~~魔王城 玉座の間にて~~
勇者「はぁ……はぁ……はぁ……」
魔王「もう諦めてはどうか?」
勇者「うる……さいっ……」
魔王「大人しく引き下がるなら、命は助けようと言っているのだ。悪い話ではなかろう?」
勇者「そんな……甘言に乗せられるものか!」
魔王「甘言ではない提案だ。仲間は倒れ、貴様は剣を握った手すら動かせない」
勇者「くっ……」
魔王「今、適切な処置を行えば、仲間達の命も助かろう。勇者ともあろうものが仲間を見捨てるのか?」
勇者「そ、それは……」
魔王「聞け。私を殺したところで、貴様らの世界は何も変わりはせん。それは貴様もわかって……」
勇者「それでも俺は!!」
――ガチャッ
??「……お父様?」
魔王「娘よ、ここに来るなと言っておいたはずだ」
魔王娘「でも……お父様が心配で……」
勇者「……む、娘だと!?」
魔王「全く困った娘だ……ご覧の通り私にも守るものがある。だから簡単に死んでやる訳にはいかんのだ」
勇者「……っ」
魔王娘「あ、あの……お父様、そちらの方は?」
魔王「あぁ、勇者だよ。私の命を奪いに来た、な」
魔王娘「まぁ、お父様の命を!? どうしてそんな酷い事を……」
魔王「さてな。人間には人間の都合というものがあるのだろう」
魔王娘「あの……」
勇者「な、何だ?」ビクッ
魔王娘「どうしてお父様の命を狙われるのですか?」
勇者「そ、それは、魔王が世界を滅ぼそうとしているからに決まっている!」
続けて
はよ
魔王娘「お父様はそんな事を致しません!」
勇者「なっ!?」
魔王娘「お父様は私にも周りの方々にも優しくしてくれます。世界を滅ぼすなんてとんでもありません!」
勇者「し、しかし……」
魔王「娘よ、話をするだけ無駄だ」
魔王娘「お父様もそんな事を仰るから誤解されてしまうのです!」
魔王「なっ!?」
魔王娘「お父様のそういう所、私は良くないと常々思っておりましたのよ?」
魔王「し、しかし……」
魔王娘「言葉が通じるのに、自分の考えを伝えようと努力しない事は怠惰ではありませんか?」
魔王「む、むぅ……」
勇者「……ぷっ」
魔王娘「……?」
魔王「な、何がおかしい!?」
支援
いつもの展開
ほ
勇者「さっきまで命の遣り取りをしていたお前が、娘に頭が上がらないとか……くっくっくっ」
魔王「貴様……今すぐ死にたいらしいな」
魔王娘「お父様!」
魔王「うぐっ……」
勇者「……はぁ、もうやめた」
魔王「やめた? どういう事だ?」
勇者「言葉通りだよ。なんだか馬鹿馬鹿しくなってきた」
魔王娘「まぁ、わかった頂けたのですね!」
勇者「最初からわかっていたよ。世界が乱れるのは魔王のせいじゃない」
魔王娘「では、どうしてお父様の命を?」
勇者「必要だったんだよ。人間がまとまるのに大義名分って奴がさ」
魔王「難儀な話だな」
勇者「確かに、これまで小競り合いは続けていたが、大きな争いにはなっていなかった……」
勇者「この戦いの発端も元はといえば……」
魔王「……もう、よかろう?」
勇者「はぁ……そうだな。どうでもいいか……」
魔王「ふっ、急に腑抜けたな」
魔王娘「お父様!」
魔王「あっ、いや……わ、悪い意味で言った訳ではなくてだな」
魔王娘「悪意がないのでしたら、そのような言葉遣いはお止めください」
勇者「本当、お前って娘の尻に敷かれてるんだな……魔王なのに」
魔王「う、うるさい! そ、それでこれからどうするつもりだ、勇者よ」
勇者「さぁ? 魔王討伐を果たせなかった俺に、帰る場所なんてないだろうからな」
魔王娘「まぁ、どうしてですの?」
勇者「あぁ、人類の希望って奴を背負った責任さ」
魔王娘「責任、ですか?」
勇者「人類の希望として、悪の根源たる魔王に挑み……」
魔王娘「ですからお父様は……」
勇者「わかってるって。魔王が悪の根源っていうのは、俺達人間の決めつけだ」
魔王娘「はい」
勇者「それじゃあ、続けるけどいいかな?」
魔王娘「はい。話の腰を折ってしまい、申し訳ございません」
勇者「魔王」
魔王「なんだ?」
勇者「いい子だな、お前の娘は」
魔王「ふふっ、そうであろう? 我が自慢の娘よ」
魔王娘「まぁ、お父様ったら///」
勇者「……んんっ。それで、その悪の根源たる魔王に、人類の希望を背負って戦いを挑み……」
魔王娘「……」
勇者「逃げ帰ってきた腑抜けの居場所なんて、勇者じゃない俺の居場所なんてどこにもないさ」
魔王娘「そんな……勇者様に労(ねぎら)いもなく、それではあんまりではありませんか?」
勇者「そういうものさ。人っていうのは、自分の都合通りにいかないとそれを拒絶する」
魔王娘「あの……」
勇者「なんだ?」
魔王娘「差し出がましいようですが……こうされては如何でしょう?」
魔王娘が杉下右京で再生される
魔王娘=ジャイ子
~~十五年後 王城 謁見の間にて~~
王様「確かにこれは余が勇者殿に与えた紋章……」
少年「……」
王様「そなたが勇者殿の息子というのは誠の話であるようだ」
少年「はっ」
王様「魔王を見事討ち取ったとの噂の後、その行方も知れず……」
王様「国中に触れを出して、所在を当たらせておったのだが……」
王様「まさか、そなたのように立派な息子がおったとはな」
少年「勿体無いお言葉です」
王様「して、勇者殿は息災であられるのか?」
少年「父は……先日病により他界してございます」
王様「な、なんと!? 救国の英雄が……既にこの世の者ではないと……」
少年「はい。最期まで陛下の事を案じておりました」
王様「そうであったか。余の事を思うてくれるのなら、近くにおってくれれば良かったものを……」
少年「父は魔王を討ち取った事で自分の役目は終わったと……」
少年「また、自分の存在が『王の治世の妨げになってはいけない』と申しておりました」
王様「そこまで余の事を考えて……そのような心配は杞憂であるというのに」
??「あの方らしいといえばあの方らしいですが、せめて居場所ぐらい教えて欲しかったものです」
王様「おぉ、司教殿ではないか」
司教「はい。勇者の子息が来ていると伺い、許可も得ずに参上致しました。お許しください」
王様「よいよい。そなたならいつでも大歓迎だ」
司教「勿体ない御言葉にございます」
王様「少年よ、司教殿はそなたの父上と共に、魔王を討伐する為に働いてくれたのだ」
司教「あの頃はまだ修行中で、一介の僧侶でしたが……いやはや懐かしい」
王様「魔王討伐後は英雄として周辺の教会をまとめ、今は余の治世の手助けをしてくれている」
司教「手助けなどとんでもございません。力の微力さに身の竦む思いです」
王様「何を言うか。そちが知恵を貸してくれるお陰で、余も随分と助かっている」
司教「身に余る御言葉です。私はただ、赤心を以って尽くすのみにございます」
司教「それにしても……」
少年「なんでしょう?」
司教「いえ、あなたが私の知る勇者と瓜二つなので……少し驚きました」
王様「うむ、わしもそう思ってた。まるで勇者殿と話しているようだ」
少年「そうでしょうか?」
司教「えぇ。多少、雰囲気に違いはありますが。それに……」
司教「その黒髪……それが金色(こんじき)であったなら、本人と言われてもわからない程だと」
少年「この色は母親譲りと聞いております。それにしても……」
王様「ふむ、どうか致したか?」
少年「いえ……父と共に魔王討伐をされたとの事ですが、司教猊下は随分とお若くお見えになるので……」
司教「ふふふっ、その事ですか。こう見えて三十を超えているのですよ、私も」
王様「おう、司教殿はいつ見ても若く見えてな。羨ましい限りだ」
司教「日頃の摂生の賜物と思っております」
王様「む……摂生か。余には耳が痛いな」
司教「ただ、若く見えるせいで、下の者からも威厳がないと良く言われてしまいますが」
王様「ははは、まぁ司教殿の実力は皆の知るところであるからな。気にする必要はあるまい」
少年「失礼な事をお伺いして、申し訳ございません」
司教「お気になさらずに。それにしても、君はどうしてこの城に?」
王様「そうだ。余もそれを聞きたいと思っていたのだ」
少年「はい。父が亡くなる前の事です。自分が死んだら陛下をお訪ねするようにと……」
王様「勇者殿が?」
少年「永い治世、陛下にあらせられても、きっと頭を悩まされている事もおありであろうと」
王様「……勇者殿がそう言っておったのか?」
少年「はっ……」
司教「成る程、彼がそんな事を……」
王様「勇者殿は、未来を見通す力も持っていたのか?」
司教「さぁ……どうでしょうか? ただ、常人とは違う力を持ってはいたようではありますが」
少年「私に何か出来る事がありましょうか?」
王様「実は……魔王が復活したのではないかとの噂が、最近耳に入っておってな」
支援
少年「魔王が復活……ですか?」
王様「うむ。魔王が勇者殿に討たれたとの噂が流れ、強力な魔物達の姿を見る事もなかったのだが……」
司教「陛下、ここから先は私が」
王様「……うむ、では頼もうか」
司教「ここ最近、辺境の村々や街道で、魔物によるものと思われる襲撃事件が相次いでいます」
少年「魔物の襲撃……」
司教「はい。各地の教会からの報告なので、これは間違いありません」
少年「父から、強力な魔物は魔界に封印された。そう聞いておりますが?」
司教「その通りです」
司教「旅の仲間であった賢者が、人間界と魔界との間に強力な結界を張り……」
司教「魔物達はその結界を越える事が出来ないはずなのです」
少年「それが、人々を襲っていると?」
王様「その通りなのだ」
少年「魔物を封じ込めているという結界はどうなっているのでしょうか?」
司教「結界の状況を確認する為、調査隊を出したのですが……彼らとも連絡が取れなくなりました」
期待
王様「やはり、賢者殿に話を聞くのが良いのではないか?」
司教「はい。結界を作ったのはあの方ですから、それが最善だと考えますが……」
少年「……何か問題でもあるのでしょうか?」
司教「問題というか……賢者は難しい方なので、まともに相手にされるかどうか」
王様「勇者殿のご子息ならば、賢者殿も話を聞いてくれるのではないか?」
少年「私が、ですか?」
司教「陛下、実は私も同じ事を考えておりました」
王様「うむ」
司教「本来ならば、私が直接に彼の方の下に赴けばよいのでしょうが、今はそれも難しく……」
王様「司教殿は立場上、濫りに動く事も叶うまい。そこで少年よ」
少年「はっ」
王様「司教殿の代わりに賢者殿の下に赴き、事態の確認をしてはもらえまいか?」
司教「勿論、君一人で行ってくれとは言いません。教会からも人を付けましょう」
少年「私などでよければ喜んで」
王様「おぉ、頼まれてくれるか!」
面白そう
支援
少年「はい。陛下からの命、どうして断れましょうか」
王様「ふふっ。こうしてお主と話をしておると、勇者殿と話をしているような錯覚を覚えるな」
少年「父とですか?」
王様「うむ、勇者殿もお主のように真っ直ぐな眼差しであったよ」
少年「……」
司教「では、私は教会に戻り人員を選出致します」
王様「おぉ、宜しく頼むぞ、司教殿」
少年「あの……」
司教「うん、どうかしましたか?」
少年「出来れば、私一人で行くという訳には参りませんでしょうか?」
王様「なんと!?」
司教「君が一人で? 一人でなければ何か不都合でもありますか?」
少年「いえ、父が亡くなった後はずっと一人旅だったもので……出来れば一人の方が……」
司教「平時ならそれでも良いかもしれませんが、事は世界の存亡に係わる事かもしれません」
王様「ふむ、司教殿の言う通りだな。それに先程も言ったが、魔物達の出没もあると聞く」
>>12
どうしてそうなる
司教「陛下の仰られるように、魔物達の出没が確認されている以上、平時とは状況も違います」
少年「はい」
司教「確実に任務を成し遂げて貰わなければならないゆえ、複数の人員で当たるのは当然の事」
少年「……」
司教「仲間との旅も、しばらくは落ち着かないかもしれませんが、旅を続ける内に慣れると思います」
司教「私達も魔王討伐の旅に出た当初は、慣れない旅で苦労したものです」
王様「ほう、司教殿達もそうであったのか?」
司教「お恥ずかしながら。見ず知らず同士が突然一緒に旅をするのです。諍(いさか)いがあって当然かと」
王様「ふむ、言われみればそういう問題もあるのかも知れんな」
司教「ですが、それを乗り越えてこそ、仲間としての絆が強くなるものです」
王様「どうであろうか? 司教殿の言う通り、万全を期す為にも仲間と共に旅をしてはくれんか?」
少年「……陛下がそう仰るのでしたら」
王様「よし、決まりだ! それでは司教殿、改めて頼みますぞ」
司教「はい。それではしばしの御猶予を頂きます」
しえん
~~二時間後 王城 謁見の間にて~~
少年「それでは、このお二方と共に西の果てにある賢者の塔を目指せば良いのですね?」
司教「えぇ、彼の方はそこに居を構えているはず。では二人共、彼の事を宜しく頼みましたよ」
僧侶「お任せください司教さま」
戦士「はい」
司教「女僧侶は信仰も篤く勉強熱心な才媛、女戦士は昨年の武術大会で優勝している程の腕前です」
女僧侶「さ、才媛なんてとんでもございません。まだまだ至らぬ事ばかりです……」
少年「お二人共よろしくお願いします。武術大会で優勝とは凄いですね」
女戦士「……」
司教「うん……二人共歳は若いですが、旅の仲間として君の力になってくれるはずです」
少年「これからよろしくお願いします」
女戦士「……よろしくお願いします」
女僧侶「こちらこそよろしくお願いしますわ、勇者さま」
少年「……勇者だったのは私の父で、私は勇者ではありません」
女戦士ktkr
女僧侶「え、でも……」
王様「確かに勇者はそなたの父であるのだ。些細な事に目くじらを立てる事もあるまい」
少年「しかし……」
王様「余の与えた勇者の紋章を持っておるのだ。その紋章に恥じぬ新たな勇者となってくれんか?」
少年「私にとっては父の形見ですが、新たな勇者にという事でしたら、これはお返しします」
王様「なんじゃと!?」
少年「確かに私の父は勇者でしたが、私はそれ程の器ではありません」
司教「君、陛下に対して無礼な言葉は許されませんよ!」
少年「……申し訳ございません」
王様「司教殿、待たれよ」
司教「いえ、しかし……」
王様「待てと申している。では、一先ずその紋章はそなたに預けておく」
少年「預ける、ですか?」
王様「そうだ。勇者よ、その紋章はそなたの父の形見でもあるのだろう。それを手放すとは何事だ」
少年「はっ……」
王様「そなたが今回の任務を見事に成し遂げた暁には……」
王様「新たな勇者として、正式にその紋章をそなたに授ける。それでどうかな?」
少年「……そういう事でしたら、それまでの間、この紋章をお預かりいたします」
王様「うむ。紋章に恥じぬ活躍を期待しておるぞ」
女戦士「……よろしいでしょうか?」
司教「ん、何かね?」
女戦士「そろそろ出発しませんと、今日中に隣の街まで辿り着くのが難しくなります」
司教「……そうですね。話も纏まったようですし、出発してもらいましようか」
王様「では、三人共、頼んだぞ!」
少年・女僧侶・女戦士「はっ!」
………
王様「……さて、どうなる事か」
司教「西の最果てにある街までは、特に大きな問題もなく辿り着けるでしょう」
王様「その先はどうであろうか?」
司教「その先は陛下の御威光も教会の力も及ばぬ地。正念場かと……」
~~二週間後 最西の街近郊にて~~
商隊長「あと半日もしない内に、最西の街に到着しますよ」
女僧侶「ようやくですね、勇者さま」
少年「あの、その勇者というのは止めてくださいと何度言えば……」
商隊長「あっはっはっ、何をご謙遜なさいますか。その紋章をお持ちという事が紛れもない勇者の証ですよ」
女僧侶「えぇ。商隊長殿の言う通りですわ」
少年「はぁ……」
商隊長「いや~しかし助かりました。まさか勇者様御一行に商隊の警護をしてもらえるなんて」
女僧侶「ちょうど目的地もご一緒でしたし、何よりも教会の荷物を運ぶという事でしたので」
商隊長「ここまで何事もなく来られたのも、神の御加護でしょうかな?」
女僧侶「そうですね。神の御加護に感謝しましょう」
女戦士「……勇者殿」
少年「ええ、どうやら……」
商隊長「ど、どうかなさいましたかな?」
女戦士「どうも雰囲気がおかしい……もしかしたら、囲まれたかもしれません」
しえん
サル除け
商隊長「も、もしや魔物共が……」
ヒュン! ヒュン! ヒュン!
少年「っ!? 皆、荷車の陰に!」
ドスッ! ドスッ! ドスッ!
商隊長「ひぇっ!?」
女僧侶「み、皆さん、お怪我は!?」
少年「こっちは大丈夫です!」
商隊長「わ、我々の方も大丈夫です」
女戦士「まずいですね……飛んできた矢の数を考えると、相手はかなりの人数かと」
少年「二射目は……来ないようですが」
??「はっはっはっ、情報通りじゃねぇか」
女戦士「何者だっ!」
??「何者かなんて、てめぇらには関係ねぇ事だろ?」
女僧侶「わ、私たちは教会の者です。それを知っての狼藉ですか!」
??「あぁ、糞ったれ教会の犬共と知っての狼藉さ」
支援
女僧侶「く、くそったれきょうかい!?」
商隊長「あわわわっ!?」
女戦士「目的は何だっ!」
若い男「ふん。そんな事は自分達の胸に手を当てて考えやがれ、犬共が!」
女戦士(若い男……それにあの手にした杖……魔法の使い手か?)
女僧侶「だっ、誰が犬ですか!」
若い男「まぁいい。幾ら糞ったれ相手でも、人殺しは俺の主義じゃねぇ」
女僧侶「矢を射掛けておいて、今更何を……」
若い男「その荷物を置いていけば、命までは取らないでおいてやる」
女戦士「野盗……にしては」
女僧侶「矢を射掛け、教会を侮辱しておきながら……あなた方は盗みを働く下衆ではありませんか!」
商人「ぞ、賊をあまり刺激しては……」
若い男「だから、こっちにはそうしなきゃならない理由ってもんがあるんだよ」
少年「……理由とはなんです?」
若い男「だから、そいつは自分の胸に手を当てて考えろって言ってんのよ!」
女僧侶「お話になりませんわ!!」
少年「あの……」
女戦士「何でしょう?」
少年「少し様子がおかしいと思いませんか?」
女戦士「そうですね。我々を囲んでいる気配はありますが、他の者が姿を現していません」
少年「居場所を悟られない為……という事は?」
女戦士「その可能性もありますが、現時点ではなんとも……」
若い男「おい! そこの二人! 何をこそこそしてやがる!」
少年「……皆をお任せして大丈夫ですか?」
女戦士「どうされるおつもりです?」
少年「お任せしても大丈夫ですかと聞いています」
女戦士「……現状を維持する程度でしたら何とか」
若い男「おいこら! 無視すんなお前ら!」
少年「では……お願いします」ダッ
はいはい支援支援
若い男「こ、こいつ! 突っ込んで!? くそっ!!」
女僧侶「魔法の詠唱!? 勇者さま危ない!」
女戦士(矢が飛んでこない……しかし、あれでは魔法の餌食に……)
若い男「くらえっ!!」
ゴウッ!!
若い男「なっ!? 火球が消えた!?」
少年「動くなっ!」スチャッ
若い男「う、うぐっ……」
少年「もう一度言う、動くな。動けばこの剣で胸を貫く」
若い男「く、くそっ……どうなってんだよ……」
少年「隠れている連中! こいつの命を助けて欲しければ、武器を捨てて出て来い!」
若い男「お、俺の事はいいから逃げろ!」
少年「動くなと言ったはずです」チクチク
若い男「ぐぅっ……」
>>13
お前のせいで
子供A「やめろ! 兄ちゃんを放せ!!」
女僧侶「こ、子供!?」
若い男「馬鹿! お前ら逃げろっ!」
子供B「兄ちゃんを放って逃げられるかよ!」
若い男「お、お前達……」
商隊長「ぜ、全員……子供じゃないですか!?」
女戦士「どういう事……でしょう?」
少年「……全員、武器を捨てて一箇所に集まるんだ」
女僧侶「ゆ、勇者さま?」
若い男「お、俺の命ならくれてやるからあいつらだけは……」
少年「あなたの命なんて欲しくもない」
子供A「これでいいだろ! 兄ちゃんを放せ!」ガラン
少年「女戦士さん」
女戦士「はい」
少年「縄を持ってきてくれませんか? 念の為に彼を縛っておきたいので」
商隊長「隠れていたのは子供ばかりが十七人も……」
少年「私もまだ大人とは言える歳ではありませんが」
商隊長「い、いえ……別に馬鹿にしているわけでは……」
少年「さて、今度は答えてくれますね。どうして我々を襲ったんですか?」
若い男「……あんたら教会の人間だろ?」
女僧侶「この姿を見ればおわかりになるでしょう!」
女戦士「……」
少年「厳密に言えば私は違いますが……彼らはそうなります」
若い男「なぁ、こいつらの命は助けてくれ! 頼むっ!」
少年「先程も言いましたが、あなた方の命なんて欲しくありません。襲われた理由を知りたいのです」
若い男「理由か……あんたら本当に心当たりがないのか?」
少年「ないからこうして聞いているんです」
若い男「そこのおっさんは……そうじゃないみたいだよな?」
商隊長「えっ!? わ、私は……」
若い男「まぁいいさ、話してやるよ。その代わり、こいつらの命だけは助けてくれよ?」
少年「……では、最西の街は駐在している司祭殿の圧政に苦しめられていると?」
若い男「そうさ、布施と称して教会が大金を要求し……」
少年「お布施……ですか」
若い男「あぁ、布施を出さなければ背教者として扱われ、役人の手で鉱山に強制連行さ」
女僧侶「し、信じられません! 教会の司祭さまがそんな事を!?」
若い男「信じるも信じないもあんたらの自由。最西の街に行けばわかる事さ」
少年「しかし、お布施を出さないからといって、何故役人が出てくるんです?」
若い男「最西の街は、首都から遠い辺境にあるって事もあって、教会の力が強い街なんだよ」
女戦士「……」
若い男「加えて、教会が独自にそれなりの兵力を抱えてやがる」
少年「教会がですか?」
若い男「教会が私兵を抱えているなんて常識よ? その姉ちゃんだってそうじゃねぇのか?」
女戦士「わ、私は……」
若い男「教会の命令には、絶対服従の狂信的な連中も多いからな。魔物より性質が悪いっての」
女僧侶「信徒の皆さんを侮辱するのは止めなさい!」
支援
若い男「はっ! さっきからうっさい姉ちゃんだねぇ、全く」
女僧侶「ぐぬぬぬぬ……」
少年「まぁまぁ、落ち着いてください」
女僧侶「で、でも!」
若い男「……まぁ、そういう訳で、役人共も教会の威光には逆らえないって訳よ」
少年「この子供達は?」
若い男「こいつらは布施を払えなくて、親が強制労働に遭ってる連中さ」
女戦士「……」
若い男「中には強制労働の果てに、親が命を落とした奴だっている」
子供C「と、父ちゃん……うぅっ……」
子供A「馬鹿っ! 泣くなっ!!」
少年「……どう思いますか?」
女僧侶「私には信じられません! 教会がそんな圧政を強いるなんて!」
女戦士「……真偽はわかりませんが、この子供達の栄養状況が芳しくないのは見ての通りです」
少年「確かに。皆、酷く痩せ細っているのは間違いありませんね」
少年「商隊長さん?」
商隊長「はっ、はい!?」
少年「あなたは教会の依頼を受けて、最西の街にはよく行かれていますね?」
商隊長「わ、私は頼まれて荷物を運んでいるだけで何も……」
少年「……」ジロッ
商隊長「ゆ、勇者様……私の口からは何とも……お察しください」
若い男「……勇者だと?」
少年「そこまで聞けば十分です。女僧侶さん?」
女僧侶「はっ、はいっ」
少年「確認しますが、困窮した方々に救いの手を差し伸べる事は、教義に反していませんね?」
女僧侶「勿論です! むしろ進んで行うべき事と司教さまも常々仰られていますわ」
少年「では、荷物の一部はここに置いて我々は街を目指します」
商隊長「は?」
少年「困窮している子供達に教会の物資を施すのです。何か問題でも?」
商隊長「い、いやそれは……しかし……」
少年「女僧侶さん、問題ありませんね?」
女僧侶「は、はいっ!」
女戦士「……」
若い男「あんたら……どういうつもりだ?」
少年「どういうつもりも何も……話を聞いていなかったんですか?」
若い男「い、いや……聞いてはいたが……」
少年「ではそういう事です。女戦士さん?」
女戦士「はい」
少年「この荷車から一度荷物を降ろして、これとそっちの食糧を荷車に積み直します」
女戦士「わかりました。時間もありませんのですぐに終わらせます」
商隊長「こ、困ります! おやめくださいっ!!」
少年「この縄はもう必要ありませんね」
商隊長「あっ!?」
女僧侶「勇者さま、縄を解いては……」
子供達「「「兄ちゃん!」」」
期待
少年「……野盗に襲撃され、荷の全てを奪われた事にしてもよいのですが?」
商隊長「それはもっと困ります!!!」
若い男「俺達は野盗じゃねぇ!」
少年「そんな事はどうでもいいでしょう?」
若い男「良くあるかっ!」
少年「あなた達は誰も傷つかず傷つけず食糧を手に入れる。私達は全てとはいかないまでも荷物を街まで運ぶ」
若い男「……」
少年「何か問題でもありますか?」
若い男「どうして……」
少年「うん?」
若い男「どうして俺の魔法がお前に効かなかった! お前、一体何もんだよ?」
女戦士(そうだ。この男の放った魔法の火球が、勇者殿の前でかき消すように消失した)
少年「何者と言われても……ただの旅人としか」
若い男「ただの旅人にあんな芸当が出来るか! それに勇者とか何とか呼ばれてやがったよな?」
少年「勇者だったのは私の父です。その子供というだけで、私には何の取り柄もありません」
支援
若い男「勇者の息子!? お前が?」
少年「もういいですか? 日が暮れる前に最西の街に着きたいのですが」
若い男「おい! 話しの途中だぞ!! 無視するな!!!」
少年「全く、面倒臭いな……」
若い男「何だと!」
少年「……女戦士さん、荷物の整理は済んでいますか?」
女戦士「はい。指示のあった物はこちらの荷車に積み替えました」
少年「仕事が早くて助かります。では、皆さん行きましょうか」
女僧侶「は、はいっ」
若い男「お、おいっ!?」
商隊長「に、荷物が……」
若い男(何だこいつ……魔法は効かねぇわ、人の話は聞かねぇわ)
少年「神はあなたの行いをご覧になれていますよ、きっとね」ニッコリ
商隊長「うっ……は、はい……」
若い男「なぁ……最西の街に行くんだよな?」
少年「さっきからそう言っています」
若い男「街に何の用だよ?」
少年「荷物を届ける以外、街には用はありません。何事もなければ、更に西へ向かう予定です」
若い男「名前の通り最西の街が人間の住む最西だ。街の向こうには何もねぇぞ」
少年「それは直接行って確かめ……」
女僧侶「ゆ、勇者さま、それ以上は……」
少年「……そうですね。では、行きましょうか」
若い男「……待てよ」
少年「まだ何か?」
若い男「いや……食糧の事は助かった。ありがとよ」
少年「私は何もしていません。礼なら食糧を提供してくれた教会に言ってください」
若い男「それは断らせてもらう」
女僧侶「何という恩知らずな……」
支援
少年「ほらほら、そんなに怖い顔をしないでください。可愛らしい顔が台無しですよ?」ニッコリ
女僧侶「か、かわ、可愛らしい? わ、私がですか?///」
少年「えぇ、あなたは聖職者なのですから、皆さんの為にも穏やかでいてください」
女僧侶「はっ、はいっ!///」
若い男(このガキ……目が笑ってねぇし)
若い男(あっちの女戦士は我関せずって体だし……何なんだ、コイツら?)
女戦士「では、参りますか?」
少年「えぇ」
若い男「この荷物、最西の街の司祭宛てなんだろ?」
少年「そうですね」
若い男「ふん、気をつけろよ。あの強欲司祭は一筋縄じゃいかねぇぞ」
女僧侶「司祭さまに対して無礼ですわ!」
少年「ほら、また……」
女僧侶「は、はいっ///」
4
はよはよ
少年「……恵まれない子供達に配ったんです。きっと司祭殿もお喜びくださるでしょう」
若い男「だといいがな。まぁ、せいぜい気をつけてくれ」
商隊長「はぁ……」
少年「ご忠告、感謝します」
女戦士「勇者殿、急ぎませんと街の閉門に間に合わなくおそれが……」
少年「わかりました。少し急ぎましょうか」
―――
――
―
子供A「兄ちゃん、大丈夫かよ!」
若い男「あぁ。心配掛けたな、お前ら」
子供C「これ、貰っちゃっていいのかな?」
若い男「くれるって言ってたんだ。遠慮なんてする事はねぇよ」
子供B「でも……あの人達、大丈夫かな?」
若い男「わからん……が無事に街を抜けられるといいんだがな……」
~~夕刻 最西の街にて~~
商隊長「ふぅ……なんとか門前払いを食わずに済みましたな」
少年「申し訳ありませんでした。途中で余計な時間をとってしまったせいで……」
商隊長「いえいえ、それは構わないんですが……」
女僧侶「荷物、の事でしょうか?」
商隊長「あ、あはは……そうですな。帳簿通りの積荷がないと何を言われるか……」
少年「事情は私が説明します。あなたに非はないのですから」
商隊長「まさか、聖堂までご一緒されるおつもりで?」
少年「積荷を送り届けるとは、そういう事ではないのですか?」
商隊長「そ、そうなんですが……参ったな」
少年・女僧侶・女戦士「?」
商隊長「ま、まぁ……行けばわかる事なんですが……本当にいらっしゃるんですか?」チラッ
少年「私が行くと何か不都合でもあるのでしょうか?」
商隊長「不都合というか何というか……勇者様のような見目麗しいお方は少し……」
少年「……どうも要領を得ませんね」
女戦士「勇者殿の容姿が何か?」
商隊長「私の口からは……うぅむ……」
女僧侶「何か問題あるのでしたら、仰ってください」
少年「ここで話をしていても時間を無駄にするだけです。とにかく積荷を届けてしまいましょう」
商隊長「……そうですね。ただ、後で私を責めないでくださいよ?」
女僧侶「勇者さまに、何か危害を加えようというのではありませんわね?」
商隊長「め、滅相もありません!」
女僧侶「では、どういう事なのです?」
商隊長「ですから私の口からは……ご勘弁ください」
少年「行けばわかるそうですから、一先ず積荷を届けに聖堂に向かいましょう」
女僧侶「ですが!!」
少年「教会の遣いであるあなた方がいて、まさか危害を加えられる事はないでしょうから」
女僧侶「は、はい……」
支援
しえん
~~最西の街 教区にて~~
商隊長「いつもお疲れ様です。聖堂に荷物をお届けに参りました」
衛士「おぉ、お前かご苦労だったな」
商隊長「いえいえ。私の苦労など衛士様と比べれば……」
衛士「ふむ、そこの連れは見ない顔だが……ほう……これはなかなか」ニヤニヤ
商隊長「こ、この者達は積荷の護衛でございます」ゴソゴソ
衛士「……そうか。良しさっさと通れ」
商隊長「はい、ありがとうございます」
女僧侶(今、何か……)
女戦士(賄賂……か)
商隊長「ささ、早く参りましょう」
―――
――
―
支援
商隊長がうだうだうぜーな
ホ
~~最西の街 教区 聖堂内にて~~
女僧侶「教区の衛士が賄賂など……」
商隊長「何も仰らないでください。衛士達と揉めると私の仕事がやりにくくなってしまうので……」
女僧侶「し、しかし!」
少年「やめましょう。私達が商隊長殿の生活を保障できる訳ではないのですから」
女戦士「そうですね」
女僧侶「あ、あなたまで何を……」
女戦士「では、あなたが彼の生活を保障されるのですか?」
女僧侶「それは……」
商隊長「まぁまぁ、皆さんその辺りで……いらぬ気遣いをさせてしまい申し訳ございません」
少年「いつも、あのような感じなのですか?」
商隊長「はははっ……残念ながら……」
女僧侶「これでは、あの野盗が正しい事を言っている事に……」
少年「組織も大きくなれば……という事なのかもしれません」
女戦士「……」
少年「それにしても司祭殿は遅いですね。いつまで待てばよいのでしょうか」
商隊長「いつもの事ですよ。司祭様はお忙しい方ですから……っと、みえられたようですな」
司祭「あらあら、いつもご苦労ね」
商隊長「いえいえ、滅相もございません」
女戦士(あれがこの街の司祭殿……)
司祭「この者達は?」
商隊長「国王陛下の命を受けたとの事で。王都からこちらの街に向かうとお聞きして、ご一緒に」
司祭「こ、国王陛下ですって!? あなたは教会の人間のはずでしょ?」
女僧侶「はい。国王陛下と司教猊下の命で、こちらにいらっしゃる勇者さまのお供を仰せつかっております」
司祭「ゆ、勇者殿ですって!? あなたが?」
少年「……」
女僧侶「ゆ、勇者さま、ここは堪えて……」
少年「……わかっています」
司祭「ほぅ……なんと可愛らしい……」
少年「……は?」
司祭「な、何でもありません/// それで、この街に何の用かしら?」
少年「この街ではなく、更に西へ。詳しい事はご容赦ください」
司祭「……陛下と猊下の命ですもの。機密事項なのは当然ね」
少年「はい、申し訳ございません」
司祭「気にしないでちょうだい。そんな顔をされたら、私が虐めているみたいじゃない」
少年「そのような事……滅相もありません」
司祭「でも、虐められた顔も見てみたいものねぇ……」
少年「はっ?」
司祭「な、何でもないのよ!? 何でも!」
少年「……そうですか」
司祭「それにしても……」ジロジロ
少年「……」
女戦士(何だ……司祭殿のあの視線は……)
司祭「本当に何でもないの。ただね、勇者殿があまりに可愛らしいものだから……」
商隊長「し、司祭様! 積荷のご確認をお願いしたいのですが」
司祭「……せっかくいい気分だったのに、何て無粋な男なのかしら」
商隊長「も、申し訳ございません」
司祭「ふん、まぁいいわ。人を遣るから積荷のところで待っていなさい」
商隊長「はい、よろしくお願いします」
司祭「ねぇ、あなた達。宿はまだ決まってないんでしょ?」
女僧侶「はっ、はい!」
司祭「あなたには聞いてないの。ね、宿は決まってないんでしょ、勇者殿?」
少年「はい」
司祭「そうね……こちらで部屋を用意するから、今日はゆっくりしていくといいわ」
少年「ご配慮、感謝します」
司祭「気にしないで。王都からの客人……それも勇者殿に対して無碍(むげ)な扱いは出来ないもの」
商隊長「では、私は積荷の所に控えておりますので……」
司祭「わかったわ。それじゃ、私は失礼させてもらうわよ」
商隊長「はい。貴重なお時間を割いて頂きありがとうございました」
子供殺される→司教殺す→若い男(盗賊)が仲間になる
あると思います!
商隊長「……ふぅ、何とかご機嫌を損ねずに済んだようですな」
女僧侶「な、何なんですか……あれでも……」
商隊長「しっ……あまり大声を出されては……」
女戦士「司祭殿は……随分と変わったご趣味をお持ちのようですね」
商隊長「ま、まぁ、ご想像の通りです」
少年「私は司祭殿に気に入られてしまった……という事ですか?」
女僧侶「気に入られたって……司祭さまは男の人なんですよ!?」
商隊長「こ、声を抑えてください」ボソボソ
女僧侶「で、でも……」
商隊長「驚かれるの仕方ない事だと思いますが、そういうご趣味の方なんですよ、司祭様は」
少年「男色家という事ですか?」
商隊長「まぁ、はっきり言うとそうなります」
女戦士「それなら勇者殿への反応も得心がいきます」
少年「いえ、得心されても困るんですが……」
女戦士「そうでした。申し訳ありません」
女僧侶「何て汚らわしい……」
商隊長「ですから、私を責めないでくださいと申し上げたんですよ」
女戦士「明日の朝になるまで、街の門は閉ざされている訳ですから……」
少年「そうですね、ここに滞在するしかないでしょう」
女僧侶「大丈夫、なんでしょうか?」
女戦士「大丈夫も何も……国王陛下と司教猊下から下命を受けているのですよ、私達は」
少年「普通なら、何も心配する事はないんでしょうが……」
女戦士「街に入る前にあった一件でしょうか?」
少年「そうですね」
女僧侶「街に入る前……野盗たちが言っていた事でしょうか?」
女戦士「はい。野盗達の言う事なので、全てを鵜呑みにするのはどうかと思いますが……」
少年「もし、あの男の言う事が正しいのでしたら、私達も必ずしも安心とは言えないでしょうね」
女僧侶「そんな……」
??「失礼致します」
少年「ん?」
男かよ!
妖艶なショタコン美女かと思ったら
綺麗なショタコンのお姉さんと思ってたのに…
可愛いねーちゃんで想像してたのにお前・・・
侍祭「勇者様方、お部屋の準備が整いました」
商隊長「おぉ、お呼びのようですな。ここまでご苦労をお掛けしました」
女僧侶「いえ、こちらこそ仕事を果たせず申し訳ありませんでした」
商隊長「まぁ、あれは仕方ない事でございますよ」
少年「そう言って頂けると助かります」
商隊長「いやいや……それより、どうかお気をつけください」ボソボソ
少年「商隊長殿も」
商隊長「ははは。では、私めはこれにて」ペコリ
侍祭「ご挨拶はお済になりましたか?」
女僧侶「はい。お待たせして申し訳ありません」
侍祭「お食事もご用意致しますので、しばらく部屋でお寛ぎいただければ」
少年「何から何まで……ご厚意、痛み入ります」
侍祭「それではご案内致します」
今北産業 …って、まさかのホモすれ!?
支援
美人の男に脳内変換すりゃいいんだよ
実際ゲスなのかもしれんからオッサンでも問題ないけど
>>78
オネショタ
ならず
ホモショタ
荷物についてのフォローしてなくねぇか?
~~最西の街 教区 聖堂内 回廊にて~~
侍祭「こちらでございます」
女僧侶「それにしても、素晴らしい聖堂ですわ」
侍祭「お褒めに預かりありがとうございます。全ては司祭様の徳の賜物かと……」
少年「王都の大聖堂と比べても、遜色のない造りですね」
女戦士「……勇者殿は王都の大聖堂をご存知なのですか?」
少年「ええ、以前に一度……それが何か?」
女戦士「いえ……」
女僧侶「まぁ、中庭に綺麗な花が……」
少年「あの花……」
侍祭「どうか致しましたか?」
少年「……いえ、中庭に綺麗な花が咲いていると思いまして」
侍祭「ああ。あの中庭の植物は、我らが育成している薬草園ですね」
女僧侶「見た事のない花ですけど、何という名前なのでしょう?」
侍祭「申し訳ございません、私は勉強不足にて名前rまでは……。さ、こちらにお越しください」
支援
~~最西の街 教区 聖堂内 客間にて~~
女僧侶「勇者さま?」
少年「……何ですか?」
女僧侶「先程から難しい顔をされて……どうかしましたか?」
少年「いえ、私の勘違いだといいのですが……」
女戦士「何か気になる事でも?」
少年「さっき中庭に咲いていた花ですが……」
女僧侶「あの綺麗な花がどうかしましたか?」
少年「あの花ですが、確か人間界と魔界の境にしか自生しない種のはずです」
女僧侶「まぁ、そうなんですか?」
少年「えぇ……」
女戦士「随分と珍しい花のようですね。それで、どうして勘違いだと良いのですか?」
少年「……」
女戦士「勇者殿?」
少年「……この部屋に案内をしてくれた侍祭から、甘い匂いがしていたのお気付きですか?」
女僧侶「甘い匂い、ですか?」
少年「はい」
女戦士「そうですね、微かではありましたが。それが何か?」
女僧侶「ごめんなさい、わたしは気付きませんでした」
少年「……ここの司祭殿は我々の想像以上に厄介かもしれません」
女僧侶「それはどういう……」
コンコンコンコン
少年「はい」
――ガチャッ
侍祭「失礼致します。お食事の準備が整いました」
少年「わかりました。では、せっかくですからご馳走になりましょうか?」
女僧侶「ゆ、勇者さま……」
女戦士「そうですね、司祭殿の御厚意ですから」
侍祭「……では、ご案内致します。こちらへ」
夜までバイトだぁ
残っててくれ!
支援
サンジェルミ伯を想像した
落ちないといいんだけど
~~夜半 最西の街 教区 聖堂内 客間にて~~
女戦士(勇者殿の様子から、食事に何かあるのではと警戒したが……)
女戦士(出された食事は特別に変わったところもなかった)
女戦士(食事の後、勇者殿は与えられた客室に籠もってしまわれた……)
女戦士(……)
女戦士(最初の挨拶以降、司祭殿が我々の前に姿を見せる事もなく……)
女戦士(勇者殿の様子を除き、特に変わった事も起きていない)
女僧侶「すーっ……すーっ……」
女戦士(慣れない旅の疲れか……)
女戦士(……)
女戦士(……駄目だな。どうにも気が張って寝付けない)
女戦士(少し夜風にでも当たろうか)
女戦士(そういえば、勇者殿が気にしていた中庭の花……)
女戦士(あの中庭なら、夜風も気持ちいいかもしれない……ついでに確認だけしておくか)
女戦士(……)
見てるよ
~~夜半 最西の街 教区 聖堂内 中庭にて~~
女戦士(薬草園は確かあの辺りだったか……)
女戦士(うん? 人影?)
