ウルトラマンゼロ「俺達は、一心同体だ!」叛逆ほむら「……ええ、歓迎するわ」 (78)

ゼロ「……なぁ、ほむら」

ほむら「……何かしら?」

ゼロ「自分自身と戦うってのは、結構きついもんなんだな……」

―膝を突いた状態でそう言ったゼロの前に立ちはだかっていたのは、全身が闇に染まり、まるで“悪魔の様にも見える外見をした、もう一人のゼロ”だった―

ほむら「……ええ、そうね。
でも……」

ゼロ「でも?」

ほむら「だからこそ、私達はここで負けるわけにはいかない」

ゼロ「ああ、そうだよな」

ほむら「それが分かっているというのなら、弱音なんて吐いてないでさっさと立ち上がりなさい」

ゼロ「はいはい。
ったく、相変わらずアンタも人使いの荒い女だよな……」

ほむら「あら、あなたが私を女扱いするなんてね」

ゼロ「アンタ、まだそのこと根に持ってるのかよ。
……悪かったよ」

ほむら「……別に怒ってないわ。
それより、そろそろ準備はいい?」

ゼロ「ああ、もう大丈夫だ」

ほむら「それじゃあ行くわよ……。
ウルトラマンゼロ!」

ゼロ「おう、暁美ほむら!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1383231733

・概要

『まどか☆マギカ』&『ウルトラシリーズ』のクロスオーバーSSです。

それぞれの作品において、一部に独自解釈の設定あり。

また、既に同じ作品のクロスネタを扱ったSSがありますが、そちらの方とは別人です。

なお、内容は以前こちらで書いていたものの、未完に終わってしまったスレ(ウルトラマンゼロ「これから俺達は、一心同体だ!」 ほむら「……出ていって」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1342803730/))に、
新しく『叛逆の物語』の要素を加えて、大幅に修正及び改変を施した、リニューアル版的なものです。

※注意事項

こちらのSSには、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』の最新作である『叛逆の物語』の重大なネタばれ要素が含まれる為、未見の方はご注意下さい。

また、この話は私の過去作(非クロスもの)である“マミ「魔女のいない世界で」”と一部世界観を共有しているので、もしも興味のある方がいらっしゃいましたら、そちらの方もご覧になって頂ければ嬉しいです。

0時ちょうどにスレ立てする予定でしたが、最初から失敗……。

というわけで、とりあえず今回は導入と概要及び注意事項のみの投下でした。

なお、本格的な開始は、三連休のどこかからを予定しています。

前も未完っていう辺りが怖いな
終わりまでのプロットちゃんと立ててる?

遅くなりましたが、再開します。

>>5
一応、前の時も大まかな話の流れは最後まで考えてあったのですが、SSビギナー故に調子に乗って現行で三本も始めてしまい、流石に更新が追い付かなくなってきたことや、
無駄に風呂敷を広げ過ぎてしまった等の理由からなかなか進められず、さらには強制HTML化までの締切時間の確認ミスが原因でエタらせてしまいました。

でも、現在は他の二つが完結及び終了間近の為、今後はこの話だけに集中出来ると思いますし、
色々と過去作を参考にしたり流用することも可能な上、書きたい内容が昔の時よりも明確に決まっているので、今度こそ大丈夫です。

ただ、『叛逆の物語』の新要素を結構絡ませるつもりなので、
旧スレとは各種設定やストーリー、特に、結末等についてはかなり変更する予定です。

【魔法少女と魔獣のいる世界】

マミ「今夜も、結構瘴気が強いみたいね……」

杏子「何か、ここ最近はいっつもだよな。
まぁ、あんな弱っちい奴らが何匹いようと、このアタシには関係ないけどさ……」

マミ「もう、佐倉さんたら。
あまり油断していると、足をすくわれちゃうわよ」

杏子「アンタも人のこと言えないじゃんか。
戦う時はいっつも無駄にカッコつけてるしさ」

マミ「あら、昔はあなたもカッコいいって言ってくれてたじゃない。
先輩としては、何だか悲しいわ……」

杏子「ったく、何言ってんだよ。
……ところで、アイツは今日も来てないのか?」

マミ「暁美さん?
そうね……。
彼女、どういうわけか“あの日”から、まるで私達を避けているようじゃない?
確かに彼女は武器も魔法も強力だから、一人でも充分に戦えてるみたいだけど……」

杏子「っ……」

マミ「!
佐倉さん、ごめんね……」

杏子「……なっ、何がだよ?
別に、アタシは何ともないっての。
ったく、そろそろ行くとしようぜ!」

マミ「……ええ、そうしましょうか」

―それから少し経って、私達二人は大量の魔獣達の群れと遭遇して戦っていた―

マミ「レガーレ・ヴァスタアリア!
今よ!!」
 
―私は拘束魔法で魔獣達を捕らえた後、佐倉さんにトドメを刺すように促したけど、どういうわけか彼女は動こうとはせず、何かを待っているようにじっとしていた―

マミ「……佐倉さん?」

杏子「……あっ!
行くぜぇー、ハァーーッ!!」

―でもその時、突然“桃色の光”が一閃し、佐倉さんが攻撃するよりも先に魔獣達の群れを狩り尽くしていた―

マミ「暁美さん、来てくれたのね!」

杏子「ちっ、何だよほむら。
久しぶりに会ったと思ったら、人の獲物を横取りしやがってさ」

ほむら「私は、あなたの手助けをしたつもりだったのだけれど……。
それに、どうせグリーフシードは均等に分けるのでしょう?」

杏子「いや、そういうことじゃなくてさぁ……」

マミ「まあまあ、佐倉さん。
私の分のグリーフシードを少し多くあげるから」

杏子「だから、そうじゃなくて……」

マミ「ところで暁美さん、この後の時間は空いてるかしら?」

杏子「アタシの話を聞けよ……」

ほむら「この“仕事”以外で、夜遅くに何か予定があるほど不良になった覚えはないわ」

杏子「相変わらず、口の減らないやつだな……」

マミ「それでね、もし、良かったらなんだけど……。
今日は、私達の家に寄っていかない?
久しぶりに、お茶でもどうかと思って」

杏子「マミ、ちゃんとケーキも用意してくれよな。
もう腹減っちまったよ」

マミ「もう、あなたは来る前に食べちゃったでしょう?
今日は我慢しなさい」

杏子「何だよ、別にちょっとくらい良いじゃんかよー」

ほむら「せっかく誘ってくれたのに悪いけど、もう遅い時間だし、今日は遠慮させていただくわ」

マミ「そう、残念ね……」

杏子「ちょっと待ってよ、ほむら。
アンタに話があるんだ」

ほむら「何かしら?」

杏子「出来れば、二人だけで話したいんだよね」

マミ「あら、佐倉さん。
私に聞かれたくない話でもあるのかしら?」

杏子「別にそういうんじゃねぇって。
あー、そうだマミ。
アンタは先に帰って紅茶の準備でもしててよ。
何とかコイツも連れてくからさ」

ほむら「……ちょっと」

マミ「分かったわ!
それじゃあ暁美さん、また後でね!!」

ほむら「……」

ほむら「……それで、話って何かしら?」

杏子「あのさ……。
アンタ、最近何だかアタシ達に壁作っちゃってないか?」

ほむら「……そうかしら?」

杏子「何かさ、そういうヤツを黙って見てるのはもう嫌なんだよね。
あの……、何ていうか、昔の自分を見てるみたいでさ。
マミや、アイツと喧嘩してた頃の」

ほむら「……そう」

杏子「でも、アタシは何とか仲直りも出来たからさ……。
今度は、自分がそういう役目をやってやってもいいかなって。
それにさ、アタシ達は一応、チームを組んでるわけじゃん?
だからさ、お互いを信頼してなきゃ連携とかも上手く出来ないだろうし……」

ほむら「今日はよく喋るのね、杏子。
心配してくれてありがとう、一応感謝しておくわ。
でも、私のことなんてどうでもいいの。
それよりも、チームの中で問題があるのは、むしろあなたの方では?」

杏子「……どういう意味だよ?」

ほむら「……あなたは今日、魔獣と戦っている際に注意が疎かになっていた。
だから、私にも気付かなかったでしょう?
いや、今日だけじゃないわね……。
ここ最近は、いつもそうかしら。
あなた、まだ“美樹さやかの件”から立ち直ってないのでしょう?」

杏子「……」

ほむら「大体、あなたは……」

杏子「……チッ、何だよ。
せっかく人が心配してやったってのに、超ムカつく!
ほむら、オメェの事なんかもう知らねーかんな!!」

ほむら「はぁ……」

マミ「全く、あなたも本当に素直じゃないのねぇ……」

ほむら「……巴さん!
あなた、先に帰ってたんじゃなかったんですか?」

マミ「やっぱり、あなた達が喧嘩しちゃうんじゃないかと心配になっちゃって、先輩としては放っておけなかったのよね。
まぁ、結局間に合わなかったみたいけど……」

ほむら「先輩ぶるのは止めて下さい。
それに、どうせ杏子のこともあなたが焚きつけたのでしょう?」

マミ「あら、さっきの話はあの子が自分で言い出したことよ?
暁美さんのことが心配だってね。
まぁ、確かに私も背中を押すぐらいのことはしたけど……」

ほむら「あの子も、丸くなったものね」

マミ「それはちょっと失礼なんじゃないの?」

ほむら「そういう意味じゃないわ。
それと巴さん、あなたにも、ちょっと気をつけて欲しいことがあるのだけれど」

マミ「何かしら?」

ほむら「あなたは、戦闘の際に無駄な動きが多い。
まぁ、魔獣は数が多いだけで対して強くないし、元々あなた自身が才能もあるから、苦戦することは少ないのでしょうけど……。
あまり油断していると、いつか足をすくわれる日が来るかもしれない」

