104期生絶滅(58)

スレ立て逃げww

エレン「アルミン、ヤらせろ」

アルミン「やめろ!」

エレン「嫌だよ」ズブッ

アルミン「んぎ…いあぁあ…」

エレン「おふっ…アルミンの中気持ちいい…」

アルミンは性病持ちだった
アルミンは病死しエレンも性病を移され死んだ
ミカサも後を追い死んだ
その後トロスト区に超大型巨人が襲来し、104期生は絶滅した

スレタイ本文とここまでシンプルにうざいスレも久し振りだな

糞スレで板の容量圧迫すんのホントやめてくんないかな

教官の日記

…月21日
 104期生はなかなか優秀だ。教官の贔屓目を抜きにしてもどの兵団へ入っても恥ずかしくはないだろう。

…月22日
 ジャン・キルシュタインが行方不明になった。
 果たして憲兵団に入いることを目的としてる彼が脱走するだろうか?

…月23日
 コニー・スプリンガーならびにクリスタ・レンズが行方不明になった。
 朝、レンズは馬の世話をしに行ったまま帰ってこず。スプリンガー、ブラウス、ユミルの三名が捜索に当たり。
 ブラウス、ユミルのみ帰還。

…月24日
 今日は遠征だ。此度の行方不明者に警戒した私は遠征の延期を申し出たが承認されず。
 何もなければいいが…

…月25日
 ミーナ・カロライナ、アニ・レオンハート死亡。
 カロライナは暴行の痕跡あり。レオンハートには暴行の痕跡はなかったものの、両者に溢血斑があった事から窒息死だろう。

…月26日
 休校を申請したが受け入れられず。
 立体機動訓練中、事故により二名死亡。三名が行方不明。

…月27日
 訓練兵に外禁が通告された。
 教官一同は脱走者の捜索とのこと。

 ベルトルト・フーバーが行方不明になった。
 訓練兵は不安になっているようだ。

…月28日
 エレン・イエーガーが発狂した。
 5分置きに何かを叫びながら走り回るので他の訓練兵が怯える。
 グリシャには申し訳ないが、イエーガーに鎮静剤を打ちしばらくは訓練に参加させないつもりだ。

…月29日
 サシャ・ブラウスが肺炎になった。
 どうやら盗み食いをした時にプレッツェルの破片が入ったらしい。
 まったくあれには困ったものだ。

…月30日
 ベルトルト・フーバーが発見された。外傷はなく。裸のまま水路に浮かんでいたそうだ。
 今は民間の診療所で預かっているらしい。明日にでも見舞いに赴くつもりだ。

…月1日
 急用でフーバーの見舞いに行けなくなったので、ライナー・ブラウン、トーマス・ワグナーに行かせた。
 開拓地の休憩所でレンズ、並びにスプリンガーが発見された。
 暴行の後が見られ、非常に危険な状態だ。

…月2日
 フーバーが死亡した。
 ワグナーの報告によると錯乱してはものを振り回し近寄れる状態ではなかったらしい。
 ブラウンは特になにも言ってこなかったが。
その時フーバーが身につけていた下着に付着した粘液ブラウンのDNAが採取されたのでブラウンを憲兵団へ引き渡した。
 フーバーの死因はショック死と断定。

…月3日
 イエーガーが首を吊った。

…月4日
 ミカサ・アッカーマンが倒れた。
 イエーガーの介護疲れだろうか

…月5日
 アッカーマンが行方不明になった。動けるような状況ではない。連れ去られたと見た方がよいだろう。
 イエーガーは相変わらずだ、半笑いでリスカを繰り返すのでいまは鎮静剤で対処するしかない。

…月6日
 ビッラーマン…アッカーマンが見つかった。彼女は男子棟で複数の男子訓練兵と淫らな行為をしていた。
 すでに目が死んでいた。

…月7日
 ハンナとフランツは付き合っているらしい。
 ハンナはよくアルミン・アルレルトと性行為をしていたのを知っていたので意外だ。

ただの糞スレと思ってたのに…


こんなん書かれたら気になってしまうやろがー!!!

