マミ「キュゥべえがお笑いに目覚めた」(227)
――マミさん家
QB「ねえ、マミ。人類には笑いという感情があるんだよね?」
マミ「うん、そうよ」
ID:MtTKwwVn0
QB「笑うときってどんな感じなんだい?」
マミ「そうね…とっても楽しくて、心がポカポカして気持ちがいいの」
QB「へえ…そうなんだ。実に興味深いね」
QB(笑いか…魔法少女の勧誘に応用できるかもしれない…)
QB(対象を笑わせ、油断させたところですかさず契約!…なるほど、いい作戦だ…!)
QB(そうと決まれば早速笑いの研究だ!)
QB「マミ、パソコンを借りるよ」
マミ「え、いいけど…」
QB「ありがとう」
マミ(何に使うのかしら…?)
QB(えっと、ネット通販は…)カタカタ
QB(へえ…すごいなインターネットは…!)カタカタ
QB(すごく欲しかった物から、そうでもないモンまで…!)カタカタ
QB(クリック、ドラッグ、R&R、何だって手に入る…!)カタカタ
QB(…さぁ油断して渡ろう!慢心して進もう!文明の恩恵の上をっっ!)カタカタ、カッターン!
―――
――
――数日後
マミ「…ねえ、キュゥべえ。その大量のDVDどうしたの?」
QB「ああ、ネット通販で買ったのさ。お笑いのDVDだよ。マミも見るかい?」
マミ「代金はいくらぐらいだったの…?今月はきびしいからあんまりむやみにお金を使うのは…」
QB「それなら大丈夫さ。この間、動物園のふれあいペットコーナーでバイトしてきたから、バイト代入ったらマミに渡すよ」
マミ「そう…それなら別にいいのだけど…」
―――
――
――深夜のリビング
『これはないっ!いやいや、これはないって!』
『うわ、うわ!押すな!押すなって!』
『あちちちちっ!ちょっと待ってくださいよー!』
QB(これがお笑い芸人か…)
QB(なるほど。言葉、体の動きを巧みに使い、見る者から笑いの感情を引き出すのか…!)
QB(わけがわかる…!わけがわかるぞぉ…!)
QB(認めたくないものだな…自分の若さゆえの過ちというものを…!)
QB「…えっと次はこのDVDを」
うぃーん…
―――
――
――数日後、マミさんVS魔女
マミ「これでトドメよ!」
マミ「ティロ・フィナーレ!」
ドオォォォン!!
魔女「」しゅううう…
QB「か~ら~の~?」
マミ「え?」
QB「ティロ・フィナーレか~ら~の~?」
マミ「…?」
QB「…」
マミ「…」
QB「…無言かよっ!気絶してんのかよっ!」
マミ「ひっ!?」びくっ
QB「…」
マミ「な、なんなの…?」
QB「……ねえ、マミ。もう1回ティロ・フィナーレって言ってよ」
マミ「え?いいけど…」
マミ「……ティロ・フィナーレ」
QB「欧米かい?」ばしっ
マミ「いたいっ!」
QB「欧米かい?」ばしっ
マミ「いたい!やめてキュゥべえ!」
QB「南米かい?」ばしっ
マミ「う…や、やめてよっ!」うる
QB「北米かい?」ばしっ
マミ「うぅ…!」うるうる
QB「飲ん兵衛かい?」ばしっ
マミ「うわぁぁん!キュゥべえのばかー!」ぽろぽろ
QB「え?」
マミ「うぅっ…!」ダッ
タタタッ
QB(行っちゃった…おかしいな…マミを笑わせるはずだったのに…なんで泣いちゃったんだろう?)
QB(は!?…もしかして、笑いすぎて涙が出たのか!?人間は笑いが頂点に達すると涙が出るらしいからね…!)
QB(くくく…自分の才能がこわい…!この調子で魔法少女の勧誘だ!)ダッ
―――
――
まどか「それでねー…!」
さやか「へぇー…!」
ワイワイ キャッキャ
QB(いた!鹿目まどかに美樹さやか!彼女たちは魔法少女の素質がありそうだ…!)
QB(特に鹿目まどか…!彼女の魔法少女としての才能ははかりしれない!)
QB(くくく…必ず契約してみせる…!お笑いインキュベーターの名にかけてっ!)
ちょこん
QB「こんにちは!鹿目まどか!美樹さやか!」
まどか「え?な、なに…?この白い動物…!?」
さやか「しゃ、しゃべってる…!?」
QB「今日は君たちにお願いがあって来たんだ!」
まどか「お願い…?」
QB「そうだよ!」
さやか「な、なにさ?」
QB「僕と契約して、魔法少女になって…」
QB「クレナイカッ!!?」
まどか「…え?」
QB「僕と契約して、魔法少女になって…」
QB「スリランカッ!!?」
まどか「…」
さやか「…」
QB(く…やはりレッド吉田の5文字ネタは応用が難しい…!)
QB(!…そうだ、あのネタならイケる!)
QB「べぇきゅぅがぁ~」ばっ
QB「契約にぃ~」
QB「来るうぅぅ~!」ぐいぐいぐいー
まどか「ひっ!」びくっ
さやか「うっ!」びくっ
QB(…く!これもダメか!しょうがない…気乗りしないがあの引き出しを…!)
QB「ゲッツ!」しゅびっ
QB「アンドターン!」くるっ
QB「アンド…」
QB「契約っ!」しゅたっ
まどか「…」
さやか「…」
まどか「なにこれ…こわいよさやかちゃん…」
さやか「関わんないほうがいいよ…行こう、まどか…」
タッタッタッ
QB「あ!ちょ、待って!お願いだから!」
ほむら「…見つけたわよインキュベーター」
QB「き、君は…暁美ほむら…」
ほむら「あの子たちを魔法少女にはさせない…特に鹿目まどかは絶対に…!」チャキッ
QB(拳銃…!まずいな…代わりのボディはいくらでもあるけど、あまり無駄にはできない…!ボーナスの査定に響く!)
QB(ここは僕の得意のお笑いで油断させ、その隙に逃げよう…!)
QB(暁美ほむらはクールな女の子…クールすなわちむっつりスケベ!ここは下ネタを使うしかないっっ!!)
QB「セックス!」ずんっ
ほむら「え!?」
QB「セックス!!」ずずんっ
ほむら「と、突然何を…!?」
QB「睡眠、食事、セックス!!!」ずずずんっ
ほむら「ひいっ!?」ぞくっ
QB「セックス!」ぐいっ
ほむら「うわあぁー!」カチャ
バンッ!
QB「痛い痛いっ!ちょっと待ってくださいよー!!」ボロッ
ほむら「ひ、ひいっ!?」カチャ
バンッ!
QB「痛い!痛いって!撃つな!撃つな!撃つなって!ちょっと待ってくださいよーっ!ひゃはははっ!」ボロボロ…
ほむら「いやあぁぁ!!」カチャ
バンッ!バンッ!バンッ!
QB「」
ほむら「はあはあ…なんなのよ一体…」
「な~んどでも♪な~んどでも♪僕は生まれ変わってゆく~♪」
ほむら「…!?」びくっ
ちょこん
QB「…ひひひひっ!死んだと思った?残念!生きてました!…セックス!」ニヤッ
ほむら「いやあああっ!」カチャ
バンッ!バンッ!バンッ!
QB「」
ほむら「はあはあ…」がくがく
「悲しいダジャレを一つ…」
ほむら「ひいっ…!?」びくっ
「ほむらに葬られた…」
ほむら「うう…」がくがく
ばっ!
QB「2回も…!!」ニヤリッ
ほむら「いやああああっ!」ダッ
タタタッ
QB(ふう…なんとかやり過ごしたな…多少の犠牲はあったけど…まあ、今回はよしとするか)
QB(ほむらの奴、僕のお笑いに圧倒されて失禁寸前だったな…ふ、罪なインキュベーターだな僕は…)
QB(ますます完成に近付く僕のお笑い!巧みな話術!かわいらしい容姿!…完璧だ!)