マミ「もう!
それなら、さっき佐倉さんにも同じようなことを言われたわ。
でも、私は大丈夫よ。
まぁ、心配してくれるのは嬉しいんだけど……。
それにね、そういうあなたの方こそ、強いからっていつでも自分が相手の優位に立っていると思うのは、禁物なのよ?」

ほむら「……ええ、気をつけます。
それより巴さん、早く家に帰らなくて大丈夫なんですか?
あまりもたもたしてると、ますますあの子をイライラさせることになるのでは?」

マミ「あら、そうね……。
じゃあ、お先に失礼するわ!
……それと暁美さん、今日はもう佐倉さんと顔を合わせるのは気まずいでしょうけど、ちゃんと仲直りして、それから私達の家にも来てよね!!」

―巴さんはそう言うと、リボンだけを発現させ、まるで某アメコミヒーローのように電柱にリボンを引っかけて、大急ぎで帰宅していた―

ほむら(全く、誰かに見つかったらどうするのかしら……)

ほぼ旧スレの使いまわしの文章なのに短くてすみませんが、本日はここまで。

序盤~中盤までは前のやつとあまり変わり映えのしない内容が続くと思いますが、どうかそこについてはご了承下さい。

なお、この続きはまた今週中に投下する予定です。

乙あんま展開変わらないのにぶつ切り投下されても感想かけん

なかなか投下の時間を確保出来ず、予定よりもすごく遅れてしまいましたが、再開します。

 数日後

ほむら「……こんばんは」

マミ「暁美さん、こんばんは!」

杏子「……」

ほむら「どうしたの?
普段なら、あなた達はとっくに出発している時間のはずだと思っていたのだけど、今日は随分と慎重に計画を立てているようね。
何か、あったのかしら?」

マミ「あら、計画をきちんと立ててから行動するのは普段でも重要なことよ?
まぁ、確かにあなたの言う通り、今夜はいつもよりも少し慎重になってるのだけど……」

杏子「……どうせアンタも気付いてたから、わざわざここに来たんだろ?」

ほむら「……ええ、確かにその通りよ。
今日の異常な瘴気とこの気配には、気付かない方がおかしいでしょうね」

杏子「……アンタはいっつもそうだよな。
私は何でも知ってる事情通ですって顔をして、アタシ達にはほとんど相談もしないし助けを借りようともしないのに、こっちがピンチの時だけ顔を出してさ。
で、後は隠れて何でも一人で解決しようとしやがる。
何だよ、アタシ達の助けなんていらないってのか?
それとも、自分の力を自慢でもしたいのかよ?」

ほむら「あなた達の邪魔をしているわけじゃないのだし、別にそんなことはどうでもいいでしょう。
それに、私は私の好きなように動くだけだし、余計なお世話だわ」

杏子「何だと!」

マミ「もう、二人とも。
喧嘩しないの!」

杏子「別にアタシはそんなつもりは無いって。
でも、コイツが……」

マミ「佐倉さん?」

杏子「ちっ、分かったよ……」

マミ「というわけで、今回のパトロールの計画の概要を説明するわね。
今夜はどういうわけか、魔獣達の動きの流れが……、ここと、ここ、それに、ここ。
この、三つの地点だけに綺麗に分かれている。
だから、各地点に一人ずつ向かうようにして、それぞれの場所で確実に対処出来るようにしたいの。
……ただ、当然この方法を実行するには、最低でも三人以上はいないと出来ないわ。
そこで、暁美さん?
あなたの力を借りたいのだけど……、お願いできるかしら?」

ほむら「ええ、別に構わないわ」

マミ「ありがとう。
じゃあみんな、各自、行動に移って。
あっ、それからこれは当たり前のことだけど、ピンチになったらテレパシーですぐに仲間の助けを呼ぶこと!
これは当然、近くの人に頼んだ方がいいでしょうね……。
二人とも、いいわよね?」
 
ほむら「ええ、別に問題は無いわ」

マミ「佐倉さんは?」

杏子「分かった、マミの言う通りにするよ」

マミ「それじゃあ二人とも、気をつけてね!」

ほむら・杏子「あなた(あんた)もね(な!)」

マミ「何だぁ~、二人とも気が合うんじゃない!
安心したわ……。
それじゃあ、また後でね!!」

杏子「いいから早く行けっての……」

ほむら「!」

―それからしばらくして、私は、廃墟と化したビルの近くで、特徴的な笑い声とコミカルな姿をした、巨大な“怪物”と遭遇していた―

ほむら(……この怪物は、一体どこから現れたというのかしら?
見たところ、間違いなく魔獣ではないだろうし、どうやら、魔女であるようにも思えない……。
そもそもこの世界にはもう、魔女というものは存在しないはず……)

ほむら(……でも、目の前にどんな障害が立ちはだかっていようと、私のやるべきことは一つだけ。
それについては、考えるまでもなかったわね……)

ほむら「あなた、ずいぶんと下品な笑い方をするのね。
……でも、別に構わないわ。
今すぐに、その笑いを止めてあげるから」

―そして、私の放った光の矢が直撃すると、その怪物は、一瞬で消滅したようだった―

ほむら(まどかから受け継いだとも言えるこの武器は、やはり、とてつもない力を秘めていたようね……)

―でも、近くにいた怪物は一体だけではなく、大きさは数十センチ程度の皿のような外観をした“飛行体”が、その場から飛び立とうとしていた―

ほむら「!!
まだ、もう一匹いた……?」

―私は、油断していたせいで反応が遅れてしまい、その“飛行体”の放った溶解液をまともに浴びてしまっていた―

ほむら「ううっ……」

―私は、激痛に苦しまされながらも魔法の力でダメージを軽減させ、何とか反撃しようとしたけど、急に“飛行体”が巨大化し始め、その影響でビルが崩れだしていた―

ほむら(そんな……)

―私は、固有魔法の“白き光の翼”を展開させようとしたけど、やはり先程受けたダメージが大きかったのか、普段のように翼を発現させることすらも出来なかった―

ほむら(ごめんね、まどか。
私はもう、ここまでみたい……)

ほむら(……でも、これからあなたに会えると思えば、死ぬことなんて何も恐くなんか―)

―でもその時、突如として謎の“光”が現れてそのまま私の体を包み込み、まるで、安全な場所へと運んでいくかのようにその場から離れていった―

ゼロ(地球か……。
“この宇宙の地球”は、一体どんな感じなんだろうな……?)

―俺(ウルトラマンゼロ)は“ある理由”から”別の宇宙にある地球”へと来る羽目になっていた―

ゼロ「さてと、まずはどこに向かえば―
!!」

ゼロ(この感覚……。
どうやら“ここ”にも、怪獣達がいるようだな……)

ゼロ「よーし、待ってろよ。
今すぐにそっちへ行くからな!」

―そして、俺が“この地球”で最初に見付けた怪獣は、

  かつて、防衛チームのMACを全滅させ、当時はウルトラセブンへの変身能力を失った状態であるとは言え、そこの隊長を務めていた親父すらも死の淵に追いやりかけ、
  さらには何の罪もない人達を大量に虐殺したという恐るべき円盤生物、シルバーブルーメの別個体と、そいつに襲われて瀕死の重傷を負っていた、人間の子供だった―

ゼロ「へっ、させるかよ!」

―俺は光のバリアーを作り出してその子供の体を覆うと、そのまま安全な場所まで移動させた―

ゼロ「よし、まずはこれで一安心か。
次は、あいつの相手だな……。
ここで待ってな、あいつは俺が倒してくるからよ!」

―親父と師匠の両方にとっても、因縁の相手というべき怪獣と同種の敵を目の当たりにして、俺の闘志はいつも以上に燃えていた―

ゼロ「シェアッ!【エメリウムスラッシュ】」

―でも、俺の放った光線が命中するよりも早く、その怪獣はその場から消えてしまっていた―

ゼロ「なっ、何!
……消えちまっただと!?」

ゼロ(……まさか、またあのバット星人の仲間が“ここの地球”にも来てやがるのか?
だが、俺の直感ではアイツらのやり口とは少し違う様な気もするんだよな……。
それとも今回は、別の奴の仕業なのか?)

ゼロ(……まあ、そんなことはどうでもいいか。
どんなやつが相手だろうと、この俺がぶっ倒してや―)

―だがその時、急に俺のカラータイマーが赤く発光して点滅し始め、警告音も鳴り出していた―

ゼロ(何!?
何故だ、エネルギーの消耗が異常に早い……。
それに、イージスの力を持ってしても、補給が出来ないだと?)

―そして俺は、“この地球”の一帯を覆い尽くしている“瘴気”のようなものがあることに気付いた―
 
ゼロ(まさか、この“瘴気”が原因なのか!?
くそっ、一体どうすれば……?)

