亜里沙「・・・犯人はあなたですよね?」 (86)
海未「犯人は・・・あなたですね・・・?」を書かせていただいた者です。
海未「犯人は・・・あなたですね?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1382544459/)
関連はしてませんがトリックが少しかぶっているのでこれを見た後に見て頂ければ幸いです。
ラブライブで推理物をしたくなっただけです。
少しだけラブライブ!!と設定が違う所があります。
ある程度書いたら投稿していきます。
読みにくかったり矛盾点があったり誤字脱字があれば指導よろしくお願いします。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1392558513
前回のラブライブ!!
なんやかんやあって無事にラブライブを優勝した私たち!!
長期休みを祝してお祝い旅行をを企画した!!
旅行先は真姫ちゃんの別荘である無人島!!なんでもこの島は色々いわくつきなんだとか!
それでも関係ないよ!私たちは楽しむんだ!
無人島に着いたとき、私たちに新たな出会いが!!
穂乃果「雪穂!?どうしてここに!?」
絵里「亜里沙!?あなたもどうして!?」
雪穂「お姉ちゃんだけずるいんだよ!!私も行くもん!」
亜里沙「ハラショー・・・ここが無人島ですか・・・。」
こうしてお祝い旅行は11人で始まった!
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西木野総合病院院長室
真姫母「えぇ・・・真姫、よかったじゃない。続けてよかったでしょ?アイドル活動。うん、あ、ゴメン今忙しいからちょっと切るわね、うん。愛してるわ真姫。」
真姫母はそういって受話器を置いた。
席の前にはこの病院の幹部たちが電話が終わるのを今か今かと待っていた。
真姫母「ごめん、待たしたわね。次は弁護士さんから?繋いでちょうだい。」
秘書「はい、2番です。」
真姫母「それにしてもやっぱりダメかぁ・・・一応最善の手は打ったはずなんだけどねぇ・・・毎日毎日患者の事を思いながら仕事をして、手術前はお願いします。
どうかお願いしますって患者から拝まれて・・・それでいざ失敗したら裁判。やりきれない仕事よね。医者って。」
真姫母はため息をつきながら電話にでる。
真姫母「もしもし、お待たせしました。西木野です。さっそくですが要件に入らせていただいてもよろしいですか?いかがでしょうか?そちらは?」
弁護士「こんにちわ。さっそくですが良いニュースと悪いニュース。二つあるんですがどちらにしますか?」
真姫母「嫌いな物は先に食べる方かしらね。」
弁護士「わかりました。悪いニュースは先ほど相手が西木野総合病院を告発する準備に入ったということです。
今回のケースと類似した裁判を調べてみましたが原告が圧勝する判決が出されていました。
被告側も同じ内容で論戦しましたがダメでした。結論から申し上げますとこのままに裁判に臨めば九分九厘負ける事は濃厚です。その時の資料をお送りします。」
ファックスから届いた裁判の資料を見て頭を抱える真姫母。
真姫母「うちより有利な状況だったのに負けたのね・・・きっついなぁ・・・あ、それでいいニュースは?」
弁護士「原告と接触しました。改めて今回の事件を丁寧に説明し、こちらに謝罪の意思があることをお話ししました。」
真姫母「んで、結果は?」
弁護士「原告の出す条件を履行してくれれば告発は見送るそうです。ご遺族の方もあまり大げさにはしたくないみたいで。」
そっちからふっかけてきたのによく言うわ・・・ ただ金がほしいだけのくせに・・・ 真姫母はそう愚痴りたくなるのを抑えて、
真姫母「その条件って?やっぱり金?」
弁護士「はい。和解金額を望んでいます。それも相応の。しかし、話してみた感じ、向こうも急いで金がほしいようですので多少の緩和は持って行けるかと思います。でもそれでも・・・」
真姫母「お金はたくさんあったほうがいいってことね・・・わかったわ。先生。ありがとう。また何か進展があれば連絡してちょうだい。はい、はい、失礼します。」
真姫母はそう言って電話を置いた。
話の内容は幹部には聞こえなかったが想像できているようだった。
西木野総合病院が医療ミスで訴えられ、そのことについて弁護士と話しているようだ。
真姫母「簡単に言うと、金さえ積めば見逃してやるわって事みたいね。後はそこだけを争点にすればいい。」
医療ミスを論点にして争った場合、75%の確率で病院側が勝訴する。これは弁護士が医療に詳しくない事や証拠となるカルテが簡単に偽造できる、などが挙げられる。
しかし今回告訴してきた者は動きが綿密で素早かった。医療ミスに詳しい弁護士と早々と手を組み、ボイスレコーダー等を使って確たる証拠をつかんでいたのだ。
まともに裁判をしたらミスをした病院側が負けるのが当たり前だ。慰謝料を支払わなければいけない。が、真姫母が気にしているのはそこではなかった。
幹部「しかし院長、弁護士の示した和解金の額があまりに大きいです。とてもうちの金庫にそのようなお金は・・・。」
真姫母「銀行に借りる・・・ないわね。銀行は絶対に勝てる所しか金は貸さないしね。」
正直三千万以内であれば西木野家ならば余裕とは言えないが払えるつもりだった。しかし今回訴えられたのは、院長である真姫母の行った手術に対してなのだ。
まだ世間には公表されていないが、院長の医療ミスが暴露されれば裁判には敗訴し、莫大な財産を失う上で、業務上過失致死で良くて職をクビ、悪ければ逮捕されてしまう。
もちろん病院に対してのダメージは計り知れない。院長による医療ミス。マスコミは尾ひれはひれをつけて記事にするだろう。話題性は十分だ。
告訴側もそれを知ってか、膨大な金を要求してきた。その値段は世間から見ても金持ちな真姫母から見ても茫然としてしまう額だった。
職を失うのも逮捕されるのも真姫母としてはどちらも避けたい事態だった。しかし、和解金を払う金もない。
真姫母「銀行に借りる・・・ないわね。銀行は絶対に勝てる所しか金は貸さないしね。」
正直三千万以内であれば西木野家ならば余裕とは言えないが払えるつもりだった。しかし今回訴えられたのは、院長である真姫母の行った手術に対してなのだ。
まだ世間には公表されていないが、院長の医療ミスが暴露されれば裁判には敗訴し、莫大な財産を失う上で、業務上過失致死で良くて職をクビ、悪ければ逮捕されてしまう。
