イケメン「早いもんじゃったのう。なぁ、婆さん。」
イケメン「もうすぐそっちに行きそうじゃけん。待っとれ。」
イケメン「若い頃はちやほやされとっても、最後はだれも見向きもせん。」
イケメン「覚えとるか婆さん。ワシの口癖。」
イケメン「生まれ変わってもイケメンでありたい、じゃよ。」
イケメン「うぅむ……どうか……また……イケメン、に……」
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オギャー! オギャー!
父「う、生まれた…!」
父「ついに俺たちに子供が…!」
キィィィ……バタン
爺「……父、入れ」
父「父さん!男の子か?女の子か?」
爺「……いいから入れ」
父「?…あぁ」
母「あぁ…父、なんてこと…」
父「どうしたんだ顔真赤にして…そんなに嬉しかったのか?」
母「……」スッ
父「……こ、これは…」
父「……これはどういうことなんだ、父さん」
爺「ワシにもさっぱりじゃ」
父「なんでそんなに平気なんだ!俺達夫婦は村一番の金持ち、そして、」
爺「…村一番の美男美女夫婦じゃな」
父「そうだ、それに俺はもうじき村長の座を継ぐんだ!継ぐのは村長の長男と決まっている…!」
父「それなのに…」
父「なんでこんな顔の子が生まれてきたんだ!!」
爺「……もう、どうしようもない。母が妊娠していたのは村中に知れ渡っておるし、無かったことにするのは無理じゃ」
父「そんな……」
10年後
少年「……また、靴が無くなってる」
少年「ま、いつものことだし。裸足で帰ろう」
少年「……今日の晩ご飯、何かな」
少年「……くそっ…なんでこんな…っ」
少年「僕は…何にも悪いことなんかしてないのに……うわぁっ!?」ドンッ
不良A「おうおうおう誰かと思えば…」
不良B「村一番の金持ちブスじゃありませんかぁ!」
少年「…どいてよ」
不良A「あ?」
少年「どいて、ください」
不良B「聞こえねえぞオラァ!!」ガスッ
少年「ッ……いい加減に…」
妹「こらっ!!またやってるのね!!」
少年「ごめん…また助けてもらっちゃった…」
妹「ううん、悪いのはあいつらなんだから!!お兄ちゃんは悪くないよ!」
少年「ありがとう……ただいまぁ…」
父「…随分と遅かったな」
少年「ちょっと…靴をなくしちゃって…」
父「そうか。代わりの物はいつもの場所にある」
少年「……うん」
母「あら、お帰りなさい少年」
少年「ただいま」
母「妹も」
妹「はい…」
母「何つまらなそうな顔してるのよ!!ほら、今日の分のご飯!!早く外に行って頂戴!!」
少年「母さん、僕、今日いじめられてるのを妹に助けてもらって…」
母「さあさあ少年!今日はビーフシチューよ!早く食べましょう!」
妹「…いいの、お兄ちゃん」
妹「頂きます。母様」
母「行きましょ、少年」
少年「………」
少年「……」ガサゴソ
少年「……妹、いる?」
妹「うん、こっちだよ!」
少年「母さん、酷いや……外で寝ろだなんて……」
妹「仕方ないよ……私は望まれない子供だったんだから」
少年「そんなことない!…僕がいい男に生まれなかったから…」
妹「でも、お兄ちゃんがいい男だったら私は生まれてこなかったんだから、ありがとね、お兄ちゃん」
少年「……もうやめよう。これじゃいつも通りだよ」
妹「うん……じゃあ始めよっか」
少年「うん」
少年「それじゃ、今日は村の外れの湖まで行ってみようか」
妹「あそこはまだ地図でしか見たこと無いもんね!楽しみ!!」
少年「明け方までに帰れるかな」
妹「無理でもいいんじゃない?」
少年「…僕はそうもいかないよ」
妹「……そうだね」
少年「さ、行こう」
妹「うん」
これは・・・
イケメンなんでブサメンになってしもたん?
よわくてニューゲーム思い出した
心はイケメンのままなのか
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