―そして俺は、先程助けた人間の子供に“不思議な力”が宿っているということにも気付いていた―

ゼロ(……この力は、一体何なんだ?
この“瘴気の力”に対抗出来ている、だと!?)

ゼロ(だったら、この子供と一体化して“この力”を借りることが出来れば、こんな“瘴気”の影響なんか気にしないで活動が出来るし、こいつの命を救ってやることも出来る。
だが……)

ゼロ(本当は、こんな子供を戦いに巻き込むような真似をするのは避けてやりたいんだが、今は他に選択肢が無いか……)

ゼロ(すまねぇな、“ボウズ”。
少しの間だけ、お前の体を貸して貰うぜ!)

ほむら(?
私……)

ゼロ【テレパシー】「よっ!
目が覚めたみたいだな……」

ほむら「えっ?」

―私は咄嗟に自分の周りを見てみたけど、近くには誰もいないようだった―

ほむら(幻聴かしら?
それとも……)

ゼロ【テレパシー】「先に言っておくけど、幻聴ではないぜ」

ほむら(やっぱり、テレパシーだったのね……)
 
―よく見ると私の左腕には、見知らぬブレスレットのようなものが装着されていた―

ほむら(どうやら、このブレスレットから声が発せられているみたいね……)

ほむら【テレパシー】「それで……。
あなたは、一体何者なの?」

ゼロ【テレパシー】「俺はゼロ……。
ウルトラマンゼロだ!」

ほむら「ウルトラマン、ゼロ?」

ゼロ【テレパシー】「そっか。
“この地球”でも、俺達のことは知られてないんだな……。
よし、そうだな!
俺達、ウルトラマンは―」

―ウルトラマンゼロと名乗ったその声は、“別の宇宙”からやってきたということや、そこで“ウルトラマン”と呼ばれているらしき存在について、私に説明をしてきた―

ほむら「つまり……。
あなたは、宇宙人なの?」

ゼロ【テレパシー】「まぁ、アンタらにとってはそういう感じになるのかな。
……ところで、お前の名前は?」

ほむら「暁美……。
ほむらよ」

ゼロ【テレパシー】「そうか。
それじゃあ、良く聞けほむら。
……これから俺達は、一心同体だ!」

ほむら「……なるほど、分かったわ。
それじゃあ、今すぐ出て行ってくれない?」

ゼロ【テレパシー】「そうだな、出て行くぜ!
っておい、何かこのやり取り前にもしたような……。
そっか、思い出したぜ!
てかまたかよ……。
お前もタイガみたいなこと言うんだな!
地球の人間って、皆こんな感じなのか!?」

ほむら「は、タイガ?
一体誰のこと?」

ゼロ【テレパシー】「ああ、そっか。
アンタは知ってるわけねぇもんな。
そいつは、アンタの前に俺と一心同体になった奴なんだ」

ほむら「そう……。
よく分からないけど、彼が正常な判断力を持っていたことだけは確かみたいね」

ゼロ【テレパシー】「そいつはどういう意味だ?」

ほむら「やっぱり、あなた達には理解出来ないのかしら?
見ず知らずの宇宙人にいきなり体を乗っ取られるなんて、相手を不審に思わない方がおかしいし、嫌に思うのも当然のことだと思うのだけど」

ゼロ【テレパシー】「えっと、そういうもんなのか?」

ほむら「ええ。
それに私達人間は、同じ種族であったとしても、簡単には信用出来ないものなの。
たとえ、それが気心の知れているはずの“仲間”だとしても、ね。
それなのに、初対面の“宇宙人”にいきなり“自分の体”を好き勝手にされて、しかも信用しろだなんて、どう考えても無理な話だわ」

ゼロ「……」

ゼロ【テレパシー】「……そっか。
そいつは済まなかったな、ボウズ。
でもこうなっちまった以上、しばらくは俺と離れられない、お前は―」

ほむら「……今、何と?」

ゼロ【テレパシー】「いや、まだ俺が話してる途中なんだけど……。
まぁ、いいや。
だから、お前とすぐに離れることは出来ないんだって。
何たって、お前はさっきまで瀕死の状態で……」

ほむら「その前!」

ゼロ【テレパシー】「えっ、俺、何か変なこと言ってたか?」

ほむら「いいから、もう一度最初から言いなさい!」

ゼロ【テレパシー】「えっと、何だっけ……?
そっか。
そいつは済まなかったな、ボウズ。
で―」

ほむら「そこよ!」

ゼロ【テレパシー】「えっ?」

ほむら「あなた、私を“ボウズ”と呼ぶなんて、一体どういうつもりなのかしら……?」

―全ての事情を知った後で考えてみると、“今の私”は普通の人間とは明らかに異なる存在であり、しかも敵の激しい攻撃を受けたばかりで見た目的にもボロボロだった為、
  この時のゼロが正確に判断出来なかったのも仕方のないことだったと思えなくもないのだけど、状況をしっかりと把握出来ていなかった私は、珍しく怒りの感情を爆発させそうになっていた―

ゼロ【テレパシー】「あの、何か問題でもあるのか?」

―私は、黙ってブレスレットの方を睨みつけた―

ゼロ【テレパシー】「えっと、もしかして……。
アンタ、女の子だったのか?」

ほむら「ええ、そうよ。
まさかあなた、私を男の子と勘違いしていたんじゃないでしょうね……?」

ゼロ【テレパシー】「いや、すまねぇな。
まだ、この宇宙の人間のことはよく分からなくてさ……。
それにアンタ、む―」

ほむら「それ以上言ったら、こいつをぶち抜くわよ」

―私は、拳銃【デザートイーグル】を構えると、ブレスレットに向けて構えた―

ゼロ【テレパシー】「ま、待てよ!
今、俺とアンタは一心同体なんだぜ?
そんなことをしたらアンタも一緒に死んじまうぞ!?」

ほむら「……冗談よ」

ゼロ(とてもそういう風には見えなかったんだが……)

ほむら「何かしら?」

ゼロ【テレパシー】「え、いや、何でもない……」

ほむら「そう。
それじゃあ私は行くところがあるから、これで失礼するわ」

―私はそう言って、すぐにブレスレットを外そうとした―

ゼロ【テレパシー】「って、おい!
アンタ、俺の話聞いてたのか?
無理矢理外そうとするんじゃねぇよ!!」

ほむら「……仕方ないわね。
あなたも一緒に行くわよ」

ゼロ【テレパシー】「はぁ……。
それで、何処へ行くんだ?」

ほむら「……そうね。
一応、私の“仲間”が待っている場所かしら……?」

ゼロ「?」

ほむら【テレパシー】「……巴さん?」

マミ【テレパシー】「……あら、暁美さん。
ちょうど良かったわ。
……ちょっと大事なお話があるから、“いつもの場所”まで来てくれる?」

ほむら【テレパシー】「ええ、分かった。
すぐにそちらへ向かいます」

―そして私達は、“隣町の風見野”からも近い場所にある、見滝原の小さな時計台の下へと向かっていた―

ほむら「……ねえ、ウルトラマンゼロ。
ちょっと、あなたに確認しておきたいことがあるのだけど……」

ゼロ【テレパシー】「何だ?」

ほむら「あなた達みたいな“ウルトラマン”とやらは、他にも“この地球”に来ているのかしら?」

ゼロ【テレパシー】「少なくとも、俺以外にも一人はいるはずだ。
なんたって、俺はその人に呼ばれてここに来たんだからな」

ほむら「そう……。
でも、どうしてあなたはここに呼ばれたの?
おそらく、何かさっきの怪物が絡んでいることは間違いないのでしょうけど……」

ゼロ【テレパシー】「いや、それが俺もいきなりここに来いって言われただけで、詳しいことは分かってねぇんだよな……」

ほむら(ということは、巴マミが私を呼んでいる理由も、もしかしたらそれ絡みのことなのかもしれないわね……。
とにかく、早く待ち合わせ場所に向かうとしましょう)

―そして、待ち合わせ場所に着いた私は、そこにいると全く予想することすらも出来なかった人物に遭遇し、驚かされていた―

ほむら「!!!」

マミ「暁美さん」

杏子「……」

―そこで待っていたのは、巴マミと佐倉杏子の二人だけでは無かった―

さやか「えっと、転こ―ほむら。
久しぶり!」

ほむら「……美樹、さやか……!?」

―私の目の前には、“円環の理”に導かれてこの世界から消滅したはずの魔法少女、美樹さやかがいた―

本日は、ここまで。

今回も旧スレの内容から少し構成等を変えただけの文章投下になってしまいましたが、おそらく次回か、遅くてもその次あたりには、完全新規の部分まで進めていけると思います。