もちろん病院に対してのダメージは計り知れない。院長による医療ミス。マスコミは尾ひれはひれをつけて記事にするだろう。話題性は十分だ。
告訴側もそれを知ってか、膨大な金を要求してきた。その値段は世間から見ても金持ちな真姫母から見ても茫然としてしまう額だった。
職を失うのも逮捕されるのも真姫母としてはどちらも避けたい事態だった。しかし、和解金を払う金もない。
幹部「・・・院長、我々が把握していないお金はありますか?帳簿に載せられないお金です。」
真姫母「冗談はよしてちょうだい。あるわけないわ。そんなお金。」
幹部「ならば、金策がなければいけません。XXXXX円ものお金がないと・・・なんとかなりませんか!?」
真姫母につめよる幹部。
真姫母「落ち着きなさい。あなたたち。お金なら私がなんとかする。あなたたちは業務維持してちょうだい。お金を積めば大丈夫と向こうは言っているの。大丈夫よ。
ここさえ乗り切れば大丈夫。あなたたちは黙ってみてなさいな。」
幹部たちは子犬が怯えるような目で真姫母を見ていた。大丈夫。その言葉は自分に向けて言ってる様に見えたからだ。
そしてそれは当たっていて、真姫母には金銭に当てはなかった。正確にははっきりない、とは言えない。しかしそれはほぼおとぎ話のような物で・・・
真姫母は幹部が部屋から退室してからため息をついた。
真姫母は壁に飾ってある肖像画を見た。
そこには白髪の老人が移っていた。
真姫母「どうした物かしらねぇ・・・おじい様が隠した遺産が見つかれば・・・こんなおとぎ話に頼るようじゃ、私もお終いかしらね・・・。」
真姫家別荘
絵里「こら!ダメでしょ!勝手に来ちゃ!迷惑でしょ!!」
三泊四日でラブライブを優勝した記念にμ'sで西木野家の別荘にお泊りにきていた。場所は沖縄の本島から船で一時間の孤島である。
本来ならばメンバーだけのはずだったが・・・
雪穂「いやだって前回もお姉ちゃんたちだけで行ったしずるいもん!私たちも別荘行きたい!」
亜里沙「黙ってついてきて、本当にごめんなさい!でも私たちもみなさんと旅行に行きたかったんです!!」
穂乃果「とは言っても・・・ねぇ・・・。」
にこ「この二人誰なの?にこのファンかしら!?」
穂乃果「妹の雪穂だよ!」
絵里「同じく妹の亜里沙よ。私たちのファンらしいわ」
花陽「この娘たち私たちのライブの時によく来てくれた娘じゃないかな?何回も見たことあるよ。」
ことり「雪穂ちゃん久しぶり!私は二人くらいいいと思うよ!」
真姫「私もそう思うわ。二人くらい増えても大丈夫!そんな狭い家じゃないわ!今から船に乗せて帰れなんて言えないわよ。」
凛「真姫ちゃん太っ腹にゃ~。」ダキッ
穂乃果「真姫ちゃん大好き~!」ダキッ
真姫「ヴぇええ!ちょっやめなさいよ!」
希「嫌がってる様に見えへんなぁ~。」
雪穂「ありがとうございます!μ'sの方々と一緒に旅行したかったんです!将来はお姉ちゃんと同じ高校に行きたいと思っています!」
亜里沙「私もです!ありがとうございます!」
花陽「うれしそうですね。」
絵里「本当にいいの?迷惑じゃないかしら?」
真姫「未来の後輩の面倒を見るのも先輩の仕事でしょ?大丈夫よ部屋ならいっぱいあるし、食糧もたんまりあるしね。」
にこ(先輩風吹かしちゃう真姫ちゃんかわいい)
海未「そうですよ。亜里沙、雪歩さん、一緒に遊びましょう。」
こうして11人で真姫の別荘で遊ぶ事になった。雪穂と亜里沙はライブでは何回も見たことはあるが実際にこうして直に会って話すのは初めてだ。
船から降りて2分も歩けば別荘に着くらしい。玄関から歩いて二分歩いてリビングに着くと思うと中々遠い。
穂乃果「一体何時から知ってたの?今回の旅行黙っていたのに。」
雪穂「そりゃ二日前からお泊りセットと服を旅行鞄に閉まっていたら何かあるなって思うじゃん。」
亜里沙「私はお姉ちゃんから聞きましたよ?それを話したら穂乃果さんの後をついて行こうって雪穂が・・・。」
雪穂「そしたら何か船に乗っているからさ!こりゃあますます面白そうと思って乗ってみたって訳。いや~北の海に連れてかれるかと思ったよ。」
穂乃果「ドヤ顔で言わないの!」
ことり「まぁまぁ・・・それにしてもきれいな庭だね!ちゃんと整備とかしてるの?ライオンの像もいっぱいあるし。」
真姫「偶然親戚が止まったらしくてね。その時に整備してもらったんだって。」
凛「さすが金持ちだにゃ~。」
にこ「将来はここに住みたいわぁ。」
海未「でも夜は明かりがほとんどなくて怖そうですね・・・最低限の街灯はありますが・・・」
真姫「だから夜はなるべく外にでちゃだめよ?整備してない所は森みたいになってるから。狼はいないけど、虫とかはたくさんいると思うわよ」
穂乃果「海未ちゃんは怖がりだからなぁ~。」
海未「違います!!」
それから別荘についたメンバー+@は海で時間の限りを遊び尽くした。
メンバーと二人は開場で少ししゃべった事はあるものの、こうしてプライベートで会うのは海未と絵里、穂乃果以外は初めてだ。
しかし半日を一緒に遊んで過ごす頃には二人はメンバーとなじんでいた。
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19:00 別荘
絵里「にこ、ごはん美味しかったわよ。ありがと。」
ことり「ねーごはんおいしかったー」
にこ「最近のアイドルは料理もできないとダメよ。ま、にこは何でもできちゃうにっこにっこn」
絵里「明日の予定はどうしようかしら。本島まで戻って遊ぶ?それとも海で遊ぶ?」
真姫「ところがさっき天気予報を見たら明日は大雨らしいわよ?ついてないわね。昨日はテレビで言ってなかったのに・・・」
亜里沙「しょうがないですよ!明日はライブの話とか聞かせてほしいです!」
穂乃果「全然いいよ!確か別荘の地下にも遊び道具あったよね!そこでも遊ぼうよ!」
海未「あなたたち疲れてないんですか・・・ん?あれはなんですか?真姫・・・。」
食堂からリビングまで移動している最中、ホールを歩いていると。そこにはデカイ肖像画が壁にかかっていて、
その下には金色のデカイ石が置いてあった。周りにはライオンの像が置いてある。肖像画を祀っている様に見えた。
真姫「それはおじい様の肖像画よ。何年も前に亡くなったけどね。西木野総合病院を建てた人よ。」
ことり「へ~すごい人なんだね。」
肖像画はとても老人とは思えないほど若く書かれていた。年齢で言えば20~30代くらいだろうか?
