紅莉栖「デレデレ本音ちゅっちゅメール……略して『DCメール』?」(1000)


紅莉栖『何よそのとんでもなく恥ずかしいネーミングは! ありえない! 却下! 橋田のHENTAI!』ムキー


ダル「――なんて牧瀬氏はムキになってたけど、僕は紳士としてこの名前を推すのであります!」

ダル「どうなんですかオカリンこと岡部氏っ!」

岡部「……ふむぅ、なるほど。人間の心の声をメールにして届ける装置か」

ダル「ま、さっき牧瀬氏が実験やってたし、まだ調整中なんですけれどもね」

岡部「フハハッ、いやいや実に感心どぅぁあ~~この俺がいない間にもガジェット開発とはなぁ!」

岡部「まさに我が不遜なる狂気のオーラがお前たちにそうさせてしま……って、肝心の助手はどこだ?」

ダル「あー、牧瀬氏なら今」

ブゥーーン

岡部「いや待て、メールが……」


  from 紅莉栖
  sub
 
  帰ったら岡部いるのかな……はやく会いたいよぅ、おかべ……///
 

岡部「」

岡部(――誰だコイツ)

岡部(あるいは……誰だコイツ)

岡部「なっ、なぁダルよ」

ダル「んー? なんぞ?」

岡部「実験は……終わったんだよな?」

ダル「あ、そうそう。終わったから牧瀬氏スーパーに行ったんだお。お腹へってたみたいだし」

岡部「つっ、つかぬことを聞くが……『DCメール』とは、具体的にどういった装置なのだ……?」

ダル「どうって、見てくれは小型端末にヘッドギアつないだ感じ系。中に牧瀬氏印のプログラムが入ってて」

ダル「かぶった人の思考を読み取って、指定した携帯にメールで送れるわけっす。チートすぎまっす!」

ダル「で、さっき牧瀬氏が実験したときに、僕のケータイに届いたのが……これ!」


  from 紅莉栖
  sub

  かっぷらーめん食べたいヽ(*゚д゚)ノ


岡部「な、なるほど。それでスーパー行きか……」

岡部(おかしい……俺の携帯のアドレス帳にはっ、ヤツの名前は『助手』と登録してあるはずだぞ!?)

岡部(ということはやはりさっきのメールは、その装置によって送られてきたものに違いない!!)

ダル「昔流行ったバウリンギャルの人間バージョンってとこじゃん? もっと高性能だけどな、キリッ!」

岡部「確認だが……そのDCメール機、今はヤツが持ってるのだなっ?」

ダル「いんや、ここに」ズイッ

岡部「あ……っ!?」

岡部(――あるっ、ここにある! あるぇええええええ~~~~!?)

岡部(じゃあ何なんだよこのメールはどっからぁああああ!!??)ブゥーーン

岡部「んなにっ!?」ビクッ

  
  from 紅莉栖
  sub
  
  岡部のやつ、ドクペ買っていってあげたらよろこぶかな……ふふっ、早く帰ろっと///
 

岡部「ふっ、ふひぃいい!?」

ダル「ちょっ、いきなり奇声上げんなし! びっくりしてエロシーンスキップしちゃっただろぅ!」

岡部(何なんだこのメールは……いったい何が起きている? これは助手からなんだよな!?)

        
  from 紅莉栖:よろこびのあまり、よしよしって、なでなでされちゃったりして……えへへ///


岡部「せんわ!! するわけがなかろう! アホかコイツはぁっ! お花畑か!!」

ダル「は? オカリン? オカリンこと岡部氏?」


  from 紅莉栖:……さっ、さすがにそれはないわよねっ。ありえない! 何考えてんだろ私ったら(゚ー゚;A
           さて、何本買っていこうかしら……


岡部「一本でいいっ、一本でいいからな助手! 冷蔵庫にも買い置きがたっぷりとあるのだ!」


  from 紅莉栖:一本で、いいわよね。おかべ的にも、わたし的にも……


岡部「よぉしっ、そうだ! いいぞ助手ファインプレーだっ……わたし的?」
  

  from 紅莉栖:一本を、しかたなく、本当にしかたなく二人で分けあって……

  from 紅莉栖:……岡部と、か、間接キス…………はぅ///


岡部「~~~~~!!」ジタバタ

ダル「うぇえええ~~~っ!! とうとう何らかの毒電波を受信した倫太郎さんパネエっす!!」

ダル「笹食ってる場合じゃねえ! おおおオカリンっ、大丈夫なん!? どうしてこうなった少しおちけつ!」

岡部「くぉれが落ち着いていられるかぁっ、ヤバいヤバい非常にマズいぞコレぇっ」ブゥーン


  from 紅莉栖:わぁーっ、わーっ、わぁあーっ!! また何を考えてるんだ私は! 氏にたい!
           クッションに顔うずめたいヽ(´Д`;)ノ


岡部「そっ、そうだ! お前は何を考えているのだっ! 目を覚ませぇっ!!」

ダル「え……僕? 僕はわりと普段からエロいこととか考えてますけど何か」

  
  from 紅莉栖:はぁ……どうしよう。

           最近わたし、岡部のことばっかり考えちゃってる……気を抜くとすぐこれなのよね……
 
岡部「なぁっ……」



  from 紅莉栖:何か別のことを考えてても、すぐにアイツの顔が頭に浮かんできて……

  from 紅莉栖:キュンって、胸が締めつけられるみたいで、身体が熱くなって……        

  from 紅莉栖:せつない……せつないよぅ、おかべぇ……


岡部「助けてくれ……ダル、助けてくれぇっ……」ガシッ

ダル「えちょっ、オカリン僕ノンケなんですけど抱きつくのらめぇっ、え、何、携帯?」


ブゥーン

  from 紅莉栖:でっ、でも、ラボに戻ったら、アイツに会えるかもしれないのよね……

       
  from 紅莉栖:今日もアイツの顔、見れるんだ……う、うれしいな……/// 
          って、ううんっ、うれしくなんかぁ!!

  
  
  from 紅莉栖:うれしくなんか…………えへへ///



ダル「…………」

岡部「というわけなのだが……」

ダル「日本の夏、壁殴りの夏!!」ドゴッ!!

