千早「夢」 (120)
千早(アメリカでのレコーディングなどもあった関係で、久しぶりに、本当に久しぶりに訪れた事務所)
千早(まるで私たちのもうひとつの家のようであったはずのその場所を、私はなぜだか『冷たい』と感じてしまった)
千早(それはきっと、奈落に落ちた怪我で入院しているプロデューサーのことを嫌でも思い出してしまって)
千早(そして何よりも、いつも私たちを笑って迎えてくれていた春香の姿が、そこには無いことが分かってしまっていたから……。そのせいなのだと、思う)
千早(律子が春香に仕事を休むよう促してから、一週間)
千早(私は一度も……。春香に会って、いない)
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千早「…………」
小鳥「……はい。その件につきましては後ほど折り返しご連絡を。はい」ひらひら
千早「」ぺこ
千早(事務所には、音無さんがひとり)
千早(その傍らには無数の書類と、すさまじい数のメモ書きに、未開封のファンレターやファンからのプレゼント)
千早(それらはソファや給湯室の机にまで広がっていて)
千早(……最近の事務所には、ほとんど誰も立ち寄っていないというのがありありと示されている)
千早(こんなに寂しい場所だったかしら)
千早(こんなに冷たい場所だったかしら)
千早(春香がいないだけで、こんなに……?)
きぃ
美希「春香っ!!?」ばたん!
小鳥「!?」
千早「!?」
小鳥「あ、も、申し訳ございません。もう一度……」あたふた
美希「……あ、千早さんかぁ」
美希「……久しぶり、だね」
千早「ええ。……美希。音無さんの邪魔になってはいけないから、向こうで話しましょうか」
美希「あ。ご、ごめんなさいなの、小鳥……」
小鳥「はい。その日でしたら、夕方以降でしたら都合がつくかと……」ひらひら
ぱたん
美希「ふう。まさか、千早さんと事務所で会えるとは思わなかったなー」
千早「私も同じよ。……ところで、どうしてさっき、春香の名前を?」
美希「……誰かが事務所に入っていくのが見えたから。電気付いてたし、小鳥じゃなかったら、春香かなぁって」
千早「……そう」
美希「千早さんは、春香とは連絡は?」
千早「…………」
美希「……そっか」
千早「電話と、メールを何回かしてみたのだけれど。返事はないまま」
美希「ミキもおんなじよーなカンジ……」
千早「みんな、そうみたいね」
美希「春香、どうしちゃったのかな」
千早「……分からない」
美希「……春香、戻ってこないのかな」
千早「……分からないわ」
美希「このまま春香がいなくなっちゃうのは、ミキ……なんだか、寂しいな」
千早「……そうね」
美希「あ、ミキそろそろ行かないと。次の番組始まっちゃう」
千早「こんな時間から、まだ収録なの?」
美希「うんっ。ミキ、今人生で一番キラキラしてるから!」
千早「……そう、良かったわ。それじゃあ、また」
美希「今日は千早さんと会えてよかったの。でも、千早さんに返事が無いとなると、やっぱり誰も話せてないのかなぁ」
千早「え、と。別に私だけが特別というわけではないと思うけれど」
美希「……。じゃ、他の皆にもまた聞いてみることにするの。千早さんも何か分かったら教えてね」
千早「ええ。じゃあ、気をつけて行ってらっしゃい」
美希「行ってきますなのー!」
千早「……」
千早(他のみんな、か)
~外部ロケ・休憩所~
雪歩「は、春香ちゃんから返事……? うぅん、私は来てないよ。何回かメールはしてみてるんだけど……」
貴音「わたくしも、特には。千早のもとにも何も無いのですか?」
千早「ええ。……すみません、本番直前だというのに押しかけてしまって」
貴音「いえ。仕事の合間を縫って私たちに会いに来てくださったこと、嬉しく思います」
雪歩「わ、私も……。久しぶりに千早ちゃんと会えて嬉しいよ。アメリカ、お疲れ様」
千早「ありがとう、萩原さん」
雪歩「えへへっ」
千早「それにしても、萩原さんでも駄目となると……。可能性が高そうなのは、真か我那覇さんかしら」
貴音「可能性、とは?」
千早「昨日、美希と少しだけ話をしたんです。春香が、もしかしたら誰かと言葉を交わしていないかな、と」
千早「……みんなで集まる機会も、あまりないですから」
貴音「……ふむ。しかし雪歩。わたくしが思うに、その可能性が最も高いのは」
雪歩「は、はい。多分、一番に返信をくれるとしたら」
貴音「千早ではないかと」
雪歩「千早ちゃんだと思います」
千早「……そう、ですか」
雪歩「あ、ごめんね千早ちゃん。私たちそろそろ、準備しないと……」
千早「そうね。貴重な休み時間にお邪魔してごめんなさい」
貴音「いえ。わたくしにとっては千早や雪歩とこうして話すことの方が貴重な時間ですよ」
雪歩「四条さん……」
千早「ありがとうございます。ところで今日は、何の番組を?」
雪歩「今日は、商店街の食べ歩きなんだ。四条さんがすっごく美味しそうに食べるから、私もよくつられちゃって……」
貴音「まこと良き品々をご相伴に預かりました。後半も心より楽しみにしているところです」
千早「ふふっ。美味しいものにめぐり逢えるといいですね」
貴音「はい、きっと。もっとも、巡り逢えたのは美味しいものだけではありませんが」にこり
雪歩「……?」
貴音「ふふ。実はこの番組は、萩原雪歩の成長を一番間近で見られる特等席なのです」にこっ
雪歩「え、わ、私……?」
貴音「商店街といえば、男性の方が営んでいる商店も多々あるもの。それを今では、雪歩一人でも訪ねることができるようになりました」
千早「そういえば……」
貴音「それに、犬を飼っている家や店とて、少なくはありません。散歩をしている犬に吠えられたことも、一度や二度ではありません」
貴音「しかし今では、予定外の出来事にもほとんど動じることがなくなりました。これを成長と呼ばずして、なんと呼ぶのでしょう」
雪歩「うう、四条さん……。恥ずかしいですよ……」
貴音「……わたくしはつねづね、ひとつ雪歩に謝らねばならないと思っていました」
雪歩「し、四条さんが私にですか……?」
貴音「はい。いつだったか、『あなたには覚悟が足りない』などと、不遜な態度で告げてしまったこと。真に申し訳ない気持ちです」
貴音「……雪歩ほど覚悟のある人は、いなかったというのに」
雪歩「そ、そんな! 違います!」
千早「……!」
雪歩「四条さんのあの言葉があったから、私はここまで頑張ってこれたんです。弱い自分を、少しずつ変えられたんです」
雪歩「だから、謝ったりなんてしないでください!」
貴音「雪歩……」
千早「萩原さん……」
貴音「……そうですね。では、改めて申し上げましょう」
貴音「そんなあなたの力になれたことを……。私は、誇りに思います」
雪歩「……! はいっ!」
千早「ふふっ。萩原さん、本当に変わったわね」
雪歩「か、変わった……? そうかな?」
千早「ええ。とっても、強くなった。すごく、自分に自信がついた。そんな気がするわ」
雪歩「そ、そうかなぁ……。でも、そうだったら嬉しいな」
雪歩「私、今までずっと自分に対して自信が持てなくって……。そんな自分を変えたくって、アイドル、始めたから」
雪歩「本当にそうだったら、すっごく嬉しい」
貴音「大丈夫です。わたくしたちが保障しますよ。あなたは素晴らしいアイドルです」
千早「ええ」
雪歩「そ、そうかな? えへへ……」
雪歩「あ、そういえば……。私、ずっと四条さんに聞いてみたいことがあったんです」