凛「この石はとってもきれいにゃ~あれ?何か書かれているよ?」
金色の石には文字が彫ってあった。
希「何か宝物の在処でも書いてありそうな感じやね。」
真姫「それは碑文よ。」
花陽「碑文?」
真姫「おじい様が言うにはそこに書いてある暗号を解けば莫大な黄金を頂けるらしいわ。」
メンバーは一斉に首をかしげた。
亜里沙「黄金・・・?」
真姫「詳しくは知らないけどね。噂ではおじい様の遺産とか言われているけど・・・西木野家の親戚も合わせて何人もこの碑文に挑戦したけどいまだに解かれた事はないらしいわ。
それにその黄金が何を示しているのかもね。」
海未「碑文にはなんて書いてあるんですか?」
花陽「ええっとねぇ・・・」
碑文にはこう書いてあった。
『以下の碑文を解いたものに黄金を授ける。
火払いの印を志す王より命を承りし使い、川を三つ下ったその先に、二つの国有り。
一の国に三の村、二の国に四の村有り。
三の村に二十四の鍵、四の村に二十六の鍵有り。
使い、黄金に至る鍵を得る。
宮殿より古来から作られし鍵、
納殿の鍵、
庫理の鍵、
田の鍵。
これらを砕いて一つの鍵を作り、使い、黄金に至った。
鍵を一つにして二十の破片に砕き、三十七の欠片に分けよ。
六の欠片、九の欠片、十六の欠片、十八の欠片、三十六の欠片を引き抜いて鍵に合わせた者だけが黄金に至る。
Nishikino Laidourou 』
絵里「何これ・・・?」
海未「黄金・・・?」
雪穂「ほ~」
亜里沙「・・・これは・・・」
凛「意味がわからないにゃぁ~下に書いてあるのは名前?にしきの・・・らいどうろう・・・?」
真姫「おじい様の名前よ。この人が戦後、すぐに西木野総合病院を建てて、日本の医療を支えたと言われているわ。」
穂乃果「偉大な人なんだね!でも戦後すぐになんてよく建てる事ができたね!その頃は日本ってとても貧乏だったんでしょ?」
戦後日本は敗戦し、身分制度が崩落したと共に政府から援助金すら出せなくなるほど疲弊していた。
その上GHQにより様々な課税がつき、生活に困って屋敷を売っぱらったという話も珍しくない。
そんな中で病院を一個人が一から作るのは容易ではない。
真姫「うちは元々そんな裕福な家庭ではなかったらしいわ。おじい様も沖縄に徴兵させられたみたいだし。死んだおばあ様が言うには
戦争から帰ってきてからだそうよ。今の日本を見て、これじゃいけない。病院を作るって言って。」
凛「でもよくそんなお金あったもんだにゃ~どんな悪どい事をしたのかにゃ?」
花陽「り、凛ちゃん!」
真姫「いいのよ。誰だって気になるわ。おばあ様もママも聞いたらしいの。そしたら笑いながらはぐらかされて、王様にもらったからだって。」
絵里「王様に・・・?」
希「どういう事や・・・?」
真姫「わからないわ。今でもそのお金の出所は明らかになっていない。でもその後おじい様は本当に病院を建てた。いくらお金がかかったか知らないけどね。」
海未「・・・。」
真姫「その後、おじい様は死ぬ前にこの屋敷を建てさせて、このホールに石像?を建てさせたわ。内容を見てビックリしたわよ。
何せ黄金なんて単語が飛び交っているんですもの。人間ならちょっとは期待しちゃうわ。」
海未「つまりこういう事ですか?病院を建てた時の出所不明なお金の一部の在処がこの碑文に暗号として書かれている・・・と?」
真姫「親族はそう思ったみたいね。でも結局誰も解けないままおじい様は亡くなった。分からず仕舞いって訳よ。」
雪穂「なんだかロマンのある話ですね~。」
希「沖縄かぁ~黄金・・・なんか前に聞いたことがあるよな・・・。」
絵里「あら?どこで聞いたの?希。」
希「思い出せへんのや。まぁ大した事やないと思う。」
真姫「ね、・・・ねぇ皆、皆なら何か思いつかないかしら?この暗号を見て。」
穂乃果「うーんどうだろ~宮殿とか古来とか書いてあるから昔の話なんじゃないかな?とは思うけど。」
花陽「この最初の行からして意味が解らないですね・・・なんでしょう・・・『火払いの印を志す王』って・・・。」
真姫「多分これが分からないと何も進まないと思うわ。」
絵里「亜里沙、どう思う?」
希「亜里沙ちゃんには分からないやろ~」
絵里「こう見えて亜里沙は頭がいいわ。推理小説とか好きだし、ドラマとか見てもすぐ解いちゃうのよ。」
穂乃果「へぇ~頭の切れなら海未ちゃんも引けをとらないよ!ね!?海未ちゃん!」
海未「そんな事ないですよ穂乃果。辞めてください。」
皆の注目が二人に集まる。亜里沙はずっとこの暗号を見ていた。
亜里沙「全然あってるか自信はないんですけど・・・」
真姫「全然いいわよ。読んだ感想を聞かせてくれないかしら。」
絵里「適当でいいのよ。こんなのお遊びなんだから。」
亜里沙は皆から変な事で注目を集めてしまったと後悔する。・・・だがこれも旅行に参加した者として場を盛り上げる役を買って出る事にした。
亜里沙「まずこの暗号は三つに分かれていると思いました。」
希「どういうこと?」
亜里沙「そのままの意味です。この暗号は三つのパーツになって分ける事ができると思います。最初の一つは、
『三の村に二十四の鍵、四の村に二十六の鍵有り。』までの3行。ここまでが鍵の在処を探した最初の部分。
そして『これらを砕いて一つの鍵を作り、使い、黄金に至った。』までが鍵は何を使って作るのか、を示した部分。
残りがその鍵をどうやって作るのか、を示した部分だと思う。」
ことり「なるほどね。在処、鍵のパーツ、そして鍵の作成方法の話の三つに区分けできるね!」
真姫「でも問題なのはその中身よ。パーツと鍵、そして鍵があるならドアもあるはずよ。それらが分からないと・・・。」
亜里沙「その通りです。でも最初に出てくる『火払いの印を志す王』とはどういう意味なのかな・・?
