初投稿ですが がんばります
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**とある村**
魔法剣士「倉庫の整理?」
魔法剣士母「そうなの〜 ちょっとごちゃごちゃしてきちゃったから・・・手伝ってくれる?」
魔法剣士「うん、いいよ!」
王都から少し離れたところにあるごく普通の村
村人たちは農業や工芸品などで生計を立てていた
そんな村に住む彼女『ロレッタ・マーティン』 彼女に大きな波乱が待ち受けていた...
魔法剣士「うわあ...ほんとにごちゃごちゃだね...」
魔法剣士母「じゃ、がんばりましょ!」
魔法剣士「はーい、そういえばおとうさんは?」
魔法剣士母「畑のほうにいるんじゃない?」
魔法剣士(ちょっと手伝ってほしかったな)
倉庫の中には様々なものが入っていた
達磨やらトーテムポール、石仮面、白と黒の模様が絶えず動くマスク、顔が付いてるヤカン
・・・・・どこから入手したのか甚だ不可解な代物ばかりだった
魔法剣士「とりあえず大体おわったかな...あれ?」
その中でロレッタは隠されているように置かれた箱に気付いた
その箱は何故か他の物とは違う雰囲気を感じさせた
ただそれは他が奇妙すぎるせいかもしれないが...
魔法剣士(何かなこれ? ちょっと開けてみちゃおう!)
パカリ
魔法剣士「剣が2本と...宝石? わぁすごいキレイ...」
魅入られたようにロレッタはその宝石に手を触れた
カチリ
魔法剣士「カチリ?」
そしてその宝石は突如輝きだした!!
魔法剣士「きゃっ! な、何!?」
その閃光の後、半透明でぼんやりとした男がそこに立っていた そして男はこう告げた
精霊「あなたが私の新しいマスターですか?」
魔法剣士「き...」
精霊「き?」
魔法剣士「きゃあああああああ!!! おばけえええーー!!」
精霊「えっ!?」
魔法剣士「あ、あたしを食べても全っ然おいしくないよ! お、おなかこわしちゃうよ! だから・・・グスッ・・・食べないで・・・」
精霊(何かすごい勘違いされてる)
魔法剣士「グスッ...ヒック...」
精霊「大丈夫です 私はおばけじゃありませんよ、食べたりもしません、だからどうか泣きやんで下さい」
魔法剣士「...」ジトー
精霊「それにおばけは人を食べません」
魔法剣士「...ホント? うーん...あ!じゃあもしかしてあなたって...」
魔法剣士「妖精さん?」 精霊「ちょっと違いますね」
書き溜めしてるので投下は早いです
魔法剣士「おかあさん! おかあさーーーん!!」
魔法剣士母「ロ、ロレッタ!さっき叫んでたの外で聞こえたけどどうし・・・まあ!」
精霊「マスターのお母様ですね? お初にお目にかかります」
魔法剣士母「あ、あらあどうも・・・」
魔法剣士「倉庫の中にいたんだよ! この剣といっしょに!」
その2本の剣は片方は炎 もう片方は雷をイメージさせるものだった
魔法剣士「ねぇねぇ! そういえば名前はなんていうの?」
精霊「・・・実は私には名前が与えられてないのです、お好きに呼んで下さい」
魔法剣士「うーん・・・じゃあ『コール』! 昔話のお姫様を助ける騎士の名前!」
精霊「いい名前をありがとうございます(私は『騎士』でマスターが『お姫様』ということかな?)」
魔法剣士母「...ってそんなことより危ないじゃないの! そんな刃物なんか持っちゃって! 今すぐ戻してきなさい!」
魔法剣士「あっ ご、ごめんなさい...」
魔法剣士母「それと...コールさんでしたっけ? うちの子を『マスター』とおっしゃってましたが」
精霊「はい、私の新しいマスターです 前のマスターは私を封印し、主従契約を解除してしまいましたので」
魔法剣士「他の人のものだったの? どうしてウチにあるんだろう... おかあさん何か知ってる?」
魔法剣士母「話を逸らさないの! あとお母さんはそんなものは知りません! さあ戻してらっしゃい!」