今回もまだ旧スレに投下した内容の流用部分がほとんどになってしまうと思いますが、再開します。

ほむら「……あなた。
本当に、美樹さやかなの……?」

さやか「……うん、そうだよ。
あたしは正真正銘、本物のさやかちゃんですよー!」

ほむら「一体、どうして……?」

―そして私は、美樹さやかの右腕にも、青い腕輪のようなものが装着されていることに気付いた―

ほむら「まさか、あなたも?」

マミ「ねえ、暁美さん。
ここで説明してもらうというのもなんだから、とりあえず家で話さない?」

―そう言った巴マミの腕にも、同じく腕輪が装着されていて、その中心部にはオレンジと緑が混ざりあったような色の宝石がはめられていた―

ほむら「巴さんまで……。
それじゃあ!?」

―私は佐倉杏子に近づくと、全身をくまなくチェックしていた―

杏子「な、何だよいきなり?」
 
―杏子の指には、いつもと同じように指輪形態のソウルジェムが存在していた―

ほむら「あなたは、大丈夫なのね……」

杏子「一体、何のことさ?」
 
―私の行動の意味がよく分からなかったらしく、杏子は不審そうな表情でこちらを睨んでいた―

さやか「あっ、マミさんの家かー!
なんか、懐かしいなぁ……。
そういえば、ケーキと紅茶とかってあったりします?」

―険悪な雰囲気になりかけたその場を取り繕うかのように、美樹さやかが話し始めた―

マミ「あら、美樹さんたら。
全く、佐倉さんみたいなこと言っちゃって。
もちろん、ちゃんと用意してあるわよ」

さやか「やったー、さすがマミさん!
マミさんのケーキと紅茶、楽しみだなぁ……」

杏子「はん……。
全く、相変わらず呑気なやつだな」

さやか「そういう杏子だって、楽しみでしょうがない癖にー」

杏子「は?
別にアタシは毎日食べてるから、今さらがっついたりなんてしないし」

さやか「なっ、毎日ですと?
一体どういうことなのか、じっくり聞かせてもらおうじゃないの!」

マミ「あら、佐倉さん。
それなら今日はあなたの分は用意しなくてもいいのかしら?」

杏子「べ、別に食べないなんて一言も言ってないじゃんか!」

さやか「やっぱ楽しみにしてるんじゃん」

杏子「う、うるさいな。
とっと行くぞ!」

マミ「ということは、久しぶりに“みんな”揃ってのお茶会が出来るのね!」

ほむら「…………」

(巴家)

マミ「……それじゃあ、美樹さんは導かれた直後のことをほとんど覚えてないの?」

さやか「……うん。
ゴメンね、多分みんなが一番知りたいことだってことは分かってるんだけどさ……」

マミ「いえ、気にしないで。
覚えてないのなら、仕方ないわ」

ほむら「それなら、“あなたのウルトラマン”と出会った時のことも覚えていないの?」

さやか「それって、“ヒカリ”と会った時のこと?」

ほむら「ええ」

さやか「いや、そっちは覚えてるよ。
あたしはさ、導かれた後……、そういえば、何て言えばいいのかなぁ……?
そうだね、精神体とでも言えばいいのかな」

杏子「精神体って、何だよそれ?」

さやか「えっーと……。
簡単にいえば、幽霊みたいな感じ?」

マミ「えっ……!?」

さやか「ん、マミさんどうしたの?」

マミ「いや、その……」

杏子「もしかして、さやかにビビってんのか?」

マミ「えっと、そんなことは……」

さやか「なんだ、別に恥ずかしがらなくてもいいよ。
あたしも“昔”は結構そういうの苦手だったしさ……」

マミ「だから違うってば……」

杏子「はっ、実はマミのやつ、こう見えても結構怖がりなんだよね。
例えば、テレビで心霊特集とかやってると、ビビりまくってすぐアタシに抱き付いてきたりしてさー。
その後も、夜は恐くて電気を付けてないと寝れないなんて言い出すし……」

マミ「佐倉さん、それは言わないでって言ったでしょう!?」

杏子「いいじゃん、別に隠す必要も無いだろ?
それでさ、一番傑作だったのは―」

マミ「……佐倉さん。
そこでやめておかないと、明日からあなただけケーキ無しにするわよ」

杏子「えー、何でだよ。
ここからが面白いのに……」

マミ「おやつ抜きでいいのね?」

杏子「っ、分かったよ……」

マミ「分かってくれたのならいいわ。
明日もちゃんと用意しておくからね」

杏子「ったく……」

さやか「はは……」

ほむら「……で、あなたの話の続きを聞いてもいいかしら?」

さやか「ああ、そうだね。
とにかく、そんな感じの状態で、ちょっと宇宙を彷徨ってた訳なんだけどさ。
最近、たまたまここの近くまで来た時に、ちょうどエネルギー切れでヤバい状態のヒカリを見つけたんだよね……」

杏子「ちょっと宇宙って……」

ほむら「それで“彼”と一体化したというわけ?」

さやか「うん、当然放ってはおけなかったし、あたしの方としても、ヒカリと一体化したおかげで、こうやってみんなとも久しぶりに会えてるわけだしさ。
結果的には、ほんと一石二鳥というか、まさにあたし達は運命共同体ってわけだよねー」

ほむら「果たして、本当にそう簡単に言っていいものなのかしら……」

さやか「あっ、そういえば、マミさんもヒカリの仲間と一心同体になったんだよね?」

マミ「ええ、そうよ」

さやか「出来れば、その時の話も聞かせてもらえるかな?」

マミ「そうね……。
あの時、私は―」

 マミの回想

マミ「……魔獣の反応があったのは、ここら辺のはず、よね……?」
 
―でも、どういうわけかそこに魔獣は一匹もいなくて、禍々しい邪気を帯びた結界のようなものだけが存在していて―

マミ「これは……?
とにかく、入ってみるしかないわね……」

―それからしばらくして、私はその結界の中で“怪獣”【ゼットン】と遭遇していた―

マミ「あれは……。
怪獣?」

ゼットン「ゼッ、トーン」

―そしてその怪獣は、どういうわけか、魔獣を……、食べていたのだけど、私の存在を確認した途端にいきなり火球で攻撃を仕掛けてきて―

マミ(どうやら、私と仲良くする気はないようね……)

マミ「そっちがその気なら、こちらも行かせてもらうわよ!」

―私は銃をいくつか生成して、そのうちの一丁で狙いを定めて攻撃を放ったのだけど、その怪獣はテレポートを使って私の攻撃を避けてきて―

マミ「なっ?」

―私はさらに何度も別の銃で撃とうとしたのだけど、その後も全てテレポートによって避けられちゃって―

マミ(相手は、常にテレポートをしてくる……。
どうすれば、攻撃出来るのかしら?)

マミ「そんなに動いて、随分と落ち着きが無い子なのね……。
だったらこれはどう?
ティロ・ボレー!」

―私の射撃はまた避けられてしまったけど、その時私は、怪獣がテレポートを終えた直後の動きには、わずかな隙が生じていることに気付いた―

マミ「レガーレ!」

―その怪獣に絡みついたリボンは、すぐに引きちぎられてしまったけど、わずかの間だけは、確かに動きを封じていた―

マミ(どうやら、拘束魔法は通じるらしいわね。
それなら……、いける!)

マミ「そろそろ、本気で行かせてもらうわよ!」
 
―私は、これまでとは比べ物にならない数のマスケット銃を一度に具現化させて、一斉に放った―

マミ「パロットラ・マギカ・エドゥ・インフィニータ!」
 
―その怪獣は、再びテレポートによってそれら全ての攻撃を避け、私の攻撃が放たれなかった空間に移動していた―

マミ「かかってくれたわね……。
レガーレ・ヴァスタアリア!」
 
―私は、わざと自分の攻撃に隙間を作り、そこにリボンのトラップを仕掛けていた―

マミ「悪いけど、あなたのテレポートの特性は見切らせてもらったわ!
そして、その動きが分かれば、あなたの移動する先を誘導して、拘束することも可能だった……」

マミ「さてと、そろそろいいかしら…?」

―私は銃の一つに魔力を集中させ、巨大な大砲に変化させた―

マミ「行くわよ。
ティロ・フィナーレ!」

―その時の私は、その怪獣を絶対に倒せるはずだと、高を括ってしまっていたのだけど、その怪獣は、私の攻撃を吸収して、逆に波状光線として撃ち返してきた―

マミ「えっ……」

―それからその後、私が意識を取り戻した時にいた場所は、赤く暖かな光の球の中だった―

マミ(私……、生きてる?
……あれは、夢だったのかしら?
でも、この感じは……)
 
―そして私は、自分を見つめている“誰か”の気配があることに気付いていた―

マミ「誰?
そこにいるのは……?」
 
―相手はすぐには答えてくれず、こちらをじっと見続けていた―

マミ「あなたは、一体何者なの?」

ゾフィー「私はM78星雲の宇宙警備隊長、ゾフィー」

マミ「M78星雲の……。
ゾフィーさん?」

ゾフィー「そうだな……。
君達の言葉で簡単に説明するとすれば、遠い星から来た宇宙人とでも言うべきだろうか」

マミ「宇宙人……。
それより、ゾフィーさん?
あなたはどうして、ここ……。
地球へ来たんですか?」

ゾフィー「私は、仲間と共に邪悪な気配の流れを辿っているうちに、その邪気を放ち続けていた巨大な飛行体らしきものを見付けた。
そして、それをさらに追い続けて“こちらの宇宙”へ辿り着いたのだが、残念ながら見失ってしまったのだ。
その後、ここの結界から同じような邪気が発せられていたのを感じ取り、こうして君を見付けたというわけだ。
だが、もう少し早く到着出来ていれば、君を無傷で助けられたかもしれないというのに、申し訳ない」
 
マミ(こちらの宇宙?
いや、それよりも―)

マミ「私は、どうなったの?
まさか―」

ゾフィー「確かに、君の命はまもなく尽きようとしている。
だが、心配することはない。
私が君を助けよう」

マミ「本当に?
私を助けてくれるんですか?」

ゾフィー「ああ、約束しよう」

マミ「でも、どうやって?」

ゾフィー「私は、命を二つ持ってきた。
その一つを君にあげよう」

マミ「……えっ!?」

マミ(まさか、そんなことが出来るなんて……)

ゾフィー「ところで、君の名前は?」

マミ「私の名前は……、マミ。
巴マミです」

ゾフィー「そうか。
それではマミ、その代わりというわけではないが、君に頼みたいことがある」

マミ「何ですか?」

ゾフィー「私に、君の力を貸して欲しい」

マミ「私の、力……?
一体、どういうことですか?」

ゾフィー「我々の種族には、元々他の惑星で活動する際の時間に制限があるのだが、“ここの地球”では、特にエネルギーの消耗が激しい。
おそらく、この地球全体がこのような邪悪な瘴気に包まれているせいだろう。
だが、どういうわけか君にはその瘴気にも耐性があるようだ」

マミ(やっぱり、私が魔法少女だから…?)