QB(もう負ける気がしねえっ!)ダッ
―――
――
QB(ん?あそこにいるのは…)
杏子「…♪」とことこ
QB(杏子か…!ちょうどいい。彼女にも僕のお笑いインキュベーターとしての実力を見せ付けてやろう!)
ちょこん
QB「やあ、杏子」
杏子「お、キュゥべえじゃん。どうした?」
QB「いや、偶然君を見つけたからね。ん?何を大事そうに持っているんだい?」
杏子「これ?ああ、今そこのコンビニで買ってきたおでんさ。まだアツアツだぞ!…おまえも食うかい?」
QB(アツアツおでんだと!?…なんたる好機!)
杏子「どした?」
QB「ぜひともいただきたいね」
杏子「そうか!じゃあそこの公園で食べようぜ」
―――
――
――公園
杏子「それじゃ、いただきまーす!」
QB(アツアツおでん…それすなわちリアクション芸人の真骨頂!くくく、杏子よ!僕の勇姿をその目に焼き付けるがいい!)
QB「いただきます。うわ~この大根、おつゆが染み込んで美味しそうだな~…」もぐっ
杏子「あ、おい」
QB「って熱ッ!?熱い熱いー!こんなの聞いてないってー!」ぽろっ ぽちゃんっ
杏子「あっ」
QB「ちょっと待ってくださいよーっ!!」しゅびっ
QB(決まった…!)キリッ
杏子「…」ひょいっ
杏子「ふーっふーっ!」
QB(?)
杏子「はい、あーん」
QB「あーん?」
ぱくっ
QB「…」もぐもぐ
杏子「気をつけろよ!少し冷ましてから食わないと舌を火傷するぞ!……うまいかい?」
QB「…」こくり
杏子「そりゃよかった!」にこっ
QB「…」もぐもぐ
―――
――
杏子「じゃあ、あたしそろそろ行くわ。また一緒に食おうぜ」
QB「うん、またね。杏子」
杏子「ああ!」
タッタッタッ
QB(…)
QB(あれ?僕、何してんだろう?忘れた。わからねえ)
QB(杏子は笑っていたけど、僕のリアクション芸関係なくね?)
QB(あれ?おかしいな?なんでだろ?ねえ、なんで?)
QB(…)
QB(想像を越えて心は理解しがたいものだな…)
QB(でも僕は諦めないっ!お笑いインキュベーターに休息はないっ!)ダッ
―――
――
――まどかの家
QB(こうなったら意地でも鹿目まどかを契約させてやる!)
QB(待ってろ鹿目まどか!腹筋が崩壊するまで君を笑わせてやるっ!)
QB(もうなにもこわくないっ!)ダッ
――まどかの部屋
ちょこん
QB「やあ、まどか」
まどか「え!?あ、あなたはさっきの…!」
QB「僕はキュゥべえ!君にお願いがあるんだ!」
まどか「キュゥべえ…?お願い…?」
QB「うん!」
QB(よし!今だ!顔面の筋肉をゆるゆるにして…)
QB「あどね~ぼぐね~」
QB「ぎみにね~けいやくしでね~」
QB「まほうしょーじょになっでほじいんだぁあ!」びしっ
QB(決まった…!若いころの貴乃花!)キリッ
まどか「…」
QB(…からのー!)
QB「はい!ジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャー♪」すすすっ
QB(さあ、どうだ鹿目まどか!?)
まどか「…」
まどか「…ねえ、キュゥべえ」
まどか「気持ち悪いよ…」
QB「えっ」
まどか「あなたが私を笑わせようとしているのはなんとなくわかるけど…気持ち悪いし…なんかこわいよ…」
QB「き、気持ち悪い…?こわい…?え、面白くないのかい…!?」
まどか「うん…面白くないよ…」
QB「…」
ダッ
タッタッタッ…
まどか「あ…行っちゃった……なんだったんだろ」
QB(そんな…僕が面白くないだと!?どうなっているんだ!話が違うぞオイ!)
QB(…ぶっちゃけ契約なんてどうでもよかった!ただ、僕は彼女たちを笑わせたかっただけなんだ!)
QB(それなのに、それなのに…ちくしょう!!)ぽろぽろ
QB(…?)ぽろぽろ
QB(これは…涙?)ぽろぽろ
QB(体の奥から沸き上がってくるこのエネルギー…もしかして…これが感情…?)
QB(今ならわかる…これは悲しい、悔しいって気持ちだ…)
QB(…)
QB(…そうか)
―――
――
――マミさん家の前
ピンポーン
QB「マミ、開けてー」
ガチャ
マミ「キュゥべえ…?も、もう叩いたりしない…?」ぐすん
QB「うん…ごめんよマミ。いっぱい叩いて…」
マミ「…ううん、もういいのよ。入って。一緒にケーキを食べましょう!」
QB「ありがとう。マミ…」
――マミさん家のリビング
QB「…」もぐもぐ
マミ「おいしい?」
QB「うん、おいしいよ…マミ!」
マミ「そう、よかった!」にこっ
QB(マミの笑顔…なんだろうこの気持ち…体中がポカポカする…同時に申し訳ない気持ちでいっぱいだ…)
QB(あのとき契約しなければマミは死んでいた…でも魔法少女になったら救われる望みなんてないんだ…)
QB(ごめんよ…マミ)ぐすん
マミ「…キュゥべえ?泣いているの…?」
QB「え!?いや、なんでもないよ!うん!」
マミ(…)
マミ「あ、そういえばキュゥべえ宛に手紙が届いてたわよ?」
QB「手紙?」
がさがさ
マミ「はい、どうぞ」すっ
QB「うん…」ぱらっ
QB「…………え!」がーん
マミ「どうしたの?」
QB「いや、なんでも…あ、ちょっと外の空気を吸ってくるよ」ダッ
マミ「?」
―――
――
――夕暮れの河原
QB(本部から見捨てられた…いくらノルマが果たせていないからってひどいよ…)
QB(でもいまさら魔法少女の勧誘なんてしたくない…この星の少女から笑顔を奪うことなんてもうしたくないよ…)
QB「はあ…」
「なになに、ため息ついて?どうしちったの?そこの白い子?」
QB「…聞き覚えがあるこの声!君はもしかして!?」ばっ
三村「浮かない顔してどしたの?え、うんこ的なものを我慢してっとか?」
QB「み、三村マサカズ…!」
三村「いきなりフルネームで呼び捨てかよっ!」
―――
――
QB「………というわけなんだ…」
三村「なるほどなぁ~。今まで人の気持ちなんて考えずに生きてきた、だけどそんな生き方を変えたい、でもどうすればいいのかわからない…ついでに会社クビになっちった、的なこと?」
QB「うん…僕は仕事一筋で生きてきた…宇宙のために仕方なかったとはいえ、人を騙して食い物にして…でももうそんな生き方はいやだ…」
QB「僕は…僕は人々の笑顔を見たい…」
三村「…」
三村「…それなら、お笑い芸人になっちゃえば?」
QB「…僕には才能がないみたいなんだ」
三村「才能とか関係ないんじゃね?俺だって膝ぐにゃぐにゃだけど芸人できてるよ?」
QB「でも…」
三村「ぐだぐだ言ってないでとりあえずやってみんだよっ!まだ若いんだからさ!フレッシュッ!!」
QB「………」
QB「……うん」
QB「…そうだね…うん!そうだ!やる前から諦めるなんてもったいないよね!」
三村「そうだって!」
QB「ありがとう三村マサカズ!僕、お笑い芸人になる!僕のお笑いで人々を幸せにするんだ!」
三村「その意気だ!がんばれよっ!」
―――
――
QB(こうして僕はマミのもとから去り、お笑い芸人『インキュベーターズ』として活動を始めた。ちなみに芸名が複数形であるにも関わらず僕はピン芸人だった)
QB(そしてまったく売れなかった。オーディションをいくら受けても落選の連続。地方の営業にたまに行く程度のことはあったが、芸はまったくウケなかった)
QB(『おまえ、芸名はインキュベーターズのくせに、メンバーは一匹だけやんけー!』というツッコミすら誰もしてくれなかった)
QB(そして10年の月日が流れた)
―――
――
――見滝原のとある飲み屋
イラッシャイマセー
とことこ
マミ「……やっと見つけたわ」
QB「きゅぷっ…ん?君は…?」
マミ「久しぶりね。キュゥべえ」
QB「君は…マミか…久しぶり。いい女になったね…きゅぷっ」
