【AC3×咲-saki-】照「これがAC……」 (995)
—第一層:第二都市区「トレネシティ」—
<<そろそろ目標地点に到達する。もう一度、君たちに課せられた依頼を説明する>>
「……」
<<目標は、市街地を制圧している部隊の撃破、敵勢力は戦闘メカだ>>
(帰ったら何食べよう…)
<<この依頼を達成した時、君たちはレイヴンとして登録される。このチャンスに二度目はない。必ず成功させることだ>>
「よし……!」
(気合い入ってるなぁ…・・・)
<<これより作戦領域へ投下、ミッションを開始する>>
その声で輸送機から飛び降り、認定試験が始まった
‐システム キドウ‐
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1355568791
ぽぽぽぽ〜ん
このスレは咲キャラでAC3をやってみようというよくわからないスレです
・初投稿です。淫夢要素はありません。
・書くのが死ぬほど遅いです
・これを機にACを触ってくれるとうれしい
では、はじめます
◇◆◇◆
惑星規模での大規模な災害から数百年後——。
地上に氾濫していた文明は破壊され、人類はその人口の大多数を失った。
災害を逃れたわずかな人々は、死の大地と化した地上を捨て、
この災害を予見していた、いくつかの国家によって作り出された
地下都市<レイヤード>へと移り住んだ。
最先端の技術をもって建造が進められた、この巨大なシェルター都市は、
人類が生き延びるための「箱舟」でもあった。
その世界は、ただ一つのものによって管理されていた。
あらゆる出来事は、そのものによって決定され、そこに住む人々は、
管理されることを当然のものと受け入れていた。
「管理者」の庇護の下、人々は約束された繁栄を続け、
やがて、力をもつ者<企業>が生まれた。
企業はより大きな力を求め、互いに争いを始めた。
だが、その争いすらも、管理者の掌の上の出来事であった。
全てが予定された世界。
だがそれは、徐々に狂いを生み始めていた。
アーマード・コア。
MT(マッスルトレーサー)と呼ばれる作業用ロボットをコアという胴体パーツを中心
に腕や足といったパーツを取り付け、それを戦闘用に特化させた機動兵器。
アーマードコアは、この世界で最強の存在だった。
◇◆◇◆
「これで最後だ……!」
どうやら敵のMTがあと一機しかいないらしい
「私が仕留める」
MTはホバー移動で左に右にと動きながらバズーカを撃ってくるが、仲間がいなくなって焦っているのか私の機体にかすりもしない
MT「くそっ!なぜ当たらん!?」
レイヴンになる為なんだ。仕方がない
「……これで終わり」
右腕に持っているライフルを打ちながら、MTに接近する
MT「やはりACには……!」
相手のバズーカのリロードの隙を見て、一気に懐に潜り込む。こうなれば、MTはもう鉄塊だ。私は左腕に搭載しているブレードを振る
MT「ぐあっ…!」
ブレードがMTの胴体部分を横薙ぎにして、それは炎をあげながら大破した。
(これで、私も……)
<<なるほど、それなりの力はあるようだ。認めよう君たちの力を。いまこの瞬間から君はレイヴンだ>>
‐モクヒョウ タッセイ‐
◇◆◇◆
レイヴン。
人型機動兵器アーマードコアに搭乗する人たちをそう呼称する。
すべてが管理されるこの世界において唯一の例外とも言える存在。
レイヴンは企業に雇われ、あらゆる依頼をこなす。
◇◆◇◆
—コーテックス—
「……ふう」
レイヴン試験が無事終了し、輸送機で本部まで戻ってきたところだ。
試験の途中で敵の増援があったが、数も少なくこちらも見習い同然だがAC二機だったため、なんとか全滅に成功。私ともう一人の…アップルボーイ?さんもレイヴンになることができた。
「試験お疲れ様でした!試験というか実戦でしたが……」
「ん、お疲れ様……」
アップルボーイさんが元気よく私に挨拶してきた。私はどうも人と話すのが苦手で、ついそっけない返事をしてしまった。
「でも、これで私も晴れてレイヴンになれました!秘密ですが、私小さい頃からレイヴンに憧れていたんです!」
なんだかすごく上機嫌みたいだ。ていうか秘密なのに喋っちゃっていいのかな。
「……なんで?」
「それを聞いてくれますか!?」ガシッ
手を勢いよく掴まれてしまった。アップルボーイさんは目をキラキラ光らせて前かがみになってこちらを見上げてくる。なんだか長くなりそう…
「………ということがあったんです。それで私も人を守れるレイヴンになろうと思ったんです」
アップルボーイさんの話は十分ぐらい続いた。要約すると、幼い頃に市街地のテロに巻き込まれた時に、市民を守りながらテロ部隊を殲滅させたACを見て憧れていたそうだ。ちなみに市民の被害、そのACが来てからは0だったそうだ。凄腕だなぁ…
「……じゃあ長年の夢が叶ったんだね。おめでとう」
「はい!ありがとうございます!」
なんだかとてもいい人そうだ。今もニコニコしていて、まるで汚れを知らない少年のような……
「あ、そうだ!」
「?」
「せっかく一緒にレイヴンになれたんです。一応私の本名を教えておきますね。これからも仲良くしてやってください」
基本的にレイヴンは本名を隠している。やっていることがアレなので、本名を知られるだけでも自分の身に何が起こるかわからない。帰ってきたら家が吹っ飛んでた、なんてこともあるかもしれない。
「大丈夫なの?」
「はい、なんだかあなたは信頼できそうですから」
そんなことを言われたのは初めてだ。私、信頼できそうな顔してるのかな…
「私は亦野誠子っていいます。あなたは?」
言わないわけにはいかないだろう。教えてもらったからには私も教えなきゃ。私は……
「私は……照。宮永照。こちらこそよろしく」
地下都市レイヤードで、新たに二人のレイヴンが誕生した。
彼女たちがこの世界で一体なにを見て、聞き、なすのか。
今はまだ、わからない———
とりあえずここまで
びっくりするぐらい少ないね
需要は皆無だろうけど細々やっていきたいと思います……
乙
ACはfaとvしかプレイ経験ないニワカですが楽しませてもらってます
乙。これからに期待。SLとかLRもやってくれると嬉しい
乙ー
乙
とりあえず両手にマシンガン持とうか
ACよくわからんけどがんばれ
ガチタンだ!
取り敢えずガチタンにすれば何とかなる!
困った時の唐沢・月光ですねわかります
駐車場ステージの端っこでチェーンガン乱射ですね
わかりますん
結構レスがあってびっくりしてます
SLまではやりたいんですが、私がもつかどうか…うぐぐ
機体はなるべく変えていきたいと思っています
もう建てちゃったけど、戦国とかあるし麻雀やってなくてもいいよね…?
おつやでー
まさか……こんなスレまで……(by オペ子)
乙乙
ジェネレーターはこれ、ブースターはこれ、みたいなアセン描写はある?
アセンは、変えたときに紹介するつもりです
頭 :CHD-01-ATE
胴 :CCM-00-STO
腕 :CAM-10-XB
脚 :CLM-01-EDF
B :CBT-00-UN1
FCS:VREX-ST-1
ジェネレーター:CGP-ROV6
ラジエーター:RIX-CR10
右腕:CWG-RF/220
左腕:CLB-LS-1551
右肩:CWM-S40-1
左肩:CRU-A10
↑こんなかんじです
僚機が楽しみだなぁ
ゲドは誰になるのやら
お疲れ様です。
自分もACは好きなんで、これからも期待してます。
確か、AC3だと民間人を〜といったミッションもありましたよね。一応、そういうのがあったら注意書きみたいなのが必要ではないかと。
ACのこと知らない咲ファンの方とかいるかもしれませんし。
これからも頑張ってください。
>>23
応援ありがとうございます!
民間人を〜っていうミッションは多分SLですね
まぁそこら辺は照さん達に葛藤してもらいます
最悪他のレイヴンがやったことにすればいいですし・・・
でもやりたいなぁ
さっきも来たけどこんばんは
ストーリーのネタばれはAC3を知らない人もいるので控えめにお願いします〜
—トレネシティ:自宅—
グローバル・コーテックス。レイヴンと呼ばれる傭兵を保有し、依頼に基づいてそれらを派遣することを生業とする組織。かつては<管理者>の管理下で運営が行なわれていたと言われるが、現在では独立組織として運営が行なわれている。成立の経緯に関しては明らかでない部分が多い。あらゆる勢力に対して中立を保ち、ACという汎用戦闘メカを操る構成員たちはレイヴンと呼称される。
「・・・・・・ってパソコンに書いてある」
レイヴンの自宅には基本的に一台、パソコンが置いてある
このパソコンで依頼を確認したり、メールを受け取ったり、パーツカタログを見たりと、これがないとどうしようもない
「あれ・・・・・・メールがきてる」
メールは2件。管理者からと・・・・・・タカミ?誰だろう。とりあえず管理者のメールから開いてみる
差出人:管理者
『0824-FK3203号をレイヴンとして認証、以降、グローバルコーテックス登録下での活動に限り、ACの使用を許可します。今後は、自己の有する影響力に十分配慮し、レイヤードの一員として遵守すべき規範を逸することなく、行動することを希望します。なお、著しい逸脱行為があった場合。実力を持ってこれを排除することをあらかじめ警告しておきます。
では、今後の活躍に期待します』
管理者…確かこの地下世界を支配してるでっかいコンピュータだった・・・・・・よね?
私なんかにもメールを送ってくるんだ…さすがというべきなのかな
「実力を持って・・・・・・」
管理者の実力ってなんだろう
コンピュータっていうくらいだからAIACとか?なんだか人間離れした動きをしてきそうだなぁ
「まぁ私は面倒を起こすつもりはないし・・・・・・」
いいか、私は面倒が嫌いなんだ。
・・・なんとなく言わなきゃいけない気がした。なんだろう?
「えっと、それでタカミ?っていう人のは・・・」
差出人:タカミ
『はじめまして、レイヴン。私は、あなたの補佐担当者として任命されました。タカミと申します。
ご存知の通り、私たちグローバルコーテックスは、この地下世界レイヤードで発生する様々なトラブルを依頼によって解 決し、利益を得ている団体です。あなた方レイヴンには、依頼の提供は勿論のこと、機体および弾薬の販売、修理、僚機 の斡旋など、任務遂行に必要な事項に関して、可能な限りの協力をお約束します。存分にご活躍ください。
なお、依頼の受託・遂行に関しては、依頼主とあなた方、双方の自由な意思を尊重し、その内容に関しては一切干渉しま せん。また依頼遂行に伴い、当事者間で何らかのトラブルが発生した場合にも、私たちは関知しません。ご了承ください。とりあえず、挨拶まで。ようこそ、グローバルコーテックスへ、あなた方を歓迎します』
タカミさんがグローバルコーテックスの説明をしてくれていた。どんな制約があるんだろうと思って見てみたらなんというか、放し飼い状態だ。大丈夫なのかな
「あれ、またメールが来てる」
タカミさんからのメールを見てる間に新しいメールが来てるみたいだ。なんだろう?
「これは・・・依頼のメール?」
随分早い依頼のメールだ。それこそ半日もたっていないのに
新着メールは二件。一つは工場占拠者排除。あと一つは・・・アリーナ防衛?
アリーナとは、レイヴン同士が己の力を競いあい、最強のレイヴンを目指す場所だ。アリーナというくらいだから観客も多く訪れて、日々多くの名勝負を繰り広げている。ちなみにファイトマネーが発生し、ランクが高いほど金額は上がっていく。ランクの高いレイヴンは依頼を受けなくても金が余るほどのファイトマネーが発生するので、全く依頼を受けないレイヴンもいるそうだ
「そのアリーナを襲撃・・・見過ごせない」
アリーナがなくなってしまえば、被害もそうだがなにより・・・
(おかしが買えなくなってしまう)
それは死活問題だ。私からおかしをとってしまえばまるで、まるで・・・・・・
(まぁいいや)
それよりもこの依頼だ。とりあえず説明を見てみよう
依頼主:グローバルコーテックス
作戦領域:アリーナ
敵勢力 :不明
作戦目標:敵部隊の全滅
『我がグローバルコーテックスに対する、テロ計画の情報を入手しました。
犯人の正体は現在のところ不明ですが、レイヴンに恨みを持つものは少なくありません。
情報によると、彼らは近日中に予定されているアリーナ会場を破壊し、開催を休止に追い込むつもりのようです。
施設内で待機し、侵入者を殲滅してください。
なお、今回の依頼には、彼らに圧倒的な力の差を見せつけ、今後の活動を抑止する目的があります。
中途半端な成果では意味がありません。
そのため、撃破した敵の機体数に応じて報酬を支払うこととさせてもらいます。そのつもりで。』
報酬は歩合制のようだ。報酬額に0cと書かれていたからボランティアかと思った
「グローバルコーテックスにたてつく人たちがいるのか・・・」
コーテックスはレイヴンすべてを有している。ACに喧嘩を売るのは・・・・・・頭がいいとは思えない
いくらテロ部隊でも精々MTがいいとこだろう。ACにはとても太刀打ちできない
「とりあえずこの依頼を受けよう。えっと・・・」
タカミさんに依頼の受諾を報告するメールを送る。するとすぐ確認のメールが返ってきた
『こちらの依頼でよろしいんですね?わかりました。機体の準備に少し時間がかかります。30分後に、コーテックス本部に来てください。依頼の詳細を説明します』
レイヴンになって最初の依頼か・・・レイヴンになったのもついさっきなのに。コーテックスも人員が足りないのかな
「よし・・・・・・行くか」
バブ○シャスを口に入れて部屋を出る。最近全然このガムを見なくなってしまった。なんだか悲しい
「いってきます」
誰もいない我が家に一言告げて、近所のバス停に向かう
初めてのミッションだ。うまくできるだろうか、私・・・・・・
◇◆◇◆
〜30分後〜
—コーテックス本部:入口—
コーテックスに着いたので、味の無くなったガムを紙に丸める。えっと、ゴミ箱は・・・・・・
「待っていました・・・・・・レイヴン」
知らない人に声を掛けられた。レイヴンとか呼ばれた。な、なんで私をしってるの
「・・・・・・誰?」
「あぁ、そういえば顔合わせがまだでしたね。改めて、はじめまして。私があなたのオペレータ兼補佐のタカミといいます」
「・・・・・・ああ」
なるほど、この人がタカミさんか。自分が想像していた人とはなんか違う
もっとこう、近寄りがたいというか、モデル体系というか、スラっとした美人というか・・・・・・
「あの・・・・・・レイヴン?」
タカミさんは眼鏡を掛けていて、私より背が低い。それにどことなく気弱そうだ・・・・・・今も私をうかがって、なんだか若干おどおどし
ている。すごく守ってあげたくなる。これが母性本能?
「・・・・・・よろしく」
「あ、はい。こちらこそよろしくお願いします」
そう言って握手をする。手も小さい。かわいい
「・・・・・・かわいい」
「えっ・・・何か言いましたか?レイヴン」
「いえ、なにも」
いけないいけない。思わず心の声が漏れてしまった。気をつけなければ
「では、ドッグに向かいながら依頼の詳細を説明します。こちらです」
「はい」
「今回の依頼はアリーナ防衛です。素性不明のテロ集団が、アリーナに襲撃をかけるという情報を得ました。
日時はまだ不明ですが、近いうちというのは確実です。場合によっては、何日か待機してもらう可能性があります。
そのつもりで」
「えっ・・・聞いてないんですが」
「待機場所は、すぐにでも出撃できるようにドッグ内でお願いします」
「あ・・・はい・・・」
有無を言わせないタカミさんに圧倒されてしまう。コーテックスも切羽詰まってるのかな
タカミさんに案内されてドッグに向かう。歩幅が狭く歩くのが若干遅いタカミさん
いろんなとこで露骨にかわいいポイントをあげてくる・・・・・・いやらしい
「ここがドッグです。あなたのACの準備が終わっているので、そちらで待機してください」
「あ、はい。わかりました」
「テロ部隊が侵入したら、通信でお知らせします」
ということは、もうACに乗っとけってことかな?
まいったな。ACの中は窮屈でたまらない
まぁ、任務だからしょうがないか、うん
(あ、そうだ)
「タカミさん」
「はい、なんでしょう?」
「これ、お願いします」
「えっと……これは?」
「ガムです。ゴミ箱が見当たらないので捨てておいてください」
「え、えっと…はい。わかりました」
とりあえず噛んでたガムを丸めたティッシュをタカミさんに渡す。ACの中にまで持って入りたくない
「じゃあ、また」
「あ、あぁ…はい。ではまた後で。レイヴン」
(タカミさんが面くらってる。どうしたんだろう?)
うーむ、レイヴンと呼ばれるたびに顔がにやけそうになる。やっぱりレイヴンっていう呼び名はかっこいいなぁ
◇◆◇◆
ドッグの中に入ると、整備員のおじちゃんが声をかけてきた
「おっあんたが新人レイヴンか!」
「えぇ、まぁ」
「えらいべっぴんさんじゃねぇか!初めての依頼らしいな。ま、気をつけてな。
新人の2分の1は初の依頼で撃墜されるそうだ」
レイヴンは駆け出しの時期が一番怖いと聞いていたが・・・なるほど
二人に一人は、か・・・・・・アップルボーイは大丈夫かなぁ
「ま、こういうことを言っとかねぇと新人は気が引き締まらねぇんだ。しっかりな」
「はぁ・・・・・・ありがとうございます」
「うし!じゃ、お嬢ちゃんのACはこっちだ」
私のACに案内される。やっぱり大きい。初期機体のままだから、色もグレー一色だし、新品同様だ
「そうだな、俺からのアドバイスを教えといてやる。初期機体はとにかく機動力が最悪だ。
おまけにエネルギーもすぐ切れてガス欠になっちまう。まずは、何にも考えずにジェネレータかを買い替えた方がいいぜ」
これはいいことを聞いた。素直にお礼を言っておこう
「いいことを聞きました。ありがとうございます」
「おう!あ、ジェネレータは出力の高いヤツを買うんだぜ?容量がいくらあっても、出力が低けりゃ話にならねぇからな」
「そうなんですか?」
「あぁ。コップがいくらでかくても、注ぐ水の量が少なきゃ全然飲めねぇだろ?」
(・・・・・・よくわからない)
「なるほど。とりあえず、今のジェネレータより出力が高いのを買ってみます」
「うし!それでいいぜ。じゃ、また後でな。無事を祈ってるぜ」
「はい」
親切なおじちゃんだった・・・・・・
〜20分後〜
<<レイヴン、テロ部隊が侵入しました!至急出撃してください!>>
「了解」
待つこと20分。意外とテロ部隊が頑張ったのか、割とすぐ出撃の通信があった
フットペダルを踏み、ACを動かす
(よし・・・・・・ちゃんと動く)
下でさっきのおじちゃんが手を振っているので、私もコクピットで手を振り返す。あれ?これって意味ないかな?
ドッグのゲートが開き、先が見えない道が現れる
<<アリーナまで、私が案内します。従ってください>>
「わかりました」
案内されながらブースタをふかしてアリーナに続く通路を進む
・・・・・・あとは、このエレベータを降りれば・・・
<<この奥がアリーナです。恐らく、もうテロ部隊が暴れています。すべて殲滅してください>>
「やれるだけ、やってみます」
そう言って、アリーナへ続くゲートを開く
さぁ、私のレイヴンとしての初仕事だ
‐システム キドウ‐
とりあえずここまでです
もうちょっと書いてはいるんですが、どうしよう?
休日だし、このミッションだけ終わらせようかな
ラインの乙女「人間離れしたAIと聞いてOBしてきました」
乙
おじちゃん良いアドバイスだ
乙です
久しぶりにACfaやりたくなってきたゾ
誤字があった・・・
>>35のおじちゃんのセリフ「ジェネレータかを」は正しくは「ジェネレータかブースターを」
です・・・うぐぐ
ジェネレーター→ブースター→脚→右武装
ってのがSLまでの常識みたいな感じだったよな?
次はいよいよゲイヴンの代名詞が出てくるな…楽しみに待ってる
, 'i´ヽ ゙i'、
i:::ヽ,:l__,l,.ノi
|::::ヾ,| �!|ソ:| <アップルボーイだ。よろしく!
|::::ヾ,|.:�:|ソ:|
|::::ヾ,|:: :|ソ:|
,,.ィ'''フ''''=、r'"~ ヽ ,|:: :|/i,, `ヽr''"`ヽ、ヽ、
,r'"´ ノ" )、 _、,..ィ'"´i ヽ、
( ノ ´ ̄ `Y"´ i
) __,,.. レ _,,,,、 j、、
r''ヽ. ,.ィ'''i" J ,,.ィ'"~ `'ヲ''ー-、ノ、 ヽ、
/ ,,.イ')'" 人 ・ ,,l、 ・ ノt ) `ヽヽ
/ / / `ゝ、 人 ,,イ jt、 ヽ i
f , ノ /、 `ー--;::-ニ"_,ゝ=---‐''" ノ ヽ、 ヽ t、、
)' f ノ ヽ、 r 、 f" `i´ ̄` Y `ヽ / ゝ-,ヲ''' )
. ( ,.ィ''ーr"~ ヽj ミi ! j' | / ,r" ft
ノ、,ノ ヽ, `i 、〉、.__,人,___,..イ、,i" j'' ( ,ノ j
( t、 l i ヽf Y ,j,. ,/ ) ,.イ´ ノ
fヽ ヽ、 l l ヽ、 .| ノ ,. / ,.イ '"ノ ノ
t i l、. t l 、j`ー‐‐'`ー="レ' j' // / ,/
ヽ、 i、 i l ヽ -ニ- ノ l /,,,,ノ ,ィ/
ヽ、`i `i、 l `i / ,l /-,=、ヽv
′ ヽ ヽ、 'i, 人 ヽ / ノヽ ノ''"Y,..ト-、
`i、,,..=,i、 / ヽ、 /=ィ''i'i''j" .`=(i-/、
ヽ ,f`i-、 / ヽ /.`ー=''''"t.___ (,,ノ=、
r-l =f,,ノゝ-''`=''フ i、:' " ゛ ` ,i' :. .l、 `ー=''=t_,i
干ヘッドはアリーナのチャンピオンも使ってる由緒正しいヘッドパーツなのに今じゃすっかりゲイヴンの代名詞に・・・
おつ
ジェネはROZ、ブーストはFLEET、軽OBコアにSOL腕が鉄板だったね
まさかのACクロスss
NXから入ったオレは異端ですか?
>>46
今この瞬間から君はレイヴンだ
こんばんは
今日は本編の前にちょっと補足をしたいと思います
>>43
どうして…
>>45
FLEETは手に入るのがかなり遅く、本編では日の目を見ないかもです
>>46
NXからよく入ってくれたなぁと思います
全てのバランスが酷いNXからよくぞ…
ストーリーは好きなんですがね
マホ「マホのー!わかりやすいかもしれないー!なぜなにAC3!」
マホ「さてさて、コアなファンが多いことで有名(?)なACシリーズ!」
マホ「『用語わかんねぇ』『世界観がわかんねぇ』『ACって何?外人?歌?』な人達になるべくわかりやすいように説明
していくこのコーナー!第一回は『世界と企業について』です!」
マホ「まず、地上ですごい規模の災害、通称『大破壊』が起きてしまって地上に人が住めなくなります」
マホ「『地上が荒廃して人住めない→じゃあ地下で暮らせばいいんじゃね?』
と誰かが考え、人類は地下に住むようになります」
マホ「やがて、争いが起きないように地下を管理するためのコンピュータ『管理者』ができます」
マホ「100年、200年と経つにつれて、地下に住んでいる人は管理者に管理され生活するのが当たり前になります」
マホ「そうこうしているうちに、政府に代わった力を持つ企業が生まれます」
マホ「企業は全部で三つありますです」
マホ「一つは『ミラージュ』
この世界で最大の権力を有する企業。<管理者>の支配から脱することで支配権の強化を目論んでますが、同時に<管理者>の力を恐れて表立った行動を取れず、もっぱら水面下での活動に留まっています。パーツは最新鋭の技術を惜しみなく使い、高性能で真新しいものをつくっています」
マホ「もうひとつは『クレスト』
ミラージュに次ぐ規模をもつ、巨大企業。ミラージュ同様、勢力の拡大には熱心であるが、<管理者>の存在を「秩序を維持するための最適なシステム」として認識しており、その管理下にある現在の体制を肯定してます。特にその点における立場の違いから、強くミラージュを警戒しています。パーツは信頼性と安定性を重視して、手堅いものをつくっています」
マホ「そして最後に『キサラギ』
ライバルである企業ミラージュ、クレストのいずれとも異なり、<管理者>に対するスタンスは至って現実的です。世界の支配権には関心を持たず、ひたすら己の勢力拡大に奔走しています。パーツは、腕部や脚部はつくっていませんが、内装においては一定以上の評価があり、中でも火炎放射器やパイルバンカーといったほかの企業の製品とは全く異なる武装を開発しています」
マホ「この三つの企業が地下世界『レイヤード』でいがみ合っていきます」
マホ「その全ての中間にいるのが、レイヴンを有している『グローバルコーテックス』です。
照さんが所属しているのはここですね」
マホ「ここでわかりやすく表してみます」
地上で大破壊が起こる。人々は地下へ
↓
管理者が生まれる
↓
管理者によって管理されるのが当たり前になる
↓
政府に代わる企業が生まれる
↓
企業同士が争い始める←イマココ!
ミラージュ→先進的なエリート クレスト→熟練のじいさん キサラギ→変態
マホ「駆け足になってしまいましたが、すっごい大雑把に説明してみました!これがわかるだけでよりACが楽しめるようになるです」
マホ「わかんないところがあったらどんどん教えてほしいです!なるべくわかりやすく答えていきたいと思いますです!」
マホ「ではではまた次回、おたのしみに!」
これだけで一時間ほどかかりました
本編が進むにつれて補足したいところがでてくるかもしれないので、マホさんにはまたお願いしたいと思います
本編は21時ごろから投下予定
AC入門には2か3が良いよね難易度的にも
ストーリーもある程度はわかりやすいし
初心者だった俺にNBとLAを進めた奴は一生許さない
LAじゃなくてLRだった
>>54
まんまと雷雲トラップにひっかかったと見た
確かOP機はほぼクレスト品だったよね
3とは懐かしい
俺の初ACだったよ期待
それでは本編を投下ー
今日はアリーナ防衛です
「これがアリーナか……」
まさに、といった感じの場所だ。ここでAC同士が死闘を繰り広げるのか……私もいつかそうなるのかな
<<くそ、ACか!>>
<<ACを確認!アリーナへの攻撃はいったん中止だ!目標をACに変更。先にそちらを排除する!>>
敵のMT部隊の通信が耳に入る。その声と同時にアリーナにいるMT部隊の照準が私に向く。モテモテだなぁ私
<<レイヴン、敵は二種類です。逆関節型MTと小型戦闘メカがいるようです。
逆関節型MTのガトリングガンはそこそこの威力があります。直撃は避けてください>>
淡々とタカミさんがオペレートしてくれる。ガトリングガンに注意、注意、注意……
<<これは……敵は予想以上に戦力を投入してきたみたいです。まだ後方に多数の反応を確認しました。気を付けてください>>
視認できるだけでも小型メカが4機、MTが2機……あ、1機増えた
「これは骨が折れそうだね……」
愚痴っても仕方がない。早速とりかかることにする
「よし、まずは1機……」
地を這っている小型メカをブレードで切り伏せる。切られたメカは炎をあげて爆 発 四 散 !……した
続けざまにガトリングガンをブースタをふかして避けつつ、アリーナ中央にいたMTをブレードで処理していく
<<ぐっ…!>>
切られたMTの搭乗者のうめき声が聞こえる。こんなものまで聞こえなくてもいいのに……
(いけないいけない。仕事仕事)
ぼーっとしている暇はない。MTが撃破されたことで、向こうも殺る気が上がったように見える。殺気がこう、びりびりと……
<<くそっ!やつの敵(かたき)だ!>>
右側にいたMTがガトリングガンを乱射してくる。頭にきているのはわかるが、それだけ離れてちゃ当たるものも当たらな…
<<こいつを食らえ!>>
「ぐっ、何だ!」
後頭部あたりに衝撃を確認。これは…ミサイル?
<<レイヴン、どうやらあのMTにはミサイルも搭載されているようです。MTとはいえ馬鹿に出来ません。注意してください>>
「わかっています」
不覚をとられた。まさかミサイルまで持っているとは…だったらこっちもミサイルだ!
MTをロックオンできる一定の距離でふわふわ動きながらミサイルを撃ち込み、続けざまにライフルをたたき込む
<<くそっ!>>
(だから聞こえなくていいってば、もう)
聞こえないふりをして小型メカをブレードで切ろうとするが、ロケットを正面から喰らい振る動作がキャンセルされてしまう
「鬱陶しいな……」
しかしさすがはAC。まるでダメージにはなっていないようで、損傷はほとんどない
「この調子なら、なんとかなりそう……!」
<<もらった!>>
男の声が聞こえたと思ったら、左右からミサイルが同じ間隔で飛んできた
いけない、また喰らってしまう…!
「……あれ?」
ダメージを覚悟したが、コアの先端からレーザーが出てミサイルを撃ち落としていた
「こんな機能が……」
実はコアがどんな機能を持っているかよく覚えていない
手足を動かすための胴体で、レイヴンが入って操縦する場所という認識しかなかった
ミサイルを迎撃してくれるのか…頼らせてもらおう
「ぐっ……!」
なんて思っていると、飛んできたミサイルに迎撃レーザーが当たらずに、私のACに直撃した
……やっぱり頼るのはやめよう。迎撃してくれたらラッキーぐらいでいこう
そんなこんなで調子よく撃墜していくが、エネルギーがまるで足りない
常にエネルギー切れを防止するためのアラートが鳴り響いている
おじちゃんの言ってることは本当のようだ。まずはジェネレータを変えよう……
「これ、いつまで来るんだ……きりがない」
アリーナの入口から小型メカやMTが続々と入場してくる。1機倒したら1機増える
逆足型MT選手の入場です!なんてね
「APも減ってきたし、弾が足りるのかな、これ」
流石に息切れ気味になってきた。段々考えなくても体が動くようになり、
ミサイルを見たら右から左に切り返す。
ロケット見たらあきらめる。
ガトリングガンはブーストダッシュすれば避らけれる……多分。
小型メカはライフル4発、MTは11発。ミサイルならそれぞれ2発と3発で撃破することができる。
こんな感じで作業的に敵を排除していたけど、
<<ACといえども同じ人間だ!やれるはずだ!>>
敵部隊の士気が落ちない。結構倒してるはずなのに…早くあきらめてくれ……噛んできたバブリシャ○あげるから……
なんて考えていると、また新しい反応が増えた。レーダーは味方信号を発している。誰……?
<<てこずっているようだな……手を貸そう>>
<<ランカーAC、ゲルニカを確認しました>>
すっごい気持ち悪い見た目をした……AC?が現れた。逆関節の足に、あの腕は一体……
それに頭がこんな→干かたちで、なんともMTっぽい……でも色はかっこいいなぁ
<<君が新しいレイヴンか、苦戦しているようだな>>
「はい、数が多くて……」
<<私が来たからにはもう安心だ。にわかは相手にならんよ!>>
「にわ……?」
すごい自信だ。ニワカってなんだろう?
気持ち悪いAC……ゲルニカは手慣れているようで、ぴょんぴょん飛びながらMTたちをミサイルやら腕から発射される拡散レーザーで破
壊していく。あの腕って武器になってるんだ……おもしろいなぁ
<<どうした?まだ敵は残っているぞ?>>
(思わず見とれてしまった。私もあそこまで動かせるようになるかな……)
思い出したように私も自分のACを動かす。レバーを持つ手に力が入る。わたしも負けてられないな……
<<レイヴン、反応が減ってきています!あと少しのはずです>>
「了解」
やっと終わりが見えて力が抜ける。ゲルニカが出てきてからは、ほとんど彼女が倒してしまって私は彼女のおこぼれをもらっている程度だった。最後ぐらいは私が決めるかな
「これで最後だ……!」
いつかのセリフを借りてみる。これ、かっこいいかも……
動きに疲弊が見えるけど、弧を描くように向かってくるミサイルをなんとか前進してやり過ごす
ガトリングガンを撃ってくるが、かする程度で直撃しない。させない
<<作戦は失敗か……>>
最後のMTの搭乗者のつぶやきが耳に入る
MTの左肩から斜めに左腕のブレードを振り下ろす。なす術もないようで、あきらめたように相手は動かない
そのままブレードがMTに当たり、橙色の火花が散ってそれは爆発した
<<いい腕だな、気に入ったよ。お互い生きていれば、また会うとしよう>>
<<レイヴン、作戦は成功です。帰還してください>>
「やっと終わった…疲れた」
長かったアリーナ防衛は、見事に成功した。ひどく疲れたけど……早く家に帰ってお風呂に入りたい
あぁ、お風呂上がりのアイスクリームが待ち遠しい
‐モクヒョウ タッセイ‐
—コーテックス:本部—
依頼を終えてガレージに帰ってくると、アドバイスをくれたおじちゃんが出迎えてくれた
がはがは笑いながら無事で何よりだって言ってくれた
そういうことを言われたことがないので照れてしまって、また笑われた
すると自然と私も笑えてきて、なんだか不思議だなー……なんて
「レイヴン、お疲れ様でした」
「はい。タカミさんもおつかれさまでした」
ガレージを出ると、タカミさんが待っていた。手にはお茶らしきものが入った紙コップを二つ持っている
「これ、どうぞ」
「ありがとうございます」
タカミさんからお茶を受け取る。うーむ、お茶が疲れた身体を癒してくれてるようだ
カウンターっぽくなっている椅子に二人で座り、お茶をいただく。タカミさんも疲れてるみたいだ
「レイヴン、どうでした?初めての依頼でしたが…」
「……疲れました」
「そうですか」
そう言ってニコッと微笑むタカミさん。これ……いい!
「そうだ、収支を報告しますね」
「収支ですか?」
「先ほどの依頼の報酬です。今回は歩合制だったので撃破数に応じて支払われます」
(どれぐらい倒したっけ……)
「今回は……これだけですね。23500c分倒したそうです。ここから弾薬費と機体の修理費が引かれた分があなたの口座に振り 込まれます」
「それって……多いんでしょうか?」
「初めての依頼でこれだけできれば十分でしょう。次もお願いしますね」
「こちらこそお願いします。お疲れ様でした」
(……あ、ゴミ箱わかんないや)
「紙コップでしたら私が捨てておきますよ。今日はゆっくり休んでください。それでは、また」
「最後まですみません。では」
そう言って紙コップをタカミさんに渡して部屋を出た。出てみると……
「待っていたよ。君が新人レイヴンだな?」
奇妙な髪形をした人が腕を組んで壁に背中を預けていた。この声、さっきの……
「あなたが……さっきのゲルニカさん?」
「ゲルニカは私のACの名前だよ。君はつけていないのか?」
つけてないも何も、初期機体のままなので愛着もなにも湧いていない
「ACの名前はアリーナに参加するのなら必ずつけておくことだ。ACは自分の象徴だからな。いい名前を考えておくといい」
「なるほど…ありがとうございます」
「うむ、素直に礼が言えるのはいい人間の証だ。ますます気に入った」
「はぁ……」
「おっと、名前の話だったな。私のレイヴンネームはゲドだ。よろしく頼む」
握手を求められるが……まいったな、自分のレイヴンネームを考えてなかった
まだ名前欄が0824〜号になっているはずだ。えーっと、えーと……
「私は……シャインです。こちらこそ」
適当にこれでいいやって決めてしまった。まぁそんなに呼ばれないと思うし大丈夫だろう
「ふむ、シャインだな。アリーナで待っているぞ」
「アリーナ……」
そういえばアリーナってどうやってエントリーするんだろう。家に帰ってタカミさんにメールをしてみようかな
「ではな」
そう言ってゲドさんは歩いて行った。くるくる巻かれている髪の毛がぴょこぴょこ跳ねている
(ACはちょっと気持ち悪いけど、いい人だった……)
アップルボーイといい、まともな人が多いように感じる
もっとレイヴンっていうのはクセが強い人がいっぱいいると思っていたけど
「帰ろ……」
とにかく今日は疲れた。さっさと帰ってゆっくりしよう
バスに揺られながら、今日食べるアイスクリームの味を頭の中で考えつつ程よい眠気に誘われていた午後だった
◇◆◇◆
—トレネシティ:自宅—
「あーいす、アイスっと」
お風呂からあがってアイスを……
「な、ない」
しまった。アイスを食べることばかり考えていて買ってなかった。なんてことだ
「どうしよう……」
しょうがない、買いに行くことにしよう。幸いさっきの報酬がもう口座に入っているはずだ
報酬は基本的にc(コーム)で支払われるらしい。1cで10000円だそうだ。あれ?ってことは……
『23500c分倒したそうです』
『23500c分…』
『23500c…』
「え、こんなに!?」
思わず変な声が出てしまった。てことは、一般通貨だと、2億3千5百万円といことに……
「におくさんぜん……」
すごい額だった。これだけで何十年暮らせるんだ……
「あ、でも弾薬費と修理費分引かれるとか言ってたな…」
いくら残るんだろう。ていうかそこも私が払うんだ…
「考えてもしょうがない。引き落としに行こう」
着替えて出かける支度をする。よーし、アイスが私を待っている!
◇◆◇◆
「すごい額入ってた…」
さすがに23000cはなかったけど、18000cぐらい入っていた
とりあえず100cぐらいおとして、換金所で交換してきた
よくわからない紙幣1枚が、見慣れた紙幣100枚になった
「壮観だ……!」
今私のバッグには札束がそのまんま入っている。ちょっと富豪の気分で気持ちが昂ってしまう
(さっさとコンビニに行ってしまおう)
大金を持っていると、周りの人が全員このお金を狙っている気がしてしまうのはなぜだろう
ちょっと疑心暗鬼
(……あそこでいいや)
ちょうど換金所の向かいにコンビニがある。まるでここで何か買って行ってくださいと言っているようだ
ふふ、なかなかスキのないコンビニじゃないか
—トレネシティ:コンビニ—
「あれ、照さんじゃないですか!偶然ですね!」
「偶然だね。えーっと……誠子」
「はい!誠子です」
コンビニに入ると、アップルボーイがジュースを物色していた
手に持っているのは……林檎ジュースじゃなくてスポーツドリンクだった
なんかちょっとショックだ
「照さんは何を買いに来たんですか?」
「アイスを食べようと思ったけど、家になかったから……」
「なるほど、アイスですね!衝動的に食べたくなりますよね!」
「う、うん、そうだね……」
誠子は元気がよくて、ちょっと気押されしてしまう
「あ、うるさかったですよね、すみません」
「ううん、気にしないで」
とりあえずアイスを買おう。これと、これと、これと……
「たくさん……買うんですね」
「アイスは……おいしいから」
そうだ、おかしも買っておこう。ふふ、お金がたくさんあるから、おかしもいっぱい…ふふ
「お菓子も買うんですか?」
「おかしは……おいしいから」
「で、ですよね」
ふふ、ふふふ……
◇◆◇◆
—トレネシティ:公園—
誠子に誘われて、公園のベンチにやってきた
『そうだ!ちょっと話しませんか?私もついさっき初仕事を終えたんです』
とのことで、二人でベンチに座って誠子はチョコミントを、私はバニラのアイスを食べている
うん、おいしい
「私の初仕事は工場占拠者排除ってやつでした。ってことは、照さんは…」
「うん。私はアリーナ防衛だったよ」
「こっちはなんか胸糞わるい依頼でした…撃破したメカから来るな!とか助けてくれ!とか聞こえて」
「占拠するのが悪いんだから…仕方ないよ」
「ですよね…すみません。こんなこと言ってられませんよね」
そう言って自嘲気味に笑うけど、明らかに元気がない
誠子は人を守るレイヴンになるって言ってたっけ…最初の依頼がそれって結構きついかも
「大丈夫。誠子は人を守るんでしょ?占拠者がいなくなったことで、死なずに済んだ人もいるかもしれないし」
「はい…ありがとうございます」
かなり深い傷を負ったみたいだ。これはこの先が心配だなぁ……
ベテランでもない私が言うのはなんだけど
「あ、そういえば私が受けた依頼って僚機が雇えたんです。今回初めての任務だったんで、
リップハンターって人に頼んだんです。MTだったんですが、頼りになりました…」
「味方が雇えることもあるんだ?」
「はい、ミッションによっては認められるらしいです。リップハンターさんはとてもMTとは思えないような動きで…私はACなのに撃墜
数はどっこいどっこいだったんです」
「そんな人がいるんだ…その人もレイヴンになればいいのにね」
「うう、その人がレイヴンになったら、私なんてすぐに超えられてしまいそうです…」
大丈夫大丈夫、と誠子をあやす私。しかし、リップハンターか…覚えておこう
「今日はありがとうございました!聞いてもらって助かりました。また明日も頑張れそうです!」
「うん、気をつけて帰ってね。また何か愚痴りたくなったら呼んでくれていいから…」
「て、照さん…!」
熱い握手をして誠子と別れた。がんばれ、悩める若者よ……
「……私も帰ろ」
これ以上ここにいるとせっかくのアイスが溶けてしまう。カップはまだいいけど、アイスバーには致命傷だ
「帰ってご飯たべて…寝よう」
今日はいろいろあったし、深夜からずっと起きてたし……
「あぁ……疲れた……」
帰ってアイスを冷凍庫にちゃんと保管して、倒れるようにベッドに横になったところで私は意識を手放した
投下終了です
今日はちょっと多めだったかな?
ゲイヴンなんていなかったんや!
これを機にACに触ってくれる方は、みなさんもお薦めしている2か3からだと入りやすいと思います
恐らくPS2の中古なら百円以下で買えちゃいます。ちょっと悲しいですけど
乙乙
ニワカさんだったか…いいチョイスだ
乙
二次創作だしもっとムービープレイでガンガンいってもいいと思うのよ?
まあ、無いなら無いでとてもACらしくていいとも思うけど
乙
アリーナでロイヤルミストさんを相手にセンマシで残りAP一桁にした後、相手の弾が尽きるまで避けまくる嘗めプしてたのを思いだした……
ごめんよ、ロイヤルミストさん……
乙
Vでのキックが昔もあれば良かったんだがなぁ
ノーコンの俺は玉切れで苦しんだからいつもブレードつけてたな
みんなのアイドルアミダちゃんが見たいのならNX、LRがオススメだぞ!
NXならもれなくPSシリーズの復刻ミッションと莫大な熱さを誇る本編シナリオが付いてくるぞ!
LRならマルチエンディング方式の分厚いシナリオと濃いメンツ&多くのパーツが君を待ってるぞ!
ハイスピード恋愛アクションを楽しみたいなら4、faがオススメ
ACは興味はあるが難しそうで手が出せない
こんばんは。寒いっす
>>78
戦闘描写に関しては書いてる奴の文才がうんこなんであっさりしてしまっています
いやこれマジで難しい……
>>79
ロイヤルミストェ…1000マシはアリーナ攻略のお供ですよね
>>83
実はそんなに難しくないんです。小ジャンプさえ覚えてしまえばどうとでもなっちゃいます
ニコで「アーマードコア旧作講座」で検索!
今日は、初のアリーナ戦です
◇◆◇◆
〜翌日〜
—トレネシティ:自宅—
「ん……おはよう」
朝。誰もいないけどとりあえずおはようの挨拶をする
「着替えて、口濯いで、顔洗って…」
私服に着替えて洗面台に立つ。ACに乗るときはパイロットスーツを着なきゃいけないけど、それにはコーテックスで着替えるから…
「あれ、メールが来てる」
どうやら新しいメールが来ているようだ。タカミさんと…ゲドさんからだ
ふむ、ゲドさんの方から見てみようかな
差出人:ゲド
『実際に顔を合わせたが、これでも一応挨拶をと思ってな。お互い生きていれば、またいい仕事もできるだろう。
ただし、失望させるなよ?』
まめな人だなぁ……
でもこれって挨拶なのかな?…そういうことにしておこう
「あとはタカミさんのだけど……」
差出人:タカミ
『おはようございます、レイヴン。先日のミッションの成果が高く、グローバルコーテックスは
あなたさえよければ特例的にアリーナへ登録したいと思っています。本当はこのような早い段階で
登録されるようなことはないのですが、先日の依頼の内容もあってあなたの戦いを見たいという声も
多くあがっています。考えておいてください』
アリーナ……そういえばゲドさんがアリーナで待ってるって言ってた気がする
ファイトマネーも出るし、弾薬費は払わなくていいし、この機に登録しない手はないだろう
「タカミさんに会いに行こ……」
こういうことは早めにした方がいいよね
コーテックス本部でぶらぶらしてたら会えるかな
「あ、メールがあった」
タカミさんに今からコーテックスで会えないかというメールを送る
……うん、大丈夫みたいだ
「じゃ、行こうか」
アリーナか…柄にもなくワクワクしているかもしれない
どんな人たちがいるんだろう
今考えてもしょうがないので、今日はゴミが出ないようにアメを舐めていこう
「……君に決めた」
食べて欲しそうにしているイチゴミルクキャンディを手にとって口に頬張る。あまあま
「行ってきます」
今日も一日がんばろう
◇◆◇◆
—コーテックス本部:カフェ—
「待っていました、レイヴン」
「おはようございます」モゴモゴ
タカミさんがカフェで待っていた。でも手に持っているお茶は緑茶だ……
飴がなかなかしぶとい
「ふふ、また何か食べていますね」
「甘くておいしい……」
タカミさんはほんわか迎えてくれる。うーん、癒されるなぁ
「それでレイヴン、話とは?」
(あ、そういえば……)
「私に昨日来ていた依頼のもう一つの方の、えーっと」
「工場占拠者排除ですね」
「はい、それです。そっちの方はどうなったんですか?」
昨日誠子に聞いていたが、状況はどんなものだったんだろう
「そちらは別のレイヴンが向かいました。依頼はつつがなく達成されましたが……」
(?)
「相手は先日クビになった労働者でして…」
「あぁ…」
ようは一般人だったわけか。これは誠子じゃなくてもへこむだろう…
特に誠子は人、つまり市民を守りたいって言ってたのに、初めてのミッションは市民だが相手だったわけか…
「…彼らのたどった末路は管理者の意思に反することへの当然の報いなのでしょうが…それでも私としては同情を禁じえません…」
タカミさんも心なしか悲しそうだ。なでなでしたい衝動に駆られる。いかんいかん
「レイヤードでは、こういったトラブルが最近増えてきています。
このことも、管理者の手のひらの上で起こっているのでしょうか…」
管理者も忙しいのかもしれない。コンピュータらしいのでメンテナンスしないとまずいんじゃ?
「すみません、話しすぎてしまいましたね。それでどういった要件ですか?
昨日のことだけでここに来たとは思えませんが…」
「あぁ、アリーナの登録がどうとかの話を……」
「朝に送ったメールですね。どうしますか?私としては、アリーナに登録しない手はないと思います。
基本的にデメリットはありませんし……身の安全は、少しばかり脅かされるかもしれませんが……」
「誰かに狙われるの?」
「最初のうちは、恐らく何もないのですが…」
「……?」
どうも歯切れがわるい。目立ちすぎるとまずいみたいだ
出る杭は打たれるってことかな
……ハッ!まさか私のおかしを狙って!?…なんてね
「何より、今はアセンブリも自由にできないほど資金がありませんね?」
「それは、まぁ……」
そう。お金がないんだ。昨日ちょっとパーツカタログを眺めていたが、あまりの金額の高さに見るのをやめた
高いパーツは10万cぐらいするものもあるし・・・2万程度で喜んでた私は何なんだという気持ちになった
「どうしますか?私は先ほどの理由から、アリーナに登録することを強くお薦めします」
「はい。元々登録しようと思ってきたんで」
「そうでしたか。では登録するように言っておきますね」
「ありがとうございます」
「一応説明しておきます。アリーナにはE〜Aといったランクがあり、あなたはE-10という一番下に登録されます。
挑戦できるのは自分の一つ上にいるレイヴン、つまりE-9のアデューということになります」
「ふんふむ」
「アデューは万年底辺といったところで、彼女が勝ったところを一度も見たことがありません。
素人目で見ても、動きは最悪です」
なんでレイヴンやってるんだろう……
「今日なら彼女もコーテックスに来る用事があるそうなので、デビュー戦を済ませておきますか?」
「え、今日もうすぐですか」
「はい。あなたの腕なら、恐らく苦戦することもなく快勝できると思います」
さっきから散々言われているアデューさん。ちょっとかわいそうになってきた……
「そう言うなら……」
「では、アリーナ会場にある待合室で待っていてください。場所はわかりますか?」
「あ、ちょっと待ってください」
「なんでしょう?」
「機体のパーツを変えたくて…」
「アセンですか?」
「ええ、はい。試合の前にジェネレータを変えたいんですけど」
「でしたら、先にそちらを手配しますね。どちらにしますか?」
そう言ってパーツカタログを見せてくれる。これがタブレットか…便利だなぁ
「んー……」
「あ、言っていませんでしたね。パーツは余程痛んでない限り売値と同じ値段で買い取りすることができます。
そのかわり、買えるパーツもほとんどが中古ですが…」
「ちゃんと動くんですか?」
「ちゃんと動作確認はしているので大丈夫ですよ。ミッション中に異常が発生したら目も当てられませんから」
そりゃそうだ。しかし売値と買値が一緒なのか…かなり融通がききそうだ
「じゃあ今着けているジェネレータを売って新しいのを買っても?」
「はい。構いません」
「だったら、今のジェネレータを売って、えーと……このKGP-ZS4をお願いします」
「こちらでよろしいんですね?」
おじちゃんが出力が高いのを選べって言ってたし、その中で買えそうなのはこれぐらいだ
今持ってるのが18000cで、着けてるジェネレータが19500cで売れるから・・・いけるよね?ファイトマネーも出るし
「お願いします」
「では、試合までに整えておきますね。待合室に案内します」
「何から何まですみません」
「いいんですよ。仕事ですから」
そう言ってほほ笑むタカミさん
こう……胸からこみ上げてくるものがある。今、私は感動している!……フフフ
照が旨そうに食ってる食べ物もナニカヨクワカラナイモノで作られた合成品なんだよなぁ
◇◆◇◆
—コーテックス:待合室—
タカミさんに案内されて待合室にきた。試合は……30分後みたいだ
しばらく待っていたら、白い髪の人がのそのそ歩いて入ってきた。歩きながら寝てるのかな…?
「ダルい……」
「えっ」
「ん……?」
今こっちに気付いたみたいだ。動きたくないオーラをびんびん感じる。まさか…
「あの…もしかしてアデューさん?」
「そうだけど……あなたは?」
「あぁ、えっと、シャインっていいます」
「そう……」
「今から試合ですね」
「そうだね……」
なんだこの人は……
「……」
「……」
……会話がない。どうしよう
「これ、要ります…?」
そう言ってバッグに忍ばせておいたイチゴミルクキャンディをあげてみる
「ん、ありがと…」
包装から取り出して口に入れるアデューさん
「あま…」
(ふふ……)
会話はないけど、居心地は不思議と悪くない。変な人だなぁ……
<<ACの準備が完了しました。各レイヴンはドッグまでお願いします>>
待合室のスピーカーから声が響く。どうやら準備ができたらしい
知らないうちに結構な時間が経ってたんだ…
「じゃあ、行きましょうか」
「ダルい……」
そう言いながらも私についてくるアデューさん。しかし足取りはふらふらだ
「大丈夫?」
「私いつもこんなだから……」
体調が悪いわけでもなさそうだ。よかったよかった
デビュー戦、か……私にとって大事な一戦だ
アデューさんには悪いが、容赦はしない
—ガレージ—
「お、嬢ちゃんか!昨日ぶりだな!」
「お世話になってます」
ガレージに入るとおじちゃんがいた。どうやら私の機体のジェネレータを換えたところのようだ
「うんうん、おっちゃんのアドバイスを素直に聞いてくれてありがとな!」
「いえいえ、助かりました」
「出力が前のヤツに比べて多少マシになったはずだ。昨日よりは自由に動けるはずだぜ」
昨日は散々だったからなぁ……何回エネルギー切れを起こしそうになったか……
「ところで嬢ちゃん、このACに名前はついてないのかい?」
「名前……?」
「おう。アリーナに登録されたんだろ?アリーナは参加者が全員一覧できるようになってるんだ。
もちろん乗ってるACもな。覚えられるためにも、名前は大事だと思うぜ?後ろで眠そうにしてる嬢ちゃんも
つけてるんだろ?」
「一応……スカイダンサーって名前」
アデューさんもつけているようだ
名前か…どうしよう、えーっと、えーと……
「じゃあ……アマテラスで」
「うむ、聞いたことがあるな。どっかの女神様だったか?」
まぁ、これでいいや
そんなに目立つつもりもないし
「いいじゃねえか、女神様か!いい名前だと思うぜ。大切にしてやれよ」
「はい。それはもう」
私のACはなりゆきでアマテラスという名前になった。コンゴトモヨロシク……
「よし!そろそろ時間だ、ACに乗り込んでくれ。ま、お互い怪我のないようにな」
「いってきます」
おじちゃんに敬礼して機体に乗り込む
パネルを操作してCOMを起動させる
レバーを握り、ペダルに足をかける
メインカメラが起動してガレージ内を映す
……よし、行こう
<<では、エレベータまでお願いします>>
コクピット内に案内の声が響く
その声に従って、機体を動かす
(……じゃ、いこうか)
—アリーナ—
アリーナではもちろん実機で戦う
ただし搭乗者が死なないように機体の破損率がレッドゾーン、すなわち撃破される寸前の状態になると
すべての武器にセーフティーがかかり、ライフル等が発射できなくなる
まぁアリーナで死人がでたらそれこそ大騒ぎだ。市民にも一般公開されているコーテックスの資金源の一つらしいし
機体の修理費や弾薬費はコーテックスがもってくれる。心置きなく戦えるということだ
向かい側にスカイダンサーが待機しているのが見える
ミッションの時も思ったが、そうとう広い。相手のACとかなりの距離がある
試合開始のブザーがなり、パネルにGO!!の文字。さぁスタートだ
意気込みを入れるが、スカイダンサーは後退してライフルをロックオンせず撃っている
トラブルだろうか?
(…気にしないようにしよう。これは試合だ)
とりあえずロックオンできる距離までブーストダッシュで向かう
ジェネレータを換えたおかげか前回よりかなり動ける
前はブレード振るだけでチャージングしそうになったものだ
おじちゃんありがとう
「勝負だ……!」
相手の動きに早速不可解なことがあったが、遠慮はしない
ライフルを撃ちながら相手の周りを円を描くように旋回する
相手も応戦してくるが、ロックオンが追い付いていないのかさっきいた場所にライフルが発射される
なるほど、タカミさんが酷評していた理由も頷ける。…あまりいい気はしないが
<<……ダルい>>
通信が入る。この声はアデュー?
…ってなんだろう。なにか聞こえてはいけないセリフが…
<<操縦するのダルい……>>
「え、ええ〜〜〜」
思わず変な声を出してしまった。操縦するのがダルいって……
極度の面倒くさがり屋なのは薄々感づいてはいたが、ここまでなんて…
なんでレイヴンになったんだろう?
「そ、それでいいのか…?」
試合は試合なのでちゃんと戦うが…
ミサイルを撃ち込んでも避ける行動すら起こさないし、たまに思い出したようにブーストダッシュをするスカイダンサー
近づけばブレードを振ってくるが、虚しくも左腕は空を切ってばかりだ
これは……
(手早く終わらせよう。これ以上は私が見ていられない)
ブーストダッシュで近づいてブレードを誘って急停止し、空振りさせたところをカウンター気味にこちらがブレードを当てる
ブレードでスカイダンサーの頭をきれいにふっ飛ばし、続けざまに離脱しながらライフルを連射する
スカイダンサーがコアから煙を噴きだして膝をついたところで、コクピットのパネルにYOU WIN!の文字が現れる
「これが…私のデビュー戦……」
<<つよ……ダル……>>
なんともしまらないまま、初のアリーナ戦は終わった
ホントにいいのかな…こんなので
とりあえずここまでです
アデューはシロさんにやってもらいました
扱いはちょっとアレだと思いますが、SLもやるんだったらそちらにも出てもらうつもりです
戦闘描写むず杉ワロリンヌ
乙
産廃ライフル片手にダルいのが嫌いとかいってそうだな
乙
3は角アタマが出ないんだよなぁ……
「Shape Memory Alloys」を聞きながらだと捗るな
ACの大体の登場レイヴンは男だから女レイヴンって少ない感じがする
こっちは女の子オンリーかな?
さ、流石に京ちゃんはいるんじゃないかな……
これでブースターと右腕武器、さらにジェネレータも場合によっては新調出来そう
京ちゃんがレジーナ枠という可能性も微レ存・・・?それか他のレイヴンのマネージャー
ロイヤルデコイさんが京ちゃんだったら…
3は緑ライフルが優秀すぎてマシンガンが霞んだ覚えがあるな
あと月光ブレホとターンブースターが
—ガレージ—
「見てたぜ!圧勝だったな!」
「はぁ、ありがとうございます」
試合内容がアレなだけに、褒められても素直に喜ぶことができない
「初試合であれだけ動けるんだ。恐らく、注目の新人として期待されると思うぜ」
「うぅ、あんまり目立ちたくないのに……」
「ハハハ、まぁしかたねえさ。どのみち勝って行くたびに有名になっちまうもんだ」
「そういうものですか……?」
「細かいことは気にしないのが一番だ!」
それができれば苦労しないんだけど……
「そういやブースターはまだ初期のまんまだな?」
「はい、ちょっと速度が足りないように感じます…エネルギーは割かし自由がききました」
「今回のファイトマネーと、今着けてるブースターを売っぱらえば多少はマシなのが買えるはずだぜ。どうする?」
今日動かしてみて、やっぱりまだ動きにくく感じた。具体的には———速さが足りない!!
安価で済むならお願いしてみようかな
「そう……ですね。お願いします」
足りるよね?私今回もらえる金額を知らないんだけど……
「よし、じゃあ手配しといてやる。次のミッションまでには間に合うはずだ」
「ありがとうございます」
親切なおじちゃんに別れを告げて、ガレージを出る
そういえばスカイダンサーから黒煙が出てたなぁ…大丈夫かな
—コーテックス本部:カフェ—
「レイヴン、お疲れ様でした。圧勝でしたね」
試合が終わったらカフェに集合するように言われていたんだった
途中で思い出してよかった……
「相手のやる気がなぜか全くなくて……」
「なぜ…でしょう?」
「さぁ?」
手を広げてやれやれのポーズ
「ま、まぁ勝ったのでよしとしましょう。そういえばレイヴンはOBを使わないようですが……?」
「OB……って?」
「ええっと、コアの機能の一つで、ブーストダッシュ以上の速度を出すことができるんです。
その分、エネルギーの消費は激しく、搭乗者にかなりのGがかかりますが」
また私の知らない機能だ。そんな便利なものがあったなら使っていたのに……
「そのかわり、使用時にかなりの熱が発生します。インターバルを入れずに連続で使ってしまうと、オーバーヒートして機能不全してしまうので注意してください」
「こわ……」
「ちなみに銃火器を喰らっても機体の温度はあがりますよ?それを狙う武器もありますし」
「そんな人ととは……戦いたくないね……」
「まぁ、当たらなければいいんです」
さらっと言ってくれるタカミさん
いやいや、どこかの大佐じゃあるまいに……
「さて、今回のアリーナの報酬ですね。発生するファイトマネーは……1500cです」
(……少ないのか多いのかわからない)
でも、昨日のミッションの報酬に比べるとかなり少ないように感じる。こんなものなのかな?
「アリーナランク最下位とその一つ上の対決なので仕方がありませんが、ちょっと少ないですね…」
(あ、少ないんだ)
「恐らく、Eランクの対決はまとまった報酬がもらえないと思います。Dランクに上がるまでの辛抱ですね…」
なぜかタカミさんがちょっと残念そうな顔をする
「あの……残念そうですね」
「それはもう。私はあなたの担当なんですよ?あなたのことは私にとってもとても大事なことなんです」
真面目な顔でそういうことを言われると照れてしまうじゃないか
……あ
「タカミさん。私のレイヴンネームとか機体名って空欄ですよね?」
「ええ、確かまだどちらも決まってないようですが」
「レイヴンネームはシャイン、機体名はアマテラスでお願いします」
「えっと、シャインに……アマテラスですね、わかりました」
タカミさんがメモ帳にペンを走らせる。危ない危ない。このままでは謎のレイヴンになってしまうところだった
「では、今日は初のアリーナ戦お疲れ様でした。あなたの自宅のPCにアリーナデータを送信しておきますので、
帰宅しだい確認しておくといいでしょう」
「わかりました」
「それでは、また」
「お疲れ様でした」
挨拶をして席を立つ。今日もいろいろあったなぁ…
機体の内装を新調したし、アリーナにも参加した
ゲドさんはアリーナのどの位置にいるんだろう
◇◆◇◆
帰り道の通路で、アデューさんがベンチで崩れているのを見つけた
試合前より何倍もダルそうだ……
「…ん?」
あ、気付いた
「キミ……強いね」
「そ、そうですか?」
「うん。……ほとんど動かなかった私が言うのもなんだけど、多分他の新人に比べて遥かに強い」
アデューさんはレイヴン暦が長かったりするのかな
「まぁ、がんばって」
「はい、ありがとう…ございます」
「ん……喋りすぎて疲れた……」
えぇ〜……
アデューさんはそのまま私がコーテックスを出るまで、ベンチで崩れたままだった
—トレネシティ:自宅—
「帰ったらPCを見る……」
タカミさんに言われたことを思い出す。アリーナデータを見ておくように、だったっけ
「あれ?メールがまた……」
新着メールが一件。依頼かと思ったが、コーテックスからなのでその線はなさそうだ
差出人:グローバルコーテックス
『初勝利、おめでとうございます。今後もこの調子で更なる高みへと勝ち進んでいってください。
なお、今後特定ランクへ到達ごとにわが社から褒賞として、AC用パーツを贈呈します。
今回送るパーツは肩武装用パーツ、CWM-S60-10です。是非ともご活用ください』
ふむ。思わぬところから褒賞をもらってしまった
型番をかかれてもよくわからないので、カタログで調べてみる
「ふんふむ、小型ミサイル……」
今着けているミサイルの上位のものかな?
説明を見ると、十発まで連続で撃てるみたいだ
初期のミサイルは単発でしか撃てないが、これはまとめて撃てるということか
「なかなか便利……かも」
しかもご丁寧に二つ送ってきてくれているようだ。両肩分かな
でもミサイルを両肩に背負っていく気はないし……
「一つは売っても……怒られないよね?」
売値を見ると29500cと書いてある。ってことはこの金額で売れるということだ
「今の私には武装よりもまず内装をつくるお金が欲しい」
自分にそう言い聞かせる。肩の武器はこの際二の次だ
でも何から整えようか……
ジェネレータもブースターも換えたばかりだし……うーん
「足かな」
ACの脚部はいろんな形があるみたいだし、ちょっと趣向を変えてみよう
「どれどれ……?」
パーツカタログを漁ってみる
ふむふむ、中量2脚、重量2脚、軽量2脚、逆関節、タンク、4脚、フロート……
いっぱいあるなぁ。悩みどころだ
「えっと今着けてる足が……25000c」
結構選べる幅が広いかもしれない。どれも魅力的で目移りしてしまう
逆関節はともかく、4脚はちょっと気持ち悪いけど……うーん
「今回はタンクにしてみよう」
一番安価なタンクが15000cと初期の脚部よりずっと安い。すごいお得感だ
しかも、売値が安いパーツほど修理費が安く済むらしい。金欠気味の私はこれにしない手はないだろう
コーテックスに着けている脚部を売るようにお願いして、タンク型脚部を注文する
次の出撃が楽しみだ。タンク……どんな動きになるんだろう
「……あれ」
すっかりアセンに没頭していたが、なんでPCを開いたんだっけ?何か忘れているような……
「そうだ、アリーナデータだった」
失念していた。タカミさんに見ておくように言われてたんだった
……これかな?
「!私の機体だ」
それらしきページを開くと、私の機体と名前が目にはいってきた
ACの名前とか決めておいてよかった……
アリーナデータには、E〜AランクのレイヴンとそのACが網羅されており、だれが書いたのかそのレイヴンの説明が載っていた
アデュー:スカイダンサー
『経験が浅く、あらゆる面で未熟さが目立つ。
機体も貧弱で、未だ勝利への道程は遠い。
気だるく動く本人だが、なぜかその行動に心を奪われるファンが増えている。
さらにレイヴンとしては 不釣合いなほどの 美少女ぶりが、多くの女性ファンの心をつかみ、人気だけはすでに一人前と 言える。戦いの厳しさを知るのは、これからである。』
結構ボコボコにたたかれている……不思議とファンは一定数いるらしい
確かに顔はかっこよかったかもしれない……
シャイン:アマテラス
『見事試験に合格し新たにレイヴンとなった新人。
過去の経歴は一切不明で、実力のほどは全くの未知数と言える。
果敢にアリーナに挑むが、その挑戦は栄光への第一歩か、それとも愚かな蛮勇か。
長い戦いは、今始まったばかりである。』
私の説明も載っていた。一体誰が書いたんだろう……
文面を見るに、ちょっと期待されてるみたい
……ふふふ
〜翌日〜
—トレネシティ:自宅—
「おはようございます……」
今日はちょっと遅めの起床。顔を洗って朝食摂って……む?PCのランプが点滅してる
確かあれは、依頼が入ったときに光るやつだったはず……
ホントに休む暇がないな
(仕事だから素直に喜ぶとしよう)
全然仕事が回ってこないレイヴンはそれはそれで少し悲しい。アリーナ上位だと話は別だけど
「今回は……ミラージュか」
ミラージュ。最新鋭の技術を用いて画期的な商品をたくさん作っている企業だった…はず
今住んでいるトレネシティもミラージュの傘下だったような
依頼主 :ミラージュ
作戦領域:グラン採掘場
敵勢力 :キサラギ
作戦目標:敵部隊の全滅、ただし、資材への被害は抑えるように。
『グラン採掘場への襲撃を依頼する。
この採掘場は、これまでキサラギの主導による採掘が進められてきたが、つい先日莫大なレアメタル鉱の存在が確認され た。言うまでもないが、限られた空間しか持たない地下世界では、こうした資源は特に貴重なものだ。
キサラギが独占してよいものではない。協議の結果、同鉱山は各企業の共同所有物とすることが決定し、我々ミラージュ が代表して採掘にあたるあたることとなった。
ところが、この決定に同意したはずのキサラギはすでに明け渡し期限が過ぎているにもかかわらず、採掘を続けている。 これは重大な裏切り行為だ。
採掘施設を破壊することは避けたいが、我々の力を軽視したものには相応の報いを受けてもらわなければならない。
施設に残っている連中をすべて排除しろ。
なお、今回の依頼は僚機を雇えるよう準備してある。必要であれば、利用してくれ』
「なんだこれ……」
ミラージュはかなりのジャイアン気質?のようだ
これが最新鋭の企業……
(内容はともかく、仕事は仕事)
あんまり気にしないようにしよう
ふむ、今回は僚機が雇えるらしい。……誠子の言っていたリップハンターって人がいるな
アップルボーイもいるけど、今日はこの人だ
依頼承諾のメールを送り、出かける支度をする。リップハンター……どんな人だろう?
リップハンターってなんだかスケコマシみたいな名前だなぁ
—コーテックス:ガレージ—
「今回はタンクにしたんだな」
「はい、一度乗ってみたくて」
「タンクはいいぞぉ?男のロマンだ!」
おじちゃん曰くそうらしい。今回は武装にまで手を回せなかったから、タンクの利点はあんまり活かせてないけど……
「タンクに積めるだけ武装を積んで、攻撃は身体で受ける!堅い!さすがタンクだなんともないぜ!」
おじちゃんのテンションがおかしい。そんなにいいものなのかな
おじちゃんのテンションが戻ったところでACに乗り込む。うーむ、地面が近いなぁ
まるで軽4みたいだ
タンクだと横幅が大きくて広いガレージが窮屈に感じる。要塞って感じだ。……フフフ
いいかもしれない
(実戦で使うのが楽しみだなぁ……)
ミッションの内容はちょっとアレだけど、気にならなそうだ
—グラン採掘場—
<<今回の目的は施設内に残る勢力を無力化することです。機材の破壊については出来る限り避けてください>>
敵だけ倒せ、か。タンクだしきついかも……このミッションには向いてなかったかな
<<私は君の邪魔にならないように動かせてもらうよ。レイヴン、今日はよろしく頼む>>
隣でスタンバイしているリップハンターから通信が入る
……って!
「この声……まさか菫?」
<<お前……!もしかして照か!?>>
不思議なこともあるもんだ。まさか誠子の言っていた人が菫だなんて……
「菫……なんでこんなところに?」
<<それはこっちのセリフだ!それより今はミッションだ。早いとこ終わらせてしまうぞ>>
<<レイヴン、知り合いですか?>>
「はい。……古くからの友人です」
<<つもる話は終わってからだ。新人レイヴンが誰かと思ったら……お前相手なら、余計な遠慮はいらないな。
やりやすくて助かる>>
<<…かなり信頼されているようですね?>>
(……照れ)
照だけに。
—コーテックス:ガレージ前—
……菫の動きはすごいの一言だった。ふわふわ浮きながら、ショットガンをばらまき、ブレードも百発百中
とてもMTの動きとは思えなかった……誠子が危惧していた理由がわかる。私も簡単に超えられてしまいそうだ
私はと言えば、機動力で張り合おうとしたらタンクだったりで、うまく動けなかった
確かにタンクだと敵の作業用メカのマシンガンでもびくともしなかったけど……後半は、もう見ているだけだった
そんなことより菫がこんなところに居たこと何よりが驚いた
一体なぜ……?
「……来たか、照」
「菫……」
ガレージをでると、菫がいつかのゲドさんみたいに私を待っていた
「まさかお前がレイヴンになっているとはな」
「それは私の台詞。どうして菫はMTに乗ってるの?」
「……ここでは何だ、気軽に話せる場所に行こうか」
—コーテックス:カフェ—
話といえばここ。これからもここを利用することは多くなりそうだ
「……で、私がMTに乗っている理由だったな?」
「うん。……どうして?」
「簡単なことだ。父親がリストラされてな。食っていける金がなくなったから私が働くことにした」
「働くところなんかいくらでもあるんじゃ……」
「普通の労働と比べて、収入が圧倒的にいいからな。今回の依頼だけで6000cだ」
確かに収入は圧倒的だ。それこそ一生暮らしていけるほどに
「それよりお前だ……なんでレイヴンなんかやってる?」
「私は……気付いたら」
「は?なんだそれは」
「うん、よくわからないよね」
「お前らしいと言えばお前らしいが、いくらなんでもそれは……」
「いいの。もうなっちゃったから」
「お前がそう言うなら、まぁ、それでいいが……」
「……心配してくれてるの?」
「当たり前だろう!?久しぶりに友人に会ったら命を懸けてたんだぞ!?」
「す、菫、落ち着いて……みんな見てるから……」
「っ!……すまない、取り乱した」
「それに、それは私も一緒。あんまり危ないことはやらないでね?」
「約束はできないが……お前に心配をかけるのもな。わかってるよ」
「うん。……あ、タカミさんが呼んでる。私はもう行くね」
「ああ、お疲れ様。お前も気をつけてな」
「菫もね」
「……ああ、そうだ、照」
「何?」
「今回は私だったからいいが……ちゃんと動けよ?そんなことではMT乗りにすらバカにされるぞ」
「……気をつける」
最後にダメだしされた。……こういうところはちっとも変わらない
……でも、リップハンターがまさか菫だったなんて……何もないといいけど……
投下終了。そして書きためが尽きました。これから連日更新は厳しいかも……
グラン採掘場はさっくり。許して
乙ー
このミッションは特に派手な所も無いもんね
OB吹かしてとっつきするのが楽しい
fA買いもどしてやってみたら難しかった
ところでAC3ってPS2?
>>126
PS2とPSPのがある
乙
ちょっと攻略本で確認してみたら、少なくともあと20人ぐらいはレイヴン出さなきゃならないみたいだね
乙
そういや地雷伍長=アンプルールってネタあったなぁ・・・・まさかシロも
PSPのACはボタンが足りなくてやりにくい
外出先でやれるのは嬉しいけどさ
◇◆◇◆
〜3日後〜
—コーテックス:カフェ—
「……レイヴン、お疲れ様でした」
今日の依頼は輸送車両護衛。だった。
車の進路上にある障害物を壊してまわるだけの簡単なお仕事
車やら明らかに故意で置かれていたように思える大きな岩(?)らしきものをライフルやACで粉々にした
今回は初めての逆関節だったが、エネルギー供給力が高くなかなかいいものだった
ゲドさんが愛用するのもわかる気がする……
「お疲れ様でした」
「今回の依頼は楽勝、でしたね」
MTや小型メカも現れたが、数も少なかったので大した脅威にはならなかった
撃破したことで追加報酬までもらえたので、相手には悪いが稼がせてもらった
私も慣れてきた、のかな
「私もこれで、一段落できます…」
タカミさんがそう言ってお茶をすする
そういえばいつもお茶をすすっている気がする。カフェなのに珈琲や紅茶は頼まないし、緑茶が好きなのかな
「あの……」
「はい?」
「タカミさんっていつもお茶飲んでますよね」
思いきって聞いてみた
「……ええ。私、昔から緑茶や抹茶が好きで……学生の頃は茶道部でしたから。
珈琲や紅茶は、どうにも私の口に合わないんです」
なるほど。緑茶はともかく、抹茶は飲んだことないなぁ
そんなにおいしいのかな?