マミ「それで、具体的に私は何をすれば―」

―ゾフィーさんは、右手に装着していた腕輪を外すと、私に渡してきた―

マミ「これは?」

ゾフィー「ウルトラコンバーターだ。
それは本来、我々ウルトラ戦士にエネルギーを補給する役割を持つ道具なのだが……。
とにかく、君の腕に付けてみてくれ」

―私が腕輪を付けると、それはさらに小さいブレスレットに変化した―

マミ「それで、この後は―」
 
―私が言い終わるよりも先に、そのブレスレットが光り輝き、私の全身は強い光に包まれていた―

―そして、再び私が目を覚ますと―

マミ「えっ、これ……、私?
一体、どうなってるの!?」

―私の体は、赤と銀色の巨人の姿に変化していた―

ゾフィー「これが、私の本来の姿だ。
つまり、私と君が一心同体となったということだ」

マミ「もう、ゾフィーさんたら!
そういうことなら、ちゃんと説明して下さい。
ビックリしちゃったじゃないですか!」

ゾフィー「すまない、少し説明が足りなかったかな」

マミ「もう、駄目ですよ。
女の子にちゃんと配慮してくれない男の人は、嫌われちゃいますからね?」

ゾフィー「以後、気をつけるとしよう」

マミ「お願いしますね。
でも、それよりもまずはこの戦いに集中しましょう」

ゾフィー「ああ、そうだな。
ところで、この反応はやはりゼットンのものだったようだな……」

マミ「もしかして、ゾフィーさんは以前にもこの怪獣と戦ったことがあるんですか?」

ゾフィー「ああ。
私を含め、我々ウルトラ兄弟達は何度もゼットンと戦ったことがある。
そして、これまでも常に苦戦を強いられてきた」

マミ「(ウルトラ兄弟?)それじゃあ、何か弱点とかは分かってないんですか?」

ゾフィー「私の仲間から聞いた情報では、光線などの遠距離攻撃を使うよりも、接近戦の方が有効のようだ。
また、ゼットンの頭上にはバリアが無いということも分かっている」

マミ「なるほど、分かりました。
それじゃあ、まずは―」

―私は、まずは牽制用に稲妻状の光線【Z光線】を放ったけど、ゼットンは再びテレポートを使ってその攻撃を避けていた―

―でも、私はすぐにテレポート後の隙を狙ってエネルギーを込めた拳でパンチを放ち、ゼットンの左胸にある発光部を破壊していた―

ゾフィー「いい動きだ、マミ。
君はなかなか優れた戦闘センスを持っているようだな」

マミ「もう、褒めたって何も出ませんよ?
それよりもゾフィーさん、準備はいいですか?」

ゾフィー「ああ、いつでも大丈夫だ」

マミ「それじゃあ、行きます!」

―そして、私達は腕をL字に組んで、光線【M87光線(Bタイプ)】を撃つと、もちろん、ゼットンはその攻撃を吸収して、再び波状光線として撃ち返してきたのだけど―

マミ「残念だったわね、そっちはつり球……。
本命は、こっちよ!」

―そして私達は、上空から再び必殺光線【M87光線(Aタイプ)】をゼットンに向けて放った―

さやか「……それじゃあ、マミさん達はその怪獣を倒すことが出来たの?」

マミ「残念だけど、出来なかったわ。
トドメを刺そうとしたら、逃げられちゃったのよね……」

さやか「そっか、ならあたし達と同じだね」

杏子「ああ、そうだな……」

ほむら「ということは、あなた達も“怪獣”と戦ったの?」

さやか「うん、そうだよ」

ほむら「その時の話、詳しく聞かせてくれるかしら……」

杏子「そういや、あんたにはまだ言ってなかったっけ……。
分かった。
あんた達と分かれた後、あたしは―」

―あたしの入った結界の中には、魔獣が一匹だけいた―

杏子「ったく、やっと見つけられたな……。
おし、魔獣の野郎、覚悟しやがれぇー!」

―でも、その時いきなりデカイ“鳥”【バードン】が現れて、魔獣を食っちまった―

杏子「なっ!
テメェは一体?」

杏子「はんっ、ずいぶんとデッケェ鳥だねぇ……。
まぁ、でも?
どんなバケモノだろうと、このアタシがぶっつぶしてやるけどさぁ!」

杏子(なんて言っても、さすがにこいつは正攻法じゃあ勝ち目はなさそうだね……)

―その鳥はデカい足ですぐに間合いを詰めてきて、あたしの目前まで来ていた―

杏子(だから……、マミ、さやか。
あんた達のおかげで復活させることの出来た、あの技を使う!)

杏子「行くぜぇ……、あたしが三人!!!
どれが本物か、当ててごらんよ!」

―あたしが幻惑魔法【ロッソ・ファンタズマ】で作り出した分身達を使ってその鳥の周囲を素早く動き回って撹乱させると、そいつは突然現れたあたしの分身達に驚いたらしく、目をパチクリとさせていた―

杏子(おし、これならいける!)

―あたしがさらに2、3体程分身を作り出して向かわせると、どいつを追いかけるべきか分からなくなったその鳥が、遂に目を回しながら倒れていた―

杏子「ふんっ!
残念だけどもう終わりだよ……」

―あたしは持っていた槍を巨大化させて、その鳥を貫ぬこうと飛びかかった―

杏子「こいつでトドメをさしてやるっ!」

―でも、その鳥はまるであたしの攻撃を予測していたかのように素早く避け、逆に羽を使ってあたしの体を吹っ飛ばした―

杏子「なっ!?
ぐふっ!」

―良く見てみると、あたしが作り出した分身達のほとんどは既に消えていて、残っていたのもすぐに偽物であると分かるような不完全な状態だったことに気付いた―

杏子「ちっ、こいつらが偽物ってことがバレちまってたのか……」

―そしてその鳥は、既に偽物と分かってるはずなのに、残されていた分身達に対しても、まるでトドメをさすかのように、容赦なく火を吐いて攻撃していた―

杏子(認めたくはねぇけど、ほむらのやつが言った通りだったな……。
やっぱり、まだアタシは本調子じゃないし、力も全然戻って無かった)

―“鳥”が、今度こそあたしを食べるべく、しきりにクチバシを動かしながら近づいてきた―

杏子「くそっ、これが万事休すってやつなのかな……」

―でも、そいつがあたしに襲いかかろうとした、まさにその時、
  突然、周囲が光り輝いて、その“光”の中から何かが現れ、鳥の野郎を突き飛ばしていた―

杏子(あれ……、アタシ、何ともないぞ?
一体、何が起こったってんだ……?)
 
―そしてあたしの目の前には、青い体の巨人が立っていた―

杏子(こいつは、一体何なんだ!?
人に似た姿をしてるし、魔獣の親玉とかそんなもんなのか?
でも、さっきはアタシを助けてくれたようにも思えるし……。
それに、こいつを見ていると、何だか懐かしい気分になってくるような……)

杏子「アンタ、一体何なんだよ。
まさか、アタシを助けてくれたっていうんじゃないよな?」
 
―その巨人は振り向くと、あたしが予想もしなかったことに、テレパシーを使って話しかけてきた―

?「実は……、その通りなんだ!
いや~、それにしても、間一髪ってとこだったね」

杏子「!
その声、まさか……」

さやか「でも、もう大丈夫!
杏子、今からあんたのことは、このウルトラ魔法少女・さやかちゃんがガンガン守りまくっちゃいますからねー!」

杏子「やっぱりアンタ、さやかだったのか!?」

さやか「杏子!
久しぶりだね……」

杏子「アンタ、どうしてここにいるんだよ!
それに、その姿は……?」

さやか「悪いけど、質問タイムはあとあと。
まずは、こいつを倒さないとね!」

―でも、さやかが後ろに振り向いた瞬間、鳥【バードン】の火炎放射弾が飛んできた―

杏子「さやか!」

―でも、さやかはすぐに右手に付けた腕輪から光る剣【ナイトビームブレード】を発現させると、あっさりと火炎弾を切り捨てていた―

杏子「!」

―その鳥はすぐに次弾を放ったけど、さやかは見事な剣さばきで放たれた火炎を全て逸らして近付くと、その鳥のクチバシを切り裂き、さらに強烈なキックの一撃を見舞っていた―