岡部「ちょぉおお待て待てっ、まず説明してくれっ! いいかっ、ヤツは今DCメール機を持っていない!」

岡部「しかしなぜだか俺の携帯にはそれっぽいメールがどしどし寄せられてくるのだ! これいかにっ!!」

ダル「本当のとこは僕にもわからんけど……故障、っつーか」

ダル「牧瀬氏、とんでもないもんを作っちゃったと思われ」

岡部「な、に……?」

ダル「ちょいと待つお。こういう時は概念図に起こすのが一番だってばっちゃが言ってた」


キュッキュッ

   牧瀬氏の脳→DCメール機→オカリンの携帯 


ダル「流れとしてはこんな感じかなぁ。牧瀬氏の神経パルス信号をDCメール機が遠隔で読み取って」

ダル「電子メールにコンバートしたあと、オカリンの携帯へ。……つーかこれヤバすぎっしょ」

ダル「自分で言っててもすげえトンデモです、本当にありがとうございました」

岡部「ダルお前……字汚いな」
 
ダル「こ、こまけぇこたぁいいんだお! 心がピュアだから関係ない、今はそう思っている時期です!」

岡部「まあいい、理論は何となくわかった。しかしそもそも疑問なのは……」

岡部「……なぜそのDCメール機に、俺のアドレスが登録されているのだ?」

ダル「…………」

岡部「…………」

ダル「今は反省している」

岡部「お前かぁああああああああああ!! というかそれで壁殴りって矛盾しているではないかぁっ!!」

ダル「ぼっ、僕だってこんなことになるとは思ってなかったんだお! でもオカリン、安心したまへ!!」

ダル「……ひとつだけ、この状況を天元突破する方法があるのだぜ?」

岡部「それは俺にもわかるぞ。面倒だが、アドレスを変えればいいのだろう?」

ダル「あー残念不正解コロンビア。番号変えない限り無理ぽ」

岡部「何だそのムダな追尾性能はぁっ! いらんだろう確実に!」

ダル「オカリンの携帯に届いてるのはたまたまなわけだし……これぞジョシュタインズ・ゲートの選択ですな」

岡部「言ってる場合かっ! クソぅ、いや待てよ……まだこれがDCメールだと決まったわけではない」

岡部「助手の陰湿な嫌がらせかもしれんではないか! フハハッ、そうだそうだ、あるある」

ダル「ねーよ。むしろそっちの可能性の方が低いっしょ」

岡部「クククッ……フゥーッハッハッハ!! 科学者としてぇっ、あらゆる可能性をぉおおおん!!」ブゥーン

ダル「え、なにっ、どしたん!?」


  from 紅莉栖:あ……岡部の声が聞こえる……やっぱりアイツ、ラボにいるんだ……
  
  from 紅莉栖:まったく、相変わらずほんっと騒がしいやつなんだから……
         
  from 紅莉栖:……おかべっ、おかべっ///

ちょっとメシ食ってます


トン…トン…トン…トン…


岡部「タッ……ターゲットが帰還っ、接近中ぅうう!!」

ダル「ふー、びっくりした。動揺のあまりオカリンが絶頂に達したのかと思ったお……」

ダル「って、牧瀬氏がここまで来てるん!?」

岡部「あわあわわわあわ慌てるな、こここういう時はだなっ……こういう時は、どうしよう……」

ダル「ひっ、ひとまず様子見だろ常考! 当面は牧瀬氏にバレないように動くべき!」

岡部「ドクペだ!! ヤツがドクペを買ってきていればDCメールは真実である可能性がっ」

ガチャ


紅莉栖「はろー、戻ったぞー」


ダル「……まっ、牧瀬先輩ちぃーっす! ちすちっす!」

岡部「~~~~~っ」

紅莉栖「あら、岡部じゃない……入れ違いだったか。てっきり今日は来ないのかと思ってたわよ?」

紅莉栖「まっ、まぁ別に私はアンタがいようがいまいが、どっちだっていいんですけどー」



  from 紅莉栖:あぁ、おかべだ……/// 岡部の顔を見ると、すごく安心するよぅ……///


岡部「~~~俺は恥ずかしいわこの脳内処女めがぁっ!」

ダル「ちょっ、オカリン自重する気ゼロなん!?」

紅莉栖「ふぇっ!? きゅ、急に何よぅっ……なんなの、ずいぶんとご挨拶ね! いきなり処女て!」

岡部「あ、いやっ、す、すまなかった……いきなり処女はないな、少し動揺してしまってな」

岡部「フハッ、フハハッ、いやいやマズい、これも機関のイリュージョン・コンダクターからの」ブゥーン

紅莉栖「というかいきなりでなくても処女はやめろっ、このHENTAI厨二病!」

岡部「…………」

紅莉栖「っ? 何よ、言い返せないわけ? あぁはいはい図星つかれてビビったんですね、わかります!」

  
  from 紅莉栖:『動揺した』って、ひょ、ひょっとして……岡部も、私に会えてうれしかったの……?///


紅莉栖「さすが私、また勝利してしまったのね、はっ、敗北を知りたいわっ///」チラッチラッ

岡部(やめろ助手ぅうう~~~こっちを見るでないぃいい俺を巻き込むなぁああ)

ダル「牧瀬氏ェ……」


  
  from 紅莉栖:って、決めつけるのは早計よ私! 岡部がそう思ってくれてるとは限らないっ。

            ……証明! 証明が必要!
         

岡部「ダル駄目だ俺はもうムリだぁ、こんなにこっちまで恥ずかしいとは思わなんだぁああ」ヒソヒソ

ダル「そっ、早漏乙! つーか牧瀬氏にバレたら悶え転がって屋上から転落死されてもおかしくないレベル!」

岡部「言いたい……言っちゃってもいいんじゃないかなぁこれぇ……なっ?」ブゥーン


  from 紅莉栖:そ、そうだわっ、買ってきたドクペを……


岡部「――――!!」

岡部(ドクペ……しかもさっきから、ヤツは携帯をいじってないにもかかわらず、メールが来ているっ……)

岡部(――DCメール! 決定的っ……!!)

