伊織「冗談じゃないわよ!何なのその企画!?アンタふざけてんの!?」
響「冗談じゃないぞ!全然ワケわかんないぞ!?ちゃんと説明してくれ!」
P「……落ち着け」
伊織「アンタ、暑さで頭がやられちゃったの!?まだ6月よ!?しっかりしてよ!」
響「何だってそんな事しなくちゃいけないんだ!?いくらプロデューサーだからって、納得出来ないぞ!」
P「落ち着け。2度言わすな」
伊織「……」ムスーッ
響「……」ブー
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1386762695
P「今からちゃんと説明する。質問がある者は挙手してくれ」
P「まず、現在わが765プロの他のアイドルの活動について説明しよう」
P「竜宮小町は先のフェスでジュピターに敗北して、現在まで活動休止。充電期間をおいて再スタートの時期を見計らっている」
P「そして竜宮小町はそれぞれ別々に活動中、竜宮小町以外のアイドル達も、それぞれテレビ中心のタレント活動が主だ。ここまでは良いな?」
P「先頃やよいが出演したクイズ番組での珍解答が受け、この度レギュラー出演が決定した」
P「貴音は亜美真美とグルメリポート番組でコーナーのレギュラー枠を獲得。毎週メガ大盛のメニューを貴音対亜美真美で大食い対決。それが受けて来月2時間スペシャルで五番勝負を行う」
P「あずささんは春香・千早・美希と4人で冠の旅番組が放送中。毎週あずささんが消えて、春香が泣いて、千早の目が死んで、美希が爆睡する予定調和が受けてるそうだ」
P「真と雪歩はゴールデンのバラエティーにレギュラー出演。特に真のダンスバトルのコーナーと雪歩のお悩み相談にポエムで答えるコーナーが視聴者の心を鷲掴みだ」
P「で、だ。今現在、特に仕事の無いアイドルが2人いる。だーれだ?」
伊織「……」
響「……」
P「もう一度ハッキリ言うぞ。お前等は業界内から割と敬遠されている」
伊織「それ!それよ!この水瀬伊織が敬遠!?それがふざけてるってのよ!!」
響「百歩譲って敬遠されてるとしても、自分と伊織じゃ天と地くらい差があると思うぞ!伊織のはリアルに嫌われてるだろうから、自分はそんなに悲観してないぞ!」
伊織「はぁ!?アンタ何言ってんの!?どう考えても嫌われてるのはアンタの方でしょ!」
響「な、何言ってるさー!?自分は完璧なんだぞ!伊織みたいに家柄を鼻にかけたりしてなきぞ!」
伊織「誰が家柄を鼻にかけてるってぇ!?アンタこそスタジオやロケ先にペットをわんさか連れて行ったりしてるそうじゃないの!そういうの迷惑だからやめなさいよね!」
響「うるさいなぁ!伊織だって共演した他のアイドルに高飛車で高慢ちきな態度とってるって聞いたぞ!?そんなだから業界の人に嫌われるんだぞ!」
伊織「それはアイツ等が絡んで来たからよ!大多数の共演者とは上手くやってるんだから!アンタ自分の事完璧完璧って言ってるけど、動物のニオイとか毛とか付けまくってる奴が完璧とかちゃんちゃらおかしいわよ!」
響「何をぉ!?」ガルルル!
伊織「何よぅ!?」キシャーッ!