さやか「へへーん、見たか!
これが、さやかちゃんの超ファインプレー!!」

杏子「アンタ、随分と強ぇけど、本当にさやかだよな……?」

さやか「ちょっと、それってどういう意味よ!?」

―でも、あたし達が話している隙にその鳥は、飛んで逃げようとしていた―

杏子「ハンッ、逃がすかよ!」

―あたしの槍がそいつの羽を貫き、その鳥は落下していた―

さやか「サンキュ、杏子!
よーし、そろそろとどめの攻撃、行っちゃいますかっ!!」

―そして、さやかは腕を十字に組み、何らかの技を放とうしたけど―

ヒカリ「待て、さやか。
俺の仲間から聞いた情報では、あいつのクチバシの横にある袋の中には猛毒があるそうだ。
だから、そのまま倒すと周囲に毒が撒き散らされてしまうかもしれない」

さやか「でも、結界内で倒してすぐにあたし達が脱出すれば問題ないんじゃない?」

ヒカリ「この結界は非常に不安定だから、すぐに崩壊してしまう可能性がある。
そうなれば、外にまで被害が出てしまう可能性がある」

さやか「なるほど。
それじゃあ、どうしようかな……。
!」

さやか「そうだ、杏子!
ちょっとあんたに協力して欲しいことがあるんだけど」

杏子「何だ?」

さやか「これからあの鳥野郎をぶっ飛ばしてやろうと思ってるんだけどさ……。
あたしが必殺技を撃った直後に、あいつの周りをあんたの結界で覆うことって出来そう?」

杏子「あ、別に出来ると思うけど……。
どうしてわざわざそんなことをするんだ?」

さやか「何か、あいつは猛毒を持ってるらしくてさ、そのまま倒しちゃったら、ちょっとマズいみたいなんだよね。
だから……」

杏子「ああ、そういうことか。
分かったよ」

さやか「OKだね。
それじゃあ、準備はいい?」

杏子「ああ、こっちはいつでもいいぜ」

さやか「よぉーし、行くよっ!
杏子?」

杏子「アミコミケッカイ!」

さやか「今度こそ、これでトドメだぁ!」

さやか「って、えっ?」

杏子「どうした、さやか!?
あいつを仕留めたんだよ、な?」

さやか「いや、その……。
ちょっと待って。
……あの、ヒカリ?」

ヒカリ「おそらく、奴には逃げられてしまったようだな……」

 現在

マミ「……そういえば、もうこんな時間ね。
そうだわ!
せっかくだし、二人とも、今日は家に泊っていかない?」

杏子「そうだな、さやかも自分の家に帰るってわけにもいかないだろうし……」

ほむら「いえ、悪いけど私は帰るわ。
ちょっと一人になって頭を整理したいし」

マミ「あら、そう……」

ほむら「それじゃあ、またあした」

杏子「って、あいつもう帰っちまったのか。
帰るの早すぎだろ……。
で、さやかはもちろん泊まってくよな?」

さやか「ゴメン、あたしもちょっとやることがあるから、今日は帰るよ。
お泊まりは、また次の機会に……」

マミ「でも、宿泊先はどうするの…?」

さやか「一日くらい、何とかなるよ。
それじゃあ、マミさん、杏子。
また明日ね!」

さやか「ほむら!」

ほむら「美樹さやか……。
わざわざ私を追いかけてくるなんて、一体どういうつもり?」

さやか「何だかつれないなぁ。
“前”は結構優しかったのに……」

ほむら「それはきっと“私”ではないわ。
……それより、一体何の用?」

さやか「ちょっと、あんたと二人きりで話したいことがあってさー」

ほむら「私は、別にあなたと話したいことなんてないのだけど」

さやか「ほんと冷たいなぁ……。
でもさ、“まどか”の話って言ったら、少しは聞いてくれる気になるんじゃない?」

ほむら「!
あなた……」

さやか「というわけで、今からあんたの家に行ってもいいかな?」

(ほむらの家)

ほむら「……それで、話って何かしら?」

さやか「実はあたし、導かれた後は“まどか”の“カバン持ち”みたいなことをやっててさ。
それで代理として“この世界”に来たんだよね」

ほむら「!
……どういうこと?」

さやか「実は“宇宙”に、大きな脅威が迫っているんだよね。
そういえば、ヒカリ達が来たのも多分そのことが原因だったと思ってたんだけど、間違ってないよね?」

ヒカリ「ああ、その通りだ」

ほむら「それは、ゼロにも聞いたわ。
ただ、具体的には何の脅威なのかは分かっていないそうなんだけど、あなたは知っているの?」

さやか「うーん、それなんだけどさ。
残念なことに“円環の理”の力を持ってしても分からなかったから、こうしてあたしが直接来たってわけ」

ほむら「……そう。
でも、巴さんや杏子達にこの話をしなかったのはどうして?」

さやか「いきなりこういう話をしても、さすがについていけないと思って。
二人にとっては、あたしが来たってことだけでも結構な大ごとだろうしさ……」

ほむら「……まぁ、そうかもね。
正直に言うと、私もさっきあなたを見た時はかなり驚いたわ」

さやか「そっか」

ほむら「ええ」

さやか「……」

ほむら「……」

ゼロ【テレパシー】「……なぁ、ヒカリ。
どうして、この二人はずっと黙ってるんだ?」

ヒカリ【テレパシー】「こういう時は静かに待っておくものだぞ、ゼロ」

ゼロ【テレパシー】「そういうもんか?
よく分かんねぇな……」

さやか「ねぇ、ほむら?」

ほむら「何?」

さやか「実は、あたしが“ここ”に来たのはさ。
あんたに、謝りたいことがあったからでもあるんだよね……」

ほむら「……さっきも言ったけど、“今の私”はあなたが知っている“暁美ほむら”ではないの。
だから、私に謝られても―」

さやか「いや、そうじゃないんだよ」

ほむら「そうじゃないって?」

さやか「あたしさ、まどかに色々と話を聞いて、色んな世界のほむらのことも教えて貰ったんだよね。
それから、特別に見せてもらったりもしたんだ」

ほむら「そう、なの……」

さやか「それで分かったんだよ。
あたし、皆に随分と迷惑ばかりかけちゃってたこと。
特にほむら、あんたはまどかを救いたかっただけなのに、あたしが色々と勘違いしてたせいで、かなりつらい思いをさせちゃってたはずだよね……。
だから、その事を謝らせて欲しいんだ」

ほむら「……私には、あなたに謝られる資格なんて無いわ」

さやか「えっ?」

ほむら「だって私は、いくつもの世界であなたを見捨てたのよ!」

さやか「いや、そんな―」

ほむら「だってそうでしょう?
それどころか、直接あなたを殺そうとしたこともあるのよ。
それに、あなただけじゃないわ。
巴さんに佐倉さん、そして、他の人達も皆、全て……。
しかも、そうして得た結末が、あんな……」

―その時美樹さやかは、いきなり私を抱きしめてきた―

ほむら「み、美樹さん!?
いきなり何するの?」

さやか「多分、そう呼んでくれるのは久しぶりなんだよね。
でも、出来ればあたしのことは名前で呼んで欲しいかな」

ほむら「え?
そんな……」

さやか「それと、今はあたしの胸で泣いていいよ。
なんなら、あたしをまどかの代わりだと思ってくれてもいいからさ……」

ほむら「……あの子の代わりなんて、いないわ」

さやか「……そっか、そうだよね。
ゴメン」

ほむら「だって、あなたはあなたでしょう?
……さやか」

さやか「ほむら……」

ほむら「……ごめんなさい、みっともない姿を見せてしまったわね。
私はもう大丈夫だから、離してちょうだい」

さやか「……うん、分かった」

ほむら「それじゃあ、私はもう寝るわね。
あなたは……、申し訳ないけど今日はそこにある寝袋で我慢してくれる?」

さやか「うん、あたしは別に構わないよ」

ほむら「それじゃあ、おやすみなさい」

ゼロ「おい、ほむ―」

ヒカリ【テレパシー】「ゼロ、今はそっとしておいてあげた方がいい」

ゼロ【テレパシー】「ああ、分かったよ……」

さやか【テレパシー】「……ねぇ、ヒカリ?」

ヒカリ【テレパシー】「どうした、さやか?」

さやか【テレパシー】「ほむらの方は分かんないけどさ……。
少なくともあたしには、今までのとか全部聞こえてるから、気をつけてね?」

ヒカリ【テレパシー】「何!?」

さやか【テレパシー】「まぁ、ヒカリは今のところ問題無いからいいけどさー。
ゼロちゃんの方はちょっと心配かな……?」

ゼロ【テレパシー】「ぜ、ゼロちゃん?」

さやか【テレパシー】「だって、ゼロってあたし達で言うと高校生くらいなんでしょ?」

ヒカリ【テレパシー】「さやかだって、まだ中学生では?」

さやか【テレパシー】「まぁ、ほら、あたしってもうそういうのあんまり関係ないからさ……。
ていうかさ、レディーに年齢のことは聞いちゃいけないっての!」

ヒカリ【テレパシー】「そ、そうか。
分かった……」

需要ないスレって誰からも反応ないよね(笑)