紅莉栖「ねっ、ねぇ岡部? ここにたまたま、ほんっとたまたまなんだけど、ドクペが、一本だけあるのよ……」

紅莉栖「私はっ、その……い、いっしょに飲んでも、いいと思う……///」ゴニョゴニョ

岡部「ダルぅっ、お前さっき、この状況から抜け出す方法があるとか言ってたよなっ!?」ヒソヒソ

ダル「あー言ったお。スマート系デブに二言はないお」

紅莉栖「ちょっ、二人して無視とか……人がせっかく提案してやったのに……なによぅっ」プクーッ

紅莉栖「岡部のばか、洋書の角に頭ぶつけろっ。ばーかばーかっ」

紅莉栖「……もう知らないんだからっ」プイッ

岡部「…………」

ダル「さっきも言ったけど、DCメール機はまだベータ版の試用品。簡易的な作りなわけで」

ダル「だから容量も比較的少なくて、オーバーすると自動的にプログラムが閉じるようになってる」

岡部「意図的にその現象を誘発せよ、と?」

ダル「そーいうこと。今うかつに本体いじったら牧瀬氏が危ないし、方法はこれしかないんじゃね?」

岡部「ヤツにDCメールをバンバン送らせれば済むのだな。なるほど単純ではないかっ!」

岡部「それでダル……容量というのはどれくらいなのだ?」

ダル「あー、まぁ、だいたい換算すると……」

岡部「…………」


ダル「10000通」


岡部「」

岡部「ぉおおおおおおおおおい!! おおおおおお多いぃっ!! おまっ、さっき少ないとかあぁっ!!」

ダル「比較的って言ったっしょ。完成品はもっと大きくなる予定だし」

岡部「おかしいだろ多すぎだろぉおっ! お前冷めすぎだろ! あぁ……あああ……1万通……だと……?」

紅莉栖「あの、ちょっと……ねぇ、岡部……」

ダル「ま、どうせオカリンならよゆーよゆー。相手が牧瀬氏だし、嫁だし」

岡部「嫁ではないし余裕でもなぁい! なぜそんな楽観的なのだお前はっ」ブゥーン

紅莉栖「おかべ……その、返事しろぉっ……少しくらい、こっち向いても……」

岡部「ん……?」

紅莉栖「おかべぇ……」



  from 紅莉栖:どうしよう……き、きらわれちゃったのかな……
           岡部をばかにするようなこと、私が言っちゃったから……


岡部「んなっ!?」


  from 紅莉栖:でっ、でも最初に言ってきたのはあっちだし! あぁでも、もし傷つけちゃってたら……
        
  from 紅莉栖:どうしよう、どうしよう……岡部に、きらわれたくなんてないよぅ……

  from 紅莉栖:私のこと、いっぱい……すきになってほしいのに……


岡部「……~~~」

紅莉栖「……ぐすっ」ウルウル

岡部「……そっ」

岡部「そういえばノドがすこぶる渇いたぞぉ~~なぁにこれぇ~~ここはサハラ砂漠かぁ~~?」

紅莉栖「!」ピクッ

岡部「あぁ~~死ぬぅ~~~こんな時は誰かと、そう、すぐ近くにいる誰かとドクペを分けあいたぁい」

紅莉栖「おっ、おかべ! ほら、これっ」ピョンッ

紅莉栖「ドクペが、たまたまここにドクペが一本だけっ、ちょうど一本っ、だから、私もその……」

紅莉栖「す、すっごい喉渇いてるし……飲まないと死んじゃうし……さ、先にいただくわね……///」

紅莉栖「…………」

ダル「牧瀬氏の口元がひどくだらしない件について」

紅莉栖「にっ、ニヤけてない! ニヤけてなんかないからな!」

紅莉栖「……///」ゴクッ ゴクッ

岡部(うわぁ~~~おいおい助手そんなニヤけるなこぼれるだろお前ニヤけるなぁああっ)

紅莉栖「ぷ、ぷはっ……やだ、少しこぼれちゃった、どうしてかしら。……ごめんなさい、あとで拭くから」

岡部「…………」

紅莉栖「はい、岡部も飲んでいいわよ」スッ

岡部「え?」

紅莉栖「『え?』じゃないが。さっき喉渇いたって言ってたでしょ。なによ、嘘だったの?」

岡部「え……い、いかないとダメなのかコレっ!?」ヒソヒソ

ダル「DCメールはたぶん、強い感情がトリガーになってる。ここは爆発覚悟の間接リア充キッス一択ですな」

岡部「なん……だとぉ……」

岡部(いくしかないと? 本当にいくしかないとぉ!?)

紅莉栖「…………じーっ」

岡部「っ!?」

紅莉栖「……///」ソワソワ

紅莉栖「…………」

紅莉栖「おかべ……」

紅莉栖「…………」シュン

岡部「ぬがっぐ!!」

岡部(わかったわかったわかったよやればいいんだろやればいいんだろえぇ!?)


岡部「えぇいコナクソぉおおおおおおおおおおおっ、ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ!!!!」


紅莉栖「!」

ダル「い、いったぁああああああああああああーーー……あ、もしもし壁殴り代行さん?」

ダル「240分のラグジュアリーコースでお願いします。トッピングはもちろん……」

ダル「メリケンサックだぁああああフゥウウーーーーーッ!! 愛してるぜお前らバカヤロォーーーッ!!」


ブブブブブブブゥーーーッ!!


岡部「ぶふぁあっ!!??」

ダル「な、なんぞ!?」


  新着メール:7件


  from 紅莉栖:岡部と間接キス岡部と間接キス岡部と間接キス岡部と間接キス岡部と……

  from 紅莉栖:……おかべ……もしかして、いやだったのかな……すごく躊躇してる……

  from 紅莉栖:ごめんね、いやだったら無理しなくても……って、岡部!? のっ、飲むの!?

  from 紅莉栖:おかべっ、あぁ、おかべっ、のむっ、のむのっ? ……のん……だ……?

  from 紅莉栖:飲んでくれた……飲んでくれた! やたっ、やったぁ! あぁっ……うれしいよぅ///

  from 紅莉栖:すごい、今日すごい! ずっとやってみたかった間接キスが……ってそんなことないから!

  from 紅莉栖:あぁでも、私やばいかも……顔、にやけちゃってる……真っ赤になっちゃってるよぉ……

紅莉栖「……///」モジモジ

紅莉栖「ふふっ……えへへ///」

岡部「…………」

ダル「…………」

紅莉栖「はっ!? こ、こほんっ/// じゃあ私、お腹空いたしカップラーメンでも作ってこようかしらっ?」

岡部「お、おおー……行ってくるがいいクリスティーナ」

紅莉栖「うんっ、おかべぇ/// って、こほぉん!! ティ、ティーナじゃない!」

岡部(修正すべきはそこか? そこなのか? うわ、うわぁ助手っ、口元とか頬とか!)

