ゆみ「鶴賀学園麻雀部」智美「創設秘話」(147)
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支援やで
し
かわいい
代行ありがとうございます
地の文多めで読みにくいと思うけどお付き合い下さい
―――鶴賀学園 春
第一印象は正直あまり良いものではなかった。
?「ワハハーいちばんのりー」ガララ
?「じゃなかったかー」
ゆみ「……」プイ
?「ワハ……」
蒲原「ワハハ、麻雀部をつくるぞ~」 衣「衣も手伝う!」
この春長野でも有数の進学校鶴賀学園に無事入学することが出来た。
将来の進路は勿論大学進学希望、勉強に邁進するであろう3年間の最初の出会いは少々意外な相手であった。
?「ワハハー先客がいたかー。一番乗りは取られちゃったなー」
ゆみ「私は一時間前行動を心がけているのでな。新入生一号は私が頂いておいた」
?「残念だなー。まぁいいや、私は蒲原智美!よろしくなー」
ゆみ「加治木ゆみだ。よろしく」
智美「仲良くできると良いなー!」ワハハ
初対面の相手にこの馴れ馴れしい態度、
何も考えていなさそうな笑顔、
能天気そうな話しぶり、
ファーストインスピレーションでこの蒲原智美という女は自分とは全く違うタイプの人間だと確信できた。
……あまり接点のないまま別々の道を行くのだろうなという予感を覚えた。
この予感が後に大きく裏切られることになるとは、人生とはわからないものである。
それからの日常は特に大きな変化もなく淡々と進んだ。
蒲原とは滅多に挨拶を交わすこともなく、別段深く交流する事はなかった。
蒲原自身は持ち前の明るさと社交性で多くの同級生と交流を深めていた。
とりわけ特定の親しい友人がいるわけではないようだがその交友関係は広く、
クラスメイトのみならず、他のクラスの者や果ては上級生たちとも親しげに談笑している姿をしばしば目撃した。
ちなみに彼女は部活には入っていないようだ。
一方私と言えばひたすら勉強に日々の時間を費やしていた。
勿論私も部活には入っていない。
おかげで成績は常に学年トップクラスを維持できていたが、特に友人らしき者を持つことはなかった。
別にそれが苦痛だとか寂しいとかは考えた事はなく、
鶴賀学園に入学した時からこのような高校生活を送るだろうという事は予測の範囲内だった。
ただ成績はクラスでも下から数えた方が早いにも関わらず、
毎日を楽しそうに過ごしているあいつのことはちょっとだけ羨ましいな、とは思ったことはある。
支援でー
④
可もなく不可もなく、ただ淡々と過ごす高校生活であったがただ一つだけ悩みの種があった。
それは……
「私加治木さんにずっと憧れてました……っ!私と付き合って下さい!」
ゆみ「……すまない、私は今特定の誰かと付き合う気はないんだ。諦めてくれ……」
これである。
中学時代から度々この手の告白は受けていたが高校に入学してから明らかにペースが上がっている……。
実に週一のペースで告白されている。
正直嬉しくないと言えば嘘になる。
だが本当に今の私にはそういう気がなく誰かと付き合う自分の姿が想像出来ないでいた。
かと言ってこのように頻繁に目の前で女の子に泣かれるというのは……結構辛いものがある。
ん?
加治木って男?
ゆみ「蒲原さん。隠れてないで出てきたらどうだ?」
智美「ワハハーバレてたかー。いつからここにいると気付いたんだ?」
ゆみ「あの子と話を始めた直後くらいだ。全く立ち聞きとは趣味が悪い」
智美「いやー別に盗み聞くつもりはなかったんだけどなー……たまたまここで昼寝してたら出ていくタイミングを逃してなー」
告白を受けたこの場所は部室棟の校舎裏である。
どうやら蒲原はすぐ近くにある用具倉庫の脇で昼寝をしていたようである。
話している最中に倉庫の脇から特徴的な髪型がチラチラ見えていたのですぐ気付いた。
智美「ワハハー加治木さんはモテるんだなー。私の友達にも加治木さんのことカッコいいって言ってる子多いぞー」
ゆみ「正直何故私がこんなに好かれているのか理解できないんだがな……こんな根暗女のどこがいいのやら」
智美「んー出で立ちというか醸し出す凛とした雰囲気がモテるんじゃないかな?ルックスもイケメンだ!」
ゆみ「イケメン……と言われても複雑だな……。男らしいと言われるのはちょっとコンプレックスなんだ」
智美「そうなのかー。カッコいいのは羨ましいと思うけどなー」
ゆみ「一応これでも女だからな。それにどうせ断るんだ、モテても困る」
期待④
智美「加治木さんは恋人作る気はないのか?もうすぐ夏休みだし恋人がいた方が楽しいと思うぞ」
ゆみ「私は自分のことで精一杯だよ。それに夏休みは図書館に通い詰める予定だ。遊んでいる暇はない」
智美「うーん勉強かー。加治木さんは頭良いからなぁ」
自分のことを特別頭が良いと思ったことはない。
ただそれを補うようにして努力しているし成績もそれについてきていると思う。
それが私の誇りだ。
智美「だけど勉強だけじゃつまらないぞー。せっかくの学生生活なんだ、勉強以外のこともしないと損だぞー」
ゆみ「そうは言っても遊び方を知らないんだ。あいにく一緒に遊ぶような友達もいないしな」
智美「それじゃあ私と遊ぶのはどうだ?自慢じゃないが私は遊ぶことに関してはプロだぞ」ワハハ
ゆみ「いや遠慮しておくよ。それに私は勉強が好きなんだ」
半分本当で半分嘘だ。つまらないとは思わないが楽しいとも思わない
