キース「これより入団式を行う!!」 ユミル「…」(20)

ユミルメイン
年齢以外の設定無視、12巻までのネタばれ注意
短い、15レスくらい

キース「これより入団式を行う!!」

ユミル「…」

ユミル「(面倒くせえな…最近の若いの間ではこういうのが流行ってるのか)」

キース「貴様はなんだ!」

ミーナ「トロスト区出身!ミーナ・カロライナです!!」

キース「違う!貴様はブタ小屋出身の家畜以下だ!」

ミーナ「ハッ!自分はブタ小屋出身の家畜以下であります!」

ベルトルト「(バレたらどうしようバレたらどうしようバレたらどうしようバレたら)」アセダク

ライナー「(ベルトルト、挙動不審だ!!頼むから自然にしてろ!)」

キース「…(こいつらウォールマリア南部出身か、じゃあ多分巨人見てるな)」フイッ

ユミル「…」

ユミル「(ああん?なんか文句あるのか?この尻の青い若造があ!!)」ギロリ

キース「…(こいつガラ悪そうだ。やめとこう)」フイッ

コニー「(すげえ、あいつら何も言われてねえ!)」

キース「貴様ら!!これより総統より話がある!心して聞け!!」

ザックレー「入団おめでとう、諸君。私は総統のダリス・ザックレーだ」

ユミル「(ん…?ダリス・ザックレーだと…)」

ザックレー「早速だが、君達を甘やかすつもりは毛頭ない。これから文字通り血反吐をはいてもらうことになる」

ユミル「(あ!ザックレーんちの洟垂れダリスじゃねえか!大きくなったな…)」


ザックレー「君達はオシメ付きとはいえ兵士であることに変わりはない。いざという時には命をかけてもらう」

ユミル「(お前のオシメを変えてやった日が懐かしいよ)」

ザックレー「そのためには自覚が必要だ。いつまでも母親の乳房を咥えて甘えてもらっていては困るのだ」

ユミル「(3歳までおっぱい離れができなくて、やだ~ままのおっぱい触る~!!つって泣いてたくせによ…)」

ザックレー「教官に小便くさいガキと罵られ、死ぬ寸前まで走らされ、徹底的に精神と肉体を痛めつけることになる」

ユミル「(そういやお前、5歳の時私の膝の上でお漏らししたろ…あんときゃマジで臭かったぜ)」

ザックレー「地獄の日々を乗り越えたとき、君達は一人前の兵士として人類の希望となる。心臓を捧げよ!」

ユミル「ハッ!」シレッ


~技巧訓練中~

クリスタ「この装置って本当にすごいね~」

サシャ「アンヘルっていう人が開発して、60年くらい前に実戦投入されたんですよね?座学で覚えましたよ!」

ユミル「私が子供の頃には、こんな便利なものは無かったんだけどな」

クリスタ&サシャ「!?」


ユミル「…っていう話を、この間街に出たとき、花屋のばーさんから聞いた」

ユミル「人類が巨人に立ち向かえるようになるなんて、思ってもみなかった、てさ」

クリスタ「そっか~今のお年寄りが若い時には無かったもんね、そう考えるとすごいね~」

ユミル「ああ、そうだな」

ユミル「(ふう、あぶねえあぶねえ)」


~食事中~

ハンナ「ねえ、クリスタは何年生まれなの?」

クリスタ「え、私は835年だよ?」

ハンナ「じゃあ、私と同じ12歳だね!」

クリスタ「ねえ、ユミルは何年生まれ?」

ユミル「んー?私は773年…」

クリスタ&ハンナ「!?」


ユミル「…に生まれたじいさんが60歳の時の初孫だ。だから833年だ。」

クリスタ「じゃあ、ユミルは私たちより2つ上の14歳だね」

ユミル「ああ、そうだ」

ユミル「(ふう、あぶねえあぶねえ)」


~宿舎~

ミーナ「ねえ、ハンナはフランツと付き合いだしてどのくらい?」

ハンナ「え、3か月くらいだけど…」

ミーナ「ねえねえ、もうキス位はしたんでしょ?」

ハンナ「え…そ、それは秘密!」

ミーナ「したんだ~いいなー私も彼氏欲しい~。ねえねえ、ひょっとして、キスだけじゃなかったりする?」

ユミル「お前ら嫁入り前にはしたねえな…」


ミーナ「あれ、ユミルって意外にお堅いタイプ?『結婚するまではそういう事はしません!』みたいな」

ユミル「…普通の女は婚前交渉とかしないもんだろ」