紅莉栖「まっ、まぁでも……あんたが助手だのティーナだの呼ばないようにここで強制されたことによって」

紅莉栖「私を呼ぶ回数が減るのならそれはラボメン間の交流の妨げになる蓋然性も低くないと言えるし」

紅莉栖「たっ、たまになら……どうしてもやむをえない状況ではあんたにだけそう呼ぶことを許可」ピーーーッ!

ダル「まっ、牧瀬氏! ヤカン吹いてるって!」

紅莉栖「はわぁっ! わわっ……ふーっ、と、とにかくそういうことなんだから! わかった岡部!?」

岡部「…………」

ダル「すごく……チョロイです」

岡部「…………」

紅莉栖「ずるずる……はふっ」

岡部(……ダルはああ言っていたが、よくよく冷静になってみれば間接キッスで7通という結果は)

岡部(目標が1万通ということを考えると……相当にヤバいのではないか?)

紅莉栖「うん、おいし……はむっ」

ダル「…………」カタカタ

岡部(クソぅ、どいつもこいつも能天気なっ……よし、メールなんて見ないことにしよう、そうしよう!)

紅莉栖「あ、ちょっと橋田? さっきのひっどいフザけたネーミングは考え直したんでしょうね」

ダル「ふ、ふざけてないお! いたって真面目な、紳士的ジェントルなネーミングだろ常考!」

紅莉栖「どこがよどこが! 『デレデレちゅっちゅ』なんてHENTAIな名前ゼッタイに認めないからな!」

紅莉栖「そもそも本音がわかるからといってデレデレになるとか、論理が破綻しすぎてる」

紅莉栖「そんなわっかりやすい人間がいたら今ここに連れてきてほしいくらいよ」キリッ

岡部「…………」

紅莉栖「ここはシンプルに、『披瀝メール』とかでしょ? 異論は認めないっ」

紅莉栖「……ま、名前なんて実験が終わったあとで決めればいいけど」

ダル「!」

岡部「じぃっ、実験は中止だぁっ!!」

紅莉栖「ふぇっ!? なっ、どうしてよ……?」

岡部「いや、だってっ、そぉんなすぐに実験することないんじゃないかなぁあ~~~と僕は思うよ!?」

紅莉栖「誰だアンタは」

岡部「……ダ、ダルが先ほど、DCメール機に深刻なエラーを発見したのだぁ」

ダル「そっ、そうそう。実は今修理中なんだお。だから当分、実験は後回しっつーか……」

紅莉栖「何よ、そうなの? 残念ね……さっきまではうまくいってたのに」

岡部「たまにはお前の言う通りっ、実験など抜きにして交流を深めようではないかぁっ、フハッフハッ」

岡部「お前とも、もっと深い仲になるべきだろうしな!」

紅莉栖「えっ……?」

岡部「え?」

岡部(しまっ……)

紅莉栖「深い、仲って……」


ブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブゥーーーーーッ!!

  
  新着メール:42件

  
  
  from 紅莉栖:深い仲……ふかいなかって、どういうこと……? も、もしかして……


  from 紅莉栖:……恋人、どうしとか……そういうこと……?

  from 紅莉栖:まっ、まさか! あの鈍感でトーヘンボクで厨二病の岡部に限って、そんなこと言うわけない!

  from 紅莉栖:でも、もし……ほ、ほんとうに、そういう意味で岡部が言ったんだとしたら……
 
  from 紅莉栖:岡部と、こいびとどうし……つきあって、カップルに……らぶらぶになるってこと……?

  from 紅莉栖:二人でデートとかして……ぎゅーって腕を組んで……すりすりして、はぐはぐするってこと?
 
  from 紅莉栖:ちゅっちゅってキスしたり……いっしょにぴたってくっついて寝たり、しちゃうの……?

 



  from 紅莉栖:あぁっ、そんなにらぶらぶなの? 岡部と私が、そんなあまあまなことしちゃうの……?

  from 紅莉栖:すごい、ウソみたいっ……はぅう、うれしい、しあわせだよぅっ……

  from 紅莉栖:想像しただけで、涙が出てきちゃいそう……岡部とそんな関係になれたら……

  from 紅莉栖:しあわせすぎて、しんじゃいそうだよぅ……///

  from 紅莉栖:だって、だってっ、当然よっ……私の一番、たいせつな人だもん……

  from 紅莉栖:今まで男の人に、こんな気持ちになったことなんてないし……

  from 紅莉栖:これからだって、きっと、ゼッタイにならないと思う……

  from 紅莉栖:岡部みたいな人、ほかにどこを探しても、この宇宙を探しても見つからない……

  from 紅莉栖:岡部が、私の心も、この気持ちも、ぜんぶぜんぶ、うばっていっちゃったんだもん……
  
  from 紅莉栖:私は、おかべだけが……私には、おかべだけが……


 

  from 紅莉栖:……だから、岡部と、こいびとどうしなんて素敵な関係になれたら……

  from 紅莉栖:もうほかには何もいらない……それ以上を望んだら、私の人生はしあわせすぎちゃう……

  from 紅莉栖:いつからだったか、わすれちゃうくらいずっと前から、ずぅっと夢にみてきたことだけど……
  
  from 紅莉栖:岡部とらぶらぶして、キスなんかできたら……とろんって、ふにゃふにゃにとろけちゃう……

  from 紅莉栖:そんなはずかしい姿、とても見せられないよ……

  from 紅莉栖:でも、でもでも……どうしても私は望んでしまう

  from 紅莉栖:私は岡部と出会うために、こうして生まれてきたんだと思うから……

  from 紅莉栖:私は、岡部のためだけに存在してるって……

  from 紅莉栖:きゅんきゅんする胸の奥で、私の心が、ずっとずっとそう言ってるから……

  

  

  from 紅莉栖:岡部の顔をみるだけで、身体がぶわってあつくなって

  from 紅莉栖:岡部のことを考えるだけで、頭がぽーっとして、顔がふにゃってなっちゃうのは……

  from 紅莉栖:やっぱり、私が……岡部のことを……

  from 紅莉栖:あなたのことを……

  from 紅莉栖:……でも、ちょっと待って、私……

  from 紅莉栖:こいびとどうしって……らぶらぶであまあまな、他人がうらやむくらいの恋人どうしって

  from 紅莉栖:もっとすごいことをするはずだわ……

  from 紅莉栖:キスも、さっきみたいな間接キスなんかじゃなくて……      

  from 紅莉栖:おたがいの目に、おたがいが映りこんじゃうくらい近くで、みつめあって、

  from 紅莉栖:息がとまるくらい、時間をわすれちゃうくらい……つばが、あふれちゃうくらい……

  from 紅莉栖:ほしい、ほしい、もっとほしいって……おたがいがきゅんきゅんって、求めあうような……

  from 紅莉栖:ふわふわの綿菓子みたいに、とろけるみたいにあまい……
  

 
  
  from 紅莉栖:はわわ……はわわわっ、だめぇっ、これ以上想像したらっ、わたし、私っ……


  from 紅莉栖:あぁ、どうしよう、おかべっ、岡部と……あぁ、岡部とこいびとどうしなんてっ……

  from 紅莉栖:だめよっ、まだ心の準備がっ……でも、岡部となら全然……ちがっ、何言ってるの!