P「はいはい、ストップストーップ」
P「ま、業界に敬遠されてる理由ってのが……今お互いで罵倒し合ったのが大筋の理由だ」
P「お前達はな、良くも悪くもクセが強いんだよ」
P「他のアイドルにも欠点が無いワケじゃあないんだが、みんなある意味癒し系な雰囲気があって、それらの欠点をカバーしてるんだなこコレが」
P「だがお前達は攻撃的な部分があって、欠点を無理して隠そうとするきらいがある」
P「伊織は無駄にプライドが高い。響は自分を完璧に見せたがる。欠点はまだまだあるんだが、ここで一気に列挙しようか?」
響「え、遠慮しとくぞ……」
伊織「……フンッ!」プイッ
P「で、このままお前達だけが燻っているこの状況は、765プロ的にも問題ありと判断した」
P「そして先日社長と律子と俺とで会議をして、1つの方向性を見出だした。そしてその企画をとあるディレクターに持って行った」
P「結果は好感触だった。そしてついさっき、ディレクターからダシンがあった」
伊織「……どういう事?」
響「も、もしかして?」
P「伊織、響、2人をゴールデンのバラエティーで1ヶ月密着取材させてくれとオファーがあった」
伊織「えぇっ!?」ガタッ
響「ほ、ホントか!?」ガタッ
うわ…つまんね、やめれば?^^;
P「マジマジ。久しぶりのデカい仕事だから、気合い入れてくれよ?」
響「や、やったー!自分、ゴールデンで密着取材なんて初めてだぞー!?」
伊織「ま、まぁこのスーパーアイドル伊織ちゃんには小さい仕事だけど、せ、せっかくだから引き受けてあげるわ。ニヒヒ♪」
響「いやぁ、自分、プロデューサーはやれば出来る子だと思ってたさー!プロデューサー!良い子良い子してあげるぞ!」ナデナデ
P「やめろ」
伊織「まぁアンタにしてはよくやれた方じゃない?ご褒美にこの伊織ちゃんの靴にキスさせてあげても良いわよ?」
P「いらん」
P「ところで、この企画で何をやるかはまだ話してないんだが」
伊織「へ?普通に私達を密着取材するんでしょ?」
P「そんなワケあると思う?」
響「……違うのか?」
P「違うねぇ。弱小事務所のアイドル2人を1ヶ月も密着取材するワケないだろ?ゴールデン番組が食いつくようなオマケを添えない限り」
伊織「……オマケ、って何?」
響「何かイヤな予感が……」
しえん
響「あ、わかったぞ!自分達をワンルームマンションか何かに押し込んで、1ヶ月の間使える生活費が1万円だけとかだろ!?」
P「そんなありきたりの使い古しコンテンツなワケあるかぃ」
伊織「……もったいつけないで早く言ってよ。内容次第では断るつもりだから」
響「じ、自分1人でも良いなら出演するぞ?」
P「ダメだ。この企画はお前達2人が参加して初めて成立するんだ」
伊織「……で、何をさせられるワケ?」
響「……」ゴクリ
P「あえて簡単に言うとだな。伊織と響、今日からお互いの生活を入れ替えろ」
伊織「え?」
響「え?」
P「伊織は響のマンションで動物に埋もれて生活しろ。響は水瀬の豪邸で執事やメイドに甲斐甲斐しく世話されろ。その様子をゴールデンで垂れ流せ。以上だ」
伊織「はああああああ!?アンタ何言ってんの!?アンタ馬鹿ぁ!?」
P「落ち着け。それは別のツンデレだ」
響「な、何でそんな事しなきゃいけないんだー!?」
P「その方がテレビ栄えするからじゃね?」
P「普段からお嬢様アイドルとしてチヤホヤされた小生意気な小娘が、狭いマンションで芋ジャージを着せられ雑多なペットと寝食を共にする画が欲しいそうだ」
伊織「ちょ、何よそれぇ!?」
P「そして、それとは逆に沖縄という未開の地で育った野生動物に、綺麗な服と豪華な食事と洗練された奉仕を与えたらどうなるかというドキュメンタリーな要素も欲しいそうだ」
響「謝れ!沖縄県民に謝れぇっ!!」
すみません、ちょっと小休止します。
いおりんは俺と一緒に生活すればいいんじゃないかな(名案)
