少年と日記帳 (24)
初スレ・駄文・亀進行・矛盾やおかしなところが満載・少しグロ注意
それらを踏まえてお読みくださると嬉しいです。
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——世界は衰退した。
俺は廃墟と化した、研究所らしき建物に辿り着いていた。
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——— とある古びた本 ———
197/10
ある日の朝、父が息を粗くしながら起きました。
顔にはすごい量の汗が垂れていました。
大丈夫ですか。悪い夢でも見られたんですか。
と声を掛けると、父は首を横に振りながらこう言いました。
いいや、とても懐かしい夢だったよ。
とても辛そうな目覚めだったのに、楽しい夢。
一体どういう意味なんでしょうか。
197/18
昼も夜、凍える様に寒い。
そんな日々が続いています。
昔は''だんぼお''という、便利で暖いものががあったそうです。
父から、この前話して頂きました。
他にも、文字では''さんてんりぃだ''というものや、''くえすちゃんまく''なども教えて頂きました。
もう今ではほとんど使われていないそうです。
昔の''げえむ''という物語では、勇者が三角形の選択肢で、「はい」と 「いいえ」 しか話さなかったそうです。
それだけじゃ、大変じゃないんですかね?
それに本なのに、「はい」か「いいえ」でお話がバラバラにならなかったんでしょうか?
197/19
妹に、''げえむ''のようにした文面を紙に書いて見せてみました。
妹は不思議そうな顔をしていました。
やはりというべきか、意味は通じていないようです。
197/22
家に父のお客様がいらっしゃっていたようです。
でも僕が気付いた時には、もうお帰りになられるようで、玄関先で父と話していられました。
階段にいた自分には丸聞こえでした。
父に自分の家に来ないかご提案なさったようですが、父は断っていました。
お客様がお帰りになられて、父は吐き捨てるように言いました。
「情けなど要るものか」…と。
一体どういうことなんでしょうか?
うーん、僕にはまだ分からないことが多いです。
197/26
父は研究に没頭しています。
今は衰退してしまった技術を蘇らせたいのだと、そう言っていました。
僕がこの日記帳に書いている''文字''というもの自体、衰退してしまって使える人は多くないそうです。
母は父に、
「僕がこんなことを学ぶ必要は無い。
今の時代を生きるための術の方が重要だ」
と、怒鳴っていました。
僕は好きなのですが…。
197/28
母から、
「もう文字を書くのはやめなさい」
と言われました。
この日記帳まで取り上げられそうになったので、急いで隠しました。
これは父から貰った、昔のもの。
日記帳本体は分厚いけれど、中身一枚一枚の紙は薄くて真っ白。
父が言うには、なかなか日に焼けることもなく、日に当てていても、''ごねんかん''ほどは真っ白なままだそうです。
''ごねんかん''というのは、昔使われていた日にちの数え方だそうです。
世界が衰退してからは、''かれんだぁ''という日にちを確認する便利なものも無くなってしまったそうです。
なので父は、日が30経つごとに''すらっしゅ''の左側の数字を増やしているそうです。
父は世界が衰退した日から、こんなふうに日々を数えていっているそうです。
「どれだけ時が経ったのか、知っておく人間が一人くらいいなくては」
だそうです。
僕も真似して、その日の日記を書く前に書くようにしています。
僕は父と同じ数字を書いていっているので、父が書き忘れていても、教えてあげることができます。
30日がもう197回も過ぎているので…
30''かける''197日経っているみたいです。
僕はまだ''さんすう''は全然できません。
まだ''くく''も言えません。難しいです。
197/30
父の顔が真っ青です。
休んでほしいと言っても、研究を続けています。
「カクノエイキョウニヨル」
「ホウシャセン」
「ドジョウオセン」
そんな言葉ばかりを呟いています。
心配です。
198/5
父が倒れました。
198/8
父は倒れてから、ずっと青白い顔でベッドに寝ています。
昔あった''てんてき''というものがあればいいと、父は掠れた声で言いました。
探しに行かないと。
198/9
探しに行こうとしたら、母に見つかりました。
「そんなものはもうないのよ」
と怒られました。
どこかにまだあるかもしれないのに…。
探しに行けなかったので、父に謝りに行きました。
父はびっくりした後、笑いだしました。
心外です。
ありがとうとお礼を言われて、頭を撫でられました。
僕は何もしていないのに…?