「抹茶……飲んだことないですね。おいしいんですか?」
「ええ、それはもう。抹茶って意外と甘いんですよ?色や緑茶のイメージから、渋い印象がありますが…」
「へー……」
飲んでみたいかも。甘いものには目がないぞ私
「よければ今度お茶会でもしますか?」
「え、いいんですか?」
「はい。次に暇をもらえるのがいつになるかわかりませんが…それでもよければ」
「是非お願いします」
食い気味で返事をする私。
あれ?でも……
「でも……どこで?」
「あっ…」
意外とこういうところは抜けているのか、タカミさんがしまったという顔をする
……一気に親近感が湧いた気がする
「あの……どうしましょう?」
困った顔を向けるタカミさん
うーむ……ここしかないだろう
「……タカミさんさえよければ、うちで」
「よろしいんですか?」
「はい。一人だと広すぎるくらいなので」
「では、今度お邪魔させてもらいますね」
タカミさんとお茶会の約束をとりつける。ふふふ、今から楽しみだ
「あ、ちょっとすみません。……これは……!レイヴン、緊急の依頼です!」
タカミさんがタブレットを開いたと思ったら……あれー?
今日はこのまま和気あいあいとして終わりじゃないんだ……?
「クレスト社からの緊急の依頼です。時間がありません、移動しながら内容を確認してください」
タカミさんもかなり焦っている。…どんな内容なんだろう?
依頼主:クレスト
作戦領域:ジダン兵器開発工場
敵勢力:工場占拠者
作戦目標:時限装置の解除と、占拠者の全滅
『以前別のレイヴンに掃討をお願いした工場が、再び占拠されました。
占拠者たちは以前制圧した連中の残党を名乗っています。
前回より人数も多いようですが、さらに厄介なことにどうやら毒ガスまで持ち込んでいるようです。
工場の閉鎖を撤回しなければ、ガスをばら撒くと脅してきました。
どうやらガスの入ったタンクに時限装置を仕掛けてあるようです。
要求してきた回答の期限まであまり時間はありません。これほど本格的な行動に出るとは予想外でした。
おそらく何れかの企業が背後につき、援助を行ったものと思われます。最早話し合いの余地は無いでしょう。
依頼内容は2つです。まず、タンクに設置されている、時限装置を解除し、ガスを無力化すること。
出来る限り、迅速に行ってください。それが完了次第、敵部隊の排除をお願いします。』
……なるほど、焦るわけだ
この別のレイヴンは、誠子のことだろう。場所も聞いていた所だ
毒ガス……。あの場所で毒ガスをばらまけば、恐らく市街地まで漂うはず…
それに工場というくらいだから、換気扇なんかもあるはず……失敗は許されないな
「すぐに出撃します。アセンを変えている暇はありません」
さっきのミッションのアセンのままだから……
頭 :CHD-01-ATE
胴 :CCM-00-STO
腕 :CAM-10-XB
脚 :CLB-44-AKS
B :CBT-01-UN4
FCS:VREX-ST-1
ジェネレーター:KGP-ZS4
ラジエーター:RIX-CR10
右腕:CWG-RF-200
左腕:CLB-LS-1551
右肩:CWM-S60-10
左肩:CRU-A10
……こうのはずだ
「お願いします。それでは、また」
タカミさんと別れてガレージに急ぐ。この作戦はなんとしても成功させなければ…
—コーテックス:ガレージ—
「おじちゃん、私のACは出せますか?」
「……急ぎのようだな。安心しろ、すぐ出せるぜ」
「すみません。ありがとうございます」
「急がば回れ……とは言わねえが、急ぎながらも落ち着けよ?事を焦ってはできることもできないもんだ」
「……はい」
「ま、嬢ちゃんなら大丈夫だと思うがな!」
大げさに笑って背中を叩かれる。……おじちゃんはなかなか鋭い
「…行ってきます」
「おう、気をつけてな」
おじちゃんにあいさつをしてACに乗り込む。…間に合ってくれるといいが
‐システム キドウ‐
<<毒ガスの入ったタンクが全部で四つあるようです。制限時間は三分半です。急いで解除してください>>
……目に入るだけでまず一つあった。ACで触れることができれば、解除はAC内のCOMがやってくれるそうだ
…この際MTや作業用メカは二の次だ。まずは時限装置を無力化する
逆関節の機動力を活かして、ミサイルをかわしながら一つ目のタンクに触れる。…制御装置はこれだね
<<時限装置の解除を確認。あと三つです>>
よし、かなり早い。これなら……
「……お前らは後だ」
ミサイルやロケットを浴びせてくるMTたちを一瞥して、先日タカミさんから教えてもらったOBを起動させる
「ぐっ……!」
身体にすさまじい衝撃が走る。くそ、すごいGだ……!
(これは……連続で使いたくはないな)
連続で使うと身体が壊れそうだ。…連発はなるべく控えよう
しかし、そのおかげで二つ目のタンクに接近することができた
「よし……これで」
<<時限装置の解除の確認。あと二つです>>
三つ目はどこだ……?
<<あと二つは…その先のエレベータを下った先にあるようです>>
「了解」
言いたいことが分かってくれるタカミさん。非常に助かる
……だが、エレベータを待っている時間はない
自力で下って行こう
「……OBだな」
あんまり使いたくはないけど……そんなことも言ってられない
なぜか天井に置いてある砲台から、弾丸が降ってくる。…なんで工場にあるんだ鬱陶しい
「これじゃ、OBが使えない…」
OBは使用時にかなりの熱が発生する。弾を喰らいながらだと、恐らく……熱暴走して機能不全を起こすだろう
(ここはまた通るし……先に掃除だな)
逆関節はブースターを使わない、素のジャンプ力が非常に高い
下りながらぴょんぴょん飛んでライフルで壊しつつ進む。
(ライフルもそろそろ買い換えたいなぁ)
砲台を破壊するのにかなりの弾数がかかることを再認識する
これは帰って新しいのを買わなくては
砲台を破壊しきったところで、OBを起動させる
ふむ、高いところから物を投げると遠くに飛ぶよね…ってことは
OBを起動してすぐ解除したら、最初の瞬発力で長距離を飛べるんじゃないかな?
「物は試し……」
なるべく高い高度からOBを起動させたいので、素のジャンプをする
(……ここだ)
今出せる最高の高度からOBを起動する。すると……
「……っ!」
ガツンという衝撃とともに、機体が前にものすごい勢いで飛んでいく
いや、これは落ちているだけか?
企みは成功、見事予想的中。こんな緊急事態だからこそ頭が冴えたのかもしれない
「これは使えるね……」
このテクニックをOB余剰と名付けよう
<<レイヴン?大丈夫ですか?>>
おっといけない。ぼーっとしている暇はないんだった
「すみません。大丈夫です」
<<残りのタンクは右手と左手にそれぞれ一つずつあります。急いで!>>
タカミさんに急かされ、機体を動かす
ミサイルを撃ってくるMTを踏み台にしてさらに高く飛び、OBを起動。…三つめが見えた!
<<時限装置の解除を確認。あと一つです>>
四つ目はもう見えている。この距離ならOBは使わなくてよさそうだ
時間は……あと一分半ある。これなら……!
「……私を止めたいなら、グレネードでも用意するんだったね」
ロケットやガトリングガンではACはびくともしない。流石に数を喰らってしまうとまずいけど
数発程度ならなんてことない…はず
ブーストダッシュから小さくジャンプして、装置に近づく。これで最後だ……!
<<全ての時限装置を解除しました。引き続き不法占拠者を排除してください>>
<<くそ!毒ガスはもうだめか!>>
周囲を囲んでいるMTの声が聞こえる。そう、あなたたちももうだめ
<<ぐあっ!>>
ライフルだと時間がかかるのでブレードで素早く処理
以前占拠していた人達の残党……ってことは、この人たちも一般市民か……
誠子がこの仕事を受けていたら……なんて考えながらMTを相手にとる
<<助けてくれ!>>
そんないちいち断末魔を上げないで……
下層の敵を全滅させて、エレベータに乗る
砲台を壊してあるので一休みだ
……ん、何か引っかかる。最近起きたことの中で、今回の依頼と何かが……
<<下のやつらは全滅か!くそ!>>
エレベータであがりきると同時にOBを起動。正面のMTに突撃する
<<く、来るな!>>
そのまますれ違いざまにブレードで両断。後方で爆発の音がした
ガトリングガンをブーストダッシュで避けながら近くのMTをミサイルで粉砕する。
ライフルだと時間がかかって仕方ない
「……あと一人」
入口付近のMTを追い詰める
<<や、やめてくれ!>>
この声……どこかで……
そうだ……小さいころに聞いたことがある……
「あなた……菫のお父さんですね」
<<だ、誰だ!菫を知っているのか!?>>
「お久しぶりです。……宮永です」
<<その声……照ちゃんか!?た、頼む!見逃してくれ!>>
……ブレードでMTの足を叩き切る
「……なぜこんなことを?」
<<き、企業は我々の仕事を奪ったんだ!奴らは自分たちのことしか考えていない!これは報復だ!!>>
「……もっとやり方はあったでしょう。なぜ毒ガスまで使おうと?」
<<これぐらいしなければ企業は聞く耳を持ってくれん!一体この世界に、何人の市民が企業によって仕事を失ったと思っている!!住
む場所も追われて、我々はどうやって生きればいい!?レイヴンになった君にはわかるまい。平気で人を殺して、金に困らず生活して
いる君には!!>>
「……それを言うならあなたもです。兵器開発工場で働いていたんでしょう?私はただ、あなたたちが造った武器で殺しているだけで
す。間接的に、あなたも人を殺しているんです。それに、レイヴンだってれっきとした認められている職業ですよ?」
<<そ、それは……そうだが……>>
「……何よりあなたたちは罪のない市民を巻き込もうとした。これは許されることではありません」
<<……!!く、クソッ!!>>
足がなくなったMTからロケットが飛んでくる。反応が遅れてしまい直撃するが、……
「……なぜ?」
ブレードでMTの腕を切り落とし、ダルマ状態にしてしまう。
そのまま左腕をMTのコクピットに振り下ろそうとして……
<<す、すまなかった!誤射しただけなんだ!頼む、助けてくれ!!私は菫の父親なんだぞ!?>>
振り下ろす左腕を当たる直前で止める
「……さっさと消え失せてください。もうすぐクレストがやってくるでしょうから」
<<み、見逃してくれるのか?>>
「早く!さっさとしろ!!」
MTのコクピットが開き、菫の父親が職員用通路に逃げていく。……そのままその姿は見えなくなった
<<……レイヴン、敵の反応は消滅しました。帰還しましょう>>
「……はい」
……最悪の気分だ
〜翌日〜
—トレネシティ:自宅—
あの後、リップハンター……菫からメールが来ていた
父親が帰ってきたこと、父親は飲み会に行っていたと嘘をついたこと、家を出て一人暮らしをすること
菫は、自分の父親がテログループに居たことに気付いていたらしい。……流石
『これからは、自分の生活の為にレイヴンを目指すことにするよ』
……だそうだ。私は一日寝たからなんとか大丈夫だけど、菫が心配だなぁ……
ピンポーン
「……え?」
滅多に鳴らない我が家のインターホンが鳴る。おかしい、誰にもこの場所は教えてないのに……
とりあえずドアの覗き窓から確認する。……タカミさん?
ドアを開けてタカミさんを迎える
「なんで……私の家を?」
「すみません……調べさせてもらいました」
…ふむ、立ち話もアレだしあがってもらおう
「とりあえず、中へ」
「おじゃまします……」
タカミさんを和室に案内する。彼女になら家を知られてもかまわないが…一体なぜ?
「あの依頼の後、ずっと浮かない顔をしていたので…大丈夫ですか?」
なぜ来たのか聞こうとすると、先に言われてしまった
……心配させてしまったのか
「はい、心配かけてしまいましたね。……まさか、それだけの為に?」
「……それだけ、ということはありません。私はあなたのパートナーですから」
パートナー……
「レイヴンという仕事は、パートナーとの信頼関係がとても重要なんです。…悩みはなるべく溜め込まずに、相談してくだ さい」
「……また悩みごとができたときには、必ず」
「はい」
……私は恵まれてるな
「ありがとう……タカミさん」
OBスライドからのノーマルジャンプは逆関節の華
投下終了
原作の菫さんの親父は多分こんな人じゃないです。ごめんなさい
読みにくかったりしたらどんどん言っていってください…
おつやでー
乙乙
違和感なくスラスラ読めるから大丈夫やで
おはようございます。朝っぱらから更新です
レスはホント励みになります。アリシャス!
今回は、レイヴン試験妨害阻止です
〜二日後〜
—トレネシティ:自宅—
「……ふう」
依頼をあまり受ける気にならないので、アリーナに専念していた
順調に勝ち進んで、今はもうE-4。ゲドさんの真下だ
……意外とゲドさんのランクが低かったのに驚いたのは内緒
「変な人たちがいっぱい居たなぁ……」
アデューさんとゲドさんの間には私を除いて五人しかいないのに、個性豊かな人がたくさんいた
ライフルで熱暴走させると『あったか〜い』とか言って喜ぶ人
OBを連発しまくって自滅していく人
せっかくのフロート足なのに直立不動でマシンガンをばらまいてくる人
ちなみにフロートとは、ブースターが内蔵されていてホバー移動する脚部のことだ。ちょっと浮いてる
……本当に変な人ばっかりだなぁ
でも、その変な人たちを倒したおかげでブースターとライフル、それに頭部を換えることができた
頭 :MHD-RE-005
胴 :CCM-00-STO
腕 :CAM-10-XB
脚 :CLB-44-AKS
B :MBT-OX/002
FCS:VREX-ST-1
ジェネレーター:KGP-ZS4
ラジエーター:RIX-CR10
右腕:MWG-RF/220
左腕:CLB-LS-1551
右肩:CWM-S60-10
左肩:CRU-A10
……こんな感じだ。ブースターの出力がかなり上がったおかげで、高機動戦闘が可能になった
逆関節足はエネルギー供給力が高く、ジェネレータが出力不足気味でもなんとかなっている
いい脚部だ……
次はいよいよゲドさんか。……今の私なら、いい勝負ができるかもしれない
…ちょっと自信過剰かな
「……久しぶりに依頼を確認しよう」
と言っても二、三日しか経ってないけど
……ちょうど依頼が入ったところのようだ。メールを開いてみる
依頼主は……コーテックス?
依頼主:グローバルコーテックス
作戦領域:トレネシティ
敵勢力:武装集団
作戦目標:爆撃機の撃墜
『我がグローバルコーテックスに対し、妨害行為を繰り返している武装集団の情報を得ました。
再三の失敗により、最近ではその活動も縮小の傾向が見られた彼らですが、どこから資金を得たのか、再び武装を整え、
破壊行為を再開するつもりのようです。
情報によれば、犯人は爆撃機によるアダンシティへの侵入を図っているようです。
同地域の南では、近日中に新たなレイヴンの試験が予定されており、目的はこの試験の妨害にあると推測されます。
我々の威信にかけても、試験の妨害を許すわけにはいきません。
試験が行われている区画に侵入される前に爆撃機を撃破してください。』
なんだか懐かしい。私もこの試験を経てレイヴンになったんだ
……爆撃機はさすがに来なかったけど
……なんて言っている場合じゃない
依頼の受諾をメールで送る。新しいレイヴンの為にも、成功させなきゃ
—トレネシティ—
爆撃機を撃破するのにミサイルでは効率が悪いと思ったので、代わりに小型ロケットを積んできた
ロックオンはできないが、そのかわりに威力が高く、低速で動くものの破壊に向いているはず
……この判断が功を奏せばいいが
‐メインシステム 戦闘モード 起動します‐
現地に着くと、軍用ヘリ『ターバニッド』が待ち構えていた。爆撃機の他にもこんなものまで……
<<敵の先行部隊のようです。目標排除のために撃破しておきましょう>>
「わかりました」
ヘリは大した脅威ではない。問題は……
「……っ!」
突然目の前が真っ赤になったと思ったら、私に強い衝撃が走る
「痺れた……!」
<<どうやら、プラズマ砲を装備したMTまでいるようです。レイヴン、大丈夫ですか?>>
「なんとか……」
プラズマは喰らい続けると流石に不味いかもしれない
排除するためにブレードで切ろうとするが、ホバー移動でかわされてしまう
「……フロート型か」
移動が速い上にプラズマ砲まで……これは厄介だなぁ……
ブーストダッシュでビルとの間に追い詰めていく。こうすれば自慢の機動力も使えないだろう
このままブレードで押し切ってしまう
「……ヘリが鬱陶しい」
ストーカーのごとく追いかけてくるヘリをロケットで撃ち落とす
この程度の速度なら、なんとかサイティングできるまでになった
この調子だ……!
<<情報が入りました。爆撃機は一分後に飛来する模様です>>
<<爆撃機だって!?そんなこと聞いてない!>>
それはそうだろう。試験中と思われるレイヴンの抗議が聞こえてくる
<<試験の中止は認められない。爆撃機の始末を頼む>>
今度は試験官の声。中々冷たいなぁ……
「私が、守らないと」
<<爆撃機は北の方向からこちらに向かってくるようです。待ち構えて叩きましょう>>
「了解」
ビルの上に立って素ジャンプし、OBを起動して北に一気に移動する
向こうのビルに……
「……よし、着地成功」
ビルの上で待ち伏せしつつ、ヘリをライフルで迎撃する。キリがない……!
<<爆撃機の到着まで残り二十秒です。迎撃態勢に入ってください>>
北の空に大きな影が見える。本当に爆撃機だ……相当大きい
テロ組織も本気のようだ
<<爆撃機の飛来を確認。撃破して!>>
ビルの上からロケットをおみまいする。ロケットの威力は高いはずなのに……流石に堅い
「……おらおらおらおらー」
上を向きながら気の抜けるような声でライフルとロケットを連射する
……アリーナの人達を馬鹿に出来ないかもしれない
ヘリの機関銃を浴びながらも、攻撃の手は緩めない
助けるためなら、ACなんて安いものだ
爆撃機が炎を上げ始める。もう少しで……!
<<……目標の撃墜を確認>>
爆撃機の積んでいた弾頭にライフルが命中し、空中で爆散する
町に被害が出ないでよかった……
<<こちらの試験は無事成功した。ご苦労だった>>
<<サンキュー、レイヴン助かったわ>>
新人レイヴンのお礼の通信が入ってくる
……認めよう君の力を。今この瞬間から君はレイヴンだ
……なんてね
「どういたしまして」
……さっぱりしたいい性格だ
‐作戦目標クリア システム 通常モードに移行します‐
—コーテックス:ガレージ前—
「爆撃機を破壊してくれたのはあなただと聞いたのですが……」
「……ん」
ガレージを出るとツインテールの女の子がいた。私、待ち伏せされること多くないかな……?
というか、もしかしてこの子が試験を受けていた子?
性格が随分違うようだけど……
「そうだけど……あなたは?」
「申し遅れました、私はレジーナといいます。今日のうちにお礼を言いたくて……ありがとうございました。
あなたが爆撃機を撃墜されていなかったら、私はレイヴンになれていませんでした」
「ううん、いいの。仕事だから……」
最初に通信で受けた印象とずいぶん違う。ど、どうなってるの?
「それより、あの……」
「あ、驚きますよね?私、ACに乗っていると性格が変わってしまうらしくて。自分ではよくわからないんですが……」
車に乗ると性格が変わる人がたまにいるけど……それと同じ感じなのかな?
「なるほど……それは難儀……」
「……あの、一つ質問があるのですが……いいですか?」
「うん、どうぞ」
「私の父親を知っていませんか?髪は白で、声がとても渋くて……
ここへ来て、レイヴンになっていたと聞いているんですが……」
「うーん……その人のレイヴンネームは?」
「わかりません……私には仕事の話を一度もしてくれませんでしたから」
むむむ……
「……ちょっと難しいかな。私も探してみるけど……」
「助けてもらったのにすみません。こんなことまで…」
「いいの。気にしないで」
親はとても大事な存在だ。……最近実感したばかりだな
「親は、大事にね」
「……はい」
レジーナに挨拶をして先に失礼する
それにしても……すごい胸だったなぁ……
投下終了
レジーナ登場です
なぜかこの方にしてもらうことになりました
ツインテですごい胸……?
はっちゃんか
のどっちだと思ってた
おつー
ホワイトファングは隙を生じぬ二段構え!
こんばんは
>>160
はっちゃんは口調違うじゃないですかーやだー
今回はモノレール防衛です
◇◆◇◆
—ファルナ研究所—
「今日はよろしくな、シャイン」
ゲドさんが横から声をかけてくる
今回のミッションは僚機を雇えるようになっていたので、コーテックスで暇そうにしていたゲドさんにお願いしてみた
……この人が横にいるだけで自然と自信が湧いてくる。不思議だ
「よろしくお願いします」
「さて、どれほどの腕になったか見せてもらおうかな」
「あ、あんまり期待しないでください……」
今回の依頼はモノレール防衛
なんでも、ミラージュの研究施設が襲撃を受け、職員たちがモノレールで逃げようとしたが、電力供給が断たれて立ち往生しているらしい。
原因は不明だそうだが……おおかた研究を阻止しようとした他企業の仕業だろう
企業同士のいざこざはほぼ毎日だ。仲良くなれないのか君たち……
頭 :MHD-RE-005
胴 :CCM-00-STO
腕 :CAM-11-SOL
脚 :MLM-MM/ORDER
B :MBT-OX/002
FCS:VREX-ST-1
ジェネレーター:KGP-ZS4
ラジエーター:RIX-CR10
右腕:CWG-MG-500
左腕:MLB-LS/003
右肩:CWR-S50
左肩:CRU-A10
今回は狭い場所での戦闘になると予想して、ロケットを積んできている
それに、なるべく早く敵を倒すためにマシンガンを持ってきた
初めてのマシンガンになる。……どんなものだろうか
それに腕部や脚部、ブレードも換えてみた。後弄っていないのはラジエータとFCS、コアぐらいのものか
ラジエータはこのミッションが終わってから換えてもいいが、FCSやコアは高くてまだ手が出ていない
「大分、機体がたくましくなったな。もう新人と呼ぶのは失礼かな?」
「いえ、私なんてまだまだ……」
「ふ、そう謙遜するな。噂は聞いているんだ。最近レイヴンになった奴の中に、かなりの逸材がいるとな」
「うぅ……」
……褒められ慣れてないからすごい照れる
「な、なにか言い返してくれ!これじゃあ私が虐めているみたいじゃないか……」
「……ふふ」
「な、なんだ、今度は急に笑い出して……」
「いえ、別に……ふふ」
……意外にお茶目な人だ
<<レイヴン、お喋りはそのぐらいで。ミラージュの研究員から通信です>>
<<レイヴン、敵部隊がこっちへ向かったという連絡があった。こちらはまだ動けない。護衛を頼む>>
「ふ、お出ましだな。南側は私に任せろ。安心して、背中を預けてくれて構わない」
「……では、遠慮なく」
「そのかわり、私の背中も頼んだぞ?」
「……任せてください」
ちょっと格好つけてみる。……フフ
<<移動反応多数!接近中です!>>
タカミさんの声と一緒に、レーダーに前方、後方から多数の反応が現れる
私は北、ゲドさんは南を向いて横一列に並ぶ
「…じゃ、行こうか」
ゲドさんのその声で、同時に飛び出すようにブーストダッシュを始める
モノレールには指一本触れさせない……!
‐メインシステム 戦闘モード 起動します‐
敵は……MT部隊だ。あれはスクータム、だったかな?
バズーカと……大きな盾を持っているようだ
マシンガンを出会い頭にばらまいてやる。……くそ、なかなか堅い
接近して、ブレードで持っている盾ごとMTを両断する
「次」
横でバズーカを構えようとするMTに体当たりをかます
そのままブーストダッシュして壁に押しつけ、肩のロケットで頭部を破壊、胴体部分にブレードを突き立てる
「ラスト」
遅れてきた一機は回り込み、背後からマシンガンで蜂の巣にする
盾は前方しか守れない。後ろは隙だらけだ
「なかなかやるな。そうでなくては」
「……そちらこそ」
レーダーを確認すると、南方の反応はすでに消えていた。……流石の手際だ
<<敵、第二派接近>>
レーダーに反応が再び現れる。気を抜くな、私
暗闇の中からブーストダッシュでMT達がこちらに向かってくる
飛んでくるバズーカをサイドステップで避け、マシンガンを浴びせつつ、接近する
小さくジャンプし、MTに飛びつきブレードを突き刺す
次のMTにロケットを射出するが、盾に防がれてしまう
「至近距離からじゃないと意味がないな……ロケットなのに」
しょうがない。横からブレードで薙ぎ、両断する
最後の一機は足をロケットで狙い、態勢を崩させる。こけたところに胴体部分にマシンガンで沈黙させる
一丁、いや二丁あがり?
ゲドさんも相変わらず手際がいい。目立つダメージもないまま第二派を乗りきっている
<<第三派、来ます!>>
恐らくこれが最後だろう。反応は……よし、北南に一機ずつだ。敵も息切れかな……
MTにわざと接近させ、相手がバズーカを構えたところで銃身をブレードで切り落とす
そのままマシンガンとロケットをバックしながら浴びせ、MTは鉄くずになった
<<電力が回復した!全速でこの領域を離脱する!>>
モノレールが動き始める。よし、あとは……
「影」
影が見えたと思った次の瞬間、私は飛びかかってきたMTに振り向きざまにブレードを突き立てていた
MTを挟んで反対側には、ゲドさんが今にも着地しようとしていた
「すまんな、一機取り逃がしてしまった。助けられたよ」
「いえ、数も多かったですし」
「しかし……私の想像以上だな、その動き」
「え、そうですか?」
「うむ。……」
「……どうしたんですか?」
「シャイン、君はアリーナランクが私の真下だったな?」
「はい、そうですが……」
「……よし。この後時間はあるか?君と戦ってみたくなった」
「それって……」
「最近の挑戦者はあまり骨がなくてな。本当に久しぶりなんだ。私を超えられる見込みのあるレイヴンは……」
しみじみ言うゲドさん
……おかしい。私より見た目が若そうなのに
「そんなに昔から……アリーナに?」
「今のランキング上位にいるレイヴンは、ほとんど私とやり合って一度挫折しているよ。
例外といえば、BBとエースぐらいだな。彼女らは、他のレイヴンとは格が違った」
「……そんなに強かったんですか?」
「ああ。恥ずかしながら惨敗だったよ。新人のころから他人と一線を画していた。
そう、君と同じような……」
「……え?」
最後の方がうまく聞き取れなかった
「いや、なんでもない。とにかく、戦ってみればわかることだ。受けてくれるか?」
「はい。……是非」
「はは、是非ときたか」
<<護衛目標の離脱を確認。作戦成功です。……レイヴン?>>
いよいよゲドさんに挑む時が来た。
……今の私がどこまで戦えるのかわからないが、出せる力をぶつけるだけだ
‐作戦目標クリア システム 通常モードに移行します‐
◇◆◇◆
—コーテックス:ガレージ—
ミッションから帰ってきて、この後アリーナに挑むことをおじちゃんに伝える
ついでに、機体をまた少しいじりたい
「嬢ちゃんも忙しいな!で、どうしたい?」
ついさっき帰ってきてメンテナンスがまだあるっていうのに……つくづくいい人だ
「えっと、FCSとラジエータ、それからマシンガンをライフルに換えて欲しいんです」
「今着けてるのは売却ってことでいいんだな?」
「はい、お願いします」
「よし。で、どれにする?」
ふむ、AC戦だと……ターゲットサイトが広い方が便利になるのかな
ラジエータは今着けてるものより性能が高ければいいし……
マシンガンはライフルと同じ値段だから問題はないよね
「FCSはこのAOX-X/WS-3、ラジエータはRMR-SA44、ライフルはMWG-RF/220でお願いします」
……あ、そうだ
「すみません、肩のロケットを持ってるミサイルに変えておいてください」
「ん、ミサイルもだな……OK、発注しておくぜ。二時間もあれば、恐らく整えられるだろう。それまで時間を潰しておいてくれ」
「……忙しいっていうのに、すみません」
「いいってことよ。べっぴんさんにお願いされて、断るわけにはいかねぇしな!」
「ま、またそういうことを……」
「ははは!」
笑いながらばんばん肩を叩かれる
これって、おじちゃんなりの照れ隠しなのかもしれない
……ふふ
—コーテックス:ガレージ前—
「……お、来たか。遅かったな」
「ゲドさん……すみません」
おじちゃんにいろいろ頼んだ後ガレージを出ると、ゲドさんが例のごとく腕を組んで立っていた
……私、人に待ってもらってばかりだな
「おいおい、謝らないでくれ。私が好きで待ってたんだ」
「そう……ですか」
気に入られてるのかな
「立ち話も何だ。カフェにでも行くとしよう」
「はい」
ゲドさんの提案に頷いて、並んで歩いていく
道中。
「今日は急にすまんな。機体の準備にはどれぐらいかかりそうなんだ?」
「えーっと、大体二時間程度で終わるそうです」
「そうか。……ちょうどいい、カフェでその時間を潰すとするか。それとも、私との会話じゃそちらも退屈かな?」
「いえいえそんな、とんでもないです」
……ちょっと意地悪だ
—コーテックス:カフェ—
「……あ、レイヴン。お疲れさまです。……そちらは?」
ゲドさんとコーテックスのカフェに来ると、タカミさんがお茶を飲んで休憩していた
「うむ。私はレイヴンのゲドという。アリーナランクはE-3、ACはゲルニカだ。……君は?」
「えっと……私はタカミといいます。そちらの……し、シャインのオペレータをやっています」
タカミさんが若干おどおどしている。それになんで私の名前を呼ぶときに照れてるんだろう
……そういえばタカミさんに名前で呼んでもらうのはこれが初めてかもしれない
「ははは、そう堅くなるな。相席してもよろしいかな?」
「はい、どうぞ」
手で促されて、私とゲドさんは座らせてもらった
壁側のイスにタカミさんと私、対面にゲドさんが腰掛ける
「とりあえず何か頼もうか」
そう言ってメニューを見始めるゲドさん
私は……アイスティーでいいかな
「私は朝から何も食ってなくてな……オムライスでも食べるか」
「私は……アイスティーで」
「何か食べないのか?これぐらいは奢るぞ?」
「じゃあ……サンドイッチセットを」
ご厚意に甘えさせてもらおう
ゲドさんがウェイターを呼び、注文を取りつける
……待つこと五分ほどで、私のサンドイッチセットが運ばれてくる
この場所で食事を頼んだことはなかったが、うん。中々美味しそうだ
「……私に遠慮するな。せっかくのコーンスープが冷めてしまうしな」
「じゃあ……いただきます」
顔を窺っていたのがばれてしまった
……でも、私って猫舌なんだよね……
「!…美味しい」
「それは良かった」
なぜか得意げになるゲドさん
しかしこのサンドイッチ、できる。
ふわふわでほんのり温かいパンに、冷えたハムとレタスがマッチして……うん、おいしい。
ふーふー冷ましながらコーンスープもいただこうとするが……
「熱っ」
熱かった。やっぱりわたしに出来たては無理みたい
「……ようやく来たか」
私がコーンスープに苦戦している間に、オムライスが運ばれてきた
……なんかゲドさんの目が輝いているような……
「いただきます」
手を合わせてから、ケチャップが程よくかかっている真ん中あたりをスプーンで崩し、口に頬張るゲドさん
幸せそうだ。思わず顔がほころぶ
「うん、やっぱりおいしいな……ってなんだその顔は。二人揃って」
横を見ると、タカミさんもなぜか幸せそうにゲドさんに視線を送っている
……気持ちがわかるぞタカミさん
「いえ、別に。気にしないでください」
「……わかってるよどうせお前たちは『オムライスだってー子供っぽーい』とか思っているんだろう?悪いか!?」
全く……とか言いながらも、手を休めたりはしないゲドさん
「全然そんなことは。私もたまに食べたくなりますし」
ね?とタカミさんにふってみると「はい」と笑顔で答えてくれた
……ゲドさんは見た目が幼いためか、本当に子供が嬉々としてオムライスを頬張っているようにしか見えない
多分私もタカミさんも、はしゃぐ我が子を見つめる母親の如く微笑ましく思っているんだろう
「……ごちそうさまでした」
「ごちそうさま」
私がコーンスープを飲み終わったころに、ゲドさんもオムライスを完食する
私たちの視線に居心地が悪くなったのか、駆け足で食べていた
……こんなところまでちょっと子供っぽい
「ふー……しかし、本当に操縦がうまくなっていたな。驚いたぞ」
ゲドさんが唐突に話し始める
私はよくわからないんだけど……みんなこんなものじゃないの?
「……そうですか?」
「ああ。以前アリーナ防衛の時から、新人にしてはいい動きをすると思っていたが……もう別人だな」
「そんなにですか?」
「そうは思わないか?そっちの……タカミさんだったか」
若干うつむいてお茶を飲んでいるタカミさんに話をふるゲドさん
「ええ……私も、他のレイヴンとは成長する速度が段違いだと思います」
「やはりそうか。これは将来が楽しみだな。もしかすると、とてつもない大物になるかもしれん」
うんうん頷きながらそう言ってくる
そんなに凄いのか私。……照れる
「……ん、そろそろいい時間だな」
時計を見ると、ガレージを出てからもう二時間半も経っていた
そんなに話しこんだ感覚はないのに……
「レイヴン、あなたはこれからアリーナでしたよね?」
「はい、行ってきます」
「……ご武運を」
「ありがとうございます。では」
「よし、行こうか。腹もふくれたことだしな」
タカミさんと別れ、ガレージに向かう。いよいよゲドさんとの対決だ
どこまで自分の力が通用するか……
今回はここまで
次回はいよいよVSゲド戦です!
おつー
にわかわいい
おつー
これはいいステマスレですね、PSP版ポチってしまった。
AC歴はfaとvのみのニワカであります
乙
>>179
LRとNXがオススメだよ
>>179くん!PSと初代からMOAまでを買おう!
実際Vってどうなの?評価酷すぎて見送りしたんだけど
ガレージで機体をガチャガチャ動かして遊ぶゲームだよ
ブーストのガシガシ感と情報収集モード?とオペレーターがオサレでおしっこちびった
ストーリーは知らぬ
>>179
faやったんなら4もやろうず
3懐かしいな
みんなのアイドルが登場するのはもうちょっと先かな
こんばんは。おはようございます
今回から、推薦BGMを貼っていきたいかなーと思います
>>179
PSP版は初期のキー配置が鬼仕様なので、すぐキーアセンしてね!
あと、faやったのなら是非4も!faがまた一段とおもしろくなるかなーと
今日はVSゲド戦です。ゲド視点でお送りします
推薦BGM:http://www.youtube.com/watch?v=YPYoJy_gGMk
◇◆◇◆
‐ゲド(小走やえ)視点‐
初めて会ったときから目をつけていた。新人にしては、動きがなかなかいい
久しぶりに見込みのある奴が出てきたと歓喜したものだ
そいつは、なんとも不思議な奴だった
実際会ってみると、何を考えてるかわからない顔だった
ポーカーフェイスって言うのか?表情が非常に読みづらい
だが、悪いやつではなさそうだった。私にはわかる
そいつはものすごい速度で成長していった
……よく噂を耳にしたもんだ。新人に一人逸材がいるとな
他にも言われていた気がするが……よく憶えてないな
気がつくと、そいつはもう私の真下にまで来ていた。アリーナの話だ
新人なら、アデューに勝っていい気になっているところをストラスボルグにこてんぱんにやられるんだが……
まさか無敗で私のところまでくるとはな。と言っても、所詮はE-3程度だが
ミッションで同行した時、私は確信した
こいつはもうアリーナ防衛で苦戦していたヤツではない。別人だ
手際は私以上だ。最後には助けられもした
そのミッションの後会ってみれば、やはりそいつはそいつだった
腕は確かに上がったが……性格はまるで一緒だ。何も変わっていない
強いて言うなら、顔つきが若干引き締まった程度だな。恐らく何かがあって、一皮むけたんだろう
私は、そいつと戦ってみたくなった
むこうから挑まれるのを待ってもいいんだが……我慢はよくない
今の彼女となら、いい試合ができそうだ
……見たくなったんだ。そいつの才能を
—コーテックス:アリーナ—
今まさに、彼女との試合が始まろうとしている
機体も貧弱だったころから、随分と立派になったものだ
まだ一ヶ月も経ってないというのに
「……楽しみだ」
アリーナに入場し、気を引き締める
……開始のブザーはまだか。待ち遠しい
「……本気で行くぞ」
<<……はい>>
彼女の透き通る声が聞こえる
コクピットにあるパネルでカウントダウンが始まる
3……2……1……
<<「GO!」>>
声が重なり、同時に機体を発進させる。私は前に、彼女は……上?
……!OBか!
彼女のAC、『アマテラス』がアリーナの天井近くから私に向かって飛んでくる
「……味なことを!」
<<……!>>
アマテラスが飛びかかってきながらライフルを掃射してくるが、ジャンプしてカウンターと言わんばかりにミサイルを撃ち込む
しかし……
「これを避けるか!」
まさに紙一重とも言える動きで、ミサイルをやり過ごされる
……流石だ、そうでなくては
上から背後に回られるが、逆にジャンプで相手を飛び越し、私が後ろを取る
そのまま拡散レーザーを発射するが、その時にはすでに、ブーストダッシュで右に避けられている
アマテラスが私に振り向き、ライフルを撃ってくる。二、三発喰らってしまうが、この程度は問題じゃない
「……はは」
今度は私が上を取り、降下しながら拡散レーザーを降らせる
<<くっ……>>
アマテラスも上を向いてミサイルを撃とうとするが、私が横にかっとび、相手のターゲットサイトからゲルニカを外す
……これも一つの戦術だよ
「避ける技術を磨くのもいいが、それよりもまずは、撃たせないことだ!」
相手のサイトから自機を外し、死角からレーザーを直撃させる
<<……また、痺れる>>
ふ、まだまだいけるだろう?
一旦距離を取り、ミサイル合戦になる
お互いに避けながら相手を射程に入れ続け、ミサイルを撃ちながらも直撃はしない
……私も、この戦いの中で成長しているのかもしれない
「……ふふ、うれしいな」
アマテラスが意表を衝くようにOBで急接近してくる
ブレードを狙っているのか
……だがな
「ふ、こんなものもあるぞ!」
コアの機能、EO(イクシード・オービット)を起動させ、迎撃する
イクシードオービットとは、ミラージュ社が発明したOBに代わる最新鋭のシステムで、
エネルギーを消費し、オートでロックオンしてレーザーを撃ち出す機能だ
<<……っ!コアにはこんな機能もあるの……?>>
「知らなかったのか?」
<<はい、元々OBすら知りませんでした……>>
今これだけ巧みに使用しているOBを知らなかった、か
……とんでもないヤツだな
「ふふ、それでよくここまで動けるな」
<<……感覚です>>
おもしろい奴だ。本当に
その先が見たくなる
先ほどとは一転、接近戦になる
アマテラスは執拗にブレードを狙ってきて私にとって危険だが、それは同時に私のチャンスでもある
拡散レーザーは、遠くに飛ぶにつれ散弾銃のようにレーザーが広がっていくため、近くで当てれば
全弾命中を狙え、大ダメージを期待できる
「……っ!」
拡散レーザーを発射しようとトリガーに力を込め、機体の腕に電気をため始めた瞬間、
ブーストダッシュでアマテラスがすれ違い様にゲルニカの左腕を切り落とす
「…肝が冷えたぞ」
<<……>>
レーザーは右腕だけになってしまったが、まだ撃てる。私の指に力が入る
……ああ、楽しいなぁ
背後に回った相手に振り向き、ゲルニカを突撃させる
柄にもなくアマテラスに組みつき、ほぼ0距離で拡散レーザーを放つ
発射されたレーザーはアマテラスの右腕を吹き飛ばし……そこで私は一旦距離を取る
「……ふふ、お互いボロボロだな」
<<……ええ、そうですね>>
「次で最後にしよう」
<<……わかりました>>
お互いにACの肩武装をパージする。これで随分軽くなった
「……行くぞ!」
<<……!>>
考えることはもう必要なかった
拡散レーザーを一心不乱に乱射し、アマテラスに突撃する
レーザーが迫っているアマテラスの背中にエネルギーが溜まっていくのが見える
……OBか!
<<……ぐうぅ!>>
彼女のうめき声が聞こえる。武装をパージし、しかも左腕ぐらいしか残っていない状態でOBをしては……
恐らくすさまじいGが彼女の身体にかかっているだろう
「これは……!」
OBを起動したアマテラスは向かっていくレーザーを弧を描くようにかわし、私に急接近してくる
そのままゲルニカの残された右腕をブレードで切り落とし、私を巻き込んで倒れていく
……
「……私の負けか」
<<ありがとう……ございました……>>
久々の清々しい負け。悔しさなどかけらもなく、私の心にあったものは充実感のみであった。
‐シャイン(宮永照)視点‐
—コーテックス:ガレージ—
「どえらい派手に壊してくれたな……」
アリーナ戦が終わって帰ってくるなり、おじちゃんが私の機体を見てそうぼやいた
「あの……すみません。必死だったもので……」
「……ま、しょうがねぇ。そんだけ激しい戦いだったんだろう?」
「……はい。すごかった、です」
私は、ゲドさんに勝てた
……すさまじい戦いだった。…と、思う
お互いボロボロで、怪我がなかったのが不思議なぐらいだ
「うーむ、これじゃあしばらくミッションは無理だな。修理にそれなりの時間がかかっちまう」
そりゃそうだろう
腕が吹っ飛んでいたり、コアのOB機能がショートしてたりと……
かなり無茶したなぁ
「ま、最近ずっとつき詰めてたみたいだしな。いい機会だ、これが直るまでゆっくりしときな」
「はい……そうします」
レイヴンになってからほぼ休みなく、ずっとACを動かしてばかりだったのは事実だ
おじちゃんの言うとおり、ちょうどいい機会かもしれない
「機体はいくら破壊してくれてもかまわねぇが、身体だけは壊すなよ?そこまでは直せねぇからな!」
「……いつもありがとね、おじちゃん」
「お、おう……いいってことよ」
素直にお礼を言うと顔を赤くするおじちゃん
……ふふ
「じ、じゃあな!ゆっくり休めよ!」
「はい。では、さようなら」
おじちゃんに別れを告げてガレージを出る
無茶してごめんね、アマテラス……
—コーテックス:ガレージ前—
ガレージを出ると、またゲドさんが居た。例によって壁にもたれている
「おつかれさま、だな」
「……おつかれさまでした」
「……いい試合だった」
「……はい」
「お前はもうにわかではない。…誰もが認める一級のレイヴンだ」
ゲドさんが言葉を紡ぐ
「……自信をもて。君は、強い」
「ありがとう、ございます」
「……ふん、私にシリアスは似合わんな!」
「?」
「さぁ、今日は疲れたろう。帰りに銭湯にでも寄るとするか!」
ゲドさんに手を引かれ、ぼーっとしていた私は途中倒れそうになりながらもなんとか銭湯にたどり着き、汗を流した
身体を酷使したあとのお風呂は、それはもう極楽だった
今日は短いけどここまでです
やっぱり推薦BGMはやめます
ガレージの場面で入れ忘れたのでもうしないです
明日は、休憩回です
おちゅー
乙乙
明日って、今さ!
始めます〜
◇◆◇◆
—トレネシティ:自宅—
「……どうぞ」
「お、待ってました!」
「ふ、まあそう焦んなさんな」
「本当に真緑色ですね……」
「では、私は茶菓子の用意をしよう」
……どうしてこうなった
今私の家にはタカミさん、誠子ことアップルボーイ、ゲドさん、レジーナ、そして菫ことリップハンターが居る
「すぐ冷めちゃうので、早めにいただきましょう」
「おおお、すごい泡立ってる!」
「しかし抹茶か。私も口にするのは初めてだが、期待できそうだな」
「いい香りです……」
「よし、全員に行き渡ったな。……照?どうした?」
……どうしてこうなった
ことは一時間ほど前に遡る
ACが使えなくなったということで、以前にタカミさんと約束していたお茶会をしようと提案した
アップルボーイにそのことをメールで自慢してみたら、私も行きたいと言いだしたので当日に迎えに行った
そうしたらショッピングしていたレジーナとばったり、何をしているんですか?と聞かれたからお茶会をすると言うと、
『お茶会……アリですね』だそうだ。三人で私の家に向かっていると、帰る途中で買い物帰りのリップハンター、菫と会った
何の集まりだ、と聞かれたのでお茶会のことを話したら『ふむ、おもしろそうだな。私も混ぜろ』だそうだ。
ゲドさんは知らないうちに私の家にいた
(……)
「おお、予想以上に甘い!」
「……ほう、これはなかなか」
「程ほどの甘さ。和菓子のやさしい味とよく合いますね」
「……!結構な腕前」
「いえ、そんな……」
本当はタカミさんと二人でゆっくりしようと思っていたんだけど、騒がしいのもいいかもしれない
……こうやって人と集まってわいわいするのは何年ぶりだろう
(私も飲もう)
みんなが口ぐちに称賛の声をあげる
……そんなにおいしいのか
どれ、私も一口……
「……甘い」
想像以上に甘かった。ただ甘いだけじゃなくて……こう、複雑な甘さだ
なるほど、確かにおいしい
「これ、おいしいです」
「……気に入ってもらえて、よかったです」
微笑むタカミさん。みんなの疲れがとれるといいなぁ……
「あ、そっちの煎餅取ってください」
「ふ、見せてあげよう。王者の配付を!」
「王者の……?」
「あ、いや……」
「……お茶会なのに君たちはやたらと騒がしいな」
「ふふふ……」
……うん。なんだかんだでみんなを誘えてよかった
こんな世界だから、こういう時間は大切にしていきたい
お茶やお菓子を頬張っている友人たちの笑顔は、とても輝いて見えた
◇◆◇◆
……
「折角だし、なんかしましょうよ!」
「なんかって……何かできるものはあるのか?」
「トランプとか、花札とか……あと私が昔つくったすごろくがあるよ」
「手作りのすごろくですか……アリですね」
「ふむ、おもしろそうだな。サイコロはあるかな?」
「……多分、そこの棚の中」
「……あ、ありましたよ」
……
「オイ!なんで服を脱ぐなんてコマがあるんだ!?お前何つくってんだ!」
「止まった菫が悪い……」
「女の人しかいませんから大丈夫ですよ」
「ふふ、すごろくの目はー?」
「ぜったーい!、です」
「…クソッ!わかったよ!脱げばいいんだろ!?」
「……先、ふりますよ?」
……
……
「…四、五。……止まった時点で自分と一番近いコマの人とポッキーゲーム……?」
「……なんでこのすごろくはセクハラ臭いんだ?」
「…菫のレイヴンネームの方がよっぽどセクハラ」
「今は関係ないだろ!?」
「一番近いのは……ゲドさんですね」
「ふふん、私はいつでもいいぞ?」
「ひゅーひゅー」
……
「…三、四と……止まった人は実際に右に座っている人のほっぺにちゅー?」
「……なんか、ワンパターンだぞ。このすごろく」
「…菫のリアクションのほうがワンパターン」
「お、ま、え……!」
「ふむ、右は私ですね。ではどうぞ」
「じゃあ失礼して……」
「ついでに口にもいっちゃえよー」
「そ、それは……!」
……
……
「見せてあげよう。王者の賽ふりを!」
「す、すごい!きれいに回転している!」
「……これ、何か意味はあるんですか?」
「かっこいいだろう?」
「出目は……三だな」
「よし。一、二、三、と……え」
「どうしました?……あ」
「一回休みですね」
「……そのコマは作ってるんだな」
「王道は大事……」
……
「一、二。……あ、今日の当たり目だ」
「おい、何だそれは」
「……これを食べることができます」
「す、するめ……」
「おいしそうだな、私にもくれ」
「どうぞ……」
「お、すまないな。……うむ、やはり足の方が味が染みていてうまい」
「あ、それわかります」
「次は私ですね」
……
「出目は……五ですか。ゴールまであと一つ足りませんでした」
「……あ」
「どうした?」
「…コマの内容はなんですか?」
「えーと、『財布を落としていたようだ。最初のコマから一つ進んだ場所に戻る』……」
「ご愁傷様、だな」
「……これ、私服脱いでもいいんで取り消しに出来ませんか?」
「……お前、意外に負けず嫌いなんだな」
……
……
「おい!お前神経衰弱強すぎるだろ!一人で全部取るつもりか?」
「……?菫は見えないの?」
「照さんには何が見えているんだ……!」
「ふむ、まさかこれが強さの秘密か……?」
「……それは、関係ないと思います」
「見えるとか見えないとか、そんなオカルトありえません」
……
「むむむ……これだ!」
「……はずれ」
「あーもう!照さん無表情だから強いっすよー」
「トランプ関係強すぎだなお前……」
「……胸が大きいと、いい下着が中々見つからないですよね」
「ええ、本当に……私ぐらいになると、オーダーメイドしないとサイズがなくて……
こんなもの大きくてもいい事ないんですけど……」
「……ぐぬぬ」
……
「8切り、階段革命」
「……革命返し」
「やだ……なにこれ……」
「……むむ、このゲーム難しいですね」
「そうか?こんなもの慣れてしまえば簡単だぞ?ローカルルールを全部混ぜるととても複雑になるが」
「……あ。これであがり、です」
「タカミさんつよっ!」
……
楽しかった。久々にこうして人と集まってわいわいすることができた
お茶会からすごろく、トランプ、ジェンガとか懐かしい遊びをやった
……はしゃいだなぁ
気付くと結構いい時間になっていたので、タカミさん以外はそれぞれ自分の家に帰って行った
みんな満足してくれたみたいで何よりだ
「……今日は、楽しかったですね」
「……はい。こんなに笑ったのは、いつ以来でしょうか……」
タカミさんとふたりで麦茶を飲みながら、しみじみ語る
ひとしきり騒いだあと、それぞれ自己紹介をしてまわった
……順番がかなりおかしいけど、レイヴンネームではなく本名を教えあった
レジーナは原村和、ゲドさんは小走やえ、そしてタカミさんは……
「……本名もタカミだったんですね」
「……はい。漢字が難しいのもありますけど、カタカナにしておくと偽名に見えるでしょう?」
タカミさんは本名も尭深というらしい。渋谷尭深でフルネームだ
……確かに読めない
「……レイヴン。あなたの名前も、はじめて知りました」
そういえば、教えてなかったっけ……
「……そのレイヴンって呼び方、変えません?コーテックスの中でならいいんですが、オフでもそう呼ばれるとちょっ
と……」
「では……なんと?」
どうしようかな……
「……本名でも、レイヴンネームでも」
「……ではレイヴンネームでお呼びしますね。本名はまだ少し……恥ずかしいです」
「……試しに呼んでみてください」
「ええっと……シャ、シャイン?」
ちょっと首を傾げる尭深さん
……フフフ
「……ふふ、なんですか。尭深さん」
「あ、うう……」
同じ読みなのに、なぜかいつもと違って聞こえるから不思議だ
「と、とにかく、今日はありがとうございました。まさかあんなに大人数になるとは思っていませんでしたが……。
ここにお邪魔した時は、びっくりしました」
「それは……その、なりゆきで……」
「どういう経緯があったんですか……」
「……私がお茶会をすると自慢したら、一人釣れて、あとは入れ食いです」
「なんですかそれ。……ふふ」
呆れ顔になりながらも、その表情は柔らかい
……やれてよかったなぁ、お茶会
レイヴンという仕事上、どうしても暗い話題ばかりで気持ちが沈んでしまいがちだ
そんな時はまたみんなでこうして集まれたら……いいな
タカミさんも帰って、私はお風呂に入ることにした
湯船につかって、今日の出来事を思い出す
焦ったり呆れたり、忙しい菫。常に元気で笑顔の誠子。意外と負けず嫌いで、新しい発見がたくさんあった和
なぜか得意げな表情を崩さないやえさん。そういえば誠子にすごい慕われてたなぁ……
……最後におどおどしながらも、なんとかみんなの中に入って楽しんでいた尭深さん
「今日は、よかった」
……また、みんなで集まりたいなぁ
お茶会をお送りしました!
次回は、侵入者挟撃を予定しています
乙
この短時間でやってのけるとは流石だな、レイヴン
こんばんは
>>212
レスありがとうございます!
0時回ったから明日だよっていうのをやってみたかったんです
今回は、侵入者挟撃です
◇◆◇◆
ゲドさんに挑んでから三日ほど経った。
コーテックスから、私のACが直ったという連絡が送られてきた
……よし、リハビリがてらに依頼を受けてみよう
別にどこか悪くなったわけではないけど、三日もACに触っていないと感覚を忘れてそうだ
PCを操作して依頼を確認する
何か簡単な依頼は……ん、これにしよう
依頼主:キサラギ
作戦領域:立体駐車場
敵勢力:新型MT その他
作戦目標:MT集団の全滅
『現在、我が社の兵器開発部に対し、何者かがハッキングを仕掛けている。
独自に調査を続け、犯人グループの割り出しには成功したが身柄を抑える前に、気付かれてしまった。
犯人たちはMTを使って逃走、現在立体駐車場のD-1ブロックに潜んでいる。
今度こそ、確実に捕らえたい。そこで、君達レイヴンの出番だ。
なお今回は、複数のレイヴンに仕事を依頼する。情報の破壊と漏出を防ぐため、一刻も早く始末してくれ。
状況が状況だ。手早く済ませた分は、報酬に反映させることを約束する。』
うん、これなら大丈夫そうだ。私一人というわけでもないようだし、敵の数も少ないだろう
コーテックスに依頼の受諾を知らせるメールを送る
ふむ、今回は駐車場か。……前から使ってみたかった四脚をデビューさせよう
頭 :MHD-RE/005
胴 :CCM-00-STO
腕 :CAM-11-SOL
脚 :MLF-RE/005
B :MBT-OX/002
FCS:AOX-X/WS-3
ジェネレーター:KGP-ZS4
ラジエーター:RIX-CR10
右腕:MWG-RF/220
左腕:MLB-LS/003
右肩:MWC-XP/80
左肩:CRU-A10
……よし、こんなものだろう
折角の四脚なんだから、構え武器を使ってみようという企みだ
パルスキャノンが意外に高かったので、ラジエータのグレードを下げざるを得なかった
エネルギー供給が低い四脚にエネルギー兵器のパルスキャノンはミスマッチだけど、今回のミッションは駐車場だ。
移動でエネルギーを使う機会はそんなにないだろう。……ないよね?
休み明けの初めてのミッション。これまでと同じように動ければいいけど……
—第一都市区:立体駐車場—
<<こちらはトラファルガー。今日はよろしくね>>
「……こちらこそ、よろしく」
同じミッションに挑むトラファルガーさんから通信が入る
今回は私が8階、トラファルガーさんが1階から侵入しMTを挟み打ちにする計画だ
初めての四脚。ガレージで出来上がったのを見て思わず「うわっ」と言ってしまった
タンクだとそんなに違和感もないし不快でもないけど、足が四本生えるのは……ちょっと……
それに、おじちゃんから聞いたが四脚やタンクはその構成上、腕を横に触れないらしい
つまり、ブレードで薙ぐことはできず、パンチするモーションになってしまうそうだ
そのかわりエネルギーが一点に集中して、かなりのダメージが出るそうだ
……ちょっと試してみたい
<<こちらは準備完了。いつでも行けるよ>>
「……私も同じく」
<<了解。ではレイヴン、始めてください>>
そういえば奪われたMTは新型機らしい。油断せずに行こう
‐メインシステム 戦闘モード 起動します‐
待機している9階から、8階に続く通路を下っていく
四脚はホバー移動ではなく、しっかりと四本の足で歩くため、相当不気味だ
……でもどこかロマンを感じてしまう
8階のゲートを開く。レーダーに敵の反応が表示され、私は早速肩のパルスキャノンを構える
……駐車場内には、いつかの採掘場で見かけたメカが地面を這っている
それに、天井にも貼りついているメカが……
<<各フロアの扉は、ロックされているようです。こちらからでは解除できません>>
<<どうやら天井にいるメカがゲートをロックしているらしいね……破壊していくしかないかな>>
「……そうとわかれば」
四脚を走らせ、まずは地面を這っているメカをブレードで一突き。
すると徐々に黒煙をあげながら壊れていくのではなく瞬時に爆発、メカは文字通り爆散した
……確かに恐ろしい威力だ
今度は天井にいるメカをパルスキャノンで始末しようとするが……
「……固定砲台じゃないんだ」
地面を這っているメカよろしく、天井のメカも天井を這う。しかも結構速い
「煩わし……」
時々なぜか止まってくれるので、その隙を狙ってパルスを当ててやる
……これでこの階は全滅だね
<<五機撃破!……いけるかな?>>
私が8階を掃討すると同時に、トラファルガーさんの通信。
この調子ならいいタイミングで挟み撃ちにできそうだ
7階も敵のバリエーションは代わり映えしない。同じ調子で殲滅していく
すると、駐車場に張り巡らされているパイプらしきものに敵弾がヒットする
……電気が急に消えてしまった
<<照明用の電源パイプです。…破壊しないように気をつけて>>
……壊したのは私じゃないけど、黙っておこう
<<敵機を撃破!>>
トラファルガーさんも調子がいいようだ。私も6階へ向かおう
「……うわ、いっぱいいる」
地上メカがいなくなったかわりに、天井のメカが二倍ぐらいに増えている
鬱陶しいことこの上ない
「……連続で喰らうと、馬鹿にできない」
数も多いし、囲まれてしまうと厄介だ
パルスの一撃で倒せるからいいものの、貧弱な装備では苦戦していたかもしれない
「……ん?」
この階の奥に、何か落ちている。……なんだろう?近づいて確認してみる
‐AC用パーツを入手しました‐
「……タカミさん、何か拾ったんですが……」
<<…もらっておきましょう。落ちていたんですから、拾った人のものです>>
……それでいいのか
駐車場にAC用パーツがあるのもよくわからないけど、まぁここにあっても不自然だよね、うん
もらっておこう……
<<トラファルガーも4階を制圧したようです。…我々も向かいましょう>>
「了解」
……5階で挟み撃ち成功だな
通路を進み、5階に続くゲートを開ける
<<待たせたね>>
ちょうど同じタイミングで、トラファルガーさんも入ってくる
……かっこいい機体だ。左手にも銃を持っている
左手に持てる銃なんかもあるんだ……
<<敵のMTの反応があります。掃討してください>>
<<「了解」>>
私とトラファルガーさんの声が被る。こういうシチュエーションって燃えるなぁ
「……?MTが見当たらない?」
<<これは……どうやらステルスを搭載したMTのようです。ロックオンはできません。レーダーを頼りに撃破してください>>
ステルス……これが新型MTの機能……
これは面倒だ
<<私の装備はショットガンに拡散投擲銃だから、流れ弾に注意してね>>
「わかりました。……左側は任せてください」
ロックオンはできないが、目視しようと目を凝らせば見えないこともないし、レーダーもある
確かに透明になってはいるが、若干の違和感は消せないみたい。空間が歪んでいる場所に向かってブレードを突き立てる
いちげきひっさつ!MTは死ぬ。
<<あ>>
ガタン!と音をたてて、駐車場の照明が落ちる
<<…ごめんね、あたっちゃった>>
「……いえ、大丈夫です」
目で判断はできなくなったけど、レーダーでは確認できる。角に追い詰め、コクピットにブレードを一突き。
次のMTを倒そうとレーダーを確認すると、すでにMTの反応は無くなっていた。いつのまに……
<<目標の全滅を確認。…お疲れ様でした>>
<<噂には聞いていたけど……なかなかいい腕だね。憶えておくよ>>
……私の知らないところで私が有名になってる……
‐作戦目標クリア システム 通常モードに移行します‐
—コーテックス:ガレージ—
「お嬢ちゃんが、今回拾ってきたパーツのデータができたぜ」
「……どうでした?」
「……まぁ、見てみなよ」
「どれどれ……」
今回のミッションで拾ったパーツの詳細がよくわからなかったので、おじちゃんに調べてもらえるよう頼んでおいた
解析されたパーツのデータを見てみるけど……なにこれ
名称は『RIX-CR5000』
クレスト社製のラジエータのようだ
パーツの説明には高性能だが極端に重い実験型、と書いてある
……確かに恐ろしい冷却性能だけど、重すぎる
単位はよくわからないけど、初期機体のラジエータの重量が125で、このラジエータは775。実に六倍以上だ
それに、今回はキサラギ社からの依頼だった。
ハッキングをしていた犯人の後ろで、クレストが手を引いていたのかもしれない
……それはともかく
「……これ、いらないです」
「やっぱりそうか?」
ちょっと笑いながらいらないよなぁ、と言うおじちゃん
最高級のタンクを愛用しているんならともかく、これはちょっと重すぎる
売却して、臨時収入ということにしておこう
—コーテックス:カフェ—
「お疲れ様でした、レイヴン」
「……尭深さん?」
「う……し、シャイン」
「よくできました」
「……いじわる、です」
「……ふふ」
まだコーテックスだけど、もう仕事は終わったので名前で呼んでもらう
と言っても、レイヴンネームだけど……
「ごほん。それで、今回は三日ぶりの仕事でしたが、どうでしたか?」
「……もう身体が覚えているのか、特にミスもなくいつも通り動けました」
……流石に一ヶ月経つとどうなるかわからないけど、
基本的な動きはちゃんと覚えてくれていた。ありがとう私の身体
「…それはなによりです。今日はもう依頼は入っていません。ゆっくり身体を休めてください」
「わかりました。それでは……」
「……し、シャイン。おつかれさまでした」
「尭深さんも、おつかれさまでした」
……ふふふ、フフフフ。
—トレネシティ:自宅—
帰宅すると、メールの着信を知らせるランプが点滅している。誰だろう?
差出人:トラファルガー
『いい動きだったよ。ゲドの言っていた通りだった。今後もその調子でがんばってね』
ゲドさんは何者なんだ、一体
トラファルガーさんにお礼と、ゲドさんについて教えてもらえるように返信してみる。
ゲドさんは何者なんですか……っと、送信
ピピピ
「!」
随分早い返信だ。私が返信を送ってから五分と経ってないんじゃないかな?
……PCの前で待機してたのかな
差出人:トラファルガー
『ゲドには、私がまだ新人だったときにお世話になったよ。私にとっては先生みたいなものかな』
……本当に何者なんだ、一体
今回はここまで
天井のメカは実際プレイしていてもかなり鬱陶しいです
次回は、ミッション回を予定しています
…名前が横についていた方が読みやすいですかね?
乙
天井メカは本当に好かんシールド持ちよりはマシだけど
んー名前は無くてもいいかなぁ
そりゃあった方が見やすいがね
乙ー
名前は無くてもいいんじゃないかな
乙
3は借金改造されないから物足りないんだよなぁ
名前なくても分かるからいらないかな
こんばんは
世間はクリスマスらしいですね
レスありがとうございます!なくても大丈夫みたいですね、よかった
今回は、工作部隊救出と毒物混入阻止です
◇◆◇◆
—地下下水道:L9—
<<護衛対象は、下水道の奥で交戦中です。…急いで救援に向かってください>>
「了解」
今回はキサラギの工作部隊救出。ミラージュの施設に侵入を試みた工作員が見つかったらしい
キサラギはミラージュになにか恨みがあるのか、やたらとちょっかいを掛けている印象だ
……実はこのミッションの他に、もう一つキサラギからの依頼があったんだけど……
内容があまりにも非人道的なのでお断りした
……今回のアセンは、四脚をやめて中量二脚に戻してみた
頭 :MHD-RE/005
胴 :CCM-00-STO
腕 :CAM-11-SOL
脚 :MLM-MX/066
B :MBT-OX/002
FCS:AOX-X/WS-3
ジェネレータ:MGP-VE905
ラジエータ:RMR-SA77
右腕:MWG-RF/220
左腕:CLB-LS-2551
右肩:CWM-S60-10
左肩:CRU-A10
ジェネレータ、ブレード、ラジエータをランクアップさせることができて、より動きやすくなった
今回はスピードが重要なので、高機動型の中量二脚を選んでみた
高い旋回性能、重量に対して十分な装甲、冷却性能も高く、ハイレベルな性能の一級品だ
欠点を強いて言うなら、積載量が若干少ない程度かな
ジェネレータは出力が大幅に上がって、ラジエータもかなり高性能になった
うん、内装は整ってきたかな
ブレードはレンジが若干短くなったけど、そのかわりエネルギーが凝縮され、威力が上がった
……うん、立派なACになったと思う
‐システム 戦闘モード 起動します‐
<<早く来てくれ!このままでは、全滅だ!>>
工作員かららしき通信が聞こえた
彼らはパワードスーツという、人がそのまま着用するものを装備しているらしい
……恐らく長くは持たないな
下水道はおあつらえ向きに一直線になっている。OBで一気に奥まで行こう
OBを起動し、文字通りかっ飛ぶ。空中に小型メカがふよふよ浮いているが……脆い
ライフルを二発当てるだけで爆散していった
「扉が……ロックされてる」
奥まで来たが、肝心のゲートが開かない。どうなっているんだ?
<<ゲートのスイッチは、右下にあるようです。操作してください>>
なるほど、よく見ると四角い箱のような見た目をした発光しているものが見える
……MTやACで操作することが前提のような大きさだ
<<レイヴン、援護を頼む!>>
「……もう大丈夫」
ゲートを開けて中に入ると、工作員らしきパワードスーツ三人がMTに袋叩きにあっていた
……よくこれまで耐えていられたなぁ
<<護衛対象を確認。……脱出ポイントまで護衛してください>>
ガトリングガンをパワードスーツに向けて乱射しているMTの側面から、ブレードで横薙ぎにする
……隙だらけだね
とりあえずゲート奥の敵部隊を掃討する。工作員が最優先の目標だからか、そちらばかり狙っていたので楽に片づけることができた
<<いたぞ!>>
恐らくミラージュの部隊の声だろう。……まだ出てくるのか
先を行っている護衛対象に追い付かなきゃ……
<<敵の出現を確認。護衛対象のすぐそばです!>>
先ほど倒したMTと同じものが、下水道の横のゲートから出現するのが目に入る
……歩くのが遅くて壁に向かってガトリングガンを撃っている
なにしてるんだろう……
ちょっと間抜けなMT達をブレードで撃破していく。閉所では大活躍だ
……よし、パワードスーツ達はかなり前まで進めている。後はそのつきあたりを……
<<逃がすかっ!!>>
正面のゲートが開き、MTがまたしても出てくる
かなりしつこいな
「……追い付かなきゃ」
護衛目標は焦っているのか、私を置いてどんどん進んでいく
……お願いだから安全になった後に着いてきてくれないかな
愚痴ってもしょうがないか
OBをふかし、一気に接近する。追手はなにやら動きが悪いようで、そのままブレードで一閃。
この分なら、弾薬費はかさみそうにないみたい
<<くそっ!>>
最後のMTもブレードで撃破。護衛対象にはほとんど被害を与えさせていない
……よし、あとは空中の小型メカだけだ
ライフルで歩きながら楽々と片付けてしまう。……敵はもういないかな
<<ここまでくれば安全だ。すまんな、感謝する>>
私が進入した通路をさらに進んで行く工作員たち。作戦は成功した
<<護衛対象の離脱を確認。作戦成功です。……私たちも帰りましょう>>
「……そうですね」
長居は無用だ。ここにとどまっていたらミラージュの部隊がまた出てくるかもしれない
さっさと帰ってしまおう。くわばらくわばら
‐作戦目標クリア システム 通常モードに移行します‐
◇◆◇◆
—バレルダム—
その次の日。今度はミラージュ社の依頼を受け、ダムに来ている
……待機場所が結構高くてちょっと怖い
今回はダムを正体不明の武装集団が占拠し、ミラージュの兵器製造を縮小しろと要求しているらしい
要求に従わない場合は、ダムに仕掛けた毒物入りのタンクを爆破すると宣言したそうだ
多分、キサラギの差し金だろう
敵の部隊はヘリや小型の戦闘メカがいるらしい。大した戦力ではないが、レイヴンに頼むのが一番安全と判断したようだ
ミラージュが交渉している間に私がダムを襲撃し、起爆装置の解除をするというのが今回の作戦
……今回は、前回よりもさらにスピードが必要なので、軽量二脚を採用してみた
頭 :MHD-RE/005
胴 :CCM-00-STO
腕 :CAM-11-SOL
脚 :CLL-HUESO
B :MBT-OX/002
FCS:PLS-ROA
ジェネレータ:MGP-VE905
ラジエータ:RMR-SA44
右腕:MWG-KP/150
左腕:MLB-LS/003
右肩:CWR-S50
左肩:CRU-A10
積載量は極端に少ないけど、その分軽く、なのに装甲は初期機体の脚部並にある
反則級だ。おまけに比較的に手ごろな値段だし
実弾ライフルをパルスライフルに、肩のミサイルを小型ロケットに変更
ブレードやラジエータのグレードを下げなければ重量過多になってしまい動けなかった
……まぁ、MTは出てこないだろうから大丈夫だと…思う
‐メインシステム 戦闘モード 起動します‐
<<足場が狭くなっています。…落下しないよう、気を付けてください>>
それぞれのゲートの入口は、ダム壁面にあるようで、着地できる足場は非常に狭い
どうしよう怖い
とりあえずダムの上から下を覗き込み、真下の足場に飛び降りる
……よかった、無事着地できた
「またヘリ……」
つくづくヘリと因縁があるのか、やたらと敵として現れることが多い
ロケットは地味ながらも、行動が途中でキャンセルされたりと喰らってしまうと厄介この上ない
さっさと中に入ってしまおう
中に入り、天井のメカと地上の小型メカをパルスとブレードで掃除しつつ奥に進む
奥の部屋にはスイッチらしきものがあった。操作してみよう
<<第5ゲートの解放を確認しました。……どうやら、起爆装置にたどり着くためには全てのゲートを解放していかなければならないようです>>
「……むう」
軽量脚部だったからよかったものの、重量二脚やタンクで来たら地獄を見ることになっていただろう
……面倒くさい
入ってきたゲートをくぐり外に出ると、ヘリが熱烈な歓迎をしてくれる。……いらない
足場から足場にブーストで飛んで行くのもいいけど、着地する足場が狭いので難しい
一旦ダムの上に登り、そこから降下しよう
<<こちら側とは正反対のゲートに、次のスイッチがあるようです。急いで!>>
「了解」
ダムの上をブーストダッシュで進んでいく。……ん?
「また……何か落ちてる」
これなんだろう
……とりあえず拾っておこう
<<AC用パーツを入手しました>>
<<……もらっておきましょう>>
そうしよう
想定外の臨時収入を拾いつつ、ダムの一番端にたどり着く
……この下だね
「よ……っと」
素早く降りてゲートをくぐる。角を曲がるとロケットが飛んできて直撃してしまった
待ち伏せもよくされるなぁ私
待ち伏せしていた小型メカをブレードで破壊し、奥の部屋に進む
部屋に入ると今度は天井の砲台からレーザーが降ってくる
上を向きパルスライフルで排除、スイッチを操作する
<<第6ゲートの開放を確認しました。次は、二つ先のゲートに向かってください>>
「了解」
飛んでいってもいいけど……空中でヘリにロケットを喰らってしまうとバランスを崩して落ちてしまうかもしれない
……やっぱり一旦上にあがろう
またしてもダム上部から降下、三つ目のゲートをくぐる
<<その先のスイッチを押すと、ダムの水が外に抜けて起爆装置までたどり着けるようになるようです>>
ふんふむ。
ゲートの中に入っていくと分かれ道があり、片方が閉じてしまっている
恐らくこちらが起爆装置に繋がっているんだろう
先にダムの水を操作しなきゃ……
奥に進み、小型メカを蹴散らす。ブレード様さまだ
閉所で敵が出てきたところで、大した脅威にはならない
天井の砲台をパルスライフルで無力化し、スイッチを操作する
<<水がダムの外へと抜けているようです。起爆装置に向かいましょう>>
よし。後は起爆装置を解除するだけだね
……ミラージュもうまいこと時間を稼いでいるみたいだし、長引かせないためにも手早く終わらせてしまおう
さっきの分かれ道まで戻り、水を抜いたことで開いたゲートを進む
例によって固定砲台が歓迎してくれるが、さっさとパルスで掃除してしまう
<<反応を確認!…この奥です>>
レーダーにTARGETの文字を確認。
……これかな?
よくわからない形をした機械に触れる
AC内部のCOMが解析を開始、起爆装置の解除に成功する
<<タンクの機能停止を確認しました。依頼主へ連絡します。おつかれさまでした>>
「……おつかれさまでした」
危なげなく作戦成功。……ちょっと怖かったけど
……あ
‐作戦目標クリア システム 通常モードに移行します‐
ロケット使うの忘れてた……
—コーテックス:ガレージ—
「お疲れさん!またパーツを拾ってきたみたいだな」
「なぜか、落ちてて……」
「今回も解析しておいたぜ。こんなところだ」
そう言って解析されたパーツのデータを見せてくれる
あの後、拾ってきたパーツをおじちゃんにまた解析してもらっていた
これからももしかしたら拾うことがあると思い、今後もお願いするよう頼んでいた所だ
「……中型ロケット」
ミラージュ製の中型ロケットのようだ
あのダムはミラージュが管理していたし、妥当なところかな
……なんで落ちているのはよくわからないけど
「どうする?そのパーツは小型に比べたら威力はあるが……その分重いし、
弾単価が高く小型のように気軽に撃てない、といったところだな。売るか?」
「……じゃあ、お願いします」
新しいブースターを買う足しにしよう……
今回はここまでです
消化試合っぽく駆け足になりました……
濃い内容のミッションがなくて辛いです…
次回は、アリーナフィクサー戦を予定しています
乙乙
おつやでー
こんばんは!
>>241-242
レスありがとうございます!