普通に考えたら火に関係のある神・・・プロミネンスとか?」
絵里「神っていうだけでこの世には五万といるわよ?ギリシャとか・・・よく分からないけどいっぱいあるじゃない。それが特定できないと・・・。」
海未「この手の暗号は作り手の何特徴のあるキーパーソンに従って考えている事が多いと聞きます。例えば幼い頃の故郷の話とか・・・経験談とか・・・。」
真姫「生まれは東京だったそうだけど多分東京じゃないわ・・・おじい様は病院を建てた後世界中を旅していたもの。台湾とか、後は沖縄とか・・・。」
亜里沙「そこに何か『川』が関係している物はないですか?この暗号には川を三つ下っている。とありますよね?」
真姫「川・・・三・・・思いつかないわね・・・。」
凛「そもそも川だけで何個もあるにゃ・・・。」
絵里「それにそのおじい様が暗号に書いた時と今では区画整理などで地形も変わっているわ。調べるのは困難ね・・・。」
亜里沙「・・・多分、そういう話じゃないと思います。」
雪穂「どういう事!?」
亜里沙「『火払いの印を志す王より命を承りし使い、川を三つ下ったその先に、二つの国有り。』ここで一度改行されているの。
と、言うことはこれだけで何かが提示されているんじゃないかな?これを元に暗号を解いていくんだと思う。」
海未「何が提示されているんでしょう・・・でもこの行だけではっきりとした答えの一部、あるいはその解き方が出てくるとは思うんですが・・・」
希「ひょっとして何かの比喩かもしれへんで?最初の行の『王』とかもそのまんま火に関係している『王』じゃなくて何か別のかも。『川』もそうじゃないかな?」
海未「火払いの印を志す、というのが非常に気になります・・・ここだけ何か日本語としておかしい気がします。ここだけ無理やり暗号にした・・・
つまり『志す』という単語が文法を誤る原因になるにも関わらず残した。つまり何か重大なヒントになるのではないでしょうか?」
花陽「・・・?どういう事ですか?」
海未「例えばですが花陽、リンゴを答えとした時にあなたならどんな暗号を作りますか?」
花陽「えっ?うーん・・・赤い物体とか・・・赤い球体・・・とか・・・?」
海未「じゃあ、『リンゴナイフ』という全く関連性のない単語同士がくっついた単語が答えだったとしたらどうでしょうか?暗号を作るのが難しいと思いませんか?」
花陽「そう言われてみれば・・・」
海未「もし最初の1行が『リンゴナイフ』のように単語同士がくっついた単語が答えならば『火払いの印』+『志す』これで一つの単語として成り立つと思うんです。
もちろん、もともとの単語の意味が分からなければ意味は無いと思いますが・・・。」
亜里沙「私もそう思います。『火払い』の意味が解ればたぶん『志す』の意味も解りそうな気もしますね。
後は『川』で何をイメージするかですが・・・」
穂乃果「『川』かぁ・・・私は小さい頃に遊んだ水の滑り台を思い出すなぁ・・・水が上から下に流れていてね!
そこを滑るとスピードで下って行くんだ!」
真姫「上から下に・・・流れる・・・」
真姫「・・・」
希「真姫ちゃんどうしたん?」
真姫「いえ、な、なんでもないわ。」
ことり「他の行を二人はどう思うの?」
亜里沙「一の国に三の村、二の国に四の村有り。からの二行はさっぱりわかりません。これは多分火払いの~と連結している。最初の行が解ければ意味も解ると思います。」
雪穂「それが解けないかぎりこの二行を解こうとしても無駄って訳か~。」
にこ「結局『火払いの印を志す王』が解らないとどうしようも無いって訳ね。フンッ!時間を無駄にしたわね。」
凛「にこちゃんずっと寝てたにゃ~。」
にこ「うるさいわよ!!ちゃんと聞いてたわよ!」
にこ「川の話でしょ?そうね、私だったら船とかを連想するかしら。」
絵里「船?なんで?」
にこ「ほら、碑文?だっけ?を見てみると使いが王から命令を受けて何かを届けているように見えない?
それで川を下っている。ってことは下る乗り物が必要じゃないの?」
絵里「下る乗り物・・・」
真姫「下る・・・下り・・・下り・・・?乗り物・・・上がり・・・っ上がったり下りたりするもの・・・川・・・。」
にこ「まぁだから何だって話だけどね。」
海未「いいえ、何かヒントになるかもしれません。川から連想できる物、それくらいの抽象的なイメージの方が発想が柔軟になっていいと思います。」
ことり「そして川を三回下った先に二つの『国』の話がある。そしてそこで鍵を手に入れて黄金を見つける。」
凛「意味が解らないにゃ。」
希「『使い、黄金に至る鍵を得る。』からの六行はどうなんや?何か思いつく?」
亜里沙と海未は碑文をじっと見つめた。その奥を透かし見ようと言わんばかりに・・・
海未「・・・正直こっちから謎を解いていった方が早いかもしれないです。」
亜里沙「・・・そうですね。意味の解らない単語だとはいえ、解らないからこそ、比喩での難易度としては低いと思います。
穂乃果「・・・??どういうこと?意味が解らなければそれだけ難易度は高いと思うんだけど。」
海未「この暗号は真姫のおじい様だけが解るように、暗号製作者だけが解るように作ったのではなく、不特定多数の人間にも解けるように作ったのだと思うんです。」
亜里沙「つまり、一見意味の解らない単語でも、製作者がこの暗号を誰でも解けるように作ったのならば、この意味の解らない単語がそのまま答えの一部につながるのかもです。」
絵里「なるほどね。意味の解らない単語の比喩表現なんて探したら製作者か身内しか解けないわね。」
穂乃果「つまり考えるだけ無駄ってことか・・・案外調べたら簡単に出てくるかもね。」
雪穂「へ~。」
穂乃果「雪穂もう飽きてきたでしょ。」
雪穂「お姉ちゃんもさっき欠伸してるの見たよ。」
ドッアッハッハッハッ
絵里「あはは・・・じゃあ最後の三行はどうかしら?鍵を手に入れた後どうするかが、書かれているって事でいいのかしら?」
海未「そうですね・・・これを見てみると『鍵』は暗号とかキーワードの事を言っているように見えますね。という事は上の四つの鍵を解っても黄金にはたどり着けない。」
亜里沙「最後のこの鍵、キーワードを使って何かするんでしょう。でもそこまでは今の段階では・・・解りませんね。」
希「アナグラムって事やな・・・。」
凛「アナグラム?」
希「文字遊びの事や。国とか村とか出ているけどこれは別に地形の事を差しているんじゃなくて、一種のなぞなぞって事や。」
真姫「なるほどね。つまり最後の欠片がうんぬんってあるけど、欠片は文字の事で、上の暗号から出した言葉三十七文字の中から特定の文字を引き抜けって訳ね。」
穂乃果「そう考えると面白いね!ということはこの暗号の答えは五文字になる訳だ!」
海未「でもそうなるとこれは相当難しいです。その欠片が平仮名なのか漢字なのかローマ字なのか・・・」
それによっても変わってきます・・・。」
絵里「文字遊びは日本では子供の遊びって印象が強いけど、英語圏では頭のいい人のユーモアでもあるって聞くわ。
世界中を飛び回った真姫のおじい様も興味を持ったとしても考えられるわね。」
雪穂「zzz...」
ここで皆黙ってしまう。皆の話によりある程度の見解にたどる事は出来そうだが・・・後一歩でつまずいてしまう。
希「ま、今日はこんな所でいいやろ。続きは明日にしようや。」
絵里「そうね。気づいたら結構話し込んでしまったわ。もう寝ましょ?明日もあるんだし。」
海未「・・・」
亜里沙「・・・」
真姫「・・・」
穂乃果「そうだね。ほら、雪穂、起きて!」
ここでメンバーは解散した。真姫の別荘は広く3階建てだ。なので多少人数が増えても一人につき一部屋支給された。
真姫「鍵はなくさないでよね?これ一個しかないんだから。」
ことり「はーい。じゃ、また明日~お休み~」
雪歩「亜里沙、どうしたの?」
亜里沙「いえ、何か解りそうな気がするんですが・・・」
亜里沙は目をこすりながら、
亜里沙「もう眠くて限界・・・寝ます。お休みなさい。」
他のメンバーも自分の部屋に戻って言った。・・・一人以外は。
真姫「・・・」
真姫だけこの暗号を、碑文をずっと見ていた。碑文を解いたら黄金が、莫大な資産がもらえる。
今真姫が、いや、西木野家にとって一番喉から手が出るほどほしい物だ。
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回想
真姫母「どうした物かしらねぇ・・・おじい様が隠した遺産が見つかれば・・・こんなおとぎ話に頼るようじゃ、私もお終いかしらね・・・。」
バンッッ!