貴音「わたくしに? 何でしょう」
雪歩「四条さんは、どうしてアイドルになろうと思ったのかなぁ、って」
貴音「……!」
雪歩「あ、へ、変な意味じゃないんです! ただ、四条さんくらい綺麗でかっこいい人なら、モデルでも、女優でも、何にでもなれそうなのに」
雪歩「どうして、アイドルを選んだのかなぁ、って……」
千早「……それは、私も気になっていました」
千早「四条さんほどの人が、どうして……」
貴音「それは、とっぷしーくれっと……。と、申し上げたいところですが」
貴音「2人には本当のことをお話しましょうか」
貴音「……あなたと同じですよ、雪歩」
雪歩「えっ?」
貴音「研鑽を積み、自分を磨き上げること」
貴音「……そして、故郷のみなへ、四条貴音は今も弛まず精進を続けていると証明すること」
貴音「それが、わたくしがこの場所でアイドルを続ける理由です」
雪歩「私と、同じ……」
千早「あの、四条さん。四条さんの故郷って」
貴音「ふふっ、千早。それこそ、まことの」
貴音「トップシークレット、ですよ」
~バラエティ番組・楽屋~
真美「はるるんから、返事? ううん、来てないよ」
真「ボクも……。やっぱり、千早にも?」
千早「ええ。やっぱり、誰とも話していないのかしら」
真美「うーん……。真美も何回かメールはしてみたんだけど……。まこちんもそうだよね?」
真「うん。それに、そう考えるといくつもいくつもいろんな人からの連絡が、春香に行ってるんじゃないか、って思ったりして……」
真「最近は逆に、連絡も、し辛く思えちゃうんだ」
真美「うん……。真美もそうかも」
千早「そう……」
真「でも、多分春香のことだから。そのうちひょっこり帰ってくるって」
真美「うんうん。今こんなに楽しいのに、戻ってこないなんてもったいないっしょ」
千早「たの、しい……」
真美「うん! この番組だって、アイドルになる前はまさか出られるなんて思ってなかったし」
真「あはは。亜美が、真美だけずるい! って羨ましがってたっけ」
真美「そうそう。オマケに今日はまこちんと一緒だからね。こんなに楽しいお仕事、他にないよ!」
真「あとはもうちょっとこう、プリプリっとした可愛い衣装さえ着させてくれたら、ボク的には申し分ないんだけどなぁ」
真美「またまた→。そんなこと言ってると、ゆきぴょんに怒られちゃうよ?」
真「あ、あはは……。ま、そうだね。これはこれで、頑張らないと」
真美「おろろ? 今日はえらくあっさり納得するんだね、まこちん?」
真「ま、ボクはこれで、満足してるからね」
千早「……そうなの?」
真「うん。プロデューサーのおかげで、たまーにはキュートな衣装を着たりするお仕事も来るようになったし……」
千早「でも、プロデューサーの売り出し方によっては、もっと真のやりたい通りにできたんじゃ」
真「うーん……。でも、たくさんのファンの人もボクを応援してくれてるからさ」
真「そりゃあいろいろ苦労は絶えないけど、後悔してないよ。だって毎日が楽しいから」
真美「まこちんの場合は、ファンの人ってほとんど女の子だけどね→」
真「うぐっ。もう、意地悪言うなよ、真美!」
真美「んっふっふ~」
千早「……真は本当にそれで、いいの?」
真「うん。ファンのほとんどが女の子なのは確かだけど……。少なくたって、男の人のファンだっているわけだし」
真「昔なりたかった自分とは、ちょっと違ってるのかもしれないけど。少なくともボクはアイドルとして、満足してるよ」
千早「……そう」
真美「だからはるるんも今休んじゃうのは、勿体無いよね」
真「そうだね。折角努力が報われて、有名になり始めたところなのに……」
真美「兄ちゃんが怪我してショックなのは分かるけど、なるべく早く戻ってきて欲しいよね」
千早「……?」
真「でも、春香は優しいからさ。やっぱり自分のせいで怪我させちゃったと思うと、ショックも大きいと思う」
千早「え」
真美「だよね……。だったらはるるんのために、おちりを引っぱたいてでも、兄ちゃんには早く退院してもらわないとね!」
真「ひ、引っぱたいたら入院長引いちゃうんじゃないかな……?」
真美「だ→いじょ→ぶだよ! 真美たちよくやってたもん!」
真「真美たち、そんなことしてたの……?」
千早「あの、ちょっと待」
\菊地さん、双海さん、スタンバイお願いしまーす!/
真&真美「あ、はーい!」
真「ごめんね千早、もう行かないと」
真美「久しぶりに千早お姉ちゃんと会えて、嬉しかったよ→」ひらひら
千早「あ……」
ばたん
千早(……)
千早(きっと)
千早(プロデューサーが怪我をしてショックだった、というのは事実だろうけど)
千早(それだけじゃなくて、きっと、春香は)
千早(でも……)
~竜宮小町・ライブ控え室~
美希「で」
美希「こ」
美希「ちゃーん!」ばっ
伊織「きゃ、きゃあっ! ……美希!?」
亜美「えっ、ミキミキ!?」
あずさ「美希ちゃん?」
美希「えへへ、どーお? びっくりした?」
伊織「いきなり死角から飛びつかれたら誰だってびっくりするに決まってるでしょーが!」
美希「えへへ、久しぶりにでこちゃんの驚く顔が見られて満足なの」
伊織「で、でこちゃんでこちゃんうるさいわねっ!」
亜美「ミキミキ、亜美たちのライブ見に来てくれたの!?」
美希「うん。ミキの仕事場もすぐ近くだったからね。デンチュー見舞い? ってやつなの」
亜美「ちっちっちっ。それを言うなら軍ちゅー見舞いだよ、ミキミキ。でんを見舞ってど→すんのさっ!」
美希「はっ。むー、亜美に訂正されるなんて……。ちょっとショックって感じ」
亜美「んっふっふー。亜美ももう大人だかんね!」
伊織「……一応言っておくけど、陣中見舞い、だからね」
あみみき「えっ」
あずさ「うふふ。美希ちゃんも、相変わらずね」
伊織「それで? 私たちに一体何の用なのよ」
美希「え? だから、でこちゃんたちのじんちゅー? 見舞いに……」
伊織「でこちゃん言うな。……とぼけてるんじゃないわよ」
美希「!」
伊織「ただでさえ人一倍忙しいあんたが、わざわざそれだけのために私たちに会いに来るわけ、ないでしょう?」
亜美「?」
伊織「何か用があるなら、さっさと話しなさいよね。こっちだって暇じゃないんだから」
美希「……でも、みんなに会いたかったのもホントだよ?」
伊織「はいはい」
美希「……あのね。誰か、春香とお話してないかなあって」
あずさ「春香ちゃん?」
亜美「はるるん?」
伊織「春香と? 私は、特に……」
あずさ「私も……」
亜美「亜美も……。多分、真美もそうだと思う」
美希「そう、だよね」
伊織「どうしたの? まさか、春香になにか」
美希「ううん。特に何かあったわけじゃないよ」
美希「でもこの前、千早さんと会ってちょっとだけ話したんだ。……春香、このまま辞めちゃうのかなって」
亜美「! そんな!」
伊織「ば、バカなこと言うんじゃないわよ! 春香はちょっと休んでるだけ、でしょう?」
あずさ「美希ちゃん。……それは、何か理由があるのかしら?」
美希「ううん、特に理由があるわけじゃないんだけど……」
美希「でも、千早さんもメールも電話もできてないって言ってた。……それって、やっぱりちょっとヘンだと思うんだ」
亜美「千早お姉ちゃんも……?」
伊織「私たち、せっかく有名になり始めたところなのよ? それをみすみす手放すなんて……。そんな」
あずさ「伊織ちゃん……」
伊織「私だってここまで頑張って、ようやくお父様に少しずつ認められてきたところだっていうのに!」
美希「!」