 次の日

マミ「……それじゃあ、今夜のチーム分けの組み合わせを考えましょうか!」

杏子「もちろん、さやかはあたしと組むよな?
昨日も連携はバッチリだったし、久しぶりに先輩のあたしが指導してやるよ!」

マミ「ふふっ。
佐倉さん、私と暁美さんには教えられることがないって言ってたものね」

さやか「ごめん!
杏子には悪いんだけど、あたしはほむらと一緒のチームがいいな」

マミ「あら、どうして?」

さやか「その方が戦力的なバランスもいいと思うし……。
マミさんと杏子なら、別に連携も問題ないでしょ?」

マミ「うーん、そうねぇ……。
暁美さんは、どう思う?」

ほむら「確かに、その組み合わせなら近接戦闘組と遠距離攻撃組で分かれているし、その、“ウルトラマン”に変身出来るのも一人ずつなので、バランスが取れていると思うわ。
でも―」

ゼロ(俺のことは数に入れてないのかよ……)

さやか「それじゃあ、これで決まりだね。
ほむら、よろしくね!」

―さやかは、私に右手を差し出していた―

『はあ、どっちにしろあたしこの子とチーム組むの反対だわ。
まどかやマミさんは飛び道具だから平気だろうけど、いきなり目の前で爆発とか、ちょっと勘弁して欲しいんだよね。
何度巻き込まれそうになった事か』

ほむら「……」

さやか「……ほむら?」

ほむら「ああ、ごめんなさい。
よろしく」

杏子「えー、マジかよ……!」

マミ「……佐倉さん、私と組むのは嫌なの?」

杏子「いや、別にそういうわけじゃなくて……」

マミ「……冗談よ、気にしないで」

さやか「あの二人も、“こっち”では仲良く出来てるみたいで安心したよ……」

『ソウルジェムが魔女を産むなら、みんな死ぬしかないじゃない!』

ほむら「……」

さやか「……あの、ほむら?」

ほむら「ええっと、何かしら?」

さやか「さっきから何だか上の空みたいだけど、どうしたの?」

ほむら「……いえ、何でもないわ。
行きましょう」

―数十分後、私とゼロ、さやかとヒカリは特殊な結界のようなものに侵入し、二体の怪獣と遭遇していた―

さやか「ねぇ、ヒカリ。
あの怪獣は、何ていうやつなの?」

ヒカリ「あれは、ベムラーと……、ゴルザだな。
俺はどちらとも直接戦ったことはないんだが、強敵だと聞いている」

さやか「まぁ、どんな怪獣が来たところであたし達の敵じゃないんだけどねー」

ヒカリ「さやか、油断は禁物だぞ」

さやか「もう、そんなの言われなくても分かってるってば……。
あたしだって、これでも結構色んな修羅場をくぐりぬけてきてるしさ。
まぁいいや、行くよ!」

ヒカリ「ああ、分かった!」

―そして、さやかは右腕に現れた腕輪に短剣を差し込むと、ウルトラマンヒカリへと変身していた―

ゼロ「……なぁ、ほむら。
アンタは戦わないのか?」

ほむら「私はサポート役よ。
何かあった時にはちゃんと対処するわ。
それに、今の彼女なら一人でも戦えそうじゃない?」

―ウルトラマンヒカリに変身したさやかは、一度に二体の怪獣を相手にしているにもかかわらず、苦戦しているどころか優位に立ってすらいるようだった―

ゼロ「まぁ、確かにそうだけどよ……」

ほむら「何、あなたも戦いたいの?」

ゼロ「確かに、そうかもな。
こうして、何もしないで見てるってのも退屈だしさ……」

ほむら「戦うのが好きだなんて、やっぱりあなたは野蛮な人なのね」

ゼロ「なっ!」

ほむら「だってそうでしょう?
戦わない自由が与えられているのに、好んで争いたがるなんて」

ゼロ「別に俺はそんなつもりじゃ……」

ほむら「……戦わなくて済むというのがどんなに良いことなのか、あなたみたいな宇宙人には、絶対に分かるはずなど無いのでしょうね……」

ゼロ「ほむら、アンタ……」

―でもその時、結界の中に別の怪獣が現れていた―

ほむら「怪獣が、もう一匹?」

ゼロ「あいつは……メルバだ!
どうやら、さやかとヒカリはまだ気付いてないみたいだな……。
ほむら、早くテレパシーで知らせてやれ!」

ほむら「もうやってるわ!
でも、何故かテレパシーが届いてないみたい……」

ゼロ「チッ、どうなってやがるんだ……」

―メルバと呼ばれた怪獣が、ゴルザ達と戦っているヒカリ(さやか)に猛スピードで体当たり攻撃をし、二人を吹き飛ばしていた―

―さらに、ゴルザが紫色の光線を額から放って攻撃してきたけど、ヒカリ(さやか)はその攻撃を何とか躱し、続いてメルバの攻撃もかわして、すれ違いざまに手刀を喰らわせていた―

―続いてベムラーが青色の光線を放ち、ヒカリ(さやか)は剣を使ってそれを逸らそうとしたけど、それを邪魔するように攻撃してきたゴルザの尻尾によって足を払われ、倒れこんでいた―

―そして、ベムラーの光線がヒカリ(さやか)の体に直撃していた―

ほむら「さすがに、3対1では厳しいみたいね……」

―怪獣達が、ヒカリ(さやか)にトドメを刺すべく近付こうとしていた―

ゼロ「……ほむら、アンタにも色々と考えはあるんだろうが今は緊急事態だ。
ウルトラゼロアイを使え!」

―ゼロはそう言うと、ウルティメイトブレスレットの中からウルトラゼロアイを出現させていた―

ほむら「……」

ゼロ「早く!」

ほむら「……この状況では仕方ないわね。
ええ、そうさせて貰うわ」

―そして私は、ウルトラゼロアイをつかんですぐに銃の形態へ変形させると、ヒカリ(さやか)に襲いかかろうとしていたメルバに向けて数十発程のビームを撃ち、怪獣を落下させていた―

ほむら「あら、なかなか使い勝手はいいみたいね……。
気に入ったわ、これからは牽制用として使うとしましょう」

ゼロ「俺が使えって言ったのは、そういう意味じゃなくてだなぁ……」

ほむら「少し静かにして貰えるかしら?
私は今、集中したいの」

ゼロ「……」

―そして、私はさらに魔力を集中させると、メルバに向けて光の矢を放った―

ゼロ「おい、外してるぞ」

ほむら「まぁ、黙って見てなさい」

―私が放った光の矢は、途中で曲がってメルバを追いかけるように飛んでいき、やがて命中すると、巨大な怪獣の体を跡形も無く消し去っていた―

ゼロ「!」

ほむら「言ったでしょう?
私は、あなたの力なんか借りなくても大丈夫って。
まぁ、この銃だけは使わせて貰うけど」

ゼロ「……」

さやか「サンキュ、ほむら。
後は、あたしに任せて!」

―ヒカリ(さやか)は、ゴルザに連続でパンチを放ってから、キックで突き飛ばし、さらに光弾【ブレードショット】を撃つと、激しい攻撃に耐えられずにゴルザは倒れていた―

―残されたベムラーは青色の光線を連射したが、ヒカリ(さやか)はその攻撃を全て逸らして近づいていき、ベムラーに剣【ナイトビームブレード】を使った攻撃を加えていた―

―そして、ヒカリ(さやか)は最後に必殺光線【ナイトシュート】を放ち、ベムラーを粉砕していた―

ほむら「……さやか。
お疲れ様、と言いたいところだけど、その前に一つだけ確認しておくわね。
どうして、私のテレパシーを無視したの?」

さやか「えっ?
あたしには何も聞こえなかったけど、本当に送ってたの?」

ほむら「ええ、何回もあなた達に警告したのだけど……」

さやか「おっかしいなぁ……。
ヒカリも聞こえてなかったよね?」

ヒカリ「ああ」

さやか「じゃあ、今試しに何か送ってみて」

ほむら【テレパシー】「分かった、やってみるわね……。
どう、届いてる?」

さやか「うん、聞こえてるよ」

ほむら「一体、どういうことなのかしら……」

ヒカリ「もしかしたら、あの時にテレパシーを妨害する何かが出されていたのでは?」

さやか「でも、一体誰がそんなことをしたっていうの?」

ほむら「……」

ゼロ【テレパシー】「ほむら。
……アンタ、まさか俺達を疑ってるんじゃないよな?)」

ほむら【テレパシー】「あなた、案外鋭いのね。
正直、少し疑っているわ」

ゼロ【テレパシー】「おい、俺達が何の為にそんなことをするってんだよ!?
第一、俺はともかくとしても、怪獣と戦っていたヒカリが、そんな自分自身にも危険が及ぶような真似をする必要があるってのか?」

ほむら【テレパシー】「あなた達が同族だからといって、お互いを裏切らないという保証はどこにも無いじゃない。
そもそも、この一連の事件があなた達の自作自演という可能性だってあるわ。
私達魔法少女を、陥れる為のね」

