サシャ「ちょっと違うような……鬼の金棒？」

コニー「それは違ぇだろ。あ！ あれだ鬼の錯乱だ！！」

サシャ「あー！ それっぽいです！！」

コニー「すっきりしたな」

サシャ「そうですね」

コニー「教官が寝込んでんならしばらく頭持ち上げられなくてすむな！」

サシャ「お小言もらわなくて済みます」

コニー「俺達は自由だ！」

きたい

サシャ「格闘訓練で遊びましょう！！」

コニー「この間はパン賭けてやってたのに途中で見つかったからな！」

サシャ「もう少しで私の鳥の舞いが炸裂していたのに……！！」

コニー「何言ってんだ！ 俺の蝶の舞いの方がうまくいきそうだったんだ！！」

サシャ「いやいや、コニーは分かっていませんねぇ」ﾌｰ

コニー「イラ立つ顔だな。でも……あのキース教官が寝こんでんだよなぁ」

サシャ「怖いもの見たさで見たいような見たくないような」

コニー「俺は見たいな！」

サシャ「ならばお見舞いに行ってみませんか？ 医務室にいるそうですよ！」

コニー「いいな！ 行こうぜ」

サシャ「はい！」

タタタタ……



眼鏡教官「……鬼の霍乱(かくらん)、だ」


.

￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣


キース「風邪で寝込むなど何時以来か……」ｺﾞﾎｯ

――コンコン

キース「このような時に誰だ……開いてるぞ！」

ガチャッ

コニー「ちわーっす！ お邪魔します！」

サシャ「お邪魔します。キース教官大丈夫ですか？」

キース「……お前らか」

キース(よりにもよって頭の痛くなりそうな二人が……)

コニー「おぉ……本当に寝込んでら……」ﾎﾞｿｯ

サシャ「コニー、お見舞いですよ」ﾋｿｯ

コニー「なあ、お見舞いって見て舞うのか？」

サシャ「冗談ですよね？」

コニー「冗談に決まってんだろ。そこまでバカじゃねぇ」

サシャ「しかし舞うとしたらどのような舞いを？」

コニー「蝶の舞い！！」ﾊﾞﾊﾞｯ!!

サシャ「なんの！ 鳥の舞い！！」ｼｭﾊﾞﾊﾞｯ!!

キース(患者そっちのけだな)

コニーサシャ｢｢教官！｣｣

キース「な、なんだ？」

コニー「どっちが良かったですか！？」

サシャ「私のですよね！？」

キース「……貴様らは何しにここに来たんだ？」

サシャ「はっ！ お見舞いに来たんでした！」

コニー「おぉ！ そうだった！ お見舞いです！ 教官！！」

キース「ならばおとなしく見舞え」

サシャ「教官、お花持ってきたんですが、飾っておいてもいいですか？」

キース「……ああ。頼む」

サシャ「わかりました！ コニー、花瓶に水を入れてきてください」

コニー「おう！ 行ってくる！」

ガチャッ バタンッ

サシャ「教官、頭の濡れタオル換えますね！」

キース「ん？ ああ」

サシャ(……おでこではなく頭のてっぺんに置いた方が冷える気が……)ｳｽﾞｳｽﾞ

キース「？」

バタンッ！

コニー「入れてきたぜ！」

サシャ「はっ！ あ、ありがとうございます、コニー」

コニー「おう！」

サシャ「では教官失礼して」ﾍﾟｼｮ

キース「うむ、ありがとう」ﾋﾝﾔﾘ

サシャ(危なかった……コニーがもう少し遅ければ大変なことに……)ﾄﾞｷﾄﾞｷ

コニー「そうだ！ 冷えると良くねぇって聞いたんでこれ持ってきました」ｻｯ

サシャ「毛糸の帽子ですか」

コニー「お前にゃわかんねぇだろうけどな、頭に毛がねぇと結構さみぃんだぜ？」ﾄﾞﾔｯ

キース「……」

サシャ(ち、直接言ってしまうとは)

コニー「どうぞ、キース教官！」ｽｯ

キース「う、うむ……」

サシャ「あまり長居しても何ですから、もう行きますね」

コニー「そうだな！ 教官、早く治して……ゆっくりでもいいですよ？」

サシャ「コニー！」

キース「……」

サシャ「で、では失礼します」

コニー「教官、待ってますからー」ﾌﾘﾌﾘ

パタンッ

キース「……」

キース「騒々しい奴等だな」

キース「……毛糸の……」

キース「熱がある時は頭は冷やさなければならんのだぞ、コニー･スプリンガー」ﾌｯ

キース「……早く治さねばな……あやつらを放っておくわけにはいかん」


.

――数日後――


キース「整れーつ！！」

ザッ！！

キース「本日の訓練はここまでだ！ 解散！！」

ザワザワ

サシャ「コニー！ 今日の格闘訓練での賭けは私の勝ちです！ パンくださいね！！」

コニー「ちっきしょー！ あそこでオレのハチの舞いがうまくいっていればっ！！」

キース「……ブラウス訓練兵、スプリンガー訓練兵、後で私の部屋まで来るように」

コニーサシャ｢｢はい？｣｣


.

￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣


サシャ「な、何かしましたかね？ 私達」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

コニー「今日はそんなにやらかしてねぇはずだけどな」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

コンコン

キース「入れ」

ガチャッ

コニーサシャ｢｢失礼します……｣｣

キース「来たか……」

サシャ「あの……私達何かしましたか？」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

キース「……そういう訳ではない」

コニー「じゃ、じゃあなんで……」

キース「コレを貴様らにやろうと思ってな」ｽｯ

コニー「あ、コレって……」

サシャ「アメです！！」ｳｯﾋｮｰ!!

キース「買った物ではないぞ？ たまたま貰ったのだが私は甘いものなどそんなに食わんのでな」

キース「捨てる訳にもいかんし、貴様らはこの間見舞いに来たからな。その礼に丁度良いかと……」ｺﾎﾝｯ

サシャ「わっひょーい！！ アメですよ！！ アメ！！」ｷﾗｷﾗ

コニー「すげぇ！ 甘ぇー！！」ｺﾛｺﾛ

キース「……」

サシャ「ありがとうございます！ キース教官！ ありがとうございます！！」

コニー「すげぇ嬉しいです！ ありがとうございます！！」

キース「……喜んでもらえたのならば何よりだ」

サシャ「うわー美味しいですー」ﾎﾜﾜﾝ

コニー「だなー」ﾎﾜﾜﾝ

キース「……」ﾌｯ

キース「――っ！ よ、用はそれだけだ。戻れ」ｷﾘｯ

サシャ「はい！ ありがとうございました！」

コニー「ありがとうございます！」

キース「ああ、その飴は貴様らだけにしか与えておらん。量が少ないからな」

キース「皆には黙っておけよ」

コニーサシャ｢｢はい！｣｣

コニーサシャ｢｢失礼しました！！｣｣

バタンッ

サシャ「お見舞いに行って良かったですね！」ｺﾛｺﾛ

コニー「そうだな！」ｺﾛｺﾛ

サシャ「そうだ！ コニーは今日、私に負けたんですからアメください！」

コニー「何言ってんだ！ 賭けたのはパンだろ！！ やらねぇよ！」

サシャ「パンからアメに変更を！」

コニー「しねぇよ！！」



キース「……騒々しい奴等だな……」ｸｯ



おしまい

レスくれた方、読んでくれた方ありがとうございましたー！

>>1 乙!

>>1のほのぼの話好きだよ

乙
かわいかった。コニサシャのこういうほのぼのSSもっと見たいわ。

これはいいものを読んだ
乙