ディオ「学園都市・・・?」(232)
スレ立て代行
俺得
ディオさま禁書勢に踏み台にされてレイプされてしまうん?
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丁 |
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>>1乙
1+3+6+7で味方
ジョジョ派なのでディオ様レイプはないです
1巻終わりまで書きためてあります
何度目だ、このスレタイ
>>5
安価ぐらいしっかりつけろやks期待
序章A ディオ=ブランドー
ディオは不幸な少年だった。
父親は彼が生まれるよりも前に母の前から姿を消し、母は『白人で』『未婚の母』と言うだけで社会から疎んじられ、二人は迫害されていた。
ディオってことは一部ディオか
WRYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!
ある日、幼かったディオは母に向けて小さく呟いた。
「母さん、僕が居なくなれば幸せになれるよ」
幼いながらも聡明であったディオは、この気高く美しい母親にとって、自分は邪魔なのだというこに気づいてしまった。
自分が母の元を離れれば、彼女を縛り付ける『くだらない風習』から開放されると考えたのだ。
「……」
ディオの言葉を聞いた母は、彼の頬を引っぱたき、強く抱きしめた。
「父親が居なくても、どんなに貧しくても、心は気高くありなさい。自分が邪魔者だなんて卑屈な考えをしてはいけませんよ」
ディオは、その頬を涙が濡らすよりも先に、いつの日かこの人を守れるだけの存在になろうと決意した。
1年後、ディオは母に連れられ、大都市の病院のような建物に連れていかれた。
母からは健康診断だと聞かされていたが、その内容は実に奇妙だった。
それからしばらくして、母が真剣な顔をしながら、話がありますと前置きして、ディオに語りかけた。
死ぬぜー死んじまうぜー
俺は人間をやめるぞ!上条!
「学園都市という全寮制の教育機関があります。あなたはそこで知識を身につけなさい」
ここ1年、ディオの目からみても彼女は働き過ぎだった。
ディオがいくら言っても、「あなたはそんな心配をする必要はありません」と、優しく頭を撫でるだけだった。
ディオの才能は、学園都市に送り出されてすぐに発現した。
それはまだヴィジョンすら無い、物体を触れずに動かせるというだけの小さな念動力だったが、彼はこの力が絶対的な物だという確信が有った。これであの気高い母を守ることが出来ると。
だが、現実は非情である。
数年後、母は死んだ。過労だった。
DIOは成長すると共に、こう自分に誓いを立てた。
『母を捨てたあの男を必ず見つけ出して復習してやると!』
『父親の判らない子供を産んだからといって、ただ傍観して母を見捨てた無関心な奴ら!』
『どいつもこいつも有罪だ!』
「クソ田舎者どもッ!オレは必ず社会の頂点に立ってみせる!」
「そしてオレの邪魔をするヤツらは、凍えるような真冬の夜に、飢えと寒さで眠ることも出来ない事より、もっと屈辱的に切り裂いて、地面に這い蹲らせてやるぜッ!」
この誓いと共に、ヴィジョンの無かった彼の念動力は、妖艶な光を放つ茨のスタンド『隠者の紫(ハーミットパープル)』として目覚め始めた!
序章B 上条当麻
上条当麻は不幸である。
天気が良いから布団を干せば、カラスが素敵にご挨拶してくれるし、そんな日に限って断水日だった、なんて合わせ技は日常茶飯事である。
今日だって、たまには豪華にファミレスでディナーと洒落込もうとすれば、あぁなんてことでしょう、哀れな不良男子達が超能力者の電撃少女に絡んでいる。
危ないですよと声を掛け、トイレから戻った不良のお友達と一緒に街中を駆けまわり、ようやく真夜中のフルマラソンから開放されたと思えば、その帰り道に出逢ってしまうのだ。
路地裏で不良少年達が一人を取り囲んでるような、そんな状況に。
「あぁ、不幸だ……」
そう肩を落としながら、その集団にとぼとぼと歩み寄っていく。
器用に文体を変えるんだな
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_,、 __/ー-+-+、ヽ__\ノ|i K、
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<`レ’ i'V ノ | ,,|>-"' ヽーソ | il`i
i",|-, ヽニヽ_.|/^il"~`》_,-" <`ー"ヽ、
`i"-P _/ ̄,]|`=,)ー+ー' `-, ,Y )
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<)_ヘ_(^ヽ
ヽ| ~`
お前それ次元の狭間でも同じ事言えんの?
「おいおいお兄チャァン、僕らはチョロォ~~ッと財布が軽くて困ってるって言ってるだけなんだぜぇ?」
「そそッ!困ってるひとは助けてあげようって教わらなかったのかなァ~~?」
10人以上で取り囲んでいる少年達の中には、能力者もいるようだ。威圧的な態度で自分たちの能力を見せびらかしている。
だというのに、取り囲まれている側の少年は、腕を組み、壁に持たれながら薄い笑みを浮かべている。
「ほう、金がないのか。それは困るだろうなァ……。ところで一つ質問があるんだが、なんでこの僕が君等のようなド低能に金を恵んでやらなきゃあいけないんだ?」
「調子にのってんじゃねえ!」
読みづらい
ド低脳な少年達が殴りかかろうとしたその時、間の抜ける様な声が割って入った。
「おっ、こんなトコに居たのか、もう日付かわるっつーの!道に迷うにも限度あるだろー?」
そうヘラヘラ笑いながら、不良たちの間を通りぬけ、囲まれている少年に話しかける。
「いやー、お騒がせしちゃってすいませんね!じゃ、俺らちょっと用があるんで……」
死神のほうかと思ったら違ってた
突然声を掛けられたディオは、いったいこの男が、何のためにこんな事をしているのか考えていた。
見るからに、さっきまでフルマラソンしてました、としか見えない汗だくの男が、自分とクズ共の間に割って入ったのだ。
『いったい何のタメに?』もしや、この間抜けなお人好しは『このディオを助けようとしているのか?』『見ず知らずの、二度と出会うことも無いであろうこのオレを!』
一行あけてくだしあ
読みづらい
うーむ
「なんだァ~~?テメェは!」
「この人数相手にしようってのは、お前頭がイカれてんのか?」
当然のことながら、ディオにとってこの状況は、雨が降ると靴が濡れてうっとおしいのと同じ、取るに足らない事柄でしか無い。
かつてディオに発現した『隠者の紫』が、自分以外に見えていない事に気付いてから、この下らない街の下らない研究に付き合う必要は無い、と判断した。
ふむ
『どいつもこいつも、研究者共ですら、このディオの能力を正しく認識できない!』
既に道端に転がる小石どもを、完全にブッチギリで追い越している、と考えたディオは『隠者の紫』に形あるヴィジョンが存在することを周囲に隠し、
どこにでも居る『念動力』の能力者として振舞っていた。
ワールドは出るのかしら
「自分でもわかってんだよ、目を背ければいいんだって……。でもな、それじゃ駄目なんだよ、きっと朝になってこう思うんだ。
『なんであの時見捨てたんだ?』ってな」
「一度でも目を背けたらな、きっともう、心の底から笑うことなんてできねーんだよ!