智美「それは残念だなー……」ワハハ
蒲原の笑顔が少しだけ曇る。
良心が痛む。
④
ゆみ「そ、そういう蒲原さんはどうなんだ?恋人とかはいないのか?」
智美「ワハハー、私に恋人がいると思うかー?」
ゆみ「友達多いようだしいても不思議じゃないな」
智美「残念ながらそう言った相手はいないなー……」ワハハ
智美「強いて言うなら今年も佳織を連れ回して夏休み中遊ぶつもりだなー」
ゆみ「佳織?クラスメイトじゃないな。鶴賀の子か?」
智美「いや私の一つ下の幼馴染だ。しっかり者の良い子なんだぞ!」ワハハ
ゆみ「……一つ下ってことは中三じゃないか……。受験勉強は大丈夫なのか?」
智美「佳織はここの中等部なんだ。だから受験は心配しなくていいんだ!」
ゆみ(内部組か。幼馴染という事はこいつもそうだったのだろう。あまり成績は良くないはずだったが道理でな)
智美「ワハハー高校と中学に分かれて最近あまり遊べなかったからなー。夏休みは遊び倒すんだー」ワッハッハ
ゆみ(しかしなんて適当な奴だ……)
それからしばらくして夏休みに突入した。
私は当初の予定通り勉強漬けの日々。
予備校の夏期講習にも通ったしなんだかんだでそれなりに忙しい日々ではあった。
その間夏休み中にも関わらず私に告白してくる奇特な女子も二名ほどいたが特に問題もなかった。
その内の一人は一度も会話したことすらない他校の生徒だったことには流石に驚いたが。
今年こそカナヅチを克服しようと市民プールに行ったりもしたが、
あまりの混雑ぶりに到底泳ぎの練習をするどころではなく少々肌を焼いただけで終わったりもした。
はっきり言って蒲原の言った通りつまらない夏休みになってしまったわけだが。
そして特別な思い出もないまま夏休みは終わり―――
委員長「それでは10月に開催される鶴賀祭の出し物を決定したいと思います」
高校生活定番のイベントの文化祭(わが校では鶴賀祭という)の時期が近付いてきた。
全員参加を標榜しているが文化系の部活に入っていない生徒にとっては殆どお遊びのようなイベントだ。
三年生にとっては受験勉強の息抜きに、一・二年生にとってはクラスの結束を強めるための催しのようなものだ。
この手のイベントの成否は往々にして各クラスの士気によって決まるものだが、
生憎私たちのクラスのそれは非常に低かったと言えるだろう。
まず私たちのクラスは文科系の部活に加盟している生徒が多く、
慢性的な人員不足が懸念されていた。
更に女子高特有のものかも知れないが、仲良しグループがクラス内で乱立しており、
クラス全体での一体感を欠く実にフワフワとした集団と化していた。
し
し
支援
これではクラス一丸となっての出し物など望むべくもなく、
「何か適当なものでっち上げて気楽にやり過ごそう」というムードがクラス全体を支配していた。
そのため出てくる案も漫画喫茶だの射的だのパネル展示だの何の面白味もないプランが黒板に並んでいた。
準備にさほど時間がかからず当日も少ない人員で回せるようなものばかりだ。
実につまらない。
……まぁ実のところ私自身殆どやる気はなく、
寧ろ勉強時間を削られる無駄な催しだとすら思っていたためこの空気に同調していた。
そんな空気が一変したのは次の瞬間だった。
モブA「はーい。私加治木さんが主役の劇が良いと思いまーす!」
ゆみ「なっ!?」
モブB「キャー!それ良いかもー!」
モブC「どうせなら王子様役とか良いんじゃない!?白雪姫とかー」
モブD「ロミオとジュリエットなんかも良いかも!加治木さん似合いそー!」
ゆみ「ま、待て!私にそんなのは……」
(ワイワイ ガヤガヤ)
くっ!なんてことだ……っ!
いつの間にか私が(男役で)主役の劇をやる流れになってしまっている……っ!
今までやる気のなかったクラスが急に色めき立ってるじゃないか!
確かに私は男っぽいとよく言われる。
容姿にしてもそうだし、言葉遣いや振る舞いなんかもそうだと思う。
自分でもそういう言動が楽だと思うし、この16年弱をそうやって生きてきた。
――でも実は自分のそういうところはあまり好きではない。
なんだかんだと自分はやはり女だという自負はあるし、
先日蒲原に吐露したようにこの男っぽさがちょっとしたコンプレックスですらあるのだ。
それを演劇の役どころとは言え前面に押し出していくのは……やはり嫌だ。
第一私は目立つことが苦手なのだ。
今までもなるべく目立たないように生きてきたつもりだ。
褒められもしないが謗られることもない、そういう生き方を貫いてきた。
劇の主役などはっきり言ってご免蒙りたい。
私は脇役で十分だ。
しえん
ゆみちん宝塚系だもんなー
そんな私の思いとは裏腹にクラスの熱気は高まっていく――――
今はもう私にどんな衣装を着せるかの議論で持ちきりになっている。
嗚呼……逃げ出したい……
こんなことなら面倒くさがらず多少マシな案を先んじて挙げておけば良かったと今更後悔する。
そして――――
委員長「えーそれでは賛成多数のようなので私たちのクラスの出し物は演劇に――」
ゆみ(万事休すか……)
智美「あのーちょっといいかー?」
しえ
珍しく今までずっと沈黙を守ってきた蒲原が突然挙手した。
十中八九演劇に決まりそうなこのタイミングで何を考えているのか。
委員長「はい蒲原さん、何でしょう?」
智美「ワハハー私はお化け屋敷をやりたいと思うぞー」
(ザワザワ ザワザワ)
蒲原の唐突な、悪く言えば空気読めない提案にクラス中がざわついた。
委員長「あのー……理由を聞かせて下さい」
智美「うちのクラスって人数多いだろー?約40人がこのクラスにはいるんだ」
智美「演劇だと出演人数は数名、多くて十数人しか舞台に立てない」
智美「半分の人間は劇に出られないんだ」
ワハハも男前な所があるよな
つ衣
リーダーシップとって誰かが暗くならないようにしっかり手を回す
男前っつかイケメン力だな
ころたんが惚れる位やからな
智美「それにこのクラスの人は文科系の部活の人も多いだろー?」
智美「その人たちはそれぞれのクラブの出し物の練習や準備にも追われてあまりクラスの方に出られないと思うんだ」
智美「その点お化け屋敷は良いぞー?お化け役は大量に必要だし一日中やってるからローテーションも組める」
智美「お化け役なら練習も対して必要ないしなー。部活組も当日にしっかり仕事出来ると思うんだ」
智美「準備はちょっと大変かも知れないけどそれは劇でも同じだしなー」ワハハ
委員長「確かにそうかも知れませんね……」
智美「ワハハー。私はクラス全員が出し物に参加して楽しんで貰いたいと思うんだー」
智美「誰かがあまり参加できなかったり、逆に誰かに負担がかかったりして欲しくないんだ」
蒲原の口調は穏やかだったが不思議な説得力を帯びていた。
先ほどまでざわついていた教室もいつの間にか蒲原の言葉のみが支配するようになっていた。
普段何も考えていないように見えた蒲原がここまで饒舌に物事を語りかけるという光景に戸惑ったが、
不思議とそこに違和感はなく、自然体で受け入れることが出来た。
それにこれはもしかして私のことを――――
やはりワハハは部長の器あるな
智美「お化け屋敷は一見単純に思えるけど工夫次第でいくらでもクオリティ上げられると思うんだー」
智美「クラスの皆が知恵を持ち寄って少しずつ怖さを追求していく……」
智美「これってとっても楽しいことだと思うんだけどどうかなー?」
モブA「で、でも私たちは加治木さんが王子様の劇を……」
智美「加治木さんの男装が見たいなら加治木さんには男のお化け役やってもらうのはどうかな?ヴァンパイアとかな」ワハハ
モブB「!?それもアリですね」
どっちにしても私の男装は止められないのか……。
まぁ王子様なんてこっ恥ずかしいのよりは100倍マシか……。
そんなこんなで蒲原のプレゼンは終わり出し物の投票が行われた。
結果を言えば我がクラスの出し物は得票の7割を占めたお化け屋敷に決定した。
地味にタコス屋なる珍しい出店にも結構票が入っていた事に驚いた。
最近長野にもタコス屋が増えてきているらしい。私は行ったことないが。
まぁこれで最悪の展開だけは避けられたわけだ。
今読み出したが>>8のところはファーストインプレッションじゃないかと
支援
タコスの仕業か
委員長「それでは私たちのクラスの出し物はお化け屋敷に決定しました。蒲原さんリーダーお願いしますね」
智美「ええっ!?わ、私がリーダーをやるのか!?」
モブC「当たり前でしょー?蒲原さんが発案者なんだからね」フフフ
智美「ワハハ……責任重大だなー」
・
・
・
・
ゆみ「蒲原さん、さっきはありがとう。助かったよ」
智美「ワハハー?何の話だー?」
ゆみ「先程の会議で私が演劇を嫌がってるのを察してお化け屋敷を提案してくれたのだろう?」
智美「ワハハー何のことかわからないなー」
智美「私はただ本当にお化け屋敷がやりたかっただけだぞー」
智美「私はお化け屋敷が大好きだからなー!」ワッハッハ
あらやだ、イケメン
照れ隠しなのか本心なのかはわからなかった。
ただこの時私はこの蒲原智美という女に無性に興味が湧いてきたのだった。
私が他人に興味を持つとは自分でも意外だ。
智美「ワハハ……それにしても困ったなー……リーダーなんて柄じゃあないのになー……」
智美「面倒くさい仕事が一杯で大変だなぁ……」
ゆみ「……蒲原さん、もし良かったら私にその仕事を手伝わせて貰えないだろうか?」
智美「ワハ?それは勿論ありがたい話だけどなんで急に?」
ゆみ「それはさっきの礼に……いや私もお化け屋敷に興味が湧いてきてね。こう見えて雑務は得意なんだ」
智美「ワッハッハ!それは願ってもない話だ!」
ゆみ「ああ任せてくれリーダー」
支援支援
智美「ああそう言えば気になってたことがあったんだ」
ゆみ「?」
智美「これから一緒に仕事するのに『加治木さん』じゃ他人行儀だろ?下の名前で呼んで良いかな?」
ゆみ「ああ構わないよ。私もこれからは呼び捨てにさせて貰うよ」
智美「ワハハーじゃあよろしくなーゆみちん!」
ゆみ「ゆ、ゆみち……お前いきなり……///」
智美「あっ自然にそう呼んじゃったけどこの呼び方は気に入らなかったかー?」ワハハ
ゆみ「ま、まぁ良い……よろしくな蒲原」
やっぱりこいつは馴れ馴れしい奴だった。
支援
智美「えーそれでは第一回クラスお化け屋敷会議を始めるぞー。リーダーの蒲原智美だ」ワハハ
ゆみ「同じく副リーダーの加治木ゆみだ」
――パチパチパチパチ
ゆみ「まず最初の議題は我々の作るお化け屋敷のコンセプトについてだ。各自どのようなお化け屋敷にしたいか意見を出してくれ」
モブA「やっぱりガチで怖い本格派のお化け屋敷が良いね!見学に来た中等部の子を泣かせようぜ!」
モブB「本格派となるとやっぱり和風?大道具も調達しやすそうだしね」