真姫「ねぇ・・・今の会話どういうこと!?」
真姫母「真姫っ!あんたいつから・・・。」
真姫「ママが幹部の人たちと言い争いをしている所からよ!ねぇ!?裁判とか借金とか聞こえたんだけどどういう事なの?全部話してよ!」
真姫母「あんたには関係ないわ。今すぐ出ていきなさい!」
真姫「ママ!」
真姫母「これは大人の問題よ。子供はひっこんでなさい。・・・大丈夫。なんでもないわ。解決できるから大丈夫よ。」
真姫「・・・ママ。」
それがやせ我慢な事は真姫母の手が震えている事からもよく分かった。
その後の真姫の行動は素早かった。あの部屋にいた幹部に事情を半分脅すように聞いた。
医療ミスで訴えられそうな事。和解金を積めばチャラになる事。その和解金の額がぶっ飛んでいる事まで。
真姫「お金がいる・・・。」
真姫「莫大なお金が・・・。」
真姫個人のお金は全て親からのお小遣いだ。温室育ちのお嬢様はバイトなんてしたことない。いや、していたとしてもあんな額払えるわけない。
そこで祖父の話を思い出した。隠し遺産の話を。これしかない。ちょうど来週にはメンバーとそこの別荘に行く予定だ。そこで解くしかない。
ドンナテヲツカッテデモ・・・
今日はここまでっす。続きは次の日っす。誤字脱字矛盾点などあったらよろしくです。
うみねこコラボ?
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真姫自信もう眠かった。しかし貴重な時間を無駄にはできない。今日と明日しかもうないのだ。
眠気と戦いながら、それでも少しずつ負けていく真姫。しかし寝る訳にはいかない。西木野病院を救うのは私しかできない。
ここで負ければどうなるのか。私たちは全てをはぎ取られてしまう。高校にすらもう通えなくなるのかもしれない。
メンバーとももう会えなくなるのかもしれない。そんな事は死んでもいやだった。もうすぐそこ、そこに黄金にたどり着く扉があるのだ。
それさえ、鍵さえ開けば・・・
真姫「そうよ扉に・・・碑文を読むの。力いっぱい!」
目を凝らす。黄金のある扉を力いっぱい。その奥を感じ取るように!
最初の行・・・『火払いの印を志す王』
真姫「火払いの印・・・を志す・・・王・・・火・・・そういえば昔おじいちゃんに・・・」
それは真姫がまだ子供の頃、祖父に祭りに連れて行ってもらった時の事・・・
ある演目をやっていて、それでその時に私は指を指して聞いたんだ・・・『あの形はなんだって・・・』
あの頃は幸せだったなぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・あの形・・・形・・・え・・・?」
真姫は眠気がぶっ飛ぶほど覚醒する。火払いの印ってもしかして・・・
真姫「あの形は確かああ言う意味で、でもえっとって事は・・・だめだ『志す』とはつながらないでもこれあってるはず!」
考えろ!真姫は頭をフルで回転させた。多分今が人生で一番集中しているかもしれない。これフロー状態だ、と真姫は思った。
真姫「でもまだうろ覚えだ・・・そうだ。ここには書庫はあったはず・・・調べなければ・・・その『形』を・・・」
真姫はふらつく足で書庫に向かった。
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書庫
書庫は百科事典など、まるで図書館に置いてあるような、そんな本がゴロゴロおいてあった。
この屋敷ではLANは引いてないからネットは使えない。スマホでネットはできるがかなり遅い。だったら本で調べたほうが早い・・・。
真姫は内側から鍵を閉めて本棚を眺めた。心臓がバクバクと飛び跳ねている。だが同時に高翌揚感も生まれつつあった。
真姫「これなら載っているかしら・・・」
真姫は本をパラパラと捲る。
真姫「やっぱりこれが・・・『火払いの印』!!!じゃ『志す』は・・・っ」
真姫は急いで違う本をパラパラめくる。それはある地域の歴史書だった。
真姫「海未達が言っていた。単語と単語をくっつけるって!!あっあぁっ・・・!これが・・・『火払いの印を志す王』!!!!」
なるほど、そういう意味か・・・でもこれだけわかっても次・・・川が解らない・・・川・・・川・・・
真姫「にこちゃんが言っていた・・・船が旅をするって・・・下る・・・上がる・・・あっ・・・」
あった!!!
真姫「国・・・あった!村も!これも!これも!!これなんだ!!!」
真姫の頭の中でピースが組みあがっていく。黄金の扉を開けるためのピースが。
真姫「鍵も解った!欠片も分かった!!これをこうして・・・できた・・・五文字!!」
でもこれが本当に答え・・・?
でてきた文字は何の脈絡もない文字・・・ここからどう発展させれば・・・そもそもこれを使ってどこに行き、何をすれば・・・
真姫「くそっ!」
思わず悪態をついてしまう。埃っぽい部屋にいたせいで髪はボサボサでとてもファンには見せられない。
真姫「ああああああ!!後少しなのよ!これがなんだっていうのよ!それともどっか間違っていたの!?」
真姫「文字遊び・・・そうだ文字遊びだ!」
真姫はその文字で色々試してみる。そして・・・。
真姫「これだ!!!これが黄金の扉への・・・鍵!!」
真姫「はぁはぁ・・・はぁ・・・」
真姫はため息をついた。だがこれをどうすればいいのか・・・扉はどこにあるのか・・・
真姫「にこちゃん・・・」
思わず便りになる先輩の名前を呼んでみる。あなたなら・・・。そういえばにこちゃんは最初に碑文を見たときこう言っていたっけ・・・。
にこ「あれ?そういえばなんでここだけXXXXなんだろ?」
真姫「!!!!そうか!そういう事だったんだ!!!」
真姫は書庫からでた。
真姫「・・・こっち?こっちよね?こいつが案内している・・・っ!!!」
そこにはポッカリと暗闇にまみれた穴があった。この別荘には何度か来たけどでもこんな穴は・・・ない!!
