P「幸運の女神像?」(133)
立つかな?
――事務所――
ガチャッ
社長「……よっこらしょ、と」トス
小鳥「おかえりなさい、社長。 ……って、あら? それ、なんですか? 社長」
社長「んふふ。これかね? これは……」スッ
社長「見てくれたまえ!」
ババーン!
たったみたい
小鳥「こ、これは……!」
社長「ふふ、素晴らしいだろう?」
律子「二人ともどうかしたんですか?」トコトコ
律子「……? ……それは、なにかのオブジェ、ですか?」
小鳥(ガ○ダムのMGと大体同じ大きさね……)
社長「うむ。律子くんも見てくれたまえ。これは幸運の女神像といってね」
社長「今までに所有者の願いを何度も叶えてきたという、魔法の像なのだよ!」
小鳥「……見たところ、普通の置物にしか見えないですけど?」
律子「そうですね。翼の生えた女神様が天に水晶を掲げているってだけでこれといって……」
社長「はははっ! 確かに一目で何かがどうこうというわけではないんだ」
社長「ただ、この女神像には伝説があってだね?」
社長「この女神像が掲げている、この小さな水晶を見てくれたまえ」
小鳥「……? 普通の水晶ですよね?」
律子「なんでしたら、若干、くすんでるくらいです」
社長…
社長「うむ。たしかに今はくすんでいるね」
社長「……ただだね!」クワッ
社長「この水晶が光り輝く時! この像の所有者の願いが必ず叶う! というわけなのだよ」
小鳥「……へえ」ヒクッ
律子「……そうなんですか」ヒクヒクッ
社長「これで我が765プロの繁栄は約束されたも同然だな!」ハッハッハ!
小鳥・律子(……うさんくさいなあ)
幸運の女神……なんだ小鳥さんのことか
小鳥「そ、それで社長?」
社長「うん? なんだね? 音無君?」
小鳥「この像は一体どこで手に入れたんですか?」
社長「うむ! よく聞いてくれた!」
社長「これは私の古くからの友人に譲ってもらった物でね」
社長「引越しをするから、是非餞別に受け取ってほしいと言われてね!」
小鳥「……そ、そうなんですか。それは良かったですね」アハハ・・・
律子(それって餞別とはいわないんじゃあ……)
社長「……ただ」
小鳥「……?」
社長「……少し問題があってだね」
律子「……問題、ですか?」
社長「……ああ」
スッ
小鳥「……あ!」
社長「はははっ! 実は水晶が取り付け部分が壊れてしまっていてね?」
社長「水晶が取れてしまうんだよ」ハハハッ
小鳥「ホントですね……」
律子(……社長は本当に生きてて幸せなんだろうなあ)
社長「……おっと! もうこんな時間か。今日はあんまりのんびりしてもいられんのだ!」
社長「善澤くんとお昼を共にする約束をしていてね?」
社長「音無くん、すまないが留守を頼むよ?」
小鳥「はい。いってらっしゃい、社長」ニコッ
涼ちんちんぺろぺろ
――そして
律子「ようはガラクタを押し付けられたってわけですよね?」ハアッ
小鳥「まあまあ、いいじゃないですか、律子さん」
小鳥「ほら、よく見てみると結構出来もいいですよ?」
律子「まあ、話を聞く限りお金を払ったわけでもないみたいですし……」
prrr・・・ prrr・・・
律子「……伊織からだわ」ピッ
律子「もしもし――」
エヘカトルぅ
――
――――
律子「……というわけで、私は伊織とやよいを拾って、そのままスタジオに向かいますね?」
小鳥「はい。気をつけてくださいね?」
律子「ありがとうございます。それじゃあ、いってきます」タタタッ
ガチャリ
バタン
小鳥「……あら?」
うみみゃ?