いおひび、そういうのもあるのか
期待
うわ…面白い、続けて♪
これは期待
乙期待
Pの家で生活すれば解決
765SSやでぇ…感涙やでぇ…
他の面子の番組も地味に気になる件
某太陽の王子「冗談じゃないぜっ!」
このPなんかクソうぜぇな
デキないのに部下に仕事のなんたるかを語る上司みたいだ
>>23
お前も辛い思いしてんだな
可哀想に
P「はーい、じゃあこの事務所から出たらすぐに密着取材だから、今のうちに準備すんぞ。まず、今着てる服を交換しなさーい」
伊織「は、はぁ!?」
P「髪型も変えるぞ。伊織はポニーテールにして、響は髪を下ろしてデコを出せ」
響「そ、そこまですんのかぁ!?」
P「そこまでやって初めて笑いが産まれると知れぃ!」
響「そんなに笑いとか求めてないぞー……で、デコってこんな感じで出すのかぁ?」
伊織「んもう……このスーパーアイドルな私にここまでさせるとか……」ブツブツ
P「更に伊織はクレジットカード類は没収するからな」
伊織「えっ!?」
P「そしてこのぬいぐるみも没収」ヒョイッ
伊織「ちょ!?シャルルはダメよ!!返しなさいよぉ!!」
P「だまらっしゃい!響も1ヶ月の間ペットに会えないんだから、お前も我慢しんしゃい!!」
響「えっ!?会うのもダメなのかぁ!?」
P「ほら、不満もあるだろうけどさっさと着替えなさい。別にパンツまで交換しろとは言わんから」
伊織「当たり前でしょ!この変態!」
響「うぅ……不安過ぎだぞ……」
P「じゃあ最終確認すんぞ。これから1ヶ月、響は水瀬家の豪邸で何不自由無く暮らせ。伊織は響のワンルームマンションで、ペットに囲まれながら暮らせ。餌やりと散歩を忘れるなよ?」
伊織「……これどう考えても私側にメリットが無いんだけど……リタイアとかしても良い?」
P「良いと思う?」ニッコリ
伊織「……ダメよね」ガックリ
P「それと交換生活の間、仕事内容も交換する」
伊織「え?」
響「仕事内容?」
P「響はやよいとペアの仕事がメインだ。南青山とか麻布のシャレオツなカフェーで優雅な一時を過ごすが良い」
響「……伊織って普段そんな感じの仕事してんのかぁ」
P「そんで伊織は主に猛獣珍獣との体当たりロケ、ひとりぼっちのチャレンジ企画、貴音との大食いロケをこなしてもらう」
伊織「ねぇ!本当にこの企画で私が得する要素あるワケ!?」
P「この企画を無事達成出来れば、お前達の人気もうなぎ登りになるし、お前達も大事な事に気づけるだろうさ」
伊織「……大事な事?」
響「それって何だ?」
P「それは1ヶ月のお楽しみってな」キラリーン☆
伊織「うっざ……」
響「……自分達、どうなるんだぁ?」
伊織がぷちます!の伊織に見えてきた
>>23
哀れな奴だな
はよ
正直まだ俺には面白いかわからんがこんな企画あり得ないだろ・・・・
伊織のはあるかもだが響のはさすがに・・・・
これだったら伊織とやよいでやった方がまだ企画としては成り立つような・・・・
はよ
ナレーター「交換生活、1日目」
響「はいさーい!自分、我那覇響だぞ!」
響「今日の仕事は、えっと……表参道の、オシャレなブティックを見て回るんだぞ!」
響「……これって、仕事になるのか?まぁ良いか!早速行くぞハム蔵!あ、ハム蔵いないんだった……気を取り直して行くぞー!」
響「あ、やばい!ウサギのぬいぐるみ置いてくトコだったぞ!あんまり粗末に扱うと伊織に起怒られるさー!」
響「え?あ、車で行くのか?うん……うわー!?何だこの車!?長いぞ!?ロケバスと同じくらい長いぞー!?」
ナレーター「色々リアクションが面白い響ちゃんであった」
ナレーター「一方その頃……」
伊織「……はい、水瀬伊織よ」
伊織「私は今、我那覇響のワンルームマンションの前にいます……」
伊織「今日からここで1ヶ月暮らすって事なんだけど……」
伊織「……ねぇ、これ本当にこの企画で誰か得するワケ?」
伊織「うぅ……じゃあ入ります」ガチャッ
伊織「お邪魔しまー……うっ!?獣臭い!」
ハム蔵「ヂュ!」トテトテ
伊織「あら、えーっと、ハム蔵だったかしら?わざわざお出迎えしてくれるの?ありがとう」
伊織「てかハムスター放し飼いとか……じゃあ早速上がらせてもらうわよ、と」
伊織「うっ……」
伊織「犬、猫、ウサギはまぁ良いとして、豚とワニとヘビと同じ部屋で生活しなくちゃいけないワケ?」
へび香「シャーッ!」
伊織「ひぃっ!?」ガタッ
ワニ子「ガァーッ!」
伊織「うひぃっ!?」ガタタッ
ナレーター「前途多難なようである……」
ゴミ以下のSSだけど完結させたらみんな褒めてくれるよ、頑張って
ハム蔵「ヂュ!ヂュ!」
伊織「え?何?てか私は響じゃないんだから、アンタの言葉なんか解んないわよ!」
ハム蔵「ヂュ……」
伊織「掃除はちゃんとしてるみたいね……えっと、まずは餌やりから……」
伊織「の前に、このダッサい小豆色のジャージに着替えないといけないのかしら……はぁ」
ナレーター「一方その頃」
響「うわー!?可愛い服がいっぱいだぞー!?」
響「ちなみにこのワンピースの値段は……いち、じゅう、ひゃく、せん、まん……あり得ないぞ!!」
響「なるほどー、伊織はいつもこんな店で服を揃えてるから可愛いんだなー……納得だぞ」
店員「いらっしゃいませ。こちらのワンピース、試着などなさってはいかがでしょうか?」
響「ひゃい!?」
かわいい
かわいい
ぜひ続きを
このいおりんがひと月先には動物共と離れたくないと泣き叫ぶかと思うと俺の獣が目覚めて仕方ない
響「え、え、あの、し、試着?」
店員「はい。今年の新作ワンピースですので、よろしければ是非試着なさってみてはと」
響「あ、あ、あの、ちょっと電話します!」ダッシュ
店員「え?は、はぁ」
プルルルルル……プルルルルル……ガチャッ
P『響か。どうした?』
響「プ、プロデューサー!いいい今表参道のオシャレなブティックに来てるんだけど!」
響「す、すっごい高いワンピース見てたら、店員さんに試着勧められたぞ!どうすれば良い
んだ!?」
P『着れば?っつーか買えば?』
響「な、何言ってるんだ!?5万だぞ5万!ワンピースが5万円もするんだぞ!?自分の稼ぎでそんなの買えないぞ!いぬ美の餌をまとめ買いした時だって1万くらいだったぞ!」
P『落ち着け。あのさ、一緒にいる撮影スタッフの中に、礼服着たお爺さんいないか?』
響「え?オジー?えっと……あ、いるぞ!何かセバスチャンて感じのオジーがいる!」
P『セバスチャンかどうかは知らんが、その人は水瀬家の執事さんだ。今回の響の買い物の代金は全部水瀬家の払いだから、安心して買え』
響「ぅえぇっ!?い、良いのかぁ!?」
P『今回の企画は水瀬家のバックアップが受けられるから、遠慮無く甘えとけ。今のお前は水瀬家のお嬢様っつーていで』
P『っつーか、お前は身なりにもう少し気を使えば、今よりグッと可愛くなれるんだから、たまにはお洒落に金をかけろ』
響「か、可愛く、なれる?」
P『なれるなれる。今だけはペットの事とか、普段の生活水準の事は忘れて、自分を目一杯着飾れ。以上』ガチャッ
響「あ!プ、プロデューサー!?」ツー、ツー……
響「可愛くなれる……自分が……?」
店員「あ、お帰りなさいませ」
響「こ、この、このワンピース試着させてください!」
店員「はいかしこまりました。それではフィッティングルームへどうぞ」
ナレーター「今日の我那覇響ちゃんのお買い物の総額は、ワンピース・ミュール・カーディガン・ネックレス、合計18万円でした」
ナレーター「品物を受け取る時、響ちゃんが涙目で小刻みに震えていたのを、我々は見逃しませんでした……」
やよいだったら失神してたな…
ナレーター「一方その頃、我那覇家の伊織ちゃんは」
伊織「えっと、これが犬の餌で、これが猫の餌で、こらハム蔵!シマリスの餌を横取りしてんじゃないわよ!」
伊織「あーもう!そこで飛び回ってるオウムとモモンガだかムササビだか解んないヤツ!さっさと降りて来て餌食べなさいよ!」
伊織「わ、ワニの餌やりとか……この鶏肉を直接口に放り込めって……」
ワニ子「ンガァッ♪」ガパッ
伊織「ひぃっ!?」
ナレーター「てんやわんやな様子です」
いおひびは初めて見た
ナレーター「そしてこの後、伊織ちゃんは都内の動物園でロケとの事なので、その様子を密着取材です」
伊織「……バス移動なんて久しぶりだわ」
伊織「たまにはバスに揺られてみるのも悪くないかもね……」
ハム蔵「ヂュ!」
伊織「……てかアンタは別について来なくても良かったんだけど?」
ハム蔵「ヂュー!ヂュヂュヂュ!」ドヤァ
伊織「……何かよく解んないけど、任せとけとかそんな感じなの?」
伊織「……響は今頃何してるのかしら?」
ナレーター「買い物を楽しんだ(?)響ちゃん。今度はエステで自分磨きに挑戦です」
エステティシャン「はい、では次は背中のオイルマッサージを行いますね」ヌリヌリ
響「うひぃっ!?く、くすぐったいぞー!?」
エステティシャン「あら、我那覇さんは敏感なのかしら?でも少しだけ我慢してくださいね?」ヌリヌリ
響「うぅぅーっ!い、伊織はこんな事いつもやってるのかぁ!?」
エステティシャン「えぇ、忙しい時でも必ず週に1回はご利用なさってくださいますよ」ヌリヌリ
エステティシャン「伊織さんも若いから肌はスベスベでしたけど、我那覇さんも肌の張りがあって、伊織さんとはまた違ったミリョクがありますねぇ」
エステティシャン「これは……磨き甲斐があるわぁ」ヌリヌリヌリヌリヌリヌリヌリヌリ
響「うひひはひはははっ!?た、助けてくれぇーっ!!」ジタバタ
ナレーター「……こちらはこちらで、大変なようです」
おぼっちゃまくんとびんぼっちゃまが入れ替わって、びんぼっちゃまが味をしめて立場乗っ取ろうとした話あったな
贅沢をしったひびきんの行動に期待
1週間後。
プルルルルル……プルルルルル……ガチャッ
P『伊織か。どうした?』
伊織「どうした?じゃないわよ!一体いつまでこんな事続けなきゃならないワケ!?」
P『密着取材は1ヶ月だ。最初に説明しただろう?』
伊織「来る日も来る日も動物の世話と動物関係のロケばかりじゃない!もうウンザリよ!」
P『あぁ、それなら大丈夫だ。明日から貴音と合流して、都内激安グルメ食べ歩きロケだから』
伊織「何が大丈夫なのよ!?こんな三流タレントがやるような仕事はもうお断りだって言ってるんだけど!?」
P『……やっぱり途中で投げ出すのかぁ。水瀬家の人が言ってた通りだなぁ』
伊織「!?」
P『お前の家族にお話を伺ったんだがなぁ、まぁ皆さん「伊織にはそんな仕事をやり遂げられないでしょう」とか「ジャンバルジャンの世話でさえ使用人任せなのに」とか「すぐに逃げ出すかも知れませんが、よろしくお願いします」とか言われててなぁ』
P『まったくその通りになりそうだなぁ。どうしたモンかなぁ』
伊織「……ざっけんじゃないわよ!はぁ!?すぐに逃げ出す?この私が!?」
伊織「このスーパーアイドル水瀬伊織ちゃんが!こんな簡単な仕事を完遂出来ないなんてあり得るワケ無いじゃないの!なめてんじゃないわよ!!」
P『んー?じゃあリタイアしないって事で良いンですかぃ?』
伊織「リタイアとか論外よ!ちょっと愚痴言ったくらいで早とちりすんじゃないわよ!フンだ!」ガチャッ
伊織「あーもうムカつくわねぇ!こうなったら何としてもこの仕事やり遂げて、あの馬鹿プロデューサーを見返してやるんだから!ムキーッ!!」
プルルルルル……プルルルルル……ガチャッ
響「も、もしもし?プロデューサー?」
P『おう、調子はどうだぁ?今何してる?』
響「い、今はネイルサロンってトコで爪の手入れをしてもらってるぞ」
P『そっかぁ。それじゃ響はますます可愛くなるワケだ』
響「な、なぁ……伊織はどうしてるんだ?」
P『うん?伊織か?何か早くも愚痴って来たっつーか、初日から毎日愚痴ってるぞ』
響「……ハム蔵とかいぬ美は元気にしてるのか?」
P『知らん。まぁ伊織の事だから、愚痴りながらも世話してんじゃないの?』
響「あ、あのさぁ……自分、ハム蔵達が心配だからさぁ、明日辺り会いに行っても良いだろ?」
P『ダメだ』
響「で、でも!自分こんなにアイツ等と離れてた事無いし、アイツ等も自分に会えなくて寂しがってると思うぞ!」
P『例えそうだとしても、密着取材が終わるまでは会わせん。あっちの状況は伊織に会った時に直接聞け』
響「何でダメなんだ!?プロデューサーはケチだぞ!!」
P『ケチで結構。お前もアイドルなら、与えられた仕事をきっちりこなせ』
P『あのお嬢様育ちの伊織でさえ、ナンダカンダ言いながらお前の代わりにペットの世話もしてるし、猛獣達との体当たりロケも敢行してるってのに、お前と来たら……』
P『ちょっと寂しいくらい我慢出来んのか?そっちにも伊織の飼ってる犬がいるだろ?確かジャンバルジャンだっけ?そいつで我慢しとけ』
響「ケチケチケチ!!プロデューサーのケチンボ!!」
P『お、良いな。今の「ケチンボ」ってもう1回言ってくんね?ww』
響「うっさい馬鹿![ピーーー]!!」ガチャン
更に1週間後の夜。
この日の密着取材も無事終了。
小鳥「はい、2人ともお疲れ様。律子さんもお疲れ様」カチャン
律子「お疲れ様でーす。ほら、アンタ達も乾杯しなさいよ」カチャン
伊織「かんぱーい……」カチャン
響「お疲れ様だぞ……」カチャン
律子「それにしてもこのお店良い感じですね。個室もあるから、アイドルを連れて来るにはうってつけですし」
小鳥「たまにあずささんやプロデューサーさんと呑みに来るんですよー。さー今日は呑もう!みんなは未成年だから私だけだけどねww」グビグビ
伊織「はぁ……」
響「疲れたぞー……」
伊織「てかさぁ、アイツは今何してるワケ?」
律子「プロデューサー?多分今も外回りで営業じゃないかしら?」
響「自分達、まだ家に帰れないのかぁ?」
律子「何言ってんの。まだやっと半分過ぎたトコじゃない。あと2週間なんだから、頑張りなさい」
小鳥「せっかくプロデューサーさんがゲットした大きな仕事なんだから、2人ともファイト!」
伊織「……何かもう、全部放り投げて帰りたくなったわ」
響「自分も……早くハム蔵達に会いたいぞ……」
律子「ちょっと……この仕事に不満あるの?」
伊織「不満あるの?じゃないわよ!不満しかないわよ!」
響「こんな事なら仕事少なくても良いから、ハム蔵達と一緒に遊んでた方がマシだぞ!」
小鳥「ちょ、伊織ちゃんとも響ちゃんも落ち着いて!」
律子「プロデューサーにはプロデューサーなりの計算があるのよ。社長と私、プロデューサーが出した結論は、765プロとしての決定よ」
小鳥「それに、現に春香ちゃん達の売り込みは成功してて、ファンの数も確実に増えてるわ。私はこの密着取材が、伊織ちゃんと響ちゃんのファン増加にも繋がるはずよ!」
伊織「それはアイツの力じゃなくて、春香達の努力の結果なんじゃないの?」
律子「そのキッカケを作るのが、私達裏方の仕事なのよ」
響「それでもプロデューサーの冷たさは問題だと思うぞ!」
小鳥「今はプロデューサーを信じてみてくれないかしら?」
伊織「むぅ……」
響「ぶー……」
ガヤガヤ、ワイワイ。
P『ありがとうございます!』
伊織「!?」
響「え!?プ、プロデューサー!?」
律子「しっ!隣りの個室からよ……」
小鳥「あ、上の欄間から声が聞こえてるのね……」
伊織「ちょっとぉ!外回りしてるんじゃないの!?」ヒソヒソ
響「だ、誰と来てるんだ!?」ヒソヒソ
ディレクター『いえいえ、こちらもお礼を言いたいくらいですよ。伊織ちゃんも響ちゃんもすごく良い密着取材が出来て、2週間で録れ高十分ですからねぇ』
伊織「あ、この声って私達の今やってる企画のディレクターじゃない?」ヒソヒソ
響「そ、そうだぞ!」ヒソヒソ
P『いえ、私の持ち込み企画をほぼそのまま採用して頂いたディレクターさんには感謝してます!お陰でウチの伊織と響にもチャンスが与えられました!』
ディレクター『頭を上げてくださいよ765さん。私は以前からお宅のアイドルを使いたかったんですよ』
ディレクター『しかし、961プロの圧力もあって表立って交渉も出来なかったのが実状でしてねぇ』
ディレクター『ですがアナタが他局のバラエティーで色々なアイドルの売り込みに成功してて、ウチの局もどこかの番組でお宅のアイドルを使えないかという指示が出た時に……アナタが現れた』
ディレクター『しかし正直な話、他事務所のアイドルとトラブルの多い水瀬伊織ちゃんと、あらゆる場所にペットを連れ込む我那覇響ちゃんの売り込みって事で、私も最初は難色を示してたんですよ』
伊織「……」
響「……」
ディレクター『ですがアナタは、私に土下座までして頼み込んでましたねぇ』
P『……お恥ずかしい話です』
ディレクター『そしてアナタは、2人の魅力とセールスポイントについて怒濤の如く売り込んで、遂には私も折れてアナタの案を採用しました』
ディレクター『初めはどうなる事かと思いましたが、いざ密着を開始してみると、アナタの売り込みは正しかったと確信しました。伊織ちゃんの慌てっぷりも、響ちゃんのはにかんだ笑顔も、とてもテレビ映えしている』
ディレクター『この企画はとても話題になると思いますよ。アナタの慧眼は正しかったワケですな』
P『いえ、それはあの2人の力です!アイツ等にはそれだけの素質があっただけです』
P『伊織も響も、他のアイドルも、とても良い子達なんです。私を彼女達を磨くまでもなく、自ら光り輝けるだけの地力があっただけです』
ディレクター『まぁとにかく今回の企画が成功すれば、引き続き765さんとは良い関係を続けたいと思ってます。可能な限り歌の仕事もお願いする予定ですから』
P『ありがとうございます!ありがとうございます!』
ディレクター『だからww土下座しなくて良いですから。お互いにWIN WINの関係で行きましょう』
P『はい!これからも伊織と響をよろしくお願いします!』
P『アイツ等はトラブルも多いし、何かと扱い辛いと言われてるのも承知しています!』
P『でも伊織も響もとても良い子なんです!この企画の出来次第で、アイツ等の今後が決まると思っています!』
P『よろしくお願いします!お願いいたしますうぅぅっ!!』ブワッ!
ディレクター『ちょwwww泣かなくてもwwww大丈夫ですから!むしろこちらから色々お願いする事もあると思いますからwwww』
律子「……だってさ?」
伊織「……」
響「……」
小鳥「プロデューサーさん、あんなに頑張ってたんですねぇ……」グスン
律子「最近は体重も減ってたみたいだし、胃薬常備してたみたいですよ?」
律子「でもその甲斐はあったみたいですね。私も見習わないとなぁ……」
伊織「……ちょっとトイレ行って来るわ」スクッ
響「……自分も」
小鳥「あ、ここのトイレって個室が1つしかないわよ?」
響「……一緒に入るから大丈夫だぞ」
伊織「そうね……」
小鳥「ピヨォ!?」
律子「まったく……」
……バタンッ、ガチャガチャッ
伊織「……」
響「……」
伊織「……ぐすっ」ジワッ
響「……うぅっ」ジワッ
伊織「ヒック……ふえええぇぇえーん!!」
響「うわぁぁあぁあーんっ!!」
伊織「ア、アイツ……すごく良いヤツじゃないのよぉぉーっ!!何なのよおおぉぉぉーっっ!!」ビービー!
響「自分!自分!765プロに来て良かったぞぉぉおーっ!!プロデューサーと一緒に仕事出来て嬉しいぞおおぉーっっ!!」ビービー!