少年「やぁ、こんばんは」
女戦士「ゆ、勇者殿!? どうしてここに?」
少年「あなたこそ、どうして?」
女戦士「わ、私は眠れなくて何となく……」
少年「そうですか。私はこの花が気になったので」
女戦士「そうでしたか……」
少年「思ったとおり、人間界と魔界の境にしか自生しない種ですね、これは」
女戦士「自生しないという事は、ここにはる花は栽培されているという事でしょうか?」
少年「えぇ、これ以外にも幾つか珍しい種の植物が栽培されているようです」
女戦士「そうなのですか? 流石は教会の薬草園ですね」
少年「はい……この背丈の小さな花。これは葉を煎じれば傷の炎症を和らげる効果があります」
女戦士「勇者殿は博識でいらっしゃいますね」
少年「ただ旅の生活が長かっただけですよ」
女戦士「ご謙遜を……」
少年「しかし、まさかこんな物まで育成しているとは……」
女戦士「こんな物といいますと、この花に何か問題でも?」
少年「……そうですね。この花の匂い嗅いでみていただけますか?」
女戦士「匂いですか?」
少年「はい。匂いを嗅ぐだけでしたら、特に問題がある訳ではありませんから。ほら?」クンクン
女戦士「では、失礼します……」クンクン
少年「どうですか?」
女戦士「この匂い……あの侍祭からした匂いと同じではありませんか?」
少年「そうです」
女戦士「この植物も薬草なのですよね?」
少年「薬草……とは少し違うかもしれません」
女戦士「どういう事でしょう?」
少年「一度部屋に戻りましょう。どうも風が冷たくなってきたようですから」
またVIPが壊れはじめた
~~夜半 最西の街 教区 聖堂内 客間にて~~
少年「私の部屋でよろしかったですか?」
女戦士「はい、女僧侶は休んでいるので邪魔をしては……」
少年「ここまでおよそ二週間。旅慣れない人には辛い旅だったかもしれませんね」
女戦士「そうですね。彼女はずっと街暮らしのようですから」
少年「あなたは大丈夫ですか?」
女戦士「私はそれなりに鍛えていますので……」
少年「そうですか」
女戦士「……」
少年「……」
女戦士「あの……先程の花ですが……」
少年「薬効は痛みの緩和、疲労感の抑制、多幸感」
少年「副作用は倦怠感と情緒不安定、それに極度の依存性」
女戦士「そ、それは……」
少年「えぇ、いわゆる麻薬です」
はよう
女戦士「ど、どうしてそんなものが聖堂内に!?」
少年「さぁ? 司祭殿に聞けばわかるのではありませんか?」
女戦士「そのような事、聞けるはずもありません!」
少年「あまり大きな声を出しては、女僧侶さんが起きてしまいますよ?」
女戦士「あっ……も、申し訳ありません」
少年「まぁ、理由はどうであれ、あれが聖堂内で栽培されている事は間違いようのない事実です」
女戦士「で、では、あの侍祭は……」
少年「あれを摂取をすると、成分が分泌物に混じり、体から同じような匂いがしますから」
女戦士「な、なんという……」
少年「それと……私が確認しただけでも、毒性のある植物も幾つか栽培されていました」
女戦士「教会がそんな物を栽培して良いはずがありません!」
少年「そうでしょうか?」
女戦士「えっ!?」
少年「何故、教会が毒性のある植物を栽培してはいけないのですか?」
女戦士「そ、それは道義に悖(もと)る行いではないですか。そんな物を何に使おうというのです」
少年「もしかしたら、世に知られていない薬効があるのかもしれませんよ?」
女戦士「でしたらあの侍祭は!?」
少年「中毒になっている彼を救う為、ここに置いてる可能性は考えられませんか?」
女戦士「そ、それは……」
少年「毒性を解毒する研究をする必要があるから、その植物を栽培しているのかもしれません」
女戦士「勇者殿」
少年「なんでしょう?」
戦士「私を試すような物言いはお止めください」
少年「試している……と言えば、不愉快に思われますか?」
女戦士「……どういう事です?」
少年「教会の命により、貴方と女僧侶さんは私の旅に同行してくれています」
女戦士「それが何か?」
少年「女僧侶さんは信仰心も篤く、教会や司教殿に対して絶大な信頼をおかれています」
女戦士「そうですね。彼女の信仰は本物だと私も思います」
少年「ですから教会の命に従い、この任務を成し遂げようとしている事が日頃の言動からもよくわかります」
女戦士「私には任務を成し遂げようという姿勢が見えないと?」
少年「そうではありません」
女戦士「では、なぜ試されなければならないのです!」
少年「申し訳ない。『試す』という言い方は少し語弊があります」
戦士「どういう事でしょう?」
少年「私には、あなたが教会に属している理由が見えてこないのです」
女戦士「理由、ですか?」
少年「申し訳ないが、あなたは教会に帰属する程に信仰心が篤いとも思えない」
女戦士「それは……」
少年「野盗達に食糧を分け与えようとした時……」
少年「私の指示があったとはいえ、あなたは喜んで荷物の整理をしているように見えました」
女戦士「……」
少年「別にあなたが信用の出来ない人間と言っている訳ではありません」
女戦士「はい……」
支援支援
少年「あの年若い侍祭の事もそうです」
少年「普段は冷静なあなたが、植物の薬効を聞いてあれ程に取り乱すとは思いませんでした」
戦士「あれは……」
少年「先程はああ言いましたが、あの侍祭が治療の為にここにいる訳ではないのは明白です」
女戦士「はい……」
少年「あなたは薬草園で麻薬を栽培している事より……」
少年「少年ともいえる侍祭が、麻薬を常用している事に対して取り乱した、そうですね?」
女戦士「……その通りです」
少年「他人の不幸に義憤を感じるあなたが、信用の出来ない人間とは思えません」
女戦士「まさかそこまで私の事を見ておられたとは……勇者殿も年若いというのに」
少年「父からはよく『生意気な糞餓鬼』と言われたものですよ」
女戦士「いえ、本当に凄いと思います。とても私の弟と……っ!?」
少年「弟?」
女戦士「……」
少年「それが貴方の理由なんですか?」
女戦士「そうです。別に隠すような事でもありませんね……お話しましょうか?」
少年「……差し支えがないようでしたら」
女戦士「私には三つ年下……ちょうど勇者殿くらいの弟がいます」
少年「私と同じくらいですか……」
女戦士「はい。私と違って、元々あまり体が強くなくて……それでも家族二人で仲良く暮らしていたと思います」
少年「家族二人?」
女戦士「はい。母は弟を産んだ時、そのまま帰らぬ人に……」
少年「お父上は?」
女戦士「父は私と同じ戦士でしたが、母が亡くなってからしばらくして、後を追うように流行り病で……」
少年「では、貴方の剣術はお父上から?」
女戦士「はい。父の指導によるものです。最初は父に構って欲しくて、見よう見真似で始めたのですが……」
少年「……」
女戦士「思いの他に筋が良いとの事で、女だてらにこうして」
少年「それで王都の武術大会で優勝したのだから、大したものです」
女戦士「運が良かったんですよ。幸いにして勇者殿のような参加者がいなかった。それだけです」
少年「それは謙遜でしょう。私などが参加をしても、恥を晒すだけです」
女戦士「それこそ謙遜ではありませんか?」
少年「仮の話をしても仕方ありません。私はその大会に参加していなかった。違いますか?」
女戦士「そう、ですね」
少年「大会で優勝したのは貴方。それは違えようのない事実です」
女戦士「……はい」
少年「……」
女戦士「武術大会に参加した動機も……他人に胸を張って言えるような、立派なものではないんですよ……」
少年「そうなんですか?」
女戦士「優勝して得られるのは多額の賞金と仕官への道……」
少年「ふむ……」
女戦士「多少の貯えがあるとはいえ、両親を失くした私達には生きていく糧が必要でしたから」
少年「……それのどこが恥ずかしい事なんですか?」
女戦士「えっ?」
少年「貴方はご自身の手で道を切り開かれた。それのどこが恥ずかしいのですか?」
支援
少年から漂う杉下右京にも似たチート臭
女戦士「しかし、純粋な腕試しを目的と考えている人達と比べれば……」
少年「それは綺麗事です。当時の貴方にとって、仕官による安定した生活は必要な事だったのでしょう?」
女戦士「はい、お金を稼ぐ碌な手段も持ち合わせていませんでしたから」
少年「弟さんと暮らしていく為に武術大会に参加をし、実力で優勝を勝ち取った。立派じゃないですか」
女戦士「……そうでしょうか?」
少年「何の努力もしてこなかった訳ではないのでしょう?」
女戦士「……はい」
少年「では胸を張るべきです。弟さんも喜んでいるのではありませんか?」
女戦士「それが……」
少年「どうかしたんですか?」
女戦士「大会の後、弟は病に倒れて今も治療中なのです」
少年「それは……」
女戦士「最初は季節外れの風邪と高を括っていたのですが、微熱と嘔吐が治まらず……」
少年「医師には……診せていますよね」
女戦士「勿論です。医師にも診てもらったのですが原因はわからず……今は教会で面倒を看てもらっています」
少年「教会に?」
女戦士「はい。薬も効かず弱り果てていたいたところ、教会から支援の申し出を頂きまして」
少年「支援ですか?」
女戦士「えぇ、弟の面倒を看る、教会の情報力を以って原因と治療法を探してくださると」
少年「では、貴方が教会に所属しているのは……」
女戦士「はい。全て弟の為です」
少年「なるほど……そういう事情があったのですか」
女戦士「今のところ効果的な治療法は見つかってはいませんが……」
女戦士「少なくとも症状の悪化は抑えられています」
少年「では、仕官の話は?」
女戦士「僭越とは存じましたが、お断りさせて頂きました」
少年「……」
女戦士「幾ら仕官の道が開けようと、弟がいなければ何の意味もないですから」
少年「貴方なら、そうされるでしょうね」
少年「賢者殿をお訪ねした時に……」
女戦士「はい?」
少年「弟さんの病気について尋ねてみては如何でしょう?」
女戦士「いえ、しかし……それは……」
少年「何もわからない可能性もありますが、それでも何もしないよりはいいでしょう?」
女戦士「……」
少年「別に任務を放棄すると言っている訳ではありません。任務を終えた後に……如何です?」
女戦士「……それが許されるのでしたら是非に!」
少年「では、その為にも今日は休みましょうか。思いのほか遅い時間になってしまったようです」
女戦士「も、申し訳ありません」
少年「どうして貴方が謝るんです? 話をしようと誘ったのは私ですよ」
女戦士「それはそうなんですが……」
少年「この街を出れば、賢者殿の住む塔まであとわずかです。頑張りましょう」
女戦士「はい!」
今北産業
~~翌朝 最西の街 中央通りにて~~
女戦士「辺境の街と思っていましたが、思ったより賑やかなんですね」
少年「昨日は街に着いた時間も遅かったから、人通りも少なかったのでしょう」
女僧侶「結局、あれから司祭さまにお会いする事は出来ませんでしたが……」
戦士「お忙しい方なのでしょう。お礼は侍祭殿が伝えてくださるとの事でしたから……」
少年「えぇ、あまり気にする必要はないと思います」
女僧侶「しかし……」
少年「何か問題でもありましたか?」
女僧侶「確認する事が出来なかったとはいえ、このまま街を離れて良いのでしょうか?」
少年「司祭殿が悪政を敷いている可能性がある、と?」
女僧侶「はい……もし本当なら、このまま見過ごすなんて……」
女戦士「しかし、陛下から賜った任務を果たす事が最優先事項なのではありませんか?」
女僧侶「それはそうなのですけど……」
少年「お気持ちはわかりますが、まずは先を急ぐべきでしょう」
女僧侶「勇者さま?」
勇者の
貞操が
危ない
>>109
勇者の息子が
司祭に掘られる
予定
>>111-112
こんな良スレをホモスレにはさせんぞ
④
少年「彼女の言うように、陛下からの命はこの世の危急に係わるかもしれません」
女僧侶「……はい」
少年「司祭殿の件が小事とは申しません。ただ、今は先を急ぐのが肝要だと思います」
女僧侶「……そう、ですわね」
少年「……」
女戦士「……」
少年「……この街の賑わいを見てください」
女僧侶「賑わいですか?」
少年「辺境の街とは思えない賑わい、おそらく並大抵の努力で手に入れた訳ではないはずです」
女戦士「えぇ、住民の力を感じますね」
少年「辺境という過酷な環境の中で培われた力なのかもしれませんが、そういう力を持った民は強い」
女僧侶「はい」
少年「多少の問題があったとしても、何とかしてしまうんですよ」
女僧侶「……」
少年「……例え、為政者に問題があったとしてもね」
面白いです
女僧侶(私が見た、あの子たちの姿は嘘ではないけれど……)
女僧侶(この街の賑わい……この姿も嘘ではありません)
女僧侶(……勇者さまの仰る通りなのでしょうか?)
女僧侶(司教さま……私はどうすれば……)
女僧侶(……)
少年「……やはり納得出来ませんか?」
女僧侶「……いえ、先に進みましょう」
少年「それでいいのですね?」
女僧侶「はい。勇者さまが仰るように、ここで暮らす皆さんの力を信じたいと思いますわ」
少年「わかりました。それでは街を出て、先を急ぎましょう」
女戦士「ん……」
少年「どうかしましたか?」
女戦士「いえ、どうもあちらの広場の方が騒がしいのですが……何でしょうか?」
女僧侶「あら、本当ですわね。この時間なら、朝市が開かれているのかも?」
少年「この街を出てしまえば、食糧の入手も難しくなるかもしれません。せっかくなので覗いて行きましょうか」
女僧侶「朝市なんて久しぶりですわ。珍しいものがあればいいのですけど」
女戦士「全く……遊びに行くんじゃありませんよ?」
女僧侶「……」ジィーッ
女戦士「な、何か?」
女僧侶「い、いえ、あなたがそんな事を仰るとは思わなかったので……少し驚いてしまいました」
女戦士「申し訳ありません……」
女僧侶「ち、違います! 別に悪いと言っている訳ではなくて……その、何と言うか……」
少年「女僧侶さんは貴方のそういう変化が嬉しいんですよ」
女戦士「嬉しい、ですか?」
女僧侶「勇者さまの仰る通りですわ。こういう言い方をして気を悪くしないで欲しいのだけど……」
女戦士「はい」
女僧侶「あなたはいつも難しい顔をなさっているので、少しお話がし難い方と思っていましたの」
女戦士「そうでしたか。申し訳ありません」
少年「ほら、そういう態度が原因ですよ」
女戦士「あっ!? はっ、はい……///」
魔王娘再登場まだー
女戦士かわいい
女僧侶「勇者さま!」
少年「何ですか?」
女僧侶「彼女をあまり虐めるものではないと思いますわ!」
女戦士「い、いえ……大丈夫ですから」
少年「私が悪者ですか? ……お二人はいつからそんなに仲が良くなったんです?」
女僧侶「たった今ですわ」ニッコリ
女戦士「えっ!? あっ、あの……///」
少年「……二対一ではこちらの分が悪いですね。わかりました、降参します」クスッ
女僧侶「わかって頂ければ結構ですわ。では、市を覗きに参りましょう♪」
少年「はいはい、仰せのままに」
女僧侶「ほら、あなたも早く!」
女戦士「あ、危ないから引っ張らないでください!」
女戦士(この旅を始めて……)
女戦士(勇者殿があんな風に笑ったのは、初めてのような気がする)
女戦士(これが仲間……というものなのだろうか……)
~~最西の街 中央広場にて~~
衛兵隊長「この者は、恐れ多くも教会に納めるべき品を横領し、己の利を図ろうとした大罪人である!」
女僧侶「ゆ、勇者さま!」
女戦士「あれは商隊長殿!」
衛兵隊長「教会への背信行為は神への背信行為! 慈悲深い神ですら救い難い大罪である!」
少年「まさか……ここまではやるとは」
女戦士「もしや、積荷の件でしょうか?」
女僧侶「そんな! あれは子供たちを救うために……」
衛兵隊長「因(よ)って、この背教者の首を刎ね、その救い難い大罪をを贖(あがな)ってもらう!」
どよどよどよどよ……
街人A「おい、あいつって教会の御用商人だよな?」
街人B「なんと恐れ多い……」
街人C「はん! いい気味だぜ! 罰が当たったんだよ、罰が!」
街人D「いや、でも首を刎ねるなんて……」
街人E「そうだよな……」
少年「街の人達の反応も様々ですね」
女僧侶「ど、どうしましょう……」
女戦士「このままで良いのですか?」
少年「助けますか? 陛下から賜った任務はどうします?」
女僧侶「しかし、このまま放っておく訳には!」
少年「あなたが背教者になる可能性もあるんですよ?」
女僧侶「どうしてです!」
少年「これは司祭殿の……即ち教会の意向によるもの。その決定に逆らいますか?」
女僧侶「あっ……」
衛兵隊長「大罪人よ! 最期に何か言い残す事はあるか!」
商隊長「……」
衛兵隊長「……ないようだな。ではこれより刑を執行する! 準備しろ!」
女僧侶「勇者さま!」
女戦士「くっ……」
??「待ちやがれ!!」
しえ
しえ
衛兵隊長「誰だ!!」
若い男「そいつにはちょっとした借りがあるんだよ! だから邪魔させてもらうぜ!」
女戦士「あの男は……」
女僧侶「あの時の野盗!」
衛兵隊長「貴様! 教会の決定に逆らうのか! この背教者め!」
若い男「背教者で結構! 俺には教会よりも大事なもんがあるんだよ!!」
女僧侶「教会より……大事なもの……」
女戦士「……」
衛兵隊長「お前達、何をしている! すぐにあいつを取り押さえろ!」
衛兵達「「「ははっ!!」」」
若い男「……おっと、そうはいくかよ! これでもくらいやがれっ!」
ギュオン!!
衛兵A「ぎゃぉんっ!?」
衛兵B「ら、雷撃の術!? あの男、魔法の使い手か!?」
衛兵隊長「怯むな! 殺しても構わん!!」
女僧侶「……助けます」
少年「教会の決定に逆らう事になっても?」
女僧侶「謂(いわ)れもない理由で命が奪われようとしているのに……それを神が許す訳がありません!」
女戦士「私も彼女の意見に賛成です。それに……」
少年「私の選択が招いた結果でもある、ですね?」
女戦士「勇者殿のではありません。私達の、です」
少年「……わかりました。女戦士さん……をお願いします」
女戦士「わかりました!」ダッ
衛兵B「怯むな! 相手は一人だぞ!」ブォン!
女僧侶「危ないっ!!」
若い男「があっ!? く、くっそぉ……流石に数が多過ぎるか……」
商隊長「あんた、何でこんな無茶な事を……」
若い男「言っただろ、借りがあるってよ! ぐうっ!?」
衛兵隊長「ふん、多勢に無勢だったな」
若い男「……うるせぇよ、この下衆共が!」
面白い
支援
支援
衛兵隊長「貴様、手配中の賊だな? 弱い犬程よく吠えると言うが、まさにそれだな」
若い男「くそ……ここまでかよ……」
商隊長「私のせいで……すまない」
若い男「俺が勝手にやった事だ、気にすんなよ」
衛兵隊長「ふん。大罪人同士、実に麗しい仲間意識だな」
衛兵B「隊長、どう致しますか?」
衛兵隊長「見せしめだ。二人共殺せ!」
若い男「ここで終わりか……師匠……済まねぇ……」
衛兵A「お、俺にやらせてくれ……この野郎さっきはよくも……ぐえっ!?」
少年「……二人共、生きていますね?」
若い男「お、お前は!?」
商隊長「勇者様!?」
衛兵C「な、何だこいつ!?」
衛兵B「くそ、仲間がいたのか!?」
女僧侶「大丈夫ですか? 今、治療を致します」
―――パァァァ
若い男「治癒魔法か……教会の奴に助けられるなんて、俺も焼きが回ったもんだぜ」
女僧侶「それだけ減らず口が聞けるなら大丈夫のようですね」
若い男「……助かったぜ、ありがとよ」
少年「まだ助かった訳ではありませんが?」
若い男「ほんと、かわいくねぇ餓鬼だぜ」
衛兵隊長「……女僧侶殿、これは一体どういう事ですかな?」
女僧侶「あなたたちこそ、どういうつもりですの!」
衛兵隊長「どうもこうも……教会に届けるはずの荷物をくすねた極悪人に罰を下そうとしているだけですよ」
女僧侶「彼は……商隊長さんはそんな事はしていませんわ!」
衛兵隊長「ほう……それは一体どういう事ですかな?」
少年「話すだけ無駄です、おやめなさい」
女僧侶「いいえ、言わせてください! 彼は私たちの頼みを聞いて、飢えた子供たちに食糧を施しただけです!」
衛兵隊長「成る程……そうだったのですか……」
少年は勇者が娘の魔法で化けた姿だと思ったら違ったようだ
司祭はよ
しかし息子ってことは魔王に中出ししたんだよな・・・ゴクリ
女僧侶「それのどこに罪があるというのですか!」
衛兵隊長「それでは、その男は施しをしただけだと。貴女はそう仰る訳ですな?」
女僧侶「その通りです!」
衛兵隊長「それは貴女が、そこにいる男に御指示された事なのですね?」
女僧侶「私の……それに勇者さまのお考えでもあります!」
衛兵隊長「いや、そういう事でしたか……よくわかりました」
女僧侶「おわかりいただけましたか?」
衛兵隊長「えぇ、わかりましたとも……」
女僧侶「そうですか……良かっ……」
衛兵隊長「貴女が背教者だという事がよくわかりました」
女僧侶「なっ!?」
衛兵隊長「その上、勇者を騙る輩までいるとは……これは見過ごす事が出来ませんなぁ」
女僧侶「あなたは私の話を聞いていたのですか!」
少年「だから無駄だと……」
若い男「その餓鬼の言う通り。こいつらは端っから人の話を聞く気なんかねぇんだよ!」
>>135
魔王の娘な
衛兵隊長「今までの遣り取りを聞く限り、貴方が勇者を騙る大罪人ですね?」
女僧侶「勇者さまに対して……無礼ですよ!」
衛兵隊長「背教者は黙っていなさい。どうなのです?」
少年「私がそう名乗った事は一度もありませんけどね」
衛兵隊長「なるほど。勇者を騙るだけあってなんとふてぶてしい。全員ひっ捕らえろ!」
衛兵達「「「はっ!!!」」」
若い男「くそ……助けに来てくれたのはありがてぇけど、どうすんだよ?」
少年「女僧侶さん、商隊長殿の拘束を解いてあげてください」
女僧侶「はっ、はい!」
若い男「だから、お前は人の話を聞けよ!」
少年「うるさいですね……聞いてますよ」カキンッ! シュッ!
衛兵C「うわっ!?」
女僧侶「大丈夫ですか?」ガチャガチャ
商隊長「う、あ、ありがとうございます」
④
>>137
魔王討伐しにいったのに魔王の娘に中出し決めるとか最高だな・・・
若い男「じゃあどうするんだよ!」
少年「あなたと違って、考えなしで突っ込むような馬鹿はしません」キンッ!
若い男「何だと!」
少年「あなたも口ばかり動かしてないで、手を動かしたらどうなんです」ザシュッ!
衛兵D「げぇっ!?」ドサッ
若い男「うるせぇ! 口を動かすのが俺の仕事だ!」
―――ゴウッ!
衛兵E「うぎゃ、あ、熱い!」
衛兵隊長「お前達! 何をやっている!」
衛兵B「し、しかし、相手は相当の手練れで!」
衛兵隊長「馬鹿め! 数ではこちらが勝っているんだ。取り囲んで押し潰してしまえ!」
衛兵B「は、ははっ!」
若い男「おい……このままだとやべぇぞ」
少年「わかっています。そろそろなんですが……」
女戦士「勇者殿ーーー!」ドドドドドッ!
ど、童貞ちゃうわ!
やっと追いついた
④
衛兵B「なっ、また仲間!?」
少年「来ましたか」
若い男「ありゃあ馬か!?」
少年「逃走手段の確保は初歩の初歩です。あれで突破します」
ヒヒーン!
女戦士「お待たせして申し訳ありません!」
少年「いえ、丁度よい頃合でした」ガシュッ!
衛兵F「うぉっ!?」
女戦士「時間がなかったので、三頭しか調達できず……」
少年「この短時間でよくやってくれました。行きます!」
衛兵隊長「待て! 逃がさん!!」ブォン!
少年「……」ザクッ!!
衛兵隊長「ぐぼっ!? ば、馬鹿な……」ドサッ!
女僧侶「きゃっ!?」
衛兵B「た、隊長が……」
この少年てもしかして勇者が魔法かなんかで少年の姿になったんじゃね
隊長おぉぉっ(;_;)
つい見いってしまった
俺達の隊長が…
>>146
スレタイ読めよ
支援しとくー
少年「女戦士さん、あなたは女僧侶さんを」
女戦士「はい!」
少年「馬には乗れますね?」
若い男「馬鹿にするな。馬ぐらい!」
少年「では、商隊長さんを一緒に。私が先行します。やあっ!」ダッ
ドドドドドッ!
衛兵B「ま、待て! くそっ、追え! 絶対に逃がすな!」
―――
――
―
若い男「おい! どこに向かっている!」
少年「東門に向かいます」
女戦士「西に向かうのではないのですか?」
少年「一度東に向かい、追っ手をくらまします。馬があるなら山越えで西に向かえるはずです」
女僧侶「……」
~~最西の街 東側近郊にて~~
商隊長「勇者様方、それに……えぇーと野……」
若い男「野盗じゃねぇ! 魔法使いだ!」
商隊長「勇者様方、それに魔法使い様、本当にありがとうございました」ペコリ
魔法使い「はん! 俺は借りを返しただけだ」
女戦士「我々のせいでご迷惑をお掛けしたのですから……当然の事です」
少年「……それで、これからどうされるおつもりです?」
商隊長「一先ず、妻と子を連れてこの国を出るつもりです」
女僧侶「国を……私たちのせいで、本当に申し訳ありませんでした」
商隊長「はははっ……罰が当たったんですよ……」
女戦士「罰、ですか?」
商隊長「えぇ……他人の不幸に胡坐をかいて利を貪っていたのです。当然の結果ですよ」
女僧侶「しかし、今回の事は!」
商隊長「いえいえ、勇者様方がされた事は正しい事でした。それぐらいは私にもわかります」
少年「……」
ほ
商隊長「ですから、こうして命を拾っただけでも良しとしますよ。それに……」
女僧侶「それに?」
商隊長「命さえあれば、また商いも出来ましょう」ニッコリ
魔法使い「はぁーっ……。逞しいんだな、あんたは」
商隊長「はっはっはっ。これぐらいでなければ、商売人など務まりませんよ」
少年「商隊長殿」
商隊長「うん、なんでしょう?」
少年「その馬はあなたが使うといいでしょう。追っ手よりも早く立ち回る必要があるでしょうから」
商隊長「勇者様方はどうされるのです?」
少年「先程も言いましたが、我々は山越えで西を目指します。それとこれを」
商隊長「うん……この紅玉は?」
少年「お詫び……という訳ではありませんが、売れば幾らかになるはずです」
商隊長「いや、しかし、これはかなりの……むぅ……」
少年「奥方達と合流しても、出立の準備をする時間はそう多くはないかと?」
商隊長「確かに……では、有り難く頂戴致します」ゴソゴソ
④
商隊長「短いおつき合いでしたが、皆様の事は忘れません」
魔法使い「気をつけて逃げろよ、おっさん」
商隊長「ありがとうございます。皆様もくれぐれもお気をつけて……それでは……はっ!」
―――
――
―
魔法使い「行っちまったな」
女僧侶「無事に逃げられると良いのですけど……」
魔法使い「あれだけの逞しさがあるんだ。何とかなるだろ」
女戦士「そうですね……」
少年「……では、私達も移動しましょう」
女戦士「はい。いつ追っ手がくるかもしれませんから」
女僧侶「そうですわね……」
.∧__,,∧
( ´・ω・)
. シュッ >、/⌒ヽ
───ミ''-‐y' / i_
`⌒ー′ | |::|
\\ \ | |::|
④ \=::|.
