比企谷八幡の心配 (33)
ある冬の日。
ぼんやりと目覚めるとまだあたりは薄暗い。スマートフォンに手を伸ばし時間を確認する。6時半。いつもの起床時間より随分早い。
んー、二度寝するには微妙な時間だし、たまには早起きもいいか。起きる決心をつけ布団を抜けだす。寒い。やっぱ寝ようかな。ふと曇っている窓の外を見る。
「げっ、雪積もってるよ」
昨夜から降り始めた雪は千葉の街に薄く白く化粧をしていた。幸い自転車での登校はいけそうだ。けどいつもよりは時間がかかるだろうから早く目覚めてよかった。日頃の行いのおかげだな。人に苦労や迷惑かけてないし。かけるほど人と関わってませんね。そうですね。
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リビングに降りると母親がコーヒー片手に新聞を読んでいた。あれ?
「早く行くんじゃないの?」
「寝坊」
わかるわかる、遅れるのが決定的になると逆にゆっくりしちゃうよな。例年両親はこの時期になるとラッシュアワーを避けるためいつもより早く家を出る。だからまあ定時には間に合うのだろう。
「それよりあんた、めずらしいねえこんな早い時間に起きてくるなんて。雪でも降るんじゃないの。あ、もう降ってるか」
寒い。なぜ人間歳をとると自分の言ったことで笑うのだろうか。こうはなりたくない。冷えてしまった心と身体を暖めるためにMAXコーヒー
を飲もう。コップにつぎかえレンジにイン。ふと遠くから水音が聞こえてきた。
「洗面所小町使ってんの?」
「お父さん」
「オヤジも寝坊かよ…」
思わず苦笑してしまう。
「一緒の目覚まし使ってるからね」
仲良いな結婚しろ、もうしてるか。
コーヒーを飲みながらぼーっとしてるとおやじがリビングに入ってくる。
「おう、めずらしいなお前がこんな時間に起きてるなんて」
まさか……
「今日は雪が降るんじゃないか。あ、もう降ってるか」
マジか……これ以上寒くなったら凍結するぞ。
「お父さんつまんない」
「ありゃ、そうか」
人のこと言えねーだろ。心の中でつっこみながらコップを傾ける。
コーヒーがなくなった7時ごろ、小町がなかなか起きてこないのが気になり始めた。
「小町起きてこないな」
「そういえばそうね。あんた起こしてきなさいよ」
「お父さんが行こうか」
「いや、おれがいく」
小町に関してはおやじはつとにライバルだ。おやじに小町は任せられん。階段を上り小町の部屋へ向かう。そういや、小町の部屋見たことないな。全然チャンスだなんて思ってないからねっ!小町を起こすため仕方ないんだからっ!誰に向けたわけでもないツンデレ風言い訳をしながら、一応ノックをする。いきなり開けないなんておれマジ紳士。
「小町ー。あさだぞーおきろー」
しかし中からの返事はない。もう一度ノックをする。ふむ、仕方ない。本当に仕方がない。
「し、失礼しまーす」
妹とはいえ女子の部屋に入るのは生まれて初めてだったので、声が上ずってしまった。布団はこんもりと膨らんでおり小町の存在を確認することができた。部屋のなかは予想に反して綺麗に整理整頓されていた。ああ見えて結構綺麗ずきだからな、いい嫁になれる。出すつもりないけど。布団に近づき優しくゆする。
「小町、そろそろおきろー」
ふと違和感を感じる。呼吸音が荒い。まだ見えない顔をこちらに向けさせるとりんごのように真っ赤になっていた。計らなくても高熱が出ているのがわかる。急ぎリビングへ戻る。
「母ちゃん!車出して!」
テーブルにいるのは母親だけで父親の姿は見えない。肝心なときに……!
「は?あんたなに言ってんの?小町は?」
「小町が熱出してる。俺が連れてくるから玄関前に車停めてて」
要件を手短に伝える。こういう時は焦ったらだめだ。ビークールビークール。
「わかった」
母親の言葉を背中にうけ階段を登る。自分の部屋からダウンジャケットを引っ掴むと再び小町の部屋へ向かう。小町はまだ目を覚ましていないようだった。小町をダウンジャケットにくるみ持ち上げる。ダウン越しでも身体が熱いのがわる。
「……んー、おにいちゃん…どうしたの?」
「今から病院に行く。自分でも熱あるのわかるだろ」
「…おにいちゃんが連れてってくれるの?」
「車出してもらうから、すぐ着くぞ」
「…じゃあ抱っこは玄関までだね」
「…ああ」
そういうと小町は目を閉じた。相当熱が辛いのだろう。小町に負担がかからないように階段を一段一段ゆっくりと下る。リビングにはおやじが戻ってきていた。どこいってたんだ。
「八幡…?小町どうしたんだ!?」
さすが親バカ、すぐに異変に気づいたようだ。
「熱を出してる。母ちゃんには外で車出してもらってるから」
「そ、そうか。お、おれはなにをすれば…」
「とりあえず玄関のドアをあけてくれ」
「わかった!」
そういうと一目散に駆け出していく。
ドアの向こうには既に車が停っていた。小町を後部座席にゆっくりと寝かす。
「「おれもいく」」
おれとおやじが同時に言う。
「あんたたちはちゃんと会社、学校いくの」
「小町をほっといてなんていけない!」
まったくだ。クソおやじだけど小町に関してはつと仲間でもある。
「だめ。小町は私に任せて」
おやじはそう言われしょげかえっていたが、思い直したように顔を上げると小町に話しかける。
「小町、小町元気になってくれよ」
なんだか今にも泣きそうな声だ。小町は目を開けると小さく微笑む。
「お父さん、心配しなくても大丈夫だから」
病人に気遣わしてどうすんだ。
「…おにいちゃん」
「なんだ?」
「…元気になったらまた抱っこしてね。…これ小町的にポイント高いよね」
「はい!もう行くからドア閉めて!」
小町を乗せた車は走り出していく。ドキッとした。セリフじゃなくて笑顔にだ。痛々しくて、いまにも消え入りそうな笑顔。
…あいつは自分が辛いってのになんだってあんなふうに…
それにしてもなぜこんなにおれは動揺してるんだ。ただの発熱だ。もう会えないってわけじゃない、すぐ帰ってくるのに。いつからおれはこんなにやわになってしまったんだろう。鉄の心アイアンハートが泣いてるぞ。なにそれ結局動揺してる。
とりあえず隣にいる心どころか思いっきり泣いている大人を家に入れる。こうはなりたくない。
登校中も授業中も休み時間中もずっと上の空だった。途中戸塚に話しかけられたが適当に返してしまった。……なんてことをしてしまったんだ。これはもう今度お詫びを兼ねてデートに誘うしかない。それしかない。
母親からのメールは未だ来ていない。病院にいるからできないのか。単純に忘れているのか。とりあえずは家に帰ろう。もしいなかったら病院へ向かおう。奉仕部は……あとでメールすりゃいいか。ホームルームが終わり、誰よりも早く廊下へ出る。
「ヒッキー!!」
後ろから呼ぶ声が聞こえる。誰とも言わずわかる、由比ヶ浜だ。しかし今はかまってる暇はない。
「ヒッキー!!ストップストッープ!!」
一段と声を張り上げる。やめてやめて、恥ずかしいからやめてください。足を止めて由比ヶ浜がくるのを待つ。
「どうしたのヒッキー、そんな急いで?それにそっち部室じゃないよ」
「わるいな、由比ヶ浜今日は部活は休む」
「えっ、どしたの?」
心配そうな顔をしてこちらをのぞき込んでくる。
「小町が熱出してな。早く帰らにゃならん」
「小町ちゃんが!?大丈夫なの!?
」
「分からん。だから早く帰りたいんだ」
「う、うん、わかった。早く帰ってあげて」
「ああ、すまんな。というわけだから雪ノ下には頼む」
そういって踵を返し再び歩きだそうとしたが…重い。
「な、なにしてんだ?」
由比ヶ浜がなぜかおれの左手を両手で握っていた。
「小町ちゃんにあたしのパワーをあげるの」
まあ言いたいこと、やりたいことはわかる。…だから恥ずかしいって。でも、
「ありがとな、由比ヶ浜」
ほんとにこいつは良い奴だ。友達の小町が熱と聞いていてもたってもいられなくなったのだろう。空いている右手で由比ヶ浜の手を握る。
「えっ、え」
「じゃあ行くから」
顔を赤くしてる由比ヶ浜を残して帰路を急ぐ。
自転車をとばしていると太陽の光が雪に照り返し、眩しく暑く汗ばんできた。
家のガレージに車は戻ってきていなかった。ドアをあけ鞄をなかに放り投げるとまた自転車に跨る。かかりつけの病院までは20分ほどで着く。
病院に着いた頃には汗を流し息が上がっていた。受付で尋ねると個室にいるらしい。入院か?そんなにひどいのか?はやる気持ちを押さえつけノックをすると母親の返事がした。
「はーい」
中に入ると小町は点滴をうけベッドに横たわっていた。どうやら寝ているようだ。母親に小町の容態を聞く。
「小町は…?」
「あんた、なんて顔してんのよ。大丈夫入院は今日だけだから。ここ最近夜遅くまで勉強頑張ってたから疲れが溜まってたのね」
そうか、よかった……。ほんとによかった……。小町の顔からは赤みが引け熱は下がっているようだった。おでこに張り付いてる髪の毛を払ってあげる。
「…んー、おにいちゃん…?」
「わ、わるい起こしたか」
小町は首を横に振る。
「体調はどうだ?」
「もうだいぶ良くなってきた!」
「そうか、よかった」
「おにいちゃん、ありがとな」
「いいんだ。小町が無事ならそれで」
「うっ…それポイント高いね。それにしてもどうしたの、その顔?いつにもまして…」
いつにもまして…なんなんだ。そんなにひどいか?基本イケメンのはずなんだけど。
「まあ、急いできたから。それでだろ」
「小町のことが心配で?」
小町はからかうように聞いてくる。
「うん、超心配した。心配しすぎて誰とも話せなかったぐらい」
「それはいつもでしょ……」
呆れたように言うが、一転笑顔になる。
「もうおにいちゃんは小町がいなきゃダメなんだからー。あ、これ小町的にポイント高い!」
ドキッとした。セリフじゃなくて笑顔にだ。愛々しくて、とても華やかな笑顔。
よかったいつもの小町だ。なんだか泣きそう。
「あぁ。あぁ、おにいちゃん小町が
いないとダメなんだ…だから早く元気になって帰ってきてくれよ…」
あ、最後泣いた。
「うん。迷惑かけてごめんね、おにいちゃん」
「いいんだ小町、家族なんだから」
これさーシスコンにならないわけないよね。だってこんな可愛いもん。俺の妹はこんなにも可愛い。
「小町ー!!」
おやじがどたどたと病室へ入ってきた。こいつ、早退きしてきたのか……?
「お父さん、うるさーい」
「うぅ、ごめんごめん。こ、小町もう大丈夫なのか?」
「うん!明日には帰れるよ!」
「よかった…よかった…」
泣いてる……人のこと言えないけど。
「あんたら小町のこと好きすぎでしょ」
「それよか母ちゃん、なんでメールしてくんなかったんだ?」
「小町を病室で一人にするわけにはいかないでしょ」
まあ皆大概だよな。
「じゃあおれ帰るわ」
「夕飯適当に食べてね」
「はいはい」
外に出ると体の火照りも冷めたせいか、いやに寒い。由比ヶ浜には帰ったらメールするか。
比企谷家のカーストでは母親が一番上なのだか中心にいるのは間違えなく小町だ。熱を出したってだけでこの有り様だからな。いまだ眩しく地面を照らす光をを見上げる。でも太陽がなきゃ人間生きてけないだろ。だから比企谷家も小町がいなきゃやってけない。
あの娘は太陽の Komachi Angel!
……帰ろ。
「はーっくしょん!」
あれ?
了
なんか初めて比企谷家の家族愛を感じるssだな……。あれか、本編が殺伐とし過ぎているからか……? とりま乙。
本編は出てこないけどまあ一般的な家庭だしね
八幡が風邪ひいても…
>>21
川なんとかさんがお見舞いに来てくれる
>>21
ゆいゆいがおかゆ作りに来てくれるよ
>>23
殺しに来てどうすんだよ沙希沙希で充分
ポイント高いSS
とてもよかた
専ブラで見てる俺でも改行がウザいと感じたのに誰も指摘してない
>>27
細かいなお前
小町メインのは不思議たほどない(完結しない)からもっと増えるとポイント高いよ
八幡キャラ崩壊しすぎ
乙
うあぁぁぁぁっっ!!激しすぎよ比企谷クうぅぅぅぅうンっ!!
子宮の奥の壁まで突かれてるうぅぅぅぅう!?!?
もう駄目えぇぇぇえっ!!抜いてえぇぇぇえっ!!
膣内の隙間がぴったりと閉じちゃってるうぅぅぅぅうう!!!
比企谷クンのおちんちん大きすぎよおぉぉぉお!!いやあぁぁぁんっ!!
このままじゃ比企谷クン専用のおまんこになっちゃうぅぅぅう!!
抜いてよおぉぉぉ!!早く抜いてってばあぁぁぁあ!!
ちょっ比企谷クン!?どうして加速してるのよおぉぉぉっ!?
ひゃあぁぁぁぁあ!!あんあんあんあーーん!!!
あはーーっ!!壊れちゃう!!戻らなくなっちゃうぅぅぅう!!!
比企谷クンだけのおまんこに改造されちゃうぅぅぅうう!!
ああぁぁぁーーーーっっ!!膣内でビクンビクンしてるうぅぅぅう!!
膣内で出して良いなんて言ってないのにいぃぃぃい!!
んくうぅぅぅぅうっっ!!いっぱい注入されてりゅうぅぅぅぅう!!
比企谷クンのおちんぽミルクで子宮が満たされちゃうぅぅぅうう!!
まだドクドク脈打ってるぅぅぅぅ!!もうこれ以上は入らないわよぉぉぉ!!
ひゃおぉぉぉ!?尿道を遡ってきてるうぅぅぅぅう!?!?
子宮には収まりきらずに尿道へ流れてりゅうぅぅぅぅう!!!
んはあぁぁぁあ!!もうどうにでもなっちゃえぇぇぇ!!
アへ顔ダブルピース!!お願い由比ヶ浜さん!!あたしを見てぇぇぇ!!
あんあんあああぁぁぁーーーーん!!!もう止まれないのぉ!!!!
八幡が熱出したVerもお願いします!
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