――事務所前――
律子「さて、と」
???「あれ、律子?」
律子「……? ああ、真。ちょうど良かったわ」
真「どうかしたの?」
律子「実は、やよいと伊織の仕事が予定より早く終わっちゃったみたいで」
律子「今から迎えに行くところなの」
幸運の女神像ってGTA4かと思った
律子「それで、そのままスタジオに直行よ。どうせだから、真も一緒に行きましょ」
真「うん。わかった。じゃあ、お昼は車の中で食べるよ。他の皆は?」
律子「プロデューサー殿が車を回してくれるわ」
律子「人数も人数だから、あちらで車を用意してくれて助かったわよ」フウッ
真「久しぶりのみんなでの仕事だからね」ニッ
律子「ええ。でもまあ、こういう苦労は嬉しいんだけどね」ニコッ
律子「さ、行きましょ」
――事務所――
小鳥「社長ったら、鞄を忘れてるわ……」
小鳥「……中にお財布も携帯も入ってるわね」ガックリ
小鳥(届けに行ったほうがいいわよね? 善澤さんにも迷惑かけちゃうだろうし)
小鳥(でも、事務所に誰もいなくなるのはまずいわよね……)ウーン
小鳥(まあ、社長もそんなに遠くまでは行ってないでしょうし、パッと行って帰ってくれば大丈夫かしら?)
小鳥(すぐに誰か来るでしょうし、メモだけ残していきましょ)カキカキ
――そして
――事務所――
亜美・真美「おっはよ→!」ガチャ
亜美「……って、ありゃ? 誰もいない」
真美「ピヨちゃ→ん?」キョロキョロ
……シーン
亜美「誰もいないね? 真美」
真美「うん。誰もいないね」
④
亜美「……と?」ニヤッ
真美「……いうことは?」ニヤッ
亜美「この事務所は今から亜美たちのものだ→!」ダダダッ!
真美「イエ→イ!!」ダダダッ!
ドタドタドタ!!
真美「お! さっそくテーブルの上に何か発見!」キュピーン
亜美「え? なになに?」ドタドタッ
真美「これは……天使の置物?」ヒョイ
亜美「お→! お宝だよ→!」キラキラ
亜美「亜美にももっとよく見せて→!」ガバッ
真美「ああ! ちょっと待ってよ→! 真美が先に見つけたんだから→!」スイッ
亜美「え→! いいじゃん! 見せてよ→!」グイグイ
真美「ちょ、ちょっと亜美ぃ! 押さないでよ→!」
真美「ま、待ってってb……」グラッ
亜美「……うわ!?」グラッ
亜美・真美「うわああああ!」ドテーンッ!
ピヨ
亜美・真美「いたたた……」
亜美「……ご、ごめん! 大丈夫? 真美?」
真美「う、うん。大丈夫。亜美は?」
亜美「亜美も大丈夫……って! ああ!」
真美「……? あ!」
女神像『』……コロコロ
亜美・真美「……なんか、取れちゃった」…サーッ
真美「だ、大丈夫だよ! もともと取り外しできるんだよ!」
亜美「そ、そ→だよね?」
ヒョイ
亜美・真美(あきらかに、くっ付いてた跡がある……)
真美「……これって大事な物なのかな?」
亜美「……なんか、高そうだよね」
亜美「……怒られるよね」
真美「……たぶん」
真美「……ど、どうしよう?」
亜美「なんとか元通りくっ付かないかな……?」
-――- 、 |┃
/ / ̄`ヾフ´ ̄`ヽ 三 |┃
〃∠ __」 _____ \ |┃
.'_〃_i__i ____ . イ、 '. . ガラッ |┃
i i | ハ i i | i ハ |┃
| l l 厂`V从从リト!リ l } ノ// |┃
| l xf示 示x ト、__」ノ 三 |┃
. l l { ヒり ヒり∧ | , -‐ぅ┃
V ト、 ' { ノ | / i´|┃
. V 八 「 7 ノ7 l { 人.|┃
Vハト、ト≧=⊇__. イ /ル'レ′ ..,イ` ー‐ .|┃
ⅥⅥ} iⅥN{ ! ` ーァ .|┃
xく `ヽ、 ト、≧=x__ | .|┃
∠ /\ , -―xY_ {、__ ! .|┃
/ ̄`ヽ く ー }フ^ ト、>- 、__| 三 |┃
i \ `ス i !\ノ } `Y { ...三 |┃
――そして
真美「無理っぽいよお……」グイグイ
亜美「うん……、そうだね」ムググ
亜美「……そ、そうだ!」
真美「な、なになに? なんかいい方法思いついた!?」
亜美「ア○ンアルファだよ! ア○ンアルファ!」
真美「そ、そっか! 接着剤でくっ付ければいいんだ!」
真美「何で気づかなかったんだろ! そうと決まれば……!」
亜美「うん! 兄ちゃんたちが多分持ってるよ!」
ダダダッ!