「行動しようとする気持ちが大事なんだ」
と、父は言いました。
そして父は、遠い目をしながらこう言いました。
「あぁ、棺桶には赤い花を一輪でもいいから、一緒に入れて欲しいものだ」
赤い花なんて、聞いたことはあっても見たことはありません。
一体どんな花なんでしょうか?
198/11
父は寝たきりなので、日にちが分からなくなっているかもしれない。
そう思って日記帳を持って父のところに行きました。
けれど、父は起きてくれませんでした。
198/12
明日、父のお葬式があるそうです。
父が棺桶に入るそうなので、赤い花を探してみました。
けれど、どこにもありません…。
母は呆れたように
「あるわけないじゃない」
と言いました。
なんでないんでしょうか?
198/13
朝、父に日にちを教えてあげようと思って、日記帳を持って階段を降りようとしました。
その時に日記帳を、階段下にいた妹目掛けて落としてしまいました。
ぐしゃり。
と音を立てて日記帳は床に落ちました。
慌てて日記帳を持ち上げると、そこには潰れた赤い花がありました。
赤い花は妹が見つけてくれたようです。
妹は怒っているのか、返事をしてはくれません。
潰れてしまった花も渡してくれないので、妹ごと父に届けてあげました。
妹はまだ小さいので、僕でも余裕で運べます。
でも、妹と一緒に日記帳は運べなかったので、妹を父のところに運んでから日記帳を取りに戻りました。
父のところに戻ると、母が取り乱した様子で妹を揺さぶっていました。
母は赤い花があるわけがないと言っていたので、驚いているんでしょう。
僕が近づくと、母はこちらを見て怒り始めました。
しまった。
僕は日記帳を持っていました。
母が怒ってもおかしくありません。
僕に掴みかかってきた母に向かって、がむしゃらに両腕を振り回しました。
日記帳は父から貰った大切なものです。
取られたくはありませんでした。
腕を振り回していたら、
ぐしゃり。
と音がしました。
母を見てみると左眼に赤い花が咲いていました。
日記帳の角には、赤い汁がついていました。
あぁ、こうすれば良かったのか。
そう思って僕は、母を日記帳の角で叩き続けました。
父にもっと赤い花をあげたかったので。
198/14
試しに自分自身にも日記帳を叩き付けてみました。
そうしたら、自分にも赤い花が咲くことが分かりました。
これを書き終わったら父や妹、母のところでもっと咲かせることにします。
喜んでくれるといいな。
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俺は古びた分厚い本を閉じた。
何かの研究書かと思ったが、違ったようだ。
興味の失った本を、地面へ放り投げる。
本はドサリと、その身を俺が拾う前の様に横たわらせた。
その勢いで埃が舞い、骨がカラカラと音を立てて転がった。
二十年程前、世界は衰退した。
地球へ大量の隕石が落下し、自然も人工物も等しく破壊された。
予想を遥かに上回る勢いで。
…それだけならば、まだ救いはあったのかもしれない。
だが、数多くの隕石は様々なものを破壊したのだ。
その中にはもちろん、『核兵器』や『原子力発電所』といったものまで…。
放射性物質は、世界中に散らばった。
物や技術すらもが一気に失われ、それを防ぐ術はなく、人は数少ない地下施設へと逃げこんだ。
地上をどうにかしようとする者は、ほとんど存在しなかった。
そして地下に潜ったまま十数年が経過し、新しい命が産まれ始めた。
だが、子どもは自然を知らないまま育った。
それ故に、この『日記帳』の様な事故が起こったのだろう…。
溜息を一つ吐き、俺は新たな住まいを求めて歩き出した。
この世界には、もう物資がない。
それは、明日の食料でさえも———
これで終わりです。
夢を物語にするって、わけが分からなくなりますねwwww
お目汚し失礼しました。
夜中にでも依頼をだそうと思います。
30分位で終了とか‥
どこが亀進行だww
乙
ふらりと寄ったら凄い良スレでワロタwww
>>1乙!
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