…月8日
 イエーガーが行方不明になった。
 捜索の際ワグナーが負傷。

…月9日
 ダズが食事終了後に痙攣をし後に死亡した。ダズが使用していたスプーンからパラチオンが検出された。
 この農薬はフーバーがネズミ対策に使用していたものだろう。可愛い教え子達を疑わねばならぬのは心苦しい。

…月10日
 憲兵団から一週間後にライナー・ブラウンの釈放すると言う報告を受けた。
 彼を慕う者は多い、訓練兵も多少は落ち着きを取り戻すだろう。

…月11日
 兵舎脇の菜園を撤去する事になった。
 この畑はフーバーとアッカーマンが交代で野菜を育て、訓練兵の腹の足しにしていたものだ。
 アッカーマンは相変わらず男子棟に入り浸っている。

…月12日
 スプリンガーが復帰した。レンズは未だに心の傷が癒えず籠もりきりだ。

…月13日
 今日はとても天気が良かった。レンズに外に出るように言ったがレンズは拒否。
 やはり女同士のほうがいいのだろうか。

…月14日
 ブラウスが死んでいた事を知らされた。
 …月2日に病院の食料庫に忍び込み芋を盗み食いをしたのだそうだ。
 発見時には息はなく死亡解剖の結果、喉に芋が詰まり窒息したのだそうだ。
 まったくあれには困ったものだ。そう言えなくなる日がくるとは些か寂しいものがある。

…月15日
 ミリウス・ゼルムスキーが行方不明になった。
 無事に生きて帰還する事を信じるしかできない。
 私は教官として彼らに何ができるだろうか。

…月16日
 最近ローゼ内で通り魔による殺人事件が横行している。
 行方不明になった者はもちろん所内の訓練兵に危害が及ばないかとても心配だ。

…月17日
 ブラウンが復帰した。しかし、訓練兵達の士気はあがる事はなかった。
 訓練兵の仲間が死、あるいは行方不明になっているのだ。無理もないだろう。

…月18日
 行方不明になっていた三名の訓練兵がトロスト区近辺で刺殺された。

…月19日
 ワグナーが腹痛を訴え検査入院することになった。
 ナック・ティアムが付き添いで宿泊する事になった。
 二人にするのは心配だが、私にも職務があるので残ることができなかった。無事を祈るばかりである。

…月20日
 クリスタ・レンズの除名が決定した。
 本来開拓地送りになるのだが、執行猶予をもらいしばらく所内に置くことになった。

…月21日
 スプリンガーが除名を希望してきた。彼は頭の回転は鈍いが優秀な兵士だ。しかし、このところ実戦訓練でミスが目立つのでこれを承諾した。
 スプリンガーの計らいでレンズをラガコ村で引き取ってもらう事になった。

…月22日
 ワグナーは無事に退院した。
 ティアムは宿泊中何者かに頭を殴られ失明した。除名は避けられないだろう。

…月23日
 落石事故が発生した。訓練兵のうち五名が死亡。八名が大怪我を負った。

…月24日
 エレン・イェーガーが発見された。
 彼を取り押さえたのは先月行方不明になっていたジャン・キルシュタインだった。
 しかし、発見された際、キルシュタインはすでに事切れていたそうだ。

…月25日
 イェーガーの面接に行った。
 目の焦点が合わず、呂律が回っていない。口端に泡のような物が付着している。
 明らかに正気ではない。

…月26日
 相変わらず、ハンナとアルレルトは子作りに励んでいる。
 やはりフランツとハンナが付き合っていると言うのはデマなのだろう。

…月27日
 憲兵団から報告がきた。目撃者の証言もあり、通り魔事件の犯人はイェーガーと断定された。
 キルシュタインは凶悪犯逮捕に貢献した名誉憲兵として手厚く葬られた。
 こんな形で夢を叶える事になるとは。