目の前に居る、一緒に笑ってる友達を、俺はきっと見捨てちまうんだってな!」
>>36
ジョセフじゃないからジョリーンのように密集させて立体化は出来そうだが
一応支援
「だから、俺がお前らから逃げ出すと思ってんなら……まずはその幻想をぶち殺す!」
この世界は『ナプキンを取る者』と『それに利用される者ども』に分かたれており、
必要以上に目立つことは、ナプキンから自分を遠ざける行為だと理解していたからだ。
>>14
それデュオ
母を失ったその日から、自分以外の全てのものを利用して生き抜いてきた。
自分を憐れむ傍観者どもを、母から受け継いだこの容姿に群がるバカどもを、いくらでも使い捨ててきた。
ディオが声をかければ、怪我すら厭わずに助けに入る連中はいくらでも居る。
『だが目の前のコイツは違う!』
支援
ディオ自身が、そうなるように仕向けたのとは違う、言葉には出来ないこの、
自分とも母とも違うが、確かにそこに在る、『気高い精神』を目の前の男から感じた。
「そこのアンタ!悪いが手伝わせて貰うぜ!」
「フン、よかろう。やってみろ!」
第1話 邂逅する世界
結論から言うと、上条当麻の助太刀は必要なかった。
彼が目の前の一人を殴り倒し、ディオの方を見ると、既に5人の不良が倒れており、遠くに逃げ出したであろう連中が小さく見えた。
「はは……、余計なお世話だったみたいで……」
あれだけの啖呵を切ってこの光景である。がっくりと肩を落としていると、
ディオさまの友達はジョナサンとプッチじゃないといやだ!
支援
「そんなことはないさ、それに君が倒したのは能力者じゃないか。ぼくの見立てではレベル3程度の炎使いじゃないかな。それを素手で倒したんだからね」
「素手なのはそっちだって一緒だろ?」
「ぼくは一応、レベル3の念動使いだからね。ま、こんな連中には使うまでもなかったけど」
結局素手じゃないか、と密かに自身をなくしていると、目の前に右手が差し出された。
「ぼくの名はディオ、D・I・Oでディオ=ブランドーだ。君は?」
大昔のジャンプ漫画の主人公の様にさわやかな台詞を、サラッと言えるディオに感心しながら、その手を握り返す。
「上条当麻、ここで会ったも何かの縁ってことで、よろしくなディオ」
「上下の上に、条約の条……ジョジョと呼ばれたことはあるか?」
「なんですかそりゃ」
あーそう言われてみればそうだな
あー上条ちゃっかりジョジョなの気づかなかったわ
「フン、なんとなくそう思っただけさ。お気に召さなかったようだから、オレも下の名前で呼ばせてもらうぞ、当麻」
「おう!」と言った所でグウウと腹の虫が鳴いた。
「フン、オレの部屋はすぐそこだ。寄って行くか?礼も兼ねてな」
そういえば晩飯を食べそこねたんだった、と思いだし、笑った。
し
上条のことをジョジョと言い出すSSはゴミ
案内された部屋、というのはマンションの入り口からして上条当麻の常識を逸脱しており、
泥ひとつ無いエントランスを抜けるとマンションの警備員らしき人物に会釈され、当然のようにオートロックの自動ドアが静かに開いた。
学生の身で格差社会の洗礼を受けた彼が、ディオの言う『部屋』までたどり着いた時、彼のMPは底を突いていた。
「なんですかこれは!なんなんですかこれは!もしやディオさんはどこぞの王族というオチですか!うがああああああああああああ」
「フン、だったらよかったんだがな。適当に座っていろ、このディオが紅茶を淹れてやる」
どこぞの承りが冷や汗を流すような台詞を聞きながら上条は絨毯の上で悶えていた。
「ああなんということでしょう!床ですらやわらかい!」
面白い
これ一杯でコンビニのおにぎりが4つは買えるんだろうな、などとディオの淹れた紅茶をすすりながら、
遠い目をしていると、トマトソースの心地よい香りが上条の鼻をくすぐった。
「あぁこれはイタ飯屋の匂いだ、行ったこと無いけど。」
そう呟くと、ディオがトレイを曇り一つ無いガラスのテーブルに載せた。
大皿には娼婦風パスタ、ご丁寧にサラダとスープ付きだ。
明らかに黒歴史になる感じ
詠矢ほどではないが似たようなもんだな
支援
「お前はアレですか、王族な上に料理もパーフェクトな完璧超人ですか?」
「フン、大げさな奴だ」
そう言って鼻で笑いながらも、ディオにとって当麻の軽口は心地よかった。
相変わらず上条キモイな
そしてディオが中途半端なディオになってきて違和感が出てきた
金魚のフンの様に自分にしがみつくお友達を家に呼んだ事は無かったし、誰かのタメに料理など、考えたこともなかった。
一夜にしてディオの中に生まれた感情は、まるで最初からそこにあった歯車が、ガッチリと噛み合ったかの様な奇妙な感覚をもたらした。
上条当麻がコーヒーの香りに誘われて目を覚ますと、優雅に足を組みながらカップに口をつけているディオの姿があった。
「あーあー、もしかしてもしかしたらー……俺寝てた?」
いつまでたっても目覚める気のない脳みそに、血液を送りながら尋ねる。
「ベットを使わない、というのはいい心がけだな」
未だに目覚める気配のない脳みそにハンドパワーで血液を送りながら、
「一宿一飯ついでに、洗面所とか貸してくださいませんかねえ……?」と、面の皮の厚さをアピールしていく。
「よかろう、ついでにシャワーも浴びてくるがいい」
「あなたが神か」
上条が部屋に戻るとコーヒーとトーストが用意してあった。
軽くめまいを覚えながら、海より深い祈りをささげようとしたその時、ブワサッと布団を勢い良く干したような音がベランダから聞こえた。
ディオが眉をひそめつつ、カップをテーブルに置き、ベランダへ向かう。
