見滝原バッティングセンター
さやか「ふっ!」
カキーン
QB「ガッツのフォームで打つ女か。そりゃあ恋愛対象から外れるね」
さやか「うらーっ!」
カキーン
QB「さらにいえば人間ですらない」
さやか「ぐぬっ!」
スカー
QB「おやおや、どうしたんだい?」
さやか「アンタねぇ……アタシは今最強に気分が悪いの……わかる?」
QB「……」
さやか「アンタなんか眉ひとつ動かさずキュッと首を締め上げる事だって」
QB「怖い怖い。まるで狂犬だねぇ」
さやか「そうよ! でもアタシはゾンビだからね……狂犬のほうがマシよ」
QB「どうしてキミはそう自分を卑下するんだい?」
さやか「アンタがそうしたんじゃない!」
QB「自分がゾンビである。そう自覚することがおかしいとは思わないのかい?」
さやか「だ、だってあんな……あんなに」
QB「そりゃあキミ達からすれば魔法少女は人間ではないのかもしれない。それは理解した」
さやか「そうよ。あんな傷ついて平気な人間がいるわけないっ……!」
支援
QB「しかしそれはただの認識であって、キミは確かに人間の延長線上にある存在だ」
「大体、人間といっても全ての機能が同じわけではない」
「差異は個体でみれば当然あることであり、そんな些細なことに苦悩するなんて」
「まさに人間であるという証明じゃないか」
「ゆえに普通であるとキミは主張するべきだった」
さやか「……で? 結局何がいいたいの。ぐだぐだと」
(こいつは人の気持ちなんて本当にわからないんだ。騙してるとさえ感じていない)
QB「まどかにあんなことを言うべきではなかったね、さやか?」
さやか「なっ……」
QB「……」
好例のサヤカす
支援
さやか「あれで良かったんだ……アタシとまどかはもう住む世界が違う」
「アタシは死んだ体を動かして生きてるフリをしてるだけの石ころなんだよ」
「巻き込まずに済むならあれで良かったんじゃないの」
QB「そうか……その言葉通りならいいんだけど、ならどうしてキミはそんなに傷ついているんだい?」
「戦い方もまるで自分が人間でないという事を確認するための作業さ」
「そうやって自分のすがっていたものを一つずつ切り離していって」
「スッキリ自殺でもするんじゃないかと心配になる」
さやか「な、何でアンタにそんなこと言われなきゃなんないのよ!?」
「アンタはアタシをこんな体にした元凶で、騙して利用してるヤツでしょうが!」
支援
支援
さやさや
QB「……さやか、キミに言っておきたいことがある」
さやか「ハァ? 何よ白々しい」
QB「前にソウルジェムの濁りについて、話してなかった事があるのを思い出してね」
さやか「ソウルジェム? ああ、アタシの魂のなれの果てね……ウフフッ」
QB「見せてもらえる?」
さやか「……」
QB「ああ、やはりだ。ずいぶん濁ってしまっている、早くしないと取り返しのつかないことになるよ」
さやか「きれいにしておかないと魔法が使えなくなるんだっけー? そりゃ困るわー」
QB「……さやか、あろうことかキミはせっかく手に入れた貴重なグリーフシードを杏子にあげてしまったね?」
さやか「借りを返しただけよ」
(事情がなによ。あんな利己的な魔法少女にアタシは絶対にならない)
支援
支援
QB「キミはまだ未熟な魔法少女なんだ。誰かの助けがあったとして恥じることはない」
さやか「何を考えてるの? どうして急にアタシを心配するの?」
QB「さやか、本当のことを教えよう」
「キミのそのソウルジェム、ただ魔法を使ったからといって消費するものじゃないんだ」
さやか「どういうこと?」
QB「ソウルジェムは言葉通り魂そのものだっていうのは理解できているね?」
「つまりキミの精神状態がネガティヴに傾くだけでも濁ってしまうのさ」
「そして魔法少女が生き残るにはネガティヴにならないことこそが必要不可欠なんだ」
「これは単純に魔女に勝つことよりも重要なことかもしれない」
さやか「魔女に勝つよりも重要……!?」
魔女化した際のエネルギーが目当てなのにネタバラシしちゃうの?