…月28日
 アッカーマンは日に日に妖艶になっていく。
 私も誘われてしまった。何とか拒否することができた。
 私もいつか彼女を抱く日がくるのだろうか、そんなことはあってはならない。

…月29日
 スプリンガーとレンズが帰郷した。
 スプリンガーは兵士を続ける旨を示したが、不安定な状態では事故を免れないだろう。
 故郷にて自分の考えてがまとまり、それでも兵士になりたいというならその時は歓迎しよう。

…月30日
 やってしまった。私は教官失格だ。

…月31日
 ミリウス・ゼルムスキーの所在が昨日判明した。
 同僚に連れてこられた繁華街で彼は働いていた。
 金に困った同僚がゼルムスキーを売り飛ばしたそうだ。
 教官が守るべき教え子を売るなどあってはならない。しかし、教え子に手を出した私も同罪だ。
 私は教官失格だ。

…月1日
 ハンナが妊娠していた。フランツは首を吊った。フられたのがショックだったのだろう情けない。

…月2日
 ブラウンの指摘により、フランツは他殺である事が発覚した。
 もう104期は終わりだ。解散させたほうがいい。
 私は教官失格だ。

…月3日
 エレン・イェーガーの面会に行った。
 やはり目の焦点は合っていない。挙げ句私の事を巨人だと訳の分からない事をいう。
 いったいどこで間違えたのか、私は教官失格だ。

やだなにこれおもしろくなってる

sage続ければ荒らしに目をつけられる可能性が減るんじゃないか
続けておくれ

(*゚▽゚)ノage

…月4日
 サムエルが行方不明になった。
 一瞬でもまたかと流してしまった私自身に正直ゾッとしている。
 私は教官失格だ。

…月5日
 トムの腕が落ちた。
 落とした訓練兵には悪気はなかったのだが、腕を失ったトムの生活は困難を窮めるだろう。
 監督不注意だった私の責任でもある。
 このまま教官を続けてもよいのだろうか。

…月6日
 トムが死んだ。原因は失血死だそうだ。
 私は発見した直後に止血を施したのだが手遅れだったようだ。
 これは私の判断ミスと言っても過言ではない。
 私は教官失格だ。

…月7日
 アッカーマンの様子は日に日に酷くなる一方だ。3時間淫らな行為をしないだけで、男性器を指す隠語を叫びながら暴れまわる。
 おかげで無断欠席をする男子訓練兵も出る始末だ。

…月8日
 アッカーマンをイェーガーの面会に同行させた。
 イェーガーは少し落ち着いたようだが話している間に錯乱しては襲いかかってくる。
 アッカーマンに至ってはイェーガーすら男性器に見えているようだ、これは入院させるしがない。
 何故こうなるまで私はほうっておいたのだろう。

…月9日
 スプリンガーから手紙が来た。
 レンズは順調に回復し、最近は馬の世話の手伝いをするので親御さんからも可愛がられているそうだ。
 幸せそうで何よりだ。次の休校日にユミルとブラウスをよこすとしよう。

…月10日
 ブラウスはすでにいないという事を忘れていた。今でも彼女が亡くなった事は信じ難い。
 スプリンガーとブラウスは本当に周りを楽しませるいい子だった。
 それができないのはやはり寂しい。

…月11日
 憲兵団からの寄贈品が届いた。
 名誉憲兵のジャン・キルシュタインの胸像だ。
 あんな物を建てられても困るのだが。

…月12日
 案の定キルシュタインの胸像に落書きがされていた。
 マルコ・ボットと共に清掃していたが、また落書きされるのは避けられないだろう。

…月13日
 ナック・ティアムが馬車に撥ねられ死亡した。
 彼が目指していた憲兵団の馬車にである。
 104期は呪われてでもいるのだろうか。まだ若いというのに。

…月14日
 ユミルとラガコ村へ行った。
 レンズは笑えるまでに回復していたのが。なにより喜ばしい。
 スプリンガーの妹に飴を貰った。
 温かく賑やかな家族に囲まれていたからこそスプリンガーは素直に育ったのだろう。

…月15日
 男子訓練兵が毎夜抜け出してはアッカーマンの見舞いに行っているとの報告を受けた。
 これは調べてみる必要がある。

…月16日
 抜け出して居たのは訓練兵だけではなかった。
 同僚は例の繁華街でゼルムスキーが働いた賃金を受け取っている。これではゼルムスキーはただ働きだ。
 客として彼に接触し、チップを渡した。

…月17日
 ハンナが死亡した。身重ということで彼女を静養させていたが。腹を何度も刺されていた。
 こんな恐ろしい事をする者が訓練兵にいるとは思いたくはないが。

ミステリーだな

…月18日
 兵士とは何なのだろうか。壁内で争うための技術を教えているわけではないのだ。
 厳しくするだけでは人は育たないのだろう。
 訓練兵への接し方を変えてみるべきだろうか。

…月19日
 訓練兵達から気持ち悪がられてしまった。一体何が悪かったのだろう。
 日に日に訓練兵が減っていく事をごまかそうとしている私はやはり教官失格なのだろう。

…月20日
 ハンナは自殺だった。彼女と仲の良かった訓練兵から遺書を受け取った。
 フランツへの思いが綴られていた。彼女は愛する人の元へ旅立ったと言えば聞こえはいいが。できれば生きたまま幸せな二人が見たかった。

…月21日
 アッカーマンの見舞いにいった。
 少しやつれているが、以前のように男性器を指す隠語を叫び暴れるような事はなかった。
 この調子なら無事社会復帰する事ができるだろう。

…月22日
 ブラウンと共にイェーガーの面会に行った。
 イェーガーはブラウンを見るなり錯乱状態に陥った。
 もうイェーガーの復帰は不可能だろう。

…月23日
 ユミルがウォール教の司祭を名乗る男に連行された。
 自分の意志でついて行ったようだが、今日は帰って来なかった。

…月24日
 また訓練兵が行方不明になった。
 ワグナー、ボット、ブラウンの捜索もむなしく、すべて死体となって発見された。
 兵士に恨みを持った者の犯行だとすれば施設外のアッカーマン、ゼルムスキー、イェーガーにも危害が及ぶかもしれない。

…月24日
 イェーガーが死んだ。彼は牢屋へ続く階段から落ちたらしい。訓練兵であった時もよく頭をぶつけるそそっかしい子だった。
 石頭と揶揄される人物でも当たりどころが悪ければ死に至るのだと改めて思う。
 知人の子という贔屓目を抜きにしてもあの子の努力は評価したい。

…月26日
 ゼルムスキーの店に行った。すでに閉店した後だった。
 向の店のマスターが言うには看板の子に無理をさせ死なせたとして店主は憲兵団に連行され、店員はすべて他の店に引き取られたそうだ。

…月27日
 繁華街を隈無くさがしたがゼルムスキーの姿はどこにもなかった。
 憲兵団から死亡調書を受け取った。ゼルムスキーを売り飛ばした教官は検挙されたが、黙認していた私も同罪だ。
 なぜ直ぐにでも調査を申し出なかったのか、それが悔やまれる。

(略)

…月11日
 アッカーマンの面会に行った。
 次のテストをクリアすれば退院できるのだと嬉しそうに報告してくれた。
 私も彼女の退院を心持ちにしている。1日でも早い復帰を祈ろう。