――事務机――
ガタガタゴソゴソ
真美「ないなあ……。亜美、あった→?」ゴソゴソ
亜美「ううん。見つからな→い」ガタガタ
真美「……仕方ない」
亜美「……?」
真美「ないなら買いに行けばいいんだよ! 近くにコンビニもあるしさ!」
亜美「そ、そうだね! 探してる間に誰か来ちゃうかもしれないし!」
真美「……その前に」
もう少しペース遅くしたほうがいいかも
――
――――
亜美「ど、どう?」
真美「……うん。これでひとまずは大丈夫だよ」
真美「乗っけてるだけだから、誰かが触ったらすぐに取れちゃうけど……」
女神像『』
亜美「それじゃあ、早く行こ!」
真美「うん! そだね!」
タタタッ! ガチャ……バタン……
群像劇っぽいですぞ
しえん
――事務所前――
真美「じゃあ、真美は向こうのファ○マ行くから、亜美はあっちのセ○ンに行ってね?」
亜美「ブ、ラジャ→!」
真美「接着剤が手に入ったら、携帯に連絡して。真美もすぐに戻るから」
亜美「うん。任せて!」
真美「それじゃあね!」タタタッ!
亜美「うん! また後で!」タタタッ!
――その頃
――街中――
あずさ「あらあ?」
あずさ「ここは……」キョロキョロ
あずさ「……どこかしらー?」
あずさ「……困ったわあ」ウフフッ
ピ④
――数分後
――事務所――
春香「おっはようございまーす!」
……シーン
春香「って、誰もいないんですか?」キョロキョロ
春香「……?」
春香「わあ、素敵なお人形!」パアッ
春香「……誰かが持ってきたのかな?」トコトコ
……コケッ!
春香「きゃ、きゃああああ!」
ドンガラガッシャーン!!
春香「あ痛たたたた……」ズキズキ
春香「うう……。思いっきりテーブルに頭を……」スリスリ
春香「って……! ああ!」
女神像『……』コロコロ
春香「……ええ!? な、なんでえ!?」
春香「わ、私のせいじゃないよね……?」オロオロ
春香「……もともと壊れてただけだよね?」
春香「でも、もし違ったら……」
春香「それにこれ凄く高価な物なんじゃあ……」
――想像タイム――
社長『とんでもないことをしてくれたね! 天海君!」ゴゴゴッ
春香『ひ、ひいい……』ガクガクッ
社長『これはとてつもなく高価な物でね!』
社長『キミの給料では一生かかっても払いきれないよ!』
春香『あわわわわ……』ブルブルッ
社長『キミは今日限りでクビだ!』
社長『損害金はキミの両親に払ってもらうことにしよう!』
春香「なんてことになったら……」アワワ
???『ごまかしちゃえばいいんじゃないか?』
春香「……え?」
春香≪悪魔≫『いまなら誰も見ていない。ごまかせるよ?』ニヤニヤ
春香「で、でも……」
春香≪悪魔≫『クビになってもいいのか? 親も悲しむだろうなあ?』ニヤニヤ
春香「う、うう……」
???『おやめなさい!』
《閣下》
春香「……え?」
春香≪天使≫『そのような悪魔の言葉に耳を傾けてはなりません』
春香≪天使≫『いま必要なのは正しく現状を把握することです』
春香「……うん」
春香≪天使≫『幸い、目撃者はいませんし、損壊も軽微です』
春香≪天使≫『いまから急いで直せば誰も傷つかずに済みます』
あれ?
うん?
春香「そ、そうかな?」
春香≪天使≫『そうです。知らぬが仏ともいいます』
春香≪天使≫『持ち主に壊れたことをわざわざ伝えて傷つけることもないでしょうし……』
春香≪天使≫『なにより、あなたはクビになりません』
春香≪天使≫『さあ、早く人形を修理しましょう』ニッコリ
春香「う、うん! 私、頑張ってみる!」タタタッ
春香≪天使≫『……』ニヤッ
春香≪悪魔≫『……』ニヤッ
・・・あれ?
(アカン)
――事務机――
春香「……う~ん。修理に使えそうな道具はないなあ」ガックリ
春香「さすがに引き出しまで開けるのは気が引けるし……」
春香「というか、やけに机の上が散らかってる気がするけど、気のせいかな?」
春香「……」
春香「……外に買いに行こう」
――事務所前――
春香(ここからならセ○ンが近いよね?)