上条もトーストに口をつける前にそれに続き、ディオがカーテンを開く。
「最近の布団はシスターさんみたいなんだな、こういうのもあるのか」
ベランダに干してあったのは、紛れも無く白い服を着た女の子だった。
「なにいッ!?」上条のMPは既に0であり、ディオが正しい反応を示した。
ディオは女の子の首根っこを猫にするようにつまみながら、上条へ視線を送る。
言葉にこそしないが、その顔には『このまま手を離してもよかろうなのだァー!』と書いてあり、上条は首を横に振るしかなかった。
そうしている内に、ディオに捕まえられている女の子が目を覚ました。
「ぉ……」
「おなかへった」
「……………………………………………………」
上条のせっかく目覚めかけた脳みそは、意識を手放そうとその準備を始めていたが、
「おなかへった」
ディオの瞳に『漆黒の殺意』が宿りつつあるのを見て、もう少しだけ心臓に血液を送り出すようお願いした。
「おなかへった、って言ってるんだよ?」
「ディ、ディオ!とりあえず中に入れよう。話はそれからだ」
い
少女を回収した二人は、テーブルを挟んで少女と対峙した。
「え、えーと……」
上条が何故あんなところに干されてたのか聞こうとするが、少女の瞳はテーブルに置かれたトーストに釘付けであり、
その口からはヨダレがこぼれ落ちそうになっている。
その顔がふとこちらを向いた。
「おなかいっぱい食べさせてくれると嬉しいな」
ち
ふぅ、とディオは諦めたように息を吐き、キッチンへ向かった。
上条はついに許されたか!と感謝しつつ、
「とりあえず……それを食べてから事情を説明してくれるか?」
と言うと、少女の顔はみるみる幸福に満ちあふれた。
「ありがとう、そしていただきます」
瞬く間にトーストを平らげた少女は、おいしかったーと満足しながら、上条の飲みかけのコーヒーを一口舐め、
「ちょっと苦いかも」と呟いた。
漆黒の霧がキッチンを包み込んだ。
ディオがただのいい奴になってるッ…
「まずは自己紹介をしなくちゃいけないね」
そう言いながらも、その瞳はディオが新たに用意したトーストに釘付けであり、口からは先程と同じようにヨダレが溢れそうになっている。
最早あきらめたのか、スライスされていない長い食パンを少女に手渡した。
「私の名前はね、インデックスっていうんだよ」
殺しあって憎しみあってそれだけやってようやくジョナサンを友、義兄弟と認めたディオが…
まあ、まだ始まったばかりだから別に良いけど
口の周りをパンカスだらけにした少女、インデックスは満足そうに二人に微笑んだ。
「たらふく食ってそれか!どう考えても偽名じゃねーか!ふざけてんのか!」
「偽名じゃないし、見ての通り教会の者です。ちなみにバチカンじゃなくてイギリス清教の方だよ」
「……で、そこまではその通りだとしてよ」
「嘘じゃないもん!」
「わかったから、それで本題だ。何でベランダで布団よろしく干されてたんだ?」
考えられるだろうか、朝食を摂っていると、ベランダにシスター姿の女の子がひっかかっているのだ。
「えっと、ビルの上を走りまわってたら、落ちちゃったんだよ」
また目眩がした、昨日からどうしてこう、自分の常識と現実は離れ離れに成りたがるのかと、天井を仰ぎ見る。
「いったいどうしてそんな危ない真似をしてたんだ?高いとこから落っこちたらどうなるかくらい分かるだろ。
ディオの部屋がたまたま上階だったから良かったけどな、ここで引っかからなかったら次は地面だぞ」
「うん、でも仕方なかったんだよ。追われてたから……」
「ほんとはあんな風に落っこちたりしないんだけど、背中を撃たれて転んじゃった」
頑張れ
しえん
上条は腹の底に、何か重たいものが沈んでいくように感じた。
こんな小さな女の子が、背中を撃たれるってのはどんな状況なんだ?
「撃たれたって、怪我はない……よな」
どうみたって怪我を隠している様子は無い。
「この服が『防御結界』になったんだよ、だから平気」
このディオは全スタンド持ちかな
怪しい単語が出てきた、教会うんぬんの時も思ったが、この子はどこかの修道院にずっと入ってて、そこから抜けだしてきたんじゃないだろうか。
そんなことを考えていると、ここにきて初めてディオが口を開いた。
「……『追われてた』と言う事は、君には襲ってくる『敵』がいて、君には襲われるだけの『何か』があるわけだ」
「そうだ!そいつらは一体何なんだよ!君みたいな、女の子を……」
言い淀みながら、ふと考える。
俺は、上条当麻はそれを聞いてどうしようと言うのか。
『悪い奴ら』が、こんな『女の子』の背中を撃ったと聞いた時の、あの感覚は何だ。
なんだか話が現実離れしすぎて、思考が追いつかない。
昨日、ディオと出会った時に、俺は何を思ってたんだ?
「とうまは優しいんだね」
その声でふと我に返る。
「ディオもね、いっぱいごはんくれた、おいしかったから、ありがと」
そう言って微笑みながら席を立つインデックス。
「 」
声が出ない。
インデックスの顔が、どこか寂しそうに見える。
俺は―――――
このディオは吸血鬼じゃないのか
「インデックス、座れ。まだ話は終わっていない」
ディオが口を開いた。
「当麻、彼女は『敵』に『襲われてる』そうだ、『お前はどうしたい?』」
「私はへいきだよ、教会に行けば助けてもらえるから!」
インデックスが強がっている。
強がってるのがよくわかる。
どうやら上条当麻の脳みそはやっと目覚めたらしい。
「追われてたってインデックスは言ってたよな、これは俺の勝手な予想なんだけどさ……、
いままでずっと追われてたんじゃねーかと思うんだよ」
ディオってこんな簡単に心開くの?