イヤホントにありがとうございます……
今回は、フィクサー戦です
◇◆◇◆
—トレネシティ:自宅—
「どうしたんですか?シャイン」
今日は尭深さんを自宅に招いていた。ちょっと見せたいものがあるからだ
「……ゲドさんとの戦いのあと、アリーナで2勝ほどしたところでこんなメールが来ていたんです」
今の私のアリーナランクはD-14。ちまちまと進めていたが、ゲドさんほど苦戦することなく順調に勝っていた矢先だった
差出人:ロイヤルミスト
『フィクサーというランカーを知っているか?彼女からメールが来たら、素直に従うことだ。
これは、私からの忠告だ。アリーナにも秩序がある。そういう事だ』
「……なんですか、これは。八百長……でしょうか?」
「それで、昨日勝った後に来たメールがこれです」
差出人:フィクサー
『そろそろ、私との対戦が近いようだな。今回は本気を出させてもらう。
素直に負けておくことだ。残念だが、また次回、頑張ってくれ。』
「……これ、八百長ですよね?」
「……多分」
昨日このメールが来たときはびっくりしたものだ。こういうことが本当にあるんだなぁと思ったり
因みに、先にメールを寄こしてきたロイヤルミストのアリーナランクはA-3。上から3番目だ
「ロイヤルミスト……アリーナのランク三位ですね。…次の試合どうするんですか?」
「……どうすればいいと思いますか?」
「……勝ってしまうのは、危険だと思います。フィクサーだけではなく、後ろにアリーナ三位がいるので……」
「敵を作ってしまう?」
「…はい。もしかすると、この家を襲撃してくるかもしれません」
……え
「コーテックスはレイヴン同士のいざこざには関与しないので、私たちは身の安全を保障できません。
何かトラブルが起きても、当人同士で解決してください、としか……」
「……むむ」
目をつけられる程度だと思っていたので、襲撃されるという話は吃驚だ
……でも
「……よし。決めました」
「どうするんですか?」
「……どの道、進むには勝たないといけません。何より、私はこういうことが嫌いです」
「……ということは、この話には乗らないんですね?」
「はい。今日、それを教えにいきます」
こういった不正行為は嫌いだ。嫌いだから乗らない。単純な話だった
心配してくれた尭深さんには悪いけど……
「もし、襲撃されたらどうするんですか?」
「……その時は、そのとき」
「……大丈夫なんでしょうか」
命ならいつも懸けている。……死ぬ時は死ぬだけ
「今日は大丈夫ですか?アリーナのスケジュールとか…」
「今日は……特に予定はありません。フィクサーに、コーテックスに行くよう連絡します」
「……お願いします」
「気をつけて」
「……尭深さんも」
「はい」
「……あ、そうだ。今日のアリーナ戦中にやってもらいたいことが……
尭深さんが帰った後、PCでアリーナ情報を確認してみる
フィクサーは私の真上なのですぐ見つかった
フィクサー:アインハンダー
『同ランクの他のランカーとは、明らかに一線を画すセンスの持ち主だが驚くほど成績にムラがある。
一時は八百長疑惑すら流れたが、なかなか本気になれないだけだと本人は語る。
機体にも隙が無く、実力を十分に発揮さえすれば、上位ランカーとも肩を並べられるといわれている。』
……疑惑じゃないんだけど……
成績にムラがあるのは、八百長を拒否した私のような人に負け、受け入れた人を一方的に嬲ったからだろう
……ついでに私のも見てみることにする
シャイン:アマテラス
『多少の実績を積みようやくそれなりの活躍を見せるようになった、若きレイヴン。
だが、頂きは未だ遥か高く、遠い。このDランクレベルで、万が一にも苦戦するようであれば、頂点に立つことなど、所詮は見果てぬ 夢と言える。本当の戦いはこれからである』
……なぜか頂点に立つことが夢みたいに書かれている。そんな夢ないんだけど……
でも。
「せっかくだし……なってみようかな」
レイヴンになったんだから、目指してみるのもいいかもしれない
目標は大きく!……頑張ろう
そのためにも、こんなところで足踏みしているわけにはいかない
八百長は……消毒だ
—コーテックス:ガレージ—
「お嬢ちゃん……ホントにいいのかい?これで」
「いいんです」
おじちゃんにお願いして、アセンブリを変えてもらっていた
……おじちゃんが私に確認を取っていた理由はこれだ
頭 :CHD-07-VEN
胴 :CCM-01-NER
腕 :MAL-GALE
脚 :MLM-SS/1001
B :MBT-NI/MARE
FCS:PLS/ROA
ジェネレータ:MGP-VE905
ラジエータ:RMR-SA77
右腕:CWG-HG-80
左腕:CLB-LS-1551
右肩:CWC-GNL-15
左肩:なし
持っているものをほとんど売って、軽量OBコアと大グレネードを購入
さらに腕部、脚部を軽量にして、ブースターを買えるもので最速のものに
右腕に80発のハンドガン、初期ブレードを装備
そして最後にゲドさん愛用の干頭を取りつけて完成
ハンドガンにはあまり威力を期待できないし、ブレードも初期のものなので同じく期待できない
なので、大グレネードを狙っていくんだけど……
「構え武器を軽量機に乗っけて大丈夫なのかい?」
「……大丈夫です」
そう。大グレネードは威力がものすごい高い分、構え武器であり、
タンクや四脚でなければ膝を立てて構えなければ撃つことができない
構えている間は無防備になってしまい、再び移動するのには時間がかかる
「秘策がありますから」
私には秘策があった。敢えて軽量機にしたのもその為だ
……実際にうまくいくかどうかはわからないけど
「秘策、ねぇ。……じゃ、その秘策ってやつを見せてもらおうかな!なんだかんだで嬢ちゃんは勝ってきたしな!」
「一応ハンドガンもブレードもありますから……気休めですけど」
なぜこんなアセンをしたのかに、あまり意味はないけれど……
「じゃあ」
「おう!気をつけてな」
おじちゃんにあいさつをして機体に乗り込む
いつもと違うコアなので、若干コクピットが狭く感じる
「……いってきます」
問題は戦った後……フフフ
—コーテックス:アリーナ—
アリーナに入場すると、反対側にもうフィクサーが待機していた
通信が入ってくる
<<なんだ?お前のその機体は。そんな装備で挑むつもりか?舐められたもんだ>>
「……」
<<まぁ、私の為にそんな機体してくれたんだろう。ご丁寧に肩に重りまでつけてくれて>>
「……」
<<違和感のないように負けてくれよ?私の圧勝だと不自然だからな>>
……ぺらぺらとよくしゃべってくれる……
「……よく吠える」
<<……あ?>>
コクピットのパネルに「GO!」の文字。試合開始のブザーの音が鳴り響く
(……行こう)
八百長は……消毒だ……!
<<くそっ!聞いてないぞ!!>>
フィクサーのAC、アインハンダ—に私の大グレネードが直撃し、熱暴走を起こす
「……」
<<例の話を受けたんじゃなかったのか!?>>
そんなことは一度も言っていない
システムエラーでうまく動けないアインハンダ—に、ブレードを当てて離脱し、距離を取る
相手はハンドガンで追撃してくるが……サイティング出来ていないのか見当違いの方向に弾が飛んでいく
<<どこに行った!!>>
「……」
背後に距離を保ちつつ、ぴったりはりつく
OBを起動し、グレネードを構えてノーロックで発射する
OBでかっとび、発射後の隙を消す
これが私の秘策。
構え武器を使う場合、一番隙だらけになるのが狙う時と発射した後だと思ったので、
狙う時に隙だらけになるんなら、最初から狙わなきゃいいじゃない!……みたいな
発射後の硬直は、OBを使って強引に消してしまう。身体に結構なGがかかるが、そこは気にしない
OBは起動してからエネルギーの放出までに、少しだけ時間がかかる
その起動から放出の間に構えて撃ってしまえば、構え武器の弱点はかなり補うことができる
……OBを連発するから熱は相当発生するけど……
一旦機体の冷却のために攻めの手を緩め、距離を取る
<<そこにいたか!!>>
アインハンダ—は地上魚雷を発射したようだけど……
地上魚雷は地面這うように前に進み、少し経つと分裂しミサイルが四発発射される、という武器だ
従って、空中で放つのが一番いい方法だろう
さっきから魚雷を地上で発射して地面に潰されてキレているアインハンダ—を見ながらそう思う
「……」
お粗末すぎる……
なんと悲惨な実力だろう
接近しても立派なブレードを一度も振ってこないし、至近距離でマルチミサイルを狙っていたりと、
私から見ても戦闘が下手っぴだ
<<なんで当たらない!?>>
(当たらないよ……)
アインハンダ—の斜め後ろから、OB起動、グレネード発射、離脱、を繰り返す
きっと相手のコクピットは阿鼻叫喚だろう
「……終わらせよう」
きっとすさまじい温度になっているんだろう、あたふたしているアインハンダ—に接近し、ブレードで一閃。
アインハンダ—は膝を立て、動かなくなる
試合終了のブザーが鳴り響き、コクピットのパネルに「YOU WIN!」の文字
<<憶えていろよ……!>>
……ふふ、私の秘策は、もう一つあるんだよ
—コーテックス:ガレージ—
「見てたぜ!まさか、あんな戦い方をするとはな!大したもんだ」
「……なんとか勝てました」
「しっかし、急に放送が流れるから何事かと思ったぜ。相手さん、八百長してたんだな」
そう、私のもう一つの秘策は、尭深さんにお願いして試合中の通信をコーテックス社中に放送してもらうことだ
もちろん会話ログも保存してあるし、音声も保存してもらえるよう頼んでおいた
向こうは今頃……どうなっているんだろう……
—コーテックス:カフェ—
「……うまくいきましたね、シャイン」
カフェでいつものように落ち合う。……尭深さんがいい顔をしている
「これで、フィクサーはコーテックスから追放されるでしょう。ロイヤルミストまでは、流石に無理だと思いますが……」
「それでも、八百長をしていた本人がいなくなるだけで十分です」
それに、ロイヤルミストとは実際にアリーナで戦ってみたい
ここで追放されるのは、私としても困ることだった
「……今頃フィクサーはどうなっているんでしょうか」
「どうでしょう……パニックになっているのでは?」
パニック……想像に難くない。いかにも言動が小物悪党のような人だったし……
「……とりあえず、私は紅茶」
今は一服しよう。流石に、これだけ人が多いところで騒ぎは起こさないだろう
—某所—
「おい、どういうことだ!あいつは引き受けたんじゃなかったのか!!」
「そんなことを言ったか?私は、ただ忠告をしただけだ。後は知らん」
「しかもあいつ、私との通信をコーテックス中にばら撒きやがったんだぞ!!」
「お前が調子に乗ってべらべら口に出すのが悪い。それはお前の責任だ」
「……くそ!どうすればいい!?私はもうおしまいだ!あんたのせいだ!!」
「……なんのことだ?」
「なんのことって、八百長の……!」
「何の事を言っているんだ?」
「あ、あんた……」
・・・・
「いいか、私は貴様の八百長のことなど知らない」
「さっきから、何の事を言っているのかわからんぞ」
「く、くそぉ!」
フィクサーが彼女に殴りかかるが、軽くいなされ、逆に顎に一撃をもらう
そのままフィクサーは崩れ落ち、動かなくなる
「……はぁ」
受話器を取りだす
「……ああ、私だ。ここで一人阿呆がのびている。回収しに来てくれ。扱いはそちらに任せる。…じゃあな」
受話器を置き、一息つく
「……あのセンス、確かに光るものがある」
「さぁ、早く上がってこい……!」
久しぶりの好敵手の予感に、彼女は胸を躍らせていた
今回はここまでです
>>254の・・・・がすっごいずれてる……気にしないでください
フィクサーさんはゲーム内だと普通に手強いです
好きな漫画家は須藤真澄さんです。ありがとうございます
次回は、封鎖地区侵入者排除を予定しています
乙
OBキャンセルが出来ると操作の幅が広がって面白くなるよね
アモーさん!アモーさんじゃないか!
おつやでー
乙
はやく1000マシを買うんだ!
3時代の緑ライフルと1000マシは対戦にござれミッションにござれの万能兵器
PS2版はやったことあったけど、このスレのおかげでAC3Pが欲しくなって来て困る
なんというステマスレ……
乙
そして語られることも無く乗り越えられるクロチャー……
こんばんは!
いっぱいレスがあって感涙です……
>>256
OBを画期的に使えるようになると世界が変わりますよね
>>257
書いていたら勝手にアモーさんに……なぜ
>>258
1000マシは強すぎてミッションだけになりそうです……
>>259
安いよ!よ!
>>260
後にちゃんと出番があるから許してください…
今回は、封鎖地区侵入者排除です
◇◆◇◆
—トレネシティ:自宅—
「……何も、なかった」
フィクサーを倒した後、襲撃されると思ってびくびくしながら生活していたけど、変わったことはなかった
ロイヤルミストからメールも来ないし、フィクサーからも何もない
逆に私が何があったんだろうと心配してしまうぐらいだ
(よかったよかった)
何もないことにこしたことはない。平和が一番だ
……この世界はこれっぽっちも平和じゃないけど
「!」
ほら、平和じゃないことの代表が届いた
依頼のメールだ
依頼主:クレスト
作戦領域:封鎖都市セクション513
敵勢力:パワードスーツ、戦車 他
作戦目標:侵入者の全滅
『極秘の任務を依頼します。至急セクション513に向かってください。
セクション513は、数年前に発生した地殻変動により、施設の大部分が壊滅、現在も不安定な状況にあるため、
無人のまま、立ち入りが厳重に禁じられています。
ところがここ最近、同セクション内部に侵入者の形跡が認められています。
目的は不明ですが、あそこで騒ぎを起こされれば、
周辺地域へも影響を与えかねない重大な事態に発展する可能性もあります。
先ほど配備してあった警備部隊から、侵入者を確認したとの連絡がありました。
正体は不明ですが、何者であろうとこの行為を認めるわけにはいきません。
今回の依頼に限り、特例的に同セクションへ立ち入りを許可します。侵入者を撃退してください。』
……どうやら重要な依頼みたいだ
時間もないようなので、承諾のメールを送ってすぐ出発する
「……行ってきます」
—コーテックス—
コーテックスに着くと、尭深さんが入口で待ち構えていた
「待っていました、シャイン。さっそく向かいましょう」
「……頭部だけ換えたいんですけど、時間はありますか?」
「…それぐらいなら、恐らく大丈夫でしょう」
「ありがとうございます」
「詳しくは、現地でオペレートします」
「わかりました」
駆け足気味にタカミさんと言葉をかわす
……ガレージに向かおう。時間がない
—コーテックス:ガレージ—
「頭部だけ換えたいんですけど、大丈夫ですか?」
「おう。それぐらいなら、十分もかからねぇだろう。急ぎか?」
「……はい。緊急の依頼です」
「よし、なら急がねえとな!どれにするんだ?」
セクション513……封鎖都市らしいので、迷うことがあるかもしれない
オートマッピングを搭載している頭部がいい
「では……これで」
頭部以外の装備や武装は、フィクサー戦の後にすぐ換えてもらったので、あんなふざけたアセンではなく
ちゃんとミッション向けのアセンに戻してある
「これだな。……うむ、これならついさっき届いたパーツだ。すぐ終わるぜ」
まさに渡りに船と言ったところ……
これなら、間に合いそう
……
「お嬢ちゃん、終わったぜ」
頭 :CHD-SKYEYE
胴 :CCM-00-STO
腕 :CAM-11-SOL
脚 :MLM-MX/066
B :MBT-NI/MARE
FCS:PLS-ROA
ジェネレータ:MGP-VE905
ラジエータ:RMR-SA77
右腕:MWG-RF/220
左腕:CLB-LS-2551
右肩:CWR-S50
左肩:CRU-A10
ミッション用のアセンに仕上がった。短時間でしてくれたおじちゃんには感謝だ
「……ありがとうございます」
「間に合いそうか?」
「はい。かなり早く済ませてもらったので、余裕ができたくらいです」
「よーし、まだまだ腕は衰えていねぇみたいだな」
おじちゃんが上機嫌になる。……衰えかけているのかな
全然そんな風には見えないんだけど……
「俺のことはいいんだよ。行って来い」
「……じゃあ、行ってきます」
クレストの依頼を受けるのも久しぶりな気がする
地殻変動か……足場が悪そうだ……
—セクション513—
‐メインシステム 戦闘モード 起動します‐
<<ACを確認…クレストの連中か!>>
「……あれ?」
侵入者の通信が聞こえるが、そんなことは気にならない
地殻変動……?街並みも綺麗なままで、人が住んでも何も問題はないように見える……
どういうこと?
とりあえず目の前の戦車をブレードで撃破。浮いているパワードスーツはライフルで撃ち落とす
人間をACの兵器で撃つのはさすがに気が引けるが……そうも言っていられない
敵は戦車とパワードスーツのみ。……この人たちも何者なんだろう?
敵を撃破しつつ進んでいくが……やはり綺麗なままだ。地面も盛り上がっているところはない
<<これは……どういうこと?異常なんてどこにも……>>
タカミさんも不審に思ったようだ
間違いなくここには何かがある。クレストが隠しておきたい何かが……
<<ランカーAC、ブラッククロスを確認>>
奥に進み戦車を相手にしていると、私がこの場所に来るために使ったエレベータでACがやって来た
……敵の援軍か。敵部隊は、どうやらレイヴンを雇えるほどの金を持ち合わせているようだ
奥の戦車とパワードスーツを掃討、来た道を引き返し、ACに向かう
ACの他にも援軍が来ているみたいだけど、やっぱり戦車とパワードスーツ。問題にはならない
戦車はブレードで、パワードスーツはライフルで破壊していく
「……見つけた」
<<……>>
エレベータ前の開けた原っぱで相手のAC、ブラッククロスが待ち構えていた
アリーナで戦ったことはなかったはず……格上の相手……
ブラッククロスが右手のマシンガンをばら撒いてくる
ブーストダッシュで避けたおかげで、掠る程度で済んだ
そのまま相手の左に回り込み、ブレードで斬り込む。もらった……!
「……っ!弾かれた?」
見ると、ブラッククロスの左腕がピンク色のエネルギーを発して、盾のような形を作り出している
……エネルギーシールドか
実際に使っているところを見たことはなかったけど、あんなふうになるのか……
今まで戦ってきたアリーナのレイヴンも、シールドを持っていた相手はみたけど、なぜか使わなかったりした
「……なら」
ブラッククロスは見たところ軽量機のようだけど、場所が狭いためか思うように動けていない
……チャンスだね
「……ここ」
<<……!>>
私のACとビルでブラッククロスを挟み、ブーストダッシュで体当たりする。捕らえた!
いくらシールドがあっても、守れる範囲は限られている
なら、まずは左腕の付け根を切り落とす!
肩の小型ロケットを連打して頭部を破壊。ブレードを展開して、多少無茶な体勢から強引に腕を振り上げる
ブラッククロスの左腕が宙を舞い、斜め後ろに落下する
一旦離れ、動かなくなったブラッククロスのコアをライフルで攻撃
装甲が薄くなったところをブーストダッシュからブレードを突き刺し、トドメ
ブラッククロスは黒煙をあげ、沈黙した
<<敵部隊の全滅を確認しました……でも……>>
<<ここには一体何が……?>>
今回のミッションは多くの謎を生んだ
封鎖都市に侵入した部隊、明らかに地殻変動ではない別の理由で封鎖されたその都市
……レイヤードで、何が起こっているんだろう
‐作戦目標クリア システム 通常モードに移行します‐
—トレネシティ:自宅—
今回のミッションについては人に聞かれると不味いと思い、メールでやりとりするようタカミさんが提案
異論はなかった
「……!」
メールを受信した音。随分と早い……
差出人:タカミ
『あの区画には、一体何があったのでしょうか。…私には、どう見ても地殻変動で封鎖されたとは思えません。
私が独自に調査したところ、侵入者の正体はここ最近各所で騒ぎを起こしている、
「ユニオン」という名の地下組織であることが判明しました。
彼らは、管理者の方針に異を唱え、地下世界に危機をもたらす集団だと言われていますが、
今回の行動の真意は不明です。
そういえば、ここ数年で封鎖された区画は、かなりの数に及ぶ気がします。
その事実と、ユニオンには何か関わりがある、ということなのでしょうか。
一体、レイヤードで何が起こっているのでしょう?』
……意外にアグレッシブだった
しかし、ユニオンか……新しい人達が出てきたなぁ
……ん?もう一件……クレストから!?
差出人:クレスト
『ご協力、感謝します。あの区画の閉鎖は、管理者によって決定された事項です。
我々はその決定を守らねばなりません。それがこのレイヤードの秩序です。
レイヤードは、閉ざされた世界なのです。
心無い一部の者の暴走は、この世界全体に取り返しのつかない事態を引き起こす可能性をはらみます。
それを阻止するために、我々は秩序を重んじ、管理者に全てをゆだねているのです。
その事実を忘れないでください。我々が頭上に見ることが出来るのは、人工の、作られた空です。
それが我々の世界なのです。
あの区画は、地殻変動によって閉鎖された、あなたならそれが正しい事はわかるでしょう。では。』
……口封じ、かな
なんとも……企業らしいというか……
クレストはよっぽど管理者が大切らしい。盲信というか、崇拝というか……普通じゃない
このことは、言いふらさないようにしよう
でも、この最近、管理者の調子が怪しいとは思っていた
三つの企業の争いは日々激しさを増し、毎日どこかでトラブルが起きている
一般市民も、安心して暮らせる場所は少なくなっているように感じるし……
レイヤードが混沌としてきているようだ。この先、一体何が起こるのだろう……
今回は短いですがここまでです
やっと物語が動き始めた……かな?
次回は、ミラージュ部隊強襲を予定しています
ちなみに、ACシリーズをやってなくてまだ見てくださってる方っていますか?
もしいてくれているのなら、番外編を挟みたいなーと
乙
ここを見てPSシリーズから始めました
おつやでー
乙乙
EN左盾はほとんど使わなかったなあ
それならブレード積むよって感じで
乙乙
>>1のおかげでACしたくなったのでエースとBBとロイヤルミストさんいじめてきた
乙
クロチャーは生き残れるんですかねえ(ゲス顏)
そろそろエクステとインサイドを使っていきたいところ
AC3Pはボタン配置がなぁ…
PS2引っ張ってくるか
こんばんは!おお、レスがいっぱいだ……!
>>272
PSシリーズは射撃のシステムが若干違うので注意ですね
>>274
有効範囲が狭いんですよね…
>>275
やめたげてよぉ!BBさんはどうしてあんな弱さに…
>>276
エクステ…TBぐらいしか…インサイドは…ナパロケ?なんとか絡めてみます
番外編はまだいいみたいですねー
今回は、ミラージュ部隊強襲です
◇◆◇◆
—アヴァロンヒル—
<<戦闘領域へ到達。目標は、敵部隊の全滅です>>
「……今回は、敵の数が多いらしい。気をつけて」
<<なーに、照さんが一緒なら百人力ですよ!>>
<<私もいるんだけど?>>
<<誰!?>>
<<なんでそんなに驚くのよ……レジーナじゃない>>
<<私の知ってるレジーナさんじゃない……ホントにレジーナさん?>>
「……本物だよ」
<<なによ、失礼しちゃうわね>>
<<えぇ〜……>>
今回は、特例的に三人でミッションに挑むことになった
元々僚機を雇えるミッションだったが、私が無理を言って自腹でもう一人を雇った
……二人では厳しいと判断したからだ
今回のミッションはミラージュ部隊強襲。例によってキサラギの依頼だ
ミッションの内容は……
依頼主:キサラギ
作戦領域:アヴァロンヒル
敵勢力:MT、装甲車
作戦目標:敵部隊の全滅
『我々は偽の情報を流す事で、ミラージュの部隊をアヴァロンヒルに誘き出す事に成功した。
展開中の敵部隊を全滅させてくれ。
アヴァロンヒルは、比較的見通しのきく地形をなしている。
大量の部隊を相手にするには機体の機動性が大きくものを言うだろう。
ミラージュの力を削ぐ、絶好の機会だ。必ず成功させてくれ。
多数の敵との消耗戦になると考えられる。弾薬を補給するための装甲車を派遣しておくので、
活用してくれ。以上だ。』
……確か、こうだったはず
僚機の許可に加えて、弾薬の補給機まで用意するということは相当の数の敵がいると思って、
暇そうにしていたレジーナに声をかけ、私が報酬を支払うことで三人目を雇うことができた
因みに二人目はアップルボーイ、誠子だ。信頼できる人を雇うのがベストだろう
今回、私の機体は二人の盾になるようなアセンにしてきた
僚機の二人がどちらも装甲が若干薄いため、私が重装甲にすることでバランスをとることに
頭 :CHD-SKYEYE
胴 :CCM-00-STO
腕 :MAH-RE/GG
脚 :MLH-MX/VOLAR
B :MBT-NI/MARE
FCS:PLS-ROA
ジェネレータ:CGP-ROZ
ラジエータ:RMR-SA77
右腕:MWG-MG/1000
左腕:CLB-LS-2551
右肩:CWM-S60-10
左肩:CRU-A10
……こんなところかな
脚部は、以前動作テストをした際にスコアが最高得点だったからとかで、報酬としてもらったものだ
ジェネレータを最高のものにして、敵機の数を考慮して装弾数1000発のマシンガンを装備
……この際出費には目をつぶる
なんとかなるといいけど……
<<ACを投下します。……ご武運を>>
「……了解」
<<<<了解!>>>>
ここからでも敵の数が大体把握できる……かなりの数だ
<<なお、キサラギが補給機を用意してくれました。有効に活用してください>>
……なぜか補給機が反対側にある。つっこまないでおこう
<<うわぁ……すごい数ですね>>
<<ちゃっちゃと終わらせて、帰りましょ>>
「……油断はしないで。ACが持たなくなったら、すぐに離脱して。あなたたちを失うと、私は悲しい」
<<……これは、尚更死ねませんね!>>
<<何弱気になってるのよ。…必ず、生きて帰るわよ>>
私を筆頭に、三角形の布陣
敵のMTは……よりによってスクータム。モノレール防衛の際に出てきた盾を持っているMTだ
装甲が厚い上に、ブースターを装備しているので機動力もあり、なかなか手ごわい相手…
これは……三人で挑んで正解だったかも
‐メインシステム 戦闘モード 起動します‐
<<……これ、どう攻めます?計画なしで行くと、多分数に押されてしまうと思うんですが……>>
「……私が突撃して、囮になる。その間に、側面から二人は攻めてほしい。私と二人で挟み撃ち」
<<それ……大丈夫なの?相当危険だと思うんだけど……>>
「……その為の重装備」
恐らく、これしかない。装甲車の数だけ多いのであれば、各個撃破で問題はないと思うんだけど、
手強いスクータムもたくさんいるようで、各個撃破の作戦で行くと、逆にこちらが各個撃破されてもおかしくはない
二人は装甲が薄い方だし、やはり私が囮になるしかない
「……二人が手早く全滅させてくれたら、大丈夫」
<<……わかりました>>
<<わかったわよ。やればいいんでしょ>>
「じゃあ、行ってくる。敵部隊が私を中心に動き始めたら、その外側から叩いて。
厄介なスクータムは、後方からの攻撃には無防備。装甲車はある程度無視して、先にスクータムを排除する」
「……任せたよ」
上に向かってジャンプして、OBを起動し、余剰で敵部隊の中心に降りる
……さぁ、私はここだよ
‐視点:アップルボーイ(誠子)‐
照さんが無茶な作戦を提案したけど、正直それしかないと思った
……彼女を守るためにも、手早く済ませなきゃ
<<……任せたよ>>
照さんはそう言って、上空に飛んで、OBで敵のど真ん中に降りて行った
「……私たちも行きましょう」
<<あなたは右、私は左から攻めましょ>>
「わかりました。大きく迂回して、側面に回り込みます」
<<じゃ、そっちは任せたわよ>>
「やれるだけ、がんばります!」
<<……ふふ、変なの。あなたの方が先輩なのに>>
くすくすと笑うレジーナさん。……うう、レジーナさんもなんだか経験が豊富そうで、後輩に思えない
周りの人はほとんど私より操縦がうまい人ばかりで、リップハンターさんも後輩には見えない
実際会ってみても、私の方が後輩っぽかったし……
(いけないいけない)
いつもの悪い癖だ。変にネガティブになってしまった。この癖も直したいなぁ
……あと、思考が脱線するのも
‐視点:レジーナ(和)‐
<<やれるだけ、がんばります!>>
「……ふふ、変なの。あなたの方が先輩なのに」
おもしろい人。……さて、この戦況。私の装備だと、右腕のグレネードを撃ち切ってからが勝負かな
照さんの言った通り、スクータムを最優先で落としていこう
<<……そろそろいい頃。ふたりとも、攻撃を開始して>>
<<了解!>>
「了解」
隣のAC、エスペランザと同時にブーストダッシュで回り込んでいく
……照さんは、敵の中心で重量二脚にも関わらずひらひらと敵弾をかわしてマシンガンを乱射している
さっすがー…
「じゃ、私の方も始めましょうか。負けてられないわよね!」
背中をこちらに向けてふらついているスクータムの背後に回り、グレネードをぶち当てる
……よーし!一撃で落とせた!やっぱり高火力武器はいいわねぇ
「……次!」
装甲車を踏みつけながら、次のスクータムに向かう
さぁ、さっさと片付けて、さっさとお風呂よ!
‐視点:シャイン(照)‐
<<……次!>>
レジーナはかなり調子がいいみたいだ。いいペースでスクータムを掃討していく
<<敵機を撃破!次に向かいます>>
アップルボーイも堅実に破壊していく。……誠子も成長したんだなぁ
囮の私としては、側面の敵がいなくなったことでさらに動きやすくなって非常に助かる
相手のストレスがたまるように跳ねまわり、マシンガンを乱射して盾ごと強引にMTを撃破する
今回持ってきているマシンガンは装弾数が1000発もあるので、弾切れは考慮しなくてもいい
スクータムはうまく二人が掃除してくれているので、私は数が増え始めた装甲車に照準を向ける
さっきから地面を走っているこの装甲車は、かなりスピードが速く単発武器では破壊しきる前に射程から外れてしまい、
トドメをさせない。マシンガンなら、一秒間でも当て続ければ破壊することができ、便利だ
(でも、あんまり余裕がなかったり……)
数は減っても、袋叩きを受けているのは変わらないので、装甲はどんどん剥がれていく
装甲車からのレーザーは大したことはないが、やはりMTのバズーカは反動も高いし、脅威だ
<<敵の数が減ってきました。あと少しです!>>
「了解」
……もう少し。もうちょっとだけ持ちこたえて……—————
‐視点:アップルボーイ(誠子)‐
「くそっ!知らないうちに装甲が!」
右側のスクータムを全て掃討し終わって、一旦自分の機体の状況を確認すると、思っていた以上のダメージを受けていた。
装甲車のエネルギー弾がちまちま当たっていて、それが地味ながらもダメージを与え続けていたんだろう
塵も積もればなんとやらってことですか
「……速い!」
スクータムばかり見ていて気付かなかったが、この装甲車、かなり速い!
走っているそれをなんとかサイティングし続けても、脚部の旋回が追い付かない
……こうなったら!
ブーストダッシュで装甲車の行く先に先回りして、ブレードで斬りつける
装甲車は黒煙をあげ、車体を斜めに傾けさせながら少し進み、そのまま爆発した
うまくいった!この調子で……!
さっきと同じ戦法で先回りして、ブレードを薙ぐ
……ところが、ハンドルを思いっきり右にきられてはずれてしまった
「……そんなにうまくはいかないかぁ」
さぁ、どうしようかな
‐視点:レジーナ(和)‐
「……弾が切れちゃった」
調子に乗ってグレネードを連発してしまったからか、元々装弾数の少ないそれはすぐに弾切れを起こした
しょうがない、肩のロケットで!
「……落ちない!?」
直撃させるため、背中を向けているスクータムに接近、うまく当たったけど……
私が肩に背負っているロケットは小型ロケットを三発同時に発射するものだ
いくら小型とはいえ、三発も直撃させればかなりのダメージになるはずなんだけど……
ここまで硬いとは思わなかった
「……そう言えば補給車があるんだったわね」
ミッション開始時のタカミさんの言葉を思い出す。でも、私が使っていいのかな
「弾を補給したいんだけどいいかしら?」
<<こっちは大丈夫です!どうぞ>>
<<……いいよ。なるべく急いでね>>
「サンキュー」
許可をもらったので、OBでかっとび補給車に近づく
…どうやら、照さんや誠子が心なしかこちらを守ってくれるように立ち回っているみたい
……いい仲間を持ったわね
<<弾薬、エネルギーチェック>>
<<オールクリア、補給完了>>
補給車に接触、弾の補給が完了した
ロケットもグレネードも……よし、満タンね
「……ブレードもいいけど、やっぱりグレネードよね!」
OBで戦場に復帰、スクータムの側面からグレネードをぶち当てる
「ごめん、待たせたわ!」
見ると、MTはほぼ壊滅、残っているのは装甲車がほとんどだった。……あと少し!
‐視点:シャイン(照)‐
<<ごめん、待たせたわ!>>
レジーナがそう言いながら、補給したんであろうグレネードを発射
盾を持っていない右側にもろにくらったスクータムは粉々になった
……相変わらず凄い威力だ
「……厄介なのはほぼ全滅。あと少し、気を抜かないで」
<<了解!>>
<<さっさと終わらせましょ?>>
ここまでの戦力がいたことは想定外だったけど……なんとかなりそう
私の装甲も厳しいことになっているけど、うまく二人がカバーしてくれている
……ありがたいことだ
かなりのスピードで走ってくる装甲車をマシンガンで迎え撃つ
装甲車は穴だらけになり、大破した
瞬間火力に欠ける武器と言われていたけど、相手が車なら十分だ
<<装甲車を撃破!あと二つです!>>
<<こっちも撃破。あとはその目の前の一つだけだわ>>
「……了解」
逃げる最後の一台にOBで接近する
装甲が薄くなったおかげで、重量機ながらかなりのスピードが出せている
……このまま!
「これで……最後」
ブレードを展開、装甲車を追い抜きその過程で一刀両断にする
<<さっすが!>>
<<ヒューッ!>>
<<敵勢力の全滅を確認!……おつかれさまでした。帰還してください>>
「みんな……おつかれさま」
<<おつかれさまでした!>>
<<あーもー汗だく!早くお風呂に入りたいわ>>
なんとか無事にミッション完了。……今回はかなり苦戦したなぁ
‐作戦目標クリア システム 通常モードに移行します‐
—コーテックス:ガレージ—
「こりゃあ……かなり苦戦したみたいだな。他の二機もボロボロだし、よく帰ってきたな」
「……ただいまです」
「まぁ、怪我がないようで何よりだ。……だけど、修理費はかなりかかるぞ」
「……わかってます」
「ま!今はともかく、身体を休めておけよ!」
「はい。……じゃあ、機体の方よろしくお願いします」
「任せときな!新品同様にしといてやる」
おじちゃんに機体を見せると、やっぱり驚いていた
私も実際に外から見てみると、腕部とか脚部とかがボロボロに剥げていた
……よく無事だったなぁ
あの二人は大丈夫なのかな?
—コーテックス:ガレージ前—
「照さん!」
「今日は、おつかれさまでした」
「お疲れ様。……ここでその名前は不味い」
「あ、そうでしたね……すみません」
「いい。次からは気をつけてね」
ガレージを出ると、アップルボーイとレジーナが待っていた
……よかった。二人とも外傷はないみたいだ
「今回のミッション、かなりきつかったですね」
「私は途中で弾薬を補給しましたし、出費はほとんどないですが……お二人は」
「……結構酷いかも」
「私の方もかなり……弾薬費は大丈夫ですけど、修理費が悲惨なことに……」
マシンガンは調子に乗って打ちっぱなしにしていると、かなりの弾薬費を取られてしまう
弾単価がライフルと同じかそれ以上するので……今回は何発撃ったっけ
「す、済んだことは気にしてもしょうがないです!無事に帰ってこれただけで十分ですよ」
「……確かに。二人とも無事でよかった」
「シャインさんもあんなに無茶をしたのに……怪我もないようでなによりです」
「……ACはボロボロだけどね」
……
「私、汗かいちゃって……早くお風呂に入りたいです」
「あ!だったら一緒に銭湯に行きませんか?」
「……いいかも。私も、汗かいた」
「でしたら、折角だからタカミさんも誘ってみましょうか」
「いいですね、それ!」
「……多分、カフェに居ると思う」
「じゃあ、早速行きましょう!」
この後、みんなで一緒にお風呂に入ることになった
尭深さんも渋々承諾して、四人で近場の銭湯に行って……
……私と誠子が少し落ち込んだのは内緒だ
◇◆◇◆
—コーテックス:自宅—
「……ん?」
みんなと銭湯に行きひとっぷろ浴びて、帰ってくると私のPCがメールを受信していた。一体だれが……?
…とりあえず開いてみよう
差出人:ユニオン
『最近活躍しているとの噂は聞いている。
今は対立することがあるとは言え、我々の組織内でも、君の評価は決して低くない。
我々は力を求めている。この世界に満ちた嘘を打ち破り、真実を知るためだ。
今はまだ、詳細を明かせない。管理者は、強大な力を隠し持っている。
君達レイヴンですら、その力の前では例外ではないだろう。
だが、我々は、既に行動を開始している。一度、現状をよく考えてみてくれ。』
……ユニオン。前に一度聞いたことがあるような……
……そうだ
「尭深さんのメールで……」
クレストの封鎖地区〜の依頼を受けた後、尭深さんが調べてくれた襲撃犯の名前が…ユニオンだったはず
……確かに今のレイヤードは不安定な状態にあると思う
企業間の争いは日に日に激しくなっているし……
……クレストも知っていて何かを隠しているみたいだし
ユニオン……この組織が何をしようとしてるかはわからないけど……
私も、この世界の真実は知りたいところ
「行動……」
ユニオンは何をするつもりなんだろう……
……考えることが増えちゃったな
「寝よう……」
今考えても仕方がない。何かが起きた時にまた考えることにしよう
……今日は明日に備えてぐっすり寝よう……
今日は……疲れた……
今回はここまでです
後半は書いてる時に半分寝てたんでちょっと変かもです
このミッション、本当は三人で挑むことはできないんですが、
テストプレイで実際にやる→レジーナ溶ける。アップルボーイ溶ける。→あれ?
→僚機一人じゃ無理だな。ちょうど両方候補にいるし二人とも雇わせよう
ってなりました。ゴメンヌ
次回は、アリーナになります。いよいよあのアイドル(仮)が……?
おつやでー
風呂場シーンのリプレイはよ
乙ー
僚機は依頼によってはすぐ溶けるからね
某依頼でのロイヤルな人はよく働いてくれたよ
てるてるブレードの扱いが上手そうなのでノクターン先生とのブレード戦に期待
こんばんは!
風呂場はないですごめんなさい
今回は、アリーナミルキーウェイ戦です。Dランクのみなさんごめんなさい
◇◆◇◆
—トレネシティ:自宅—
「……借金した」
前回の依頼の報酬から、修理費と弾薬費を除くだけで赤字、さらにレジーナを雇ったのが自腹だから……
前回のミッションの腕部と脚部を売却して、それより安いパーツを買って……
なんとか黒字にはなる、けど……
「お金が……ない」
そうしても、私の手持ちにはほとんどお金が残らない
……生活もきつくなるかもしれない
こうなったら
「……アリーナに行こう」
これしかない。今の私が赤字を作らずにお金を稼ぐには、アリーナしかない
依頼だと、今回のように赤字になる可能性もあるから……
ある程度余裕ができたら受けるようにしよう
「そうと決まれば」
早速コーテックスに行こう。金欠は早く解決しないと……死活問題だ
◇◆◇◆
〜数日後〜
—トレネシティ:自宅—
「……貯まった」
一心不乱にアリーナに挑戦し続けた結果、知らないうちにCランクにまで上がってしまっていた
Dランクの人達は……必死だったからかあまり憶えていない
機体は癖のある人ばかりだったけど……強烈なキャラはみんなEランクに集まっているみたい
むしろEランクがおかしかったのかな?
(……こうなったら)
行ける所まで行ってみよう。連日アリーナに籠もりっぱなしで疲れもあるけど、突っ走ってみたい
「その前に……」
次の相手を確認しておこう
今の私のランクはC-11だから……
PCを起動させて、アリーナ情報を呼びだす
えーっと……ミルキーウェイさん、か
とにもかくにもお菓子がないと
ミルキーウェイ:ネージュ
『純白にペイントされた機体が特徴。
女性のであるためか周囲からアイドル扱いされることも少なくないが、その実力は確か。
観客の声援だけが生き甲斐だと語り、誰もが引きつけられるほどの美貌の持ち主だが、
その過去を知る者は誰もいない。そして彼女の本当の年齢を知る者もいない。』
……アイドル?
私が会ってきたレイヴンはほとんど女性だった気もするけど……普段は正体を隠してるものなのかな?
あと、年齢って……
ついでに、私のも更新されてるか見てみよう
シャイン:アマテラス
『数々の実践をこなし、ようやく一人前のレイヴンとしての活躍を見せ始めた。
全ランクを通じて最も曲者ぞろいと言われる、ここCランクのアリーナで、
どれほどの力を見せることが出来るか。ここを乗り越えることがこそが、
真の実力者としての資格を持つ証だといえる。』
言われてみれば、Cランクは曲者が多いかもしれない
もう四人Cランクを突破したけど……
火炎放射にナパームロケットで機体を燃やそうとしてくる人
パイルバンカーで執拗に殴ってくる人
武器腕のバズーカを所構わず乱射しまくる人
全身グレネードでレイヴンの恋人がいた人
……最後の人はちょっと違うけど
「……よし」
PCを閉じて、出かける支度をする
今日も今日とてアリーナに挑む
今回の相手はアイドル(仮)さん……どんな人だろう?
彼女の年齢を知る者はいない
—コーテックス:ガレージ—
「お、嬢ちゃん、今日もアリーナかい?」
「はい。……それで、アセンをちょっと換えてみたくて」
「OK!で、どうするんだい?」
「……作ってきました」
そう言って、私は持ってきた紙をおじちゃんに見せる
今日はアセン内容を書いてきた
頭 :CHD-07-VEN
胴 :CCM-01-NER
腕 :MAL-303S
脚 :CLL-01-FKST
B :MBT-NI/MARE
FCS:AOX-WS-3
ジェネレータ:CGP-ROZ
ラジエータ:RMR-SA44
右腕:CWG-HG-80
左腕:CLB-LS-1551
右肩:CWM-GM14-1
左肩:MWM-MM16/1
……こんな感じだ
「ほう、今回はミサイル主体なんだな」
「……いろんな武装を使ってみたくて」
ミサイル主体のアセンは今まで使ったことがない
なんとか積載量と相談して武装を乗せることができたけど……これで果たしてうまく戦えるのかな?
「んー、これだと少し整備に時間がかかるな。待合室で待っていてくれるか?」
「はい。ありがとうございます」
「こっちが終わったら、声を掛けるからよ」
「……じゃあ、また後で」
「おう!」
どう立ち回るのがいいのかな……
待合室でシミュレーションしておこうかな
—コーテックス:待合室—
私がミサイル機体でどう立ち回るかを考えていた時、待合室のドアが開いた
……見たことない人だ。それに、凄い格好……まさか
「あの……」
「ん?何かな?☆」
語尾に何か見えた気がする
「もしかして……ミルキーウェイさん?」
「そうだよー?♪……あ、アナタが今日のお相手さんかな?☆」
「あ、ハイ……シャインと言います」
「おおー!じゃ、私も自己紹介しないとね♪アナタの言った通り、私の名前はミルキーウェイです☆
今日はよろしくね☆」
……おおぅ
凄い人が出てきた……
今まで見てきたどんな人より強烈なキャラだ
というか、本当にレイヴンなのだろうか……
……ふむ、確かにすばらしい美貌を持っている。それに、私にはかなり若く見えるけど……
「……噂通り、お綺麗ですね」
「あ、やーだもうそんなこと言っちゃって☆調子に乗っちゃうゾ♪☆」
……どうしよう。おじちゃん助けて……
◇◆◇◆
—コーテックス:アリーナ—
向こうにミルキーウェイさんのAC、ネージュが待機しているのが見える
……あの後、ミルキーウェイさんが話を振ってくるたびに苦笑いを繰り返していたら
おじちゃんが救いの手を差し伸べてくれた。おじちゃんがちょっと興奮してて怖かった……
<<さぁー!本気でいっちゃうゾ☆>>
「よ、よろしくお願いします」
今回の試合は、ミルキーウェイさんが戦うということで実況解説の人がついてなんと中継されているらしい
……テレビに映っていると思うとなんだか緊張してしまう
<<……そんなに緊張しなくても大丈夫だゾ☆映るのはACだけだからね♪>>
「……はい。ありがとうございます」
私の気持ちを察してくれたのか、ミルキーウェイさんが気遣ってくれる
……鋭い人だ
AC内のパネルで3……2……1……とカウントダウンが始まる
<<じゃあ、行っくよ〜☆>>
「……行きます……!」
GO!の表示とともに、開始のブザーが鳴り響く
それと同時にネージュが飛び出すように動きだした
さぁ……勝負だ……!
※ここからテレビで見ている人の視点になります
実況「さぁ!今回も始まりました、グローバルコーテックスのアリーナ!みなさんお久しぶりです」
実況「今回は久々にミルキーウェイが試合をするということで、テレビ中継をすることになりました」
実況「その気になるお相手は!最近メキメキと力をつけ、無敗のままここまで登ってきた期待の新人!シャインです!」
実況「実況解説は私“いつもの人”がお送りしていきます」
実況「では、それぞれが使用する機体を説明しましょう」
実況「ミルキーウェイはみなさんご存知のネージュ!純白にコーティングされた軽量機です。
武装はハンドガンにブレード、ミサイルに加え連動ミサイルも装備!接近戦と遠距離戦、
それぞれに対応できる機体になっています」
実況「対してシャインのアマテラスは軽量機にマルチミサイル、地上魚雷とミサイル主体の機体構成です!
ハンドガンやブレードも一応積んではありますが、
どちらも低威力なのであまりダメージは期待できないでしょう」
実況「両者とも軽量機のため、スピード戦になると予想されます!
軽量機は装甲が薄いので、短時間で勝敗が決してしまうでしょう」
実況「なお、今回は両者のACの装甲をAP (アーマーポイント)として数字で表示させていただきます!
ACがダメージを受けるたびにこの数字が減って行き、0になったら試合終了。立っていた方が勝者となります!」
実況「さぁ、二人の準備が終了したようです。どんな対決になるか、今から目が離せませんね!」
実況「……試合開始のブザーが鳴りました!両者スタートします!」
実況「まずは開幕、アマテラスが上に飛んでーOB余剰から上を取っていく!」
実況「後ろを取りながらハンドガンで熱をとってー、たまらずネージュがOBで離脱する!」
実況「そのOBに合わせてアマテラスがブレホを拾って追い付いてくる!これはいやらしいぞ」
実況「アリーナは地形がないので、一旦上を取られるときついですねー」
実況「おっと、アマテラス追い付くがエネルギーが厳しいのであまり派手に動けない!」
実況「ネージュはこの隙に上を取って!逆にハンドガンで熱を取っていく!
これはエネルギーがないアマテラスには少し厳しいか!?」
実況「アマテラスはOBで離脱!このOBで熱暴走を起こしてしまうが、気にしていられませんね」
実況「追撃にネージュが小ミサを四発五発と当てて、APを取っていく!」
実況「アマテラスも応戦してマルチを連打、ネージュは回避を迫られる!これは避け切らないとかなりのAPを持っていかれるのでなんとかやり過ごしたいところ!」
実況「マルチは意外と前進した方が避けれたりしますからね。これをブレードで潰したいところですが…」
実況「あぁーっと!ここでネージュに魚雷がヒット!アマテラスはマルチに紛らわせて密かに魚雷を混ぜていたようですね。これは痛い!」
実況「この機に乗じてアマテラスが上からハンドガンを降らせてくる!固まってしまうとネージュはまずいですね」
実況「OBで距離を取るが、離脱した先にマルチが飛んでくる!これは素晴らしい試合運びだ!」
実況「ネージュもミサイルで応戦するが……これは地面で潰される」
実況「軽量同士なんでどちらが上を取るかの勝負ですねー」
実況「おっと、ネージュのミサイルが直撃したが……APはわずかにアマテラスがリード!」
実況「ここは一旦仕切り直して、お互いに上を取ろうとする!」
実況「ハンドガン撃って!アマテラスがネージュを下ろしていく!」
実況「魚雷を置いて!またもやネージュの離脱した先にマルチをかぶせていく!」
実況「これはもうネージュは厳しいか!?抵抗するが、うまく相手をサイティングできない!」
実況「アマテラスがとどめと言わんばかりにブレードを振り下ろす!」
実況「これがクリーンヒットして試合終了ー!」
実況「勝者はー……期待の新人、シャインだー!!終わってみれば圧倒的な強さでした!」
実況「立ち回り、エネルギー管理、熱管理も見事の一言!素晴らしい試合を見せてくれました!」
◇◆◇◆
—コーテックス:ガレージ—
「見事な戦いっぷりだったぜ!さすがは嬢ちゃんだ」
「いえ、そんな……」
ミルキーウェイさんに勝つことができた
ちゃんと動けるかどうか心配だったけど、するするっと立ち回り方が頭に浮かんできた
……前世の記憶的な?
「しっかしここまで無敗とはなぁ。今どこらへんだっけか?」
「今回勝てたので……C-10ですね」
「つーとあれか、ちょうど真ん中あたりになるのか」
「そう……ですね。真ん中ぐらい」
そうか……もう真ん中まで来たんだ。気付かないうちに、もうそんなところまで……
「ここまで早かったなぁ……レイヴンになったのもつい最近じゃないかい?」
「えーっと……」
レイヴンになったのが……あれ?二ヶ月も経ってないような……
「二ヶ月も経ってないですね……一ヶ月半ぐらい?」
「あれ、そんなもんか……お嬢ちゃんは天才だな」
え
「え?」
「いやな、わずか一ヶ月半でここまでランクもあげて、依頼も受けたものは全部成功させてるだろ?」
「はい。まぁ……一応」
「おじちゃん、ここにきて結構経つけどそんな奴ぁ見たことねぇな」
「そうなん……ですか?」
「おうよ。アリーナのAランクの奴らは、ほとんど依頼には手を出さずにアリーナに籠もってばっからしいからな。
それで食っていけるから依頼を受ける必要はないんだと」
「へー……」
「最強を目指し続ける……なかなかイカすじゃねぇか」
強さの求道者……ちょっとかっこいいかも
レイヴンである以上、情勢も知ってなきゃいけないとは思うけど……
強い人は、そこらへんの考え方も常人とは一線を画しているんだろうか
「ま、この調子だとお嬢ちゃんがその仲間入りするのも時間の問題かもな!」
「それはまだ早いんじゃ……」
がははと笑って肩を叩いてくる
おじちゃんのこれにももう慣れたものだ
「ま、なにはともあれお疲れ様だ。今日はゆっくり休めよ?」
「はい。……では」
おじちゃんに挨拶をして別れる
そうか……私みたいな人は居たことないんだ……ふふふ
—コーテックス:カフェ—
「あ、来たきたー!☆」
「……え」
帰る前にちょっと一服して行こうと思い、コーテックスのカフェに寄ってみるとミルキーウェイさんが居た
……そんなに大げさに手を振らないで……
誘われるままに席に座り、ストレートを頼む
「でも、びっくりしちゃったゾ☆まさかあんなに強いなんてー♪」
「……自分でもよくわからなくて。勝手に身体が動くと言うか……考える前になんとやらと言うか」
私でもよくわかっていない。こう動きたいなーと思っていたら実際に動いていたり……
な、なにを言ってるか分からねーと思うが……
「ほぇー……感覚ってやつ?」
「はい……そんな感じです」
「天才肌だね☆」
今日はそんなことばかり言われる……自分じゃよくわからない……
……
「じゃ、私は帰らせてもらうゾ☆ファンが握手を待ってるからね♪」
「……忙しいんですね」
「うれしい忙しさだから、全然大丈夫!今日はおつかれさま〜☆」
「おつかれさまでした……」
紅茶を飲んで一服
なんとなく世間話をしている間に、結構時間が経っていた
ミルキーウェイさんは私にさよならを言うと、そそくさと去って行った
……アイドルも大変だ
アリーナに籠もりすぎた気がする……そろそろ依頼を受けた方がいいかなぁ
最近、依頼の確認を全然してないから……尭深さん怒ってないかな
まずい。そんなことを考えると受けなきゃいけない気持ちになってきた
明日はミッションの日だ。……あと、タカミさんに謝る日だ
なんて思っていると、そのタカミさんから携帯端末に連絡が来る
「……どうしました?」
『レイヴン、緊急の依頼です!今どこですか!?』
……めっちゃ焦ってる……
「……アリーナに挑戦していたところなので、まだコーテックスです。アセンを変える時間はありますか?」
『よかった……コーテックスにいるのなら、アセンを変える時間はまだあります。急いでください』
何やらただ事ではないみたいだ
……さっきアリーナ戦をしたばかりだけど、がんばらなきゃ
今回はここまでです
今回のアセンはアナザーエイジの強アセン、RTミサイラのオマージュです
ちゃんと書けや!と言われたら書きますごめんなさい
社会人の方は仕事納めな時期ですね。私は受験ですが……
次回は、中央研究所防衛を予定しています
おつやでー
はやりんがふつくしいのは改造手術のお陰でhくぁww背drftgひゅjきおlp;@:「」
この照なら2人とも生き残らせることができるはず
2のアレスとクラインは実年齢より若く見えるとかあったな
フロム脳でそれぞれMOAの主人公と初代の主人公ってネタもあったがww
乙です
2の魚雷は強かった、後のシリーズで弱体化したけど
こんばんは!
>>317
2のレイヴンはかっこいい人多いですよね
英語でやっちゃダメだけど
>>318
2のミサイルは強かったですね。赤マルチとか好きでした
3のミサイル全然当たらない…
今回は、中央研究所防衛です
◇◆◇◆
—コーテックス—
『依頼の内容を今からメールで送信します。確認しておいてください』
「わかりました」
ガレージに向かいながら、今回の依頼の内容を確認する
依頼は……クレストから?
依頼主:クレスト
作戦領域:ルグレン研究所 A棟
敵勢力:ミラージュの部隊
作戦目標:物資移送までの時間稼ぎ
『我が社の中央研究所が、ミラージュの部隊による襲撃を受けています。
大至急、救援をお願いします。
敵部隊は施設のA棟を中心に破壊を続けています。
レイヴンを含む、相応の戦力を投入しましたが、敵部隊の攻撃の前に押されています。
重要物資の移送を急がせていますので、それまでの時間を稼ぐだけで構いません。
必ずしも敵を撃破する必要はありません。急いでください。』
ミラージュの部隊の襲撃か……研究所ってことは閉所かな?
動きまわれないから、軽量機体は不利……かな
別のレイヴンがもう向かっているらしい
そのレイヴンを持ってしても苦戦しているということは……相手にもACがいると思った方がよさそう……
急がなきゃ
研究所もそうだけど、文面を見るに向かったレイヴンが危ない
アセンブリをどうするかな……
—コーテックス:ガレージ—
「おう、意外に早い再会だったな!」
「アセンできますか?緊急のミッションだそうで」
「ん、久しぶりの依頼らしいな。……大丈夫だ、間に合わせてやるよ!どうするんだ?」
「えーっと……」
HEAD:CHD-SKYEYE
CORE:CCM-00-STO
ARMS:CAM-11-SOL
LEGS:MLM-MX/066
BOOSTER:MBT-NI/MARE
FCS:PLS-ROA
INSIDE:—
EXTENSION:—
GENERATOR:CGP-ROZ
RADIATOR:RMR-SA77
BACKUNIT L:CRU-A10
BACKUNIT R:CWM-S60-10
ARMUNIT R:CWG-MG-500
ARMUNIT L:CLB-LS-2551
……うん、こんな感じかな
紙にアセン内容を書いておじさんに見せる
「……よし、わかったぜ。このコア、腕部、脚部、頭部なんかは人気商品だから、予備がまだあるはずだ。
すぐに終わるだろう」
「ありがとうございます」
……
「……よし、終わったぜ!」
「……おお」
待合室に行くのも面倒だったので、ここで機体のパーツ換えを見せてもらった
なんというか、こう……ロマンがあふれてくる時間だった
……眼福がんぷく
「時間がねぇんだろ?ほら、行って来いよ」
「……じゃあ、行ってきます」
おじちゃんに肩を押され、再びACに乗り込む
レイヴンが苦戦する相手……一体どんな敵なんだろう
—特別実験区:ルグレン研究所—
<<今回の依頼は、あくまでも時間稼ぎです。あまり無理をしないように>>
「了解」
研究所に着くと、建物の中からドンパチやっている音が聞こえてくる
……かなり派手にやっているようだ
<<物資の移送が完了次第、報告します。ご武運を>>
「……行きます」
……何が出てくるのかな
‐メインシステム 戦闘モード 起動します‐
目の前で鎮座している大きなゲートを開けて突入する
<<レイヴンか!状況はぶち悪い!協力を頼む!!>>
「……任せて」
ぶち……?
入ると、MTが空中に浮かんでいるメカを倒しているところだった
メカの見た目は、大きな球体。どうやらパカッと割れて、中からレーザーを撃ってくるみたい
……これは
<<レイヴン、このメカには弱点があるんじゃ。球体が開いたところに攻撃を叩きこんでくれ>>
「了解」
なるほど、銃身が弱点か。こんな構造になっている理由もわかる気がする
だけど……これが襲撃の正体?
「ふっ」
こちらを向き、レーザーを射出しようとしたところをジャンプしてブレードで撃破する
そのまま二機目に右手のマシンガンを撃ちこむ。……よし、ここは片付いた
<<さすがじゃな、レイヴン>>
「いえ……」
<<よーし、こっちは片付いたのう。ゲートのロックを解除した。奥のACの救援に向かう!>>
奥にACがいるらしい。まだ生きているといいけど……
奥の部屋に続く通路をMTと共に進み、ゲートを開ける
中では、二機のACが死闘を繰り広げていた
……アリーナで対戦したことのある四脚のACから、黒煙が上がっている。まずい……
<<こちらナイトフライヤー!救援をお願いします!!気を抜かないでください!こいつ、ただのACなんかじゃない!!>>
「……了解」
相手のACは……見たことのない右武装、グレネードにオービット、それにEOコア……
ここまで一方的にナイトフライヤーがやられているんだ。相当の手練に違いない
ナイトフライヤーに気を取られている隙に、後ろから接近してブレードで切ろうとする……が
「っ!」
あと少しというところで振り向かれ、グレネードの直撃をもらってしまう
熱暴走は……よし、まだ起きていない。発生する熱量が低いグレネードのようだ
<<大丈夫ですか!?……うわっ!>>
私にグレネードを当てたかと思ったら、すでに敵ACはナイトフライヤーに機体を向けていた
相手のEOでナイトフライヤーが角に追い詰められていく……まずい!
敵ACがブーストダッシュをしながらブレードを展開する
ナイトフライヤーもパルスキャノンとライフルで応戦するが……
<<こ、こいつ……!>>
敵ACは必要最低限の動きでそれを華麗にかわし……
追い詰められたナイトフライヤーは、敵ACによってコアを両断され、さらにグレネードの追撃を受けた
……
<<ナイトフライヤーの反応の消失を確認……>>
「……」
……くそ
<<物資の輸送が完了次第、外部に続くゲートのロックを解除します。もう少し時間を稼いでください……>>
「……了解」
気持ちを切り替え、敵ACに向かいマシンガンを掃射する
だが……
(これは……)
敵はうまく研究所内の地形を駆使して、私のマシンガンをかわしていく
かなり操縦や、立ち回りがうまいようだが……
……なにかが引っかかる
<<ええい、こっちに来んでくれぃ!>>
敵ACはナイトフライヤーを破壊すると今度は味方MTに矛先を向け、エネルギーライフルとEOを組み合わせ攻撃していく
……くそ
「……相手は私」
MTに向かっている敵ACの背後をブレードで薙ぎ、離脱を取りながらマシンガンを撃ち続ける
……もう私の前で誰かを死なせるわけにはいかない
敵は私の方が脅威になると判断したのか、それまで攻撃していたMTには目もくれず、私を執拗に狙ってくるようになる
屋内であるためかオービットは使ってこないけど、その分グレネードとEOの頻度が高く、なかなか苦しい
「……!」
マシンガンを撃ちながら引いていたが、背中に衝撃が走る
……まずい!壁を背に……!
「っ!」
敵ACがその隙を逃すわけはなく、ブーストダッシュで私の懐に潜り込み、ブレードでアマテラスの右腕を切断する
「……くそ」
近づいた敵を左腕のブレードで斬ろうとするが、相手に悟られたのか展開した瞬間に急後退され、EOの追撃を喰らう
……手強い。今までのどんな敵よりも圧倒的に
「……まだなの」
右腕がなくなりマシンガンを失ってしまったので、ミサイルとブレードしかないけど……
ミサイルは屋内なのでなかなか直撃させることができない
ターゲットサイトにうまくロックオンができるまで捕らえ続けることが難しいからだ
……ってことは……
「もうブレードしか……」
この際だ。ミサイルもパージしてしまおう。かなり機体が軽くなり動かしやすくなるはずだ
躊躇なく右肩のミサイルをパージしてしまう。さぁ、これで……後がないぞ
ブレードの直撃を執拗に狙い、EOとエネルギーライフルを浴びながらも角に追い詰めていく
……よし、入った!
「これで……!」
私のブレードが相手の頭部にクリーンヒットし、敵ACの頭部が吹き飛ぶ
これで相手はメインカメラが使えなくなったはずだ
一度様子を見るために離脱を取るが……
「っ!?」
メインカメラが無くなったにもかかわらず、離脱を取った私を正確に捉え、エネルギーライフルを発射してくる
……どうなっている
<<なんじゃあ、こいつは……!>>
……そのとおりだ。普通じゃない、このACは何かが異常だ
ナイトフライヤーもただのACじゃないと言っていたが……
さっきから動きが全く衰えないし、グレネードも構え武器のはずなのに構えずに空中から撃ってくる
何か……何かがおかしい……!
<<こりゃあ……わしも、見とるだけではいかんのう!>>
それまで距離を取っていたMTが敵ACにバズーカを撃ちながら接近していく
……いけない、MTでは……!
「だめ……」
<<なーに、囮くらいにはなるじゃろうて>>
MTの撃ったバズーカが命中し、頭に来たのか敵がMTに振り向き、それに向かってグレネードを撃ちこむ
味方のMTは逆足型であるため、機動力が全くと言っていいほどない
撃たれたグレネードはMTに直撃して、その装甲がはじけ飛ぶ
<<ぐっ……!>>
「だめ……にげて」
相手の注意を引くためにひたすら接近、ブレードをこれでもかと振りながら組みついていく
<<ロックが解除されました!脱出してください!>>
ゲートのロックがやっと解除されたらしい……でも
<<レイヴン、もういいじゃろう!撤退するぞ!>>
「私はまだ……行かない」
<<あんたぁ、何言っとんじゃ!>>
「あなたは逃げて。私は……こいつを倒してから行く」
<<レイヴン、危険です!>>
このACをこのまま放置してはおけない。……不味いことが起きる気がする
それに、このACを解析することができたら、機体の謎を解くことができるかもしれない
この理不尽な強さの秘密を……
「私は……大丈夫。MTの人は先に離脱して。私が注意を引く」
そう言ってアマテラスを動かし、ブーストダッシュで壁との間に敵ACを挟む
ブースターを噴かせ続けて、身動きをとれなくしてしまう
「……急いで!時間がない」
<<……くそっ!レイヴン、生きて帰るんじゃぞ!>>
MTが離脱用のエレベータに乗っていくのを横目で確認できた。……よし、上がっていったね
「さぁ……勝負だ」
アマテラスはボロボロだけど、まだ私は死んでいない……!
相手がしびれを切らしたように、私のACを蹴飛ばして、よろめいた隙に反対側に離脱する
向かってくるエネルギーライフルを掻いくぐり、懐に潜り込んで仕返しに右腕をブレードで切断してやる
敵ACは動揺の一つも見せず、冷静に距離を取りEOを起動する
「……こうすれば」
ブーストダッシュをし続ければEOはかわしきることができる
私を狙ったEO弾は地面を焼き、さっきまでいた場所を焦げ付かせる
「……!」
EOを避けることばかりに思考がいっていたのか、相手がグレネードを撃ってきていることに気付かず、直撃を喰らってしまう
……さっきもらった時より衝撃が強い。装甲がもう持たないのか、警告のアラートが鳴り響く
(……でも)
まだ逃げるわけにはいかない。確かに状況は最悪だけど、それは相手も一緒だ
私はまだ死んでいないし、アマテラスも動ける……!
<<レイヴン!これ以上は危険です!離脱してください!>>
タカミさんが必死に警告してくれるけど……ここは譲れない
「まだ……だめです」
<<なぜ!!>>
敵ACはグレネードが弾切れを起こしたのか、肩に装備していたそれをパージする
……よくみると、敵からも黒煙が出ている
……あと少しなんだ……
「あれは……残しておくと、不味い気がするんです。できればここで倒しておきたい」
<<そうかもしれませんが…あなたが死んでは意味がありません!レイヴン!>>
「あと……少しなんです」
私のアマテラスと敵ACが同時にブレードを展開する。……相手もこれしかないと思ったのだろう
ブースターの衝撃に耐えるべく、私たちは同じタイミングで踏み込み、互いににらみ合う
<<レイヴン!ダメです!!……シャイン!!>>
「……ふふ」
タカミさんが名前で呼んでくれる。……ミッション中では初めてじゃなかったかな
ブースターを起動、互いに相手と同じタイミングでスタートする
アマテラスと敵ACは左腕を振りかぶり、お互いのコアを貫くべくそこに狙いを定める
<<シャイン!いけません!!>>
全力でぶつかる勢いでそのままダッシュを続け、コア部分に向かってブレードを突き刺していく
私の突き出したブレードは、相手のACのコアを見事にとらえた。よし、私の———————
<<シャ……!!……応…を……!!>>
……おかしい。タカミさんの声が—————うまく聞こえな———————
敵ACは破壊したはずだ。私の勝ちの—————はず——————
今回はここまでです。
>>316
AC的にもフラジャイルさんにはやられてもらうしか……
投下乙です
さっき数年ぶりに3を引っ張り出してこのミッションやったら普通に2機ともやられた
乙
このてるてるなら設置型地雷やコンテナミサイルを直当てしそう
OBとっつき決めるてるーはよ
ロン(パイル)
携帯からこんばんは
更新なのですが、センター試験が控えているので難しくなっています
なるべく毎日覗きに来たいとは思っているので、質問等があったら遠慮なくどうぞ!
学生だったのか驚いた
無理はしないであと三週間切ってるから
楽しみにしてる
追いついた、期待はしてるが無理しないでね
秘密にされてる京太郎とか咲が出たりするのかきになるぜ
ここまでのアリーナランクごとにどんなキャラが当てられてるのか気になるけど
受験生の方でしたか、体に気をつけてくださいね
このスレのおかげでAC2から始めてしまったぜ
チュートリアルでゲームオーバーになってワロタwwwwww…わろた
ブーストはふかしっぱではなく小刻みに(ブースト→ブーストジャンプ→空中にいる間は×ボタンを離して慣性移動) 武器はちゃんとロックオンしてるの確認して撃つ 左右にACを振れ
これを守れば今この瞬間から君はレイヴンだ!
faに慣れると�が凄いイライラする
やっぱネクストすげーわ
>>342
助言アリシャス!おかげでアリーナとストーリークリアできたけどバットエンドじゃないですかーやだー
ターゲットできないけどロケットが強過ぎて始まりからラストまで外す事なかったぜ
こんばんは!お久しぶりです
一週間以上あいちゃいましたね…
AC2シリーズのロケは、機体の当たり判定のでかさと相まってかなり強いです
>>344
さぁ!次はアナザーエイジだ!
今回は、AC戦その後です
◇◆◇◆
—トレネシティ:総合病院—
「……ん……ここは……?」
「シャイン、起きましたか!?」
目が覚めると白い天井がまず目に入り、続けて尭深さんの泣きそうな声が耳に入った
……そうか、私はあの後……
「……すいません、なんだか……」
「謝らなくてもいいんです……よく、生きて帰ってきてくれました……」
尭深さんがそう言って顔を手で隠す
……少し震えている
「……」
「……っ!」
見ていて居た堪れなくなったので、左手で尭深さんの頭を撫でてあげる
「……心配、かけてしまいましたね」
「……っ本当……です…っ……」
……私は、どうなったんだろう。コアにブレードを突き刺した後から、記憶がない
あの研究所を襲ったACはどうなった?
「あの……ACは?」
「あの後クレストによって回収されましたが……詳しいことは何も……」
……ふむ。……きっと、クレストにとって不利な内容だったんだろう
ミラージュの部隊とクレストは言っていたけど、本当にそうだったんだろうか?
「……」
「あの……シャイン。ミッションの後、あなたのPCにこんなメールが……」
「……?」
「先日、封鎖地区に不法侵入をしていたユニオンからです」
「!」
ユニオンから……ということは、あのACの正体は……
差出人:ユニオン
『研究所での騒動は聞いた。
君が交戦した相手は、もちろんミラージュの部隊などではない。
あれこそが、管理者の部隊だ。この事実には、大きな謎がある。
最も管理者を信奉しているはずのクレストが、何故管理者に襲われるのか、ということだ。
我々の行動は、ある一つの仮説を裏付ける証拠を集めるためのものだ。
その仮説が事実なら、地下世界で起こっている多くの異常にも、説明がつくのだ。
君に事実を知る意思があるのなら、我々に協力して欲しい。
近いうちに、また連絡する。』
……やっぱり、管理者の部隊。確証はないけど、そのACと実際に戦った私には何となくわかる
……あれは、人間が操っていたんじゃない。恐らくAIだろう
でも、なぜ管理者はクレストを襲ったんだろう。管理者を越えようとしているのは、
ミラージュの方のはずなんだけど……うぅむ
「こちらで計測したあのACの性能は、外見こそ普通のACではありますが、
その性能は明らかに通常のACと比べて、異常な数値を示していました……」
「……」
よく生きてたなぁ、わたし……
……
「照さん!!」
「誠子……病院では……わっ」
尭深さんと情勢について話していると、誠子が病室に入ってきた。
彼女はベッドから起き上がっている私を見た瞬間、飛びついてきた
「うぅ、よかった……照さん、起きたんですね!」
「……うん。ごめんね、心配かけちゃった」
「ホントです!危険になったら離脱してくださいよ!命あってのなんとやら、です!」
「……うん」
そう言って今度は誠子の頭を撫でる
……誠子にも申し訳ないことしたなぁ
「でも、照さんがこんなになるまで苦戦したってことは、相手はよっぽど強かったんですね」
「……うん。今までで一番強かったと思う。
ACもぼろぼろになっちゃったし……私が生きてるのが不思議なくらい」
「……どんな相手だったんですか?」
「……強かった。ただひたすら。計算しつくされたかのような立ち回り、機体制御、瞬発力……
どれをとっても一流だった」
……そう、人間離れしてた……
……
「話によるとミラージュの部隊だったらしいですね。……どんなレイヴンだったんでしょう」
「……わからない。沈黙した機体を回収したはずのクレストが何も言ってこないし、
アリーナに登録されてないACだったし……」
「……謎が多いですね」
「……うん」
「……今は照さんが無事に生還できたことを祝いましょう!退院したらパーティーでもどうですか?」
気持ちが沈むのを嫌ってか、誠子が明るくなるようにと話題を変えてくれた
……パーティー。おもしろそうだ
この間のお茶会みたいになるのかな?
「……それ、おもしろそう」
「やりましょうよ!…退院できるのがいつになるのかはわかりませんけど、約束ですよ?」
「……うん。退院できたら、必ず」
誠子と指きりげんまんをする。……ゆーびきった
「じゃ、私はこれで!ゆっくり身体を休めてくださいね!」
「ありがとう……誠子」
「はい!」
元気いっぱいの笑顔を私に見せて、誠子は病室を出て行った
……私はいい友人を持ったなぁ
「……シャイン?りんごは、いりませんか?」
尭深さんが、私のお見舞いの品なんであろう林檎を持ってそう尋ねる
……ちょっと食べたいかも
「……お願いします」
「では、剥きますね」
そう言って果物ナイフをどこかから取り出し、林檎の横に置いてあったお皿の上に切り分けてくれる
……こういうのっていいなぁ
尭深さんがするととても絵になる。写真でも撮りたい気分だ
「……はい、どうぞ」
一口サイズに切られた林檎がのせてあるお皿をこちらに向けてくる。
……綺麗に切られている
今度料理でも作ってもらおうかなぁ
自炊はやろうと思えばできるけど、面倒だ
「よい……しょ」
林檎に刺さっているフォークを左手で掴もうとするが……
「む……」
肩がうまく上がらない。参ったな……これじゃ食べられない
「……どうしました?」
「肩が、上がらなくて……」
「では……」
そう言って、尭深さんは私の取ろうとしたフォークを掴んだかと思うと……
「……どうぞ」
私に向かって一切れの林檎を差し出してきた
……これは、俗に言うあーんってやつなんじゃないかな
「あの……早く食べてください……」
尭深さんがちょっと俯きながらそう言う。……よく見ると、耳まで真っ赤だ
それに手も少し震えている
……
「……あむ」
差し出された林檎を直接頬張る。……うん、おいしい
久しぶりに口に物を入れた気がする……
林檎の程よいみずみずしさが、私の少し乾いた喉を潤してくれる
「おいしいです」
「よかった……。あの、また食べたくなったら言ってくださいね」
「食べさせてくれるんですか?」
「……はい。それから、私は面会時間ギリギリまで居ますので、何かあればすぐ言ってください」
「……ありがとうございます」
私は……幸せ者だ
折角こうして拾った命……大切にしなきゃ
〜翌日〜
「シャインさん!……目を、覚ましたんですね」
「レジーナ……」
目が覚めた次の日
尭深さんはコーテックスで用事があるらしく、夕方まで来れないらしい
暇を潰すために、私は尭深さんが持ってきてくれた本を読んでいた
本をめくるぐらいの動作なら……なんとかすることができる
「昨日の夜、アップルボーイに目が覚めたことを聞いて……」
「……レジーナにも心配かけちゃったね」
「本当です。前回のミッションといい、あまり無茶をしないでください」
「……うん、ごめんね」
「……わかれば、いいんです」
レジーナはそう言って、ベッドの脇の椅子に座った
「……どれくらいで退院できそうなんですか?」
「……よくわからない。包帯だらけだし、肩も上がらないから……」
どれくらいになるんだろう。……三週間ぐらい?
