※注意書き
・アイドルは死にません。
・アナスタシアはアーニャで表記してます。
・番組の中でやってると言う特徴も理解した上で読み進めるとGoodです。
・一応推理物です。基本的に余計な要素を出さないように淡々と進んだり進まなかったりします。
・場所的なものはロンパとかインシテミル的なものです。死人は出ませんけども。
・初めて推理物のSSを書くので至らない点があるかもですがよろしくお願いします。
・でも一生懸命考えましたので見て頂けたら幸いです。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1389968815
登場人物(12人)
渋谷凛
http://i.imgur.com/KnO62G3.jpg
本田未央
http://i.imgur.com/24ToKtU.jpg
島村卯月
http://i.imgur.com/7yFoWnN.jpg
北条加蓮
http://i.imgur.com/BVV1sJX.jpg
神谷奈緒
http://i.imgur.com/Y7AGuV6.jpg
小日向美穂
http://i.imgur.com/Keeu1dW.jpg
緒方智絵里
http://i.imgur.com/oxQeOMN.jpg
高森藍子
http://i.imgur.com/1kSEPoG.jpg
日野茜
http://i.imgur.com/eSYtjBS.jpg
アナスタシア
http://i.imgur.com/scNK63P.jpg
城ヶ崎美嘉
http://i.imgur.com/ajNsapi.jpg
前川みく
http://i.imgur.com/xd1sy9d.jpg
・・・・・・事務所・・・・・・
ちひろ「ふーん、ふーん♪ふふーん♪」
P「ちひろさんご機嫌ですね?」
ちひろ「あ、わかります?」
P「何があったんですか?」
ちひろ「ほら、見て下さい!Pさんの前に出してた企画が通った事を知らせる通知が来たんですよ!」
P「ホントですか!?」
ちひろ「ええ! じゃあとりあえず出演予定のアイドルの子達を呼んできますね!」
ガヤガヤ……
凛「なんで呼び出せれたんだろうね?」
加蓮「収録か何かの打ち合わせかな?」
奈緒「結構人数多いな…」
卯月「12人も居ますね!」
美穂「この人数って事は…エキストラとかでの参加かなぁ?」
智絵里「それにしては有名な人が多いような…」
未央「チームでの参加かもね!」
茜「となるとクイズ番組ですか!! ランナー役は任せてください!!」
藍子「走る必要は無いような…」
みく「このメンバーだとみく仲間はずれじゃないかにゃ」
アーニャ「ヤー、みく、私が居ます」
美嘉「それにしても、何だろうね?」
ガラッ
ちひろ「皆さん揃ってますね!」
アイドル達「!」
ちひろ「それでは来週から皆さんには殺し合いをして貰います!!」
アイドル達「!?」
凛「え?どういうこと?」
奈緒「バトルロワイヤルみたいなもんか?」
未央「説明をよーきゅーする!」
ちひろ「ええと…はい、とりあえず企画資料を渡しておきますね!」
ちひろ「まあ、奈緒ちゃんだけに分かるように言うとダンガンロンパ的な場所で探偵ごっこや犯人ごっこしてもらうってだけです」
奈緒「なんで私だけなんだよ!?」
ちひろ「まあ、詳しい説明は来週予定のの番組中にでもしますのでお楽しみに!」
・・・・・・一週間後 ロケ地・・・・・・
ちひろ「はい!ではやってまいりましたこのロケ地!」
凛「外見を見ると、ただの4階建ての建物だね」
卯月「まあ、1階から4階まであるのは分かりますね!」
ちひろ「厳密には軽い崖みたいな場所に建てられてるので地下1階から3階ですけどね」
藍子「ああ、片側が土に埋まってますからね…」
ちひろ「まあともあれ、一階の簡易見取り図を渡しておきますね」
http://i.imgur.com/h6SeF3m.png
ちひろ「あと、階段はありますけどまだ2階には行けません!」
ちひろ「これは日とかが進む度に解放されるようになってます!」
ちひろ「えー、ではルールを説明させてもらいますね」
ちひろ「ルールは以下の通りです」
・これから1週間この建物で生活して貰います。
・それぞれ皆さんの個室には一つ凶器が備え付けられています。
(凶器は一日毎に変わります)
・一日毎にそれぞれに犯人とそれ以外の一般人という役割を与えられます。
役割は個室にあるパソコンで確認できます。(一度読んだら自動削除されるので注意!)
・犯人となった人は、その日以内に誰かを殺さなくてはいけません。
・殺人に使う道具は外部から持ち込んだものを使用してはいけません
(例)外から持ち込んだボールペンで刺殺、
外から持ち込んだ糸と針で密室を作る…等
・殺された人は番組から退場となります。
・殺人が起こった場合それぞれで現場などを調査し犯人を推理して下さい。
・そして全員で最終的にこれだ!と思う推理を一つだけ決めて下さい。
※推理には犯人の名前、殺人トリックの2つが必要です。
・推理が正解していた場合は犯人は退場、失敗の場合は犯人は番組に残ります。
・当然ですが番組ですので、本当に殺人をするわけではありません。
用意されている凶器はなまくらナイフやゴムハンマー等で、
ナイフで切りつけるフリさえすればナイフで斬殺した事になります
・また、死体の状態を忠実に再現するために、殺害された人は人形に置き換わります。
・ルールは適時追加されます
ちひろ「…というルールです何か質問はありますか?」
アーニャ「ダー、一つ、質問があります。この…死体が、人形に変わるというのは?」
ちひろ「それはですね…殺された人にいつまでも死体のフリをして貰うわけにはいかないのと」
ちひろ「書いてある通り死体を忠実に再現する為ですよ」
ちひろ「例えば首から上が無くなった人の再現をするために死体のフリをしてる人の首をマジで飛ばす訳には行けませんから、人形の首を飛ばして再現する…といった手法です。」
ちひろ「この説明で分かりましたかね?」
アーニャ「ダー、おおよそ理解しました」
期待
ちひろ「えー、では他に質問が無いようなので!早速番組開始です!」
ちひろ「まあ、積もる話とかあるかもしれませんが、いの一番に自分の部屋で役割(犯人かどうか)確認して下さいね!」
アイドル達「はーい!」
ちひろ「じゃあ個室の鍵を渡していきますね」
ちひろ「あ、あと最後に……」
ちひろ「犯人役だろうと被害者役だろうと芸能人なんですから演じきって下さいね!」
ちひろ「犯人役はしっかりトリックを組んで、追いつめられても最後まで全力であがいて下さい!」
ちひろ「被害者もさっさと諦めて殺されたりせず頑張って逃げて下さいね!」
13:00 凛 個室
凛「…これが私の部屋かぁ」
ホテルの一室の様な個室で殺風景だがベッドと机にクローゼット、それからテレビとパソコンと金庫(?)がある。
しかし、一般的なホテルと違い、トイレとバスルームは付いていない
凛「他の皆も同じような部屋なのかな」
凛「…まあ、気になる所だけど今は何より役割確認しなきゃね、パソコンをつけてっと」カチカチ
凛「あれ?つかない?」
凛「あ、鍵をドアの所にあるホルダーに入れないと電気が通らないんだ」
自室の鍵をホルダーに収める。するとそれに連動してPCがついた
画面いっぱいに文字が映し出される。
≪あなたは「一般人」です≫
凛「……ふぅ、とりあえず犯人はゴメンだからこれで良いのかな」
凛「一応この部屋の中でクローゼットは見てないから中身を確認しておこうかな」
凛「持ってきた服もしまわなきゃいけないしね」ガラッ
凛「あ、もう何着か服が入って……」
凛「……なにこれ」
クローゼットの中には「働いたら負け」、「もばます」、「さあ、残していこうか私たちの足跡」と書かれたTシャツ数点とジャージが入っていた
凛「着替えを忘れた人用なのかもしれないけどこれはダサ過ぎるでしょ…」
凛「まあでも、忘れた人の自業自得か…」
凛「あとは、金庫を見ないと…」ガチャ
金庫を開けると、そこには黒い拳銃が入っていた。
凛「…ああ、これがちひろさんの言っていた備え付けの凶器ってやつみたいだね」
凛「これで大体部屋は調べ終わったかな」
13:30分 個室前
未央「あ、しぶりん!役割どうだった?」
凛「一般人だよ…って言っても犯人だったら偽るでしょ」
未央「まあそれもそうなんだけどね」
凛「未央は凶器は確認した?」
未央「うん!私はナイフが入ってた!」
凛「またベタな凶器だね…」
未央「まあ、おたまとか鍋の蓋とか奇を衒ったものが入ってるよりマシじゃない?」
凛「まあ、それはそうなんだけど」
未央「それにどうせ私は今日は使う機会ないみたいだし…」
凛「あ、やっぱり未央も一般人だったんだ」
未央「当然!」
13:40 個室前
未央「しまむー遅いねー」
凛「うーん…荷物多めに持ってきてたからこんなもんじゃないかな?」
未央「ちょっと部屋に突撃してみようよ!」
凛「そうだね、とりあえずインターホン鳴らしてみよっか」
ピンポーン!
ガチャ
卯月「は、はい!どちらさまでしょうか…って凛ちゃんと未央ちゃん!?」
未央「遊びに来たよ!」
凛「ちょっとおじゃましてもいいかな?」
卯月「大丈夫ですよ!ただ、荷物を片づけるのにもうちょっとかかるから部屋で寛いでて貰って良いですか?」
凛「うん、わかった」
未央「おじゃましまーす!」
13:40 卯月の部屋
未央「大体私の部屋と同じだね!ベットに机にクローゼット…とか」
卯月「あ、やっぱり部屋の間取りとかは同じなんですね」
凛「ただ、一つだけ大きく違うのは…窓かな」
一番壁側の部屋であるせいか天井付近の壁に小さな窓がついている
と言っても本当に小さい窓で、人が出入りできるものではない
卯月「あ、そっか…凛ちゃん達は中の方に部屋があるから窓が無いんだ…」
14:00 卯月の部屋
卯月「よしっ、片付け終わりました!」
未央「お疲れー!」
卯月「それじゃあこれからどうします?」
未央「それは勿論探検でしょ!この建物の中詳しく調べなきゃ!」
凛「まあ、未央の言う通りだね」
卯月「それじゃあ行きましょう!」
同時刻 脱衣所
美嘉「あ、凛に卯月に未央じゃん やっほー★」
卯月「あ、美嘉ちゃんこんにちは!」
凛「美嘉も建物を調べてる所?」
美嘉「まあね、やっぱり犯人側にしても一般人側にしても調べとくのは良い事だからね」
未央「それで何か分かった事はある?」
美嘉「見て分かるけど、とりわけ普通の脱衣所だねー」
美嘉「衣服入れがあって、洗濯機、乾燥機があって…洗面台にドライヤーに体重計とかその程度」
凛「温泉とかにある普通の脱衣所だね」
美嘉「そんな感じ★」
卯月「私たちも調べて回りましたけど至って普通の脱衣所ですね」
凛「そうみたいだね」
未央「それじゃあお風呂に行ってみよう!」
美嘉「あ、私は別の所行くからサヨナラだね」
凛「ん、わかった。バイバイ」
美嘉「バイバーイ★」
14:20 お風呂
みく「あ、凛ちゃん達」
アーニャ「プリヴェート…みなさん、こんにちは」
未央「みくにゃんアーニャちゃんこんにちは!」
みく「凛ちゃん達も捜査中かにゃ?」
凛「うん、そんな所だね… 何かあった?」
みく「御覧の通りただのお風呂にゃ」
アーニャ「シャワーに、お風呂、それからサウナ、といった所でしょうか」
卯月「普通のお風呂ですね!」
凛「確かにとりわけ目立った所は見つからないね」
凛「うん…変な仕掛けも見当たらないし、次にいこっか」
期待
14:30 食堂
食堂は壁側であるせいで珍しく窓があり、日の光が差し込んでいる
卯月「ここも普通に食堂ですね」
未央「4人掛けのテーブルが3つ…12人全員が座れるようになってるね」
凛「…まあ、茜ちゃんが居る事とその横で藍子ちゃんがへばってる事を除いたら普通の食堂だね」
茜「いい汗かきました!!」
藍子「なんで…ウサギ跳びで調査…なんで…?」ゼェゼェ
未央「えーと…藍子ちゃん、なんか特別な所とかあった?」
藍子「特に…なにも…」ゼェゼェ
凛「今聞くのは可哀相だから茜ちゃんに聞こうよ…」
茜「特に何もありませんでした!!」
卯月「藍子ちゃん完全にくたびれ儲けじゃないですか…」
14:40 調理場
卯月「あっ 美穂ちゃんに智絵里ちゃん!」
美穂「あっ卯月ちゃんこんにちは!」
智絵里「あ、えと…こんにちはです」
未央「どう?この調理場、何かあった?」
美穂「えっと…ここはそのまま台所ですね」
美穂「流し台に、食器棚、冷蔵庫ってところですね」
智絵里「あ、あと…食器棚には包丁やフライ返しにおたま…箸、フォークにスプーン等々も入ってました」
未央「おー!ようやく包丁とかそれっぽい物が出てきた!」
智絵里「あと、調味料は砂糖や塩、酢、醤油、みそは勿論、ケチャップやマヨネーズ、ドレッシング…果てには食紅まで色々あるんですけど…」
卯月「けど?」
智絵里「食材の方は…冷蔵庫にはお魚と挽き肉、お米と、少しばかりの野菜しかありませんでした…」
美穂「焼き魚とかのレシピがわざとらしく置いてあったから…多分今日はこれを作れって事かもしれないです」
卯月「皆で作れって事かな?」
卯月「見て回りましたけど確かにただの調理場ですね」
未央「でも、凶器があったりするから他と比べると特別な感じがするね!」
凛「後調べてないのは…トイレくらいか」
卯月「特別な仕掛けがしてあるようには思えませんけど一応行ってみましょう!」
14:50 トイレ
奈緒「お、凛じゃん」
加蓮「先に言っておくけど、トイレも特に普通だったよ」
未央「何も言ってないのに先に言われた!?」
凛「まあ、そうだろうね」
卯月「これまでからして特別なしかけを持ってくるとは考えづらいですしね」
奈緒「ホントにただの女子トイレだったぜ」
凛「私たちもざっと見たけど普通に女子トイレだね」
卯月「これで大体全部見て回りましたね」
未央「建物にまつわる伝承とか、特別な武器とかは無かったねー」
ガチャ
美嘉「あ、いたいた」
凛「美嘉?」
美嘉「なんか今後の方針について話し合うらしいから、食堂に集まって! だって★」
卯月「他にする事もありませんし、行きましょうか」
未央「そうだね!」
15:00 食堂
ガヤガヤ
美穂「ええと…皆さん集まりましたね」
アーニャ「ダー、12人全員いますね」
みく「話って何にゃ?」
藍子「今後の方針を話し合っておきべきだと思って」
加蓮「今後の方針?」
美穂「はい! どうやらご飯は自分で作らなきゃいけないみたいで…」
美穂「そこで、食事を作る当番を決めようと思うんです」
藍子「最初の当番はいいだしっぺの私と美穂ちゃんがやりますね!」
・・・・・・
・・・
藍子「じゃあ大体当番は決まりましたね」
美穂「一応私たちから言う事は以上です! 誰か他に何かありますか?」
シーン…
藍子「えっと、じゃあないみたいなんで解散で…」
15:30 個室前
卯月「大体やる事無くなっちゃいましたね」
凛「これからどうする?」
未央「あ、じゃあ私トランプ持ってきたから私の部屋で遊ぼうよ!」
卯月「良いですね!」
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
未央「8切り!8切り!7渡し!アガリ!」
卯月「うぇぇ!?まだ行けると思ったのに…」
凛「大富豪やって時間も大分経ったね」
卯月「今の時刻は… 18時!? ものすごい経ちましたね」
<みなさーん! 夕食の準備が出来ましたよー!
未央「あ、藍子ちゃんの声だ」
凛「ごはんが出来たみたいだね」
卯月「じゃあ、食堂に行きましょうか」
18:00 食堂
ガヤガヤ・・・
美穂「今日のご飯は鮭の塩焼きですよ!」
みく「にゃ!?みくはお魚キライにゃ!」
藍子「大丈夫ですよ!少量ですが挽き肉もあったのでハンバーグも作っておきましたから」
みく「やったにゃ!」
未央「いただきまーす!」
卯月「おいしいですね!」
凛「うん、普通においしい」
・・・・・・
・・・
18:30 食堂
智絵里「お腹…いっぱいです」
美嘉「ごちそうさま★」
アーニャ「ボシディジャヌ…おいしかったです」
未央「みんな食べ終わったみたいだね」
藍子「あ、じゃあお皿を片付けますね」
美穂「あっ、じゃあ私も手伝いますね!」
藍子「ありがとう、えっと…じゃあ私がお皿を洗うから美穂ちゃんは食器をキッチンに持ってきたりテーブルを拭いたりして貰えるかな?」
美穂「わかりました!」
加蓮「あれ? 奈緒? 何処行くの?」
奈緒「ちょっと見たいアニメがあるから…自分の部屋で見てくる」
加蓮「ああ…そういえばそんな事言ってたね」
18:45 食堂
ガヤガヤ
美嘉「その時に莉嘉ったらカブトムシも一緒に持って来てたんだよね~」
アーニャ「それは…大変でしたね」
みく「んにゃあ…」モゾモゾ
美穂「テーブル吹くからちょっと失礼しますね」キュッキュッ
加蓮「あ、ごめんね」
卯月「ご飯は食べ終わったけど、なんとなく皆で食堂にたむろしてしまいますね」
未央「皆でおしゃべり出来るから楽しくて良いじゃん!」
凛「まあ…それもそうなんだけどね」
みく「ちょっとみくはお花を詰みにいってくるにゃ」ガタッ
智絵里「あ、いってらっしゃい…です」
19:00 食堂
藍子「ふう…お皿は全部洗い終わりましたよ」
美穂「テーブルの上もバッチリピカピカです!」
智絵里「あ、藍子さん、美穂ちゃんありがとうございました…」
未央「ありがとー!」
加蓮「…ねえ、皆」
アイドル達「?」
加蓮「みくがトイレから帰って来るの遅すぎないかな?」
アーニャ「確かに…遅いですね」
美嘉「そのまま部屋に帰っちゃったんじゃない?★」
加蓮「…一応見てくるね」ガチャ
卯月「まさか……」
凛「……」
加蓮「きゃあああああああああ!?」
凛「! 加蓮の悲鳴!?」
未央「…行こう!みんな!」
卯月「は、はい!」
タッタッタッタ・・・・・・
19:10 トイレ前
卯月「うわ…」
トイレの前には前川みくが横たわっており、その周辺は血で塗れていた。
その、血だまりの中に、どこかで見た覚えのある刃物が転がっていた…
未央「血のりなのは分かってるけど結構グロイね…」
ちひろ「はーい!みなさん!事件発生ですよ事件発生!」
全員「!?」
凛「え? 何でちひろさんがここに居るの?」
ちひろ「まあ、細かい事は気にしちゃいけませんよ!」
ちひろ「ともかく! 事件が発生しましたのでこれからどうするのかを教えに来ました!」
美嘉「確か犯人を推理するんだっけ?★」
ちひろ「まあ、そんな所です! とりあえずみくちゃん!ゆっくり立って貰える?」
みく「うにゃあ…血のりでベチャベチャにゃ…」
現場を荒らさないように死体役のみくがゆっくりと立ち上がる
ちひろ「で、そのみくちゃんのいた所を人形と入れ替えてっと」
みくの倒れていた場所に新品の等身大みくにゃん人形(?)が置かれる
ちひろ「はい!これで準備完了です!」
ちひろ「…今回は最初だったので説明ついでに私が出てきましたが、次回からは運営のみが使える秘密の抜け道やらなんやらから、基本的に死体は即座に人形に入れ変えられますので理解しておいて下さい」
ちひろ「そして、これから皆さんには自由に調査を行って貰い、推理によって犯人を探して貰います!」
ちひろ「直感で当てられては困りますので、犯人の名前はもちろん、殺人に使われたトリック等も当てて貰います」
ちひろ「最終的に全員の内過半数が支持するトリックを決めて貰います!」
ちひろ「一応長い事考えても良いですけど、出来れば日をまたぐ前に決めて下さいね」
ちひろ「あ、あとこの後メールで死体の詳細が送られますので確認しておいて下さい」
ちひろ「説明は以上です!じゃあ私はみくちゃんと一緒に退場しますので、分からない事があったら携帯なりで聞いて下さいね」
凛「…ちひろさんとみくは退場していったか」
未央「皆もそれぞれ死体の周りを調査をし始めてるね!」
ピピピピ
卯月「あ、メールが来ました」
・・・・・・・・・・
FROM ちひろ
死者 前川みく
死亡時刻 18:55分
死体の周りには血だまりが出来ており、
そのそばには包丁が落ちていた。
・・・・・・・・・・
凛「……なるほどね」
未央「死亡時刻は18:55分かぁ」
卯月「その時私たちはまだ食堂に居ましたよね」
未央「というか、ほとんど全員が食堂に残ってたよね」
凛「じゃあ、次は私たちも現場を調べてみようか」
未央「よし!気になる所を片っ端から調べるぞ!」
凛「うん、まずは死体付近を調べよう」
凛「まずはその肝心な死体だけど…」
みくのいた場所にはほぼ等身大と思われる新品の人形が置いてある
卯月「わ、肌とか人間の肌そっくりですよ!」
未央「さっきのみくにゃんと同じポーズで横たわってるね」
凛「そりゃあ…現場を再現するために置いてあるんだし形を崩す必要はないでしょ」
未央「そりゃそうだけどさ…」
卯月「次は血だまりを見てみましょう!」
人形の付近には大きな血だまりが出来ている
凛「血だまり自体は当然血のりだよね」
未央「それよりもほら!血だまりの中にあるアレ…」
血だまりの中に、刃物が落ちている
未央「あれって凶器だよね?」
卯月「うーんと…メールにも書いてありますけど、あれは包丁ですよね」
未央「どこかで見た事ある形してるなぁ…」
凛「たしかあれはキッチンにいくつかあった包丁だよ。」
卯月「ああ!確かにそうですね!通りでで見た事がある形をしてると思いました!」
卯月「大体こんなところですかね」
凛「まあ、何か引っかかる所があるけど、そうだね」
未央「次は本当に包丁が無くなってるか調理場にでも行ってみる?」
美嘉「その必要は無いんじゃない?★」
卯月「?」
未央「どういう事?」
美嘉「その前に…1,2,3……10 うん、まだ皆現場に居るね★」
美嘉「皆揃ってるから言うけど、これはもう犯人分かるっしょ」
茜「どういうことですか!!?」
美嘉「だってちひろさんからのメールに死亡時刻が18:55分って書かれてるじゃん?」