…月12日
 アッカーマンが死亡した。
 何者かに強姦され首を絞められたらしい。
 痕跡を残していた事から犯人はすぐに捕まった。ブラウンだった。

…月13日
 総統から104期生の解散命令が出た。
 三名しか残っていないのだこのまま費用を無駄にする訳にはいかないのだろう。

…月14日
 ボット、アルレルト、ワグナーの希望もあり彼らの105期生編入が認められた。

…月15日
 104期解散まで後二日だ。悔いのないように私も教官として尽力を尽くそうと思う。

…月16日
 104期解散まで後一日だ。訓練は午前中のみとし、午後からは彼らと墓参りして回った。
 三名には今までの苦楽を共にした仲間と彼らの遺志を忘れないでいて欲しい。

…月17日
 本日を持って104期訓練兵は解散した。
 もう、この日記を書く事はないだろう。

 104期訓練兵が解散した翌年、駐屯兵団が血相を変えて訓練所に飛び込んできた。

「ウォールローゼ内に巨人が出現した。訓練兵は南区内の村を周り民間人の避難をさせない!」

 小さな顔に見覚えのある丸メガネに覆われその表情はわからないが、報告を使った班長を名乗る女は凛とした言い放った。

 訓練兵立ちは取り乱すことも許されず。装備もままならぬ儘駆り立てられた。

 少なすぎる情報からわかったのは巨人は南側から現れたということだけだ。しかし、トロスト区が破られたなら直ぐに信煙が上がるはずなのだ。

「あの」

「何だ?」

 一刻を争うのだ猶予など赦されない。苛立ちを隠すこともせず班長は聞き返す。

「南側には僕の友達が行くんです。僕をその班に入れてください」

「彼は?」

「105期生主席、マルコ・ポッドです」

 彼女の部下が名簿を見て答える。

「直ぐに使えるのか?」

 彼女は眉を潜めて問う。

「おそらく、彼はあの104期訓練兵の生き残りです」

「104期生……いいだろう。来いボット!」

「はい」

 マルコは敬礼すると言われるままに彼女に付いていった。

 それを見ながらトーマスは思った。トロスト区は彼にとっても帰る場所だ。心配にならないわけではない。

「トーマス」

 どうやら手が止まっていたらしい。

「ごめん」

 トーマスは南西を巡ることになっている。新たな同輩に声をかけられ、彼は馬舎を目指した。

 訓練所の馬数は合わない。残りは北側の誘導を任される事になった。

 その村は脚の良いものは早々に避難をし終え、諦めたように座る老人と親を求めて泣き続ける子供ばかりが目立つ。

 小柄な巨人が歩いているのが見えた。おそらく4M級だろう。トーマスは巨人を見るのは初めてだったが、それは他の訓練兵も同じことだ。

「どうするの?」

「知らないよ住人は避難してるんだ俺たちも退避した方がいいんじゃないか?」

 場数をも知らぬ若輩は騒ぐ事しかできない。

 敵前逃亡は罪だ。しかし任務は戦闘ではない。己も逃げようと、手綱を握りしめたその時、眼前に一人の男の姿が飛び込んできた。

 若い、しかし足元は覚束ない。その動きにかつての友が重なった瞬間、トーマスは走っていた。
「ナックーー」

 重く沈むような音が鳴り響く。伸ばした手が空を掴む。

 乾いた音がした。

「んー?」

 宙ぶらりんになった男は特に恐れた様子はなく、巨人の餌になろうとしていた。

 巨人は気味の悪い笑みを浮かべ男を口に運ぶ。

 誰も男を助けようとしない。その時異変に気づいた男は土壇場になって騒ぎ始める。

 もしかしたら、あの男は自分だったかもしれない。そこからトーマスの記憶は途切れた。

 生暖かくねっとりとした感触が熱くなったと思えばは一気に消え、超硬質ブレードの重みだけ残った。

 一方、マルコはラガコ村へ向かって走っていた。

「全員止まれ」

 前方を走る班長が号令をかける。

 眼前にフラフラと動く影があった。人間の形をしたそれは南方へ向かっている。

「止まれ」

 それは気だるそうに振り向いた。

「ユミル!?なんで」

「さぁな」

「なんだ、ボット。お前の知り合いか?」

「はい、ミタビ班長。彼女は僕と同じで104期生だったんです」

 マルコはそう言うが、ユミルは行方不明になったはずだ。最も軽装で南下するのはおかしい。

「ボット、彼女を避難させろ」

「待ってくれ」

 マルコが応答するより早くユミルが遮って言った。

「私も行かせてほしい。なんならラガコ村の手前でも構わない。クリスタに会うまでは私は死なない」

 マルコは思案していった。

「僕達は今ラガコ村に行くところなんだ、コ――」

「私も連れて行ってくれ」

 とことん人の話を聞かない。

「ダメだ。君は兵士じゃないじゃないか」

「私なら戦える」

「武器もなしに」

 ユミルの視線はマルコの立体機動装置に備わっているスペアの刃に向けられている。

「武器はいらない。私そのものが武器だ」

 抜き取られた刃、肉に刃が食い込む。マルコのではない、ユミルは自身の手を傷つけていた。

 刹那の閃光に皆目をとじた。ユミルの姿は消え、マルコが見たのは巨人が巨人を倒す瞬間だった。

「どういう事なんだ」

 ミタビ班長は信じられないというようにつぶやいた。

「どうもこうも…言っただろ、私自身が武器だって」

 ケロッとした顔でユミルが巨人の項から飛び降りた。

「ユミル、君は一体何者なんだ」

「……私を一緒に連れてってくれるなら」

 駐屯兵達は顔を見合わせるばかりだ。

「怖いか?私が」

 マルコは首を振る。少しの間だが、彼女がクリスタを大事に思っているのは知っている。

「わかった乗れユミル」

「おい」

 気でも狂ったのか?そう言わんばかりのミタビにマルコは言う。

「もしもの時は私が責任を以て、彼女を処分します」
 ミタビは溜息をついて言った。

「巨人とわかった以上、彼女をシーナに入れるわけにもいかない。任務終了後お前の待遇が憲兵団に一任する。いいな」

「ああ」

「…」

 ユミルはマルコを小突き「ありがとな…」といった。まるで今生の別れのような。

 ざわざわと耳を駆け巡る音。ユミルは平然と馬に跨る様子に胸騒ぎを覚えた。

「ほらマルコ、行くぞ」

「わかったよ」

 実際手綱を握るのはマルコの仕事だ。

 マルコが馬にまたがるのと出発の号令が上がるのはほぼ同時だった。

 コニーの村にたどりついた頃にはすでに村は壊滅状態で村人は愚か巨人の影も見当たらない。

 班長の叫声が聞こえた次の瞬間には咀嚼音と赤い液体が落ちた。

「いつの間に」

 頭を失った兵は半数は狼狽し、その半分は果敢にも巨人に立ち向かっていった。

 戦意を失った兵士達をかいくぐり、ユミルにコニーたちの家へと案内させた。

「ユミル、コニーとクリスタは?」

 やがてフラフラしながら家から出てきたユミルにマルコは問う。

 ユミルは青い顔でただただ首を振るばかりだった。

 それはコニーたちは死んだと言っているのに等しい。

「きっと無事に避難できたんだよ」

 マルコの言葉にユミルは怪訝に眉を揺らす。少し間を開けて、「そうだな」と応えた。

 何かが沈むような音に振り返ると、巨人が黒く蒸気を上げながら消滅していった。

「やっと掴んだ幸せなのに、神様ってのはひでぇことしやがる」

 マルコはユミルの頼りない肩に腕を伸ばす。刹那、地面が激しく震えた。

 巨人の波が押し寄せる。まるで待ち受けていたかのように、そして村に到達するや否や、一人また一人と兵士達は巨人の餌になっていく。

 人生の終わりとは唐突なものだ。今まで見送った仲間のためにも生き延びると誓った少年に忍び寄る影。

「あぶねぇ」

 間一髪、ユミルの蹴りによろめく小さな巨人。

「ぼーっとしてんな!死にたいのか?」