美希「そっか……。伊織がアイドルになった理由って」
伊織「そうよ。みんなに、この伊織ちゃんの実力を認めさせるため」
伊織「春香だって、この舞台に立つためにアイドルをやって来たんでしょう!? てっぺんを目指してやって来たはずでしょう!? ……なのに、ここでやめちゃうなんて」
伊織「もしそんなつもりだって言うなら。それを自分から捨てて、私たちの前から居なくなっちゃうなんて、絶対、許さないんだからっ……!」
あずさ「伊織ちゃん……」
亜美「亜美も、最近たくさんテレビとかに出られるようになって、楽しくなってきたところなのに……。はるるんがいなくなっちゃうのは、寂しいよ」
あずさ「でもね。私には、ほんの少しだけ春香ちゃんの気持ちが分かる気がするの」
美希「えっ」
伊織「あずさ、何を……!?」
あずさ「伊織ちゃんや亜美ちゃんたちと、竜宮小町として活動しているのはすごく楽しいわ。それはほんとう」
あずさ「でもね。ときどき、どうしたらいいのかなあ、って分からなくなっちゃうときがあるの」
あずさ「……自分がね。今どこにいるのか、分からなくなっちゃいそうなときがあるの」
あずさ「ふふっ、変よね。私、誰かに見つけてもらうためにアイドルになったのに」
あずさ「自分の居場所すら分からなくなりそうなときがあるんだもの」
美希「あずさ……」
あずさ「でもね。そんなときは必ず、伊織ちゃんと亜美ちゃんが私の手を引っ張ってくれるのよ」
あずさ「どっちに進めばいいのか分からない私の手をとって。次はこっちだよ、その次はあっちだよ、って」
亜美「あずさお姉ちゃん、いつもそんなこと考えてたの?」
あずさ「ええ」にこっ
>>29修正
あずさ「ふふっ、変よね。私、誰かに見つけてもらうためにアイドルになったのに」
あずさ「自分の居場所すら分からなくなりそうなときがあるんだもの」
美希「あずさ……」
あずさ「でもね。そんなときは必ず、伊織ちゃんと亜美ちゃん、そして律子さんが私の手を引っ張ってくれるのよ」
あずさ「どっちに進めばいいのか分からない私の手をとって。次はこっちだよ、その次はあっちだよ、一緒に頑張ろう、って」
亜美「あずさお姉ちゃん、いつもそんなこと考えてたの?」
あずさ「ええ」にこっ
あずさ「だからね。きっと、春香ちゃんにもそういう人が必要になると思うの」
あずさ「それは私かもしれないし、美希ちゃんかもしれない。律子さんかもしれないし、伊織ちゃんや、亜美ちゃんかもしれない」
あずさ「だけど、もし春香ちゃんに手を貸して欲しいって言われたとき、断るような人はこの事務所には居ないわ。ね、伊織ちゃん?」
伊織「あ、当たり前じゃない!」
あずさ「うふふ。だから、私はいつ春香ちゃんが戻ってきても、明るく迎えられるように」
あずさ「その準備だけは、してあげたいなあって思っているの」
あずさ「春香ちゃんが、道に迷わないように」
美希「……!」
伊織「あんたが言うと、説得力のあるセリフね」
美希「……うん。分かったの、あずさ。ミキもあずさと、おんなじ気持ち」
あずさ「ふふっ。じゃあもし伊織ちゃんも亜美ちゃんも居ないとき」
あずさ「私が道に迷いそうになったときは、よろしくお願いするわね?」
美希「任せるの!」
伊織「話はそのくらいかしら? そろそろ準備しないとマズいわよ」
亜美「わ、ほんとだ! 亜美まだ着替えてないのに→!」ばたばた
伊織「ちょ、こら! そんなに慌てなくていいから!」
あずさ「あらあら。怪我なんてしないようにね~」
美希「じゃ、ミキもそろそろ次のお仕事行くの!」
伊織「……それにしても、意外よねえ。あいつが居なくなって一番凹みそうなあんたが、これだけぴんしゃんしてるんだから」
美希「えっ」
あずさ「春香ちゃんは当事者だものね。やっぱり、ショックが大きいんじゃないかしら」
亜美「じゅ、準備できたよ→! 行こっ!」
伊織「ま、あんたもそれだけ変わったってことなのかしらね。じゃあね、美希!」
美希「あ、伊織、待っ」
ぱたん
美希(……違うの)
美希(……違うんだよ、みんな)
美希(春香が苦しんでるのは、そうじゃ、なくて……!)
~子供向け番組・セット置き場~
やよい「春香さんから返事、ですか? いえ……」
響「自分も来てないぞ……。時々メールするようにはしてみてるんだけど……」
千早「そう……。やっぱり、誰とも連絡をとっていないのかしら」
響「ということは、千早もなのか?」
千早「ええ」
やよい「春香さん、前はあんなに練習しようってメール送ってくれてたのに……。うぅ、心配です……」
響「自分たち、ほとんど行ってあげられなかったもんな……」
やよい「そういえば、今日は千早さんはどうしてここに? お仕事は……」
千早「近くで収録だったのだけれど、少し時間が空いたの。そうしたら、近くに二人がいることが分かったから」
響「顔を見に来てくれたのか?」
千早「ええ。二人とも、長いこと会っていなかったし」
やよい「千早さん、少し前までアメリカにいましたもんね」
響「そういえばそうだな。病院では、ゆっくり話せる雰囲気でもなかったし……」
やよい「……仕方ないですよね。みんな、忙しいですから」
響「……だから今日は、会えて嬉しいぞ、千早!」
やよい「わ、私もですっ!」
千早「ええ、私も」
千早「やっぱり2人とも、事務所のみんなともなかなか会えていないのかしら」
響「そうだな……。同じ仕事のときは、ちょっと会って話したりはするけど」
響「事務所に寄ることもほとんど無くなっちゃったしな……」
やよい「私も……。春香さんもそうですし、事務所のみなさんともそうですけど」
やよい「最近帰りが遅くなってきてるから、長介たちと顔を合わせることも少なくなってきちゃって」
やよい「そういう意味でも、ちょっと悲しいです……」
響「え? 確かやよいの家って、やよいが家事を手伝ってるんじゃ……」
やよい「あ、それは大丈夫なんです! 長介やかすみが、私の代わりにちょっとずつお手伝いしてくれるようになったんですよー?」
響「へえ、あの二人が……」
千早「……」
やよい「この前なんて、二人でお料理もしたって言ってて。えへへ、味付けが私とそっくりで、ちょっとびっくりしちゃいました」
響「そっかー。ほんと、いい子たちだなー」
千早「ねえ、高槻さん。……一緒に過ごす時間が減って、寂しくは、ないの?」
やよい「……え?」
響「千早……?」
やよい「うーん……。寂しくないと言ったら嘘になっちゃいますけど……」
やよい「でも私、今すっごくお仕事できてますから! 長介たちが頑張ってくれてるのに、私だけ休むわけにはいきませんし、それに……」
千早「それに?」
やよい「家族って、離れてても家族ですから! いつも、一緒なんです!」
千早「……!」
千早「いつも、一緒……」
響「あはは。それ、自分もいぬ美たちに似たようなことで怒られたから、よく分かるなあ」
響「言葉に出さなくたって、会えなくたって。いつも繋がってるんだよね」
やよい「はいっ!」
千早「…………」
千早(離れていても)
千早(言葉に出さなくても)
千早(会えなく、ても)
千早「…………」
響「ち、千早?」
やよい「千早さん?」
千早(いつも、一緒だった)
千早(そう。そんなのは当たり前のことだった)
千早(私は、それを取り戻したい。春香がかつて、私にそうしてくれたように)
千早(……けれど)
『千早さんに返事が無いとなると、やっぱり誰も話せてないのかなぁ』
千早(けれど、それを)
『千早ではないかと』
『千早ちゃんだと思います』
千早(それを、私が? 本当に?)
千早(私、が……?)
~事務所~
??「……ゃん」
??「……はや、ちゃん」
小鳥「千早、ちゃん?」
千早「えっ? ……音無、さん?」
小鳥「ああ、良かった。大丈夫?」
千早「え、ええ。少し考え事をしていました」
小鳥「事務所に戻ってくるなり、難しい顔をして座り込んじゃって……」
小鳥「おまけに声をかけても返事がないものだから、すごく心配しちゃったわ」
千早「……すみません」
小鳥「ふふ。最近、みんなあまり事務所に遊びに来てくれないから、すごく寂しいの」
小鳥「だから千早ちゃんが来てくれると、とっても嬉しいのよ?」
千早「……ええ」
小鳥「……」
小鳥「……春香ちゃんの、ことかしら」
千早「!」
小鳥「やっぱり。千早ちゃん、迷っているのね?」
千早「えっ……。どうして、それを」
小鳥「そのくらいは分かるわ。自慢じゃないけど、私、ずぅっと千早ちゃんを見てきたんだから」
千早「そう、ですか……」
小鳥「…………」
小鳥「ね、千早ちゃん。明日のボーカルレッスン、お休みにしちゃいましょうか」
千早「え? ……でも」
小鳥「そんな心でレッスンに行っても、今の千早ちゃんにはプラスになることはないと思うの」
千早「そ、そんな。でも」
小鳥「その代わり。一緒に、会いに行きましょう?」
千早「会いにって……。誰にですか?」
小鳥「決まってるわ。私よりも、春香ちゃんよりも、千早ちゃんを一番近くで見てきた人」
小鳥「……千早ちゃんの悩みに、応えてあげられる人」
千早「……!」
千早「プロ、デューサー、に……!?」
~・~
はぁっ、はぁっ
『千早はその家族のことが大好きなんだな』
『はい、大切に思っています! とても』
『なら、大丈夫だよ』
はぁっ、はぁっ
千早(そうだ、私は、最初から分かっていた)
はぁっ、はぁっ
千早(私の、やるべきこと)
はぁっ、はぁっ
千早(私の、やらなければならないこと!)
『家族なら、大切なことはちゃんと伝えなきゃな』
『…………はい!』
がちゃっ!
千早「あの、お願いが!」
律子「……千早?」
今日はここまでにします。今全体の3分の1くらいでしょうか
こんな雰囲気で進んでいきますので、合いそうだという方がいればお付き合いくだされば幸いです
明日もう少し早い時間に来るつもりなので、明日中には終わると思われます
それではおやすみなさい
乙
おつちは
今のところは、つまらない…ゴミっと
乙乙、期待してますぞ
千早「は、春香?」
千早「し、死んでる…」
こんばんは。続き投稿していきます
>>44にミスがあったのでその修正からいきます
>>44修正
~・~
はぁっ、はぁっ
『千早はその家族のことが大好きなんだな』
『はい、大切に思っています! とても』
『なら、大丈夫だよ』
はぁっ、はぁっ
千早(そうだ、私は分かっていた)
はぁっ、はぁっ
千早(私の、やるべきこと)
はぁっ、はぁっ
千早(私の、やらなければならないこと!)
『家族なら、大切なことはちゃんと伝えなきゃな』
『…………はい!』
がちゃっ!
千早「はぁっ。……はぁっ」
律子「……千早?」
千早「あの、お願いが!」
律子「何を言い出すかと思えば、千早まで……」
千早「お願い、律子。私は!」
律子「駄目に決まってるでしょ、『他の仕事を減らしてレッスンの時間を取る』なんて。言ってることが春香と一緒じゃない」
千早「……っ! 春香も」
律子「そうよ。だから、少し落ち着く時間を取らせたのに。あなたまで同じことを言い始めたら、本末転倒じゃないの」
千早「……いいえ。だったら尚更、私は諦めるわけにはいかない。……お願い、律子!」
『ライブが終わったら、今までの倍、いや、3倍頑張ります!』
律子「……っ」
律子「そ、そう言われたって、無理なものは無理なのよ……。そもそもそんな大きな変更は、私だけじゃなくて、社長に許可をもらわないと」
千早「社長に許可をもらえば、許してもらえるの!?」がたっ!
律子「ちょ、ちょっと千早?」
千早「私が直接、社長にお願いするわ。絶対律子には迷惑をかけないから、だから、お願い!」
律子「……あのね。言っておくけど、社長に話が通ったからと言って実現できるとは限らないのよ。他の子たちの予定だってあるんだから」
千早「それでもいいわ。……少しでも可能性があるのなら」
律子「千早、あなた変よ。どうして、そこまで……?」
千早「……」
千早「……律子は、アイドルの条件ってなんだと思う?」
律子「アイドルの、条件?」
千早「『アイドルは、人の心に幸せを届けることができる人じゃないか』って。そう、春香と話したことがあるの」
律子「え……」
千早「その人の中に、私は春香自身も含まれていて欲しいと思う」
千早「私の理由は、ただ、それだけ」
律子「…………!」
~数日後、事務所~
律子「うー、さむさむっ」
小鳥「あ、律子さん。お帰りなさい!」
律子「小鳥さん! お疲れ様です。なんだか久しぶりな気がしますね」
小鳥「ふふっ。そうかもしれませんね。今日はどうして事務所に?」
律子「それが、千早に呼び出されまして……。あの子も随分変わったもんだわ、全く」
小鳥「そうですか、千早ちゃんに……。千早ちゃんなら今、社長室ですよ」
律子「社長室? ……まさか」
小鳥「……会ってあげて、ください」
律子「……!」だっ
ばたん!