美嘉「その時私たちはほとんど食堂に居たから犯行不可能だけど…一人だけ食堂に居なかった人がいるよね★」
智絵里「えっと…それって…」
美嘉「そう、奈緒なら普通にみくを刺し殺せるよね」
奈緒「んなっ…!?」
茜「じゃあ犯人は奈緒ちゃんなんですか!!?」
奈緒「ち、違う!私はやってない!その時は私はテレビを見てたんだ!」
美嘉「でも、それを証明する事は出来ないよね?」
美嘉「それに、他の人には犯行時には食堂に居たから犯行は不可能なんだよ★」
美嘉「食堂に居る間、ドアを見てたけど出て行った人は奈緒とみくしか居なかったから★」
奈緒「そんな…私じゃない…信じて…」
アーニャ「……本当に、奈緒以外に、犯行は不可能…だったのでしょうか?」
美嘉「そりゃみんな食堂に居たから不可能でしょ?」
アーニャ「ニェート…犯行が可能だった人はもう一人います」
美嘉「へ? それって誰なの?」
アーニャ「ダー、それは藍子です」
藍子「わ、私ですか!?」
美嘉「もう一度言うけど、食事後、食堂のドアは奈緒とみくが出て行く時にしか開かなかったよ?★」
美嘉「それで誰が、みくを刺殺出来たのさ」
アーニャ「藍子は、食器を、洗う為にほとんど一人で、調理場に居ました」
アーニャ「これなら、こっそりと、調理場のドアから出てみくを刺殺できます」
藍子「そ、そんな!」
加蓮「確かに…それなら凶器に包丁が使われていたのも納得出来るね」
奈緒「ほ、ほら!私じゃないだろ!」
藍子「わ、私でもないですよ!」
藍子「そもそも、調理を始める前に包丁は1つ無くなっていたんです!そうですよね?美穂ちゃん?」
美穂「え、ああ!はい、そういえば包丁が一つなくなってる気がするって話を調理中にしてました!」
美穂「そうなると…奈緒ちゃんでも犯行が可能って事になりますよね」
奈緒「私じゃないってば!」
美穂「でも、藍子ちゃんにも犯行は可能であることには変わりないとも…」
藍子「私でもないです!」
美嘉「どっちもあり得るから…どうなんだろ?★」
アーニャ「あー、では、凶器を、食事前に、取りに行く時間が、あったかのか…アリバイを聞くのはどうでしょう?」
奈緒「う…私は、一人でいる時間が結構あったから…そこのアリバイも無いぞ」
藍子「私は食事当番でしたから…包丁も簡単に入手できてしまいますね」
アーニャ「あー、これでは、なんとも…」
美嘉「というか、かなり時間があったし凶器を入手出来ないアリバイがある人の方が少ないんじゃない?」
智絵里「うう…これじゃあ犯人は分からないです…」
卯月「ええと、犯人候補が割れましたね…」
未央「うーん、これはどっちが犯人でも筋が通る…?」
卯月「凛ちゃんはどっちだと思います?」
凛「……どちらかと言えば確率が高いのは藍子ちゃんだろうけど…」
未央「けど?」
凛「何かが引っかかるんだよね…」
卯月「何かって何ですか?」
凛「うーん…分からない…」
卯月「??」
未央「何か事件の手がかりになりそう?」
凛「…多分」
未央「うーん?」
未央「何かが引っかかってる?」
卯月「ええっと、引っかかりをほぐす為に、今日起こった事を整理してみませんか?」
卯月が偶々持っていた手帳とペンを取りだす
未央「整理?」
卯月「はい!今日の出来事をどんどん書きだしていって整理すれば凛ちゃんが何に引っかかってるのか分かるかもしれません!」
未央「お、なるほど! しぶりん、やってみる?」
凛「…うん、お願い」
卯月「ええと…まず、ここに到着してちひろさんからルール説明を受けましたね…」カキカキ
【番組のルール】
ちひろから受けた番組のルール説明
詳細は>>8
未央「それから、まず部屋に行って犯人かどうかを確認して…部屋を見て回って…」
卯月「でも私の部屋だけ人が通れない程度の窓がありましたね」
【個室の様子】
ホテルの一室の様な所、ベット、机、クローゼット、PC、凶器の入った金庫があった。卯月の部屋は壁側だった為か人が通れない程度の小さな窓があった。
未央「それでいろんな部屋を隅々まで見て行ったね」
【脱衣所の様子】
温泉とかにある様な普通の脱衣所、衣服入れ、洗濯機、乾燥機、洗面台、ドライヤー、体重計などがあった。
【お風呂の様子】
シャワーとお風呂にサウナがあった。普通の浴場
【食堂】
4人掛けのテーブルが4つある、壁に面している為に大きめの窓がある
【調理場】
食器、調味料、食材があった。調理時にここの包丁が一つ無くなっていた模様
【調味料】
塩、砂糖、醤油、酢、味噌、ケチャップ、マヨネーズ…果てには食紅まで揃っていた
【食材】
人数分ギリギリくらいしか無かった。近くにあったレシピから察するに、これを作れということだろうby小日向美穂
【トイレの様子】
普通の女子トイレ
卯月「一通り見て回ったら、藍子ちゃん達から呼び出しがかかって…」
【藍子、美穂からの呼びだし】
今後の食事当番を決めた。今日の当番は藍子と美穂だった
未央「で、やる事が無くなったから部屋で大富豪したんだよね」
【三人で大富豪】
ちゃんみおは勝ち負け度外視して革命を狙う派
卯月「それで、夕食の時間に呼び出されて…」
【みんなでごはん】
今日のご飯は鮭の塩焼き、前川みくだけハンバーグを食べた
【食後…】
食後、奈緒はアニメを身に18:30に部屋に帰った、藍子ちゃんは食器を洗い、美穂ちゃんは食器を運んだりテーブルを拭いたりした。前川みくは18:45頃トイレに行った。
未央「それで、加蓮ちゃんがみくにゃんを心配して呼びに行って死体を発見したんだよね」
【死体発見!?】
加蓮が第一発見者、死体の周りには血だまりが出来ており凶器の包丁も血だまりの中にあった。
卯月「あとちひろさんからルールの追加説明とか受けて…」
【ちひろ参上】
死体と人形を入れ替えに来た。それから推理時のルール説明もした
【チヒロファイル】
ちひろさんによると前川みくの死亡時刻は18:55分
未央「人形を改めた後、推理合戦が始まったね」
【等身大みくにゃん人形】
番組の為に新しく作ったのか新品の人形
【食堂のドアから出て行った人は居ない】
美嘉の証言より、前川みくと奈緒以外は食堂のドアから廊下へ出て行ってない
【犯人は奈緒!?】
前川みくの死亡時刻にアリバイが無い奈緒が疑われた
【犯人は藍子!?】
キッチンに居る事で誰にもばれずに廊下に出られた
【ほぼ誰でもキッチンで包丁を入手できた】
包丁を入手出来ないというアリバイの証明は出来なかった。
卯月「一日の総ざらいはこんな所ですね…」
凛「ありがと卯月、ちょっとこの手帳とにらめっこしてみるね」
未央「総ざらいしてみて思った事があるんだけど…」
藍子「な、なんですか?」
奈緒「何でも良いから言ってみてくれ!」
未央「えーと、食堂は人が出入りできるくらいの大きな窓があるからそこから外に出れば食堂のドアを使わずに外に出れるかなーって」
茜「窓から外に出たんですか! 盲点でした!!」
智絵里「ええと…でも、窓から出たら逆に目立つと思うんですけど…」
美嘉「確かにドアを見張ってたとは言ったけど…窓から出たら流石に気づくよ?★」
未央「ですよね!分かってました!」
奈緒「こうなったら凛だけが頼りだ…頼む凛!なんか閃いて!閃け!」
藍子「頑張って凛ちゃん!」
卯月「どうですか?」
凛「うーん、全部が有益な情報とは限らないから…というか未央が革命派とか完全に無駄な情報だけど…情報を取捨選択して見なおしてる所」
凛「でも、このどこかに何か引っかかる点…矛盾があるはず…」
凛「それは…どこだ…?」
凛「……見つけた」
奈緒「ホントか!? 何がおかしかったんだ?」
凛「その前に一応確認しておくね」
死体の人形の近くへ凛が寄り、現場の検証をする
凛「…うん、多分コレが違和感だったんだ」
藍子「なんですか?何があったんですか?」
凛「何もなかったよ、強いて言うなら何もないのがあったのかな」
奈緒藍子「??」
凛「まずは【番組のルール】にあった
『また、死体の状態を忠実に再現するために、殺害された人は人形に置き換わります。』
って部分なんだけど…コレがおかしいんだよね」
美嘉「へ?★ 何がおかしいの?」
凛「現場の状況を見るに…みくは刺殺されたみたいなのに、みくの等身大人形は新品同然なんだよね」
凛「さっき改めて見たけど…刺し傷、切り傷の類が無いんだよ」
卯月「それのどこが変なんですか?」
凛「『死体の状態を忠実に再現する為に人形と変える』って言ってるのに、『傷が再現されてない』のはおかしいってことだよ」
凛「更に言うなら、ちひろさんが来る前にもう血だまりがあった事もおかしいよね。人形によって現場が再現される前に血のりがあるなんて」
凛「つまりこれは、番組のルールを逆手に取った事件だったわけだね」
未央「ええ!? つまり……どうなるの? それ?」
凛「みくの身体に外傷が無いって事は、刺殺では無く…毒殺だろうね」
アーニャ「ヤグ…毒、ですか……そうなると、死体の意味も変わってきますね」
凛「そう、あの現場はちひろさんが作ったものじゃない…となると誰が?」
凛「決まってる、犯人による偽造によってつくられた現場だったんだよ!」
奈緒未央茜「な、なんだってー!!?」
凛「そして、多分毒は遅効性の毒だろうね、ご飯に混ぜられてたんだよ」
凛「食後にトイレに行く時に毒が効いて死んだんだろうね」
凛「だから…みくの死亡時間にアリバイがあった所で意味は無いんだよね」
奈緒「やった!私の容疑はこれで晴れるな!」
藍子「私のもですね!やりました!」
凛「そして、みくの死亡時から発見までに現場を偽造する必要があるから…」
凛「犯人はみくが死んでから皆に死体を発見されるまでに現場を偽造する必要があるね」
美嘉「えっとつまり?」
凛「それが出来たのは、奈緒と――」
奈緒「私の疑い晴れてねぇじゃねえかあぁぁぁ!!」
凛「藍子ちゃんと――」
藍子「私も晴れてなかった!?」
凛「第一発見者の加蓮、だね」
加蓮「……」
凛「この中で一番怪しいのは、アリバイを偽装できるメリットがある加蓮だよね」
加蓮「……面白い事を言うね、凛」
凛「そうかな? 筋は通ってると思うけど?」
加蓮「全然駄目だよ全然ね」
加蓮「まず、私がどうやって毒を盛ったのさ?」
加蓮「料理したのは藍子ちゃんと美穂ちゃんだよ?」
加蓮「だったら一番怪しいのは藍子ちゃんじゃないかな?」
卯月「確かにそうなると怪しいのは藍子ちゃんに…」
藍子「ええ!?」
未央「料理は藍子ちゃんと美穂ちゃんだけでやったんだよね?」
美穂「はい、間違いなく私と藍子ちゃんだけでやりました!」
卯月「そ、そうなると料理に毒を入れれたのは藍子ちゃんだけなんじゃ…」
加蓮「そういうこと、配膳だって藍子ちゃんがやったんだからさ、何かに毒を入れるにしても自分に毒料理が来るリスクがあるじゃん」
加蓮「だから、私と奈緒は毒を入れるなんて無理」
加蓮「あれ? じゃあ容疑者が一人になるね」
加蓮「つまり…この事件の犯人は藍子ちゃんで決まりでしょ」
藍子「そ、そんなぁ…」
凛「いや、まだだよ」
藍子「!」
凛「殺されたのはみく…魚嫌いで食べられないから料理はみんなとは別のメニューのハンバーグだった」
凛「そして…冷蔵庫の中には食事を作るのに最低限の物しか入ってなかった」
凛「ついでにこれを作れと言わんばかりのレシピが置いてあったし…」
凛「冷蔵庫の中には魚ばかりだったからひき肉を見て、みくだけ別メニューでハンバーグを作る事も予測できたはずだよ」
凛「だから、挽き肉に毒を仕込めば加蓮でも出来る犯行だった!」
加蓮「……っ、そんなに手の込んだ事をする必要があるのかな?」
凛「これだけ手の込んだ事をしたからここまで皆を撹乱で来たんじゃないかな?」
加蓮「……血のりは何処にあったのかな?」
凛「?」
加蓮「そう、番組ルールにあった」
・殺人に使う道具は外部から持ち込んだものを使用してはいけません
加蓮「これがあるってことは、凛の言った通り私が犯人として毒殺だったとしたら…」
加蓮「私の部屋にあった凶器は毒薬だよね?」
アーニャ「…?それが、どうしたんですか?」
加蓮「じゃあ血のりは何処から来たのかな?」
美嘉「??」
加蓮「だから…血のりは部屋の凶器箱に入ってたものなんじゃないかな?」
加蓮「そうすれば…えっと…毒薬は入って無かった事になるから…」
加蓮「外傷が残らないような打撃攻撃でみくを殺すしかなくて…えーっと…」
加蓮「あー…えーと…そうなると死亡時刻にアリバイが無い人の犯行になって…」
加蓮「現場を血のりと包丁を残す事で現場を撹乱しようとした…とか」
アーニャ「あー、…流石にそれは、苦しいのでは」
凛「うん、流石に苦しいよ。あと、奈緒はともかく武道派の藍子ちゃんは見たくないよ」
奈緒「私はともかくって何だおい」
加蓮「う、うるさい!とにかく!血のりについて説明して!」
凛「調理場にはケチャップにしろ食紅にしろあったんだから」
凛「ケチャップでなり片栗粉でとろみをつけた水に食紅で色を付けるとか…どうとでもなるよ」
美嘉「へぇ…」
加蓮「ぐ…」
凛「もう、終わりにしよう?加蓮」
加蓮「う、うう…」
凛「部屋にある凶器、見せて?」
凛「毒薬だったら、ビンゴだよね」
加蓮「確かに…、確かに私の部屋の凶器は毒薬だったよ」
加蓮「でも…まだ藍子ちゃんや奈緒が毒薬を持ってる可能性が…」
凛「それも苦しいよ加蓮、凶器がそう都合よく被ってるはずがないでしょ」
加蓮「う、ううう…」
藍子「あ、あの…スイマセン…私の部屋の凶器…毒薬でした」
卯月「えっ!?」
凛「えっ」
加蓮「えっ」
未央「今、加蓮ちゃん『えっ』って…」
加蓮「い、言ってないよ」
藍子「ど、どうしましょう…」
凛「おそらく、凶器は新品のビンが置いてあるだろうから…」
凛「ビンが開封されてるかどうかで判断できる!」ビシッ
加蓮「今度こそ…終わり…だね…」
藍子「スイマセン…興味本位で開封しちゃいました…」
未央「藍子ちゃーーーーーーん!!?」
卯月「何してるのーー!?」
凛「今、加蓮終わりって言ったよね」
加蓮「い、言ってない!」
加蓮「と、とにかくこれでまた分からなくなったはずだよ」
凛「……(正直、多数決で加蓮が犯人の推理が採用されるだろうけど…最後まで加蓮を犯人と断定出来るものを探してみよう)」
凛(加蓮が毒を入れる際や現場を偽装する際に何かしらの痕跡が残らないか考えてみよう)
凛(毒を入れる際には…挽き肉に毒を入れる際にラップをはがしたりしただろうけど…多分、もうラップは捨てられたりしてるよね)
凛(じゃあ、犯行現場を偽装した際には? 美嘉がすぐに現場で推理を開始したから…現場も加蓮もそのまま居たから何かしらが残っているはず)
凛(…現場で使用したのは血のりと包丁、血のりはビニール袋か何かに入れて持ち運ばなきゃいけないから…)
凛(血のり袋をポケットに隠しているはず!)
凛「加蓮、ポケットを見せて」
加蓮「ど、どうしたの?凛?急にそんな事を言って」
凛「加蓮がこの現場を作ったのなら、まだ血のり袋を処分できてないはず…」
凛「今の状況だとポケットぐらいしか隠せる場所が無いから…そこだよね」
加蓮「……」
凛「出さないの?出せないんだったら…」
加蓮「今度こそ私の負けだよ、凛」
凛「!」
加蓮「全部凛の言った通りの犯行だったよ」
凛「認めるんだね?」
加蓮「…うん」
<ピンポンピンポンピンポーン!!
ちひろ『正解!大正解です!! 今回の犯人は加蓮ちゃんでしたぁ!』
ちひろ「と、いうわけで犯人役の加蓮ちゃんには退場をお願いします!」
加蓮「あーあ、もっと居たかったな…初日で犯人になるなんて運が悪すぎるでしょ、私」
奈緒「加蓮…」
加蓮「でも、正直行けると思ったんだけどな…」
加蓮「凛には完敗だよ、私はこれで退場だけど…犯人サイドにしろ一般人サイドにしろこれから頑張ってね。それじゃ」
一日目 終了
残りメンバー 10人
とりあえず、一話目終了です。
また、書きため作業に戻ります。
感想やアドバイス、意見等は募集中です。
乙
乙
新鮮でいいね
事件パートと推理パート(今回の場合なら56と57の間)、日を別けて投下するとかどう?
そのあいだ外野に好き勝手に推測させて、翌日ハイ種明かし、的な
それはそうと…
みくは毒殺だというけど、本当に殺人をするわけじゃないとしたら
実際にはご飯に毒は盛られていないわけだよね? どうやって殺され役だとわかったんだ?
便所いった時にちひろから「ハイ死んだ! いまみくちゃん死んだよ!」とかいわれたのか?
それにもしみくが連れションしてたら加蓮は偽装工作できないよな
…いや、こりゃ野暮ってもんか
>>72
一応、後日おまけやらで解説するかもですが一応設定をちょろっと置いておきます
毒殺の場合はちひろからメールとか電話がかかって「死亡宣告」されます
あと、あくまでこれは番組でちひろは番組を面白くしようとするので
例えば「30分から2時間で効果が出る毒薬」があった場合
ちひろさんは時間を守った上で最もえげつないタイミングで「死亡宣告」ブチ込もうとしてきます。
犯人になった加蓮は其処ら辺をちひろさんに問い合わせた為に他の人より早く番組の仕組みを理解できたために今回の様な事が出来た…とかそんなのです。
まあ、もちろん偶然が重なれば偽装工作できずに終わる可能性は沢山あるんですが
乙、結構面白いな
追い詰められている時の加蓮から漂う残念臭…w
面白かったが
しまむらさん、敬語すぎね
もう少しくだけた喋りと敬語が混じり混じりだったような
面白い。 期待しております。
藍子の毒薬開封が一番予想外だったわ
加蓮がもっと狡猾だったら二転三転しただろうにww
藍子がいい感じにシリアスキャンセラーになってて良いな
今後、どうなるかすごい楽しみ
72後半の指摘は盲点だった。
これは出演者が、毒殺と理解した時点で誰かが指摘してもよい事柄だったと思う。
それと、被害者が絶対に行動しないような事以外は、犯人にとって都合の良い行動を取るのはお約束という事で…
ちょっとしたおまけ編を投下します。
本編の没ネタや本編書きための息抜きで書いたものを次回開始時まで不定期で投下していきます
地味にミステリは文字数かかるので…本編が書き溜まるまでに時間がかかるのです…
一話も机上の空論では4000字程度で書けるだろwとか思ってたら13000字かかるという不具合
一応来週までには投下開始する予定です。
また、一応、2話は事件と解決編を分けて投下する試みをやってみたいと思います。
おまけ編 本編の没ネタ
奈緒「ち、違う!私はやってない!その時は私はテレビを見てたんだ!」
美嘉「でも、それを証明する事は出来ないよね?」
加蓮「まって!テレビを見ていたならその内容を全部話す事が出来れば、テレビから離れなかった事を証明できるかもしれない!」
美嘉「なるほど★ で、その番組の名前は?」
奈緒「…えっと…その…」
美嘉「…やっぱり見てなかったの?」
奈緒「い、いや違う、番組はアニメで…タイトルは『魔法少女マジカルサウザンド』って奴だよ」
アーニャ「魔法?」
美嘉「少女!?」ガタッ
凛「美嘉、落ち着いて」
加蓮「で?その番組の中身は?」
奈緒「えっと…魔法少女プリティー…が…触……物に…って…そこに…」ボソボソ
茜「声が小さくて聞こえませんよ!! もっと大きな声で言って下さい!!」
美嘉「そうだよ、もっと詳しく」ズイッ
奈緒「分かったよ!言えば良いんだろ!!言えば!!」
奈緒「魔法少女プリティーチエが悪の組織の出した触手怪物に捕まってペロペロされたんだよ!!」
奈緒「そこに主人公の魔法少女マジカルチカが助けにきて、ペロペロされながらも2人で力を合わせて怪物をやっつけたんだよ!!」
凛「……」スススッ
奈緒「引くなよ!!こっちだって恥晒して喋ったんだよ!!」
奈緒「とにかく! 内容をしっかり喋ったんだ!私への疑いは晴れただろ!?」
美嘉「んー★」
加蓮「まあ…」
美嘉加蓮「正直そのアニメ知らないから分かんないや」
奈緒「ぶっ殺すぞお前ら!!」
智絵里「ひっ…殺すって…やっぱり奈緒さんが犯人なんだ…」
奈緒「あああ…違う!! 今のは言葉の綾で……もう!!」
なんでそんな時間にアウト過ぎる番組をやっているんだ…(困惑)
深夜42時アニメかな?
有料チャンネル・・・ではないよな?wwwwww
奈緒wwww
ボツでよかったな、TVで放送されたらずっと弄られる所だったねwwww
推理パートのノリが面白かったよ
スレタイに反して、湯けむり的なシーンがまだ無いな
これは今後に期待していいってことですよね?
事件と解決分けて投下すると無駄な雑談が増えて荒れるような気がするが…
推理したいなら各々が頭の中でしたらいいし
来ないか...
めんどくさくなったか
一応遅筆過ぎるのですが作成中です…
オチまで全部考えてはあるのですが、書き進める度に何か矛盾点が無いかとかを見なおしたり、ギャグや特徴を出す為にキャラを動かした結果ロジックエラーが起きて書き直したり…そこから更に不安になって一から見なおしたりで上手く進まないのです…完全に良い訳ですが…一応今日から明後日の間には投下出来ると思います…
1週間どころか2カ月もかかってしまい申し訳ない…
スレが落ちさえしなければ大丈夫よ
やっと完成した…
2、3日と言っておきながら一週間かかって申し訳ない…
これから投下します。
待ってた
二日目
ピピピピ
7:30 凛の個室
凛「ん…ふわぁ…」
凛「朝…7時か…」
凛「とりあえず役割を確認しなきゃ…」
≪あなたは一般人です≫
凛「今日も一般人か…今日の犯人は誰だろ」
未央「その言葉が渋谷凛の最後の言葉になるとは…この時に誰が予想できただろうか…」
凛「うわあああ!?」
未央「おっはー!しぶりん!」
凛「え? 未央?何でここに居るの?」
未央「ふふふ…それはね! じゃん!」
未央が懐から鍵を取り出す
凛「? 何これ?」
未央「なんか、こんな紙と一緒に私の部屋に置いてあったんだよね」
『あなたは特殊役職「館の主」になりました!
この役職に就いた方には同封の鍵が与えられます!