  from 紅莉栖:やだっ、恥ずかしいよ、ううん、違わない……おかべっ、おかべ……岡部とこいびと……



紅莉栖「…………はぅ///」

岡部「~~~~~っ!!」

岡部(くぉおおおおお~~~見ないっ!! 見ないぞぉ俺はぁっっ!!)

岡部(なぜならそう決めたのだ! なぜならそう決めたのだ! 二回も言ってやったのだ!)

紅莉栖「…………」

岡部「…………」

岡部「じょっ、じょしゅ」

紅莉栖「あの、おかべ……」

紅莉栖「……今の」

岡部「へっ!? あっ、いや、」

岡部「へぇっ、変な勘違いをするなよっ、何を隠そう、キサマは俺の助手ではないかっ」

岡部「より緊密な関係を保っておくに越したことはないからなっ……フハー……ハハー……」

紅莉栖「そ、そう……」

紅莉栖「より、緊密な……」

岡部「…………」

紅莉栖「……はぅ///」

岡部(この助手ダメだぁあ、そして俺もダメだぁあああ、やはりこんなの耐えられんぞぉっ……!!)

岡部(策を見つけねば、このままでは何日、いや何週間あっても足りない!)

岡部(到底ごまかしきれないっ……!!)

紅莉栖「ずるずる、はむっ……」チラッ

岡部(まずは落ち着け……落ち着いて、ドクペでも飲もう)

岡部(一回やってしまうと慣れるものだな……間接キス)ゴクゴク

紅莉栖「…………」チラッチラッ

岡部「………む」

岡部「どうした助手よ」

紅莉栖「…………」

紅莉栖「……えっ、やっ、何でもない!」

岡部「そ、そうか……」

紅莉栖「……ちゅるちゅる///」

岡部(くぅううう~~~~何だこの空気はぁっ、ダルっ、ダルお前そこでエロゲをやるなぁあ!!)

岡部(俺一人ではとてもムリだ……だがしかし、何とかするしかない!)ゴクゴクゴクッ

紅莉栖「…………」ジーッ

岡部(久しぶりだぞ、こんなに頭を使うのは……)ブゥーン

岡部「っ!」

紅莉栖「…………」

岡部(見ない見ない……いや、みっ、見るべきか? これは助手からのメッセージなのだ、何かのヒントが……)

岡部(だがっ、だがぁ……さっきは見ない、気にしないと決めたわけだし、だがまったく見ないわけにも……)

岡部(……うぅ)ゴクゴク

岡部「」チラッ


  from 紅莉栖:かっこいぃ……///


岡部「べふぅううううううーーーーーーーーーーっ!!!!」ブーッ

ダル「ぐわああああああああああああああああ!!!!」

ダル「オカリィイイイイン! ふざけんなし!! パソコンにもちょっとかかっちゃったじゃんかよぅ!」

岡部「すっ、すまん!! いや、これって俺のせいなのか!?」

ダル「ここに来て開き直るとかマジ勘弁! クッソぅ、貴重なエロシーンが……」

紅莉栖「はいはいケンカすんな。……ほら岡部、これ、タオル」

岡部「ああ、すまん……」

岡部「…………」

紅莉栖「ふぇっ、ちょっ、ちょっと何……なんで見つめるのよぅっ……///」

岡部(何でだろうなどうしてだろうなぁクリスティーナぁああああ)

岡部(……はぁ、八つ当たりしても仕方あるまい……)

岡部「ダル、背中を拭いてやろう。かかってしまっているからな」

ダル「ウホッ、サンキュー、ウホッ」

岡部「ウホウホ言うな!」

岡部(本当に、どうすればいいのだ……紅莉栖が帰るまでやり過ごすしかないのか……?)フキフキ

紅莉栖「…………」

ブゥーン

岡部(またか……今はいったい何通目なのだ……もう限界だぞっ……)


  from 紅莉栖:おかべにふきふき……うらやましいな……///


岡部(ぐぬぬぬぬぬぅうっ、ああすればこうデレおってええぇっ)フキフキフキフキフキフキ

ダル「ちょっオカっ、ぐあああああ摩擦ぐあああああ!! 僕の一張羅の3XLが燃えるおおおお!!」
 

  from 紅莉栖:わ、私もこぼしたら……ふいてもらえたりして……ってダメよそんなのダメ!

  from 紅莉栖:岡部に、迷惑がかかっちゃうもの……あぁでも、ふきふき……おかべに、私の……はぅう///


岡部「紅莉栖!!」

紅莉栖「ひゃ、ひゃいっ!? って、今、名前で……」

岡部「今日はまゆりはどうしたか知っているか? ……やけに遅いからな」

紅莉栖「まゆり? まゆりならコスプレ仲間と会うから遅くなるって……アンタ知らないの?」

岡部「っ、そっ、そうなのか?」

がちゃっ

まゆり「うわさをすればっトゥルー!」

まゆり「えっへへ~、コス談義がもりあがって遅くなっちゃったのです。ただいま~」

ダル「あっ、まゆ氏! なんという神タイミング! 僕のシャツの背中が荒ぶってるんだ助けて!」 

紅莉栖「はろーまゆり。何だか知らないけど、岡部がすっごく心配してたわよぅ?」

まゆり「え~なになに? どうしたのオカリン、まゆしぃに会えなくてさびしくなっちゃったのかな~?」

まゆり「……えっと……オカリン……?」


  from まゆり
  sub

  今日はフブキちゃんと会ってからラボに行くね。
  なにか買ってきてほしいものとかあるかな?