魔法剣士「えー でもちょっとこれ欲しいかも なんかかっこいいし!」
魔法剣士母「ダメ! さ、コールさんと一緒に行きなさい!」
魔法剣士「はーい...行こうコール」
精霊「分かりました」
魔法剣士「コールも箱に入ってく?」
精霊「やめて下さい」
こののどかな村には豊富な水資源がある その恩恵を受けるものは多い
そしてそれを狙う不届きな輩も多い・・・
**村はずれの山**
ならず者1「ボス! 次のエモノがみつかりましたぜ!」
ボス「おぉ...そいつは御苦労だったな 場所はどこだ?」
ならず者2「へえ、ここから数キロ行ったところに水も豊富で食料もそれなりに確保できそうな村がありまして・・・」
ボス「ならば今から襲撃の作戦を立てる! 見取り図を用意しろ!」
**とある村 夜**
魔法剣士「おとうさんすごい驚いてたよねー コール!(すごい叫んでたし)」
精霊「私の方が驚きましたよ(私を見るなり『ス、スタンド攻撃だッ!』って叫んでたし)」
魔法剣士「ねぇねぇ、そういえば前の『マスター』ってどんな人だったの?」
精霊「実は記憶がないのです...解約するときに記憶も消されたのかもしれません」
魔法剣士「ふーん、ちょっと会ってみたいかも...ふああ」
精霊「さ、そろそろ寝る時間ですよ」
魔法剣士「うん、おやすみ」
**同時刻 村周辺**
ボス「この村か、報告通り水が豊富って割にはそこまで栄えてないな 武装した奴も見当たんねえ」
ならず者1「絶好のチャンスですぜお頭」
ボス「よし! ならば今から行動開始だ!」
ならず者1〜20「ウオオオォォォ!!!!」
**深夜 とある村**
コールは寝静まった彼女の横で一人考えていた
自分の主が言っていたように『何故自分はここに居るのか』を
精霊(確かに少し不思議だ...なぜ私は倉庫の中で眠っていたのだろう)
精霊(もう一つ気になるのが『どうしてマスターが私を起動できたのか』だ 魔法の素質があるのだろうか?)
どうやら起動するにはただ触るだけではダメなようだ
精霊(...わからない さっぱり...ん? な、何だ? 今ものすごい数の悪意を感じたが...!!近づいてきてる!それも四方から!)
精霊「早く逃げなくてはッ! マスター起きて下さい! 今すぐ!」
魔法剣士「ふああ...なにぃ? コール?」
精霊「この村に何かよくないものが近づいて...いやすぐ近くに居る! 早く逃げましょう!」
魔法剣士「えっ...う、うん!」
精霊「ご両親もいっしょに...」
ガチャ
ならず者6「ご両親たぁあいつらのことか?」
**同時刻 村のはずれの家**
ならず者15「よし!火を放つぞ!」
ならず者18「皆殺しだァァーーーーッ!!」
**同時刻 ロレッタの家**
精霊(き、気付かなかった こんなに近くに強烈な悪意があったというのに!)
魔法剣士「あ...ああ...」
ならず者の背後には2つの遺体があった それはまぎれもなくロレッタの両親だった
魔法剣士「い、いやああああああああ!!!!」
ならず者6「気付くとは運が良かったな...だがすぐに不幸になるぜ ヘッヘッヘッ...」
精霊「マスター、ここは私が何とかします あの剣を取ってきて下さい! 急いで!」
魔法剣士「ッ!!」 ダッ
泣きながら彼女は駆けていった 外は火の海と化していた
ならず者6「逃がすと思うか! この...」
捕まえようとしたその時、ならず者の動きは止まった
精霊「.......」
ならず者6(な、何だ? 体が震えて う、動けねえ...! それにものすごく『怖い』! 何でだ!?)
怯える男のそばに青白く、かつ狂気を交えながら精霊が音を立てずににじり寄っていく
今の精霊は『恐怖のシンボル』と化していた
精霊「どうした、何を怖がっている? 私はただの幻にすぎない...」
ならず者6(何でだ!?あいつが『怖い』!!)