モブC「いや鶴賀祭の時期はハロウィンに近いし洋風なのもいいかもよ」
モブD「洋風にすると下手に本格派なのよりはコミカルで楽しませる作りの方が良いんじゃないかな?○ーンテッド○ンションみたいに」
モブE「それだったら一見平凡な喫茶店みたいな内装なのに急に襲われるドッキリ系のお化け屋敷なんかも良いんじゃない?」
モブF「動物の本能に訴えかける恐怖は侮れない……猛犬の凶暴さ、黒猫の不気味さなんかも取り入れたい……」
モブG「え~動物可愛いのに~。家犬飼ってるから連れてくるよ!」
ゆみ(……ダメだてんでバラバラでまとまらん。最後の方は脱線しまくってるし……)
よくあるよくある
智美「ふぅ~むなるほどなるほど、なるほど~。いっそ全部ひとまとめにして、可愛い動物たちの恐ろしいおばけみたいな喫茶店……」
智美「つまり説明すると喫茶店の中に犬や猫が沢山いて……」
智美「みんな死んでる……」
ゆみ(何言ってんだこいつ……)
智美「ワハハー冗談はそれくらいにして、ゆみちんはどんなのが良いと思うー?」
ゆみ「わ、私か!?そうだな……まずコミカル路線というのは却下したい」
ゆみ「ああいうものはその道のプロが金をかけて本気で演出するから楽しいものだ」
ゆみ「学生が上辺だけ真似ても客を満足させることはできない。純粋に怖がらせに行った方が断然楽だ」
クラスメイト「……………」
ゆみ「それに和風か洋風かなんて話もあったが、時間的にも予算的に考えても教室の雰囲気を一変させるような大道具は作っていられない」
ゆみ「せいぜい書き割りとBGMで演出するくらいだろう」
ゆみ「あと動物の使用についてだがそんなものは勿論―― 智美「ゆみちん」
ゆみ「……何だ」
智美「始める前からあれこれ禁止じゃつまらないぞー?」
智美「せっかく皆が色んな案を出してくれたんだ、なるべく取り入れたいじゃあないか」
イイゾー カンバラサンノイウトオリダー ジユウニヤラセロー
ゆみ「しかし予算はどうするんだ。それに学校への申請も。大変なことばかりだぞ?」
智美「ワハハーそこは我らが副リーダーがなんとかしてくれるってことで」
ゆみ「こいつ……」ハァ
智美「頼りにしてるからなーゆみちん」
ゆみ「全くしょうがない奴だな……」フフフ
蒲原は適当な奴だったけど周囲のことがよく見えている奴だった。
そして周りの人間をどう動かせば物事が上手くいくか、そんなことをちゃんと理解出来ているようであった。
私は専ら振り回される側だったけど、あいつに付いて行くのは楽しかった。
ちっと書くペースが遅くないか
―――休日、ホームセンター
智美「ワハハーありがとうなー買い出しにまで付き合ってもらって」ガラガラ
ゆみ「なにリーダー様一人に任せていては副官失格だからな。それにこの大量の資材を一人で運ぶのは無茶だろう」ガラガラ
智美「ワハハー買い物は好きなんだけどなー何往復もするのは辛かったから助かったよ」
ゆみ「重さそのものよりこの状態でバスに乗るのはな」
智美「ワハハー私は18歳になったらすぐ免許を取るつもりだ!」
ゆみ「ふふ、なんとなくお前の車に乗るのは怖いな……」
・
・
・
・
智美「そうだ!この後二人で遊園地に行かないかー?」
ゆみ「えっいきなり何故……」
智美「まだお化け屋敷のプランが全然決まってないからなー。見学がてらどうかなと思って」
智美「それにゆみちんには私の苦手な予算管理や書類整理、資材整理なんかの面倒な仕事をやって貰ってるしなー」
智美「だから日頃のお礼も兼ねて今日はおごるよー」ワッハッハ
ゆみ「…………いや……遠慮させてもらおう」
智美「えっどうしてだー?まだ昼過ぎだし時間も気にしなくて良いんだぞ?」
ゆみ「……」
智美「もしかしてゆみちん……」
支援でー
智美「お化け屋敷が怖いのかー?」
ゆみ「えっいやっ……その……」
智美「……」ジーッ
ゆみ「……その通りだ。ああいうのは苦手で……」
そう私はホラーなものが大嫌いだ。
肝試しやホラー映画は言うに及ばず、ホラー漫画や怪談の類ですら無理!
そういうものに触れると夜眠れなくなるしトイレにも行けなくなってしまう……。
見た目や言動でよく勘違いされるのだが私は基本ヘタレなのだ。
し
すまんそんなに遅くなかったわ
ゆみちん1番好きやで支援
④
ペース的にはこれくらいで十分でないの?知らんけど
支援
智美「ワハハー意外だなー好きそうなのに」
ゆみ「ホラーだけは本当にダメなんだ」
智美「でもこの前お化け屋敷に興味あるとか言ってなかったかー?」
ゆみ「あれは普段怖いお化け屋敷を逆に作る側から考えてみたいと思ったからだ。恐怖を克服することにも繋がるかも知れないし……」
ゆみ「それにだな、私は自慢じゃないが相当の怖がりだ」
ゆみ「だからこそお化け屋敷のどういうところが怖いか、どのようなギミックで恐怖を喚起させるかは熟知しているつもりだ」
智美「ワハハーなるほどなー。じゃあ私はゆみちんの怖がりを有効活用させて貰おうかなー」ガシッ
ゆみ「えっなんで腕を掴んで……嫌だ、私は行きたくないと言ったじゃないか!」ズルズル
智美「ワハハーゆみちんの絶叫ポイントはちゃんとメモしておくから遠慮せず叫んで良いぞー」ズルズル
ゆみ「いやだあああああああああああああああああああああ」
――――こうして日が暮れるまで延々と遊園地のお化け屋敷をループさせられたのである。
その日の夜は……ちょっとだけ漏らした……