支援
QB「そうだ。例えば佐倉杏子、キミは盗みを悪と思うだろうが彼女はそう考えていない」
「生きるために必要なこと、だ」
「もちろん彼女も元からそういう人間ではなかった」
「魔法少女として生き残る処世術として、その考えに至っただけだ」
「キミ達の常識からすれば逸脱しているし悪といっていいかもしれない」
「しかし杏子は生きのびてきたのだから、魔法少女としては正しい考え方といえる」
さやか「アイツからも言われたわよ……でもアタシはあんなヤツみたいに生きるなんて」
QB「わかっている。だからキミはマミの方法を選んだ」
さやか「そうよ……でも方法って何よ!」
QB「やれやれ……言葉というのは難しいね。こちらとしては適切でわかりやすい表現で言ってるつもりなんだけど」
支援
支援
うんこ
さやか「いいわ。こっちだって今さらアンタと分かり合えるなんて思ってないわ、続けてよ」
QB「……巴マミの方法とはこうだ。彼女は町の平和を守る正義の使者という役割を演じていた」
「いや、本気で信じていたのかな?」
「とにかくそう思い込むことで、自分が普通の人間とは違うという現実から目をそらしていた」
さやか『まあ舞い上がっちゃってますねーっ! これからも見滝原の平和はガンガン守っちゃいますからねー!』
さやか「……」
QB「しかし、生き延びることが出来ていたのだから、正しい判断だったといえる」
「つまり魔法少女としての常識を作ることこそが重要なんだよ」
さやか「……」
QB「さやか、キミは真面目すぎる」
「杏子を非難したことからわかるように、キミはまだ人間としての常識にとらわれすぎている」
「それでは持たない。魔法少女として生き残ることは難しい」
さやか「アタシも人ではなく魔法少女としての常識を身につけろって?」
QB「生き延びたいならね」
さやか「生き延びたい? アハハッ! どーなんだろーねそれ」
仁美『ずっと前から私、上条恭介君のことお慕いしてましたの』
『私決めたんですの。もう自分に嘘はつかないって』
さやか「恭介はとられちゃったし……まどかも……ウフッ、アハハハハッ!」
「ていうかアタシもマミさんと同じなんでしょ? だったら」
QB「いや、キミはマミとは違う。マミにはなれない」
支援
支援
さやか「な、何でよ? 何でアタシはマミさんに……そりゃ実力が全然ちが」
QB「そういう意味じゃない。キミは心の底から正義の使者でいいだなんて思ってない」
「言い方は悪いが偽善だ。自分を偽ってやっているにすぎない」
「キミにはマミのやり方は合わない」
「どちらかといえば杏子のように生きるために必要な事だと割り切るほうが合っている」
「キミは自分が善であると自覚できる程、純粋でも鈍感でもないんだ」
「とにかくキミはマミ以外の方法で、今までの常識を変える必要がある」
さやか「……ど、どうしてよ」
QB「ん?」
さやか「どうしてっ! どうして今になってそんなことを私にっ!」
QB「そんなの決まってるじゃないか」
さやか「なにが!?」
QB「キミに生きていて欲しいからさ」
はよ
ダークサイドさやかは真面目に強そうだな
しえん
支援
さやか「何を企んでいるのよ……アンタ、アタシに何かさせたいわけ?」
「上手く騙してこれ以上なにかに利用しようっての?」
QB「誤解しないでほしいな、キミにこれっぽっちも利用価値なんてないさ」
さやか「ハアァ?」
QB「キミのような子は今まで何人も見てきた。繊細な少女の典型ともいうべき人物だろう」
「別に珍しくもなんともない」
「そしてそういう子は得てしてすぐに死んでしまうのさ」
「しかし、しかしだ。だからこそキミにヒントを与えたいんだ」
さやか「つまり実験ってわけ?」
QB「どうかな……とにかく僕はキミに生きてほしいって願うだけさ」
しえ
支援
支援
さやか「意味が分からない……要するにアンタの気まぐれなの?」
QB「それじゃ僕からも言わせてもらおう。どうしてキミは魔法少女の未来に希望がないと決めつけられる?」
さやか『何でも出来る癖に何もしないアンタの代わりにアタシがこんな目にあってるの!』
さやか「どうして希望なんか! ずっとこんな体で戦い続けなきゃなんないのに!」
QB「それはキミの決めたことだ。問題はそこじゃない、なぜこうまで魔法少女の体さえも否定するんだ?」
さやか「それは……」
さやか『こんな体じゃ抱きしめてなんていえない。キスしてなんていえないよ』
さやか「……化け物だからよ……だってそうじゃない!」
「今アタシの体は抜け殻で! 本物は石ころの中にいる!」
「こんなの死んでるのと同じじゃない!」
QB「だから否定をするなといってるだろう?」
「どうしてキミ達は魂のありかなんかにこうも拘るのか」
「わけがわからないよ」
しえん
支援
十
又
さやか「だって……だって!」
QB「魔法少女は魔女との過酷な戦いを強いられる」
「なのに弱点だらけの体のままで戦ってくれだなんてとてもお願いできないよ」
「魔女と戦うと決断した以上、今の形にならなければキミは一度だって戦い抜くことは出来なかったはずさ」
「むしろ魔女に勝ち続けグリーフシードを確保している限り、デメリットなんて一つもない」
「その気になれば常に健康状態での不老不死が実現するんだよ?」
「これは人類の抱えた大きな一つの夢の実現じゃないか。そうじゃないのかい?」
「どうしてキミ達はメリットを無視して、そうネガティヴに物事をとらえたがるんだ?」
「もしかして悲劇ぶりたいだけじゃないのかい?」
さやか「……アンタにアタシ達人間の気持ちなんて」
QB「非常に面倒くさい生き物だよ全く」
さやか「……」
QB「でも僕はキミに死んでほしくないんだ。これはわかってほしい
「だからいいかい? 僕が親切にもキミが魔法少女として生き残るために今一番必要なことを教えてあげるよ」
「志筑仁美を殺すんだ」
支援
支援
さやか「ぇ……?」
QB「仁美を殺すんだ、さやか」
「人間ならいけないことだがなぁにキミは魔法少女だ、些細な事じゃないか」
「キミが生き残るために必要な事じゃないか」
さやか「あ、あ、アタシが仁美を……?」
QB「キミがこうなってしまった悪の根源」
「あれを削除しない限りどうしたってキミの人生は好転しない」
「何をやってもついて回る呪いのようなものだろう」
さやか「でっ……出来るはずがない! 人殺しなんて出来るはずが!」
「そ、そ、それも友達を……友達なのに!」
さやかぁ…
QB「まあ良く考えてみよう。彼女は一度キミが救ってやっているんだろう?」
さやか「……」
QB「つまりキミがいなければ志筑仁美は初めから死体なのさ」
「死体を殺して何の罪になるんだい?」
「まあ死体損壊くらいにはなるのかもしれないけどね」
「とにかく魔法少女の常識で考えてみようよ、さやか?」
さやか「魔法少女の……常識?」
QB「そうさ。僕がさっきからさんざん言って聞かせているじゃないか」
「キミはキミのルールを新たに作るべきなのさ」
「どうして人間ではないと自覚しているのに未だに人間のルールに縛られるんだい?」
「キミは魔法少女としてのルールを身に着けなければ犬のように死ぬだけなのに」
「この世界に対してそこまでやってやる義理はないってキミだって薄々わかってきたはずなのに」
支援
さやか「あ……うぁ……でも、ア、アタシは……」
QB「さやか、一ついいことを教えてあげるよ」
「マミがあのお菓子の魔女に食べられてしまったとき、キミはどう思った?」
さやか「怖かった……怖かっただけよ! 怖かったの……」
QB「果たしてそうかな?」
「キミはマミが死ぬ時、うれしかったんだと思うよ」
さやか「う、うれしかった?」
QB「あの時、キミからは脳内物質エンドルフィンが分泌されていた」
「驚くべくことにあの瞬間にキミが快楽に浸っていたのを僕は知っているんだ」
さやか「うう嘘をいわないでよ! そんなわけあるもんか! アタシがマミさんをそんな」
QB「僕は嘘はついたことはないしその必要もない」
「とはいえそれは一番キミ自身がわかっているはずだよ」
「信じられないことだが、あれだけ慕っていたように思えたマミの死を」
「キミは喜んでいたんだ」
さやかちゃん変態なの?
支援
こういの好きだわ
さやか「……」
QB「ハッキリいえばキミは快楽殺人者の素養があるんじゃないか?」
「普通の、人間社会での一般的な常識であればそれはとんでもないマイナスだ」
「行為に及んだ人間は一度甘い蜜を吸えば捕まって死刑台に送られるまでそれを続けるしかない」
「しかしキミは幸いにも魔法少女になったんだ」
「ただの人間では狂った殺人者も、魔法少女ならば正当化できなくもない」
「もちろんそのためのルール作りだ。魔法少女としての常識」
「いや、魔法少女さやかとしての常識作りをしよう」
「ルールとしては救った人間の中から少しだけ間引くというのはどうだろう?」
「どうせ死んだはずの命なんだ、それくらいの報酬は安いものだよね」
「それならば良心の呵責? とやらを感じる必要もないだろう」
「もう一度いおう、さやか」
「仁美を殺すんだ」
「グリーフシードと同等かそれ以上の浄化を約束するよ」
イイネ
>>15
気が変わったか何か策があるんだろうな
さやか「な、なな内臓が全部飛び出して、アバラが拉げて、ぐちゃぐちゃにぃー」
「わかめ……わかめ! あのわかめ! 文字通り東京湾に沈めてやっちゃう!?」
「かっかかっ……! いやー海よりは山なわけで。それも赤土が出るまでふかーくー」
「深くよ。絶対見つからないまでに深く。地滑り注意! ふっふう、キャハハハ!」
「アハハ! アハアハ! や、やるかー! 山はいいよねー! やまー!」
「ハイテンションだね! ハイテンショオン!」
「ここっ殺すって決めたらさぁ……すすすっすっごい気分高揚ッ!」
「してきっちゃったぞもおおおおおおおおお!」
「エヘヘヘヘ! イヒヒヒヒ!」
QB「やはりキミは最高(バカ)だな」
さやか「ロックだねぇ……本当はそう! クラシックなんかよりロックよねーっ!」
「ロック! ローーーーーック! いわあぁぁ! 岩?」
「岩で仁美の、ひっとみーの顔ーがグシャグシャにぃいいいひひひひひひ!」
QB「僕に言わせればキミらはみんな病気だ」
おわり
待て
乙
さやか怖すぎ
支援
支援
支援
さやか「ケヒッ……ケヒヒッ」
乙
こわE
乙だけど待ちーや!
いいとこだろう!!
このSSまとめへのコメント
マジキチだな
きらいでない