ゼロ「なっ……!」

ゼロ【テレパシー】「……なあ、ほむら。
アンタ、どうしてそこまで何でも疑おうとするんだよ?」

ほむら【テレパシー】「……そうね。
かつて、誰かを信用し過ぎて失敗したことがあるから……、かしら」

ゼロ【テレパシー】「そいつは、一体どういう―」

ほむら「さやか。
そろそろ、ここを離れましょう」

さやか「あ、うん。
そうだね」

ゼロ「……」

―ヒカリ(さやか)がベムラーを倒してから数日後、私達は“再び現れたある怪獣”と遭遇していた―

ゼロ「何だ、こいつ?
ま~た随分とやかましい野郎だな……」

ほむら「この怪獣は……!」

ゼロ「どうしたんだ、ほむら?」

ほむら「実は、あなたと初めて会った時の直前に、私はこの怪獣と戦っていたの。
でも、確かにあの時私がこの手で倒したはず……」

ヒカリ「この怪獣の名前はライブキングと言って、強力な再生能力を持っていると聞いている。
そして、前に私達の仲間がこの怪獣の別個体と戦った時は、光線技を受けてバラバラになった状態からでも復活したらしい。
だから、おそらくは君に一度倒された後にまた再生したのだろうな」

ほむら「そんな……」

ゼロ「ちなみに、その時はどうやって倒したんだ?」

ヒカリ「二人がかりで宇宙空間に運んでから、何とか爆破したそうだ」

ゼロ「なるほどね……。
それなら、今回はさすがに俺の力が必要なんじゃないのか?」

ヒカリ「こいつは以前に現れた個体よりも小型のようだから、俺一人でも何とかなるだろう」

ゼロ「そ、そうか……」

ほむら「……」

ヒカリ「よし。
行くぞ、さやか!」

さやか「…………」

ヒカリ「……さやか、どうした?」

さやか「あたしは……」

ヒカリ「……さやか?」

ゼロ「見ろ、あそこにもう一匹別の怪獣が!
いや、怪獣だけじゃねぇ、周りに人も集まってるみたいだな……。
一体、どうなってやがんだ!?」

ヒカリ「あれは……。
正確に言うと、怪獣ではなくバイオリン超獣のギーゴンだな。
そしてあの超獣は、自分の演奏を聞いた人間の魂を吸収する能力を持っている」

ほむら「なるほど……」

ゼロ「なあ、ヒカリ。
あの超獣を何とか出来ねぇのか?」

ヒカリ「……ギーゴンの弦を切れば、音を止めることは出来るらしい」

ゼロ「そうか。
ほむら、頼んだぜ!」

ほむら「ええ、任せて」

―でも、私がそのギーゴンという怪獣を攻撃しようとした、その時―

さやか「やめろー!」

ほむら「!」

―私は、ヒカリに変身したさやかの手で吹っ飛ばされていた―

ほむら「さやか!
あなた、一体どうして―」

さやか「あたしは、もうあんたになんか騙されないわよ……。
この“悪魔”め!」

ほむら「…………えっ?」

やや駆け足気味でしたが、本日はここまで。

ほぼ旧スレの使い回しにも関わらず今日まで投下が遅れていたのは、ゼロ以外の登場ウルトラ戦士を一新しちゃおうかな?
とか考えていたからです(結局、変更はしませんでしたが)。

そして、次回(来週頃を予定)以降からは、新規作成分の内容に入っていきます。

ほむほむがスレタイと違って全然歓迎してない件


もしかしてウルトラマミさんと同じ作者?

デビってからが本番ということだろうきっと

予定よりも遅くなってしまいましたが、再開します。

>>56
その件に関しては、今後……。

>>57
今となっては若干認めたくないというか、もう忘れたいような気持ちもあったりするのですが、その通りです……。
クロスとしての組み合わせは同じでも一応全く別の話ですし、混乱を避ける為にもどちらかが完結するまでは隠してました。

ほむら「さやか……?
あなた、一体何を言ってるの!?」

さやか「ふん、あくまでそうやってしらを切り通そうってわけなんだ……。
それともさ、まさか本気で忘れてるってんじゃないでしょうね?
まぁ、どっちでもいいよ。
……こうなったら、今のうちにあたしが―」

―さやかはそう言うと、腕輪から光の剣【ナイトビームブレード】を発現させ、私に振り下ろそうとしていた―

ほむら「っ!」

―でも、“ウルトラマンヒカリの意思”が干渉したことによって、ヒカリ(さやか)の動きは一時的に抑えられているようだった―

ヒカリ「さやか、落ち着け!」

さやか「ヒカリ、邪魔しないでよ!
早くこいつを倒さないと、あたし達みんな―」

ヒカリ「ほむら、おそらくさやかはギーゴンの影響によって混乱している可能性がある。
だから、早く弦を切るんだ!」

ほむら「ええ、分かったわ!」

―私は、銃形態のウルトラゼロアイを使ってギーゴンの弦を撃ち、それから本体に向けて矢を放って消滅させた―

ほむら(よし、これで―)

ゼロ「ほむら、まだだ!」

ほむら「えっ?」

―ヒカリ(さやか)は、再び私に向かって剣を向けてきたけど、ゼロの警告とヒカリの干渉によって、何とかその攻撃を避けることが出来ていた―

さやか「くっ……」

ヒカリ「……原因は、ギーゴンでは無かったのか!
では、一体―」

―でもその時、ヒカリ(さやか)に向かって破壊光線が放たれていた―

ほむら「!
……一体、何が起こったの!?」

ゼロ「見ろ、ほむら!
どうやら、あそこにいるまた別の怪獣がやったみたいだな……」

ヒカリ「貴様は……。
ボガール!」

―ボガールと呼ばれたその怪獣は、ヒカリ(さやか)に向かってさらに破壊光線を放った―

ヒカリ「ぐっ……!」

―そして、戦況的に今がチャンスと判断したのか、それまでやかましく笑っているだけだったライブキングも戦いに加わり始め、怪獣達はヒカリ(さやか)を容赦なく攻撃し始めた―

もう一つのまどマギの奴とかエヴァの奴とかは違うの?

>>63
はい、エヴァクロスやそちらのSSを書いている方々とは別人です。

―私はすぐに怪獣達を魔法の矢で攻撃しようとしたけど、それを察知したボガールが、ヒカリ(さやか)が盾にしようとしていた―

ゼロ「ちっ、卑怯な真似しやがって……。
ほむら、ここは俺に―」

ヒカリ【テレパシー】「……駄目だ。
このボガールの強化体は、体内に大量のエネルギーを貯えている。
だから、この場所で下手に攻撃すれば大爆発を起こしてしまう」

ゼロ【テレパシー】「何!?
それじゃあ、どうすれば―」

ヒカリ【テレパシー】「……彼女の力なら、爆発を起こすことなく倒せるはずだ」

ほむら「!
でも、それではあなた達が―」

ヒカリ【テレパシー】「……私のことなら、気にしなくてもいい。
だが―」

さやか【テレパシー】「あたしのことも、気にしなくていいよ」

ほむら・ゼロ・ヒカリ「さやか……!」

さやか【テレパシー】「ごめんね、ヒカリ。
あたしのせいで、あんたのことを巻き込むような形になっちゃってさ」

ヒカリ【テレパシー】「いや、こうなってしまったのは俺の責任でもある。
だから、気にするな」

さやか【テレパシー】「ありがと、ヒカリ。
……さぁ、ほむら。
早くあたしを撃ちなよ」

ほむら「そんなこと、出来るわけ―」

さやか「早く!」

ほむら「っ……!」

とりあえずここまでですが、時間が確保出来れば本日中にもう一度更新するかもしれないです。

遅くなりましたが、少しだけ投下します。

期待

―でも、私が苦渋の選択を強いられようとしていたまさにその時、金色の暖かな“光”がやってきた―

「メビウースっ!」

―そして、私達の目の前には、赤と銀の体色の“ウルトラマン”が現れていた―

ゼロ・ヒカリ「メビウス!」

―“メビウス”はボガールに飛び蹴りを喰らわしてダウンさせ、ライブキングにもチョップの一撃を加えて怯ませてヒカリ(さやか)を助けていた―

ゼロ「よし!」

―メビウスはボガールを抑えつけた後、私に攻撃を促すようにうなずいていた―

ゼロ「ほむ―」

ほむら「ええ、分かってるわ」

―私が魔法の矢を放ってボガールを攻撃すると、その体は爆発が起こることなく消滅し、
  さらに、ライブキングの方も二人ががりで宇宙に運ばれ、合体光線【ダブルシュートアタック】によって倒されていた―

かなり短くてすみませんが、今回はここまでです。

約一ヶ月ぶりの更新ですが、今回は現状報告のみ。

実は投下予定の内容が他のSSとネタ被りしていることが判明したので、再度展開等の変更を検討中です。

とりあえず、今週中までには結論を出して何とか再開したいと思っています。

また落ちるぞ

???「あの、さやか……」

さやか「ん、どうしたの?」

???「やっぱり、わたしも一緒に行った方が……」

さやか「だーかーらー。
そんなに心配しなくても、あたし一人で大丈夫だってば!
えっーと、それにさ……。
二人で行っちゃったら、こっちに誰もいなくなっちゃうことになるでしょ?
……だからさ、あんたにはここに残ってあたし達が帰ってくるのを待ってて欲しいんだ……」

???「…………分かりました。
そういうことなら、こちらのことはこのわたしに任せるのです!」

さやか「うん。
頼りにしてるからね、相棒!」

???「はいなのです!」

さやか「それじゃあ、行ってくるね!」

>>75
すみません、本当にまたエタらせてしまうところでした……

今回はこれだけですが、近い内(一週間以内)にちゃんと投下します。

書かなくていいです

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