その鍵はこの館のほとんどの鍵を解錠できるようになっています。
ただし、この鍵は「館の主」しか使うことはできません
この役職も犯人と同じく日毎に変わります
また、館の主であるからと言って一般人であるとは限りません
この役職は事件の推理を行う前に全員に公開しなくてはなりません』
凛「なるほどね。要するにマスターキーって訳か」
未央「そうそう、だからしぶりんの部屋にも入って来れたんだ!」
凛「…無断で入って来るのは感心しないよ?」
未央「ごめん… じゃあ次しまむーの所突撃しよっか!」
凛(まるで反省してない…)
7:40 卯月の部屋
未央「普通にしまむーが起きてるとは…」
凛「良かったね卯月、さすが普通」
卯月「ありがとうございます…?」
卯月「ってそうじゃなくて! なんでここに居るんですか!?」
未央「えーと…朝起きたら…」
未央は卯月に朝起きてからの事をかいつまんで説明した。
卯月「はあ…新ルールですか」
未央「これ、犯人役が手に入れたらやりたい放題になるね」
凛「そうでもないと思うけど…」
未央「?」
凛「とにかく、これが本当にどこでも使えるのか試してみたいんだけど」
卯月「へ?でも凛ちゃんは未央ちゃんが私の部屋を空けるところ見てたんですよね?」
凛「そうだけど、部屋だけじゃなく他の場所でもちゃんと使えるのか確かめたいのと…」
凛「役職の説明文にある『ほとんどの鍵が~』って言うのが気になってね。これの意味が窓にあるクレセント錠とか鍵を必要としない錠だけは解錠出来ないのか、それとも、扉の中にも解錠出来ないものがあるのか…って」
未央「まあじゃあ試してみよっか!」
8:00
未央「とりあえず、トイレ、脱衣所、お風呂場、調理場、食堂の鍵は自由に開閉で来たね」
卯月「あとは調理場と食堂の間の扉の鍵だけですけど…」
ガチャリ、ガタガタ、ガチャ、ガラッ
未央「うん、普通に閉まるし開けれる」
茜「何してるんですか!!!?」ガラッ
凛「!」ビクッ
卯月「きゃあ!?」
未央「茜ちゃん!? 何してるの?」
美嘉「何って…皆の朝ごはん作りに来ただけだよ?★」
凛「ああ、今日の当番美嘉達だったね」
美嘉「で、結局何してたの?★」
未央「えーっと…とりあえず皆が来てから一斉に説明させて貰って良いかな?」
美嘉「? まあ確かに変な事あったし、皆で一斉に話し合った方が良いか」
茜「でも私気になります!!」
卯月「まあまあ、抜け駆けはいけないですし、皆揃ってから、ね?」
8:30 食堂
茜「今日の朝ごはんは食パンとゆで卵とコンソメスープですよ!」
美嘉「パンは各々ジャムなりバターなり塗ってね~★」
凛「普通…と言うか味気ない朝食だね」
美嘉「材料がそれしか無かったから…」
藍子「あの、食べながらでいいんですけど皆と話したい事があるんですけど」
卯月「なんですか?」
藍子「気づいてると思うんだけど、2階への階段が使えるようになってるんですよね。だから、この食事が終わったら皆で調査しに行こうと思って」
美穂「ああ!そういえば通行禁止の壁が無くなってましたね」
アーニャ「ダー、おそらく、寝ている間に、開通したのだと思われます」
未央「あれ?そうだったの?」
凛「扉の方に夢中で気付かなかったね」
奈緒「まあ、新しいエリアが増えたなら確認しない訳にはいかないよな」
智絵里「何があるんでしょうか…」
未央「あ、私からも言う事があるんだけど」
藍子「なんですか?」
未央「えっと、朝起きたらこんなのが枕元にあって…」
未央が特殊役職「館の主」とマスターキーについてみんなに話した
美嘉「また、ややこしいルールが…」
アーニャ「…」
アーニャ「これは、もし、館の主の人が、死んでしまったらどうなるのでしょう?」
未央「?」
アーニャ「ですから…例えば、ヴァンナ…お風呂の鍵を、マスターキーで閉じられた後、館の主が殺されたら、お風呂にはその日入れなくなってしまうということでしょうか?」
卯月「それは困りますね…」
ガチャ
ちひろ「ご心配には及びません!」
智絵里「!?」
凛「ちひろさん、いつも神出鬼没だね」
卯月「だんだん慣れてきました…」
ちひろ「えーと、アーニャちゃんが言ったような事があってはいけないので…」
ちひろ「館の主が殺された場合は、マスターキーは誰でも使えるようにします!」
美嘉「へぇ」
ちひろ「まあ、それよりこっちですこっち!」
ちひろ「はい、2階の簡易見取り図です。これを渡しに来ました」
// http://i.imgur.com/2aCp5U4.png
ちひろ「それではさようなら!」
美穂「行っちゃった…」
藍子「え、ええと…じゃあ、話を戻して…」
藍子「皆で2階の探索を10時に開始で良いですか?」
全員「はい!」
9:30 食堂前
凛「10時まで若干空きがあるね…2階はどうなってるんだろう」
卯月「2階は…見取り図だけ見ると、娯楽室みたいですね」
未央「ビデオルームに図書館…ここに閉じ込められてから事件が起こるまでの暇つぶしにはもってこいだね!」
卯月「早く行きたいですね」
凛「焦っても仕方ないよ、時間まで適当に準備を済ませておこう」
卯月「そうですね!」
未央「じゃあ、一旦解散で! 10時に階段前に集合で良いよね?」
凛「そうだね、それじゃあまた10時に」
10:00 1F 階段前
美穂「1、2・・・9、10、はい、全員そろってますね」
茜「うう~!早く行きたいです!!」
美嘉「まあ、そう焦んなくても…もうすぐじゃん」
茜「待ちきれません!」
奈緒「そうだぜ、早く行こうよ」
凛「珍しく乗り気だね?奈緒」
奈緒「べ、別にビデオルームに早く行きたいわけじゃないんだからな!」
凛「ああ…そういうことね」
藍子「それじゃあ、行きましょうか」
10:10 2F 廊下
アーニャ「とりあえず、2階に、来ましたが…」
智絵里「ろ、廊下にドリンクバーがあります…!」
未央「おー! すごいすごい! ジュースのだけじゃなくてコーヒーとか紅茶に…ポタージュまで種類がある!」
茜「お茶!お茶は無いんですか!」
未央「勿論あるよ!」
茜「やったーーー!!」
奈緒「ポップコーンメーカーまであるぞ!」
卯月「凄いですね!」
美嘉「娯楽施設って感じがするね★」
藍子「皆はしゃいでますね…無理もないですけど」
凛「結構楽しめそうだね」
美穂「えっと…、探索に移りたいと思うんですが…」
未央「おー!ポタージュがホントに出てきた!」
奈緒「ポップコーンも出来たぞ! 塩味だけしかないけど!」
茜「お茶がおいしいです!」
智絵里「~♪」ゴクゴク
凛「皆舞いあがってるから、個人個人での探索で良いんじゃないかな?」
美穂「そうですね!」
藍子「えっと…じゃあ私は図書館の方から調べようかな」
美穂「じゃあ私もそっちから行きますね」
美嘉「じゃあ私はビデオルームの方から★」
アーニャ「私も、ビディオ…ルームの方から、探索したいです。」
凛(一瞬言葉に詰まったように聞こえたけど、ロシア語でもビデオはビデオなのかな?)
卯月「えっと…じゃあバランス的に私は図書館に行きますね!」
10:30 ビデオルーム
凛「…暗いね」
美嘉「まあ、ビデオルームだし仕方ないんじゃない?★」
アーニャ「…当然ですけど、出入り口には、鍵をかけれますね」
美嘉「鍵をかけると言ったら…こっちの方もだね」
薄暗いビデオルームの中には個室が全部で4つ有る。
また、入口付近には棚がありDVDやBDが陳列されている。
凛「ビデオってよりはDVDルームだね。」
アーニャ「しかし…品数は、少ないですね」
凛「まあ、流石にレンタルビデオ店みたいな数にはならないか」
美嘉「じゃあ次は個室見てみよーよ★」
10:45 ビデオルーム 個室
大型のテレビが置いてあり、その下にはDVD/BRプレイヤーがある。
また、座る場所としてソファがあり、3人ほどで座れそうだ。
個室は中の光を遮光できるようになっている。
また、ヘッドフォンがいくつか備えられており、これで聞けと言う事だろう。
凛「…また、当然だけど個室には鍵がかけれるようになってるね」
アーニャ「マスターキーを、意識しているんでしょうね」
美嘉「個室の中は良い感じの雰囲気だね、早くここでDVD見たいな~★」
凛「…あ、薄暗くて見えなかったけど、個室に鍵がかかっているか外から分かるようになってるね」
美嘉「ん? あ、ホントだ中から鍵をかけるとトイレの鍵みたいに鍵の表示部分が青から赤にに変わるみたい」ガチャガチャ
アーニャ「ビデオルームは、こんなところ…ですね」
凛「じゃあ調べ終わったし廊下に出ようか」
11:00 2F 廊下
未央「ふんふん…なるほど」
奈緒「とりあえず調べたけど全自動だな」
智絵里「紙コップもホルダーから出さなきゃいけないですから…」
凛「みんな何してるの?」
未央「あ、しぶりん!」
茜「このドリンクバーに毒を入れたりできないのかを調査中です!」
美嘉「あー、前の事件が毒殺だったしね」
アーニャ「一応、警戒しておいて、損は無いと思います」
奈緒「でも、これ全自動でやってくれるみたいだから毒を入れる余地は無かったぞ」
未央「ポップコーンの奴なんか特に手出しできそうにないね」
智絵里「紙コップの方に細工をしようとしても…ホルダーから一度抜き取ったコップは元のホルダーに戻せないようになってるので…」
茜「誰かの使ったコップを使おうとしたり!すでに抜き取られているコップを使わない限りは!ドリンクバーを使用しての毒殺は無理だと思います!!」
凛「なるほどね」
アーニャ「クリューチ…鍵はどうですか?」
奈緒「鍵?」
アーニャ「ドリンクバーには、内容物を入れ替えたりする為に、鍵で開けて、中身の管理を、しているのを、見た事があります。」
美嘉「用は中身を鍵で開けれないか?って事だね」
未央「あー、一応それっぽい錠は有るんだけど…」
凛「けど?」
未央「錠の形がマスターキーの形と根本的に違うんだよね。」
未央「とりあえず、マスターキーでは開けられなかったよ」
アーニャ「分かりました。ありがとうございます」
美嘉「とりあえずドリンクバーに何か仕込むのは無理っぽいね」
凛「一応毒殺方法が無い事も無いんだけど…」
未央「へ?どんな方法?」
凛「例えば…映画を見てる時に皆の分も持ってくるとか言ってドリンクに毒を仕込むとか」
奈緒「あー…」
凛「まあ、ここら辺は毒殺が起こってから考えれば良いかな」
茜「起こらない事をかんがえててもしかたないですしね!」
凛「じゃあ、そろそろ行こうか」
未央「じゃあ私たちはビデオルームに行こうかな」
美嘉「それじゃあねー★」
11:20 図書館
藍子「……」
美穂「……」
図書館と呼ぶには小さいが、いくつかの本棚があり、
図書を読むスペースとであろう、奥の方に小さな個室が見られ
その手前に、3つの机と机に椅子が4つづつあった。
その内の一つの机で2人が読書に勤しんでいた。
凛「いやいや、何してるの2人とも…調査しないと駄目でしょ」
藍子「ハッ、す、すみません!ちょっと本に夢中になっちゃいまして」
美穂「ご、ごめんなさい!でもそんなに時間は…ってもうこんな時間!?」
アーニャ「藍子の、ゆるふわ空間に、巻き込まれましたね」
美嘉「藍子ちゃん付近の時間はゆっくり流れるからね~」
藍子「えっと…ごめんなさい…?」
凛「なんかもうここまで来ると超能力だよね」
アーニャ「藍子の、ゆるふわ空間を使った、アリバイトリックが出来そうですね」
藍子「さ、流石にそれは無いかと思うんですが…」
美嘉「まあ、そんなトリック使ったら視聴者大激怒だしね★」
凛「で、図書館の様子はどうだった?」
藍子「そうですね…まず一番奥の個室から話しますけど…」
藍子が個室の扉の鍵をガチャガチャと回して見せる
藍子「このようにまず個室の内側に鍵が取り付けられているんですが、錠の部分を見て貰えれば分かる通り…トイレの個室の鍵みたいに、個室が使用中なのか、空室なのかが分かるように、鍵がかかると錠の部分にある表示部分が赤と青で切り替わります。…あ、当然ですけど青が空室で赤が使用中ですね」
美穂「ただ、トイレの鍵と違うのは、外側に鍵穴がついている所ですね。多分ですけどマスターキーを使用すれば外からでも鍵を開閉する事が出来そうです」
藍子「個室の中は一人掛けの机と椅子、それから照明がありますね。 あと、扉は押して開ける蝶番を使っているタイプじゃなくて、横にスライドさせて開くタイプですね」
凛「見た感じビデオルームの個室と同じ扉と鍵だね」
アーニャ「しかし、ビデオルームと違い、個室は狭いですね」
美嘉「一人用ってカンジだね★」
美穂「それから、個室の手前に机と椅子4つのセットが3つ…つまり最大12人掛け出来る所が有るんですが、机と椅子は普通の物なのですが、各机の上にメモ帳と、文房具立てと、セロハンテープがあります」
藍子「文房具立ての中には、鉛筆、消しゴム、シャープペンシル、黒のボールペン、ハサミ、スティックのり、セロテープがあって見た所すべて新品ですね」
美嘉「文房具セットか… 欲を言えば修正液と鉛筆削りが欲しい所だね★」
アーニャ「鉛筆やボールペン等は、その気になれば、凶器として扱う事も、出来そうです」
凛「後は本棚について教えてくれる?」
藍子「はい!」
藍子「言うまでも無く、私たちが読んでいた本はこの図書館の物で、そこの棚から取り出して来ました」
美穂「凄い量の本ですが、図書館って言うには図書の数が少なく見えますね」
藍子「肝心の本は、小説が多めですけど、漫画やエッセイ、写真集なんかもありますね」
凛「漫画まであるの? …あ、ホントだ。コナンに金田一…ジョジョまである。奈緒が喜びそう」
アーニャ「小説の方もライトノベルもありますし、純文学もありますね。」
美嘉「でも、密室だの、なんとか殺人だの、事件簿だの…本の傾向はミステリ多めみたいだね」
藍子「これを読んでトリックを作れってことでしょうかね…?」
凛「うーん、2階の調査はこのくらいかな」
美嘉「まあ、大体見て回ったしね★」
藍子「私たちはまだ急いで色々見て回らなきゃいけませんね」
美穂「い、行きましょう!」
アーニャ「では、私たちは、解散でいいですか?」
凛「良いと思うよ。 ただ、昼食の時にでも未央に個室の鍵は開閉出来たか聞く必要があるだろうけど」
美嘉「それじゃあ解散で★」
12:00 凛の個室
凛「暇になっちゃったな…」
凛「まあでもあと30分もすれば昼食か」
凛「部屋でゴロゴロしてよ…」
未央「キングクリムゾン!!」ガチャ
卯月「おじゃましまーす」
奈緒「じゃまするぞー」
凛「うわぁ!?」
凛「って未央…マスターキー使っていきなり部屋に入って来るのやめてよ!」
未央「ごめんごめん!もう昼食の時間だから呼びに来ちゃった」
凛「ああ…もうそんな時間…もうそんな時間!?」
奈緒「そんなに慌ててどうしたんだよ?」
凛「いや、いくらなんでも時間が経つの早いと思って」
奈緒「まあ、ふと気づいたら予想以上に時間が立ってるってのは良くある事だろ?」
凛「いや、それはそうだけどそういうレベルじゃないって言うか…」
未央「あ、このキンクリは昼食まで特にする事が無かったから場面を飛ばしただけなので、トリック等とは一切関係が無いからね?」
凛「未央?誰に向かって何をいってるの?」
13:20 食堂
卯月「ごちそうさまでした!」
未央「ふぅー!食べた食べた!」
凛「ごちそうさま」
美嘉「それじゃあ、食器片付けるね★」
茜「雑用は任せて下さい!」
凛「その前に皆良いかな?」
美穂「どうしたんですか?」
凛「未央、ちょっと聞いておきたい事があるんだけど」
未央「? どうしたの?」
凛「2階の個室について鍵が使えたのかどうかを聞いておきたいんだけど…」
未央「ああ!マスターキーね。もちろん使えたよ!」
未央「もう言ったとは思うけど、開けられなかったのは今の所ドリンクバーだけだね」
奈緒「じゃあ、他の人が作れない密室を未央だけが作れるって事だな」
未央「わ、私は今回も犯人じゃないからね!」
アーニャ「と、言われても、まだ何とも…」
藍子「悲しいですけど、事件が起こって推理が始まるまでは誰が犯人かは見当がつきませんからね…」
未央「うう、でもまあ仕方ないよね!」
13:30 個室前
凛「さてと…これからどうしようか」
卯月「やる事無くて、暇ですからね…」
未央「とりあえず、カメラに向かってサービスポーズしとく?」
凛「やめときなよ…」
奈緒「おーい、凛ー!」
凛「奈緒、どうしたの?」
奈緒「せっかくビデオルームとかが有るんだからさ、なんか見に行かないか?」
凛「ああ、加蓮居なくなっちゃたから、一緒に居る人が居ないんだね…」
奈緒「おい!人をボッチみたいに言うな!」
凛「ごめんごめん、卯月たちも一緒に見に行く?」
卯月「そうですね!暇だから私もいこっかな」
未央「私も!」
奈緒「それじゃ、ビデオルームに行こうぜ」
13:40 ビデオルーム
凛「それじゃあ何を見ようか」
奈緒「うーん…タイトルをとりあえず見て…って」
卯月「『最強のだりなつ』、『大地になった輝子』、『安部ンジャーズ』、「忠犬しぶりん」… もしかしてCGプロの人が出る作品オンリーって事ですかね?」
凛「ちょっとまって何かおかしいのがあったけど」
未央「大体全部おかしいとは思うけど…」
奈緒「『笑ってはいけない輿水幸子24時』ってのも気になるな」
凛「…あ、でも奥の方に普通に『ハリ-ポッター』とかあるね」
卯月「えっと…何見ます?」
未央「とりあえず忠犬しぶりんを…」
凛「却下、絶対に却下」
未央「えー」
奈緒「じゃあ…大地になった輝子あたりにしとくか…」
凛「あ、パロディ作品から離れる気は無いんだね?」
奈緒「ここでしか見れないだろうからな」
卯月「じゃあそれにしましょう!」
未央「それじゃ個室へDVD持っていこっか!」
14:00 ビデオルーム 個室
凛「…個室、狭いね」
卯月「ちょっと4人は無理でしたね…」
奈緒「でも、無理して詰めればどうにかいけそうだぞ?」
未央「うーん…」
未央「あんまり、無理して見ても詰まらないと思うし、私やっぱり抜けるよ!」
卯月「えっ? でも…」
凛「別に席がキツイなら、2人ずつ別の個室に入ってみればいいから、抜ける事は無いよ?」
未央「いやー…実を言うと図書館で面白そうな本を見つけてたんだよね!」
未央「ちょっとそれを見たい気持ちもあるから…抜けるね!」
奈緒「それならいいんだけど…変に気を使うなよ?」
未央「全然気なんて使って無いって!」
未央「それじゃ! 私図書館の方に行くね!」
卯月「うん、未央ちゃんが良いならそれで行きましょう」
凛「じゃあ、またね」
14:20 ビデオルーム 個室
奈緒「なんか悪い事しちゃったみたいな気持ちが…」
凛「未央は全然気にして無いと思うよ」
卯月「そうですよ! 未央ちゃんは正直だから、ホントに本が見たかっただけですよ」
奈緒「なら良いんだけど…」
凛「ほら2人とも、本編が始まるよ、ヘッドホン付けて」
卯月「大地になった輝子…一体どんな内容なんでしょうか」
・・・・・・
・・・
数時間経過…
17:00 ビデオルーム 個室
卯月「うう…ヒック…グスッ…」メソメソ
奈緒「よかったな…良かったな…輝子…! グスッ…」ポロポロ
卯月「まさか、ラストのシーンで…グスッ…」
奈緒「ああ…育てたオニナラタケが3000年を経て地上最大の生物になるとは…グスッ…」
凛(どうしよう全然感動するタイミングが分からない)
凛「じゃあ、見終わったしテープを返してこよっか」
卯月「す、スタッフロールが終わるまで待って!」グスッ
奈緒「そうだ! もうちょっと余韻に浸らせろよ…」グスッ
凛「ご、ごめん…」
17:20 ビデオルーム
凛「さてと、元の場所にケースを戻してっと」ゴトッ
卯月「はー、良い映画でしたね」
奈緒「ホント泣かせに来るよな…」
凛「…夕食まで後少しだし、もう一本映画を見る暇は無いよね」
卯月「一旦部屋に戻りましょうか」
奈緒「まあ、それが妥当だよな」
17:30 1F 廊下 個室前
卯月「それじゃあ一旦部屋に戻るから…」
奈緒「これで、夕食までサヨナラだな」
凛「そうだね…ん?」
バタバタバタ…
奈緒「なんだ? 誰かが走ってきてる?」
卯月「も、もしかして犯人が私たちを殺しに…?」ビクビク
凛「いや、たとえそうだとしても三人で固まっていれば大丈夫でしょ」
奈緒「最悪個室に逃げれるしな」
タタタタタタッ
藍子「あ!皆さん、未央ちゃん知りませんか?」
凛「本を読むとか言ってたから…図書館じゃないかな」
藍子「そうなるとまさか…」
奈緒「何があったんだ?」
卯月「まさか…」
藍子「えっと…多分なんですけど…」
藍子「図書館で殺人が起こった可能性があります」
奈緒「多分? あいまいな言い方だな?」
藍子「えっと…それはですね…」
凛「もしかして…密室?」
藍子「そ、そうです! 個室の中で殺害されてるかもしれないんです! だから…死体は確認できなくて」
卯月「凛ちゃん良く分かったね?」
凛「未央を探してるって聞けば、おそらくマスターキー関連だろうからね」
凛「って事は、図書館に向かったはずの未央は、図書館に見える範囲には居なかった…」
卯月「つまり…?」
凛「未央が居るのは、未央の個室か、図書館の密室内…って事になるね…」
卯月「そんな…じゃあ未央ちゃんは…」
凛「とりあえず、未央の個室に行ってみよう」
藍子「はい、私もそう思ってこっちに来たんです!」
未央の個室前
ピンポーン!
藍子「未央ちゃん!居ますか!?」ドンドン
ピンポーン!ピンポーン!
卯月「未央ちゃん!居るなら出てきて!!」ドンドン!
ピンポン!ピンポン!ピンポン!
奈緒「居ないみたい…だな」
凛「…ちょっと失礼」スッ
藍子「凛ちゃん? 何してるんですか?」
凛「覗き穴から、中に光があるか確認してるんだよ」
凛「…うん真っ暗だね」
凛「多分、未央はこの中には居ないよ」
奈緒「何でわかるんだ? 暗いだけなら寝てるだけかも…」
凛「確かにそうだけど…こんだけ騒がしくしてるのに反応が無いのはおかしいし、それに未央は本当に真っ暗だと寝れない人なんだ。 だから、寝るときには豆電球を点けるんだけど、その明りすらないみたいだから…」
卯月「じゃ、じゃあ…未央ちゃんは…? まさか…殺され…」
凛「マスターキーで遊んで、他の人の部屋に入ってる可能性とかも否定はできないけど…意味も無くやる子じゃないしね」
藍子「…じゃあ、図書館に向かいますか?」
凛「そうした方が良いね」
1F階段前
バタバタバタ…
美嘉「あ!藍子ちゃん!そっちに未央居た?」
藍子「いいえ…じゃあ、食堂やトイレにも…?」
美嘉「うん…1Fは大体探したけど居なかったよ…」
卯月「…」
凛「…とりあえず図書館に向かおう」
18:00 2F 図書館
未央「あ、やっほー!しぶりん、遅いよ皆!」
智絵里「えっと…遅くはないかと…」
凛「…」
卯月「…」
奈緒「…は?」
藍子「…あれ?」
美嘉「なんで居るの?」
未央「なんでって…トイレにいる時、慌ただしく2階から下りてくる音が聞こえたから…二階で何かあったのかなー?って気になって見に行ったんだよ」
未央「で、部屋から出てきた美穂ちゃんから話を聞いて、ビデオルームに居る智絵里ちゃんを見つけた後、図書館に向かったって訳」
凛「はぁ…」
未央「え? 何でため息つかれたの!?」
奈緒「人騒がせな……」
未央「ええ!?」
卯月「未央ちゃん…良かったよぉ…」グスッ
未央「な、何でしまむーは泣いてるの?」
凛「まあ、いいや…」
卯月「えっと…密室は何処にあるんでしょうか?」
智絵里「そ、それが…」
美穂「無くなってるんです…」
奈緒「無くなってる?死体が…とか?」
美穂「い、いえ…密室が…です」
藍子「??」
美嘉「どういう事?★」
美穂「えっと…一番左側の個室が、鍵の所が赤表示…つまり閉まってたんですが」
奈緒「一番左…? 青表示だぞ?」
美穂「ですから…私たちが来た時には密室じゃなくなってたんです…」
卯月「ええ…?」
美穂「それで…下手に現場に触らないようにと思って皆が来るのを待っていたんです」
未央「だから、後はアーニャちゃんと茜ちゃん待ちなんだけど…」
ガチャ
アーニャ「シューミン…騒がしいので、来てみましたが…何か、あったのですか?」
未央「お、ちょうど良い所に来たね」
アーニャ「?」
・・・・・・
未央「…ということがあって現在至るって訳!」
アーニャ「ダー、おおよそ、分かりました」
美穂「…後は茜ちゃんだけど…」
藍子「多分…あの中…ですよね」
凛「……行こう」
ガチャ
智絵里「ひっ…」サアアア…
卯月「う、わぁ…」
未央「茜ちゃん…」
アーニャ「死んでますね…」
個室の中、椅子に座った状態で死んでいる茜(の人形)を発見した…
凛「前の時の死体は外傷が無かったから平気だったけど…」
奈緒「本当にリアルに再現されてるな…」
卯月「うう…頭割れて…周りが青煮えてて…赤黒い血が…」
智絵里「…」フラフラ
ピピピ!