鶴賀の話だから早く読みたいって気持ちが強すぎたわ
ペースは大丈夫だと思います
ゆみちんは漏らしません
>>62
ははっやだなー漏らしたのは泣き言に決まってるじゃないですかー
・
・
・
・
ゆみ「えーそれではお化け屋敷のレイアウト会議を始める」
ゆみ「最初に私の個人的な理論だが、お化け屋敷には怖さを構成する3つの重要な要素があると思う」
ゆみ「まず一つ目が『暗さ』」
ゆみ「次に『どこから何が出てくるかわからないという恐怖』」
ゆみ「そして『どこまで続くかわからないという恐怖』、つまり漠然と不安を煽るこの三つの要素が重要だと私は考えている」
ゆみ「勿論音響効果やセットの迫真具合なども構成要素には違いないが、学生の我々にそれを追求するのは技術的に難しい」
ゆみ「その点先に述べた3つの要素は簡単に条件を満たすことが出来る」
ゆみ「一つ目は窓を段ボールと黒テープで目張りすれば昼間でも真っ暗にすることは出来るし、
ゆみ「二つ目も通路の各所に死角を設けて仕掛けを配置すれば問題ない」
ゆみ「ただ三つ目の要素は所詮教室が舞台だからな……出口までの長さを演出するには少々手狭かも知れないな」
泳ぎも駄目で幽霊も駄目で空気の読めないゆみちん可愛い
智美「ワハハー、それなら通路を迷路にして迷わせるのはどうだー?」
ゆみ「ふむ悪くない。迷えばその分脱出までの体感時間は長くなるし不安も煽ることが出来るしな……」
モブA「じゃあミッションを設定してそれを解かせながら進ませるのはどう?」
ゆみ「それも悪くはないがあまり迷路色が強くなりすぎても雰囲気を損なう。あくまでお化け屋敷がメインにしたい」
ゆみ「迷い倒した客達で通路がすし詰めになるのも困るしな」
・
・
・
モブB「流石加治木さんねー。先の先のことまでしっかり考えてるわ」ヒソヒソ
モブC「あんなに詳しいなんてよっぽどお化け屋敷が好きなのね」ヒソヒソ
ゆみ(別に好きで詳しくなったわけではないのに……)
なんかいいね
しえん
智美「ワハハー大分意見もまとまってきた事だし具体的にレイアウト詰めて行こうかー」
モブA「レイアウトは加治木さんに一任しても良いんじゃない?誰よりもわかっているみたいだし」
智美「でもゆみちんは他にも仕事あるからなー負担が大きいぞ?」
智美「なるべく皆で分担した方が良いと思うんだけどなー」
ゆみ「私が現場責任者か……」
正直自信はある。
この会議のために何度も脳内シュミレートしてきたし大筋はある程度もう決まっている。
そうでなくともいまいちまとまりがないこのクラスの手綱は誰かが引かなければいけないだろう。
副リーダーの私がやってもおかしくないはずだ。
それに……多少の功名心もある。
今しがた褒められて少々舞い上がっている自分を感じた。
確かに負担は増えるだろうが何とかなるだろう。
ゆみ「……いや大丈夫だ。その役目任された。みんないいものを作ろう!」
クラスメイト「「「おおー!!」」」パチパチパチパチ
智美「……」
それから程なくして設計図が完成し本格的に鶴賀祭への準備が始まった。
この時の私はレイアウトの責任者に加え、事務処理も引き受けていたため非常に多忙であった。
現場の指導のため毎日朝一番に登校し準備を行い、
放課後は各種書類を作成するため一番最後まで学校に残っていた。
無理を通すため強権を振るったりもした。
その為私に反発する者も出てきていた。
だが毎日が目まぐるしく回りあまり周囲の事について気を回せていなかった。
とにかく疲労困憊だったのだ。
実は最初はやる気の低い者、部活の方の準備で忙しい者も多くあまり順調とは言えなかったのだが、
蒲原が巧みにクラスメイトを懐柔してクラスのモチベーションを保ってくれていたのだった。
私のワンマンに不満を覚える者を宥めたりもしていたらしい。(これは後に他のクラスメイトから聞いたのだが)
また私の立てたプランには資材が大量に必要で、学校から割り当てられた予算を大幅に超過してしまったのだが、
足りない予算をカンパを募って調達してくれたのも蒲原だった。
……補佐する役目を担うつもりがいつの間にか逆に私の方が助けられていた。
だがこの時の私は自分の事に精一杯でそれに感謝する余裕すら失くしていたのだった。
―――ある日の放課後
ゆみ(暗幕の申請書類を提出していたら遅くなってしまった)
ゆみ(気軽な気持ちでこの仕事を引き受けたがここまで忙しくなるとは思ってもいなかった)
ゆみ(作業に参加してくれる者は増えてきているがまだまだ作業は遅れている。このままでは間に合わない……)
ゆみ(一度引き受けた以上間に合わせられなければ面目丸潰れだ……何としてでも作業を押し進めなければ……)
ゆみ(ん?教室に明かりが……まだ誰か残っているのか)
智美「ワハハー」ギコギコ ←木材を鋸引いている
ゆみ(蒲原……こんな遅くまで一人で)
ワハハは聖人
智美「ん?おおーゆみちん遅くまでお疲れ様!」ギコギコギコギコ
ゆみ「それはこっちの台詞だ。お前一人で残っていたのか?それにしてもお前ノコギリ上手いな……」
智美「ワハハー婆ちゃんに仕込まれたからなー。まぁこれでも一応リーダーだしなー」カランッ
ゆみ「そんな事は気にしなくても良い。さぁそろそろ帰るぞ」
智美「間に合わないんだろ?このままじゃ」
ゆみ「!」
智美「最近のゆみちん焦ってる。見ててとても苦しそうだ」
ゆみ「……」
智美「間に合わせようとして無理してるのがわかるよ。心配してる子も沢山いるぞ」