その穴に恐る恐ル入ってみる。目を凝らすと明かりを付けるスイッチがあった。それをつけるとそこには階段があった。
カツンカツンカツン・・・降りていく。何度か折り返していくと一つのドアがあった。そこにはこう書いてあった。
六の欠片、九の欠片、十六の欠片、十八の欠片、三十六の欠片を引き抜いて鍵に合わせた者だけが黄金に至る。
正解だ・・・爆発寸前の心臓がさらに跳ねる。間違いない。これは黄金の扉なのだ。
真姫はドアを開けた。
ギイイイイイイイイイイイイイイイイ
真姫「こ、これは・・・」
想像では牢屋みたいな鉄でできた部屋かと思っていた。がとんでもない。
ベッドにソファ、テレビなどホテルにあるような家具が一式そろっていた。
そしてその奥に・・・
真姫「・・・えっ・・・っ!!!!」
真姫のその声はまるでテストでまさかの100点を取った時のような声だった。
だってこれを見たらそんな声しか出ないに決まっているのだ。
真姫「あった・・・本当だ・・・あった!!!!!!!おじい様の・・・黄金!!!」
黄金がそれはそれは高く、真姫の身長、いや絵里の身長よりずっと高く深く積み上げられていたのだ。
金、金、金、金金金金金金金金!!!!黄金のインゴットの山!!!
それはこの部屋のように美しく積まれていて、赤い高級そうな布が掛けられていた。
真姫「見るだけでお金が取れそうね・・・」
これを見るだけで今の自分の悩みなんてどんだけちっぽけな事か。この沢山あるうちのほんの十個あれば悩みは解決するのだ。
これがどこからどうやって生まれたとかもうそんな事はどうでもよかった。
インゴットを触ってみる。触った後に素手で触った事を後悔したがこんなにいっぱいあるのだ。一つや二つ!!
真姫「重い・・・10kgはあるわね・・・」
真姫はこの暗号を聞いて昔無意味な計算をしたことがある。純金でできた黄金が1kgいくらなのか、という計算だ。
よくは覚えていないがこのインゴット一つで余裕で一千万以上はあるに違いない!!あぁ!!計算しておいてよかった!!
そんなバカな事しか考えられないくらい頭の中は空っぽだった。
でたらめに数えてもきっと百は絶対にある!
これ全部の値段を計算したら・・・
真姫「はぁ・・・はぁ・・・とにかくたくさんよたくさん!!!!」
もうまともに計算できない。いや、そもそももう計算なんてする必要はないかもしれない。
現実の世界に物は有限だから数字が生まれた。じゃあそれが無限にあるならば?もう計算なんてする必要はない!
もう真姫はお金の事で計算しなければいけない事なんて何も無いのだ。だって、ここには無限に近い価値を持つ黄金があるのだから!
真姫「見つけたわ・・・私が見つけた!!見つけたよ!!ママ!!これで病院も救える!!!・・・フフッふふふっふふふふふふあっはっはっはっはっはっはっはぁっーッコフーーッコフーー」
真姫は黄金の山を前にして両手を上に広げて天上を見上げた。下品な笑い声が部屋中を響き渡る。
真姫「はっはははははははははっ!!お金よりもこの世には素晴らしい物がある!!お金で買えない物なんていくらでもある!!そう思ってたわ!!
でも、そんなものは嘘だってはっきりわかったわ!!!そんなのはねぇ、持ってないやつの愚かな自分への言い訳だったのよ!」
真姫「この黄金を溶かす事で、この世のありとあらゆる幸せを得る事が、生み出す事ができる!!やったぁ!!やったぁ!!!うううううう!!!」
ギイイイイイイイイイイン
真姫「誰!?」
真姫はとっさに振り向く。ドアを開ける音がしたのだ。するとそこには・・・
真姫「XXXXXXX!?あなた何で・・・」
??「・・・」
??「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^
書きだめ終了
乙
二日目 10:00
綾瀬絵里の朝は早い。こんな時間に起きて何を言っているのかという話だが今日くらいはいいだろう。と絵里は自分を甘やかす。
思えばラブライブが終わってすぐに受験勉強に入ったからこうしてぐっすり眠った日は無かった様に思う。
後二か月ほどで私たち三年は卒業する。寂しい気持ちはあるが後悔は無い。ラブライブで優勝する事も出来たし、
そのおかげで入学希望者が多く入ってきた。理事長が言うにはこれが続けばしばらくは廃校の危機はないらしい。
一学生でありながら廃校をほぼ白紙に持っていく事が出来たのだ。悔いはない。
ふと窓を見ると昨日とは打って変わって天気は大雨。風は窓を叩いていた。どうやら天気予報は大当たりなようだ。
絵里「はぁ・・・」
まぁしょうがない。今日は皆と室内でいっぱい遊ぶとしよう。これからの事を思いながらリビングに向かって歩く。
絵里「あら・・・?」
リビングの扉の前には花陽がいた。何やら途方にくれているようだった。
絵里「おはよう花陽。どうしたの?」
花陽「あっ、おはよう絵里ちゃん。それが、リビングの鍵が開かなくて・・・。」
絵里「えっ?リビングの鍵が?おかしいわね、誰かしら・・・。」
この別荘の部屋の扉全てに言える事だが、扉は木製でガラスなどはついていない。つまり扉の向こう側を見ることは出来ない。
真姫が鍵を使って扉を施錠したのか、それとも中にメンバーの誰かがいて閉めたのか。しかし人の家の別荘で勝手に鍵を閉めるのはあまり常識ある行動ではない。
メンバーの中にそんな常識知らずがいるとは思えないが・・・。となると真姫が?いやでも私たちが泊まっているのに閉めるのは・・・
絵里「まぁいいわ。十時にここ集合のはずだから皆そろそろ来るでしょ。真姫も来るはずだから事情を聞きましょ?」
昨日は2Fのリビングで十時に集合と決めた。時間はすでに10時を少し過ぎていた。
5分後、穂乃果と凛が降りてきた。
穂乃果「いやーごめん!少し遅れてきちゃった!いやでも勘違いしないでね?決して朝ごはんが出来る時間帯を狙ったとかそういうんじゃないからーー」
凛「そうにゃそうにゃ!」
絵里「はーいわかりましたわかりました。たった今朝食の準備係が決まったわね。頼むわよ。あんたたち。」
穂乃果「えーー!?」
凛「あんまりだにゃ・・・。」
亜里沙「スイマセン遅れました!!」
雪穂「スイマセーン!!決して朝食がd・・・」
絵里「はいもう一人朝食係追加よー。」
雪穂「えーーー!?。」
亜里沙「ゴメン雪穂・・・」
穂乃果「でも皆どうして中に入らないの?」
絵里「鍵がかかっているのよ。真姫待ちよ。」
来ていないのは真姫、にこ、希、ことり、海未だ。にこはともかく、他はメンバーの中でも真面目な方だ。
特に自分に厳しい海未なんて十分前には到着しているんじゃないかと絵里は思っていた。
絵里「うーんどういうことかしら・・・」
絵里は腕を組み直す。その時、
にこ「皆遅れてごめん。」
真姫「・・・。」
穂乃果「二人とも遅刻だよ!!何してたのー?」
雪穂「お姉ちゃんも遅刻だったでしょ・・・。」
にこと真姫の顔を見てみると、にこは真姫を心配そうな顔をして見ている。真姫に至っては顔が真っ白だった。
絵里「真姫!?どうしたの!?すごい顔よ!?」
凛「どうしのかにゃ?まさか昨日はお楽しみって事なのかにゃ?」
凛がからかい半分でジョークを言う。いつもなら一言二言飛んでくる二人なのに、にこが凛を睨むだけで終わった。
どうやら本当に真姫は気分が悪そうだ。
にこ「さっきそこで会ったんだけど真姫ちゃんちょっと調子が悪いみたい・・・部屋で休ませようと思っていたんだけど・・・。」
真姫「昨日あまり寝つけなかっただけよ。朝食を食べたら少し寝るわ。どうせこんな雨じゃ今日は別荘でカンヅメだし・・・。」
真姫「・・・?ところでなんで入らないの?」
絵里「真姫じゃない・・・?じゃぁ誰が・・・。」
絵里は事情を話した。
真姫「そんなはずはないわ。鍵なんて閉めてない。でもわかったわ。管理室に行って取りに行ってくるわね。」
亜里沙「私も行きます。」
にこ「私も行くわ。こんな真姫ちゃんほっとけないもの。」
真姫「・・・ありがと・・・。」
三人は管理室に向かった。
ここで別荘の間取りを簡単に説明しておく。
三階建てと地下室で、一階にホール、管理室、リビングがあり、二階と三階にリビングが一つと客間が六つずつある。地下室は一部屋だけだ。
管理室とは名ばかりで実際は物置小屋の様だった。亜里沙は中学校の体育倉庫を思い出した。
真姫「鍵は全部ここに入っているんだけど・・・えーと・・・」
壁には鍵がかかっていた。鍵はたくさんあったが鍵にはそれぞれ何階のどこの鍵か書いてあるのでどれがどの鍵かすぐに判るのだが・・・。
真姫「あれ・・・?」
亜里沙「どうしたんですか?」
真姫「鍵がないのよね・・・。」
にこ「えっ?」
真姫「おっかしいわねぇ・・・最初この別荘の部屋の鍵は全部閉まっていて、その時に鍵を使ったから昨日まではあったのよね・・・。」
にこ「私たちも鍵で開ける所は見たよね?」
亜里沙「はい。見ましたね。その後鍵はどうしたんですか?」
真姫「確か・・・っ!そうだっ海未ちゃんが下に行くからって言ったから一緒に鍵を戻してもらったんだった。」
亜里沙「じゃあその時に海未さんがどこか違う所に置いてしまったのかもしれませんね。」
にこ「そうね。もう全員揃っているでしょ。上に戻りましょ。」
真姫は頷きながらもおかしいと思っていた。鍵のかかっている所は管理室に入ってからすぐに見える所にある。
管理室にもし一回でも入っていたならすぐに気づくはずなのだ。
まぁ単純に鍵を置くの忘れたのだろうと真姫は自分を納得させて三階に戻った。
絵里「あ、お帰りなさい。鍵はあったの?」
にこ「それが・・・。」
亜里沙「無かったんです。多分海未さんが持っていると思うんですけど・・・海未さん達はまだ来てないんですか?」
穂乃果「そうなんだよねー。一人なら分かるんだけど三人かぁー。何かあったのかな?」
絵里「靴はあったから外には出てないはずよ。・・・まぁそもそもどこにでるのって感じなんだけど・・・。」
外は雨と風でどしゃぶりだ。ドアを開ければ雨が玄関を勢いよく濡らすだろう。しかし、さきほど管理室に向かった時、玄関をのぞいてみたがドアを開けた形跡は無かった。
絵里「しょうがないわね。呼びに行きますか。しょうがないわねー。」
メンバーは海未の部屋に向かった。
2F 海未の部屋前 10:30
絵里「海未ー朝よー海未ー。」
絵里がドアをノックする。コンコン、コンコン。
返事はなかった。耳を澄ましてみるが何も聞こえない。
ドアノブを捻ってみるがドアは開かなかった。
にこ「・・・?」
亜里沙「開きませんね・・・。」
絵里「うーん・・・。」
亜里沙「穂乃果さん、海未さんは何か持病とかありますか?」
穂乃果「うーん・・・聞いたことないなぁ・・・。でも何でそんな事を・・・?」
亜里沙「いえ・・・もしかしたら何かアクシデントがあって倒れているんじゃないかと思って・・・。」
花陽「もしそれが本当なら早く開けないと!」
亜里沙「落ち着いてください!まさかの話をしただけです。もしかしたらただ眠りが深いのかもしれません。」
絵里「そうね。とりあえず他の人の部屋も回ってみましょうか。」
その後、絵里達は希、ことりの部屋に行ってみたが返事は無く、鍵がかかっていた。
その後、他の空き部屋、来ているメンバーの部屋も探してみたがどこにもいない。管理室に行って鍵を探して開けようと試みるが、鍵の閉まっている部屋の鍵は無かった。
花陽「どういうことでしょう・・・。」
雪穂「何で誰もいないのよ・・・。」
凛「おかしいね・・・。」
にこ「鍵すら無いなんて・・・。」
亜里沙「こうなると本格的に調べなければいけませんね・・・。真姫さん、ドアを開ける道具はありますか?物理的に、という意味で。」
真姫「っ・・・!」
絵里「ちょっと待ってよまだそこまでする話じゃ・・・。」
にこ「いや、ドアを破るとかは別にして何か行動は起こした方が良いんじゃない?いくらなんでも変よ。
私たちはこの屋敷中鍵の閉まっている所以外は全て探したのよ?外には出ていないし何処にいるって言うのよ?」
別に、にこ達は全ての窓を調べた訳では無い。しかしこの雨の中、仮に玄関以外の扉、例えば1Fのホールの窓から出たとしても、何も無い外に出るのはおかしい行動だ。
雨雲の影響で外は暗く、危険である。メンバーの顔にも焦りが見えてきた。
真姫「ドアを破りましょう。管理室に斧がある。それがあればドアを破る事は出来ると思う。」
にこ「真姫ちゃん・・・。」
花陽「いいの・・・?」
真姫「友達の命には代えられないわ!それに、もうお金に苦しむ事も無いんだし・・・。」
絵里「・・・?真姫?最後の所聞こえなかったんだけど、なんて言ったの?」
真姫「いやいや何でもないのよ何でも。私は斧を取ってくるわ。皆はリビングの前にいて!」
にこ「・・・。」
真姫は管理室に行き斧を取りに行った。
他のメンバーはリビングに向かった。
亜里沙「一体・・・何が起こっているんでしょう・・・。」
真姫が斧をリビングに持ってきた。斧は大きさは真姫より少し小さい程度で、刃は光っていた。
下手に触ったら指が切れそうだ。
真姫「皆下がっていて!」
メンバーが下がるのを確認すると真姫は斧をドアに叩きつけた。ガツンッ!ガツンッ!ガンッ!