マミ「…それはありがとう。ずいぶん酔っているみたいね」
QB「うん、まあね…魔法少女の活動のほうはどうだい?」
マミ「もう少女って歳じゃないわ。それに魔法少女のシステムは廃止されたの。知らないの?今では魔法少女も魔女も地球には存在しないわ」
QB「…どういうことだい?」
マミ「…10年前、あなたが私の前から姿を消した後、後続のインキュベーターが伝達にきたの」
マミ「倫理的、人道的にもこれ以上人類を食い物にするエネルギー回収のシステムを継続させるわけにはいかない、ってね」
マミ「どういうわけか、あの日のあなたを筆頭として、あなたの仲間たちにも次々と感情が芽生え始めたみたいよ…そうでなければ魔法少女廃止なんて決断は下さなかったでしょうね」
QB「魔法少女廃止…それなら杏子は…?彼女は魔法にすがる以外生きていく術がなかった…」
マミ「ふふ、安心して。佐倉さんが簡単にくたばるものですか。見事に社会復帰を果たして今も元気に暮らしているわよ」
QB「…そうかい。きゅぷっ…それはよかった」
マミ「ふふ、やさしいのね」
QB「そんなことないさ……」
QB「……君はソウルジェムと魔女の秘密についても知ったんだね?」
マミ「ええ、ショックだったわ」
QB「きゅぷっ…ごめんよ…僕はずっと君を騙していた…うらまれても仕方ないことをした…」
マミ「…あなたと契約しなければ私はあのとき死んでいた。今生きているのもあなたのおかげよ?それに、『ティロ・フィナーレ!』なーんて叫んでそこそこ魔法少女を楽しんでいたしね!…むしろ感謝しているのよ?」
QB「…ありがとう、マミ。きゅぷっ」
マミ「…キュゥべえ、あなたお笑い芸人を志していたのよね?」
QB「ん?どうしてそれを…?」
マミ「三村さんに聞いたわ…笑いで人を幸せにするんだって意気込んでいたんでしょう?」
QB「ふふ…それが今はこのザマさ…」
マミ「…」
QB「僕は…多くの少女たちに希望を与え…そして絶望へと導いてきた…」
QB「そんな僕が生き方を変えようなんて…今思えばちゃんちゃらおかしいよ…」
QB「笑いで人を幸せにする…そんなの僕には不可能だったんだ…僕にはそんな資格すらなかった…ふふ…馬鹿みたいだ…」
マミ「…」
QB「ホント、馬鹿みたいだよ…」
マミ「…そんなことない!」
QB「え?」
マミ「今、あなたのいる場所が望んだものと違ったとしても、人々を笑顔にしたいという最初の気持ちは間違いじゃないわ…!」
QB「マミ…」
マミ「…これを」すっ
QB「ん?チラシ…?」
QB「『見滝原ボランティアサークル・円環の理』…これは…?」
マミ「私が参加しているボランティアサークルよ」
QB「ボランティアサークル…」
マミ「お笑いだけが人を笑顔にさせる方法じゃないわ。どう?あなたも参加してみない?」
QB「…」
マミ「私はあなたの最初の気持ちを無駄にしたくない。今からでもきっと間に合う…だから…」
QB「…」
QB「こんな僕にもまだできることはあるのかな……」
―――
――
QB(こうして僕はボランティアサークル・円環の理のメンバーとなり、暇さえあればマミとともにボランティア活動に従事するようになった)
QB(人々の笑顔を見たいという最初の気持ちを思い起こしてくれたマミには感謝している…ありがとう)
QB(魔女がいなくなったからといってこの世の呪いが消え失せるわけではない)
QB(そんな世の中で僕にできることはどんな小さなことでもやっていきたいと思う…かつて魔法少女たちがこの世の呪いと戦ってきたように)
QB(いつの日か笑顔であふれる世界を見ることができたら、それはとってもうれしいなって…)
おわり
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yるj、yt、