ゆみ(確かに無理はしているかも知れない。それに積極的に参加してくれる子達にも負担を強いている部分はある……)
ゆみ(しかし無理をしないと間に合わないんだ。このまま失敗して恥をかくのは――)
智美「間に合わなくても良いんじゃないかな?」
ゆみ「えっ……?」
これは良い鶴賀組SS
ワハハマジ天使
ワハハトップかじゅ参謀の組織はチーム運営すごくよくまわるだろうな
この二人の組み合わせ好きだけど全然見たこと無いんだよなぁ
智美「鶴賀祭は私たち学生のためにあるんだ。誰かと勝ち負けを競うものじゃない」
智美「私たちにとっての成功ってのはこの鶴賀祭を通じて楽しむこと、思い出を作ることじゃないかなって思うんだ」
智美「だから間に合わなくって、失敗してもその時悔しかったっていう思い出が作れれば、」
智美「作業を通じて楽しい思いを共有できればそれは『成功』って言えるんじゃないかな?」ワハハ
智美「ある意味失敗も成功の内なんだよゆみちん」
ゆみ「……」
智美「だからさ、そんな肩肘張って頑張らなくても良いと思うぞー?ゆみちん自身が楽しんでやらなきゃ」ワハハ
ゆみ「……だがそれではただの自己満足だ。完成を目指さなくてはやる意味がない」
智美「ワハハー何も放り投げろなんて言ってるんじゃないさ、完成させるために頑張るのは当然だ」
智美「だから『無理して無理する』んじゃなくて『楽しんで無理』すれば良いと思うぞー」ワッハッハ
ゆみ「ふふっ……何だそれ」
智美「あーっ!鼻で笑ったなー?」ワハハ
ゆみ(確かにそうだ……ここ最近私は如何に間に合わせるかどうかに囚われていて全然楽しんでなかった)
ゆみ(私を突き動かしていたのは義務感と責任感だけ。自分の意思で引き受けたのにどこにも自分がいなくなってしまっていた)
ゆみ(思えば私は失敗するのを忌避しすぎていたのかも知れない)
ゆみ(勉強に没頭するのも試験や受験、ひいては人生に失敗したくないという気持ちの顕れのような気がするし、)
ゆみ(人前で目立ちたくないというのも失敗した時の恥を想定してしまうからだろう)
ゆみ(だから今『失敗しても良い』と言われて心から救われた気分になっている)
ゆみ「なぁ蒲原……お前がリーダーで良かったよ」
智美「ワハハー突然どうしたんだー?」
ゆみ「ふふふ……さぁ私も鋸引き手伝うよ」
智美「ワッハッハ、じゃあ勝負といこうじゃないかゆみちん。先に5本切った方が勝ちなー」
――――私も鶴賀祭を楽しもう。この時そう決めた
しえん
それからの日々はあっという間に過ぎ去っていった。
当初予定していた手間のかかりそうな仕掛けはばっさりカットし、
その代わりに蒲原がその場のノリで思いついた適当な仕掛けに置き換えた。
完成度自体は下がるが得体の知れない不気味さは演出できたかなと思う。
またクラスメイトが思いついたプランも積極的に採用していき、
元々あった仕掛けに上手く溶け合うようにアレンジを加えていった。(こういう作業は蒲原が最も得意とするものだった)
アドリブとアレンジが横行し、はっきり言って作業量自体は元々のプランより寧ろ増えたくらいであったがこれらの作業は楽しかった。
毎日笑いが渦巻き、辛いはずの修羅場もテンションで乗り切れた。
バラバラだったクラスが鶴賀祭が近付くにつれまとまっていくのを肌で感じることが出来た。
し
こんな幸せそうなワハハを見るの久しぶりだ
毎日が大変で疲れる、それは以前と変わらないはずなのに―――
今覚えているこの充足感はなんだろうか。
蒲原に「楽しめ」と言われてから自分を変えた。
積極的に他人と関わるようになったし、
ただ効率を求めるのではなく敢えて非効率な、それでいて笑えるような過程を取るようにもなった。
楽しい……
こんな人間として当たり前の感情を私はどのくらいの間忘れていたのだろうか。
高校に入学してから……
いやずっとそれ以前から私は心から楽しむ努力というものを怠っていた気がする。
いい話だなー
勉強に没頭し、
趣味も持たず友人と遊ぶ事も殆どせず
ただ効率と失敗を避けることばかり考えていたような気がする。
そもそも私がこの実行委員の副リーダーなんてものをやっている時点で以前の私からは考えられない事だ。
学校行事になんて下らない、適当にやり過ごそうと思っていた私が……
自己評価が低くどうせ私なんて……と思っていた私が……
蒲原と出会い、蒲原の機転に感謝し、蒲原に興味を持って、今蒲原と共にこんなことをしている。
―――以前の私が今の私を見たら鼻で笑うだろうか。
蒲原との出会いが私の中の何かを変えてしまった。
そして私はもう一つの運命的な出会いをするのである。
麻雀くるか
―――鶴賀祭前日
智美「ワハハーなんとか間に合ったなー」
ゆみ「ああまさか完成出来るとは思わなかった。あとは業者の搬入を待つだけだ」
智美「搬入まであと2時間はあるなー時間潰しにこれで遊ぶかー」ガサッ
ゆみ「なんだそれは?カードか?トランプじゃないようだが」
智美「ワハハーこれはカード麻雀だぞー。麻雀は知ってるか?」
ゆみ「麻雀か……最近流行っているそうだがやったことはないな」
モブA「あー蒲原さん達麻雀やるのー?私達も混ぜてよー」
モブB「私中学の時麻雀部だったんだよ!結構強かったんだから!あの時の予選で福路とか言う子に負けなければ……」
モブA「そう言えばうちの高校って麻雀部無いよね。あんな人気競技なのに」