春香(一応、人形の手に水晶は乗せておいたから大丈夫、なはず)
春香(とにかく急がなくちゃ!)タタタッ
――数分後
――事務所――
ガチャ
響「おはようだぞー!」
ハム蔵「ジュイ!」
雪歩「おはようございますぅ」
……シーンッ
響「うん? 誰もいないのかー?」
雪歩「……どうしたんだろう?」
響「午後から、事務所の皆で収録だったよね?」
雪歩「うん。そのはずなんだけど……」
響「ぴよ子までいないなんて……」
雪歩「じ、時間間違えちゃったのかなあ……」ウルウル
響「そんなはずないさー」チラッ
響「それに、まだ時間には余裕はあるし、待ってみようよ」
雪歩「う、うん……」
雪歩「じゃ、じゃあお茶でも入れようかな?」
響「うん! それがいいさー!」
④
――給湯室――
響「……ふう。雪歩の入れたお茶は相変わらずおいしいな!」
雪歩「ありがとう。響ちゃん」ニコニコ
サササ……
響「……ん? ハム蔵、なに持ってるんだ?」
ハム蔵「……ジュイ!」キラーン
雪歩「ビー玉、かな?」
書き溜めてあるなら最後まで投下するピヨ
響「どこから持ってきたんだ?」スッ
ハム蔵「……! ジュイ!」サササッ!
響「あ! どこに行くんだハム蔵!」
雪歩「響ちゃん」
響「どうしたんだ?」
雪歩「ハム蔵ちゃんが持ってたのって、もしかして……」
――テーブルの前――
響「……ああ!」
響「きっと、そうだぞ!」
響「ハム蔵ってば、この置物から持ってきちゃったんだな!」
雪歩「返さないといけないよね?」
響「もちろんさー! ハム蔵に言って、取り戻してくる!」
――給湯室――
響「こら! そんなところに隠れてもダメさー!」
ハム蔵「……ジュー!」
雪歩「ハム蔵ちゃん。いい子だから、ね?」
ハム蔵「……」プイッ
雪歩「うぅ……」
響「むー。冷蔵庫の横の隙間なんて、手が入らないぞ……」
響「ハム蔵ー! いい加減にするさー!」ウガーッ
雪歩(ど、どうしよう……)
雪歩「……あ!」
響「ど、どうしたんだ?」
雪歩「うん。ちょっと待ってて」テテテッ
見てるよ見てるよ
雪歩「お待たせ、響ちゃん」
響「それは……、ビー玉か?」
雪歩「うん。午前中、お仕事でデパートのイベントに行った時に」
雪歩「見にきてた男の子からもらったんだ」
響「……男の子?」
雪歩「……え?」////
雪歩「え、ええと! そ、そういうのじゃなくて!」////
雪歩「男の子っていっても幼稚園に通ってるぐらいの子で……」////
響「わ、わかった! わかったから! 自分が悪かったぞ……」アタフタ
響「それで、それをどうするんだ?」
雪歩「ハム蔵ちゃんの持ってるビー玉とこのビー玉交換してもらおうと思って……」
響「そっか! ……でもいいのか? せっかく貰った物なのに」
ピヨ
雪歩「うん。実は……」
ジャラジャラ……
響「す、すごいいっぱいあるな……」
雪歩「うん。全部あげるって言われて……」
雪歩「せっかく、そう言ってくれてるから断るのも悪いかなって……」
雪歩「だから……」
響「わかった! そういうことなら、ありがたく使わせてもらうぞ!」
響「ありがとう! 雪歩!」
雪歩「う、ううん! 全然大丈夫だよ」ニコッ
子供の頃はビー玉とかおはじきを宝物のように大切にしてたなぁ
どこいっちまったかなぁ…
響「……ほーら、ハム蔵。雪歩がいいモノくれるってさ!」
響「自分のお勧めはこのビー玉さー。ハム蔵とおんなじ色だぞ!」
響「中にオレンジの模様が入っててとーっても綺麗さー!」
響「ハム蔵が持ってるのはちょっと色がくすんでるし」
響「あんまり良いものじゃないって思うぞ!」
響「さあ! これと交換だぞ!」スッ
ハム蔵「……ジュ?」
elonaスレかと
誕生日会に繋がるやつか
ほのぼのだなあ
雪歩(あ、ハム蔵ちゃん、ちょっと出てきた)
ハム蔵「……ジュー」チラチラッ!
ハム蔵「…………」キョロキョロッ!
雪歩(すごい真剣に見比べてる……)
響「…………」ゴクリ
雪歩(あ、なんだか、なんでも鑑○団のBGMが頭の中に流れてきた……)
ハム蔵「…………」
響「…………」
雪歩「…………」
ハム蔵「……ジュイ!」プイッ!
響「あー!」
響「せっかく雪歩が交換してくれるって言うのに! ハム蔵! ひどいぞ!」
雪歩「しょ、しょうがないよ、響ちゃん……」
響「で、でも……」
雪歩「……強制はよくないよ。話せばハム蔵ちゃんも……」
ハム蔵「……ジュイ!」ダダダッ!
響「ああ! ハム蔵!?」
響「ど、どこ行くんだー!?」ポロッ
雪歩「そ、外に出ちゃうよ!?」
響「ハム蔵ー! ちょっと待つさー!」ダダダッ!
雪歩「あ! ひ、響ちゃん、待って!」タタタッ!
――この少し前
――セ○ンイレブン――
店員「ありあとあしたー」
亜美「んっふっふ~。なんとか手に入れたよ→」
亜美「早速、真美に連絡を……」ゴソゴソ
亜美「……ってあれ?」
亜美(け、ケータイ、事務所に置いてきちゃった……)
亜美「ど、どうしよう……」
亜美「ま、まあ真美も事務所に当然戻ってくるだろうし……」
亜美「いまは事務所に戻るのが先だよね!」
亜美(そうと決まれば!)ダダダッ!
――街中――
春香(うう。こうしてる間に誰か事務所に来ちゃってるかな?)
春香(だからといって、人形を隠すわけにもいかなかったし……)
春香(とにかく急がなくちゃ!)スタスタスタ
???「あのお、すみません……」
春香「は、はい」
女性「道をお尋ねしたいんですが……」
春香「」
春香「――それで、その角を右に曲がってもらえればもう目の前です」
女性「……え、ええ」
春香「えっと……」
女性「…………」
春香「そんなに遠くないですから一緒に行きましょうか!」
女性「……え? で、でも」
春香「大丈夫です! さ! 行きましょう!」
女性「……すみません。ありがとうございます」ペコリ
春香(……道は外れちゃうけど、困ってる人は見過ごせないし)トコトコ
春香(まあ……、なんとかなるよね!)トコトコ
???「急げ→!!」ダダダッ!
――その頃
――ファ○マ前――
真美「う→ん。売り切れてたかあ」
真美「亜美から連絡もないし……」
真美「亜美のほうも売り切れてたのかなあ?」
真美「でも、これ以上探してる時間もないんだよね……」
真美「一回、事務所に戻ろう……」
――その頃
――とあるお店――
社長「いやあ、それにしてもすまなかったね、音無君!」
小鳥「いえいえ」
善澤「でも、そのおかげでこうして一緒に食事が出来るんだ」
善澤「返って良かったのかもしれないな」
小鳥(本当は事務所に戻らないとまずいんだけど……)
小鳥(こんなに歓迎されちゃうと……)
社長「うむ、そうだね。いやあ、良かった良かった!」ハッハッハ!
善澤「しかし、忘れ物は困りますよ?」フフッ
社長「ん? はっはっは! 確かにそうだね!」
小鳥(……事務所、大丈夫かしら?)
社長「なあに、心配することないよ音無君!」
小鳥「……え?」
社長「なにせ、いま我が765プロには幸運の女神像があるんだからね!」
社長「少しぐらいの不幸は女神像が何とかしてくれるだろう!」ウンウン
小鳥(幸せな人だなあ……)
善澤「で、なんなんだい? その女神像というのは?」
社長「よく聞いてくれた! 実はだね――」
――事務所――
ガチャ
亜美「……ふう。ようやく着いたよ→」
亜美「真美は……まだいないよね?」
亜美「とりあえず、携帯は……、あった!」
亜美「連絡連絡っと」
???「もし?」
亜美「……うえ!?」ドキッ!
支援
がんばれ
亜美「!」
亜美「……ねえねえ、お姫ちん」
貴音「……?」
亜美「ご飯食べに行かない?」
貴音「……ご飯、ですか?」
亜美「うんうん。たまにはさ。いいでしょ?」
貴音「……そうですね。時間もまだ余裕があります。行きましょうか」ニコッ
亜美「うん! じゃあ、早く行こう!」ギュッ
貴音「ええ。参りましょう」
亜美(とりあえず、お姫ちんは亜美が引きつけておいて……)
亜美(戻ってきた、真美に直してもらおう)
亜美(ア○ンアルファはここに置いといて……)コトッ
亜美(後はメールを……)カチカチ
貴音「亜美?」
亜美「え? な、なあに? お姫ちん?」ビクッ
貴音「なにやら様子がおかしいようですが……」
亜美(……さ、流石お姫ちん、鋭い)
亜美「え、ええと。真美が……」
765プロの切れたナイフ、貴音
貴音「……?」
亜美「真美も誘おうかと思ってさ! 皆で食べたほうが美味しいじゃん?」
貴音「なるほど。それは良き考えです」
亜美「うんうん」
亜美「とりあえず連絡しちゃうね?」カチカチ
亜美(後は頼んだよ→? 真美)
――事務所前――
真美「ふう。やっと着いたよ→」
真美(亜美は戻ってきてるかな?)
貴音「……おや?」
真美「お、お姫ちん!?」
貴音「ちょうど良いところでした。真美」
真美「???」
亜美「」
支援
貴音「それでは、参りましょうか」
真美(ど、どういうこと?)ヒソヒソ
亜美(ううう。どうもこうもないよお……)ヒソヒソ
貴音「どうしました?」
亜美「ううん! なんでもない!」
真美「……そうそう! なんでもないよ!」
貴音「そうですか。では参りましょう」ニコッ
亜美・真美(もうダメだ……)
――その頃
――道路上――
P「うう……。まさか、事故で渋滞とは……」
P「事務所に連絡しようにも運転中だし……」
P「まあ、まだ時間には余裕があるが……」
P(昼飯食う時間あるかな……?)ガックリ
――その頃
――街中――
あずさ「困ったわあ。事務所、引っ越しちゃったのかしらあ?」
あずさ「どうしましょう?」キョロキョロ
あずさ「……あらあ?」
???「……」
――事務所――
ガチャリ
千早「おはようございます」
……シーン
千早「……?」
千早「誰もいないんですか?」キョロキョロ
千早「……みんなお昼に出てるのかしら?」
千早「……それとも、予定が変わったとか?」
千早「それにしても、音無さんもいないなんておかしいわ……」
千早「誰かに連絡すべきかしら?」
錆びたジャックナイフと呼ばれた男
鈍くて切れないが、錆を侵入させて破傷風にさせる憎い奴
――その頃
――街中――
女性「本当に、ありがとうございました」ペコリ
春香「いえいえ。どういたしまして」ニコッ
春香(ただ…)
春香(完全に時間の余裕がなくなっちゃったんだよね)
春香(ど、どうしよう……)
春香(誰かに電話して、何とか助けてもらえないかな……?)
春香(こんな時は……)
――事務所――
prrr・・・ prrr・・・
千早「……? 春香からだわ」ピッ
千早「もしもし?」
春香『もしもし、千早ちゃん!?』
千早「え、ええ。どうしたの? そんなに慌てて」
読んでる
春香『いまどこにいるの!?』
千早「いま事務所に来たところよ。でも、誰もいなくて……」
春香(誰もいない……? なら、まだ望みはある!)グッ
春香『千早ちゃん? 落ち着いて聞いてほしいんだけど……』
千早「え、ええ……」
春香『実は――』
春香『――というわけなの』ガックリ
千早「そうだったの……」
春香『だから、そのお人形には触らないでね?』
千早「ええ、わかったわ」
千早「……でも春香?」
春香『……?』
支援
千早「人形の手にはなにも乗ってないようだけれど?」
春香『』
春香『ええええええええええ!!??』
春香『う、嘘!? なんで!?』
千早「なぜ、と言われても……」
千早「私もいま来たばかりでなんとも……」
春香『ち、千早ちゃん! 申し訳ないんだけど……』
千早「ええ。探してみるわ。きっと、この辺りにあるはずよ」
春香『千早ちゃん、ごめんね……』
千早「平気よ、このくらい」
千早「じゃあ、少し探してみるから……」
――テーブル周辺――
千早「……テーブルの下にはなかったわね」
千早(水晶はこの人形の手に乗ってたらしいから、そんなに大きなモノではないわよね?)
千早「他の場所を探してみましょう……」
――――
――
――そして
――給湯室――
千早「……」キョロキョロ
……キラーンッ
千早「……ッ!」バッ
千早(この大きさ、間違いないわね!)
千早「春香! 見つけたわ!」
春香『……ほ、本当!?』
千早「ええ! 確認したけど、人形の手にもぴったりだわ!」
春香『よ、良かったあ……』
春香『これで、あとは接着剤があれば……』
千早「……そのことなんだけど」
春香『……?』
千早「人形の横に置いてあるわよ?」
春香『……?』
千早「ア○ンアルファ」
春香『ほ、ホントに!?』ガタタ!
春香『こ、これでクビにならなくて済むよ~』・・・・・・グスッ
千早(でも、なんでこんなところに……)
千早(まあ、いいわ。春香の為だもの)
アカン
千早「それと、春香。確認だけど……」
春香『う、うん……。わかってる』
春香『本当に大事になりそうだったら、正直に話します……』
千早「ええ。わかってるならいいの」
千早「まあ、手を貸した以上、私も共犯なんだから」
千早「その時は一緒に謝りましょう?」
春香『ありがとう。千早ちゃん……』ジーン
――しばらくして
――事務所――
ガチャ!
P「す、すみません! 遅くなりました!」
ワイワイガヤガヤ
P「……? ず、随分さわがしいな」
社長「ああ! いいところに来た! キミも見てくれたまえ!」
P「……?」
社長「……この女神像なんだがね」
女神像『』
P「へえ。なかなか立派な像ですね」
社長「うむ。これは幸運の女神像といってだね!」
社長「持ち主の願い事を叶えてくれるという代物なんだが……」
支援
――
――――
P「それでこの水晶が輝いたと!?」
社長「うむ! そういうことなのだよ!」
小鳥(そのわりには……、なんかおかしいのよね)
小鳥(だって、これどう見ても……)
P「すごく綺麗なオレンジ色じゃないですか!」
社長「だろう? これで我が765事務所も安泰だよ!」ハッハッハ
見てるぜ支援
P「みんなもこれには驚いたろ!?」
千早「ええ。とても驚きました」ニコッ
千早(社長も気づいてないようでよかったわ。むしろ喜んでいるし)
千早(なぜかはよくわからないけれど)
春香「う、うん……。本当に……」ダクダク
春香(ど、どうしよう……。たぶん、あれ違うよね……)
春香(言うべきか、黙っておくべきか……)
春香≪天使≫『……』ニヤッ
春香≪悪魔≫『……』ニヤッ
雪歩「わ、私! ……お、お茶! 入れてきますね!」タタタッ
雪歩(あれって絶対そうだよね……?)
雪歩(響ちゃんはハム蔵ちゃんを探しに行ったまま戻ってこないし……)
雪歩(なんで私だけ戻ってきちゃったんだろう……)
雪歩(うう……。早く響ちゃん戻ってこないかなあ……)
亜美「いや→、これには驚いたね→!」
真美「ホントに驚いたよ→!」
亜美(まさか、ご飯を食べてる間に解決してるとは)
真美(本当にあれは『幸運』を持ってるのかも!)
貴音「面妖な……」
貴音(お腹が空きました……)
――その頃
――事務所前――
あずさ「やっと事務所に着いたわぁ」
あずさ「これもハム蔵ちゃんのおかげね?」ニッコリ
ハム蔵「……ジュ!」
あずさ「うふふ。それにしても……」
あずさ「ハム蔵ちゃんの持ってる水晶……」
あずさ「とーっても、綺麗に輝いてるわねー」ニコニコ
ハム蔵「ジュイ!」
おわり
おつ
キレイに纏まってた
乙
おい響どこいった
どこまで行った
おまけ
――街中――
響「ハム蔵ー! どこ行ったんだー!」
響「出てきてくれー!」
本当におわり
>>123
ハム蔵がラスト飾ったんだから充分だろ!!11111
皆さん、支援ありがとうございました。
蛇足ですが、
以前書いたSSです。
P「音無さんに告白する!」 春香「頑張ってください!」
P「昼飯一緒に食わないか?」 真「はい! もちろんいいですよ!」
読んでいただけたら幸いです。
おやすみなさい。
乙、前作は両方読んだぜ
乙
今回の含めどれも楽しく読ませていただいたよ
全部読んだ、どれもよかったよ
乙!
ここまで綺麗にまとまったの久しぶりにみた
乙
今から読ませてもらうよ
読みなおしてて気がついたんですが
>115の高木社長のセリフ
765事務所→765プロに脳内変換していただけると助かります。
すみません。
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