岡部「…………」

岡部(……メールが、来ていたのか……)

岡部(大量のDCメールに流されていて、気づけなかった……)

岡部(……気づけなかった……)

岡部「…………」

紅莉栖「……岡部?」

紅莉栖「岡部、ねぇ、どうしたのよ?」

まゆり「オカリン、だいじょうぶ……?」

岡部「…………」

岡部(……何だよこれ)

紅莉栖「そっ、そういえば岡部……さっきからすごい携帯見てるけど、何か嫌なことでもあったの?」

紅莉栖「黙っててもわからないわよ? ほら、話してみなさいって」

まゆり「……オカリン」

紅莉栖「私たち、その……」

紅莉栖「仲間じゃない……」

岡部「!!」ブゥーン


  from 紅莉栖:岡部のやつ……どうしたんだろ。携帯ってことは……メールか何か?

  from 紅莉栖:か、彼女からとかだったりしないわよねっ?/// もしそうだったらゆるさな……
           ……ってこんな時に何考えてるのよぅっ、自重しろ私!///  

岡部「は、はは……」

岡部(……何だよ、これ)

岡部(もう、いい加減にしてくれよ……)

岡部(お前の気持ちばかり押しつけて……俺の都合は、俺の気持ちはどうなるんだよ……)

岡部(仲間? 仲間って何だよ……お前の本音は見え透いてるんだぞ? 簡単にその言葉を使うなよ!!)

紅莉栖「岡部っ!」

岡部「……っ!!」

岡部(クソ、駄目だ俺……最低だっ……もう嫌だ!!)


ガタンッ!!


岡部「……少し、頭を冷やしてくる」

ダル「ちょっ、オカリン! すまんかった! いったん落ち着こうって!!」

紅莉栖「ねえっ、何なの、どうしたっていうのよ! 少しくらい教えてくれたってっ……」

岡部(教えられるわけ……ないだろ……)

紅莉栖「ちょっと岡部っ、黙ってなんて行かせないわよ!」 

紅莉栖「行かせないからな!」

まゆり「オカリンっ!」


ブゥーン


まゆり「メールが………」

岡部「え」

岡部(メー、ル……? 俺の携帯……)

岡部(開きっぱなし……)

岡部(そこに――)

まゆり「これって……ど、どうして……?」

ダル「あ……あぁっ!!」

岡部「――まゆりっ!! よせっ――」



まゆり「……紅莉栖ちゃんからって……出てるよ……?」



紅莉栖「――――」

岡部「あぁ……」

岡部(……もう、駄目だ……止まらない……)

紅莉栖「メール……私から……?」

岡部(この天才少女は……聡明すぎるくらい聡明なこの少女は……)

紅莉栖「ちょっと、待ってよ……イヤっ……嘘でしょ……?」

岡部(どんなごまかしを並べるより、どんな慰めをかけるよりも早く)

紅莉栖「嫌……嫌よ……そんなのイヤぁっ……」

岡部(あっという間に、悟ってしまう――!!)

紅莉栖「嘘よっ!! こんなの……こんなのぉっ!!」

まゆり「クリスちゃん!!」

岡部(――それでも、何も言わなくていいはずはないっ!!)

岡部「紅莉栖!! すまないっ、本当にすまないっ」

岡部「そのっ、自分の心のうちを知られていたというのはショックだろうが、だがっ」

紅莉栖「――――っ!!」

岡部「お前はラボメンだ、仲間だ……お前が何を思っていようと、何を考えていようと、俺はっ」

紅莉栖「……違う」

岡部「え?」

紅莉栖「違うわ……そんなの、ちがう……」

紅莉栖「岡部の言っている『仲間』っていうのは、ちがうよ……」

岡部「紅莉栖っ!?」

紅莉栖「ねえ岡部……」

紅莉栖「……私って、ラボメンなの?」

岡部「――なっ、ぜ、」

岡部「そんなことを……」

紅莉栖「仲間だから、私が何を考えていようと認めてくれるって? ショックを受けることはないって?」

紅莉栖「アンタは誰なの? ……何様なの?」

ダル「牧瀬氏っ……」

紅莉栖「わたしはっ、私は」

紅莉栖「……アンタたちが、アンタが」

紅莉栖「私に相談してくれなかったことが……、一番ショックよっ……」

岡部「――――」



バタン!!