モブB「他の文化部が強いからね。ま、私も今の部活に満足してるから良いけどさ」
智美「ワハハー面子も揃った事だしやってみるかー。ゆみちんにはルールを教えるぞー」
智美「まず4面子1雀頭っていうのを作って――」
・
・
・
>>82
まだ衣が出てないからな、まだ。
智美「ワハハーまた私がトップだぞー」
ゆみ「くっ!ま、また私が最下位……なぜ勝てない!?」プルプル
モブA「いやー蒲原さん強いねぇ。麻雀やってたの?」
智美「部活とかはやってなかったけど友達とたまになー。一番の友達は全然覚えてくれないんだけどな」
モブB「あの時上埜って子の悪待ちに振り込まなければ……」ブツブツ…
ゆみ(麻雀……何て奥が深いゲームだ。こんな面白いゲームがあったとは……)
ゆみ「さぁ蒲原もう一戦だ!次こそはっ!」
業者「ちわー三河屋でーす!ご注文の品お届けに参りましたー!」
智美「おっ業者が来たぞー。残念だけどここまでだなー」
ゆみ「なっ!?勝ち逃げする気か!?勝負しろー!」
智美「ワハハーまた今度なー。取り敢えず今やるべき事をやろうやー」
ゆみ「くそっ!次は絶対に勝つからな!」
私はこの麻雀というゲームに一目惚れしてしまったらしい。
④
―――鶴賀祭当日
智美「ワハハーおはよー!」ガラッ
ゆみ「待っていたぞ蒲原!さぁ昨日の続きだ!」
智美「ワハ……ゆみちん早いなー……入門書まで持ってきちゃって」
ゆみ「昨日夜なべして勉強したんだ。昨日のようにはいかないぞ!」
智美「ワハハーゆみちんはすっかり麻雀に夢中だなー」
・
・
・
ゆみ「ま、また勝てなかった……何が悪いというのだ……」
智美「いやーゆみちんの上達速度は凄いぞー昨日とはまるで別人だ」
智美「ちゃんと練習すれば凄い打ち手になるかもなー」
ゆみ「くっ……早く追いついてやる!」
智美「それはそうといよいよ今日が本番だ……ゆみちん」
ゆみ「ああ」
智美「楽しもうな!」
ゆみ「……ああ!」
ケース1:津山睦月
受付「それではいってらっしゃーい(ダミ声)」
睦月「うむ……私なりに精一杯……」ドキドキ
睦月(うう……受験する高校の下見のつもりで来たのに誘われるがままにホイホイこんなところに来てしまった……)
睦月(暗いし狭いしどこに行ったら良いかわからない……)
『GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA』(頭上から悲鳴SE)
睦月「ひぃっ!」ビクッ
バァン! ワラワラワラ ←(壁から大量の手が生えてくる)
睦月「わあああ!!」
ピターン ペチョッ! ←(顔を背けた先にヌルいコンニャク)
睦月「きゃあ!何これ気持ち悪いいい!!」
これは上質なss
鶴賀はやっぱりいいなあ。支援
智美「ワハハー……私ってキレイ?」(口裂け女コスの智美)
睦月「……」フッ
智美(このくらいでは泣かないぞ)
犬「グルルルルル……ワン!ワン!ワン!」
睦月「いやあああああ!!」ダダダダダッ
睦月「ハァハァ……走って逃げちゃったけどここは……?」
睦月「く、暗くてどっちに行ったら良いのかわからない……」
睦月「ど、どっちから来たんだっけ……で、出口はどこ……?」グスッ
睦月「うわぁぁん!暗いよー!狭いよー!怖いよー!」
睦月「お母さああああああん!助けてえええええええ!」
ゆみ(おい……あれ本気で迷ってるんじゃないか?)
智美(ワハハー……石兵八陣を参考にしたのはやりすぎだったかなー)
※むっきーはこの後15分間迷い散らかしてスタッフに救出されました。
むっきー、、、
しえん
ケース2:妹尾佳織
佳織「うう……智美ちゃんに連れられて来たけど怖いよー……」ドキドキ
佳織「智美ちゃんにこういう事させると手加減を知らないから……」スタスタ
(床に濡れスポンジのトラップ)
佳織「……」スタスタスタ
ゆみ(何っ!?この闇の中足元のトラップを一つも踏まずに突破するとは……)
プシューーーーーーッ!(ドライアイススモーク)
佳織「あっ、涼しくて気持ちいいー」
(血糊の付いたコイン)
佳織「いらないよね……」
モブ「ヒャッハー!ってうわわっ……!」スッテーン
佳織「あのー……大丈夫ですか?」
モブ(うう……かっこ悪いところを見せちゃった……)
④
ビギナーズラックがこんな所で
猫「ニャァァァァ!」
佳織「ひっ!ってなんだ可愛い猫ちゃんだー♪」
佳織「なんでこんなところにいるんだろ?外に連れて行ってあげよう」
猫「ニャー…」
佳織「あれ……分かれ道だ」
佳織「どっちに行ったら良いんだろう……左はなんか気持ち悪いからこっちで良いよね……」スタスタ
オツカレサマデシター
佳織「あっもう出口に着いちゃった」
佳織「暗くて怖かったけど特に何もなかったな。智美ちゃんも手加減したのかな?」
ゆみ(結局あの子全てのトラップを回避していった……)
智美(佳織の奴やるなぁ……)
ケース3:東横桃子
モモ(暇だったから文化祭見学に来たらこんな良さげなお化け屋敷があったなんて……)
モモ(ふふふ……このお化け屋敷マイスターモモがこのお化け屋敷を見極めてやるっすよ!)
モモ(ぼっちだから一人で楽しめるホラー物に傾倒しちゃったんすよねー……)
『パリーン!』←ガラスの割れる音SE
モモ「ひっ!」
モモ(ふー……視界の奪われた暗闇の中突然の聴覚への揺さぶり……)
モモ(原始的だけど効果的っす……)ドキドキ
ガタッ!
モモ「きゃっ!」
モモ(曲がり角から突然飛び出す人体模型……)
モモ(ベタっすけどやっぱり怖いっす……)ドキドキ
運が良いのか悪いのか
モブA「悪い子はいね”ぇがぁぁぁ!?」(なまはげコス)
モモ「わひゅっ!」ビクッ
モブA「ってあれ?声はしたのに誰もいない……」
モブA「きゃああああああああああ!!本物の幽霊だああああああああああ!!」ダダダダダッ
モモ(はー……ビックリしたっす……変な声出ちゃったっす……)ドキドキ
モモ(あと急に大声出すからそっちにも驚いたっす……やっぱ私は音系が苦手っす……)
モモ(しかしクオリティ高いっすねこのお化け屋敷)
モモ(仕掛け自体はベタベタっすけど出すタイミングが絶妙っす……)
モモ(セットの出来も良いしお化け役の衣装のクオリティも高い……雰囲気は最高っす!)
モモ(学祭レベルにしては素晴らしいっすね!)
モモ「……」スタスタ
ゆみ「私は君の血が欲しい!」(吸血鬼コスのかじゅ)
モモ(わっ!凄い綺麗な人っす!)ドキッ
ゆみ「ってあれ?足音がしたと思ったのだが……」
ゆみ(さっきA子さんが本物の幽霊がどうとか言っていたが……まさかな)
モモ(はー……吸血鬼さんの仮装もレベル高いっすね。ドキドキしちゃったっす)
モモ(でもこの人も私が見えてないんすねぇ……残念っす)
オツカレサマデシター
モモ(ふふふ……こんな良いお化け屋敷に出会えるとは……鶴賀祭堪能したっす!)
モモ(再来年はここの高校に入学するっすよー!)
さるさんになったみたい
しえしえ
825 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2013/02/01(金) 02:18:49.31 ID:u5uVpQWB0 [10/10]
ごめん、ゆみ「鶴賀学園麻雀部」智美「創設秘話」 - SSまとめ速報
(http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1359641632/)のスレだけどさるっちゃった
スレの方に報告お願いします
しえ
まださる?
支援よー
しえn
さるよけ
さるよけ
そんなこんなで鶴賀祭は無事終了した。
私達のクラスのお化け屋敷も午後から客足が途絶えず、成功したと言っていいだろう。
なんでも蒲原が呼んだ友人から口コミで噂が広まり、在校生のみならず中等部や外部生の客をも呼び寄せたとのことだ。
またクラスメイト数人の心にトラウマを植え付けたリアル幽霊騒動も噂に拍車をかけることになった。
蒲原は自分が遭遇できなかった事を随分残念がっていたが……。
とにかく私は自分の仕事を全う出来た事に満足だ。
・
・
・
・
さるよけ
多分もう書き込めると思う
またさるらないように重ねてしえ
支援
―――後夜祭
教室で蒲原の労いの挨拶が終わった後私たちは校庭に出て後夜祭に興じていた。
クラスメイト達はキャンプファイアーを囲みフォークダンスを踊っている。
私は校庭の隅に座り込みその光景をぼんやりと眺めていた。
そこに輪の中心から蒲原が抜けてこちらに歩いてきた。
智美「ワハハーゆみちんお疲れー」ヨッコイショ
ゆみ「お疲れ様蒲原」
智美「先生が差し入れでジュース買ってきてくれたんだーゆみちんも飲めー!」プシュッ
ゆみ「ああ、ありがとう」プシュッ
智美「乾杯ー!」カンッ
智美「終わっちゃったなー」
ゆみ「そうだな……」
智美「成功して良かったなー」
ゆみ「そうだな……」
智美「ゆみちん、」ワハハ
智美「楽しかったなー!」
ゆみ「……そうだなっ」ポロポロ
言葉に出来ない思いが溢れてきた。
智美「……ゆみちんがいてくれて本当に良かったよ」
智美「ゆみちんがいてくれたおかげでこんなに楽しい鶴賀祭に出来た」
智美「ありがとう」
ゆみ「そっ……そんなことはないっ……!」グスッ
いい青春や
お前がいてくれたおかげなんだっ……
お前がいたおかげで私はこんな気持ちを知ることが出来た……
お前がいなかったら私は今この場にいなかったはずなんだ……
ゆみ「ありがとうは……私の台詞だ」
智美「ワハハー、じゃあお互いにありがとうってことでー」
ゆみ「ふふ……そうだなっ」
智美「ワハハーゆみちんさっきからそうだなしか言ってないぞー」
智美「それにしても明日から暇になるなー」
ゆみ「そうだな、ここ2か月ほどずっと鶴賀祭の準備していたからな。日常に戻れるか不安だよ」
智美「お?ゆみちんの事だから勉強に集中出来るとか言うと思ったぞ」ワハハ
ゆみ「それはそれ、これはこれだ」
智美「ワハハーそれでなー私考えたんだー」
ゆみ「また何か思いついたのか?」
智美「ワハハー楽しい事だぞー」
支援
智美「今この学校には麻雀部ってないだろー?」
ゆみ「麻雀……」ドキッ
その先の言葉に期待してしまう。
智美「それで私が麻雀部立ち上げようと思うんだ。これからも私のこと助けてくれないか?」
ゆみ「ふんっ……」
返事などとっくに決まっている。
ゆみ「これでいくらでもリベンジの機会が出来るわけだな」
智美「ワッハッハ!ゆみちんが本気出したら怖いなー」
智美「よろしくなっ!ゆみちん!」
ゆみ「ああ、これからもよろしくな『部長』」
カン!
乙乙
良かった
乙
ワハハはイケメン
これは真理
乙
素晴らしかった
保守支援ありがとうございました
どう見てもかじゅの方が部長っぽいのにワハハが部長ってのは何かしらのドラマがあったんじゃないかと妄想
乙乙
すばらっ!
いつか余力があったらモモ入部するまでの部活も書きたい
むっきーをヘタレにしすぎたのでむっきーの話も書いてあげたいな
乙乙ー!
続編期待してる
乙!
おつ!
乙
いい話だった
お疲れです
乙!
俺も近くにワハハみたいなコーチがいたらな。
ぷくくくwwwwww
えへへへへへへへwwwwwwwwwww
おつ
良かった
乙
後で読む保守
乙
よかった
すばらっでしたの
これはすばらっす
乙乙
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