ミーナ「え~?結婚するまでにいろんな恋をしておかないと、後悔するよ~」

ユミル「お前らもういい加減にしておけ。自分は娼婦ですってでかい声で言ってるようなもんだぞ」

ミーナ「ちょっとユミル古すぎるよ!50年前の人みたい」

ユミル「(これが今の若者の考えなのか?いつからこの国はこんなに乱れちまったんだよ…?)」


~街~

ユミル「(休暇に街に出て旧知の知人の家を廻ってみれば)」

ユミル「(どいつもこいつも年食いやがったな…当たり前だが)」

ユミル「(3丁目のアイザックは可愛い孫娘にデレデレ)」

ユミル「(泣き虫のマーガレットは3人の子供と7人の孫に囲まれて大往生)」

ユミル「(おしゃまのメアリは孫のプレゼントを買った帰り道でぽっくりいっちまったらしい)」

ユミル「(皆死んじまった。生きてる奴も、私を見たら驚くだろう…いや、忘れてるかな?)」

ユミル「(もう、私を知ってる奴はいないんだな…)」


~宿舎~

ミーナ「ねえ、みんなの実家はどこなんだっけ?私はトロスト区出身で、両親と一緒に住んでたんだけど…」

ユミル「お前は豚小屋出身じゃないのか?」

ミーナ「違うってば!それでね、両親は本屋を営んでて、私も退役したらお店を継ごうと思うんだ」

ユミル「今から退役後の話かよ」

ミーナ「もう…いちいちからかわないでよ。クリスタはどこ生まれ?ご両親は何をしてる人?」

クリスタ「え?ええと、あの、その…」

ミーナ「?」


ユミル「…誰だって話したくないこともあるだろ、ほっておけよ」

ミーナ「何よう…ユミルはどこ生まれ?」

ユミル「ああ…忘れたな。」

ミーナ「!?」

ユミル「ああ…いや、正確には知らないんだ。拾ってくれた奴も死んでる。だからわからない」

ミーナ「あ…そうなんだ、ごめんなさい。私、あなた達の事何も知らないで、無神経な事を聞いちゃった」

ユミル「別にいいさ」


ミーナ「ごめんなさい、クリスタ」

クリスタ「ううん…気にしないで。友達の事を知りたいのは普通だもの。」

クリスタ「私はミーナに知りたいって思ってもらえて、嬉しかったから」

ユミル「けっ…女神さまは優等生だねぇ…」

ユミル「(訓練兵に親が死んでる奴は珍しくねえが…)」

ユミル「(親の事を聞かれただけでこの慌てっぷり、こいつ両親に何かあるのか?)」

ユミル「(ひょっとして、こいつ…)」


~冬~

キース「貴様らのうち、希望者に雪中行軍を行ってもらう!!」

キース「これは強制ではない!巨人は南から来るため、北方が戦場となることはまず無いからだ!」

キース「だが、貴様らのうち憲兵に配属された者は、雪山で遭難した者を救助に行く機会があるかもしれん!」

キース「憲兵を志望するような志の高い者だけ、あとで3人組を作って私のところに来い!!」

ユミル「だってよ。ほら、いこうぜクリスタ」

クリスタ「う、うん。でも、3人組だよ?誰を誘おうか…?」


ユミル「そうだな…」

ユミル「(出来るだけ弱っちくて、頭の回転が鈍くて、気の弱そうな奴がいい…)」

ユミル「(それなら上手く言いくるめて、行軍中クリスタと二人になる時間を作れるだろう…)」

ダズ「」キョロキョロ

ユミル「おい、あいつにしようぜ?」


本編につづく


おわりです

ふと思いついただけなのでお粗末でした

がんばれ
まだいける

非常に読み応えがあって面白かった
SSとは思えないような完成度
随所に張り巡らされた伏線とその鮮やかな回収の仕方
登場人物たちの事細かな心理描写、それによって成せるリアリティある会話
特に終盤の山場では凄く感情移入しちゃって見てるこっちがハラハラしちゃったよ
そして飽きのこないストーリー展開、王道でありながら新しいストーリーは
この作者独特のレトリックによって成せる新ジャンル
間違いなくこの作者はいずれプロの作家として大成するんだろう
こんな素晴らしいSSに出会えてよかった
次回作も期待してるから頑張ってくれ

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