女「私と友達になってよ!」
天使「はあ」
女「やったー!」
天使「……」
女「天使ちゃん何やってるの?」
天使「武器のメンテナンスです」
女「へー、これなに?」
天使「あっ、それは……」
バキューンギャーン
モブ男1「ぎゃー教室が!」
モブ男2「田中の机が真っ二つに!」
田中「俺が何したって言うんだよちきしょああああ!!」
天使「……勝手に触らないでくださいね」
女「う……はい」
女「天使ちゃん何か面白いことはなしてー」
天使「かんとりぃまぁむの中に入っているチョコレート的なものはあんこです」
女「はえ……え?」
天使「かんとりぃまぁむの中に入っているチョコレート的なものはあんこです」
女「う……うそでしょ……?」
天使「本当です」
女「え……そ……え………………不●家のバカヤローーー!!!」
女「教科書忘れた!」
天使「やむを得ませんね」スッ
女「かたじけない!」
女「……」
女「……これ、よだれ?」
天使「いいえ、体液です」
女「よだれジャン」
田中「……天使さん、俺、あなたに言いたいことが……!」
天使「ごめんなさい」
田中「俺が何したって言うんだよちきしょああああ!!」
天使「女さん、あなたはなんで私みたいなのと友達になりたがったの?」
女「なんでって……なんでそんなこと聞くの?」
天使「なんとなく……よ」
女「じゃあ私もなんとなくー」
天使「……」
女「天使ちゃんて綺麗な金髪よねー、どうやってんの?」
天使「地毛ですが……」
女「うっそぉ」
放課後
女「ふっふふ~ん」ルンルン
女「失礼しまーす、って誰もいるわけないか」ガラッ
女「ん?と思ったけど誰かいるぞ~~?」
モブ男1「死にたい死にたい死にたい死にたい」
女「え……」
モブ男1「あいつのせいで僕はずっとずっとずっとずっとくるしかったずっとずっとずっとずっとととととととととととと」
バンッ
女「え」
モブ男1「ずっとととととととととととと」ブシャアアアアアアアアアアアアア
モブ男1「と」バタッ
女「……」
女「……」
女「天使……ちゃん……?」
天使「……」
担任「えーモブ男1くんが死んでしまったことは非常に残念ですが……」
モブ男2「モブ男ぉ……モブ男1ぃ……」ボロボロ
田中「モブ男1が何したって言うんだよちきしょああああ!!」ボロボロ
女「……」
天使「……」
ゴミスレっと
女「……モブ男1くん、本当に死んじゃったの?」
天使「ええ、死にました」
女「なんで……なんで殺したの?」
天使「彼は感染していたから」
女「感染感染って……最近ニュースでそればっかり!ねえ、天使ちゃん!感染って何!?それに天使ちゃん、あなたは一体何者なの!?」
田中「おい待てよ!!」
女「た……田中!?」
田中「て……天使!俺はお前に頼もうとしたのに!モブ男1じゃなくて俺を殺してくれって!なのになんで!」
天使「彼はすでに感染していました。あなたが犠牲になっても全く意味がありません」
田中「でも……でも!殺すなんてあんまりだろ!!」
天使「感染者は即座に始末しろと上から命令が出ています。広がるといけませんから」
田中「何だよソレ……!!お前には感情がねぇのかよ!!お前なんか……お前なんか大っ嫌いだ!その人を見下すような高圧的な目が大っ嫌いだああああああああ!!!」ダッ
女「田中……」
女「田中!待って!」
田中「ンだよ天使!……って女か」
女「ねえ、田中……」ゼエゼエ
田中「……何だよ」
女「天使ちゃんって……一体……何者なの……?」
田中「……はぁ!?お前知らないの!?」
女「ウン」
田中「馬鹿じゃねぇのアホか!あいつは人殺しだよ!感染者だと判断すれば即座に殺しを行うひとでなし!」
女「……」
田中「……わかってるよ本当は。あいつはこの世に必要な存在で、恨みだとか妬みを全部背負ってくれてる存在だってこと。俺、最近ニュースで見たんだ。ある天使が感染者の男を殺して、その恋人に包丁で刺されそうになったってやつ。天使は恋人も殺したって言ってた。その恋人も感染者で処理されたらしく、当然天使に罪は罰せられない。でも会見で大泣きしてたよ、あの天使」
女「……」
田中「政府はホントふざけてるよ……俺、どうにかしたいよ、でもできない」
田中「俺は何もしてないんじゃない……!何もできないんだ……!」ブワッ
女「……田中……」
田中「そうだ、俺は何もできない」
女「……っ!?田中!」
田中「俺は無力だだから友達を死なせてしまった俺はなんとかできたはずだ天使をころしてでもあいつを救えたはずだなのにどうしてどうして俺はあいつを死なせてしまったのだろうそれは俺が無力でどうしようもないカスな人間だからささあ俺はどうしようこのまま平然と生きていくのかでも俺にそんな権利はないなぜならおれは人殺しだからだ俺」
女「ちょっと待って……!田中!田中っ!」
ブワッ
女「!?」
天使「……」スチャッ
女「……天使ちゃん……?」
天使「どいてください、女さん」
女「だめ!だめだよ!天使ちゃん!鎌しまってよ!」
天使「……」
女「なんで感染者を殺すの!?ちょっと田中はおかしくなっちゃったけどさ、害は及ぼさないでしょ!?そりゃあ、世界中の人がこんな風になっちゃったらって思うと恐怖だけど……でも殺すことはないよ!」
天使「……それはどうでしょう」
女「えっ」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォ……!
女「う……わ」
天使「それは彼が「人間」だったらの話……だよね?」
田中「俺が何したって言うんだよちきしょああああああああああああああああああああ!!!!」ズワァァァァァ
女「キ……」
天使「キメラ。合成獣」
女「キモイィ!!!!」
天使「そっちか」
天使「とりあえず、狩ります」シャキィン
ブチッ
キメラ「ズワァァァァァァァァァ……ア……アア……ア……」ピクピク
女「……あ……ええ……?」
天使「……政府はまだ発表してないみたいですね。感染者の末路を。感染者数が一定だったら問題ないでしょうけれど、これから感染者数が増えるようでしたら、いい加減民衆にもこの事実を伝えるべきだと、私は思います」
女「……て、んしちゃん……」
女「……」
天使「……」
モブ男2「……」
ギャル「でさー、まじ、梨汁ブシャアアアアアアアアアアアアアってカンジwwww」
ギャル2「ウケるーwww」
ギャル「私ってほんっと救えないクズだったわまじすぐしのういますぐしのう屋上いかなきゃでもそのまえに鍵もらってこないとじゃあ先生をころ」
ギャル2「ウケるーウケるーウケるーウケるーウケるーウケるーウケるーウケるーウケるーウケるー」
天使「」ブッシャアアアアアアアアアアアアア
女「……」
モブ男2「……」
チャラ男「おいモブ男2、お前の友達ふたりとも天使にコレされたんだってなー」
チャラ男2「お前がヤったんじゃねーのぉ?」
モブ男2「そ、そんなわけないだろ!」
チャラ男3「おーおー怒ってるw」
チャラ男「少なくとも疫病神だよなぁ?」
チャラ男2「いーえーてーるーw」
女「……」
天使「……女さん、教科書忘れたんですか?」
女「……」
天使「……」
放課後
モブ男2「な、なあ女」
女「……なあに」
モブ男2「い、一緒に帰らねえ?」
女「……ごめん、私、用事あるから」
モブ男2「そ、そうか……」
同じ日の、数時間後の放課後
天使「……」ガラッ
モブ男2「俺は疫病神なんだきっと俺は汚くて下賎な男なんだだからああやって馬鹿にもされるああ俺は死んだ親友たちにどう顔向けすればいいんだ」
天使「……モブ男2さん、正気に戻ってください」
モブ男2「……ッ!」ガッ
モブ男2「ふざけるな!お前のせいで……お前のせいで!」
天使「私にはあなたをどうすることもできません」
モブ男2「なんでだよ!!」
天使「あなたは感染者じゃない」
モブ男2「……ッ!!」
女「ねえ」
天使「……女さん?」
女「クラスの人数、すっかり減っちゃったね」
天使「そ、そうですね……」
女「半分以下、か……まるで戦後だこりゃ」
天使「……」
女「ねえ、天使ちゃん」
天使「……はい」
女「私が感染者になったら、殺してね」
担任「どういうことなんだ天使!」
天使「あれは私がやったことではありません」
担任「嘘だ!お前以外が人殺しをしていいはずがない!だからお前だ!」
天使「人殺しをしていい、してはいけないなんて関係ないと思いますが」
担任「口答えするな!」
天使(……やろうと思えば誰だってできるじゃない)
天使「……クラスのチャラ男三人衆がグラウンドに磔に」
天使「ずいぶんと悪質なことをするわね、天使だけが人殺しを合法とみなされる中、一般人が人殺しをしたとする。でもそんなこと許されない。だからそれを隠すために先生は血眼で私に罪をなすりつけてくる。でも大変ね、これがバレたらあなたは「天使に罪を擦り付けようとしたデーモン」に成り下がるのよ?」
天使「モブ男2」
モブ男2「……」
天使「なんとか言いなさいよ」
モブ男2「ころしてくれ」
天使「無理よ」
モブ男2「……」
天使「満足した?親友を馬鹿にしたバカどもをとっちめられて」
モブ男2「……悪魔め」
天使「なんとでも言いなさい。あなたには見えないの?私の背中に生える二股の翼が」
モブ男2「……もういい」クルッ
天使「……」
天使「……っ」
ガチャ
ッバーン!
モブ男2「……」バタッ
天使「……」タッタッ
天使「……泣いてる」
担任「え~クラスの人数がとうとう二人になってしまいました~~あっ、でも先生合わせれば三人だねピッピロリ~~ン!」
女「……」
天使「……」
担任「先生ネ、素晴らしいことに気がついたんで~~~す!そう、気がついた!この感染病は強い心を持つことで保てるのでぇ~~~す!だから先生は宗教に入っちゃいました~~~!これで元気百倍だピッピロリ~~ン!」
天使「……」バァン
担任「」チーン
女「……」
天使「……」
女「二人に、なっちゃったねぇ……」
女「あの時の担任って化け物だったね」
天使「そうですね、人々によって化け物の見解は違います」
女「そっか、じゃあ、今の私は化け物?」
天使「……いいえ」
女「そう。首元から頭が五つあって、常に目からピンクの涙を流す私は、化け物じゃないんだ」
天使「……」
女「ころして」
天使「……」
女「ねえ、ころしてよ」
天使「……だめ、です」
女「だって、天使ちゃんにも感染しちゃうよ!?汚くなっちゃうよ!?」
天使「それでも構いません」
女「……」
天使「あなたは、私に優しくしてくれた。天使という名前があるにもかかわらず、気兼ねなく接してくれました。ありきたりなことかもしれないけど、ありきたりが、私にはすごく嬉しいんです」
女「……」
天使「私、人を殺す前だとハイになっちゃうんです。だから自分で自分が怖い。世界がぐにゃりと歪んで、夕日のように眩しいものが見えたりするんです。それに向かって走ってると、目の前にいた感染者が血しぶきをあげている。私はそれが、たまらなくこわい」
女「……」
天使「……女さん、私の羽根を千切ってくれますか」
女「……だめだよ」
天使「……女さんなら、そう言うと思いました」
女「夕日がとっても綺麗ね」
天使「……そうですね」
女「眩しい光が見える?」
天使「ええ……見えます。とっても赤い、綺麗な光」
女「追いかけないの?」
天使「……追いかけたらあなたがきっと死んでいます」
女「……そっか」
女「天使ちゃん」ギュッ
天使「うん」
女「すきだよ」
天使「……」
天使「……わ、私も」
天使「私も、私もすき」ギュッ
おしまい
ありがとうございました。
明日になったらHTML化に出そうと思います。
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中々世紀末な
乙
おつ
乙
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