「いままで追われてたってことはさ、これからも追われるってことだろ?」
「それを見捨てたら、『二度と前へ歩けなくなる』気がするんだ、だから……」
「インデックス、お前が誰も助けてくれないなんて、自分は独りきりだなんて思ってるんなら」
「まずはその幻想をぶち殺す」
「ほんと……」
「ほんとに、私と一緒に地獄の底までついてきてくれる?」
昨日までの、幻想殺しを持ってるだけの、ただの学生だった俺は、彼女の問に何て答えたんだろうか。
『ディオ』
不思議な男だと思う。
出会ってから半日も経って無い筈なのに、あいつが隣にいると世界が敵に回っても平気な気がしてくる。
>>89
プッチ神父にはすぐ心開いてた
何故かは分からないが、ディオとの出会いが俺の歯車を大きく変えたという確信がある。
「お前が地獄の底に引きずり込まれるってんなら、そんなもんは俺の幻想殺しで、全部まとめてぶち殺してやる!」
第2話 お茶と世界
「さて」と、もうすっかり冷め切ったカフェラテを飲み終えたディオが、インデックスと上条の二人を見やる。
「インデックスが『敵』に襲われていて、当麻が『守る』と言うのは分かった、では最後に、
君が『何故襲われているのか』『敵は何者なのか』これを教えてくれないか?」
・・・・・・・・・・
インデックスがソファーの上に立ち、まってましたと無い胸を張る。
「ふふーん、何を隠そうこの私は禁書目録なのです。1万3千冊の魔導書を保管する、歩く図書館なんだよ」
そう言って二人を片目でチラリと覗く。
「なるほど、つまり君はお伽話の魔法使い共が喉から手が出るほど欲しがってる宝の山ってわけだ」
「正確には魔術師だけど、イメージとしては近いかも。でもお伽話に出てくるマーリンみたいに、杖の一振りでなんでも出来る、というわけじゃないんだよ」
「あのー、すいません。マーリンてどちら様でしょうか?」
上条が恐る恐る手を上げつつ発言した。
「たぶん、きっとゼッタイ世界一有名な魔術師のはずなんだよ……」
「そう言われてみると、名前に聞き覚えがあるような、無いような……」
予想外の反応にインデックスは少し落ち込むが、気を取り直して説明を再開する。
「オホン、まずは魔術とは何か、です。魔術と言うのは決められた手順や呪文をなぞれば、基本的に誰でも使うことができます!」
「ただし例外!超能力が使える人は、魔術を使うことができません!」
いままでロクすっぽこちらを向こうともしなかったディオが、自分に注目していることに気付いてちょっと気分の良くなるインデックスであった。
「んっふっふ、ディオくんは何か聞きたいみたいだねー?」
ドヤッとディオに視線を流すが、すぐにそれを後悔することになる。
「調子に乗るんじゃないぞションベン臭いクソガキがッ!このディオに対して!」
ヒューッ
ひゃあッ!と涙目で座り込んでしまったインデックスを、上条がよしよしとあやす。
ディオの方はと言えば、涼しい顔で紅茶を淹れている。
インデックス用に角砂糖とミルクも用意しているところを見ると、本気でブチ切れたわけではない様だ。
ディオ沸点低いな
インデックスは上条の膝の上で、砂糖の入れ過ぎで、紅茶風味の砂糖ミルク水となったディオの特製ブレンドティーを、
ちびちびとやっているうちに少しは元気を取り戻したようで、説明を再開した。
「え、えっとつじゅきは、なんで能力者は魔術を使えないのか、なんだよ」
いつかの気分の良さはどこへやら、今やディオの視線に怯える日々である。
>>89
原作との違いは父親からの暴力の有無
すたらばこれくらいの別人度は許容していいんじゃない?
当人は既にそんな気はないのだが。
「魔術は、それを行使する際に、呪文や魔方陣を通して術者の精神エネルギーを魔術用のエネルギーに変換して消費します。いわゆるMPだよ」
「それに対して、能力者は体内に呪文や魔方陣の役割を果たす、変換装置が既に存在します」
「これによって、能力者は儀式の必要がない代わりに、一人一つの能力しか使えません」
「逆に魔術師は体の外側にある変換装置である、儀式を取り替えれば色んな事が出来ます」
「なるほど、それでも無理矢理能力者が魔術を行使した場合、どうなる?」
「そ、それは、やってみないと分からないんだよ。死んじゃうかもしれないし、血管や筋肉が千切れたり……」
「それが、魔術の毒というわけだ」
「それだけじゃなくて、ディオ……みたいに神様の存在すら信じてない人は、能力者じゃなくても、精神が汚染されちゃうんだよ。
だから魔術師は信じる神様が違っても、みんな何かを信じることで、『宗教防壁』を作って心を保護してるんだよ」
説明を終えたインデックスは、フゥと一息つくと上条にもたれかかった。
「では当麻、その右手でインデックスの服に触れてみろ」
「えっ、何でだよ?この服は『防御結界』なんだろ?」
「『だからいいんだ』お前の幻想殺しが魔術に通用するかわかるからな」
そう言われた上条は、インデックスを見つめる。
「いいよ」と、その言葉を聞いて、彼女の右肩にそっと手を置いた。
「…………………………あれ?」
起きない、何も起きない。インデックスを膝に乗せた上条からは少なくともそう見えた。
ディオが席を立ち別室へ向かう。
「着替えを取ってこよう」
上条が肩に乗せた右手を離すと、かろうじて踏みとどまっていた最後の布切れがストンと落ちた。
「まとめると、だ。」ディオが歯形だらけの上条とブカブカのディオの服に着替えたインデックスを見つめる。
「敵が使うであろう魔術には儀式が必要で、一人1能力とは限らない。」
「うん」
「質問だ、魔術にはドカンと撃ってそれで終わりではなく、長時間にわたって効果を発揮するものはあるか?」
「戦闘用以外の魔術を含めればその方が多いくらいなんだよ、止める方法はほぼ例外なく」
「儀式の邪魔をすればいい、か」
「うん……」と、応えながらインデックスはディオについて考えていた。
ここはディオのお家、ご飯も飲み物もディオが出してくれる、チーズとベーコンのトーストも、あのおっきい食パンもおいしかった。
____
.ni 7 /ノ ヽ\ 壁に向かって書いてろゴミ
l^l | | l ,/) / /゚ヽ /゚ヾ\ .n
', U ! レ' / / ⌒ ⌒ \ l^l.| | /)
/ 〈 | (____人__) | | U レ'//)
ヽ\ |lr┬-l| / ノ /
/´ ̄ ̄ノ ゙=ニ二" \rニ |
とうまは私を守ってくれるって言った、地獄なんて消しちゃうって。
ディオも……手伝ってくれる、でもそれは私を助けたいからじゃない。
それはきっと普通のこと。とうまが変なんだよ。
そうやって思考を着地させると、とうまの声が聞こえた。
続けろ
「そういえばディオの能力ってレベル3相当の念動力だったよな?」
「ん、あぁ、たしかそう言ったな、アレは嘘だ」
「はぁッ!?」上条が間抜けな声を出した。
「ククッ、まさか昨日の今日でこんな事になるとは、思っても見なかったからな?何、全てが嘘という訳ではない」
そう言って隠者の紫を操り、目の前の空のティーカップを持ち上げる。
「どこからどう見ても念動力じゃねーか!まさか隠された能力がある、なんて言わないだろうな?」
上条は、能力など些細な事ではあるが、騙していたと言う事実に多少腹を立てたようで、ムスっとしながらソファーに倒れこんだ。
「そう怒るな、悪かったよ。実はこのディオには隠された能力がある」
ソファーに預けた体が更に沈み込む上条を、目を細めながら眺めながら続けた。
「オレはこれを隠者の紫と呼んでる。説明しても理解出来ないだろうが、紫色に光る半透明の茨が生えてるんだ、オレの体からな」
ディオは伸ばした隠者の紫にそって指を動かすが、二人にはパントマイムの様にしか見えない。
テーブルの上には未だにティーカップが微動だにせず浮いている。
泥水で口をすすがせる能力
ティオに見えた
「そんな顔をするな、これはおそらくだが、このヴィジョンはオレか、もしくはオレと同じ能力を持ったものにしか見えない。
そして、このヴィジョンを傷つける事が出来るのは同じヴィジョンだけ。もう一つ、ヴィジョンが傷ついた場合本体であるオレも傷つく」
「それで、隠された能力って何なんだよ?」
「そう焦るな、今言った3つのルールとは別に、2つだけ確実なものがある。それは能力は1人1能力であることが1つ、
ヴィジョンは自分自身の生命エネルギーだからな、そしてこのヴィジョンは成長する、というのが2つ目だ」
「俺にはさっぱり理解出来ないんですが、根拠でもあるんでせうか?」
上条の膝が揺れ始めたのを見て、前置きはこれくらいでいいだろうと本題に入る。
「証拠などだせんよ、何せこのオレにしか正しく観測できないんだからな。
隠者の紫も初めはただの念動力に過ぎなかった、正確に言えば念動力だと思い込んでいた……」
「気づいたんだ、これはオレのための、オレだけの能力だとな。
そう認識した瞬間に、ヴィジョンの無かったオレの超能力は隠者の紫となったわけだ。そして理解した」
「オレの茨はオレのレーダーであり、センサーであり、触手だということをな」
「レーダー……って事はつまり……」
「この建物から北に4つ、西に2つ目のビルの屋上に、4時間以上このマンションの周りをチョロついてる二人組が居る、
このディオは既に敵を捉えているぞッ!」
触手って言われると急に卑猥に聞こえるから困る
「何故それを早く言わなかったんだディオォーーーッ!その余裕はともかくワケを言えーーッ!!」
上条が狼狽える。敵がそんな直ぐ側にいるというのに、どうしてこの男はこう涼しい顔をしてられるのか。
「怒鳴るなよ、我が隠者の紫は確かにその二人を捉えて入るが、正直こちらからは手が出せんのだ。そいつら以外の敵がいるかもしれないしな……」
「手が出せないってのは何でだ?そいつらはそんなに強いのか?」
「強さはわからんよ、だが戦うのならレベル4以上の能力者と推定して戦ったほうがいいだろうな」
「おいおい……」
正直いって、そんな連中を相手にインデックスを守り切る自身は、上条にはなかった。
レベル4といえば軍隊の小隊クラスの能力者だ。一人なら逃げる事は出来るだろうが、守り切るとなると……。
「フン、実際この目で見てみなくては実力の程はわからんが、奴らには致命的な弱点がある」
「……あぁッ!あいつら魔術師だった!」
「そうだ、奴らがこのディオの周囲を羽虫の様に飛び回っているのは、儀式の準備を行なっているということだ。
そして我々がそのごっこ遊びに付き合ってやる理由はないな」
それはつまり……。
「逃げるのか?」
「あぁ、ただし逃げるのはお前たち二人だけだ」
「そうだ、奴らがこのディオの周囲を羽虫の様に飛び回っているのは、儀式の準備を行なっているということだ。
そして我々がそのごっこ遊びに付き合ってやる理由はないな」
それはつまり……。
「逃げるのか?」
「あぁ、ただし逃げるのはお前たち二人だけだ」
「そうだ、奴らがこのディオの周囲を羽虫の様に飛び回っているのは、儀式の準備を行なっているということだ。
そして我々がそのごっこ遊びに付き合ってやる理由はないな」
それはつまり……。
「逃げるのか?」
「あぁ、ただし逃げるのはお前たち二人だけだ」
「何いってんだテメェ!そんな危ない所にお前一人おいていけるワケねぇだろうが!」
上条は逃げるのなら当然ディオもついてくるものだと思っていた。
相手をレベル4以上と想定すると言ったのも、この場が危険だと言い出したのもディオだったからだ。
「お前の『目的』はインデックスを守ることだ。お前の『幻想殺し』は異能の力を打ち消せる。
魔術を失ったオカルトオタクからインデックスを守るために、『逃げ切る事が』お前の勝利だ」
「だがこのオレにとってはそうではない。魔術師が立ち向かって来るならば、それはオレの為の試練だ。
『我が能力にはまだ先があるッ!』そこへ辿り着くための試練だとオレは考える」
ふぅ…
「それとインデックス、歩く教会は置いていけ。その服からはお前の言う魔力がダダ漏れだからな。」
そう言って窓から外を眺めると、街は赤く染まり始めていた。
能力名:隠者の紫
破壊力D スピードC 射程距離D(探知能力射程A)
持続力A 精密機動性D 成長性?
ディオを仲間にするために発現してもらったスタンド
前フリパートはおしまいです、風呂から戻ったら続きを張りつける作業に戻るので少々お待ち下さい
ほ
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ほ
ほ
ほ
ほ
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保守
第3話 回る世界
「それで、これから何処へ向かったらいいんだ?」
上条は携帯電話を耳に当てながら、インデックスの手を引いて歩いている。
「人混みに紛れることが出来て、どの方角にでも逃げられる場所だ。間違っても路地裏に入り込むなよ、大通りがいい。
お前たちが移動し始めてから、二人組の人がお前たちを尾行している。
二手に別れたと言う事は、敵はどっちにインデックスが居るのか判別できていない、と言う事だ」
インデックスから『歩く教会』を切り離し、敵を撹乱するディオの作戦は見事に成功した。
二人組がディオを無視してインデックスを狙う、と言う最悪の状況を回避できたわけだ。
仮にそうなったとしても、インデックスを追う二人組をディオが追いかける、挟み撃ちの形を取るつもりであったが。
「そろそろ隠者の紫の探知圏内から離脱する。当麻、あとはお前がなんとかしろ」
「あぁ、任せろ!お前も気を付けろよな」
フン、とディオが通話を切ると、目の前に長身の男が佇んでいた。
「インデックスはここには居ないみたいだね……っと失礼、お話は終わったのかな?」
そう口を開いた男は赤い長髪で、目元にはバーコードの刺青を彫っており、口に加えたタバコから、紫煙をたゆたわせていた。
「僕はステイル=マグヌス、と言っても魔法名である『Fortis931』と名乗ったほうがいいのかな?魔法名だよ、つまり」
ステイルは小さく何かを呟き、その身に炎を纏うと、こう続けた。
「君を殺す者の名前だ」
上条当麻は戸惑っていた、夕日は未だに沈みきっておらず、街中は夏休みを謳歌する学生でいっぱいだった。
そう、たしかに『ついさっきまで』辺りは賑やかだったはずなのだ。
周囲を睨みつけながら、インデックスを腕に抱く。
交差点で信号待ちをしていた車両はその姿を消し、歩道を歩く人も見当たらない。
誰も居ない遊園地の観覧車がくるくると回っているかのような奇妙な光景だった。
「人払いの魔術ですよ、『ここに近づこうと思わない』様に意識を逸らしているだけです」
ゾクリ、と突き刺すような女の声がした。
その女は上条達から10メートルほど離れた三車線の道路の真ん中に立ち、こちらを見ていた。
気づけなかった。
理屈ではない何かが『コイツはヤバイ』と感じ取った。
全身から冷や汗が流れ、無意識に右手を握り締める。
『何としてもコイツからインデックスを遠ざけなければ』と脳細胞に全力で血液を送る。
女は腰に2メートルはありそうな日本刀をぶら下げており、ピリピリとした殺気が、これは間違いなく真剣なのだと語っていた。
上条はインデックスを背に庇い、その女と対峙する。
「神裂火織と申します。……できる事なら、もう一つの名前は名乗りたくないのですが」
そう言いながら刀に手をかける。
「お前が、インデックスを狙う『敵』ってわけか」
レベル4どころではない、邪魔者を葬り去るための刺々しい重圧に押しつぶされそうになる。
「……その子に……そう聞いたわけですか」
ふと、インデックスを見るその目が、どこか寂しそうに見えた様な気がした。
「率直に言って、あなたではその子を守り切る事は出来ません。どうかインデックスを保護させてくれませんか」
背中に感じるインデックスの体温が、上条の震えを止める。
インデックスが震えている事に気付くと、全身を燃え尽きるほどの情熱が駆け巡った。
「とうま……」
「インデックス、下がってろ。こいつは俺が倒す」
そう言ってインデックスを逃し、その間に割って入る。
「……仕方ありません」と、神裂が目をつむった次の瞬間、上条に斬撃が襲いかかった。
慌てて跳び下がると、アスファルトの道路が引き裂かれ、傷ついた上水管から水が溢れ出した。
神裂と上条の間には10メートルほどの距離があり、明らかに日本刀の間合いではない。
神裂の攻撃であることは分かるが、上条には予備動作さえ見切れなかった。
ワザと外されたのだ。
「……ッ!」
あまりにもかけ離れた実力の差を痛感する。
「もう一度問います。魔法名を名乗る前に、彼女を保護させてください。我々は彼女を傷つけるつもりはありません」
神裂の冷たい瞳が上条を射抜く。
「ゥ……クソが、ふざけんなッ!」
それでも引く気はなかった。
自分が守ることを諦めたら、この斬撃はインデックスを襲うのだ。
「何度でも問います」
再び構えに入った神裂の右手がブレる。
空気を切り裂く音が聞こえ、道端の車両が、歩道橋が、ガードレールが、バラバラに引き裂かれた。
砕けたアスファルトが上条を襲い、たまらずそこに倒れてしまった。
「インデックスッ!」
彼女の逃げた方向に視線を向けると、そこだけは不自然なくらい無傷だった。
チン、と刀を納める音が響く。
「魔法名を名乗る前に彼女を保護させて下さい、彼女を傷つけるつもりはありません」
神裂の冷たく繰り返す。
「私の七天七刀が繰り出す斬撃は、あなたに躱しきる事は出来ません」
あの斬撃は、おそらく異能の力だ。斬撃を飛ばし切り裂くことができるような『魔術』があの刀に施されているのだ。
上条が無意識に右腕を抑えつける。
「何を考えようと、同時に襲いかかる七つの刃をあなたが躱しきる事は不可能です」
『幻想殺し』で打ち消せるのは右腕で触れたものだけだ。
あの斬撃を辛うじて打ち消した所で、残りの六つの刃が上条を切り裂くだろう。
手詰まりだ。上条は冷静に自分を取り巻く状況をそう分析した。
「幾重にも問いましょう」
そう言って神裂は右手を柄に乗せる。
面白い
「インデエエエエックスッ!!ディオの側に隠れろッ!奴ならお前を見付けられるッ!!」
いま自分が生きてるのは、神裂の『気まぐれ』でしかない。
本気になればすぐにでも上条を殺して、インデックスを『保護』できるはずだ。
それをしないのは、インデックスを傷つける気がないと言うのが本当で、『出来ることなら俺のことも殺したくないから』だと上条は考えた。
「さっさと行けえええッ!」
そう叫びながら、全力で距離を詰める。
殺したくないと言うのなら、『それを最大限利用してやろう』と考えたのだ。
少なくともインデックスが逃げ切る程度の時間は稼げるだろうと。
ディオの事だ、どうせ既にもう一人の敵を倒していて、隠者の紫で観測したインデックスを保護してくれるだろう。
任せろと言っておいて情けない話だが、インデックスが連れて行かれるよりはマシだ。
『神裂が手加減に飽きるまで足止めしてやるッ!』
「七閃」
突然殴りかかってきた上条を見て、ため息と共に斬撃を繰り出す。
上条に襲いかかる七つの刃は、その右手に触れ、そのまま消えること無く切り裂いた。
「なッ!?」
この刃が異能であれば、幻想殺しで打ち消せたはずだ。
それはつまり、
「ワイヤーか……」
右腕を抑えてその場に屈み込み、顔を上げる。
上条の血液が七本の鋼糸を映し出していた。
「何を考えているのか知りませんが、あなたでは私の斬撃を躱しきる事は出来ません。繰り返します」
そう語りながら近付いて来る神裂の言葉を遮る。
「渡さねぇ……」
既に右腕の感覚はないが、その拳は固く握られていた。
「何ですか?聞こえなかったのですが」
「うるせえってんだよッ!!」
雄叫びを上げて眼の前の女に殴りかかるが、神崎のブーツが上条の脇腹に突き刺さる。
蹴り飛ばされて、胃袋の中身をまき散らしながら藻掻く上条に、神裂が声を掛ける。
「もういいでしょう」
それは掠れるような声だった。
「あなたは十分やったでしょう、これ以上あの子のために傷つく理由は無いはずです」
「……」
上条はその言葉を聞きながら、インデックスの事を思う。
お腹を空かせたあのシスターを、ソファーに乗って胸を張っていた事を。
そういやディオに怒鳴られて涙目にもなってたな、と想い出した。
俺はあの笑顔を見ていたいんだ。
瀕死の上条の中で黄金色の風が巻き起こった。
「アンタは……俺の思ってた悪いやつじゃない」
神裂は、そう呟きながら自分を見つめる上条に、声を掛けられずに居た。
「そのワイヤーは一度もインデックスの方に飛んで行かなかったし、俺の右手を切った時もアンタには躊躇いがあった。
人が傷つくことに何も感じない『漆黒の殺意』が無いんだ、だからどうやったって悪人にはなれない」
神崎は既にその右手を柄から下ろしていたが、意識の朦朧とした上条はそれに気付かない。
「だけどアンタの仲間はそうとは限らない、だから俺はアンタにインデックスを渡す気はねーし、
アンタみたいに強い奴こそが『敵』からインデックスを守ってくれたらと思ってる」
上条は歯を食いしばりながら続ける。
「俺はさ、テメェの命張って、死に物狂いで戦ったって、アンタに指一本触れられねー負け犬だよ。
でもな、アンタは違うだろ。守れるだけの強さがあるだろ。アイツを地獄の底から救ってやれるだろ」
それは、無力な男の慟哭だった。
「なんでアイツを救ってやんねえんだよ」
長い沈黙の後、神裂がそれを破った。
「私だって……、彼女を助けてあげたいんですよ」
上条は耳を疑った。
「じゃあなんでッ!」
怒りで全身が沸騰しそうな上条は、
「けれど、こうしないと彼女は死んでしまうんです」
そう聞いて愕然とした。
ワケが解らなかった。
じゃあなんだ、目の前のコイツは実はインデックスを助けに来た正義の味方で、それと戦ってた俺はいったい何なんだ?