そういえば、この病院に運ばれた時の状態も知らない
……尭深さんがきたら、聞いておこう
「かなり、長くなりそうですね……」
「うん……そうみたい。私も早くレイヴンに復帰したいけど……」
「だめです!シャインさんはしばらく休んでいてください!」
「え……」
「私から見ても、シャインさんは働きすぎです。ほぼ毎日ACに乗って……」
……そういえばそうな気がする
以前のお茶会の時に三日ほど休んだだけで……
「……確かに」
「自分で気がつかなかったんですか……」
毎日やらなきゃいけないものだと思ってた
そうか、別にやらなくてもいいんだ……
「毎日やらなきゃいけないものだと……」
「……それに越したことはないですけど、毎日毎日レイヴン稼業をしていたらいつか身体を壊します。
今回の入院は、不謹慎ですが……幸運だったと思います。このまま毎日ACに乗っていたら、いつか
倒れてしまっていたでしょう」
自分では気が付いていないうちに、身体が疲れていた、か……
……あるかもしれない
「……そうだね。休むことにする」
「他にもレイヴンは居るんですから、任せておけばいいんですよ」
「私だってレイヴンですから」
「……うん、ありがとう」
◇◆◇◆
「……では」
「今日は……ありがとう」
「いえ、暇を持て余していましたから。……しっかり休養してくださいね」
レジーナが席を立つ
何やら依頼が入ったらしく、私にちゃんと休むように釘を打つと足早に去って行った
……やっぱりレイヴンって忙しいよね
また一人になったので、読みかけの本の続きを読もうと手に取ろうとしたところで……
「目を覚ましたらしいな!」
「……」
……来客が本当に多い
それだけ心配してくれる人がいると思うとありがたいけど、できればまとめて来てほしい……
「さっきレジーナとすれ違ってな。目を覚ましたと言うんで来てやったぞ」
「……ああ、ありがとうございます。おかげさまで」
今日の二人目の来客はゲドさんだ
仕事終わりに寄ってみたらしい
私が目を覚ますまでにも、ちょくちょく様子を見に来てくれていたみたい
「しかし災難だったな。まさかそこまで厄介なやつがいたとはな。
クレストの研究所を襲っていたんだろ?」
「……はい。実は、もう一人のレイヴンが先行していたんですが……
私が着いた時には、もう黒煙が上がっていて……」
「……」
「なんとか気を引こうとしたんですが、ダメでした。そのレイヴンは死んじゃいました」
「そいつは誰だったんだ?」
「アリーナでも戦いました。確か、フラジャイルだったと思います」
緑色で四脚、肩にパルスキャノンを二門積んでいたので、多分そのはずだ
「フラジャイルか……」
「知っているんですか?」
「あぁ、憶えているとも。私を越えていった一人だからな。そうか、あいつか……」
ゲドさんが少し悲しい顔をするけど、すぐにいつもの表情に戻っていく
「ま、それがレイヴンってもんだ。死ぬ時は死ぬ、そういうもんだ。
キミも、いい経験になったんじゃないか?」
「……ええ」
レイヴンはいつも死と隣り合わせの存在だ。運が悪ければ死ぬ。当然だった
……最近は仲間が出来たりと、すこし日和すぎていたのかもしれない
「……そんなにしょげるなよ。やってられなくなるぞ?」
「……大丈夫です」
「……」
「……」
……空気が重い
「……どらどらどらどらー!」
「むぐっ」
ゲドさんが奇声を発したと思ったら、私のほっぺたをつまんでぐりぐり動かしてきた
いたいいたい
「……すまんな。湿っぽい空気になってしまった。許せ」
「だいじょうふでふから、はなひてくらはい」
「おお、すまない」
「……ふぅ」
急につままれてびっくりした……
「シリアスな空気は苦手でな。作り出してしまった私が言うのも何なんだが……」
「……苦手なものは誰にでもあります」
「そう言ってくれると嬉しいよ」
……
「……さて、話すことも話したし、私はそろそろ帰ろうか——
「シャインっちゅう人の病室はここかいの?」
また一人増えた。緑の髪……見たことない。だれ?
「そうだけど……あなたは?」
「おお、無事……ではないようじゃが、生きているようでなによりじゃ。
わしは、あの時研究所で助けてもらった者じゃ」
「……ああ、あの時のMTの人」
「そうじゃ。名前はコールハートっちゅう」
研究所で先行していた逆関節型MTに乗っていた人だったのか
どこの方言かわからないけど、特徴的な喋り方だなぁ……
「……そっちの人は誰なんじゃ?」
椅子に座って腕と足を組んでいる先客が気になったんだろう、コールハートが尋ねる
「私か?私はゲドというものだ」
「あんたがゲドさんじゃったか!噂は聞いとるんよ、ゲドっちゅう先生みたいなレイヴンが居るって」
「私が先生?ふっ、その噂を流したやつは相当な物好きらしいな」
……ゲドさんが先生。すごいしっくりくるんだけど……
私もゲドさんとの戦いで、何かをつかめたような気がするし……
何より、ゲドさんの戦い方は相手を育てるような戦いだと思う
「そうですか?私は、ぴったりだと思いますけど……」
「シャインまでそう言うか」
「わしも研究所の一件で、なぜかレイヴンになることになってしまってのう。
ゲドっちゅう人にノウハウを聞け、みたいなことを知り合いに言われて探しとったんじゃが……
いやいや、世間は狭いのう」
「……これは、私が教える流れなのか?」
「わしの機体も逆関節なんじゃ。聞くところによると、ゲドさんも逆関節機体を使っているそうじゃな?」
「ま、まぁそうだが……」
「後輩からのお願いと言うことで一つ、立ち回りも含めてノウハウを教えてくれんかのう……?」
「……ううぐ」
「……教えないの?」
「わかったよ!教えればいいんだろ!?そのかわり、一回しか言わないからな。メモを取るかすることだ」
「あぁ、それは大丈夫じゃ。わしは完全記憶能力というものをもっていてな。
一度見たもの、聞いたものは瞬時に憶えてしまうんじゃ」
……完全記憶能力。便利な能力に聞こえるけど……
それって忘れたくても忘れられないってことになるんじゃないかな
「……難儀なものを持っているな」
「ええんじゃ。あったものは仕方がない。有効に使わにゃな」
……ゲドさんはどうやら察したみたいだ
「ふっ、そうか。じゃ、今から教えるぞ?まずは————————
……
——————————と動くわけだ。わかったか?」
「……うむ、大丈夫じゃ。一語一句忘れとらんぞ」
あれからゲドさんの講座を、私もコールハートと一緒になって聞いていた
……ふぅ〜む、なるほどなるほどなるほどー
「よし、私に教えることができるのはこんなものかな。後は、自分で実践して覚えていくことだ」
「戦場でないとわからないこともある……じゃな?」
「うむ。自分で体験しなければ、知識だけはある、一種のにわかになってしまうからな。
恐らく厳しい道になるだろうが……挫けぬお前で居てくれよ」
「…今日会った人にそんなことを言われるとはのう。任せんしゃい!
わしはもう十数年この能力と向かい合ってきたんじゃ。
今更、折れることはなかろうて」
「だと、いいがな」
コールハートの明日はとても厳しいものになりそうだ
……願わくば
「私も……応援してる」
「あんたぁ……。よし、病人に気を遣わせるわけにはいかんのう!」
顔をぱんぱんと叩くコールハート。何やら気合いを入れているようだ
「ありがとうな。恩人を励ます為に病院に来たって言うのに、気が付いたらわしが励まされとった。
……おかげでわしは、レイヴンでも挫けずやっていけそうじゃよ」
「おいおい、私も忘れてもらっては困るぞ?」
「わかっとるわい!いずれ、アリーナに挑戦することがあれば、その時はよろしく頼むぞ?」
「ふっ……待っているよ」
「じゃあの!……あんたも、お大事にな」
「うん、じゃあね」
コールハートが元気よく病室を去っていく。……もう夕方か
「……では、私も帰らせてもらうとするか」
「ん……ありがとうございました」
「なに、気にするな。お前と私の仲じゃないか。友人が倒れたら、お見舞いに行くのは当然だろう?」
こういうことを平気で言えるから、ゲドさんは卑怯だ……
「ではな。ゆっくり身体を休めろよ」
「……さようなら」
ゲドさんが病室を出て行く
……私一人になってしまった
「……」
今から本を読むのもなんだかなぁ
それに、少し眠い……
「……ふぁあ」
折角の入院だ。ベッドの上だし、遠慮はいらないよね
「……寝よう」
今日はいろんな話をして、話を聞いて、疲れた
「おやすみ……」
夕暮れのやさしい光が差し込む中、私は眠りについた
「……すみませんシャイン、遅れました……あっ」
「寝てる……」
「……ふふ」
すー……すー……
「いい寝顔……」
んぅ……すー……
「おやすみなさい」
◇◆◇◆
〜そのまた翌日〜
「照っ!大丈夫か!?」
「……」
……もう驚かない
昨日、夜遅くに起きてみると林檎が追加されていた
多分、尭深さんが来たときに持ってきてくれたんだろう
そして今日。また来客が現れた
菫が焦ったような顔で病室のドアをガラッ!と勢いよく開けて入ってきた
……来ると思ってた
「菫、大丈夫だから」
「そうか、すまないな。本当はお前が目を覚ました日に来たかったんだが……仕事が忙しくてな」
「……私は逃げないから、大丈夫」
「だが……」
「来客がいっぱい来て、全然暇じゃなかったし……むしろ忙しかった」
「……お前に友達が出来て私はうれしいよ」
「なんで……?」
「親としては、我が子に友達ができるとうれしいもんなんだよ」
「むう……」
また菫はそういうことを言う……私だってもう大人なんだから……
「しかし……不自由そうだな」
「私はほとんど動けないけど……尭深さんが暇なときはずっと居てくれるから、大丈夫」
「あの人か……それなら、安心だな」
尭深さんは親身になって私を助けてくれている
お礼を言っても、「……サポートも仕事の内ですから」とか言われそうだけど……
退院したら、まず一番にお礼を言おう
「……じゃ、私はこの辺で帰らせてもらおうかな」
「もう帰るの?」
「お前の顔も見れたしな。それに、人が来るたびに同じことを聞かれて、もううんざりだろ?」
「それは……」
違う、とは……言えない
「いいんだよ。みんなそんなものさ。私だってな」
「……でも」
「私の前でくらい、素直になれ」
「……うん」
「うむ。それじゃあな。何か困ったことがあったら、連絡してくれよ?」
「うん。……ありがとう、菫」
菫がゆっくりと私の病室を出て行く
レイヴンになったことで、周りは敵だらけになってしまうと思っていたけど……
……私の周囲の人は、とてもやさしかった
今回はここまでです!
不自然な所はフロム脳で補ってくれると助かりますです…
次回はいつになるかわかりませんが、生体兵器を予定しています
AC談議は大歓迎なので、存分に語っていってね!
ご苦労だったなレイヴン。
今後も期待しているのでこれをガレージに贈呈しておく
https://www.youtube.com/watch?v=zD8VEV86KOg
乙乙ー
みんな大好きキサラギの生体兵器!
おつ
AMIDAたんクル━━━━(゚∀゚)━━━━!!
キサラギといえばPSPで刺突出来る気がしなかったな
おつやでー
乙でした
次は地下下水道の悪夢か…、コックピット視点で悶えながらプレイしたな
おはようございます
前回の更新から一週間ですが、まだ書けていません申し訳ない…
センターが土日にあるので、もう少し待って頂けたらと…
追いついたー乙
ACやったことないけど面白いで
センター前の最後の追い込み、体に気をつけて頑張って
もうここを見てる暇はないだろけど頑張ってこい
こんばんは!
センター試験が終わりましたね
今日は眠いので無理ぽですが、明日には更新出来ると思います
二月中には完結させたい……!
お疲れ様、今はゆっくりとその体を休めることだけをお考えください
まだ入試終わってないんだからもっとゆっくりしたほうが
二次!二次!
センター利用で勝つる大学ならあるいは
自己採点が終わりました
そこには大失敗を越えた何かが広がっていました
現国は鍔と、シイゼエボオイと、フエーヤーと、スピンスピンスピンでした
古文は普通に難しいと思いました。漢文は時間が足りませんでした
英語の問題の中に書かれていた電話番号が555-456-0721(ゴーゴーゴー!シコろう[田島「チ○コ破裂するっ!」])でした
ばあさんは伝説でした
今日の8時には投下できそうです
件の写真屋さんのチラシの問題、イラストに対してこれ絶対挿入ってると主張している友人がいましたが僕にはさっぱり理解できませんでした
終わったことは仕方がないので頭切り替えていきましょー
∩___∩ /゙ミヽ、,,___,,/゙ヽ
| 丿 ヽ i ノ `ヽ'
/ ○ ○ | / `(○) (○)´i、 先生助けてっ!、
| U ( _●_) ミ 彡,U ミ(__,▼_)彡ミ >>1が息をしてないのっっ!!
彡、 |∪| ,,/ ,へ、, |∪| /゙
/ ヽ ヽノ ヾ_,,..,,,,_ / ' ヽノ `/´ ヽ
| ヽ ./ ,' 3 `ヽーっ / |
│ ヾ ヾl ⊃ ⌒_つ ソ │
│ \__`'ー-⊃⊂'''''"__,,,ノ |
こんばんは!
時間通り?に来れました
今回は、生体兵器の2本立てとなっています
>>379
イラストがどう見ても胸もんでるようにしか見えないですね。それで0721ですよ。もうね
>>380
ふっふっふ……
◇◆◇◆
—視点:アップルボーイ(誠子)—
「……はぁ」
まさかあの照さんが入院してしまうとは思わなかった。
クレストの研究所を襲撃したミラージュの部隊は、かなりの猛者だったんだろうか。
お見舞いの時に見た照さんの様子から、どうもなにか引っかかるんだけど……
「!」
自宅のPCにメールが届く。……仕事の依頼だ。クレストから?
依頼主:クレスト
作戦領域:ルグレン研究所
敵勢力:正体不明の生物
作戦目標:耐性生物の全滅
『我が社の中央研究所が正体不明の生物による襲撃を受けています。至急救援をお願いします。
我々も、この生物を駆除しようと手を尽くしたのですが非常に強い生命力をもっており、
我々の所有する兵器では満足にダメージを与えることも難しい状況です。
幸い侵入経路は封鎖し終えたので、これ以上は数を増やさないはずですが、
研究所内で活動している生物をどうにかしなければなりません。
避難を終えた研究員には、この生物の特性を解析するよう指示を出しています。
何か判明し次第、連絡します。』
「うはぁ」
クレストがボコボコになっている……
謎の部隊ときて、今度は謎の生物かぁ
この研究所は余程何かあるみたい。うーん……
「考えてもしょうがない、依頼依頼」
依頼の承諾のメールを送る。
幸い私の機体の頭部は生体センサー付きなので、生物が相手なら不覚を取ることはないだろう。
……たぶん
—ルグレン研究所:A棟—
—システム キドウ—
<<大型の熱源を感知しました!かなりの数がいるみたいですね。気をつけてください!>>
「了解です」
ゲートを潜って中に入る。すると……
「うえぇ……」
<<すばらっ!?>>
気持ち悪っ!
なんか蜘蛛のような形の生物がうじゃうじゃしている……
しかもかなり大きい。今はACに乗っているからいいものの、実際に生身で出会ってしまうとトラウマものだ。
「ちゃんとロックオンはできるね。よしよし」
生体センサー云々が心配だったけど、ちゃんとできているみたい。どれ、試しに一発……
私の持っている右腕のライフルから弾が発射される。それは目標にしっかりと向かっていき……命中した。
すると……
「うおっ!」
銃弾が命中した一匹がぞわぞわと動き始めたかと思うと、
頭らしきものをこっちに向けて、そこからパルス弾を撃ってきた。
<<どうやら攻撃性能まであるみたいですね……すばらくない>>
「まずいですよ……私の機体、エネルギー系統にはあまり強くなくて」
<<これは早めに終わらせなければいけませんね……機体的にも、視覚的にも>>
私も同感だ。こんなの見なくていいなら見たくないよ……
垂直ミサイルは、研究所の天井があるのでうまく相手にヒットしてくれない。折角積んできたのに…
使える武装はライフルとブレードだけ。結構やばいかも。
「うりゃっ!」
耐性生物は基本的に動かず、その場でもぞもぞと方向転換するだけなので、ブレードが狙いやすい。
……もらった!
「硬っ!」
左腕のブレードは耐性生物の皮(?)一枚剥ぐこともできず、振りきることが出来ない。
……やばい。一旦ブーストで距離を取ってしまおう。
ブレードが直撃したのも関わらず、その生物は動じることもなくそのままもぞもぞとこちらを向いてくる。
「まずい!」
パルス弾は喰らってしまうと致命傷になる。実弾には強い装甲なんだけど、エネルギーにはからっきしだめだ。
なんとか動きながら、ロックオンしてライフルで撃っても全く効き目がない。どうなっているの?
「キラメさん!どうにかなりませんか!?」
<<……すばらです!クレストから通信がありましたよ!>>
「ホントですか!」
<<ええ、どうやらこの生物たちは酸に極めて弱い性質のようです。
研究所内のシリンダに酸性のガスを入れ、降下させるそうですよ!>>
「つまり、そのシリンダを破壊しろと?」
<<ご名答!各部屋に二本ずつ降下させるらしいので、全て破壊してから生物に当たりましょう!>>
「了解です!」
<<すばらっ!>>
<<シリンダ、降下開始。天井のハッチを開きます。所員は各自持ち場で待機してください>>
研究所内のアナウンスとともに、天井から大きなシリンダが二本降りてくる。これを破壊すれば!
「……よし!」
天井付近の足場を利用して、パルス弾を避けながらライフルでシリンダを破壊する。
すると破壊したシリンダから、白みがかったガスが排出されて、研究所内が心なしか紫色になっていく。
ガスのせいかな?
「この調子で!」
隣にあるもう一つのシリンダもライフルで破壊してしまう。
確か、あと四本あるんだったかな?
<<すばらです!残りのシリンダは、奥の二部屋にあるようです。急ぎましょう!>>
「了解!」
生物は一旦無視して、シリンダを破壊することに専念することにしよう。
最初の部屋の生物をやりすごし、奥へ続く通路のゲートを開く。
「うわ、こんなところまで……」
奥の部屋に続く通路にも、三匹ほどの耐性生物がうごめいていた。
うぅ……さっさと終わらせよう……
ゲートを開き、二つ目の部屋に入る。
巨大な蜘蛛だかダニだかを完全に無視してシリンダのみを目指す。
「おっけー!」
<<すばら!残るは最後の部屋の二本です!>>
ジャンプからブレードで二つとも壊してしまい、さらに奥の部屋を目指す。
どこまで弱体化できるのか……
シリンダを四本壊したためか、研究所内が紫がかった靄で包まれている。
……これ、大丈夫だよね?AC溶けたりしないよね?コクピットにまで浸透しないよね?
「このガス、今まで気にしていませんでしたけど、大丈夫ですよね?」
<<まぁ多分大丈夫でしょう!あまり気にしない方がいいですよ!>>
「い、いいんですか?」
<<なんにせよ、早く済ませてしまえばいいんですよ!>>
「ですよねー」
最後の部屋のゲートを開く。シリンダ目がけてライフルを発射、そのまま破壊する。
その途中に飛んでくるパルス弾には目をつぶるしかない。
「……よし、これで!」
最後の一本をブレードで破壊、これで全てのシリンダを壊すことが出来た。
<<すばらです!これで耐性生物は脆くなったでしょう!>>
では試しに……
うごめきながら近くに寄ってくる耐性生物を、左腕のブレードで薙ぐ。すると——
「うわ!?」
<<すばらっ!?>>
ブレードはさっきと違い、生物の皮に止められることなく振りきれた。けど……
「気持ちわるっ!」
<<うえぇ……これはすばらくない>>
ブレードで斬った切断面から緑色の血らしきものが噴き出し、ACに降りかかる。
私のACの下半身が緑色に彩られ、今までより一層鮮やかに……鮮やかに……
「……ブレードはもう使いません」
<<お願いします……うぇっ>>
キラメさんもこれには相当参っているみたいだ。私は……なんとか……
ブレードを封印し、ライフルでの処理に切り替えていく。
…遠くにいれば、返り血を浴びることもないだろう。
「……うわぁ……」
シリンダを破壊する前は直撃してもびくともしなかった耐性生物は、たったライフル一発で爆発した。
緑の血と皮、そして中身を撒き散らして……
「これは……」
ビジュアルがあまりにも悪すぎる……
ブレードは論外で、ライフルしか残されてないからしょうがないけど……
(無心だ。無心になるんだ)
平常心を保っていこう。平常心、平常心……
今いる部屋の最後に残った一匹をライフルで仕留める。
爆発する瞬間は見たくないので、目をつぶってしまおう。
「……よし」
この部屋は片付いた。後は通路と、二部屋だね。
通路……だと?
(閉所じゃないか)
これは、覚悟するしかなさそうだ……
◇◆◇◆
—トレネシティ:病院—
「はぁ……」
今回の任務は散々だった。
相手は巨大なダニだし、硬いし、気持ち悪いし……
酸を浴びてしまった耐性生物はもはや私の敵ではなく、全ての個体がライフル一発で仕留めることが出来た。
そのかわり、私とキラメさんの精神がゴリゴリ削れていって……
私たち二人は、あの後全く食欲が湧かなかった。
キラメさんは見るからに顔が青ざめていたし、私も吐き気と戦っていたから……
「照さんに会って癒されよう」
そう思い、照さんが入院しているこの病院を訪れたしだい。あぁ、早く会いたい。
「……ん?」
向かい側の通路に、見覚えのある姿が見える。
ピンク色の髪、あの大きな胸……
レジーナだ。彼女も照さんのお見舞いに来たのかな?
「おーい」
「……あ、アップルボーイさん」
「偶然ですね」
「ええ、そうですね……」
——————ふむ。見るからに元気がない。何かあったんだろうか?
「何か……あったんですか?」
「はい。先ほど受けた依頼の内容が、ちょっと……」
「……どんな内容だったんです?」
「下水溝を調査しろ、という依頼だったんですが……そこにいたのが……」
「……いたのが?」
「巨大な……蜘蛛だったんです」
「あぁ……」
テッキセッキンテッキセッキン
◇◆◇◆
—視点:レジーナ(和)—
〜数時間前〜
—地下下水道:L9—
<<各所に熱源反応を感知しました。……何かいますね。気ぃつけてください>>
「こんな場所に何が……」
今、キサラギの依頼で行きたくもない下水道に向かっている。
彼らによると、管理者の制御している排出コントロール機能に異常が発生し、
下水内の水位が上昇しているらしい。
外部からの作為の形跡は見つかっていないため、他企業の陰謀とは考えにくいようだ。
キサラギは調査部隊を向かわせたみたいだけど、連絡が途絶えてしまい、何が起きているのかわからない、
とのことだ。
……最近多いわね。管理者の異常。
<<そろそろ作戦領域に到達します。ほな、気合い入れて行きましょう!>>
「りょーかい」
下水特有の嫌な臭いがつたわってくる。おまけにじめじめしてきたし……うえぇ
もうお風呂に入りたい……
<<作戦領域に到達!……って!?>>
「……え?」
下水道に来た私たちを迎えてくれたのは……
—戦闘システム 起動—
「————————ちょっと!何よこれ!!」
<<これはこれは……こないなもんまで居るんやなぁ>>
「感心してる場合じゃないでしょ!……うわっ気持ちわるっ!」
私たちを迎えてくれたのは巨大な……蜘蛛だった。
私の知ってる蜘蛛じゃない……こんなに大きくないわよ蜘蛛って……
「うわぁカサカサ動いてるー!壁に張り付いてるー!!」
<<……!熱源を多数感知!かなりの数ですねぇ>>
「さっさと倒して帰りましょ!」
うごめいている蜘蛛を無視して、奥に進んでいく。……ゲートが閉まってる!?
<<管制パネルが汚水でショートしていて操作できませんね。水位の調節を先にする必要があるみたいですわ>>
「こっちが行き止まりってことは反対側ね?」
<<そういうことです。急ぎましょ!>>
ゲートのスイッチを押しても反応がないので、仕方なく反対側に向かうことにする。
下水道を進んでいくたびに、巨大蜘蛛が天井やら地面から湧いて出てくる。
もう嫌よ私……
「……!こいつ、レーザー撃ってくるの!?」
壁に張り付いている蜘蛛が、私に向かってレーザーを頭部から撃ってくる。
どうなってるの!?こいつら兵器!?
<<……さしずめ、生体兵器ってところですわ。誰が造ったのやら>>
……そういうの一番造りそうなのって、キサラギじゃないのかしら?
むむむ、なんだか怪しいわね……
下水道を進んでいくとまたしても壁に突き当たり、左に道が続いている。
<<恐らく、この奥に水位の調節をするパネルがあるはずです>>
「了解」
左に進んでいくと、巨大な蜘蛛の後ろに白く光っているパネルが見える。
きっとあれね。さっさと操作しましょう。
「あーもう、邪魔!」
目の前の蜘蛛が鬱陶しかったので、ブレードで一閃してしまう。
ぶしゃあ!
ブレードはそのまま蜘蛛にクリーンヒットし、蜘蛛は緑色の体液と長い足、そして中身を撒き散らして爆散した。
蜘蛛の返り血とも言える体液をレジーナのAC、エキドナが一身に浴びる。
「うええぇぇぇ……」
<<流石の私もこれは堪えますわ……>>
さっきまで余裕があったヒロコさんも、これには耐えられないみたい。
うぅ……早く帰りたいわ……
泣き言ばかり言っていられない。
壁に張り付いている蜘蛛を無視して、奥の発光しているスイッチをACで操作する。
「OK!これで!」
<<システムを起動しました。汚水の流入量を調整します>>
アナウンスが流れると同時に、蜘蛛が湧いてきていた汚水流入口が閉まっていく。
汚水量も目に見えて減っていき、さっきより動きやすくなっただろう。
しかも蜘蛛の増援を断ち切ることもできたし、かなり順調に進んでいる。
<<これで、管制パネルが操作できるようになったはずです>>
「あとはあの奥、ってことね、了解」
残ってる蜘蛛をバラバラに引き裂いて、さっさと済ませちゃいましょう!
来た道を引き返し、管制パネルを目指して進んでいく。
通路の巨大な蜘蛛は、幸い肩のトリプルロケットを直撃させればすぐに倒すことが出来た。
(本当はOBで一気に突っ切りたいところだけど、私のACはEOコアなのよねー…)
EOも便利ではあるんだけど……今の状況はOBの超スピードが恋しいわ。
壁の蜘蛛をロケットで落としながらそんなことを考える。
<<ありました、管制パネルです!……ふむ、どうやらちゃんと動かせるみたいですね>>
考えているうちにたどり着いていたみたい。
「これで、奥に進めるわね……」
<<気ぃつけてください、きっとまだ何か居てはりますよ>>
「これ以上、一体何がいる—————
<<基幹部へのロックを解除しました>>
——————って……」
<<こ、これは……!?>>
それは、私たちがさっきまで見てきた蜘蛛の何倍もの大きさのある、さらに巨大な蜘蛛だった。
「あーもー何よアレ!?あれも倒せって言うの!?」
<<恐らくあれが、この蜘蛛達の親のような存在なんでしょう。あれを倒さん限り、蜘蛛は湧き続ける>>
「マザースパイダーってとこかしら?」
<<ですね>>
ですね、じゃないわよもう……
マザースパイダー(以下マザー)は他の蜘蛛の4、5倍はある。かなりの大きさね。
こんなになるまで誰も気がつかなかったのかしら……
見た目は小さい方の蜘蛛と大差ないが、胴体は思ったより長く、牙らしきものが生えている。
「とにかく撃て……よ!」
確かに気持ち悪いけど、そんなこと言っていられない!
右腕のグレネードを天井に張り付いているマザーに撃ちこむ。
……ヒットしたはずなのに、全然効いているような気配はない。
「……あれー?」
<<あのでかいの、相当タフですね。長期戦になりそうです>>
「もう、勘弁してよー……」
今のグレネードでこちらに気付いたのか、マザーがこちらに振り向いてくる。
……なんか口らしきところで光が溜まっていくんですけど
「ちょちょちょっ……!?」
マザーの口から光が発射されたと思った瞬間、機体を左にずらしてその向かってくる光を避ける。
発射された光は、私がさっき立っていた場所にぶつかると爆発した。
<<まさにパワーアップ版と言ったところですね。今のはプラズマみたいです>>
「当たんなかったらいいのよ!」
避ければどうということはない。そう、避ければ……
「……連射してきたぁ!?」
単発だけだと安心していたら、次から次へとプラズマが襲いかかってくる。
「エネルギーが……!」
プラズマの発射間隔はかなり短いけど、ブースターをふかして左右に動けばよけることができる。
でも、こんなに連射されたんじゃエネルギーが枯渇しちゃう……!
……一発ぐらいは、覚悟しておいた方がよさそうね。
「ぐっ……!」
<<大丈夫ですか!?>>
「痺れ……た!」
ACのエネルギーが切れかかり、ブースターを停止させたところにプラズマが直撃する。
かなり痺れたけど……装甲に支障はないみたいだし、システムもエラーしていない!
「っ……やったわねぇ!」
お返しと言わんばかりに、グレネードとロケットを浴びせてやる。
トリプルロケットはその性質上、小さい的には当たらないけど、
何も考えなくても上に発射するだけで全弾ヒットするから、このマザー相手だとかなり有利ね。
<<そん調子です。マザーの装甲が剥がれてきましたよ>>
「OK!……って、あれ」
マザーの口に、さっきのプラズマではない光が溜まっていくのが見える。
なにやら、バチバチという音が聞こえてくる。……電撃?
<<マザーから電気エネルギーを察知!?来ます!>>
マザーの口から青白い電撃が放たれる。……速い!
弾速も連射速度も、さっきのプラズマの比じゃない。
(でも、このぐらいなら……!)
相手は予測射撃が出来ないらしく、一方向にブーストダッシュしていれば当たらない。
円を描くように天井のマザーの周りを上を向きながらぐるぐると回る。
こうすれば、避けながらロケットやグレネードを当てることが出来る。
よし、順調!
「って、まずっ……!」
レーザーを撃ってきた側面の壁に張り付いている小型の蜘蛛に気を取られて、一瞬反応が遅れてしまう。
その隙をマザーは逃してはくれない。一瞬止まったエキドナ目がけて、電撃を放ってきた。
「きっ…つ……!!」
直撃した…!
連続で喰らい続けるとまずい……!
<<どうやら、近くに寄ると電撃を放ってくるみたいです!距離を取ってください!>>
「くうっ……!」
ブーストジャンプで一気に部屋の入口まで後退する。
その時、離脱しながらも肩のロケットでダメージを蓄積させていく。
……相手の装甲が剥がれてきた!こっちも相当酷くやられたけど、負けていられない。
マザーを見ると、距離を取ったためか再びプラズマを口に溜めているところのようだ。
さっきの電撃に比べたら、プラズマの方がよっぽど脅威にはならない。
<<プラズマ、来ます!>>
マザーの口がこちらを向いて私を捉える。
でも、ただ喰らうだけじゃない。私にも策がある!
「……そこぉ!」
向かってくるプラズマを紙一重で避け、カウンター気味にグレネードをマザーの口めがけて撃つ。
放ったグレネードはマザーの口元に見事命中、爆発した。
……これでもう攻撃はできないわね!
「蜂の巣にしてあげるわ!」
これまでの恨みを晴らすかの如く、グレネード、ロケット、そしてEOを起動させて一気に畳みかける。
身体が大きく避けようがないマザーは、されるがままに猛攻を一身に受け緑の血を撒き散らして沈黙。
天井からぼとりと墜ち、そのまま動かなくなった。
側面の壁に張り付いていた小型の蜘蛛達は、気付いた時にはもう居なくなっていた。
……親が死んで逃げたのかもしれない。
<<目標の全滅を確認。……まさか、あないなもん居るとは。一体どうなっとるんやら>>
「おつかれさま。……とにかく今は帰りましょう。一刻も早くここから出たいわ」
今日は、災難ね……
—作戦終了 戦闘システム 解除—
◇◆◇◆
—トレネシティ:病院—
「お互い、大変でしたね……」
「アップルボーイさんも、何かあったんですか?」
「はい、レジーナの敵が巨大な蜘蛛なら、私の敵は……巨大なダニですかね」
「だ、ダニ、ですか……」
「はは、流石にボス的な存在は居ませんでしたよ。
後から聞いたんですが、装甲がACの約3倍ほど強度があったとか……」
「それはまた、随分厄介ですね」
「まぁ、酸性のガスに弱かったらしく、研究所内をガスで満たすと後は簡単でした。
……ACは返り血でびしゃびしゃでしたけど」
「あなたも、ですか……」
「ということは、レジーナも?」
「ブレードを使ったのが間違いでした……」
「「はぁ……」」
「……こ、こんなときは照さんと尭深さんで和みましょう!その為に来たんですし!」
「そんなこと私は思っていません!……まぁ、半分くらいは、ですけど……」
「ほら、行きましょうよ!きっと待ってますよ」
「て、手を引っぱらないでください!もう……」
今回はここまでです
照さんが入院してるので、この二人に行ってもらいました
久しぶりに書いたのでちょっとおかしなところがあるかもしれません
次回はなるべく早く完成させたいですが、ちょっと難しいかも?
二次は受けます。一応。一応……
乙でした
乙ー
乙乙ー
見た目のインパクト的な意味であの巨大蜘蛛は初見がヤバイ
乙ー
個人的には>>271の番外編が気になりますです
試験も投下も乙でしたあ
乙
OBって書いてあるだけで数学IA思い出す…
ODだけど
浪人するかランク下げるかどうしようかね
みんなのアイドルは下水道のステージがやたら苦労した思い出
2をクリアしてから一気にaaと3をクリアし今4やってるけど別ゲー過ぎて頭が混乱してる…操作性云々もあるけど作品毎に企業が変わるから設定を把握するのがキツイ
ゆっくりじっくりやるべきだと思った(小並感)
4はミッション終了後のフィオナのねぎらいに癒されながらじっくりやればいいよ
そしてMARCHE AU SUPPLICEのHARDをやろう(ゲス顔
こんにちは!箱○とAC4とACFAを買ってきました。実はやったことありませんでした
むずい(確信)旧操作で慣れてしまったのか>>406さんと同じく別ゲー感が半端ないです
次回は番外編が気になるということで番外編をさせていただきます
今日中に書けるかはわかりませんが、なるべく早めに投下しまする
おー待ってます
あの…�は…
箱○ならcoopは任せろー(バリバリ
4以降は爽快感とともに凄い別物感あるよねw
面白いからいいけど
箱○の状況は知らなけど、オンライン対戦は慣れないうちは絶対にやるなよ!
PS2のACで言うとイレギュラーとかドミナントばっかりだあそこは
箱なんてロボゲのスレで呼びかけてやっと集まるかどうかレベル
基本身内でやるものだな…制限レギュとかでアセン組んで遊んでる
x-box liveっていうのがよくわかんなくてレギュがダウンロードできないお……
下位チーム
「みんな何ACでいくー?」
「秘密ww」
「おれパイルだわ まあ俺パイラーだしな まあな いやいやすごくねえって!ww」
「四脚」
「ってかここ何マップ?」
「わからんww」
中位チーム
「よろしくー」
「鉱山は待ってればまず負けないからまってようね」
「はい」
「ヘリ特攻とかくるかな?
「うん。CEロケットもってこうねー」
上位チーム
「重カラサワカラサワイザナミイザナミアラキデアラキデ 」
「重逆バトバト範サブオックスオックスタンクアンチ」
「中カラサワカラサワアマテラスオックスオックス」
「ネズミKEオート速スト速ストタンク肩指定ヨロ」
「VTF」 「VTF」 「範サブ」
「VTFケー」
「ケー」
「レディー」
「ケー」
上位チームちょっと何言ってんのか解らないです
日本語でおk
ノーマルには理解不能やで
それにしても4のオペさんあざといな…きゅふふ
>>415
箱がネットと繋がってるなら勝手にレギュ入ると思うけど…
>>420
マジですか?
なんか冊子にはゴールド一ヶ月無料とか書いてあるのにゴールドになってないっぽいし
アップデートしたせいなんだろうか……
>>416
さっぱり分からんがワロタ
つーか勉強しなくていいのか受験生
>>423
あははうふふ
番外編は早くて20時間後になりそうです
期待
ラストレイブンやって待ってよう
>>415
BIGーBOXLIVEに見えた
>>426
おるか☆旅団ビッグボックスライブ・ショー
めるつぇる「団員(ファンのこと)のみんなー!ビッグボックスへようこそー!歓迎しよう、盛大にな!」
ヴぁおー「ハッハー!まだまだいけるぜ、メルツェール!」
こんなんですか
こんばんは!なんとか書けました
……が、キャラがぶれぶれでもう駄目、な状態です
とりあえず番外編第二回です!
マホ「マホのー!わかりやすいかもしれないー!なぜなにAC3!」
マホ「みなさんとってもお久しぶり!夢乃マホです!今回は、番外編第二回をお送りします」
マホ「早速いきましょう!今日は、『そもそもACってなんだよ?』です!コレなんで第一回でやらなかったんでしょう?」
マホ「……ま、まぁ気にしたら負けです!とにかく解説していきますです!」
マホ「今回ここで紹介する『AC』は、ゲーム名のACではなく、
そのゲーム内に出てくる汎用機動兵器『AC(アーマードコア)』についてです」
マホ「アーマードコア。元々MT(マッスルトレーサー)という組み換え不能の作業用、
または戦闘用のメカを兵器として発展させた超強いロボットのことをそう呼びます」
マホ「核となるコアパーツを中心に、様々な武装を組み換えることが出来、非常に高い汎用性を持った兵器です。
基本的にどのシリーズでも最強の存在となっています」
マホ「『AC3』におけるアーマードコアは、14種類のパーツに加え、
オプショナルパーツというオプションを付けることができます」
マホ「パーツの一覧はこちら!本編の方でも何度か出てきていますね」
HEAD:頭部
CORE:胴体
ARMS:腕部
LEGS:脚部
BOOSTER:ブースタ
FCS:火器管制
INSIDE:インサイド
EXTENSION:エクステンション
GENERATOR:ジェネレータ
RADIATOR:ラジエータ
BACKUNIT R:右肩武装
BACKUNIT L:左肩武装
ARMUNIT R:右腕部武装
ARMUNIT L:左腕部武装
OPTIONALPARTS:拡張パーツ
マホ「では、上から順に説明していきます!」
キター
マホ「『HEAD』はその名の通り頭部パーツのことです。
外部の情報を分析する機能があり、また機体の安定性も司っています。
メインカメラや、パーツによってはレーダー、生体センサー、マッピング機能が付加されているのもあります!」
マホ「レーダー等の機能を削ぐ代わりに装甲が分厚いもの、逆に装甲が薄い代わりにたくさんの追加機能があるもの、
頭部だけでもかなりの選択肢がありますね。ビジュアル重視で選んでみてもいいかもです!」
マホ「次の『CORE』はアーマードコアの核となる胴体部分のことです!
OB(オーバードブースト)タイプとEO(イクシードオービット)タイプの二つの機能が搭載されています。
オプショナルパーツはここに取りつけるもので、COREごとに搭載できる数が限定されています!」
マホ「中量級、重量級、軽量級のCOREがあって、
飛び回って敵を素早く倒したいときは軽量級のCOREを
どれにしようか迷った時は中量級のCOREを
どっしりと構えて敵を迎え撃ちたいときは重量級のCOREを使うといいと思います!」
マホ「OBタイプは機動力に優れ、かく乱攻撃をしたり、長距離を短時間で移動できるのが強みです!
対してEOタイプは、エネルギー弾や実弾をオートで敵に向かって撃ってくれる攻撃的なCOREです!」
マホ「また、OBタイプのCOREにはミサイルの自動迎撃機能があるのに対し、EOタイプのCOREにはそれがありません」
マホ「さらにCOREには積載量の上限があり、例えば軽量タイプに重量級の腕部、さらにグレネードや火炎放射器といった
重量のあるものを装備すると、腕部重量過多になり動けなくなるはず……なんですが、ぶっちゃけ変わらないです」
マホ「基本的にCOREの積載量は気にしなくていい……と思います」
マホ「あまり細かいことは考えず、自分の戦い方に合ったタイプを選ぶことで充実した地下生活が認可されます!」
マホ「『ARMS』はCOREに取りつける腕部のことで、こちらも中量、重量、軽量タイプがあります」
マホ「さらになんと!ARMSには武器腕という、腕自体が武器になっているパーツがあるんです!」
マホ「腕に武器を持てないかわりに、攻撃力の高い武装が大半を占めています」
マホ「ただ、腕がそのまま武器になっているので装甲が無いに等しく、玄人向けの装備となっています」
マホ「『LEGS』は外装の中でも最も重要と言えるパーツ、脚部です!」
マホ「COREやARMSと同じく、中量、重量、軽量タイプがある他、
逆関節、四脚、タンク、フロートといった特殊な脚部が存在します!」
マホ「中量はこれといった特徴が無く、使いやすい脚部です。迷ったらこれ!」
マホ「重量はその名の通り重いので装甲が厚く、最大積載量や安定性も高いのが特徴です。
ある程度の機動力は欲しい、でも武装もたくさん欲しい、そんな時に使うといいかもです!」
マホ「軽量は、軽い故に装甲は薄いし安定性も低いですが、代わりに凄まじいスピードで動くことが出来ます!」
マホ「逆関節は、鳥の足に似た形状の、エネルギー消費が少ないとっても省エネな脚部です!
また旋回性能も高く、装甲も薄いものから厚いものまでそろっています」
マホ「四脚は足が四本生えており、構え武器という二脚タイプは足を止めて撃たなければいけない武器を
構えることなく撃つことができる脚部です!ただし、空中では撃てないので注意が必要です」
マホ「また、四脚はエネルギー消費量が極端に高く、燃費の悪いところが弱点です。
さらに装甲も厚いと言えるものでもなく、最大積載量も低く使いにくい、といったマニア向けの脚部です」
マホ「タンクはキャタピラ型とホバー型があり、前者は機動力を犠牲に火力を、
後者は火力を犠牲に機動力を確保しています。
ありったけの火力を積んで、じわじわと近づき敵をバッタバッタとなぎ倒すキャタピラ型、
四脚とキャタピラの中間の位置のホバー型」
マホ「タンクは初心者さんにもってこいの素晴らしい脚部です!
初期機体の脚部よりも安く、何と言っても死なない!死ににくい!」
マホ「ジャンプすることができませんが、ブースタは脚部に内蔵されているので安心です」
マホ「どうしてもあいつが倒せない!このミッションがクリアできない!そんな時に頼りになる脚部です!」
マホ「フロートは、タンクと同じくブースタが内蔵されている為つける必要がありません!」
マホ「他の脚部と一番異なる点は、地表に浮く、というところです!」
マホ「フロートを除く他の脚部は、水上では無力になり、水没してしまうのですが……
なんとフロートは水の上に浮くことが出来るのです!」
マホ「浮いているため旋回能力が高く、また内蔵されているブースタの出力も高いのでかなり速く動けます!」
マホ「ただし、構え武器は足を地面に着けて構えなければ撃てないので、水上で構えると水没してしまうので注意です!」
マホ「脚部は多いので、簡単にまとめてみました!」
中量二脚:特徴が無いのが特徴。無難。すべてがそこそこ
重量二脚:遅い。安定性が高く装甲も厚い。ブースタの出力を上げることで機動力をある程度確保できる。割と載る
軽量二脚:速い。安定性が低く装甲も薄い。ほとんど載らない。スピードを生かして立ち回ろう
逆関節:省エネ。安定性が中量二脚よりも軒並み高い。中、重、軽量がある。旋回が高い。装甲は薄め
四脚:燃費が悪い。立ち回りが難しい。構え武器を地上に限り構えず撃つことが出来る。装甲は薄く、武装をあまり積めない
タンク:超堅い。遅い。ブースタ内蔵。構え武器を構えず地上でも空中でも撃てる。動く要塞。圧倒的安定性。超載る
フロート:浮いてる。速い。ブースタ内蔵。構え武器は普通に構えて撃つ。装甲は薄め。安定性は普通。旋回高め。あまり載らない
※旋回性能とは、機体が振り向く速度。性能が高いほど速く振り向くことが出来る。高いに越したことはない
マホ「これまで解説してきた『HEAD』『CORE』『ARMS』『LEGS』は、所謂『外装』です!
機体の挙動やビジュアルはこの四つが主に司っています」
マホ「次から解説するのは『内装』となっています!……一つほど違うものがありますが」
マホ「では、いってみましょう!」
マホ「次は『BOOSTER』!タンク、フロート以外の脚部をつけている場合に必須となるパーツです!」
マホ「このパーツが、ブーストダッシュや飛行を可能にしています!
エネルギーを消費することでそれを行うことができます」
マホ「パーツごとに出せるエネルギー出力の上限があり、出力が高いほど速い速度で移動することが出来ます!」
マホ「BOOSTERを起動しているときに消費するエネルギーはパーツごとに違い、出力が高くなるにつれ消費も激しくなります」
マホ「基本的に、出力の高いBOOSTERを選んでいれば問題ありませんです!」
マホ「因みに初期機体のBOOSTERは産廃なんてレベルじゃないです。すぐに買い換えることをおすすめします!」
マホ「次は『FCS』です!火器管制、と言うとなんか難しいですが、ようはターゲットサイトです!」
マホ「ターゲットサイトの大きさ、二次ロックまでの時間、ロックオンできる距離、ミサイルの最大ロック可能数、
ミサイルのロックオンまでの時間、予測射撃の精度などがパーツによって違います!」
マホ「説明がややこしいので、簡単にまとめてみました!」
※サイトタイプ:備考
NORMAL:標準。広くもなければ狭くもない。ロックオン可能距離もそこそこ
WIDE&SHALLOW:広くて浅い。サイトが大きい代わりにロックオン可能距離が近い。ハンドガン等
NARROW&DEEP:狭くて深い。サイトが狭い代わりにロックオン可能距離が遠い。スナイパーライフル等
LENGTHWAY:縦長。サイトの形が縦長になっている。ロックオン可能距離はNORMALと同じくらい
SIDEWAY:横長。サイトの形が横長になっている。ロックオン可能距離はNORMALと同じくらい
マホ「詳しいことはまた今度、ということにさせてください……このパーツは、マホの手に負えません……」
マホ「気を取り直して今度は『INSIDE』!
腕部パーツの中に搭載することができる武装で、武器腕でも問題なく装備することが出来ます!」
マホ「パーツの特徴は、ミサイルを誘導してくれるデコイ、相手のロックオンを妨害するECM、
ダミーといった相手の邪魔をする武器や、ナパームロケット、爆雷、機雷、地雷といった
一風変わった武装が多いことです!」
マホ「インサイドミサイルなんてものはありません」
マホ「続いて『EXTENSION』!このパーツは腕の側面、肩のあたりに取りつける補助パーツとなっています!」
マホ「急速旋回、後退、空中待機を可能にする補助ブースタや、追加装甲、連動ミサイルなどの戦術が膨らむ
パーツが数多くあります!」
マホ「タンク等の旋回が遅い脚部の時に、急速旋回ブースタを付けることで弱点を補ったりと、
便利なパーツが多いのが特徴です」
マホ「次は『GENERATOR』です!機体のエネルギーを生み出すパーツですね」
マホ「基本的にエネルギー出力が高いものほど良いとされています」
マホ「BOOSTERやエネルギー兵器を使用する時にとても重要になるパーツです!」
マホ「実はすべてのパーツにはそれぞれエネルギー消費量が決まっていて、
その数値の合計がGENERATORの出力を上回った場合は出力不足となり、うまく動くことができません!」
マホ「初期機体のGENERATORもBOOSTERと同じく産廃で、全くお話になりません。
この二つを換えるだけで、びっくりするぐらい動かしやすくなります!」
マホ「お次は『RADIATOR』!機体を冷却する装置です」
マホ「敵から攻撃を受けた時、OB、EOを使用した時、特定の武器を使用した時に機体の温度が上昇します。
そんな時に機体を冷却してくれるのがこのRADIATORです!」
マホ「RADIATORには通常の冷却性能の他に、緊急冷却機能というものがあります」
マホ「後者は機体が熱暴走を起こした時の冷却性能……だと思います、多分」
マホ「対AC戦の時は、緊急冷却性能が高いものを選ぶといいかもです!」
マホ「以上で、『内装(一部外装)』の説明を終わります!
次からは、いよいよ主な武装の説明ですね!」
マホ「……ふう、ちょっとつかれました……」
マホ「……ぅん?あの人は……」
やえ「随分お疲れのようだな」
マホ「あ、あなたは小走やえさん!!」
やえ「ふむ、見たところACの説明をしているのか」
マホ「はい、今ラジエータまで解説が終わって……ちょっと疲れ気味です」
やえ「……よし、なら後は私に任せろ」
マホ「い、いいんですか!?」
やえ「それだけ疲弊しているのに、黙って見過ごせないさ。私もACの知識はあるからな」
マホ「で、ではお願いしますです……」
やえ「うむ、ゆっくり休んでいてくれ」
やえ「さて、次は……『BACKUNIT R』だな」
やえ「『BACKUNIT』は右と左、共通のパーツを用いるため、『BACKUNIT L』もまとめて解説しよう」
やえ「さて、BACKUNITとは言葉通り、肩(というか背中)に装備する武装のことだ」
やえ「ミサイルやロケットといった高火力の兵装や、チェインガン、スラッグガン、グレネードなどの構え武器」
やえ「頭部より高性能なレーダー、さらには両肩武器もあり、非常に選択肢が多いな」
やえ「レーダー以外の武装は比較的重く、軽量の機体には装備しにくいだろう」
やえ「対して、タンクや重量二脚の機体にはかなりの武装を積むことができる」
やえ「タンクにはグレネードやチェインガンが、重量二脚には多彩なミサイルや大型ロケットを載せると捗るだろう」
やえ「さぁ、次は『ARMUNIT R』だな」
やえ「ライフルやハンドガン、マシンガンにショットガン。射撃系の武器がこちらにかたまっているな」
やえ「まぁ、例外として右腕用のブレードと言う名のパイルバンカーはあるが……」
やえ「『ARMUNIT L』にはレーザーブレード、エネルギーシールドといった近接武器が主だ」
やえ「こちらにも例外はあり、左腕用の銃器である投擲銃、そして火炎放射器が存在する」
やえ「ちなみに右腕のパイルバンカーと左腕の投擲銃、火炎放射器の開発は全て同じ企業の仕業だ。変態だな」
やえ「最後に『OPTIONAL PARTS』。COREに取りつけることで旋回性能が高くなったり、ロックオン時間が短縮されたり、
ロックオンサイトが広がったり、単純に装甲が分厚くなったり……どういう原理かはよくわからん」
やえ「付けておいて損はないパーツだな。
実弾防御、エネルギー防御を上げるパーツや、安定性を高めるパーツなんかは必須だろう」
やえ「さて、これで全て説明が終わったな。おい、終わったぞ!」
マホ「……あ、終わりましたか?」
やえ「……やけにくつろいでいるな」
マホ「す、すみません!」
やえ「ふっ、まぁいいさ。じゃ、簡単におさらいしておくか」
マホ「はい!」
HEAD:頭部パーツ。センサーとかレーダーとか
CORE:胴体パーツ。OBとEOの二種類がある。OPTIONAL PARTSを搭載する場所
ARMS:腕部パーツ。普通の腕と武器腕の二種類がある。武器腕は装甲が皆無
LEGS:脚部パーツ。通常の二脚タイプに加え、逆関節、四脚、タンク、フロートの5種類がある。機体の挙動に一番影響する
BOOSTER:ブースタ。エネルギーを消費して、ジャンプ、ダッシュを行うパーツ
FCS:ターゲットサイト。その他にも機能があるが、ややこしいため省略
INSIDE:腕部パーツの中に搭載できるパーツ。相手を妨害する武装や、特殊な武器が多い
EXTENSION:腕部パーツの外に取りつけることができるパーツ。補助ブースタや連動ミサイルがある
GENERATOR:ジェネレータ。エネルギーを生み出すパーツ。出力が大きいほど良い
RADIATOR:ラジエータ。敵から攻撃をもらう時などに熱が発生し、その発生した熱を冷やしてくれるパーツ
BACKUNIT:肩に背負うパーツ。ミサイルやロケット、グレネードといった高火力の武装が豊富。レーダーもある
ARMUNIT R:右腕に装備するパーツ。射撃系の武装がほとんどで、たくさんの種類がある。パイルバンカーは漢のロマン
ARMUNIT L:左腕に装備するパーツ。近接系の武装が主だが、中には左腕用の銃器もあり、さらにはシールドも存在する
OPTIONAL PARTS:拡張パーツ。様々な恩恵を受けることが出来る。搭載できる数はCOREに依存する
やえ「……こんなところか」
マホ「や、やっと全部説明できました……」
◇◆◇◆
マホ「マホのわかりやすいかもしれない、なぜなにAC3!第二回をお送りしました!」
マホ「ちょっと駆け足気味になってしまいましたが、いかがでしたでしょうかー!」
マホ「よくわからなかった、という方は……すみません、説明力不足です……」
マホ「今回は通りすがりのやえさんに手伝っていただきました。ありがとうございましたー!」
やえ「うむ。おつかれさま」
マホ「次回のこのコーナーは……わかりません。何か番外編でやってほしいことがあれば何でも言ってください!」
やえ「いいのか?それで」
マホ「はい!」
やえ「はい!って……」
マホ「今回の説明の中で、もうちょっと詳しく教えてほしい場所や、いまいちわからなったという点があれば
どんどん言ってください!」
マホ「それでは、おつかれさまでした!また次回、お会いしましょう!」
やえ「さようならー」
番外編第二回はこれで終了です
本編の投下一回分の四倍ほど時間がかかりました
よくわっかんねーよクソが、とか
キャラが誰テメなんだけど、とか
その通りですごめんなさい
よくわかんない部分があったら、きっと親切な人が教えてくれるよ!よ!
おつ
>マホ「あまり細かいことは考えず、自分の戦い方に合ったタイプを選ぶことで充実した地下生活が認可されます!」
おいィ?
乙ー
>>441
�と違って好き勝手にアセンしてもストーリークリアできるじゃんか!
ブロントネタに対しての返しなのです
乙
ACやったことない自分には非常にありがたい
アリーナの上位陣に軽量二脚で勝てないから狭いステージ選んでタンクにシールド積んでグレのゴリ押し
すまぬ…すまぬ…
乙。
懐かしいな。
3系だとマシンガン内蔵型腕部が超強力だったな。ACバスターなんて呼ばれていた。
弱者救済のチート装備がさらっと入っているのがフロムクオリティ。上級者には当然忌み嫌われたけどね。
乙
マシンガンW鳥とかもう浪漫と実益が溢れて仕方なかった
ミッションで使うと中々お金掛かるけどアリーナなら大抵瞬殺だから便利だったな
3系武器腕マシは二次ロックしなくて産廃じゃなかったか
そしてdisられる四脚
無印時代は地上を高速で這い回る優秀な脚だったのに
マシンガンは事実上、全部2次ロックしない。ロック速度を連射速度が上回るため。
2次ロックはバースト以外のライフル系に主に関係する。
…しかしテン・コマンドメンツに泣かされたのは良い思い出。
>>450
サイプレスか…壁だよね…
>>450
なんかいろいろごっちゃにしてない?
ロック速度っていうの自体、3系じゃミサイルのロックオン時間じゃなかったっけ?
マシンガンの精度で思い当たるのは4系のアスピナマシとかの連射速度と反動に腕の性能が追いつかないことぐらいしかないけど……
二日ぶりにこんばんは!ネ実ネタはちょくちょく……
本編なんですが、かなり難航しています
もうちょっとお待ちいただけたらと……
※忘れてた補足
二次ロックとは予測射撃のことで、FCSごとに二次ロックができるまでの時間が違います。
ちなみに初代シリーズ(PSシリーズ)のみ他とは違い、二次ロックがありません。
その代わり補正と言うものがあり、これが高いと二次ロックと同じようなことをしてくれます。
また、補正が低く、動いている敵に当てにくい武器を軸武器と言います。(超強いレーザーライフルとか)
※補足
3シリーズの武器腕マシンガンは何故か二次ロックをしてくれなくて、接近しないと当たりません。
気をつけよう!あと四脚愛好家の方はごめんなさい!
舞ってる
ピーピーピーボボボボ
テッキセッキンテッキセッキン
こんばんは
今書いている途中なのですが、ぽーっとするなぁと思って熱測ったらありました
まぁそんなに高いわけでもないんですが、喉は痛いし吐き気も若干あるので、また遅れそうです……
おう
熱暴走には気をつけてな
つ[EX緊急ラジエーター]
◇◆◇◆
〜3週間後〜
—トレネシティ:病院—
「……お世話になりました」
「お大事にーぃ」
意識が戻ってから約三週間。最近の医学はかなり進んでいるのか、かなり早く退院することが出来た。
ちなみに見送りはよくお世話になった看護婦さん一人、付き添いはゼロだ。
……さ、さみしくなんかないし。本当だし。
「ごめんなぁ。見送りがウチ一人だけで」
「いえ、そんなことは……」
心を読まれてしまった。そんなに顔に出てたのかな?
「まぁ、また怪我したら、遠慮なく来なさいよーぅ」
「……その時はまた、よろしくお願いします」
「ウチ的にはあんまりうれしくないんやけど、仕事上仕方ないやろうしなぁ……」
「はい……」
「……ま、今ははよお友達に元気な顔を見せるのが一番ですよ—ぅ」
「……ありがとうございました」
看護婦さんに一礼して、病院を後にする。
……あれ?
私の仕事について話したっけ?尭深さんは、事故ということにしたと言ってたはずなんだけど……
「あの人が……なぁ。そんな風には全然見えへんのやけど……」
—トレネシティ:自宅—
「……ただいま」
久しぶりの我が家。みんなにすぐ顔を見せて安心させたかったけど、まずは家に帰りたかった。
「んー……」
背伸びをして体をほぐす。ずっとベッドに横になったままだったから、身体がパキパキ鳴っている。
……なんだかんだで病院ではリラックス出来なかったから、こう、何かが溜まっていた。
「……ん」
そうだ、お風呂に入ろう。
なんとなく、退院したそのままみんなに会うのは嫌だ。
「……よし」
そうと決まれば話は早い。お湯を張って入るとしよう。
他人に気を使わずくつろぐのは本当に久しぶりだ。今は、ゆっくりしよう……
◇◆◇◆
「……ふう」
……いい湯だった。思わず有名な歌を口ずさんでしまうほどだ。ふふんふふんふんふ〜ん
「……あれ」
髪を乾かしながら時計と確認すると、もう昼前になっていた。
そんなにくつろいだつもりはなかったんだけど……思った以上に疲れがたまっていたみたいだ。
……ふむ
「コーテックスに行けば尭深さん居るかな?」
実は病院でお迎えが居なかったのは、元々みんなに何時退院する、ということを秘密にしていたからだ。
ちょっとした悪戯心。入院中は何かとびっくりさせられっぱなしだったし……
「……ふふふ」
驚いてくれるといいなぁ。
びっくりする尭深さんを見るのは初めてだし。楽しみだ。
「服は……これでいいか」
タンスの中に閉まってある、よく着なれた服を身に纏う。
ご飯は……いいや。コーテックスで尭深さんと食べよう。
会えたら、だけど。
「……いってきます」
びっくりさせてやるぞー
—コーテックス:本部—
「……」
コーテックスだ。何故か、随分と懐かしく感じる。三週間しか離れていなかったはずなんだけど……
とりあえず、中に入ろうか……
「……あ!」
あ。
「シャイン!!」
「ちょっ……」
ちょうどコーテックス本部に入ったところで、向こうから書類を持って向かってくる尭深さんと目がばっちり合った。
……と思ったら、次の瞬間には抱きつかれていた。
「あの、ちょっと、人前で……っ!」
「……おかえりなさい」
……!
「……ただいま、です」
そう言って、私より少し低い位置にある尭深さんの頭を撫でる。
本部エントランスのど真ん中だから、いろいろとまずいけど。
「……っ!……ひっ……!」
「……」
泣かれちゃ、しょうがない。
—コーテックス:カフェ—
「先ほどは、すみませんでした……」
「いえ、大丈夫です」
顔を真っ赤にして俯く尭深さん。
あの時居た人達からすごく見られたけど……
「注目されちゃいけないのに……」
「いえいえ、いいんですよ。気にしてません」
何より、柔らかかったし。
「……でもシャイン、連絡を入れなかったあなたも悪いんですよ?」
「う、それは……すみません」
そこを言われるとつらい。かわいい悪戯程度だと思ってたから……まさか泣かれるとは。
「はぁ……まぁいいです。あなたが無事に戻ってきましたし。それに越したことはありません」
「……はい」
……そうだ。
レイヴンに復帰するのはいいけど、病み上がりでいきなりミッションは色々と危険なような……
「……そうですね、リハビリがてら、アリーナに挑戦してみてはいかがですか?」
……アリーナ。
なるほど。それならミッションよりは危険でないかもしれない。負けてもランクが下がるわけじゃないから、気軽に挑むことができる
「うん。いいかもしれませんね」
セーフティかかるし、死なないよね?
「因みに挑戦する相手は……トラファルガーです」
「トラファルガー……」
レイヴンになって日が浅い頃に、一度ミッションで一緒になった記憶がある。
……面識のある相手でラッキーかもしれない。
「どうしますか?」
「……じゃあ、お願いします」
「わかりました。準備の方は、任せてください。スムーズに行けば……二時間ほどで戦えるでしょう」
それはまた随分と早い。
「そんなに早くできるものなんですか?」
「トラファルガーは、昼頃からこちらに来るそうです。……風の噂です」
割としたたかだった!
「……では、私はアリーナ戦を予約しに行くので、これで」
「あ、待ってください」
これは、ちゃんと言っておかなくちゃ。
「どうしました?」
「……ただいま」
「……おかえりなさい!」
それは、今まで見てきた笑顔の中で、どんなものよりも一番きれいだった。
書けたところまでとりあえず投下。休日には更新したかったんです
照さんが治ったところで私が病気になるという渾身のギャグ。
文章的に変なところがあったら言ってくださいね!
尭深さんが涙もろいのは仕様です
おつ、なんというか身体を張ったギャグだなー……
おつでー
乙
ACは良くやってると思ったらエスコンのほうだったから箱の5を買ってきたで
これがエースコンバット……って変な意味にしか聞こえないな
ひたすら裏を取りにくるボスはどちらも同じか
熱下がんないワロタ
ティッシュ半日で空になってワロタ
昨日おにぎり一個しか喉通らなくてワロタ
咳出すぎて腹筋筋肉痛でワロタ
>>470
4とfaを買おう!
>>470!新しいACよ!
つナインブレイカー
つFF
こんな時は強化人間手術で熱量を無視だ
つACLR
つ管理局強行偵察
箱○PS2は持ってるで
携帯から報告
どうやら風邪ではなくインフルエンザのようです。症状調べてピッタリ過ぎて笑いました
本編は頭が働かないため書けませんが、番外編を20時ごろに投下できそうです
進行が遅れて申し訳ないです……
無理する必要はまったくないんやで
ちゃんと病院行くんやで
できました
滅茶苦茶メタいです。なんかもうメタってより販促です
でもやりたかったんでやります
番外編第三回ー
マホ「マホのー!わかりやすいかもしれないー!なぜなにAC3!」
マホ「みなさんとってもお久しぶり!夢乃マホです!今回は、番外編第三回をお送りします」
マホ「前回は『AC』という兵器についてでしたが、今回は『AC』というシリーズについてです!」
マホ「はい、超メタですけど……気にしないでもらえるとうれしいです」
マホ「気を取り直していきます!まずACシリーズは、大まかに6つに分けることができます!」
マホ「記念すべき初代シリーズ(PS)、主に地下世界で繰り広げられる
『アーマード・コア』(AC)
『アーマード・コア プロジェクトファンタズマ』(ACPP)
『アーマード・コア マスターオブアリーナ』」(ACMOA)」
マホ「その初代の後継作品であり、なんと火星が主な舞台の
『アーマード・コア2』(AC2)
『アーマード・コア2 アナザーエイジ』(AC2AA)
この2作は初代シリーズのうん十年後の世界となっています!」
マホ「AC2AAまでの世界観を一新、初代シリーズのリメイクとも言える
『アーマード・コア3』(AC3)
『アーマード・コア3 サイレントライン』(AC3SL)
今照さん達が活躍しているのはここですね!」
マホ「AC3SLから約60年、地上が舞台のPS2最後のシリーズ
『アーマード・コア ネクサス』(ACNX)
『アーマード・コア ナインブレイカー』(ACNB)
『アーマード・コア ラストレイヴン』(ACLR)
このシリーズを最後に、所謂レイヴンの時代は幕を引きます」
マホ「次世代機に場所を移し、新型アーマードコア、『ネクスト』が主役の
『アーマード・コア4』(AC4)
『アーマード・コア フォーアンサー』(ACfA)
今までのACとは全くの別物です」
マホ「そして、今一番新しい
『アーマード・コア5』(AC�)
これまた前作とは全く違う世界観で、ACの大きさも縮小とたくさんの相違点があります」
マホ「そして例外として、PSP、PS2で出た
『アーマードコア フォーミュラフロント』
一応Nシリーズということにはなってますが、かなり特殊なのでここで」
マホ「では上から順に説明していきます!わかりやすいようにしたので見ていきましょう!」
◇◆◇◆初代アーマード・コア シリーズ◇◆◇◆
「ARMORED CORE」(AC1)
・記念すべき一作目。システムはほぼこの時から完成されている。
・二次ロックが有る武器と無い武器がある。(厳密には違うがほぼ同義)
・ミッション数や種類がかなり多い。個人的に難易度は高め。
・メール機能があり、世界の情勢等のいろんなことを知らせてくれる。
・一作目だけど、初めてACシリーズに触る人にはあまりおすすめできないと思う。
・ストーリーは、初めてやると「??」。何本かACシリーズをやってると「ほほぅ」。
・ミサイルがかなり早い。その代わり誘導性能はイマイチ。
・反動が恐ろしい。ハンドガンを当て続けるだけで相手によっては何もできない。
・ブレードを空中で当てると四倍ほどのダメージになる。まさに一撃必殺。
・ゲームスピードは速い。初代シリーズは軒並み速い。
・借金を50000cすると……
「ARMORED CORE PROJECT PHANTASMA」(ACPP)
・PS初代シリーズの二作目。時系列は……一作目のちょっと前かちょっと後。
・二次ロック、ミサイル、ハンドガン、ブレード等は一作目と同じ。
・ミッション数は少ないが、ストーリーがかなりわかりやすく、初心者には断然オススメ。
・メール機能有。
・この作品からアリーナが登場。他のユニークなレイヴン達と対戦することが出来る。
・魅力的な敵キャラや、素晴らしい名言を聞くことができる。
・パーツ数が一作目から増え、アセンブリ(機体を組み立てること)の幅が広がった。
・一作目をやらなくてもストーリーに違和感はない。……と思う。
・PSシリーズから始めようと思った人にはやはりコレをオススメする。
「ARMORED CORE MASTER OF ARENA」(ACMOA)
・PS初代シリーズの最終作。時系列は一作目とほぼ並行。
・なんとディスクが二枚組。一枚はストーリー、もう一枚はタイトルよろしくアリーナ三昧。
・一作目に比べてまたしてもミッションが少ないが、難易度は高い。
・メール機能有。
・ストーリー的にも、やはり他の初代シリーズをやってから挑んでもらいたい。
・武器の仕様も、前作とあまり違いはない(体感)。けど、強すぎた武器は殆ど下方修正されている。
・みんなのトラウマ。
・(´神`)
◇◆◇◆アーマードコア 2シリーズ◇◆◇◆
「ARMORED CORE 2」(AC2)
・この作品からPS2に。時系列は初代シリーズの数十年後。
・グラフィックが向上。
・二次ロックが誕生。またミサイルは初代シリーズとは真逆で、弾速は遅いが誘導性能は高い。
・ハンドガン等の反動が弱体化。
・(確か)機体の当たり判定が大きくなった。おかげでロケットが非常に強い。
・メール機能有。
・機体のスピードが初代シリーズに比べて遅くなった。
・コアの機能に新しく「OB(Overed Boost)」、「リミッター解除」が追加された。
・OBを使用しても熱は発生しない。リミッター解除は、コア毎に制限時間がある。
・リミッター解除をすると、一定時間エネルギーが使い放題になる。しかしそれを越えると、逆にエネルギーが回復しなくなる。
・脚部にフロートが追加された。
・熱の概念が登場。一定の温度に到達すると熱暴走を起こし、AP(体力)が削れていく。
・新パーツ「INSIDE」「RADIATOR」「EXTENSION」が登場。
・アリーナのレイヴンのAIがやたらといい。一ケタ台はまさに猛者。
・難易度は……個人的にはあまりオススメできない。ストーリーはわかりやすいが……
・一定額借金をすると……
「ARMORED CORE 2 ANOTHER AGE」(AC2AA)
・2シリーズの続編。2シリーズはこれで完結。
・前作はOBに発熱効果はなかったが、この作品から使用すると発熱するようになった。
・アリーナもなければメール機能もない。あるのはミッションのみ。
・ミッション数はなんと100。隠しミッションもある。
・ひたすらレイヴン稼業に勤しみたいならコレ。
・機体のスピードが上がり、軽量機でも渡り合えるように。
・パーツバランスがかなり良い。対戦ツールとして今も愛されている。
・ストーリーは皆無に等しい。
・総合的に難易度が高く、初心者には全くオススメできない。
・是非ACPP、ACMOAをやってからこの作品に挑んでもらいたい。
・名言の宝庫その1。
◇◆◇◆アーマード・コア 3シリーズ◇◆◇◆
「ARMORED CORE 3」(AC3)
・初代、2シリーズから世界観を一新。舞台は地下。
・メール機能復活。ミッション数はそこそこあり、種類も多い。
・機体のスピードが前作よりも上がった。
・僚機システムが登場。ミッションによっては味方を雇えるようになった。
・コアの機能に「EO(Exceed Orbit)」が追加。エネルギー弾を自動で撃ち出す。
・EOは二次ロックをなぜかしてくれない。
・右腕用のブレードが誕生。しかしその正体は……
・左腕に持てる銃器が登場(前作までは無かった)。右腕武器のロックオンに依存している。
・つまり、右腕にノーロック武器(ロケット等)を持っていると、ロックオンしないということ。
・ミサイルは初代シリーズと2シリーズを足して2で割った感じ。ぶっちゃけ弱体化。
・パーツ数は前作と比べて減った。迷う必要が無いので、この作品で操作に慣れよう。
・全体的に難易度は低く、初心者にもオススメ。ストーリーもわかりやすい。
・恐らく『AC1』のリメイク的作品。世界観もどことなく似ている。
・PSPに移植されている。
「ARMORED CORE 3 SILENT LINE」(AC3SL)
・3の続編。時系列は3から約数年ほど。
・メール機能有。ミッション数は3に比べて減った。
・難易度が高いミッションがほとんど。この作品から始めるのはつらい。
・アリーナもこれまた難易度が高い。特に3位のフォグシャドウのAIは奇跡。恐ろしい動き。
・3で出てきたレイヴンが登場する。
・僚機システムは続投。特定のミッションで雇うことが出来る。次回作から廃止された。
・左腕用の銃器が大幅に増えた(前作は2つぐらいしかない)。種類も豊富。
・武器破壊システムがある。武器ごとに耐久度があり、壊されると使えなくなる。恐怖。
・AIを育成することができる。根気が必要。
・EOに実弾タイプが登場。しかし二次ロックは相変わらずしてくれない。
・この頃から、両腕に銃を持つ通称「W鳥」(ダブルトリガー)が対戦での主流に。
・恐らく『ACMOA』のリメイク的作品。類似点が多い。
・PSPに移植されている。
◇◆◇◆アーマード・コア Nシリーズ◇◆◇◆
「ARMORED CORE NEXUS」(ACNX)
・前作から約半世紀たった地球が舞台。
・新しい操作方式のAタイプ、従来通りの操作方式のBタイプが存在する。
・恐怖の熱システムが誕生。ブースターをふかすだけで熱が上昇するようになる。
・ジェネレータも発熱するようになり、燃える作品として有名。
・さらに、今作から熱暴走するとAPではなくまずエネルギーから減少する。地獄。
・武器のバランスが危うい。軽グレネードを両肩に担ぐだけで勝てる。
・機体のスピードが下がった。
・この作品からほとんどの実弾兵器がマガジン式になり、リロードが必要になった。
・ブレードが超弱体化。
・アリーナの仕様が変更され、ミッションと同じ感覚になった。
・アリーナでは特定のキャラが喋るようになった。この作品から会話が全体的に増えている。
・ミッション数はそこそこあり、ストーリーも熱い。
・メール機能の他に、世界の情勢を教えてくれるニュースがある。かなり良い。
・武器以外のパーツをチューニングすることが可能になった。もっぱら冷却機能にふられる。
・武器の種類が増えた。マイクロミサイル等。
・コアの機能に新しくハンガーユニットが増えた。小型の武器を予備として装備することができる。
・EO、武器腕マシンガンが二次ロックをしてくれるようになった。OBが仕様上使いにくくなり、EOの立場が上昇。
・ディスク二枚組。本編と初代シリーズのリメイクや設定画像等を集めたものの二枚。
・熱システムのおかげで難易度は個人的に高め。
・ミッションを放棄してもストーリーが超進む仕様。ラスト2ミッションまで放棄するだけで進める。金も貯まる。
・OPは必見。名言の宝庫その2。
「ARMORED CORE NINE BREAKER」(ACNB)
・Nシリーズ二作目。なんとストーリーが存在しない。
・アリーナモードとトレーニングモードの二つがある。それしかない。
・機体のスピードが上昇。また、距離によって実弾兵器の威力が変わるようになった。
・熱の上昇率が下がり、かなりまともに戦えるようになった。武器のバランスも優秀。
・トレーニングモードでは、その名の通り基本操作のトレーニングを行う。これが難しい。
・アリーナモードでは、テストマッチと公式戦の二つがある。ややこしいので省略。勝てばいいのだ!
・AIが優秀。アリーナは強敵ぞろいとなっている。
・操作が上手くなりたい人はどうぞ。
・OPが超さわやか。
「ARMORED CORE LAST RAVEN」(ACLR)
・PS2最後のAC作品。Nシリーズ四作目。時系列は『ACNX』から数ヵ月後。
・難易度が非常に高い。前作はこの作品の為にあったと言っても過言ではない。
・機体のスピードがさらに上昇。機体温度の上昇も緩和された。
・機体の当たり判定が小さくなった。さらにスピードが速いので、なかなか当たらない。
・恐怖の部位破壊システムが登場。ブースタ内蔵の脚部は軒並み不利になった。
・脚部の最大積載量から余剰があるほど機体の速度が上がるようになっている。
・その仕様のおかげで、軽量二脚を中量がくっている。
・ブレードが若干マシになった。あくまで若干だが。
・かなり忙しいストーリー。24時間で全てが決まる。
・マルチエンディング。自分がどこに味方するかでエンディングが変わる。
・ストーリーの内容上アリーナは無いが、似たようなシステムが存在する。
・NXで出てきたレイヴンが数人登場する。
・この作品までを旧作アーマードコアと呼ぶことがある。
・初心者には全くオススメ出来ない。高難易度、ストーリーの内容から是非最後にやってほしい。
・名言の宝庫その3。先生きのこはこの作品から。
・PSPに移植されている。PS2でも難しいのに、ボタンが減ったことでさらに難しくなっている。
◇◆◇◆アーマード・コア 4シリーズ◇◆◇◆
「ARMORED CORE 4」(AC4)
・次世代機に移行。全く新しいものになった。
・世界観を一新、操作する機体も従来のACとは違い、恐ろしい機動力を誇る。
・活躍するACは「ネクスト」と言い、適正が無ければ乗ることが出来ない。
・ネクストの搭乗者は「リンクス」と呼ばれる。
・コジマ粒子というものがあり、環境や人体に大きな悪影響を及ぼす汚染物質である。
・しかし軍事利用すると非常に高性能で、ネクストもコジマ粒子のおかげで圧倒的な力を持つことができている。
・プライマルアーマー(PA)、クイックブースト(QB)等の新要素が登場。前者はバリア、後者はドヒャア!
・前作までのACはネクストと比較して「ノーマル」と呼ばれている。
・APが旧作シリーズの4、5倍はある。びっくり。
・超スタイリッシュ。戦い方も二次元から三次元的になった。
・ロックオン機能が大幅に変更。ターゲットサイトが無くなり、狙いやすくなった。
・メール機能は無くなった。アリーナも無くなった。
・なんとチュートリアルがある(今作まではなかった)。初心者も安心。
・操作感はNXで登場したAタイプに似ている。
・熱の概念がついに消滅。熱管理に苦しむことはもうない。
・必要なくなったラジエータと共にインサイド、エクステンションも消滅。
・パーツ数は少ない。ミッション数もそこそこ。
・OBが独立したパーツになり、ブースタもメイン、サイド、バックの三つになった。
・スタビライザーという機体のバランスを調整するパーツが登場した。
・チューニングは今作も存在する。仕組みは違うけど。
・ハードモードは一週目をクリアすると選択可能になる。ミッションに追加要素が。
・レギュレーションファイルというパーツバランス等を調節できるものをダウンロードできる。
・PS3は無料だが、箱○は有料。箱○の人はプラコレの方にしよう。
・ストーリーが良い(個人的に)。
・スタイリッシュに戦いたい!という人にオススメ。4シリーズはゲームスピードが非常に速い。
「ARMORED CORE for Answer」(ACfA)
・4シリーズ二作目。4から数十年後が舞台。
・地上が汚染されすぎたので、大半の人類は空で暮らしている。
・前作で登場したリンクスが数人登場する。やはり前作からやってほしい。
・新要素アサルトアーマーが追加。PAを攻撃に転用、周囲を攻撃する。使用するとPAゲージが全て無くなる。
・巨大兵器アームズフォート(AF)が登場。でかい。
・一部エフェクトが変更された。許されない変更をくらった武器が存在する。
・前作と比べてパーツ数もミッション数も増えた。
・チュートリアルがあったり、SIMPLE操作があったりと初心者にもやさしい。
・相変わらず超スタイリッシュ。空中を自在に駆け回ろう。
・アリーナの立場である、オーダーマッチが登場。メール機能は……
・ヴァンガード・オーバード・ブースト(VOB)というAFに接近するための使い捨ての増設ブースタが登場。恐ろしい速度が出る。
・ブリーフィングが秀逸。オサレ。
・僚機システムが復活。特定のミッションでリンクスを雇うことが出来る。
・マルチエンディング。一週目は固定だが、二週目から分岐できる。
・ハードモードでは前作同様、ミッションに追加要素がある。お茶会もある。
・レギュレーションファイルが今作にもある。箱○は相変わらず有料。プラコレにしよう。
こんだけ出てるのアセンブリ画面は初見お断り並にみずらいという
せめてJフェニックスくらい見やすく…
◇◆◇◆アーマード・コア (一応)Nシリーズ◇◆◇◆
「ARMORED CORE FORMULA FRONT」(ACFF)
・かなり特殊な作品。なんと自分で操作することはできない。(PSPインタ版は可能)(ACテストでも可能)
・時系列は3SL〜NXの間。
・ACの位置が従来のものとは大きく異なり、今作ではスポーツのようなものになっている。
・AI搭載型無人AC(u-AC)のAIを構築して戦う。
・それぞれがチームでエントリーし、プレイヤーはその一つチームの監督的存在、アーキテクトという位置。
・リーグ昇格、シーズン優勝、ランキング一位が目的となる。
・全体的に他の作品と比べて明るい。メールがかなりの量で、これまたおもしろい。
・なんと企業も参戦している。クレスト、ミラージュ、キサラギチームと戦うことができる。
・5機のACで大会に挑む。軽量機はイマイチで、タンク型が強い傾向。
・アセンブリが好きで、自分で作り上げたものがどこまで通用するんだろう……な人は楽しめる。はず。
・ある程度アセン知識がないと厳しい。他の作品をいくつかやってからにしよう。
・PSP版、PS2版、PSPインターナショナル版がある。
◇◆◇◆アーマード・コア 5シリーズ◇◆◇◆
「ARMORED CORE �」(AC�)
・�←ファイブと読む。カッコいい。
・世界観をまた一新、システムも大幅に変わっている。
・オンラインプレイに重点を置いているためか、オフであるストーリーは短い。
・オフラインのみだとちょっとボリュームが少なく感じる。
・オンラインは領地ミッションとEXミッション、オフラインはストーリーミッションとオーダーミッションがあろ。
・オーダーミッションでは味方を雇うことができる。
・EXミッションはオンラインで特定の時間に発生する特殊なミッション。受けるには色々必要。
・PS3は大丈夫だが、箱○のオンラインは魔窟。気をつけよう。これは4シリーズにも言える。
・機体の大きさが10mから5mに。街が若干大きく見える。
・いろいろ名義が変更されている。(クイックブーストがハイブーストに、実弾が運動エネルギー弾に等)
・新しい種類である化学エネルギー弾が登場。
・仕様上、ブーストで上昇することができない。ビルや壁を蹴って上昇することになる。
・前作がスタイリッシュだったのに比べて、今作は非常に暑苦しく重量感がある。
・ロックオンサイトが復活。旧作シリーズが四角だったのに対して今作は○型。
・レーダーが無くなり、代わりにスキャンモードが導入。戦闘モードと切り替えて使う。
・戦闘モードではエネルギー残量、残りAP等が見えない。
・スキャンモードではAP、エネルギー残量等が見えるようになる。
・スキャンモード中はリコンと呼ばれる新パーツのおかげで目的地までのルートや、画面内の敵の位置がわかる。
・スキャンモード中は攻撃ができなくなるが、ブースト等を使ったエネルギー消費を抑えることができる。
・リコンには種類がいくつかあるが、やってくれることは同じ。追従型が使いやすい。
・OBの代わりにグライドブーストが登場。OBは前方にしか出力できなかったが、グライドブーストは前後左右に出力できる。
・蹴り攻撃がある。重量と当たったときの速度で威力が決まり、重量級の最高速度からの蹴りは脅威。
・オーバードウェポン(OW)という、ACの武装としては規格外の新兵器が存在する。ロマンの塊。
・OWは使う時に腕が飛んだりする。使いどころが難しい。
・アリーナはないが、オーダーミッション内に似たようなものが存在する。
・一つのミッションが他の作品と比べて長い。
・サブクエスト(戦車を10両壊せ、5分以内にクリアしろ等)がストーリーミッション内に存在する。
・ゲームスピードが4シリーズより低下。というか4シリーズが速すぎる。
・ネタ武器であったはずのパイルバンカーが超強化。ブレードと違い段数制限はあるが対人なら問題ない。
・レーザーブレードの他に物理ブレードが登場。夢があふれる。
・肩(背)武器は無くなり、代わりに肩からアーム的なものが追加。手持ち武器なら持つことができる。
・インサイド、エクステンション、ラジエータは相変わらず無い。
・APが4シリーズ同様旧作シリーズの4倍近くある。
・たまにフリーズを起こす。
・総合的に見て……どうなんだろう。むせる人やごついものが好きな人は楽しめるだろう。
マホ「……どうでしたでしょうか!」
マホ「うーん……なんか見づらいような……?」
マホ「そこは置いておいて、番外編第三回、ACとは何だ!?をお送りしましたー!」
マホ「作品に触れてくださる方がいれば、参考にしていただけると幸いです!」
マホ「次回は未定ですが、また次回〜!」
投下終了
書きたかったんです
あと>>1はACFFとAC�はやれていません。ぶっちゃけwiki等の斜め読みです
AC歴は3P→3SLP→2AA→2→NX→AC1→PP→MOA→NB(途中放棄)→LR→AC4→ACfAです
おかげ様で熱は下がってきました。咳がまだ酷いですが、なんとかやれそうです
本編を更新したいー
乙ー
NXシリーズは熱暴走の仕様が変わってびっくりした記憶がある
なんでエネルギー消費する仕様にしたんだ…
当たり前のようにダミーの数値が入ってるから困る
アセンはただでさえ数字が多いのにダミーデータまで混じってるから初心者は困惑するわな
乙した
あとマスクステータスな、武器の弾速と照準補正率くらい書いておいてほしい
乙
�ってまだオンライン人いるのかな
4とfAしかやってないけどちょっとやってみたくなった
乙
AC1から始めようとして最初のミッションで何度挫折したことか…
初代の頃はゲーム機なんて買って貰えなかったから友達の家に行って別のACと共に回しプレイしてたなあ
今考えるとそういうゲームじゃなかった
ぶっちゃけPSだとそっちのACの方が面白か(ry
>>496
箱だったらフリー対戦ならなんとかできる
領地戦は無理ですしもともとクソなんでやめたほうがいいです
領地はギルド次第。気の合う連中と出会えれば楽しめる。それが駄目でも主任とRDを楽しめばいいじゃないか
fAではセレンさんはとても重要な要素だと思うます
年甲斐もなくピンクのネクストに乗ってるBBAは可愛い(真理)
わーい全然書けなーい!なんでだ……
パーツのこの数値を見ればいい!みたいなのも書いた方がいいでしょうか?
SLあたりまでは全部英語で余計分かりにくいですし……
あと今朝体重測ったら34.7kgでした。痩せすぎワロタ
>今朝体重測ったら34.7kg
それは普通に死ぬんじゃないかな?
1くん!コアからアセンを見直そう!
痩せすぎィ!もっと肉を喰うべきそうすべき
イッチ低身長女の子説
イッチの正体は胡桃ちゃんだった……?
LRでは余剰増やすだけでいいんだからそんな軽量で固めなくてもええんやで
高三の幼女ならともかく
とりあえずジェネレーターを高出力のやつに交換しようぜ
ROZ一択
こんばんは!いい加減本編を進めていきます
トラファルガー戦となっています
書きながらの投下なので、遅くなるかもです
始めますー
—コーテックス:カフェ—
(うまうま……)
尭深さんに一旦さよならをした後、おなかが減っていることを思い出してオムライスを頼んだ。
病院食もおいしいんだけど、いかんせん味が薄いので、濃い味の物を食べたくなったわけだ。
(むぐむぐ……)
うん、おいしい!
舌も久方ぶりの濃い味に喜んでいるようだ。このケチャップのこどもらしさがたまらない。
なんでこう、久しぶりに食べたものはよりいっそう美味しく感じるんだろう。不思議だ。
(……んん?)
先ほど入ってきた客の一人が、やたらとこっちを見ているような気がする。
薄いサングラスを掛けて、かなり個性的な髪形をしている。
なんだかそっち系の人に見えてきて怖いかも……インテリヤクザ、みたいな。
「……」
(え、こっちに来るの?)
微妙な笑みを携えてこちらに向かってくるインテリヤクザ(仮)さん。
え、どうしよう、私なにかしたかな?気に障る事でもあったのかな?私食べ方汚かった?
「あの」
「……はい?」
そのまま私が食事を広げているテーブルまで来て、一言つぶやいた。
……あれ?というかこの声、前に聞いたことがあるような……?
「ほっぺたについてますよ、ケチャップ」
「っ!」
慌ててテーブルに置いてあったペーパーでほっぺたを拭う。拭いた紙には赤くテカっている液体がついていた。
なるほど、確かに私のほっぺたにケチャップがついていたらしい。顔が赤くなってしまう。
「……教えていただいて、ありがとうございました」
「やっぱり!あなた、シャインよね?」
「え?」
どういたしまして、とかいう言葉が返ってくるものだと思っていたので、思わず聞き返してしまった。
でもこの声はやっぱりどこかで……
「もー、忘れちゃった?トラファルガーだよ。以前に一度味方として……」
「あぁ、あの駐車場の」
「そうそう!覚えてくれててうれしいよー」
「どこかで聞いた声だな、とは思ったんですが……」
「……ふふーん?何か言いたそうだねぇ?」
ニヤニヤしながらこちらを窺ってくるトラファルガーさん。
……すごいイヤらしいよこの人。
「あ、その、えっと」
「ははは!こんな人とは思わなかったーとか言いたいんでしょ?大丈夫大丈夫!わかってるから」
「う……」
大丈夫なんだろうかそれは。
「しっかし退院してたんだね。おめでとー」
「ありがとうございます。……どうして私が入院したことを?」
「君は有名人だからね。少なくとも私たちの間では」
「有名、なんですか」
「そりゃもう。依頼は100%こなすし、アリーナでも一度も負けていない。
君が入院した原因のミッションだって、依頼自体は達成したんでしょ?」
「それは……まぁ、そうですが」
あの謎のACは倒したはずだし、私もかろうじて助かっている。達成と見て問題ないだろう。
ちゃんと口座に報酬も入っていたし。
依頼に関しては……なんだろう、そもそも依頼を失敗してしまっていいのか?
アリーナは、なんでか勝っちゃうんだけど……
「ほら!立派な有名人だよ!だってあなたまだレイヴンになってあまり経ってないんでしょ?
普通なら一年ぐらいはみんな簡単な依頼ばっかり受けて、アリーナへ参加なんてしないのに」
「そうなんですか?」
「私がそうだったからね」
「なるほど……」
「ぷっ、そこで納得しちゃうのが君のいいところかもね」
「あ!……すみません」
いいよいいよー、と笑って許してくれるトラファルガーさん。
さっきまでの自分を殴ってやりたい気分だ。誰がインテリヤクザなんだ。超良い人じゃないか……
「ま、有名になりすぎるのも危険だよ。アイドルとかならいいけど、レイヴンだしね」
「……気をつけます」
「うむ。ま、一度味方になった仲だし、何かあれば、遠慮なく頼ってくれて構わないからね?」
……今日、早速頼らせてもらうことになりそうです。
◇◆◇◆
—コーテックス:ガレージ—
「嬢ちゃん!帰ってきたな!!」
「……ただいま、です」
機体のアセンをするためにガレージにやって来たら、休憩中なんだろう、おじちゃんが暇そうにしていた。
うん、おじちゃんの笑顔は一月ほど経っても変わらない。いい笑顔だ。
「心配したぜ?仕事で見舞いには行けなくてなぁ。あのミッションから帰ってきたACは風穴空いてるし、
腕は一本無いし、嬢ちゃんは意識が無かったし……ホント、よく帰ってきたよ」
「あの時は、必死だったものですから……」
「もうあんな無茶はやめてくれよ?心臓に悪いぜ……」
「……善処します」
やらないことに越したことはないんだろうけど、しなければならない時はまた来るはず。
約束はできない。
「うむ。で、今日はどうしたんだ?」
「はい、アリーナ戦がこの後あるのでアセンに来ました」
「リハビリってとこか!いいぜ、どうするんだ?」
「えーっと……」
なるべくオーソドックスな機体がいいなぁ。
中量二脚で、中量OBコアで、中量腕で……
HEAD:MHD-RE/005
CORE:CCM-00-STO
ARMS:CAM-11-SOL
LEGS:MLM-MX/066
BOOSTER:MBT-NI/MARE
FCS:PLS-ROA
INSIDE:—
EXTENSION:—
GENERATOR:CGP-ROZ
RADIATOR:RMR-SA77
BACKUNIT L:CRU-A10
BACKUNIT R:MWR-TM/60
ARMUNIT R:MWG-RF/220
ARMUNIT L:CLB-LS-2551
……うん、こんな感じかな。
頭部を一時使っていたものを採用。レーダー機能は肩に積んでいるので別に必要ないし、なるべく耐久力があるものの方がいい。
かなり普通の機体……になったと思う。
「……よし、OKだ。アリーナ開始までには間に合わせてやるぜ」
「ありがとうございます」
「おう!煌びやかに復活してくれよ?嬢ちゃんの戦いぶりはこっちも元気が出るんでな!」
「……そうなんですか?」
「うむ。なんつーか、うまくは言えないんだがな」
元気にさせる戦い……全く分からない。
「ま、こっちのことは任せとけ!嬢ちゃんは適当に時間を潰すなりしといてくれや」
「お願いします」
どうしようかな……
そうだ。トラファルガーさんにアリーナよろしくと伝えに行こう。
どこに居るのかなぁ……
—コーテックス:待合室—
「……いた」
カフェに居なかったから、総当たりで居そうなところを捜していた。
一人で座って……何かあったのかずっと俯いている。
どうしたんだろう?
「……あの」
「んー?」
「あれ、シャイン。どうしたの?」
「えっと、アリーナよろしくお願いしますって伝えたくて……」
「ははは、シャインは真面目だね!うん、こちらこそよろしく」
互いに手を取り握手をする。
「そっか、シャインは病み上がりだったね。……私でリハビリーってとこかな?」
「え、う、それは……」
またいやらしくニヤニヤと笑って覗き込んでくる。
どう言おうと必死に考え狼狽していたところで……
「やっぱりあなたはからかうと面白いね!ごめんごめん」
頭をなでなでされる。……むう
「まぁ、確かにすぐ依頼を受けるのはちょっと危険だし、全然ありだと思うよ」
「……そうですか?」
「うん。アリーナなら死ぬ心配はないし、本番の依頼よりは安全なんじゃないかな?
事情を知ってる私が相手だしね」
「それは……」
「ただし!手は抜かないよ?生憎と手加減は嫌いな主義でね」
「大丈夫……です」
「噂のレイヴン、あの時からどれだけ強くなったのか、楽しみにしてるね」
「……できるだけ、がんばります」
大丈夫かなぁ……感覚、憶えてるかなぁ……
「でも、無理は禁物だよ?」
「それは……わかりません」
トラファルガーさんは恐らく強敵だ。
私もリハビリ目的があるとは言え、挑戦するんだから勝ちにいきたい。
「ふふーん、言ったね?怪我しても知らないよ?」
「だ、大丈夫です」
……多分。
「じゃ、今日はよろしくね」
「はい」
トラファルガーさんのAC「ダブルトリガー」は、その名の通り二丁拳銃の機体だ。
何人か二丁拳銃の機体の人は戦ったけど、何というか扱いがお粗末だった。
でもトラファルガーさんは駐車場での戦いぶりを見るに、かなり扱いが上手いように思う。
これまでに居なかった強敵。ちょっとわくわくしてきた。
「……そろそろ時間だね」
時計を見ると、結構な時間が経っていた。
そんなに長時間話した感じはないんだけど……
「そうみたいですね」
「昨日まで病人だったからと言って、容赦しないよ?」
「……望むところです」
「ふふ、よしよし。じゃ、行こうか」
トラファルガーさんと一緒に待合室を出る。きっとアセンも終わってる頃だろう。
「では、またアリーナで」
「うん、また後でね」
トラファルガーさんは別のガレージに向かって行ったみたい。私もおじちゃんに会いに行こう。
—コーテックス:ガレージ—
「来たな、嬢ちゃん!完成したぜ」
「おぉ、ありがとうございます」
ガレージに行くと、既にACが出来あがっていた。
発注通りのアセンになっている。……久しぶりに見た。
「そろそろ時間だな。乗っておくか?」
「じゃあ、そうすることにします」
憶えてるかなぁ……
出来あがったACに乗り込む。窮屈ではあるけど、リクライニングがあってなかなか心地いい。
そうそう、こんな感じだった。
トラウマも言うほど無いし、あとはちゃんと動けるかどうかだ。
パネルを操作してACを起動させる。
よくわからない英語がたくさん羅列されて、コクピットのライトがどんどんついていく。
……うん、この感じ。
メインカメラが起動して、ガレージ内が映り出した。おじちゃん達が見える。
<<レイヴン、大丈夫ですか?>>
「うわっびっくりした……」
急にコクピット内に声が届いた。これは……尭深さんの声だ。
「どうしました?」
<<いえ、そろそろ時間なので、アリーナに向かって欲しいと思ったので>>
「あ、わかりました」
<<では、よろしくお願いしますね。ご武運を>>
「……ありがとうございます」
通信が切れる。
……アリーナに向かおう。きっとトラファルガーさんが待っているだろうし。
フットペダルを踏み込み、機体を動かす。おじちゃん達は既に離れていて、踏む心配はない。
アリーナに続くエレベータを目指して歩いていく。
うーん、機体を動かすのも久しぶりだ。歩くだけなら問題はないけど、戦闘となるとちょっと心配だなぁ……
エレベータに乗り込み、アリーナに進む。
緊張してきたなぁ……
どうやらアリーナに辿り着いたらしく、エレベータの扉が開く。
対面にはトラファルガーさんが既に待機していた。……結構待たせちゃったかなぁ
—コーテックス:アリーナ—
<<来たね!微妙に待ったけど>>
「ごめんなさい……」
やっぱり待たせちゃったみたい。後でちゃんと謝ろう。
<<さて、始まってすぐ戦ってもいいんだけど、それはあんまりフェアじゃない>>
「え?」
<<開始のブザーが鳴ったら、まずは機体を色々動かしてみて。ちゃんと動けるようになるまで待っててあげるよ>>
「そんな、悪いんじゃ……」
<<戦うんなら、本人がベストな時じゃないとね。弱ってる相手に勝っても、それは勝利じゃない>>
「じゃあ……お言葉に甘えさせてもらいます」
<<うんうん、存分に動かしたまえ>>
やっぱりいい人だった!
しばらく待機していると、パネルにでかでかとAre you Ready?の文字が現れる。
その後数字が現れて……3……2……1……GO!
アリーナ戦スタート。とりあえず機体を動かしてみよう。
(まずは……)
ブーストダッシュ、ジャンプが出来ないと話にならない。早速試してみよう。
ブースタを起動して、機体を前に進める。……よし、忘れてない。
次はブーストジャンプ。上に飛んで右に左に機体を傾ける。
段々と感覚が戻ってきた。私がどう戦ってきたか、どう動いてきたか。
私は自覚していなくても、身体が憶えているみたいだ。
ロックオン外からトラファルガーさんをサイトに入れて、サイティングも練習。
……かなり近づいてきたように思う。後は……OBか。
OBは大丈夫かなぁ……
OBを起動させ、機体を急速前進させる。すごいG……!
やっぱり、以前みたいに連発はキツいかもしれない。
動ける。身体も温まったし、立ち回り方も思いだしてきた。
もう大丈夫だろう。
「トラファルガーさん」
<<ん、終わったかい?>>
「はい、お待たせしました。……やりましょう」
<<ふふふ、やる気満々だね。いいよ、やろう!>>
トラファルガーさんの対面に戻り、二人で向かい合う。入ってきた時と同じ位置だ。
「……いきます」
<<こーい!>>
空中からのOB余剰から攻めていこう。OBを起動、ブースタをふかし上昇したところで前にかっ飛ぶ。
トラファルガーさんは……前に出ている!これなら後ろを取ることが出来る。
空中からライフルを降らしながら降下、後ろを取る。……が。
「……!」
<<甘いあまーい!>>
さっきまで前を向いていたダブルトリガーはもう後ろを向いていて、私に向かってショットガンをばら撒いてきた。
重量二脚は旋回能力が芳しくないはずなんだけど……ブースタを駆使したのかな。
何にせよすごいテクニックだ。
「流石……」
<<ふふ、この距離は私の距離だよ!>>
ダブルトリガーは両手に銃器を持っている。片方はショットガンだし、近接にも強い。
ショットガンと左手の投擲銃を撃ちながら接近してきている。
すごい威圧感だ……
ショットガンはちょくちょく掠ってはいるが、直撃しない限りはあまりダメージにならない。
注意すべきは投擲銃。以前のミッションで、拡散すると言っていた銃だ。
「……!」
<<ふふ、逃がさないよ?>>
ダブルトリガーが一定の距離で張り付いてきて、離れてくれない。
……むむ、このままダメージをくらい続けるのは拙い。
ライフルで応戦しても、ショットガンと投擲銃には敵わないし……
ここはOBで一気に距離をとろう。
「……っ!」
<<おっと>>
思いっきり左に出力、反対側までかっ飛ぶ。
……コクピットに飲み物があったら大惨事だ。
距離を取ることには成功、トラファルガーさんに向き合う。
「っと!」
向かい合った瞬間、こちらにロケットが飛んできたので慌てて回避する。
ダブルトリガーは肩のトリプルロケットを乱射してきているみたいだ。
なら、私も……
私も肩に積んできたトリプルロケットで応戦する。
いつしかロケット合戦になっていた。
一発あたりのダメージはそれほど大きくなく、機体に当たっても直撃でないなら致命的なものにはならない。
向かってくるトリプルロケットをジャンプやブーストダッシュで回避、ロケットを撃ち返す。
相手は重量二脚なので、私よりは遅い。直撃はしないものの、確実に装甲を削っていく。
この調子なら……!
<<このままじゃ、劣勢だね>>
つぶやいたトラファルガーさんは、ロケットを前進しながら避け、こちらに近づいてくる。
……まずい。
知らないうちに角に追い詰められていた。何時の間に……
<<とった!>>
「……!」
追い詰められた私に、拡散投擲銃とショットガンが降りかかる。
「ぐっ……!」
ロケットで応戦しても、全く怯まず進んでくる。投擲銃の直撃をもらってしまった。機体温度が急上昇する。
……距離の取り方がかなり巧い。銃弾がばらけるちょうどの距離で撃ってくる。
どうする……どうする……!
(……あれしか)
やっぱりあれしかない、だろう。病み上がりには一番、やりたくなかったけど……
壁に追い詰められ、逃げ場がなくなった私にトラファルガーさんが距離を詰める。トドメをさすつもりらしい。
……よく見ると、ダブルトリガーの右足の装甲がぼろぼろになっている。どうやらロケット合戦で受けたダメージのようだ。
「……」
ライフルをダブルトリガーに乱射しながらOBを起動。ライフルを撃ちながらも、意識はブレードに集中する。
「……!」
<<!>>
OBで、こちらに来るダブルトリガーに向かってブレードを構えながら急前進する。
……ここだ!
「ふっ……!」
ぶつかる寸前で機体を左にずらし、すれ違いざまにダブルトリガーの右足を切りはらう。
<<うおっと!>>
……うまくいった!
レーザーブレードの刃は見事に甘くなっていた装甲を捉え、その脚部を切断していた。
後ろで崩れ落ちたダブルトリガーに振り返り、ACでマウントをとる。
<<やれやれ、足を切られたんじゃあね。私の負けかな?>>
「……なんだか、すみません」
<<弱っているところがあれば、そこを狙う。戦いでは当然のことだよ。謝ることはない>>
「そう、ですか」
<<いやーしかし、いい線いってたと思ったんだけどね。まさか激突覚悟で突っ込んでくるとは>>
「あの局面は、ああするしかないと思って……」
<<……うん、病み上がりなのにかかわらず動きは見事だったよ。最後のブレードなんかは特にね>>
「……ありがとうございます」
<<じゃあちょっと、起こしてくれないかな?>>
「あ、はい」
<<……ふう。また悪いんだけど、エレベータまで運んでくれないかな?>>
「はい。壊したのは、私ですし」
<<ありがと!……しっかし、負けたかぁ。これはさらに噂が大きくなるかもね>>
「え゛」
<<……これは、憶えておいた方がいいかもしれないから言っておくよ>>
「……なんでしょう?」
<<……出る杭は、打たれるものだ>>
今回はここまでです。長々とやってしまってすみません……
もう二度とながら投下はしません。時間かがりすぎ
次回は早く書けると思うので……
あとなんか重かったです
体重は碌に食べてなかったからこうなんです!健康体なら38ぐらいはあります!多分
>>1の身長は、咏さんよりは大きいです。
乙した!
トラファルガー役のキャラがわからんかった
おつやでー
乙ー
乙
百鬼さんかな
こんばんは!できました
前回は自分で見返してもイマイチですね……
そろそろ話が大きく動き始めます。
今日は、データバンク侵入です
◇◆◇◆
〜三日後〜
—トレネシティ:自宅—
「……ふう」
トラファルガーさんとのアリーナ戦の次の日。
私はみんなに退院したことをメールで伝えたら、みんなが息をそろえて家にやってきた。
退院おめでとうございます!とか
なんで何時退院するか言わなかったんだ!とか
私はメロンソーダにします。照さんはどうしますか?とか……
結局その日は一日、私の退院パーティーになった。
……そうそう、久しぶりに会った菫がレイヴンになっていた。
試験では言うことがない、とまで褒められたそうだ。さすが菫。
その次の日はまたなんとなくアリーナに挑んで、ホスタイルさんを倒してきた。
最初にホスタイルさんの機体を見たときに、ちょっとあっけにとられてしまった。
でも問題はそれだけで、難なく勝つことが出来た。
デコイを幸い積んでいて、武器腕のミサイルは問題なし。
立ち回りも、ホスタイルさんがOBで熱暴走してるところにマシンガンを撃つだけだった。
なぜあの腕でこのランクに入れたんだろう?トラファルガーさんの方が強かったように思う。
さらに昨日。
ミラージュの依頼で船を探索した。
マッピング機能のある頭部だったおかげで、そんなに迷うこともなくスムーズに達成できた。
コンテナや燃料タンクをある程度壊して進んだため、追加報酬も出た。復帰一発目の成果としては十分だろう。
機体のコントロール感も元通り取り戻せたし、いいことずくめだった。
そして今日。
今日はゆっくり休もうと、昼に起きた次第です。
顔を洗って、歯磨きをして、昼食になってしまった朝食を摂る。
今はそれが終わって、ちょっと休憩をしているところだ。
と。
「!」
自宅のPCにメールの着信を告げる音が鳴る。一体誰だろう?
PCを確認してみると……
「ユニオン……から?」
ユニオンからのメール……
気になってすぐにメールを開く。
差出人:ユニオン
『突然の電力供給の停止、環境維持装置の異状による生態系の変化、炉心の暴走による区画の強制閉鎖。
レイヤード各地では、次々と多くの異常が発生し、被害が広がっている。この世界は、もはや管理者による理想郷ではない。
我々はここに真実を明らかにする。管理者は狂っているのだ。
ついに行動を開始する時は来た。我々は、管理者が存在すると言われる「レイヤード中枢」への侵入を図る。
力を持つ者たちよ、協力を頼む。 』
依頼主:ユニオン
作戦領域:クレスト中央データバンク
敵勢力:砲台、MT等
作戦目標:プラント破壊または周囲の敵全滅
『中枢への侵入経路を把握すべく、クレストの中央データバンクへの侵入を図る。
当然、厳重な警備システムがしかれており、やすやすと侵入できるような場所ではない。
さらに施設内には、高性能なセキュリティも配備されている。
我々の調査した結果、最深部にある動力装置を破壊すれば、セキュリティを無力化できることが判明した。
目標は2つ。動力設備を破壊し、セキュリティを停止させること。そして、敵警備部隊の全滅だ。
両者を沈黙させた後、我々の部隊が最深部に侵入する。
今回は複数のレイヴンと契約するつもりだ。挟撃により全ての敵勢力を一気に破壊する。
最深部への突入には、我々に近い意思を持つミラージュの部隊にも参加を呼びかけている。
失敗は許されない。以上だ。』
とうとうユニオン大々的にが動き始めた。……行くしかないだろう。
ミラージュも参加しているようだし、謎に包まれた管理者を知るチャンスかもしれない。
ユニオンに、依頼の承諾のメールを送る。
今日は休むつもりだったけど、そうも言っていられなくなった。
忙しくなりそうだ。
外出用の衣服に着替えて、髪の毛OK、服装OK、おかしもOK。
今日は三角形の苺の飴だ。すぐ溶けるけど、中の甘さがたまらない。至高の一品だ。
じゃあ、コーテックスに行くことにしよう。
—コーテックス:ガレージ—
「よう嬢ちゃん!」
「こんにちは」
アセンを組むためにガレージにやってきた。
今回のミッションは恐らく、閉所で戦うことになるはずだ。
ここに向かいながら色々考えたけど……今回は四脚で挑むことにした。
「依頼を受けるので、アセンに来ました」
「わかった。で?今日はどうするんだ?」
「えーっと……」
HEAD:CHD-SKYEYE
CORE:CCM-00-STO
ARMS:CAM-11-SOL
LEGS:MLF-MX/KNOT
BOOSTER:MBT-NI/MARE
FCS:VREX-WS-1
INSIDE:—
EXTENSION:—
GENERATOR:CGP-ROZ
RADIATOR:RMR-SA77
BACKUNIT L:CRU-A10
BACKUNIT R:MWC-XP/80
ARMUNIT R:CWG-MG-500
ARMUNIT L:CLB-LS-2551
「こんな感じでお願いします」
「……よし、了解だ。今回は四脚なんだな?」
「はい、久しぶりに使ってみようと思って」
「たまに違う脚部を使うと、新しいところが見えてくるからな。いいんじゃねぇか?」
「……では、お願いします」
「おう!機体は一時間ほどで完成すると思うぜ。適当に時間を潰しといてくれや」
「了解です」
さて、どうしよう?ご飯は食べてきちゃったし……
とりあえずガレージを出て考えてみる。
うーむ……誰か居れば、話し相手になってくれて時間も潰せるんだけど……ん?
「あれって……」
コーテックスの中で会うのは珍しい、菫だ。
珍しいというか一度も会ったことがない気がする。
「おーい、菫」
そう言って前を歩いている菫に近寄る。
どうやら気付いていないらしく、前を向いたままだ。
肩に手を乗っけて気付かせてあげよう。
「菫」
「ん?ってうわっ!……お前か」
「何してるの?」
「何してるも何も……っていうか、お前今私の名前を呼んだな?」
「?どうかした?」
「ていっ」
「あたっ」
デコピンされた。
「本名を呼ぶな馬鹿。ここではレイヴンネームで呼ぶようにな」
「うう……リップハンター?」
「そうだ」
「やっぱり、なんかエッチな名前だね」
「は?」
「いや、だって唇をハンティングするんでしょ?菫のへんたーい」
「だからっ!……ああ、もう、こっちこい」
手を取られる。
「どこ行くの?」
「話しても怪しく思われない場所だっ!」
「なんでそんなに怒ってるの?」
「お前のせいだ馬鹿っ!」
……ふふ、楽しい。
—コーテックス:カフェ—
「ふぅ、ここでなら怪しまれないな」
「私ストレートがいい」
「知るかっ!」
「今日リップハンターはどうしたの?」
質問している途中に思い出す。そういえば、菫はレイヴンになったって言ってたような……
「どうしたも何も、今日は仕事だ。レイヴンになってから、以前より依頼が来るようになってな」
「……早いね。まだなったばっかりなんでしょ?」
「そうなんだがな。やけにミラージュに気に入られてしまったようだ」
「ミラージュに……?」
特定の企業に気に入られる、なんてことがあるんだ。
「ミラージュからばかり依頼が来るから、それをずっと受けていたら、
ミラージュからしか依頼が来なくなった」
「そんなことあるんだ……」
「何故かはわからんがな。おかげで機体もラジエータ以外全部ミラージュ製だ」
「すごいね、それ……」
私はいっつもバラバラだよ
「ま、仕事があるのはいいことだ。レイヴンはMT乗りとは違って収入もいいしな」
「MT乗りはあまり良くなかったの?」
「悪いわけじゃないんだがな。レイヴンは文字通りケタが違って驚いたよ」
それは私も初めて見た時びっくりした。
「おーい!リップハンター?」
「誰か呼んでるよ?」
「あぁ、あれは私のオペレータだ」
「あの人が?……大丈夫なの?」
とても天真爛漫な笑顔で、腕をぶんぶん振っている金髪の人を見る。
……あ、目が合った。
ずんずんとこちらに向かってくる。
「こんなところにいたー、探したんだよ?」
「すまないな。この馬鹿が騒ぐから、こっちまで連れてきたんだ」
「んー?そいえばこの人誰?」
「本人に聞いたらどうだ?」
「どちらさまですかっ!」
「……レイヴンやってます、シャインです」
元気いっぱいだなぁ
「ははー、レイヴンですか……リップハンターと同業者だね!……ん?シャイン……」
「……どうしました?」
「思い出した!たかみーの担当のレイヴンだ!」
「タカミさんを知ってるんですか?」
「もちろん!先輩だからね!」
先輩をたかみーって呼ぶのはどうなんだろう……
「おっと、私の自己紹介がまだだったね!私の名前はアワイ、リップハンターのオペレータです!」
「アワイだね、よろしく」
「うん、よろしく!シャイン!」
互いに握手を交わす。
……ちゃんと仕事できてるのかな?ちょっと心配だ。
後で尭深さんに聞いてみよう。
「さて、仕事だったな?」
「うん、もうそろそろ時間だって。行こ?」
「じゃ、シャイン。またな」
「あ、そうそう!お二人はどういう関係なの?なんだか知り合いみたいだけど」
「腐れ縁さ。昔からの友人だ」
「依頼で一緒になった時にびっくりしたよ」
「ほほーなるほどー」
関心したようにアワイさんが頷く。……フフフ。
「ほら、時間がまずいんじゃなかったのか?」
「あ!そーだった!シャイン、またねー!」
「また今度」
そう言ってぶんぶん腕を振るアワイさんに手を振り返す。
……フフフ。
尭深さんみたいに落ち着いた人もいいけど、アワイさんみたいな元気キャラもいいなぁ……
「!」
時計を見ると、私も結構いい時間になっていた。
ガレージに向かわなきゃ。
—コーテックス:ガレージ—
「お、嬢ちゃん来たな!機体は出来あがってるぜ」
「ありがとうございます」
「どうだ?時間は間に合いそうか?」
「多分……大丈夫だと思います」
集合場所はそれほど遠くないはず。大丈夫だろう。
「ならOKだ。早いとこ乗っちまいな」
「行ってきます」
「がんばってこいよ!」
そう言って肩を叩いてくる。……なんだか懐かしい感触だ。
気を引き締めて依頼のことを考える。
今回は尭深さんに通達をしていない。
尭深さんに迷惑をかけたくないのもあるし……管理者について自分で調べすぎてクビになったりしたら大変だ。
ちなみにオペレータにはユニオンの人がつくらしい。逐一指示が出るそうだ。
四脚での出撃は……二回目ぐらいかな?
肩のパルスライフルを中心に攻めていこう。弾薬費も浮くし。
……じゃ、行こうか。
—環境制御区:データバンク—
‐メインシステム 戦闘モード 起動します‐
<<シャイン、まずはE31の敵を全て倒せ>>
「了解」
現地に着いて作戦開始。まずは目の前のE-30と大きく書かれたゲートをくぐる。
道が右に曲がっていて、その向こうにE-31のゲートを発見、突入する。
敵はいつかのガトリング装備のMT二機、そして空中ガードメカ、か。
飛んでくるミサイルをジャンプでかわし、ブーストダッシュで一気に近づいてブレードを叩きこむ。
その真後ろでガトリングをこちらに向けてこようとするMTを続けざまに一撃、沈黙させる。
あとは空中のガードメカだけ。落ち着いてパルスキャノンで処理する。
<<こちらカイザー、W29クリア>>
<<了解。カイザー、次はS11に移動してくれ>>
なるほど、終わったらそう言えばいいのか。じゃあ私も……
「アマテラス、E31クリア」
<<よし、E33へ向かってくれ>>
さっきまで閉じていたゲートが開く。
……ふむ。内蔵されているCOMによると、左の通路の奥にE33があるらしい。さっそく向かおう。
「!」
通路の左に曲がると、レーザー砲台が待ち構えていた。
放っておくと鬱陶しいので、パルスキャノンで掃除してから先に進む。突入!
敵の数は……まず目の前に空中ガードメカが二機見える。
レーザーとバズーカを撃ってくるけど、右に左に跳ねつつマシンガンで二機とも破壊。奥に進む。
奥にはMTが一機、そして固定砲台が天井に四つか。
ガトリングガンを乱射してくるMTに側面からブーストダッシュで近づきブレードで一突き。
砲台のレーザーのダメージは些細なものなので、立ち止まって固定砲台をパルスキャノンで処理していく。
よし、この部屋も終わり!
<<アパシー、N33クリアでー>>
<<よし。アパシー、S42に行ってくれ>>
「アマテラス、E33クリア」
<<いいぞ、次はN41だ>>
N41……どうやらさっき来たゲートをくぐって左の奥の部屋らしい。すぐに向かおう。
N41の前にあるN40のゲートをくぐる。すると……
「うわっ!」
急にショットガンが飛んできて何事かと思ったら、どうやらMTが待ち伏せしていたらしい。
ふわふわ浮いてこちらに向かってきたところをブレードで迎えうつ。閉所でのブレードは非常に助かる。
<<カイザー、S11クリア>>
<<カイザー、次はE07だ>>
こんなところで足止めをくらっている場合じゃない。先のN41のゲートをくぐる。
すると、ACがすでに交戦しているところだった。
<<ええとこに来た!こっちはもう弾がのうなりそうなんや。一緒に片付けてくれ!>>
「了解」
MTの一機は彼女に任せ、もう一機にブレードを当てるべく近寄っていく。
MTもショットガンで応戦してくるが……そっちは壁だよ。
「ふっ」
懐に入って一突き。MTは沈黙した。あとは……
天井の固定砲台か。
<<こちらジョーカー。S04の敵を撃破したよもー>>
<<遅い!急いでS16へ行ってくれ!>>
砲台をパルスキャノンで順調に壊していく。構え武器はやっぱり偉大だなぁ……
「アマテラス、N41クリア」
<<了解。次はW07の敵を撃破しろ>>
W07……
<<あかん、もう弾切れや。俺は帰還させてもらうで>>
……よほど乱射したらしい。
気にせずW07に向かおう。
<<ぐぅっ、機体中破!早く来てください!!>>
「……間に合うかな?」
一人でも多く、救えるのなら救いたい。今度こそ……!
奥へ進み、W07のゲートを開く。
……邪魔!
入ってすぐ目に入ったMTはブレードで手早く、空中ガードメカはマシンガンでズタズタにする。
<<グナー、E01クリアしましたーぁ>>
<<敵がN32に集まっている。急行してくれ>>
……うん?今聞き覚えのある声がしたような?
いけないいけない、考えるのは後。
奥の方に居たMTがふわふわ飛んできたけど、いい的だ。パルスキャノンを放って撃ち落とす。
<<カイザー、E07クリア>>
<<カイザー、C09の敵を撃破してくれ>>
「アマテラス、W07クリア」
<<アマテラス、S31へ急げ!>>
よし、これなら間に合うはずだ……!
S31に続く道を下っていく。
……MTが二機。どうやら通したくないらしい。
乱射されるガトリングガンが機体を掠めるが、怯んでなどいられない。
ブレードでコクピットを一突き。振り向いてもう一機を一突き。
……ここじゃない、まだ奥か?
COMによると、どうやら奥に進んで左手がS31のようだ。急ごう!
「もう……!」
左に曲がったところで、MT一機がこちらにふわふわと飛んできた。
……ええい、うろちょろ動いてなかなかブレードで突けない。マシンガンで倒してしまおう。
MTをマシンガンで蜂の巣にして、S31の前まで来た。この先で戦っている仲間がいるはずだ。
目の前に鎮座するS-31のゲートを開く。
……よし、間に合っ……
<<そんな……!やだ……やだよ、おねーちゃ>>
「……」
……くそ。
また、ダメだったのか……
ゲートをくぐって中に入ったと同時に、味方ACは大破。レーダーの反応が消えた。
敵はMTが二機、空中ガードメカが二機か。
MTはブレードで素早く処理。ミサイルを誘導して上手く避けつつ、もう一機を立て続けに落としていく。
後は空中ガードメカだけになった。
<<グナー、N32クリアですよーぅ>>
<<グナー、君の周囲は制圧完了だ。帰還してくれ>>
……やっぱり聞いたことがある。それも病院で。何故?
そのことを考えるのは後回し。空中ガードメカをパルスキャノンで掃除していく。
パルスキャノンは見た目こそ地味だけど、威力が思った以上に高い。便利だ。
<<アパシー、S42クリアでー!悪いけど機体がもうもたない>>
<<了解。アパシー、撤収してくれ>>
「アマテラス、S31クリア」
<<了解。ふむ、一番先行しているレイヴンは君だな?動力室C00へ向かい敵とプラントを破壊してくれ>>
「了解」
せめて依頼は完璧にこなしてみせる。奥に進もう。
プラントに続くゲートを開き、ブレードを振ってくるMTをマシンガンで黙らせる。
続けて空中ガードメカをパルスキャノンで撃破。
<<こちらジョーカー。S16を制圧したよもー。次は?>>
<<C13だ!ジョーカー急げ!>>
……これでここ周辺の敵は全て片付いたみたい。
あとは、この奥にあるプラントを破壊すればミッション完了となるはず。
C-00と書かれたゲートをくぐる。
これがプラントか。三つあるね……ん?
「パーツが落ちてる……」
せっかくだから貰っていくことにしよう。
プラントは……パルスキャノンで破壊しよう。今回のMVP武器だね、パルス。
……全てのプラントを破壊完了。あとやることは……
<<……よし、全施設の制圧を確認。皆、よくやってくれた。心から感謝する>>
「……ふぅ」
なんとか無事終了。……一人犠牲は出てしまったけど、作戦は成功だ。
‐作戦目標クリア システム 通常モードに移行します‐
—トレネシティ:自宅—
「はぁ……」
帰宅。今日はどっと疲れてしまった。明日は、明日こそはゆっくり休むことにしよう。
今回のミッションはなかなか燃えるシチュエーションだった。
多数で同じ戦場に立って、同時に攻め込む。
……これで一人も犠牲が出なかったら最高だったんだけど……
……ん?PCのランプが点滅している。メールが届いているみたいだ。
確認する。……ユニオンから?
なになに……
差出人:ユニオン
『残念な報告だ。
中枢へ至る経路の情報は、入手できなかった。作戦は失敗だ。
君達による一次作戦の成功後、我々は計画どおりクレストの中央バンクへと侵入した。
だが、援軍として施設を並撃するはずだった、ミラージュの部隊が現れなかったのだ。
だが、我々は諦めたわけではない。
どんな手段をとろうと、真実を暴いてみせるつもりだ。また連絡する。』
……うーん、失敗したのか。やっぱりそんなにうまくはいかないか。
というかミラージュは何をしていたんだ……
菫には悪いんだけど、ミラージュは好きになれそうにない。パーツはともかく……
でもそうか、失敗か。……ユニオンは今後どういった動きをとるんだろうか。
それに対してクレストは?ミラージュは?キサラギは?
むむむ……これはまた忙しくなりそうな予感が。
「!」
ピンポーン、と唐突に家のチャイムが鳴る。一体誰だろう?
「はーい……あ」
「こんばんは……レイヴン?」
尭深さんじゃないですかーやったー
でもなんだか怒ってるみたいじゃないですかーやだー
この後、私が寝落ちするまで説教されましたとさ。
今日はここまでです。
このミッションは実際にやってても燃える、いいものです
いつもレスありがとうございますー!
おつやでー
クロチャーェ……
乙
乙
ステルス持ちは珍しいから、グナーはモモか胡桃だとばかり思ってた
上位ランカー勢は大阪組が多くなりそうな気がするけど、どうだろうね
ACやりたくなってきたけど、今やれるのは�なんだよなぁ……
……ドリキャス引っ張り出してこようかな
ドリキャス…?
>>552
ACっぽいのやりたくなってきたかなぁ、ってことで
>>552
ACっぽいのやりたくなってきたかなぁ、ってことで
連投しちったよ……
だらだらを書ける人はすごいと思います。全然書けません
カ—パルス占拠もできません
>>556
そんな人はほら…
イレギュラーだから…
>>556
カーパルスならOBで飛んでくる途中の相手をフルチャージコジマライフルで一体でも落とせば楽になるよ
最終手段の1つとしてレギュ1.00のグリントミサイル+連動ミサイルってのもあるけど
最終手段なら壁越しにひたすらライフルだろ
すげーつまらんが
EN無限レギュで追加ブースター背負ってドヒャァドヒャァしながら両手月光AAぶっぱでおk
正攻法?人間やめればいいんじゃね
これが今度の実験体かね?
最新レギュでも超火力のマシとCPUが避けられないVTFでPA剥がして瞬殺してけば余裕だと思うけど
みなさんのおかげでカーパルスできました!1.15だけど……
ランク1が捕らえられなくて20分ぐらいかかりました
相棒がローディー先生を倒してくれたのが大きかった……
本編は……すみません、あと少し時間を……ここさえ書ければするする進むのに……!
ぼちぼち書けばいいさー
こんばんは、お久しぶりです
前回の更新から二週間も空いてしまいました……
すごく短いですが、投下します
「ん……」
朝。
微妙に開いたカーテンの隙間から眩しい光が部屋に差し込んでいる。
……なんでベッドに?
「んん……」
「すー……すー……」
そしてなんで床に尭深さんが……?
「!」
……そうか。
私は昨日説教されてた途中で寝てしまったのか。
ということは尭深さんが私をベッドに運んでくれたんだろう。
「……」
どうしよう……
とりあえず、尭深さんをベッドに移そうか。流石に床っていうのは……
気持ちよく寝ているみたいだし、このまま放置するのは忍ばれる。
「よいしょっと」
……軽い。中々の物をおもちの割に、想像していたよりも軽い。
さっきまで私が寝ていた場所に下ろし、布団をかけてあげる。
「すー……すー……」
「……よし」
一仕事終えた。さて、次は……
「朝ご飯、かな」
◇◆◇◆
「すみません、シャイン……朝ご飯まで作っていただいて……」
「いえ、元はと言えば私が勝手に寝ちゃったのが悪いので」
大根を小気味よくトントン、と切っていたら、どうやら起きたらしい尭深さんが寝室から顔を覗かせた。
洗面所に案内している最中にかわいらしい音が聞こえたと思うと、少し後ろをついてくるその人は顔を真っ赤にして俯いていた。
何も食べないわけにはいかないし、せっかくなのでこうやって朝食を振舞っている。
「あ、おいしい……」
「それはよかったです」
献立は白米(ヒノヒカリ)、沢庵、お味噌汁(具は人参、大根、わかめ、お麩)、鮭の塩焼き、そして玉子焼きだ。
鮭の塩焼きは骨を取ってあり、気にすることなくそのまま食べられる。
玉子焼きは甘め。ねぎ等その他は入れずにそのまま。ふわふわにすることが出来た。
お味噌汁の人参、大根は細切りと千切りの間ぐらいに切り、若干多めに投入。これがいい。
そしてお茶。尭深さん監修の下、おいしい緑茶を淹れることが出来た。
「ご飯に合うものばかりですから、すぐ無くなっちゃいますね」
「あ、おかわりなら、炊飯器の中にありますよ」
……はりきりすぎた。
さらっと済ませようとしたのに、何を思ったか気合いを入れて作りすぎてしまった。
いつもの朝食とは大違いだ。……ご飯をおかわりしてしまう。
「……料理が上手だったんですね、シャイン。驚きました」
「……普段は、あまり作らないんですけど」
私だってやればできる、ということを見せたかったのかもしれない。
……誰かと競っているわけでもないけど。
「……ふふ、このお味噌汁なんて毎日飲みたいくらいです」
「……えっ」
◇◆◇◆
「……ふう、ごちそうさまでした」
「おそまつさまでした」
食べ始めて約30分ほど。私と尭深さんがほぼ同時に箸を置いた。
……朝からたくさん食べてしまった。
「じゃあ、片づけを……」
「あ、それは私にやらせてください、シャイン」
「そうですか?」
「はい、ごちそうになったんですから、片づけぐらいは」
「……では、お願いします」
「はい!」
かちゃかちゃと音を立ててお皿を台所に持っていく尭深さん。
……うん、良い。
これでエプロンもあったらもっといいんだけどなぁ。
「……今度は、」
「えっ?」
「今度は、私にごちそうさせてくださいね」
「……はい、是非」
「……あ、もちろん手作りですよ?」
「楽しみにしてます」
……ふふふ。
「……」
「……」
……どうしよう。
片づけが終わったのはいいんだけど、話題が何もない。
尭深さんは今日は仕事がないらしく、私も昨日の依頼で疲れたので、二人ともオフということになっている。
(……!)
あ、話題があるじゃないか。
昨日。昨日のことと言えば……
「……昨日の依頼ですけど」
「……ユニオンからの依頼だったんですよね?」
「はい。中枢への経路を把握するためにクレストのデータバンクに侵入するのが、ユニオンの狙いでした。
レイヴンが先行してセキュリティと警備部隊を無力化、その後ユニオンの部隊がデータバンクに突入したんですけど……」
「援軍のミラージュが現れなかった、と」
「そうです。ミラージュが駆け付けず、ユニオンの作戦は失敗。次の手を考えるみたいですが……」
「……ユニオンとクレストが、激しく争い始めそうですね」
「はい。……小競り合いはちょくちょく起こってたみたいですけど」
「企業による三つ巴の均衡が、崩れてきていますね」
「ユニオンが言うところの管理者の部隊に各企業は苦戦しているみたいですし……」
「管理者の暴走、ですか……最初は信じられませんでしたが、現状を見るとそうとしか私には思えません」
「……どうなるんでしょう」
「……わかりません」
「ユニオンとクレストが激しく争い、ミラージュは若干ユニオン側について、キサラギは……何をしているんでしょう」
……そういえば、キサラギは一体何をしているんだろう。
また陰でよくわからないものをつくっていたりするんだろうか。
「キサラギは……謎ですね。ニュースにも全くならない、依頼も来ない。一体何を……」
「……私たちが、そのことを考えても仕方ありませんね」
「……そうですね」
……
「……何者にも縛られない、レイヴンこそこの状況を変えることができると私は思っています」
「……」
「シャイン。よく考えていてください。……何のために戦うのか」
「……」
……何のために。
何のために、かぁ……
私は、なんでレイヴンになったんだろう。
なんとなく……なんだろうか。
私の知らない私の中で、この世界に対する疑問があったんだろうか。
それを確かめるために、私はレイヴンになったんだろうか。
……
……うーん。難しい。
こんなことを真面目に考えるのは初めてだ。
今までをなんとなく、だけで過ごしてきた私にとって、これ以上ないくらいに難しい宿題だ。
期限がいつまでか解らないけど、間に合うかな。
「……いずれ、その答えは必要になると思います。今はまだ、そういった状況ではありませんが……」
「……」
むむむ。
「……これからの戦いの中で、見つけていければ良いですね」
「……はい」
生返事。
……まぁ、なんとかなるよね。なるよね……?
「……すみません。折角のこんな日なのに、湿っぽくなってしまいましたね」
「いえ、話を振ったのは私ですから」
「……もっと、明るい話題にしましょうか。そういえば——————」
「……ふむふむ、じゃあ——————」
今回の投下は以上です
ぶっちゃけ書いた自分でもよくわかりません。迷走。
投下が遅れた上に非常に少なくてごめんなさい……
しかも気付いたら二次がすぐそこだーあばばばばb
次回は多めに書きたいなぁ
おつt
この二人いいなぁ、さりげにプロポーズになってるしww
おつー
おはようございます
ここさえかければ〜とかウソでした。プロット崩壊中。ぬあー!
あと、このアセンで戦ってくれーみたいなのを募集中です
有名なやつでも、自分が考えたものでも何でもオッケー!
3に無いものは類似品を使用します。(赤マルチ→両肩デュアル等)
アリーナ戦で使っていきたいなーと思ってます。よろしくお願いします!
3の攻略本なくなってた…
SLのやつならあんのに
確かけっこう違うんだよな…
マルチブースタのブレード特攻機、右手ハンドガン装備に軽量二脚で
あと、四脚に主砲積んだロマン機もオナシャス!
骨脚に500マシ、投擲銃、ステルスなガチガチ機体
( ´神`)<ガチターン
俺アモーじゃないけど、ロケオンが良いと思う
唐沢一本
重二核弾頭オナシャス!!
OBコアでパイルバンカー
こんばんは
アセン案ありがとうございます!
提案しておいてもらってアレなんですが、全部使えるかどうかはわかりません……
>>577
四脚の方はわかりませんが、ブレ機は私もやりたかったので書けそうです
>>578
近いうちに使うことになりそうです!
>>579
ガチタンはまだ多分一回ほどしか使っていないと思うので、相手もガチタンの時にひっぱってきます
>>580
ロ、ロケオン……ファンファーレに挑んでみて何とかなったので、書けそうかも?
>>581
KARASAWAは使う予定があるのでご安心を!一本かどうかは微妙ですけど…
>>582
か、核……使える、といいなぁ
>>583
とっつきは私も使いたいです!
更新の方はすみません、まだ出来ていません。ぎゃあぁ。
頭ぐるぐるなのもそうなんですが、その花ミカ乙を進めろと天の声が……ごめんなさい!
百合ゲーとか…
いいよな!PSPの白恋もやるべき
こんばんは!なんとか明日には投下できそうです
二次試験まで気付いたら一週間余裕できってました
でもこの二次試験が終わったらきっと前の投下スピードに戻るはず……!
二月は全然投下出来てなくて焦ってます。うぐぐ
あと私事ですが、体重が36kgまで戻りました!やったー!
重くてかつ出力が高いジェネレーターに変えるんだよ
おぅ、あくしろよ
紙装甲の軽量二脚並じゃないですかーやだー
重りが必要だ
つCWM-TITAN
新作でるのう…
楽しみにしていいものやら
イッチはリアル衣か何かか
いろいろあって今帰宅……やばい書けてない(焦
0時を跨ぐかも……申し訳ない
◇◆◇◆
—トレネシティ:自宅—
「……ふぅ」
一試合終えてきた。
今日の相手はトルーパーさん。四脚タイプのACだった。軽量グレネードにひやひやしたけど、なんとかなった。
「んー……」
最近はミッションの誘いが無く、どこに加担しようにも出来ない状況だったので、アリーナを進めてみた。
……ふむ、久しぶりにアリーナ情報を覗いてみようかな。
PCの電源をつけ、アリーナ情報を開いてみる。
最後に見たのは……ミルキーウェイさんの時以来になるのかな?
ええっと、まずは前回のミッションを一緒にこなしたレイヴンを見てみようかな。
確か、ACの名前がスクリーミングアニマル、アパシー、ジョーカー、フラッグ、グナー、カイザー
……だったかな。私を含めて七人か……ユニオンの本気具合がよくわかる。順番に見ていこう。
[D-14]ツインヘッドW:スクリーミングアニマル
『同じくランカーである「ツインヘッドB」の妹。
通常の依頼では、姉と共闘することが多く、攻撃力を生かしたとどめ役を受け持つ。
本来は明確な役割分担がされている二人だが、アリーナでの戦いの面白さに目覚め、
成績に差のついた姉との間に、壁を感じ始めている。※死亡。あと二日でアリーナから除名。』
助けられなかった人……か。機体名がもう、なんて言うか……
[D-8]イエローボート:アパシー
『生来の楽天家で、あまり物事を深く考えない性格。
機体構成も、性能より見た目や派手さで選択されている。
奇跡的な幸運に何度も味方され、現在の位置までランクを上げた。
コンセプトの感じられないデタラメな機体だが、それだけに戦い方が読めない不気味さはある。』
この人は……機体が持たなくなって撤収した人か。でー、とか言っていた記憶がある。
[D-1]パーティープレイ:ジョーカー
『序盤は何時も本来の力を発揮できない、典型的なスロースターター。
実力を発揮できずズルズルと敗れることも多いが、時折見せる驚異の逆転劇は、
多くのファンを引きつけてやまない。浪費癖があり、アリーナで得た賞金の大半は、
その日のうちに消えてなくなるという。』
よく覚えている。ユニオンの通信の人に怒られていた人だ。依頼には向かないんじゃ……?
[B-6]フライングフィックス:フラッグ
『女性であることを理由に、周囲からなめられることを嫌い、あえて重武装の機体を選択した。
特に拡散型の銃器を愛用し、防御力の高さを生かした、近〜中距離での乱射戦を好む。
敵の攻撃を真っ向から受けながらも、決して怯まない戦闘スタイルは、勝利への意志の強さの現れである。』
同じエリアで、弾切れを起こして帰還した人だ。……この武装で弾切れ?
[B-4]ワルキューレ:グナー
『スナイパーライフルを用いた狙撃を得意とし、遠距離からの正確無比な攻撃は、驚異的な命中率を誇る。
どんな局面でも常に冷静さを失わず、一度ロックした標的は、絶対に逃がすことはない。
平素は温和な性格と言われるが、ことアリーナでの戦いぶりからはその印象は微塵も感じられない。』
この人は……そうだ、どこかで聞いたことのあった声をしていた人だ。
病院で聞いたような……?うーん……?
[A-3]ロイヤルミスト:カイザー
『依頼を受けることはほとんど無く、ひたすらにアリーナの上位に上ることを求め続ける。
対AC戦を前提に組み上げられたその機体は、あらゆる状況に柔軟に対応できる、
ハイレベルなオールラウンダー型に仕上げられており、
対戦相手に一瞬たりとも気を抜くことを許さない。』
この人もよく覚えている。一番最初に部屋を制圧した人だ。
その後も苦戦することなく次々と制圧していった記憶がある。
凄い人だなぁと思ったけど、上から三番目なら納得できる。強いわけだ。
……ん?
「この名前……」
PCのメール履歴を探してみる。過去にこのエンブレムも見たことがある気がする。
……あった。
差出人:ロイヤルミスト
『フィクサーというランカーを知っているか?彼女からメールが来たら、素直に従うことだ。
これは、私からの忠告だ。アリーナにも秩序がある。そういう事だ』
……八百長の人じゃないか。むむむ。なんだかどんな人か気になる。
ひたすらアリーナに〜と書かれているけど、依頼も受けていたし……
A-3、か。結構遠いけど……アリーナに通い詰めてみようかな?実際に戦う時に、話が出来るかもしれない。
じゃ、最後に今日戦ったトルーパーさんを見てみようか。
トルーパー:ヴァイパー
『騎兵の名に恥じない機動力をもってアリーナ内を駆け巡りながら相手を翻弄し、
機をみて一気に突撃する。かつては一人娘と共に暮らしていたが、数年前の
とある災害により離ればなれに。傭兵になったという噂もあるが、確かではなく、
心配の日々が続いている。』
……んん?
なんだろう、何かひっかかる。この説明文といい、このエンブレムといい……
「……あ!」
レジーナのエンブレムと同じだ!左右対称だったり色は違うけど……
レジーナの言っていた捜しているお父さんって、もしかしてこの人なんじゃ……?
「どうしよう……」
とりあえず、レジーナにメールを送ってみよう。
差出人:シャイン
『あなたのお父さんらしき人を見つけた』
短いけど、他にどう言えばいいのかイマイチ浮かばなかったから、そのまま送る。
ぴこん。
「!」
差出人:レジーナ
『そちらに向かいます。自宅ですよね?そこを離れないでください』
凄いスピードで返信がきた。内容がなにか……怖い。はい。離れません。
ぴんぽーん。
「はーい」
レジーナが来たんだろう、私の部屋にインターホンの音が響く。
随分早い。どこに住んでいるかは知らないけど、それなりに距離があるはずなのに。
がちゃ。
「照さん!いたんですか!?」
「は、はいいいぃ……」
開けた瞬間に両手を掴まれ、レジーナが前のめりになりこちらを覗きこむ。
谷間が強調されてすごいことになってる……じゃなくて。
「た、多分……」
「何処ですか!?」
お、落ち着いて……
「とりあえず、あがって」
「……おじゃまします」
レジーナを家にあげる。……アリーナのトルーパーさんの説明を見せるのが一番手っ取り早いだろうか。
「……これを見て」
「これは……!?」
レジーナの目が変わる。
「どう?」
「……はい、間違いない、と思います。離ればなれになった理由も一致しますし……」
「この人とはついさっきアリーナで戦ってきた。もしかしたら、まだコーテックスに居るかもしれない」
「本当ですか!?」
「どうする?」
「……行きます」
「じゃあ、私も一緒に捜すよ」
「よろしいんですか?」
「うん。話はしなかったけど、私も顔は覚えてるし。それに二人の方が早く見つかると思う」
「……お願いします」
「任せて。そうと決まれば、早速行こう」
まだコーテックスに残ってくれていたらいいけど……
一応尭深さんにも伝えておこうかな……でもかなり私事だし……
—コーテックス:エントランス—
「私はカフェ方面を捜してみる」
「では、私はガレージ方面ですね……30分後に此処でまた落ち合いましょう」
「わかった。もし見つけたら?」
「……ここまで着いてきてもらいましょう」
「了解」
ちょうど今はお昼時。シチュエーション的にも、私がなんとか見つけてきたい。
居てくれたら、だけど。
「では、30分後にまた」
「……散策開始」
そこいらをぶらぶらしている可能性もある。あんまり急がず集中して捜そう。
「……何をしているんですか?シャイン」
「わっ……尭深さん」
人を捜して注意深く見まわしていたはずなのに、なんで気付かなかったんだろう。
尭深さんが私を怪訝そうに覗き込む。
「さっきから挙動がおかしいのですが……誰か捜しているんですか?」
「え……よくわかりましたね」
エスパーか。
「……なんとなくそういう予想はつきます。誰を捜しているんですか?」
「トルーパーさんをちょっと……」
「トルーパーでしたら、ついさっき見かけましたよ?」
え
「どこにいましたっ?」
「え、ええっと、カフェですけど……」
「カフェですね。わかりました」
やっぱり。私の予想は間違ってなかった。まだ居るといいけど……
「あの、シャイン?」
「ご協力ありがとうございます。ではー」
尭深さんにお礼を言って早歩きで出発。カフェに急ごう。
「……気になりますね」
はぁ、と一息。
「……私も行ってみようかな……」
—コーテックス:カフェ—
「……いた」
見つけた。尭深さんの言うとおり、カフェで発見。珈琲の風味を楽しんでいるみたい。
「……」
どう、話しかけよう。うーん……
「……話しかけないんですか?」
背後から声。
「わっ……って、また尭深さん?」
「……なんとなく、ついてきました。迷惑でしたか……?」
いやいやとんでもない。
「いえ、これで百人力です」
「?」
誰かが一緒だと、不思議と勇気が湧くことってあるよね。
「……あの」
「ん?君は……」
「シャインです。……先ほどはどうも」
「いや、こちらこそ。……いい動きだった。大したものだよ」
「……ありがとうございます」
「しかし、最近の若者は凄いものだ。ランク上位の者もおおよそが君と同年代だろう」
「そうなんですか?」
「うむ。……私の娘も生きていれば……いや、関係のない話だったな」
!
「そう、娘です!」
「む?」
「あなたに、逢わせたい人がいるんです。よければ私と来てくれませんか?」
壁に掛けてある時計を見る。……ふむ、あと10分ほどで約束の時間になる。
「会わせたい人?」
「はい。……そうですね、あと10分ほどしたらちょうどいい時間になります」
「待ち合わせでもしているのかね?」
「はい。……是非、逢ってほしいんです」
「ふむ。……構わないよ。この後も特に予定はないし、時間を持て余していた所だ。
珈琲を飲む時間ぐらいはくれるかね?」
「はい、それはもう」
……うまく話をつけることが出来た。
私的に、レジーナが待っているところに連れて行きたい。その方がなんかこう……いい。
レジーナはあれだけ丁寧な人だ。ACに乗っている時はともかく、この時間に会う、という約束を反故することはないだろう。
「そろそろ、行こうか」
「もういいんですか?」
「うむ。そちらの時間もある、待ち合わせに遅れるわけにはいかないだろう?」
なるほど、和の父親だ。
「……そうですね」
「待たせてすまなかったね。じゃあ、行こうか」
「はい」
約束の時間まであと……3分か。これならちょうどエントランスに着く頃に集合時間になる。
「……ところで」
「どうしました?」
「後ろで俯いている子は一体……?」
「?」
振り向くと、尭深さんが困ったように俯いていた。
「……尭深さん?」
「はっ、はい」
私が名前を呼ぶと、尭深さんがばっ、と勢いよく頭を上げた。
……緊張しているように見える。
「えっと、私のオペレータのタカミさんです」
「なるほど、そうだったか。一応挨拶をしておこう。よろしく」
「よっ、よろしくおねがいしますっ」
……なんでそんなにキョドってるの?尭深さん。
「……じゃあ、私たちの後についてきてください」
「わかったよ」
恐らく、もうレジーナが居るであろう集合場所に向かう。
家族は大切だ。……大切なものだ。
—コーテックス:エントランス—
「シャインさんは……まだでしたか」
「こちら側には、居ませんでしたね……」
「……?」
「見えてきましたね」
「あそこに会わせたい人がいると?」
「はい。……ここからは、あなただけで向かってもらえませんか?」
「それは構わないが……む?」
「お……父、さん?」
「君は……!?」
「お父さんっ!!」
「……あそこに、私たちがいちゃいけない気がしたんです」
「……私も、なんとなくわかります」
人目をはばからず抱き合い泣き合う彼女たちを目に焼き付けていた。
冷えていた私の一つが、ちょっぴり熱を帯びたような気がした。
投下終了
今回はレジーナ云々でした
次回は……火曜日あたり?になりそうです。600レスを越えたぞー!
乙
ACはサイドの話一切やらないからこういうの嬉しいね
おつ!
乙
そういやファミ通みたらAC新作出るらしいね
こんばんは!ただいま我が家!すべて終わった……
二次受けに行ってました。なので案の定書けていません。なんで火曜日に出来るとか言ったんだ私は……
でもこれで自由になったのでたくさん書けると思います!早ければ明日にでも投下します
試験乙
いい結果がでることを願ってるよ
続きはまったりと楽しみにして待ちます
おつ
落ち着いてからでいいのよ
お疲れー
こんばんは!ぎりぎり間に合わなかった……
>>585
ふむふむ、探してみようかな?
今回は、溶解炉破壊阻止です
—コーテックス:カフェ—
「……今回の依頼は、こちらになります」
レジーナが父親と再会した二日後、久々に私に依頼が入ってきた。
丁度アリーナ戦が終わったところに依頼が届いたので、せっかくだからそのまま行くことにした。
今その依頼の内容を尭深さんに説明してもらっているところ。
「クレスト……」
今回はクレストからの依頼、……「溶解炉破壊阻止」らしい。どれどれ……?
依頼主:クレスト
作戦領域:廃物処理施設 溶解炉内
敵勢力:飛行型MT等
作戦目標:全爆弾の解除
『各地で頻発していたトラブルの犯人を突き止めました。全てはユニオンの仕業だったのです。
彼らは管理者が狂っているという嘘の情報を流し、自分達で芝居を打っていたのです。
彼らの活動を裏で支えていたのが、キサラギだという事実も判明しています。
我々を落とし入れ、勢力拡大を図ったのでしょう。これまで全くの謎であった
ユニオンの資金源についても、これで説明がつきます。彼らの次の行動についても情報を得ました。
地下都市全域をめぐっている廃物処理施設に爆弾を仕掛けるつもりです。
各地に部隊を派遣する予定ですが、レイヴンにも協力を依頼します。
作戦地域は廃棄物が最後に流れ着く、溶解施設です。設置された爆弾を全て回収してください。
障害となるものはすべて排除して構いません。よろしくお願いします。』
ふむふむ、なるほど。
キサラギがユニオンに加担していたのか。最近動きがなかったから何をしているのかと思ったら……
ユニオンは何のために廃物処理施設なんかに爆弾を仕掛けるんだろう?クレストを引きつけるため……とか?うーむ。
とにかく、爆弾は危険だ。狙いがわからないけど、黙っていられない。
「どうしますか?」
「……受けます。何時ごろ出発ですか?」
「恐らく……あと二時間後には出発準備が完了するでしょう。作戦領域までは少々時間がかかりますが」
「わかりました。じゃあ、私はアセンブリをしてきます」
「では、お願いしますね」
—コーテックス:ガレージ—
「お?さっきぶりだな嬢ちゃん!」
「……さっきぶりです」
ガレージにておじちゃんと再会。本当についさっき別れたばかりだ。
「で、どうしたんだ?」
「実は先ほど依頼が来て……せっかくだからもう行っちゃおうかなと」
「なるほどな。機体はどうする?アリーナ戦の損傷は軽微に収まってるが……変えるか?」
「そうですね……」
今回の依頼は溶解炉での爆弾の解除。軽く、それでいて冷却性能の高い機体がいいな……
武装は……まぁそんなに重要じゃないよね?
「じゃあ……こんな感じで」
HEAD:CHD-07-VEN
CORE:CCM-01-NER
ARMS:MAL-GALE
LEGS:CLL-HUESO
BOOSTER:MBT-NI/MARE
FCS:VREX-WS-1
INSIDE:—
EXTENSION:—
GENERATOR:CGP-ROZ
RADIATOR:RIX-CR5000
BACKUNIT L:—
BACKUNIT R:CWR-S50
ARMUNIT R:KWB-SBR01
ARMUNIT L:MLB-T/100
「こりゃまた……」
おじちゃんが私のアセンを見てつぶやく。
レーダー特化の頭部に最軽量の脚部、腕部は軽量の中でも放熱率が高いもの、
ラジエータは以前駐車場で拾った冷却性能が最高のもの、おまけに……
「射突型ブレードとは、嬢ちゃん……やるねぇ!」
そう、右腕に装備した射突型ブレードだ。パイルバンカー?とも言うらしい。
射程が非常に短く、しかし威力は桁違いというまさにロマンあふれる武器。……いい。
「今回はあんまり敵の相手をしてられないので、どうせなら、と」
遠距離系の武器は小型ロケットのみ。左腕もブレードだ。
ちなみにこのブレードは、データバンク侵入の依頼の後にユニオンから送られてきたもの。
「近距離戦に特化した機体だな。それにこのラジエータと来たら……場所は狭く暑いところ、溶解炉か?」
「……よくわかりましたね」
ちょっと驚き。
「そんな条件の場所、溶解炉ぐらいしかねぇからな。ま、気をつけるんだぞ?
滅茶苦茶暑いだろうからな。脱水症状起こす前に終わらせるこった」
「……なるべく、早く終わらせます」
そうか、コクピットも暑くなっちゃうんだ……いやだなぁ。
「ん。……機体の方は、この分なら多分一時間ぐらいで終わるぜ。適当に時間潰しといてくれや」
「ありがとうございます」
一礼してガレージを出る。どうしようかな?
……あ、そういえば、まだお昼を食べていない。カフェで何か頼むことにしようか……
—コーテックス:カフェ—
「……うまうま」
カフェで久しぶりに注文したオムライスを頬張る。うまうま。
「……ん?」
見覚えのある姿が視界の淵にちらり。……あ、こっちに気がついた。
「シャインさーん!」
手を振りながらこないで誠子……じゃなかったアップルボーイ。
「ひはひふひ?」
「何言ってるかわかんないですよ……?」
……んぐんぐ。ごくん。
「久しぶり?」
「ああ、なるほど。……そうですねー、微妙?」
最後に会ったのは……私が退院したとき?
「……微妙だね」
「です!」
今日も元気いっぱいだ。
「そういえば、こうやってコーテックスで会うのは初めてじゃないですか?」
「依頼で一緒になったことは何度かあるけど……うん、こうやって会うのは初めてだね」
もぐもぐ。
「今日はシャインさんはミッションですか?」
「んぐ。……そうだよ。今機体を組んでくれてる最中で、私はそのうちに昼食を食べようと思って」
「なるほどー。……シャインさんのそれ、おいしそうですね」
じゅるり、とアップルボーイ。
「……あげないよ?」
「大丈夫です!頼みますから!」
すいませーん、とウェイターを呼ぶアップルボーイ。
「きたきた!」
「もぐもぐ」
十分ほどで運ばれてくるオムライスに嬉々とするアップルボーイ。
「……うん、やっぱりおいしい!」
「もぐもぐ」
美味い!とは言わないアップルボーイ。
「ぱくぱく」
「むぐむぐ」
一心不乱に食べるアップルボーイ。
「……あ、そういえばレジーナのお父さんが見つかったらしいですね」
「うん。すごい喜んでた」
よく憶えている。
「いいなぁ、親かぁ……」
「……?」
どうしたの?と尋ねるような目を向ける。
「あぁ、私って両親が居なくて。だからよくわからないんですよねー。大事なものなのかなぁ?」
「……うん。家族って、とっても大事だよ」
「なるほど。シャインさんがそう言うならそうなんでしょう!」
それでいいのかな……?
「……というか、アップルボーイ親が居なかったんだね、ごめん」
「いいんですよ!顔もよく覚えていないし、残してくれたものなんて名前ぐらいですから」
「……そっか」
「シャインさんはどうなんです?」
「……両親はずっと前にどこかに行ったっきり。妹が居たけど、色々あって離ればなれになっちゃった。
みんな生きてるかもわからない」
咲……元気にしてるかなぁ。
「そうだったんですか……すみません、そんなことなっているとは露知らず」
「いいよ。お互い様」
そう言いながら冷水を喉に流し込む。
「……ごちそうさまでした」
「ごちそうさまでした!」
二人ともほぼ同時にオムライスを完食。私が食べるのが遅いのか、アップルボーイが速いのか……
「おいしかったですね!」
「うん、また食べようと思う」
「その時はまた一緒に食べたいですね!今度は明るい話題で!」
「そうだね」
「じゃあ、私は用事があるのでこの辺で!また会いましょう!」
「うん、またね」
ふりふり手を振って、店を出ていくアップルボーイを見送る。
……結構いい時間になっている。私もガレージに行こう。
溶解炉かぁ……依頼を達成して家に帰ったら、まず真っ先にお風呂に入ろう。
「……あ、このえびせんください」
たまには和菓子もいい。
◇◆◇◆
—環境制御区:廃棄物処理所内溶鉱炉—
「あっつい……」
無茶苦茶暑い。
待機している通路がなんか赤い。じりじりという音が聞こえてくる。
<<最下層は非常に高温です。ACでも長くは持ちません。注意してください>>
「了解……」
気が滅入るほど暑い。さっさと終わらせよう。
<<マップ上のオレンジが爆弾を示しています。早急に片づけましょう>>
「ふむ……」
頭部COMのマップ情報を表示する。……全部で四つか。左右斜め上に二つ、上の階に二つ。
軽い機体で助かった。アセンブリは間違ってなかったかな?
「!」
溶鉱炉に続くゲートを開くと、目の前をMT二機がふよふよ浮いていた。
……ミサイルを撃たれる前に、ロケットでおとなしくさせておこう。
肩の小型ロケットを起動、MTめがけて連射する。
MTの動きはそこまで速いわけでもなく、二機はあっけなく撃墜された。
「じゃあ、爆弾を……」
<<待ってください!これは……敵ACの接近を確認>>
「AC?」
<<かなりの速度で向かってきます。フロート脚部でしょうか>>
なるほど、フロート脚部なら最下層に降りても浮くことができるだろう。
<<敵ACが居ては、機体の回収が非常に困難になります。素早く撃破しましょう>>
「了解」
短期決戦しかない。状況的にも武装的にも。
……よし。
溶鉱炉一階上部のコンベアまで上昇して、ここで敵ACが進入してくるのを待つ。
溶鉱炉への入口は下層部分にしかなかったはず。上から奇襲をかけて手早く終わらせてしまおう。
<<敵AC、進入!ボルケイノです>>
レーダーに敵反応が増える。……まだ、まだだ。
敵ACが上昇し始めた。……よし、OB起動のトリガーに指をかけて……
……今!
OBを起動、下層から顔を覗かせたボルケイノ目がけて突撃する。
「……!」
機体が熱暴走し始める。ああもう、ブザーがうるさい。
<<……!?>>
ボルケイノに組みつき、OBを起動したまま下層の壁に突撃する。
……組みついてしまえば、フロートだろうと関係ない!
「……ここ」
左腕のブレードを起動、フロート脚部の中心に突っ込み、動けなくさせる。さらに……!
「こっちも」
<<!!>>
右腕でコアの中心を軽く殴り、そのまま射突型ブレード起動させる。
がしょん!
放たれたパイルバンカーはコア中央を貫通、ボルケイノは動かなくなった。
念のため、離脱を取りながら肩のロケットで追い打ちをかける。……終わった、かな。
<<敵ACの撃破を確認。あとは爆弾解除だけになります>>
「了解」
一階上部のコンベアに乗り、爆弾の位置を確認する。……そうそう、ここだった。
目の前の大きなゲートに取り付けられている爆弾を解除、隣の爆弾も同様に解除する。
<<爆弾の解除を確認。あと二つです>>
「あと二つ……」
残りは二階、か。
金網をロケットで破壊、二階に侵入する。
「MTは……」
もうこの際だから無視しよう。
壁に張り付いている爆弾を解除する。これで残り一つだ。
「……邪魔」
放置していたMTからちくちくパルス弾が飛んでくるのが鬱陶しい。
……ええい。
ブーストで急接近、左腕のブレードでMTを一閃してしまう。これで楽に……
<<敵を倒したことで室内温度が上昇しています。気をつけてください>>
……急がなきゃ。
<<あと残り1分です!>>
「……!」
……あった!
柱に取り付けてあった最後の爆弾を解除する。
<<全爆弾の回収を確認しました。あとはこちらで処理します。帰還してください>>
「……ふぅ」
なんとか無事に終了。ACが出てきた時はどうしようかと思ったけど……よかった。
射突型ブレードは確かに一撃必殺だった。当たれば勝ち……嫌いじゃない。
ユニオンはこれで一歩後退、かな?
このままユニオンがなくなる、なんてことはないだろうけど……
それはともかく。
「……あっつい」
身体がべたべたするし、髪の毛が顔に張り付いているのがわかる。
早くシャワーを浴びたい。考え事は後回しにしよう。
……銭湯に尭深さんを誘ってみようかな……
◇◆◇◆
—コーテックス:ガレージ—
「お、帰ってきたな嬢ちゃん!」
「ただいま……です……」
「なんだ、随分とお疲れだな?……って、すごい汗だな」
「えぇ、まあ。……はぁ、涼しい……」
「確か溶鉱炉だったか?……よし、後は任せて、さっさと一風呂浴びてきな!」
「すみません、ありがとうございます……」
「いいってことよ」
—コーテックス:ガレージ前通路—
「おつかれさまでした、シャイン」
「おつかれさまでした、尭深さん……」
「なんとかなりましたね……」
「……そんなことより」
「え?」
「お風呂に入りませんか?」
「お風呂、ですか?」
「銭湯に行きましょう。さぁ!」
「あの、私……」
「さぁ!」
「ひ、引っぱらないで……!」
—トレネシティ:銭湯「勝手にしやがれ」—
「……大きい」
「……え?」
「やっぱり大きいですね。胸」
「何言ってるんですか!」
「ふむふむ……」
「あんまり見ないでください……」
「……ふむ」
「さ、さわらないで……ください……」
「……尭深さん」
「……?」
「そこで涙目上目遣いは反則です」
「……え?」
「いただきます」
「ちょっと……!」
「フフフ……」
フフフフフ……
今回はここまでです!深夜のテンションは怖い……
ずっとSoundgardenのsuperunknownをかけて書いてましたが……イイ!
次回は、三日以内には出来あがると思います
乙
軽量にとっつきは納得だけどあのステージでとかドミナントすぎる…
おもち……
おつー
乙でs
このミッションフロートだから最下層まで落ちても平気!とか納得いかないんだよなぁ
乙
所詮俺は粗製か……
ごめんなさい、三日以内には出来あがりませんでした
こんなに難航するなんて考慮しとらんよ……
モチベの問題なのかなぁ……
無理すんなし
で、できました……
今回のお話はなんか長いです。どうしてこうなった……
それでは投下ー
—トレネシティ:自宅—
朝。
窓から差し込んでくる日差しが眩しい。
「……おはよう」
挨拶は大事。
さぁ、朝食を食べよう。
「もぐもぐ」
今日は手早く菓子パンで済ませる。
……チョコチップメロンパンはやっぱりおいしい。
「……ふぅ」
朝食を食べ終え、外出の支度をする。
今日はアリーナを進めるつもりでいる。
無敗のまま順調にランクが上がり、今ではC-2。次はいよいよC-1との戦いになる。
……出発する前に、アリーナ情報を覗いておこうかな。
PCの電源をつけて、アリーナ情報を引きだす。……ミッションも一応確認しておこうかな。
[C-1]ファウスト:メーガス
『魔術師の名を持ち、空中を自在に駆け巡りながら相手を射抜く。
その静かな風貌の裏に想像出来ないほどの狂気を忍ばせており、
過去彼女を倒したランカーの幾人かが謎の死を遂げている。
時折、彼女が試合後に行方をくらませるという事実は、あまり知られていない。』
え、えぇ〜……
……どうしよう。私も勝ったら消されちゃったりするんだろうか。
「うーん……」
まぁ、なんとかなるか。その時はそのときだ。
「……?メールが」
メールが一件届いていた。差出人は……尭深さん?
差出人:タカミ
『あの溶鉱炉の事件を受けて、地下世界で生じていたこれまでの異常事態は、
全てユニオンによって仕組まれたものだという噂が広がっています。
これを機に、クレストはユニオン壊滅へ向け、各方面で戦力の強化を図っています。
程なく、本格的な掃討作戦を開始するようです。
今回のクレストの行動には、一種異様ともとれる決意を感じます。総力戦は、恐らくクレストに軍配が上がるでしょう。
ですが、果たして本当にユニオンはこのまま解体されてしまってもよいのでしょうか?
もしも、真実が彼らの方にあるとすれば……』
とうとうクレストが動き始めたんだ……これは、私の方にも依頼が入ってくるかもしれない。
恐らく、これから入るクレストの依頼はユニオンが絡んだものばかりになるだろう。
遂行すれば、何か掴めるかもしれない。
「依頼の方は……入ってない」
新しい依頼は無し。予定通りアリーナを進めることにしよう。
……大丈夫だよね?
—コーテックス:ガレージ—
「……そうか、ファウストか」
「知っているんですか?」
おじちゃんに今日のアリーナの相手を教えたら、渋い顔をしてそうつぶやいた。
「よく憶えてる。嬢ちゃんが来る前に、俺がよく世話してた奴が居たんだが……
そのファウストに挑んで勝った翌日、深夜の路上で撃ち殺されていたのが見つかったよ」
「……それは」
「まぁ、そういう奴だ。嬢ちゃんも気をつけな。もし襲撃なんかがあったら、何時でも頼ってくれ」
「……ありがとうございます」
……本当に大丈夫なんだろうか。
「まぁ、それも勝ってからの話だ。機体はどうする?」
「そうですね……」
うーん……
あ。
そうだ、封殺しよう。
「じゃあ……」
HEAD:MHD-RE/005
CORE:CCM-01-NER
ARMS:CAL-MARTE
LEGS:CLL-HUESO
BOOSTER:MBT-NI/MARE
FCS:VREX-WS-1
INSIDE:—
EXTENSION:—
GENERATOR:CGP-ROZ
RADIATOR:RMR-SA44
BACKUNIT L:CRU-A10
BACKUNIT R:CWR-S50
ARMUNIT R:MWG-HG/111
ARMUNIT L:KWG-HZL50
右腕のハンドガンは、クレストからの餞別だ。
前回の依頼の舞台だった溶鉱炉に落ちていたので、よければ使ってくれ、とのことだった。
カタログスペックが中々いいものなので、試しに使ってみようと思う。
そして、左腕の投擲銃。当たれば爆発して、その反動で相手は一瞬固まる。
今回はハンドガンと投擲銃と時々ロケットを織り交ぜつつ、相手を火だるまにしようと思う。
「こりゃあ……近距離での撃ち合いになりそうだな」
「……ふふ、撃ち合いにはなりませんよ」
「?」
私は今、微妙に機嫌が悪い。
確かに試合後のそれは怖いし不安だけど……
それ以上に、腹が立っている。
AC戦で勝てなかったから、レイヴンを直接狙うとか、そういうのは……嫌いなんだよね。
—コーテックス:控室—
「……」
「……」
……どうしよう、空気が重い。
アリーナ等の準備が終わるまで控室で待っていたら、背の高い黒人さんが入ってきた。
今、二人分ほど離れて座っているのがその人だ。
……この人がファウストなんだろうか?
「アナタがシャインでスカ?」
「……そうですが」
「ワタシはファウストと申しマス。今日はよろしくお願いしマス」
「……よろしくお願いします」
あれ、想像していた人と違う。
……いやいや、騙されちゃだめだ。きっと人前では猫かぶっているとかそういうのだ。
「そろそろ時間でスヨ。アリーナに向かいまショウ」
「……そうですね」
今のところ、情報通りの人には見えないけど……
「ファウストさん」
「……なんでショウ?」
「あなたに勝ったレイヴンが謎の死を遂げているらしいですが……」
「それがどうかしましタカ?」
「……あなたですか?」
「……サァ?どうでショウ?」
……前言撤回、かな。
試合後が心配だ。
—コーテックス:アリーナ—
「……」
反対側にはファウストのAC、メーガスが待機している。
逆関節の軽量機。バズーカにエネルギー射出型のブレード、垂直ミサイル、そしてホバーブースタ。
中距離あたりからふわふわ浮きながらミサイルを垂れ流し、動きが鈍ったところをバズーカ等でたたむ。
戦い方はそんな感じだろうか。……だけど、まぁ
当たらなければどうということは……ない。
「……いきます」
<<……フン>>
3、2、1、GO!
「!」
試合開始のブザーと共に、ファウストのAC、メーガスが上昇、そのままこちらに向かってくる。
……そう簡単に、上はとらせない。
OBを起動しアリーナ中央まで前進、OBを切りながら旋回して、
メーガスが落ちるであろう私が居た場所を向く。
流石にこの脚部の旋回性能には勝てないのか、メーガスはこちらを向けてはいない。
旋回しながら落ちてくるメーガスの背後を取りながら移動、じわじわ距離をブーストダッシュで詰めていく。
<<クソッ!>>
本性が出てきたらしく、言葉遣いが怪しくなっている。
エネルギーが残り少ないのか、ホバーブースタを使用せずメーガスが着地。
そこを逃す私ではない。
もう十分なほど接近していた私は、一気にハンドガンと投擲銃を掃射する。
<<ッ……熱ガ!>>
そのままオーバーヒートしてもらおう。
ハンドガンの与える熱量はライフル等と比べて高く、また反動も大きい。
投擲銃も言わずもがな。当てた瞬間爆発するし、与える熱量、反動も大きい。
肩に背負っているロケットも同じくそうだ。
つまり、どういうことかと言うと……
<<……動けナイ!?>>
そういうこと。
熱暴走させてシステムエラーを起こし、さらに反動で動けないところを狙い、熱暴走を終わらせない。
これが今回の私の戦い方。
相手が動けないのをいいことに、私はメーガスの周りを半球を描くようにジャンプしながら、
全方位からハンドガン、投擲銃、ロケットの応酬を続ける。
<<クソッ……!こンナ!>>
「!」
死に物狂いでメーガスがOBを起動、私が描く半球の中心から強引に抜け出す。
……でも。
<<ッ!?>>
「……」
私の機体の方が軽いんだよね。
OBで逃げたメーガスを上からOBで追いかける。
ある程度追い付いたところでOBを切り、慣性を使ってメーガスの前へ。
慣性で吹っ飛びながら旋回、向かってくるメーガスの方に向く。
着地する時に、その少し前からブースタをふかしながら着地してやると、
着地硬直、つまりドッスン着地が起きない。豆知識。
メーガスがOBを切るが、地面にいる状態で切ったため、自動でブースタによるブレーキがかかる。
……逃がさない。
<<ヒッ!>>
「……」
ブーストダッシュからジャンプで正面から飛び越え、背後から一撃。
あとは先ほどと同じように、半球を描く作業に戻る。
ブースタを使わない、脚力だけでのジャンプを描くスタートにしているので、エネルギーは無くならない。
脚力のみのジャンプ、微妙にブースタをふかしつつ移動、着地、また脚力のみのジャンプ……
「……」
ハンドガンを当てる、装甲が割れる。
投擲銃を当てる、装甲が吹き飛ぶ。
ロケットを当てる、頭部が吹き飛ぶ。
ハンドガンを当てる、レーダーがへし折れる。
投擲銃を当てる、左のホバーブースタが爆発する。
ロケットを当てる、右のホバーブースタが後方に飛ぶ。
ハンドガンを当てる————————
ぴー、がしゃん。
気付けば私の機体の武装にセーフティがかかり、何も撃てなくなっていた。
しばらくして、『YOU WIN!』の文字がパネルに浮かんできた。
<<こ、こンナ……!>>
「……ありがとうございました」
ありがとうございました。
—コーテックス:ガレージ—
「見てたぜ嬢ちゃん!なるほどな、ありゃあ確かに撃ち合いじゃねぇや」
「上手くいきました」
今回の試合の後半は、もう勝手に手が動いていた。
身体が覚えた、とでも言えばいいんだろうか?
「しっかし、大したもんだ。素人目に見ても、あの動きはすげぇってわかったぜ」
「……身体が勝手に動いてました」
「ハハハッ!」
「……?」
……でも、試合に勝ってはい終了、じゃないのが今日だ。
あんな勝ち方じゃ、絶対……来るよね?
「ま、今日はそれで終わりじゃねえ。今日一日、気をつけた方がいいぜ」
「……はい」
どうしようかなぁ……
—???—
「……」
「……惨敗だったな」
「!……アナタハ」
「どうするつもりだ?」
「……決まっていマス」
「そうか」
「……」
「場所は分かっているのか?」
「無論デス」
「……そうか」
ぎぃぃぃ……ばたん。
「……さて、どうするかな」
◇◆◇◆
—トレネシティ:自宅—
「……大丈夫、大丈夫」
夕飯を食べて歯を磨いて、あとは寝るだけ……だけど、寝れない。
「……うぅ」
頼ってくれって言っていたけど、迷惑をかけることはできない。
私がなんとかしなきゃ……!
ぴんぽーん。
「っ!」
びっくりした……って、まさかこれが……?
と、とりあえず鍵を開けて……
「あ、開いてますよー……」
がちゃん。
さぁ来い、来るなら……!
「お邪魔する」
……あれ?
「だ、誰……?」
「……お前、私が襲撃者だったらどうするつもりだ?」
「に、逃げる、とか?」
「はぁ……」
「それであの、誰なんですか?」
とりあえず上がってもらって、お茶を出す。
「あぁ、私はロイヤルミストという」
ふむふむ、ロイヤル……って、えぇっ!
「な、なんで……?」
なんでここにアリーナランク3位が……
「お前をここで死なせるのは勿体ないからな」
「はぁ……」
勿体ないって……よくわからない。
「そら」
「わっ」
何か渡され……って!?
「こ、これ!」
「丸腰でどうする?」
「でも……」
「安心しろ、麻酔銃だ。相手に死なれてもらっては困るからな」
「撃ち方は解るか?」
「トリガーを引くんですよね?」
「そうだ。セーフティを外してな。片手で撃つなよ?肩が吹っ飛ぶかもしれん」
「は、はい……」
両手で持って乱射、一騎当千する私のイメージが……
「そんなことができるのは、筋肉お化けだけだ」
「心を読まれた!?」
はぁ、とロイヤルミストさんが呆れたように一息。
「……恐らく、相手は単独じゃない。部下を何人か連れてくるはずだ」
「ど、どうしましょう?」
「向こうは実弾、しかもこの場所もバレてる。ここは離れた方がいい。どこかないか?」
どこかって……
「ガレージ……」
「ガレージ?……コーテックスのか?」
「おじちゃんが何かあったら頼れって……」
「じゃ、そこを頼らせてもらおう。銃は仕舞っておけ」
「で、でも……」
「そのおじちゃんが私の知ってるおっさんなら大丈夫だ」
……?
「あぁそうだ、あの人も呼ぶことにするか」
ロイヤルミストさんが携帯端末でどこかに連絡を取る。誰だろう……?
「誰なんですか……?」
「現地に着けばわかる。じゃ、行こうか」
なんか色々いきなりすぎて、頭がついていかない……
「考えるのは後だ。とにかくここを離れるぞ」
「は、はい……」
—コーテックス:ガレージ—
「……お嬢じゃねぇか」
「やっぱり、ここか。久しぶりだな」
「嬢ちゃんもいるな。……襲撃が来たのか?」
「いや、まだだ。悪いな、ここでやらせてもらう」
「しょうがねぇな……」
「なんだ、準備万端じゃないか……モシンナガンか?」
「ちゃんと麻酔弾だぜ。お嬢も血は嫌いだろ?」
「見たくもない」
ロイヤルミストさんとおじちゃんは知り合いらしい。
……会話に全く入れない。
しばらくおじちゃん達がごちゃごちゃやっているのを眺めていたら、聞いたことのある声が入口の方から聞こえてきた。
あの特徴的な髪形は……
「久しぶりに連絡を入れてきたと思えば……随分と物騒だな」
「来てくれましたか」
「友人が狙われたとあれば、駆け付けんわけにはいかんよ」
ガレージに新しく入ってきたのは……
「……ゲドさん?」
「ようシャイン。まだ生きてるね?」
「はい」
返事はした綺麗にできたけど、頭の中は少し混乱している。
なぜゲドさんがここに……?
「もう安心……とは言えないが、これだけいればなんとかなるだろう。大丈夫だ」
「銃はありますか?」
「あるよ。注文通り麻酔銃だ」
「……ドリルの姉ちゃんも来たのか」
「久しぶりですね、おじさん」
ゲドさんもおじちゃんと知り合いらしい。これで私を含めて4人になった。
……ロイヤルミストさんが敬語を使ってる……
◇◆◇◆
「なぜここまでしてくれるんですか?」
ロイヤルミストさんに聞いてみる。
ここまでしてくれる義理はないはずだ。
「さっきも言ったが、お前はここで死なせるには勿体ない人間だからな。
それに……私も、こういう報復行為は嫌いでね。以前からなんとかしようと思っていたんだ。
今回は丁度いい機会だ」
「じゃあ、なんでゲドさんが?」
急に予想外の人がきたから驚いた。しかも、襲撃があるというのにまるで動じていない。
「彼女を呼んだのは、こういうことに慣れているからだ。私も何度か助けられたよ」
ゲドさん……一体何者なんだ……
「ふ、不思議に満ち溢れてますね……」
「彼女に関しては、私もよくわからん。私がレイヴンになったばかりの時に、既に彼女は今のランクに居たよ」
「いくつなんでしょう……」
「女性の年齢は聞くべきではない、が……あそこまで若く見えると、私も気になるな」
ゲドさんは今並んでいるロイヤルミストさんよりも幼く見える。もちろん私よりも。
「ベテランなんですね」
「あぁ。私は、何故彼女が今のランクに留まっているのかわからんよ。その気になれば、かなり上まで上がれるというのに」
なにか考えがあってのことなんだろうか?
……と言うか、それ以外にないだろうとは思うけど……
「あ……食べます?」
そう言って、持ってきたバッグの中のト○ポを取り出す。
小袋の封を開け、一本差し出してみる。
「腹が減っては、というやつか。いただこう」
ロイヤルミストさんが私の差し出した一本を受け取り、口に運ぶ。
「ふむ、美味い。感謝する」
「いえいえ。……おじちゃん達にも配ってきます」
てくてくと歩き、後方で銃の手入れをしているおじちゃんに一本差し出す。
「おすそわけです」
「お、ト○ポか。懐かしいなぁ……最後までチョコたっぷり、ってな。サンキュ」
……なぜだろう、おじちゃんがいつもより活き活きとしているように見える。
何と言うか、目が輝いてると言うか……
おじちゃんと別れて、ト○ポを一本咥えながら今度はゲドさんのところへ向かう。
「おすそわけです」
「お、悪いね。ありがたく貰っておくよ」
……やっぱり私よりも若く、というか幼く見える。こんなこと言うのは失礼かもしれないけど……
「しかし驚いたね。まさかロイヤルミストの友人になってたとは」
「いや、友人ってわけではなくて。今日初めて会いました」
急に教えてもないのに家に来た。
……そうだ、なんで私の家を知ってたんだろう?
「今日初めて?どういうことだ?」
「ファウストとのアリーナ戦を終えて、家で待機してたら急に来たんです。
それで、後は言われるがままに連れてこられて……なんで助けてくれるんでしょう?」
「……そりゃあ、気に入られたんだろうね。勿体ないとか言われなかったかい?」
「言われました」
なんでわかるんだろう?
「アイツは、強いヤツと戦うことが何より楽しいし嬉しいと言っていたよ。
依頼をほとんど受けないのはアリーナに籠もっていたいからだろうな」
「それがなんで私を助けるのと……?」
「そんなの決まってる。君が強いからだ」
「私が、強い……?」
「君の操縦の腕は、私が今まで見てきたレイヴンの中でもトップクラスだ。
ロイヤルミストからすれば、是が非でも戦いたい相手のはずだよ」
そうなのか。
「なるほど……」
「……時にシャイン、君はもしロイヤルミストが来なかったらどうするつもりだった?」
そりゃあ……
「全力で逃げようかなーと……」
「どこに?」
「え、えっと……」
「……はぁ。いいかい?確かに匿ってくれと頼むのは、君からすれば迷惑をかけると思うかもしれないが……
こちらからすれば、友人が勝手に死なれる方がもっと迷惑だ」
「……そう、ですか?」
「あぁそうとも。君も、アップルボーイが狙われたとして、自分を頼ってくれず勝手に死なれると悲しいだろう?」
それは……そうだけど……
「君は、君が思っている以上にいろんな人から大切にされている。それを憶えておくんだ」
「……わかりました」
「よし!じゃ、そろそろ持ち場につこう。最後にもう一本貰ってもいいかい?」
「はい、どうぞ」
「ありがとさん……うん、美味い」
私ももう一本……
「……そろそろいい時間だ。持ってる銃にこいつを付けておけ」
ロイヤルミストさんのところに戻ってト○ポを頬張っていると、彼女がそう言ってきた。
手元の時計を見ると、深夜1時を指していた。……道理で眠いはずだ。
状況は、私とロイヤルミストさんがガレージ中央辺りでバリケードを張り居城、おじちゃんとゲドさんは2階で待機。
2階と言っても、ガレージ内の壁につけられた狭い通路で、1階から梯子を上って行くしか道はない。
私たちが敵を引きつけているうちに、2階から無防備な所を叩いてもらう。というのが作戦……らしい。
ちなみに私たち全員、ゲドさんの持ってきた防弾チョッキを着ている。
……なぜ持っているかはわからない。
「これは?」
「サプレッサーだ。銃の先端に取り付けることで、撃った時の音をある程度消してくれる」
それは便利だ。……どうやってつけるんだろう?
「……あぁ、すまん。銃は初めてだったな。貸してみろ」
そう言われて、ロイヤルミストさんに銃を手渡す。
受け取った彼女は、手際良くサプレッサーと呼ばれたものを銃に取り付けていく。
「……できたぞ」
「ありがとうございます」
銃がとても長くなった。……かっこいい。
「セーフティはわかるか?銃の横についている小さいレバーみたいなものだ」
「……これ?」
それらしきものを指で下ろすと、カチッっと音がした。
「それがセーフティだ。今は外れた状態、つまり引き金を引けば弾が出る状態だ」
「へぇ〜……」
なるほど。安全装置が無いと危ないもんね。
◇◆◇◆
「……どうやらお出まし、だな」
ロイヤルミストさんがそう呟く。ガレージ唯一の入口の方を向くと、全身黒い格好をした人達が見えた。
「……6人か。1人の為にそこまで必要か?」
「大丈夫でしょうか……?」
「そんな弱気でどうする。……見ていろ」
そう言って、ロイヤルミストさんが持っている銃で黒服を狙い始める。
ぷしゅっという音が鳴ったかと思うと、黒服の内の1人が倒れた。
「これで5人になった」
・・・・すごい手際だ。
「まだこちらの場所はばれていないだろうが、このガレージの中にいる、ということは今のでばれた。
そこら中に乱射してくるかもしれないから気をつけろよ」
「……はい」
案の定、黒服の集団はそこら中に弾をばら撒き始めた。……危険すぎる。
「!」
「流石だな」
その最中にまた1人黒服が倒れる。……どうやら2階の2人のどちらかにやられたらしい。
これで4対4……
私も負けていられない。黒服を狙い、引き金をしぼる……と。
「きゃっ!」
乱射される弾丸が出していた顔の真横を掠り、思わず声が出てしまう。
「大丈夫か!?」
「……はい。掠りましたけど……」
左の頬が熱い。……血が出ているのがわかる。
「まずいな……今のでここにいることがばれたはずだ」
「……すみません」
「謝るのは後だ。お前は身を隠しておけ」
ロイヤルミストさんはそう言うと、私の代わりに身を乗り出して撃ち合い始める。
なにか、私にもできることはないだろうか……
「……そうだ、これで」
バリケードの中にあったビンを持って、若干斜め前の方に投げる。
床にぶつかったビンはぱりーんという音を立てて割れ、一瞬黒服がそちらの方を向く。
「今」
ロイヤルミストさんが発砲、無防備になった脇下あたりに弾が命中し1人倒れて、続けざまにもう1人が倒れた。
……これで2対4だ。
「いいアシストだった。助かったよ」
「私にできるのは、これぐらいですから」
今私にできることをしよう。足は引っ張れない。
「……ファウストがいないな」
「わかるんですか?」
黒服たちは覆面をしている為、顔は見えなくなっている。
けど、ロイヤルミストさん曰くファウストはあの黒服の中にいないらしい。
「それなりに長い付き合いだからな。……しかし、ここに居ないとなると……」
話を聞いていると、またばたり、と黒服が倒れる。……これであと1人だけになった。
「まずはあの最後の1人を片付けようか」
そう言うと、ロイヤルミストさんは身を乗り出して発砲、立っている黒服の首に命中させた。
……かっこいい。
「これで一応全部終わったな。ファウストがいないのが気がかりだが……
いつ起きるかわからん。黒服を運ぶぞ」
「わかりました」
ロイヤルミストさんが2階の2人にサインを送り、終わったことを伝える。
一旦は、なんとかなったみたいだ。
「無傷、とはいかなかったが、大事にならずに済んだな」
眠っている黒服を担ぎながら、ロイヤルミストさんが話しかけてくる。
「……みなさんのおかげです」
私1人ではどうにもならなかっただろう。まさか6人もいるなんて思わなかったし……
「ファウストには、捕まえた後しっかり説教だな……ッ!?」
「!」
言い終わると同時に、ロイヤルミストさんの身体がこちらに倒れ込む。
彼女が担いでいた黒服が一緒に倒れる。
発砲音は?——聞こえた。
ガレージの入口に近いのは?——彼女だ。
火花は?——見えた。
銃は?——持ってる。
セーフティは?——外してある。
持ち方は?——知ってる。
狙いは?——定めた。
あとは?——撃つだけ。
ぷしゅっと音を立てて放たれた麻酔弾は、ガレージ入口で銃をその内部に向けたファウストに命中した。
彼女が撃たれたと思ったら気付けば銃を持っていて、しかも発砲した後だった。
手に痺れが走る。……私は銃を撃ったのか。
「……そうだ」
ロイヤルミストさんは
「大丈夫ですか?」
「……やられたよ。注意を怠った私のミスだ」
よかった……生きてた。
「防弾チョッキのおかげだな。頭を狙われなくて助かったよ」
「……ひやっとしました……」
「入口で何かが倒れる音がしたし、命中したんだろう。素晴らしい早撃ちだった」
「……自分でもびっくりしてます」
本当に私がやったんだろうか?
「銃の持ち方も見事だ。本当に今日持ったのが初めてか?」
「はい。……無意識だったんでしょうか。あなたが撃たれた、と思ったらもう撃ってました」
「……なるほど。敵に回したくはないな」
「おーい!大丈夫か?」
「お嬢、大丈夫か?」
2階から降りてきたゲドさんとおじちゃんが駆けつけてくる。
「すまん、心配をかけた。シャインと防弾チョッキに助けられたよ」
「それは持ってきて正解だったみたいだね。……全く、心臓に悪い」
はぁ、と胸をなでおろすゲドさん。
……これで、全部終わったのかな。
「首謀者もシャインがやってくれました。後はこの黒服を運ぶだけです」
「この黒服たち、運んでどうするんだ?」
「私の本拠地に連れて行って……まぁ、後は任せろ」
「……とりあえず運ぶか」
—コーテックス:本社前—
「この車に運んでくれー!」
「りょうかーい!」
おじちゃん、ゲドさん、私の3人で黒服を運んでいる。
ここまで来るのに結構な時間がかかってしまった。
……無理もないか。
「……よし、これで全員だな」
「黒服の処理は、君に任せたよ」
「……ゲドさん、今日はありがとうございました」
「何、友人のピンチだったんだ。安いもんさ」
「……これ、どうぞ」
そう言ってト○ポを差し出す。
「お、悪いね」
「……今日はホントに、助かりました」
ゲドさんが居なかったら、ロイヤルミストさんは死んでいたかも知れない。
「シャインも、何かあったらまた頼ってくれよ?」
「……はい、それはもう」
今度は、私が自主的に頼らなきゃ。
「おじちゃんも、ありがとう」
「お疲れさん!お嬢の顔も久々に見れたし、死人も出てないし、今日は満足だぜ。……ぶっ放せたしな!」
やっぱり、顔が活き活きしていたのはそういうことだったんだ。
……男の人って銃とか剣とか好きなものだよね。
「ガレージでドンパチやってすまんな。機材に風穴がいくつか開いているかもしれん」
「いいってことよ。頼れっつったのは俺だしな。お嬢もたまには顔見せろよー!」
「機会があればな。……じゃあな、シャイン。さっさと私のところまで上がってこいよ」
「……それって、アリーナランクですか?」
「それ以外に何がある……」
呆れたようにそう言われる。確かに他に上がるものなんてないけども……
……今回助けてもらった礼として、約束することにする。
「……わかりました。近いうちに、必ず」
「頼んだぞ。私の楽しみなことはそれぐらいしかないんでな」
「……ロイヤルミストさんも、ありがとうございました」
彼女がいなかったら、私は今頃蜂の巣にされていただろう。……命の恩人だ。
「礼などいらんよ。私が好きでやったことだ。そういうことは、巻き込んだ2人に言ってやってくれ」
彼女がちょっと照れているのを見逃すほど、私は甘くない。
……八百長云々の件は、水に流すことにしよう。
「……じゃあ、ここいらでお開きだな。みんな、よくやってくれた」
「ありがとうございました!」
「お疲れー」
「お疲れさん。気をつけて帰れよー!」
各々がみんなにあいさつをして解散する。
ロイヤルミストさんは車でどこかへ。
おじちゃんはコーテックスへ。
ゲドさんは……あれ、いない。
「……私も帰ろう」
全てが終わって安心すると、なんだかとても眠くなってきた。
あぁ、我が家が恋しい。お風呂に入って、横になって……
—トレネシティ:自宅—
「……」
意気揚々と帰ってきた私を、鍵が破壊された玄関のドアが迎えてくれた。
「……」
家に入ると、そこら中の床は足跡だらけで、まさに襲撃があったと教えてくれた。
「……」
寝室の窓はもちろん割れており、深夜の肌寒い風が入ってきて非常に心地よい。
「……」
ベッドももちろん穴だらけで、掛け布団からは羽毛があちこちから飛び出ている。
「……」
……寝れない。
「……はぁ」
今日の寝床は、お風呂に入ってから考えよう……
—???:車内—
「あれがシャイン、か……」
どんな奴かと思っていたが……
「嫌いじゃないな」
ACに乗っている時とは大違いだったな。まるで別人だ。
「……なんだか、嬉しそうですね?」
運転手が私に話しかけてくる。
「そう見えるか?」
「はい。少なくとも、私からは」
「そうか。……っと」
「着きましたよ、お嬢」
「じゃあ、こいつらを運び出してもらうか。手配を頼む」
「承りました」
黒服にまぎれてぐったりしている顔見知りを覗きこむ。
……まさか、お前が私に銃を向けるとはな。
「……お前には、山ほど説教がある」
覚悟していろよ。
今回はここまでです。長い……
たくさん突っ込みどころがあると思いますが、自分が燃えるシチュエーションで読んで頂けると幸いです
フロムお得意の丸投げです。……いやホントごめんなさい
次回の投下は未定です。守れない約束はするなってことです……
みんなも気をつけようね!
おつー
これ読んで1から買い込んでしまった
こんばんは。今日は報告です
受験の方は案の定ダメでした。後期は受けていないので、まぁそういうことです
>>666
ありがとう……
>>667
興味を持ってくれてありがとうございます!
「こいつ倒せないんだけど」みたいなことがあったら気楽にどうぞ!
http://www.youtube.com/watch?v=CGmXBdDDGg4
あとACとか全然関係ないんですけど、是非↑を聴いてほしいなぁと……
こうでもしないとあばばばばb
先を越されていたか…
悔しいけど>>1のほうが面白いの書きそうだ…頑張って!
>>669
地球でも火星でも、好きに書いたらいいじゃないか
オカルト持ちと一般人の差がネクストとノーマルぐらいの差に見えたんだよね…書いてみようかな…
>>670オカルト持ちと一般人の差がネクストとノーマルの差に見えたんだよね…書いてみようかな
2
誤爆
みんな染まったなぁ
傷心のイッチにオススメのエロゲでも紹介してあげようか?(ゲス顏)
まぁ、それはどうでもいいとして。今みたいな情勢だと何が功を奏するかわからんから、メゲずに頑張れー
前回の投下から約二週間が経ちました
書けない……!なぜっ……!こんなことがっ……!
どうやって書いてたんだろう……でも一週間以内にはなんとか形にします!
>>669
全然気にしないで書いたらいいと思います!
というか同じものを書こうとしている人がいたなんて……!
>>676
がんばります!ドラムが楽しくてそればっかやってます……
エロゲは全然大丈夫ですよ!今やってるのはその花のミカエルの乙女たちです。玲緒さまかわいい!
あと超私事なんですが、オススメのバイトないですか?
深夜のコンビニがいいかなーとか思っているんですが……
これが今回のひけんたいか
>>677
エロゲに関してはその……世にも珍しいACパロを扱った作品があったので……
バイトは単純作業になりそうな、宅配便の仕分けとか?
ああいうのはやりながらSS考えられると思う
レンタル屋とか簡単でおすすめ
ネカフェいいよ
スーパーはやめよう、鮮魚とかに配属されたら死ぬから
コンビニでバイトしてるけど、深夜は深夜で接客が少ない代わりに機械類のメンテとか売り場作りとか色々あって大変っぽい
俺は夕方帯だが、6時から8時にラッシュが来るからキツい
バイト代入ったらAC買ってみようかな……
こんばんは!何とか書けました……
>>679
ACパロのエロゲ……想像がつかない……
バイトの件、色々とありがとうございます。参考にしたいと思いまする!
今回は、データカプセル回収です
きた!
◇◆◇◆
この間は大変だったなぁ。
まさかアリーナで一勝するだけで生身の銃撃戦になるなんて……
あの後、私を襲ったファウストはアリーナからその名前を消した。
ロイヤルミストさんにメールで聞いてみると、「知らない方がいいこともある」だそうだ。
……何をしたんだろうか。
<<……おい、シャイン>>
「!」
<<そろそろ目標地点に到達します。依頼の内容を、改めて説明しておきます>>
そうだった。今はクレストの依頼で……自然区?に向かっているんだった。
<<依頼内容は、作戦領域に散らばったカプセル内のデータの回収です。
作戦が終了次第、輸送機でACを回収。これが今回の流れとなります>>
今回の依頼はクレスト社から。
ユニオンのヘリを撃墜したらデータカプセルを発見、中のデータをユニオンに回収される前に奪ってほしい、とのことだ。
作戦領域は植物が異常な成長をとげて、まるでジャングルのようになっているらしい。
視認できなくても、敵やターゲットはレーダーには映るらしいので安心だ。
<<また、この地域ではスコールが予想されています。作戦に影響がでるかもしれません……留意してください>>
飴……じゃなかった、雨か。
雨はじとじとするから嫌い……飴は甘くておいしいから好きだけど。
<<……何かくだらないことを考えてないか?>>
「!……どうしてわかったの」
<<お前の考えてそうなことぐらいすぐにわかる。……もう少し真面目にやれ>>
「わかった」
—セクション615自然保護区:第一層特殊実験区—
<<見えてきたぞ。……なるほど、ジャングルだな>>
そうそう、今回の依頼は僚機を雇えるようだったので、菫……リップハンターを連れてきた。
こうやって協力するのは何時ぶりだっけ?
「……私は、回収に専念するから」
<<そうだな、お前の機体では撃ち合いに向いていないだろう。そっちは任せたぞ>>
リップハンターのAC、ルージュは全身エネルギー兵器といった感じだ。ビジュアルがとてもかっこいい。
今回の私の機体は軽量機にしてある。依頼が回収と聞いて、これしかないと思った。
武装も最低限にとどめてある。
HEAD:CHD-07=VEN
CORE:CCM-01-NER
ARMS:CAL-MARTE
LEGS:CLL-HUESO
BOOSTER:MBT-NI/MARE
FCS:PLS-ROA
INSIDE:—
EXTENSION:—
GENERATOR:CGP-ROZ
RADIATOR:RMR-SA44
BACKUNIT L:—
BACKUNIT R:—
ARMUNIT R:MWG-RF/220
ARMUNIT L:MLB-LS/003
……本当に最低限しか積んでいない。武器はライフルとブレードだけだ。
まぁ、さっさと回収してとっとと帰ればいいだけだし。
もし敵がいたとしても、攻撃を避ければいいだけだし。大丈夫、大丈夫……
<<しかし酷い雨だな。彼女が言うように、作戦に影響しないといいが>>
「そうだね……」
予想通り、作戦領域では激しい雨が降っていた。酷い降り方で、かなり視界が悪い。
……回収するだけでも、結構難しいかもしれない。
<<大きな川が流れていますが、ACにとっては浅いので安心してください>>
「わかりました」
深い水底はACにとって天敵だ。水没したレイヴンもいると聞いたことがある。
あれ、どこで聞いたんだっけ……?
<<目標地点に到達、機体を投下する>>
いけないけない、今はミッションだ。
「了解」
<<了解>>
私とリップハンターの機体が輸送ヘリから投下される。
辺りに生えている木の背丈は高く、おまけに数も多い。
ジャングルに加えこのスコール……前がほとんど見えないんだけど……
‐メインシステム 戦闘モード 起動します‐
<<敵勢力を確認しました……!目標の回収を急いでください!>>
「もうこんなに……」
<<不味いな……>>
レーダーを見ると、敵の位置を示す赤い点が1、2、3……とにかく多い。
視界が悪いせいで、メインカメラからは敵を視認することが出来ない。
幸い、データカプセルはレーダーに全て表示されているので、素早く回収、帰還することを目指そう。
<<各機へ!敵を積み荷に近づかせるな!>>
<<了解>>
ユニオンの人達も息巻いている。
「じゃあ行ってくる。リップハンターは適当に敵を掃除してて」
<<適当ってお前……。まぁ、いい。それぐらいしか私には出来ないからな>>
リップハンターの機体には、最高級品のレーダーが積んである。
そのレーダーを頼りにしていれば、敵を見失うこともないだろう。……多分。
「2分で戻ってくるから」
<<わかった。そっちは任せたぞ。お前がピンチになったら、すぐ助けに行ってやる>>
「ありがと」
ピンチになることはきっとないと思うけど、心配してくれるリップハンターがうれしいので黙っておく。
持つべきものはやっぱり友だ。
じゃ、回収しに行こう。勢いで2分と言ってしまったから、2分で帰ってこなきゃ。
間に合うかな……?
まずは前方にあるカプセルを回収だ。
目標のカプセルは全部で4つあり、長方形を描くように落ちている。
時計回りに拾っていこう。
「じゃ」
<<行ってこい>>
機体を高く上昇させ、OBを起動。その後すぐOBを停止させる。
OBを起動したときの最初の爆発的な推進力だけで、前方に落ちるように飛んでいく。
エネルギーをあまり使うこともなく、長距離、中距離を移動したいときには非常に便利だ。
<<なるほど……OBにはそんな使い方もあるのか>>
リップハンターが感心したように呟く。
「リップハンターもやってみたら?便利だよ」
そう言いつつ、ブースタをふかしながら着地。そのままブーストダッシュでカプセルの回収に向かう。
<<いや、私はOBは使わないタチでな>>
「そうなんだ」
残念。
……っと。
「1つ回収。あと3つ」
<<速いな>>
「まぁね」
ちょっと得意げになる。
—視点:リップハンター—
<<1つ回収。あと3つ>>
「速いな」
<<まぁね>>
照……シャインがもうカプセルを1つ回収したらしい。
ここまで手際がいいとはな。流石だ。
「私も負けていられないな」
敵は……カバルリーか。
カバルリーはフロート型の脚部に、プラズマキャノンを装備した厄介なMTだ。
レイヴンになる前はMT乗りをしていたおかげで、MTについては多少詳しいつもりでいる。
「敵MTはプラズマキャノンを装備している。当たらないとは思うが、気をつけておけ」
<<了解>>
一応シャインにも教えておく。知っておいたほうが、対処も楽になるはずだ。
……とりあえず、この周辺の敵を掃討しておくか。
あいつは戻ってくると言ったしな。そこに敵が居ては不味いだろう。
レーザーライフルでカバルリーを捕捉、射撃する。
カバルリーも反撃をしてくるが、プラズマキャノンはそこまで弾速が速いわけでもなく、見てから避けることができる。
「1機撃破」
この調子で……!
「ッ!」
意気込んだ瞬間、機体が激しい衝撃を受けた。
熱暴走を知らせるアラートが喧しい。
「くっ!何だ!?」
<<大丈夫!?>>
「……どうやら、グレネード砲台が木に紛れているようだ。被弾したが、大したことはない。お前も気をつけろ」
<<わかった。リップハンターも無茶しちゃだめだよ>>
くそ、グレネード砲台か。放置しておくとカバルリー以上に厄介だな……
カバルリーはこの際二の次だ。
レーダーを確認して、グレネード砲台をさがす。
カバルリーは常に動きまわっているので、動いていない反応を見つけられれば……
「見つけた」
動きまわる赤い点の中に、全く動かないものがあった。よくもやってくれたな……!
OBがないので、ブーストダッシュでグレネード砲台を目指す。
「あれだな。……大きい」
見つけた砲台は思った以上に大きく、砲身だけでACの身長ぐらいあり、ACのグレネードよりも威力が高いだろう。
さっきは大したことはないと言ったが、実際はかなりダメージをくらっている。当然か。
まぁ、そうは言っても砲台だ。後ろを取ってしまえば脅威ではない。それに……
「こんな時こそ、オービットキャノンの出番だろう」
肩のオービットキャノンを発射する。3つほど飛び出したそれは、砲台を見下すように周りを囲む。
すると、発射したオービットキャノンからレーザーが多数発射され、砲台は蜂の巣になっていく。
オービットキャノンは小型の自動攻撃兵器で、ロックオンした後発射すれば、敵を追って攻撃してくれる。
動きまわる敵には弱いが、今回のような動かない敵には大いに役立ってくれる。
私のお気に入りの武器だ。
<<2つ目を回収>>
オービットキャノンが砲台を破壊した直後、シャインがカプセルを回収した報告が入る。
<<作戦は順調に進んでいます。その調子で、よろしくお願いします>>
「了解」
<<了解>>
なんとかなりそうだな……
っと!
「チッ!」
気を抜いたところに、カバルリーのプラズマキャノンが飛んでくる。
「数が多すぎるな……」
反応が遅れることもなく、回避には成功した。が……このままこの状況が続くと不味いな。
弾がもつかどうか……
<<これで3つ目。あと1つ>>
速いなおい。
「やるな……」
<<……ただ、回収してるだけだから>>
そうは言うがな……
<<っ!>>
「どうした!」
<<……被弾した。プラズマは痺れる>>
—視点:シャイン—
「……被弾した。プラズマは痺れる」
木の陰から突然出てきたMTに、プラズマキャノンを正面からくらってしまう。
あまりに突然だったから、反応が遅れてしまった。……むぅ。
「おかえし」
フロートを滑らせて逃げるMTを、ブーストダッシュで追いかける。
いかにフロートと言えど、それはMTのもの。軽量級のACなら十分追い付くことができる。
案の定、すぐに視認できるところまで接近した。
「ふっ」
MTの背後から飛びかかり、ブレードでその上半身を狙って薙ぎ払う。
エネルギーが出力されたブレードは、あっさりMTの上半身を吹き飛ばした。
……って。
「……こんなことしてる場合じゃない」
カプセルを回収するんだった。
……どうやら、最後の一つはここから私たちが投下された場所までの間にあるみたい。
帰り道に回収しつつ、そのままリップハンターのところまで帰ろう。
「川を渡って、と……」
MTを追いかけたせいで、最後のカプセルの場所からさっきより離れてしまった。
いつも通り、上からOBの余剰で飛んでいく。
「……あった」
川を挟んだ反対側に、最後のデータカプセルが見える。
回収してさっさと帰ることにしよう。
「あれは……?」
川を越えている途中、カプセルの横に何かが見える。何だろう……?
そう思った瞬間、そこから赤い光がかなりの速さでこちらに向かってきた。
……!
「っ!!」
瞬間的に、機体を左に動かす。
「……くっ!」
機体に衝撃が走り、空中でバランスを崩してしまう。
不味い、体勢を立て直さなきゃ。
OBの推力の余剰で飛んでいたから、速度がかなり出ていたみたい。
そのせいで、グレネードを見てから完璧に避けることが出来なかった。
……とりあえず、着地しよう。
「すごい威力……」
右手が吹き飛んでいる。
コアにくらわなかったから私はなんともないけど、ライフルが無くなってしまった。
<<大丈夫ですか!?>>
<<どうした!?>>
ほぼ同時に、タカミさんとリップハンターから心配してくれる声が聞こえてくる。
「……グレネードをもらっちゃった。ライフルがなくなったけど、大丈夫」
<<びっくりしましたよ、もう……>>
<<ただでさえ装甲が甘いんだ。無理はするなよ>>
「わかってる、ありがとう」
ライフルがなくなっちゃったけど、グレネード砲台を壊すことぐらいはできる。
とにかく接近しよう。
OBは使わない。移動に自由がきくブーストダッシュで距離を縮めていく。
もうグレネードはくらいたくない。
「よし」
川の反対側に辿り着き、左腕のブレードを構える。
砲台の側面に回り込んで、一閃。
「……これで大丈夫」
グレネードはなくなった。あとは、真横に落ちているデータカプセルを回収すればそれでおわりだ。
「……ふぅ」
<<全ポッドの回収を確認しました。そろそろ迎えのヘリが到着する時刻ですが、このスコールでは……>>
「……え?」
<<ん?>>
嫌な予感がしたところで、輸送ヘリの操縦者からの通信が入る。
<<レイヴン、風雨が激しくてそちらに近づけない。すまないがしばらく待機してくれ>>
「……」
<<やっぱりか……>>
不味いなぁ、どうしよう。
<<シャイン、お前は下がっていろ>>
「……リップハンター?」
<<私が盾になる>>
「そんな……」
危険すぎる。MTは一向に数が減らないし、きっとルージュの残弾も……
<<お前はライフルが無いんだろ?>>
「そうだけど……」
ブレードならあるんだけど。
<<まぁ、少しは私に格好つけさせろ>>
「……え?」
え?
<<僚機としてきたのに、その辺でMTをあしらうだけなんて、私が許せない>>
「えぇ〜……」
そういえば、リップハンター……菫には昔からこんなところがあったような……
<<お前は私の後ろで適当に動いていてくれ。MTは任せろ>>
「……わかった」
こうなった菫は、どう説得しても聞いてくれない。
「無茶はしないでね……」
<<それはわからないな>>
心配だなぁ……
—視点:リップハンター—
「それはわからないな」
そう言って、レーダーを確認する。
この周辺のグレネード砲台は無力化したから、あとはMTを凌げばなんとかなるだろう。
周辺のMTの数はまるで減っていない。ユニオンとかいう連中の戦力はどうなっている……
……気を引き締めてかかろう。私の後ろには守る人が
<<遅刻したー!!>>
人、が……
<<アワイちゃん!?>>
<<タカミーだ!……こんばんは?>>
「……おい」
<<な、なんでここに……?>>
<<なんか、菫が僚機として依頼を受けてたみたいだったから私も来たの!>>
「名前で呼ぶなっ!」
<<えー、だってリップハンターってセクハラみたいで嫌なんだもん>>
<<あ、それわかる>>
<<でしょー?さっすが、シャインは話がわかるね!>>
「……」
無茶苦茶だ、こいつ……
<<ほら菫!前から来てるよ!>>
「!」
ルージュを動かして迫ってくるプラズマキャノンを避け、カバルリーの横をとる。
レーザーライフルを構えて掃射、カバルリーは爆発しながら動きを止めた。
<<やっるぅ!>>
「はぁ……」
◇◆◇◆
「まだか……?」
そろそろいいだろう……?
オービットキャノンは早々に弾が切れてパージした。
レーザーライフルもあと……カバルリーを2機ほど倒せる分しか弾が残っていない。
あとはブレードとEOだが……
「EOは当たらないんだよな……」
あれだけ敵の動きが速いと、EOは当たってくれない。
弾は無限にあると言えば聞こえはいいが、当たらないんじゃ意味が無い。
ブレードも弾は無限にあると言えるが、これも当たらない。
シャインのように軽量機でもないし、技術もそれほどあるわけではない。
……思っていて悲しくなってきたな。
<<どしたのー?>>
こいつはこいつでテンションが高すぎる。
毎度のことだから、いい加減慣れなきゃいけないんだろうが……
私も、タカミさんがよかったよ……
「シャイン、お前はなんともないな?」
<<うん、被害は今のところないよ>>
それはよかった。
しかし、もう結構戦っているぞ……
私の疲労もルージュも、それなりに限界がきている。
プラズマキャノンの威力は相当高く、一発くらうだけで装甲がかなり剥がれてしまう。
これ以上は……
<<雨がおさまってきたようだ……すぐそちらに向かう!>>
「……やっと来たか」
遅いぞ……
—視点:シャイン—
<<レイヴン、待たせたな。機体を回収次第、帰還する>>
「終わった……」
<<……はぁ、やっとか>>
もうくたくただよ、とリップハンターが呟く。
さがれと言われた後は、本当に敵が1機もこなかった。……素晴らしい腕前。流石。
「お疲れ様」
<<ああ、お前もな……>>
<<では、輸送機に向かってください>>
<<くださいー!>>
じゃあ、帰ろう。
私のAC、アマテラスを動かして、空中で待機している輸送機に向かう。
リップハンターのルージュも、私に少し遅れてその後をついてくる。
……リップハンターがほとんど倒したのだろう。MTは追ってこなかった。
<<ACの回収を確認しました。……お疲れ様でした>>
<<お疲れ様でしたー!>>
「ふぅ……」
<<これでやっと、一息つける……>>
コクピットの中で輸送機に揺られながら、私たちはジャングルを後にした。
‐作戦目標クリア システム 通常モードに移行します‐
—コーテックス:ガレージ—
「お疲れだな、嬢ちゃん」
「おじちゃん……」
「おっと、後ろのねえさんの方がお疲れかな?」
「……どうも」
「……こいつぁ、本格的にグロッキーだな」
「今日は大変だったので……」
特に菫は大変だったろう。私は大したことないんだけど……
「早いとこ休んどきな。レイヴンは身体が資本、だぜ?」
「そうします……」
菫が力なく返事をする。……本当にお疲れさまだ。
「リップハンターは先に行ってて」
「ああ、そうさせてもらうよ……」
菫を先に帰したところで、おじちゃんに向き直る。
「で、どうした?話ってのは」
ミッションを受ける前はあまり時間が無かったから、後で話したいとおじちゃんに言っていた。
「あの後、大丈夫だったかなって思って」
「あぁ、例の襲撃か。安心しな、大丈夫だったぜ」
「よかった……」
ほっと一息。
「確かに穴は開きまくってたが、幸い重要な機材に被害はなかったよ」
「一安心です」
「嬢ちゃんこそ、あの後は何もなかったのかい?」
「はい。ロイヤルミストさんが色々手回しをしてくれたみたいで……」
「お嬢が、か。……そりゃ相当だな」
「?」
「あぁ、こっちの話だ。ま、何にもないようでよかったぜ」
「……あ」
そういえば。
「やっぱり、なにかあったのか?」
「えっと、家に帰ったら、家中が目茶苦茶になってて良く眠れなかったって、それだけです」
「ははは!そりゃ災難だったな。今はもう大丈夫なのか?」
「はい、直してもらいました。……金品が盗られてなくてほっとしました」
そのかわり、そこら中穴だらけだったけどね……
—視点:リップハンター—
—コーテックス:ガレージ前通路—
「はぁ……」
全身くたくただ。疲れを自覚した途端、一気に気だるさが私を襲ってきた。
しかし……
(凄いな。あいつは)
軽量機という点があっても、あの手際の良さは恐ろしいものがある。
これまで全ての依頼を失敗したことはない、と聞くし、
アリーナも一度も敗北することなく、Cランクの頂点まで進んでいるとも聞いた。
どこまで強くなるんだか、な。
「……あ、おーい!菫ー!」
通路の向こうの方から、私のオペレータであるアワイが手を振りながら近づいてくる。
「だから私を名前で呼ぶなと……」
「えへー」
えへーじゃない……
「あれ?相当おつかれ?」
「……あぁ。ツッコミが出来ないほどにはな」
「ははー。そりゃあ大分おつかれだね」
お前のおかげで、さらに疲れそうだよ……
「……シャインがすごい?」
「ああ」
カフェで少し紅茶でも飲もうと思い、アワイと向かっている途中でそんな話をする。
「話したかもしれないが、あいつは昔からの友達でな。……そう、昔からなんでもできた」
「なんでもできたんだ?」
「そうだ。それも一流だった。勉学、運動、芸術……天才なんだろう」
「へーすごいねー!」
「本人曰く、身体が勝手に動くそうだ」
あいつにとっては、ACの操縦技術も同じようなものなんだろうか。
「それで?」
「ん?」
「それで、それがどうしたの?」
「……あぁ、私も負けていられないな、と思っただけさ」
「菫は別に負けてないと思うけど?」
「だから名前で……もういいか。で、私は負けていないって?」
「うん!過去のことは知らないけど、菫だって依頼は一度も失敗したことないし、
アリーナだって登録すれば順位なんて余裕で上げれるし、何より美人だし!
強いて言うなら、互角ってところかな!」
むふー、と胸を張ってそんなことを言うアワイ。
「……」
無言でアワイの頭をくしゃくしゃと撫でる。
「うゅー何すんのー」
褒められたのかはわからないが、そういうことを面と向かって言われるのは初めてだった。
どうすればいいのかわからなくなって、何となく頭を撫でてみた。
「そうか。……まぁなんだ、その……ありがとな」
「どういたしましてー」
くすぐったそうにしながらも、アワイは頭を撫でる私の手を払いのけることもなく、気持ち良さそうにしていた。
……たまには、こういうのもいいものだな。
(……)
しかし、どこまで強くなるんだ?照は……
今回はここまでです。そして、次回はまたしても未定です
次回はアリーナにしようか、ミッションにしようか……
またしても私事ですが、さっき食後に体重測ってみたら33.8kgでした。あれー?
身の危険を感じつつも、また次回!
おつー
乙
その体重はさすがにマズいと思う
おつー
>>683
百合がいけるなら男の娘もいけるやん!(暴論)
傷心にはバカゲーで笑っとくのが一番やで!
……とか思ったけど割と話が風通し悪かったという
もったいぶるのもアレだしタイトル言っちゃうと、魔法少女の大切なことっていうゲームなんですけども
ACってネタ要素多いと思うんだけどなぁ
長文失礼
まっだっかなー
そうだよ(絶望)
落とすのはしのびない
ここもエタったか、好きなスレだったんだけど
うーわーもう一ヶ月経っちゃってます……生存報告です
虫歯治してたり動物園行ってたりいざ書こうと思ったら膨らまなかったりとボロボロです
エビオス錠はとてもオススメです
一週間以内には投下します。かたちにします
>>708
ホームページ見てなぜか昔友人に見せられたぴこを思い出しました
>>712
このスレは絶対にエタらせません。まだ書きたい場所まで行ってないよ!
そして好きと言ってくれてありがとう!
まつてる
良かった
楽しみにしてた分、不安で仕方がなかった
安心しました
よかった、待ってるよ
生きてたか、新年度始まって忙しいだろうけどがんばれ
こんばんは!なんとかできました……
が、違和感ばりばりかもです。読みにくかったらごめんなさい。許してくだち……
気を取り直して投下!
◇◆◇◆
—トレネシティ:自宅—
「……おはようございます」
いつも通り目が覚める。時間は朝の8時。
……なんだかものすごくよく寝た気分だ。
「……」
ベッドから出て、洗面所に向かう。起きてすぐの口の中はばい菌だらけらしい。
「ぺっ」
軽く歯磨きして、よくうがいをする。
「んー……」
今日の朝食は……
「パンに何かはさんで食べよう」
レタスとハムだけで十分かな。
「もぐもぐ」
今日はどうしようかな。
依頼を受けてもいいんだけど、なんとなく気が乗らない。
……またアリーナでも進めようかな?
「もぐもぐ」
今の私のランクは……確かB-5。
ファウストを倒してからはトントン拍子で勝ち進めた。
前回戦ったノクターンさんは強かったなぁ……
「うん」
今日はアリーナにしよう。片付けたらPCで情報をチェックだ。
「ごちそうさまでした」
次の相手は誰だったっけ……
「えーっと」
PCの電源を入れて、アリーナ情報を開く。
相手の確認と……自分のも見ておこうかな。Bランクに入ってから見たことなかったし。
「……ワルキューレ」
[B-4]ワルキューレ:グナー
『スナイパーライフルを用いた狙撃を得意とし、遠距離からの正確無比な攻撃は、驚異的な命中率を誇る。
どんな局面でも常に冷静さを失わず、一度ロックした標的は、絶対に逃がすことは無い。
平素は温和な性格と言われているが、ことアリーナでの戦いぶりからはその印象は微塵も感じられない。』
確か、以前ユニオンの依頼でクレストのデータバンクに侵入した時に居たレイヴンの一人だ。
どこかで聞いたことのある、特徴的な喋り方だった。そう、具体的には病院で……
「……絶対あのナースさんだよね」
なんでナースさんがレイヴンなんかやってるんだろう……
「まぁ、いいか」
それも今日会えることが出来たらわかるだろう。聞けたら、だけど。
「ついでに私のも……」
[B-5]シャイン:アマテラス
『いくつもの死闘を経て、ついにアリーナ十傑に数えられるに至った。
その実力を疑う者は、もはや誰一人おらず、一流としての名を確立しつつある。
ここより上は、一切のごまかしが通じない。真の強者たちのみに許された世界。
一流を超え、更なる高みを見ることが出来るか。』
「おお……」
褒められてる。
今まで碌に褒められていなかったから余計にうれしい。
これを書いている人が誰なのかはわからないけど、期待に応えなきゃ。
「よし」
PCを閉じて立ちあがる。
ついでに依頼が入っていないか確認したけど、他のレイヴンが先に受けたみたいで何も無かった。
「今日は……これ」
いつも持ち歩くバッグの中にプ○カを忍ばせる。
中のミルクチョコレートがなかなかに美味であり、外のプレッツェルが香ばしく、これまたいい。
お気に入りの一つだ。
「いってきます」
鍵を閉めて、自宅を後にする。
ちょっと早いけど、コーテックスに向かおう。
どうせ家に居てもやることがないし。
「……」
しかしナースさん……一体何者なの……?
—コーテックス:エントランス—
「あれ」
「ん?」
コーテックスに着くと、見慣れた顔があった。
菫だ。
「おはよう」
「ああ、おはよう」
「早いね」
「そうか?……というか、レイヴンに早いもなにもないと思うぞ」
それもそうか。
「何してるの?」
「仕事だよ。夕方からみたいだが、まぁ早いに越したことはないだろう」
菫は今日も真面目さんだ。
「お前は?」
「私はアリーナ。早めに予約を入れておこうと思って」
「精が出るな。相手は?」
「ワルキューレ。確か……B-4だったかな?」
気付けば、もう上に十人も居ないんだなぁ……
「B-4と言うと……上から七番目ぐらいか?」
「多分それくらい」
「ふっ」
「どうしたの?」
「いや、なんでも」
どうしたんだろう?
「で、予約はいいのか?」
「……そうだった」
……実は私はまだこういうことに慣れていない。一人で受付に声をかけるとか、電話とか……
ちらちらと菫に視線を送る。
「……なんだ?」
「……ついてきて?」
◇◆◇◆
「開始は13時30分からになります」
「わかりました」
菫を連れて受付を済ませる。
「……できるじゃないか」
「一人だけの時と二人居る時は心の余裕が全然違う」
「そんなものか?」
「……むう」
菫にはわからない。
「どうする?私の依頼とお前のアリーナ。お互いに昼まで暇になったわけだが……」
「うーん……」
どうしようかなぁ。
せっかく朝早く来たのに、お昼まですることがなくなってしまった。
……かくなる上は。
「じゃあ、こうしよう」
「どうするんだ?」
いつものカフェで……
「駄弁ろう」
—コーテックス:カフェ—
「……アイスティーを」
「私もそれで」
菫と一緒にいつものカフェに来た。
お昼まで時間を潰すと言ったらこれに限る。
最近……と言うか、レイヴンになってから菫とじっくり話していない気がする。
丁度いい機会。
「……」
「……」
……何を話そう。
おかしい。言葉が出てこない……
「……最近」
「ん?」
「最近、どう?」
……なんだそりゃ。
「ははっ」
笑われた。
「なんで緊張してるんだ?お前……」
菫が笑いながらそう言ってくる。
何でも何も、私にもわからない。強いて言うなら、私は自分から話しかけることが滅多に無いから、とか?
「ははっ、そうだな……アリーナ参戦を検討しているよ」
「すぐには参戦しないの?」
菫なら初戦も余裕だろうに。
……そういえば、アデューさんは今何をしているんだろう。
「とりあえず、目の前のごたごたを片付けたくてな。
ミラージュが私を気に行っているのか、毎日のように依頼が入ってきている」
「それじゃあ、今日のも?」
「ああ。内容は詳しくは聞いていないがな」
依頼の内容も聞かずとにかく受けるのか……
「お前はどうなんだ?」
「私?私は……」
えっと……襲撃されたっけ。
「この間襲撃されたよ」
「は!?」
「ちょ……」
菫、声が大きいよ……
「はっ、いや、すまん。……で、襲撃ってどういうことだ?」
「そのまんまだよ。アリーナで勝ったら、襲撃された。報復って言うのかな?」
あれは怖かったなぁ。
「聞いていないぞ……」
「言わなかったしね。でも大丈夫。もうその人はいないから」
ロイヤルミストさんがなんとかしてくれた。らしい。
「そ、そうか。……しかし、どうやって撃退したんだ?お前にそんなスキルがあるとは思えんが」
「助けてもらったよ。かっこよかった」
そういえば、なんで私の家を知っていたんだろう……?
「……」
「菫?」
「いや、なんでもない」
「……?」
「そうだ、ちょっと聞きたいことがあったんだけど」
「何だ?」
「菫のオペレータさんって、ちゃんとお仕事できてるのかなぁって」
「あぁ……」
実は心配だった。尭深さんがしっかりしてるから、余計にそう思ってしまう。
「あいつはあんなんでも、何故か仕事はちゃんとできてな。
うるさいが、オペレータは的確だよ。うるさいけどな」
そんなにうるさいんだ。でも賑やかでそれも楽しそうだなぁ。
「私としては、お前がうらやましいよ」
「なんで?」
「いいじゃないか、彼女。先日の依頼で一緒になった時のオペレータは、お前の専属だろう?」
「そうだけど……タカミさん」
菫のオペレータさんとは正反対のタイプだと思う。
「必要以上のことは言わない、でも心配はしてくれる、そして静かな声。……いいじゃないか」
なんか菫がきもちわるい……
「私は、菫のオペレータさんもいいと思うけど」
「私はずっと疲れているんだよ……癒されたいんだよ……」
はぁ、とため息をつく菫。確かに疲れているように見える。
でも、それはオペレータさんだけが原因じゃない気が……
「でも、タカミさんはあげないよ?」
「わかっているよ……」
大分グロッキーだ。
「……ずっと依頼を受けてきているんでしょ?少しは休まなきゃダメだよ」
「そうしたいのは山々なんだがな。目の前に仕事が入り込んでくると、やらずにはいられないんだ」
「菫、真面目すぎ」
「そういう性格なのは、お前も知っているだろう?」
だからこそ心配している。いつかつぶれてしまうかもしれない。
「そうだけど……」
「……わかったよ。今日の依頼が終わったら、少し休む」
「そうしてくれたら、うれしい」
「ありがとな」
「うん」
…………
◇◆◇◆
「……そろそろ時間だな」
「ほんとだ」
菫と話に花を咲かせていると、あっという間にお昼になった。
楽しい時間が経つのは早い。
「私は一足先に行くよ。ここの支払いはやっておくから」
「それは悪いよ」
「気にするな。安いものだ」
「……じゃあ、お言葉に甘える」
私たちにとっては本当に安いものだから困る。……困らないけど。
「よろしい。ではな。また何かあれば、僚機でなり呼んでくれ」
「わかった。じゃあね」
私もそろそろ行こうかな……
「……ナース?」
「……」
「お久しぶりですよーぅ」
「あなたは……」
菫と入れ替わるように、カフェの入口からナースさんがやってきた。
この人ってやっぱり……
「ワルキューレさん?」
「正解!ですよーぅ」
やはり病院でお世話になったナースさんだった!
「なんでナースさんがレイヴンに……?」
「まぁまぁ、そこら辺は移動しながら話しましょうかーぁ」
というわけで、私はワルキューレさんとガレージ区画に向かうことになった。
隣の人がナース服を来ているからか、周りの視線が気になる……
—コーテックス:廊下—
「えっと……今日はよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくーぅ」
二人並んで歩いていく。
ワルキューレさんはにこにこしている。そういえば病院でもそうだったなぁ。
「それで、どうしてナースさんがレイヴンに?」
「それはそれは深い訳が……なーんてこともなく、気付いたらなってましたーぁ」
いや、それは無理があるんじゃ……
「じゃあ、本業はナースさんなんですか?」
「そういうことですーぅ」
ますますわからない……何故?
「な、なんで……?」
「なんででしょうねーぇ。でも、依頼を受けることは殆どないんですーぅ」
「ええっと、アリーナに出場するためにレイヴンを?」
「あんまり世界の情勢とかは関心がないのでーぇ」
「なるほど……」
あれ?でも、クレストのデータバンクを襲撃する時には居たような……
そして、かなり世界の情勢を動かすミッションだったような……
「データバンク襲撃の時は、何故?」
「おお、よく覚えてましたねーぇ!
あの時はお友達に連れられて行ったんですーぅ」
お友達……?
「お友達?」
「かわいい人ですーぅ」
かわいい……?
「……わからない」
「あはは」
でも、なんでだろう。
彼女と話していると、こちらも笑顔になってしまう。
いろんな意味で不思議な人だ。
「そろそろですねーぇ」
二人並んで歩いていると、ワルキューレさんがそう呟いた。
ガレージ区画に辿り着いたみたい。
「じゃあ、またアリーナで」
「楽しみにしてますよーぅ」
彼女に手を振って一旦別れる。
次に会う時はアリーナだ。気を引き締めて臨もう。
今日のアセンはどうしようかな……?
少し考える。
……よし。
楽しみにされたし、ここはひとつ、私の自信作のお披露目といこうか。
—コーテックス:ガレージ—
「こんにちは」
「おう、こんにちは!」
おじちゃんにお昼のあいさつ。
「今日はどうした?」
「アリーナに出るから、アセンのオーダーを」
「最近、精が出るな!いいぜ、聞かせてくれ」
「じゃあ……」
HEAD:MHD-RE/005
CORE:MCL-SS/ORCA
ARMS:CAL-MARTE
LEGS:MLM-MM/ORDER
BOOSTER:MBT-NI/MARE
FCS:PLS-ROA
INSIDE:CWI-NM-40
EXTENSION:—
GENERATOR:CGP-ROZ
RADIATOR:RMR-SA77
BACKUNIT L:MRL-RE/111
BACKUNIT R:MRL-RE/111
ARMUNIT R:CWG-RF-160
ARMUNIT L:CES-ES-0101
「これでお願いします」
「……いいけどよ、なんで同じレーダーを両肩に担ぐんだ?」
「かっこいいからです」
レーダーは両肩に担いだからって性能が上がるわけじゃない。
「アリーナに出るんだろ?」
「はい」
「……勝てんのか?」
「……多分」
相手は軽量級だし、こっちにはEOもある。多分大丈夫なはずだ。
……当たれば、だけど。
「よしわかった!いいぜ、やっといてやる」
「ありがとうございます」
「嬢ちゃんの戦いはおもしれぇからな。今日も楽しみにしてるぜ」
「がんばります」
今回のACは、何より美しさを求めた機体構成になっている。
ライフルの弾数が少なくブレードがないと不安だけど、
十字のビジュアルがかっこいいからシールドを装着。
レーダーも一番かっこいいものを二つ装着。さながら翼の様。
私の自信のアセン。戦い方も美しく決めたいところだ。
「でも、なんでこんなアセンにしたんだ?」
「……期待されたので」
—アリーナ—
エレベータを降りて、アリーナに入場する。
向かいには、もう既にワルキューレさんのAC、グナーがスタンバイしていた。
<<かっこいい機体ですねーぇ>>
「自信作」
少し得意げになる。
グナーの武装は……スナイパーライフルに小型ロケットが両肩に積んである。
それとエクステンションが……何だろう?あれ。
「あなたのも中々」
<<ありがとうございますーぅ>>
口では茶化しながら、身体は試合に向けて動かしておく。
「よし」
コクピットのパネルにいつもの文字が現れる。
3……2……1……
<<……ほな、見せてもらいますーぅ>>
「!」
試合開始の合図と同時に、グナーが上昇する。
普段はこちらが先に上を取るから、どう対処する……?
「っ」
アマテラスに上を向かせて、シールドを発動する。
シールドはエネルギーを消費し続けることで展開するので、使いながらのブースタの使用は注意が必要。
ブーストダッシュでグナーの後ろをとるように動き、二発ほど撃ってきた弾をシールドで弾く。
空中に居るACにはライフルは当てにくい。グナーの落ちてくるであろう場所に照準を合わせていく。
「!これは……」
<<ふふ、見たことが無いみたいですねーぇ>>
グナーが着地した瞬間、ACの反応がレーダーから消え、ターゲット出来なくなる。ステルス……?
「ステルスですか」
<<卑怯ではありませんよーぅ>>
ワルキューレさんはそう言って、グナーを再び空中へと上昇させていく。
まずいなぁ。このままではジリ貧だ。
またしてもグナーに上を取られスナイパーライフルを連射されるが、こちらもシールドで弾いてやり過ごす。
<<やりますねーぇ>>
「……」
なんとかしてこの状況を打開しなきゃ……
ステルスはターゲットを取ることができなくなる。ならオートロックのEOはどうなんだろう?
……試してみようか。
「……」
上からのスナイパーライフルを掻い潜り、再び着地の瞬間を狙う。
……今!
EOを起動、エネルギー弾がグナーを狙うはず。だが……
「やっぱり、だめ……」
<<EOはききませんよーぅ>>
EOのエネルギー弾は吐き出されることなく、発射部位が虚しく宙に浮いている。
むう……どうしようか……
私は攻撃の手段が無い……訳じゃないけど、今はまだ隠しておきたい。
相手はスナイパーライフルで着実にダメージを与えてくる。
いくらシールドがあると言っても、防げる範囲は限られてくる。後ろを取られたら終わりだ。
「だったら」
また再び上昇するグナーを見上げつつ、後ろを取るようにブーストダッシュで移動する。
次にグナーが着地した時が勝負だ。
しばらくやり過ごしていると、エネルギーが危なくなったのかグナーが落下してきた。
今がチャンスだ。
あと少しで着地する、というところでブーストダッシュでグナーに突撃する。
<<!>>
「……」
狙えないのであれば、狙わなくても当たるところまで接近すればいいだけ。
落下しているときは、なかなか自由が利かないはず。
……よし、かなり近づくことが出来た。このまま体当たりをくらわせるつもりで、さらに全身する。
<<こないでくださーぃ!>>
「っと」
グナーが肩の小型ロケットでこちらを狙ってくる。
一発、二発……目茶苦茶撃ってくる。
「……」
シールドでなるべく防ぎながら、なお前進する。
今なら、ロケットの爆発でこちらの状況が見えないはず。
「……」
そのまま進み続け、ロケットの煙を割いてグナーがいるであろう位置を目指す。
煙を抜けると、あまり後退出来ていないグナーが視認できた。エネルギーがかつかつになっているらしい。
好機。さらに距離を縮める。
<<そんなに寄っても、あなたには利点がありませんよーぅ?>>
「……」
それはどうかな?
機体の正面にグナーを捉えて、インサイドを起動させる。
<<!>>
「とった」
インサイドに仕込んであった、ナパームロケットを発射する。
発射されたそれは綺麗にグナーに着弾、機体を燃やす。
<<これはっ……>>
インサイドは腕部パーツの肩辺りに仕込む武装で、外見は装備していてもしていなくても変わらない。
奇襲にはもってこいの武装だ。
「ここ」
グナーが熱暴走でうまく動けていないところに、ライフルで追い打ちをかける。
<<……まずいですよーぅ>>
「……」
さらにダメ押しのナパームロケットを命中させる。……これ、乗っている人がやばくないかな?
<<死なばもろともですよーぅ!>>
動きがふらふらとしていたグナーだったけど、その声とともにブーストダッシュで私へ突撃してきた。
相手は軽量級だ。私の機体じゃ避けることはできない。
どうする?
「!」
グナーとの距離があと十メートルというところで、相手の左腕が少し構えたように見えた。
グナーとぎりぎり接触しない距離でシールドを展開、機体を捻らせアマテラスの左肩をグナーに向ける。
さらに相手のブレードを空中で受けるため、ブースタを少しだけ出力する。
予想通り振ってきたブレードは私のシールドに防がれ、その衝撃で私の機体が空中でさらに捻る。
<<っ!?>>
さらに機体を捻らせて右足を上げ、グナーに空中からソバットを繰り出す。
アマテラスの右足は相手の脚部とコアの間あたりにヒット。グナーはそのまま体勢を崩した。
「……」
体勢を崩したところにトドメのナパームロケットを撃ち込み、相手に背中を向ける。
それと同時にコクピットのパネルに文字が現れ、私の勝利を告げた。
<<……完敗ですよーぅ>>
……はっ。
「だ、大丈夫ですか?」
ナパームを使っていたんだった。早く鎮火しないと……!
—コーテックス:ガレージ—
「……日に日に戦い方が人間離れしていくな、嬢ちゃん」
「え?」
「いや、何でもないんだ」
「そうですか?」
「ああ。……つーか、大丈夫かねぇ?」
「だといいんですけど……」
試合が終わった後すぐに消化を始めたけど、中々火が消えていなかったようなので心配だ。
なんでも、グナーのラジエータは一番放熱効率の悪いものだったらしく、機体の温度がうまく下がらなかったらしい。
「しっかし、まさかあんな戦い方をするたぁな。回し蹴りって」
「やってみたらできました。状況が味方してくれたのもあります」
「っは、大したもんだぜ。あんな戦い方、嬢ちゃん以外できないだろうよ」
「そうですか……?」
そうなのかな。
でも蹴りはともかく、ナパームは危険すぎた。実戦ではともかく、アリーナでの使用は禁止しよう。自分の中で。
本当はとても好きな武器だけど、流石にアリーナで死人を出したくない。
「……あ?なんでこんなとこにナースが」
「あ」
ガレージの入口で、ナース服のワルキューレさんがにこやかに手を振っている。
私は急ぎ足で向かった。
—コーテックス:ガレージ前通路—
「素晴らしい戦いでしたーぁ」
「あの、大丈夫だったんですか?」
通路を歩きながら会話を交わす。微妙に話がずれている気もするけど。
「あぁ、心配をかけてしまったみたいですねーぇ。でも大丈夫!命に別状は無いですよーぅ」
「よかった……」
本当によかった。
「せやけど、まさかレーダーを二つ背負ったACに負けるとは思いませんでしたーぁ」
「……まぐれみたいなものです」
あの状況を作り出せたのは、色々な条件が重なってできたもの。運が良かった。
「あの最後に背中を向けたのは?」
「あぁ、あれは……決めごと?みたいなものです。
あのアセンで戦ったときのトドメは必ずナパームでさして、燃える機体を背に私はかっこよく決めるんです」
燃え盛る敵をバックに、悠然と立つのだ。
「ほぅほぅ」
「その時君は、美しい……みたいな」
……何を言っているんだ私は。顔が熱くなってきた。
「……すみません忘れてください」
「それはできない相談ですーぅ」
ううう……
「……でも、そうやって勝てるのは私が最後かもしれないですよーぅ?」
「え?」
「ここから先は、ある人の息がかかった人達が相手。強敵ぞろいですーぅ」
「ある人……?」
誰?
「それが誰かは、これからのお楽しみですよーぅ」
「あ、ちょっと」
ワルキューレさんが手を振りながら、走って先に行ってしまう。
「がんばってくださいねーぇ!」
「……行っちゃった」
元気な人だなぁ……
さて、どうしようかな。このまま家に帰っても、やることもないし……
「……」
菫でも待つことにしようかな。出迎えてあげよう。
そういえば菫、どんな依頼を受けたんだろう?
—???—
「……おぅ、おかえり」
「ただいまですーぅ」
「……私の前でその喋り方はやめてくれ」
「ふふ、そうやったねぇ」
「で、どうだった?」
「えらい強かったわぁ。サトハちゃんが気に入るわけや」
「ふ、そうだろう」
「なんや嬉しそうやねぇ」
「そうか?」
「うん。悪巧みしてる時と違うて、ええ顔や」
「……そうか」
「じゃ、お風呂入ってくるわぁ」
「わかった。着替えは持っていっておいてやる」
「ふふ、覗かんでよー?」
「いつものことだろう」
今回はここまでになります。次回は菫さん視点です。
なるべく早めに投下出来たらな—と思います。
状況がわかりにくい!等ありましたらお願いします……
再開おめ!
凄まじくソフトバンク臭がする
エネルギーシールド二つとレーザーライフル装備とかやってた
乙
ACで蹴りとか出来ないのかなと考えてたけど損傷がマッハなんだろうな
やはりヤクザキックか
空中ブレードキック!
おつー
こんばんは!早め?に来れました!
今回は菫さんパートになります。前回の半分程しかありませんががが
それでは投下ー
—視点:菫—
—コーテックス:カフェ—
「……ナース?」
なんでナースがこんなところにいるんだ……?
というか、どこかで見たような……
(まぁ、私には関係ないか)
そんなことよりも、そろそろ待ち合わせの時間だ。もしかしたら待たせているかもしれない。
こんなに早く家を出ておいて人を待たせるのは、なんだか恥ずかしいしな。
少し急ごうか。
「……」
……手間のかかる妹、か。
そうだな。
—コーテックス:エントランス—
「あ、スミレー!」
「うるさい」
エントランスに着くと、アワイが既に待っていた。
遅れたか?
「すまないな、待たせたか?」
「さっき来たばっかりだから大丈夫!」
「そうならいいが」
「では、依頼の内容を説明しましょう!」
今回の依頼は、依頼主がミラージュということしか知らない。
内容を確認するのが面倒になったというのが理由か。どうせ受けるしな。
「……は面倒なので、自分で確認して!」
「これか」
アワイから書類を受け取り、目を通す。
依頼主:ミラージュ
作戦領域:ガルナット軍事工場
敵勢力:不明
作戦目標:制御システムの破壊後、脱出
『クレストの軍事工場を襲撃してほしい。
この工場は、最深部に置かれている制御装置で集中制御されており、
この装置さえ破壊すれば全体の機能をマヒさせることが可能だ。
最近のユニオンの騒ぎから、クレストは各地へ護衛部隊を分散させている。
今ならその隙を突くことが出来るはずだ。
制御装置を破壊した後は、速やかに脱出してくれ。
あまり時間をかけすぎると、周辺の護衛部隊を集結させてくるかもしれん。
なお、目標はあくまでシステムの停止だが、工場配備への破壊活動にも追加で報酬を出そう。
可能ならより多くのダメージを与えておいてくれ。以上だ。』
軍事工場の襲撃か。楽な仕事だな。
「目は通せた?」
「ああ。楽な仕事だよ。じゃあ、出撃の準備をしようか」
「りょーかい!」
さて、ガレージに行って、ACの準備をして、輸送機に揺られて……
お、イッチきとる
—産業区:ガルナット軍事工場—
軍事工場に繋がる道を、エレベータで下りる。このエレベータを降りれば作戦開始だ。
<<なんだかワクワクするね!>>
「……少しは緊張感を持て」
エレベータが下りる所まで下りた。このゲートを開けば工場だ。
……ゲートの向こうに敵の反応が多数あるな。警備メカだろうか。
「じゃ、行くぞ」
<<しゅっぱーつ!>>
右腕のレーザーライフルを構え、ゲートを開ける。
何も出てこなければいいが……
‐システム キドウ‐
「手荒い歓迎だな」
ゲートを開けた途端、マシンガンが飛んできた。
機体を左右に振ってやり過ごし、レーザーライフルでやり返す。
小型メカのマシンガンということもあって、損傷はほとんどない。
(メカの排除は、EOの方が効率的だろうな)
敵の反応を発する小型メカやMT、AC等はロックオンすることができるが、工場の設備等は敵と見なされない為ロックオンできない。
EOはロックオン出来るものは自動で攻撃してくれるが、対象がロックオン出来ないのであれば何もしてくれない。
従って設備はライフルやブレードで叩き、小型メカ等の敵はEOやブレードで片付けるのがいいだろう。
ライフルには弾数に限りがあるが、EOやブレードは弾数が無限だ。
設備をなるべく破壊したいので、その為にライフルの弾は温存させておきたい。
……ブレードは便利だ。
天井のレーザー砲台を敵の視覚外からEOで破壊して、通路を進んでいく。
右手にも何か居るな……
「これは……」
<<へー凄いね>>
「工場だな」
<<車を造ってるみたい>>
工場内の浮遊メカをEOで破壊、地上を這う小型メカも同じくEOで掃除する。
工場では車が造られているようで、コンベアで運ばれている。
恐らく、これが追加報酬の対象だろう。片っ端から壊していこうか。
「……こんなものだろう」
まだこの場所へ入ったばかりだ。後のことを考えると、程ほどにしておいた方がいいと判断した。
<<ほとんどなくなったね>>
コンベアで運ばれてくる車を出てくるたびに破壊、その車の整備機械も壊して置いてあるコンテナも破壊した。
この一帯は十分だろう。
「奥にも、似たようなものがあるかもしれん」
<<もう一個ぐらいはあるかもねー>>
通路の奥に進んでいき、次の部屋へのゲートを開く。
「チッ」
天井に三つある砲台からレーザーが飛んでくる。
機体を左右に振りEOを起動、ブーストジャンプで飛び回る。
砲台はやはり耐久性が無く、すぐにEOで破壊することができた。
一つ壊すとEOが次の目標をロックオン、また壊す。
……この部屋はこれで安全だな。
「楽なもんだな」
<<らくしょーだね!>>
部屋中に並べて置いてあるコンテナをブレードで破壊していく。
やはり、ブレードは手放せないな。
「よし、次だ」
「ここだな」
通路を奥に進み、左に曲がったところにあるゲートを開ける。
長い部屋だ。向こう側が見えない。
「きな臭いな……」
<<あ、何か出てきたよ!>>
見ると、天井から浮遊メカが湧いて出てきていた。かなりの数だ。
「多いぞ」
EOを起動、飛んでくるロケットをブーストジャンプやダッシュでかわし続ける。
ロケットは当たると面倒だ。反動が大きいし、機体が燃える。
「……EOだけでは足りないか」
EOの弾は無限だが、それはチャージすればの話だ。補給せず使い続ければ切れてしまう。
ブレードは……この相手だと厳しいな。空中で当てなければいけないし、何より接近しなければならない。
「オービットを使うか」
肩のオービットを起動、メカ一つに対してオービットを一つずつ飛ばす。
あまり動かない浮遊メカに対しては非常に有効だ。
……が。
「何機出てくるんだ……?」
一つ壊してもまた一つ増えて、一向に敵が減らない。オービットの残り弾数もわずかになってしまった。
レーザーライフルを使えばすぐに終わるのかもしれないが……それは使いたくない。
部屋を飛び回り、ロケットをかわし続ける。
<<あ!もう打ち止めみたいだよ!>>
「やっと終わったか……」
かなり動きまわったせいか、もう疲れてきた。まだ始まったばかりなんだがな……
部屋の隅に立ててある燃料タンクを壊して回り、奥へ進む。
部屋を抜けて通路を進むとレーザー砲台があったのでEOで破壊、次の部屋へ侵入する。
「またか」
部屋に入った瞬間、またしても地上メカからマシンガンが飛んできた。
運よく手前にあったコンテナを盾にしてやり過ごす。
「ふむ、頭がいいな……」
<<撃ってこないねぇ>>
コンテナを無視して攻撃を続けてくると思っていたが、奴らマシンガンを撃つ気配が無い。
……いい事を思いついた。
<<あー!スミレずっこいー!>>
「これは戦法だ」
コンテナの高さが素晴らしく、EOを起動すると弾の出るところだけが覗く。
こちらが動く必要は無く、敵からの被弾もなくメカを倒すことが出来るというわけだ。
「終わったな」
<<次だー!>>
ほどなくして地上メカは全滅、残ったコンテナをブレードで破壊し、さらに奥へ。
「鬱陶しい!」
通路にはまたしてもレーザー砲台が天井に張り付いており、それが一直線に並んでいる。
機体を左右に振り、レーザーをやり過ごしながらEOで破壊していく。
……酔いそうだ。
<<視界良好!>>
砲台は壊し終えたようだ。先へ進もう。
「……広いな」
<<敵さんは居ないみたいだね?>>
先ほどあった、浮遊メカが出てくる部屋と似ている。
こちらは燃料タンクがあったり、コンテナがあったりと多少違うが。
心置きなくブレードで破壊していき、さらに進む。
「またか」
部屋の出口を開けた途端またしても地上メカだ。
開いていくゲートを盾にマシンガンをやり過ごし、撃ち終えたところをブレードで叩く。
「道が二つあるな」
ここで初めて分かれ道と出会った。が、片方はレーダーを見るに一部屋あるだけのようだ。
そちらを先に片づけようか。
部屋に入ってみればまた地上メカ。EOを起動し適当に動きまわる。
続けているとメカは破壊された。
「大漁だな」
<<大漁だー!>>
その部屋に置かれたコンテナと燃料タンクを破壊していく。
この部屋の広さを考えると結構な量だ。おかげであまり大きく動けなかった。
「そろそろか?」
<<みたいだねー。あと一つか二つってとこかな?>>
それはいい。ちょっと飽きがきていたところだ。さっさと終わらせようか。
部屋を出て、もう一つの分かれ道を進んでいく。
「っと」
曲がり角に差し掛かる前で急停止して、レーダーを確認する。
これまでと比べると、明らかに反応が多い。何かあるとすれば工場か。
「ビンゴ」
EOを起動して角を曲がったところでレーザーが飛んでくる。
敵の反応は両側の壁の向こうにあり、何かがあると予想できる。
「チッ」
少し進むと、工場が下に広がっていた。
案の定両側からロケットが飛んでくるが、ブーストダッシュで前進して回避する。
その最中にEOが天井のレーザー砲台を破壊してくれた。
<<あ!ここだよ!>>
進んだ所で待ち受けていた地上メカをブレードで掃除していると、アワイの声が入った。
「この先か」
<<そうみたい。あとはこれを壊して、とっとと帰れば終わりだね!>>
「まぁ待て」
それを壊すのは、工場を破壊し終わってからでも遅くはないだろう。
進んだ道を引き返し、再び工場の場所へ。
工場の上を飛んでいる浮遊メカをEOで破壊して、改めて観察する。
……ふむ。私が居る場所は、工場から見れば橋のようになっているようだ。
造られているものは……戦車だな。
<<戦車だね>>
「ああ」
そう言いながら、レーザーライフルでその戦車を壊していく。
コンベアが四列あるので、逃がさないように注意しなければいけないな。
<<ボーナスステージだね!>>
「正にな」
私のAC、ルージュは全身がエネルギー兵器になっている。
なので、弾薬費が全くかからない。機体の損傷にさえ気をつければ必ず黒字になる。
今回の依頼は私の為にあるようなものだ。
戦車を最優先で破壊、次点は整備機械、それから燃料タンク、コンテナといったところか。
戦車はもちろん無くなれば困るだろうし、それを整備する機械も壊しておけば、真っ当なものが造られることはないだろう。
レーザーライフルの弾が無くなるまで工場を荒らし続ける。
「……弾切れだ」
<<あとは目標だけだー!>>
工場を後にし、目標を目指す。
ゲートを開き、レーダーのTARGETという文字を確認する。
……これだな。
部屋の中はいかにも制御室といった感じで、精密機械や配線が敷かれている。
目の前の目標をブレードで破壊する。
<<制御システムの破壊を確認!エレベータまで戻れー!>>
「了解。……いかにもだな」
制御装置を破壊すると、照明が非常事態を示す赤色に変わった。いかにもだ。
出口まで急ごうか。
「帰りは楽だな」
これまで敵を無視せず殲滅してきた為か、小型メカ等の姿は全くない。
快適なものだ。
制御装置を壊してから数分経たずして、エレベータに難なく到達することができた。
<<お疲れ様スミレ!楽勝だったねー>>
「いつもこんな仕事なら、大歓迎なんだがな」
収支報告が楽しみだ。
‐モクヒョウ タッセイ‐
—コーテックス:エントランス—
ふぅ。
収支は素晴らしいの一言だった。14万c程儲かってほくほくだ。
「……ん?」
コーテックスに戻ってくると、エントランスで見慣れた姿を見つけた。と言うか今朝見た奴だ。
「待ってた」
「何故?」
「なんとなく」
「……」
こいつは、時々よくわからない行動をする。
「あー、それは待たせたな」
「大丈夫」
何が大丈夫なんだか。それなりの時間待ったろうに。
「今日の試合はどうだったんだ?」
「……勝ったよ。菫にも見せたかった」
「時間が被ってなかったら見に行ったんだがな。すごいじゃないか」
「まだまだ全然。……菫は?」
「超黒字だ。簡単なものだったよ」
「さすが菫」
二人して得意げになる。
「……菫も早くアリーナに来ればいいのに」
「目の前のことを片付けたら、と言っただろう。まぁ近いうちに、な」
「菫ならすぐ上位になれる」
「そんなものか?」
「うん。私がそうだから、菫もなれる」
「……私を買いすぎだ。お前ほどのものじゃないよ」
「そんなことない」
「……まぁ、そういうことにしておくよ」
「大丈夫。菫なら」
「ありがとな。……よし!このままデートでもするか?」
「……お風呂が先」
今回はここまでになります。お風呂入りすぎ問題。気持ちいいからいいんです!
次回からは再び照さん視点に戻ります。そして投下は未定です。長くなる予感が……
あと、読みづらくないか本当に気になります……
GWですが何の予定もないので、未定とは言いましたが早めに書けるかもしれないです!
乙
俺は割とイメージ出来るから読みづらくはないな
未プレイだと厳しいと思うけど
いちゃいちゃしおってww
ここの照と菫はいい感じの距離感、関係だね
おつです、やっぱりこの二人は仲いいな
イレギュラー認定ミッションがどうなるのか気になる
プライベートライアン、プラトーン、Uボートを見ました。
中でもUボートが一番私のツボにはまりました。300分と長いですが是非見てほしい映画です!
あと、やっぱりネタバレになりそうなものは控えるか、工夫して隠してもらえるとうれしいです。
例えば>>772の「イレギュラー認定ミッション」を「あのミッション」と書くとか。
AC3が未プレイの方(まだ見てくれているかは解りませんが)がこんなこともあるのかと思ってしまうので……
繊細すぎる……とは思うんですが、どうしても
投下は明日か明後日には出来そうです!が、過去のことがあるので気長にお待ちください……
乙〜
>>773
【GUNHED】とか知ってる?
こんばんは!なんとか来れました。いつもレスをありがとうございます。
>>775
知らなかったんで調べてみました。
メカデザが河森さん!話もおもしろそうなので、今度見てみようと思います!
では投下〜
◇◆◇◆
—コーテックス:ガレージ前—
……ふう。
つい今しがた依頼を遂行したところだ。内容は水精製施設の防衛と、爆撃機の撃墜。
爆撃機の方は苦戦しなかったけど、水精製施設の方は敵ACが出てきて手間取った。何とかなったけど。
「……」
久々のキサラギの依頼だった。最近何をしてるのかと思っていたけど……
また何かよくわからないものを造ろうとしていたのかな?
……まぁ、深くは考えないでおこうか。あそこは業が深すぎる。
「……?」
背伸びをして身体をほぐしていると、向こうの方から速い足取りで尭深さんが歩いてきた。
「レイヴン、緊急の依頼が入りました」
「……」
おおぅ……
壁に掛けてある時計を見る。朝の7時。そして家を出たのは昨日の17時頃だ。
やっと帰れると思ったんだけどなぁ……
「……どこからですか?」
「依頼主はクレスト社。依頼内容は、ユニオンの襲撃です」
……休むわけにはいかなくなったなぁ。
「こちらが、その依頼の説明です」
「ふむふむ……」
依頼主:クレスト
作戦領域:自然保護区
敵勢力:大型グレネード砲台×5、その他不明
作戦目標:全大型グレネード砲台の破壊
『先日の作戦で捕らえたユニオンのメンバーから組織の本拠地が判明しました。
彼らは、セクション614の奥に潜伏しているようです。
管理者の破壊計画、自作自演の破壊活動。ユニオンは、この世界にとってあまりに危険な存在です。
我々はこれ以上、彼らの暴挙を許しておく訳にはいきません。断固たる措置を取る覚悟です。
セクション614は、多数の植物が乱立する自然区ですが、偵察に向かわせた部隊からの報告では、
彼らはその木々に紛れて、多数の大型砲台を設置しているとのことです。
正面から大部隊を送り込めば、かえって反撃の時間を与えることになります。
非常に危険ですが、ごく少数の部隊で奇襲を行い、砲台を破壊するしかありません。
困難な任務です。万全の準備をお願いします。』
……なるほど。ついにクレストが本格的に打って出るんだ。
ユニオンとクレストのいざこざには、できるなら顔を出しておきたいところだから、依頼を受けるのはいいんだけど……
私が大丈夫かなぁ。
「なお、今回の依頼には僚機を連れていくことが出来ます。どうしますか?」
それは朗報だ。心強い。
「じゃあ、お願いします」
「わかりました。緊急なので、僚機の指定はできません。私の方で手配しておきます」
「わかりました」
誰になるかなぁ……
私としては、ある程度面識のある人がいいなぁ。背中を撃たれちゃたまったものじゃない。
—コーテックス:ガレージ—
「……あ?嬢ちゃん、どうしたよ」
「また行くことになりました」
「……おいおい大丈夫かよ?」
「多分。じゃあ、アセンをお願いします」
「まぁそれならいいが。で、どうする?」
「えっと……」
今回は万全の準備でということなので……
HEAD:MHD-RE/005
CORE:CCM-00-STO
ARMS:CAM-11-SOL
LEGS:CLM-03-SRVT
BOOSTER:MBT-NI/MARE
FCS:PLS-ROA
INSIDE:—
EXTENSION:—
GENERATOR:CGP-ROZ
RADIATOR:RMR-SA77
BACKUNIT L:CRU-A10
BACKUNIT R:MWR-M/45
ARMUNIT R:MWG-MG/1000
ARMUNIT L:KES-ES/MIRROR
「これでお願いします」
左腕のシールドは、ついさっきの依頼の追加報酬。キサラギの試作品だ。
カタログスペックが他のシールドと比べて一線を画していたので、試しに使ってみることにした。
あとは何が出てきても対処できるように1000発も弾数があるマシンガンを。空いたスペースに中型のロケット。
……まぁ、何とかなるだろう。
「わかった。嬢ちゃんは休んでな。どんな手練でも、疲労は感じるもんだ」
「……はい」
ガレージに置いてある木箱の上で一休み。綺麗な場所よりも、不思議と落ち着く。
鉄と油のにおい。……ふぅ。
—コーテックス:エントランス—
尭深さんの呼び出しがあったので、少しの休憩を終えてエントランスへ。
「では、これから輸送機で僚機とともに現地に向かってもらいます」
「わかりました。……僚機はどうなりました?」
何よりも、そこが一番気になるところだ。
「僚機の方は、ちょうど手が空いていたアップルボーイに頼んでおきました」
「……よかった」
知っている人でよかった……
「大丈夫でしたか?」
「はい。せ……アップルボーイでしたら歓迎です」
「それはよかった……」
誠子と一緒になるのは……いつぶりだっけ?
少し前に会いはしたけど、僚機としてはかなり久しぶりじゃないかな。
どれぐらい腕を上げたんだろう。楽しみだ。
「!……そろそろ時間です。向かいましょう」
「わかりました」
とにかく、終わらせよう。
—第一層上空:輸送機—
<<今日はよろしくお願いします、シャインさん!>>
「うん。よろしく」
私のAC、アマテラスと、アップルボーイのAC、エスペランザが輸送機に揺られている。
誠子、アップルボーイは今日も元気だ。私にも分けてほしいぐらい。
「こうして一緒に戦うのは、久しぶり」
<<はい!今日も参考にさせていただきます!>>
参考になる……のかなぁ?
私の戦い方って結構無茶苦茶で危ない気がするんだけど……
「それはいいけど、危ないよ?」
<<でも格好いいじゃないですか!だから、私もそうなりたいなーなんて……>>
ははは、と言って笑う誠子。
うーん……本人がそう言うなら、私に止める権利はないんだけど、心配だ。
「……ほどほどにね。それより、今回の依頼だけど」
<<……はい>>
声が少し真面目になる。
「私は前に行ったことがあるから忠告ができる。まず、領域は木が生い茂っていて視界が非常に悪いということ。
だから、なるべくレーダーを見て戦うこと。砲台は動かないから、すぐ見分けがつくと思う」
<<はい>>
「砲台以外の敵も出てくると思うけど、なるべく砲台のみを狙ってほしい。それさえ壊せば、あとはクレストがやってくれるはず」
<<はい>>
「あと、以前と同じなら五つの砲台の内、三つが流れている川の向こうにある。
その時は私が向こう側に行くから、アップルボーイには着陸側をお願いしたい」
<<……わかりました!任せてください>>
いい子だなぁ……
<<そろそろ目標地点に到達します。準備の方はよろしいですか?>>
「大丈夫です」
<<行けます!>>
‐メインシステム 戦闘モード 起動します‐
—第一層:自然保護区—
<<敵の戦力は未知数です。出来る限り迅速に、目標のみを狙ってください……>>
「了解。じゃあ、手筈通りに」
<<はい!>>
以前菫と来た場所と同じところだ。砲台の配置も一緒なら、前よりも早く終わらせられるだろう。
高く飛び、OBを起動、出力したらすぐに停止して、初動の勢いの余剰で飛んでいく。
いや、飛んでいくと言うより落ちていくといった感じか。
ブースタをふかして着地、無事に川を飛び越えた。
「……?」
おかしい。レーダーの敵を表す赤い点が点いたり消えたりしている。
なんだろうか……?
<<シャインさん!ステルスMTです!>>
「!……わかった。構っている暇はないね」
なるほど、ステルスMTか。面倒くさいなぁ。
「とりあえず、一つ目」
砲台の場所はなんとなく憶えている。明らかに動いていないターゲットを狙い、マシンガンをばら撒く。
このマシンガンは装弾数もさることながら、威力もなかなかのものだ。弾薬費に目をつぶれば、最高の武器の一つだろう。
<<砲台の破壊を確認。あと四つです>>
ばら撒くこと4秒。あっという間に砲台は蜂の巣になり、機能を停止した。
この調子だ。
<<きゃああ!>>
「!」
アップルボーイの叫び声だ。
「大丈夫?」
<<はい、なんとか……すいません、グレネードに当たっちゃいました>>
「一発だけなら、なんとかなる。機体を∞を描くように動かしてみて」
<<はい!>>
アップルボーイに指示を出しながら、二つ目の砲台を狙う。
相手もこちらを必死に狙ってくるけど、砲台の旋回速度より私の方が速いみたい。
砲台の周囲を回りながらマシンガンをばら撒く。
<<砲台の破壊を確認。あと三つです>>
<<こっちもやりました!>>
<<砲台の破壊を確認。あと二つです>>
……この分なら楽勝かな。
「あと少し。気を抜かないで」
<<了解です!>>
レーダーを確認して、こちら側の最後の砲台へ向かう。
<<砲台の破壊を確認。あと一つです……!>>
よし。こちらは終わった。あとは向こう側だけだ。
再び高く飛び、OBを起動、余剰で川を越えていく。
<<よし……!>>
下方で、最後の砲台にライフルを撃ちこむエスペランザが見えた。
銃弾を撃ち込まれた砲台は、黒煙を上げて爆発した。
<<全砲台の破壊を確認しました>>
「終わったね」
<<なんとかなりましたね!>>
後は帰るだ……
<<シャイン、コーテックスより通信です。クレスト社より緊急の依頼が入ったそうです。
付近にユニオンの基地を確認。これに対する陽動に向かって欲しいとのことです>>
け……
<<緊急の事態ですので、この場での依頼受諾を認めます。あとは、あなたの判断です。
依頼を受ける場合は、至急待機している輸送ヘリの元へ移動してください>>
「……どうする?」
<<シャインさんにお任せします。私はどちらでも大丈夫ですので!>>
うーん……ここで帰っちゃうのも……
「じゃあ、せっかくだし行ってみようか」
<<はい!>>
‐作戦目標クリア システム 通常モードに移行します‐
—第一層:アルバ湿原—
自然保護区からアルバ湿原へ。再び輸送機に揺られて目的地へ向かっている。
依頼内容は時間を稼げ、とのこと。
グレネードを防ぐために持ってきたシールドが、ここにきて活躍できるかもしれない。
……見えてきた。
雨が降って、霧が出ている。……まずいなぁ。
<<目的地へ到着、これより機体を降下します>>
<<各機散開、行動開始せよ!!>>
<<基地攻略のため、大型ミサイルを搭載した部隊を配備中だ。配置完了まで敵を引きつけてくれ>>
「了解」
<<了解!>>
現地に着くと、既に交戦しているのか爆発音が聞こえてきた。
どうやら味方のMT部隊もいるらしい。
<<よろしくな、レイヴン>>
「よろしくお願いします。……あまり、無理はしないでください」
<<ははっ!ここで男を見せないでどうする。レイヴンとは言え女に守られちゃ、こっちの面子が立たねぇ>>
隊長機と思われるMTが挨拶をするように左腕を上げる。
私も右腕を上げ返した。
<<敵さんが来たぜ。さぁ、いっちょやろうや>>
<<がんばりましょう!>>
‐メインシステム 戦闘モード 起動します‐
敵の部隊が、霧の向こうから現れてきた。……かなりの数だ。
「あれは……」
見えるのは戦闘機と……フロート型MT。
確か、菫がカバルリーとか呼んでいたやつだ。
「アップルボーイ、フロート型MTのプラズマに注意して。グレネード並の威力と反動があって、連続で食らうと厳しい」
<<わかりました!シャインさんも気をつけて>>
さて、助言も出来たし、腰を入れて……
「っと」
上空の戦闘機から放たれたミサイルを、引きつけてかわす。
上からはミサイル、それに気を取られているとプラズマが……
厳しいな。これは。
<<ぐわぁっ!>>
「!」
レーダーの味方信号が一つ消えた。散開したMT部隊の一人がやられたみたいだ。
……
「……私が前に出て、敵を引きつける。みんなは、私を囲んだ敵をさらに囲んで叩いて欲しい」
<<そんな……大丈夫なんですか?>>
「多分、大丈夫」
……これしかないだろう。味方の被害を減らすには、しぶとい囮が必要だ。
「じゃあ、行ってくる」
<<……ご武運を>>
OBを起動して、敵がうじゃうじゃと出てきている最前線へ向かう。
「!」
少し浮き、OBを停止。機体を左右に振って、正面から向かってくるプラズマを避ける。
……囲まれたね。上等。
爆撃機からミサイル。引きつけてかわす。
MTからプラズマ。フェイントを入れてかわす。
ミサイルが両脇から迫ってくる。間髪いれずOBを起動、ミサイル同士で相討ちさせる。
OBを空中で停止。旋回して元の場所へ。
迫ってくるプラズマをシールドで防ぎ、カウンターでマシンガンを浴びせる。一機破壊。
さらに、向かってくるミサイルに機体を向けてシールドで防ぐ。
ブーストジャンプで撃ってきた戦闘機と同じ高度まで飛び、肩のロケットで撃墜する。二機破壊。
走ってきたカバルリーの上に着地して、頭にマシンガンを浴びせる。
上から来たミサイルをギリギリまで引きつけてから飛んで避け、足場にしていたカバルリーのトドメに使う。三機破壊。
避ける。避ける。撃つ。避ける。撃つ。撃つ。
<<すごい……!>>
「ここまで派手にやれば……」
<<だ、ダメだっ!!>>
……やっぱり、全ての敵を引きつけるのは無理か。
これ以上となると、流石に厳しい。アップルボーイに頑張ってもらわなきゃ。
プラズマを撃ちながら向かってくるカバルリーを正面に捉える。
シールドで真正面からプラズマを受け、そのままブーストダッシュで前進を続ける。
ぶつかる、というところでジャンプ、向かってきたカバルリーに着地してさらに飛ぶ。
戦闘機の上に乗って地上に落とし、OBで離脱。
すれ違いざまにロケットを当てて、木に紛れていたカバルリーを破壊する。
「……」
レーダーを確認して、ミサイルを引きつける。
寄ってきたカバルリーに接近していきOBを起動。横にかっとび引きつけたミサイルを当てる。
さらにOBを停止。ブレーキをかけながら旋回し、ミサイルの反動で一瞬止まったカバルリーをマシンガンで蜂の巣にする。
「ふぅ……ふぅ……」
ちょっと疲れてきた。配置はまだなのか……
「っ!」
気を抜いたところに、プラズマが飛んできた。急いで機体を左に動かして、なんとか回避に成功する。
少し時間が経って、後方で爆発音が聞こえた。私が避けたプラズマが何かに当たったらしい。
<<頼んだぞ、レイヴン……>>
……味方MT部隊の隊長機に当たったらしく、レーダーの味方反応が一つ消えた。
「……」
<<……負けません!>>
味方はもう、アップルボーイ一機だ。最前線で引きつける必要もないだろう。
後方で戦闘をしているアップルボーイの場所まで後退しよう。
アップルボーイの垂直ミサイルは戦闘機の天敵らしく、面白いぐらいに簡単に落ちていく。
「一旦、後退する。ごめん、守り切れなかった」
<<そんな!シャインさんはもの凄い働きを……っ!>>
私の目の前で、アップルボーイのAC、エスペランザにプラズマが直撃する。
戦闘機に気を取られていたらしく、側面からもろに食らった。
「大丈夫?」
<<これぐらい……!>>
少しふらついている機体を制御して、しっかりカバルリーにやり返す。
エスペランザから放たれたライフル弾は、見事敵の胴体部分を捉えた。
「状況は、芳しくないね……」
<<でも、私はまだまだいけますよ!>>
私も、まだまだいけたらよかったんだけど……
……いや。
「そうだね、弱音なんて吐いていられない」
まだ、時間を稼がなければいけないんだ。
あと何分なんだろう……?
◇◆◇◆
「はぁ……はぁ……」
……敵が減らない。
一機撃破すれば一機増えて、撃破しなくても一機増える。
「ふぅー……」
プラズマやミサイルの直撃は避けているとはいえ、段々と掠るようになってきた。
アップルボーイも同じらしく、動きが鈍ってきている。
<<あと二分ほどで、配置が完了するそうです。……がんばって……!>>
「……!」
そう言われたら、頑張るしかないな。
「ありがとう。……力が湧いてきた」
<<こんなところで、死ねませんよっ!>>
アップルボーイと互いに背中を向け合い、死角をカバーする。
戦闘機から放たれるミサイルをいなし、反撃のマシンガンを……
「……弾が」
弾切れだ。
1000発もの装弾数を誇るマシンガンの弾が、切れた。頼りすぎたかな。
<<ライフルの弾がっ!>>
アップルボーイも、私と同じく弾が切れたらしい。
私に残された武器はロケットだけ。アップルボーイはミサイルとブレード。
大丈夫かな……
「っ!」
若干動揺していた所に、ミサイルを食らってしまう。
機体の右の肩辺りに当たったらしく、右腕の反応が鈍い。
「これは……」
重なる疲労に、武器はロケットだけ。
……所謂、ピンチ。
<<そんなっ!ミサイルも!?>>
アップルボーイの悲痛な声が届く。
あと二分……
<<どうしましょう!?>>
「……とにかく、逃げ回って」
なるべく戦力を分散するため、アップルボーイと離れる。これで大きく避けることも出来るようになった。
「っと」
ブーストダッシュを停止したところで、意識が少し飛んだ。いけないいけない。
「!……腕が」
機体の右腕がプラズマで吹き飛ばされる。役目を終えたマシンガンが細切れになって、ばしゃばしゃと音を立てた。
<<あと一分です……!>>
敵の波は全く衰えることなく、依然なだれ込んでくる。
いつもはなんでもない一分だけど、こんな状況だと妙に長く感じるのは何故だろう。
<<うわぁっ!!>>
「大丈夫?」
<<コアは何ともないですけど、左腕が……!>>
……
作戦領域ギリギリまで退こう。シールドがある私が前に立つ。
「さがるよ」
<<でも!>>
「私が盾になるから」
ブーストダッシュでアップルボーイの元へ向かい、シールドを構える。
迫ってくるカバルリーをロケットで撃退して、降ってくるミサイルをガードする。
<<シャインさん!>>
「……大丈夫、諦めないで」
ここで、やられるわけにはいかないからね。
<<各機、発射準備完了しました。味方部隊は後退を開始してください>>
<<まもなく攻撃が始まります!輸送ヘリに帰還してください!>>
「……アップルボーイ!」
<<はい!>>
輸送ヘリが待機している方向へ、OBを使ってかっ飛ぶ。
アップルボーイも、ちゃんと後をついて来ている。
先にOBを停止、彼女を待つ。
<<お待たせしました!>>
<<……機体の回収を確認!出してください!>>
<<了解、これより領域から離脱する>>
輸送機は、私とアップルボーイの機体を回収すると徐々に浮き上がって行く。
……終わったんだ。
「ふぅ……」
<<お、終わった……>>
「何とか、生き延びたね……」
<<お疲れ様でした……>>
<<シャインさん、本当に……シャインさん?>>
「……すぅ」
ユニオンの基地の爆発音を子守唄に、疲れ切った私は静かに意識を手放した。
‐作戦目標クリア システム 通常モードへ移行します‐
—コーテックス:ガレージ—
帰って、きた。
見慣れたシャッター。ところどころ錆びている。
整備をしている人達。あの作業服……なんて言ったっけ?
何と言うか、こう、安心感が凄まじい。
「……ただいま」
「おぅ……大変だったな」
「かなり大変でした」
「嬢ちゃんがこんなになるたぁ、相当な修羅場だったんだろうな」
「一人で行っていたら、多分死んでました」
今回のミッションは、僚機の存在が大きかったと思う。
もしあの敵の数が、私一人にきていたとしたら……ぞっとする。
「まぁ、今は早く休みな。ひでぇ顔色だぜ?」
「……そうします」
思いだしたらおなかもすいてきた。昨日の夜から何も食べていない。
……今何時なんだろう。
「すみません、今何時でしょう?」
「あー……夕方だ。4時ぐらいか?」
「……ありがとうございます」
よく倒れなかったなぁ、私……
—コーテックス:ガレージ前—
「シャインさん!」
「……アップルボーイ」
ガレージを出ると、アップルボーイ、もとい誠子が待っていた。
……いつの間にか、ガレージ前がレイヴンの待ち合わせ場所になっている気がする。
「お疲れ様でした!」
「おつかれさま。それと、軽々しく依頼を受けてごめん。まさかあんなことになるとは」
「いいんですよ!私、今回の戦いで成長できた気がするんです」
「それは何より。……できるなら、もうやりたくはないけどね」
「それは私もです……。依頼内容は、よく確かめるようにしようと思いました」
はぁー……と二人してため息をつく。
「今はとにかく、休みましょう。やっぱり照さん、顔色が悪いです」
「……やっぱり?」
「はい」
「そうだよね……」
嗚呼、我が家が恋しい……
—コーテックス:エントランス—
「……あ」
「!……シャイン」
ガレージ前で誠子と別れると、今度はエントランスで尭深さんが待っていた。
最近待ち伏せされすぎじゃないかな、私。
「おつかれさまでした」
「よかった……」
……?
尭深さん、ちょっと涙目じゃない?
「今日は、本当に死ぬかと思いました」
「見ていることしかできない私が、もどかしかったです……」
「ちょ……!」
周りの人に変な目で見られる!見られるから!
「帰ってきてくれて、本当によかった……!」
「……」
なんとなく、頭を撫でてみる……
……
……
「……あ、そういえば、クレスト社が追加報酬をくれるそうです。ガレージに送っておくから使ってくれ、と」
「わかりました」
確認するのは……次にしよう。今はとにかく、帰って寝たい。
「……では、私は仕事があるのでこれで。ゆっくり休んでください」
「じゃあ、お先に失礼します」
尭深さんと別れて、家路に着く。
軽く、何かをおなかに入れてから寝ないと起きられない気がする。
でも、汗だくの身体もどうにかしたい。
何かを食べて、シャワーを浴びて、それから睡眠。そうしよう。
今日はまさに、九死に一生を得る、だった。
修行が足りないか。私もまだまだだ。
とりあえず今はここまでです。
あとちょっと書きたいところがあると今思ったので、書いてきます。
9:00ぐらいにまた来ますー
唐沢キター?
今回は凄く緊張感があってハラハラした
照働き過ぎー
9:00じゃなくて21:00だった。何言ってんだ私。
ちょっと遅刻したけど書けました!投下ー
今からなのか
頑張って
◇◆◇◆
—トレネシティ:自宅—
「……」
昨日は大変だった。
MT部隊の人達は残念だけど、誠子は守ることが出来た。
でもまさか、あのマシンガンが弾切れを起こすなんて……
ぴんぽーん。
「!」
我が家のインターホンが鳴り、来客を告げる。
ぐっすり寝たので、今はお昼だ。
誰だろう……?
「はい……」
がちゃ、とドアを開けると……
「こんにちは、シャイン」
「……こんにちは」
誰かと思えば尭深さんだった。
なんでわざわざ?
「非常事態が起きたので、伝えに来ました」
「えっと……とりあえず、入ってください」
せっかく来てもらって立ち話も何なので、中に入ってもらうことにした。
「それで、非常事態って?」
「はい。クレストがユニオンに攻め入ったのは知っていますよね?」
うん。よく憶えている。私が当事者だからね。
「はい」
「大方の予想通り、クレストがその数で終始ユニオンを圧倒して、戦況を優位に進めていたんですが……」
どれほどの戦力をユニオンが持っているのかはわからないけど、流石にクレストが本気になれば、ひとたまりもないだろう。
一大企業であるクレストと、単なるレジスタンスであるユニオンの差は歴然だ。
「そこに突如として大量の所属不明の部隊が現れ、戦況は一変したんです」
「所属不明の部隊……?」
「はい。その部隊は双方を無差別に攻撃し、キサラギとユニオンの合同部隊は壊滅、指導者の生死も不明だそうです」
「……」
「また、クレスト側も甚大な被害を受けたようです」
「……」
「一方、両軍を撃破した正体不明の部隊は、戦闘が終了した後もレイヤード各地に出現し、暴れ続けています」
……酷い惨状だ。
「現在は情報が混乱していて、正確な情報はつかめていませんが、
以前クレストの研究所に現れた機体の同型機と思われるタイプが複数確認されています」
「それって……」
「……はい。あなたと相討ちになった、あのACです」
あれが、たくさん……
「目下のところ、最も有力な情報は、あれが管理者によって指揮される部隊とするもので、
各勢力とも、ほぼ同様の判断を下しているようです」
「やっぱり、管理者の部隊ですか」
ユニオンの言う通り、だったということか。
でも、よくわからない。
「まだ、詳しい情報は解っていませんが、伝えておこうと思って」
「ありがとうございます。……でも、よくわかりませんね」
「……?」
「管理者が狂っているとするユニオンだけじゃなくて、管理者を崇拝しているクレストも攻撃するなんて」
「……確かに、よくわかりませんね」
本当に管理者が狂っている、ということなのかな。
管理者というものを直接見たことはないけど、コンピュータであるということは知っている。
その管理者にエラーが発生して、守っていた世界を攻撃し始めた、ってことかな。
「これで……」
「はい。……もはや戦力が残っているのは、ミラージュだけです」
クレストは、管理者の部隊の攻撃によって大ダメージを受けただろうし、
キサラギとユニオンも、クレストと管理者にやられほぼ壊滅状態。
となると残っているのは、ミラージュだけだ。
「でも、ミラージュが打って出ることは……」
多分、ないんじゃないかなぁ……
これは私の勝手なイメージだけど、ミラージュってどこか臆病な気がする。
実際にユニオンがデータバンクへ侵入した時も、約束していたミラージュは駆け付けなかったし。
「ミラージュのことはどうあれ、これで均衡していた世界のバランスは、崩れ始めました」
これまでは、ミラージュとクレスト、そしてキサラギが互いにけん制を続けて、
かなり危ないながらも辛うじてバランスを保っていたけど。
管理者のことがどうにかなったら、この世界はミラージュ一色になるんだろうか。
「元には、戻れませんね」
「……はい」
「これからの依頼は……」
「恐らく、これまでより危険なものが多くなるでしょう」
管理者の部隊と戦う依頼も入ってくるだろうなぁ。
またあのACと戦わなきゃいけないと思うと……
それに、まだ管理者の力は未知数。何が出てくるかわからないというのも怖い。
「なんとかなりますかね」
「……なんとか、しなければいけません」
まぁ、私はレイヴンだ。依頼を受けて遂行するだけ。
これからは、これまでと同じとはいかないだろうけど、本筋はそこだ。
……いつから、こんなことになったんだろう。
レイヴンになって、依頼を受け続けて、死にかけて……
あれ、私、なんでレイヴンになったんだっけ。
……あれ、私の両親って、どんな人だったっけ……?
今日はここまでになります。9:00と21:00を間違えるという……
今回はもう戦闘描写が難しすぎてダメだーと思ってたんですが、>>800のおかげで何とか救われました。ありがとう……
次回ですが、ここでまたちょっと番外編もいいかなーと思っています。
今までをまた適当にわかりやすくまとめてもいいかなーと。
そんなのいらねぇ!わかってる!って人がいたら遠慮せず言ってくださいね!
いやいや、アセンといい毎回戦闘描写は楽しみだよ
是非ラストまで駆け抜けて欲しい
乙
AC3は未プレイだけども楽しませてもらってる
3はやった…GW中にSL買ってきてやろっかな
連続投下乙です
飛び回りながらロケットで撃墜ってもう十分トップランカーだよね
こんにちは?番外編のようなものが出来あがりました。
でもなんか3レス程しかないし内容も読んでりゃわかるしで需要が皆無です。
でもなんとなく書いとかないとすっきりしないんで書きました。
>>802
がんばりました!
>>809
ありがとうございます……
>>810
未プレイの方が居るとは……!
>>811
私は3を50円、SLを180円で買いました。安すぎワロタ
マホ「マホのー!わかりやすいかもしれないー!なぜなにAC3!番外編第四回をお送りします!」
マホ「みなさん目茶苦茶お久しぶり!夢乃マホです!今回はー……今までのおさらいです!」
マホ「実際にプレイしていても、ストーリーや起こったことがイマイチ分かりづらいACシリーズ」
マホ「今まで起きたことを超大雑把にまとめてみました!」
マホ「さぁ、どこからともなくまとめたボードが出てきますよー!」
照がレイヴンになる。
↓
照、初の依頼を達成。
↓
照、アリーナへ初参戦。
↓
しばらく企業間の小競り合いが続き、均衡状態。
↓
封鎖地区に不法侵入をする等、「ユニオン」という勢力が活動を活発にする。
↓
管理者に異を唱えるユニオンと、管理者を崇拝しているクレストの仲は最悪と言える。
↓
ここ数年で閉鎖された区画はかなりの数に及んでおり、その事実とユニオンには何か関わりがあるのではと推測する。
レイヤードで一体何が起こっているのか?
↓
そういえば、レイヤード各地で多くの異常が発生していると気づく。
突然の電力供給の停止、炉心の暴走による区画の強制閉鎖etc……
↓
照、ユニオンとメールで接触。彼らはこの世界の真実を知るため、力を求めているそうだ。
↓
クレストの研究所に突如として不明のACが現れ襲撃。迎撃した照と相討ちになる。
↓
照が入院。先日襲撃してきたACを調べたところ、通常のACとは異なる数値を示したらしい。
ユニオンによると、その襲撃してきたACは管理者の部隊であるらしい。
↓
ユニオンには一つの仮説があり、それを裏付ける証拠を集めるために行動しているそうだ。
そしてその仮説が事実なら、地下世界で起こっている多くの異常にも説明がつくらしい。
↓
照が退院。
ユニオンが管理者は狂っているとして、大々的に行動を開始することを宣言。
↓
ユニオンがクレストのデータバンクに侵入を試み、照はそれに乗る。
データバンクには中枢への進入経路があるらしく、ミラージュも協力してくれるという。
↓
ユニオンが中枢へ至る経路の入手に失敗。来るはずのミラージュが現れなかったためだそうだ。
しかしユニオンは諦めたわけではなく、次の手を考えるらしい。
↓
クレストが、レイヤード各地で頻発していたトラブルは全てユニオンの仕業だと主張。
キサラギがユニオンを裏で支えていたとも。
クレストによると、ユニオンは管理者が狂っているという嘘の情報を流し、自分たちで芝居を打っていたという。
↓
クレストがユニオンの掃討に本腰を入れる。そしてその隙にミラージュは手薄になったクレストの軍事工場を落とす。
↓
クレストによってユニオンとキサラギの合同部隊は壊滅か。と思いきや、そこに正体不明の部隊が登場。
双方を無差別に攻撃し、クレスト、ユニオンとキサラギは互いに大ダメージを受ける。
……
マホ「うーん、どうでしょう?分かりやすいような、そうじゃないような……」
マホ「でも、多分マホにはこれが限界です……簡単にまとめるって言いましたけど、まとめられない!まとめにくい!」
マホ「なんというか、これまでに至る流れを汲みとってもらえたら幸いです!」
マホ「さぁ、物語もいよいよ終盤!レイヤード各地で正体不明の部隊が暴れまわり、企業の力は次第に衰退していきます!」
マホ「照さんはどうするのか?菫さんは?」
マホ「かなりゆっくりになると思いますが、それでもみなさんについて来てもらえたら嬉しいです!」
マホ「では、また次の番外編で会いましょー!さようならー!」
はい、無茶苦茶短いです。
次回の本編ですが、今日……は多分無理なので、早ければ明日明後日にでも投下に来れると思います。
ACシリーズは何故か軒並み安い!中古でSLまでなら多分千円札一枚で全部買えちゃいます。
連休ですが、まぁ何の予定もないのでたくさん書けますねヤッター
乙!話の整理と再確認ができてよかったです
クライマックスが楽しみ
SL無かった
これ以外はやったんだが…あ、FFもやったこと無いや
こういうのを読んでると無性にブキヤのVIを組みたくなってくる
積んでるデルタを引っ張り出してこようかな
立体ものも良いのが多いよね
昔オラクル組み立てたけどゆるゆるだった
初期の物は品質のバラつきが大きかったし特にポリキャップは鬼門だったけど
ネクストになってからはある程度安定してるし関節やポリパーツが緩々だったり割れたりするって話は殆ど聞かなくなったな
105円でSLゲット
3引継ぎによりヌルゲーと化しているけど
こんばんは!なんとか来れました。
焼肉食べてました。胃がぽっこり出てるー
>>821
ルージュのキットはまだですか
>>824
やっぱり安い……私は引き継いでもアーカイブ襲撃で折れかけました。
では投下ー
◇◆◇◆
—side:菫—
—トレネシティ:自宅—
「さて……」
……腹が減ったな。
時計を見ると、もう20時に迫るというところだった。腹も減って当然か。
「今日は何にしようか」
冷蔵庫を開ける。
入っているのは、麦茶、牛乳、玉子、ドレッシング、ケチャップ、マヨネーズ、中濃ソース……
「……何もないな」
買いだめしておかなきゃな……
「ふむ」
食べるものが家に無いと来た。
じゃあ、
「食いに行くか」
幸い、金には全く困っていない。久々にラーメンでも……
「誰だ……?」
ぴーっという音が部屋から聞こえてきた。メールの受信を知らせる音だ。
PCを立ちあげ、確認する。
「仕事か……」
依頼主:ミラージュ
作戦領域:トレネシティ中心部
敵勢力:高機動型MT
作戦目標:敵部隊の全滅
『我が社が管轄しているトレネシティに対し、所属不明の襲撃部隊が侵入した。
現地へ向かい、これを迎え撃ってもらいたい。
本来都市を守るべき警備隊は、現在クレストと共同で訓練を行っている。
この進攻は、警備隊の不在を見越してのことだろう。おそらくはクレストの仕業だ。
進攻部隊はかなりの戦力を持っているが、このような卑劣な行動を、決して許すわけにはいかない。
なお、こちらから僚機を派遣する。協力して作戦にあたってくれ。
報酬は各々の撃破数に応じて支払おう。頼んだぞ。』
依頼主はミラージュか。で、作戦領域はトレネシティ。
……ってここじゃないか。
「飯食ってる場合じゃないな」
トレネシティには、私の家だけではなく照の家もあるし、レイヤード全体で見ても非常に重要な都市区だ。
クレストがそこを狙うとは……血迷ったか?
まぁいい。急ごうか。
「しかし……」
ミラージュの用意した僚機か……どんな奴になるやら。私の邪魔をしなければ、誰でもいいが……
—コーテックス:エントランス—
「おースミレー」
「こんばんは」
エントランスに着くと、アワイが私を待ち受けていた。
シティが危ないというのに、相変わらずいい笑顔だ。
「はいこんばんはー。依頼は確認したね?」
「ああ。受けない選択肢はないだろう。何より私の住んでいる町だ」
「よーし、じゃあ早速向かおう!敵はもう目の前だっ!」
「はいはい」
アワイのいつものテンションに呆れつつ、足早にガレージへ向かう。
行ってもやることはないんだが、私の見ていないところで不備があると面倒だからな。
作戦前の機体の調子は、自分の目で確認しておきたいところだ。
「……」
被害が広がる前に、なんとか片付けたいが。
—コーテックス:ガレージ—
一応、機体の確認をしておくか。どれ……
HEAD:MHD-RE/008
CORE:MCL-SS/ORCA
ARMS:MAL-GALE
LEGS:MLM-MX/066
BOOSTER:MBT-OX/002
FCS:PLS-ROA
INSIDE:—
EXTENSION:MWEM-A/50
GENERATOR:CGP-ROZ
RADIATOR:RMR-SA77
BACKUNIT L:MWC-OC/15
BACKUNIT R:MRL-SS/SPHERE
ARMUNIT R:MWG-XCW/90
ARMUNIT L:MLB-LS/003
よし、注文通り出来ているな。
ブースタが今ある中で最速でないのは、エネルギー消費を控えるためだ。
ラジエータがこのパーツなのも同じ理由。私はエネルギー兵器しか使わないからな。
熱によるダメージを期待出来ないから、なるべく手数を増やしておきたい。
ACの調子は問題なし。あとは本番だな。
—トレネシティ:中心部—
<<作戦領域に到達!これより機体を投下しまーす>>
アワイの気の抜けた声で、機体が投下される。
それはいい。が、まず一つ気になるところがある。
<<ま、お互い精々協力するとしましょ。足引っぱらないでよね>>
「……ああ」
なぜ輸送機2機で運ぶ必要があった?同じ場所に投下するなら、1機でも構わないはずだ。
なんだかきな臭いぞ……
僚機の名前は確か……ファナティック。
四脚タイプで、マシンガンとスラッグガン、シールドを装備している。
AC名はレッドアイ、だったか?
「……」
<<……なによ>>
「いや、なんでも」
まぁ、仕事をしてくれるんなら問題はない。
<<敵さん来たよー!>>
さぁお出ましだ。
‐システム キドウ‐
敵は飛行型のMTだ。あれは……ブルースオプスリーか。
武装はライフルとレーザーキャノンだったはずだ。
ライフルはともかく、レーザーキャノンは食らうとまずい。
が、レーザーの方は射撃に準備が要るのか、着地しないと撃てなかった記憶がある。
その時に注意していれば問題ないな。
「……」
……面倒だな。
MTは飛んでいることがほとんどで、しかもやけに速い。
私の武装では、飛んでいる奴らに対して有効打になりにくいところがある。
着地したところを狙うしかないか……
<<どうしたの?遅れているみたいだけど?>>
「すまんな」
人を小馬鹿にしたような声色だ。
……
敵は数こそ少ないが、ライフルの地味な削り、レーザーの一撃と厄介だ。それに弾が当たらない。
長引きそうだな……
「っと」
左から飛んできたレーザーを前進して避け、向かってきた方向へ機体を向けレーザーライフルを発射する。
こちらを狙って停止しているMTに当たりこそするが、装甲が厚いのか沈んでくれない。
「足りないか」
MTはその場で旋回、砲身をこちらに向けてくるが、その速度より私のACの方が速いな。
続けてレーザーを3発、4発と命中させていくと、MTは装甲を辺りにばら撒き爆散した。
1機減らしたところで安心できない。MTはまだそこら中を自由に飛び回っている。
「厄介だな……」
<<このっ……鬱陶しいわね!>>
ファナティックの方も意外と苦戦しているのか、頭に血が昇っているようだ。
スラッグガンを空中にばら撒いている。
と、ここでチャンス。何を考えているのか、私から狙うのに絶好の位置にMTが陣取り、旋回してこちらを向いてくる。
しかし相手の旋回速度は相変わらず遅い。……もらった。
「……っ!おい!」
<<ちょっと!何すんのよ!!>>
私の放ったレーザーはMTに当たることなく、なぜか私の前に飛び出してきたレッドアイに命中した。
「バカ!射線に入るな!」
結局、そのMTはファナティックがスラッグガンで破壊した。
<<気をつけなさいよ>>
「……悪かったよ」
くそ……何だというんだ……
それからは気まずい空気ながらも、なんとかMTを後2機まで追い詰める。
「あと少しだ……」
と、またここで絶好の機会。MTが着地し、こちらを狙ってくる。
よし、今度こそ……!
「何!?」
私がレーザーライフルを撃つと、MTは私を狙うことをやめ、飛んで行ってしまう。
結果的に私の放ったレーザーは避けられ、その後ろでマシンガンを乱射していたレッドアイに命中する……!
<<……そっちがそのつもりなら!>>
<<レッドアイ、友軍信号を解除!仲間割れだー!>>
おいおいマジか。
「おいっ落ちつけ!」
<<うるさいっ……!!>>
レッドアイは目の前にいたMTに目もくれず、私にマシンガンを掃射しながら向かってくる。
「くそっ!」
レッドアイは一旦無視だ!先にMTを殲滅すれば、この町の危険はなくなるだろう!
町の安全が第一だ!
「チッ……」
ちょうど視界の端に入ったMTをロックオンし、オービットを発射する。
ACとMTの攻撃頻度は歴然だ。攻撃はオービットに任せて回避に専念する。
<<このっ!>>
「だから落ちつけ!悪かった!」
謝ってもファナティックは攻撃の手を緩めようとはせず、私の後を追いかけてくる。
なんでこんなことに……!
「あと1機!」
飛び回っているMT目がけ、ブーストジャンプ。そのままブレードで叩き落とす。
これで終わっただろう!
<<大型のエネルギー反応を確認……敵輸送機だー!>>
「……」
敵のものと思われる輸送機から、何かが投下される。
レーダーに反応はあるが、視認することができない。恐らくステルス機だろう。
「……」
<<待ちなさいっ!>>
……おいおいマジか。
ステルス機はレーダーにこそ映るが、単純に見えない為狙いづらいのに加え、ロックオンの妨害もしてくる。
非常に厄介だ。
それと、先ほどから追ってくるファナティックのAC、レッドアイ。マシンガンにスラッグガンと火力が高いうえ、話が通じない。
こちらも非常に厄介だ。
「……」
……やるしかないな。
レーダーを確認して、ステルス機の場所を確認する。
その内の1機にブーストダッシュで近づき、ブレードを出力。
なにもないように見える空間を一閃すると、そこから小爆発が起こり、レーダーの反応が一つ消える。
「!」
後ろから追ってくるレッドアイのマシンガンを徐々に爆発していくステルスMTで防ぎ、次のMTを探す。
「そこか」
何もないように見える場所へレーザーライフルを撃ち、放ったエネルギー弾が何かに当たり炸裂したことを確認する。
そのままブーストダッシュで近づき、ブレードを振る。
「2機」
爆発しているMTの左側の空間へ、ブレードを出力した左腕を突きだす。
確かな手ごたえと共に、レーダーの反応がまた一つ消える。
「3機」
レッドアイが息切れを起こしたのか、私との距離がさっきよりも空いている。
機体を左右に振りながらエネルギーの自然回復を待ち、十分に回復したところで上空へ。
レーダーで最後のステルスMTの位置を確認。そこへ目がけて急降下する。
「最後だ」
突き出したブレードは見事ステルスMTを捉え、空間が爆発する。
あとは……
<<また来たよ!>>
……
最初の奴らの残りだろうか。2機ほど飛行型MTが上空からこちらに向かってくる。
「またか」
地上からロックオンし、オービットを起動。
馬鹿正直に突っ込んでくる1機のMTは、正面からのオービットの集中砲火であっけなく爆散した。
「あと1機」
レッドアイの場所を確認し、なるべく飛び回っているMTへと近づく。
(よし)
ブースタをふかし、上昇。そのタイミングでレッドアイからスラッグガンが放たれ、正面からMTが突っ込んでくる。
突っ込んでくるMTを空中でいなし、飛び散るスラッグガン目がけて蹴り飛ばす。
私はその蹴り飛ばした衝撃で弾かれスラッグガンから免れるが、MTは無残にもそこへ突っ込み空中で大破した。
「……あとはお前だけだ!」
<<ちょこちょこと避けてくれちゃって……!>>
そのままビルの上に着地、すぐに離れてレッドアイに近づく。
<<このっ!>>
正面からマシンガンを撃ってくるが、こちらは上空だ。経験していればわかるが、空にいる敵はなかなか当たってくれない。
機体を左右に大きく振り、レッドアイに向かって落ちながらさらに接近。
<<ちょっ……!>>
レッドアイの懐に入り込み、ブレードを出力。そのままレッドアイの右腕を狙い振りあげる。
ブレードはACの右腕の肘を切断し、レッドアイからマシンガンを奪った。
一旦離脱。
「いいから落ちつけっ」
<<うるさい!>>
マシンガンが無くなったレッドアイは、残った武器であるスラッグガンを頼るだろう。
案の定、肩に背負っているスラッグガンの銃口がこちらに向いた。好機。
「……っ」
こちらに向いた銃口を狙い、レーザーライフルを発射。
放たれたエネルギー弾は見事にスラッグガンの銃口へ吸い込まれ、その銃身を破壊した。
<<そんなっ……>>
ブーストダッシュでレッドアイに接近し、組みつく。
「話を聞け」
<<な、なによ>>
「無駄な血は流したくないんだ。お前は私の僚機、つまり味方であって、敵じゃない。わかるな?」
<<……>>
「あとでいくらでも謝ってやるから、今は抑えてくれ。……帰るぞ」
<<チッ……わかったわよ>>
……はぁ。
<<作戦しゅーりょー!かーっこいいスミレ!>>
‐モクヒョウ タッセイ‐
—コーテックス:ガレージ前—
「おつかれさまースミレ!」
「なんだったんだ、アイツは……」
ガレージを出ると、アワイが待っていた。何故かは知らないが、いつもよりテンションが高い。
だが、本当に何だったんだ。私が指示を飛ばさなかったのが悪いのか?
いやしかし、それだと何指図してんのよ!とか言ってきそうだな……
ミラージュめ……
「今日は散々だったねぇ」
「本当にな。私はお腹が空いたよ……」
「ははは、流石のスミレもぼろぼろだね!」
お前の中の私はどんな奴なんだ。
「まぁ、いい。無事に終わったんだ。帰るとするか」
「そうしよー!」
アワイと並んでエントランスまで戻る。
あぁ……ラーメン屋ってこの時間開いているのか……?
—コーテックス:エントランス—
「……?なんかきょどーふしんな人が居るよ?」
「……確かに怪しいな」
エントランスまで戻ると、アワイの言った通りな挙動不審な女が立っていた。
足をもじもじさせながら、髪の毛をいじって時計や歩いている人をじろじろ見ている。
……怪しさ満点だな。
「あ、こっち見た」
その女の右目には赤い眼帯がしてあった。明らかに普通の奴じゃないな。
そんな微妙な視線を送っていた私と、その女の目が合う。と。
「おい、向かってくるぞ」
眼帯の女がずかずかと歩いて来て、一言。
「アンタが、リップハンター?」
「……そうだが?」
やたらと勝気な女だな。
と言うか、この声は先ほど聴いたような。
「お前がファナティックか?」
「そうよ。さっきは、その……悪かったわね」
「おー、仲直りだ!」
「うるさいっ!」
「面白いものも見れたし、私はこの辺で!じゃあねーお二人さん」
「あっ、おい」
……アワイが行ってしまった。
「……」
「……」
……おい、猛烈に気まずいぞ。
「あー……まぁ、私もよく確認してなかったし、悪かったよ。怪我はないか?」
「それは大丈夫。ありがと」
……。
(どうすればいい……!)
アワイが居なくなったことが非常に痛い。あの人懐っこさが今ここで欲しいのに……!
「……じゃあ、私は帰る。じゃあな」
「……私も帰る」
—トレネシティ:大通り—
「……」
「……」
おい、ついてくるぞこの女。
「……なぜついてくる?」
「つ、ついていってなんかないわよ!あたしの家もこっちなの」
じゃあなんで目が泳いでいるんだ?
—トレネシティ:自宅前—
「……おい」
「な、なによ」
「着いたんだが」
「どこに」
「私の家に」
「……へー……ここがアンタの家なのね」
じろじろと我が家を観察するファナティック。
「……で?お前の家は私の隣だとでも言うのか?」
「ちっ、違うわよ!この先に行ったところにあるの!じゃあね!」
そう言うと、怪しい女はそのまま夜の街へと溶けていった。
「……」
一体なんなんだ……?
……あ。
「晩飯……」
何処かに寄るつもりだったのに、そのまま家に帰ってきてしまった。
ここには、食べるものが何もないのに……
「はぁ……」
どうするかな……
今回はここまでです。菫さんのパートだって言うのを忘れてました。
次回は、出来るなら明日に投下したいところです。
そうじゃなくても、三日以内には必ず来ますので……ではまた!
ファナティックが誰かわからない…こんなトゲトゲした人いたっけか
>放たれたエネルギー弾は見事にスラッグガンの銃口へ吸い込まれ、その銃身を破壊
よくあるシチュだけど菫のキャラの特性を活かしてて素直にかっこいいな
乙!
乙です
獲物を横取りした挙句こちらに誤射してくる人だ
やっと1から走って追いついた……4とfaと5くらいしか知らないんだよなー やってみようかしら
ようやく追いついた
こんな俺得スレがあったとは
AC3のCMは神
OPも神、特にバックダッシュからのミサイル一斉射撃
SLの敵AC強いんですけど
びったり張り付いて回り込んでくるよ…?
800マシとステルスに手が伸びそうになる
こんばんは。やべぇ予想外の難産でまだ書けてないよ……
とりあえずあと三時間して来なかったら今日は無理ですごめんなさい……
>>847、>>848
追い付いてくれる人がいるとは……!
>>847は旧作もやってみよう!退廃的な世界観は素晴らしいよ!
>>849
インサイドミサイルなんてなかった
>>850
SLは敵ACのAIがかなりいいんで、3と比べて強いです。
アリーナでどうしても勝てない敵が出てきたら、
MWR-AR/602を両肩に背負って武器チェンジと攻撃ボタンを交互にひたすら連打し続けてください。
もちろん武器はそのMWR-AR/602だけで、です。変な笑いが出ます。
アサルトロケ百烈拳かww
二度目のこんばんは!書けましたー……
>>852
私は最近まで全然知りませんでした。まさかあんなことが……
—side:照—
—トレネシティ:自宅—
「ん……何……?」
気持ちよく寝ているところを、警報で起こされる。
けたたましい。
「警報?こんなことあるんだ……」
しばらくすると警報が鳴りやみ、代わりに聞き慣れた音が微かに聞こえ始めた。
「襲撃……?」
こんな都市区に……?
一体誰が……
「とりあえず……」
襲撃があったとすると、依頼が入っているかもしれない。
目もすっかり覚めてしまったし、PCを立ちあげて確認しようか。
「……やっぱり、きてた」
依頼主:クレスト
作戦領域:グラン採掘場
敵勢力:近距離戦闘用MT、分離型MT
作戦目標:集結部隊の全滅
『キサラギの残党が、グラン採掘場に集結しつつあるとの情報を得ました。
どうやら、先日の戦いによって総崩れとなったキサラギの部隊が合流し、体制を立て直すつもりのようです。
この機を逃す訳にはいきません。
ただ、あの戦闘の結果、我々も相当の被害を受けています。
大掛かりな部隊を送り込むのは難しいのが実情です。
そこでレイヴンに集結部隊への攻撃を依頼します。残党とはいえ、それなりの戦力が予想されます。
僚機をこちらで同行させますので、協力して作戦を遂行してください。よろしくお願いします。』
今起きている襲撃とは関係なかった。
……かなり重要な依頼と見える。クレストがキサラギを終わらせるようだ。
「……行こう」
クレストが用意してくれた僚機……
まぁ、悪いようにはならないだろう。
—コーテックス:エントランス—
「こんばんは」
「こんばんは」
コーテックスに着くと、尭深さんが待っていた。依頼の再確認といったところかな。
「依頼内容は確認しましたね?」
「はい」
「キサラギに、引導を渡すことになります」
「……わかっています」
依頼を受け、こなす。私はレイヴンだ。
と、まぁそんな理由もあるけど、何よりキサラギは放置しておくと何をしでかすかわからない。
あそこは言うなれば、マッドサイエンティストの楽園だ。良からぬものまで造りだしそうな勢い。
所謂危険因子の一つ、と言えなくもないだろう。
「では、ACの準備をしていてください」
「わかりました」
相手は残党とはいえ、それなりの戦力はあるだろうし、背水の陣で士気が高いかもしれない。
何が来てもいいように、万全の準備をしておこう。
—コーテックス:ガレージ—
「お、仕事か?」
「はい。今日もお願いします」
いつものように、おじちゃんにアセンのオーダーを頼む。
今回は……
HEAD:MHD-SS/CRUST
CORE:CCH-OV-IKS
ARMS:MAH-SS/CASK
LEGS:CLC-D3TA
BOOSTER:—
FCS:PLS-ROA
INSIDE:—
EXTENSION:
GENERATOR:CGP-ROZ
RADIATOR:RGI-KD99
BACKUNIT R:MWC-LQ/35
BACKUNIT L:CWC-SLU-64
ARMUNIT R:MWG-MG/1000
ARMUNIT L:KES-ES/MIRROR
「こりゃあ……ガチガチだな」
「ガチガチです」
頭部、腕部、脚部を最も装甲の厚いもので固めてみた。脚部は強力な肩武装を積むためにタンクを選択。
レーダーが無いのが気になるけど、グラン採掘場は一度行っているし、まぁ迷うこともないだろう。
「嬢ちゃんがタンクとは珍しいな。しかもシールドまで持って行くたぁ」
「万全の準備を、と言われたので」
「なるほどな。ま、行って来い!」
「行ってきます」
キサラギの残党……MTだけというわけにはいかないだろうしね。
—グラン採掘場:エレベータ—
<<よろしゅうな。レイヴン>>
「よろしく」
作戦領域に到達。
クレストの用意してくれた僚機はスタティック・マン、ストリートエネミーだった。よかった……
彼女とは以前、アリーナで戦ったことがある。
アリーナデータに書かれていた内容がちょっと怖かったので、心配していたんだけど、
実際会ってみれば、気さくで元気な人だった。ちょっと安心だ。
因みに、ストリートエネミーが彼女のレイヴンネーム。スタティック・マンがAC名だ。
<<残党とはいえ、気ぃ抜かんようにな。キサラギのことや、何が待っとるかわからへん>>
「そうですね……」
<<ま、アンタの腕はよう知っとる。心配なんかしとらせんけどな!>>
「買いかぶり過ぎです」
<<はっ、よう言うわ>>
依頼遂行の直前だというのに、つい和んでしまう。
<<……レイヴン。おしゃべりもいいですが、そろそろですよ>>
「……はい」
タカミさんに怒られてしまった。反省。
<<ほな行くで!>>
「了解」
‐システム キドウ‐
—産業区:グラン採掘場—
<<敵は、セクション連絡路から増援を送っているようです。気をつけてください>>
グラン採掘場は、大きなゲートの向こうにある採掘場と、
そのゲートの前に置かれている、何本も存在するセクション連絡路からなっている。
その他にもあるが、大まかに言えばこの二つだ。
ふむ……
<<……二手に分かれた方がよさそうやな。どうする?>>
「じゃあ、私が先に行く」
ここで増援を迎え撃つより、先に突入した方がいいだろう。内部に配置された敵の方が数は多いだろうし。
何より、私の機体の装甲だ。中で暴れまわる為と言える。
ゲートの前で門番をしてもいいけど、せっかくたくさん積んできたんだ。
<<よっしゃ、ここは任しとき!誰も通さへんでー!>>
やっぱり元気な人だ。
……気を取り直して。
ゲートのスイッチを弄り、ロックを解除する。
何が出てくるかな……?
「っ!」
目の前に何かが来た。とっさにシールドを構えてガードする。
……爆風が凄まじい。何だったんだろう?
<<恐らく、その中に居るMTの仕業です……エクスファー、だったでしょうか>>
「エクスファー……」
<<分離型のMTです。先ほどの兵器は、MT1機につき一つしか持っていないので、安心してください>>
安心、できるの?それは……
視界が鮮明になると、エクスファーから放たれたのであろう、爆風が凄まじい何かを確認できた。いくつかこちらに向かってくる。
「遅い……」
見た目は、弾頭に羽がついているみたい。自立してこちらを狙っている……?
肩のスラッグガンを構え、向かってくる二つの弾頭に発射する。
その二つの弾頭は私に辿り着くことなく、虚しく空中で爆発した。
スラッグガンは、言うなればショットガンの強化版のようなものだ。
殺傷力も高いけど、弾が拡散する為こういった防御にも使えるのがいい。
「ん……」
どうやらこの部屋は、エクスファーというMT一種類だけのようだ。
飛んでくる弾頭は先ほど破壊したから、あとは残った本体だけだが……
(……鬱陶しい)
ライフルを連射してくる上、移動速度が速い。
左右にしか動かないことがほとんどだけど、切り返しがとてもスムーズで、止まることがない。
遠くから狙っているとそれがたまらなく面倒で、うまく銃器が当たってくれない。
接近してスラッグガンをぶち当てよう。
シールドとスラッグガンを構えながら、ゆっくりとエクスファーに近づいていく。
なぜか後退ということをしないので、そのまま大ダメージが狙える至近距離まで接近する。
「っ」
スラッグガンを撃つと、目の前のエクスファーが一瞬にして穴だらけになり、爆散した。黒煙を上げる暇もないらしい。
「……」
こういった後退を知らない相手に対しては、かなり有効な攻撃手段になるね。
AC戦となると、相手が速すぎて中々当たってくれないんだけど。
適材適所。……は違うかな?
「……よし」
この部屋の敵は全滅させた。弾頭、と言うか、ボムみたいなものさえなければ相手にならない。
この調子で次に向かおう。
シールドを構えて、奥の部屋へのゲートを開く。そして後ろに下がる。
さっきは中に入った瞬間手荒い歓迎をしてもらったから、その対策だ。
「と……」
案の定ゲートを開けると、すぐに二つほどボムが迫ってきていた。
マシンガンを構え、落ちついて対処。動きが鈍いので空中でも余裕で撃ち落とせた。
さて、気を取り直して中へ入ろう。
「……」
多いなぁ……7機ぐらいかな?
さっき二つボムを壊したから、あと五つもあるのか……
「まぁ」
マシンガンを撒いていれば大丈夫だろう。
入ってすぐに部屋の隅を陣取り、壁を背にしてひたすら撃つ。
前にだけ集中していればいいし、もし攻撃を食らってもシールドにタンクと防御もかなり堅い。
何故か近寄ってきたエクスファーをスラッグガンで粉砕して、奥でふらふらしている奴もマシンガンで掃討する。
「……あ」
スラッグガンとマシンガンばかり使っていて、もう一つ持って来ていたレーザーキャノンを忘れていた。
使ってみよう。
「……」
さっきからずっと障害物に引っかかって動けていない、1機のエクスファーを狙う。
……発射。
「おお……」
オレンジ色の光を放つエネルギー弾が一直線に進み、見事そのエクスファーに命中した。
MTは、その光ったエネルギー弾がぶつかった瞬間に弾けて飛んだ。木端微塵だ。
「強いなぁ……」
この威力で弾薬費はゼロ、だそうだ。
最初から使っておけばよかったかなぁ。
「……」
終わったことをぐちぐち言っても仕方ない。
早く敵を片付けよう。ストリートエネミーも待っていることだしね。
<<……まだ奥に反応が……?>>
「なんでしょう……?」
MTを全て破壊、これで終わりと思ったら、どうやら奥に何かが居るらしい。
エレベータを使って、下りるようだけど……
<<そっちはどうや!?終わったか?>>
「MTは全部倒したけど、地下に何かいるみたい」
<<地下か……怪しいな。どうする?>>
「……私が先に行く。後からついてこれる?」
<<OK!こっちも、もうすぐかたぁつきそうなんや!終わったらすぐ行くで!>>
「わかった。ありがとう」
話はついた。一足先に地下へ向かおう。
<<シャイン、大丈夫ですか?>>
「大丈夫。何がいるかはわからないけど、この機体だから」
この機体構成なら、何が来ても大丈夫だろう。
損傷も極軽微に収まっているし。
ゲートを開き、エレベータに乗り込む。
<<……レイ……ヴ……通………障……>>
「え?」
エレベータが降り始めて、半分くらいだろうか。
タカミさんの声が上手く聞き取れない。
<<……………………>>
「も、もしもーし」
……返事はない。
通信障害?ざざざ、とノイズが走っていて、声は全く聞こえなくなった。
「不味いなぁ……」
強敵の予感が……
「……行こう」
エレベータが停止する。地下に着いたらしい。
<<……>>
あれは……ACか。
<<来たな……待っとったで>>
「……」
あれは……確かDランクの……
<<誰かは知らんが……行くで!>>
「!」
相手はブーストダッシュで動きだし、マシンガンを乱射してきた。
咄嗟にシールドを構えて防ぎながら、こちらもマシンガンで応対する。
そうか……以前アリーナで戦った時と機体構成が違うから、私が誰かわからないんだ。
まぁ、それならそれでいいんだけど。
タンク型で接近されると、いくら装甲が厚くても厳しくなってしまう。
さっきと同じように、後退して壁を背に。レーザーキャノンを構えてよく狙う。
「……ここ」
<<っ!>>
相手の移動先を予想して、そこへ置くように発射。命中。
<<やるやんか……>>
「!……」
エレベータが動いている……?
ストリートエネミーが来てくれたかな?
<<待たせたな!……クライゼン、か!?>>
<<お前、かぁ……まぁお互い仕事や。悪う思うな>>
「知り合い?」
<<まぁそんなとこや。……気いつけぇ!こいつは手強いで!>>
ふむ……
「……私は後ろから援護する。前は任せられる?」
<<っ任せとき!>>
ストリートエネミーが前に、私が後ろに。
彼女がクライゼンを引きつけ、私がレーザーキャノンを叩き込む。これでいこう。
ストリートエネミーとクライゼンは互いに撃ち合い、この地下の中心でぐるぐると回っている。
味方に当てないように、タイミングを計る。
「っ」
<<!……っとと>>
<<っ……>>
私の方にクライゼンが背中を向けた瞬間に、レーザーキャノンを発射する。
見事に狙い通りその背中を捉えて、敵ACはバランスを崩す。
<<……ごめん、シャイン!こいつは私にやらせてくれんか!?>>
「……いいけど、大丈夫なの?」
<<うちは大丈夫や。……それに、こいつとはさしでやりたいんや>>
<<一騎撃ちか……こっちとしては、願ったり叶ったりやな>>
私はシールドを構えて、邪魔にならないように待機する。
……思うところがあったんだろうか。
—side:ストリートエネミー—
<<一騎撃ちか……こっちとしては、願ったり叶ったりやな>>
シャインがさらに下がり、シールドを構えて待機してくれている。
私はクライゼンと対峙し、互いにライフルとマシンガンを向け合っている。
この距離だと……ミサイルは使いにくいなぁ。
前半のダメージを考慮すると……短期決戦しかないか。
相手はマシンガンだし、継続的にダメージを食らうと不味い。
かといってブレードを多用すると、馬鹿にならない威力のロケットの応酬を食らうだろう。
比較的安全に使える武装は、小型ロケットとライフルだけになる。
「ちっ」
<<どうやら、腕は落ちとらんようやな……>>
「そっちもな」
お互い円を描くように回りながら、ライフル、マシンガンを撃ち合う。
双方弾丸がかすり、装甲が剥がれていく。
<<……まさか、こうなるとはなぁ>>
「……そうやな」
言いながら、中距離でロケットを撃ち合う。
流石にノーロック武器は、動きまわっていると中々当たらない。
空中から狙ってみるか。
ライフルでけん制をいれながら、ブーストジャンプで上を取りに行く。
斜め上からロケットを乱射。……よし、2、3は入ったか?
「っ!」
<<腕は落ちてないと思ったけど、鈍っとったかぁ?……遠慮はなしやで>>
ロケットを乱射するまではよかったが、着地の隙を突かれて光波ブレードを食らってしまう。
光波ブレードは普通のブレードと違って、エネルギーの塊を前方に飛ばすものだ。
ロックオンはできないが、その代わり弾数が無限のエネルギーライフル、と思えばいいだろうか。
「……」
いかんなぁ。長引いてしまっとる。
再びライフルとマシンガンの撃ち合いになり、中々勝負が動かない。
ジリ貧ってやつやな……
いや、ここが耐え時や。何かチャンスを……!
やっぱり有頂天民じゃないか(歓喜)
「!」
クライゼンのACの左腕が振りかぶられる。チャンスや!
OBを起動。そのタイミングで向こうから光波が飛んできた。
それをギリギリまで引きつけてから、エクステンションのバックブースタを使ってかわす。
かわした瞬間にOBが時間差で出力され、一気にクライゼンの場所まで接近する。
バックブースタは、横に歩いているときだけ、その方向に出力される。
バックという名がついてはいるが、横方向にも瞬間的に動ける優れものだ。
<<っ!?>>
OBで急接近しながら、ブレードを構える。
クライゼンは意表をつかれたらしく、狼狽して隙ができていた。
「っ!」
懐に一気に入り込んでOBを停止、ブレードを振り上げる。
出力したブレードは、敵ACの右腕を見事に捉えて切断した。これで鬱陶しいマシンガンは消えたな。
バックブースタを使い離脱、近距離でロケットを貰わないため再び距離を取る。
<<っ……やるやんか>>
「……当たり前や」
マシンガンの無くなったクライゼンは、ロケットと光波ブレードで戦わざるを得なくなった。
だが、残った武装は両方がノーロック武器の為、当然なかなか当たらない。
その間に私は右腕のライフルで、堅実に相手の装甲を削って行く。
私の機体は比較的軽く、クライゼンの機体は若干重い。回避率もこちらが上。
もはや勝負がつくのは時間の問題だ。
<<……最後の、勝負や!>>
クライゼンがロケットを掃射しながら、ブーストダッシュで突撃してくる。
「……!」
私も同じように突撃、ライフルを撃ちながら進んでいく。
<<っ……!>>
「くっ……!」
お互い無防備にロケットやライフルを食らいながらも、お構いなしに突っ込んでいく。
<<これでっ……!!>>
クライゼンが光波ブレードを振りかぶり、放ってくる。
避けるつもりはない……!
「……ときぃっ!!」
機体に衝撃が走る。でも……!
光波を食らっても、進むことはやめない。
お互いが接近した結果、そこはもう充分ブレードの当たる領域になっていた。
スタティック・マン左腕を振りかぶり、クライゼンのACの左腕ごとコアを狙い、叩っ斬る……!
「っ……!!」
出力したブレードがクライゼンのACの左腕に食い込み、火花を散らしている。
まだや、出力は続けさせてもらうで……!
<<はっ……>>
クライゼンの、自嘲したようなかすれた笑い声が聞こえた。
彼女のACの左腕は既に切断され、ブレードはその先にあるコアを削っている。
「……っ」
これ以上は、無理だ。
ブレードの出力を止め、バックブースタで離脱しながら、削れたコア目がけてライフルを命中させる。
……
「……」
<<……>>
<<……うちの、負けやな>>
「……」
彼女のACはコアから黒煙を上げ、今にも爆発せんとしている。
「離脱、できへんの……?」
<<したところで……ごふっ>>
「!」
<<もう、持たん……>>
「なんで、こんなことになったんやろな……」
<<……ま、悔いはないなぁ。りゅーかに殺されるっちゅうんは悪くない>>
「……待っててな」
<<ふっ、地獄で会える、か。そうやな。……いつかしてくれてた膝枕、またしてくれや>>
「っ……!!」
黒煙は赤い炎になり、彼女のACのコアを包み、爆発した。
「怜……」
—side:照—
……。
<<悪いな。と……クライゼンとは、一人でやりたかったんや>>
「いい。依頼は達成できた。……それに、勉強になった」
<<そっか。ほな、帰ろうか>>
<<……通信障害クリア。シャイン、大丈夫ですか?>>
「……終わりました」
<<作戦は成功、のようですね。帰還してください>>
ストリートエネミーと共に、エレベータに乗り込む。
‐モクヒョウ タッセイ‐
—コーテックス:エントランス—
「シャイン。あの後、一体何が?」
「ACがいたけど、ストリートエネミーがやってくれた」
作戦は成功。被害は軽微に収まり、弾薬費はそこそこかかったものの黒字にすることができた。
ストリートエネミーは、「ほんならなー」と言うと、一人どこかへ帰って行った。
「相手のレイヴンは?」
「クライゼン。ストリートエネミーの知り合いだった」
「それは……」
クライゼン。私が最後に戦ったのは、まだアリーナDランクに居た頃だ。
地下で遭遇した時の彼女は、以前より強くなっていたように感じる。
「……」
友人だった人と、敵として出会ってしまう。
そうなった時、もし私なら————————
>>869
hai!
今回はここまでです。
関西弁が変じゃないか心配です。
あと「っ……」←これ好きすぎ問題。でもこれ他に表現の仕方がわからないんです……
約束しておいてこのざまです。結果的には来れましたけど……だめだー
次回の投下予定は未定です!
乙ー こうなるのは、せつないぜ……むせる の方が良いのかもしれんが
良かったぜ……お前のは
乙!
>そうなった時、もし私なら
なんか、嫌なフラグが立った!?
おつ
だんだん照に『イレギュラー』というフレーズが近づいてくるね……
乙です
もしよかったら連載終了した後にでもキャスト表書いてくれるとうれしい
こんばんは!いつもレスありがとうございます
アリーナ戦むずすぎワロタ
勢いで書いたんで変かもしれませんが、イメージしながらならなんとか、多分……
>>880
それはもう書くつもりです!ご安心を!
では、アリーナロイヤルミスト戦を投下ー
◇◆◇◆
—トレネシティ:自宅—
「……」
色々考えてみたけど、よくわからない。
私にあれこれ考えるのは、早すぎるみたいだ。
「ん……」
……もやもやするなぁ。どうしようか。
「……アリーナ……」
身体を動かすことにしよう。こんなときは運動に限る。らしい。
「えーっと」
今の私のランクはB-1……じゃあ次の相手は……
「えーと……」
PCを立ちあげ、アリーナ情報を確認する。
「……ロイヤルミストさんだ」
そうか、もうAランクまで来たんだ。
[A-3]ロイヤルミスト:カイザー
『依頼を受けることはほとんど無く、ひたすらにアリーナの上位に上ることを求め続ける。
対AC戦を前提に組み上げられたその機体は、あらゆる状況に柔軟に対応できる、
ハイレベルなオールラウンダー型に仕上げられており、対戦相手に一瞬たりとも気を抜くことを許さない。』
流石にAランクとなれば、これを書いている毒舌家もべた褒めだ。
トップ3……ロイヤルミストさんの戦いは、見たことが無い。
同じ依頼を受けていたようだけど、残念ながらその活躍を目で見ることはできなかった。
そのかわり、次々と敵を制圧して、他の参加したレイヴンとは一線を画していた。
彼女の機体を見ると、ショットガン、投擲銃、両肩に背負うミサイルと非常に高火力だ。
コアも、高火力のEOを持った重量級。堅さと攻撃力を兼ね備えている。
デコイを持っていこうかな……?
デコイは、ミサイルを引きつけてくれる便利なものだ。弾数が20発あるものを持っているから、
搭載していけばかなり戦いやすくなるだろうけど……
「いや……」
やっぱり、自分らしさを出そう。模範解答は嫌いじゃないけど、好きでもない。
でも、自分らしさか……
「やっぱり」
あれしかない、ね。
「行ってきます」
少し遅めのお出かけ。
機体のアセンブリは決めた。
おじちゃんにそれを頼んで、アリーナの手続きをして、戦うだけだ。
いよいよ、Aランク。あと三人。
私の力がどこまで通用するのか……
悪いけど、試させてもらう。
……なんてね。
—コーテックス:ガレージ—
「こんにちは」
「お、こんにちは。今日はどうした?」
おじちゃんと挨拶をかわす。
「機体のアセンブリと……」
そういえば、クレストから何かもらってたっけ。
依頼の謝礼として……みたいな感じで。
「何か届いていませんでした?」
「ああ、でっけぇ銃が届いてたぜ。しかも、俺の見たことない奴だ」
おじちゃんが見たことが無い?
「見たこと、ないんですか?」
「これでも結構長いことやってんだが、あの武器は初めて見たぜ。何なんだ?ありゃあ」
「クレストからの謝礼……らしいです」
細かいことはいいか。とりあえず、スペックを見てみよう。
「MWG……ミラージュ製だな」
「KARASAWA……」
人の名前みたい。
でも、なんでミラージュ製?送ってきたのはクレストなのに……
「こいつぁ……すげぇな」
「……」
この武器、強い。
種類はレーザーライフル。でも、威力を見るととてもライフルなんて呼べない。
単発の威力は肩に担ぐレーザーキャノンに劣るものの、弾数は50と多い。
レーザーキャノンの一発の威力を2000としたら、このKARASAWAは1600というところか。
ただ……
「重いな……」
「はい……」
非常に重い。
軽量機に持たせると、それだけで重量過多になってしまうかもしれない。
内装と脚部によるけど。
「うーん……」
機体のアセンブリは決めていたけど、このKARASAWAも使ってみたいなぁ。
うーむ……
「で、アセンブリはどうする?嬢ちゃん」
「……これは、使いません」
今度の機会にしよう。我慢だ、我慢。
「お、使わねぇのか?」
「はい。決めてましたし。じゃあ……」
HEAD:MHD-RE/005
CORE:CCM-OO-STO
ARMS:CAM-01-MHL
LEGS:MLM-MX/066
BOOSTER:MBT-NI/MARE
FCS:VREX-WS-1
INSIDE:—
EXTENSION:—
GENERATOR:CGP-ROZ
RADIATOR:RMR-SA77
BACKUNIT R:—
BACKUNIT L:CRU-A10
ARMUNIT R:KWB-SBR01
ARMUNIT L:CLB-LS-2551
「……何と戦うんだ?嬢ちゃん」
「ACです」
今回の機体はブレードオンリー。他に武器はなにもない。
それなりの機動力と、それなりの装甲が欲しかったので、中量機体に。
インサイドに何か仕込んでもよかったんだけど、そこはブレードオンリーに徹底。仕込まないことにした。
「ACって……アリーナか?」
「はい」
「相手は?」
「A-3……ロイヤルミストさんです」
「……」
「正気か?」
「……?はい」
「お嬢は強ぇぜ?」
「そう思います」
「……勝てんのか?」
「……やってみないことには」
まだ、試してもいない。やってみないことには、わからない。
「……そうか。まぁ、わかった。やっておいてやる」
「ありがとうございます」
「いい試合にしてくれや」
「……必ず」
機体の方は大丈夫になった。アリーナの手続きに行こう。
—コーテックス:エントランス—
「……あれ」
「……ん?お、久しぶりだな」
「お久しぶりです」
エントランスまで戻ると、珍しい人とばったり出会った。
ロイヤルミストさんだ。
「?……急いでいるようだな?」
「急いでいる、というわけではないんですが」
「ふむ、と言うと?」
「今からアリーナ戦の手続きを……」
「アリーナ戦?……ということは」
「はい、今日はよろしくお願いします」
ロイヤルミストさんの目の色が変わる。
「おお、ようやくか!長かったぞ……」
なんだかうれしそうだ。
「えっと……?」
「ん?ああいや、やっとお前と戦えると思ってな」
「私と、戦える?」
「ああ。最初から目をつけていたんだ。きっと、ここまで昇ってくると」
そんなに期待されていたのか、私。
……あれ?じゃああれは……
「……あの、だったらあの八百長は?」
少し小声で聞いてみる。
前から気になってはいた。実際に会ってみると、ロイヤルミストさんはそんなことをする人には見えない。
「あー……あれは、ある奴に頼まれてな」
「頼まれて?」
「そうだ。そいつは変わった奴でな。たまに私も解らなくなる」
「なるほど……」
そんな人がまだ居るのか。
上位二人の内のどちらかだったりするのだろうか。
「っと、話しすぎたな。手続きは今からだろう?」
「あ、はい。そうです」
そうだった。
「では、また後でな。楽しみにしているぞ」
楽しみに……前一度使った私のお気に入りアセンブリにすればよかったかな?
……まぁ、あんまり変わらないか。
「がんばります。それでは」
ロイヤルミストさんと別れて、アリーナの手続きに向かう。
どう戦おうかなぁ……
「柄にもなく、緊張しているな……はは」
—コーテックス:アリーナ—
ついに、アリーナAランクに挑む時が来た。
反対側には、ロイヤルミストさんのAC、カイザーが待機している。
<<……その機体で挑むのか?>>
「はい」
<<それで、戦えると?>>
「?はい」
<<……まぁ、私の期待を裏切らなければいいが……>>
3……2……1……GO!
「……いきます」
<<どんな機体であれ、手は抜かん。全力で叩き潰す!>>
「!」
開始直後、いきなりカイザーから大量のミサイルが飛んでくる。
引きつけながら右後ろに下がり、左へ切り返し、壁で潰す。
「と」
またミサイルの群れが向かってきた。
アリーナ中央へ向かいながらブースタで上昇し、ミサイルとの距離が近づいたところで降下。
そのままブーストダッシュで前進し、地面でミサイルを潰す。
「……もう」
第三波が向かってくる。……面倒くさい。
「っ」
向かってくるミサイルをまとめて、左腕のブレードで相殺する。
<<ほう!>>
私がミサイルとやり合っている間に、カイザーは後ろを取りにかかっていたらしい。
いつの間にか視界から消えていた。
「……」
レーダーでカイザーの位置を確認し、ブースタで上昇。ふらふらと背中を向けながらバックする。
カイザーの上空を取り、降下。背中を狙いブレードを振るが……
「……間違えた」
タイミングが早すぎたのか、カイザーの両肩ミサイルの上部を掠る程度のダメージになってしまった。
<<チッ>>
私が一旦距離を離すと、カイザーはまたしても後ろを取ってこようとする。
彼女の機体のショットガンと拡散投擲銃の応酬は凄まじく、なかなか攻撃のチャンスがこない。
なんとか、直撃は避けておきたいところだけど……
<<とった>>
「っ!」
右の側面から現れたカイザーに、拡散投擲銃を直撃される。
拡散するまでに若干のラグがある武器だけど、ロイヤルミストさんは扱いが上手いのか、
私に直撃する瞬間で拡散するような距離から撃ってきた。
右側からもろに食らい、アマテラスが傾く。
「……!」
傾いたところで機体の腰を思いっきり回し、回した方向に左腕と右足を振り、左足を軸に回転する。
反回転ほどしたところで右足を地面に着け、カイザーと対峙。持ち直す。OBを起動。
「……」
<<ACで……っ!?>>
持ち直した瞬間に起動したOBで、カイザーに突っ込む。
<<チッ!>>
カイザーが咄嗟に左に避ける。が、それは狙い通り。
すれ違いざまにブレードで、カイザーの左腕を切り落とす。
<<なっ>>
「それは、嫌い」
これで、拡散投擲銃はなくなった。
戦いやすくなったかな?
<<流石だな……ただではやられんか>>
「!」
カイザーがEOを起動、ショットガンを構えながら、こちらに向かってくる。
ブーストジャンプでふわふわと浮き、カイザーの攻撃を凌ぐ。
こちらは近接武器しかないため、慢性的にダメージを与える術がない。
ここは堪えて、チャンスを待つしかない。
「っ……!」
着地する時にブースタをふかし損ねてしまい、どっすん、と重く着地したところに、カイザーのEOが直撃した。
痺れる……
「……」
レーダーで、カイザーの位置を確認する。
後ろを取られてしまっているね……
OBを起動し、右方向へかっ飛ぶ。
左右左右と入力を繰り返し、それと同時に旋回行動。方向転換し、右から大きく回り込む。
……酔いそうだ。
<<な……!?>>
カイザーの側面に張り付き、浮いたEO目がけて、右腕の射突型ブレードを突きだす。
突き出されたそれは、見事に二つのEOを串刺しにし、使用不能にした。
「それも、嫌い」
<<……っ!>>
アマテラスの右足でカイザーを蹴り、一旦距離を離す。
<<これはっ……>>
これで、カイザーの武器はあと二つだ。
終わらせるために、カイザーに再び接近を図る。
「……」
カイザーからショットガンがばら撒かれるが、ブーストダッシュとジャンプを組み合わせて避け、進む。
カイザーは重量級なので、旋回能力はそれほど高くないだろう。
従って、私が右へ左へ、上へ下へと大きく動きながら近寄れば、危険はない。
向こうはこちらの動きについてこれず、狙いが定まらないからだ。
重量級は堅いが、鈍い。翻弄しながら攻めることが出来れば、相手は置物と化す。
「……」
カイザーへの接近に成功し、肉薄する。
<<来たな……っ!?>>
正面から攻めてきた私にカイザーがミサイルを撃とうとしたようだけど、私の方が速かった。
ハッチの開いた両肩ミサイルを、私のブレードが襲う。
両肩ミサイルと一緒に、カイザーの頭部もまとめて薙ぎ払う。これで、ただの置物だ。
あとは、この右腕の射突型ブレードをカイザーのコアに突き刺し、息の根を————————
「っ……!!」
すんでのところで、右腕を上に逸らす。
射突型ブレードはカイザーのコアを貫かず、頭部があった場所に突き出された。
<<……私の、負けだな>>
パネルにWINの文字が現れ、私の勝利を告げる。
が、そんなことはどうでもいい。今、私は何をしようとした?私は……
「……」
<<……?どうした?>>
「……ありがとう、ございました」
私、は……
—コーテックス:エントランス—
「……」
エントランスの端にあるベンチに座り、ぽけーっと時計を眺める。
……
「おい、どうした?大丈夫か?」
「あ……」
気付くと、ロイヤルミストさんが私の隣に座っていた。
なんとも言えない視線を送ってくる……
「私に勝ったんだ。もう少し、嬉しそうな顔をしてもいいんじゃないか?」
「……すみません」
「はぁ……」
呆れられたらしい。
「……」
「いいか、何があったかは知らないが、悩みがあるのなら、手遅れになる前に誰かに相談しろ。
一人で考え込んでも、答えが出ないこともある」
「……わかりました」
「……大丈夫か?本当に……」
相談、相談かぁ……
したく、ないなぁ……
あっさり気味ですが、今回はここまでです。
戦闘描写がね、うん。もうね……
次回と次々回はなるべく連日で投下したいので、また遅くなりそうです。
それではまた!
ロイヤルミストさんなます斬りとかマジリスペクトッス
照にKARASAWAが合わさり最強に見える
乙
乙っす
カラサワ来ちゃったか……ブレオンでここまでってことは月光来たら更にヤバそうやなー
ミストさんは旋回がひどいんで軽く組めば割とやりたい放題よな
VSモードだとなぜかやたら強くなるけど
…書いて思ったけどミストさんじゃ別の人に見えちゃうな
乙です
ブレードでミサイル切り払いって二次創作ならではの醍醐味だな
ゲームでも散弾でミサイルとかグレネード迎撃とかあっていいと思うんだ
次回の投下も待ち遠しいけどスレの残りからして次スレへの移行も視野に入ってきた感じ
こんばんは!出来ました〜
初めてバイトの面接に行ったんですけど、どうやら履歴書が突っ込みどころ満載でぼろぼろだったらしいです。
ダメだこりゃー
>>902
旋回が低い代わりにやたらと張り付いて来て鬱陶しいです。まぁデコイさえあればげふんげふん……
「デコイさえ持っていれば俺だって倒せますよ!猿渡さん!」
>>903
そうすればゲーム内でのスラッグだって……!
>>904
絶対このスレじゃ足りませんね……次スレはどれぐらいになったら立てようかな?
では投下
—トレネシティ:自宅—
「……」
……おはようございます。
時間は朝の……8時ごろ、かな?
「シャイン……?聞いていますか?」
ああそうそう、尭深さんが来ています。
私が呼んだわけじゃなくて、勝手に入ってきたんだけど。
そういえば合鍵を渡していたっけ……
「ああ、はい……」
今尭深さんは、台所に立って朝ご飯を作ってくれている。
エプロン姿というのもなかなかいい。というか凄く似合う。
「もう……」
なんだろう。今この瞬間、何かに勝った気がする。
勝ったというか、勝ち組になったというか。
「できましたよ」
「おお……」
何で来たかはまだ聞いていないけど、とりあえず今は目の前のごちそうを頂くことにしよう。
いただきます。
「えっと、尭深さんはなぜうちに?」
「やっぱり聞いていないじゃないですか……現状の報告の為ですよ」
「そのためだけに、うちへ?」
「……迷惑でしたか?」
「いえいえとんでもない」
本当にとんでもない。
「それで、現状の報告と言うと?」
「はい。まず、管理者が操る部隊の謎の暴走、それに乗じた各社同士の小競り合い、ユニオン・キサラギの残党と、
掃討部隊との混戦。レイヤード各地が、混乱の様相を呈しているということ」
「……」
「……中でも、管理者の部隊による被害は深刻な状況で、攻撃目標は各社の施設だけに留まらず、
地下世界の維持に必要な設備までも、ダメージを受けている模様です」
「……」
酷い現状だ。
この世界を管理するはずの管理者が、破壊者と化してしまっている。
「そして、これに対処する為か、ミラージュが管理者に直接アクセスするためのプログラムを開発している
という情報があること」
「ミラージュが?」
「真偽は不明ですが、そういった情報が入ってきています」
ミラージュならやりかねないけど……本当にそんなプログラムが作れるのかな……?
「そんなもの、本当に作ることができるんでしょうか」
「……わかりませんね。今まで誰も、作ろうと思いませんでしたし……」
……それもよく考えると、不思議な話だ。
これだけ人がたくさん居るなら、一人ぐらいそんなことを考える人がいてもおかしくないのに。
「うーん……」
「とにかく、私たちは依頼が来るのを待ちましょう。出来ることと言えば、それぐらいしかありません……」
「ですよね……」
レイヴンだしね。
「……あ、私からも一つ」
「なんでしょう?」
「あー……」
悩んでいたことを思い出す。けど、何と言ったらいいかわからない。
「……ごめんなさい、やっぱりなんでもないです」
「?そうですか……?」
上手くまとまらない……
「!……メールですよ、シャイン」
とりあえず、受けよう。悩んでも仕方がないし、それしかないんだ。
依頼主:クレスト
作戦領域:レヒト研究所
敵勢力:不明
作戦目標:目標データの取得後、脱出
『ミラージュの保有する最大の研究施設、レヒト研究所への侵入を依頼します。
目標は、ミラージュが開発しているというアクセスプログラムの奪取です。
ミラージュの真意がどこにあるかはわかりませんが、管理者を操るような無謀な試みを許すわけにはいきません。
施設内には堅牢なセキュリティが配備されているものと思われます。十分に注意してください。』
「これは……」
「さっきの話であった、管理者へのアクセスプログラムの件ですね」
尭深さんとメールを覘きこむ。
依頼主はクレスト。どうやらさっきの情報の話は本当のことだったらしい。
「どうします?シャイン。受けますか?」
「そうですね……」
ここでぼーっとしていても、しょうがないよね。
「行きましょうか」
「わかりました。ちょうどいいですし、これからコーテックスに向かいましょう」
我が家を後にして、尭深さんと並んでコーテックスへ赴く。
さて、今回のアセンブリはどうしようかな……
—コーテックス:ガレージ—
「おはようございます」
「おう、ちょっと遅ぇけどな。おはようさん」
尭深さんとエントランスで別れて、私はACのアセンブリの為にガレージへ。
内容は、既にコーテックスに向かう途中に決めてきた。
「アセンブリか?」
「はい。じゃあ……」
HEAD:CHD-SKYEYE
CORE:CCM-OO-STO
ARMS:CAM-11-SOL
LEGS:MLM-MX/066
BOOSTER:MBT-NI/MARE
FCS:PLS-ROA
INSIDE:—
EXTENSION:—
GENERATOR:CGP-ROZ
RADIATOR:RIX-CR14
BACKUNIT R:CWR-S50
BACKUNIT L:CRU-A10
ARMUNIT R:MWG-XCB/75
ARMUNIT L:CLB-LS-2551
「……これでお願いします」
「お、嬢ちゃんにしちゃあ、えらくスタンダードだな」
今回は、オートマッピング機能がないと迷いそうなので、それがついた頭部を。
堅牢なセキュリティということで、それなりの敵が出てきても安心できる中量機体に。
脚部はMLM-MM/ORDERでもよかったんだけど、旋回速度が低いので不採用。
侵入するのは研究所であり、入り組んでいるだろうし。
また武装は威力の高いレーザーライフルを採用。比較的高火力のブレード。そして汎用性の高い小型ロケット。
KARASAWAはやっぱり重すぎるので、次の機会に見送り。早く使ってみたいけど、なかなか使えない……
「それなりの装甲、それなりの機動力、十分な火力。何が来ても大丈夫だろうな!」
「施設への侵入なんですけど、警備も厳重だということで」
タンクでも別にいいんだけど、脱出に時間がかかりそうなので没に。
「じゃあ、行ってきます」
「おう、行って来い!」
堅牢なセキュリティってどんなものなんだろう。
いまいちピンとこないなぁ……
◇◆◇◆
—エネルギー生成区:レヒト研究所—
‐戦闘システム 起動‐
<<プログラムの記録された、コンピュータがあるはずです。セキュリティに注意して、探索を進めてください>>
「わかりました」
やっぱり、道が狭い。AC一機できつきつだ。
しかも、その道がいきなりくねくねと曲がっている。マッピング機能があってよかった……
曲がりくねった通路を進み、ゲートを開く。
「!」
いつもの、マシンガンを乱射してくる小型メカが地を這っている。が……
「ロックオンできない……?」
ロックオンしようと思っても、FCSがエラーを起こしているのか、ロックオンできない。
それに、さっきから妙な音が聞こえる。これが原因?
<<ECMジャマーでしょうか。どこかに、ジャマーを発生させているものがあるはずです>>
「どこかに……」
部屋を見渡す……と。
よく見ると、小さい何かが部屋の中心で浮いている。見たことがないものだ。
あれだろうか?
ジャンプして、ブレードで破壊する。
「おお」
妙な音が聞こえなくなり、小型メカをロックオン出来るようになった。
なるほど、最優先で破壊するべきだね。
<<まだ先にいくつかあるかもしれません。気をつけてください>>
「了解」
残った小型メカをブレードとレーザーライフルで一蹴し、先へ進む。
「っと」
次のゲートを開けた瞬間、紫色のパルス弾が飛んできた。
ジャンプでかわし、その部屋の中心へ着地。
敵は三機。これまたあまり見かけない形状のMTだ。
「速い……」
意外と移動速度が速く、加えてパルス弾がちくちくと鬱陶しい。
「堅い……」
おまけに、レーザーライフル一発では壊れてくれない。
さすがにブレードはっ……と。
「ふぅ……」
ブレードは一撃らしい。すれ違ったところを一閃すると、後ろの方で爆発した。
流石にこれは耐えられないか。
「よっ……」
走ってきたMTに飛び乗り、中心部にブレードを突き刺す。
乗ったままレーザーライフルで最後の一機を破壊し、進む。
レーダーをちらっと確認すると、敵を示す赤い点がたくさん見えた。
この研究所はやっぱり広そうだ……
「ん……」
ゲートを開いて進むと、分かれ道に遭遇した。
右と左に、それぞれゲートがある。こういうときは……
「とりあえず……」
とりあえず、右に進もうかな。
本能の赴くままに、右のゲートへ。
「また、ECM……」
右のゲートを開けて入ると、またECMジャマーが。
ブーストジャンプとブレードで速やかに破壊し、残った敵を掃討にかかる。
「……」
飛んでくるパルス弾を避けながら、この部屋を見渡す。
どうやらゲートは一つしかないようで、そしてそれは私が入ってきたもの。
つまり、はずれだ。
「……」
腹いせにMTにロケットを当て、減速したところにブレードを突き刺す。
しばらく出力を続け、引きぬく。
そして振り向き、決めのポーズ。
どこかで、見たことのある倒し方だ。なんだったかな……
「……」
まぁ、いいか。正解の左のゲートに進もう。
正しいゲートに進み、開く。右と左に道が別れているらしい。
と、左からパルス弾が。
「……」
左に進み、とりあえず浮いていたECMジャマーをブレードで破壊する。
壁に向かって全力疾走を続けるMTをブレードで薙ぎ、もう一機をレーザーライフルで丁寧に壊す。
「ない……」
開いた場所ではあるが、ゲートの存在はない。行き止まりのようだ。
反対側へ進もうか……
一直線の狭い道が続いており、向こうの方からパルス弾のMTがこちらに全力で向かってくる。
一本道なら、ブレードを避ける手段もないだろう。
向かってくるMTをブレードで歓迎し、さらに奥へ。
「!……ECM」
奥に進んで突き当たったところで、ECMジャマーが。
でも、どこにいるのか見つからない。
「まぁ、いいか……」
周囲に敵もいないので、無視する。
周りに敵がいるならともかく、居ない状況でECMジャマーがあってもあまり脅威ではない。
道が続いている右へ旋回、奥を目指そう。
右を向くと、さっきと同じような一本道があり、今度はMTではなく小型メカが走ってくる。
一本道なので、ブレードとレーザーライフルで小型メカをあしらいながら進んでいく。
「!」
進んでいると、壁にゲートを見つけた。が、どうやらロックされているようで、開けることが出来ない。
奥に進むしかないようだ。
「ん……」
奥の方にいた小型メカをレーザーライフルで破壊する。
道を塞いでいた敵はいなくなり、目の前には一本の道が。
奥に向かってOBでかっ飛んだら、気持ちいいかも……
「おお……」
OBを起動し、かっ飛ぶ。
これは……いい。
風は体感できないけど、爽快な気分になる。
「!……下に」
あっという間に奥に到達。右手に通路がある。
どうやら下に部屋があるらしく、下り坂になっている。
通路の手前で方向転換、下を向く。
小型メカが下の方で動いている……
「……」
攻撃してくる前に、レーザーライフルで破壊してしまう。
マシンガンは鬱陶しいから。
坂になっている通路を下り、ゲートを開く。
<<コンピュータルームに、侵入者を確認。セキュリティレベルをSからAへ。警備部隊は速やかに配置につけ>>
<<気付かれた……!>>
「急ぎましょうか」
なにもない部屋を進み、ゲートを開く。
短い通路を進み、またゲートを開く。
「っ」
上からレーザーが降ってくる。
右へ動いてかわし、上を向いてレーザーライフルで砲台を破壊する。
……あと三つか。
ロケットとレーザーライフルで素早く片付ける。
「!……あれが……?」
D1、あるいは01と書かれた、形容し難い機械が壁に取り付けられている。
頭部COMで確認すると、どうやらあれがアクセスプログラムの在りからしい。
ACの手でその機会に触れ、解析を開始する。
<<……プログラムの入手を確認しました!脱出してください>>
「よし」
照明が白から、非常事態を表す赤色に変わる。
時間はなさそうだ。
<<繰り返す。コンピュータルームに侵入者を確認。セキュリティレベルをSからAへ。警備部隊は速やかに配置につけ>>
ゲートを開き、来た道を戻る。
マッピング機能が働いているから、迷うことはないはずだ。
「!……敵が」
迷うことはないけど、代わりに敵が復活しているらしい。
レーダーを見ると、敵の反応だらけだ。
「……」
敵は二の次、かな。
邪魔なものだけ破壊して、できるだけ早く脱出。これでいこう。
坂になっている道へのゲートを開き、気を引き締める。
ここで安心してはいけない。脱出するまでがミッションだ。
坂を塞いでいる小型メカをブレードで薙ぎ払い、上へ昇る。
すると……
「レーザー……?」
OBで飛んできた道に、さっきまではなかったレーザーで造られた網のようなものが張られていた。
「行けるかな……?」
網と言ってもまるでスカスカで『Z』の文字のようになっており、ACがギリギリ通れる隙間がある。
くぐれるかな……?
「……よし」
隙間をジャンプで掻い潜り、なんとか通り抜ける。
当たったらどうなっていたんだろう……
そんなことを考えながら、奥でたむろしている小型メカ達をレーザーライフルで片付け、OBでかっ飛ぶ。
奥に着いたら方向転換、ECMジャマーがあるが無視して、道をふさいでいるMTをブレードで掃討、さらに戻って行く。
はずれの広場に居るMT立ちを無視、ゲートを開いて通路へ入る。
はずれのゲートの敵も無視。来た道を帰って行く。
ゲートを開くとMTが待っていたけど、無視。
スタート地点まで敵を無視し続ける。
「ふぅ……」
なんとか、スタート地点まで戻ってこれた。
これといった強敵がいなくて助かった……
<<作戦は成功です。帰還してください>>
‐作戦終了 戦闘システム 解除‐
—コーテックス:エントランス—
「ふー……」
コーテックスに帰ってきて、一段落。
しかし、あんなに簡単にアクセスプログラムを奪取できてよかったんだろうか。
そんなものを作っているのなら、もっと厳重な警備をしているものと思ったんだけど……
「……ん?」
ガレージ方面の通路から、見慣れた姿の女性が歩いてくる。
菫だ。
でも、私の見慣れない、というか見たことが無い人も一緒に歩いてくる。
……誰?
「菫」
「!……っと、なんだ、お前か」
なんだ、じゃないよ。
「……誰?」
「あー……」
菫と一緒に歩いてきた、無茶苦茶に厚着をしている人のことを訊ねる。
すると菫はちらっと厚着した人に目を配り、そして答えた。
「ツインヘッドB、らしい」
「こ、こんにちは……」
ツインヘッドB……ツインヘッドB……
えーっと……?
今回はここまでとなります。次回は、菫さん視点になります。
ドリームシアターの「imeges〜」っていう2ndアルバムは、超名盤だと思います。何回も聞かないとぴんとこないけど……
次回の投下は明日です!
そういえばクロチャー……
乙
ドリームシアターはあまり聞かないけどメトロポリスは凄いと思った
乙、ポーズの元ネタはRXかブルースか……
—side:菫—
—トレネシティ:自宅—
「……」
……おはよう。
時間は……朝の8時半ごろか。
「……」
うーん、と伸びをしてベッドから起き上がる。
今日も一日、頑張るとするか。さて……
「……で?」
「?なによ」
「なんでお前がここにいるんだ?」
「なんとなく」
ファナティックが、うちに入り込んでいた。
「ふんふーん」
こいつは以前の依頼の後から、度々私の家を訪ねて来るようになった。
追い返してもインターホンがうるさいから、仕方なく家に入れている。
そのうち朝から晩までうちに居たり、調子に乗って泊まり始めた。
「……」
次第にうちの冷蔵庫を支配し始め、食事を勝手に作るようになった。
「……」
何をしなくても食事が出るのはいいが……
一体何を考えているんだ?こいつは……
「できたわよー」
「……」
まぁ、食べ物を粗末にするわけにはいかないからな。
出されれば、私も食べるしかない。
「いただきます」
「いただきまーす」
はぁ……
「……?あんた、この音メールじゃない?」
「そうらしいな」
ぴぴぴ、とPCから音が鳴り、メールが来たことを知れせてくれる。
ところでこいつはいつ、私のメールの音を憶えたんだ?
依頼主:ミラージュ
作戦領域:通気用ダクト C3-11
敵勢力:浮遊型戦闘メカ複数
作戦目標:全電磁波発生装置の解除
『クレスト社が、通気用のダクト内部に強力な電磁波発生装置を仕掛けたことが分かった。
おそらく、管理者の部隊に対抗するための措置と思われる。
問題のダクトは、複数のセクションで共用しているもので、事前に何ら通知もなかった為、
隣接するセクションにある我が社の施設は、大きな被害を受けている。
ダクト内には、防磁処理を施した部隊を配備して防衛に当たっているらしいが、
そもそもあれが管理者の部隊に対して、どれほどの効果があるのかもわからん。
ダクトに侵入し、装置の運航を停止させてくれ。
電磁波の影響はもちろんACにも及ぶ。長時間は機体がもたんだろう。迅速に行動してくれ。』
電磁波、か。ACがショートでも起こすのだろうか。まぁ、なんにせよ厳しい依頼だな。
「なんだったのー?」
「お前も見るか?」
リビングから、ファナティックが歩いてくる。
「どれどれー……」
さて、どうするかな……
家にいても、確かにやることはないんだが……
「……あんた、これ受けるの?」
「……ああ」
「ふーん……ご飯は?」
「悪いな、仕事が優先される」
「あっそ」
「ああ、捨てるなよ?帰って来たら食べるからな」
「はいはい、わかったわよ」
「留守は……」
「任せなさい!」
……まぁ、いいか。
「じゃ、行ってきます」
「行ってらっしゃーい」
(……ははっ)
—コーテックス:エントランス—
「おはよー……には遅いか。こんにちは!スミレ!」
「ん」
コーテックスでは、アワイが既に待機していた。今日も元気なものだ。
「……ふふーん」
「?どうした」
……その気持ち悪い笑いはなんだ?
「スミレー、最近充実してるなー?アワイさんの目はごまかせないのだっ!」
……
「……馬鹿なこと言ってないで、さっさと行くぞ」
「あ、ごまかしたー!やっぱりー!」
「指を指すなっ!」
◇◆◇◆
—環境制御区:ダクト「C3-11」—
<<目標は全部で四つ!急いで解除すること!>>
「了解。……妙だな」
ダクトに侵入。ダクトの内部は縦に筒状になっていて、壁には砲台がついている。
それに加え、クレストの浮遊メカと電磁波。やはり長くは持ちそうにないな。
ところで、この頭痛は何だ?
<<長時間いると、機体とか脳がやばいからね!>>
脳?脳と言ったか?
「脳もやばい?」
<<うん。当たり前じゃん?>>
「聞いてないぞ……」
<<来ちゃったからにはしょうがない!急いでね!>>
「ああ……」
やっぱり、断ればよかったか……?
‐システム キドウ‐
まず頭部COMのマップを開いて、目標の位置を確認する。
……真下にあるな。そこから解除するか。
上の高台から飛び降り、下方にある電磁波発生装置を目指す。
「チッ……」
さっきから、頭が激しく痛む。ミラージュめ……
「……あれか」
ダクトの地面に、それらしきものを見つけた。ACで触れ、解除する。
<<目標の解除を確認!残り三つ!>>
「よし……」
どうやら、これであっているらしい。
次だ……
COMのマップを開き、次に解除するものの場所を確認する。
「上にあるな……」
ダクト内の壁にはゲートがいくつかあり、そのうちの一つに目標があるようだ。
「くそっ……」
頭が痛い……
ブーストジャンプでダクト内を上昇し、壁のゲートを目指す。
「よし……」
少し出っ張った足場に着地し、ゲートを開く。
……ここのはずだが……
「……?」
巨大なファンがそこにあるだけで、何もない。
どこだ……?
「ん?網か」
よく見ると、通路の床に網が張ってあり、その下に道があるようだ。
「壊せるか……?」
レーザーライフルで狙い、網に向かって放つ。
すると命中した網は壊れ、その下にまたその網が。
「これで……」
続く網を全て破壊して、下にあった通路に辿り着く。
すると奥に電磁波発生装置があり、さらに床に網が。
まぁいい。網は後だ。
<<目標の解除確認!あと二つ!>>
「ふぅ……」
頭痛は若干治まってきたが、それでもまだ痛む。
床の網を破壊して、その下の通路へ。
巨大なファンと、その反対側にはゲートがある。
「ここと繋がっていたか……」
ゲートを開いて外へ出ると、入ってきたゲートの真下に出てきた。
となると……
<<向かい側にあるゲートの中に、別のダクトに行ける道を発見!>>
「だろうな」
二つずつというわけか……面倒な……
敵を全て無視し、残ったゲートへ向かって上昇する。
足場に着地し、そのゲートを開く。
中にはやはり巨大なファンと……
「あれか」
今度は通路の横に穴が開いており、そこから下層に行けるようだ。
その通路を下り、下層へ進む。
……また、頭が痛くなってきたぞ……
<<AC!?>>
「なっ……」
下層のダクトへのゲートを開くと同時に、パルス弾が飛んでくる。
咄嗟に左に避けると、足場から降りてしまい、ダクトの下まで一直線。
私にパルス弾を放ってきたACも、私の後を追って降りてきた。
「チッ……」
この状況でACだと……?
「くそ……」
電磁波発生装置が真横にあるせいで、余計に頭が痛い。
ん?真横……?
「!」
見ると、確かに私の真横に電磁波発生装置がある。よし、これであと一つだ。
「これで……っ!」
装置に近づく私に向かってパルス弾が飛んできた。
ジャンプして避け、装置から一旦距離を取る。
くそ、ACも居たんだった……!これでは……
<<玄ちゃんの……仇……!>>
……ん?
なんだって?
「アワイ、あのACの情報はわかるか?」
<<んー……あれは多分、パトリオットだね。レイヴンはツインヘッドBだったかな?>>
「そいつにとって、何か特別な奴が居なかったか?」
<<いたよー。妹だったかな?ツインヘッドWって言って、以前はコンビを組んでた。死んじゃってるけど>>
おい……私は知らないぞ……
「おい、何か勘違いしていないか?」
<<何を……!妹を……玄ちゃんを殺したくせに……!>>
そう言ってパトリオットはパルス弾を放ってくるが、当たらない。
まるで見当違いの方向にパルス弾は飛んで行った。
「話を聞けっ!」
ふらふらとしているパトリオットへ近づく。
<<うるさいっ……!うぅ……!>>
くそったれ……
「こんなことばっかりだ!」
ブーストダッシュでパトリオットに肉薄し、そのまま激突。
壁に押し付ける。
<<きゃあっ!>>
お互いのACのコアが接触し、火花を散らす。
「ハッチを開けろ!」
<<で、でも……!>>
「開けなければこのまま殺す!早くしろっ!」
そう言って、レーザーブレードを出力して見せる。
するとパトリオットのコアが開き、中から人の姿が現れた。
「よし……」
こちらもハッチを開け、上半身を覗かせる。
「こっちへ来い!」
「え、えっと……」
「ああ、もう……待っていろ!」
コクピットから出て、私のAC、ルージュのコアの上を歩く。
ああもう、頭が痛い……!
「手を貸せ!」
パトリオットのコアに乗っているツインヘッドBの手を取り、ルージュのコアに招く。
手を引き、ルージュのコクピットの前まで来させる。
「あ、あの……きゃっ!」
そのままツインヘッドBをコクピットに押し込み、そこへ自分も入る。
流石に、きついな……
「狭いが我慢しろ。行くぞ」
ルージュをパトリオットから離す。
「ここでお前は殺したことにする。悪いが、ACは破壊させてもらうぞ」
「は、はい……」
ブレードを出力し、パトリオットのコアに突き刺す。
そのまま出力を続け、離れる。
パトリオットは壁にもたれたまま、装甲をばら撒き爆散した。
<<ヒューッ!やるねぇスミレ!>>
「うるさいっ!」
放置していた電磁波発生装置へ向かい、解除する。
<<目標の解除を確認!あと一つ!>>
「……よし、大分よくなったぞ」
先ほどまでの頭の痛みがほとんど消えたな……
マップを開き、最後の目標の位置を確認する。
どうやら、またしても壁のゲートのどれかの中にあるらしい。
「チ……」
いい加減、敵が煩わしくなってきた。ここらで掃除しておくか……
まず目の前に現れた浮遊メカをブレードで薙ぎ払い、上昇。
機体を旋回させながら、ロックしてはオービットをばら撒く。
寄ってきた浮遊メカは、その上に着地してブレードを突き刺してやる。
オービットは順調に仕事をしてくれたようで、砲台はおとなしくなっている。
近くのゲートの足場に着地して、一休みする。敵はもうほとんどいないな……?
「すごい……」
「あと少しだな。おい、頭痛はどうだ?」
「お、治まってきました……」
「そうか」
マップで目標の位置を再度確認して、そこへ繋がっていると思われるゲートを目指す。
「ここか」
比較的上の方にあったゲートを開き、中へ突入する。
中には巨大なファンと……天井に網。
網をレーザーライフルで破壊し、上にある通路を目指し上昇する。
「あったぞ……!」
最後の目標が、ファンの前に鎮座している。
歩いて近づき、ACで触れる。
<<機能停止します……>>
通路の照明が、赤色から白へと変わっていく。
<<全目標の解除を確認、作戦成功ー!>>
「はぁ……」
いろんな意味で、今日は散々だったな……
……ああ、
「話は後で聞く。コーテックスに着くまでそのままでいろ。できるな?」
「で、でも」
「今だけでいいんだ、頼む」
「わ、わかりました……」
‐モクヒョウ タッセイ‐
—コーテックス:ガレージ—
「ふぅ……」
ガレージに着き、外へ。
「出れるか?」
「は、はい。んしょっと……」
「ほら」
手を差し出す。
「ありがとう、ございます」
コクピットでぎゅうぎゅうになっていたツインヘッドBを引っぱりだす。
「……」
よく見ると、格好がおかしい。パイロットスーツの上から着こみ、さらにマフラー、手袋。
いくら冷え症でも、これはないだろう……
「……」
「あの……?」
「……はっ」
いかん、長考していた。
とりあえず、落ちついて話が出来る場所に……
—コーテックス:エントランス—
ガレージの人達になんやかんや言われたが、
「拾ってきた」と一言だけ言うと、それ以上何も聞いてこなかった。
実際その通りなんだから、頭が痛い。
「……」
しかし、落ちついて話せる場所なんて——————
「菫」
「!……っと、なんだ、お前か」
突然声をかけてきたのは、照だった。
こいつ、私の名前をここで呼ぶなとあれほど……
「……誰?」
「あー……」
そうか、そうだよな……
ちらっと、隣を歩いていたツインヘッドBに目を向ける。
「いいな?」
「……はい」
改めて、照へ目を向ける。
「ツインヘッドB、らしい」
「こ、こんにちは……」
「こんにちは……」
照は微妙な顔で、右手を顎に持っていく。
ほぼ無表情で非常に分かりにくいが、あれは何かを思い出している顔だ。
……そうだ、こいつなら何か知っているんじゃないか?私よりレイヴン歴は長いしな。
聞いてみるか……
「て……シャイン、お前、ツインヘッドWって知らないか?」
「……あ、思い出した。ありがと菫」
「は?」
「うん、知ってるよ。ツインヘッドW。死んじゃったけど」
「知っているんですか!?」
「う、うん……」
「……ここじゃまずい。どこか話が出来る場所へ—————」
—トレネシティ:自宅—
「なぜ……」
「おかえりー……って、いっぱい連れて帰ったわね」
「また知らない人……しかも、家から……?」
「まぁ、とりあえず入りなさいよ」
「ここは私の家だ!」
はぁ……
……まぁ、中へ入るか……こうなってしまったものはしょうがない……
「……じゃあ、話を聞こうか。誰から私が妹を殺したと聞いた?」
「え?菫が殺したの?」
「そんなわけがないだろう。いいから今は喋らないでくれ」
「へー、すみれっていうのねあんた」
……
「……で、誰から聞いたんだ?」
「朝起きたらメールが入ってて、あなたが玄ちゃん、私の妹を殺したって書いてあって……」
「誰からだ?」
「それがわからなくて……」
「……普通信じるか?それ」
「うぅ……」
はぁ……
しかし誰だ?私は知らないうちに誰かから恨みでも買っていたのか……?
「……そ、そうです!そこの方が、玄ちゃんのことを知ってるって……」
「私はシャイン」
「シャイン!?」
「?」
「あぁもう、それは後だ。話してくれ」
「わかった」
「私が以前受けた依頼で、ツインヘッドWと一緒になったことがある」
「そ、それで……?」
「……間に合わなかった。急いで駆け付けたけど、その時にはもう……」
「そう、ですか……」
「……」
「……」
「……」
「……」
……沈黙。
あぁ予想通りだよ畜生。誰がこの空気を変えてくれるんだよ私は疲れているんだよ……
「……それで、あんたがシャインって本当?」
沈黙を破ったのは、ファナティックだった。
そういえばシャインが名乗った時、やたらとオーバーなリアクションをとっていたが……
「?そうだけど」
「……なんでそんなに強いの?」
……!
「?私が強い?」
「そうよ。こんなに短期間で、ここまで強くなるなんて。もうAランクなんでしょ?」
は?……こいつ、何時の間にそんなところまで?
「そう。あと二人。でも、私はそんなに強くない」
「あんたが強くなかったら、一体誰が強いのよ……」
「それに、私よりも菫の方が強い」
「そうよ!なんであんたはその強さでアリーナに参加してないの!?ていうかすみれってどう書くの?」
「……あ、ごめん菫。名前言っちゃった」
「……もういいよ」
好きにしてくれ……
その日の晩の食事時が、私の家とは思えない程騒がしかったのは言うまでもない。
今回はここまでになります!そして
※補足※
ファナティック+ツインヘッドBが照のことを今初めて見たというのは、アリーナ戦の時は顔を合わせてなかったからです。
描写していませんが、書いていないアリーナ戦はそういうことが多いんです。そういうことにしておいてください。
お願いします。
気付けばもう950です。で、次回と次々回が今回と前回のように若干繋がっていて、しかも多分このスレ内に入りきりません。
でもせっかくここまで来たんだから、>>1000を目指したくもあります。どうしましょう……?
乙っす
マホの出番か、もしくは日常生活のオマケとか?
小ネタで埋めるのがいいんじゃないかな?
次スレを準備しつつ、こちらは小ネタで埋めてギリギリで誘導とか
乙です
埋め支援もするしマホの出番を
乙でした
しかしファナティックだけは誰かわからない
ヒントを読み逃してるのかな…
スレの残りは>>1のAC愛とかシリーズとの馴れ初めとかを語っていけばいいんじゃないかなw
何故だかファナティックはもこだと思った片目隠しているし
たくさんレスありがとうございます!
マホの出番、小ネタ、私のACとの馴れ初め等……ふむふむ
まずマホの出番ですが、あと出来ることと言ったら旧作ACの基本テクニックを紹介するぐらいしか思いつきません!
それでもよければ書くことが出来ます多分……
次に小ネタですが、これは何も思いつきません。何すりゃいいんでしょう……?
最後に馴れ初め等ですが、いざ考えてみると割と普通でした。ロボゲーしたい→AC3やる、みたいな。
とりあえず、旧作ACの基本テクニック講座的なものをやってみようかな?まぁ私もそんなに上手くはないんですが
あとファナティックがわからない方が以外と多くてなぜかびっくりしています。
彼女は後になれば絶対わかるようになる……はず
小ネタは募集してみるといいんでしょうか?
小ネタ…
アデューことシロでおなしゃす!
前に一回やったパーティー回とかでもええのよ
白糸台勢でお風呂入る小ネタ
>>788 で撃墜されてしまったMTの隊長さんから見たシャインの活躍を回収された機体のボイスレコーダーから再現
ちょっと状況報告です
実は夜勤バイトが始まってて、さらに遅れそうです
ネタの提供はとても助かるんですが、このスレを埋められて、次スレを立てるのは結構後になりそうです……
乙〜バイト頑張ってください
無理はなされないように
ほしゅがてらに
SLってW鳥が主流らしいけどキーアサかえるっす?
それとも親指人差し指で押してR1中指R2薬指みたいな感じ?…いや流石に無理くさいか
PS2版はそのままやった
PSP版はキー足りないから買ってないや
パージを捨てればPSPでもなんとかなる
わからん…ブースト押しながらW鳥って親指どうなるんです?
右武器だけでもままならない…
キーコンフィグしないなら○ボタンを親指の付け根で押すとか
武器をリロードの長い単発型とかバースト系にするとか
こんばんは!この投下が終わったら次スレ……ですね
>>963
ありがとうございます!
>>964
私は左武器ボタンを△にして、×□△を全部親指でやってます。
当然安定しません。でもPSP版なら多分大丈夫です!PS2は、うん……
今回は>>960となっています。投下開始
◇◆◇◆
—トレネシティ:菫宅—
「お風呂に入ろう!」
「……は?」
「だーかーらー、お風呂に入るの!」
「入ればいいじゃないか」
「もーわかってないなぁ。みんなで入らなきゃ意味ないでしょ?」
「そういうものか……?というかみんなって誰だ?」
と、脱衣所から人影。
「あれ、アワイじゃない。どうしたの?」
「誰か来てるの……?」
「スミレをお風呂に誘いに来たの!ね、みんなで入った方が楽しいよね?」
「面子によるわね。まぁ、友達なんかと一緒に入ったら楽しいんじゃない?」
「だよねー!ファナティックも一緒に来る?」
「この格好見てわかんないの?あたしはたった今宥姉と風呂入ったばっかなの!」
「ちぇー」
「さ、寒い……」
「あ、やばっ。じゃああたしは宥姉と着替えてくるから!菫は連れて行っていいわよ」
「わーい!じゃあ連れて行くね!」
「私の意志は……」
—道中—
「ところで、なんで炬燵出してたの?まだ早くない?」
「ああ、新しい住民が極度の寒がりでな。わざわざ買ってきたよ」
「へーやさしいじゃん。流石スミレ!」
「はいはい。……で、今どこに向かっているんだ?」
「シャインの家!」
「……お前、知っているのか?」
「知らない!」
「はぁ……。こっちだよ、行くぞ」
—トレネシティ:照宅—
ぴんぽーん。
「はい……」
「シャーインー!」
「わぷっ」
「よう」
「アワイに菫……どうしたの?」
「お風呂入ろう!」
「?いいけど……」
リビングから影。
「あの、何が……?」
「あれ?たかみーじゃん」
「アワイちゃん……どうしたの?」
「やぁ」
「リップハンターまで……」
「そうだ!たかみもお風呂に入ろう!」
「え?」
「いいよね?!」
「い、いいけど……」
「じゃあけってーい!」
「どこに入りに行くの?」
「どっかの銭湯!この辺にある?」
「あるよ」
「じゃあそこにしよう!しゅっぱーつ!」
「お前……」
—トレネシティ:銭湯「Special Others」—
「誰もいないみたいだね」
「貸し切りだー!」
「あんまり騒ぐなよ」
「じゃあ、入りましょうか」
脱衣。
「一番乗りー!」
疾走。
「走るなっ!……ああ、もう」
追行。
「シャインは走りませんよね?」
「?走ろうか?」
ざっ。
「じょ、冗談ですって……」
「ふふ……」
「私たちも行きましょうか」
—浴場—
「見てースミレー」
「泳ぐな馬鹿っ!身体は洗ったのか!?」
「まだー」
「入るなら洗ってから入れ!」
「……」
「……」
ぺたぺた。
「ほら、髪洗ってやるから座れ」
「やったー!えへへー」
「はぁ……」
しゃかしゃか。
「んー」
「気持ち良さそうだね、アワイ」
「そうですね……」
「……尭深さんも、やる?」
「えっ?」
「やる?」
「……で、では……」
ぺたぺた。すとん。
「ん?お前もか?」
「うん。アワイが気持ちよさそうだから、尭深さんにもしてあげようと思って」
「へぇ、いいじゃないか」
「うん。尭深さん、ここ座って」
「は、はい」
しゃかしゃか。
「そういえば眼鏡を外しているけど、前は見えるの?」
「はい。何となく、ですけど」
「そう」
しゃかしゃか。
「ふぅ。身体はどうする?」
「洗ってー!」
タオルをはだき、ばんざい。
「恥はないのかお前……」
「ちょっとはあるよ!」
「そうは見えんがな……背中からやるぞ」
ごしごし。
「んー……」
「どう?」
「人にやってもらうのも、いいかもしれません……」
「それはよかった」
しゃかしゃか。
「前は自分でやれよ?」
「えーやってよー」
「恥はどうした」
「だってスミレなら別に恥ずかしくないしー」
「なっ……はぁ、わかったよ」
「へへー」
ごしごし。
「尭深さんはどうする?」
「え?」
「身体」
「そ、それは流石に自分で……」
「そう……」
「……じゃ、じゃあ背中を……」
「!……ふふ、わかった」
ごしごし。
「ほら、手をあげろ」
「はーい」
「菫、お母さんみたい」
「私が?」
「じゃあシャインがお父さんだ!」
「尭深さんは?」
「うーん……お姉ちゃんかなっ」
「私が、お姉ちゃん……」
がらら。
「……あれ、照さん?」
「誠子」
「おお、随分と久しぶりだな」
「菫さんまで……」
「奇遇だね」
「はい、本当に……。尭深さんと……そちらの方は?」
「ああ、私のオペレータだ」
「アワイです!よろしくっ!」
「よ、よろしく」
ぺたぺた。
「誠子はどうしてここに?」
「任務が終わったので、ちょっと寄って行こうかなと」
「なるほど」
「本当はトラファルガーさんも誘ってみたんですけど、用事があるとかで」
「トラファルガーさん?一緒だったの?」
「はい。一緒に部隊の護衛をしていました。知っているんですか?」
「うん。まだレイヴンになったばっかりの時に協力したことがある」
「そうだったんですか」
「……そういえば、あの人に聞きたいことがあったような……」
「す、すみません」
「あ、いいの。気にしないで。また会った時に聞けばいいから」
「そうですか……?」
「……はい、終わり」
「ありがとうございます」
「あんっ」
「変な声を出すなっ!」
「だってー、スミレがー」
「しょうがないだろ……!」
「あの、私もしましょうか?」
「洗ってくれるの?」
「は、はい……」
「じゃあ、お願いしようかな」
「わかりました」
「……」
「みなさん、とても仲がいいですね」
「そう?」
「……」
「そうか?」
「とーぜんっ」
「はい。ああー、私もキラメさんを誘えばよかったかなぁ……」
湯船へ。
「ふう……」
「落ちつきますね……」
「うん……」
「ふいー」
「……もう泳ぐなよ?」
「わかってるってー。もう、スミレは心配性なんだからっ」
「はぁ……」
「よいしょ……」
遅れて一人。
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
かぽーん。
「……くらえっ!」
「うおっ!?」
水鉄砲。
「お前な……」
「へへー」
「おらっ……あ?」
「あはは、スミレ下手っぴだ」
「くそ……」
「……どうやるの?」
「ええっと、手を……?」
「ああ、水鉄砲はですね、手をこう握って……」
「おお、出来た」
「わぷっ」
「あ、ごめん」
「あはは」
「だ、大丈夫です……」
「……すまん、私にも教えてくれ」
「いいですよ。手をこう……」
「ふむ……こう、か?」
ぴゅっ。
「お、できましたね!」
「なるほど……おらっ」
「わっ!」
「はっはっは」
「やったなー!」
…………
…………
脱衣所。
「入った後は!」
「入った後は?」
「コーヒー牛乳!」
「コーヒー牛乳?」
「そうだよ。とりあえず買ってこよう!」
たたた。
「おい、着替えてから……はぁ」
「瓶は持ったね!」
「うん」
「はい!」
一人追加。
「ではふたを開けて、左手を腰に!」
「OK」
「準備よし!」
「準備が出来たら一気に飲め!」
ぐっ……ぐっ……ぐっ……
「「ぷはぁー!」」
「……ぷは」
「どう?おいしいでしょ?」
「うん。……おいしい」
「やっぱり、風呂上がりはこれですね!」
「……私たちは、後でゆっくり飲もうか」
「くすっ……そうですね」
—帰路—
「楽しかったね!」
「うん」
「いい湯でした……」
「私たちだけでよかったな……」
「アワイさん、結構はしゃいでましたしね」
「だって楽しかったんだもん!またみんなで来ようね!」
「そうだね」
「……まぁ、悪くはなかったな」
「ふふ……」
「あはは」
夜は、更けて行く……
投下終了。小ネタとは一体……
ちょっとわかりづらいような?
とりあえず次スレを立ててきます。残りは適当に埋めてもらえると助かります!
なにか質問があれば答えられる範囲で答えます!次スレで!
次スレ立ててきました
【AC3×咲-saki-】照「これがAC……」 その2 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1370174815/)
おっつおっつ
PS2時代のACについて教えて欲しいや
主に動きかたについて
今のとこR1押しながら×と□を交互に押すゲームになってしまってる
PS2時代のは敵の周りを旋回しながら攻撃するゲームだったな
ピョンピョン飛びながら
乙!この五人はほのぼのするね
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