律子「千早っ!?」
高木「おお、律子くん。寒い中ご苦労だったね」
千早「お帰り、律子。待っていたわ」
律子「社長! ……ということは、千早、あなた」
千早「ええ。社長も、協力してくださることになったの」
高木「如月くんがあまり熱心に頼むのでね? ……それに、天海くんのためでもあるというじゃないか」
律子「で、ですけど! 社長が協力すると言ったって、どう頑張っても現実的にスケジュールに無理が」
千早「それについては、社長と目一杯考えたわ」
高木「うむ。そこで、こんなものを用意してみたよ」ひらっ
律子「こ、これって……」
千早「ええ。今から10日後、新進気鋭のアイドルがパフォーマンスで対決する舞台。『live×alive』の出場権よ」
律子「えええっ!? でも、live×aliveは全員のスケジュールが合わせられないから辞退すると、プロデューサーと決めたはず……」
高木「ここのところ、いろいろとごたごたしていたからねえ。正式な辞退の申し出は、いまだ受理されていなかったというわけだ」
律子「……っ! でも! これに出場するとなったら余計、定例ライブの練習をする時間なんて……!」
高木「逆だよ、律子くん」
律子「……?」
高木「live×aliveは765プロだけでなく、他のプロダクションのアイドルも多く参戦する、非常に大きな舞台だ」
千早「そのために、多くのレッスンを積まなければならないのは当然のこと。つまり」
高木「他の仕事の予定を変更、あるいは延期してもらう理由としては充分というわけだよ」
律子「そ、そんな、ことって……!」
高木「もう、私の方でいくつか日程変更の依頼は始めているのだがね? どこも快く引き受けてくれているよ。これもきっと、彼や律子君が普段積み重ねた絆のおかげだろうねえ」
律子(……いかにも簡単そうなことのように、社長は話すけれど。日程変更の依頼なんて、実際そんな簡単なわけがない)
律子(ひとつの予定が狂えばドミノ倒しのように全ての予定が狂うのがこの世界。なのに、社長はどうしてそれだけの……!)
千早「それに、これを見て。律子」
律子「これ、って……?」
千早「live×aliveの優勝賞品よ。私は、どうしてもこれを勝ち取りたいと思う」
律子「優勝賞品……? 『番組の最後に特設ステージにてエクストラライブ』と、それに、これは……!?」
千早「どうかしら。悪い考えではないと思うのだけれど」
律子「まさか、千早。あなたが考えていることって……!」
高木「天海くんに声を届けるのには、相応しい舞台だと思わないかい?」
千早「もう、みんなにも話は始めているわ。プロデューサーも、音無さんも、やってみろと言ってくれた。あとは、律子。あなたに意見を聞きたいの」
律子「……」
律子「…………」
律子「……はあ。全く、無茶するんだから」
千早「ごめんなさい、律子。私のわがままで」
律子「……」
律子「……ふふっ」
律子「私が協力するからには、レッスンに一切妥協は許さないわよ? それでもいいのね」にっ
千早「……ええ!」
律子(全く。千早に言われて思い出すなんて)
律子(私がいつか掲げたアイドルの条件。それは)
律子(『叶わない夢を持つのではなく、夢を叶える意思を持ち続けること』。そうだったはず)
律子(夢は、叶うもの。私はそう信じていたんだから)
律子(はぁ。やって来たばかりのプロデューサーに偉そうに語ったのが、随分昔のことみたいね)
~レッスンルーム~
千早「はい、分かりました。美希の方よろしくお願いします」
伊織「それにしても、千早が社長にまでかけ合うなんてね」
真「ボクも、ここにはずっと来たかったんだ。でも、誰かに相談するとか考えもつかなくて……」
響「自分も……。周りのことが、よく見えてなかったかも」
やよい「でも、こうして皆で集まれてよかったですね!」
雪歩「……春香ちゃんがいたら、喜ぶだろうなぁ」
千早「……そうね。もっと早くに相談すべきだったわ。そうすれば、春香も……」
雪歩「えっ?」
伊織「……ねぇ、今日千早が私達を集めた理由って」
千早「話したいことがあったの。春香のこと、それから、私たちのこと」
亜美「はるるんと」
やよい「私達のこと?」
~・~
千早「皆と同じ時間を過ごすこと、皆で一緒に前に進んでいくこと。少し前まで当たり前だったことが、私たち、それぞれの仕事が多くなっていったことで難しくなってしまった」
千早「でも一人一人のステップアップはアイドルとして大切なことだし、活動の場が広がっていけば、すれ違いは多くなったって仕方がない」
千早「……だから春香は何も言えなかったんだと思う」
真「春香、いつもボクたちに声かけてたよね。ライブの練習しようって」
響「それって……」
貴音「……単に練習のための意見でなく、共に過ごしたいという心の表れだと」
千早「……」
千早「『変わらなきゃ』という思いと、『変わって欲しくない』という思いを。……春香はずっと、抱え込んでいるみたいだった」
あずさ「春香ちゃんが休んでるのは、そのせいだったの?」
伊織「な、何で言わなかったのよ! 話してくれたって」
伊織「……話してくれたって、いいじゃない」
真「いいや、ボク達が気づくべきだったんだ。なのに……」
雪歩「千早ちゃんが言ってくれなかったら、私……」
千早「いいえ」
一同「……!」
千早「春香のためだけじゃなく、これは私の願いなの」
千早「私が歌を失ったとき、手を差し伸べてくれたのは春香とみんなだった」
千早「今の私にとって、765プロは新しい家族なの!」
千早「仕事を大事に考えるのは、私達の使命なのかもしれない。……だけど、諦めたくない」
千早「……お願い、力を貸して欲しい!」
たん、たん、たんっ
美希「はぁ、はぁっ……」
たん、たん、たん、たんっ
美希「遅れてごめんなさいなの!」がちゃ
真「美希」
亜美「もう、こんな大事な時にー!」
律子「ごめんなさい、打ち合わせが長びいちゃって」
真「打ち合わせ?」
律子「ええ。皆には言ってなかったけど、『生っすか』の後番組よ。……美希にね、その単独MCの話がきてたの」
響「そうなのか!?」
美希「うん。でも、断っちゃった」
一同「ええ!?」
伊織「どうして?」
美希「……迷子になっちゃいそうだったから」
一同「え……?」
美希「ミキね、アイドルのお仕事楽しいの。キラキラでワクワクできるから」
美希「だから前ばっかり見て、どんどん走ってって……。でも、気づいたの。このまま進んじゃったら、迷子になっちゃうかもって」
美希「どこへでも行けるのは、『ただいまー』って帰れる場所があって。そこで笑ってくれる人がいるからかなぁって」
美希「……そこにいる人が、笑ってくれるからかな、って」
~・~
律子「はい、そこまで。……少し休憩にしましょうか」
真「っぷぅ……。律子のレッスンも久しぶりだなぁ」
雪歩「えへへっ。みんなで合わせるのも、なんだかすっごく懐かしい気がするね」
亜美「亜美たちは、竜宮小町で活動してるから会う機会も多いけど……」
あずさ「他のみんなとは、そうもいかないものねぇ。ばらばらの仕事も多いし」
響「春香の気持ち、今さら分かってきた感じだぞ……」
やよい「春香さんがいないのが、寂しいですね……」
真美「! そうだ! はるるん!」
亜美「そうだよ! 今からでも、はるるん呼んであげようよ!」
真美「うん! 今真美が、電話で……」
あずさ「……真美ちゃん、それは」