卯月「メールが…きました」
・・・・・・・・・・・
FROM ちひろ
チヒロファイル
被害者は日野茜
後頭部への打撃で即死
・・・・・・・・・・・
卯月「見たまんまですね…」
美穂「ここまでリアルに再現しなくても良いのに…」
美嘉「うええ…これ調査しなきゃいけないんだよね…」
藍子「気が滅入りますね…」
凛「…さっさとやっちゃおう」
18:30 調査開始
凛「まずは…、死体の状況を調べるべきだね」
未央「うええ…これ調べるの…?」
美嘉「…私たちは他の所から調べるね★」
卯月「うう…ホントにさっさと調査しちゃいましょう」
凛「まず、死体の状況だけど…」
凛「図書館の個室の椅子に座って、机に上半身がうつ伏せ状態で死んでるね」
卯月「メールにあった通り…後頭部に一撃を受けて死んでますね」
未央「即死…つまり、何をする間もなく死んだって事だね」
凛「後頭部以外に外傷は特にないみたいだね」
凛「次に現場の状況だけど…」
凛「個室は…前見た時と変わらないね」
凛「藍子ちゃんらの話によると…鍵がかかってたらしいけど…」
未央「うーん…死体と頭から垂れてる血のり以外は変わった所なんてないよね?」
卯月「どうやって密室を作ったんでしょう?」
凛「うーん…糸や針の類が落ちてるわけじゃ無いし…」
凛「これだけじゃどうとも言えないね」
卯月「部屋の内側は特に異状が無いって事ですかね?」
未央「えーと、じゃあ次は聞きこみでもする?」
凛「そうだね…誰がいつどこで何をしていたかを聞かなきゃね」
卯月「アリバイ調査ですね! 犯行時にアリバイの無い人が必然的に…ってアレ? 茜ちゃんの死亡時刻っていつだっけ?」
未央「メールには…書いてないね それも含めて調査かー…」
卯月「いつ死んだんでしょうね?」
凛「最後に確認できてるのはお昼だから…」
未央「今の所 13:30~18:00 くらいだね」
卯月「範囲が広いですね…」
凛「それを聞きこみで狭めるんだよ」
未央「それじゃあ行こっか!」
18:50 2F 廊下
藍子「大丈夫ですか?」
智絵里「大丈夫…です…」
奈緒「あんまり無理するなよ? なんだったら部屋で休んでても良いんだぞ?」
智絵里「で、でも…」
藍子「無理は禁物だよ? 推理が始まった時にでも呼ぶから…休んでた方が良いよ?」
卯月「おーい、3人ともーって…智絵里ちゃん顔色悪いですよ?大丈夫?」
奈緒「ちょっと、智恵理には刺激が強すぎたな…あの現場」
未央「それで、皆で様子を見てたって訳ね」
智絵里「迷惑…掛けてしまって…ごめんなさい…」
藍子「気にしなくていいんだよ、皆心配なだけだから…」
凛「えーっと…ちょっと無神経だけど…食事後に皆が何してたか聞いて回りたいんだけど」
奈緒「智絵里にもか? それはちょっと可哀相なんじゃ…」
智絵里「だ、大丈夫です…話さなきゃいけない事はあるから…」
藍子「話さなきゃいけない事?」
智絵里「は、はい…食事後の行動ですよね?」
智絵里「まず、食事を終えた後、気を使って貰えたのか…茜さんが一緒に映画を見ようって誘ってくれたんです…」
未央「! 茜ちゃんの行動が出て来たね」
智絵里「はい、それで、誘いを受けて…14時頃にビデオルームに集合という事にしたんです」
凛「一緒にすぐに行かなかったのは?」
智絵里「えっと…食事当番だった茜さんは、まだ作業があったみたいで、それが終わってから…と言う事でした」
智絵里「私は暇だったので…すぐにビデオルームに向かったんですけど…」
智絵里「一向に…茜さんが来なくて…」
智絵里「おかしいとは思ったんですけど、入れ違いになって、一緒に映画見れなくなるのも寂しかったですし、誘ってくれたのに私が待って無いって言うのもおかしいですし…それからずっと待ってたんです。もちろん、映画は見ずに…一緒に見たかったですから」
凛「…ずっと?」
智絵里「はい、ずっとです…」
未央「もしかして、私が美穂ちゃんとビデオルームを見に行った時までずっと…?」
智絵里「はい…」
凛(えーっと、遅く見積もって14時に居たとしても…18時まで…4時間何もせずに個室に!?)
卯月「大変でしたね…」
智絵里「一応…茜さんに関係する事があったので、喋っておかなきゃって思って…」
藍子「がんばったね… えっと、凛ちゃんこれで智絵里ちゃんの事は私たちから皆に話せばいいと思うから…智絵里ちゃんを部屋に送っていくね?」
凛「うん、そうしてあげて。 あと…藍子ちゃんのアリバイだけど…」
藍子「そうですね…美穂ちゃん達が居た方が説明しやすいので…、とりあえず智絵里ちゃんを送って行って良いですか?」
凛「うん、分かった」
藍子「それじゃ、行こう?智絵里ちゃん」
智絵里「ありがとうございます…」
凛「さて、一応奈緒のアリバイも聞いておこうかな」
奈緒「言うまでも無いと思うけど…まあ、一応言っとくか」
奈緒「食事後はちょっと一息ついた後、凛達をビデオルームに誘いに行ったぜ」
奈緒「そこから先は言わなくても良いとは思うんだけど…」
凛「そうだね、…ちょっと一息って言うのは?」
奈緒「別に、食事の後、食堂の椅子に座って少しの間――ほんの5分位かな、呆けてただけだよ」
凛「ん、分かった。ありがと」
19:00 ビデオルーム
凛「アーニャちゃん、ちょっと良いかな?」
アーニャ「はい、…アリバイ、ですよね」
未央「察しが良いね!」
アーニャ「私のアリバイは…ありません」
卯月「へ?」
アーニャ「ええと、食事後に、すぐに図書館に行き、気になっていた本を、借りました。 それから、自室に戻り、本を読み耽って居ました。」
アーニャ「それから、事件が、起きるまで、自室に居たので…私にアリバイはありません」
凛「…特に知らせるまでも無く現場に来れたのは?」
アーニャ「それは…美嘉や藍子達の、未央を呼ぶ声が、聞こえたので…」
凛「現場に遅れて来たのは?」
アーニャ「その時は…少し、寝てしまっていたので、ソン…まどろみから、抜け出すのに、少し時間がかかった為です」
凛「…なるほどね」
未央「個室で本を読んでたってのは大体私と同じだね」
卯月「あ、未央ちゃんも自室で本を読んでたんだ」
凛「…何気に新事実発覚だね」
アーニャ「あの、私の方にも、あなた方のアリバイを、教えて貰って良いですか?」
卯月「あ、はい! 大丈夫ですよ! 私たちは――」
未央「キングクリムゾン!!」
卯月「――という訳です!」
アーニャ「!?」
アーニャ「……!?」
アーニャ「え、ええ、大体、分かりました」
未央「結果だけだ!この世には結果だけが残る!」
凛「未央? どうしたの? さっきからなんかおかしいよ?」
19:30 食堂
凛「あ、いたいた」
美穂「あ、凛ちゃん達!どうしたの?」
美嘉「多分アリバイ調査だよね?★」
未央「正解!」
卯月「美嘉ちゃん達はどうしてここに?」
未央「ここは事件に関係ないよね?」
美嘉「いやー、アタシと茜ちゃん今日料理当番だからさー料理作らないといけないんだけど…」
美穂「茜ちゃんが居なくなったので…代理として私と藍子ちゃんで手伝っているんです!」
藍子「私たち昨日当番でしたけど一回しか料理してませんからね」
凛「なるほどね」
未央「それで…皆のアリバイは?」
美嘉「まず、アタシから言うね★」
美嘉「食事後に茜ちゃんと片付けをしてたんだけど…茜ちゃんがその最中に智絵里ちゃんに映画を見る約束をしてたんだ。 だから私は片付けしてる時に、『智絵里ちゃん待たせちゃ悪いし片付けは私がやっておくから行って良いよ』って言ったんだ。 そしたら茜ちゃんは『助かります!』って言って出て行った」
美嘉「それからアタシは14時位まで片付けをしてて…、片付けが終わったら部屋に戻ったね★」
美嘉「で、15時くらいまでゴロゴロしてたんだけど暇になっちゃって図書館に行った訳!★」
美嘉「テキトーな本…っていってもマンガだけど…を見繕って席に着こうとしたら藍子ちゃんと美穂ちゃんが本を読んでたからご一緒させて貰ったよ★」
美嘉「で、17時半頃になって夕飯の支度をしようとして席を立とうとしたんだけど…私が入ってきてからずっと使用中の個室があるじゃん? だから、あそこに入っている人誰?って藍子ちゃん達に聞いたんだけど…」
藍子「その時は…もちろん誰かなんて知りませんでしたから、知らないって言ったんです」
美嘉「そ、だからずいぶん長い事入ってるね~って言ったらなんか不安になってきて…」
美嘉「とりあえず、呼びかけてみて返事が無かったから…扉を開こうとはしたけど鍵がかかって当然だけど開かなかったし」
凛「本当に鍵は掛ってたんだね?」
美嘉「うん、押しても引いても動かなかったよ…グッグッってね★」
藍子「わたしも同じく、その時に扉が開かない事は確認しました」
美嘉「マスターキーがあるのにドラマみたいにドアをぶち破るのも気が引けて、未央を呼びに行ったってカンジ?★」
凛「…なるほど」
美嘉「早く探す為に手分けして探そう!ってなって、私が食堂とかお風呂を見に行って、藍子ちゃんが個室の方、美穂ちゃんがビデオルームに探しに行ったの」
美嘉「まあ、後は途中で合流したから分かるよね★」
凛「大体分かったよ」
藍子「私と美穂ちゃんは…食事が終わった後、一緒に本を読みに行く約束をしました」
美穂「ただ、私が見たいテレビがあったから…二時までの番組だったので、14:10に図書館に行くという事にしました」
藍子「私も同じくテレビを見たかったのと…恥ずかしながら、昼食時に服を汚してしまったので、着替えをしようと思い個室に居ました」
卯月「2人とも14:10までは個室に居たんですね?」
藍子「はい、それから…時間になったら美穂ちゃんが部屋まで迎えに来てくれました。」
美穂「そして2人で図書館に向かったんだよね」
美穂「それからは…図書館の机に腰をかけてずっと本を読んでましたね」
藍子「そしたら、何時ごろかはちょっと分からないですが、美嘉ちゃんが来て一緒に本を読んでいました」
未央「何時頃かは分からない? どうして?」
美穂「本に夢中になってたので、時間とかは気にして無かったんです…すいません」
藍子「でも、多分美嘉ちゃんの自己申告で合ってるとは思いますよ。大体その位な気がしますので」
美穂「それで…、17:30に美嘉ちゃんがご飯を作りに行くと言って…密室が作られてるって分かって…私はビデオルームに未央ちゃんを探しに行きました」
藍子「私は個室の方に探しに行きました」
凛「なるほどね…」
未央「これで一応全員に話は聴けたのかな?」
凛「そうだね」
卯月「一応全員分の行動をまとめておきました!」
13:20 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00
昼食終了 事件発覚
凛 ビデオルームでDVD観賞 藍子に呼ばれる
奈緒 |――――――――――――――――――――――――――|―――|
卯月
茜 昼食後から不明
食事の片づけ? 自室? 図書館で読書 皆を呼びに?
美嘉 |――――――|――――|――――――――――――――|―――|
藍子 自室? 図書館で読書 皆を呼びに?
美穂 |――――――|―――――――――――――――――――|―――|
ビデオルームでずっと茜を待ってた?
智絵里 |――――――――――――――――――――――――――――――|
未央 図書館で本を借りて自室で読書?
アーニャ |――――――――――――――――――――――――――――――|
卯月「一応、一緒に居た人が居ない場合はアリバイ無しとして 「?」を付けておきました」
凛「…そうなると、アリバイがある所だけを抜き取ると、こうなるね」
13:20 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00
昼食終了 事件発覚
凛 ビデオルームでDVD観賞 藍子に呼ばれる
奈緒 |――――――――――――――――――――――――――|―――|
卯月
茜 昼食後から不明
図書館で読書
美嘉 |――――――――――――――|
藍子 図書館で読書
美穂 |―――――――――――――――――――|
智絵里 アリバイ無し
未央 アリバイ無し
アーニャ アリバイ無し
未央「下に三人あからさまに怪しいのが…」
卯月「自分で言っちゃった!?」
凛「といっても、茜ちゃんの殺害時刻が分からないから殺害時刻に関しては完全なアリバイがある私たちしか疑われる要素が無いのは居ないんだけどね」
凛「さてと…情報は出揃ったかな?」
未央「うーん? 何が何やら…」
凛「…今回は番組のルールを逆手に取ったようなトリックは使われて無いとすれば」
卯月「すれば?」
凛「トリックは作るより解く方が簡単…事件の輪郭が掴めてきたよ」
未央「おお! 頼もしいねしぶりん!」
凛「最後に確認したい事があるから図書館に行こうか」
20:00 図書館
ガヤガヤ…
未央「ありゃ? なんか皆集まってるね」
藍子「あ、未央ちゃん達! ちょうど良かったです」
卯月「何がちょうどいいの?」
美穂「ご飯はもう出来る一歩手前まで作ったんだけど…」
美嘉「ホラ、死体の人形グロいし★ さっさと事件を解決して美味しくご飯を食べよう!てなったカンジ?」
未央「なるほど!」
アーニャ「では、アラスシデニィヤ…推理を、始めましょうか」
智絵里「あの…凛さんがあっちの方に居たままなんですが…」
凛「ん? ちょっと調べ物をしてるだけだよ そっちは先に推理を進めてて良いよ」
奈緒「凛は何やってんだ? 写真集だか美術資料集なんか見て…」
藍子「え、えっと…それじゃあこっちはこっちで始めましょうか」
藍子「では、事件を整理する為に事件の流れを簡潔に説明させて貰いますね」
美嘉「お、助かるね★」
藍子「まず、被害者は茜ちゃん…頭への打撃で即死だそうです」
藍子「この茜ちゃんは皆の話を聞いた所 13:30ごろから行方が分からないそうです、なので死亡時刻は食事後から死体発見まで つまり 13:30~18:00となります」
藍子「それから…この事件の肝なんですが、私と美穂ちゃんと美嘉ちゃんが14:10から読書をしていましたが、その時から個室に鍵がかかっていました。個室の開閉表示部分が赤色になっていたので間違いないです。そして、私たちはこの個室の前の机で読書をしていたので、誰かが14:10~17:30までの間に出入り出来なかった事を私達がが保証します」
藍子「いくらなんでも個室から出てくる気配が無いので不安に思って17:30に個室に向かって呼びかけたのですが返事は無く…事件の匂いがしたので一応美嘉ちゃんと私で個室に鍵がかかっているかを確かめる為にドアを開けようとしましたが…開きませんでした」
藍子「扉を無理に破るのも良くないと思い、マスターキーの持ち主である未央ちゃんを3人で手分けして探しました…ですが、また図書館に戻ってみると、今度は個室の鍵が開けられていたんです…何が起こったのでしょうか?」
藍子「……と言うのが私から見た今回の事件の流れですね。何か意見や問題はありますか?」
奈緒「あ、じゃあアタシの疑問言っていいか?」
藍子「何でしょう?」
奈緒「これって…密室殺人と見て良いのかな?」
智絵里「…どういうことですか?」
奈緒「ホラ、密室にしては中途半端っていうか…鍵がかかってたのに、いつの間にか解錠されてるし」
奈緒「なんて言うか…密室っぽくないよな」
美嘉「あ、アタシ鍵が開いてる理由なんとなく分かったかも★」
美穂「! それはどういうことですか?」
美嘉「犯人が未央ちゃんだから★」
未央「ええ!?」
未央「わ、私犯人じゃないよ!」
アーニャ「あー、美嘉、理由を、述べて下さい」
美嘉「まず未央ちゃんが13:50頃に茜ちゃんを殺して、マスターキーを使って図書館の中の個室に閉じ込めたとするじゃん★」
美穂「ふむふむ」
美嘉「でも、いざ密室殺人を作ってみたけど、完全な密室を作っちゃうとマスターキー持ちの自分が犯人扱いされちゃうから…私たちが未央ちゃんを探しに行ってる間に解錠したんだよ★ これで、中途半端な密室を作り出せば逆に皆トリックを考えるから自分は晴れて犯人候補から外れるって訳★」
智絵里「な、なるほど…」
卯月「確かに、私達トリックを考える事に頭いっぱいでマスターキー持ちの普通に考えたら怪しすぎる未央ちゃんは逆に疑って無かったですね」
未央「いやいやいや!無理やり過ぎるってば!」
アーニャ「ダー、私も、無理やりだと思います。 いくらなんでも、リスクが高すぎます。それに私が、もし、マスターキーを持った犯人ならば、密室殺人は行いません。確実に自分に疑いの目が行くからです」
藍子「そうですね…私もアーニャちゃんと同じ意見です。 むしろマスターキーを持って無い犯人になったら、密室殺人を起こしてマスターキーを持ってる人に疑いの目が行くように工作すると思います」
美穂「でも、それって結局推論じゃないですか? しっかりとした証拠はありませんよね?」
卯月「未央ちゃんが犯人とは思えないけど…証拠が無くちゃ犯人候補から外す訳にはいきませんよね…」
智絵里「でも、やっぱりマスターキーを持ってる人がわざわざ密室を作ろうとするとは思えません…」
美嘉「いやいや、だからマスターキーを持ってる人が密室殺人を起こそうとなんかしないって言う先入観を使ってるんだよ★」
未央「私は犯人じゃないってば!」
藍子「そうですよ、流石にそんな拍子抜けなトリックを使うとは思えません!」
奈緒「でもやって無いって言う確たる証拠が無いしな…」
ガヤガヤワイワイ
アーニャ「アー、皆さん、とりあえず、落ち着いて下さい」
美嘉「ん? なにか裏付けでも思いついた?」
アーニャ「いえ… 今、ここで未央が、犯人かを、議論しても、答えは出なさそうです だから、オブラートニ…逆に考えましょう」
奈緒「逆?」
アーニャ「ダー、つまり、マスターキーを、使用せずに、この犯行を行う事が出来るのか?…を考えるんです」
藍子「確かにその方が今の水掛け論よりかはマシですね」
美嘉「特に思いつかなかったら未央ちゃんが犯人って事で良いしね★」
卯月「なるほど…うーん? マスターキーを使わずにこの状況を作り出す…?」
未央「……あ! じゃあこんなのはどうかな?」
藍子「どんな方法を思いついたんですか?」
未央「茜ちゃんは自殺だったんだよ!」
美穂「…へ?」
未央「つまり…」
・・・・・・未央の推理・・・・・・
茜「うう~、今日は私が犯人になってしまいました!」
茜「でも、私に皆を殺す事なんて出来ません!」
茜「だから、この密室で私を殺す事にします!」
茜「ボンバー!!」ゴツン!
