ミーナ「私の憧れ」(91)
エレミナ…かも知れない
他CPもあるかも知れない
ミーナ「ねえねえ、みんなは卒団後の配属決めた?」
モブ子「決まってるじゃない、駐屯兵団でしょ、駐屯兵団」
モブ美「そうそう、私達は『調査兵団』なんて言う馬鹿な人じゃないし」
モブ子「エレンだっけ…?取り敢えずそいつ一人の主張を脳内美化して、同じように『調査兵団』って言う人は居るけどさ」
モブ美「調査兵団なんて死にに行く人の入る所よ」
モブ子「ねー」
ミーナ「はは…そうだよね…」
モブ子「初めの頃は憲兵団も目指したけど女子で10位に入ってる人なんて、あいつら女子辞めてるよ」
モブ美「そうそう 自分より体躯がでかい男を投げ飛ばすミカサ、蹴りあげて倒すアニ…」
モブ子「それに、花より団子のサシャに… あと10位以内候補って誰?」
ミーナ「ユミル…とか?」
モブ美「そうそう、そいつそいつ。あいつもガサツだしねー」
モブ子「女らしさを引き換えにしなきゃ憲兵団入れないんなら、ちょっと楽して駐屯兵団に入るほうがよっぽど楽」
ミーナ「だよね…」
モブ美「ミーナはどこにするの?」
ミーナ「え!? 私!?」
ミーナ「わ、私…は調査兵団、だよ……」
モブ美「調査兵団…」
モブ子「」プッ
モブ美「はっはっは!」
ミーナ「な、何よおかしい!?」
モブ美「いや、アンタも死に急ぎ野郎の意見で美化してたなんて」
モブ子「ミーナは直ぐに巨人の餌にされちゃうタイプだわ」ハハハ
ミーナ「そ、そんな事無いし!」
ミーナ…
モブ子「ま、アンタが死んだら葬式には出てあげるよ」
モブ美「そもそも、死体が残るか解んないけど」
モブ子「言えてる」
アッハッハッハッ!
アーオカシイ!
ミーナ「…」
ミーナ(何よ何よ!二人とも見下して!!)
ミーナ(調査兵団は、確かに死亡率は高いけど、その分生き残った時の出世も大きいもん!)
ミーナ(絶対二人をぎゃふんと言わせてやる!)
300人のなかで分隊長4人に結構な数の班長もいるからな
出世は早い方だろ
私の名前はミーナ・カロライナ
出身はトロスト区
まあ、よく言う世論に流されて訓練兵団に入った感じかな
成績は…あんまり良くない
周りの意見に流されやすいタイプだとは思ってる
でも、調査兵団に入りたいのは確かだよ
ま、これもエレンに流されてだけどさ…
ミーナ「ねえ、アニ」
アニ「?」
ミーナ「私さ、調査兵団に入りたいんだけど、馬鹿な発想だと思う?」
アニ「さあ」
ミーナ「だよねー」
アニ「周りからしたら馬鹿に思われるかもね」
ミーナ「ははー… アニもそう思うの?」
アニ「私は別に好きな所に行けばいいと思うけど」
ミーナ「アニ…」
アニ「何処に入るにしても、いつかは死ぬんだし」
ミーナ「…」
ミーナ(間違って無いけどざっくりしすぎ…)
ミーナ「あーあ」ハァ
ミーナ(成績が良いアニは、憲兵団に入るだろうなー…)
ミーナ(余裕が出来て羨ましい…)
ミーナ(でも、私だって3年間頑張った方だよ。 死んだ訓練兵だって居たし、諦めず、開拓地にも行かなかったし)
ミリウス「おーい、ミーナ」
トーマス「そこでボケッとしてる暇あんなら手伝えよー」
ミーナ「あ、ごめんごめん、直ぐに行く!」
ミーナ「…ねえ」
ミリウス「なんだ?」
ミーナ「二人は、調査兵団に行くんだよね?」
トーマス「当たり前だろ!」
ミリウス「そうそう、あんなエレンと同じ班に居て、一緒に過ごしてたら嫌でもそう思うな」
ミーナ「だよね」
ミーナ(良かった、流されたのは私だけじゃない…)ホッ
トーマス「お前も調査兵団だよな?」
ミーナ「え!? あ、うん、まあ…」
ミリウス「だったら同じだな」
トーマス「そりゃ、この班に居たらなあ」
ミーナ「そうそう」
ミーナ(みんななんだかんだ言ってエレンを馬鹿にしたり、下に見てる人が居るけど、同じ班の私達にとっては凄い憧れだな)
ミーナ(巨人を倒すって意気込み、あの本気さは、この104期で一番だと思う)
ミーナ(私も、エレンと同じ調査兵団に入って一緒に壁外調査なんてやって……)
ミーナ(なーんちゃって!)