「あの子には、1年以上前の記憶がありません」
ついて行けなかった、アイツはそんな事一言も……。
石仮面をそげぶして終わる、に2ガバス
「その様子では、聞かされていなかった様ですね。あの子は、生まれ持った完全記憶能力によって、10万3千冊の魔導書を記憶しています。
そしてその記憶が、あの子の脳を圧迫しています」
「何を……」
「彼女の脳の85%は10万3千冊の魔導書で埋まっています。
あの子の残った15%の脳は、並の人間と同じように記憶していけばすぐに埋まってしまうんですよ」
神裂が肩を震わせている。
それを見つめる上条は、あれほど全身を駆け巡っていた激情が、急速に冷え切っていくのをただ感じていた。
「だから消さないといけないんです。あの子の思い出と共に。そしてそれは私達にしか出来ない」
そう零した神裂は上条にとって、最早立ち向かうべき敵ではなかった。
第4話 めぐる世界
「君を殺す者の名前だ」
ステイルがそう言い放った瞬間、彼はまるで全身が凍り付いたかのような感覚に襲われた。
建物ごと揺らしかねない程の圧力と共に、パタンと携帯を閉じて、ゆっくりと立ち上がった。
「よかろう、やってみろ。このディオに対して!」
ステイルは自らの認識を改めた。
先ほどまでは、ただの偶然で禁書目録と出会い、ただ流されるままに巻き込まれた少年を、ほんの少し脅してやればいいのだと、そう考えていた。
だが目の前にいるこの男は明らかに違った。
音もなく忍び込んだ自分を前にしても、カケラの同様も見えず、焦げ付くような殺気を放っている。
全力で立ち向かわなければならない相手だと、ステイルの第六感がけたたましく警報を鳴らしていた。
「炎よ巨人に苦痛の贈り物を」
詠唱と共にステイルの手の中に現れた灼熱の炎剣を、夕日をせに佇むディオに投げつけた。
床を、壁を、飾られた調度品をその灼熱でドロドロに溶かしながら、炎剣がディオを目掛け飛んでいく。
「ハーミット・パープルッ!」
炎剣はディオを巻き込み、窓を突き破ると閃光と共に爆音を上げた。
窓……だったそこは、爆発によってぽっかりと穴を開けていた。
ステイルは確実に命中したと言う、確かな手応えを感じながらも、緊張を解くことが出来ずに居た。
今放った炎剣は摂氏3000度の炎獄の炎だ、正面からくらえば自分でもただでは済まない。
「……」
燃え盛る部屋に火災感知器を見付け、それが動作していない事を確認すると、そのまま呪文を紡ぐ。
「世界を構築する五大元素が一つ、偉大なる始まりの炎よ。
其れは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり。
其れは穏やかな幸福を満たし、凍える闇を滅する焔なり。
その名は炎、その役は剣。
顕現せよ、我が身を喰らいて力と為せッ!」
呪文の完成と共に、ステイルのマントの内側から巨大な炎がゴウゴウと音を立て、その醜悪な姿を表した。
真紅に燃える炎の中に、重油の様にドロドロした黒い骨格が見える。
人の姿をしたその黒い骸骨は、全身から炎を吐き出しているのだ。
其の名は『魔女狩りの王』其の意は『必ず殺す』
なんの魅力も無いDIO様だな
「その醜いのが貴様の魔術と言うワケか」
炎剣の爆発が創り出したその空間に、ディオは両手を組みながら浮いていた。
その服は所々焦げ付いているが、その目には確かな余裕が伺える。
ディオは、炎剣が投げつけられる直前に、隠者の紫を盾のように展開し光熱と爆風から見を守っていたのだ。
カリスマがない
安っぽい感情で行動してるし
そして伸ばした茨を壁に突き刺し、自らの身体を支えている。
ヴィジョンが超能力では傷つかない事を知っていたディオは、魔術もまた同じだと当然の様に認識していた。
「イノケンティウスッ!」
召喚された炎の魔神は、殺すべき者を見つけ、両手を広げて突き進む。
まーたステイヌさんか
「無駄だ……と言いたい所だが、その汚らしいクズと抱き合うのはごめんだからな、このまま失礼させてもらうよ」
ディオはそう言って隠者の紫を操り上階に向かう。
「くッ……逃したか!」
そう吐き捨てるステイルの全身から嫌な汗が吹き出した。
いや一部ディオはこんな感じだろ
期待
中に浮かんだディオを見た瞬間に、その皮の中に血や肉ではなく、
何かもっとドス黒いものが詰まっているような気がして、背筋が凍り付いたように感じた。
ここでアイツを逃しては不味いことになるッ!