バタリ…
・・・・・・未央の推理終了・・・・・・
未央「…みたいな!」
……シーン
未央「あ、あれ? 反応が薄いなー?」
卯月「それは…」
藍子「ちょっと無いんではないでしょうか…」
未央「あれぇ…?」
智絵里「え、えっと、まず…これから自殺しようって人が、私と映画を見ようなんて言うんでしょうか?」
未央「う、うぐっ! ミステリっぽいセリフが出て来た! …そ、そこはほら、あえてそうする事で捜査を撹乱しようとか…」
美穂「それに、後頭部への打撃で死んでるんですよ? 自殺するなら前頭部を打つんじゃないでしょうか?」
未央「ぐふっ! で、でも、不可能じゃあ無いハズ…」
奈緒「あと、茜は『即死』だぞ?何をする間もなく死んだんだ。だったら凶器は何処へ隠したんだ?」
未央「え、えーと…えーと… あ! 机に頭を思い切り打ちつけたとか! これなら凶器無しでも…」
藍子「その手が……とは、一瞬思いましたけど、『後頭部』に打撃ですよ? それも即死ですから、それだと死体の姿勢が……机にうつ伏せになる状態にはなれませんよ」
未央「し、死後硬直とか…上手い事身体が跳ねたりとかで…どうにか」
美嘉「だからぁ…『即死』なんだよ? その後鍵はどうやって開けたのかな?★ 未央ちゃんが捜査をかく乱する為にわざわざ開けてあげたのかな★?」
未央「う、うぬぬ…… じゃ、じゃあ…そうだ! 皆が来る直前位まで茜ちゃんは生きてて…皆が図書館から出たのを確認してから、捜査撹乱のためにあえて個室の鍵を開けた後に机に後頭部を打ちつけて…」
卯月「未央ちゃん」
未央「へ?」
卯月「もうおしまいにしよ?ね?」
未央「うう~……ハイ……分かりました。降参デス……」
奈緒「ええと…それじゃあ、他の方法は……そうだな、内出血密室…は即死だからあり得ないか」
藍子「? 内出血密室…ってなんですか?」
奈緒「ん? ああ……知らない人も居るのか、 そうだな…内出血密室っていうのはだな…」
奈緒「例えば、ここでアタシがナイフで藍子ちゃんの脇腹を刺したとする」
未央(藍子の声マネ)「それは私が胸が無い事を気遣ってあえて脇腹を刺したんでしょうか?フフ確かに十時ちゃんとかの胸を刺しても心臓まで届きそうにないですもんねそこらへんを気遣ってくれたんですよねスミマセン死にます貧乳でごめんなさい」
藍子「私はそんな事言いませんよ!? そっそれにそこまで胸にコンプレックスは持ってません!」
奈緒「うおおおい!! 自分の推理がボロボロに言われたからって人に当たるんじゃない!」
卯月「……未央ちゃん?」
未央「ハイ」
卯月「…おすわり! ステイ!」
未央「くぅん……」
奈緒「ご、ゴホン、とにかく、私が愛梨ちゃんの胸を刺し…あ"、ちがっ……」
奈緒「藍子ちゃんの!胸…じゃなくてぇ…えーと、えーと……」
卯月「奈緒ちゃん!落ち着いて! 脇!脇腹!」
藍子「……クスン」
アーニャ「アー…、藍子、元気を出して下さい」
奈緒「そ、そう! 藍子ちゃんの脇腹を刺したとする! ……でも、当然脇腹を刺しただけじゃスグ死にはしない、で、ナイフが脇腹に刺さったまま、このままと殺される!…そう思った藍子ちゃんは、この個室に逃げ込んで、入ってこれないように鍵をかける。 しかし、魔の手から逃れたのも束の間、ナイフはジワジワと体力を蝕んでいき…もしくは、自分でナイフを抜いてしまったりしてショック死してしまう…そうすると、密室で人が死ぬ事になるだろ?」
美穂「すごいです! 確かにこれなら密室殺人に……あ、でも」
奈緒「そうだよ、即死だから…自分で鍵をかける事も出来ないはずなんだよ…」
美嘉「じゃあ、それも無いね★」
智絵里「えーと…じゃあ、部屋にトラップが仕掛けられていたとかはどうでしょう? 部屋に入って鍵を閉めて椅子に座ると発動する罠…とか」
アーニャ「アー、それだけ大がかりなものだと、痕跡が残りそうですね」
未央「ワン!」
卯月「未央ちゃん? まだ犬やってたの? え? なになに…? そもそも、茜ちゃんが個室に籠って読書する姿が思い浮かばない?」
奈緒「あー、確かに、狭い所で大人しくしてるタイプではないよな」
美嘉「う~ん…それにトラップで密室を作れたとして、その後鍵が開くのは無理があるんじゃ★」
アーニャ「鍵が、開いていたのは、本当の密室を作れなかったから…ごまかした、と考えるのがスジ…ですね」
アーニャ「そうなると、方法が無い事も無いですね」
美穂「どんな方法ですか?」
アーニャ「ヤ スカラヴァヤツァ コンネイト …部屋に、隠れる方法ですね」
奈緒「部屋に隠れる? どういうことだ?」
アーニャ「アー、そうですね。 茜の死体と一緒に、部屋に鍵をかけて潜んで居るのです。 それから、藍子達が未央を探しに行った隙をついて自分だけ密室から抜け出します。 そうすれば、途中まで密室で、私達が訪れた時には鍵が開けられている事になります。 後は、何食わぬ顔で皆に合流すれば… 今回の事件が完成するのでは?」
藍子「あっ! それなら確かに今回の事件が再現できますね!」
美穂「本当ですね! これで正解なんじゃないですか?」
アーニャ「ですが…その…」
奈緒「? 何か問題があるのか?」
美嘉「誰がそれを出来たか?とかかな★」
アーニャ「ダー、問題はそこです…」
卯月「ええと…とりあえず、藍子ちゃん達が読書してる間は個室に籠って無くちゃいけないから…その時間(13:30~17:30)にアリバイが無い人に限られますね」
美穂「えっとそうなると…私と藍子ちゃんそれから美嘉ちゃんは除外されますね」
奈緒「それから、アタシと凛と卯月ちゃんもだな」
アーニャ「ダー、そうです。 疑わしいのは、私と未央と智絵里ですね…」
藍子「あ、だから少し言い淀んだんですね」
アーニャ「ダー、その通り、ですが私は犯人ではありません。 ドゥカゼスコ…証明はできませんが」
未央「…」ゴニョゴニョ…
卯月「え?何未央ちゃん… 『私も犯人じゃない?』 何で自分で言わないの…」
未央「…」ゴニョゴニョ…
卯月「『さっき冗談とはいえ藍子ちゃんに暴言吐いたから口を開くのを自主規制中?』 なんでそんな豆腐メンタルでキツイ冗談言ったんですか…」
藍子「私は気にして無いから普通にしていいですよ…?」
奈緒「あとは智絵里ちゃんだけど…」
智絵里「……」
美穂「智絵里ちゃん?」
智絵里「……ハッ、わ、わ私でもないです!」
卯月「ええと…三人容疑者が出ましたけど…この場合どう考えるべきでしょう」
美嘉「とりあえず現場検証してみよ★」
奈緒「現場検証?」
美嘉「一応さっきの推理で合ってるとは思うけど…、実際にやってみたら出来ないとかあるかもだし…一応再現してみようよ★」
未央「そうだね! じゃあ一番茜ちゃんに身長が近い智絵里ちゃんが茜ちゃん役で…犯人は、疑われてる私がやるよ!」
・・・・・・検証・・・・・・
智絵里「えっと…まずは私が椅子に座って机にうつ伏せになります…」
未央「それから私が個室の中に入って鍵を閉めるんだけど…」グイガチャ
智絵里「むぎゅっ!?」ガタッ
卯月「ちえりちゃん!? どうしました?」
智絵里「せ、せまいです…」
未央「ひ、一人用の小さな個室だからね…密着してどうにか入れるくらい」ゴトゴト
美嘉「未央ちゃん大丈夫?★ 犯人役代わろうか?代わらない?代わってよ」
藍子「美嘉ちゃん?」
美嘉「密着!密着!」
奈緒「美嘉? なんかおかしいぞ!?」
凛(……美嘉が病気発症してる ……智絵里ちゃん私より年上なのに)パラパラ
未央「一応キツイけど入れるね」ガタガタ
藍子「でも……こんなガタガタという音は私達が読書してる時は聞こえませんでしたよ?」
未央「うーん…あ、じゃあ一旦智絵里ちゃんを机の下にしまって… 私は机の上に… 出るときに智絵里ちゃんの姿勢を直すって方向で行こう」ゴトゴト
智絵里「よいしょ…よいしょ…」グイグイ
美嘉(中で何が起きてるのかメッチャ気になる)
未央「う、個室の中の天井が低くてキツイ…あと、地味に机が小さいしライトが邪魔…」ガタ
智絵里「机の下は普通に大丈夫です…」
アーニャ「しかし、死体が机の下に居る場合、床に血がついてしまうのではないでしょうか?」
未央「じゃあ、智絵里ちゃんとまた位置を変えるね!」ゴトゴト
智絵里「う…ちょっと机が小さすぎて寝そべる事が出来ません…これだと力を抜くと落ちちゃいます…」
・・・・・・
未央「…結局同じ部屋に2人居るのはキツイって結論になったね」
藍子「上手く入れたとしても動くと音が出ますから… 流石にこの静かな図書館内で不自然な音が個室から出てたら気づきますし…」
奈緒「聞いた時は行けると思ったんだけどなぁ…」
美嘉「うーん…これ以上思いつかないから…未央ちゃんが結局犯人に?」
未央「私じゃないってば~!」
アーニャ「……いえ、まだ方法はあります」
卯月「本当ですか!?」
アーニャ「ダー、個室を二つ使う方法です」
智絵里「個室を二つ…?」
アーニャ「例えば…まず、茜の死体が発見された部屋には自分一人で潜んでおきます。そして肝心の茜の死体は隣の個室に鍵を掛けずに置いておきます。そうしておいて、周りが騒ぎだして図書館から居なくなった隙に鍵を開けて自室から自分は出て、隣の個室に隠しておいた茜の死体を、自分が鍵をかけて潜んでいた個室に運べば今回の状況は作れます。その後は頃合いを見計らって何食わぬ顔で現場に戻れば良いです」
未央「おおっ これならイケそうだね!」
卯月「早速検証してみましょう!」
未央「となりの個室から智絵里ちゃんを運んで…」グイッ
智絵里「あわわ…」グイグイ
未央「よいしょっと…椅子に座らせてうつ伏せにさせれば…完成! 出来た―!」
奈緒「これなら出来るみたいだな!」
美穂「これでトリックは暴かれましたね!」
藍子「後は…誰が犯人かを考えるだけです!」
未央「えーと…この場合の容疑者は… さっきと同じで私と智絵里ちゃんとアーニャちゃんだよね」
卯月「そうですね…どの道、鍵のかかった個室に犯人が入り続けていないといけませんから」
藍子「その三人から更に一人に犯人を絞らないといけませんね…どうやったら良いんでしょう?」
奈緒「うーん…そうだな、とりあえずもう一度事件の時に何をしていたかを詳しく確認をして、矛盾や怪しい所を見つけたらそこをゆすってみるのが良いんじゃないかな?」
アーニャ「ダー、それが良いと思います」
藍子「えっと…じゃあ未央ちゃんから良いかな」
未央「うん! ばっちこーい!」
卯月「未央ちゃんは私達と分かれた後、図書館で本を借りて自室で読書をし続けてた…って事で合ってますよね?」
未央「うん、その通りだよ」
藍子「えっと…何の本を借りたんですか?」
未央「コナンを10巻程借りて読んでたよ! 何か解決する側にしても、トリックを作る側にしても役に立たないかと思ってね!」
アーニャ「その時の時刻と、個室に鍵は掛かっていたかを教えて貰えますか?」
未央「時刻は…しまむー達と分かれてすぐだから…14時ちょっと過ぎ位かな? 個室は特に意識してなかったから分かんない…」
美穂「その時に付近に誰か居ましたか?」
未央「誰も居なかったと思うよ! 個室手前の机が並んでる読書スペースに人が居るか位はチラっと見てたから!」
奈緒「本を借りた後はずっと自室に籠ってたのか?」
未央「うん、ほとんど籠ってたね。 流石にトイレとかにはときどき行ったけど。事件が起きたのを悟ったのもトイレに行ってた最中だったしね!」
卯月「……質問はこんな所でしょうか?」
藍子「そうですね…不自然な点と言えば、事件発覚のタイミングと、トイレに行ったタイミングがピタリと重なってる所くらいですね」
奈緒「今、本棚を確認してきたけど、コナンが10巻分無くなってたぜ」
未央「まだ読むつもりで居たから返して無いよ!そんで今、本は私の部屋に置いてあるね」
美穂「本の件は偽装も出来たでしょうけど…明らかな矛盾点は無い…かな?」
美嘉「それじゃ次はアーニャちゃん★」
アーニャ「ダー、なんでも聞いて下さい」
卯月「アーニャちゃんの行動もほとんど未央ちゃんと同じで、食後すぐに図書館で本を借りて読み始めたんですよね」
アーニャ「ダー、その通りです」
美嘉「んじゃ、未央ちゃんにしたのと同じ質問ね★ 何の本を借りたの?」
アーニャ「ズヴェズダ…星に関する写真集や本を、いくつか自室に持って行きました。 もちろん、今は自室にあります」
藍子「その時の時刻と個室に鍵は掛っていたか、それから人が周りに居たかを教えてください」
アーニャ「ンー… 時刻は食後スグだったので、13時半頃…でしょうか。 個室は、一応見てましたが鍵はその時には掛っていませんでした。人も気配も無かったです」
アーニャ「それからは、ずっと自室に籠りきり、ですね。 トイレにも行ってません。」
奈緒「自室に籠っていたのになんで誰も呼んでないのに現場に来れたんだ?」
アーニャ「個室の外で騒ぎ声がしたからです。 スグに向かわなかったのは、読書の途中から寝てしまっていたので、まどろみから抜け出すのに時間がかかったからです」
未央「アーニャちゃんのも特に矛盾は無い…かな?」
藍子「そうですね。気にかかるのも到着が遅れた所位ですが、十分考えられる理由です」
智絵里「えっと…最後は私…ですよね」
奈緒「うん、後は智絵里ちゃんだけだな」
卯月「智絵里ちゃんは茜ちゃんと一緒に映画を見る約束をしてて…茜ちゃんを待ってずっとビデオルームの個室に籠っていたんですよね?」
智絵里「は、はい」
美嘉「ビデオルームにはいつから居たのかな?★」
智絵里「茜さんと約束してからすぐなので…13時半ごろだと思います」
未央「何か変わった事はあった?」
智絵里「えっと…凛さん達がビデオルームに入って来て、見るものを選んでたことぐらいしか…」
卯月「あ、じゃあ私達より早く来てたんですね」
智絵里「はい!」
アーニャ「それから、4時間程、ずっと籠っていたんですね?」
智絵里「はい、ずっと茜さんを待っていました。 ドリンクバーには何回か行きましたが…誰とも会いませんでした…」
智絵里「それから最後に、未央さんと美穂ちゃんが事件が起きた事を知らせに来てくれました」
美穂「そうですね…未央ちゃんと一緒にビデオルームに誰かいないかを探して智絵里ちゃんを見つけました」
卯月「特に矛盾は無い…ですね?」
美嘉「そうだね★」
未央「でも、4時間も何もしないでビデオルームに籠り続けるなんて…いや、智絵里ちゃんならあり得るのかな?」
智絵里「本当です…信じて下さい…」
美穂「あ、そういえば私達が智絵里ちゃんを迎えに行った時に、智絵里ちゃんの居た個室には紙コップが一つしか無かった…」
奈緒「? どういうことだ?」
美穂「茜ちゃんと待ち合わせしてるんだから茜ちゃんの分も飲み物も用意しておくのが普通なんじゃ?」
智絵里「えと…それは…」
美嘉「いや、それはさ、他人が何を飲むのか分からないのにドリンクバーで飲み物を勝手に持ってくるのも酷くない?★」
未央「でも茜ちゃんなら十中八九お茶を飲むと思うけどなぁ…」
智絵里「い、いえ…その…前に話された…ドリンクを持ってきてあげて毒殺する方法があるので…そこに気を使っただけなんです…」
奈緒「あー、成程な」
アーニャ「ンー、結局、確たる証拠は見つかりませんでしたね」
藍子「トリックはアーニャちゃんの言ってくれたもので合ってるとは思うんですが…」
奈緒「これからどうするか…」
・・・・・・シーン・・・・・・
美嘉「……やっぱ、やることもう無いよね★」
美穂「あの…提案があるんですけど…」
卯月「なんですか?」
美穂「これ以上、議論しても埒が明かなそうなので、トリックは分かってる事ですし、多数決で投票しませんか?」
未央「多数決?」
美穂「はい! ちょうどメモ帳もある事ですし、自分が一番怪しいと思ってる人を書いて提出するんです。それで一番怪しいと思われてる人を犯人として発表する…という方法です。4つ折りにして机の上に出して、かき混ぜれば匿名に出来ますし」
奈緒「そうだな…ずっと黙ってるよりはそうした方が良いし…やってみるか」
・・・・・・
・・・
美穂「えっと…全員提出しましたね」
奈緒「…凛を覗いて、な」
美嘉「じゃあ開票しよっか★」
美穂「ええと…名前毎に紙を分けると…」
アーニャ 0票
未央 3票
智絵里 5票
アーニャ「これが、結果ですね。ハラショー…私は疑われて無くて良かったです」
美嘉「まあ、自分から謎を解いてたしね★」
美穂「えっと…投票の結果、智絵里ちゃんが犯人と言う事になりました!」
智絵里「わ、私じゃない…私じゃないです…」
美嘉「そうだよ!智絵里ちゃんが犯人な訳無いよ!だって可愛いし!!★」
藍子「そ、そうですよ!智絵里ちゃんが犯人な訳…!」
アーニャ「アー…、匿名性、無くなりましたね」
奈緒「…? あっ!そっか、智絵里ちゃんと、美嘉、藍子ちゃんが未央に入れて他が智絵里ちゃんに入れたのか」
未央「あー、どうする?匿名性無くなったし、投票した理由言ってく?」
卯月「そうですね!」
未央「私は、自分が犯人じゃないって知ってて除外、アーニャちゃんは進んで謎解きしてたから除外、そうなると残るは智絵里ちゃんかなって」
智絵里「私も未央さんと考え方は同じです…自分とアーニャさんを除くと消去法で未央さんに…」
奈緒「アタシは未央やアーニャちゃんよりも、何もせずにビデオルームに籠ってた智絵里ちゃんが怪しいかなって」
美穂「私は、ジュースを二つ取って来なかった所が気にかかって…」
卯月「未央ちゃんやアーニャちゃんと比べると智絵里ちゃんの方が怪しいかなって…」
アーニャ「私も、皆と同じです。」
藍子「トリックを完成させるには死体を運ばないといけないんですよね? 最初死体人形を見た時に一番ショックを受けてたのは智絵里ちゃんでした、死体を見るのが二度目ならそんなにショックは受けないはずです。だから私は智絵里ちゃんが死体を運んだとは思えません」
智絵里「そ、それに、美穂ちゃん達3人が図書館から出て行った後に犯人は死体を運んだり、鍵を開けたりしたんですよね? 私がそんな事をしてたら美穂ちゃんと未央さんにビデオルームで見つけて貰うなんて出来ません!」
美穂「うーん…でもビデオルームは薄暗いし…見逃したのかも…」
美嘉「見逃したってのは厳しいんじゃないかなー★」
アーニャ「その前に、私と未央は食後、茜が何処へ行くのか分かりません。14時までという短い時間に茜を殺害出来たのは、行き先を知っていた智絵里だと考えられます」
美嘉「食堂の前や、トイレとかに隠れて茜ちゃんの様子を伺う事は出来ると思うよ★」
卯月「ま、また推理が難航してきましたね」
未央「うーん…でも、やっぱり確たる証拠は出ないし…」
美穂「投票数の多かった智絵里ちゃんで決定した方が良いのでは…?」
藍子「で、でも、まだ凛ちゃんが投票してませんよ!」
美穂「……うーん、例え凛ちゃんが未央ちゃんに投票したとしても4票対5票で智絵里ちゃんの方が多いし…」
卯月「うーん…、でも、写真集とかを見ている理由が分からないですし…」
未央「出てきたっけ? 推理の中に写真集とか素材集とかって言葉」
奈緒「一応、アーニャちゃんの証言の中に――」
凛「……」パラパラ
凛「! やっと見つかった…」ピタッ
凛「……」テクテク
卯月「あ、凛ちゃんがこっちに来ますよ!」
未央「何か見つかったの?」
凛「うん…実を言うと犯人は写真集を探す前から大体分かってたんだけどね」
奈緒「ええ!?」
凛「まあ、さっき探してたのはトリックを裏付ける証拠だね。…今回は前回の事件みたいに番組のルールを逆手に取ったモノでは無かったからすぐに犯人は分かったよ」
美嘉「で、犯人は誰なのさ?★」
未央「智絵里ちゃんなの? アーニャちゃんなの? それとも…ア・タ・シ?」
凛「え?全員違うよ?」
藍子「えええええええええ!?」
美穂「さ、さっきまでの推理を聞いてましたか!? この状況を作るには…」
凛「うっすら聞いてたけど、さっきの推理は見当違いだよ」
卯月「ええええええええええ!?」
アーニャ「……では、凛、あなたの推理を聞かせてください」
凛「ん、そうだね…犯人はもっと大胆な手を使ってたんだ」
凛「最初に違和感を感じたのは、美嘉の証言だね」
美嘉「へ?アタシ?」
凛「美嘉の証言で…」
・・・・・・
『美嘉「とりあえず、呼びかけてみて返事が無かったから…扉を開こうとはしたけど鍵がかかって当然だけど開かなかったし」
凛「本当に鍵は掛ってたんだね?」
美嘉「うん、押しても引いても動かなかったよ…グッグッってね★」』
・・・・・・
凛「っていうのがあったよね?」
美嘉「うん、そんな事言ったね★」
凛「証言に間違いは無いね?」
美嘉「んー…あ、まさか横にスライドさせるドアなのに押すとか引くとかの表現がおかしいとかって話? ちゃんと横に引いたよ」
凛「ううん、そこは問題じゃないよ」
美嘉「だったら、特に問題は無いね★」
凛「確か、藍子ちゃんも扉を開けようとしたよね? 美嘉の表現に違和感は無い?」
藍子「ええ、特に問題はありません」
凛「分かった。卯月、ちょっと個室の中に入って内側からカギをかけてみて」
卯月「わ、わかりました!」
・・・・・・ガチャリ
卯月「鍵かけましたよー!」
凛「ありがとう卯月、…このドアを開けようとすると、普通は…」ガチャッガチャッ
凛「…こんな音がするんだ。まあ、当然だけどね」
未央「それがどう関係するのさ?」
凛「……分からない?」ガチャッガチャッ
藍子「……あっ、こんなガチャガチャとした音は鳴りませんでした!」
美嘉「そうだね! …ホントに少しも動かずにグッグッってしてたからね」
未央「それがどう関係があるのさ?」
凛「個室は鍵では無く別の何かで塞がれていたってことだよ」
奈緒「……別の何か? つっかえ棒でも噛ませてたのか?」
凛「つっかえ棒じゃなくて…ほら、アレだよアレ、机の上にあるでしょ」
奈緒「机って言うと個室の方じゃなくて…共有スペースの方の机か?」
凛「うん、その上にほら…メモ帳やボールペン、ハサミに、スティック糊に……セロハンテープ」
アーニャ「まさか…セロファンテープで塞いだんですか?」
凛「うん、おそらくね」
藍子「でも、セロテープで扉を止めれるものなんですか?」
凛「きっちり密着させて貼れば、数か所貼るだけで止められるよ。目に付きづらい、足元側と、目線より高い上側を止めれば、セロハンテープの透明さと相まって扉の表側に貼ってもバレ無いんじゃないかな…もっとも、全力で扉を開けにかかったらボロが出るだろうけどね。 幸い、ここには非力な女子ばかりだし、マスターキーの存在が知れていたから、無理に開ける必要もないしね。……茜ちゃんが居たら全力で開けにかかってたかもしれないけど」
智絵里「……まさか茜さんが狙われたのは…」
凛「……さあ、そこまでは分からないけどね」
アーニャ「しかし、待って下さい。鍵がかかっているかどうかは、鍵の表示部分…が、赤くなっているから判断した筈です。この方法だと、表示は青のままなのでは?」
凛「だから、上から赤色の紙を表示部分に張り付けたんだよ、そこのスティック糊で」
奈緒「はぁ!? そんな大胆な…いや、でも…出来るのか」
アーニャ「クラスニー……赤色の紙? そこのメモを、赤く塗って、貼ったとでも言うのですか? 机の上にあるのは黒のボールペンとシャープペンシルだけですよ? どうやって赤く塗ると言うのですか」
凛「別に、メモ帳を赤く塗った訳じゃないよ。ホラ、私がさっきから探してた写真集…この中の赤い物が映ってる写真を切り取って張り付ければ良いだけだから」
美嘉「だからさっきから写真集やら芸術作品の本を漁って訳ね★」
凛「そう、実際に切り取られてた写真集がこれ、『世界の情景~夕焼け編~』 パラパラっとめくって……ほら51ページが切り取られてる」
藍子「ホントですね…」
凛「こんな風に不自然に切り取られてるって事は、誰かが扉の表示部分に悪さしたとしか思えないよね。でも、夕焼けとかじゃなくて、車の写真集とかから切り取った方が単色の赤色が取れたと思うけど…時間もあまりなかったから、多分パッと思いついた夕焼けの写真集を探したんだろうね」
凛「死体を中に入れておいて、セロハンテープで施錠し表示部分は写真集から拾った赤い紙で誤魔化す。あとはバレ無いように皆が図書館から去った後セロハンテープと赤い紙を外せば今回の事件は完成するね」
凛「そして、肝心の犯人は…」
凛「……小日向美穂ちゃん、だね」
美穂「……どうしてそう思うのかな?」
凛「まず、このトリックを使って得をするのは、死体を隠している間にアリバイがある人な訳、そうなると、まったくアリバイの無い未央、智絵里ちゃん、アーニャは犯人から除外される…その3人以外で今回のトリックの最後、本当は密室なんかでは無かった事を隠す為にセロハンテープと紙を剥がす必要があるけど…それが出来たのは誰か? 私と奈緒と卯月は一緒に居たから不可能、藍子ちゃんと美嘉はまっすぐ2階に下りたから不可能…となると残るのは、2階に居続けた美穂ちゃんだけなんだよね」
美穂「……」
凛「それに、未央が面白い発言をしてたよね」
・・・・・・・・・・
『未央「なんでって…トイレにいる時、慌ただしく2階から下りてくる音が聞こえたから…二階で何かあったのかなー?って気になって見に行ったんだよ」
未央「で、部屋から出てきた美穂ちゃんから話を聞いて、ビデオルームに居る智絵里ちゃんを見つけた後、図書館に向かったって訳」』
・・・・・・・・・・
凛「美嘉や藍子の話だと、3人同時に図書館から出て未央を探したって言うのに、未央は部屋から出て来た美穂ちゃんを見ている…そして、その後ビデオルームに入って智絵里ちゃんを見つけたみたいだから…ビデオルームから出て来た訳ではない、となると未央が見たのは図書館から出て来た美穂ちゃんだよね?」
未央「あ、そうだね!美穂ちゃんは図書館から確かに出てきてた!」
凛「何でわざわざ図書館に戻ったか?答えは、個室にしかけたセロハンテープや、赤い紙を取り除きに行ってたから…そうでしょ?」
美穂「……」
凛「何か言い逃れはあるかな?」
美穂「ありま、せん…ね。 ……少なくとも、今この場では思いつかないです」
藍子「じゃあ…今日の犯人は…」
美穂「…私ですね。凛ちゃんの推理でほとんど正解です」
ピンポーン!
ちひろ『ハイ!大正解です! 今回の犯人は小日向美穂ちゃんでした!!』
ちひろ『それでは、犯行がバレてしまった美穂ちゃんは番組から退場です!!』
美穂「うう…退場ですか、皆騙されてくれてたと思ったんですけど…凛ちゃんにやられちゃいましたね」
凛「美嘉の証言と未央の発言が気づく鍵だったね…それが無かったら私も騙されてたと思うよ」
美穂「そういって貰えると嬉しいです! ……あ、でももう皆を騙さなきゃいけない犯人役はやりたくないですけど…」
未央「今思うと、結構皆を誘導したりしてたよね~」
美穂「ホントに内心自分を白々しく思いながらやらなきゃいけなかったので辛かったです……智絵里ちゃんも途中で犯人扱いしてゴメンね?」
智絵里「わ、私は大丈夫です…!」
美穂「それじゃあ、私、もう退場しますね! …出来ればずっと一般人役で参加したかったなぁ」
・・・・・・
・・・
藍子「美穂ちゃん退場しちゃいましたね…」
奈緒「トリックとかを考えるのも面倒だし…犯人にはなりたくないな」
未央「内心すごく申し訳ない気持ちで、しらを切らなきゃいけないからね…美穂ちゃんも辛かっただろうね」
アーニャ「そうですね、役を憎んで人を憎まず…です」
智絵里「また人が減っちゃいましたね…」
凛「そうだね…期限は一週間って言ってたけど、このペースだと一週間も持たずに終わりそうだね」
卯月「残りあと7人ですか…順調にったらあと三日で終わりですね」
2日目 終わり
残りメンバー 7人
今回の投下は以上になります。
待ってくれていた方は長い間待たせてしまって申し訳ないです…
すでに良い訳はしましたが、重ねて遅れた訳を言うと、約30000字という量の多さと、ロジックエラーが出てないかを確認、修正するのに予想以上に時間がかかったという理由です…
このSSへの意見、感想、誤字脱字、シーンの抜け漏れや説明不足のある個所等々ありましたらご意見お願いします。
あ、後、結局説明パートと推理パートで分ける試みはやりませんでした。おそらくササッと解かれて正解が投下されるだろうと思いましたので…
乙
楽しみにしてるよ
おつー、美嘉発症したかー(白目)
おつおつ
おもしろいわ
おつおー
遅くてゴメンよー…
とりあえず下書きは終わったんで明日にでもチェックした後投下します
先に言っておくと、今回は短めで、トリックも簡単にしましたのでスイスイ解けると思います。
投下を解決編とでずらしたりはしない予定ですが、小さい謎解きポイントをいくつか作りましたので
解きたい人は謎を解いてみたりして下さい。
なぜ、2,3月の暇な時に意地でも書いておかなかったのか…
ではまた、明日の9時、10時頃に投下します
了解
気長に待つよー
今更ですけど、残りメンバー7人じゃなくて8人ですね…
残りメンバー8人に頭の中で訂正しておいて下さい…
一応チェック終わったので投下開始します。
三日目
6:30
凛の個室
凛「zzz…」
凛(うーん…? なんか今日は寝心地が悪いな…)
凛(枕が違うからかな…なんかごつごつしてて寝づらい…)
凛「…枕がゴツゴツ? そんな馬鹿な…」パチッ
P「グッモーニン凛、よく眠れたかい?」
凛「きゃあああああああ!?」
凛「なんなの!?何でプロデューサーがここに居るの?何で私を腕枕してるの!?」バッ
P「出来心で…」
凛「出来心じゃ済まないよ!!」
P「まあ、それと少し凛に用事があってな…」
凛「用事?」
P「いや、本当にすまんのだが…急な予定が入った。別番組のゲストとしてどうしても欲しいって言われちゃって…」
凛「そんなの断りなよ!」
P「それが・・・前にちょっと融通聞かせて貰った人でな…断りにくいと言うか、ここで断ったら駄目な奴なんだ」
凛「…前に何かして貰って、そのお返しって事?」
P「そうそう、そんな感じ」
凛「……はぁ、そういうんじゃ仕方ないのか、プロデューサーにも付き合いはあるだろうしね」
P「ありがとう、凛 …一応この件は他の皆にはちひろさんの方から連絡が行くと思うから」
凛「ん、じゃあ今日は私抜きで進むのか…」
P「んじゃ、現場へ向かうぞ」
凛「現場? …スタジオの事だよね?」
P「いや、ちょっと今回はアスレチックな番組でな、トークとかじゃ無く、肉体労働な感じだぞ」
凛「肉体労働って今の言い回しだと、ライブとかじゃないんだよね?」
P「ああ、ロッククライミングしたり、ビーチフラッグしたりと大忙しだ」
凛「うわぁ…疲れそう…」
8:30 食堂
ちひろ「……というわけで、今日一日凛ちゃんは居ません」
未央「えー!?」
卯月「今まで全部凛ちゃんが事件を解決してきましたからね…少し不安です」
奈緒「まあ、今回の事件ばかりは私達で解決しようぜ!」
藍子「とは言っても、まだ事件が起きて無いのにこんな事言うのも変ですけどね」
美嘉「前回みたいに妙にグロテスクな事件じゃないと良いね★」
アーニャ「ダー、そうですね。 しかし…綺麗な死体となると毒殺しかありえません。毒殺には毒が必要ですから…」
智絵里「凶器箱の中に毒薬が入って無ければ不可能…です」
奈緒「撲殺や刺殺は麺棒なり、包丁なりでどうにかできるからな…」
ちひろ「あ、後これ、3階の見取り図です」
//http://i.imgur.com/eoqt3jR.png
奈緒「ああ、やっぱり3階解放されてたんだな」
藍子「まだ見に行って無いですけど、やっぱり順次解放されていく仕組みでしたか」
アーニャ「…見取り図には部屋が一つしかありませんね」
未央「うーん…多目的ルームって…何?」
卯月「そりゃ多目的なルームでしょ未央ちゃん!」
未央「なるほどー…あんなことやこんな事するのかー」
卯月「そうですよー!あんなことやこんな事するんですよー!」
未央「じゃあその部屋でしまむーにあんなことやこんなことしちゃうぞー?」
卯月「きゃー♪」
奈緒(仲良いなこいつら…)
美嘉「まあ、集会所にもできて、軽い運動位なら出来る大きいスペース位の認識で良いよね★」
アーニャ「アー、みなさん、確認したい事があります」
智絵里「なんですか…?」
アーニャ「シヴォニャン…今日の、マスターキーの持ち主です」
未央(今、しぶにゃんって言ったよね?)ヒソヒソ
卯月(絶対言いました!)ヒソヒソ
奈緒「おいそこの2人、いちゃついてないで真面目に聞こうか」
藍子「あ、それなら私です。ベットの横に昨日の未央ちゃんと同じような紙と一緒にありました」
美嘉「今日は藍子ちゃんが館の主なんだね★」
未央「よっ!館の主!」
藍子「そ、そんな大統領みたいな褒め方をされても…」
・・・・・・
・・・
藍子「えーと…朝食も食べ終わった事ですし、件の三階行ってみましょうか」
アーニャ「そうですね、そうした方が良いでしょう」
未央「んじゃ、このまますぐ行っちゃう?」
卯月「行きましょう!」
奈緒「そうだな。 …だれか自室で準備してからの方が良い人は居ないならすぐ行こう」
智絵里「私は大丈夫です…!」
美嘉「アタシも大丈夫だよー★」
藍子「じゃあ、早速行きましょうか!」
待ってた
・・・・・・9:00 3F 廊下・・・・・・
藍子「えっと…到着しましたけど…」
アーニャ「やはり、今回のフロアは、ノーミャ…部屋が、一つしかありませんね」
未央「となると、やっぱり大きい部屋なのかな?」
奈緒「まあ、今までの部屋の大きさから推測すると、バスケットコート位はありそうだな」
美嘉「とにかく入ってみようよ★」
・・・・・・多目的ルーム・・・・・・
多目的ルームの中は全面が真っ白の壁で覆われており
部屋の真ん中にガラスの箱があった。
ガラスの箱はエレベーター程の大きさであり薄いガラスで出来ているようだ
他には部屋の角に用具室と思われる個室がある
奈緒「…なんだこりゃ!?」
藍子「大きなガラスの箱ですね…」
卯月「こんな大きなガラスの箱見た事がないですね…」
アーニャ「ダー、ですがとても綺麗ですね」
未央「うーん…エレベーターみたいな形になってるから、中に数人入れそうだね」
智絵里「で、でも…完全に密閉されてますから、中になんて絶対入れません…」
美嘉「うっ…★ ガラスの箱…莉嘉…ヌルヌル…」ガクガク
藍子「ど、どうしたんですか?」
未央「うーん…どこかに秘密の入口みたいなものは無いのかな?」
奈緒「ええ? それは無いんじゃないか?」
未央「えー、どうしてさー?」
奈緒「ノックスの十戒てのがあってな、第何条かは忘れたけど、「秘密の出入口の存在を禁ズ」 みたいのがあったから、それを破る事は無いんじゃないか?」
アーニャ「ニェート、正しくは、「犯行現場に二つ以上の秘密の抜け道が存在してはならない」、です。そもそも、人が死なないので、ノックスの十戒は、あまり気にする必要が無い…ですね」
奈緒「ん…そうだったのか」
藍子「でも、このガラスの箱…天井も床も全部包まれてますよ? 秘密の抜け道も何も無いんじゃないですか?」
美嘉「確かに★ これじゃ中に入ったら窒息しちゃうね★」
卯月「…ちひろさんが後付けするんじゃないですか?」
智絵里「…ありえますね」
未央「それは…あるね」
美嘉「…後々ちひろさんが何か付け加えそうだね★」
藍子「えっと…このガラスの密室に関してはあとからちひろさんが何か仕掛けると言う事で…」
美嘉「異議なし!★」
未央「後はあの倉庫みたいな所へいこっか!」
アーニャ「ダー、そうですね。調べない手はありません」
奈緒「おう、そうだな」
・・・・・・用具室・・・・・・
多目的ルームの部屋の角、その一室は用具室となっていた。
中には、パイプ椅子や机、コーンにロープ、マットに跳び箱、バドミントンのラケットと羽根
それからモップ等の掃除用具があった。
奈緒「…用具室だな」
卯月「用具室ですね」
藍子「むしろ用具室以外なんと呼べばいいのか分かりません」
アーニャ「…」ゴトッ
美嘉「バトミントンのラケットがあるのは良いね! あとで皆でやろーよ★」
智絵里「…? アーニャさん? えっと…その紙は何ですか?」
アーニャ「ダー、どうやら、この用具室の備品リストのようです」
未央「おー!見せて見せて!」
用具室の備品リスト
パイプ椅子×12
長机×4
コーン×8
トラロープ
マット×2
跳び箱×1
ラケット×4
羽根×4
箒×2
チリトリ×1
モップ×1
雑巾×2
バケツ×1
ゴムハンマー×1
鉈×1
奈緒「…普通に用具室にある感じの奴だな」
アーニャ「ダー、その通りです。しかし…特筆すべきはロープ…でしょうか?」
未央「? なんでロープが特別なの?」
アーニャ「まず、絞殺をする事が出来ます。」
智絵里「!!」
アーニャ「その他、人を縛りつける事や、物を束ねて、運ぶ事…などが、できます」
美嘉「これ一つで大分色々できるって訳ね★」
藍子「へぇぇ…」
卯月「うーん…? でも運んだり縛ったりって、こんな閉鎖された空間で何かに使えるものですかね?」
未央「まあ…悪用方法は沢山あるだろうけど…うーん、あんまりこの空間じゃ浮かばないなあ」
奈緒「…あとは、良くある展開だと跳び箱の中に隠れるパターンとか?」
智絵里「それもありそうですね…でも、私は鉈が怖いです…」
藍子「まあ、事件が起こってからしか何が使われるかなんて分からないですから…今のところは良いんじゃないでしょうか」
卯月「これで調べ終わっちゃいましたね…」
未央「今回は早かったねー」
藍子「部屋が一つしかないですからね…」
智絵里「それは仕方ないと思います…」
美嘉「30分で調べ終わっちゃったね…」
奈緒「とりあえずバトミントンするか?」
アーニャ「ダー、いいですね、やりましょう」
美嘉「じゃあ智絵里ちゃんは私と一緒にやろっか★」
智絵里「お、お手柔らかにお願いします…」
卯月「どこでやりますか?」
未央「流石にこのガラスの部屋じゃ無理だから…あ、そういえば庭があったよね!」
藍子「いいですね。そこで皆でやりましょうか」
・・・・・・
・・・
未央「くらえ必殺!柚ちゃん直伝ぐさあスマッシュ!!」スパーン!!
藍子「きゃあっ!」パシーン
美嘉「凄いスマッシュだね★」
未央「でしょー?凄いでしょー?」
未央「まあ、この技名今ここで考えたんだけどね!」
藍子「全然直伝じゃ無いじゃないですか!」
未央「へへー未央ちゃん2連勝ー!」
奈緒「じゃあ負け抜けで…次は誰だっけ?」
アーニャ「ダー、私です。 どうやら、本気を出す時が来たみたいですね」ヒュッ!!
未央「お、お手柔らかに…?」
・・・・・・13:00 庭 ・・・・・・
藍子「はぁはぁ…いい汗かきましたね」
アーニャ「ダー、ここの所ずっと、引きこもっていたので、新鮮で良いですね」
未央「うん!良い運動になったねーってあ…」グウウウウ…
卯月「ああ、もうそんな時間なんですね…皆でご飯たべましょうか!」
美嘉「賛成ー★」
奈緒「あー、でも結構汗かいたから…お風呂も入りたいなー」
智絵里「そうですね…」
未央「えー? …あっ、じゃあ、みんな!」
藍子「?」
アーニャ「?」
智絵里「?」
未央「ご飯にする? お風呂にする? それとも…ア・」
奈緒「ご飯だな」
美嘉「ご飯だね★」
智絵里「えっと…ごはんでお願いします」
未央「え…ひどくない?」
卯月「未央ちゃんで」
未央「えっ」
卯月「未央ちゃんで」
未央「///」
奈緒「……なんでお前ら今日そんな仲良いんだ?」
~その頃の凛~
凛「お風呂!!」
P「まあまあ…凛、落ち着いて…」
凛「落ち着いてられないよ!」
凛「なんで、罰ゲームで熱湯入ってその後その濡れた服のままビーチフラッグして…」
凛「お湯やら、汗やら、潮やら、砂やらで全身の感触が最悪なのに、このままロッククライミングなんて…最悪死ぬよ!?」
P「すまん…予定が押してるんだ…」
凛「誰なのこんな無茶苦茶なスケジュール立てたのは!?」
P「それは…Dさんだが…」
P「あ、いや、ホントに済まない! お詫びに帰りに夜景の綺麗なレストランに連れてくからさ、なっ?なっ?」ペコペコ
凛「もう!そんなんで釣れると思って…!」
P「ホントにゴメン!こんなハードなスケジュールについてこれるのは凛しか居なかったんだ!凛だけが俺の頼りなんだよ、頼むよ…」
凛「まかせて、貴方が育てたアイドルだよ?」ファサ…
P「変わり身早いな!?」
P「ってかそれ加蓮のセリフ!」
~場所は戻って食堂~
・・・・・・14:00 食堂 食後・・・・・・
未央「ごちそうさま!」
藍子「お粗末さまでした」
智絵里「えっと…これからどうしましょうか…?」
奈緒「アタシはとりあえずシャワー浴びたいな」
アーニャ「ダー、賛成です」
美嘉「汗ばんでて気持ち悪いしね★」
・・・・・・14:00 大浴場 更衣室・・・・・・
未央「そういえば皆でお風呂入るのは初めてだね!」ヌギヌギ
藍子「ずっと、それぞれで入ってましたからね」ヌギヌギ
智絵里「にぎやかなのは…良い事です…!」
奈緒「ま、何はともあれさっさと身体流そうぜ」
卯月「はー、」マジマジ
奈緒「?なんだよ人の体じろじろ見て」
卯月「奈緒ちゃんてアンダー濃いんで
~その頃の凛~
凛「阻止!!」ピンポン!
幸子「なっ!?」
P「では正解は?」
凛「蒼炎の軌跡!」
P「大正解です!!」ピンポンピンポン!
『蒼炎の軌跡』
凛「よしっ」グッ
幸子「うう…今の25番のパネルが取れたら大逆転だったのに…」
幸子「このカワイイボクをここまで苦しめるなんて…やりますね凛さん」
~そして卯月達~
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
藍子「はー、良いお湯でした…」
美嘉「アーニャちゃんの肌、真っ白だったね★ うらやましいなー★」
アーニャ「そう…ですか?」
未央「ほんとにハーフはずるいと思う!」
卯月「ハーフの人はどうあがいても美形ですからね…」
アーニャ「私は、未央や、卯月の方が豊かで羨ましい…ですね」
美嘉「でもアーニャちゃん結構あるんじゃない?★」
藍子「そうですよ、15歳でそれはかなり沢山…」
智絵里「羨ましいです…」
未央「…」ドヤァ
卯月「未央ちゃん?ここぞとばかりに胸を張らなくても良いんですよ?」
奈緒「さて、これからどうする?」
藍子「私はビデオルームに行こうと思ってます」
アーニャ「私は、ビビレーティアカ…図書館に、籠ろうと思います」
智絵里「えーと…私は…」
藍子「あ、智絵里ちゃんも良かったら一緒に映画を見ませんか?」
智絵里「あ…ありがとうございます…!」
奈緒「…じゃあ、アタシはアーニャちゃんに同席させて貰おうかな?」
アーニャ「ダー、構いませんよ」
卯月「私達はどうしよっか未央ちゃん?」
未央「うーん…お風呂入ったばかりでまたバトミントンってのもなぁ…」
美嘉「あ、じゃあアタシと一緒にガラスの部屋に行かない?」
未央「ガラスの部屋? あ、多目的ルームだね!」
卯月「一応気になりますからね…、ちひろさんが変な後付けしないか」
美嘉「オッケー★ じゃあ行こっか!」
15:00 多目的ルーム前
美嘉「…」
卯月「…」
未央「…」
『多目的ルームは現在工事中です! 使用できません! ちひろ』
美嘉卯月未央「うわぁ…」
未央「え?ここまで大体的に工作宣言するものなの?」
卯月「確実に何か仕込まれましたね…」
美嘉「秘密の抜け道か…それとも、外なのに中に入っているように見える仕掛けか…」
未央「うわぁ…」
卯月「…ちひろさんも番組を盛りたてようと頑張ってるんですよ」
未央「そうだね…」
美嘉「…ま、そうだね★」
卯月「それにしても…何時ごろ工事中が解除されるんでしょう?」
未央「うーん…?何時頃なんだろ」
美嘉「あんまり封鎖しすぎると迷惑になるからそんな大した時間じゃ無いんじゃない?★」
卯月「えーと、じゃあまた、一時間後位に来ますか?」
美嘉「そうしよっか★」
未央「あ、じゃあその時間まで私の部屋でトランプしてようよ!」
卯月「良いですね!」
美嘉「それじゃ行こっか★」
15:30 未央の部屋
未央「えいっ! 八切り!」
卯月「あっ!折角小さい数字のカード出せそうだったのに…」
美嘉「ドンマイ★」
美嘉「…ところでさ、今日の犯人は誰だろうね」
未央「うーん…それは事件が起こってからしか分からないんじゃないかな」
美嘉「まあ、そうだよねー★」
未央「じゃ、そこから階段革命! 出せる人がいないなら7渡しでアガリ!」
卯月「あー! こんなタイミングで革命しなくても良いじゃないですかー!」
美嘉「よし!逆転の目が出て来た!6!」
卯月「うぐぐ…パスで…」
美嘉「え?出せないの?じゃあ、5跳び5跳び、3、7渡しでアガリ!」
卯月「うわーん!」
未央「…あ、もう16時だね!」
美嘉「そうだね★ …そろそろ多目的見に行ってみる?」
卯月「うう…もう良い時間ですしね…負けて終わるのは辛いですけど…」
未央「おーし! それじゃあ行こう!」
・・・・・・16:00 多目的ルーム ・・・・・・
3人が多目的ルームのドアを開けると、ガラスの箱が真っ赤に染まっていた。
ガラス箱の中には少女が倒れており、首元からはどくどくと赤い液体が流れつづけていた。
ガラスの箱の他に地面にも赤い血が流れており、凄惨な後景となっていた。
さらに、死体の近くに凶器と思われる血まみれの包丁が落ちていた。
美嘉「智絵里ちゃん…そんな…」
未央「うわ…」
卯月「酷い…」
未央「えっと、ど、どうしよう…?」
卯月「え、えーと、とりあえず調べましょうか…?」
美嘉「…ううん、皆が来る前に現場を荒らしちゃまずいから、皆を呼んでこよう」
未央「じゃ、じゃあ私が呼んで…」
美嘉「…前の事件では、離れ離れで行動した事が仇になったから、3人全員で行動した方が良いと思う…★」
卯月「そ、それもそうですね…じゃあ皆を呼びに行きましょう」
未央「確か、図書館とビデオルームに皆居るはずだね!」
16:05 ビデオルーム
未央「藍子ちゃーん!どこー?」
卯月「…居ないみたいですね」
美嘉「…仕方なないね★ 図書館の方に行こう」
16:10 図書館
未央「アーニャちゃん! 奈緒ちゃん!」
奈緒「うわっ!? な、なんだよ、図書館では静かにしろよ!」
アーニャ「…その慌て様は、まさか」
美嘉「うん★ 多目的ルームで殺人が起きたよ」
奈緒「はぁ!?」
アーニャ「やはり、ですか」
未央「智絵里ちゃんがガラス箱の中で殺されてたの!」
未央「詳しくはカクカクシガジカで…」
奈緒「な、なんだって!、なんか工事中の立て看板が出ていて多目的ルームが封鎖されてて明らかにちひろさんが後付けしてくる気マンマンで、自分たちがそれから一時間後に見に行った時には封鎖が解かれてて、中で智絵里ちゃんが死んでて、ついでに自分たち三人はずっと一緒に行動してたからアリバイはあるだって!?、あ、アタシ達もずっと一緒に本を読んでたから、アリバイはあるぞ!?」ゼェゼェ
美嘉「すごい、一息で説明しきった!?」
卯月「と、とにかく現場へ早く行きましょう!」
16:15
5人がと目的ルームに戻って来ると、ガラスの箱は粉砕されていた。
ガラスの箱と言う密室は消失したが、もちろん智絵里の死体が消えた訳ではない。
そして部屋の片隅には、
ハンマーを持った藍子が居た。
未央「え!?」
卯月「ガラスの箱が砕かれてます…」
奈緒「それより藍子ちゃんだろ!? なんだよそれは!」
藍子「ええと…なんて言うんでしょう」
藍子「智絵里ちゃんは私が殺しました」
未央「ええ!?」
卯月「え、それ言って良いものなんですか!?」
奈緒「隠しておくべきだろ!」
藍子「ごめんなさい…でも、ずっとアーニャちゃんと奈緒ちゃんは図書館、未央ちゃん卯月ちゃん美嘉ちゃんは部屋でトランプ…」
藍子「そうなると、私だけがアリバイが無い事になりますので…無駄に皆をかき回す様な事はしたく無かったんです」
アーニャ「確かに、特にアリバイ作りをしていないのに、時間をとられても、つまらないですからね」
未央「えっと…つまり、トリックで勝負!ってことだね!」
藍子「はい、そういう事になります」
卯月「え、それ言って良いものなんですか!?」
奈緒「隠しておくべきだろ!」
藍子「ごめんなさい…でも、ずっとアーニャちゃんと奈緒ちゃんは図書館、未央ちゃん卯月ちゃん美嘉ちゃんは部屋でトランプ…」
藍子「そうなると、私だけがアリバイが無い事になりますので…無駄に皆をかき回す様な事はしたく無かったんです」
アーニャ「確かに、特にアリバイ作りをしていないのに、時間をとられても、つまらないですからね」
未央「えっと…つまり、トリックで勝負!ってことだね!」
藍子「はい、そういう事になります」
16:20 現場検証開始
アーニャ「では、現場検証、ですね」
奈緒「ええと…とりあえず死体の周りから調べてみるか…」
卯月「…智絵里ちゃんは見た所、前側の首…つまり顎の下をナイフで切られてますね」
未央「うええ…他の死体と違って血が大量に出てるね…」
奈緒「大量に出血したんだろうな…ガラスにも床にも血液が大量についてる」
アーニャ「死体の上に、大量のガラス片が、乗っていますね」
美嘉「ハンマーでガラスを砕いた時に降りかかったんだろうね★」
アーニャ「でしょうね…失礼します」ゴロン
未央「えっ!? 死体をひっくり返してどうする気?」
アーニャ「死体の下は、どうなっているのかを、見る為、です」
アーニャ「…やはり、死体の下には、スティクロ…ガラスは一切ありませんね」
美嘉「やっぱりって…もしかして、トリックの目星は付いてるの?」
アーニャ「…ダー、トリックが分かりました」
未央「早っ!?」
美嘉「じゃあ、藍子ちゃんはどういうトリックを使って智絵里ちゃんを殺したって言うの?」
アーニャ「ダー、それをこれから説明しようと思います。」
アーニャ「まず、トリックとは何でしょうか?」
卯月「それは…どうやって藍子ちゃんが智絵里ちゃんを殺したか…ですよね?」
アーニャ「ダー、そうですが、もっと言うならばどう謎を作ったのか、です」
奈緒「謎?」
アーニャ「ダー、まず最初の疑問として、【智絵里はガラスの殺害時に箱の中に居たのか?居なかったのか?】 ですね」
アーニャ「これらの謎を、解いていくことで、推理は完成し、トリックは暴かれます」
未央「私達はちゃんと智絵里ちゃんが箱の中に居るのを見たよ!」
アーニャ「いえ、もしかしたら、そう見せかけられているだけなのかもしれません」
美嘉「どういう事?★」
アーニャ「例えば…特殊なオビクティフ…レンズを用いて、蜃気楼がオアシスの位置をずらして見せるように、本当ならガラスの外側に居たのに、レンズを通して見せた為に、ガラスの箱の内側に居るように見えてしまった…等です」
卯月「ええと、要は私達が見たのは虚像と言う事ですか?」
アーニャ「虚像…と言う良い方が正しいかは分かりませんが、とにかく、死体が見えていたのは本来の位置とずれていたということです」
アーニャ「そして、それは、実際に調べられれば、すぐにバレてしまうでしょう。ですから、バレる前にガラスの箱を砕いた…とも考えられます」
卯月「なるほど…」
アーニャ「もうひとつは、本当に死体がガラスの箱の中にあった場合ですね」
未央「私達が見たのが正しかったって事だね!」
アーニャ「ダー、ですので特に言う事はありませんが… 強いて言うなら、そうなればガラスの箱は密室じゃ無かった事になります」
アーニャ「つまり、ちひろ…さん、が、後付けで何か秘密の抜け道を作った事になります。」
美嘉「そうだとすると、秘密の抜け道の存在を隠す為に、犯人はガラスを砕いたって事になるね★」
卯月「それで、どっちだと思っているんですか?」
アーニャ「…それは、」
アーニャ「私は、智絵里は殺害時に、【ガラスの箱の中に居た】と思っています」
未央「秘密の抜け道があったって方針だね!」
奈緒「一応聞くと、それは何でだ?」
アーニャ「ダー、まずは、智絵里の上にガラス片が、乗っていました」
卯月「ええと…あっ、箱の中に居る状態で周りのガラス箱を壊されたからガラス片が智絵里ちゃんの上に降りかかったんですね!」
アーニャ「ダー、その通りです」
美嘉「でも待ってよ★ そういうふうに偽装したんじゃないの? 藍子ちゃんにはガラスを壊した後ガラス片を死体の上に振りかける事くらいはできたはずだよ?」
アーニャ「それは…死体を、ひっくり返した時に、死体の下には、ガラスは一切ありませんでしたから」
美嘉「…? あっ、そうか、ガラス箱を壊した後に智絵里を置いたとすると、下にガラスが落ちてるのか★」
アーニャ「ダー、その通りです。いくらなんでも、細かいガラス片までは、片付ける事が出来ませんからね。下にガラス片が一切ないのは、元々智恵理が、箱の中に居て、その後ガラスの箱を、壊されたからだとしか、思えません」
アーニャ「そうなってくると、次の疑問が、出てきますね」
未央「次の疑問?」
アーニャ「ええ、【秘密の抜け道とはどんなものだったのか?】です」
卯月「ええと…秘密の抜け道ですか…」
アーニャ「ダー、智絵里が中に入れた、と言う事は、どこかにダローガ…秘密の抜け道があるはずです」
美嘉「秘密の抜け道、ね…」
未央「うーん?これは…ちひろさんが後付けしたものとして…何処にあったんだろ?」
奈緒「うーん…正直後付けじゃあ、推理のしようが無いような気がするけど…」
卯月「…これも、アーニャちゃんはアタリがついてるんですか?」
アーニャ「ダー、私は、秘密の抜け道は…」
アーニャ「秘密の抜け道は、おそらく下です」
奈緒「下って…、まさか、ガラス箱の底って事か?」
アーニャ「ダー、智絵里の死体には、ガラスは一切無いと、言いましたね? 例え底部分を砕いたとしても、破片は残ってしまいます…が、最初から無ければ問題ありません。」
未央「…あっ! そういえば私達が最初に智絵里ちゃんの死体を発見した時も、地面に血がついてた!」
アーニャ「…では、確定ですね」
アーニャ「秘密の抜け道は、【ガラス箱の底部分がちひろの後付けによって撤去されていた】ですね」
未央「ガラス箱自体は薄いガラスを使用してたから…、少し持ち上げれば下からは出入りは出来そうだね!」
アーニャ「つまり、整理すると…」
アーニャ「藍子は、智絵里を上手く誘い、多目的ルームへ、誘導しました」
卯月「藍子ちゃんは智絵里ちゃんと一緒に行動してたから可能ですね!」
アーニャ「そして、ガラスの箱下から、内側に、智絵里と一緒に入りました」
未央「例の秘密の抜け道だね!」
アーニャ「そして、中で智絵里を殺害した後… 、例えば倉庫等から誰かに発見されるのを伺い… 発見された後は、秘密の抜け道を隠す為に、ハンマーでガラスの箱を砕きました」
藍子「あ、ちなみにこのハンマーは、今日私の凶器箱に入ってたものです」
奈緒「藍子ちゃん余裕だな!?」
アーニャ「以上…の、はずです」
未央「これで…あってるよね?藍子ちゃん?」
藍子「…さあ、どうでしょう?」
卯月「うぐっ、な、なんかまだ秘密がありそうな予感が…」
アーニャ「しかし、これが導き出された結論のはずです」
奈緒「ん?」
ピピピ!
・・・・・・・・・・・・・・・
FROM ちひろ
件名 チヒロファイル
死体は緒方智絵里
凶器は包丁
首を切られて大量に出血している
また、降り注いだガラス片により身体の一部に傷が出来ている
その他には外傷は無し
・・・・・・・・・・・・・・・・
奈緒「今更かよ…」
卯月「事件解決してから来られても困りますよね…」
アーニャ「……!」
未央「…アーニャちゃん?」
アーニャ「…本当に、これで正解なのでしょうか」
藍子「!」
アーニャ「チヒロファイルには、いつも肝心なことは、書かれていません…」
アーニャ「今回も、はっきりと死因が大量出血と書かれている訳ではありません」
アーニャ「何か、見逃している事が…ある、かも、しれません」
未央「そんな、今回も推理に矛盾は無いように思えるんだけど…」
アーニャ(…何か見落として要る事が無いのか、頭の中でシュミレートしてみましょう)
アーニャ(まず、藍子と智絵里は一緒に行動していました。智絵里を多目的ルームに誘うのは…簡単のはずです)
・・・・・・
藍子『あ、智絵里ちゃん、多目的ルームが気になりませんか? もう一度私達で調べませんか?』
智絵里『は、はい!』
・・・・・・
アーニャ(これは普通にあり得ますね)
アーニャ(では、ガラスの密室の中に入るのはどうでしょう?)
アーニャ(私だったら警戒して近づきませんが…)
・・・・・・
藍子『あ、智絵里ちゃん、これ下が開いてるから中に入れるようになってますよ』
智絵里『ほ、ホントですね…』
藍子『ちょっと一緒に入ってみないですか?』
智絵里『え、で、でも…』フルフル
藍子『中に何か変なのが無いか調べなきゃ!』
智絵里『うう…わ、わかりました…』
・・・・・・
アーニャ(…智絵里なら、押し切られてしまいそうですね)
アーニャ(では、実際に殺すとなると…?)
アーニャ(首の前面を切るには向き合った状態で切るか… 後ろから近づいて暗殺のように切るかですが…)
アーニャ(流石に暗殺のように切るのは流石に智絵里も警戒してるでしょうし、不自然ですね。難しいでしょう)
アーニャ(…私だったらガラスの箱に誘い込んだ後は…)
・・・・・・
智絵里「あ、アーニャさん?」
アーニャ「…」スチャッ
智絵里「ひっ、ほ、包丁…? だ、誰か助けて…」タタッ
智絵里「が、ガラスの壁が…」バンバン
ドスッ
・・・・・・
アーニャ「警戒されてるでしょうし、それを逆手にとって、逃げた所を、後ろから刺します」ブツブツ
奈緒「アーニャちゃんがなんか怖い事ブツブツ言ってる…」
アーニャ(そうなると、背中に包丁を刺しますね)
アーニャ(流石にこれだけ警戒されてては、暗殺者のように首をかき切るのは難しいでしょう)
アーニャ(では、首の前面を切るにはどう行動するのでしょう?)
アーニャ(警戒されてて対面している状態で、素早く包丁を抜刀して首を切る…?)
・・・・・・
藍子『えいっ!!』ヒュッ!!
ちえり『えっ…』
スバッ
・・・・・・
アーニャ(…抵抗されて狙いがブレる可能性が高い気がします)
アーニャ(…それに、そもそも藍子が包丁を振り回す様な危ない事をするのでしょうか?)
アーニャ(まさか、藍子はCQCを使える…?)
・・・・・・
藍子『ドラム缶は戦士の必需品だ』
智絵里『それ、ダンボールじゃ…むぐっ!?』グィッ
ザシュッ
・・・・・・
アーニャ(…)
アーニャ(…ないですね。)
藍子(なんだか失礼な事考えられてる気がします… でも、犯人役だから下手に会話とかツッコミが出来ない…)
アーニャ(どうにも、ここの辺りが引っかかりますね)
アーニャ「…チヒロファイルには、首を切られた事が、死因とは、一切書いてません」
アーニャ「もしかしたら、死因は、別に、あるのではないでしょうか?」
卯月「ええ!?」
アーニャ「皆さんで、【死因は別にあるとしたら何が本当の死因なのか?】、を考えてみませんか?」
奈緒「別の死因って言われてもなあ…」
卯月「チヒロファイルには…傷は、首を切られたのと、ガラス片以外には特に無いって書いてありますね」
未央「ガラス片で…死ぬ訳無いか…」
アーニャ「…一応もう一度死体を改めてみましょう」
アーニャ「血が…もう、流れ出てはいませんね」
奈緒「うええ…」
未央「私達が来た時はもっと出てたよね」
卯月「ええ、首を切られて死んだのは疑いようが無いと思いますけど…」
アーニャ「…人形、冷たいですね」
美嘉「そりゃ人形だし★」
アーニャ「いえ、今回の死体人形は、中に血まで入っている仕様です…未央達が、発見した時には、流れつづけていて…しばらくして止まるようになっています」
アーニャ「人形とは言え、できるだけ、死体を忠実に再現しようとしています」
奈緒「…?それがどうかしたのか?」
アーニャ「この死体には[不自然な点]があります。」
アーニャ「それは…」
アーニャ「…死体は、未央達が、発見した時は、まだ首から血が流れていた…つまり、首を切られてすぐ、だったったはずです」
アーニャ「で、あるのに、[死体はもう冷たくなっている…]」
未央「…あ! 死にたてなら死体はまだ温かいハズだね!」
アーニャ「つまり…」
アーニャ「一度、智絵里は何らかの方法で殺された後、首を切られたのだと考えられます」
奈緒「なんらかの方法…ってのは、アレか?」
アーニャ「ええ、…」
アーニャ「そうですね。一日目と同じ様に【毒殺】を、された後に、刃物で刺したと言ったトリックですね」
藍子「…う!」ギクッ
未央「でも、なんでそんなめんどくさい事を…?」
アーニャ「それは、もちろん、捜査を錯乱させる為…と言うよりは、私達に間違った答えを解かせる為、ですね」
アーニャ「一日目は、トリックにより、殺害方法を、ずらす事で、犯人を別人にしたてる事が目的だった為、トリックが分かれば、すぐに犯人にたどり着けました」
アーニャ「しかし、今回の事件は、すでに犯人が分かっている状態であったため、更に言うなら、ガラスの密室などという目を引く謎があった為に、一つ目の謎が解けたからといって事件を終わらせてしまえば、トリックの回答としては不正解…藍子の勝ちになっていました」
奈緒「実際アタシ達が引っかかりそうになっていた所だな」
アーニャ「毒を、飲ませたタイミングは、おそらく、ビデオルームで…ですね」
未央「あ、昨日言ってた、誰かに飲み物を持っていってあげて、その中に仕込んでおく奴だね!」
アーニャ「そうでしょう? 藍子?」
藍子「…」
藍子「まだですよ…見落としている所がある事に気づいていませんか?」
卯月「み、見落しですか?」
藍子「ええ、アーニャちゃんの推理が正解だったとして…必要なものがありますよね?」
未央「必要なもの…?」
藍子「毒殺、と言ってるんですから毒薬ですよ」
藍子「さっきも言いましたが、私の凶器箱に入っていた凶器は「ハンマー」です。…好きに確認してもらって構いませんよ」
藍子「鈍器や、刃物なら館の中で調達できますが…毒薬となるとそうもいかないはずです」
藍子「【一体私がどうやって毒薬を手に入れられたって言うんですか!!】」
アーニャ「…その答えも、もう、出ています」
藍子「!?」
アーニャ「藍子が毒薬を手に入れた方法…それは…」
アーニャ「…簡単な話です。 藍子はここの皆さんと違う所が一つありますね?」
藍子「…違う所って何ですか」
アーニャ「それは、役職です。犯人というのもそうですが…同時に「館の主」でもあります」
アーニャ「つまり、マスターキーの持ち主だと言う事です」
藍子「……」グッ
アーニャ「図星、ですね?」
アーニャ「【藍子はマスターキーを使用して他人の部屋に入り凶器箱の中から毒薬を盗んだ】…違いますか?」
アーニャ「誰から盗んだかまでは知りません、奈緒や卯月か、殺す予定だった智絵里か、今居ない凛なのか、それとも…もう退場した人の部屋から持ってきたのかもしれません」
藍子「……」
藍子「……加蓮ちゃんの部屋から盗みました」
未央「!」
美嘉「!」
藍子「全部、正解です…私がそうして智絵里ちゃんを殺しました…」
ピンポン!ピンポン!
ちひろ『大正解です! 今回の犯人は藍子ちゃんでした!』
藍子「あはは…一つ目のトリックに飛びついてくるようならイケると思ったんですけどね…」
アーニャ「ニェート…藍子は良くやったと思います。危うく騙されるところでした」
未央「私達だけだったら確実に引っかかってたよね!」
美嘉「だね★」
卯月「Cool勢は流石ですよね…凛ちゃんもアーニャちゃんも…」
奈緒「…それ、アタシをディスってたりする?」
卯月「そ、そんな事無いですよ!」
藍子「それじゃ、私は退場しますね…皆さん、頑張ってくださいね」
未央「うん!」
17:00 多目的ルーム
未央「今回の事件は解決が結構早かったね!」
卯月「でももうこんな時間ですか」
奈緒「凛の奴いつ帰って来るんだろうな?」
美嘉「玄関で待ち合わせしてお出迎えしちゃう?★」
未央「いいね!そうしよう!」
卯月「じゃあ行きましょうか!」
アーニャ「…」
奈緒「どうしたんだ?」
アーニャ「…もう、こんなに少なくなってしまいましたね」
未央「あー…人数か…」
アーニャ「ダー、少し、寂しいですね」
18:00 1F 玄関前
ガチャ
凛「ただいま…」フラフラ
未央「おかえりー!」
卯月「おかえり凛ちゃん!」
美嘉「おかえり★」
凛「あ…皆出迎えてくれたんだ…ありがと」
奈緒「? 元気無いな」
アーニャ「どうしたんですか?」
凛「それが…ビーチフラッグやらロッククライミングやらクイズやらアスレチックやらをしてきたから…身体も頭脳も疲れてるんだよ…」
卯月「道理で磯とか砂とかの匂いがするんですね…」
凛「やっぱり匂うよね…慣れたけど自分でもわかるし」スンスン
凛「早くお風呂に入りたい…」
奈緒「じゃあ、皆でお風呂にまた入ろうぜ!」
美嘉「賛成ー★」
未央「それから私の部屋で皆でまたトランプしようよ!」
凛「あ…ごめん、それはパスさせて」
未央「えー!?」
アーニャ「どうしたのですか?」
凛「今日はホントに疲れてて…すぐにでも寝たいんだ」フラフラ
奈緒「…相当ハードワークだったみたいだな」
卯月「凛ちゃんがここまで言うのも珍しいですからね…」
三日目 了
残りメンバー 6人
今回はさくっと簡単に終わらせましたー
自分でも、ちょっと無粋な密室をやってしまった感がありますが、細かく謎解き要素を入れてみました。
次回…GWに一気に書いて投下出来たらいいなあ…(願望)
それでは、見てくれた方はありがとうございました。
誤字脱字や感想ご指摘は募集中です。
待ってくれてる方は本当にありがとうございます。
おつおつ
クライマックスもちかいのかしら?
>>278
>>8 の凶器箱の所参照
一応凶器は日替わり設定してました。
加蓮の部屋にあったのは、これは特に絡まないと思って言って無かったですが
一応脳内では、死んだ人の部屋は弄られない事になってます。
こう言う誤解が生まれるのは、大体間を開けて書いちゃってる俺のせいですね…
ホントスイマセン…
最初は一ヶ月そこらで終わる予定だったんです…
推理物にレス参加するなら
最低限設定と説明くらい読んどけ、マジで
そんなんだからモバマス勢は文盲とか言われるんだYO
投下開始します。
が、諸事情によりもしもしからの投下となるのでやや遅めの投下となります。
33分探偵凛とか書きたかった…
もしもしで酉付けれるのかね…
これでどうだ
酉ばれちゃったから変えた方が...
酉バレたけどまあ、いいや
もしもしから投下し辛いな…
多分どこかでミスりそうなのでその時はご指摘頂けたらと思います。
5:30 凛の部屋
凛「…ん」パチリ
凛「ん…んん?ふぁ…」
凛「良く寝たぁ…」ググッ
凛「今何時かな…ってまだ5時か」
凛「昨日は疲れたたから早く寝ちゃったんだよね」
凛「確か…寝たのは7時か8時だったかな」
凛「…そりゃ早く起きるよね」
凛「えーと、今日の役は…」
≪あなたは一般人です≫
凛「今日も一般人か…」
凛「たまには犯人役やりたかったりして…なんてね」
カサッ…チャリン
凛「ん? 何か紙が…」
『あなたは特殊役職「館の主」になりました!
この役職に就いた方には同封の鍵が与えられます!
その鍵はこの館のほとんどの鍵を解錠できるようになっています。
ただし、この鍵は「館の主」しか使うことはできません
この役職も犯人と同じく日毎に変わります
また、館の主であるからと言って一般人であるとは限りません
この役職は事件の推理を行う前に全員に公開しなくてはなりません』
凛「今日は私がマスターキーの持ち主なんだ」チャリン
凛「なんだろう、なんだかちょっと嬉しいかな」
凛「…まあ、これといってメリット無いんだけどさ」
凛「さて、それはそうと、皆が起きるまで暇だね…」
凛「ちょっと図書館で本でも借りてこようかな」
凛「ビデオルームでも良いけど…何故だかわからないけど、今はホラーBDしか置いてない気がするし…」
凛「朝からホラーは無いよね…」
ガチャ
凛「…って、昨日部屋のカギかけ忘れてたみたい」
凛「疲れてて部屋に入ってすぐ寝ちゃったからなあ…気をつけよう」
凛「あ、そうだ、折角早朝なんだから外に出てみようかな」
・・・・・・庭 ・・・・・・
凛「あんまり、外に出なかったけど…ここ、凄く田舎だけど凄く良い景色だね」
凛「…うん、朝だから空気も少し冷えてて気持ちいし」
凛「新鮮な空気だね…息を吸うだけで爽快感があるし」
凛「これから、たまには早起きして外でゆっくりするのも良いかもね」
凛「うん、心身共にリフレッシュして、頭も冴えて来たし…」
凛「今日も一日頑張れそう」
凛「あ、借りて来た本をここで読むのも良いかも」
凛「うん、そうしよう」
凛「それにしても、この番組中に外に出る事あまりないからね…」
凛「少し不健康な生活送っちゃってるかも…」
凛「あ、外で思い出したけど、ハナコは今何してるのかな?」
凛「番組が終わったら早朝散歩に連れまわすのも良いかもね」
凛「ホントにさわやかな気分になれたし」
凛「フンフンフ?ン♪ 蒼い?鳥?♪」
5:50 図書館
凛「さよなら?蒼き日?々?よ?♪」
凛「さて、何を借りようかな? 小説にしようか、それとも詩なんかも良いかもね」
凛「こういうのは選ぶのも楽しいよね」
凛「あれ?」
凛「個室のドア…一つ閉まってる…」
凛「こんな朝早くから読書?」
凛「…アーニャかな?」
凛「おーい、誰が居るの?」コンコン
凛「…」
凛「返事が無い…」
凛「…まさか」
凛「…マスターキーは持ち歩いてるから、開けれるけど」
凛「一応、何か細工がされてないか調べよう」
凛「…セロハンテープが貼られてる形跡も無し」
凛「個室の表示も赤で、2日目の時みたいに上に何かが貼られてる訳でもない…」
凛「…外側から見る限りは特に変な所は無いね」
凛「じゃあ…開けちゃおうかな」
凛「…中に誰かが居て、寝落ちしちゃってる可能性もある訳だし」
凛「よし、開けてみよう」
ガチャ
個室の中には人が倒れていた。
個室の内側のドアには血がべっとりと付いており、
血が手の跡となって付着している
そして、倒れている人の脇腹付近には血の跡が…
また、凶器であろうと思われるナイフが地面に落ちていた
そして、その死体の人物は…
凛「そん、な…」
凛「未央…?」
凛「…とにかく、みんなに知らせなきゃ」
凛「1階へ…」タタタッ
・・・・・・1F 個室前・・・・・・
凛「えっと、とりあえず卯月を呼ぼう」
凛「卯月、起きて!未央が…未央が!」ピンポーン!ピンポーン!
凛「寝てる場合じゃないんだって! 卯月起きてよ!」ドンドン!
凛「卯月! 卯月!」ピンポンピンポン!
凛「もう!仕方ない、マスターキーを使って入っちゃおう!」ガチャ
バタン! ごとり…
部屋を開けると今までに見た事も無い様な凄惨な場面が待っていた
部屋の到る所には血の跡、血だまりが有り、赤くない場所を探す方が難しい程になっていた
そして、最も血だまりのある場所…ベットには卯月…
だと思われるものが落ちていた。
それは、手、腕、肩、胸、胴、尻、足、脛、太腿…がそれぞれバラバラにされており
そして、最後のパーツである、頭はベットの下にごとりと落ちて、虚ろな目でこちらを見ている
凛「ひっ…」
凛「おえ、え…」
凛「誰が…こんな…、こんな酷い事を…」
凛「…」ドクンドクン
凛「と、にかく、皆を呼ばなきゃ…」タタタッ
凛「奈緒!」ガチャ
凛「…居ない」
凛「アーニャ!」ガチャ
凛「居ない…」
凛「美嘉!」ガチャ
凛「…なんで、皆居ないの…?」
凛「怖いよ…誰か…助けて…」
凛「…でも、皆を探さなきゃ」
凛「何処に居るんだろう…?」
サスペンス路線……だと……?
投下中に別の酉つけといたほうがいいんじゃないかな?
次からの投下で不便になるかもしれないし
・・・・・・3F 多目的ルーム前・・・・・・
凛「…食堂にも、お風呂にも、ビデオルームにも皆居なかった」
凛「後探して無いのは、この三階と、四階だけ…」
凛「私は、そのどっちにも行った事無いから、怖いけど…行くしかない」
凛「…」スーハー
凛「よし、入るよ」
ガキッ
凛「ガキッ?」
凛「…」ガキッガキッ
凛「…なに、これ、鍵が掛ってる」
凛「誰が、こんな事…」
凛「いや、内側から鍵を掛けるしかない訳だし…中に誰かいるね」
凛「また、マスターキーの出番か…」チャリ…
ガチャ
特に言う事は何も無い真っ白な部屋
昨日あったはずのガラス片はしっかりと片付けられ何もない部屋となっていた
部屋の中心で首を吊っている奈緒を除いては何もない部屋になっている
奈緒の髪はほどかれており、髪が前に垂れ、表情が分からない
そんな所も、凛の恐怖心を煽る事になっている
凛「奈緒…?」
凛「何で…?」
>>300
俺のもしもしだと酉も付けづらいんよね…
一応今回は今日のidから追って貰えたらと思ってます
酉は投下終わりに新しいのを作りますので
凛「!」ガチャ
凛「…もしかして、犯人の狙いは」
凛「…私達の全滅?」
凛「そうだよ、私達を全員殺しちゃえば問答無用で一人勝ちだし」
凛「…考えられる」
凛「……だったら私は犯人に殺されないように全部の死体を発見して、トリックを暴かなきゃ」
凛「…鍵は今掛けたから犯人がこの部屋に入って来る可能性は低い」
凛「奈緒、少し調べさせて貰うからね」
凛「足元には跳び箱があって…ロープは天井の電球の所に結んであるね」
凛「…犯人は、跳び箱に乗ってロープを天井に結んで、それから奈緒の首を通して…ドン」
凛「こんな所かな?」
凛「後は、あの用具室が気になるね」
凛「犯人が居るかもしれないから警戒して開けよう」
スッ…ガチャ
凛「…」ソロ?
凛「…誰も居ないね」
用具室
凛「…特に何も無さそうに見えるけど」
凛「ん? あれなんだろ」
凛「壊された時計?」
凛「近くに鉈が転がってるね…これで壊されたのかな?」
凛「時計の他に…何これ鍵? が一緒に壊されてる?」
凛「この鍵は…ってこれ…」
凛「卯月の部屋の鍵…だね。何でこんな所に?」
凛「鍵は…時計と一緒に壊されたような跡があるね」
凛「多分、時計の上に鍵を乗せて同時に鉈で壊したんだろうね」
凛「…なんでそんな事を?」
凛「あと、時計は0時20分で止まってるね」
凛「つまり、0時20分に卯月の部屋の鍵は壊されていた…?」
凛「何か嫌な予感がする…」
>>304
名前欄消えるタイプか、ごめんね
凛「…一応調べ終わったし、4階行こうかな」
凛「いつもはちひろさんが見取り図を届けてくれてたから、事前にどんな部屋か分かったけど…4階はどんな部屋なんだろう」
凛「今までのパターンから推測すると…アーニャか、美嘉が死んでるハズ…」
凛「それで犯人は死んでない方に絞れるから、そこから手口について考えよう」
凛「よし、行こう」
4F 部屋前
凛「…多目的ルームと同じで一部屋みたいだね、扉がここには一つしかないから」
凛「…入ろう」
ガキッガキッ
凛「…また、密室なの?」チャリ…
ガチャ
凛「キャアアアアアアアアアアアアアア!!」
4F 拷問部屋
4階は拷問部屋だった
その名通りおぞましい道具が沢山あった
爪を剥がす類のもの、ゆっくりと窒息死させる類のもの…
そして、その拷問室の真ん中でアーニャはギロチン台に固定されて首を刎ねられており
更に、その隣では美嘉が同じく身体を固定された状態で、巨大な分銅により胴体が押し潰され、はじけていた。
凛「そんな…2人とも死んでる…」
凛「どちらかが彼女らを殺したんじゃ無かったの…?」
凛「それより、グロイ…直視に堪えない…」
凛「何が起こってるの…? 分からない…何も…」
凛「とにかく、現場を見てみよう…」
凛「う…グロイし怖い…」
凛「…まず、ギロチン、分銅にはロープが結んであって…ロープを離すと落ちて、対象の首を刎ねたり、胴体を潰すようになってるね」
凛「…で、何故か近くに燃え終わったロウソクが有るし」
凛「あと、ロープの先端は焼け切れてるね」
凛「あと、アーニャ達は…手足腕に肩まで固定されて身動きを取れなくされてるね」
凛「…こんな所かな」
凛「色々と感じた所もあるけど、こんな所には一秒も居たくないから、さっさと部屋に帰ろう」
1F 凛の個室
凛「…私、一人だけになっちゃった」
凛「改めて、番組が終わるまで一人ぼっちだと思うと…」
凛「この、おぞましい死にかたをした死体まみれの館で一人ぼっちだと思うと…」
凛「気が滅入るね。ホントに」
凛「…怖い」
凛「怖くて寂しいよ…卯月…未央…」
凛「怖さとか紛らわす為にテレビでも点けよう…」ピッ
TV< ギャー! なんでボクの方だけ来るんですか! ボクがカワイイからですか!!?
TV< ちげーよ!! オメエが俺とキャラ被ってるからだよ!!
TV< 何処がですか!!!
TV< 身体張ってる所だよ!!
TV< 好きで張ってる訳じゃあありませんよ!!今だって!!
TV< なんだと!ドーン!
TV< フギャー!!
凛「…いっつもはこんな番組最低だと思うけど…今は恐怖を忘れさせてくれるね」
TV< で、幸子は今日は良い絵取れたのか!?
TV< フフーン、まあ何時もカワイイボクですが、今日は一段とカワイク仕上がってますよ!
TV< そうか! じゃあ今日の番組は俺が全部放送禁止にしてやる!!
TV< なんでですか!! 何かボクに恨みでもあるんですか!?
TV< うるせぇ! ドーン!
TV< フギャー!!
凛「ふう、なんかくだらなさすぎて、怖さとか吹き飛んじゃった」
凛「落ち着いたし、推理を始めてみようかな」
凛「まず、一気に4つの事件を考えるとこんがらがりそうだから…」
凛「難しい事は考えずに、一つ一つの事件について考えてみよう」
ピピピ
凛「ん、…あ、チヒロさんからメールだ」
・・・・・・・・・・・・・
FROM ちひろ
チヒロファイル
島村卯月
死亡推定時刻 0:30?1:40
死因 大量出血によるショック死
備考:バラバラ殺人
本田未央
死亡推定時刻 1:30?2:50
死因 出血によるショック死
備考:内側のドアノブに未央本人の指紋
神谷奈緒
死亡推定時刻 2:30?3:30
死因 絞殺
備考:特になし
アナスタシア
死亡推定時刻 4:23
死因 ギロチンで首をはねられた為
備考:身体は固定されていた
美嘉
死亡推定時刻 4:24
死因 胴体を分銅で潰された為
備考:身体は固定されていた
・・・・・・・・・・・・・
凛「今回はなんかメール届くまでが長かったね…一気に送信したかったからかな?」
凛「ま、何でも良いや」
凛「纏めると…」
凛「卯月が 1F で 1時前後に殺された」
凛「未央が 2F で 2時前後に殺された」
凛「奈緒が 3F で 3時前後に殺された」
凛「アーニャ、美嘉が 4F で 4時23、4分に殺された」
凛「…って事だね。時間が何かきな臭いけど」
凛「さて、それじゃあ1階の卯月の部屋からトリックを解いていく事にしよう」
1F 卯月の部屋
凛「【卯月はどうやって死んだのか】を考えるために現場に戻ってきたけど」
凛「うえ…」
凛「やっぱりバラバラ殺人だね…」
凛「一応パーツが全部足りてるか確認しよう」
凛「頭…は間違いなく卯月のだね、手も2つあって…足も二つあって…胴体…胸…お尻でっか!…で首、肩…と」
凛「パーツは全部足りてるみたいだね。それに、この身体の形…全部卯月のだね。少なくとも別人にすり替えられてるって事は無さそう」
凛「血は、ベットに集中的に付いてるけど…何処も血まみれだね」
凛「あと、特筆すべき所は、3F階にあった時計とこの部屋の鍵…」
凛「時計と一緒に壊されたのなら、この部屋の鍵は1:20分から使えない事になってる」
凛「けど、チヒロファイルを見てみると、最低でも卯月の死亡時刻は1:30より後…」
凛「つまり、1:20分からこの部屋は内側以外からの開閉は不能になってた訳だね」
凛「そして、私が開けた時はドアが閉まってた…」
凛「つまり、卯月は密室で殺された事になる」
凛「では…どうやって犯人は密室を作ったんだろう?」
凛「卯月は全身をバラバラにされて殺されてる…」
凛「当然、ここまでバラバラにして殺す事は自殺では不可能、他殺でしかありえない」
凛「……けど、この密室はそうなるとどうやって作ったんだろう」
凛「入口のドアには何か細工をされた跡も無い、」
凛「なんらかの装置を用いて自分をバラバラにする自殺を図ったとしても、そんな自分をバラバラにする様な大仰な仕掛けは見当たらないし」
凛「うーん…? あっ」ピーン
凛「……分かった」
凛「…密室トリックの要は、ここが『卯月の部屋』だと言う事」
凛「そして、『卯月の殺され方』…この2つが要だね」
凛「ここまで、言えば分かるよね、私の考える卯月の殺され方」
凛「まず、卯月の部屋は私達…未央や、私の部屋とは違う所が一つあったね」
・・・・・・・・・・・・・・
1日目
13:40 卯月の部屋
未央「大体私の部屋と同じだね!ベットに机にクローゼット…とか」
卯月「あ、やっぱり部屋の間取りとかは同じなんですね」
凛「ただ、一つだけ大きく違うのは…窓かな」
一番壁側の部屋であるせいか天井付近の壁に小さな窓がついている
と言っても本当に小さい窓で、人が出入りできるものではない
卯月「あ、そっか…凛ちゃん達は中の方に部屋があるから窓が無いんだ…」
・・・・・・・・・・・・・・
凛「そう、卯月の部屋には窓が取り付けられていた」
凛「ただし、人が出入りできるものではない…けど、ある方法を使えばこの部屋に卯月は入れる」
凛「それは、【身体をバラバラ切り刻んで窓から部屋に放り込む】 という手法」
凛「これで、密室は破られたね。」
2F 図書館
凛「さて、次は未央の事件にとりかかろうと思うんだけど…」
凛「これ、わざわざ私が解く必要あるのかな…?」
凛「まあいいや、現場を整理すると…」
凛「まず、未央の入っている個室は密室、扉に細工はされて居なかった」
凛「死因は出血死、個室の床にはナイフが落ちてた」
凛「脇腹をナイフに刺された形跡が有る他…」
凛「ドアノブと鍵に未央の指紋がついてる」
凛「…典型的すぎるね」
凛「【未央の死因】は…」
凛「【典型的な内出血密室】だろうね」
凛「2日目にも奈緒が説明してたけど…改めて説明すると」
凛「犯人がまず未央の脇腹を刺す…で、殺される!と思った未央は個室に逃げて鍵を掛ける」
凛「そのあと、自分に刺さったナイフを抜かなきゃ!と思った未央はナイフを抜いてしまう…」
凛「でも、ナイフを抜いてしまう事によってせき止められていた血液がドバドバと出てしまい、出血死」
凛「これで、他殺だけど自分で密室を作る殺人の完成」
凛「うーん…典型的すぎる…私が解く必要あったのかな?」
3F 多目的ルーム
凛「じゃあ、【奈緒はどうやって死んだのか】を解いてみようか」
凛「私がついた時、部屋の鍵は閉まっていた…この部屋には扉が2つ有るけどその両方が閉まってたから、完全に密室だね」
凛「部屋の中心では奈緒が首を吊って死んでた…」
凛「部屋は、首吊りの足場に使ったと思われる跳び箱とロープと死体以外は何も無かった」
凛「扉に糸と針を使った密室の様な細工もされて居なかった」
凛「…と、なると…考えられるのは一つ」
凛「【自殺】だね」
凛「…そもそも、私以外全員死んでる訳だから、誰か死んだ人の中に犯人が居るはずなんだよね」
凛「奈緒は、卯月をバラバラにして殺し、未央を図書館で死に追いやった後…」
凛「この部屋で鍵を閉めた後に自殺…って所かな」
凛「何も無い部屋で密室を作ろうと思うと、これくらいしかできない気がする」
凛「そうなると…奈緒が死んだのはチヒロファイルによると遅くても3時30分…」
凛「…アーニャ達が死んだのは4時20分頃」
凛「奈緒が犯人だとすると、アーニャ達は殺せなくなるけど…?」
凛「とりあえず、4階に向かってみよう」
4F 拷問室
凛「…やっぱ、雰囲気と言い、近づきがたい部屋だよね」
凛「じゃあ、【アーニャ、美嘉はどうやって死んだのか?】を考えよう」
凛「4Fの殺人を纏めると…」
凛「アーニャの方は…4時23分、美嘉の方は4時24分に殺されたんだよね」
凛「ほんの少しズレがあるけど…まあ、誤差だろうね。ほぼ同時に殺されたとみて良いね」
凛「アーニャの方は…手足と肩を固定されて動けなくされた状態でギロチンで首を…」
凛「美嘉の方も手足、肩を固定された状態で分銅で胴体を潰されて…」
凛「酷い殺し方するよね、特に美嘉の方」
凛「ギロチン、分銅は同じロープに繋がれてて…ロープの先端が焦げてる」
凛「ロープを引っ張っておいて…放したらギロチン、分銅が落ちて…グシャってところかな」
凛「入口は一つしか無くて、ドアに細工された跡は何も無いね」
凛「部屋の到る所に拷問道具があって不気味だね…アイアンメイデンとか色々あって怖い…」
凛「それと、灯りは全部ロウソクで灯されてる。薄暗さと不気味さを演出するためかな」
凛「…よし、どうやって死んだかは分かった」
凛「問題なのは『誰が殺したのか』」
凛「この二人は肩までロープで固定されてる…自分一人でここまで縛るのは無理だね」
凛「自殺じゃないとすれば…誰がやったのか?」
凛「この二人が殺された時間は、もう他の皆は死んでた…その上この二人が他殺とすると…殺す人が居なくなる」
凛「その答えは…」
凛「ロープの先端に焦げた跡…部屋に灯されている大量のロウソク」
凛「犯人はギロチン、分銅を落下させるときに放すロープを何かに縛りつけて、ロウソクの付近にセットした…」
凛「おそらく犯人は、ロウソクが燃えて火の位置がどんどん下がって来る事を利用したトリックを組んだんだ」
凛「ロウソクは燃えて行き…セットしてあるロープの付近に来た時に熱でロープが焼き切れる」
凛「ロープが切れた事により、ギロチンと分銅が下りて…グシャリ」
凛「ロープの先端が焦げてる事からまず間違いないだろうね」
凛「つまり【美嘉達はロウソクを使った時限トリックで殺された】」
凛「そして、今日の犯人は『神谷奈緒』…のはず」
凛「そして最後に残った問題…この部屋の密室だけど…」
凛「部屋に時限装置をつける事で殺人時間を狂わせるのは良いけど、この部屋を密室にして出るにはどうすれば良いんだろう…?」
凛「…針と糸のトリックかな?」
凛「でも、ドアには何もおかしい点は無いし…何処にも針や糸の類は無かった」
凛「…本当に【犯人はこの部屋をどうやって密室にしたんだろう?】」
凛「…例えば、ロープの内の細い紐をほぐして糸として使うのはどうかな」
凛「ギロチン等が落ちた反動を利用してほぐした糸が鍵を閉める…とか」
凛「細い糸だから、火が燃え移っても鎮火せずに、燃えて行き…糸は消失するとか」
凛「…」
凛「駄目だね、燃えると言っても煤は残るし、ドアには焦げた跡も何も無い」
凛「じゃあ、何かつっかえ棒のようなものでドアを閉めていた可能性は…?」
凛「…いや、私自身、鍵で開けたら開いたし…」
凛「鍵を開けると…内側の鍵と連動してつっかえ棒が外れる仕組みはどうかな?」
凛「…やっぱり駄目」
凛「そもそも、つっかえ棒になりそうなもの、扉を止める事が出来そうなものが近くに落ちて無い」
凛「じゃあ、犯人はこの部屋に潜み続けていて、私が部屋に入って来て、死体に気を取られている隙にドアから逃げたって言うのは…?」
凛「…これも駄目、私が部屋に入って来た時点ではもう皆死んでたのはチヒロファイルから明白だし」
凛「誰か、死んだと思っていたけど生きてる人は居ないかな…?」
凛「最初のメンバーは12人、図書館や、食堂のイスを見ても12人用だったし…個室も空きがある訳じゃないから、「13人目」は流石に居ないはず…」
凛「一日目はみくが死んで加蓮が居なくなって10人に」
凛「二日目は茜が死んで美穂が居なくなって8人に」
凛「三日目は…智絵里が死んで藍子が居なくなって6人に」
凛「今日は、未央、卯月、奈緒、アーニャ、美嘉が死んで私一人だけに…」
凛「誰かが死んだフリをしてる…?」
凛「…ううん、チヒロファイルには嘘は絶対に書かれない」
凛「誤魔化したり、肝心なことは書かれないけど…嘘は無かったはず」
凛「…だから、きっと皆死んで居なくなってる」
凛「…あ! さっきのメールがチヒロファイルを偽装していた可能性は!?」
凛「そうだよ、もしかしたら…差出人はちひろさんじゃ無いんじゃ…」ピッ!
凛「…差出人はちひろさんになってる」
凛「アドレスも…zenikaneMC-senkawa@CG.com」
凛「ちひろさんのアドレスだ…」
凛「誰かが死んだフリをしてる可能性も消えた…」
凛「…」
凛「どうやってこの密室を作ったのか…」
凛「それは…」
凛「【分からない】」
凛「【分からない…】」
凛「【色々な可能性は考えたけど…分からないよ…】」
凛「【何も分からない…】」
その後、新たな手が掛かりを求めて凛は奮闘した
多目的ルームの方の密室がホントは密室では無いのではないか?
本当に全員死んでるのか?
13人目がもしかしたら居るのではないか?
13人目が居るとしたら、その証拠を探し…
とにかく、凛は走り回って新たな物証を探した…
…しかし、今出てきている証拠以外何も見つからなかった。
そして、諦めていたその時、
凛の携帯にメールが入った。
ピピピ!
凛「!!」
凛「メールが来た…!」
凛「ちひろさんからだ…!」
凛「えっと、件名は『今日の事件について』…?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
FROM ちひろ
件名:今日の事件について
お疲れ様です凛ちゃん
当初の予定では、一週間を使って番組を進める予定でしたが、
凛ちゃん達、一般人サイドの活躍で、犯人はどんどん捕まって行き
現在、残す所凛ちゃんだけになってしまいました…
これ以上、事件は起こりそうにない為
本日 24時を持ちまして番組を終了させて貰いますね
それでは、残り時間頑張って推理して下さいね
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
23:30 凛の個室
凛「そん、な…」
凛「ヒントも何も無かった…」
凛「それどころか…後、30分で終了…?」
凛「無理だよ…こんなの…」
凛「分からない…何度考えても…密室が破れない…」
凛「こんなの不可能だよ…」
凛「どうやって密室を作ったのさ…」
凛「何か…何か手掛かりは無いの…?」
凛「うう…」
凛「ここまで、アイデアが出ないのは…何か…重大な見落しをしてるんじゃ…?」
凛「何か…本当に大きな間違いを…」
凛「今日起こった事を振りかえって…みよう…」
凛「まず、朝早起きして………ッ!」
凛「待ってよ、確か、確か……!」
凛「……分かった!」
凛「【今日の事件の全貌】が分かったよ!」
凛「これから、私の考えを言わせてもらうよ!」
凛「時間も無いから、これが最終解答って事にして構わないから!」
凛「いいね、ちひろさん!聞いてるか分からないけどさ」
凛「今日の事件、複雑な密室殺人の連続に見えた…」
凛「けど、実際は全然複雑なんかじゃ無い、単純な事件だったんだ!」
凛「気づけば、とても簡単な結論に行きつく…それは」
凛「密室なんてどこにも無かった。そうでしょ?」
凛「と、いっても、大抵の密室殺人は完全密室じゃないけどさ…」
凛「まず、私は卯月の密室殺人を【バラバラにして窓から投げ入れた】なんていったけど」
凛「真相は…【普通に部屋に入って寝てる卯月をバラバラに解体しただけ】なんだね」
凛「では、【【密室だった部屋になんで入る事が出来たのか?】】」
凛「そう、これが本当に事件の要…でも、凄く単純な事だった」
凛「【【犯人は館の主…マスターキーの持ち主だった…それだけ】】」
凛「…おかしいと思うよね」
凛「なんたって、マスターキーは私が持ってて、『あなたは館の主です』なんて書かれた紙も私が持ってるし」
凛「そう、そこが犯人の仕掛けた単純かつ最大のトリック」
凛「犯人は私以外の全員を殺した後、マスターキーを使って私の部屋に侵入し、マスターキーと『館の主です』と書かれた紙を置いていった…」
凛「マスターキーは館の主以外使えないけど…ちひろさん二日目に言ってたよね」
・・・・・・・・・・・
ちひろ『えーと、アーニャちゃんが言ったような事があってはいけないので…』
ちひろ『館の主が殺された場合は、マスターキーは誰でも使えるようにします!』
・・・・・・・・・・・
凛「…って」
凛「犯人はマスターキーを使って私の部屋に侵入して鍵と紙を置いていった後…」
凛「自ら個室に鍵を掛けて自殺… そうする事で、マスターキーは誰でも使えるようになった…」
凛「それで、置いてある紙と一緒にマスターキーが置いてあるのを発見した私は…」
凛『今日は私が館の主なんだ、じゃあ、私以外には密室を作れないね』
凛「って勘違いしちゃったんだ…でも、ホントは犯人がマスターキーで楽々密室を作れてたって言うのにね」
凛「卯月の部屋も、4階の拷問部屋もマスターキーを使って楽々鍵を掛けた…」
凛「…じゃあ【犯人は誰なのか?】」
凛「…それは、犯人が唯一、いや2つか…マスターキーを使えなかった部屋の事を考えればすぐに分かる」
凛「まず、一つは私の部屋、マスターキーを私の部屋に置いて出てかなきゃいけないから、私の部屋に鍵は掛けれなかった」
凛「…昨日は疲れて寝ちゃったから、私は締め忘れたと勘違いしたんだけどね」
凛「…そして、もうひとつは、自分が自殺した部屋、…自分で内側から掛けなきゃいけないからね」
凛「そして、この連続殺人の中で一つだけ自分で鍵を閉めた形跡のあった個室があったね」
凛「そう、内出血密室を装った【本田未央】の個室」
凛「最後に密室を作る為に内出血密室を偽装したんだね」
凛「あとは、もう簡単」
凛「まず、奈緒の方だけど…」
凛「死亡時刻は未央は遅くて2時50分、奈緒は早くて2時30分」
凛「未央は奈緒を2時30分辺りに絞殺して、首つり死体を作った」
凛「アーニャ、美嘉の方は…」
凛「奈緒を殺す前にでも、2人を寝てる間にでも縛って4階に運び…」
凛「ロウソクによる時限トリックを作って殺した」
凛「…これが私の推理だよ。どうなの?ちひろさん」
パンパカパーパパパパパーン!
ちひろ『大正解です凛ちゃん!』
ちひろ『おめでとうございます!まさか、解決するとは思ってませんでしたよ!』
凛「私も今回ばかりは駄目だと思ったよ」
ちひろ『では、表にPさんが迎えに来てますので、その足でスタジオに向かって下さい』
ちひろ『スタジオで出演者と一緒にVTRを見ながら番組の感想を言ってたら本当にこれでこの番組は終了です!お疲れさまでした』
凛「…ようやく、終わったね」
・・・・・・車・・・・・・
P「よう、凛、お疲れ様」
凛「うん、今回のは少し骨な番組だったね」
P「ははは、でも、最後まできっちりやり遂げてくれて嬉しいぞ」
凛「それにしても…まさか未央が最後の犯人だったなんてね…」
P「ああ、俺もビックリだ。あんなトリックを使ってたとは…良くやるよ」
未央「でしょー!?」
凛「うわぁ!?未央!?居たの!?」
未央「へへー最後の事件の犯人だったから、探偵役と語ってこいだってさ!」
未央「でも、このトリック初日からずっと考え続けた奴だったんだけどなあ?それを解いちゃうとはやるねしぶりん!」
凛「まさか、卯月の部屋を見た時からバラバラにして投げいれようかなとか考えてた?」
未央「えへへ…実はね! まあマスターキーの存在が出てきてから色々考えたのが大きいね」
凛「ふーん? でも、あんなにショッキングな殺し方を連続してやらなくても良いじゃん、私ホントに怖かったんだよ?」
未央「それは…ちょっと雰囲気を盛り上げようと思って…番組的に」
凛「ま、いいや、一番の強敵だったよ、未央は」
未央「えへへ、そう言って貰えると嬉しいけど…解かれちゃったからなあ…悔しいな!」
P「おし、スタジオが見えてきたぞ準備しとけよ」
凛未央「うん!」
・・・・・・スタジオ・・・・・・
凛『キャアアアアアア!?』
未央「この時しぶりんものすごく恐怖してたよね!」
奈緒「いや、あれは流石に誰でも驚くだろ!」
智絵里(さ、最終日まで残らなくて良かった…)
藍子(犯人当てされててよかった…)
茜「私も怖いです!!」
美嘉「…自分たちの死体を人形とは言え見るのはなんか嫌だね★」
アーニャ「そうですか? 故郷では、日常茶飯事でしたよ?」
みく「いやいやいや、あーにゃん北海道が故郷でしょ!?」
アーニャ「ふふ、冗談です、みく」
加蓮「割と信じちゃう冗談だね」
凛「は、恥ずかしい…」
卯月「いや、あれは誰でも怖いですよ!」
美穂「そうですよ! 私もあんな風になったら耐えられないです!」
・・・・・・
・・・
凛「っていう風に、全部未央の仕業だっんどよね」
卯月「ええええ!?」
未央「ふはははは?驚いたかしまむー」
藍子「だ、大胆な技を使いましたね…」
アーニャ「ダー、しかし、妙手ですね」
凛「…それじゃ、番組もそろそろ終わりの時間になったね」
未央「番組を見てくれた人はありがとう!」
卯月「次回があればまた見て下さいね!」
全員「それでは、さようなら!」
おわり
・・・・・・・・・
ちひろ「うーん…今回の番組は、少し、特殊ルールが少ないですかね…」
ちひろ「もっと役職を増やして人狼みたいにすれば…」
to be continue…?
以上、これで終わりです。
かなり間の空いた投下になってしまい申し訳ありませんでした…
それでも、見てくれた方、ありがとうございました!
乙! 面白かった!
欲を言えば、被害者&犯人として退場した面々が
別室でモニター越しに推理の様子を見ながら色々話してる絵とかあったらなぁ、と思ったり
まあそんなことしたら>>1の労力が増える一方なので無くてもいいんだけどww
乙!
読み応えもあったし面白かった。最後はマスターキーまで行き着いたけどやっぱり奈緒犯人だと思ってたぜ……
残り30分で逆転解決にたどり着くとか凛ちゃんパネェ
乙
欲を言えば、タイトルの「湯けむりアイドル」の部分に力を注いでほしかった
とりあえず帰宅出来たので一応連絡を…
酉バレしたので、次から長編を書く場合は◆KnLLEh/CdUを使いますね
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