精霊「.....」
ならず者6「や、やめろ...来るな!! 来るんじゃねえェェェェーーーッ!!」
手に持っている斧を振りかざすが空を切るだけで意味を成さなかった
恐怖に負けたならず者は遂に発狂した
ならず者6「」
精霊(私の精神魔法は心の弱い奴ほどよく効く ちょろいものだ)
精霊「さて、あとはマスターを待とう」
どうやら宝石から離れて動くことはできないらしい
**倉庫**
魔法剣士「た、たしかあの剣は...」
今のロレッタの心の中では両親を殺された悲しみよりも 逃げなきゃいけないという恐怖感が支配していた
魔法剣士「! あった!(はやくコールのところに戻んなきゃ)」
魔法剣士「ん? これって...」
ガチャリ
ボス「この小屋の中にガキが一人逃げて行った 始末しておけ」
ならず者1「わかりやしたボス」
魔法剣士(!? だ、誰か来る! 逃げなきゃ!)
ならず者1「かくれんぼか〜?」
魔法剣士「ハァ...ハァ...(ど、どうしよう)」グッ
力を込めて握りしめた瞬間刀身が輝きだした!
ならず者1「うっ! な、何だいきなり!?」
魔法剣士(これって...)
彼女の右手には炎、左手には雷をまとった剣が握られたいた 不思議なことにその剣は重さを感じさせない
その剣を構えて彼女はならず者の前に姿を現した
ならず者1「なんだお嬢ちゃん? かくれんぼは終わりか?(持ってる武器は恐ろしそうだがなんて事ねえ! ただのガキだ!)」
魔法剣士「くらえッ!」 バチチチィ! 左手の剣から雷が発した!
ならず者1「ゲェッ!こいつ... ギャアァァーーッ!」
魔法剣士(今のうちに逃げよう!)
**村の中央**
ならず者12「おらっ!くたばれ!」 ザシュ
村人1「ぐああっ!!」
村人2「いやああーー! あなたーー!」
ならず者12「おらどうした! てめえら逃げねえのか?」
村人2「お、お願いします 子供たちだけは...!」
ならず者12「『子供たちだけは』 だァーー? じゃあ最初に子供から殺してやるよ!」
子供1「うわあああーーーん!!」
子供2「マ、ママ...」
魔法剣士「...」ゴウッ!
突如ならず者に火球が襲いかかる!
ならず者12「ぎゃあああ! アッチィィーーーッ!」
魔法剣士「はやく逃げて!」
村人2「ロ、ロレッタちゃん!? ありがとう...」
**ロレッタの家**
バタン!
魔法剣士「コール!」
精霊「さあ、行きましょう!!」
ならず者6「うへへ... スケアクロウ... スケアクロウ...」
魔法剣士「...コール、何したの?」
精霊「『お前を食べてやる』と脅してやりました」
宝石をポケットに入れて家を飛び出した
**家の外**
精霊「敵が4人ほどこの近くに居ます! こっちへ...」
魔法剣士「う、うん!」
ボス「(ん? あれはさっきのガキか!? 仕留め損ねたか...使えん奴め) てめえら! あっちに居るガキを殺れ!」
魔法剣士「こ、こっちに来る!」
精霊(クソッ!)
ならず者4「逃がすかァーー!」
ならず者9「囲んでやれェーー!」
精霊「奴ら思ったより速い!(一人一人術をかける暇なんてない...どうする)」
魔法剣士「コール 多分この剣でなんとかできそう」
精霊「(使い方を理解してらっしゃるのか?)分かりました、それならばとっとと切り抜けましょう!」
ロレッタが剣を構えると小さな火球が目の前に現れる
ならず者4「ひっ...!」
ならず者9「な、何だこいつ!」
ボス(面倒臭ぇやつらだ まともに戦うべきじゃ無い..... ん!? よく見たらあのガキ『剣』自体は使えなさそうだ! あの持ち方は素人...近づけば大丈夫だ! あのスケスケ野郎も気になるがまずはあのガキだ!)