伊織「そんなのアタシだってえぇぇえぇえーっ!!アイツに会えて良かったあぁあーっ!!」ビービー!
響「頑張ろうな伊織ぃ!!プロデューサーのために一生懸命この仕事やり遂げようなあぁぁっ!!」ビービー!
伊織「ひ゛び゛き゛い゛ぃ゛ぃ゛!!」ガシッ!
響「い゛お゛り゛い゛ぃ゛ぃ゛!!」ガシッ!
\うわぁぁあぁあーんっ!!/
\ふえぇえぇぇえーんっ!!/
\びえぇえええぇえーっ!!/
\ぴぎゃああぁぁあーっ!!/
小鳥「……丸聞こえですね」
律子「……さすがにもうプロデューサーにバレてるんじゃないかしら?」
P『おろろろぉおぉぉおぉおーん!!』ビービー!
ディレクター『765さん!?まだシラフですよね!?何でそんなに号泣出来るんですか!?』
律子「……ダメだこりゃww」グスン
小鳥「うふふふ……」グスン
店員「他のお客様のご迷惑になりますので、店内ではお静かにお願い致します」
翌日。
P「あー頭痛い。完全に二日酔いだわこりゃ……」
P「おはようございまーす」ガチャッ
響「あ、プロデューサー!うきてぃー!」
伊織「お、おはよう……」
P「ん?お前等今日は例の密着取材のロケじゃなかったか?」
伊織「そうよ。でも時間があるから顔出しただけよ」
響「久しぶりにプロデューサーの顔が見たかっただけだぞ!ダメかぁ?」
P「いや、別にダメじゃないが……お、響そのワンピース可愛いな。ついでにお前も可愛いな」
響「え!?そ、そうかぁ?」テレテレ
P「伊織もすっかりその芋ジャージが板についたなぁ。完璧に着こなしてやがる」
伊織「うっさいわね!」
P「ま、あと2週間だけ頑張ってくれ。よろしく頼むわ」
伊織「解ってるわよ……」
響「任せとくさー!」
P「ん?お前等何かニヤニヤしてね?」
伊織「は?別にニヤニヤなんかしてないわよ」ニヤニヤ
響「じ、自分もニヤニヤなんかしてないぞ!」ニヤニヤ
P「いや、してるし……」
響「あー!自分もうロケ行く時間さー!今日は南青山だぞー!」ダダダダダ
伊織「わ、私も今日は富士サファリパークでロケなんだったわ!行って来るわね!」ダダダダダ
P「……何なの?」
小鳥「良いじゃないですか。やる気がチャージ出来たんだと思いますよ?」ニヤニヤ
律子「今更になって色々なありがたみが理解出来たとかじゃないかしらー?」ニヤニヤ
P「……??」
その後、アイドルの私生活を交換したこの密着取材は視聴者に大好評との事。
ペットに囲まれててんやわんやの伊織と、着飾ってドンドン可愛くなる響、いわゆるギャップ萌えにやられたファンが多かったらしい。
765プロのアイドル全員に新たなファン層が拡大し、徐々に歌の仕事の依頼も増えた。
それに伴って竜宮小町の活動も再開。伊織はファンの年齢層の拡大ぶりに驚いていた。上は80代、下は一桁のファン達がサイリウムを振っている様は、ある意味シュールだったらしい。
そして何故だか解らないが、伊織と響、2人のプロデューサーに対する当たりが少し柔らかくなった事に、プロデューサー自身が首を傾げているという。
おわり。
んんん!?
終わりィ?
最後は駆け足だったけど面白かった
乙
ちーっとばかし扱いが良くないだけですぐに叩き出すアイマス厨ってホント害悪だわ
一部の態度悪い奴だけ見てアイマス厨は害悪って言うのはやめていただきたい
態度がいい奴は厨とは呼ばれないだろ
アイマス好きのやつ→アイマス厨
として受け取る奴と
アイマス好きの態度悪いやつ→アイマス厨
として受け取る奴がいるからややこしいんだよな
上派のほうが多いし
終わったスレを意味のわからん議論に使う奴らは確かに害悪だろうな
乙
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