三回目でドアの一部の木が砕けた。真姫はその隙間から器用に手を入れて鍵に手を伸ばす。ガチャンッ!
真姫「ドアが開いたわ!」
穂乃果「入ろう!」
雪穂「開けるよ!」
雪穂はドアを開けて中に入る。
雨雲のせいか、扉の開いたリビングは真っ暗だった。いや、一つだけ、ちょうど真ん中、ドアを開けたらいの一番に
見える所だけ明るくなるようについていた。そこには・・・
「「きゃああああああああああああああああああああっ!!!!」」
先に声を上げたのは果たして誰だっただろうか?
誰かも分からない悲鳴が部屋を裂く。
中にはそのリビングの光景を見て絶句しているものもいた。
手を口に当てる者、一目散に部屋から出る者、動けない者、ただ悲鳴を上げる者!!
それはたった一つの光景を目にしてだった。
亜里沙「これは・・・ひどい・・・!!」
穂乃果「あっあっ・・・」
一番後ろにいた穂乃果は運が良かった。理解をするのに他のメンバーよりほんの一瞬だけ遅らせられる事が出来たのだから・・・。
絵里「な、な、何よ・・・これは・・・。」
・・・こんな光景は今まで散々見てきた。漫画やテレビ、アニメ、ドラマ!ただのそれが目の前に刺激的に現れただけの事だ。
それだけで・・・あぁあ・・・その緑の服は・・・あの髪の色は・・・ああああああああああああ!!!
絵里「ことり!?ことりなの!?」
まるで脚光を一人浴びるように、まるで一人で罪を受けるように、その者は血に染まったテーブルの上に倒れていた。
雪穂「・・・こ、ことり、ことりさん・・・っっ!?・・・っっ!?!?!?」
雪穂「いやああああああああああああああああああああああああ!???????????」
亜里沙「ど、どうしたの雪穂!?ゆっ・・・オエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!」
あぁ・・・私は初めて親友を恨んだのかもしれない。雪穂がこれを最初に見つけなかったら、私はこれを伝聞で聞くだけでよかったのだから・・・
倒れていたことりさんは・・・ひどい化粧が施されていた。いや、化粧じゃない!これは『顔面を耕す』って表現の方がふさわしい!
顔面の半分だけご丁寧に粉砕され、ただ死んだだけならば、浮かばない、いや、浮かぶことのできない表情を作らされている。
目の位置も鼻の位置もわからない!!いやわかる!もう半分は残っているのだから!その対比が余りにも怖くて、生々しくて・・・
口も歯茎がむき出しになっている。でも前歯はバキバキになっていてそれを覆うほっぺもぐちゃぐちゃ!
旅行だからと張り切って美容院に行った髪だけきれいに残っていて、それが血に染まっていて・・・
一体何を道具に使ったらこんな風にできるのか・・・。
亜里沙「ひっひっひっ・・・はぁー・・・はぁっーおぶっ」
亜里沙がその道具を思わず想像してしまいまた嘔吐してしまう。
穂乃果「ことりちゃあぁん・・・ことりちゃああああん!!」
亜里沙「穂乃果さん!?だめです!!!見ないで!!。」
穂乃果が部屋に入り、ことりに近づく。ドアから見たら顔はきれいな方しか見えないからもしかしたら倒れているだけかと思うのだ。
しかしそれは犯人の罠!!亜里沙は一瞬一瞬の時間が動く中でまた一人犯人の罠にかかった・・・と思った。
穂乃果「ことりちゃ・・・あっあっあっああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
亜里沙「遅かった・・・。」
絵里「何!?どうしたの!?ことりは無事なの!?」
凛「ことりちゃんは!?ねぇ穂乃果ちゃん!」
亜里沙はとっさに自分の体を大の字にしてメンバーの前に立ちふさがった。
亜里沙「みなさん!!これ以上こないでください!!!!お願いします!!!」
もうこんな光景を見るのは私たちだけで十分だ・・・。亜里沙は思った。
穂乃果「ことりちゃんが何でぇぇ!?何をしたって言うの!?ことりちゃんは何も悪い事はしてないよ!?なのになんで
こんな・・・こんな・・・。」
穂乃果「顔が・・・顔がないよ・・・ああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
雪穂「お姉ちゃん、これ以上見たらだめだよ!!ことりちゃんも自分のこんな姿を見せたいわけがない!!」
絵里「・・・。」
真姫「何で・・・どうして・・・?わた、私が・・・したのは・・・え・・・?なんで・・・?え・・・?夢?」
にこ「ぐすっぐすっぐすっ・・・?」
凛「悪魔にゃ・・・悪魔の仕業にゃ・・・。」
絵里「皆!落ち着いて!!ことりが・・・その・・・こんな状態ならこの部屋に入るのはだめよ!!早く!!亜里沙も早く出なさい!!」
亜里沙は絵里に連れられて部屋を出る。穂乃果も雪穂に引っ張られるように部屋から出た。
亜里沙が最後にその部屋の中を見て確認したのは、まぎれもなく南ことりは死んでいる・・・という事実だった。
書き溜め尽きたねる。誤字脱字矛盾あったらよろです
乙
乙
てす
テスト
おつ
続きがきになる
テス 作者っすけど違う所でもう完結しているっす
名前で調べてもらえればでますんで
そうですか、ありがとうございます
このSSまとめへのコメント
これを書いた者っす。SS速報はあれなんで書けなかったんでVIPなりなんなりに投下したいと思いますです
頑張ってくりゃせい
お疲れ様ッス
最後のにこにーのぐすっ……?ってのは誤字なのです?
作者っす一応完結しましたのでログ速か何か見てもらえればあるっす
真面目に碑文解いている人いる?