ならず者14「ど、どうしやしょうボス!」
ボス「あの二人を囮にして後ろから近づくぞ」
ならず者14「へ、へい!」
ならず者4「ヒイィィィーーーッ!! 体に火が!」
ならず者9「川に飛べェーーッ!!」 ドボーン
精霊「よし!これで...ッ!? マスター! 後ろです!」
魔法剣士「えっ? きゃっ!!」
間一髪彼女は振り下ろした斧を避けることが出来た
ボス「勘のイイやつだな 次はどうだ?」 ブオン!ブオン!
ならず者14「今日も人を斬ってやるぜェーーッ!」
精霊「(こうなったら片方だけでも潰す!)なあ、人を斬るのが好きだそうだな?」
ならず者14「ああん? 何だいきなり?」
精霊「たまには『自分自身』とか斬ってみたらどうだ? せっかくだ切る目安の『線』入れておこう サービスだ...遠慮はしなくていい」バシュウ!
ならず者14「な、なにしやが...(な、なんだ!? 無性に自分を切りたい!この線通りに! でも嫌だ! いや、やっぱり切りたい!)」
精霊(始末できた マスターの援護を!)
ボス「おうどうした嬢ちゃんその剣は飾りか? お得意の火の玉はどうした?」
魔法剣士「うう...」ボタッボタッ
火球や雷を出すのには相手に剣を向け続けなければならないが避けるのに必死な彼女にそんな余裕はない
そしていつの間にかけがもしており血が滴っていた
魔法剣士(どうしよう...このままじゃ)
精霊「マスター! 今助けます!」
ボス「ん、あいつはどうしたんだ...ああ何だ!? 気でも狂ったのか? 自分を斬ってやがる!」
精霊の体が青白く輝く ...だが!
ボス「...何の真似だそれは?」
精霊「効かない!?(こいつ思ったより精神が強い...)」
ボス「あいつみたいに俺の心をどうにかしようとしたのか? 残念だったな...」
精霊「やはり直接攻撃しか手は無いか...」
魔法剣士「ハァ...ハァ...」ブルブルブル
精霊「(でも今のマスターには無理だ!)マスター、目をつぶって!」 カッ!
魔法剣士「!」
ボス「目くらましか!」
精霊「こっちです!」
ボス(だが血の跡で追えるぜ!)
精霊(まずは治療だ...私が焦ってどうする! だがどうすれば)パアア
魔法剣士「...ねぇ、コールって心をあやつることができるんでしょ」
精霊「えっ そ、そうですが」
魔法剣士「じゃあ あたしに『勇気』をちょうだい」
精霊「なっ!」
魔法剣士「今、あたしすごい『怖い』の 手も震えて... 戦うなんて出来ない でも『勇気』をもらえれば出来るかも お願い!」
精霊「(出来ればやりたくなかったが...しょうがない)わかりました やりましょう!」
ボス「見つけたぜ てめえら...」
精霊(来た!)
ならず者のボスの前にロレッタは姿を出した 震えておらずいたって冷静だ
呼吸も乱れていない 両目は目の前の大男をはっきりと捉えていた
ボス「あん? ずいぶん自信ありそうな顔だな そっちの兄ちゃんが何かしたんだろうな...」
精霊「.....」
ボス「だが関係ねえ! くたばれッ!!」 ブオン
魔法剣士(!! チャンス!)ダッ
ボス(コイツ!! 斧に向かって!?)
あろうことか斧に突っ込み そして斧ごと相手の腕を斬り落とした!
ボシュウウウ!!
ボス「ギィヤアァァァァァーーーーーッ!!! う、腕がァァァ!!」
焼き斬った為出血は見られない 斬られた斧は高熱で赤くなっていた
魔法剣士「ハァ...ハァ...」
ボス「こいつ...よくも!! お、お、俺の腕を!! よ、よくも...」ガタガタ
精霊(心が弱ってる! 今なら!)
精霊「おい...私の目を見ろ...」
ボス「うっ! お、俺には効かねえ! き、効かねえぞ!」
精霊「なら怯える必要は無いだろう? 震えてるぞ? 寒いならあの燃えてる小屋で暖まるといい...自分でつけたのだからな」
ボス「う、うわあああああああああああ!!!! 誰か! 誰か! 助けてくれええええええええええ!」
男は自ら火の海に消えていった...
ボスが死んだ事によりならず者共は恐れをなして姿を消した
だが、残した爪痕は大きいものだった
精霊(何とかあいつらは倒せた...だが)
魔法剣士「.......」
精霊(どうするか これから)
村人2「ロレッタちゃん! 無事だったのね!」
魔法剣士「...マリーさん?」
村人2「騒ぎが収まって心配だったから戻ってきたの お父さんとお母さんは?」
魔法剣士「お、おとうさんとおかあさんは... うわああああああん!!」
村人2「辛かったね...もう大丈夫よ」
魔法剣士「グスッ... グスッ...」
精霊(......)
村人2「向こうに逃げられた人が集まってるわ、行きましょう そちらの...半透明の方も」
魔法剣士「...うん」
精霊「ありがとうございます」
生き残ったのは十名程度
父親を失い泣く子供たちを母親も泣きながら抱きしめていた
ロレッタも家族を失った者としてその輪の中に入り温もりを感じながら眠った
コールもまたロレッタのそばに寄り添った
**翌朝**
精霊「村を出るんですか?」
魔法剣士「うん...あのね、剣をとりに行った時 こんなものひろったの」スッ
精霊「これは...メモ書き?」
羊皮紙には『困ったらここに来い』と書いてあった この村からは遠い場所のようだ
魔法剣士「おとうさんとおかあさんのお墓をたてたら、そこ目指してみる」
精霊「私はどこにでもついていきますよ そして貴女を御守りします」
魔法剣士「行こう! コール!」
こうして二人は旅立ち まずは王都へ向かったのだった・・・
とりあえず一旦終わりです
悪い点があれば指摘して下さい 改善します
おつ!舞ってるわ…
文書くときはsageも追加しといて
>>27
書き終わったらageろという事でしょうか?
投下
**北の国 王城 謁見の間**
エージェント「お呼びでしょうか 女王陛下」
女王「挨拶は抜きよ 早速ですがあなたに指令を与えます」
北の国 気候は一年を通して涼しく 雨量も少ない
機械産業が栄えている国だ
その国を治める女王は家臣である『ブルース・フレミング』にある指令を与えようとしていた
エージェント「内容は?」
女王「先日、外務大臣が暗殺されかけた事件は知っているわね?」
エージェント「ええ、存じ上げております」
女王「部下が犯人の口を割らせた所 敵のテロ組織は南の王国の王都に潜伏している、とだけは判明しているわ」
エージェント「つまり?」
女王「あなたにはそれを追ってボスの暗殺をしてもらう、いいわね」
エージェント「...拒否権は?」
女王「そんなものは与えていない」
エージェント「冗談です」ニコッ
女王「知っているとは思うけど仮に敵国で捕まった場合、あなたを切ることになります」
エージェント「工作員なんてそんなものでしょう」
女王「...無茶はしちゃ駄目よ」
ミスった
**北の国 王城 謁見の間**
エージェント「お呼びでしょうか 女王陛下」
女王「挨拶は抜きよ 早速ですがあなたに指令を与えます」
北の国 気候は一年を通して涼しく 雨量も少ない
機械産業が栄えている国だ
その国を治める女王は家臣である『ブルース・フレミング』にある指令を与えようとしていた
エージェント「内容は?」
女王「先日、外務大臣が暗殺されかけた事件は知っているわね?」
エージェント「ええ、存じ上げております」
女王「部下が犯人の口を割らせた所 敵のテロ組織は南の王国の王都に潜伏している、とだけは判明しているわ」
エージェント「つまり?」
女王「あなたにはそれを追ってボスの暗殺をしてもらう、いいわね」
エージェント「...拒否権は?」
女王「そんなものは与えていない」
エージェント「冗談です」ニコッ
女王「知っているとは思うけど仮に敵国で捕まった場合、あなたを切ります」
エージェント「工作員なんてそんなものでしょう」
女王「...無茶はしちゃ駄目よ」
エージェント「考えておきます」
女王「武器と資料はいつも通り地下室で受け取って頂戴」
**王城 地下室**
エージェント「これで全部か」
研究員「どうだ? 今回のは結構いいだろう!」
ワープ用魔法石(特殊型)×1
フックショット
無線魔法石
特殊ナイフ
スモーク発生用魔法石×3
ショックウェーブ発生指輪
エージェント「ワープ用の魔法石? 僕は元々ワープは使えるんだが」
研究員「普通のワープならな ただ普通に行けば痕跡が残って探知されてしまうだろう? これは痕跡を消せるんだよ」
エージェント「このナイフは?」
研究員「お! これはなあ、ここを押すと...」
バシュン! サクッ!
兵士「ヒイィッ!」
研究員「刃が時速200キロで飛び出る!!」ドヤァ
エージェント「これはいいか」
研究員「待て待て待て!! 柄の部分はな、爆弾になっているのだよ! 小さな部屋なら跡形も無くなる」
エージェント「...このスイッチか」
研究員「お、おい! 殺す気か! もういい! とっとと行け!」
**南の王国 王都 正午**
ワイワイ ガヤガヤ
魔法剣士「ふー ようやくついたねコール!」
精霊「長旅でしたね」
魔法剣士「熊に襲われた時はどうしようかと思ったよねー!」
精霊「返り討ちにして食べてしまうのは私の方が怖くなりました」
魔法剣士「おいしかったし、また出ないかな」ワクワク
精霊(やっぱり怖い)
王都の表通りはとても栄えていた 治安も良いようだ 所々兵士のすがたも見られる
食料品店の店先には焼きたてのパンや青々とした野菜 食欲をそそりそうな肉 新鮮な魚 なども置かれていた
雑貨店、武器屋 観光客の土産屋も栄えていた
精霊「まずは酒場に行きましょう あそこに行くために何か情報が得られるかもしれません」
魔法剣士「うん! 行ってみよう!」
**南の王国 酒場 同時刻**
魔法剣士「お、おじゃましまーす...」
客1「あん?」
客2「んだ? こいつら?」
魔法剣士「」ビクッ
魔法剣士「し、失礼しまし(ry」
精霊「行きましょう」
魔法剣士「ヤ、ヤダ!すごい見られたし...」
精霊「気にしたら負けです」
客1「な、なああれ幽霊か!?」
客2「今は昼だぜ ちげーちげー」
主人「何だ?お嬢ちゃん?こんなところに来るなんて」
魔法剣士「あの、あたしたちここに行きたいと思ってるんだけど...」
羊皮紙を見せながら彼女は言う 主人の顔が少し曇る
主人「おいおい本気か? こんな辺境の山の中まで行っちまうなんて?」
精霊「その準備をするためにこの町に」
主人「ははあ...山に行くまではいいが問題は『登る』ことだな この町で登山用の道具はちゃんと買ってけ、だます奴もいるから気ィ付けな」
魔法剣士「ありがとうございます!」
主人「そんでここは酒場だ、何か注文してけ」
魔法剣士「じゃあミルクで」
精霊「アイスミルク、ダブルで」
主人「!?」
精霊「冗談です」
魔法剣士「ぷはーっ!! 飲んだ飲んだ! はいお代!」チャリン
主人「がんばれよー」
魔法剣士「じゃあお店に行って...」
兵士1「泥棒だッ! 捕まえろォーーー!」ガシャンガシャン
??「や、やべえ見つかった...」タッタッタッ
兵士2「またあいつか! こんどこそひっ捕らえてやる!」ガシャンガシャン
??(こっちに逃げれば大丈夫だぜ!)タッタッタッ
兵士3「あっ! あいつ裏通りに!」
兵士1「も、もう追えないか...」
なにやら兵士たちは困惑しているようだ
魔法剣士「ど、どうしたんだろう追っかけるのやめちゃったけど」
精霊「すみません? なにがあったのですか?」
兵士1「いや、泥棒が出てそれを捕まえようとしたのですが 裏通りに逃げられてしまって」
精霊「管轄外なのですか?」
兵士1「いや、違います もし兵士があんなところ行ったら たちまち殺されてしまいます」
魔法剣士「えっ!?」
精霊「恐らく治安がひどいんでしょうね 国は何か対策とかは?」
兵士2「王様は何もしないのです...何故か」
魔法剣士「あたしあの子追っかけてくる!」ダッ
精霊「!? マ、マスター!? 何を!」
兵士1「待て行くんじゃない!」
**南の王国 王都 裏通り**
表通りの雰囲気とは違い退廃的でとても汚かった
ナイフをちらつかせた浮浪者 酒浸りの男 野たれ死んでいるもの
まるで2つの対照的な街が存在しているかのようだった こちら側は文字通り『裏』の世界なのだろう
??「あっぶねえ なんとか逃げ切れた」
チンピラ「おう、坊主いいもん持ってんじゃねえか 俺にもくれよ!」
??「やだって言ったら?」
チンピラ「殺してやる!」
??(やってみろよ)
チンピラを仕留めようと少年は構えた だが!
魔法剣士「危ない!」バチィ
チンピラ「ギャアア!!」
??「え、雷!?」
チンピラ「」コゲコゲ
魔法剣士「危なかった...」
精霊「マスター!! なんでこんな無茶をするんですか!」
魔法剣士「えっ、でも...」
精霊「わざわざあの子供を捕まえに行く必要は無いんですよ!」
??「捕まえるって...ハッ! 逃げろ!」
魔法剣士「あっ! 追っかけよう!」
精霊「話を聞いて下さい!」
**南の王国 表通り**
バシュン!
エージェント「ここか」
ワープの魔法で南の王国まで飛んできたブルース
早速彼の魔法石に連絡が入る
オペレーター「聞こえる? ブルース?」
エージェント「ああ、ばっちりだ ただ無線越しだと君の声があまり綺麗に聞こえないのが残念だがね」
オペレーター「もう! じゃあ酒場に行って協力者に会ってきて」
エージェント「『ミランダ・カイル』か...捜してみよう」
オペレーター「着いたら いつも貴方が頼んでいるものを注文して 彼女への『サイン』になるから」
エージェント「ああ、わかったいつも頼りにしてるよイヴ」
**南の王国 酒場**
客1「おい、聞いたか? またガキが悪さしたらしいな」
客2「兵士連中はトロいからな 一生捕まんないんじゃないのか?」
キィ...
客1「ん?」
客2「あん?(また見ねえ顔だ)」
エージェント「主人、マティーニを」
主人「へい」
エージェント「いや、ジン3とウォッカ1、キナ・リネ1/2 オリーブ...いやレモンスライスを」
特注マティーニを堪能している彼のそばに一人の女性が近づく
女「私も彼と同じもの戴けるかしら」
エージェント「 ...君が」
女「ミランダ・カイルよ 確か貴方は...」
エージェント「ブルース・フレミングです」
女「『ジェームズ・ボンド』とかそういう名前かと」
エージェント「普通の男に見えるかい?」
※ジェームズ・ボンドは日本で言う田中太郎ほどではないが一般的な名前 ただ某スパイ映画のせいでとてもカッコイイ名前となったが
女「いいえ、ただなんとなくそんな感じがしたの」
女「不思議ね これって飲みやすいのにどこか味わい深い...そんな味」
エージェント「それぞれ違う国の物を混ぜ合わせることで美しいものが出来る 君みたいな」
女「私の事はもう知ってるって事ね」
エージェント「いや、お互いはまだほんのちょっとも知り合えてない」
女「ふふ...面白い人 私の事もっと知ってみたい?」
※ベッドシーンは都合(作者の技量)によりカット 台無しとか言わないでね
**南の王国 宿 夜**
エージェント「テロ組織はどこに居る と言うのはもう?」
女「あの酒場よ」
エージェント「...やっぱり出入り口に居たあの二人は見張りだったのか ボスに会うにはどうしたらいい?」
女「彼に会うのはなかなか難しいわ とりあえず明日酒場で『アイスミルク、ダブルで』といってみなさい」
エージェント「...ただの牛乳じゃないのかそれは」
女「とにかく、それでアジトには行けるわ 幸運を、私が協力出来るのはここまで」チュッ
エージェント「幸運か、確かに必要だ」
終わりです
裏通りはバットマンのゴッサムシティをよりいっそう世紀末にした感じのイメージで
007かっこいい ブルースについてはバットマンと007足して2で割ったものにしたつもりです
乙期待
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