\
\
④
~~最西の街郊外 山中にて~~
少年「……で、どうしてあなたまで一緒なんですか?」
魔法使い「固い事を言うなよ。旅の恥はかき捨てって言うだろ?」
女戦士「それを言うなら、旅は道連れでは?」
魔法使い「似たようなもんだろ。細かい姉ちゃんだな」
女戦士「意味が違います。貴方、本当に魔法使いなんですか?」
魔法使い「お前だって、俺が魔法を使っているのを見ているだろ」
女戦士「それは確かに見ていますが……」
魔法使い「はん! 聞いて驚けよ! 俺の魔法は西の賢者からの直伝なんだぜ」
女戦士「賢者殿!? 勇者殿と共に魔王を倒したという?」
魔法使い「ふふん、どうだ驚いたか?」
女戦士「勇者殿」チラッ
少年「えぇ」コクリ
魔法使い「あぁ、なんだよ?」
少年「私達はその賢者殿に用があって、西へ向かっていたのです」
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・) バンバンバンバン゙ン
_/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
\/___/ ̄
バン はよ
バン(∩`・д・) バン はよ
/ ミつ/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄\/___/
; ' ;
\,,(' ⌒`;;)
(;; (´・:;⌒)/
(;. (´⌒` ,;) ) ’
( ´・ω((´:,(’ ,; ;'),`
( ⊃ ⊃ / ̄ ̄ ̄/__
\/___/
ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ
ポチ ポチポチポチポチポチポチ
ポチ(∩`・ω・) ポチポチポチポチポチ
_/_ミつ/ ̄/_
/_/
残されて餓死するか背信者のレッテルを貼られて処刑されていく親を亡くした子供たち・・・
魔法使い「師匠に会う為? だから最西の街を抜けるつもりだったのか」
少年「その通りです。まあ、あなたのせいで今は山中をこうしていますが」
魔法使い「おいおい、俺のせいってどういう事だよ!」
少年「馬が疲労するので、馬上で暴れないでくれますか?」
魔法使い「お、おう……すまねぇ」
少年「全く……二頭しかいない大事な馬なんですから、少しは考えてください」
魔法使い「くそ……納得いかねぇ」
少年「……話が脱線しましたね」
魔法使い「脱線させたのはお前だろうが!」
少年「それにしても、あの賢者殿が弟子をとられているとは……」
女戦士「えぇ。話に聞く限りでは気難しい方と伺っていましたから」
魔法使い「こいつら……また人の話を聞いてねぇ……で、師匠に何の用だよ?」
少年「……詳しい事は秘密と言いたいのですが、構わないでしょう?」
女僧侶「……」コクリ
女戦士「そうですね、私も彼なら問題はないと思います」
し
え
ん
魔法使い「お前ら……俺の事、馬鹿にしてるだろ?」
少年「魔王の復活、そんな話を聞いた事はありませんか?」
魔法使い「また、人の話を……って、何だと!?」
少年「その様子だとご存知ないようですね」
魔法使い「魔王って、あの魔王かよ?」
少年「では、魔物が人を襲うという話は?」
魔法使い「だから、人の話を聞けよ!」
少年「ふむ。この話もご存知ないようですね」
女戦士「道中でも目ぼしい情報は聞けず、この辺りでならと思っていたのですが……」
魔法使い「全くこいつらは……」
少年「魔王復活、あくまでも噂や推測の域を出ませんが……」
魔法使い「それを確認するのが師匠に会う目的って訳か」
少年「えぇ、その通りです」
魔法使い「はっ! そこまで大きな話だと、当然国が絡んでるよな?」
少年「そこは想像に任せます」
子供「兄ちゃん……何処行ってしもうたん?」
>>161
一番のお兄ちゃん「兄貴!ここは俺に任せて兄貴は兄貴のするべき事をしてくれ。なに、心配なんかいらねえよ。俺だって兄貴の弟分なんだぜ!」
魔法使い「……ふん」
少年「どうかしましたか?」
魔法使い「いやな……」
少年「何か思い当たる事でもありましたか?」
魔法使い「思い当たる事はねぇ。ただ、お前達を師匠のところに案内してろうかと思ってよ」
女戦士「本当ですか!?」
魔法使い「あぁ。最西の街の連中は、ただでさえ苦しい生活を教会に強いられてんだ」
女僧侶「……」
魔法使い「もし、さっきの話が本当なら……最西の街に明るい未来なんざねぇからな」
少年「だから確認しておく必要があると?」
魔法使い「あぁ、あの街には餓鬼共だっているんだ。放っておけるかよ!」
少年「話は決まりですね。では、先を急ぎましょうか」
魔法使い「明日になれば……」
女戦士「うん?」
魔法使い「明日になれば、転移魔法で師匠の塔まで飛べる」
>>168
司祭「おやあの子供は・・・ふふふ・・・」
女戦士「転移魔法? そんな便利なものが使えるのですか?」
魔法使い「使える。ただ、さっきの騒ぎで魔力を消耗し過ぎた」
少年「だから明日ですか?」
魔法使い「あぁ。魔力が回復すれば、お前達も一緒に、すぐにでも師匠のところへ飛ぶ」
女戦士「少なくとも、明朝までは追っ手を逃れる必要がある訳ですね」
少年「では、今は少しでも先に進む事を考えましょう」
魔法使い「そうだな。後は安全に野営が出来れば助かる」
少年「わかりました。それも頭に入れておきます」
女戦士「あの……」
少年「どうかしましたか?」
女戦士「いえ、先程から彼女の様子が……」
女僧侶「……」
魔法使い「何だよ、ひでぇ顔色じゃねぇか。おい、大丈夫かあんた?」
女戦士「大丈夫ですか? 随分と顔色が悪いようですが?」
女僧侶「あっ……だ、大丈夫ですわ」
アフィに乗りそうなスレがあったら↓をコピペするといい
赤レスがたくさんあると編集の時などにかなり厄介になるぞ!
名前欄や本文に「クリックお願いします」などの文は↓ほど効果はないぞ!
でもやっておいて損はないぞ!
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少年「今は多少の無理をしてでも先に進みます。行けますね?」
魔法使い「おいおい。仲間にそんな言い方はねぇだろう」
少年「休める状況ならとっくに休んでいます。そんな事もわからないんですか?」
魔法使い「あん! てめぇ、喧嘩売ってんのか!」
女僧侶「わ、私は大丈夫です。ですから……」
少年「彼女もこう言っています。急ぎましょう」
魔法使い「だから人の話を聞けってんだよ!」
少年「……馬上で暴れるなと言ったはずです」
女僧侶「や、やめてください……」
魔法使い「初めて会った時からだよな? 人の話は聞かねぇ、話を勝手にすすめやがる」
少年「……だから何です?」
女戦士「御二方共、それぐらいで……」
魔法使い「仲間が辛そうにしてたら思い遣るのが普通だろう! てめぇ、それでも勇者か!」
少年「俺は勇者なんかじゃない!!!」
女戦士・女僧侶・魔法使い「っ!?」ビクッ
>1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49>50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,
>76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,107,108,109,110,111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124,125,126,127,128,129,130,131,132
>133,134,135,136,136,137,138,139,140,141,142,143,144,145,146,147,148,149_アフィks
>150,151,152,153,154,155,156,157,158,159,160,161,162,163,164,165,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,178,179,180,181,182,183,184,185,186,187,188,189,190,191,192,193,194,195,196,197,198,199
>200,201,202,203,204,205,206,207,208,209,210,211,212,213,214,215,216,217,218,219,220,221,222,223,224,225,226,227,228,229,230,231,232,233,234,235,236,237,238,239,240,241,242,243,244,245,246,247,248,249
>250,251,252,253,254,255,256,257,258,259,260,261,262,263,264,265,266,267,268,269,270,271,272,273,274,275,276,277,278,279,280,281,282,283,284,285,286,287,288,289,290,291,292,293,294,295,296,297,298,299
>300,301,302,303,304,305,306,307,308,309,310,311,312,313,314,315,316,317,318,319,320,321,322,323,324,325,326,327,328,329,330,331,332,333,334,335,336,337,338,339,340,341,342,343,344,345,346,347,348,349
>350,351,352,353,354,355,356,357,358,359,360,361,362,363,364,365,366,367,368,369,370,371,372,373,374,375,376,377,378,379,380,381,382,383,384,385,386,387,388,389,390,391,392,393,394,395,396,397,398,399
>400,401,402,403,404,405,406,407,408,409,410,411,412,413,414,415,416,417,418,419,420,421,422,423,424,425,426,427,428,429,430,431,432,433,434,435,436,437,438,439,440,441,442,443,444,445,446,447,448,449
>450,451,452,453,454,455,456,457,458,459,460,461,462,463,464,465,466,467,468,469,470,471,472,473,474,475,476,477,478,479,480,481,482,483,484,485,486,487,488,489,490,491,492,493,494,495,496,497,498,499
>500,501,502,503,504,505,506,507,508,509,510,511,512,513,514,515,516,517,518,519,520,521,522,523,524,525,526,527,528,529,530,531,532,533,534,535,536,537,538,539,540,541,542,543,544,545,546,547,548,549
>550,551,552,553,554,555,556,557,558,559,560,561,562,563,564,565,566,567,568,569,570,571,572,573,574,575,576,577,578,579,580,581,582,583,584,585,586,587,588,589,590,591,592,593,594,595,596,597,598,599
>600,601,602,603,604,605,606,607,608,609,610,611,612,613,614,615,616,617,618,619,620,621,622,623,624,625,626,627,628,629,630,631,632,633,634,635,636,637,638,639,640,641,642,643,644,645,646,647,648,649
>650,651,652,653,654,655,656,657,658,659,660,661,662,663,664,665,666,667,668,669,670,671,672,673,674,675,676,677,678,679,680,681,682,683,684,685,686,687,688,689,690,691,692,693,694,695,696,697,698,699
>700,701,702,703,704,705,706,707,708,709,710,711,712,713,714,715,716,717,718,719,720,721,722,723,724,725,726,727,728,729,730,731,732,733,734,735,736,737,738,739,740,741,742,743,744,745,746,747,748,749
>750,751,752,753,754,755,756,757,758,759,760,761,762,763,764,765,766,767,768,769,770,771,772,773,774,775,776,777,778,779,780,781,782,783,784,785,786,787,788,789,790,791,792,793,794,795,796,797,798,799
>800,801,802,803,804,805,806,807,808,809,810,811,812,813,814,815,816,817,818,819,820,821,822,823,824,825,826,827,828,829,830,831,832,833,834,835,836,837,838,839,840,841,842,843,844,845,846,847,848,849
>850,851,852,853,854,855,856,857,858,859,860,861,862,863,864,865,866,867,868,869,870,871,872,873,874,875,876,877,878,879,880,881,882,883,884,885,886,887,888,889,890,891,892,893,894,895,896,897,898,899
>900,901,902,903,904,905,906,907,908,909,910,911,912,913,914,915,916,917,918,919,920,921,922,923,924,925,926,927,928,929,930,931,932,933,934,935,936,937,938,939,940,941,942,943,944,945,946,947,948,949
>950,951,952,953,954,955,956,957,958,959,960,961,962,963,964,965,966,967,968,969,970,971,972,973,974,975,976,977,978,979,980,981,982,983,984,985,986,987,988,989,990,991,992,993,994,995,996,997,998,999,1000
魔王娘まだ?そろそろ寒い
少年「女僧侶が辛そうにしているのは知っている! だが、ここで追っ手に囲まれたらどうする!」
少年「逃げ場のない山間部だぞ! お前の転移魔法も当てに出来ない!」
少年「俺一人ならなんとでも出来るさ。で、お前達を見捨てて逃げろとでも言うのか!」
少年「それとも追っ手を皆殺しにすればいいのか? それが望みならやってやるさ!」
少年「街で衛兵を殺したようにな!」
女僧侶「っ……」
女戦士「ゆ、勇者殿……」
魔法使い「お、落ち着けよ……」
少年「はぁ……はぁ……はぁ…………」
少年「……それで、あなた方はどうしたいんですか?」
女僧侶「私は大丈夫ですから、先に進みましょう」
少年「……お二人の意見は?」
女戦士「私も先に進むべきだと思います」
魔法使い「……この姉ちゃんが大丈夫って言うなら」
少年「……わかりました。街から少しでも離れます」
そんなアフィカス対策()貼って意味あると思ってんのか
~~夕刻 最西の街郊外 山中 洞窟前にて~~
女戦士「今のところ、追っ手の気配はないようですね」
少年「今日はここで夜営にします」
魔法使い「しかし、これだけ蔦が絡まってんのに、よく洞窟があるって気付いたな」
少年「気付くも何も、入口の辺りだけ蔓の密度が薄いでしょう?」
魔法使い「まぁ、言われればそうなんだが……で、何やってんだ?」
少年「地面に近い部分と……あとこの辺りの蔦を切れば、入口は蔦で覆ったまま出入りがしやすくなります」
魔法使い「なるほどねぇ……」
―――
――
―
少年「念の為に周辺の状況を確認してきますので、女戦士さんは馬の世話をお願いします」
女戦士「承知しました」
少年「お二人は休みながらで構いませんから、周囲の警戒を」
魔法使い「休みながら警戒って……」
少年「出来ないとは言わせません。あと火を使うのは、完全に日が暮れてからお願いします」
女僧侶「日が暮れたら、火を使ってよいのですか?」
魔法使い「暗くなっちまえば、炊煙なんて確認のしようがないからな」
少年「……なんだ。ちゃんとわかっているじゃないですか」
魔法使い「流石にそれぐらいはな」
少年「ああ、それと……」
魔法使い「まだ何かあるのか?」
少年「もし、半刻(一時間)以上経っても私が戻らないようなら、私を置いてこの場は離れてください」
女戦士「いや、それは……」
少年「その為の複数行動でしょう? いいですね」
女戦士「……わかりました」
女僧侶「はい……」
少年「では、お願いします」
魔法使い「あんまり無茶すんなよ」
女僧侶「勇者さま、お気をつけて……」
魔法使い「……なぁ?」
女戦士「なんですか?」
魔法使い「あいつ、一体何もんだ? 見た目は餓鬼だが普通じゃねぇだろ」
女戦士「……さぁ?」
魔法使い「さぁって……仲間なんじゃねぇのかよ?」
女戦士「勇者殿と初めてお会いしたのが二週間前です。以来ずっとご一緒させて頂いていますが……」
魔法使い「魔王を倒した勇者の息子ってのは本当の話なのか?」
女戦士「……おそらく。国王陛下から下賜された勇者の紋章をお持ちなので」
魔法使い「ふぅん。で、何で勇者って呼ばれて、あれだけ取り乱すんだよ」
女戦士「……」
魔法使い「おい」
女戦士「……私にはわかりかねます」
魔法使い「はっ! それもわからねぇか。お前ら、あいつの事何にも知らねぇんだな」
女戦士「無駄口を聞く元気があるなら、馬の世話を手伝っていただけませんか?」
魔法使い「はいはい、わかったよ」
このあと司祭に少年が犯されるホモスレになってしまうのか…
ムムム…
女僧侶「あの……」
魔法使い「あん?」
女僧侶「勇者さまがいらっしゃらない時に、こういう話をするのはどうかと思います」
魔法使い「確かにそうかもしれねぇけど、よくわからねぇから確認してるだけじゃねぇか」
女僧侶「でしたらご本人に確認されるのが一番ではないかと」
魔法使い「それが出来れば苦労しねぇって。あの餓鬼がまたぶち切れたらどうすんだよ」
女僧侶「ならそれは、勇者さまにとって聞かれたくない事なんだと思います」
魔法使い「って言ってもよぉ……」
女僧侶「あなたにだって聞かれたくない事情の一つや二つ、あるのではありませんか?」
魔法使い「まぁ……そりゃあなぁ……」
女僧侶「もし、必要な事でしたら、理由は勇者さまからお話してくださるはずです」
女戦士「そうですね。貴女の言う通りです」
魔法使い「わかったよ、俺が悪かった。あいつにもこの話は聞かねぇ。それでいいな?」
女僧侶「はい、お願いします」ペコリ
魔法使い「よせよ。俺に頭なんて下げるな」
④
魔法使い「それにしてもよ……」
女僧侶「はい」
魔法使い「あんたらがあいつを勇者って呼ぶのは大丈夫なんだよなぁ?」
女戦士「んんっ」クスッ
女僧侶「ふふっ」クスッ
魔法使い「あん? 何かおかしな事言ったか、俺?」
女戦士「いえ、最初から大丈夫だった、という訳でもなかったんですよ」
魔法使い「そうなのか?」
女僧侶「えぇ、最初は物凄く嫌がられて……」
女戦士「それでも、続けてお呼びしているうちに何も仰らなくなったんですよ」
魔法使い「へぇ、そうなのか。なら、俺がそう呼んでも……」
少年「あなたに呼ばれたくありません」ガサガサッ
魔法使い「うおっ!? びっくりしたじゃねぇか!」
女戦士「勇者殿、御無事でしたか」
女僧侶「おかえりなさいませ、勇者さま」
支援
保守
少年「全く……人がいない間に何を企んでいるのやら」
魔法使い「いやいや!? 別に企むとか企まないじゃなくてよ」
少年「しばらく周辺の様子を窺っていましたが、追っ手の姿はないようです」
魔法使い「そっか。油断は出来ねぇが一安心……って、そりゃあ何だ?」
少年「見回りついでに採集してきました」
女戦士「木の実に野草ですか。えっと、これは見た事のない野草ですね……」
少年「それは香草の一種ですよ。下処理した木の実と一緒に、鳥の腹の中に詰めて焼きます」
女僧侶「香草ですか。どうりでいい匂いがします」
魔法使い「……なぁ?」
少年「なんですか?」
魔法使い「野鳥って……弓もねぇのにどうやって仕留めたんだよ」
少年「原始的ですが、慣れれば手頃で効果的な飛び道具になります」ポイッ
魔法使い「……石? そんなもんで鳥なんかが獲れるのか?」
ヒュッ! ゴスッ!
魔法使い「……すげぇな。木にめり込んでやがる」
少年「石だからといって、馬鹿にしたものでもないでしょう?」
魔法使い「はぁ……」
女戦士「どうかされましたか。溜め息などついて?」
魔法使い「いや、こいつを見ていると師匠の事を思い出してよ」
女僧侶「賢者さまの事を、ですか?」
魔法使い「俺の師匠は実践派でよ。短刀を一本だけ持たされて、山の中に放り込まれたり……無茶させんだよ」
少年「弟子思いの良い師匠じゃないですか」
魔法使い「どこがだよ!」
少年「では、その時の経験を活かして、鳥と木の実の下処理をお任せします」
魔法使い「は? 俺がやるのか?」
少年「出来るんでしょう?」
魔法使い「そりゃあ……まぁ、出来ねぇ事はねぇけど……くそ……言うんじゃなかったぜ……」
女戦士「では、私は薪を集めてきますので、勇者殿はしばらくお休みになってください」
少年「あ、そちらには行かないようにしてください。簡単な罠を設置しておきましたから」
魔法使い「……本当に師匠を見ているようだぜ」
面白いな
~~日暮れ後 最西の街郊外 山中 洞窟内にて~~
魔法使い「ふぅ、食った食った。朝から動きっぱなしだったから、ようやく人心地ついたぜ」
女戦士「御馳走様でした。これほど美味しいとは思いませんでした」
女僧侶「本当に。臭みがないから食べやすくて。香草の効果でしょうか?」
魔法使い「だろ? 俺がしっかりと下ごしらえをしたからだぜ?」
少年「そういう事にしておきます」
魔法使い「ふふん、今は気分がいいんだ。何とでもいいやがれ」
女僧侶「勇者さま」
少年「何ですか?」
女僧侶「はい。これからの事なのですが、今日はこのままここで夜営という事でよろしいのですか?」
少年「そうですね。今のところ追っ手の気配はないようですから」
魔法使い「んで、俺の魔力が回復した明日に、転移魔法で師匠のところに移動する、だろ?」
少年「えぇ、そう考えています」
女戦士「申し訳ありません。一つお聞きしたい事が……」
少年「何かありましたか?」
女戦士「いえ、私は魔法については詳しくないのですが……」
女戦士「転移魔法とは、それほどの大きな魔力が必要な術なのでしょうか?」
魔法使い「んん? どういう事だよ?」
女戦士「高位の術とは聞き及んでいますが、朝から時間も経っていますので、今からという訳にはいかないのかと?」
魔法使い「はぁ……これだから素人は。いいか転移魔法っていうのは……」
少年「転移魔法自体は高位の術ですが、難易度の割には大きな魔力を必要としません」
魔法使い「お、おい……」
少年「ただ、複数で転移をする場合、必要な力が加算式に膨れ上がっていきます」
女戦士「では、我々が転移をする場合は……」
少年「単純に考えれば四倍の力が必要になります」
女戦士「……なるほど」
少年「ですから、彼の名誉の為に言っておくなら、朝の段階でも彼一人なら賢者殿の下に転移出来たはずです」
女僧侶「そういう事だったんですね」
女戦士「勉強になりました。ありがとうございます」
魔法使い「まぁ、そういう事だ……って、何で俺の台詞を取るんだよ!」
少年「誰が説明しても同じでしょう」
魔法使い「いやいや、ここは俺が格好良く説明する状況じゃねぇか!」
少年「全く、面倒な……」
魔法使い「面倒なら説明するなよ!」
女戦士「まあまあ、落ち着いてください」
魔法使い「また俺が悪者かよ……っていうか、どうして転移魔法について、そんなに詳しく知ってる?」
少年「以前、ある人から教えてもらいました」
女僧侶「……お父様ですか?」
少年「いえ……それより今晩の見張りですが、女戦士さん、私、女僧侶さんの順で考えています」
魔法使い「俺が入ってねぇじゃねぇか」
少年「あなたは魔力の回復が優先なので、見張りからは外れてもらいます」
魔法使い「……わかった。そういう事なら、遠慮なく休ませてもらうぜ」
少年「お二人共、それでよろしいですね?」
女戦士「はい、問題ありません」
女僧侶「わかりましたわ」
支援支援
魔法使いってうぜぇな
~~夜半 最西の街郊外 山中 洞窟内にて~~
女戦士「勇者殿、よろしいですか?」
少年「……交代の時間ですか?」
女戦士「はい。お疲れでしょうが、よろしくお願いします」
少年「それはお互い様でしょう」
女戦士「いえ。私と女僧侶が連続して休めるよう、見張りの順番も配慮してくださっています」
少年「……それで、何か問題は?」
女戦士「特には何も……静かなものです」
少年「そうですか。では、交代しますからあなたは休んでください」
女戦士「あの……」
少年「何ですか?」
女戦士「彼女は大丈夫でしょうか?」
少年「今朝の件ですか?」
女戦士「はい。今までの人生を信仰に捧げた彼女にとって、背教者呼ばわりされた事は……」
少年「そうですね。普通に考えれば耐えられない事だと思います」
追いついた
最後まで書いてくれよ
ほう
>>194
勇者(Jr.)の方がうざくね?
女戦士「街を離れてからも彼女に元気がないのは、それが原因ではないかと思うのですが?」
少年「……本当にそうでしょうか?」
女戦士「違う、のでしょうか?」
少年「女僧侶が間違った事をしたのなら、『背教者』と呼ばれた事で思い悩むかもしれません。しかし……」
女戦士「彼女は間違った事をしてない」
少年「えぇ、少なくとも御自身でもそう考えているはずです。彼女が言った言葉を憶えていますか?」
女戦士「『謂れもない理由で命が奪われる事を、神は許さない』ですか?」
少年「その通りです」
女戦士「だからあの時、商隊長殿を助ける選択をした」
少年「彼女がした選択は、己の信仰を否定しません。だから、その事で思い悩む事などないはずです」
女戦士「それでは、どうして彼女は……」
少年「理由はわかっています」
女戦士「そうなのですか?」
少年「ただ、私たちが何かをして、解決する問題ではありません」
女戦士「し、しかし!」
少年「しっ……あまり大声を出しては二人が起きてしまいますよ」
女戦士「も、申し訳ありません……」
少年「……あなたが女僧侶を心配する気持ちは、理解しているつもりです」
女戦士「……はい」
少年「あなたの気持ちも、彼女に伝わっているはず。あとは……」
少年「あとは彼女が、自分の気持ちにどう折り合いをつけるか……それだけです」
女戦士「ですが……」
少年「そういう事ですから、あなたはもう休んでください」
女戦士「……」
少年「……時間が許せば彼女と話をしてみます。それでいいですか?」
女戦士「勇者殿……」
少年「体を休める事もあなたの仕事です。何かあれば叩き起こしますので覚悟してください?」
女戦士「はい……ありがとうございます」
少年「叩き起こすと言っているのにお礼を言うなんて……変わった人ですね」
~~夜明け前 最西の街郊外 山中 洞窟前にて~~
女僧侶「……」
少年「どうかしましたか?」
女僧侶「少し寝つけなくて……。交代の時間はまだでしょうか?」
少年「まだ大丈夫ですよ。あなたは疲れているのだから、今は少しでも休んだ方がいい」
女僧侶「そうですね……」
少年「……」
女僧侶「……」
少年「……休まないのですか?」
女僧侶「外は……」
少年「はい」
女僧侶「外は風が冷たいのですね」
少年「そうですね、平野と比べて多少は」
女僧侶「勇者さまは寒くありませんか?」
少年「私は旅慣れていますので。それに眠気覚ましには丁度いい」
支
女僧侶「……」
少年「……女戦士さんもあなたの事を心配しています」
女僧侶「はい。皆さまに心配ばかりかけて、足を引っ張って……駄目ですね、私は」
少年「皆で旅をしているのだから、仲間を心配するのは当然の事です」
女僧侶「……あの」
少年「なんでしょう?」
女僧侶「あっ……いえ、何でもありません……」
少年「やはり私の事が怖いですか?」
女僧侶「えっ!?」
少年「『どうしてこの人は、平然と人を殺せるんだろう?』と?」
女僧侶「っ!?」
少年「『どうしてこの人は、人を殺して平気な顔でいられるんだろう?』と?」
女僧侶「ち、違うんです……仕方のない事だとはわかって……」
少年「『何かあれば、この人は私たちも平気な顔で見捨てるのだろうか?』と?」
女僧侶「違います! 止めてください!」
やっと追いついた
少年「違いますか? そう考えていないと?」
女僧侶「違います……違うんです……」
少年「でも、私の事がよくわからない。だから私を怖いと思っている。そうですよね?」
女僧侶「勇者さまがした事は間違っていない。間違っていないとは思うんです……」
少年「そう思って理解は出来ても、受け入れられない。だから、あなたは私の事が怖い」
女僧侶「……」
少年「……ですから最初に申し上げたのです」
女僧侶「えっ?」
少年「『私は勇者ではない』と」
女僧侶「そ、それは……」
少年「平然と人を殺せる私を『怖い』と感じている、あなたの感覚は間違っていない」
女僧侶「そう……なのでしょうか?」
少年「私はね、あなたが想像しているより、遥かに醜い人間なんですよ」
女僧侶「そ、そんな事は……」
少年「『ない』と言い切れますか?」
支援
面白い
支援
少年「私の過去を知らないあなたには、『ない』とは言い切れないはずです」
女僧侶「確かに私は勇者さまの過去は存じません! それでも……それでも……」
少年「……」
女僧侶「それでも! 勇者さまは子供たちに食糧を分け与え、商隊長さんを助けてくださいました!」
少年「ただの気紛れかもしれませんよ?」
女僧侶「気紛れなんかじゃありません! 気紛れなんかじゃないと……」
少年「……だから私を信じたい、そう言いたいのですか?」
女僧侶「えぇ、今はまだ信じているとまでは言えません。でも、少なくとも信じたいと思っています」
少年「正直で結構ですよ」
女僧侶「ごめんなさい……」
少年「あなたが謝る必要なんてない。先程も言いましたが、あなたの感覚が正常なんです」
女僧侶「勇者さま……」
少年「私のように、人を殺す事に慣れてしまっては、もはや正常とは言えないんですよ」
女僧侶「勇者さまは年も私と同じくらいだというのに、どうして……」
少年「その話はいずれ機会があれば。もう、夜明けです」
しえん
やっぱ少年うぜえな
司祭早く出て来てくれ
女僧侶「夜明け? 私の見張りの時間は……」
少年「少し早いですが、二人を起こしてきます。しばらくの間、見張りをお願いします」
女僧侶「ゆ、勇者さま……」
女僧侶(私が起きてから、そんなに時間が経ってないのに夜が明けてしまった?)
女僧侶(もしかして、私を起こさずに見張りを代わっていてくださったのでしょうか?)
女僧侶(私が疲れていると気遣って?)
女僧侶(……私の事だけじゃない)
女僧侶(あの子たちの事、商隊長さんの事……)
女僧侶(他人をあれだけ思い遣れる……)
女僧侶(そんな方が、冷たい心の持ち主であるはずがありません)
女僧侶(……)
女僧侶(少年『で、お前達を見捨てて逃げろとでも言うのか!』)
女僧侶(少年「それとも追っ手を皆殺しにすればいいのか?』)
女僧侶(あの時の勇者さま……あんな辛そうな姿はもう……)
女僧侶(信じて……良いのですよね、勇者さま?)
~~早朝 最西の街郊外 山中 洞窟前にて~~
魔法使い「それじゃあ今から転移魔法を使って、師匠の所に移動する」
少年「お願いします」
魔法使い「おっと、馬ははどうするんだ?」
少年「一緒に転移させるとあなたの負担が大きくなります。ですから、ここで放しましょう」
魔法使い「ああ、そうしてもらえると有り難いね」
女戦士「私達はどうすればいいのでしょうか?」
魔法使い「俺の近くに居てくれりゃいい」
女僧侶「それで大丈夫なのですか?」
少年「術者が転移対象を認識していれば問題ありません」
魔法使い「また俺の台詞を……」
女戦士「では、魔法使い殿と接触したりする必要はない訳ですか?」
魔法使い「ああ、その通りだ」
女僧侶「わかりました」
魔法使い「よっしゃ。そんじゃあ行くぜ!」
~~早朝 賢者の塔近郊にて~~
女戦士「これが転移魔法ですか……凄い」
魔法使い「これで追っ手の心配はなくなっただろ」
女戦士「向こう見える塔が、賢者殿のお住まいですか?」
魔法使い「ああ、そうだ。この距離なら四半刻も歩けば、塔に着くだろうさ」
少年「……」
女僧侶「勇者さま、どうかなさいましたか?」
魔法使い「何だ? 転移魔法で目でも回したか?」
少年「……いえ、何でもありません」
女戦士「それにしても……やはりここにも魔物がいる気配はないようですね」
魔法使い「そうだな。その魔物が出没しているって話、本当なのか?」
女僧侶「はい。各地の教会からの報告によれば……」
魔法使い「はん。教会の報告ってやつも当てにならねぇな」
女僧侶「……間違いであれば、それに越した事はありません」
魔法使い「へぇ……」
投下早すぎ猿食らうぞと思ったが回線複数持ってるみたいだな
女僧侶「何ですか?」
魔法使い「いや、あんたの事だから『馬鹿にするな!』って噛み付いてくると思ったんだけどよ」
女僧侶「申し上げたように、間違いであれば、それに越した事はありませんもの」
魔法使い「まあ、仮に魔物が出没していたとしても、この付近にはいねぇだろうよ」
女戦士「どうしてです?」
魔法使い「おいおい。俺の師匠はこいつの親父と一緒に魔王を倒した英雄だぜ?」
女戦士「間違っても魔物に遅れをとる事はないという事ですね」
魔法使い「その通りさ。遅れをとるどころか、近づく事すらしねぇだろうよ」
女僧侶「でしたら……」
魔法使い「うん?」
女僧侶「でしたら、各地から上がってきた、教会の報告はなんだったのでしょうか?」
少年「それを確認する為、賢者殿に会いに来たのでしょう?」
女僧侶「えぇ、その通りですわね」
魔法使い「ここであれこれと考えていても仕方ねぇってこったな」
少年「行きましょう。賢者殿の下へ」
~~早朝 賢者の塔 入口にて~~
女戦士「遠くから見ても凄いと思いましたが、これほどの造りとは……」
魔法使い「この辺りには古代文明の遺跡が多くてな。その調査の為に街があったんだよ」
女僧侶「街があったのですか、ここに?」
魔法使い「あんたらも知っているだろ? 魔王軍との戦いで滅んだ国があるってよ」
女戦士「もしやここが……」
魔法使い「この街だけじゃない。他の街も魔王軍に滅茶苦茶にされちまった……」
女僧侶「だから塔の周りに、これほどたくさんの廃墟が……」
女戦士「あの……もしや……」
魔法使い「ああ。滅んだのは俺の生まれた国さ……」
女僧侶「そ、そんな……」
女戦士「心無い事を聞いてしまいました……申し訳ない」
魔法使い「いいんだよ。確かに国は無くなったが、俺はこうして生きている」
女僧侶「あなたに神のご加護がありますよう……」
魔法使い「や、やめてくれ! あんたには悪いが、今更神の加護なんざ欲しくもねぇっての」
援
魔王娘とのイチャイチャはよ
女僧侶「そうですか……」
魔法使い「……どうぜ祈るなら、俺じゃなくて亡くなった連中に祈ってやってくれ」
女僧侶「……そうですね。そうさせていただきます」
女戦士「それにしても、魔王軍の襲撃を受けて、どうしてこの塔だけ無事なのでしょうか?」
魔法使い「無事じゃなかったみたいだぜ」
女戦士「そうなのですか?」
魔法使い「詳しくは知らねぇが、廃墟同然だった塔を師匠が再利用したって話だからよ」
女戦士「成る程……」
魔法使い「とはいえ、幾ら再利用といってもなぁ……」
女戦士「うん? 何か問題でもあるのですか?」
魔法使い「いや、これだけの塔を建築するのに、一体どれだけの労力が必要だと思う?」
女戦士「それは……百や二百の職人では済まないのではないかと」
魔法使い「そう思うだろ? でもな、この塔は師匠が一人で建て直したって話なんだよなぁ」
女僧侶「この塔をお一人で!?」
女戦士「馬鹿な! 不可能でしょう!?」
少年が切れ者過ぎてワロタ
世界観に凝るのもいいけど魔王娘の話もさっさと書いて欲しいぞ
魔法使い「俺もそう思ってさ。師匠に聞いた事があるんだよ」
女戦士「で、賢者殿は何と?」
魔法使い「『貴様のような若造が知るには五十年は早い』だってよ」
女僧侶「まぁ!? 賢者さまはお幾つでいらっしゃるのでしょうか?」
魔法使い「それも知らねぇ……つうか、うちの師匠はわからねぇ事の方が多いんだ」
女戦士「さすがは賢者殿といったところですか」
魔法使い「いや、意味がわからねぇよ」
女僧侶「それだけのお力をお持ちだから、勇者さまと共に魔王を討ち滅ぼすことが出来たのですね」
魔法使い「うーん、その話もなぁ……」
女戦士「うん? 何かあるのですか?」
魔法使い「いや、まぁ……」
少年「無駄口はそれぐらいにして、そろそろ中に入りたいのですが」
魔法使い「へいへい、ちょっと待ってろよ……」
魔法使い「……」
―――ギィィィッ!
女戦士「扉が勝手に開いた!?」
魔法使い「ああ、師匠に扉を開けてくれるよう、術で思念を送ったんだよ」
女僧侶「賢者さまが扉を開けられたのですか?」
魔法使い「この塔は魔法で守られてるからな。師匠が許可しなきゃ、蟻一匹は入れねぇようになってる」
少年「扉が開いたという事は、私達も中に入ってもよい、という事ですね」
魔法使い「まあ、俺がいるからだろうよ」
少年「では、まずあなたが塔に入ってください」
魔法使い「あ? 何だそりゃ?」
少年「あなたが塔に入って扉が閉まらないようなら、私たちも賢者殿に許可を得たという事になります」
魔法使い「そうかい。そんじゃ、お先に」スタスタ
女戦士「……」
女僧侶「……」
女戦士「扉は閉まらないようですね」
女僧侶「勇者さま」
少年「えぇ、私達も中に入りましょう」
支援
~~早朝 賢者の塔 最下層部にて~~
女戦士「こ、これは……」
女僧侶「……何もありませんわね」
女戦士「広い空間があるだけで、塔内は空っぽではありませんか!?」
魔法使い「まあまあ落ち着けって」
少年「……」ジィーッ
魔法使い「ふん。あんたはわかったみたいだな」
少年「……床にある魔方陣ですか?」
魔法使い「ご名答」
女戦士「……この魔方陣が何か?」
魔法使い「こいつで上にある部屋に転移が出来るんだよ」
女僧侶「上の部屋に?」
魔法使い「まぁ、こいつも師匠が許可しなきゃ作動しねぇんだけどな。ほら、早くしろ」
少年「……」スタスタ
女戦士・女僧侶「「はっ、はい」」タッタッタッ
面白い
がんばってな
~~早朝 賢者の塔 上層部にて~~
女戦士「うわっ!?」
魔法使い「おいおい、ただの転移魔方陣だぜ? いちいち大声を出すなよ」
女戦士「突然目の前の風景が変われば、誰だって驚きます!」
魔法使い「こんなもの、要は慣れだっての」
女僧侶「……ここは?」
魔法使い「塔の上層部さ。あの階段を登れば、師匠の研究室のある階層だ」
女戦士「下へ降る階段もあるようですが?」
魔法使い「下の階層は空き部屋か物置だ。師匠に会いに来たんだから、今は関係ねぇよ」
少年「それなら上に参りましょうか」
女僧侶「ようやく賢者さまにお会い出来るのですね」
魔法使い「そうだな……はぁ……」
女戦士「うん?」
少年「どうかしましたか? 溜め息なんかついて」
魔法使い「いや、何でもねぇ。行こうぜ」
濡れ場はあるんだろうな?
支援
少年「……中に入らないんですか?」
魔法使い「いや……入ろうとは思うんだが……」
女戦士「何か問題でもあるのですか?」
魔法使い「あるといえばあるし、ねぇといえば……」
??『馬鹿面をぶら下げて、いつまで扉の前で呆けているつもりだ。さっさと中に入ってこい』
魔法使い「うおっ!?」
女僧侶「……女性の声?」
女戦士「今のは賢者殿なのですか?」
魔法使い「うぅっ……やべぇ……あんまり機嫌が良くねぇみたいだ……」
女僧侶「そうなのですか?」
魔法使い「あの声を聞けばわかるだろ! こんな朝っぱらから押しかけたせいか……くそ」
少年「賢者殿の仰る通り、扉の前でじっとしていても仕方ないでしょう。中に入りましょう」
魔法使い「待て! いいか! 頼むからあの人を絶対に怒らせるなよ!」
少年「怒らせるも何もないでしょう? 必要な話を聞く。それだけです」
ガチャッ……ギィィィッ……
しえーん
面白いよー
~~早朝 賢者の塔 研究室にて~~
賢者「……」ジロリ
魔法使い「し、師匠! ご無沙汰しております!」
賢者「はっ! 懐かしい顔じゃないか? それで、私に一体何の用だ?」
魔法使い「い、いや、実は……」
少年「お初にお目にかかります、賢者殿」
魔法使い「お、おい!」
少年「私達は国王陛下の命を受け、賢者殿にお尋ねしたき儀があり、ここに参上致しました」
賢者「ふぅん……」ジロジロ
女戦士(この方が賢者殿……)
女僧侶(勇者さまのお父上と共に、魔王を倒したという伝説の英雄……)
賢者「……なるほど。そういう事になっているのか」
少年「その叡智、お授けいただけますか?」
賢者「……いいだろう。話を聞いてやる」
少年「ありがとうございます、賢者殿」
ケンジャ!?ケンジャナンデ!?
…………
賢者「話はわかった。では、私に聞きたい事は次の三つという事だな」
賢者「一つ、人間界と魔界を繋げる場所に私が施した封印の状況」
賢者「一つ、魔物による人間界への侵攻」
賢者「最後に、魔王の復活の可能性」
少年「はい。仰る通りです」
賢者「では順番に話してやろう。まず封印についてだ」
女僧侶「お願いいたします」
賢者「封印は変わらず、その効果を発している」
女戦士「僭越とは存じますが、封印が何らかの方法で破られている可能性はないのでしょうか?」
賢者「万に一つもない。あれは私の持てる力を尽くした『多重性空間制御結界術』だ」
女戦士「た、多重性……えっと??」
賢者「『多重性空間制御結界術』だ。これぐらい一度で憶えられんのか」
女戦士「も、申し訳ございません……」
女僧侶「あの、よろしいでしょうか?」
賢者「何だ?」
女僧侶「その『多重性空間制御結界術』とは、どういったものなのでしょうか?」
賢者「そこから説明が必要か?」
女僧侶「も、申し訳ありません……」
少年「私達は賢者殿と違い世の理に疎いゆえ、ご教授頂ければありがたく」
賢者「……よかろう。術の説明をする前に、この人間界と魔界について説明が必要のようだな」
女僧侶「よろしくお願いします」
賢者「ふむ……そうだな。おい、貴様」
女戦士「な、何でしょうか!?」
賢者「人間界から魔界に行く為、魔界から人間界に来る為には、どうすればいいか知っているか?」
女戦士「い、いえ……存じません」
賢者「まず人間界と魔界、この二つの異なる世界は、それぞれ異なる空間に属している」
女僧侶「異なる空間ですか??」
賢者「そうだ。更に簡単に言うなら、決して越える事の出来ない壁にを挟んだ二つの家を想像しろ」
っ⌒④
賢者「壁に隔てられた、この二つの家を行き来する為にはどうすればいい?」
女戦士「決して越える事が出来ない壁がある以上、それは不可能ではありませんか」
賢者「その通りだ。だが、ある時その壁に穴が開いたとする。そうすればどうだ?」
女僧侶「そうですね。通ることの出来る大きさの穴であれば、行き来は可能だと思います」
賢者「数は非常に少ないが、この世界にはそうした穴……二つの世界を繋ぐ通路が幾つか存在している」
女戦士「そんな通路があったとは……初耳です」
賢者「国も存在を公にしていないから、当然だろうな」
魔法使い「ま、知っているのは一部の人間だけさ」
賢者「この塔の周辺には古代の遺跡が点在しているが……」
賢者「ここから、約半日も北上した場所に、千年以上前に栄えた文明の遺跡が存在する」
女僧侶「千年以上も前ですか!?」
賢者「ああ。その遺跡の中に、魔界に通じる通路の一つがある」
女戦士「そんなものがこの近くに!?」
賢者「大きさもかなりのものだ。何せ魔王軍が侵攻に使ったぐらいだからな」
魔法使い「この通路はなぁ、師匠が勇者と一緒に魔界へ行く時にも……うげっ!?」ガンッ!!
賢者「さっきから喧(やかま)しい。私が説明している時に喋るな、動くな、息をするな」
魔法使い「い、いてて……何も魔導書を投げなくても……」
賢者「貴様なんぞの為に貴重な魔導書を投げるか。それは廃棄予定物品の帳簿だ、馬鹿者め」
魔法使い「……本当だ」
賢者「貴様の名前を帳簿に書かれたくなければ、案山子のように大人しくしていろ」
魔法使い「うぅぅ……酷いですよ……」
賢者「……さて、話を戻すぞ」
少年「お願いします」
賢者「魔王軍との戦いを終えた後、魔物達の侵攻を二度と許さない為、この通路に結界を張り巡らせた」
女僧侶「それが封印の結界なのですね」
賢者「そうだ。この結界によって、遺跡の通路を使った行き来は出来ないようになっている」
女戦士「なるほど……」
賢者「当時の私が持てる力を駆使して、複雑かつ複数の儀式呪法を用いた空間の行き来を遮断する術だ」
女戦士「その術を誰かが破ったという事はないのでしょうか?」
賢者「はっ! 例えや勇者や魔王であっても、あの結界術による封印は破れんよ」
女僧侶「勇者さまや魔王であってもですか!?」
賢者「そうだ。勇者や魔王であってもあの結界術は破れん。但し……」
賢者「勇者と魔王。人智を越えた力を持つ二人が手でも組めば別だがな」
女僧侶「そんな事は……」
賢者「ああ。普通に考えればありえん話だ」
女戦士「それでは、魔界へ通じる封印の結界は無事なのですね」
賢者「仮に結界が破られた場合、すぐに察知出来るように探知魔法も施してある」
魔法使い「そっか……じゃあ魔物の侵攻はありえないんですね?」
賢者「それはわからん」
女僧侶「えっ!?」
魔法使い「ど、どういう事なんですか、師匠!」
賢者「今から説明してやる。これが貴様らが聞きたかった二つ目になるな」
少年「はい。お願いします」
しえ
賢者「先程、二つの世界を繋ぐ通路が幾つか存在すると説明したな?」
女僧侶「はい、仰られていました」
賢者「私は何年もかけてその通路の在り処を調べ、それぞれに封印の術を施している」
魔法使い「なら、どうして!?」
賢者「落ち着け。すぐに頭に血が上るのは、貴様の悪い癖だ」
魔法使い「も、申し訳ありません。でも……」
賢者「魔物に国を滅ぼされた、貴様の気持ちは理解出来ん訳でもない。だが、私は教えたはずだぞ?」
魔法使い「『術者たるもの、常に冷静であれ』ですね……」
賢者「そうだ。私達術者は大きな力を持っている……」
魔法使い「『故にその力を正しく使う為に、常に冷静な判断が求められる』」
賢者「忘れている訳ではないようだな」
魔法使い「も、勿論です!」
賢者「冷静な判断が、仲間の危機を救う事もある。肝に銘じておけ」
魔法使い「はい……申し訳ありません」
面白い
面白いけど周りくどい
支援
賢者「馬鹿弟子のせいで、話が脱線したな。済まなかった」
女僧侶「いえ、魔法使いさんのお気持ちを考えれば、仕方のない事だと……」
賢者「そう言ってもらえると助かる。こいつに代わって礼を言わせてくれ」
女僧侶「い、いえ……お礼を言われるようなことでは……」
魔法使い「いや、俺が話の腰を折っちまったんだ。すまなかった。師匠、話を続けてください」
賢者「では、話を戻そうか」
賢者「遺跡にある大通路を含め、各地にある通路は私が封印の術を施した……」
賢者「だが、未だ発見されていない通路がある可能性もある」
女僧侶「それでは、その通路を使って魔物が人間界に来ている可能性もあるわけですね?」
賢者「そうだ。その可能性は否定しない」
魔法使い「師匠、お聞きしたい事があります」
賢者「何だ?」
魔法使い「人間界と魔界を行き来するには、通路に依る以外の方法はないんでしょうか?」
賢者「他の可能性だな。貴様の考えを言ってみろ」
魔法使い「そうですね……考えられる手段としては魔法……転移魔法はどうなんですか?」
支援
賢者「ほう……少しは使えるようになったじゃないか」
魔法使い「あ、ありがとうございます!」
賢者「貴様の言う通り、両方の世界を知っている者なら、転移魔法による世界の行き来は可能だ」
魔法使い「では、師匠は魔界に転移魔法で移動する事が出来る、そういう事ですね?」
賢者「そうだ。この人間界では私ともう一人、勇者にそれが出来たはずだ」
女戦士「……では、転移魔法を使って、人間界に来る事が出来る魔物がいるかもしれないのでしょうか?」
賢者「その可能性も否定しない。だがな、現時点では先に挙がった二つの可能性は極めて低いと言える」
魔法使い「師匠はどうしてそう思われるのですか?」
賢者「私が各地の術者達と連絡を取り合っている事は知っているな?」
魔法使い「はい。師匠の兄弟弟子や俺の兄弟弟子も含めて……ですよね」
賢者「そうだ。彼らとは定期的に連絡を取り合って、各地の情報を集めているが……」
賢者「魔王軍との戦い以降、人間界で魔物の姿を見たという情報は一度も耳にした事がない」
女僧侶「し、しかし、教会に寄せられた情報は一体……」
女戦士「えぇ『魔物に襲撃された』との話が各地に教会から挙がっております」
賢者「だから言ったのだ。『わからん』とな」
女僧侶「そんな!?」
賢者「確かに教会の情報網は侮れん。だが、私達の情報網には一切引っ掛かっていない」
少年「……それの意味するところは何だと思われますか?」
賢者「先程から黙っていると思えば……こいつらの前をそれを私に聞くのか?」
女僧侶「え……どういう事ですの、勇者さま」
女戦士「勇者殿は何かご存知なのですか?」
少年「知っている訳ではありませんが、二つの可能性が考えられます」
賢者「全く……私に話を振るとは、変わらずいい性格をしている」
魔法使い「えっと……何の話をしているんです、師匠?」
賢者「何でもない。気にするな」
魔法使い「はぁ……」
少年喋らんな
貴音のなでなで(響は寝る)
誤爆
少年の喋り方が杉下右京っぽい
賢者「どうだ? 貴様達が望むなら、私の考えを聞かせてやっても構わんが?」
女僧侶「私たちはその為に来たのです。お聞かせください!」
少年「賢者殿のご高察です。是非に」
賢者「あとは貴様だけだ。どうする?」
女戦士「私は……」
賢者「貴様が聞きたくないようなら、この話は『わからん』で終わりだ」
女戦士「……わかりました。お願いします」
賢者「教会の情報網には引っ掛かり、私達の情報網に引っ掛からない理由は二つ考えられる」
賢者「一つは私達の情報網が、教会のそれと比べて貧弱である可能性だ」
少年「では、もう一つの可能性は?」
賢者「教会の情報が出鱈目である可能性だな」
女僧侶「そんな馬鹿な!」
しえん
追いついちゃったああああ
おもしろいっす
魔法使い「おい、馬鹿とはなんだ! 師匠への無礼は許さねぇぞ!!」
賢者「まあ、待て」
魔法使い「しかし!」
賢者「……私は待てと言ったぞ?」
魔法使い「あ……も、申し訳ありません」
賢者「困ったものだな。少しは使えるようになったと褒めた途端にこれだ」
魔法使い「くっ……」
賢者「まあ、今回は私の名誉の為に、という事だろう? その気持ちは貰っておく」
魔法使い「は、はい。ありがとうございます!」
賢者「……さて、お嬢さん」
女僧侶「は、はい……」
賢者「私を馬鹿者呼ばわりするという事は、それなりの反論を期待していいのだろう?」
女僧侶「は、反論ですか……?」
賢者「そうだ。根拠もなく可能性を否定など出来まい? さあ、聞かせてくれ」
女僧侶「こ、根拠は……」
追い付いたぞ
賢者「まさか根拠がないとは言わないだろう? さあ?」
女僧侶「うぅ……」
少年「賢者殿」
賢者「何だ?」
少年「今回の魔物についての情報は、国王陛下にも報告されているものです」
賢者「……それで?」
少年「仮に教会の情報が出鱈目であった場合、教会が陛下を欺いている事になります」
賢者「くふふっ……仮にそうだとしたら由々しき事態じゃないか?」
女僧侶「し、司教さまが陛下を騙すなど考えられません! 何の目的があってそんな事を!」
少年「落ち着いてください。これはあくまで仮定の話です」
女僧侶「しかし!」
少年「私達は賢者殿にお話を伺う為、二週間余りの旅をしてきました。そうですね?」
女僧侶「はい……」
し
も
へ
少年「では、二人にお聞きします」
少年「この旅の間、一度でも魔物の噂を聞いたり、その姿を見た事があったでしょうか?」
女僧侶「いえ……」
女戦士「……」
少年「では、あなたはどうです?」
魔法使い「お、俺もそんな話は知らねぇよ」
少年「そして、賢者殿もそういった情報はないと仰られています」
女僧侶「……」
少年「私達には賢者殿が仰った『教会の情報が出鱈目』という可能性を否定する根拠がありません」
女戦士「勇者殿、よろしいですか?」
少年「何ですか?」
女戦士「確かに、私達には『教会の情報が出鱈目』という可能性を否定できません」
女僧侶「あ、あなたまで……」
女戦士「しかし、『教会の情報網の方が優れている』可能性を否定する根拠もないはずです」
少年「その通りです」
支援
女戦士「私達は全世界を見て回った訳ではありません」
少年「えぇ、あなたの言う通りです」
女戦士「だとすれば、私達の知らないところで魔物が出没しているのかも知れません。違いますか?」
少年「いえ、それも正論だと思います」
魔法使い「あのよ……」
少年「何か?」
魔法使い「さっきから聞いてりゃ、要するに両方の可能性に対して、決定的な証拠がないって事なんだろ?」
少年「そうですね」
魔法使い「教会を否定したり肯定したりするような事を言ってよぉ。てめぇは一体何が言いてぇんだ?」
少年「皆さんに、自分の置かれた状況を自身で考えて、判断して、行動して欲しいと思っただけです」
女僧侶「自分の置かれた状況ですか?」
少年「えぇ、与えられた情報が本当に正しいのか? 信じているものは本当に正しいのか?」
女戦士「……」
少年「最西の街ではどうでした? あなた達の真実は正しかったですか?」
女僧侶「それは……」
うーん…物書きとして許せないんだが何この幼稚な文章(笑)
④
賢者「……そろそろ最後の質問に答えたいんだが?」
少年「そうですね、宜しくお願いします」
魔法使い「ま、待ってください!? 魔物が人間界に侵攻してるって話は?」
賢者「何を言っている。さっきの遣り取りで答えは出ているだろう?」
魔法使い「いやいや。だからわからないって……」
賢者「そうだ。『わからない』が答えだ。現時点ではな」
少年「魔物の襲撃があったという教会の情報と、魔物の襲撃を認知すら出来ていない私達の情報」
少年「現時点で持ち合わせた情報だけでは、判断のしようがありません」
賢者「だから最後の質問の答えが重要になってくる」
魔法使い「そうか。魔王の復活……」
賢者「そういう事だ……と言いたいが、この質問も貴様らが期待している答えを、私は持ち合わせていない」
魔法使い「そ、そうなんですか?」
賢者「先程も言ったぞ。魔王軍との戦い以降、私は魔物達の姿を見ていないし、見かけたという情報も得ていない」
魔法使い「た、確かに……いや、しかし……」
賢者「何の確証もない以上、魔王復活の真偽など答えようがない。私の話はここまでだ」
追いついたぁ
地の文がないのは良い
ぉもしろぃ
続けたまへ
少年「賢者殿、貴重なお時間を割いて頂き、ありがとうございました」
賢者「なに、古き仲間からの頼みだからな。お安い御用だ」
女僧侶「……」
女戦士「……」
魔法使い「……」
少年「どうしたんですか、三人共。さっきから黙り込んで」
魔法使い「どうしたもこうしたもねぇだろう! 肝心な事が何もわからず仕舞いじゃねぇか!?」
少年「国王陛下と司教猊下が危惧されていた、封印の結界は健在とわかりました。十分な成果です」
魔法使い「結界の無事を確認しに来たのは、魔王復活と魔物達による襲撃の情報があるからじゃねぇのか!」
女僧侶「そ、そうです! その為に賢者殿にお話を伺いに来たのですから」
少年「その賢者殿が『わからない』と仰られているんですよ?」
女僧侶「し、しかし、それでは陛下や司教さまに何と報告すればいいのか……」
賢者「ありまま報告すればいいだろう。足りないと思うなら、通路のある遺跡も確認して来い。無駄足だがな」
女僧侶「参ります! 無駄足かどうかは行ってから判断いたします」
賢者「好きにしろ。魔法使い、貴様も気になるのだろう? こいつらを遺跡に案内してやれ
し
支援
~~夜 賢者の塔 研究室にて~~
女僧侶「結局、何も見つけられませんでした……」
女戦士「……そうですね」
魔法使い「魔力は微かに感じたけど、封印の場所すらも見つけられねぇとは……」
賢者「当たり前だ。馬鹿が通路に辿り着けないないよう『不可視の天幕』の術を遺跡に仕込んである」
魔法使い「……それだけじゃないですよね、師匠」
賢者「魔力を込めた場所を特定する事が出来ないように、仕掛けを施してあるからな」
魔法使い「昔、師匠に連れて行ってもらった時は、すんなり封印の場所まで行けたのに……」
賢者「私が一緒だったからな。あの頃の貴様は仕掛けにすら気づかなかったんだ。成長したではないか」
魔法使い「……今は褒められても嬉しくないです」
女戦士「では、私達が遺跡に行っても、何も出来ないと知って?」
賢者「『無駄足』だと私は言ったはずだが?」
女僧侶「確かに仰いましたが……勇者さま、私たちはどうすればいいのでしょう?」
少年「賢者殿が仰られたように、ありのままを陛下に報告しましょう」
女僧侶「……それで良いのでしょうか?
し
少年「私達にはそれ以上の事は出来ません。封印の結界が無事とわかっただけでも朗報……」
少年「あとの事は、陛下が適切な御判断をされるはずです」
魔法使い「くそっ……何かすっきりしねぇな」
賢者「だからといって、敵(かたき)である魔物共を求めて世界を周るか?」
魔法使い「……そんな事、出来る訳がないです」
賢者「そうだ。貴様の助けを待つ人を捨て、そんな事など出来はしない」
魔法使い「言われるまでもありません! 師匠にこの命を救ってもらったように……俺も餓鬼共を!」
賢者「魔物共の侵攻が真実なら、大局的見地ではその対策が急務だが……」
賢者「誤った憶測に惑わされ、目の前の大事を見失うような真似だけはするなよ?」
魔法使い「はい!」
賢者「さて……もう夜も遅い。今日はここで休んでいけ」
少年「ご厚情、感謝します」
賢者「部屋は下の空き部屋を好きに使って構わん。おい、この二人を案内してやれ」
魔法使い「へっ? 二人、ですか?」
賢者「勇者には話しをした事がある。悪いが付き合ってもらうぞ」
× 賢者「勇者には話しをした事がある。悪いが付き合ってもらうぞ」
〇 賢者「勇者には話しをしたい事がある。悪いが付き合ってもらうぞ」
脱字増えてきたぞ
④
しえん
濡れ場期待
~~夜 賢者の塔 居住階層にて~~
魔法使い「うーん……」
女僧侶「どうかしましたか?」
魔法使い「いや、師匠はあいつに、何の用があるんだろうと思ってよ」
女僧侶「そうですね……勇者さまのお父さまのことなど、お聞きしたかったのではないでしょうか?」
魔法使い「そういえば、あいつの親父と師匠は仲間だったんだよな」
女僧侶「勇者さまのお父さまは、魔王の討伐後にそのお姿を隠されたそうですから」
魔法使い「なら、色々聞きたい事もあるってもんか……」
女僧侶「それにしても……」
魔法使い「あん? 今度はそっちで何かあんのか?」
女僧侶「……賢者殿は一体お幾つなのでしょうか?」
魔法使い「幾つって聞かれてもなぁ……俺が初めて会った時からあんな感じだぜ?」
女僧侶「どうみてもわたしより少し上……そうですね、女戦士さんと同じ位の歳に見えるのですが?」
女戦士「……」
女僧侶「……あの、女戦士さん?」
ようやくスレタイを理解した希ガス
女戦士「……」
女僧侶「女戦士さん!」
女戦士「えっ!? も、申し訳ありません。何でしょうか?」
魔法使い「呆ーっとしてたけど大丈夫かよ?」
女戦士「余りに色んな事があったので、少し頭が混乱しているようで……申し訳ありません」
女僧侶「私も同じです。確かに……色んな事があり過ぎて……」
魔法使い「そういう時は変に考えないで、早めに寝ちまった方がいいぜ?」
女僧侶「……そうですね。それではお言葉に甘えさせていただきます」
魔法使い「どの部屋も開いているはずだから、好きな部屋を使ってくれ。寝台と机以外は何にもねぇけどさ」
女僧侶「この塔には、賢者さま以外の方は誰もお住まいではないのですか?」
魔法使い「昔は俺や俺の兄弟弟子もいたんだけどな」
女僧侶「誰も賢者さまの下に残らないなんて、少し寂しいですね」
魔法使い「あぁ、そりゃあ違うっての」
女僧侶「えっと、何が違うんですか?」
賢者が魔王娘ってことか?
んなわけねーか
予想はよそう
魔法使い「師匠はさ、弟子がある程度の段階まで行ったら、塔から追い出して独立させるんだよ」
女僧侶「まあ!? そうなんですか?」
魔法使い「『実践なくして向上なし』ってさ。師匠の口癖でよ」
女僧侶「確かに。様々な経験は成長に欠かせませんもの」
魔法使い「机上の論だけじゃ魔法も上達しねぇって、これは師匠自身の経験論なんだと」
女僧侶「魔王討伐の旅で色々なご経験をされたからこそのお言葉ですね」
女戦士「あの、よろしいですか?」
魔法使い「あん?」
女戦士「先程、あなたは賢者殿に命を救われたと言っていましたが」
魔法使い「ああ、その事か。別に大した話じゃねぇよ。聞きたいなら話してやるけど」
女戦士「よろしかったら、お願い出来ますか」
魔法使い「まあ、期待するような面白い話でもねぇよ。俺の住んでた村が魔王軍の襲撃に遭ってよ……」
魔法使い「大人達が子供だけでもって、何とか俺達を逃がしてくれたんだよ」
女僧侶「勇敢な方々だったんですね……」
魔法使い「まぁな。でも、大人達は皆殺しだったんだろうな。あれから村の大人に会った事がねぇからさ」
魔法使い「んで、何とか逃げたのはいいんだけど、他の街や村も魔王軍によって壊滅状態でさ」
魔法使い「最初は壊滅した街や村で食べるもんを漁ってたんだけど、それもなくなっちまって……」
魔法使い「一緒にいた連中も一人減り、二人減りで最後に俺だけが残っちまってな」
魔法使い「食べるもんを探して、何処をうろついたなんて全く憶えてねぇんだけど……」
魔法使い「どっかの遺跡で倒れてた俺を、たまたま師匠が見つけて拾ってくれたんだよ」
女僧侶「そんな辛い経験を……」
魔法使い「だからさ、飢える苦しさは知っているし、最西の街の餓鬼共が同じ目に遭うのを見たくねぇんだよ」
女戦士「それで、あのような盗賊紛いの事を……」
魔法使い「ああ、人から物を盗るなんて、褒められた事じゃねぇのはわかってるさ。でもよ……」
魔法使い「あの街にいる腐った連中が、餓鬼共から奪ったものはそんなもんじゃねぇんだよ!」
魔法使い「商人のおっさんが殺されかかったみてぇに、何の罪もない連中だって命を落としてんだ」
女僧侶「……」
女戦士「……」
魔法使い「教会に属しているあんたらに言う事じゃねぇんだろうけど……」
魔法使い「あの街に寄生する屑共から、必ず街を開放するつもりだぜ、俺は」
追いついたしえん
魔法使い「……俺の話はこれで終わりさ。な? 面白い話でもなかっただろ?」
女戦士「いえ……ありがとうございました。お陰であなたがどういう人かよくわかりました」
魔法使い「そうかい? ま、どういう人かってのは、あえて聞かないでおくぜ」
女僧侶「あの……」
魔法使い「何だよ、まだ何かあんのか?」
女僧侶「王都に戻ったら、最西の街の苦境は必ず司教さまのお耳に入れます!」
女僧侶「司教さまなら、その状況を見過ごすなんて考えられません。ですから、早まった行動だけは……」
魔法使い「……何ていうかさ。損な性格してるよな、あんたは」
女僧侶「えっ?」
魔法使い「あんたみたいな奴が最西の街に居てくれりゃ、ちょっとは違ったのかもな」
女僧侶「ど、どういう意味ですか?」
魔法使い「何でもねぇよ。……ま、期待も約束もしねぇけど、出来る限りは待ってやるさ」
女僧侶「本当ですか!」
魔法使い「期待も約束もしねぇってんだろ。うるせぇからさっさと寝ちまえ」
女僧侶「それでも構いません。お役に立てなくてごめんなさい。あと……ありがとうございます」
支援
チョロインすぎて寝取られそうww
~~夜半 賢者の塔にて~~
??「……」
カチャッ……キィッ……
??「……」
少年「……」
??(……これが最後の機会か?)
少年「……」
??(もう、今しか……今しかない……)
??(……本当にいいのか、それで?)
??(私は……どうすれば……)
少年「ふぅ……」
??「っ!?」
少年「いつまでそうやっているつもりですか?」
??「……」
少年「迷いのある人に人殺しなんて出来ませんよ、女戦士さん?」
これは急展開
女戦士「……やはり、気づいておいででしたか」
少年「旅に出たばかりの頃、休んでいる私の様子を何度か窺ってましたので、そうだろうとは」
女戦士「……その頃からお気づきでしたら、どうして今まで何も仰らなかったんです?」
少年「疑念が確信に変わったのも昨日の事ですから」
女戦士「昨日? そうだったんですか?」
少年「えぇ。最西の街で一騒動起こした後に、あなたの様子を見て確信しました」
女戦士「私の様子、ですか?」
少年「あなたは私に言いましたよね。弟さんが教会で世話になっていると」
女戦士「確かに……でも、それだけでどうして?」
少年「教会相手に揉め事を起こしたというのに、弟さんの事を心配されている様子がまるでない」
女戦士「あっ……」
少年「普通に考えれば、教会が無体な事などする訳がない。だが、一つ間違えれば私達は背教者です」
少年「その背教者の家族を、教会が放っておく訳がありませんよね?」
女戦士「それは……」
少年「弟さんの心配をする必要がないのは、教会でも相当に力のある人に庇護を受けているから。違いますか?」
しえ
女戦士「……」
少年「だんまりですか? なら、勝手に話を続けさせていただきます」
少年「後ろ盾を持つあなたは、教会に歯向かうような危うい真似をしても、弟さんを心配する必要がなかった」
女戦士「……仰る通りです」
少年「その人ですか? 私を殺すように命じたのは」
女戦士「……申し上げられません」
少年「まあ、聞かなくとも、誰が命じたのか想像出来ますけどね。でも理由ぐらいは教えてくれてもいいでしょう?」
女戦士「……」
少年「それもだんまりですか。頑固な方ですね」
女戦士「……私をどうされるおつもりです? 無理矢理にでも口を割らせますか?」
少年「何を馬鹿な事を……。話す気も殺す気もないなら、特に用はありません。早く部屋から出て行ってください」
女戦士「えっ?」
少年「聞こえなかったんですか? 私は休みたいから部屋を出て行って欲しいと言ったんです」
女戦士「ど、どうして!?」
少年「どうしてもこうしてもありません。私は休みたいからと言ったはずですが?」
女戦士「あ、あなたを殺そうとした私を放っておくのですか?」
少年「今のあなたに私は殺せない。それに話をする気もないのでしょう? なら、何の問題も用もない」
女戦士「くっ……は、ははっ……」
少年「……何もおかしな事は言っていないつもりですが?」
女戦士「いえ、申し訳ありません。私などが勇者殿をどうにか出来る訳がない。そう思ったらつい」
少年「そんな事はないでしょう。あなただって……」
女戦士「やめましょう。確か以前にも同じ遣り取りをしたはずです」
少年「そういえば、そんな事もありましたね……」
女戦士「あなたが……勇者の血が邪魔なんだそうです」
少年「私の血が?」
女戦士「はい。戦乱のない世界に勇者の血は不要、いらぬ諍いの種となる。そのように仰られていました」
少年「そんな理由で……くだらない」
女戦士「私が勇者殿にお話し出来るのはここまでです。申し訳ありません」
少年「構わないと言ったで……ああ、そうそう。あともう一つだけ」
女戦士「お答え出来るかはわかりかねますが、それでも良いのでしたら」
しえ
そこまで右京さんに似せなくていいからww
少年「これは質問というより確認です。女僧侶さん、彼女は関係ありませんよね?」
女戦士「はい。彼女は全くの無関係です。それは亡き我が父の名に誓っても」
少年「確認と言ったでしょう。そこまでする必要はありません」
女戦士「だとしてもです。ですから、彼女にこの件は……」
少年「それこそ必要のない事です。彼女に話をする意味がありません」
女戦士「……ありがとうございます、勇者殿」
少年「礼を言われる筋合いはありません」
女戦士「それでも……彼女の苦しむ顔は見たくありせん。ありがとうございます」
少年「それで、あなたはこれからどうするおつもりです?」
女戦士「このまま逃げても、私には行く当てもありません。それに弟を見捨てては……」
少年「ああ、弟さんといえば……病気の原因、わかるかもしれませんよ」
女戦士「ほ、本当ですか!?」
少年「では、確認しに行きましょうか」
女戦士「確認しに行くって……」
女戦士「えっ!? こ、これは……転移魔法!?」ヒュン
諸々済ませて後は寝るだけ支援
こいつ…できるっ!
これは良作な予感
支援
~~夜半 王都にて~~
女戦士「こ、ここは……?」
少年「王都の教区にある中央広場ですよ。流石にこの時間だと人の姿もないようですね」
女戦士「ど、どうして王都に? それにさっきの転移魔法は!?」
少年「『確認しに行く』と言ったでしょう? 人の話を聞いているんですか?」
女戦士「聞いていました! 聞いていましたが、どうして??」
少年「私はあなたの弟さんの居場所を知りません。案内してもらえますか」
女戦士「い、いえ……でも!?」
少年「確認しなくて良いなら、塔に戻りますが? ああ……でも、塔に直接転移は出来ないか……面倒だな」
女戦士「……信じてよろしいのでしょうか?」
少年「それはあなたが判断する事です」
女戦士「……」
少年「どうされますか?」
女戦士「……こちらです。ついて来てください」
少年「お願いします」
し
あ
まだ残ってたか
魔王娘とsmはよ
女戦士(勇者殿が転移魔法を使った時……)
女戦士(髪が金色になっていたような気が……)
女戦士(勇者殿の髪は黒い……)
女戦士(……暗闇にいたせいで、目が錯覚を起こしたか?)
女戦士(あれは絵姿で見た……)
少年「……聞いていますか?」
女戦士「あっ!? はい! 聞いています」
少年「しっかりしてください。私はあなたの家の場所を知らないんです」
女戦士「も、申し訳ありません」
少年「あなたの弟さんの病状や前後の状況等を賢者殿にお話して、原因となる可能性をお尋ねしました」
女戦士「いつの間にそんな……」
少年「賢者殿と二人で話しをした時ですよ」
女戦士「そ、それで何かわかったのですか?」
少年「発症の突発性、その後の経過、そして教会による近年の動向を考えて、二つの可能性が浮上しました」
女戦士「二つも!? では、弟の病気は!」
スレたってからここまでですでに8時間半経過www
よみずらいしアスペ文章でわからん
八時間半も書いてんのか
少年「希望を潰すようで申し訳ありませんが、あくまで可能性です」
女戦士「そう、ですか……」
少年「ただ、賢者殿が考察された可能性の確度はかなり高いはずです」
女戦士「……」
少年「それに、今回の確認で原因が掴めなかった場合、賢者殿が直接に弟さんを『診たい』と」
女戦士「け、賢者殿が……どうしてそこまで!?」
少年「『古い仲間の不始末だから』と。詳しい事は賢者殿に直接聞いてください」
女戦士「わかりました。それにしても……」
少年「……何です?」
女戦士「どうして勇者殿は、私の弟の事を賢者殿にお尋ね下さったのですか?」
少年「……私と同じ年頃の子が苦しんでいる」
女戦士「えっ!?」
少年「あなたが言ったんですよ。私と弟さんが同じ年頃だと……」
少年「それが理由ではいけませんか?」
女戦士「ありがとうございます……あそこが私の家です」
>>310
ならわざわざレスすんなks
面白いよ
面白い
支援
面白いけど話の展開が遅いのは確か
>>310
よみずらい?
>>317
察してやれ
遅くてもいいから最後まで書いてくれよ
~~夜半 王都 教区 女戦士の自宅にて~~
女戦士「表玄関の鍵は中からしか開けられませんので、裏に回りましょう」
少年「わかりました」
女戦士「……この家は教会に所属した時にお借りした家なんです」
少年「元々住んでいた家はどうされたんですか?」
女戦士「手放しました。両親の思い出があるからと、弟は嫌がったのですが……」
少年「弟さんの為ですか?」
女戦士「はい。教区内の方が、弟の世話を教会の方にお願いしやすいので」
ガチャガチャッ……ギィィィッ……
女戦士「この時間なら、家にいるのは弟だけのはずです」
少年「……」
女戦士「勇者殿?」
少年「失礼。最西の街から知らせが届くのはまだ先だとは思いますが……おかしな気配はないようですね」
女戦士「そうですね。監視ぐらいはついてもおかしくない事をしてしまいましたから」
少年「裏口の鍵は念のために閉めておきましょう。いざの時は転移魔法でここを離れます」
いちいち変なのに構うんじゃないよ
女戦士「そういえば……勇者殿は魔法もお使いになられたのですね」
少年「一通りは」
女戦士「今まで一度もお使いになった事がなかったので、てっきり使えないものと思っていました」
少年「制約があるんですよ、魔法を使うのに」
女戦士「制約ですか?」
少年「今はその話はいいでしょう。弟さんの部屋はどこですか?」
女戦士「はい、こちらです」
カチャッ……キィッ……
??「誰?」
女戦士「起きていたの。私よ」
女戦士弟「姉さん? 帰ってたの?」
女戦士「仕事の途中で寄っただけ。それより具合はどうなの?」
女戦士弟「うん、悪くはないかな。言うほど良くもないんだけどね……」
女戦士「そっか……」
女戦士弟「えっと……そちらにいる人は?」
しえ
純粋にたのしめばよろし
きっと>>1もそれを望んでいる
ふむ
少年「初めまして。私は君のお姉さんの仕事を手伝わせてもらっている者です」
女戦士弟「そうなんですか。姉がいつも面倒を掛けています」ペコリ
女戦士「待ちなさい。どうして『面倒』って決めつめるの?」
女戦士弟「そんなの決まってるじゃないか。姉さんは剣術以外はからっきし駄目なんだから」
女戦士「こ、こら……」
女戦士弟「ふふっ。ふつつかな姉ですが、よろしくお願いします」
少年「いいえ。私の方こそ、君のお姉さんにいつも助けられていますから」
女戦士「ゆ、勇者殿まで!? お止めください!」
女戦士弟「勇者!? ねぇ、この人は勇者様なの?」
女戦士「あっ!? そ、そうよ。だから失礼のないよう……」
女戦士弟「そっか。姉さんが仕事関係の人を家に連れてくるなんて、珍しいと思ったんだ」
少年「そうなのかい?」
女戦士弟「うん。でも、勇者様なら納得だよ。だって……」
女戦士「こ、こら! 止めなさい!」
女戦士弟「姉さんが尊敬している人だもん、父さんと勇者様は」ニコニコ
しえ
女戦士「あぁ……///」
少年「……初耳ですね」
女戦士弟「そうなんですか? 姉さんの口癖なんですよ。『父さんや勇者様のようになりたい』って」
女戦士「い、いい加減にしなさい!///」
女戦士弟「幾ら勇者様の前だからって、そんなに照れなくて……っ……ごほっ、ごほっ……」
女戦士「だ、大丈夫!? 馬鹿みたいにはしゃぐから……」
女戦士弟「ご、ごめんなさい……ごほっ……久しぶりに姉さんの顔が見れたから嬉しくて……」
女戦士「ほら、お水飲んで……はい……」
女戦士弟「んっ……ありがとう。みっともないところを見せてごめんなさい、勇者様」
少年「あまり身体の調子が良くないんだって?」
女戦士弟「やだな……姉さん、そんな事まで勇者様に話したの?」
女戦士「……」
少年「……別に隠すような事じゃないよ」
女戦士「ほら、横になって……」
女戦士弟「勇者様の前なのに……ごめんなさい」ペコリ
なんでもいいけど回りくどい感が否めないな
不必要すぎる掛け合いが多い
ええじゃないか
ええぞええぞ
女戦士「大丈夫? 少しは落ち着いた?」
女戦士弟「僕は大丈夫だから。ほら、勇者様を立たせたままじゃ失礼だよ」
少年「今日はね。君に用があって来たんだよ」
女戦士弟「僕に? でも、僕じゃ勇者様のお役に立てるか……」
少年「大丈夫。君はそのまま寝ていても構わないから」
女戦士弟「そうなの? じゃあ、お言葉甘えて休ませてもらいます」
女戦士「勇者殿……」
少年「一旦、こちらに」
…………
女戦士「それで、どうすれば良いのですか?」
少年「賢者殿が挙げられた可能性は二つあります」
女戦士「はい」
少年「弟さんの身体は元々強い方ではないとの事ですが……」
少年「発症の時期があなたが武術大会で優勝した直後という事。あまりにも不自然ではありませんか?」
女戦士「まさか……」
それがいい
鮮明な描写を浮かべられる
>>329
多少回りくどくても、そっちの方がより世界観をつかみやすくてイイじゃないか
問題は後何時間>>1がもつか、じゃね?
当分終わりそうにない気がする
少年「誰が、とはあえて言いません。ですが、人為的な可能性が非常に高いと、賢者殿は仰られています」
女戦士「そんな馬鹿な事が……しかし……」
少年「体調の変化が、もし人為的なものであった場合……」
少年「考えられる可能性は毒物と魔法」
女戦士「そんな!」
少年「落ち着いてください。弟さんが何事かと思いますよ?」
女戦士「っ……教えてください。どうやってそれを確かめるんですか?」
少年「賢者殿からお借りしてきた、この水晶球を使います」
女戦士「これは?」
少年「この水晶を通して対象を見れば、魔力による影響化にあるかどうかわかるそうです」
女戦士「で、では、毒物の場合はどうやって確認されるのです?」
少年「衰弱の仕方を考えるとその可能性は低いですが、その場合は『解毒の術』を私が使って確認します」
女戦士「『解毒の術』ですか?」
少年「通常、身体の中に存在しない毒性物質を無力化する魔法です。何もない場合、身体への影響は皆無です」
女戦士「し、しかし、勇者殿は魔法を使うのに制約があると先程……」
この>>1ならやってくれるさ
キアリーか
☆
少年「旅もこれで終わりなので、もう気にする必要がないんですよ」
女戦士「ど、どういう事ですか?」
少年「だから気にする必要はないと言っているでしょう? あなたは弟さんの事だけ考えてあげればいい」
女戦士(何? いつもの勇者殿と雰囲気が違うような……)
少年「うん、どうかしましたか?」
女戦士「い、いえ……気のせいだと思うんですが……」
少年「だから何です?」
女戦士「はい。何というか……今までの勇者殿と雰囲気が少し……」
少年「はぁ……もう、効果が切れ掛かっているのか」
女戦士「効果……ですか?」
少年「そのうちわかります。別段、命に別状がある訳ではありません」
女戦士「わかりました。そこまで仰るのでしたら……」
少年「では、弟さんの原因を確認しましょうか」
女戦士「はい。お願いします」
支援
しえん
支援
女戦士弟「すぅ……すぅ……」
少年「寝てしまったようですね」
女戦士「そうですね。先程は少し無理をしたようですから……」
少年「……普段の女戦士さんは、ああいう話し方をされるんですね」
女戦士「なっ!? と、突然何ですか!?///」
少年「いえ、堅苦しくなくて、あの方が好感が持てますよ」
女戦士「こ、こんな時にからかうのはお止めください/// それより早く確認をお願いします」
少年「わかりました。では、この水晶球を通して弟さんを見てください」
女戦士「……」
少年「どうですか?」
女戦士「赤い……赤い靄(もや)のようなものが弟の周りに……」
少年「では、弟さんの病気は魔法による影響で間違いありませんね」
女戦士「そんな……では、やはり……」
少年「仕方ない……あなたはそのまま弟さんを見ていてください」
女戦士「えっ? ゆ、勇者殿、どうされるおつもりです?」
しえん
はよ
>>334
世界観じゃなくてくどい台詞回しをやめてくれって話でな
少年「どうするもこうするも、こんな馬鹿げた事を許しておく程、寛容な心は持ち合わせていないんですよ」
女戦士(何だ? 水晶球を通した勇者殿の姿は……)
少年「はぁ……これで完全に効果は切れるが……仕方ない」
女戦士(どういう事だ……これは?)
少年「今から『解呪の灯火』の術を使います」
女戦士「ゆ、勇者殿の周りにも赤い靄が……」
少年「だから気にする必要はないと言ったでしょう。少し眩しいと思いますが我慢してください」
パァァ……
女戦士「くっ。眩しい……」
女戦士(勇者殿の身体から光が……)
少年「……これで大丈夫でしょう。どうですか?」
女戦士「……っ。申し訳ありません。光のせいでまだ目が……」
少年「目が慣れてからで大丈夫でしょう。もう心配ないはずです」
女戦士(よし……視力が戻ってきた……)
女戦士「……勇者殿! 弟の周りから赤い靄が消えています!」
>>347
嫌ならみなけりゃいい
>>349
お前こそ嫌ならレスすんなよ
きっと勇者は魔法がとけて杉下右京になってんだな…
>>350
その理屈はおかしいだろww
嫌ならみなけりゃいいって提案してるだけじゃん
くぅ~疲れましたw これにて完結です!
実は、ネタレスしたら代行の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は話のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存ですw
以下、まどか達のみんなへのメッセジをどぞ
まどか「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」
さやか「いやーありがと!
私のかわいさは二十分に伝わったかな?」
マミ「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」
京子「見てくれありがとな!
正直、作中で言った私の気持ちは本当だよ!」
ほむら「・・・ありがと」ファサ
では、
まどか、さやか、マミ、京子、ほむら、俺「皆さんありがとうございました!」
終
まどか、さやか、マミ、京子、ほむら「って、なんで俺くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」
本当の本当に終わり
NG推奨
ID:Hu4vd9hK0
ID:9wkwoB450
良いぞ
外野は気にせず好きにやれ
また荒らしに来たのか
>>350
嫌なら見るなよw
ちょっと文句言っただけで出てけはねーわ
少年「そうですか。それは良かった」
女戦士「あ、あれ……?」
少年「何ですか、その呆けた顔は」
女戦士「い、いえ……勇者殿ですよね?」
少年「何を言っているんですか。この部屋にいるの女戦士さんと弟さん、あとは私の三人だけですよ」
女戦士「そ、そうなんですが……」
女戦士弟「う……うん……。あれ……どうしかしたの?」
少年「ああ、騒がしくて起こしてしまったかな」
女戦士弟「大丈夫。何だかさっきより気分がいいみたいで……あれ?」
女戦士「本当? 胸は苦しくない?」
女戦士弟「あっ、姉さん。大丈夫だよ。胸の重みが取れたみたい……何だか凄く気分がいいんだ」
女戦士「良かった……うっ……うぅっ……」
女戦士弟「ど、どうしたの突然泣き出して!?」
女戦士「うん……何でもないの……っ……ただ、嬉しくて……」
女戦士弟「そっか……ならいんだけど……。ところでさ、勇者様の髪って金色だったっけ?」
ええっっ、ここで終わり?
おまいらおちつけ
平和にいこうや
支え
なんと・・・スーパーサイヤ人だったのか(驚愕)
女戦士「そ、そうです!? その髪は一体?」
少年「元々の髪はこの色なんですよ」
女戦士弟「そうなんだ。姉さんの部屋に飾ってある勇者様の絵姿と一緒なんだね」
少年「……そんな物までお持ちなんですか?」
女戦士「い、いえ……それは尊敬する勇者様……やっ……勇者殿にあやかろうと///」
女戦士弟「姉さん……何だか顔が赤くない?」
女戦士「ばっ、馬鹿な事を言わないの!?/// そ、それより、元の色とはどういう事なんですか?」
少年「他者の認識をずらす魔法で、髪の色や全体の雰囲気を変えていたんです」
女戦士「どうしてそんな事を?」
少年「余計な面倒事に巻き込まれたくなかったので。まあ、それでも巻き込まれたようですが」
女戦士「も、申し訳ありません……」
女戦士弟「どうして姉さんが謝るの?」
少年「本当に。どうしてだろうね?」
女戦士「ふ、二人して私をからかうのはお止めください!」
女戦士弟「……?」
きたー
支援
少年「それで、これからどうされますか?」
女戦士「どう、と言われましても……」
少年「このまま王都で暮らし続けるという訳にもいかないでしょう?」
女戦士「それは確かにそうですが……」
女戦士弟「姉さん……何かあったの?」
女戦士「ごめんね。姉さんが全部悪いの……」
少年「あなたが悪い訳ではありません」
女戦士「しかし……」
少年「一先ず、賢者殿の塔に戻りませんか? もちろん弟さんも連れて」
女戦士「それで良いのでしょうか……」
女戦士弟「姉さんが行くなら、僕はどこへでもついて行くよ」
少年「ほら、彼もこう言っています。後の事は向こうで考えればいいでしょう」
女戦士「そうですね……どの道ここには居られませんし……」
少年「では、本当に必要な荷物だけ準備してください。それから塔へ移動します」
女戦士「わかりました」
ゆうしゃktkr
バイト終わったぁ!支援
~~明け方 賢者の塔 研究室にて~~
賢者「……戻ったか」
少年「ああ、何とか無事に。手間を掛けさせたな」
賢者「古き仲間の頼みだからと言っただろう。気にするな」
女戦士「賢者殿……この度は私などの為に色々とご配慮頂き……何とお礼を言ってよいか……」
賢者「こちらも古き仲間の不始末だからな、気にするな。で、弟の病はもう良いのだろう?」
女戦士「はい。お陰さまで。……ほら、あなたもお礼を言いなさい」
女戦士弟「ありがとうございます」ペコリ
賢者「聞いたか? 素直で良い子ではないか。貴様とは大違いだな」
少年「はっ! お前に言われるとは心外だ」
賢者「それはお互い様だ。そういえば、もう猫は被らなくて良いのか?」
少年「ん? ああ、人前に出るつもりはないから、もういいんだ」
賢者「そうか。まあ、その方がお前らしくて私は好きだよ」
女戦士「あ、あの……賢者殿は勇者殿と以前からお知り合いだったのでしょうか?」
賢者「何だ。まだ言ってなかったのか、貴様は」
しえん
しーえん
しえん
④
少年「んー何ていうか、今更だろ?」
賢者「全く……肝心な話をしないのは、貴様の悪い癖だな」
女戦士「え、えっと……」
賢者「こいつもこいつだな。いい加減、気づいても良さそうなものだが」
少年「無茶を言うなよ。もう十五年以上も経ってるんだぞ。大体お前だって人の事は言えないだろう」
賢者「乙女に向かって何を言う。異世界の狭間に放り込むぞ」
少年「出来るもんならやってみろ。俺は異世界からでも帰ってくるさ」
賢者「そうだな。貴様のようなしぶとい奴は殺しても死なんだろう」
女戦士「あ、あの……」
女戦士弟「大丈夫、姉さん?」
賢者「見ろ、困っているではないか。いい加減に教えてやれ」
少年「そうだな……えっと、なんて言えばいいのかな……」
賢者「もう良い、私が説明してやる。魔王を倒した勇者とはこいつの事だ」
女戦士「は?」
今さら④の意味に気づいた
しえん
昔書いたこたとない?
一回おなじようなの読んだことあるような
>>358
相棒知ってるならわかると思うよ
この回りくどさ
知らないなら見て見たらいい
と、ここでネタばらし
女戦士弟「やっぱりそうだったんですか。どうりで絵姿にそっくりだと思いました」
賢者「ほう、そんな物があるのか。見てみたいものだな」
女戦士弟「ちょっと待ってください。確か姉さんの荷物の中に……」ゴソゴソ
女戦士「いやいや、待ってください!!」
女戦士弟「あった! これです」
女戦士「魔王を討ち取った勇者様のご子息という話は……」
勇者「ああ、この姿だろ? だから、それを誤魔化す為の嘘だな」
賢者「どれどれ……少し美化され過ぎではないか? これでは気付かんもの無理はない」
女戦士「嘘って……ちょ、ちょっと!? どうしてそんな物まで持ってきてるの!」
女戦士弟「だって姉さんの大事な物じゃないか」
賢者「ほう、そうなのか?」
女戦士「た、確かに大事なものには違いないけど……って、嘘ってどういう事なんです!」
勇者「だから厄介事に巻き込まれない為って、前に言っただろ」
女戦士弟「家に居る時、父さんと勇者様の絵姿をよく眺めてたじゃない?」
女戦士「それは確かに……っていい加減にしてください!!!」
私怨
④
女戦士「はぁ……はぁ……はぁ……」
賢者「気の短い奴だな」
女戦士弟「突然大きな声を出さないでよ。びっくりするじゃないか」
勇者「何か……悪かった」
ドタバタドタバタ――
賢者「はぁ……また喧(やかま)しいのがやって来たか」
――バタンッ!
魔法使い「師匠! 何ですか今の声は!!!」
賢者「何でもないから大声を出すな」
魔法使い「いや、しかし……って、何ですかこの餓鬼は?」
女僧侶「……ずいぶんと大きな音がしましたが……何かありましたか?」
賢者「全員揃ったみたいだな。丁度いいから説明してやれ」
勇者「いや、出来たら頼めると有り難いんだけど」
賢者「自分の蒔いた種だろうが。補足くらいはしてやる」
女僧侶「……あれ? 勇者さま、ですよね?」
おもしろい
支援
勇者と魔王娘の子かと思ったら本人だったか
この賢者から雌犬の匂いがしますぜ旦那ァ……
―――
――
―
女僧侶「それでは、勇者さまは司教さまや賢者さま方と魔王を討伐された勇者さまなのですか?」
勇者「ちょっとわかりにくいけど、それで間違いない」
女戦士「では、そのお姿は?」
勇者「これは『時の眠り』の魔法で、十年で一年分しか歳をとらないようにしてもらっているんだ」
魔法使い「待てよ。そんな魔法、聞いた事ねぇぞ」
勇者「詳しい事は俺も知らん。確か細胞を不活性にさせてどうとか……傷の治りが悪くなるのが欠点らしい」
魔法使い「もしかして師匠の仕業ですか?」
賢者「そんな便利な魔法があるならとっくに使っている」
魔法使い「じゃあ、どうして師匠は……うげっ!?」ガンッ
賢者「死にたくないなら、その口は閉じておいた方がいいぞ?」
魔法使い「あたたっ……そうやってすぐに物を投げるのは止めてください!」
勇者「えっと、続けていいか?」
続けていいからはよ!
支援
最後まで支援したいが、明日も仕事だ……_| ̄|○
>>1がんばれよ
魔法使い「ちょっと待て、てめぇが本物の勇者なら、どうして山越えの時に転移魔法を使わなかったんだ」
勇者「ああ、あの時か……」
魔法使い「女僧侶に辛い思いまでさせて、随分と偉そうな事言ってたよな」
女僧侶「あ、あれは私が悪かったのですから、その事はもう……」
勇者「いや……あれは確かに俺が悪かったと思う」
魔法使い「俺は理由を聞いてんだよ!」
勇者「理由にならないかもしれないが、魔界に戻るまでは魔法は使わないと決めていたんだ。済まなかった」
女戦士「魔界?」
魔法使い「おい……魔界ってどういう事だ?」
勇者「そうだな。そこから説明しなきゃいけないか。長くなるけど構わないか?」
魔法使い「構うも構わないもねぇ。納得の出来る説明を聞かせてもらう」
賢者「冷静になれと言っているだろう」
魔法使い「いえ、幾ら師匠の昔の仲間とはいえ、こればかりは譲れません」
勇者「納得してもらえるかどうかはわからんが、長くなるから座って話を聞いてくれ」
…………
見てるぞがんがれ
支援
いよいよ濡れ場か…
~~およそ十五年前 魔王城 玉座の間にて~~
勇者「……んんっ。それで、その悪の根源たる魔王に、人類の希望を背負って戦いを挑み……」
魔王娘「……」
勇者「逃げ帰ってきた腑抜けの居場所なんて、勇者じゃない俺の居場所なんてどこにもないさ」
魔王娘「そんな……勇者様に労(ねぎら)いもなく、それではあんまりではありませんか?」
勇者「そういうものさ。人っていうのは、自分の都合通りにいかないとそれを拒絶する」
魔王娘「あの……」
勇者「なんだ?」
魔王娘「差し出がましいようですが……こうされては如何でしょう?」
魔王「何か良い案でもあるのか?」
魔王娘「はい。勇者様に居場所がないのでしたら、ここに住んで頂けば良いのです」
勇者・魔王「は?」
魔王娘「先程、お父様とも仲直りしてくださった事ですし、幸いな事に城には空き部屋も多く……」
勇者「ま、待て! ちょっと待ってくれ!」
魔王娘「……なんでしょう?」キョトン
支援
頑張れ>>1
支援
魔法使いまじでうぜぇな。口閉じろクズか
しえん
勇者「確かに、魔王の提案で俺は戦いを止めたし、その申し出もありがたい」
魔王娘「でしらた何の問題も……」
勇者「いや、だから俺の話を最後まで聞いてくれ」
魔王娘「お話、ですか?」
勇者「この戦いの発端になった事件、それはお前達も憶えているだろう」
魔王娘「……あれは、不幸な出来事でしたわね」
勇者「そうだ。お前達にとっての不幸……元はといえば、俺たち人間が魔界を侵略しようとしたのが始まりだ」
――――
魔法使い「ま、待て! どういう事だよ!」
賢者「黙って話を聞いていろ」
――――
勇者「西の国の領主が軍勢を率いて魔界に侵攻し、お前達の集落を幾つも滅ぼした。それが原因で……」
魔王「そうだな。我々は人間の軍勢を押し返し、報復として西の国を滅ぼした」
勇者「俺個人も人間の希望という建前で、お前達の仲間を数多く殺している。そんな俺が……」
魔王娘「そうですわね……さすがにこのままというのは難しいですわね」
やはり先に手を出したのは人間側だったか…
全くこれだから人間は
魔王娘「お父様」
魔王「何だ、娘よ」
魔王娘「勇者様に『仮初の姿身』の術は使えまして?」
魔王「んっ……こやつが抵抗しなければ、別に問題はないが」
魔王娘「そうですか。なら問題ありませんわね」
勇者「おい、何の話をしているんだ?」
魔王娘「さすがにこのまま暮らして頂くという訳には参りませんので、お父様の術で御姿を少し変えて頂きます」
勇者「は? どうしてそうなる?」
魔王娘「あなたの御姿を見知った、我らの住人達も数多いかと思います」
勇者「そうだろうな。何と言ってもお前達の王の命を狙っていたんだから」
魔王娘「ですが、幸いな事に普段の勇者様は鎧兜を身につけておいで。ですから、お顔まではあまり知られていないかと」
勇者「確かに顔まではあまり知られていないと思うが……どうしてそこまでする?」
魔王娘「勇者様の居場所を作る為に決まっているではありませんか」
勇者「違う、そういう事を言ってるんじゃない!」
魔王娘「まぁ、ではどういう事ですの?」キョトン
支援
ID確認ついで寝る前最後の支援
てす
頑張れよ>>1
ちょっと人間滅ぼそうかな
これ、テキストをロダに上げてくれれば読むけどなぁ
先が長そうだ
勇者「この戦いの原因は俺達人間の側にある。俺自身もあんた達の仲間を数多くこの手に掛けている」
魔王娘「……そうですわね」
勇者「あんたは俺に恨みがないのか? 仲間を国民の命を奪ったこの俺に!」
魔王娘「……恨みがないといえば嘘になりますわ」
勇者「そうだろう? だったら……」
魔王娘「それでも、恨みを抱いたままでいる事は、とても苦しくて辛い事ではありませんか?」
勇者「しかし!」
魔王娘「勇者様を恨みの果てに、殺してしまうのは簡単な事だと思います。ですが……」
魔王娘「それではいけないと思ったからこそ、お父様は勇者様に御提案をされたのでないでしょうか?」
魔王娘「……違いまして、お父様?」
魔王「まぁ……ないとは言わん」
勇者「魔王……お前……」
魔王娘「照れにならなくとも宜しいのに」
魔王「ば、馬鹿を言うな! 私は照れてなどおらん!」
>>1もおまいらも頑張れ。
濡れ場まであともう少しだ…
濡れ場はいらんけど、どこで話が終わるのかと
魔王かわいい
魔王娘「ですから、私はこう思うのです」
魔王「こ、こら……人の話を聞け!」
魔王娘「恨みやわだかまりを捨てる事は、並大抵の事ではないでしょう」
魔王娘「ですが、同じ苦しくて辛い道を往くなら……」
魔王娘「往く先に光や希望がある方に進みたいと……」
勇者「……」
魔王娘「おわかり頂けましたか、勇者様?」
勇者「俺は……俺はどうすれば……」
魔王娘「勇者様の思うままに……宜しいですわよね、お父様?」
魔王「お前が決めたのなら、私が反対しても聞く耳などもつまい。好きにしろ」
勇者「魔王……」
魔王「娘は亡き妻に似て頑固な性質(たち)でな。貴様が望むようにしろ」
勇者「俺の望むように……」
魔王娘「希望を紡いでいく為、私達と一緒に来てくださいますか、勇者様?」
勇者「……よろしく、頼む」
支援
文媛
徹夜で支援する気満々
やっと追いついた
支援
~~夜明け 賢者の塔 研究室にて~~
魔法使い「嘘だろ……俺の国が滅んだのは、自業自得だっていうのかよ……」
賢者「貴様には辛い話だろうと思い、あえて今まで話さずにいた。だが、これが真実だ」
魔法使い「今更そんな話、納得出来るかよ! くそっ! くそっ! くそぉっ!」
女戦士「では、勇者殿の仰っていた、魔法の使用制約というのは『仮初の姿身』のせいなのですか?」
勇者「そうだな。俺が魔法を使うと、術に抵抗した事になって効果が切れてしまうらしい」
女戦士弟「すぅ……すぅ……」
賢者「ふふっ、良く寝ているな。『時の眠り』の魔法も、魔王の手によるものだそうだ」ナデナデ
魔法使い「なぁ……」
勇者「何だ?」
魔法使い「あんたらが討伐出来なかったって事は、魔王は今でも生きているんだろ?」
勇者「そうだな、今でも健在だ。魔王軍が人間界から引いたもの、魔王の命令によるものだ」
魔法使い「そうか……」
賢者「愚かな考えは起こすなよ?」
魔法使い「し、しかし!」
まだやってたのか④
支援
者「勇者の話を聞いていなかったのか? 貴様の恨みを晴らす為、また魔界と争いを起こす気か」
魔法使い「くっ……」
賢者「数多(あまた)の死人が出るぞ。貴様はその責任を取れるというのか?」
魔法使い「じゃあ、俺はどうすればいいんです! 俺のこの気持ちは!」
女僧侶「あの……」
魔法使い「何だよ!」
女僧侶「……あなたはには、あなたの事をお待ちになっている人たちがいらっしゃいますよね?」
魔法使い「それがどうした」
女僧侶「そのお気持ちを、その人たちに向けてあげる事は出来ないのですか?」
魔法使い「俺の気持ちを?」
女僧侶「はい。確かに国を失くしたあなたのお気持ちは、私には窺い知れないものです」
魔法使い「ふん、当たり前だ……」
女僧侶「再び魔物達と争いになれば、あなたと同じようなお気持ちの方を、増やす事になりませんか?」
魔法使い「俺と……同じ……」
女僧侶「それに、その争いであなたが命を落としたら、あなたをお待ちになっている人たちはどうするのです?」
ようやく追いついたぜええええ
支援
者
↑だれやこいつ
女僧侶「その人たちを悲しい気持ちにさせることは、あなたの本意ではないはず……そうですよね?」
魔法使い「……っ」
賢者「……そういえば、勇者よ」
勇者「何だ?」
賢者「貴様の生まれも、確か西の国だったな?」
魔法使い「なに?」
勇者「今ここで聞くような事じゃないだろ?」
賢者「今ここでだからこそ聞いている。さっさと答えろ」
勇者「知っているくせにわざとらしい……。そうだよ、俺の生まれはこいつと同じ西の国だ」
魔法使い「あんたも俺と同じ……それなのにどうして!」
勇者「さっきも言ったが、そもそものきっかけは西の国が魔界に攻め込んだ事にある」
魔法使い「だからあんたも魔王の討伐を目指した、違うか?」
勇者「お前の言う通りだ。だが俺はそれを果たせなかった。それに……」
勇者「あのまま己の意地を貫いて、こいつらを巻き添えにする事もな」
勇者「理屈じゃ割り切れないってのはわかっている。でも、殺し殺され続けるのはもううんざりなんだ
賢者だろ
別にお偉いさんが暴走しただけだから国民が殺されたのは自業自得でも何でもないだろ
木っ端共の感情はどうでもいいってか
>>427
どうでもいいに決まってんだろ
>>427
あくまで人間VS魔界だから…
勇者「自分や大切なものを守る為に、その力を振るう事まで否定しない」
勇者「だが……」
勇者「感情や欲望に流されて、その力を振るった結果を俺は知っている」
勇者「だから、お前にも俺と同じ過ちは犯して欲しくない」
賢者「……だそうだ」
魔法使い「だったら……俺は……どうしたらいいんですか?」
賢者「先程、そこの娘が言ったではないか。貴様を待っている人達の為に、その気持ちを向けろと」
魔法使い「あ……」
賢者「貴様は私に言ったはずだな。自分と同じ思いをさせたくないと」
女僧侶「私も出来る限りのお手伝いをします。ですから、あの子達を悲しませるような事はお止めください」
魔法使い「うぅ……くそっ……くそっ……」
―――
――
―
>>428
まあそうなんだろうな、仕方ないけど
でも生き残った人たちも自業自得だと言われて納得する人はいないと思うんだ
賢者「少しは落ち着いたか」
魔法使い「……はい。恥ずかしいところをお見せしまた」
賢者「気にするな。貴様にこの事を黙っていた、私にも原因がある」
女戦士「それで、勇者殿は魔王と和解してから、どうされたのです?」
勇者「ああ、賢者達に治療を施して、意識がない内に俺が転移魔法で人間界に連れ帰ってさ……」
勇者「その後は魔界に戻って、魔王の政務を手伝ったり、各地の復興に協力したりだな」
賢者「あの時は、気がつけば人間界で貴様の姿は見えない、魔王軍は見えずでな……」
勇者「それについてはもう謝っただろう。許してくれ」
賢者「何か一言ぐらいあってよかっただろう? 散々貴様を探し回ったぞ」
勇者「だから悪かったよ」
賢者「結局、魔王軍が撤退した事で、魔王と差し違えたのだろうと判断してな」
女戦士「それが十五年前の真実……」
女僧侶「でしたら、教会の情報にあった魔物による襲撃は……」
勇者「ありえない。そんな事を魔王達が許すはずがないからな」
女僧侶「それでは各地の教会からの情報は一体……」
ベタなファンタジー物だと王族貴族は平民なんざ家畜程度にしか思ってないもんな
そういやこのフラグ達どうやってここから回収していくんだ?
勇者「さあな。僧侶……いや、司教の奴が一体何を考えているのか、俺にもよくわからん」
賢者「良からぬ事を考えてなければいいのだが……。さて……貴様ら、これからどうするつもりだ?」
魔法使い「俺は最西の街に戻ります。あいつらが待っていますから」
賢者「そうだな。何かあればいつもでここに来い。出来る限りの手助けはしてやる」
魔法使い「ありがとうございます、師匠!」
女僧侶「私は王都に戻って報告をしなければと考えていたのですが……」
賢者「止めておけ。おそらくだが、今の王都に貴様の帰る場所はない」
女僧侶「そうですね……」
魔法使い「なぁ……」
女僧侶「なんでしょう?」
魔法使い「良かったら、俺と一緒に最西の街に来てくれねぇか」
女僧侶「ふふっ、それは私も考えていました。先程、お手伝いをすると約束したばかりですし」
魔法使い「ほ、本当か!?」
女僧侶「私も神に仕える身です。嘘など申しませんわ」
賢者「二人は最西の街か。それで貴様は?」
④
クソ、魔法使いと女僧侶リア充しやがって
支援
糞、ずっと女僧侶を見てたのに魔法使いの肉便器かよ!!
いや、僧侶に非処女ってのはあり得ないし問題無いか
司教は王の手先なんだと思ってた
女戦士「私は……当てなどありませんので、弟と一緒にどこか静かな場所で暮らせればばと……」
賢者「そうか。病の原因がなくなったとはいえ、しばらくは安静が必要だろう?」
女戦士「そうですね」
賢者「当てがないのなら、しばらくこの塔に滞在するか?」
女戦士「……良いのですか?」
賢者「貴様の弟は勇者や魔法使いと違って、素直で可愛げがあるらな。望むなら置いてやっても構わない」
女戦士「本当ですか!?」
賢者「その代わり、雑用ぐらいはしてもらうぞ。ただ飯を食わせる趣味はないからな」
女戦士「はいっ、よろしくお願いします!」
勇者「全く……可愛げがないのはお前の方だろうが……痛てっ!?」ガンッ
賢者「ふん、貴様のそういうところが可愛げがないと言っている」
勇者「だからって、物を投げるな!」
魔法使い「ひでぇ……勇者にも物を投げつけるのかよ……」
賢者「あん? 何か言ったか?」
魔法使い「な、何でもありません!」
支援ちゃん!
>>358
いたいいたいいたいー
状態テンプレ
LP:8000 手札:
デッキ: 墓地: 除外: フィールド:
モンスター:1「/」 2「/」 3「/」 4「/」 5「/」
魔法・罠:1「」2「」3「」4「」5「」
デッキテンプレ
上級4枚
A×2 B×2
下級14枚
C×3 D×2 E F×3 G H×2 I J
魔法15枚
K L M N×2 O×3 P×2 Q×2 R S T
罠7枚
U×3 V×2 W X
EX 6枚
α×2 β γ×3
進行は基本的この形で、初めての方はこれをコピペしとくと便利です。
デッキの枚数、フィールド等それほど重要でないものは省いてもおk
佳境になったりフィールドを使うデッキ、デッキデスとの決闘ならもちろん必須。
モンスターゾーン、魔法罠ゾーンの番号を指定して各効果を使いましょう。
デッキは上記のように横書きを推奨。縦書きは見づらいようです。
カード名はできれば正式名称、それもWikiに対応する形が好ましいようです。
安価をとる場合は、あらかじめデッキレシピを用意した方が時間の短縮になります。
Wikiが重くてカードの効果が調べられないよ~→「遊戯王カードWiki DB」で検索
賢者「……で、貴様はどうするんだ?」
勇者「俺か? 俺には帰る場所があるからな」
賢者「そうか。またこちらに来るんだろう?」
勇者「そうする必要があればな」
女僧侶「あの……」
勇者「うん、どうした?」
女僧侶「……今更なんですが、陛下から賜った任務は如何しましょう?」
勇者「んー陛下は悪い人ではないんだけど……流石にな」
賢者「仕方ない。陛下には私から取り成しておいてやる」
勇者「面倒を掛ける。……皆、巻き込んで本当に悪かった。元気でな」ヒュン
女戦士「……行ってしまいましたね」
賢者「慌しい奴だ」
魔法使い「あれが勇者かよ……滅茶苦茶な奴だったな」
女僧侶「滅茶苦茶ですが、あの行動力が勇者さまと呼ばれる由縁なんでしょうね」
女戦士弟「……んんっ……もう朝? おはよう、姉さん」
誤爆すまそ
支援
~~早朝 ??~~
??「……どうやってここまで忍び込んだのですか?」
勇者「この程度の警備、あの時の魔王城と比べたら笊(ざる)みたいなもんだろう?」
司教「成る程、盗賊に転職されたとは存じませんでした」
勇者「人聞きの悪い事を言うな。せっかく昔の仲間が会いに来たっていうのに」
司教「生憎、盗人の知り合いなどおりませんので」
勇者「……お前、そんなに冷たい奴だったっけ?」
司教「私達を見捨てて行方をくらました、あなたに言われたくありません」
勇者「そんな風に思ってたのかよ……俺って意外と人望なかったんだな」
司教「感謝はしていますよ。あなたのお陰で、私はここまで登りつめる事が出来た」
勇者「で、人のいい陛下に取り入って、この国を盗もうって魂胆か?」
司教「……陛下に継嗣がいない以上、誰かが国の舵取りをしなければならないのです」
勇者「だからといって、陛下を騙すようなやり方は間違っている」
司教「人聞きの悪い事を言わないでください。あなたの方こそ陛下を騙したのではありませんか?」
司教「自らは勇者の息子と名乗り、勇者は死んだと陛下を欺いた。不敬以外のなにものでもありません」
(^ω^)ノシ④
!?
勇者「あの時……俺が陛下に謁見していた時、随分と慌ててやって来たよな」
司教「勇者の子息が登城したと聞いた時は、正直驚きましたからね。真偽を確かめる必要がありましたから」
勇者「でも、俺だと気づいて……」
司教「当たり前です。私が気づかないとでも思っていたんですか?」
勇者「なら、どうして気づかない振りをしていた?」
司教「救国の英雄たるあなたが生きていると知れば、陛下はあなたにこの国を託されるでしょう」
勇者「……だから適当な任務を与えて俺を城から追い出し、殺そうとしたのか」
司教「そこまで上手く行くとは思っていませんでしたよ。案の定、失敗に終わったようですし」
勇者「そんなに俺が邪魔だったのか……」
司教「……それでは、私も一つお聞きします」
勇者「なんだ?」
司教「もし、あの場で勇者だという事が知れ、陛下から譲位の申し出あったなら、あなたはどうされました?」
勇者「俺には……その気も資格もない」
司教「あなたの意思など……ですよ」
勇者「……何だって?」
司教「関係ないんですよォ! あなたの意思なんてェェ!!」
勇者「お、おい……」
司教「周りがァ! それをォォ!! 許すとでも思っているのですかァァァ!!!」
勇者「おい、落ち着けって……」
司教「あなたこそォ! あなたこそがァァ!! この国を導くべきだったのにィィッ!!!」
勇者「おいっ! しっかりしろ!!」
司教「それをッ……それをあなたはァ……あなたはぁ……っ」
勇者「……大丈夫か?」
司教「信じていたのです……あなたこそが……この国を導くべきだと……」
司教「私の居場所は……あなたの隣だと……」
司教「あなたの居場所は……私達のところだと……」
勇者「……」
司教「どうして……私達を置いて行ったのです?」
司教「どうして、今更戻って来たのです?」
勇者「……確かに黙っていなくなった事は、悪かったと思っている。でも……」
そういや賢者と僧侶以外にももう一人仲間がいたんだよな
戦士女の父親ではないよな?
勇者「俺が戻って来た理由は、お前が一番わかっているんじゃないのか?」
司教「……私が陛下に代わり国を率いるには、求心力が必要なのです」
勇者「お前を慕う人は大勢いるはずだ」
司教「まだ足りないんですよ。治世を磐石にする為には……」
勇者「だから、敵を作ろうとしたのか?」
司教「先の大戦の傷痕は今でも世界に残されています。そこに再び魔物達が現れたとなればどうなります?」
勇者「……何を置いてでも、自分達の世界を守ろうとするだろうな」
司教「そして、私の指揮の下、魔物達の脅威から世界を救ったとなれば、それは私への求心力となります」
勇者「だからって……そんな争いは無意味だ。魔王だってそんな事は望んじゃいない」
司教「ふむ……やはり魔王は生きているのですか?」
勇者「ああ。俺達がこうしていられるのもあいつのお陰だ」
司教「ならば、尚の事。魔物達を捨てておく事など出来ません」
勇者「あいつらは、確かに俺達とは違うところも多い。でも、悪い奴らじゃない。わかりあえるんだ」
司教「かつては魔王討伐を口にしたあなたが、その肩を持つなどと……堕ちたものです」
勇者「俺の事はどうでもいい。争えば新たな犠牲者を生み出すぞ」
>>452
あーあ、言っちゃったよ
司教「何を甘い事を。大多数の幸福の為に多少の犠牲はつきものでしょう?」
勇者「多数の為に少数を切り捨てるなんて考えは間違っている」
司教「必要悪というものですよ。民の大半は自分さえ幸せなら、多少の犠牲には目を瞑るものです」
勇者「そうやって、結界の調査隊を犠牲にしたのか?」
司教「彼らは殉教者ですよ。その尊い犠牲は後世に伝えられる」
勇者「そこまで腐ったか……」
司教「何とでも言ってください。今更、後戻りなど出来ません」
勇者「本当に考え直す気はないのか?」
司教「何を考え直すというのです? 私達は先へ進まなければならないのですよ」
勇者「そうか……」
司教「殺しますか? あなたの意に沿わない私を? 私を止めるなら今しかありませんよ?」
勇者「そんな事はしない」
司教「ふふっ、あなたに出来るはずがない。私を殺せば、自らの考えを否定した事になりますからね」
勇者「だが、お前が俺の大切なものを脅かした時は……」
司教「その時は私を手に掛けますか? でしたら、今やれば良いものを……本当に甘いお人だ」
勇者「甘くて結構だ。俺は今でもお前の事を仲間だと思っている」
司教「そう思うなら、今からでも遅くありません。私のところに戻って来てください」
勇者「何を……」
司教「今の私なら、あなたの居場所くらい幾らでも用意出来ます」
勇者「……もう遅いんだ」
司教「わ、私ではなく、あながたこの国を治めても構いません!」
勇者「……」
司教「そうだ! 今から登城して、陛下にあなたの無事を知らせましょう!」
勇者「もう……」
司教「へ、陛下もきっとお喜びになられるはず。国を挙げての祝賀となるでしょう!」
勇者「もう、やめてくれ……」
司教「そこであなたに陛下から譲位があるかもしれません。そして私はあなたの側で……」
勇者「……お前の気持ちは嬉しい。けど、俺には帰る場所がある」
司教「……っ!?」
勇者「帰りを待ってくれている人がいる。だから……すまない」
一番のクズは勇者だな
勇者はどう見ても巻き込まれた側なんだけど
司教「……なら」
司教「……それなら、話はこれで終わりですね」
勇者「ああ……そうだな」
司教「用が済んだのでしたら、人が来る前にさっさと出て行ってください」
勇者「最後に一つだけいいか?」
司教「……なんですか?」
勇者「今までありがとう」
司教「……」
勇者「それじゃあな……」ヒュン
司教「……」
司教「……そんな言葉が欲しい訳じゃ……ありません」
司教「……」
司教「どうして……」
司教「どうして『一緒に来てくれ』と私に……」
司教「うぅっ……」
>>452 それは言わない約束www
勇者は魔王の娘とおまんこしたいだけだからな
まさかとは思うが、司教はホモか?
ホモかと思ってたけど女かよ
ホモだろ?
司祭はホモショタコンで司教がガチホモとかこの世界終わってんだろある意味でwww
ドリフターズのラスプーチンっぽいイメージ
いや女だろ
~~魔王城にて~~
勇者「よっと、久しぶりだなこっちに戻るのは……」
魔王娘「お帰りなさいませ。今回は随分とゆっくりでしたのね」
勇者「ただいま。ああ。向こうで色々とあってさ」
魔王娘「あら『仮初の姿身』が解けて……」
勇者「ああ。魔王に術を掛け直してもらわないと……」
魔王娘「また、無茶をされたのでしょう?」
勇者「んー無茶にならないよう、やってるつもりなんだけどな」
魔王娘「あなた様の基準で物を考えては、無茶も逃げ出してしまいますわ」
勇者「そこまで酷くはないと思うんだが……」
魔王娘「でも、仕方ありませんわよね」
勇者「うん?」
魔王娘「あちらの世界はあなた様の故郷。故郷を思う余り、無茶な事をされるお気持ちもわかります」
勇者「そう言ってくれると助かる……。それで、俺がいない間に変わった事は?」
魔王娘「そうですわね……お父様が執務室に籠もっている以外、平穏なものですわ」ニコニコ
おどろどろしいなぁ、この話
どう読んだら司教を男と読めるんだよ
俺のIDがOFF・・・
勇者「……執務室に? そんなに仕事が溜まっているのか?」
魔王娘「ええ。あなた様がいらっしゃらないお陰で」
勇者「……なぁ?」
魔王娘「なんでしょう?」ニコニコ
勇者「魔王の奴、機嫌悪いだろ?」
魔王娘「『勇者が帰って来たら、あいつに仕事を任せて私も旅に出る』と仰るぐらいには」クスッ
勇者「いや、それこそ無茶だって!」
魔王娘「頑張ってくださいませ。微力ではございますが、私もお手伝いさせて頂きますから」
勇者「絶対に無理! あの量をこなせるのは魔王ぐらいだって!」
魔王娘「お父様の跡目を継がれる方が、そんな情けない事を仰らないでくださいませ」
勇者「……大体さ、どうして俺が跡継ぎになるんだよ。おかしいだろ?」
魔王娘「まあ!? 私との事は遊びだったと仰るのですか?」
勇者「そうじゃないって!」
魔王娘「では、どういう事ですの?」
勇者「間違いなく魔王の方が長生きするはずだろ? なのに俺が跡継ぎっておかしいだろ」
魔王娘「だからこそ『時の眠り』を使ったのです。それに、ちゃんと理由もございます」
勇者「理由?」
魔王娘「はい。お父様は永く魔界を治めて参りましたが、未だ悪しき慣習も数多く残っております」
勇者「そういえば、あいつの仕事を手伝っていた時に、そういう指摘をした事もあったけど……」
魔王娘「あなた様の指摘で、お父様は考えられたそうです。魔界にも新しい風を入れる必要があると」
勇者「いや、しかしだな……」
魔王娘「重圧とは存じますが、お父様と私の期待に応えては頂けませんか?」
勇者「魔王と、お前のか……そう言われると弱いな」
魔王娘「そうそう。もう一つ理由が……」
勇者「まだ他にあるのか?」
魔王娘「はい。お父様は『余生はのんびり孫と遊んで暮らしたい』と常々仰られておりまして……」
勇者「……そっちの方が本音じゃないのか?」
魔王娘「さあ、どうでしょうか?」
勇者「何にせよ、少し気が早いだろ」
魔王娘「そ、そうですわね///」
で、女戦士弟の呪いが不始末ってなんだ
ちょっと魔界行ってくるか
魔王娘「……ところで、向こうの様子は如何でした?」
勇者「正直、少しきな臭い。もしからしたら、以前のような争いになるかもしれない」
魔王娘「そうですなのですか……」
勇者「……そんな顔するなよ。そうならないよう努力はするさ」
魔王娘「はい……」
勇者「そういえばさ、久し振りに昔の仲間にも会ったんだ」
魔王娘「まあ、そうですの?」
勇者「ああ。他にも、協力してくれそうな奴らと知り合う事が出来た。それだけでも収穫かな」
魔王娘「……お話、聞かせてくださいます?」
勇者「もちろん。少し長い話になるだろうけど……」
魔王娘「あの……お話の前に……///」
勇者「うん? あぁ……」ギュッ
魔王娘「おかえりなさい……あなた様……」
勇者「ああ、ただいま……」チュッ
おわり
なんでおかえりのあとにあなた様がなかったんや
後で出てくるんか?
>>475
どうせ司教がやったんだろ
>>475
女戦士雇うために司教がやったのでは
>>475
司教が呪い掛けてたんだろ
おつ
>>1乙!面白かった!!
やっぱりおまんこしたかっただけじゃないか
司教だろ
おつ
乙
とりあえず魔法使いが邪魔。死ね
おつ
読んでいただきありがとうございす
長時間お疲れ様でした
おつおつ
おつ
>>487
女僧侶持って行きやがったからなあいつ
これ司教がブラックすぎんだろ 仕方ないけど
乙
乙
読み手側に心の狭いやつが多かったな
けっこうあっさり終わったな
おつおつ
>>479
ああ、司教も仲間だったね、忘れてた
お疲れ
結局元のパーティは勇者賢者司教だけか?
戦士は?
おつおつー
おつ
乙!
>>498
女戦士の絵は死んだ父親の形見だと考えよう
つまり女戦士父は勇者の仲間で絵を持つほどのガチホモ
おつん
ぉもしろかたを
>>498
女戦士の父親とか?
初代勇者パーティは勇者♂、戦士♂、魔法使い(賢者)♀、僧侶(司教)♂でした。
戦士は女戦士に絡めようかと思いましたが、更に永くなるので諦めました。
今頃は戦いの世界を捨て、どこかで幸せに暮らしているかと。
>>498
3人パーティーだったんだろきっと
>>1お疲れさん
たのしい12時間だったぜ(o~-')b
すいません
>>506のことは忘れてください
結局ホモかよぉ!
司教女とか言ってた馬鹿共wwwwww
>>509
そうですなのですか……
やっぱりホモだったか!
>>1乙
だがもちろん続きあるんだろ?
乙~
結局司教は何者?
パーティの中の役職もわからんし
>>515
自分で僧侶って言ってるし勇者も僧侶っていいかけてるべ
>>515
アスペ乙です
>>1乙
正直長くなっても全ての伏線回収してほしかったけど面白かった
久々に楽しめた
乙
司教♂wwww
乙
なんというか頑張りすぎだろ
うんまあ司教女であって欲しいという強いて言うなら願望?みたいな
不満があるとすれば司教が女じゃなかった事くらいだな
乙
面白かった
乙
楽しかたよ
魔王が孫とキャッキャする話欲しす
おつ~
あー読まなきゃよかった。見る目にぶったな
いろいろ不満はあるけどとりあえず勇者が人殺した件は何とかしろ
乙
ホモgj
しんど・・・
地の文が無いのは純粋におもんなかったわ
あと「教区」の意味を普通に勘違いしてて(*゚∀゚)ハァァァッ?ってなったし
ホモ祭り
なんというか、出るキャラ出るキャラ全部ほんの少しずつ鼻につくな
乙
面白かった
司教が♂で吹いたwwww
乙
乙
なぜか僧侶=メレブで想像してたわ
いやー、面白かった!
引き込まれて一気に読んじゃったよ
久しぶりに魅入ったわ
乙!
乙
面白かったよ
できればいつか続きを書いてほしいな
残ってたよかった
おもしろかった!!
よみおわた
おつやで
おはほ
乙!
大層乙であった
おは乙面白かった
>>526
これは見たいな
魔王「ヒヒーン」
側近「魔王様ご乱心!?」
孫「キャッキャッ」
まで妄想した
>>543
魔王「ほーら白髪マンモス」ポロン
側近「魔王様ご乱心!?」
孫♀「キャッキャッキャ」
このSSまとめへのコメント
☆4つつけようとしたけど間違えて3つになったゴメンよ