ステイルのルーンによって祭壇と化したマンションから、奴の気配を探ろうとした時、
警報と共に天井に取り付けられたスプリンクラーが人口の洪水をまき散らした。
ほ
黒ブルマとかwwwwwwwww
ねえよ
すまんマジ誤爆
仮面前のディオなんて見下されただけでマジギレしそうなイメージあるけどな
吸血鬼になってからは見下すような態度とる奴がいなくなったけど
「警報機……」
ステイルは事前に火災感知器が自分の魔術に反応しない様に細工をしておいたが、
装置そのものを殺してしまうわけにはいかなかったので、警報機のスイッチ自体は生きていたのだ。
ずぶ濡れになりながらステイルは、この程度で僕の『魔女狩りの王』は消えはしない、と心のなかで呟いたが、
心臓を鷲掴みにされたような嫌な予感が頭から離れなかった。
「まさか……ッ!そんな筈は無いッ!」
空中に炎でルーンを描き、ディオの行方を探すが、奴はこのマンションの中には存在しなかった。
ステイルの予感が確信に変わる。
『奴はこっちのカラクリを知っているッ!!』
すぐさまマンションの屋上へ向かう。
ステイルが確かに設置したはずのルーン用紙が、そこにだけ存在しなかったのだ。
辿り着いたそこには、先ほどと同じ目でステイルを射抜くディオの姿があった。
「ンッン~~、紙飛行機なんて作ったのは何時以来だったかな。
ところで随分とビショ濡れの様だが、そこら中にベタベタと貼りつけたコピー用紙はどうなったんだい?」
>>192
全然違うよ
一部ディオ様は人を利用するための道具としか
見てない、必要以上に馴れ合ったりしない
このディオはゲロ以下の臭いがぷんぷんしない
ディオの言葉を無視して詠唱する。
「――――灰は灰に――――塵は塵に――――」
ステイルの両手に赤と青の炎剣が現れる。
「吸血殺しの紅十字ッ!!」
呪文は完成し、二本の炎剣がディオに襲いかかるが、
「無駄だッ!その呪文が一番なまっちょろいぞッ!」
隠者の紫を操り炎剣の軌道を逸らす。
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!」
無防備になったステイルに乱打を掛けるディオ。
「トドメだッ!」
ハーミィッ
ステイルの顔面にディオの拳がめり込み、親指を眼に突っ込んでそのまま殴り抜けた。
吹き飛ばされてドサリと倒れこむステイルは、すでにその意識を手放していた。
そして、完全に息の根を止めようと、ディオが懐からナイフを取り出したその時、隠者の紫がインデックスの気配を捉えた。
インデックスは走っていた。
『すぐにディオをトウマの所につれていかなきゃ!』
上条に逃げろと言われたインデックスは、自分の果たすべき役割をそう理解した。
ディオのマンションが遠くに見え始めた所で声がした。
「ここで一体何をしている」
「ディオ!とうまが……ディオの所にって……」
インデックスはそう言いながらディオに抱きついた所で、よほど疲れていたのか気を失った。
ディオは両手で気絶したインデックスを抱くと、少女の向かってきた方角へ向かう。
しばらくして気絶した上条の気配を捉え回収し、ステイルと戦ったマンションとは別の自分の部屋へ、二人を抱えながら歩き出した。
上条は、喉の渇きと体の熱で目が覚めた。
「とうま?」
辺りを見回しながら、知らない部屋だと思った辺りで、インデックスが自分を覗き込んでいて、その自分は包帯だらけな事に気付いた。
たしか自分はあの変な格好の女と戦って、そのまま……。
「とうまは3日も寝込んでたんだよ」
インデックスが涙目になりながら上条を睨みつける。
「3日ァ!?何だってそんなに眠ってたんだ俺は!?」
上条が驚いていると、レモンティーの香りと共にディオが答えた。
「『悪い奴からインデックスを守ってくれた』そうだ、よかったじゃあないか」
ニヤリと笑うディオと、傷だらけの自分を比べて、上条は少し欝になる。
「たまたま見逃されただけだ、それに」
まだ終わってない、と続けようとした上条の言葉を、インデックスが遮る。
「とうまは守ってくれた!守ってくれたんだよ!」
ううううと、唸りながら上条に抱きつく。
「神裂とかいう女が、昨日接触してきた。話は聞いたがどうにも胡散臭くてな、お前の情報と照らしあわせたい」
「……俺もソイツから話を聞いただけだ。ただ、嘘をついてるとは思えない」
そう言って、上条はあの掠れるような声を思い返す。
「そうか。まぁどちらにせよインデックスの記憶に関しては手を考えてある」
上条はぽかーんと口を開けながら、ディオを見つめる。
「何だそのマヌケ面は、まさか脳の容量がどうのと言う話を信じているわけじゃないだろうな」
「ぅ……ぇ?」
「どいつもこいつも頭がマヌケらしい。いいか、人間の脳の容量は完全記憶能力の有無に関わらず、何年生きようが使いきれやしないんだよ」
「でもアイツの言葉は」
嘘だとは思えなかった、あんな顔、嘘でできるものか。
「奴らが騙されていたと考えれば筋が通るだろう、インデックスを縛り付ける鎖といった所か。
そこで、我が隠者の紫を使い、インデックスをスキャンした」
なんだと…
「それで!どうすりゃインデックスは助かるんだよ!」
上条は、自分にしがみついているインデックスを抱き返す。
「インデックスの上顎に妙な刺青がある、それを壊して終わりだ」
終章 二人と世界
こんこん、と病室のドアをノックする。
たったそれだけの仕草に、インデックスは心臓が破裂しそうになる。
返事が返ってくるまでに、そわそわと掌についた汗をディオが縫い直した修道服のスカートでごしごし拭いて、ついでに十字を切った。
はい?と少年の声が帰ってきた。
インデックスはドアに手をかけた所で、はい?と言われたからにはここで『入っていい?』と聞くべきか迷った。
けれど逆にしつこい野郎だ早く入ってくりゃいいのにとか思われるのも怖い。すごくすごく怖い。
ギクシャクとロボットみたいにドアを開ける。六人一部屋の病室ではなく、一人一部屋の個室だった。
床も天井も白一色のせいか、距離感がズラされて妙に広く感じられる。
少年は真っ白なベッドの上にいて、上半身だけ起こしていた。
ベッドの側の窓は開いていて、机の上には妙に小洒落たブランデーの入った化粧箱が置いてあった。
ひらひらと真っ白なカーテンが揺らいでいる。
生きていた。
たったそれだけの事実に、インデックスは涙がこぼれるかと思った。
今すぐ少年の胸に飛びつくべきか、それともあんな無茶をした事にまず頭を丸かじりすべきかちょっと迷う。
結論が出ないままその場であーうーやってると、
「そんなとこで何やってんだ?」
目の前には、今まで通りのとうまが居た。
「そうだ、この酒持って帰ってくれよ。
ディオの奴日本国ではお酒は二十歳からってしらないんじゃねえか?こんな病室じゃ隠し様がないっつーの!」
こらえきれずに抱きついてしまう、傷だらけになりながらも、私を守ってくれた主人公に。
「とうまー、とうまー、とーうまー」
第一部完、長いことありがとうございました
よかったら感想とかディオの違和感とか書いてくれるとうれしいです
DIO様がいい奴なのかドス黒い悪なのかよくわからん
ほ
面白かった
いろいろ気になるところもあったけど面白い
んで、続きの方は・・・
カリスマ性を感じない
誰かと協力するにしても自分に利益を求めるタイプだし
人を道具にしか見てない
このディオは悪役になりきれてない
出だしだけしか見てないけど
普通に面白かったと思うけどディオが善人なのが違和感あるかな
で、続きは・・・・?
明日まで残れば見たい。まだ最初しか読んでないから
ディオの出だしはよかったけど、上条と絡み始めたら違和感がありまくり
絡ませるためにキャラクターを捻じ曲げるなら、いっそ絡まない方がいいと思った
あと、上条みたいなタイプがディオの一番嫌いなタイプだから
よむ
ほ
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません