本田未央「あれ、髪切ったの?」渋谷凛「うん。バッサリ」 (27)

アニメ最終回後想定です

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1445099425

とある喫茶店にて


未央「どしたの? 失恋?」

凛「違うよ。というか本当にそうだったらアンタどう反応するつもり」

未央「彼女はまだまだこれからの選手。今回の失敗を糧に、次はやってくれるでしょう」

凛「試合に負けた監督のコメントだよね、それ」

未央「いやー、でもホントに久しぶりだね。春に元シンデレラプロジェクトのメンバーでライブしてから、一緒に仕事したこともなかったし」

凛「こうしてニュージェネで集まる時間がとれてよかったよ。卯月はまだ来てないけど」

未央「もう少しかかるみたいだけど、おしゃべりしてたらそのうち来るでしょ」

凛「そうだね」

未央「にしても、ショートヘアのしぶりんは新鮮だなあ。お店に入って座ってるの見た時、一瞬『誰?』って思っちゃった」

凛「そんなに衝撃的かな。みんなに似たようなこと言われるんだけど」

未央「そんなにそんなに! 初めて会った時からずーっとロングだったんだもん」

未央「でも似合ってるからよし!」b

凛「……ありがとう」

未央「で、結局なんで切ったの? 思いつき?」

凛「加蓮と奈緒がショートの私を見てみたいってせがんできたから……向こうはその場のノリの冗談だったらしくて、いざ私が髪切って現れたらびっくりしてたけど」

未央「目を開けて口はあんぐり?」

凛「そうそう、そんな感じ。今思い出しても面白い顔だったから、それだけで切ったかいはあったかも」プッ

未央「あははっ、それは私も見てみたかったなあ」

未央「しかししぶりん君。覚悟はちゃんとできているのかね?」

凛「覚悟? なにそれ」

未央「なにって、黒髪ロングという強力属性を手放す覚悟だよ!」

凛「ぞ、属性? ちょっとよくわかんないんだけど……」

未央「日本の女の子といえば、大和撫子の時代から黒髪ロングが最強クラス! 時代を経ても色あせぬ人気なわけですよ」

未央「そんな超強力な武器を捨てるなんてもったいない! と考える層もいるかもしれないよ」

凛「そ、そうなんだ。でもそれなら世の中の女の子の大半が同じ髪型になるんじゃ」

未央「細かいことは気にしない」

凛「……未央。やっぱり大げさに言ってるだけでしょ――」


イラッシャイマセー


卯月「お待たせしましたっ」

未央「あ、しまむーやっと来た! 久しぶりん!」

卯月「久しぶりん♪です!」

凛「ちょっと待って。なにそのあいさつ」

未央「しまむーとメールで決めてたんだ。次会ったらこのあいさつでいこうって」

卯月「凛ちゃんもどうぞ!」

凛「えっ」

卯月「どうぞ!」ニコニコ

凛「ひ、久しぶりん……?」

卯月「ところで凛ちゃん、その髪は……」

凛「うん。短くしてみた」

卯月「………」

凛「卯月?」

未央「おもむろに髪留めを外し始めたけど、いったいなにを」


卯月(ストレートロング)「ふーん、アンタが私のプロデューサー? まあ、悪くないかな……」キリッ

未央「奪おうとしている!? この機に乗じて黒髪ロング属性をしぶりんから奪い取ろうとしている!」

卯月「じゃあ、残していこうか。私達の足跡……!」キリリッ

凛「属性うんぬんはどうでもいいんだけどなんかムカつく」



卯月「もちろん冗談です」

凛「まったく。未央のノリが移ったんじゃないの?」

未央「え、私のせい?」

凛「ユニットメンバーの不始末はリーダーの責任だから」

未央「いやそれは関係ないって」

卯月「えへへ」

卯月「二人とも、最近調子はどうですか? 私は美穂ちゃんや響子ちゃんと一緒に元気にやっていますけど」

凛「私も、まあなんとかやってる。毎日少しずつだけど、前に進んでる気がする」

未央「いろんなアイドルの人達と一緒に頑張って、何かを残して……やっぱりアイドルって素敵だなー、なんてね。ちょっと真面目モードで語ってみたりして」

卯月「ファンの人達やスタッフの人達、アイドル仲間のみんな。他にもたくさんの人達に支えられているから、私達は頑張ることができるんですよね」

凛「そうだね……人と人とのつながり。絆、みたいな?」

卯月「私は、キラキラしたものに憧れてアイドルになりました。だから、今はもっともっとキラキラしたいです。……えへへ、1年経っても相変わらず、はっきりした形が出てきません」

凛「……それは、そのままでいいんじゃない?」

卯月「え?」

凛「卯月はずっと、みんなと一緒に走り続けてきた。『キラキラしたい』って言葉は、もう単なる願いや希望を越えた、夢になってると思う」

未央「夢になると、どうなるの?」

凛「夢になって……その夢の先に、新たな未来が現れる、のかな」

卯月「未来……未来かあ。それってとても素敵です!」

未央「さっすがしぶりん、いいこと言う!」

凛「や、やめてよ。ちょっと振り返って恥ずかしがってるんだから……」

未央「そんなこと言わずに、振り返らず前を向いてそしてたくさんの笑顔をあげようよー」

卯月「ネバネバですね!」

凛「も、もう……!」カアァ

なんやかんやと時間は進み、帰り道


未央「私も髪型変えてみようかな。しぶりんと逆に伸ばしてみるとか」

凛「いいんじゃない? 未央は伸ばしても普通に似合うと思う」

卯月「私も変えてみようかな……凛ちゃんは短くして、未央ちゃんは伸ばすとしたら」

卯月「うーん……あっ、アフロとか!」

凛・未央「それはないっ」

卯月「じょ、冗談ですよぉ……」

凛「卯月はたまに天然になるから本気かどうかわからないんだよ」

卯月「それじゃあ、ここでお別れですね」

凛「今日は楽しかった」

未央「元気出たから、明日からも本田未央、頑張ります!」

卯月「あ、それ私のセリフですよー!」

未央「たまにはいいじゃん。しまむーだってさっきしぶりんのセリフ盗ってたんだし」

凛「なら、順番的に私が未央に何かしていいってことだよね」

未央「いいよー、どっからでも奪っちゃって」

凛「じゃあニュージェネのリーダーの座を」

未央「ちょ、それはダメだって!」

凛「ふふっ。もちろん冗談。リーダーはずっと未央だよ」

未央「もうっ」

凛「さっきのお返しだよ」

凛「じゃあ……またね、かな」

未央「うん。またね」

卯月「また、ですねっ」


凛「………」

未央「………」

卯月「………」


凛「……ぷっ」

未央「あははっ。みんなして動かなかったら、いつまで経っても話が進まないじゃん」

卯月「ほんとですね、ふふっ……名残惜しいですけど、また会えますから」


未央「それじゃ、せーのっ」

3人「バイバイ!」

卯月「(ひとりで歩く家までの道)」

凛「(寂しくないと言えば、嘘になるけど)」

未央「(今日の思い出が、また前に進む勇気をくれる)」



凛「……頑張ろう」

未央「明日も頑張る!」

卯月「頑張りますっ」


おしまい

終わりです。お付き合いいただきありがとうございました
アニメは終わってしまいましたが、EDだけで山ほど妄想のネタを提供してくれたのでしばらくはこれで乗り切れそうです
蘭子と小梅と一緒に飛鳥君が映ってただけでうれしかった。この3人の組み合わせでSS書きたいですね

あ、言い忘れましたが未央は21歳くらいになって大人の風格が出てきた頃に髪を伸ばすと最高に似合うと思います

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom