響「うわ、また体重減ってるぞ」 (26)
響「あとちょっとで30キロ台・・・今までこんなことなかったのになぁ・・・」
響「なにかキツイ仕事があった・・・訳でもないし」
響「悩み事はしないようにしてるし」
響「昨日だっていぬ美のご飯おいしそうだったから食べちゃったし、うーん、心当たりがないぞ・・・」
響「心なしか・・・・・・ちょっとちっちゃくなってる気がする」
響「本当なら喜ぶべきなんだろうけど心当たりがない分、やっぱり不安だぞ・・・」
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響「はいさーい、春香!」
春香「あ、響ちゃんおはよー」
響「ん? なんだその箱?」
春香「実は今日も作ってきちゃいました! はい、クッキー」
響「おおっ! ありがとう春香!」
春香「えへへ、どんどん食べてくれたまえっ!」
響「うん、なかなかの味だぞ! あれ?春香は食べないのか?」
春香「あぁ・・・えーっと私はいいかな?」
響「どうして?」
春香「実は私、ちょっと減量を・・・」
響「減量? ダイエットしてるのにお菓子作ってきたのか?」
春香「べ、別に作っても太る訳じゃないし! ちょっと気が紛れるかなーって思って・・・」
響「でも、作ってるときの試食はどうしたんだ? 食べたのか?」
春香「えーっと・・・・・・少しだけ・・・」
響「なんだ、それじゃ意味ないじゃないか」
春香「別に全部食べた訳じゃないよ! お母さんにも食べてもらったし!」
響「ふーん・・・」
春香「う、ウソじゃないよ! ちょっとだけだったからノーカンだよ!ノーカン!」
響「春香がそう思うんだったら、それでいいと思うけど・・・」
春香「うぅ・・・がんばります・・・」
期待
響「春香も大変だなー」サクサク
春香「響ちゃんはダイエットとかしないの?」
響「ん? ダイエットかー。今までしたことないなー」
春香「・・・詳しくお聞かせくださいませ」
響「これといって意識してやったことはないってことさー。小さい頃からよく運動してたし」
春香「運動・・・やっぱりそれか・・・」
響「家から学校まで歩きだったし、海で泳いでたし、あ、そうだ卓球もやってたし」
春香「でも、沖縄から出てきちゃったらそうはいかないんじゃない?」
響「確かに前よりかは運動しなくなったけど、太ることはないぞ」
春香「な、なんで?」
響「なんか知らないけど、こっち来てからなにやっても体重が増えないんだ」
春香「なん・・・だと・・・?」
響「なんだその顔は、嘘じゃないぞ?」
春香「そんな・・・!? なにやっても太らないだなんて・・・」
響「あ、最近じゃ逆に減ってきてるぞ」
春香「え゙!? なにもやってないのに!?」
響「なにもやってないぞ。特に心当たりないのに、昨日量ったら減っててさー」
春香「」
響「なぁ春香、なんでだと思う?」
響「自分、本当に心当たりがないから、ちょっと不安になってきたぞ・・・」
春香「・・・・・・響ちゃん」ガシッ
響「は、春香? どうしたんだ?」
春香「おかしい・・・」
響「へ?」
春香「それ、絶対おかしいよ」
響「や、やっぱりそうなのか・・・?」
春香「うん。絶対おかしい」
響「自分・・・一体どうなっちゃってるんだ・・・?」
春香「・・・・・・」
響「春香・・・?溜めなくていいから早く言ってほしいさ・・・」
春香「・・・・・・・・・・・・病気」
響「・・・・・・・・・・・・え?」
春香「響ちゃん、それ病気なのかもよ?」
響「な・・・何言ってんだよー・・・そんなことあるわけ」
春香「だっておかしいもん。人間って食べなきゃ死んじゃうけど、食べると絶対太るんだよ」
春香「だって、外から物を取り入れてるんだから」
春香「だけど響ちゃんは食べても太らない」
春香「なぜか・・・・・・それは体内でなにか異常が起きているからだよ」
響「そんなこと・・・。だって自分今日も完璧だし元気だぞ!」
春香「病魔ってね・・・・・・本人が知らないうちにすり寄って来るものなんだよ」
響「病魔・・・」
春香「最初は些細なこと・・・。対して気にしないこと・・・。だけどそれが積もり積もると・・・」
春香「・・・・・・いつか爆発する」
響「爆発・・・」
春香「響ちゃん、最近調子悪かったことない?」
響「えっ・・・。そ、そんなのないぞ!」
春香「いいえ、必ず何かあるはずだよ。どんな些細なことでもいいから言ってみて?」
響「そんな・・・。あ・・・でも、そういえば・・・」
春香「! なに!?」
響「おとといぐらいかな? 家で立ち上がった時に立ちくらみが・・・」
春香「それ! それだよ響ちゃん! なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」
響「ええっ!? でも、立ちくらみなんてよくあることじゃ・・・?」
春香「そんなことないよ! 立ちくらみ舐めちゃだめだよ!」
春香「それ、完全に病気のサインだよ!」
響「病気のサイン!?」
響「ど、どうしよう春香! 自分病気なのか!? 自分どうなっちゃうんだ!?」
春香「落ち着いて響ちゃん。大丈夫、こうやって話せてるってことはまだ初期だから」
響「でも、もし悪化とかしちゃったら・・・はっ!」
響「なぁ春香、自分もしかして・・・・・・」
響「死んじゃうのか・・・?」
春香「・・・・・・」
春香「・・・。」
響「春香ぁ! なんとか言ってよぉ!」
春香「・・・。」
春香「・・・・・・人はいつか必ず死ぬと言います」
響「・・・・・・あぅ・・・」
春香「少しずつ・・・少しずつ病魔は迫ってきます・・・」
春香「症状の表れは些細な事から大きな事まで様々です・・・」
春香「いろんな事を症状を体験しているうちに、寿命は確実にすり減っていることでしょう・・・」
春香「ほら、またひとつ・・・」
春香「響ちゃん、顔色悪いよ・・・?」
響「」パクパク
太らなくなるって本当にヤバイ病気の前兆らしいね
最悪死ぬらしいよ
貴音「体調不良?」
P「そうなんだ。今朝電話があってな」
貴音「して、響は無事なのですか?」
P「それが・・・あんまりよろしくないみたいでな?」
貴音「なんと・・・!」
P「自分はもうだめだーハム蔵達を頼んだーって電話口に言っててさ」
P「そんなに悪いのかって聞いたら、晩飯は腹いっぱい喰ったって言ってて」
P「よろしくないのは確かなんだが・・・なんか違うベクトルでよろしくない気がするんだよな」
貴音「心配ですね・・・」
P「まぁ、音無さんに見に行ってもらったから。ライブ終わったら俺たちも見舞いに行くか」
貴音「そうですね・・・。あの、響のかわりは?」
春香「はいはいはい! わた春香さんがやっちゃいますよぉ! はい拍手ー!!」
貴音「・・・。」
これは、まさか春閣下の仕業じゃ……
春香「ありゃりゃ? なんか盛り下がってませんかぁ? ライブですよ!ライブ! もっと盛り上がっていきましょー!」
春香「ほらプロデューサーさんも! 笑って笑って! 世界中笑顔になぁ〜れ!」
P「・・・なんかあったのか?」
春香「え!? そそそんなことないですよ! はいはーい! 春香ちゃんの提案でーす! 響ちゃんが心配なので、みんなでお見舞いに行きましょー! わぁ素敵!ブラボー!」
春香「響ちゃん心配ですねー本当に心配ですっ! だって仲間だもんげ! いやーどうしたんでしょーかねー! なにかあったんでしょぉーか!? いやいやいや! 私は何も! 何もやってませんよ!」
貴音「春香」ガシッ
春香「いやー心配だ! 9割9分心配! だって響ちゃんがあんなに真に受けるなんて思ってませんでしたからね! いやいや悪気はないですよ! て言うか私は何も知りませんよ!」
貴音「天海春香」グググ
春香「のヮの;」
途中からハデス先生とか出ると思ったけどそんなことはなかった
スティーブンキング「痩せゆく男」ネタかと思ったが違うようだ
響「命とかけまして消しゴムととく・・・その心は」
響「どちらもすり減っていくでしょう・・・」
響「ふふっ・・・ふふふふふ・・・」
響「あぁ、やっぱりおかしいことだったんだなぁ・・・」
響「体重が増えないなんて・・・なんでもっと早くに気付けなかったんだろう・・・」
<ピンポーン
響「あ、天国への鐘が鳴っている・・・」
<ピンポーンピンポーン
響「いぬ美・・・なんだか自分は眠いんだ・・・」
<響ちゃーん!大丈夫?
響「綺麗な声・・・。どっかで聞いたことある声のような気もするけど・・・」
<返事がない・・・病院行ってるのかしら
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