貴音「ええ。恐らく、よした方がよいのではないかと」
真美「ええ!? なんで、お姫ちん、あずさお姉ちゃん!?」
亜美「はるるん、あんなにみんなに練習しようって言ってたのに……」
貴音「……だからこそ、ですよ」
真「あれだけ春香がみんなで練習しようって言っていたときに、ボクたちは集まることができなかった」
貴音「……しかし、春香が休養した途端に練習のために集まったということになれば」
貴音「きっと、春香は私たちが無理をして、春香の願いを叶えたと想ってしまうことでしょう」
あずさ「そうしたら、きっと春香ちゃんは責任を感じてしまうわ」
雪歩「うん。……春香ちゃん、優しいから」
真美「そ、そんなぁ……」
亜美「はるるん、かわいそうだよ……」
貴音「それに、この場に春香を呼ぶだけでは何も解決しません」
真美「解決?」
貴音「ええ。春香には、ただ戻って来てもらうだけではなく、自分は間違っていないのだと分かっていただかなければなりません」
やよい「間違って、いない……?」
貴音「はい。わたくしたちにできることは、春香が自分自身が間違っていないと思えるよう、背中を押してあげることだけ」
貴音「懊悩の中から立ち上がるための答えは、自分自身の中にしかありませんから」
貴音「そうでしょう、千早?」
千早「……ええ。あのとき春香が私に、そうしてくれたように」
響「千早……」
千早「だから私は、どうしても『live×alive』で優勝したい。そう思っています」
~・~
千早「…………」
美希「ちー、はー、やー、さん!」
千早「美希! どうかしたの?」
美希「んーん。ただ、千早さんが何か考えてそうな顔してたから」
千早「そう。……美希。今日は、ごめんなさい」
美希「? どーして千早さんが謝るの?」
千早「大事な打ち合わせだったんでしょう? 美希は只でさえ765プロで一番忙しいのに、こうして呼び出してしまって」
美希「そんな、千早さんが謝る必要なんてないの! それにミキ、ちょっと嬉しかったんだ」
千早「嬉しかった?」
美希「うん。春香の言ってたこと、ちょっとは理解できたかなぁって」
美希「ミキね。舞台の主役が春香に決まったとき、すっごく悔しかったんだ」
美希「主役目指して、ミキ本気で頑張ったのに、春香にはかなわなかった」
美希「でもそんな春香が舞台そっちのけで、みんなでレッスンしたい、お仕事を減らしてもいい、なんて言ってたから、もっと悔しくなっちゃった」
千早「……」
美希「でも、違ったんだね。これが、春香のチカラの源で」
美希「これが無いと、春香が春香で無くなっちゃうんだね」
千早「……ええ。きっとそうね」
美希「ミキ、思うんだ。きっとこの765プロで、『アイドルになりたくて』アイドルになったのは、春香だけだったんだ、って」
千早「……!」
千早「……私も、似たようなことを考えていたわ」
美希「本当、千早さんも?」
千早「ええ」
千早「何かのためにアイドルになった私たちとは違って」
『歌うこと。……それだけです』
千早「……きっと春香にとって、アイドルになることは、それそのものが『夢』だった」
千早「だから、その夢が叶いかけた今、少し道に迷ってしまったのね」
美希「……うん」
美希「ねえ、千早さん。春香がアイドルを目指したわけって聞いたことある?」
千早「……ええ」
美希「あるの? いつ?」
千早「以前、春香が私の家に泊まりに来たときに。……『憧れだから』。そう、言っていたわ」
美希「そっかぁ。なんだか、春香らしいね」
千早「春香らしい?」
美希「うん。春香のことだから、テレビで見た人が素敵だったからとか、近所のお姉さんの歌が上手だったからとか、きっとそんな理由なの」
千早「……ふふっ、そうね。えてして夢のはじまりは、ふとした偶然だから」
千早「……それでも、私は春香に変わらない夢を描き続けていてほしいと思う」
美希「……どうして?」
千早「夢見ることは生きることで、悲しみを越える力。他ならぬ春香に、私はそう教えてもらったから」
~『live×alive』会場~
司会「さあ、続きましては!」
司会「昨年一年で目覚しい躍進を遂げた、あのアイドル事務所!!」
ワァァァァァァッ!!!
真「いよいよ、だね」
雪歩「うぅ、春香ちゃん、見てくれてるかなぁ……」
響「メールは送ったんでしょ? だったら後は信じて、精一杯ステージを楽しもうよ」
あずさ「ええ」
やよい「私も、頑張りますー!」
司会「765プロダクションが、オールスターで登場です!!!」
ワァァァァァァッ!!!
千早「……行きましょう!」
~・~
春香「……」
かち
from:千早ちゃん
件名:春香
今日の7時、テレビをつけていてほしいの
見てくれるだけできっと分かると思うから
かち
春香(他の番組はバラエティばっかりだから)
春香(きっと、このチャンネルのことだよね)
春香(私がいない、765プロ)
春香(練習。……みんなとの練習だって、もう)
春香(…………)
司会「いやあ、竜宮小町を初めとして、みなさん昨年は本当に素晴らしい活躍でした!」
伊織「はいっ、ありがとうございまぁす♪」
司会「特に、シャイニングアイドル賞を獲得された星井さんは、忙しい一年になったんじゃないですか?」
美希「確かに最近、お休みがぜーんぜん無いの。でもミキ、毎日楽しいからヘーキだよっ?」
司会「さすが、今一番輝いていると言われるアイドルの言葉は違いますねー! では菊地さん、ずばり、765プロの躍進の秘訣は何でしょう?」
真「はいっ! みんなで協力して、一歩ずつお互いを高めてきた成果が出てきたのかな、って思います!」
春香(……はは)
春香(私、あそこにいたんだよね)
春香(なんだか、もう、ずっと前の話みたい)
春香(みんなで練習できなくなって。集まることもなくなって)
春香(……私だけじゃなくて)
春香(みんなも、いつか、ばらばらになっちゃうの、かな……)
春香(それは、嫌だなぁ……)
司会「ではそろそろ、お客さんも待ちくたびれているころだと思いますので、曲の方に参りましょうか!」
ワァァァァァァッ!!!
あずさ「わぁ、ありがとうございます~!」
司会「ちなみに今日はどんな曲を披露してくださるんですか?」
響「へへっ、765プロ全員で歌う曲はいくつかあるんだけど」
雪歩「こ、これはその中でも、私たちにとって大きな転機になった曲なんです」
真美「デビューして少ししてからの歌なんだけど、メッチャ思い入れがあるよね!」
貴音「言わばわたくしたちにとって、第二の始まりの歌と言えるかもしれません」
春香(……?)
春香(そんな曲、あったっけ……)
司会「ほほぉ……。その曲をこの大舞台にぶつけてきたわけですね」
雪歩「は、はいっ!」
響「みんなと、一緒に!」
やよい「チカラいっぱい歌いますー!」
春香(でも、何でも一緒だよね)
春香(……きっと、動きはばらばらで)
春香(……私がいたころのみんなとは、違っちゃってるんだよね)
春香(……そんなみんなは)
春香(見たくない、な)
司会「それでは披露していただきましょう! 765プロオールスターズで―――!!」
春香(!!!)
―――――― ...♪
――――――空見上げ 手をつなごう この空は輝いている ...♪
春香(えっ……!?)
――――――世界中の 手をとり ...♪
♪♪...The world is all one !!...♪♪
春香(そ、ろって、る……!?)