 ユミルが怒るのも当然だ。怯んだ巨人の背が見えた。今なら項を狙える。マルコは巨人に刃を向け斬りつけた。

 初めて切る肉の感触。初めて嗅ぐ血の臭い。手にまとわりつくどす黒い血液が蒸発する。訓練では感じる事のないこの感覚にマルコは恐怖を覚えた。

 キースの指導により、105期生は任務を遂行する事ができた。

 面々からは安堵の声が漏れるが、未だに帰ってない者もいる。

 報告では巨人に遭遇し命を落としたものさえいる。

 そんな中、調査兵団の帰還は一筋の光明とも言える。

 切なるは、アルミン・アルレルト、トーマス・ワグナー、そしてマルコ・ボットの無事。

 キースは引退した身でありながら、伝達の馬を走らせ続けた。

 汗なのか血なのかわからないほど、柄はべたつく。目の前が霞む。

「水が飲みたいな…」

 辺りは蒸気が立ち上る。トーマスの額からじわりと汗が滲む。

 息も続かないしもうガスもない。袖口で汗を拭い物影から当たりを伺う。

「撤退命令が出たのっていつだっけ…」

 もう見知った顔はなく。終わりの見えない戦いに皆困憊が顔にでている。

 馬を民間人に貸した自分をバカだなと嗤う。

 ガスのない立体機動装置など錘でしかない。いつまで巨人と鬼ごっこしなければならないのか。

 入り組んだ路地を利用しながらトーマスは思索を巡らせる。

 当たりに気を取られトーマスは上方から来るそれに気づかない。

「訓練兵、まだいたのか!」

 駐屯兵団の一人が声をかける。その一瞬はすぐさま巨人の振り払う手によってかき消された。

 轟音と共に小さな体が家壁に沈む。

 巨大な手の主と目があった。トーマスが持っているのは使い物にならない立体機動装置とブレード。

 疲弊しきった神経は思考を鈍らせ、中枢神経の命令が足に到達する頃には、トーマスは巨人の口の中に収まっていた。

 最期に聞いたのは何かが潰れる音。

 その頃マルコも巨人と戦っていた。巨人達の多くはどういうわけか、巨人となったユミルに群がる。

 彼女を守るように立ち、振り払う腕からこぼれ落ちた巨人を刈りとる。

「大丈夫か?」

 額に滲んだ汗が髪にはりついて気持ち悪い。ユミルの視線の先に揺れる金糸。

「…くりすあ」

 その巨人は躊躇する事なくユミルの頭を地面に叩きつけた。

ジャンの胸像ワロタwww
ジャン好きだけどいらねえwww

 嫌な音を立てて潰れた巨人。その項から引きずり出されたユミルは巨人の群の中に放り込まれる。

 まず助からない。

 マルコはアンカーを飛ばすが肝心のトリガーが動かない。このままではワイヤーが捲き取れないまま――。

「ぐあぁっ」

 壁に叩きつけられた。呼吸をする度胸に強烈な痛みが走った。

 肋骨が折れたなと他人事のように思っても、常人のマルコにはそれを堪える術は持たない。

 近づいて来る足音。ああ、いっそ気絶していれば良かったのにな…。

 体にまとわりつく唾液は肥溜めの処理をした時の事を思い出させる。

 懐かしさに浸っている場合ではないと言うのに。

 開けた場所に落ちる。後はここで朽ちるのを待つばかりだ。

 調査兵団も加わり、巨人の掃討作戦は幕を閉じた。

 ラガコ村へと馬を飛ばしたキースはマルコの所在を確認したが、誰も知るよしもなく。肩を竦めた。

 コニーの所在も気になりその家を訪ねたが、半壊したその家は主の不在を告げているようだ。

 溜息をつく暇もない。避難民の中にラガコ村の住人が一人もいないのは不自然だ。

「ん?」

 何気なく拾った四角い額、その中には白い服を身に纏い幸せそうに微笑むコニーとクリスタの姿があった。

 血腥い村には不相応な光にキースは何も言えず立ち尽くした。

…月13日
 この日記を書くのは久しぶりだ。
 先の片付けも終わり、残った104期訓練兵はとうとうブラウンただ一人になってしまった。
 とは言っても、刑期は終わっていないが。ブラウンにも報告しておこうと思う。

