
アニ「さっきから気になってたんだけどさ、ここって寒いだけじゃなくてすごく静かなんだね」
マルコ「なかなかの穴場だろ。結構気に入ってはいるんだ」
ライナー「人は通るんだろ?」
マルコ「まぁ通るけど通るだけの人が多いかも」
アニ「こんなところで焼き芋する人はそんないないってことだね」
マルコ「ここでのんびり考え事とかするのもいいよ」
ライナー「そういうものなのか」
ベルトルト「マルコはどんなことを考えるの?」
マルコ「やっぱり王制とかについて考えることが多いな。アルミンともよく議論したし」
ライナー「お前、すごいな」
マルコ「好きなこと考えるのは楽しいじゃないか」
ライナー「お、どんぐりが落ちてるな」
マルコ「うん。焼く?」
アニ「焼いてどうすんの」
マルコ「案外美味しいかも」
ライナー「子どもの頃ってどんぐり集めたよなー…」
ベルトルト「うん。ポケットとかに入るだけ詰め込んで持って帰るんだよね」
アニ「で、それをしまっておくんだよね」
マルコ「自分の宝箱とかに入れたりしてね」
ベルトルト「そうそう」
ライナー「…」
ベルトルト「…」
アニ「…」
マルコ「…その後は皆共通の思い出があるよな…」
ライナー「あの光景は悪夢だ…」
アニ「まつぼっくり」
ライナー「ここ、いろいろ落ちてるな」
マルコ「焼く?」
アニ「あんた、なんでも焼きたがるね」
ベルトルト「まつぼっくりは拾い始めは楽しいけど、かさばるからあんまり集めないよね」
マルコ「でも綺麗な形の奴を厳選するのは好きだったな」
ライナー「あー分かる」
マルコ「…うん。そろそろいいかな」ガサガサ
アニ「本当に?」
ベルトルト「なんか、ごめんね」
マルコ「そんなそんな。むしろ食べてくれた方が嬉しい」
ライナー「すまんな」
マルコ「ライナーまで止めろよ。はい、焼き芋」
アニ「どうも」
マルコ「ほら、二人も」
ライナー「あぁ」
ベルトルト「ごめん」
マルコ「だからなんで謝るんだ?さ、早く食べよう」
マルコ「よかった。ちゃんと火は通ってるみたい」
ライナー「ホクホクしてるな」
ベルトルト「甘い」
マルコ「上手く焼けると中身が金色というかすごく綺麗な色になるよな」
アニ「熱い」
マルコ「焼きたてだしね」
アニ「熱い」
マルコ「もしかして焦げてた?」
アニ「いや、ちょうどいいけど」
ライナー「美味いぞ」
ベルトルト「美味しい」
マルコ「それじゃあなんでそんなに泣きそうな顔をしてるんだ」
ライナー「美味いな」
ベルトルト「あぁ」
ライナー「2本目いいか?」
ベルトルト「僕も」
マルコ「二人とも食べるの早くない?」
ベルトルト「お腹減ってて…」
マルコ「腹が減っては戦はできないからね。第二弾投入するか」ガサガサ
マルコ「ま、戦、って言っても、僕らはもう兵士ではないけれど」
マルコ「正直いってお前達三人が真っ先に来るとは思わなかった」
ライナー「…」
マルコ「死んだ訳ではないだろう?優秀なのにどうして兵士辞めたんだ?」
アニ「…」
マルコ「ここにいると向こうのことは何も分からないんだ。死者が天国から見てる、てのは迷信だったみたいだね」
ベルトルト「…」
マルコ「見に行けないことは無いんだけど…」
マルコ「一回皆の所に行ったらまた一人でここに来るのが苦しくなりそうだから…僕はずっとここにいるんだ」
アニ「…マルコ」
マルコ「うん?何?」
アニ「…ここは、夢の中なの?」
マルコ「うーん…そうかもしれないし、違うかもしれない」
ライナー「どういうことだ?」
マルコ「ここは…そうだな…簡潔に言うと兵士の墓場、かな」
ベルトルト「兵士の、墓場」
マルコ「とはいってもアニの言う通りただの夢かもね」
ライナー「結局どっちなんだ?」
マルコ「好きな方でいいよ。ここにいる僕だってお前たちの夢の中の存在で本物のマルコじゃないかもしれない」
アニ「訳が分からない」
ベルトルト「あの世、ではないのか?」
マルコ「そうだね。僕がいるからちょっとややこしいけど…ここは兵士から兵士じゃなくなった人が来るんだ」
ライナー「…」
アニ「私は、あんたがいたからすぐここは夢だって思ったんだ」
マルコ「うん」
アニ「あんたは訓練兵の時と変わらずに接してくれたから、その時の夢だと…」
マルコ「はは…まぁ僕は訓練兵にしかなれなかったからね」
アニ「…だから、向こうのことは忘れて、兵士でいてもいいかと、思ったんだ」
マルコ「ここに来る時点で兵士ではないけどな」
アニ「…そう…そうだったね」
ライナー「…マルコ、寒い」
マルコ「焚火にもっとよればいいじゃないか」
ベルトルト「寒いんだ…とても…」
マルコ「ベルトルトもか?」
ライナー「そうだよな…俺たちは、兵士じゃ、ないんだよな…」
マルコ「うん」
アニ「…寒い」
マルコ「そんなに?」
マルコ「ほら、もっと食べなよ。あったかいよ」
ライナー「あぁ…」
ベルトルト「ごめん…」
アニ「…」
マルコ「でも僕も久しぶりにお前達と話して訓練兵に戻ったみたいな気分になったよ」
ベルトルト「…マルコがそういう気持ちで話しててくれたから暖かかったんだ…」
マルコ「うん?何を言ってるんだ?」
アニ「焚火と芋じゃないんだよ」
マルコ「??」
ライナー「…マルコ、お前は、俺たちのことを知らないんだろ」
マルコ「知ってるよ。2位、3位、4位のミカサに次ぐ実力者。優秀な兵士だったじゃないか」
ベルトルト「そう、思ってくれてるのは、もうマルコしかいないんだ」
マルコ「なに?もしかしてすごく落ちこぼれちゃったとか…?いや、お前達に限ってそんな…」
アニ「…マルコだけが、私たちを変わらず兵士として扱ってくれたんだよ」
マルコ「だからここは兵士じゃない人がくるんだって」
ライナー「やめてくれ…」
ライナー「…俺たちはそろそろ戻らなくちゃいけない」
マルコ「もう?」
ベルトルト「やることがあるんだ」
マルコ「お腹はいっぱいになった?」
ライナー「さぁ…向こうに戻ったらまた腹ペコだろうな」
ベルトルト「久しぶりに物を食べたよ」
マルコ(二人とも、開拓地にでも行ったのかな…)
ライナー「アニ、お前はどうするんだ」
アニ「私はもう少しここにいる」
ベルトルト「そう」
マルコ「うん。それがいいよ。芋もあるしね」
アニ「…うん」
ライナー「マルコ…すまなかった…」
ベルトルト「…ごめん…」
マルコ「なんでさっきからそんなに謝るんだよ?そんなに今、食糧事情が厳しいのか?」
ライナー「…芋、美味かった。また、兵士に一瞬だけ戻れて楽しかった」
ベルトルト「…僕も、そうだ」
マルコ「だから、兵士じゃないって」
ベルトルト「…君と話してる間、僕たちは兵士だった」
マルコ「うーん?」
ライナー「…じゃあな」
マルコ「うん。さようなら」
ベルトルト「…アニも、また」
アニ「うん」
アニ「…」
マルコ「…どうした?アニ」
アニ「…目に煙が染みたんだよ」
マルコ「そんなに?」
アニ「私、さっきまで寝てたし」
マルコ「こんな時間まで寝てるなんて」
アニ「大きなお世話だよ」
マルコ「アニは兵士辞めた後、何やってるの?」
アニ「寝てるよ。ずっと」
マルコ「無職なんだ…」
アニ「寝るのが仕事だよ」
マルコ「そんな仕事あってたまるか」
アニ「さっきといい、あんたって意外と人の話信じないんだね」
マルコ「でも、その憲兵の制服はやっぱり羨ましいなぁ。辞めた後にもらえたの?」
アニ「さぁね…」
アニ「…あんたはこんなところにずっと一人で寂しくなかったの?」
マルコ「寂しかったよ。でも今はアニがいるし」
アニ「…私だってまた向こうに戻るかもしれないのに」
マルコ「その頃にはまた誰か…来てない方がいいのか。気長に芋でもまた焼いてるよ」
アニ「…そう」
マルコ「ほら、最後にいれた芋が焼きあがったみたい。どうぞ」
アニ「…ありがとう」
マルコ「どう?」
アニ「…あったかいよ」
…………
ユミル「よう。随分よく寝てたな」
ユミル「ん?あぁ、あいつはまだ寝てるよ。もうじき起きるんじゃないか?」
ユミル「…マルコ?あぁ…」
ユミル「…お前の夢の話にたいして興味ないね。さぁ、そろそろ行くか?」
ユミル「お前達の故郷へ」
おわり
乙です
クスってきて、後半切なくなった
同郷組とマルコの絡みは切ないと思っていたが、やっぱり切なかった…
乙、良かったぜ
久々に良いのに巡り会えた気分
会話のテンポが好きです、乙
良作age
ほっこりして、しんみりしてたら、「無職なんだ…」で吹いたwでも切ないわ…
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