ミーナ「うふふふ」
ミリウス「どうした?いきなり笑い出して…」
トーマス「……さあ?」
エレン「おーい、そっちの調整は済んだか?」
ミーナ(エレン!)ドキッ
ミーナ(って、なんでドキッてしてるのよ私!同じ班なんだから、近くに居るのはあたり前じゃない!)
ミリウス「あと少しって所か そっちは?」
アルミン「僕達は終わったよ」
トーマス「じゃあこっち手伝ってくれ」
エレン「了解」
エレン「えっと…」カチャカチャ
ミーナ「」ジッ
アルミン「ここがこうなるから…」カチャッ
ミリウス「あ、成る程」
エレン「ここ間違ってんぞ」
トーマス「おー本当だ」
ミーナ「」ジッ
ミーナ(あああ、やっぱりエレンは格好いいなあ…)ジッ
エレン「ミーナ?」
ミーナ「ふあっ!?」ビクッ
エレン「手が止まってんぞ」
ミーナ「あっ ごめんごめん…」
トーマス「まさかエレンに見とれてたんじゃないのか?」ニヤニヤ
ミーナ「なっ…!違うし!!」
ミリウス「だってエレンの事ずっと見てたしな」
ミーナ「違う違う!わ、わ、私は!私は!」
ミーナ「え、え、えれんの!手際よさを!頭の中にいれて!参考にしようと!」
ミーナ「けけけ決して見とれてた訳じゃなくて!!ね、ね、ね、アルミン!」
アルミン「ははは、はいはい」
ミーナ「わ、わ解った!?」
エレン「別に手際良くねえけど…」
ミーナ「そんな事無いッスよ!」
エレン「そうか… まあ参考にするのはいいが、ちゃんとやれよな」
ミーナ「はい!」ケイレイ
ミーナ(危なかったー… 周りの皆にちゃんと誤魔化せてよかった…)カチャリ
ミーナ(でもエレンに注意されちゃった… うう…)
ミリウス「そういえば…」
ミリウス「エレンやアルミンは調査兵団志望だよな?」
エレン「ああ 当たり前だろ」
アルミン「一応、ね」
ミリウス「エレンなんか上位10人に入ってんのに、調査兵団なんて勿体無いな」カチャカチャ
トーマス「あ、何となく解る」
エレン「俺は上位に入る為に訓練兵団になった訳じゃねえし…」
エレン「俺は最初から調査兵団に行きたかったんだよ」
トーマス「巨人を倒すためだろ?」
エレン「ああ…」カチャリ
ミーナ(凄いなエレン)
ミーナ(調査兵団なら、別に何位だっていいのに、ちゃんと真面目にやって、成績残して…)
ミーナ(それに比べ、私なんか皆ちゃんとやってない所も真面目にしても、ミリウスやトーマスより成績悪いもんな…)ハァ
ミカサ「エレン、アルミン」タッタッ
アルミン「あ、ミカサ どうしたの?」
ミカサ「34班が遅いから見に来た」
トーマス「俺たちが少してこずってな」
ミカサ「手伝う事は、ある?」
エレン「いや、5人で大丈夫だ」
ミカサ「そう」
ミーナ(ミカサ…)
ミーナ(モブ美やモブ子はミカサの事女子辞めてるって言ってたけど、私はそんな事無いと思うなあ…)
ミーナ(だってエレンの事凄く気にかけてるし 『家族』って言ってるけどもっと違う感情持ってる筈)
ミーナ(私もこんな劣等生より、ミカサみたいな首席をとる人だったらエレンも少しは気にかけてくれたかな)
ミーナ「」ハァ
エレン「ミーナ、また手が止まってる」
ミーナ「あっ!…ごめん…えへへ…」
私が…エレンを好きになった理由は些細な事だった
訓練兵団の最初から自分の意思を持って取り組んでる姿が、私には凄く格好良く見えたからだ
ただ的確な理由が無いまま、顔を立てる為に、訓練兵団に入って
周りの意見に流されやすい私から見たら
きちんとした理由を持って、自分の信念を曲げないエレンが羨ましかった
私もエレンが言うみたいに、調査兵団に入って、巨人を削いで、倒して…
いつかエレン達や104期の皆で巨人の無い世界を見てみたい気がしたんだ
.
彼が言う「巨人を駆逐してやる」という言葉は、
出来る根拠が無くても、なんだか何かを説得する力があった
私も…私でも、巨人を倒せる気がしてくるんだ
―まあ、本物は見た事無いけれど…
訓練兵団に入ってちゃんと自分の気持ちを持つのは久々かも知れない
ま、他人に気持ちを掻き立てられて
不純な理由で決めたけどさ…
.
それでも、こういう気持ちにして、意見を持たせてくれたエレンにいつの間にか憧れて、好きになっていた
本人は知らなくてもいい
伝える気も無い
フラれるのが解ってるし
それだったら私は今のままでいいや
ミーナ(ま、エレンは私の事は同期の同班しか思って無いだろうなあ)
ミーナ(誰にどういう気持ちなんか持つなんて、私の自由だよね)
ミーナ(別に、伝える訳じゃないんだし)カチャリ
クリスタ「はあ…ハンナはいいなあ…」
ハンナ「ふふ」
ミーナ「? なんの話してるの?」
ユミル「ハンナのノロケを聞いてんだよ」
ミーナ「ふうん」
ハンナ「そんな、フランツと夫婦なんて!」ベシッ
ユミル「いったい!! んな事まで言ってねえよ!」
ハンナ「二人でどこに所属するか決めてて…」
ハンナ「フランツが『君の行く所だったら何処でもいいよ』なんて言うから!」
クリスタ「うわあ…!いいなあ…!!」キラキラ
ユミル「…」
ハンナ「ミーナは好きな人は居ないの?」
ミーナ「わ、私!?」
ミーナ「居ない居ない!居るわけ無いよ!」ハハハハ
ミーナ「だいたい、男子なんか34班以外接点無いし!」
クリスタ「その34班でだよ!」
ハンナ「そうそう 同じ班になってそこから…って人は少なく無いと思うんだけど…」
ミーナ「無い無い!4人全員眼中に無いし!」
ハンナ「そっか…」
クリスタ「なんか残念…」
ミーナ「ははは…」
ミーナ(流石にエレンが好きとは言えないなあ…)
ミーナ(そこにミカサ居るし…)チラッ
ミカサ「…」モクモクベンキョウチュウ
切なさを感じる。
ナックは死んだの?それが何より気になる
クリスタ「そう言えば、もうすぐ卒団でしょう?」
クリスタ「それで告白する…って人が多いんだって」
ユミル「卒団にか? 別に同じ団に入ればいいのによ…」
クリスタ「自分は駐屯兵団に入るつもりなのに、相手が憲兵団に入っちゃったりしたら伝えられ無いでしょう?」
クリスタ「それに、卒団を一区切りにして、思いを伝えるんだって」
ユミル「ふうん…」
ハンナ「まあ私には関係無い話だけどね」
ユミル「そりゃあな」
ミーナ「…」
ミーナ(私にも関係無い話だな…)
ミーナ(私はエレンと同じ団に入るつもりだし、フラれて調査兵団でギクシャクしたら嫌だし)
はっナック…
すまんメモったのに忘れてた
あとでちゃんと入れるから許してくれ…
ナックやミリウスなんかも実は意外とイケメンだよな
ミナエレじゃなくエレミナなのか?
ビュンビュン
ミーナ「ま、待ってよサシャ!」
サシャ「ミーナが遅いんですよー」ビュン
ミーナ「お互いに手伝い合いながらゴールするのが今日の課題なのに!」
サシャ「」ビューン
ミーナ「はあ」
ミーナ(やっぱり、上位は違うなあ…)
ミーナ(それに比べて、私は…)ビュン
>>29
いまいち違いがわからん…
左右変えるのでどう違うんだ?
ミーナ「うわーん、サシャ何処に行っちゃったのよー!」ビュン
チョット! ダイジョウブナノ!
ネエッテバ!!
ミーナ「ん…?あれは…」
モブ子「起きてよモブ美!!」
ミーナ「モブ子!それにモブ美!」ビュンッ
ミーナ「ちょっとどうしたのモブ子!!」
モブ子「ミーナ…」
モブ子「モブ美がアンカー引っ掻ける所間違えて、木に激突して…」
ミーナ「えっ!?」
モブ子「気を失ってるみたいで… どうしよう、ミーナ…」
ミーナ「と、取り敢えず私は教官呼んでくるから、モブ子はモブ美見てて!」
モブ子「解った」
ミーナ「」ビュンッ
ミーナ(どうしようどうしよう…! モブ美、あのまま死んじゃうのかな…?)
ミーナ(気をしっかりして私! 早く教官呼んで、応急措置をして…!!)ビュン
ミーナ「ああ!もうなんで私ってこんなに立体機動装置扱うのへたくそなんだろ!」
ミーナ「なんか私が死ぬ時は、この立体機動装置が原因だろうな…」ビュンッ
ジャン「なんでお前とペアなんだよ!」ビュンッ
エレン「知らねえよ! くじ引きだろ、これ!」ビュンッ
ジャン「ったくマジムカつく…」
エレン「…あれ、あれは…」
ミーナ「」ビュンッ
エレン(ミーナ?でもあいつとサシャはずっと前にスタートしてる筈じゃ…)
エレン(それに、コースが違うぞ 一体どうしたんだ?)
エレン「」ビュンッ
ジャン「あっエレン何処に行くんだよ!? お前とうとう地図も読めなくなったのか!?」ビュン
ミーナ(早く、早く教官探さないと!)
エレン「どうしたんだミーナ」ヒュンッ
ミーナ「…え、エレン…」
エレン「こっちの道は地図通りじゃないだろ?」
ミーナ「そうだけど… モブ美が…モブ美が…!」
ミーナ「木に激突して、意識が無いんだって…」
ミーナ「だから、モブ子が様子見て、私が教官呼んでこようと思ったんだけど、教官がどこにいるか解らなくて」
ミーナ「どうしようエレン!」
エレン「取り敢えず落ち着け」
エレン「前に習った応急手当てはしたか?」
ミーナ「あっ…」
ミーナ(そうだ、ずっと前に手当てを習ったんだ…すっかり忘れてた…)
エレン「その様子じゃまだだな」
ジャン「おいエレン!何処に行ってんだよ!!」
ジャン「ん?お前は… どうしたんだ一体」
ミーナ「ジャン…」
ミーナ「モブ美が事故して、意識が無くて…」
ジャン「なんだと!?」
エレン「ジャン、お前は教官を呼べ 俺はミーナとモブ美の様子を見に行ってくる」
ジャン「お、おう、解った」
ジャン「モブ美はどの辺りで倒れてるか解るか?」チズヒロゲ
ミーナ「えーっと… この辺りだと思う」ユビサシ
ジャン「了解 さっきあっちで見かけたから探してくるわ」ビュンッ
エレン「ミーナ、どの辺りか案内してくれ」
ミーナ「う、うん 解った」ビュンッ
エレン「」ビュンッ
エレン「…なあ」
ミーナ「?」
エレン「なんで手当てをしてないんだ?」
ミーナ「えっ えっと… 忘れてた…」
エレン「手当ては生死に関わる事だ ちゃんと覚えておけよな」
ミーナ「……うん」
ミーナ(ああ!もう私の馬鹿!!)
ミーナ(エレンによく見られたいのに、なんで引くような事をしちゃったかなあ…)ハァ
それから私達はモブ美の元へ向かった
やっぱりモブ子も習った手当てをしてなくて、エレンがやった
それが功を奏してか、モブ美骨折のみですんだ
ただ、卒団までに復帰は難しいらしい
真面目にやってきてた筈なのに、いざという時に出来ないなんて恥ずかしい
私が成績が低い理由が解った気がした
ミーナ「私ももっと、ちゃんとやらないと!」
ミーナ「卒団が近いからって、気を緩めちゃダメ。成績が悪いなら悪いなりに、頑張らなくちゃ」
ミーナ「……だって、もう、エレンには呆れてほしくないし」
ミーナ「ふぁあ…眠い…」
アニ「朝礼なんだからしっかりしないと」
ミーナ「うん」
キース「おはよう」
訓練兵「「おはようございます」」ケイレイ
キース「朝礼の前に、皆にお知らせがある」
ミーナ(なんだろう…)
キース「この前の立体機動装置の演習の際、一人骨折をした」
ミーナ(モブ美の事だ…)
キース「で、そいつが所属してた17班が二人だけになってしまった」
キース「なので、残ったナック・○○訓練兵と、ダズ・○○訓練兵を違う班に配属したいと思う」
ザワザワ
マジカ フタリッテヤバクネ?
ドコノハンニクルンダロウ
キース「静かに! …もう班は決めてある」
キース「ナックをイェーガー訓練兵が班長の34班に、ダズを――……」
ミーナ(えっ)
ミーナ(イェーガー班長って…エレンじゃない!)
ミーナ(それに34班って…)
ミーナ「私の班か…」
ナック「短い間だけど宜しくな」
ミリウス「ああ!」
アルミン「宜しくね、ナック」
ミーナ「…」ジー
ナック「??なんだ?」
ミーナ「なんでもない」フイ
ミーナ(あああ、ナックが来たら、尚エレンと話せる時間が少なくなるじゃない!!)
ミーナ(もう!教官のハゲ!!)
エレン「そういえば、なんで17班は2人になったんだ?」
ナック「何人か開拓地の方に行っちゃったんだよ」
ナック「で、3人でやってたんだけど、今回の事故でモブ美も班に帰ってこれなくなって…」
トーマス「成る程」
アルミン「なんか…大変だったね、17班は…」
ナック「…ああ」
ミーナ(なんでモブ美も骨折なんかするのよ…)
ミーナ(だから真面目にやれと言ったのに…)ハァ
ナック「??」
ナック「俺、なんかミーナに嫌われてるか…?」
トーマス「あいつはいつもあんな感じだ、気にするな」
ミーナ「ねえエ…」
ナック「なあエレン」
エレン「なんだ?」
ナック「ちょっと聞きたい事が…」
ミーナ「…」
ミーナ「」ハァ
ミリウス「今日の訓練は、班を半分に分けてやるんだって」
トーマス「だったらじゃんけんで分けるか」
エレン「そうだな」
ミーナ「3、3ね」
ミーナ(よおし、エレンと同じになれますように!)
「「じゃーんけーん」」
ミリウス「ここがこうなって…」
ミーナ「…」
アルミン「? どうしたのミーナ」
ミーナ「なんでもないッス…」
ミーナ「」ハァ
ミーナ(なんか最近、前ほどエレンと接せれてないというか…)
ミーナ(とうとう神様まで見放したかな…)
モブ子「ねえミーナ」
ミーナ「モブ子」
モブ子「対人格闘の相手してくれない?」
ミーナ「いいよ」
ミーナ(モブ子はいつもモブ美と一緒にやってたからなあ…)
ミーナ「じゃあ私からならず者ね」
モブ子「え? やるの?」
ミーナ「あたり前じゃない!」
ミーナ「ちゃんとやらないと!」
モブ子「え、無理無理 対人格闘なんて真面目にやった事ないのに」
ミーナ「だったら卒団まで少しの間やろうよ」
モブ子「嫌よそんなの」
ミーナ「……なんで?」
モブ子「だって、別にこんなの真面目にやるのなんて数えれるくらい少ないよ?」
モブ子「対人格闘は絶好の休憩時間じゃない」
ミーナ「で、でもちゃんとやらないと教官に怒られちゃうし…」
モブ子「教官が近づいた時にやるフリしておけばいいのよ」
ミーナ「…」
モブ子「真面目にやってる方がアホらしいわ」
ミーナ「…今まで手を抜いてきたから…」
モブ子「え?」
ミーナ「今まで手を抜いてきたから、モブ美が事故した時も早く助けられなかったんじゃない!!」
モブ子「そりゃ、手当てを習ったのは二年以上前だし…」
ミーナ「でもエレンは覚えてたよ? 真面目にやってるからだよね?」
ミーナ「エレンがどんな訓練も真面目にやってきたからだよね?だからエレンは10位以内に入ってるんだよね?」
ミーナ「真面目にやる事が恥ずかしいの?もう内地で過ごせない、10位に入れないって思ったら手を抜いてもいいの?」
モブ子「べ、別にそこまで…」
ミーナ「そんなあなたが、10位以内に入ってる人をけなせれる訳ないじゃん!」
ミーナ「なのに僻んで、ミカサやアニに、『女子やめてる』なんて言って…」
ミーナ「格好悪いよ!!」
モブ子「さっきからエレンエレンって… あんたもしかしてエレン好きなの?」
ミーナ「えっ?」ドキッ
モブ子「そういえば、調査兵団に入りたいって言ったのも、あいつに影響されてでしょ?」
モブ子「あの、巨人しか頭に無い奴のどこがいいんだか…」
ミーナ「」カチン
ミーナ「そうだよ!私はエレンの事好きだよ!」
ミーナ「だって私の憧れだもん!」
ミーナ「私が調査兵団に入りたいって思ったのもエレンのおかげだし」
ミーナ「エレンとなんかまともに話した事無いのに、エレンを知ったような口振りしないでよ!」
モブ子「」クスクス
ミーナ「ん?」チラッ
エレン「…」
ミカサ「…」
ミーナ「」ゲッ
ミーナ(えええエレンとミカサが近くに居るの気がつかなかった!!)
ミーナ(なのに『好き』とか『憧れ』とか…!私、私…!!)
エレン「……ミーナ…」
ミーナ「いや、あの、その、ご、ごめんなさい…」
ミーナ「…」
サシャ「さっきからミーナは布団被ってどうしたんでしょうかねえ?」
アニ「さあ…」
ミーナ「…」
ミーナ(うっわ…たまたまとは言え言っちゃったよ…『エレンが好き』だなんて…)
ミーナ(この気持ちは伝えずに、心の中に封印して、大人になった時の笑い話にしようと思ったのに)
ミーナ(最悪…)
ミーナ(ま、エレンなんて私の事どーとかこーとか思ってる訳無いんだしさ!)
ミーナ(だーいじょーぶ!)
ミーナ(……それはそれで傷つくわ……)
ミーナ「泣きたい…」
ミカサ「ミーナ?」
ミーナ「…」
ミカサ「ミーナ、起きてる?」
ミーナ「…」
ミカサ「ミーナ…」
ミーナ「あーもう何!!」バサッ
ミーナ「……ミカサ…」
ミーナ「…」フトンカブリ
ミカサ「なんでまた被るの?」
ミーナ「…私別にミカサに用事無いし…」
ミカサ「私はある」
ミーナ「何…?」フトンドケ
ミカサ「今日の対人格闘の時の事」
ミーナ「!!」
ミーナ「…どうせ鼻で笑ってるんでしょ…」
ミカサ「何でそうなるの?」
ミーナ「私みたいな劣等生が、いっちょ前に、成績優秀者に恋なんかしてさ…」
ミカサ「別に、ミーナは劣等生だとは思わない」
ミーナ「首席様に言われてもお世辞にしか聞こえないよ…」
ミカサ「対人格闘の時、あんなに語ってた」
ミカサ「『真面目にやる事が恥ずかしいの?』って」
ミカサ「どんな事にでも頑張ってやってるあなたを劣等生だとは思わない」
ミーナ「ミカサ…」
ミーナ「み、ミカサってさ」
ミカサ「?」
ミーナ「エレンの事どう思う?」
ミカサ「エレンは、大切な家族」
ミーナ「いつもその返答だよね」
ミーナ「他には無いの?」
ミカサ「他には…?」
ミカサ「…」シアン
ミーナ「好きとか、慕うとか…」
ミカサ「家族として好き」
ミーナ「そういうんじゃなくて、一人の異性としてさ…」
ミカサ「…解らない」
ミーナ「ふうん…」
ミカサ「ミーナはエレンの事を異性として好き?」
ミーナ「ま、まあ、うん …そうだよ」
ミーナ「駄目?」
ミカサ「何で駄目なの?」
ミーナ「だって、変じゃん」
ミカサ「何処が変?私は変だとは思わない」
ミカサ「異性に友達以上の意識を持つ事は普通」
ミカサ「それに誰が誰を好いでいる事に、とやかく言う筋合いは無い」
ミーナ「…」
ミーナ「…あのさ」
ミカサ「?」
ミーナ「私、もう一回ちゃんとエレンに好きって伝えたい」
ミーナ「卒団する時に、ちゃんと面と向かって告白したい」
ミーナ「…いいかな?」
ミカサ「なんで私に聞くの?」
ミーナ「一応だよ一応…」
ミカサ「いいと思う」
ミーナ「有難う、頑張ってみる」
ミカサ「」コクリ
ミーナ「うーん…」
ミーナ(なんて告白しようかな…)
ミーナ「」サラサラ
『ずっと前から好きでした!』
ミーナ(ありきたりすぎるわ…)グシャグシャポイ
ミーナ「」サラサラ
『君の瞳にknock out☆』
ミーナ「訳がわからん…」グシャグシャポイ
もしかして、昨日雑談スレで、ミーナSS書く宣言してた人?
この後があのとおりだと・・きついな。
ミーナ「」サラサラ
ミーナ「うーん」グシャグシャポイ
ミーナ「」サラサラ
ミーナ「なんか、違う」グシャグシャポイ
ミーナ(いざ考えたら、難しいなあ…)ムムム
クリスタ「?」
ユミル「なんだこの紙切れ」ピラリ
ミーナ「あ、ちょっと待って!開かないで!!」
クリスタ「『君の瞳にknock out』…?」
ユミル「こっちは『あなたと甘い関係になりたい』って書いてあんぞ」
ミーナ「わぁああぁあああ!!!」
ミーナ「読まないでよ!」
ユミル「じゃあ適当に置いておくなよ」
ミーナ「うぐ…」
クリスタ「これは何のメモなの?」
ミーナ「これ!? ほら、あれだよ!!私、今小説書いてて、その題名考えてたんだ!ははは!!」
ユミル「安っぽいメロドラマみたいな題名だな」
ミーナ「そ、そんな事無いし!」
ミカサ「ミーナは告白の文章を考えてる」ヌッ
ミーナ「うわぁああぁあああ!!」
ミーナ「ちょ、ちょっとやめてよそんな事言うの!!」
クリスタ「えっ、本当なの!?ミーナ!?」
ミーナ「えへ、ま、まあ…」
ユミル「センスねえな」
ミーナ「私が一番存じ上げております…」
クリスタ「相手は誰?」
ミーナ「お、教えないよ」
クリスタ「」キラキラ
ミーナ(うぐっ…)
ミーナ(そ、そんな瞳で見られても、私は曲げない…)
ミカサ「エレンだって」
ミーナ「!?」
クリスタ「やっぱり34班の人なんだ!」キラキラ
ミーナ「ミぃいカぁああサぁあああ!!」
ミカサ「協力するとは言ってない」
ミカサ「言ってはいけなかったの?」
ミーナ「あ、当たり前でしょ!」
ミカサ「なんで?告白したら、いつかは知れ渡るのに?」
ミーナ「それでもだよ…」
ユミル「いつ告白するんだ?」ニヤニヤ
ミーナ「卒団の時にね…」
ミーナ(凄く、悪人顔です…)
クリスタ「頑張ってね、ミーナ!」
ミーナ「うん」コクリ
ミーナ(天使だ)
ミカサ「」タッタッタッ
アニ「ミカサ」
ミカサ「?どうしたの?」
アニ「話がある」
ミカサ「なんの話?」
アニ「ミーナについて、ちょっとね」
ミカサ「ミーナ?」
アニ「あんたはミーナがエレンに告白する事に、異議や意見は無いの?」
ミカサ「別に無い」
アニ「そう…」
ミカサ「私も聞いていい?」
アニ「どうぞ」
ミカサ「なんで皆エレンが関係する恋沙汰は、私に意見を聞くの?」
アニ「…あんたが、エレンに恋心を持ってるんだと思われてるからだよ」
ミカサ「私はエレンの事を家族だと思ってる」
アニ「他人にはそれ以外の感情がある気がするんだよ…」
ミカサ「それ以外の感情」
アニ「そう」コクリ
ミカサ「…ミーナに、言われた エレンを一人の異性として好きかって」
ミカサ「それに、私は『解らない』と答えた」
アニ「『解らない』?」
ミカサ「だって本当に解らない」
ミカサ「私はエレンの事が好き、家族として」
ミカサ「でもその『好き』に他意が無いの、と聞かれたらイエスとは言えない」
ミカサ「ある気がするし、無い気もする」
アニ「…」
アニが自分からお節介やくのに違和感…
でも期待
ミカサ「エレンは、私の命の恩人、感謝の念もある」
ミカサ「もしかすると私のエレンに対する『好き』は、その感情もあるかも知れない」
ミカサ「私は…エレンと長く居すぎて、エレンに対する気持ちが不的確過ぎて解らない」
ミカサ「だけど、ミーナはちゃんとはっきり『好き』と自覚している」
ミカサ「私はそんなミーナが羨ましい」
アニ「…そう」
ミカサ「なんかアニ、らしくない」
アニ「何が?」
ミカサ「こうやって聞くの」
アニ「…私もそう思うよ」
ミーナ『…ミカサやアニに、「女子やめてる」なんて言って…格好悪いよ!!』
アニ「…」
アニ(…こんな事で、私もどうしたものか…)ハァ
そんなこんなで、卒団の日がやって来た
ミーナ(あああ、どうしようどうしよう…)
ミーナ(いざとやろうと思うと、緊張するなあ…)
ミーナ(だ、大丈夫だよね!)
ミーナ(ちゃんと頭のなかでイメージトレーニングやったし!)
サシャ「あー固定砲整備面倒です…」
エレン「ちゃんと最後まで気を引き締めてやれよ」
サシャ「解ってますよーだ!」パタパタ
エレン「あ、サシャ何処に行くんだよ!」
ミーナ(…エレンと二人きり…! 今の内に…)
ミーナ「あのさ、エレン…!」
エレン「なんだ?」
ミーナ「あの、ね…」
エレン「?」
ミーナ(き、緊張する…!)
何て言おうか、ちゃんと考えてきた筈なのに、声に出せない
真面目に取り組むエレンが好き
エレンの姿を見て、私も真面目にやろうと思った
周りの人は馬鹿にしたけど、私には格好良く見えた
成績は悪いまんまだったけど、この3年…特にあの時の立体起動の訓練以降一番頑張った気がする
強い意思を持つエレンが好き
エレンのお陰で、きちっとした将来像を見る事が出来た
いつも周りに流されてた私が、ちゃんと自分の意見を持って行動出来た
調査兵団に入って、沢山の巨人を倒して…
一緒に巨人の居ない未来が見たい気がした
ミーナ「その…」
エレンは私の見る世界を変えてくれた
いつでも私の憧れだった
そして、調査兵団に入っても私の憧れで居続けて欲しい
ミーナ「その…」
エレン「なんだよ、早く言えよ」
ミーナ「……」ギュッ
ミーナ「やっぱり、この固定砲整備終わってからでいい?」
エレン「俺はいいが…」
ミーナ「その時にちゃんと言うね!」
エレン「ああ、解った」
ミーナ「…」
ミーナ(あー!!私って本当に馬鹿だ!!)
ミーナ(こうやって先伸ばしにしたら後々大変なのに!)
ミーナ(でも固定砲整備終わったら言う!絶対に言う!)
ミーナ(曖昧なまま卒団するのも嫌だし!)
ミーナ「よし、エレン!固定砲整備頑張ろう!!」
エレン「お、おう?」
ぐしゃり
良いな!
アルミン「エレン、久しぶり」
エレン「アルミン、ミカサ」
ミカサ「休憩の合間をぬってエレンの様子を見に来た」
アルミン「どう?旧調査兵団本部の住み心地は」
エレン「まあ、中々だな 地下で寝る事以外は」
ミカサ「あのチビ…エレンをこんな所に閉じ込めて…」ギリッ
アルミン「落ち着いてミカサ!リヴァイ兵長がこうしてるのも何か理由があってなんだよ!」
エレン「そうだミカサ 俺が閉じ込められてるのは、もし俺が無意識に巨人化したら…の事なんだ」
ミカサ「…巨人化…」
超大型巨人が襲撃してきてもう2週間ほど時間が過ぎた
先の攻防戦で死者207名、負傷者897名という大惨事だったらしい
上位だったマルコや、結婚しあおうなんて言い合ってたフランツやハンナ
エレンやアルミン以外の34班の人もこの時に死んでしまった
勿論、ミーナも
ミカサ「…エレン」
エレン「なんだ?」
ミカサ「超大型巨人が襲撃する前、ミーナに何か言われた?」
エレン「…嫌、何も…」
ミカサ「…そう」
エレン「あ、固定砲整備の時に何か言われかけたが『やっぱり後で』って…」
ミカサ「…」
ミカサ「ミーナは…」
エレン「?」
ミカサ『言ってはいけなかったの?』
ミーナ『あ、当たり前でしょ!』
ミカサ『なんで?告白したら、いつかは知れ渡るのに?』
ミーナ『それでもだよ…』
ミカサ「…やっぱりなんでもない」
エレン「なんだよ、それ…」
ミカサ「気にしないで」
ミカサ(ミーナ あなたは…)
―
――――
―――――――
~終~
くぅ疲
コメントしてくれた人、有難う!
ちゃんとナックも入れたぞ!
>>60
そうだ、昨日言ってた人だよ
お前らが期待とか言うから考えてしまっただろ
もっとミーナがメインの増えて欲しい
ではでは
また違うSSで
乙。切ないけど良かった。作者さん一日お疲れ様。ハッピーエンドの話も増えたら良いなと思う。
なんか後味悪い終わり方だったな…
乙
すまんageてしまった
乙!切ないなこれ…
ミーナとエレンだと背負うものが違いすぎて…
ミカサの想いの深さや重さに比べてもミーナのそれは軽く感じる
だからこそこのくらいの淡い儚い恋心が切なさを煽られて良かったわ
乙乙!
>>31
ずっと矢印の方向と思ってたんだよ
例えばエレミナならエレン→ミーナみたいな
違ってたら申し訳ない!
やっぱりミーナは「普通の女の子」ポジが出来る点で貴重なキャラだったな
凄くよかったよ乙
エレミナはミーナが死ぬってのが分かってる辺りが好き
乙
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