…月15日
 ブラウンの面会に行った。生き残りが自分一人になったと知ったブラウンは最初こそ涙を見せていた。
 しかし、ハンジ分隊長の仮説である巨人の正体について話した途端表情が険しくなった気がした。
 やはり、殺す対象が人間だと聞かされるのは気持ちのよいものではないのだろう。

…月20日
 ストヘス区の拘置所内に鎧の巨人が発生したらしい。
 鎧の巨人は甚大な被害をだしつつ逃走したが門前にて討伐された。
 混乱に乗じて脱獄した囚人は無事捕縛されたが、ブラウンだけは見つかっていないそうだ。

…月22日
 鎧の巨人が現れた場所は、ブラウンが拘置されていた部屋だそうだ。
 調査の結果、彼の身元証明は出鱈目で、フーバー、レオンハートも同様だった。
 もっと私がしっかりしていればよかったのだが。
 やはり私は教官失格だ。


終わり。

…月22日
 鎧の巨人が現れた場所は、ブラウンが拘置されていた部屋だそうだ。
 調査の結果、彼の身元証明は出鱈目で、フーバー、レオンハートも同様だった。
 もっと私がしっかりしていれば104期訓練兵は全滅せずに済んだのかもしれない。
 やはり私は教官失格だ。



終わり。

 立て逃げとは言え乗っ取ってごめん。

 理由はおもしろそうだからやった。

 こんなゴミでよければまとめるなり。晒すなり焼くなり燃やすなり燃焼させるなり爆発させるなり焚くなり炙るなり燻すなり好きにして。

油油油油油油油油油油油油油油油油油油油油油油油油油油柚油油油油油油油油油

お疲れさん

乙、良い乗っ取りだった
だがアルミンの死亡描写が無いような…

 アルミンは避難中にハンナにの女の子と恋に落ち、サムエルは開拓地で幸せに暮らしてる。

 憲兵がいるから脱走してもバレるだろう。しかしイジメ過ぎて死亡事故が多発。人手が足りず困った憲兵が104期から攫って来たのがサムエルだ。

 憲兵はサムエルの死亡調書を偽造したが。サムエルの勤勉さに憲兵も領民も交換を抱き、サムエルの提案した開拓方法で業績もあがった。

 サムエルの周りには笑顔があふれている。

 一方アルミンは、104期、105期では実技は低くアルミンが行った先で落ちてた脚がアルミンのものだったため、皆アルミンは死んだものだと思っていた。

 しかし彼は生きていた。千切れるような痛みに耐えられるだけの精神力を持ち合わせていたアルミンはすぐに止血を施し、住人の避難に徹した。

 そんな折り、出会ったのが赤毛と雀斑の女。偶然にも名前はハンナだった。

 任務そっちのけで既成事実を作り、自ら義足を作り歩けるようになった
 義足を見た彼女の父親はすぐにアルミンを気に入り。今は機械技師だと言うその男の下で修行を積んでいる。

 しかし、壁の外への夢をアルミンは諦めてなどいない。技術が進歩すれば一般人が壁外へでる事も夢ではないからだ。

 こんな脚では兵士になる前に門前払いを受けてしまう。世間はアルミンを殺したが、偶然が彼を活かしたと言っても過言ではない。

終わり

乙。
もう一回読み返したくなった

最初から読んでみても誤字脱字の多さと稚拙な表現が目立つな…

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