エメラルド「私の名前は『トト』。貴女は?」ドロシー「女神よ」 (170)

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男「俺の名前は『オズ』。君は?」エメラルド「……」
男「俺の名前は『オズ』。君は?」エメラルド「……」 - SSまとめ速報
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このSSは『オズの魔法使い』をモチーフにした異世界恋愛ファンタジーとなっています


今度は落ちないように。週明けには更新できるはず!!

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落ちたと思って諦めてたよ
乙乙

復活した

これは復活か!?

復活キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

待ってたぞ

『3章』スタートです





あれは、クイーンの称号を受け継ぎ、時ほどなくして訪れた初の外交舞台――




 わー わーっ がやがや


――へーえ、お前がアメジストの新しい姫君かぃ――

――これは、これは……――

――初めまして、クイーン各位。この度、アメジストの称号を引き継ぎましたオリガと申します――

――オリガ……――

――ああ知ってるさ。オリヴィアの娘っ子だって? 噂にゃ聞いてたがこれまたずいぶん……――

――ええ、母君に瓜二つ。引き継いだのは称号だけではないと……正直驚きました――

――まるで先代とお話しているかのよう――

――は、はい……――

――なにぶん不肖の身。今後とも我が国とのお付き合いを宜しくお願い致します(ぺこ)――

――…………――







 あの時、一瞬でも誇りに思ったことを今でも悔やむ――




――は、ははっ――

――ふ、ふふっ――

――?――

――ははっ、ぐはっ、ぐはは! そうかいそうかい!――

――……?――

――せっかくお願いされたんだ。それじゃあ宜しくお願いされねえとなぁ! なぁ?――

――ええ……ふふっ、こちらからも末永いお付き合い……お願い申し上げましょうか――

――ふふっ、ふふふ……――

――??――

――可愛いなぁオリガ姫……良ぃ~~い姫さんだ。なにもかも母上そっくりだよ。立派だぁ――

――あ、ありがとうございます///(ぺこ)――





 あの時、わずかでさえ喜びを感じた自分を今でも恥じる――




 母上の代わりとして認められている―――



 誰よりも優しかったあの母上の――



ダイヤモンド『本当……母君の後を継ぐに十分の素質を兼ね備えておいでです』



 母上の代わりとして認められている――



 誰よりも尊敬していたあの母上の――



サファイヤ『いや~内心不安だったんだけどねぇ、こりゃ安心して東を任せておけそうだ(ニヤニヤ)』

ダイヤモンド『その通り。4大国の国内安定が存在してこその大陸秩序です。オリガ姫』

ダイヤモンド『今後、貴女の双肩にあらゆる民の輝きが重くのしかかってくることをお忘れなく(ニコ)』

アメジスト『ち、誓って!』

トパーズ『…………』


 年齢早熟にして未熟――


 その言葉では足りぬほどの思慮の浅さ――



アメジスト『民を導き、当大陸の輝きを一身に受け、またこれを保ち続けることを祖に誓います』


 
 “認められて”はいたのだ。そう、母上と同じく――



サファイヤ『無駄に歳食うと、どうもねえ……他人の資質ってぇのかぃ? 見えてくるんだなぁ、これが』

サファイア『一目見て確信したよ、こりゃあ傑物だと。ひょっとしてオリヴィア以上じゃねえのかぃ?』

サファイヤ『どうだよバァさん。今度のオリガ姫も期待出来そうじゃねえか?』ぼそっ



  誰よりもお好しで、傍から見ても気の毒になるくらい気の弱かった母上と同じ――



ダイヤモンド『ふっふ……そうですわね。これはオリヴィア姫に輪をかけて……』



      「立派な傀儡になりそうです」




______________


 わーーー わーーーっ がやがや


アメジスト「……」コツコツ

 (人としての甘さではない。単に世間を知らず育ってきた私の落ち度……)


 わーーー わーーーっ がやがや


アメジスト「……」コツコツ

 (決して母上の歩んできた道を、受け継がれた血を否定するなかれ。誤りがあるとすればすべて私)


 わーーー わーーーっ がやがや


アメジスト(世間の……他者の悪意すら都合良く身に受け善しとする私の弱さが
      あの者たちを増長させてしまった……)


 わーーー わーーーっ がやがや


アメジスト(以前は目を直視することさえはばかれた大国の統治者たち……)

 
 ザッ


サファイヤ「……」

アメジスト「……」

サファイヤ「……来てやったぞ、オリガ姫ぇ」

アメジスト「まあ、これはこれはベファーナ姫。お待ち申し上げておりました」

アメジスト「西国よりの長旅、ご苦労様でしたわね」

 ざわっ

サファイヤ軍「か、階上から……!」

サファイヤ軍「し、しかもあの口利きはどうだ! ぎ、議題国とはいえアメジスト国ごときが無礼な!」

サファイヤ「く、くく……まあずいぶんと態度が偉くなったもんだ。流石は“大国”の姫様」

サファイヤ「4年も経てば人も変わるのかぃ?」

アメジスト「ええ、おかげさまで」

 (……おかげさまで、『強さ』を手に入れることが出来ました)

アメジスト「くすっ、遠路はるばる我が国へようこそ、クイーン・サファイヤ」

サファイヤ「……」ぎろっ


  「此度の会議にお越しいただきましたことにまずは感謝の意を」ニコッ


ここまでー

おおおお
復活か

おつおつ

おほー!帰ってきてた!

______________



 わい わい ガヤガヤ


サファイヤ「……他のヤツらはどうした?」ザッ

アメジスト「まだこちらには。貴女が1番乗りですわベファーナ姫」ザッ

アメジスト「ちょうど4年前、でしたわね。本国をお離れになるのは久方ぶりなのでは?」

サファイヤ「んー? いやぁそうでもねえさ。良くチョロチョロ出歩き回ってるよ……最近はな」

サファイヤ「それよりも――」チラッ


 わい わい ガヤガヤ


サファイヤ「中々に賑やかな出迎えじゃねえか。どいつもこいつも笑顔、笑顔……」

アメジスト「ええ。皆、心より歓迎している証拠ですわ」

サファイヤ「ふん、薄気味悪ぃ。何でだろうなぁ……貴賎を問わず、どうもああいう顔には慣れねえ」

サファイヤ「おまけに物珍しそうに他人の顔をジロジロ見やがって……ウチじゃ全員殺してる所だ」

サファイヤ軍「……!」ビクッ

サファイヤ「溝鼠“ども”が侵入(はい)り込んで来たんだろ?」

アメジスト「……単騎、でしたが」

サファイヤ「下々に緊張感がねえからそうなる。納得の体たらくだよ、情けねえ」

サファイヤ「残念だなぁ。私がもっと早く来てりゃ、あそこまで街をヤられることはなかった」ポンポン

アメジスト「……(あれが西の秘法石……)」

アメジスト「ご冗談を。貴女がいればもっと被害が出ていましたわ」ニコ

サファイヤ「くくっ……」ニヤッ

 ざわっ

サファイヤ軍「陛下っ!」

サファイヤ「あ?」

アメジスト衛兵「お、おおっ!? 空を! あれをご覧に!」

アメジスト「?」

 ガラララララッ ガラララララッ


サファイヤ軍「ば、馬車が空を……」ザワッ

アメジスト衛兵「走って……いや、違う。あれは、滑って――」

 ガラララララッ ガラララララッ


アメジスト「……お二人目の到着ですわ」

サファイヤ「……ババァのお出ましかぃ」


 ガララララッ ガララララッ

御者「おホーっ! 陛下っ! 進行方向にオ偉いさまタちを確認!」 

ダイヤモンド「……」

御者「あれはクイーン・サファイヤにクイーン・アメジスト!」

御者「陛下! 陛下っ! 本当にこノまま突っ込ンでも宜しイのでッ!?」

ダイヤモンド「……」 

御者「ハハーーーっ! でハこのまま轢き殺しマすっ! イヤァっ!!」ピシィ

サファイヤ軍「!?」

アメジスト衛兵「へ、陛下! 馬車の速度が……! こっちに向かってきますぞ!?」ざわっ

 ガラララララッ! ガラララララッ !

サファイヤ「おいおい、あのババァ……」

サファイヤ軍「と、止まる気配がないっ!」

アメジスト衛兵「陛下! お退さがりをっ!」

アメジスト「……慌てず。落ち着きなさい、大丈夫ですわ」ニコ

サファイヤ「くくっ、なるほど他人を迎えるにこりゃ笑みもこぼれるわけだ」

サファイヤ「ああいう輩を出迎えるのは嫌いじゃないからねぇ。馬鹿にはそれなりに礼儀を――」スッ

 ――カッ……ッ!!!

サファイヤ「厚く、熱く歓迎しねえとなぁ」ボボボボッ

アメジスト衛兵「……!(炎を――!?)」

アメジスト衛兵「ぐ……っ! この熱量は……!」

サファイヤ「受け取れババァ」

 ボッ……!!

  ゴウ……っ!!!!


御者「!? あアーーーっ!? 火球がこチらにーーーーっ!?」ガラララララッ! ガラララララッ !

ダイヤモンド「……」

御者「ウわーーーーーーっ!! あんナの見たことネーーーっ!!」

御者「陛下ァーーーーー!! 助けテーーーー!!」グィッ

 ぐらっ

ダイヤモンド「……っ!」スッ

 ――カッ……ッ!!!

サファイヤ「!?」

 バシュウ……ッ!!!

アメジスト衛兵「お、おおっ!?」ざわっ

アメジスト(――炎が、消えた……!? ダイヤモンドの魔法――)

サファイヤ「……ちっ」

御者「やッターーー! 緊急回避成功ーーーーっ! 進路ヲ変更しまシたっ!!!!!」ガラララララッ!

ダイヤモンド「……」

御者「地上に降りますでスっ!」ドスンッ

 ズギャ ズギャギャギャギャギャ……ッ

御者「お、ホっ! ホーーーーッ!!」グイーーッ

サファイヤ軍「へ、陛下……!」

サファイヤ「く、ぐはっ、ぐはは……」

 ズギャ ズギャギャギャギャギャ……ッ

アメジスト衛兵「危険だ! 陛下の周囲を固めろ……っ!」

アメジスト「……」

御者「オほーーーーーーーっ!!!」

 ズギャギャギャギャギャ……ッ  ズサァッ!!


サファイヤ「……」

アメジスト「……」


しーーーーーーん


御者「……ブ、無事到着。目標は殲滅でキませんでシた。無念」

ダイヤモンド「……ご苦労さまです」

サファイヤ「ババァ~~~~~」ザッ

ダイヤモンド「……その声はベファーナ姫」

サファイヤ「ずいぶんと派手な登場じゃねえか。年甲斐もなくハシャぎやがって……
       くくっ、他人を舐めた真似を好むのは相変わらずだなぁ、ええ? おい」

サファイヤ「年齢喰うとそれなりに大人しくなるのが人間ってモンじゃねえのかぃ?」

ダイヤモンド「……そのはずなのですがね。早々に隠居したいと願う私の意向とは逆に、
        どうにも年齢を重ねるごとに不安になりがちで」

ダイヤモンド「特に貴女のような狂人が我が国の側にいると考えると夜も眠れず、というわけで」

御者「プーーーーっ、クスクス」

サファイヤ「ぐははっ」

アメジスト「……ご壮健なりよりですわ、クイーン・ダイヤモンド」

ダイヤモンド「! おお、その澄みきった美声……お久しぶりですわ。オリヴィア姫!」 

アメジスト「……」

サファイヤ「……とうとうボケたか?」

ダイヤモンド「……?」

御者「目の前ニおわスのわオリヴィアのお嬢サまですゾ、陛下!」

アメジスト「……オリガで御座いますクイーン・ダイヤモンド」

ダイヤモンド「……お、おお! そうでしたそうでした! オリガ姫!」

サファイヤ「……アホか。さっさと降りて来い」

ダイヤモンド「これはこれは失礼。……いや、私としたことが。時の流れの速さには参りますわね」すっ

 ザッ

サファイヤ「!?」

アメジスト「――――!?」

ダイヤモンド「……お久しぶりですお二方。再びお会いするにどれほどこの日を待ちわびたか」

ダイヤモンド「クイーン・アメジスト」

ダイヤモンド此度の4ヶ国会議、議題国という責務を引き受けていただいたことに感謝いたします」

アメジスト「……っ、く、クイーン・ダイヤモンド……わ、私も、お会いできて光栄です、わ……」

中途半端ですがここまで

乙ん

おつおつ

ほっしゅ

マダー

どうしたんだ
はよ!

かなり遅れましたが、あけましておめでとうございますmm
生存報告を含めご挨拶

今日の深夜に続きを書けそうです!

あけおめ
よっしゃきた

期待

おい

うーん

ダイヤモンド「ふふ……クイーン・サファイヤ、貴女もお変わりなく」

サファイヤ「……まぁ、な。元気にやってるって意味なら、そうだろうねぇ。お互い」

サファイヤ「驚いたよ。さぞかし良ーいモン食ってんだろうなぁ、バァさん。……ふーっ」

ダイヤモンド「愛煙家も相変わらずのご様子。やはりパイプを手放せませんか」パタパタ

アメジスト「……クイーン・ダイヤモンド、今日はお1人で?」

ダイヤモンド「けほっ、ごほっ、いいえ。もちろん供の者は連れて来ています」

アメジスト「……」チラッ

御者「……」

サファイヤ「……違う。もう1人いるねぇ、奥に」

アメジスト「(奥……?) まだ、どなたか?」

サファイヤ「当然、護衛だろ。それもあの狭い馬車、バァさんが同席させる位だ」

サファイヤ「かなり大事な部下に違いない。その上1人とくりゃあ、相当の手錬とみた。……違うか?」

ダイヤモンド「……少し違います。大事――」

ダイヤモンド「仰るとおり、私にとってはこれ以上ない位、大事な人物ではありますが」

ダイヤモンド「それ故どちらかといえば、私が“彼女”の護衛を努めていると言うべきでしょうか」

アメジスト「“彼女”……?」

ダイヤモンド「さ、貴女も降りてらっしゃい。……手を」

 



??「…………」スッ




サファイヤ「……あぁ?」

アメジスト「お、女の子……?」

??「…………」ぎゅっ

ダイヤモンド「これ。此処は本国の城ではありません。アメジスト……他国なのですよ?」

ダイヤモンド「甘えるのはおよしなさい」ナデナデ

??「…………」ぎゅーっ

サファイヤ「……なんだぃ、その糞ガキは」

ダイヤモンド「言葉には気をつけて下さい。この子は、私の可愛い1人娘なのです」ナデナデ

アメジスト「え!?」

サファイヤ「む、娘……!?」ポロッ

??「……うー」ぎゅーっ

アメジスト「く、クイーン・ダイヤモンド……ご息女が、いらしたのですか……?」

ダイヤモンド「ええ」ニコニコ

サファイヤ「は、初耳だぞババァ。いつの間に……つうか相手は誰だよ!? お、お前……」

ダイヤモンド「……」ニコニコ

サファイヤ(年齢考えろよ……。異常に若やぎ立ってる理由はこれか。おえっ)ズーン

アメジスト「……!(そ、そんなはずは……)」

アメジスト(いくら“ダイヤモンド”が閉ざされた国とはいえ、
      高齢での出産、身重ともなればそれなりの動きがあってしかるべき……)

 (私の許にその様な情報は――)

ダイヤモンド「不躾とは存じますが、この度この機会をお借りして、“次期クイーン・ダイヤモンド”の
        お披露目をしたいと考え、連れて参りました」

サファイヤ「!(次期、クイーン……)」

ダイヤモンド「さ、『グリンダ』。お2人にご挨拶なさい」

グリンダ「……」もじもじ

ダイヤモンド「貴女の夢は北の善き女王になることでしょう。国内のみならず、
        他国の統治者とも仲良くしておかなければなりません」

グリンダ「……こ、こんにちは。初めまして……ぐ、グリンダ……」

サファイヤ「……」じろっ

グリンダ「グリンダといいます」ささっ

アメジスト「まあ……くすっ」

ダイヤモンド「申し訳ございません。人見知りの激しい子でして」

アメジスト「お若いのに立派なご挨拶でしてよ。グリンダ姫殿下」ニコッ

アメジスト「私、西国アメジストを統治しておりますクイーン・アメジストと申します」

アメジスト「今後ともお付き合いの程、宜しくお願いいたしますね」ペコッ

グリンダ「……よ、よろしくおねがいします」ぺこ

サファイヤ「……」じろっ

グリンダ「……!」びくっ

 ささっ

サファイヤ「……けっ、(娘だぁ?)」

 (確かに気色の悪い白髪と、陰気臭ぇ顔はババァそっくだが……)

サファイヤ「(これが次期クイーン……か)よろしくなぁ、グリンダ」

サファイヤ「もし母親がくたばっちまったら、私んトコが面倒見てやるよ。覚えときな」

御者「……」

アメジスト「ですがクイーンに、この様な可愛らしい娘さまがいらっしゃったなんて」

ダイヤモンド「ふふふっ、自慢の娘です」

ダイヤモンド「出来ればクイーン・トパーズにもご紹介しておきたいのですが……」

サファイヤ「まだこちらには」

ダイヤモンド「……そうですか」

サファイヤ「あそこの遅参はいつものことだろ」フーッ

サファイヤ「……いえ、(“到着はしている”との報告はあったのですが……)」



 アメジスト国境・大砂漠 港町

 ざわ ざわ

監視1「……噂には聞いていたが、出鱈目な規模の艦隊だな。あれが……大国トパーズ」ゴクリ

監視2「あの威圧感は堪えるな。町の人間も内心、恐怖を感じているだろうよ」

監視3「だがどうしたというんだ。まったく船から降りて来る気配がないぞ」

監視2「うむ。寄港の合図は何度も送っているのだが、不気味に沈黙を保ったままだ。
    中で何かあったのか……? 会議が始まるまでもう時間がないぞ?」

監視3「むう……」



サファイヤ「……お待ちしていれば、いずれ来られるでしょう」

訂正>>46 6行目、最後

サファイヤ→アメジスト

アメジスト「さて、ここで立ち話もなんですわね」

サファイヤ「あぁ、さっさと中に案内してくれ。今日は色々と……聞きたいことがあるからねぇ」ニヤッ

ダイヤモンド「……同じく」ニタァ

アメジスト「……ふふっ、それはまた後ほど会議にて」

アメジスト「控えに茶菓子を用意してあります。まずは長旅の疲れを癒しながら談話でも……」

アメジスト「近況などを含め、私もお2人にお聞きしたいことがあります」

ダイヤモンド「ああ、オリガ姫」

アメジスト「?」

ダイヤモンド「……この子も」

グリンダ「……」もじもじ

サファイヤ「冗談だろ? 連れて来るのは勝手だが、こっから先は大人の時間だ。
      ガキは守りでもつけてその辺遊ばせときな」

アメジスト「べ、別室になりますが、侍従たちにお世話をさせましょうか」

ダイヤモンド「(別室……)いえ、ご無理を申し上げたみたいで。……仕方ありません」

ダイヤモンド「『リゲル』」

御者「はイっ!」

ダイヤモンド「グリンダの面倒を。“これ”を渡しておきます」

 チャラッ

サファイヤ「……」

グリンダ「この子が都を散策したいと言うのであれば供をなさい。道中、欲しがるモノは
     全て買え与えるよう。とにかく私が長時間離れるのです、あとは言わずともわかりますね?」

御者「はハーっ! 片時もお嬢サマのお側を離レません! 誓っテお守りを!」

グリンダ「……お母様は?」くいっ

ダイヤモンド「ごめんなさいね、母もご一緒したかったのですが……」

ダイヤモンド「都見物を楽しみにしてらしたでしょう。ゆっくり遊んで来なさい」ナデナデ

アメジスト「では、お二方」

サファイヤ「ふーっ……置いてくぞバァさん」プハァ

ダイヤモンド「今行きます」

 ザッ



グリンダ「……」

御者「サ、お嬢サま。私ガしばしお控えノ役目を賜りマすれば、何ナリとお申しツけを」

グリンダ「……煙」じーっ

御者「クイーン・サファイヤの草煙デスな。私、コの匂いは嫌イです」

グリンダ「……」すっ

御者『いけません!』

グリンダ「……!」びくっ



サファイヤ「あん? 急にどうしたバァさん」ピタッ

アメジスト「……? クイーン・ダイヤモンド……?」

ダイヤモンド「……」

ダイヤモンド「……いえ、『みだりに魔法を使ってはならないと、いつも申し上げているでしょう』」

サファイヤ「は?」

アメジスト「??」

 しーーーーん

ダイヤモンド「……」

ダイヤモンド「……そう、小さい頃に母から叱られたのを思い出しまして」

サファイヤ「はぁ?」

ダイヤモンド「たいへん失礼致しました。近頃、良く昔の頃の記憶が脳裏を……」

サファイヤ「……!」

アメジスト「……は、はぁ……。……?」

サファイヤ(見たか今の。これが痴呆ってヤツだよ、バァさんもいよいよアレなんじゃねえか?)ヒソヒソ

アメジスト「……」コホン



御者「……あレ?」

グリンダ「……」しゅん

御者「いかガ致しマシたかお嬢様。そ、ソのお顔……ま、まさか私メのお供はお気に……」

グリンダ「……うー」ぎゅっ

御者「!? お、ホっ! おホーーーーッ!!」

御者「い、いけマせんお嬢サま!/// そんナ、 私ノような下賎のモノに抱きツくなど! 
   イケませン!! こ、光栄でハありまスが! イケマセンぞっ!!///」

グリンダ「うー」ぎゅーっ

御者「オホっ、オホーーーっ!! お嬢サマーーーーーーーー///」プシュウウウウ

______________


宰相「うーむ、どうやら特段、変事も起こらず無事に迎えは済んだようじゃな」

メイド「あれが“サファイヤ”と“ダイヤモンド”の……」

宰相「……うむ。そういえばお主は顔を知らなんだか」

メイド「普通、ですね。想像していた人物像とは違います。あれが、
    あの2人が現大陸法の推進者だなんて……あれが、(私たちを……)」

メイド「少し信じられません」

宰相「まぁの、今のところはいたって常人の風を呈しておる。会話の内容は聞き取れんかったが、
   ここから見る限りでもそうじゃな……極めて大人しくしとったと思う。(火の玉を飛ばしよったが)」

宰相「じゃがのう、あれは上辺だけじゃよ。ワシも他人を評するにあまり酷な言葉を使いたくは
   ないんじゃが……あの2人だけは別格じゃ。内に残虐性・異常性をこれでもかと秘めておる」

宰相「英雄、傑物にはどちらもある程度必要な性ではある。が、
   どうにもヤツらのそれは度が過ぎておる。犯した蛮行・凶行は耳に入るだけで数知れずじゃ」

メイド「……」

宰相「今より陛下は、そういった者どもを相手に会議に臨まれる。……本番はここからじゃよ」

メイド「…………もう1人は」

宰相「うん?」

メイド「もう1人、“トパーズ”の女王が来ていません」

宰相「うむ、クイーン・トパーズか……」

メイド「何かと他国のクイーンが話題になることはありますが、
    彼女の名はあまり挙がらないように思えます。一体、どのような人物なのですか?」

宰相「……」

宰相「何と言っていいのやら。あの方はどうにも掴みどころのない性格をしておるからのう、
   自由奔放というのか。4年前の会議なんぞ、用を足すと告げてそのまま本国に帰りおったからの」

宰相「ある種、奇人変人と言っても差し支えないお人じゃよ。うむ」

宰相「なにより自国のこと以外に興味がないんじゃな。4ヶ国会議はあくまで大陸の秩序構成をどう
   成すかの話し合いじゃ。真剣な会話を挑むのであれば、残りの2人以上に手強い相手かもしれん」

メイド「……なるほど」

宰相「が、さてさて……『今回は~』、どうであろうなぁ。ふっふっふ」ニヤッ

メイド「?」

宰相「……しかし、言われてみればまだ城には着いていない様子じゃの。はて……?」ジーッ


   (とっくに船は着いておると聞いておるんじゃが……むぅ?)


ここまでー

遅れ気味、すいません……


グリンダかわいい!
何歳くらい?

乙乙

グリンダって原作にもいるよね?まさかの主要キャラか?





――これでどうだい?――




______________


??『……! あ、』

??『ぐっふっふ、その顔……どうやらボクの言葉が理解できているようだね』

??『……! ……!』コクコク

??『これでやっと、キミと意思疎通を図れるというもの。……驚いたかな?』

??『あ……で、でも何故? どうして急に――』

??『それはボクが天才だからさ』

??『……?』

??『なぁに簡単なことだよ。ボクの知識・技量をもってすれば、
   相互間で発せられる音声……ここでいえば『言葉』――を統一させることなど児戯に等しい』

??『そう。例えキミが見知らぬ土地、我が預かり知らぬ言語圏の出自だとしても、ね』

??『この力を使えばあらゆる者との会話を試みることが可能さ。大陸広しといえど、野の獣たちと
   毎日、今朝食べた食事の内容を自慢し合うのは恐らく! このボクだけだろうね……ふくくっ」ニヤリ

??『…………』

??『……ゴホン、とにかく、こうしてお互いまともな会話が出来るようになったわけさ』

??『ここで色々と、キミに聞きたいことが――』

??『あの』

??『ん? ……うん?』

??『あの……こ、ここは何処なのでしょうか?』

??『……ここかい? ああ、ここは……ここは、えーと……ここは……』

??『……』

??『む、むぅ……?』

??『……?』

??『……言われれば、他人に此処は何処だと聞かれ、
   はっきりとそれに答える術をボクは持ち合わせていない……』ボソッ

??『そもそもこの土地に確たる名がないからね。どう説明してよいのやら』

??『キミは、例えばキミの住んでいる場所は何処かと聞かれ説明することは出来るのかい?』

??『…………』

??『私は、近淡海の側、近江国が犬上太夫の御屋敷にて奉公しております。名は――』

ヒスイ『名を“ヒスイ”と申します』ペコ

??『……。……うん?(おーみこ……なんだって?)』」

??『そ、それはキミの住む地域の名かい?』

ヒスイ『はい。そう聞かされております』

??『名が……あるのか。そこには……』

??『い、いやそれよりもキミの名……“ヒスイ”、か。自己紹介をどうもありがとう。
   “ヒスイ”……美しい名をしてる、ね/// あ、ボクの名前はオズっていうんだけど……///』

ヒスイ『…………』

ヒスイ『……くすっ。お褒めの言葉、ありがとうございます』

ヒスイ『ですがこの名は、生まれ持った私の名前では御座いません』

オズ『?』

ヒスイ『私は卑しい身分の出でありながら、この世に生を受け直ぐにご主人様に買って頂いた身』

ヒスイ『いずれはご主人さまにご恩を返すため、高貴な方たちのお屋敷にお仕え出来るよう
    育てられて参りました。――大事な品である、と』
    
ヒスイ『メノウ、ハクジュ……私たちにはその方たちにふさわしい名を。高貴な石になぞらえ、
    またその価値に応じ、そうご主人様からお呼び頂いているのです』

ヒスイ『私は、ヒスイ――』

ヒスイ『聞き及ぶ石の魅力には到底敵わぬ、まだまだ未熟な身ではありますが///』

オズ『…………』

オズ『…………なるほど、ね』

オズ『とある地域においては、人を売り、人を買うといったやりとり――
   また、その仲介を商いとして行う風習があるそうだね』

オズ『それについての是非、個人的な意見はさておき。キミの先ほどの言、
   本当であるとすれば、どうやらその風習は実在するようだね。そしてキミは……売られる側』

オズ『買われる側、だ。そのご主人様……高貴な方々とやらの間で』

ヒスイ『その通りで御座います』

オズ『なぜそんなキミがここに? そして見たところ1人のようだが何を……? あえてボクは問うまい。
   ……本当はすごく聞きたいんだけどね、でも聞かないよ』

ヒスイ『お答えしたほうが……?』

オズ『聞かない』

オズ『聞かないが、代わりに1つだけ言わせてくれないか。卑しい身分――』

オズ『キミはさっきそう言ったね。間違いなく口にした。ボクは聞いたぞ』

ヒスイ『……? は、はい。私の生まれは――』

短いですがここまで

>>55
グリンダの年齢は10歳で設定しています。
そうなるとクイーン・ダイヤモンドは4年前の会議以前にすでにグリンダを出産していることになりますが……?

>>57
もちろん原作の登場人物のモデルはみな主要キャラとなります。実はグリンダは……また後でのお楽しみ

久々に時間がとれたと思えば何故か繋がらず…orz

とりあえず生存報告を。更新も近いウチに必ず!

ぬう

オズ『キミの生まれは母だ』

ヒスイ『?』

オズ『身分とはいかなる者が評価し得るのであろう。神はそんなものをお創りになられてはいないし
   神の代理たる母という存在は何者にも等しく、尊く価値のある魂を我々に授けてくださっている』

オズ『キミを生んだのはキミの母上だ。己を卑下する言葉はよした方がいい』

オズ『腹を痛め生を授けてくれた母に対し、それは罪深き呪いの言葉となる。そして厄介なことに、』

オズ『呪いは次代の生へとそのまま引き継がれる……つまりキミの子だ』

ヒスイ『……!』

オズ『仮にボクに子どもができたとして、その子が自らの生まれを卑しいだなんて他人に告げていたら、
   絶望のあまり首をくくってしまうかもしれない』にこっ

ヒスイ『あ……あ、あの、そんなつもりでは……』

オズ『……(ふっ、この眼差し。決まった……!)』

ヒスイ『私は、何も母上のことまで……』

オズ『……いや、いいんだよ。先の言葉はボクが最後の拝聴者となるはずさ』

ヒスイ『……お気を、悪くされましたか。私、いつもご主人様からも叱られてばかりで』しゅん

オズ『……』

ヒスイ『……』しゅん

オズ『……! ま、まぁ今のはそう気を落とさず軽く聞き流してくれればいい話ではあるんだが、本当に大した話ではなかったしボクもキミを責めるつもりで言ったわけじゃないから気を落とさないでくれたまえボクも初めて会ったキミに何て説教じみたことを言ってるんだろうねと後悔はしてますそれはそうとキミの名前、“ヒスイ”――』 
   
オズ『とはすなわち高貴なる石に付けられたモノと同様の名を冠しているとのことだけど?』 

ヒスイ『は、はい』ごしごし

オズ『初めて聞くね。恐らくボクは未だその“ヒスイ”なる石をこの目で見たことはないと思う』

オズ『惜しむらくはキミ本来の名前ではないということだが……』チラッ

ヒスイ『?』

オズ『だが、キミの姿を見ればこれだけはわかる』

ヒスイ『……?』


 その“ヒスイ”という石はきっと、誰もが魅了される美しい輝きを誇る石に違いない、と(にこっ)――


ヒスイ『……!』びくっ

オズ『興味深いね。一度見てみたいものだ』

ヒスイ『……あ』

オズ『まだ時間は大丈夫かな。良かったらその辺りのことについて、ゆっくりキミと話をしてみたいんだが』

ヒスイ『……………ぃ、イヤ』

オズ『どうだろう』にこっ

ヒスイ『あ、あの、あの!ごめんなさい、私もう行かないと!』ぺこっ

 タタッ

オズ『…………』



オズ『……どこへ行くんだ』

______________



男「――――本当にお前じゃないのか?」

エメラルド「だから違うっていってるでしょ。私じゃない」

男「うー……ん? っかっしーなぁ、確かに鍵は掛けたはずなんだけどなぁ」ガチャガチャ

男「てっきりお前が夜中に湖にでも行ったのかと」

エメラルド「水浴びは寝る前にちゃんと済ませたわよ。オズも知ってるでしょ」

エメラルド「寝床についてからは一度も外に出てないわ」

男「それは俺も同じだ」

男「て、ことは単に俺の閉め忘れか……やべ、気をつけねえと。夜中に開けっ放しは無用心すぎる」ガチャン

エメラルド「でもでもこの森には他に誰もいないのよ? 戸締りは大事だと思うけど、
      そこまで気を張る必要はないんじゃない?」

男「馬鹿言え。こんなただでさえ薄暗い森ん中、寝てるときにフクロウの声しか聞こえない不気味な
  深夜に、何か得体の知れないモノが中に入ってきたらどうするつもりだ。怖いだろ?」

男「俺は普段オレンジの電気をつけたまま寝てたんだ。
  近くに家もコンビニもない暗闇の森……想像しただけでゾッとする」

エメラルド「……得体の知れないモノって?」

男「……」

男「……ゴホン、そもそも人が誰もいないという考え方が間違っている。事実ジェイルさんはこの家を訪ねて
 きてるんだし、他にも誰かがふらっと森に侵入ってくる可能性は十分にある」

男「世の中まともな人間ばかりじゃないぞ。不審者、泥棒、変質者」

男「家ん中にはこっちの世界で通用する金も置いてあるんだ。やはり戸締りはちゃんとしておかねえと」

エメラルド「んー、そう考えれば……そうね(変質者……?)」

男「つーわけで、お前も1人で出入りするときは鍵をしっかり閉めるよう」

エメラルド「はーい」

エメラルド「……けど、さっきのお金の話。ここに置いてあるお金に関しては大丈夫だと思うわよ? 
      例え道端に放置してたって誰も拾うことは出来ないわ。手を付けることなんて尚更」

男「? どうしてだ?」

エメラルド「だってあのお金は女王様から頂いたお金なんでしょ?」

エメラルド「当事者のオズ以外に誰かが触れることなんて無理だわ。
      あの皮袋には王家の紋章が刻印されているもの。……気づかなかった?」

男「あ、ああ。何か、そんな感じの模様があったような……紋章……?」

エメラルド「そ。アメジスト国当代、オリガ女王陛下のお家――フェブリウス家の家紋よ」

エメラルド「大陸であの家紋を知らない人なんていないわ。
      なんせ4大国の一角を担うアメジストの王室の証なんだから」

エメラルド「加えて、単に王室関係者だからといってその家紋を使用することは出来ないの。
      正真正銘、王家の血を引く方たちのみに許された一族の象徴ね。つまり、」

男「あの皮袋に入ってる以上、恐れ多くもあの女王様に関係する類のブツってことか」

エメラルド「うんうん」

男「なるほどね。そりゃ確かに手は出せないな……むぅ」

男「正直あの重さの大金を常に持ち歩くのはどうかと思ってたんだが、良いことを聞いたな」

男(施錠を完璧に、それでいて一応部屋のどこかに隠しておけば、多少金を家に置いておいても
  当面の生活費の無事を心配する必要はなさそうだ……)

 (あまりに大金って聞いてたからビクビクしてたんだけど)

男「普通は必要な分だけ財布に入れておけばいいもんな」

エメラルド「? お金のこと?」

男「ああ、そろそろ食うモンも尽きかけてる。また色々買いにいかなきゃっ、て」

エメラルド「!」

男「そうだな。明日……もしくは明後日か、一緒に都に」

男「お前もずっと家にいて退屈だろ。俺も機会さえあれば元の世界の話が出来る人を探さねえと」ニコッ

エメラルド「ほ、ホント!? 行くいく! 私も一緒に行く!」

男「もちろん。案内役はお前以外に誰がする」

エメラルド「そ、そうよね、私がオズを案内してあげなきゃいけないもんね。うんうん♪」

男「ははっ」

エメラルド「そ、その代わりといってはなんですが、オズに私からのお願い!」

男「んー、どうした?」ニコニコ

エメラルド「私もこの機会に本腰を入れてお料理の研究に励みたいと思っています!
      その為にまずは森で手に入れることが出来ない都の食材をたくさん買って欲しいと思います!」

男「んー、なんだって?」ニコニコ

エメラルド「だから、私もお料理を作りたいの。いつもオズがご飯を作ってくれてるじゃない?」

エメラルド「今だって……あれ」ちらっ

 ぐつ ぐつ

エメラルド「うぅ……見るからに美味しそう。それにこの、刺激臭……(たまらない///)」だらだら

男「……(カレーか)」

男(多少なりとも冷蔵庫に食材があって助かった。買ってきた材料じゃ食のバリエーションを見出すのに
  限界があったからなぁ……俺も別に料理が得意ってわけじゃないし)

 ぐつ ぐつ

エメラルド「香りといい色合いといい、私の特製スープと瓜二つ。これが美味しくないわけがないわ」

エメラルド「オズの世界のお料理に触れてついに目覚めたの。私も負けてられない!」

男「(……ま、少なくともコイツよりはマシかな)そうか、お前……偉大なる魔女はどうした」

エメラルド「お婆ちゃんはお料理にも精通していたの」

男「……」

エメラルド「香辛料……林檎とハチミツ……林檎とハチミツが鍵となる……」ブツブツ

男「……頑張れ(ただし飯はなるべく出来合いの物を買うぞ)」

 

男「…………」




男「……(今頃、都は賑わっているんだろうか)」

男(確か今日だったよな。例の4ヶ国会議……)

男(ジェイルさん、ていうか、女王様と約束した日は今日で終わるはず。会議後、他の国の女王が帰れば
  元通り、俺の境遇を誰かに聞いてもらうことが出来る。帰る手段を探すことだって……)

男「……」

男(帰る手段……いずれにせよ、あの空から俺は……)

エメラルド「い、今からでも間に合う。これに、アルラウネを入れてはどうかしら……?」そろぉ~

 ペチン

エメラルド「あぅ」

男「……」

エメラルド「……うぅ」ぐすっ

男「(……やっぱり当初の予定を試みるしか。もう一度、オリガ様に会いに行くのが良さそうだな)……トト」

エメラルド「ぐすっ。……なに?」

男「トパーズ――」

男「って、どんな雰囲気の国なんだ? いきなりでなんだが、なんでもいい。例えば女王さま」

男「クイーン・トパーズ……なる人の、人となりみたいな。そんなことでもいいんだ。教えて欲しい」

エメラルド「……」

エメラルド「オズには以前に少しだけ話したと思うけど」

男「大陸の南に位置する軍事大国だっけか。うん、それは聞いた」

男「<力>の魔法石を背景に、大陸最強の軍事力を擁するメチャクチャ存在感のある国なんだろ?」

エメラルド「……」こく

男「そこの頂点に君臨するクイーンもそれなりに……いかつい感じ?」

エメラルド「いかつい?」

男「んー、こう……威厳がありまくりで近づくのも憚られる怖さがあって、比べるならあのオリガ様みたいに
  人の頼みを聞き入れてくれるような話のわかるお優しい人ではないなー、みたいな?」

エメラルド「うーん」

男「? 違うのか?」

エメラルド「そうね……私は実際にお会いしたこともないし、人から聞く噂では時としてまったく違う
      評価をされているお方だから」

エメラルド「けど、皆が共通して口にする言葉は……『奔放』、かしら。気まぐれで、勝手自由なお人」

エメラルド「そもそもがあの国の国民気質を表すのに『自由』、この言葉は欠かせないわ」

男「自由……」

エメラルド「『常に自由であれ。それが為の人生』――トパーズの王室を始め、国民が掲げる国の指標よ」

エメラルド「他者に縛られず、常に己の選択であらゆる道を好きに歩むこと、
      それこそが生ある者にとって最良の選択で、かつ幸福な人生であると謳っているの」

エメラルド「事実、あの国に国民の生活を制限する法なんて何1つない上に、信じられない
      かもしれないけど……通念上『罪』とされる行いを裁く定め・機関すら置かれてないんだから」

男「え?」

エメラルド「トパーズにおいては自国内で起こる全てのことが、国民の選んだ最良の道」

エメラルド「何人たりともそれを束縛し、咎めることはあってはならない。……誰もが自由に生きるべし、と」

昨日からの続き、中途半端ですがここまでー

犯罪者天国や

男「聞こえはいいが、それじゃあ犯罪とかやりたい放題じゃねえか。大丈夫なのか治安は」

エメラルド「どうかしら。そこは住んでみないとわからないわ」

エメラルド「でも、国としての体裁を保っているどころか、
      紛れもなく大陸随一の強国として名を轟かせているくらいだもの」

男「……一応、国内は安定してるわけか」

エメラルド「そ、あそこの人々は理解してるのよ。本当に個々が自由に振舞えばどうなるのか」

エメラルド「民あっての国――ではなく、国あっての民。……国によって約束された『自由』を享受すること       ができるのは、あくまでも“トパーズ”という器があってこそ」

エメラルド「人々は『自由』と器の安定を守るために1つの旗印の下に集い、
       そして固い結束力で繋がり行動するわ」

エメラルド「国内が荒れれば、すなわち自分たちの生活が脅かされる。だから犯罪は起こさない」

エメラルド「他に侵略されれば、すなわち自分たちの自由が脅かされる。だから軍を創設し、対外に睨みを
      効かせる。……もちろん、これも誰に強制されることなくすべて国民が望んだ結果」

エメラルド「この民意ともいうべき巨大な意思によって
      国の政策・方針が決定付けられている……それがトパーズという国なの」

男「……(ますます聞こえはいい。けど……妙な国、だな)」

男「で、その旗印とやらがそこの王室。頂点は……クイーン・トパーズ」

エメラルド「クイーンは統治者であると同時にトパーズ全軍の最高司令官でもあるわ」

男「それも国民が望んだわけか」

エメラルド「だと思う。兵役はある種、国民の生活を制限する制度よ。にも関わらず、統帥権が『自由』を推      進しているはずの王室に託されている事実はすごいわよね」

男「うーん……」

エメラルド「……」

エメラルド「気になるの? トパーズのこと」

男「え? あ、ああ。……まぁな、それなりに」

男「しかし良いことを聞いたよ。そうか、トパーズで何をしても罪に問われないのかぁ」

エメラルド「へ?」

男「ふっふっふ。どうやら俺は要らぬ心配をしてたみたいだな」

 (ついてる。これは簡単にアレを手に入れることが出来そーだぞ~。何せ決して犯罪にはならない!)

男「ふふ、ふふふ」

エメラルド「……!(す、すっごく悪い顔してる!)」

エメラルド「お、オズ。何を考えてるの……まさか、前に話してた魔法石の話じゃないでしょね」

男「んー?」ニコニコ

エメラルド「そ、その笑顔やめて。オズがろくなことを考えてないときの顔よ」

男「……長年俺を知っているかのような言葉はやめてもらおう。失礼な」

エメラルド「だ、だって……!」

男「ほらほら、もうすぐメシも完成する。話の続きは後にしよう」ニコニコ

エメラルド「……むー」

――俺は“トパーズ”の魔法石を手に入れたいっ! いや、手に入れなきゃならん!――

エメラルド「い、言っときますけど! 
      例えオズでも私、悪いことに協力するつもりはありませんからね!」

男「わかってるわかってる。悪いことはしないぞ~」ニコニコ

エメラルド「う、うー……」ぐるるっ

 ぐつ ぐつ

男「それよりも、あとは食器を用意するだけですぐにでも食える状態だ」

男「俺がこの辺片付けとくから、お前はあっちの続き……洗濯物、途中だったろ?」

エメラルド「あ。そ、そうだった……」

男「パパッと終わらせて。さっさとメシにしよーぜ」

 ぐつ ぐつ

エメラルド「……じゅるっ、う、うん。残りの服、干してくるね!」タタッ

男「……」

男(ふむ、話によれば魔法石はそれぞれの産地国である各国王室の管理下に置かれているらしい)

男(が、その保管されている魔法石とやらは既に世に出回っていた石と見て間違いないだろう)

男(女王さまやトトの魔法石を見て触って確信したぞ。あれはどう考えても宝石と同じ類の代物)

男(必ず……必ず他に、未だ誰も手にしていない原石が採れる場所があるはずだ。トトは言っていた)

――私の鼻をもってすればあらゆる場所に眠る魔法石の鉱脈を探し当てることが可能よ――

――腕の良い魔女の条件として、この類稀なる嗅覚も必須の才能といえるの(すんすん)――

――やーめーろーーーー!!! 洗い物(俺のパンツ)匂いを嗅ぐなぁあああああ!!!――

男「……」

 (あとはお前の才能が頼りになるぞ……!)ぐっ

 ぐつ ぐつ

男「……ふぅ、こっちの匂い、もとい香りは完璧だな。我ながら美味そうにできてる」

男(まさかこの世界でもカレーを食すなんて。やはり元の世界の料理は良い)

男「唯一違うのは、野外でメシを食うって所か……家ん中じゃ火は使えないしなぁ」


 ――スッ

男「……ん?」

男「影……?」

 ゴウン ゴウン ゴウン…

男「……え?」

 ゴウン ゴウン ゴウン…

男「!? な、何だ!?」

エメラルド「オズっ! あれ! 空を見て!」

男「今見てる! 何だよあれ!? 船……? い、いや、なんで船が空を――」

男「って、(この世界じゃあ不思議でもなんでもない!)」

エメラルド「あ、あの飛行船は……トパーズの……」

男「(……やっぱり!)噂の空飛ぶ船か!」

 ゴウン ゴウン ゴウン…

男「……! ほ、本当に飛んでる……あ、あんなでっけー船が……」

ゴウン ゴウン ゴウン…

エメラルド「……ね、ねえ、なんだか降りてきてるように見えるんだけど」

男「え!?」

 ゴウン ゴウン ゴウン…

男「!?」

エメラルド「ま、間違いないわ! ここに降りてきてる!」

男「じょ、冗談じゃねーぞ!? あんなでかいのがこんな場所に」きょろきょろ

男「ていうか、このままじゃ俺の家にぶつかるだろ!!」

 ゴウン ゴウン ゴウン…

エメラルド「あわ、あわわわわわ……合図を送って止めて貰わないと」ぶんぶん

男「! お、おいトト! 無駄だ止せ!」

 ゴウン ゴウン ゴウン…

男(マズい、速度が……!)

エメラルド「あわわわわわ」がたがたがた

男「……っ、バカ! 逃げろっ!」ダッ

 ゴウン ゴウン ゴウン ゴウン ゴウン……

男「トトぉおおおおおおっ!!」

エメラルド「ギャーーーーーーーーーーーーーっ!?」


 ズ ズズゥウウウウン……!!!!!

 

続きは時間があれば今夜 短いですが一旦ここまでー

男「…………」

エメラルド「……あ、お、オズ……」ぱちくり

男「う、っ痛う……っ! ぶ、無事か、トト」

エメラルド「あ……へ、平気よ。私は大丈夫」

男「ん、良かった。ギリギリだ……家も逸れてる。けど、」ギリッ

男「一体なんだってーんだ! 危ねーだろ急に降りてきやがって!」

男「どこのどいつだ! こんなアホみたいにでかい船で森に降りたらどうなるか――」

 メキ メキメキッ

エメラルド「あ」

 メキメキメキッ

男「どうなるか……木が……倒れてくるよね……」 

 メキメキメキッ! グラァッ

エメラルド「あ(2階の窓に……)」

 ガシャーーーーーーン! パリィイイインッ!

男「」


――ついに、ついに一国一城の主に。しがない劇団員の俺にもやっと念願のマイホームが!――

――素敵よ、アナタ!///――

――人間成せばなる。苦節32年……長かったぁ。ローンの返済にはそれ以上かかりそうだが――

――問題ないわアナタ。私たちにはケイスケもいるんだから!――

――?――

――その通りだ! ケイスケ、父さんがお前に遺すのは決してプラスとなるものばかりではない――

――だがこれだけは覚えておけ。この先、例え家族が離れ離れになろうとも、帰る家がある――

――いつだってこの家が、我が家がみんなを待っているんだ!――

――ああ、アナタぁ……!///――

――うはははは、俺の家だー! 俺の家だぁーーー!――


男「お、お、お、俺の家がーーーーーーーーーーっ!?」

エメラルド「ああーーーっ!? お洗濯物が! 服が、下着が! 下敷きにーーー!?」

男「うわああああ、窓が割れてる屋根が潰れてる親父に殺されるーーーーー!!」

エメラルド「お気に入りの一番高い下着もあったのに、なんで……なんで
      私の衣服はいつもペシャンコにされるのよぉ、びえーーーーん!」

男「うるさい! 下着なんかまた買えるだろ! それより家だろ問題は!」

 ギャー ギャー

??「うっさいわねぇ……何よ、せっかく気を利かせて途中で降りてあげたのに」

??「いるじゃない。何でこんな辺鄙な森に人がいるわけ?」ブツブツ

男「!」

エメラルド「!?」

??「ま、ちょうど良かったわ。アンタたちでいい」

男「……!(お、降りてきやがった! こ、コイツが船を……!)」

男(ていうか、え……女……!?)

??「……」じろっ

男「う」たじっ

エメラルド「~~~~~~っ!?」

??「……そこの2人、アメジストの愚民どもね」

男「な……っ」

??「アンタたちに生涯に二度とないであろう光栄なる仕事を命ずるわ」

??「今からこのあたしを都に、オリガの城まで案内なさい。可及的速やかに」

男「は、はあ!? 降りてくるなり何訳のわかんねーこと言ってやがる。まずは謝れ!」

男「お前の乗ってた船(?)のせいで俺の家が……っつーか、こっちは命まで危うかったんだぞ!?」

エメラルド「お、オズ! 待って、ダメ! 失礼な言動はダメよ!」ぐいっ

男「ああ?」

??「ふぁ~~あ、これだから愚なる民の扱いは困るのよ。そっちのおチビは肌で理解できているのにね」

??「力なき下々が我が威光に触れて平伏すのは世の常。幼い子どもだって知ってるわよ?」じろっ

男「う……お、お前がなんだっつーんだ……」

エメラルド「オズ! この方は――」ぎゅっ

??「『お前』じゃない。慎みなさい、次は殺すわよ? 
   あたしは南方を治めし覇者たる血を継ぐ大陸の雄――稀珠の輝きを備えた高貴なる存在」

??「答えてあげるわ、クズ。あたしこそがトパーズの民が崇めし女神」



トパーズ「クイーン・トパーズである」むふん



朝の続き 短いですがここまで


なぜわざわざ家の上に着陸した…

______________


男「……? く、クイーン……?」

男(クイーン・なんだって……? い、今、トパーズって聞こえたような……)

トパーズ「……」

男(……クイーンって、女王さまだよな? トパーズ……トパーズって、あの……!?)ギョッ

男「トトっ!(マジなのか!?)」

エメラルド「う、あぅ……」かたかた

男「……!(こ、この反応……!)本物かよ」つー

 ギュッ

男「……ん?(トト……?)」

エメラルド「ち、違うの。私の知ってるクイーンじゃない」ぼそっ

男「え!?」

トパーズ「……」にやっ

男「ち、違うのか!? だったらアイツは、(何者だ!?)」

エメラルド「私だって、直に御姿を見たことがあるわけじゃないの。でも今日は……」

エメラルド「4ヶ国会議の日でしょ?」

男「!(お前、やっぱり覚えてた……のか)」

エメラルド「このタイミングで他国にこれだけの規模の船で乗り付けて来るなんて、それこそがトパーズの
      王室関係者である証よ。クイーンが乗船してたって不思議じゃないわ。妙なのは、」

エメラルド「あの方が何故1人なのかということ」

男「……言われてみれば。他に誰もいなさそうだ」キョロキョロ

男「普通、女王だったら御付の護衛とかがいるはずだよな……」

トパーズ「ふぁ~~あ~~~~あ~~~~」

エメラルド「……な、なにより。クイーン・トパースはかなりのお齢を召されているはずよ。少なくとも
      オリガ様と比べるとずっとずっと上」

エメラルド「けど、私たちの目の前にいるあの方は……」

男「……どう見ても若い、な。こう言っちゃあ失礼かもしれんがオリガ様よりも若く見える。
  ていうか、齢は俺らとほぼ変わんねーんじゃねえか?」

トパーズ「あ~~~あ」

男(……雰囲気はあるけど。あの顔で金髪ロング……出で立ちも、派手さと品のよさを兼ね備えた
  典型的なお嬢様スタイルっぽいし。女王と言われても……なんか納得しちまいそう)

男(そ、それに……)ちらっ

トパーズ「ん?」

 たぷん

男(た、態度に比例してるのかな。あんなの、雑誌でしか見たことない///)

エメラルド「……?」

トパーズ「なーに人のことジロジロ見てんのよキモ男。さっきから会話が丸聞こえなんだけど?」

続きは書けたらまた今夜

>>96
すいませんわかりにくかったですね。
船はギリギリ家を外して無事地面に着陸。その際周りの木々をへし折ったためオズの家が大惨事、という感じなのです

いい感じに盛り上がってきたね


男「……ゴホン、つまりはどういうことだ、トト。
  あの自称クイーン・トパーズは女王でもなんでもないってことか?」ヒソヒソ

男「だったら畏まる必要はないだろ~、船で空を飛んできたからなんだっつーんだ」

男「それで偉さが決まるなら俺の世界の人間はもっとすごいのでバンバン空を飛んでるぞ」

男「相手は所詮1人、ただトパーズから来た人間ってことだけだろ」

トパーズ「あぁ?」ピクッ

男「石の力が強かろうが軍が最強だろうが関係ない。たとえそこの王室関係者だとしてもだ、」

男「俺だって一応この国の王室関係者。オリガ様以外にへりくだる用意はないなぁ~」

エメラルド「あわ、あああ」がたがた

トパーズ「こ、この……っ!」ピクッピクッ

男「ていうか謝ってもらえますぅ!? 見ろよ俺の家を! お前の船でメチャクチャだ、
  どう責任とってくれる。これは外交的にも大問題ですよ~~~~?」

エメラルド「ああああああオズぅううううううううう」がたがたがた

トパーズ「ふ、ふふ……怒りで上手く言葉が出ないのは生まれて初めてだわぁ」ゆらぁ

エメラルド「ああああお許しくださいお許しください」ぺこぺこ

男「顔を上げろトト。土下座なんてするな被害者はコッチなんだ」

エメラルド「お願いよオズ、お願いだから一緒に謝って。どなたであろうと失礼な態度はとっちゃダメなの
      あの方はただの王室関係者じゃないの右肩の紋章が見えるでしょ」がたがた

男「……紋章? ああ、あの肩に掛けてる赤いマントの?」

男「それがどうした」

エメラルド「か、家紋の話はしたはずよ、オリガ様のお家の。……翼を生やした獅子は<力>――
      すなわち強国を治めるにふさわしい王家の象徴。あの紋章は……」

エメラルド「トパーズ王室、ノーヴェン家の家紋なの。
      その刺繍の入った衣服を纏うことができるのはどういう方なのか」

エメラルド「オズには説明してるでしょお願いだから謝ってぇええええ」がしっ

男「……」

男「……え? ちょ、ちょっと待った。えーと、」

男「もしかして本当にクイーン?」つー

エメラルド「そうじゃなくても限りなく近いお人なの!」

男「限りなく近かったら王室関係者より偉い人なのかなぁ……偉い人だよねぇやっぱ」つーーー

エメラルド「どうしてオズはいつもたまに好戦的になるの!? トーパズという国を怒らせたらどれだけ
      大変なことになるかあれだけ説明したじゃない忘れたの!?」

男「家を壊されりゃ誰だって怒るだろ!?」

トパーズ「おチビのほうがはるかに賢いわねぇ、そしてそういう人間は長生きするわ。それに比べ、」

トパーズ「こーのアホ男ぉ……アメジストの王室関係者ですってぇ?」じろっ

男「……!」

トパーズ「オリガの教育はどーなってんのかしらぁ? まさかウチと対等な口を聞いてもいいと城で日頃から
     言われてるの? 弱小国のゴミ王室の人間ごときがこのあたしにぃ、」

トパーズ「僭越も僭越、『謝れ』だなんて舐めた口を叩いていいとあの女に教わってんのかしらぁ」ギロリ

男「いやいやいやいやいや!」ぶんぶんぶん

男「滅相も御座いません。先ほどからの数々の暴言、心よりお詫び申し上げます!」ペコッ

男「まさかアナタがあのトパーズの! それも王家の血筋の方だなんて!」

男「トト~、そういう大事なことは先に言っておいてくれなきゃあ」

男「確かに俺みたいなゴミ王室の人間が対等に会話が出来る存在ではありませんでした。
  いやまさかそんな偉いお人がこんな何もない場所に来るなんて夢にも~」

男「もしかして、本当に女王さまで?」

トパーズ「そう言ってんでしょうがっ!!」ガスッ

男「ぁぐお……っ!?」

エメラルド「オズっ!?」

トパーズ「無知も罪よ。あたしを怒らしたらどうなるか身をもって知りなさい」カツン

 ――カッ!!

エメラルド「!?」

 ふわぁ

男「!? ……へ?」

男(か、身体が……宙に……!?)

トパーズ「こんなもんじゃないわよ」トントン

男「おわ!? おわーーーーーっ!?」

 びゅーーーん

エメラルド「お、オズっ!!」

男「うーーーーわーーーーーっ!! 空飛んでる! 高い、高いって!」

トパーズ「ふん」
 
 パァアアアアア

エメラルド「……!(あの靴、装飾を魔法石で……!)」

男「お、降ろせよ! 降ろせ!!」じたばた

トパーズ「はぁ? 何? 遠くて聞こえないわ」にやにや

男「……! こ、この……っ」

トパーズ「もっと惨めに喚いてみたらどうなの? そうすれば少しはあたしも――」

男「あぁ!? なんだってぇ!?」

トパーズ「……。……だから! もっと惨めに泣き叫べって――」

男「悪いが遠くて聞こえねーよ、だってここはお空だからねー。それくらいもわかんねーのか! この、」


    「バカ女ぁ!!!!」


トパーズ&エメラルド「!?」

短いですがここまでっ

と、思ってましたが時間が空いたので少しだけ

男「ダメだー、一瞬我にかえって謝ってみたけどやっぱ無理!」

男「オリガ様やこの国に迷惑がかかることも重々承知の上で無理だ! こいつに頭は下げれない!」

エメラルド「……!」

トパーズ「な、なんですってぇ……? い、今……バカ女って……」ブルブルッ

男「ちゃんと聞こえてんじゃねーか。バカにバカと言って何が悪いこの傲慢女!」

エメラルド「」

トパーズ「ご、ご……ごう、まん……?」ブルブルブルッ

男「けっ。トパーズの女王だかなんとか家の人間だかしらねーけどな、
  俺にはぜーんぜんお前が徳のある人間だとは思えん」

男「人の上に立つ人物ってのはなぁ、華美な服や高価な貴金属を身につけなくても自然、
  オーラが出てるんだよ! 思わずかしずいてしまう様な……オリガ様がそうだった」

男「その点お前はどうだ! ただ顔が整ってて胸が異常にデカイだけで、一瞬『おや、お姫さまかな?』
  くらいにしか思えない単なる勘違い金髪洋物グラビアアイドルだ!」

男「生まれ来た場所がたまたま王室だっただけで勘違いしてるかもしれないが、俺はお前に対しまったく
  畏敬の念は生じていないぞ。ちなみにそこにいるトトが恐れているのはトパーズという肩書きだけ!」

男「権力と家柄という衣を纏い偉そうにふんぞり返るそこいらの凡人、それがお前だ獅子神女王様ぁ!」

エメラルド「いーーーーーーやーーーーーっ! オズぅううううううう!?」

トパーズ「……(あ、あまりのことに気を失いそうなんだけど)」ブクブクブク

エメラルド「やめてお願い! いつものオズに戻って! 今日はどうしちゃったのよ、一体!」

トパーズ「こ、国内ならいざしらず、こんなゴミの様な新参国家でまさか最下層ともいうべきクズに、
      こ、ここ、ここまで……。こ、これだから頭の悪い下々は……」ひくっ

男「下々ぉ? その人を見下した発言がお前の器の狭さだと何故気づかない。そんなに上下をはっきり
  させたいなら言ってやろうか、俺は今お前を上から見てるぞ~~~、こーんなに高い位置からなぁ」

トパーズ「……!(ブチッ)こ、殺して……っ」

エメラルド「オズっ! いい加減に――」

男「悪いなトト」

男「さっきも言っていたが、迷惑を……かけてるのは理解してるんだ」

男(この状況、まさかの転がり込んできたトパーズの人間との関係を結ぶ絶好の機会であることも)

男(……それも相手が女王だって、出来すぎだよな。帰る手段を探すのにグッと近づいたはず)

男「(けど……)けどな、どうしても腹が立つんだ」

男「たった数日だけど、世話になってるこの国をゴミ呼ばわりするコイツが。
  あの優しい女王さまが治めるこの国を、弱小国と目の前で蔑むコイツがぁ!」

男「それ以上にっ!」

男「お前がペコペコ頭を下げてるその姿が、なんか! イライラするんだよっ!」

エメラルド「!」

男「トト! お前の夢は何だ!」

男「俺と最初に出会ったとき、楽しそうに眼を輝かせ語ってくれてたあの夢は何なんだ!」

男「争いを好まないお前の性格はわかっている。だがそれ以前にお前は……俺たちとは違うだろ!?」

エメラルド「!!」

男(お前は、俺たちより『少しだけ』優れた才能を持った人間じゃないか……)


 ――「魔女」


男(その人間たちの誇りと、まだ歴史と呼ばれるかすらわからない過去の出来事を忘れたのか?)

男「コイツは……あの4ヶ国の1つを治める首領なんだぞ」ぎりっ

男「(お前の故郷を、この森を攻め滅ぼした元凶の片割れだ……どうしてそんなヤツに! 理由もなく簡   単に頭を下げれるんだ!)お前は偉大なるまじ――」


男「…………」



男「マジでコイツにだけは頭を下げる必要はないんだ、わかったかトトぉ!!」

ここまでですノシ

いいねえ
おつ

オズ△

 クンッ

男「!?」

 びゅーーーん

男「おわわわああーーーっ!!?」

 ドスンッ!!!!

エメラルド「オズっ!?」

男「!! っ、か……かはっ……!?」

トパーズ「……黙って聞いてれば言いたい放題ねぇ」

男「か……あ゛……」パクパク

トパーズ「どうしたのかしらぁ、ご自慢のへらず口は。もしかして言葉も出ないの?」にやっ

エメラルド「あ、あんな高いところから落とされれば誰だって――」ダッ

 ふわっ

エメラルド「!」

男「ぅ……あ……」

 びゅーーーん

エメラルド「オズ!? も、もうやめて下さいクイーン!」

トパーズ「あーはっはっは! 無様ねえ、所詮アンタも口だけのカスじゃない!」

トパーズ「次に地面に叩きつけてあげたら出てくるのは生意気な台詞かしらぁ、
     それともまっ赤な醜い醜い血ヘドかしらねえ!?」

エメラルド「い、イヤ……やめて……」

男「ぅ……うぅ……」

トパーズ「さあ! さあさあ! 恐れなさい、敬い後悔なさい! あたしの<力>の前に!
      無力な自分の惨めさを! 死ぬ前にもう一度チャンスを与えてあげる!」

トパーズ「今までのあり得ない暴言をすべて撤回し情けない声で詫びるのよ! そうすれば命だけは
     助けてあげるわ、あたしは寛大なの」

トパーズ「代わりにアンタを一生下僕として飼ってあげるわぁ! オリガに言ってね。あの女もウチを
      敵に回すくらいなら頭の悪い王室の人間1匹くらい喜んで差し出すに決まってる!」

男「……ぐ、ぅ……」

トパーズ「さあ! ゴミでも命は惜しいでしょ!? さっさと詫びなさい!」

男「い、命は……惜しいな、確か、に……」パクパク

トパーズ「……」にやぁ

男「……ぅ、うぅ……けど……っぱ、アレだな……」

トパーズ「?」

男「思ったとおりの、バカ女……ぉ、まえの、<力>は……お前のじゃ、ない……」パクパク

男「これ、も……石の力だ。魔法を……我が物顔で使って、偉そうにしてんじゃ、ねーぞ……勘違い」

トパーズ「……」

男「……こんなんで、どうだ?」ぜえぜえ

トパーズ「……あっそ、もういい死ね――」

 ひしっ

トパーズ「……」

エメラルド「……」かたかた

トパーズ「……何、してんの?」

エメラルド「……」かたかた

トパーズ「離しなさい」

エメラルド「……」かたかた

トパーズ「アンタが代わりに足にすがって許しを乞うつもり? もう遅いのよ」

エメラルド「……」かたかた

トパーズ「アイツは死ぬの。アンタも……あの男とどういう関係だかしらないけど次から」

トパーズ「男を選ぶときはよーく慎重に考えなさい。バカに付き合って身を滅ぼすなんて
      笑い話にもならないわ。あたしにはわかるの、アンタは……利巧な人間でしょ?」

トパーズ「さ、手を離しなさい。邪魔よ」

エメラルド「……ゃ」かたかた

トパーズ「……」

エメラルド「……ゎたしだって、わかってるわよ」ぼそっ

エメラルド「誇りも、夢も……忘れてるわけじゃない」

エメラルド「でも、こうするしかないの私には……誰かを頼って、誰かに許しをときにはお金、
      ときには食べ物を乞い、すがるしか生きていけない……」かたかた

エメラルド「そうやってずっと暮らしきたの……私は、オズみたいに強くない」ぎゅっ

男「……トト……」

トパーズ「強さじゃないわよ~、あんなのは無謀っていうの。さ、もういいから離してちょうだい」

トパーズ「力ずくで引き剥がすわよ?」がしっ

エメラルド「……っ」ぎゅっ

男「……くやしくないのか、こんなヤツに」ぜえぜえ

エメラルド「……っ、く……っ!」じわっ

エメラルド「ぐやじいわよっ!!」ぎゅーっ

男「!」

エメラルド「ぐやしいに決まってるじゃないっ! ……っ、ぐすっ、ぐやじ、い……」

エメラルド「くやし、いわよ……くやしいのに、本当に……ひっく、何も出来ないの。私は……
      今の私には、何も出来ない……」ぽろぽろ

エメラルド「程遠い……おばあちゃんと……」

エメラルド「いえ、多分……“他のみんな”と比べても、全然違う……」

エメラルド「弱くて……情けない」

エメラルド(……それを今、いちばん頼りに、いちばん側にいてくれてる人に指摘されてしまった
      自分がくやしい……)

トパーズ「なんの話をしてんのさっきから邪魔だっつってんのよ!」ぐいっ

エメラルド「……っ! う、うぅ」ぎゅっ

トパーズ「ちょ、は、離しなさい! 髪が……どうなってもいいの!?」ぐいぃ

エメラルド「うぅ、ぃた……いっ」ぎゅーっ

ダメだ眠い! 続きは夜に!

待ってる

男「トト……っ!」

エメラルド「ぃ……くやしい……っ!」ぎゅっ

トパーズ「――ちっ……離さないんだったらいいわ、
     そのままあの男が虫ケラのように潰れる様を見てなさい!」スッ

エメラルド「や……め、て。オズに乱暴しない、で……!」

 (魔法を――そんなことに使わないで。“私たちは”……)

 (誰かを傷つけるために魔法を生み出してるわけじゃないの……こんな、)

エメラルド「(争いや暴力の為に、私たちは魂を削ってるんじゃ――)たとえ、クイーンだって……っ!」ぎゅっ

 ――ァアア

トパーズ「……?(光が――?)」

トパーズ「!?(まさかっ)あ、アンタもしかして……!」ぐいっ

エメラルド「ぁう……っ!?」どさっ

 ――パァアアアア

トパーズ「……! 石が輝いてる……!? ま、まさかこれが狙いだったの!?(身体で光を隠して――)」

 「お供の護衛ナシってのはマズかったんじゃないのか? お姫さま」

トパーズ「!! しまっ――」

男「おーっと動くなよ!」ピシィ

トパーズ「~~~~~~~っ!」

男「痛てて……あー、クッソぉ……メチャクチャ身体が痛い。よーくーも、
  人のことを好きにやってくれたなぁ、このドSの女王さまぁ……」ズキズキ

トパーズ「……くっ、な、なんの真似かしら? そんな、木の枝でどうしようって……」

男「あいにくうちには料理で使う包丁以外に物騒なモンはないんでな。……だが、」

男「これが剣ならお前の首と胴は離れてたかもしんねーぞ」ジロッ

トパーズ「や、やれるもんなら……やってみなさいよ」ツー

トパーズ「こ、このあたしに……」

トパーズ(あり得ない、なんなのコイツら……)

 ――スッ

トパーズ「……え?」

男「……膝をつき、頭を地に着け改めて申し上げます。今までのご無礼、たいへん失礼いたしました」ペコッ

男「どうか、気の済むまで殴っていただいても。ただし、命は惜しいです。どうか私の弱く醜く、貴女様から
 見ればゴミのように思えるでしょう命ばかりは見逃していただけませんでしょうか……お願いします」

トパーズ「な……っ、今さら……きゅ、急に何よ……」

男「間違いに気付いたからです」

トパーズ「間違い……?」

男「ええ、大きな誤りです。人は、他人の気高く、誇りある生き方から何かを学び、時にはその生き様に
  共感し憧れ、模倣することさえあります。それは身分の富貴卑賤、国境による人種の違いに関わらず」

男「どうやら私の同居人は想像以上に強く、強かな女の子だったようで。彼女が尚も頭を下げる
  というのなら……俺も倣うしかないよな、トト。……すまなかった(また、助けられちまったな)」

トパーズ「……!」ちらっ

エメラルド「……」ぺこっ

トパーズ「お、おチビ……」

トパーズ(あの状況で、あの短い時間で数ある靴の石から、この男を降ろす『力』を……)

トパーズ(ある程度の想像・推測のみでは魔法は発動しない。完璧に……石の効果を
      認識したとでもいうの……? 信じられない……この子……まさか、)

トパーズ「アンタ、まさか魔女――」

男「!!」 エメラルド「!!」びくっ

トパーズ「……でも不可能よね。聞いたことないわ、そんな業前。
     高名な魔女ですら解析には膨大な時間を要すると言われてるもの。偶然、効果を引き当てた……」

トパーズ「奇跡が起きたってヤツかしら? 運がいいわね」

エメラルド「……」

トパーズ「……アンタ、名前は?」

男「――俺の名前は、」
トパーズ「アンタじゃないわよカス」

男「……!」

トパーズ「トト。……そう呼ばれてたわね、それがアンタの名?」

エメラルド「は、はい……トト、です。私の名前……」

トパーズ「『トト』……うん、グーッド! 良い名ね。……トト、」

トパーズ「あり得ないわ」

エメラルド「?」

トパーズ「あり得ないのよ? このあたしにここまでフザケた態度をとる人間が
     大陸に存在するなんてあり得ないの、あってはならない!」

エメラルド「ご、ごめんなさい」かたかた

トパーズ「普通はあり得ない……見事に足元をすくわれたわ。アンタ……やるじゃない♪」にこっ

トパーズ「ねえ、ウチに来ない?」がしっ

エメラルド「へ?」

トパーズ「このままじゃあたしは負けっぱなしよ冗談じゃない」

トパーズ「アンタはあたしの付き人として側にいなさい。いずれあたしの高貴さと絶大なる力によって心から
     屈服させて見せるわ。……それまでアンタはトパーズの王室に入るの。どう?」

男「はあっ!? いきなり何トチ狂ったこと抜かしてんだ!?」

関係ないがトト、ドロシーと聞くとメルヘブンを思い出すのは俺だけだろうか

トパーズ「悪い話じゃないわよ~、王宮に住めばお金に困ることもないしフカフカなベッドで好きなだけ
     眠れるし、それに毎日美味しいモノも食べ放題よ~、アンタが望むなら」

エメラルド「お、美味しいもの……」じゅるっ

男「トトさん!?」

トパーズ「衣服にだって困ることないんだから……あ、数が多すぎてある意味悩むかも。ま、
     こーんな汚いヨレヨレのセンス最悪の服なんて未来永劫着ることないんだから~」にこにこ

エメラルド「! こ、これは、汚くなんかない……ですっ。私のお気に入り……」ぎゅっ

トパーズ「あら?」

男「はーはっはっは! バカめ地雷を踏んだな、トトは服のことに触れると機嫌が悪くなるんだぁ!」

トパーズ「……そ、覚えとくわ。けどもう決めたの、アンタはあたしと一緒に来るの」ぐいっ

エメラルド「え……え、え? あ、あの……」おろおろ

男「待て待て待て!」

トパーズ「ちっ、煩いわねえ……アンタは要らないわよ?」

男「俺もお前なんか要るかっ! トトは渡さん!」

トパーズ「……? アンタらどういう関係なの? もしかして……恋仲?」

男「いぃっ!? こ、こい、な……///」ぼっ

エメラルド「……!///」ぼっ

トパーズ「ん~? 違うんでしょ?」

男「ま……まぁ、ちが……といえば、違う、よな……///」ちらっ

エメラルド「……///」じーっ

男「う……え、ええいうるさい!///  っつーか、俺の家はどうなるんだ! 弁償してくれるんだろうな!?」

トパーズ「……ね。あーんな馬小屋以下のみみっちい貧相な建物にだって住むことないんだから」

男「だから寝言は寝~て~言~え~! お前が勝手に話を進めるな!」

トパーズ「話ならオリガに通しておくわ。民の処遇を決めるのは統治者よ。さ、どの道あたしはこのあと
     城で下らない会議に出なきゃいけないから……ちょうどいい」

トパーズ「時間がないの。さっそくあたしを都まで案内してちょうだい、トト。行くわよ♪」ぐいっ

エメラルド「や、ぁ、嫌……オズ助けて……」

 ずるずるっ

トパーズ「~~~♪」

エメラルド「いーーーーーやーーーーーーっ!」

男「……っ、こ、このっ、アホ女……っ」ピクピクッ


 

 「人の話を聞けぇーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」





ここまでい!

オズさん何もしてない・・・

このSSと関係はなくすごくどうでもいい話ですがワンちゃんを飼いたい
ヨーキーと部屋でウヒョウヒョ言いながら戯れたい……(╭•́⍛•̀)╭

陽気なヨーキー
なんつって

ペットいいよね

得るものが多い分大変な面もあるが(特に犬は)

______________


トパーズ「――大体ねぇ、あたしが何したからって責められなきゃなんないのって話なの」

トパーズ「そもそもあの森に降りたのだって、都・その他近隣に飛行船が着陸したらこの国の民に迷惑
      がかかるんじゃないかっていう寛大な配慮と心遣いによるものじゃない。このあたしの」

エメラルド「……」

トパーズ「それがなに? いざ気を利かせて降りてみるといきなり罵詈雑言を浴びせられ、その上
     クイーンであることすら疑われてあろうことか勘違いアホ男のてーんで中身のない説教を聞かされ        る始末。……ねーえ、これでもあたしが悪いって言うの? トト、あんたはどう思う?」

エメラルド「え、えーと……」

男「家を破壊したことを忘れてるんじゃないだろうな! ついでに俺もヒドイことを!」

トパーズ「(無視)……言っとくけどねぇ、今日だってホントは1人でここに来たわけじゃないんだから」

エメラルド「?」

トパーズ「当たり前でしょ? これでもあたしは一応クイーン、
     それも栄誉あるあのトパーズをその美と才で治めし神よ。女神」

トパーズ「護衛は勝手に付いて来る」

トパーズ「むっさい男どもと船に乗るより1人で優雅に空の旅を満喫したかっただけなの。
     どーせ今頃国境付近にウチの主艦隊がゾロゾロ集まって周辺の町を威嚇しまくってるに違いないわ」

エメラルド「と、トパーズの艦隊……!」ぞくっ

トパーズ「んっふっふー、そうよー? あたしの気分次第でアイツらがどう動くか、まともな思考回路してたら
     わかりそうなもんよねえ? アンタの態度は正しかったの。お利口よー、トト♪」なでなで

トパーズ「それに引き換え……」チラッ

男「……」

トパーズ「はっ」スゥーー

男「鼻で笑うな失礼なヤツだな! つーか、さっきからブツブツ……要するにまだ自分はお偉い人間アピール
  したいだけじゃねえか! どんだけしつこんだ、いいから俺の家を壊した責任についでだな――」

トパーズ「ねーえ、トト。都はまだなの?」スィー

エメラルド「も、もうすぐだと。そこからなら、城壁は見えてきてるはずです」

トパーズ「ふーん……確かにうっすらと、それっぽいのは見えるわね」ジーッ

トパーズ「ていうか遠くない? 流石にこの距離は予想外なんだけど……最悪……」

男「最悪なのは都に用事もないのに歩かされている俺たちだろ」ぼそっ

男「あー身体がまだ痛いー! いいなぁ、どっかの我がまま姫さんは空を自由に
  お歩き遊ばされてるんだもんなー! トパーズの魔法石ってやっぱ偉大だなー!」

トパーズ「……」スィー

男「それより都に行きたいんでしたっけ? どーぞ、この道をずっと辿っていけばイヤでも都に着きますよ。
  ここまで来れば案内なんて必要ない。トト、俺たちはそろそろ引き返すぞ」

エメラルド「そ、そう、ね……」ちらっ

トパーズ「ふぁ~あ、会議には間に合うかしらねぇ……いるのよ1人~、時間にうるさい小姑みたいなのが」

男「無視すんな! こっから先はお前1人で行けよ!」

 (俺とトトは都に行きたくても行けねーんだ!)

トパーズ「……」スゥー

トパーズ「……ねえ、どうしてコイツまでついて来てんの?」

男「ど、どうしてって……お前がトトを連れてこうとしてるからに――」

トパーズ「しかもさっきから会話に無理やり入ろうとしてくるんだけど。
      ……アメジストの男ってこんなのばっかなの? それともコイツが特別気持ち悪いだけ?」

エメラルド「……!」

男「むぎぎーっ!(ぶん殴りたい……っ!)」じたばた

トパーズ「ふん。仮にも1国の王室関係者が馬も持たずにあんな辺境に住んでるなんて、それだけで器量が
     推し量れるわ。トト、先のなさそうな男とは早めに縁を切りなさい」

エメラルド「う、あう……」

男「て、てんめぇ……! も、もう許さんからな!」ぎりっ

男「トトと都に行きたいなら勝手にそうすればいい! 俺は1人で帰る!」

エメラルド「!? お、オズ、そんな……!」

男「俺は1人で森に戻るからなっ! その代わりお前が会議から戻ってきたら自慢の飛行船がどうなってるか
  思い知るといい~~! メチャクチャにぶっ壊してやる! 覚えとけ!」

トパーズ「だって、良かったわね~五月蝿いのが消えてくれるって」

エメラルド「……お、オズ」

男「ホントに帰るぞーーー!? 良いのか本当に壊すからなぁーーーー!?」

トパーズ「……でー、何の話だっけ? あ、そうそう男といえばね、昔……」

男「うわーーーーん! 壊してやる! なにもかも全部壊してやるからなーーーーっ!」じたばた

______________

 アメジスト・都 中央広場――
 
 ざわ ざわ

エメラルド「……」

男「……(結局ここまで来てしまった)」ズーン

男「……あの女は」

エメラルド「さっき城まで行くからって、ここでお別れしたじゃない。
      オズったら、ずっとブツブツ言っててうわの空だったのよ? 門兵の人たちも怪しんでたわ」

エメラルド「ま、まあそれ以上にクイーンに驚いてたけど」

男「悪夢のような数刻だった……生まれて初めて出逢ったタイプ。あの頭のイカレ具合はなんだ」

エメラルド「で、でも……結構意外だったというか、その……悪い人ではなかったわ」

男「どこが!? トト、おまえまさか王室に誘われてコロッときたのか!? 騙されるなー!」ユサッユサッ

エメラルド「だ、騙されてないの。大丈夫よ、私トパーズに行くつもりはないわ」

男「当たり前だ。お前は俺と一緒いるという契約を結んでいる。あんなアホ女についていくことはない」

男「従ってアイツの帰りを待つ義務もナシ! 家に帰ったら鍵を掛けて無視だ、そのままやり過ごそう」

エメラルド「……」じーっ

男「? どうした?」

エメラルド「う、ううん///」ぷいっ

男「?」

エメラルド「……あ、あのね、オズ。トパーズの王室にって話……」

エメラルド「もしかしたら、石を手に入れる機会があったかもって……思わなかった?」

男「石……? あ、ああ、トパーズの魔法石――」

エメラルド「王室関係者なら、所持できるどころか使用許可だって格段に得やすくなるわ」

エメラルド「オズ……お家に帰る為に欲しがってたじゃない? だから、もしかしたら私――」ちらっ

男「話を受けたほうが良かったかもって? バカ言え」

男「思いもしなかったぞ、んなこと……なんでお前を質に入れるような真似してまで石を手に入れなきゃならん」

男「そりゃあ、お前がトパーズに行きたいっていうなら話は別だ。俺は、止めれないけど」

男「確かに……魅力的な話ではあるからな。……それくらいはわかる」ぷいっ

エメラルド「……」

男「た、ただ!///」

男「ただ、もし……本当に行くとか言い出したら、ちょ、ちょっとだけ……なんか、寂しい///」ぼそっ

エメラルド「!」

男「~~~///」

エメラルド「お、オズ! もう1回! もう1回言って!」ぎゅっ

男「う、うるさいこんな所で抱きついてくるなっ! ていうか一応顔は隠しとけよっ!///」ぼふっ

エメラルド「もがもが(んー、もう1回! もう1回!)」ぎゅーっ

男「くっつくなぁ……っ!」ぐぎぎ

 ―― トトは渡さん!――

エメラルド「うへ、うひへぇ……もう1回言ってぇ……じゅるっ///」

男「ああ、もう! お前からもそこはかとなくアホ女と同じニオイがする、はーなーせっ!」

エメラルド「あぅ。……むー」

男「むくれるな。……それにどうせ、お前は王室関係者になれっこないんだ。自分でわかってるだろ?」

エメラルド「……。……うん」

男「多少、あのクイーンがお前のことを気に入ったとしてもだ。アメジストですらない、他国なんて危険すぎる」

エメラルド「……」こくっ

男「最初から無理とわかってるならキッパリ拒絶した方がいい。あの手のタイプはしつこそうだからな……さて、」

 がやがや わい わい

男「はぁ……あれだけ念を押されてたのに来ちまったんだよなぁ」

エメラルド「……」きょろきょろ

男「ふふっ、(フードの上からでも眼が輝いてるのがわかる)……会議は、もう始まってるのか」

男(つまり、一番の脅威である女王各位は城ん中……)

男「……折角だ、このまま手ぶらで帰るもの勿体無い。トト、」ぽんっ

エメラルド「ま、まさか!」

男「ん。ちょっとだけ買い物してくか……頼みの食材、カレーも見事に吹っ飛んだし。代わりの食いモンを」

男(あと出来れば窓を補修出来る工具的な物を至急調達しなければ。……くそっ! あの女……!)

男(マジであの船を解体しておいてやりたい……)

エメラルド「オズ、オズ」くいくいっ

男「ん?」

エメラルド「あ、あっちの通りで葡萄を売ってるお店を見たの!」

男「目ざといな」

エメラルド「きょ、今日は特別な日だから、すべてにおいて値が張ってると思うんだけどどうかしら!」

男「……心配するな、金ならある。買ってやるからまずは店を案内……」

男「その前に、垂れてるよだれを拭きなさい」

  わい わい  がやがやっ

______________

 アメジスト・警備府 第1隊本拠――

 カツーン カツーン

警備兵「……?」

 カツーン カツーン

警備兵「お、おい! アレっ!」ヒソヒソ

 カツーン カツーン ピタッ

ラズライト「…………」

警備兵「……!(あ、あれは、ジェイル隊長……!)」

ラズライト「仕事中に突然すまない。隊長はどこに?」

警備兵「は……はっ、隊長は――現在、外から護送されてきた囚人の対応に追われていまして」

ラズライト「地下か……」

警備兵「あ、あの、ジェイル隊ち――」

 ポンッ

警備兵「……!」

ラズライト「……少し、邪魔をさせて貰うぞ」ポンポンッ

______________


 「手前ぇら! ぶっ殺してやるからなぁ!」 「我が聖なる儀式を阻んとする愚者どもよ」ブツブツ

 「騒ぐな!大人しくしろ!」 「1人ずつ出せよ~、鎖をもう一度確認して!」


ラズライト「――相変わらず、ここは賑やかだな」

警備隊第3隊長改め警備隊第1隊長「! お、おおっ!?」

  ざわっ 「お、おいあの人――」 ヒソヒソ

ラズライト「やはり警備隊とはかくあるべき……そうだろ?」ニヤッ

警備隊第1隊長「ジェイル……っ、お前、今までどこに……!」

ラズライト「ん、ちょっと……な。夜な夜な飲み歩いてて……ご覧の通りだ」

警備隊第1隊長「不精面も度が過ぎれば不審者扱いされても文句はいえんぞ」

警備隊第1隊長「あの警備隊の狂犬を、間違えてしょっ引こうとする哀れな新人部下を想えば、
          今すぐ生活を改めて欲しいな。……いつまで腐ってるつもりだ」

ラズライト「別に腐ってなど……」

警備隊第1隊長「ふん。ま、謹慎中にも関わらず堂々ここに来るのはお前らしい。今日は何をしにここへ?
          言っておくが、俺の勝手でお前に仕事はさせられないぞ~」

ラズライト「……」


 「ぎゃあああ痛い痛い痛い!」 「もっと優しく扱えねーのかバカどもぉ!」 

 「生意気言うな! お前はコッチだ!」 「ほら次っ!」


ラズライト「……いや、特に理由があって来たわけでは――」

警備隊第1隊長「?」

ラズライト「……(やはり、黙って去るべきか)」

ラズライト(俺には向いていない。どうもこういう時、何を言っていいのやら。気の利いた台詞が出ん)

ラズライト「……」

警備隊第1隊長「……どうしたんだ、ジェイル。何か言いたいことでも――」

 「ぎゃあああ! だから痛いって言ってるでしょ!?」 「なんでいちいち腕をひねるの!?」

 「暴れるからだろうがっ! さっさと牢屋に入れ!」 「いやだーーーーーーーーーーっ!!!」

ラズライト「……大変だな。まさか今日、罪人が送られてくるとは」

警備隊第1隊長「ああ、まったく会議の日だっていうのに空気読めよ……って、言いたいところなんだがな」

警備隊第1隊長「実は俺の通達に不備があり、手違いでこうなった……」

ラズライト「おいおい」

警備隊第1隊長「第1隊を引き継いでいきなりこれだよ。それはもう長官に、こっぴどく叱れてしまった」ガクッ

ラズライト「……頑張れ」ポンッ

 「いやだいやだ俺は絶対に入らねーぞっ!? 入ったら負けだ罪を認めることになるー!!」

 「なんだコイツ……っ、お前、別の街ですでに拘留されてたんだろうが! ここで粘るな!」

ラズライト「――にしても、すごいのがいるな」

警備隊第1隊長「……活きがいいだろ。さっきから手を焼いてる」 

ラズライト「まだ子どものようだが……何をしたんだ?」

警備隊第1隊長「えーと、確か……『カルツォネ』で捕まってるなぁ。罪状は……不法侵入だ」

ラズライト「不法侵入……?」

警備隊第1隊長「ああ。深夜に同街の礼拝堂に侵入、そこで寝ていたところを警備隊に捕らえられている」ぺらっ

警備隊第1隊長「取調べにおいても名前、素性、一切を明かさない。……ま、典型的な不審者というよりはあの
          身なり……恐らくどこかの家出小僧に違いない」

ラズライト「……これは?」

警備隊第1隊長「うん?」

ラズライト「これは何だ? ヤツの所持品目録……ここに記載されてある『コレ』だよ」

警備隊第1隊長「ああ、コレな……」

警備隊第1隊長「――って、おい、ジェイル」パタン

ラズライト「……」

警備隊第1隊長「危ない危ない、ついいつも流れに。……ジェイル、お前はもう――」

ラズライト「わかってる」

警備隊第1隊長「……」

ラズライト「……っ」

警備隊第1隊長「……ゴホン、『コレ』はな。というより、『コレ』があの小僧の送られてきた理由だ」

警備隊第1隊長「この都には各地の大商会が拠点とする商館がそこらにある。そこで人と成りを照会すれば
          身元くらいはわかるんじゃないか、ってな……あとはもうわかるだろ?」

警備隊第1隊長「これで終わりだこれ以上は何も言わんぞ!」

ラズライト「……ふむ。商館……なるほど」

??「しょ、商館……っ!!?」ギョッ

ここまで 続きは明日のこの時間くらい

??「商館って何? アンタら何するつもりなの?」ガバッ

警備兵「……っ、お前には関係ない、黙って牢に入れ……っ」ぐぎぎっ

??「まさか俺の身元を照会しようって話じゃないだろうな!? 冗談じゃないっ!!」

警備兵「貴様……っ、いい加減にしないと手荒な真似をすることに――」

??「んなことしても素性なんてわかりっこないんだ! 無駄な努力は止めなって! アンタらはもっと他に
   いーっぱい仕事はあるだろ、なんだって俺みたいなか弱い善良な一市民を追求するの!!」

??「商会の連中も忙しいんだ、、お互い何の得にもならない行為はやめましょう! だから商会に
   問い合わせるのだけはやめてーーーーー!!」

警備隊第1隊長「……」

ラズライト「……片は早くつきそうだな」

??「頼むからやめてくれーーー! 人殺しぃーーーーーーー!」

警備兵「こ、この……っ、暴れるな! 立て!」

??「ひとごろじぃ……ひとごろじだぁ、アンダらは……ひっく」チョロロ

警備兵「!? う、うわお前!?」

??「お願いでずぅ……ひっく、おねが、しょ、商館商館だけは……商館だけはご勘弁をぉお……」

警備兵「……! た、隊長! これ以上我々の手には!」

警備隊第1隊長「はぁ……」

ラズライト「ちと可哀想な気もするが……」

警備隊第1隊長「これも職務だ。やれやれ……わかった、俺がその小僧の対応に当たる。
          お前たちは引き続き他の囚人の対応を」

??「イヤだぁ……俺は何もしてないぃ……」

警備隊第1隊長「何もしてないなら素性を言えるだろう。もういいから大人しくしてろ」

??「そっちこそいいのかぁ……俺ぁこの国の秘密も知ってんだぞぉ……」

ラズライト「……本格的に忙しそうだ、俺はそろそろ退散するよ」ポンッ

警備隊第1隊長「? あ、ああ……うむ(……? 本当に顔を出しに来ただけなのか?)」

??「俺ぁなぁ、この国の王室関係者と知り合いなんだぞぅ。俺にヒドイことをすれば彼が黙ってないぃ……」

ラズライト「邪魔をした」

ラズライト(……達者でな。お前たち)

警備隊第1隊長「……」

警備隊第1隊長「ジェイルっ!」

ラズライト「?」

警備隊第1隊長「髭を綺麗に剃るならまたいつでも来ていいぞ。それに……」

警備隊第1隊長「いい年齢して1人寂しく飲み歩いてるならたまには誘え。街の綺麗どこよりははるかに、
          お前の酒の相手は心得ていると自負してる」にやっ

ラズライト「……考えておく」

 カツーン  カツーン

ラズライト(そういえば……ミハイルのヤツとも似た約束をしたかな)

ラズライト「ふっ、(アイツが今の俺の体たらくを知れば何というだろう……)」

 「よーし小僧! 立てるか~?」 

??「お れ に 触るなぁ!!」

??「そうだよ! 俺の素性を知りたきゃアイツに聞けばいい! アメジストの王室関係者だ、アンタらよりは
   数段格上の人間だろ! オズだ! 彼の名前は……そう、オズ!」

ラズライト「!」ピタッ

警備隊第1隊長「……? オズ……?」

??「まさか自分とこのお偉いさんの名を知らないってわけじゃねえだろうなぁ!? オズだよ、オズの
   兄ちゃんだ! 俺は彼の親友にして命の恩人! 疑うなら兄ちゃんを呼べ!」

ラズライト「……! な……っ」くるっ

??「それで俺が怪しい人間じゃないとはっきり白黒つく、どうだわかったかこの脳筋ども!」

警備兵「??」ざわざわ

??「手遅れになってもしらんぞ、いいから早くさっさと彼を呼べ!」



レオ「兄ちゃんを……オズをここに呼べーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」










______________


アメジスト「……」

ダイヤモンド「来られないようですね」

サファイヤ「すごいねえ、あそこは……これだけの面子を待たせて遅参の報せもないとは、流石トパーズ」

サファイヤ「だが、こういう場での節度はキッチリ守ってもらいもんだねえ」

ダイヤモンド「約束の時間はとうに過ぎています。私も刻があり余っているわけではございませんので」

アメジスト「……」

 (一体どうしたというのですクイーン・トパーズ……何故、下船してこないのです)

サファイヤ「これ以上は待てないぞ」

アメジスト「……仕方ありません。4大国にて、というお話でしたが……南のクイーンは抜きで始めましょう」

 バタン…ッ!

ダイヤモンド「?」

サファイヤ「?」

トパーズ「……ふぅ、ふぅ……」

アメジスト「!!」

トパーズ「……どうやら間に合ったようね」ぜえぜえ

サファイヤ「……誰だ?」

トパーズ「ふっはっはっは! まさかあたしが居ないのに会議を始めるつもりじゃなかったでしょうね。
     この大陸の秩序、その中核を担うのは常に我が国! そう、」

トパーズ「あたし抜きにして話せることなんてこの世にはないの~。あ、オリガ、喉乾いたから飲み物」ドカッ

ダイヤモンド「??」

サファイヤ「お、おい、この頭の悪そうな小娘は誰だ」

トパーズ「頭の悪そうなぁ~? トパーズ国を治めし無敵のクイーンに対してその発言、
     死ぬ覚悟は出来てるのかしら?」

ダイヤモンド「と、トパーズの――」

サファイヤ「クイーン……!?」

アメジスト「……クイーン・トパーズ、ますはようこそ我が国へ。ですがまったくと言っていいほど時間には
      間に合っていませんよ? それと、脚をおろしなさい。淑女たる者、その様なはしたない格好をするも      のでありません。まったく……相変わらずですわね、貴女は……」

トパーズ「……ふん、いつまでもお姉ちゃん顔してんじゃないわよ耳年増」

ダイヤモンド「く、クイーンとはどういうことなのです!? クイーン・トパーズは――」

ダイヤモンド「キーラ姫はどうしたのです!?」

トパーズ「え? ママならウチにいるわよ? クイーン・トパーズなら、ここに居るじゃない」

ダイヤモンド「……!」

サファイヤ「オリガ、どうなっている」ガバッ

アメジスト「……先日、同国にて代替わりの儀が。キーラ姫よりご息女に、新たに王位を継承せんと
     国を挙げての戴冠式が執り行われていましたので……恐らく、それではないかと」

サファイヤ「それでは……じゃ、ねえだろ……っ(知ってって黙ってやがったのかコイツ……っ!)」

アメジスト「そうなると、そこにいっらっしゃいます彼女こそ、正真正銘、紛れもなくクイーン・トパーズご本人
      であることになりますわね」

アメジスト「『ドロシー姫』――」

アメジスト「貴女からもご挨拶なさっては?」

トパーズ「挨拶なんて不要よ。ママとクイーンを交代した時点であたしとあたしが率いるトパーズという国は今以上     にもっともっとはるかに、過去に類を見ないほどの隆盛と栄華を誇ることを約束されているの」

トパーズ「いずれ名は勝手に轟く。今日はその前座と知りなさい。さあ、」どかっ


トパーズ改めドロシー「会議を始めましょうかぁ♪」



ここまで 
すいません次の投下までかなり間が空きますご容赦を……

そういえば前スレでトパーズ=アメリカみたいと仰ってた方がいますね、その通りです。イメージはアメリカなのです
ドロシーはブロンド爆乳奔放娘!

>>135>>136
最近は頻繁にペットショップでワンちゃんをガラス越しに苛めてます完全に不審者(*´Д`)

>>133
一体どうしちゃったのでしょうか彼は。……いずれきっと活躍

では~ノシ

場違いかもしれませんが、以前よりこのSSをなんとか小説っぽくしたいと思い脇でせっせと
地の文ありで再編集していました。それを「小説家になろう」というサイトで昨日、やっと初投下にこぎつける事に。
もし小説っぽい雰囲気でもお読みいただけるかたがいましたらぜひこちらもと考え宣伝を。

もちろんこのスレはずっと続けていくつもりですm( )m

>>161
タイトルは『オズは彼女の魔法使い』です


なろうの方も読むよ

舞ってる

もう1ヶ月経ったんだけど

まつ

お待たせして申し訳ないです
週明け、くらいには続きを投下できそうですmm

っしゃ来たぁ!!

やったー

週明けっていつだよ

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