――――――ねえ、この世界で ねえ、いくつの出会い ...♪
――――――どれだけの人が 笑ってるの? ...♪
春香(うそ……。だって、練習して、ないんじゃ)
春香(う、ううん! きっと、やったことのある曲だから、揃って見えるだけで)
――――――ねえ、泣くも一生 ねえ、笑うも一生 ...♪
――――――ならば笑って生きようよ 一緒に ...♪
春香(ほ、ほら。真ん中だって変なスペースが空いちゃってるもん)
春香(やっぱり、練習してるわけ、が……)
春香(…………!)
春香(真ん、中……!?)
(春香っ)
(春香さんっ!)
(はるるんっ!)
(春香ちゃんっ)
(春香っ!!)
千早(……あなたの場所は、ここに、あるの)
――――――世界には友達 一緒に進む友達 ...♪
――――――いることを忘れないで! ...♪
春香(……っ!)
春香(そうだ、この曲……)
春香(プロデューサーさんに、初めて見てもらった曲なんだ)
―――――― ひとりでは出来ないこと 仲間となら出来ること...♪
春香(あの日から、全部始まった)
春香(ちょっとずつだけど、お仕事が入ってくるようになって)
『とても楽しいステージを、ありがとうございました!』
『千早ちゃんは、こんな風にみんなで旅行したりするの、苦手?』
――――――乗り越えられるのは Unity is strength ...♪
春香(やることが、いっぱいできて)
春香(レッスンも、厳しくなって)
『早く、あんな風になりたいよね!』
『甘いものは、脳をリフレッシュさせるんですよ』
春香(でも、すっごく)
春香(すっごく……!)
『だから、このライブがすっごく楽しみなの!』
『竜宮小町が、来るまで!』
―――――― 空見上げ 手をつなごう...♪
春香(だめ……)
春香(だめ、だよ……!)
春香(楽しかったときのことなんて、思い出し、ちゃ、いけない、のにっ……!)ぽろっ
――――――この空はつながってる...♪
春香(……だめ、だよ、みんな)
春香(だって、私、置いていかれちゃったんだもん)
春香(今戻っても、きっと私の『みんなで楽しく』が足を引っ張っちゃう)
―――――― 世界中の手をとり The world is all one!!...♪
春香(……みんな、優しいから)
春香(千早ちゃんが、私のためにアメリカへ行くのをやめちゃいそうになったみたいに)
春香(私のワガママが、重荷になっちゃう)
――――――The world is all one!! Unity mind!! ...♪
春香(それだけは、私、嫌だもん)
春香(だから、だめ、だよっ……!)ぽろ、ぽろっ
ワァァァァァァッ!!!
~病室~
P(春香……。それは違うぞ)
P(みんなの表情、よく見てみろ)
P(今のみんな、すっごく、楽しそうじゃないか)
~・~
『さあ、いよいよ結果発表です!』
『今年も大きな盛り上がりを見せた『live×alive』!』
『優勝は……!』
『765プロオールスターの皆さんです!!』
ワァァァァァァッ!!!
ウオオオォォォォッ!!!
司会「皆さん、優勝おめでとうございます!」
一同「ありがとうございます!」
司会「いやあ、素晴らしいステージでした。流石今ノリにノっている765プロですね! 今どんなお気持ちですか?」
真「とっっっても嬉しいです!!」
貴音「支えてくださった方々に、心からの感謝を申し上げたい思いです」
春香(ありがとう、みんな。私からも、お礼を言いたいくらい)
春香(スゴイよ。本当にスゴイ)
春香(……でも私はもう、そこへは行けない)
春香(間違っているのは、私のほうだから)
春香(戻るわけには、いかない)
司会「さあ! 優勝した765プロには、特設ステージで最後にもう一曲披露してもらうことになっています!」
ワァァァァァァッ!!!
司会「何でもテレビでは初めて歌う曲とのことですが、どんな曲なのかお聞きしてもいいですか?」
千早「はい。実はこの曲は、私たちの曲ではないんです」
司会「765プロのみなさんでは、ない?」
春香(千早ちゃんが見せたかったものって、これだよね)
春香(私、ちゃんと受け取ったよ。だから)
千早「はい。私たちみんなが尊敬する、ある人の曲」
千早「それを今日は、この場を借りて私たちみんなで歌わせてもらおうと思います」
司会「なるほど。では今年度の『live×alive』、765プロのみなさんのこの曲でお別れです!」
春香(さよなら、みんな)そっ
>>90修正
司会「何でもテレビでは初めて歌う曲とのことですが、どんな曲なのかお聞きしてもいいですか?」
千早「はい。実はこの曲は、私たちの曲ではないんです」
司会「765プロのみなさんでは、ない?」
春香(千早ちゃんが見せたかったものって、これだよね)
春香(私、ちゃんと受け取ったよ。だから)
千早「はい。私たちみんなが尊敬する、ある人の曲」
千早「それを今日は、この場を借りて私たちみんなで歌わせてもらおうと思います」
司会「なるほど。では今年度の『live×alive』、765プロのみなさんのこの曲でお別れです!」
春香(さよなら、みんな)そっ
千早「世界中の、夢を持っている人。その人たちに光を与えたい」
千早「私たちアイドルだけでない、765プロ全員の、そんな気持ちをこめて歌います。―――聴いてください」
―――――― 今輝く一番星 ひとつ夢を願った...♪
―――――― だけど今日もまた 終わってゆく...♪
♪♪...光...♪♪
春香(……!)
春香(こ、れ、って)
春香(もし、かして、小鳥さん、の……)
―――――― ただ自分でいたいのに...♪
春香(いや、だ…… いやだよっ……)
―――――― ただ笑っていたいのに...♪
春香(私、みんなに、置いていかれちゃったのに)
―――――― だけど成れなくて...♪
春香(楽しいとか、みんなで、とか、忘れなきゃ、いけない、のに)
―――――― もう出来なくて...♪
春香(どう、して、いまさら、こんな、うたっ……)
―――――― 落ちる涙...♪
小鳥「……」
高木「……本当に、よかったのかい?」
小鳥「社長。……ええ、いいんです」
高木「しかし、あの曲は」
小鳥「……いいんです。私にとって、今一番大切なのはあの子たち。それだけは、はっきりしていますから」
高木「そうかい」
小鳥「はい。……私たちの、大事な大事な、『夢の先』」
高木「……うむ、そうだね」
小鳥「ふふっ、社長こそ、良かったんですか?」
高木「何の話だい?」
小鳥「順一朗さん……。会長のコネまで引っ張り出して。スケジュール調整、相当苦労なさったんでしょう?」
高木「まあ、たまには若い頃のことを思い出すのも、悪くはないからねえ。はっはっは」
小鳥「またまた。まだまだ社長もお若いですよ」
高木「そうかい? 嬉しいことを言ってくれるじゃあないか」
高木「……しかし、海外を点々としているとは聞いているが、今頃どこをほっつき歩いているのか」
小鳥「分かりませんね。きっとどこにいても、楽しく過ごしていると思いますけど」くす
高木「うむ。違いない」
高木「……まあ、きっとあいつがこの場にいても同じことをしただろうからね」
小鳥「ええ。そうかも、しれません」
高木「間違いないさ。よく言うだろう? 『子どもは夢を見るもの』。そして」
小鳥「……『大人は夢を魅せるもの』ですか。ふふっ、そうですね」
高木「ああ。見たまえ。見ているだけで浮かび上がってくるようじゃないか。輝きの向こう側が」
高木「今は、あの子たちの時間だよ」
―――――― どうか負けないで...♪
―――――― 自分を信じて 大丈夫だから...♪
春香(わたし、どうしたら)
春香(どうしたら、いいの? なにが、ただしい、の?)
―――――― どうか止めないで...♪
―――――― 夢が朝になっても 覚めないなら...♪
春香(たのしんで、いいのかな)
春香(じぶんを、しんじて、いいのかな)
春香(たのしく、あいどる、つづけて……。いいの、かな……)
―――――― 明日を迎えに いってらっしゃい...♪
『春香はワガママだよ』
春香(っ!)
―――――― 光り輝け...♪
―――――― みんなひとりひとつの光を...♪
『春香、無理言わないで』
春香(っ!!!)
―――――― 光り輝け...♪
―――――― あなたらしいあなたのその光を...♪
春香(わたし……。わたしっ……!)
春香(わかん、ないっ……!)
―――――― 愛してるから...♪
春香(なにをしんじたら、いい、のかっ……!)
春香(どうしたらいいのか、もう、わかんない、よぉっ……!)ぽろ、ぽろっ
夢が朝になっても 覚めないなら...♪
明日を迎えに いってらっしゃい...♪
~・~
律子「みんな、お疲れ様。……最高の出来だったわよ」
真美「ほんと、りっちゃん!?」
律子「ええ。あのスケジュールの中で、よく頑張ったわ」
亜美「はるるん、見てくれたかなぁ……」
あずさ「ええ、きっと」
伊織「当然よ! もしこれで見てませんでしたーなんて言ったら、承知しないんだから!」
雪歩「い、伊織ちゃん……」
真「でも、やってみて分かったね。やっぱり、ボクたち」
真美「うん、はるるんの居ないステージは」
亜美「なんか、物足りないよねっ!」
美希「ミキも。……すっごく大事なピースが、欠けちゃってる気がするの」
律子「……ええ。本当に」
響「それじゃああとは、『優勝賞品』の方だな!」
あずさ「そうね。場所はやっぱり……」
貴音「わたくしたちの家でもある、あの場所が一番ふさわしいでしょう」
やよい「きっと春香さん、元気になってくれますよねっ!」
千早(……私たちにできることは、これで、ほぼ全て)
千早(あとは、春香。あなたが、もう一度……)
~翌日 春香・自室~
春香「……」
春香「……」
春香「……」
春香「……」
春香「……」
春香「……」
春香「……」
春香「……」
春香「……」
春香「……」
春香「……」
春香「……」
春香「……」
春香「……」
春香「……」
春香「……」
春香「……」
春香「……」
春香「……」
こんこん
「春香、今日も出かけないの?」
春香「……」
春香「……」
「家に居るんだったら、おつかいに行ってきてくれない?」
「……少し、外の空気でも吸ってきたら?」
春香「……」
春香「……」
春香「……」
春香「……」
春香「……」
『いってらっしゃい』
春香「…………!」
春香「……」
春香「……」
春香「……うん」
~・~
律子「それにしても、まさか本当に優勝しちゃうなんて……。まだ信じられないわ」
あずさ「うふふ。みんな、とっても頑張りましたから」
千早「ええ。……でも、きっとそれだけじゃないと思います」
千早「春香が、優勝させてくれた」
雪歩「えっ?」
響「どういうことだ、千早?」
千早「……春香の、想い」
千早「ずっと。……ずっと、春香はみんなで練習をしようと言い続けていたでしょう?」
やよい「は、はい」
千早「結局、あのときの私たちはその呼びかけに答えることはできなかったけれど」
千早「みんな個人練習を欠かすことはなかったと思うの」
千早「……そして他のみんなとステージに立つイメージも、ずっと持ち続けていたと思うの」
響「……。確かに」
千早「……それは、春香が諦めずに、みんなに呼びかけ続けていたからこそ」
千早「だからこそ、充分とはいえないかもしれない練習時間でも、私たちはあれだけ息の合ったパフォーマンスをすることができた」
千早「春香の言葉が、あったから」
千早「……春香が」
千早「……春香が、私たちを繋ぎとめてくれた」
雪歩「千早ちゃん……」
真「それは違うよ、千早」
真美「なーに言ってるのさ、千早お姉ちゃん!」にっ
亜美「そんなわけないっしょ→?」にっ
千早「……え?」
貴音「もう忘れてしまったのですか、千早?」
伊織「ほんと、しょうがないわねえ。あんたが自分で言ったんじゃない。ねえあずさ?」
あずさ「ええ。『これは、私の願いなの』って、ね?」
千早「……!?」
真「ボク、とっても嬉しかったんだ。千早がボクたちのこと、家族って言ってくれて」
雪歩「ちょ、ちょっとだけ。ほんのちょっとだけ……。昔の千早ちゃん、私たちに壁を作ってる感じだったから」
千早「……!」
響「でも、そんな千早が、自分たちを信じてくれた」
やよい「力を貸して欲しい、って言ってくれましたよね!」
真「だからさ。ボクたち、そのためにも絶対優勝したかったんだ。千早の想いが伝わったから、最後まで頑張れた」
美希「春香だけじゃなくって、春香と、千早さん。それから、みんなの気持ちがこれだけ詰まってたんだもん。……優勝しなきゃ、ウソだよ」
千早「……みんな」
\765プロさん、こちら準備できましたー!/
やよい「あ、準備できたみたいですー!」
響「よぉし。じゃあ、せっかく勝ち取った『優勝賞品』だし」
あずさ「ええ。私たちみーんなで」
真「ボクたちの想いを、伝えて!」
貴音「いつでも、帰って来られるように」
千早「……名前を、呼んであげましょう」
一同「うんっ!」
~・~
『765プロALL STARS ライブへ向け意気込みを語る!』
伊織「と、いうわけで?」
一同「『765プロNEW YEAR LIVE』よろしくお願いしまーす!」
あずさ「みなさーん? 見に来てくださいね~?」
貴音「最高のパフォーマンスをお届けできるよう」
やよい「みんなで力いっぱいがんばりますー!」
真美「……って、あれあれ~?」
亜美「誰かひとり、足りませ→んなっ?」
「「「ふふふっ」」」
「「「えへへへっ」」」
(行くわよ?)
(うん!)
(せー)
(のっ!!!)
おわり
映画の公開が待ちきれない人の、こんな物語があったりしたのかなぁ、という妄想
いろんな意味で時系列に疑問符がつく方もいると思いますが脳内補完でお願いします
映画アイマス「THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!」は1/25(土)~全国ロードショー
アニマス再放送はバンダイチャンネルにて毎週金曜日24:00~順次ライブ配信です
今週は映画直前ということで25,26話の一挙放送なので興味のある方はお見逃し無く
久しぶりのss投下でしたので、至らない点などございましたらすみません
少しでもお付き合いいただいた方は本当にありがとうございました
html依頼出してきます
乙
乙
映画楽しみだなー
乙
すごくすごく良いSSでした
ちょうどアニマス一気見したところだったので、もしあの話の裏でこんなことがあったら…と想像するともう……
とってもいいもん見させてもらいました、ありがとう
乙したー
今から映画見てくるわ
乙乙
よかった
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません