stage1、ネギ星人
なんて事のない日、なんて事のない夜。そのなかで、ただ、ある瞬間、球磨川禊は死んだ。
━━球磨川禊。
這い寄る過負荷(マイナス)、大嘘憑きのグッドルーザー、弱者の味方、強者の敵。惚れやすい、最弱の男。
彼が勝負に負け、死ぬのはいつもの事だった。彼も「『また安心院さんに会うのかー、嫌だなー』」ぐらいしか思ってなかった。
息絶えた次の瞬間、球磨川は目を覚ました。
球磨川「『…………あれ?』」
安心院さんと会えなかった。今まで死ぬたび、必ず腑罪証明(アリバイブロック)を使って僕にちょっかいをかけてきたのに。
『』つけるの忘れててスレ建て直しました、すみません。
球磨川「『と、まぁそれは今はどうでもいい。今、考えるべきはこの異常だよね』」
辺りを見渡す。
ごくありふれたマンションの一室に、見知らぬ他人が数人、犬が一匹。そして何より異常に見える、部屋の中央に置かれた黒い巨大な玉。
なぜ、こんな場所に僕はいる?
球磨川「『あのー、モブキャラの皆さん。僕はどうしてここにいるのかな?』」
ヤクザ「あ?」
金髪「誰がモブキャラだよ、つーか俺らも知らねーよ」
中学生「…………」
教師「僕らもよく分かってないんです、死んだと思ったらいつの間にかこの部屋に」
球磨川「『え、生きてるよ。僕は今まで何回も死んできた。今、僕は間違いなく生きてる』」
モブ「」ザワッ
政治家「何を言ってるんだ君は、ここはね天国だよ。私はさっきまでガンと戦っていた、それがい」
球磨川「『玄関ってこっち?行かなきゃいけない所があるんだけど』」
教師「あ、あぁそうだけど」
ざわめくモブを尻目に玄関へ向かう。行かなきゃいけない、戦わなくちゃいけない。この状況はよく分からないけど、今は帰らなくちゃいけないんだ。
もしかしたら、安心院さんを倒しうるスキルかもしれないんだ、彼女のスキルは。
球磨川「『……あれ、触れない』」
ドアノブが掴めない、というより壁自体に触れない。見えない壁でもあるみたいだ。
球磨川「『なら、なかったことにしてしまえばいい!』」
全てをなかったことにするスキル、大嘘憑き。
を使った筈なのに。
球磨川「『……何も起こらない』」
ドアには触れないままだった。
うほっ
続き期待
このSSまとめへのコメント
これ続いてほしいな。