岡部「紅莉っ……栖……」

岡部「…………ぅっ、う、うっ……」

まゆり「オカリン、まゆしぃはっ、まゆしぃ、こんなことになるって思ってなくて」

まゆり「オカリンは悪くないからねっ? 悪いのは」

岡部「クソぉおおおおおおっ!!!」

ダッ

ダル「まっ、待てよぅっ!! オカリンちょっと待てって!! 頼むよオカリィン!!」

岡部「フザけるなぁあああ離せダルっ!! 離せよぉおっ!! 行かせろっ、行かせろぉおおおっっ!!」

岡部「ここで追いかけなかったらっ、俺はっ、俺はぁっ……!!」

岡部「本当にっ、最低のクズになってしまうではないかぁっ……!!」

岡部「あぐっ、うっ……頼むよダルっ……行かせてくれ……紅莉栖に……」

ダル「行かせないなんて、一言も言ってないっしょ? ……落ち着いてくれ、オカリン」

ダル「話があるんだ……」


――――――――――――――

――――――――――

―――


ギィ…


紅莉栖「…………」

紅莉栖「…………」

紅莉栖「……っ」

岡部「…………」

岡部「紅莉栖」

紅莉栖「……それ以上、こっちに近づいてきたら殴るからな……」

岡部「よかった……ラボの上にいたか……」

岡部「もっと遠くに行かれたら、どうしようかと思っていたぞ」

紅莉栖「どうせDCメールがある。遠くに行ってもすぐにバレるから。余計な体力使う必要ないでしょ」

紅莉栖「……アンタは追いかけてくるって、わかってたし」

岡部「フ……ハハ……そう、か」

岡部「お前らしいな……紅莉栖らしい……」

岡部「さすがは天才少女だ……」

紅莉栖「…………」

岡部「…………」

岡部「……その……紅莉栖」

岡部「すまなかった」

紅莉栖「もう聞いたわよ、それ」

紅莉栖「……悪いけど、一人にさせてくれないかしら」

岡部「いや……そうはいかない」

岡部「俺も、聞いた」

岡部「ダルから全て聞いた」

紅莉栖「っ!?」

紅莉栖「それ、って……」

岡部「DCメール……その案を持ち寄ったのはどうやらダルらしいが」

岡部「俺のアドレスを登録させたのは、紅莉栖だと」

紅莉栖「~~~~~っ///」

岡部「すまなかった、本当に」

紅莉栖「それならっ! アンタが謝る必要なんてないでしょ!? 私が悪いってことじゃない……」

紅莉栖「わかってるわよ……私が最初から、あんな道具に頼らなければよかったなんて……わかりきってる」

紅莉栖「何が天才少女よ。その頭で人を困らせてるんだったら……ただのバカじゃないっ……」

岡部「マッドサイエンティストだろう?」

紅莉栖「それはアンタだろうがっ……お願い、もう帰ってよ……疲れてるの」

岡部「俺は違う。俺は岡部倫太郎だ」

紅莉栖「え……?」

岡部「今だけは……な」

紅莉栖「…………」

紅莉栖「わからないよ、岡部……」

紅莉栖「私には……アンタが、アンタの言いたいことが……」

岡部「無理もない。俺にさえわかっていないのだから」

岡部「怖くなって、おかしくなってしまいそうで、自分は結局何をどうしたいのか、さっぱりだった」

岡部「気づいたら、まゆりにも全てを話していた。そうしたらアイツ……何て言ったと思う」


  まゆり『オカリンは……オカリンだよ』

  まゆり『だって今、オカリンは、走り出そうとしてるよ? クリスちゃんを追いかけようって』

  まゆり『……それでね、クリスちゃんも、クリスちゃんなの』

  まゆり『どんなときに、どんな気持ちでも』

  まゆり『どんなにいやなことがあっても、どんなにびっくりすることがあっても……』

  まゆり『まゆしぃたちは、ラボメンなのです!』

  まゆり『えっへへ~。……怖がることなんて、何もないんだよっ、オカリン?』

紅莉栖「……まゆり」

岡部「目が覚める思いだった。お前から言われたことにしてもそうだ」

岡部「……俺は、うぬぼれていた」

紅莉栖「…………」

岡部「状況に酔っていたのだ。お前の本音がわかってしまうというこの状況に」

岡部「一人で勝手に苦しんで、一人で勝手にほくそ笑んでた」

岡部「そうして、一番大事なことを見失っていた。お前も一人の、意思を持った人間であるというのに」

岡部「仲間だのラボメンだの抜かしておきながら、一番信用していないのは俺だった」

岡部「一番ラボメンを見ていないのは……見て見ぬ振りをしていたのは、俺だった」

岡部「『ラボメン』という、『仲間』という言葉に、甘えきっていたのだ……」

紅莉栖「……岡部」

岡部「最低の男だ、俺は。……殴ってくれてもかまわない」

紅莉栖「…………」

岡部「…………」

紅莉栖「……っ」

岡部「紅莉栖」

紅莉栖「っ!!」

紅莉栖「~~~~~っ」

岡部「――――」



――パァンッ!!!!


岡部「っ!! つっ……」

紅莉栖「…………ぁっ」

紅莉栖「……はぁっ……はぁっ」

岡部「…………」

岡部「いや……お前」

紅莉栖「はぁっ、はっ、はぁっ」

紅莉栖「なによっ、何か文句あるのっ……!?」

岡部「いや、だから……」

紅莉栖「……っ」

岡部「自分をはたいて……どうする」

紅莉栖「私としたことがっ、まったく! ほんっとトンデモない不良品を作っちゃったものだわ!」

岡部「紅莉栖……」

紅莉栖「でも……もうおしまい。明日からはもう普通の私だから」 

紅莉栖「またいつも通りのラボよ。全部忘れて」

岡部「何をっ……」

紅莉栖「DCメール機は破棄する」

岡部「っ!! それではお前が!!」

紅莉栖「いいの、これは罰よ……行き過ぎたマッドサイエンティストへの、罰……」

岡部「おい待て!! 紅莉栖っ!!」

紅莉栖「それ以上近づいたら殴るって言ってるだろ!!」

岡部「殴ってくれてかまわないと言ったではないか!!」

紅莉栖「揚げ足とるなぁっ! ああっ、もう、ホントうるさいアンタっ、信じらんないっ……!!」

岡部「逃げるのか! 忘れろというのか! お前なら無駄だとわかっているはずなのに!」

岡部「俺は何度でも追いかけるぞ! 地の果てまで追いかける!!」

岡部「紅莉栖っ、お前は大切な……」

紅莉栖「っ……!」

紅莉栖「……仲間、だからでしょ」

岡部「え……?」

紅莉栖「…………岡部」

紅莉栖「おかべ……おかべっ……」

紅莉栖「……ごめんね、岡部……」

岡部「なっ……」

紅莉栖「大切な仲間だって、言ってくれるのはうれしいよ……」

紅莉栖「でも、つらいよ……」

岡部「…………」

紅莉栖「私は、岡部の……こいびとになりたかったんだよ……?」

岡部「――――」

紅莉栖「ごめんね、岡部……私が、岡部の気持ちも考えないで、望んじゃったからだよね……」

紅莉栖「望まなければ、元のままでいられたのにね……」

紅莉栖「ふふっ、むずかしいね……」

岡部「紅莉栖、それはっ」

紅莉栖「私の頭じゃ、解けないや……」

岡部「紅莉、栖……」

紅莉栖「さよなら、岡部」

紅莉栖「さよならっ……」

岡部「…………」

岡部「…………」

岡部「……わかった」

岡部「どこへなりと行くがいい。もう何も言うまい」

岡部「だが最後に、一つくらいは……言わせてくれないか」

紅莉栖「…………」

岡部「お前の作ったDCメールは……すばらしい出来だったぞ?」

紅莉栖「何よ、それ……何なのっ……」

紅莉栖「どういうつもりよっ!」

岡部「さてはお前、電源を切っているな? すでに受信しているはずなのだが」

紅莉栖「――――!!」

紅莉栖「まさか……アンタっ……!!」

岡部「まさか? まさかとはどの『まさか』だぁ? ククッ、俺にはさっぱりだがなぁ」

岡部「そうやってしゃべっている暇があるならキビキビ携帯を開け、助手ぅ~」

紅莉栖「助手じゃない! っていうか、アンタさっき岡部倫太郎だって!」

岡部「それはもう終わりだ、俺は鳳凰院凶真だぁああ~~~フゥーーーッハッハッハッハ!!」

紅莉栖「っ!!」




  from 岡部: 紅莉栖 好きだ




紅莉栖「――――」


  from 岡部:俺は、お前が好きだ

  from 岡部:大好きだ。好きで好きで、好きで好きで好きで好きで、死にそうなくらい、好きだ。

  from 岡部:どんなにわがままだって、どんなに臆病だって、お前以外の女の子なんて、考えられない。


紅莉栖「おか、べ……」


  from 岡部:これが、俺の本音だ。嘘なんかじゃない。信じてくれ。

  from 岡部:お前の本音が聞けて、動揺も困惑もしたが、やはり、俺はうれしかったのだ。

  from 岡部:だからお前も、俺の本音をうれしく思ってくれていれば、うれしく思う。


紅莉栖「ぷふっ……何よそれ……」


  from 岡部:お前が、俺に出会うために生まれてきてくれたように

  from 岡部:俺もまた、お前に出会うために生まれてきたのだと、
 
  from 岡部:俺は、お前のために存在しているのだと、そう信じている。


紅莉栖「うっ……うぅっ……」


  from 岡部:俺の言葉や、一つ一つの行動に動揺してくれる、お前が好きだ。

  from 岡部:俺もまた、お前の言葉を胸に刻んで、お前の動きをいつも目で追っていた。

  from 岡部:だから、紅莉栖。

  from 岡部:俺たち二人で、他人がうらやむくらいの恋人どうしに、なってやろうではないか。

  from 岡部:お前がしてほしいことは全部、俺が叶えてやるから。夢なんかにさせやしないから。


紅莉栖「おかべっ……おかべぇっ……」

  

  from 岡部:心の準備は、もうできたか?



紅莉栖「ううぅっ……うぁあっ……うわぁあああんっ……!!」

岡部「なぁっ!? えちょっ、おまっ、泣くとかっ!」

紅莉栖「だってっ、だってぇ……ぐすっ、おかべがっ……おかべがぁっ……」

岡部「よしよし……」ナデナデ

紅莉栖「……ぐすっ」

岡部「む……」ナデナデ

岡部「紅莉栖……泣き止んだか?」

紅莉栖「…………」

紅莉栖「んー? んぅー……えへへ///」

岡部「おい……」ナデナデ

紅莉栖「まだよ、まだ全然……んっ/// まだ全然泣きやんでないんだから……」

岡部「ま、まったく、この助手は……」

紅莉栖「なによぅ、私のしてほしいこと叶えてくれるって言ったの……岡部じゃない」

岡部「ぬぐっ! い、言ったには言ったが……」

紅莉栖「ふふっ、おーかべっ///」ムギュー

岡部「ぬおい! お前っ、急にデレすぎではないかっ!?」

すみません、寝てきます。やっぱり今日中には終わらんよなぁ
スレが残ってたら続き書かせてください
もうちょっとだけ続くんじゃ

                ハ{::::::::/::::::::::::::::::辷,_:ヽ:::\:::::::::::::::::::::::::::}/:::::::::::::::人ノ丿
                  ∧/⌒ヽ─-::::::::ユ  /^ー-ニ:;_:::::::::::::::::::ノヘ:::::::::::彡::/
              / :∨ ハ ':::::::::爻   {    /⌒^'ー--‐¬}弌-ァ<⌒ヽ
                /  /ハ  l }:::::彡     {    {        ,リ } {:{::l ヽ ',
.               /   /  ∨ }::リ   __       {        / / 从:{ ハ} :}
                ', /     ', }::l    ⌒^弌、   ヽ        / ハ::::}/ }
             ∨ ,rヘ //∧:l     l朷トミ≧ュ_     _,x≦ /ノ乂 /
             /  V  /////ハ    `¨ - 'j `-‐´ /f拆テァ ああ、俺だ
          ノ「   / ////'  ̄ ̄)           / ^¨  ′ '
           /  |:  / /./  / ̄'.'.          ,′    / 
    _.. -‐'^ / |: l  {/  ≠::::; -‐- 、    ,   :     /│
. -‐''^        ││ ./  ∧:/   . - \    ヽ ノ   / }| 機関の妨害が入っている!気をつけろ!!
            l | ./  //  /:::::::ヘ ┘rー-  .._   .     リ
            ∧〈 {  '   /_,. -─ヘ.  `二ニ´ /     / 取り合えず、
           / ヽ',       '´  ,.‐ァ寸  ; ; / |   }/
     \     /   }         / /   `ー++チ'  │  /  このまま保守するとだけ伝えておこう………
       \         {         {       //|     | /
        \       {         }_   _彡 |    l }   ………エル・ブサイ・コングルゥ………!!


地面か…

フンッ!

うわ、なんだこれ!熱っ!
マグマ!?マグマだ!
 ̄ ̄ ̄V ̄ ̄カチカチ

            , ⌒´  ̄` ヽ

             /:{ : : : : : : : : : : :\
       ii   /,::'/!: : ;.((: :n、: : : 、: ヽ
     i⌒i   i : { {Λ(.リN (~`i : : : : : }
     |:[]:|.  }::┌●┐ ┌●┐イ: : :(
     \_\ (:::|l⊃ ̄  . ̄⊂⊃: :|ノ し ・・・
        / ̄ヽ).|ヘ   ‐ー    j /⌒iヾ)
      \ < ):〉>,、 __, イァ/  /:: 〉 
.       /ヾ ツ  ヘM_/´ {ヘ、 .∧ (_ノ
       ` 、 ´   〈〈    ヾ、Vシ:リノ

1です。保守ありがとうございます。なんかだらしなくて本当にすみません

できる限り保守がてら、ぼちぼち投下していこうと思います。
途中時間が空くかもしれませんが、埋まるまでには絶対に終わらせるつもりです

だらしなくてすみません

紅莉栖「おかべっ、おかべぇ///」スリスリ

岡部「聞いとらんし……」

紅莉栖「おかべ……おかべだ……えへへっ、おかべぇっ///」ムギュー

岡部「わかっ、わかったから、少し落ち着くのだっ」

紅莉栖「こっ、これはアンタのせいみたいなもんよ……今まで甘えたくても甘えられなかったんだからっ」

岡部「少しくらいなら平気だったかもしれんぞぉ?」

紅莉栖「どの口が言うか! ……でも、やっぱり無理だったと思うけどっ」

紅莉栖「だ、だって、あんたに会うたびに……その……むぎゅーって、抱きつきたくなってたわけだし……///」

岡部「…………うっ」

紅莉栖「『うっ』て何よ、『うっ』て! もう知らないアンタなんかっ! やっぱり殴ってやるぅっ!」

岡部「はぁ!? ちょっ、理不尽すぎだろ!!」

紅莉栖「うるさいうるさいっ、口答えすんな! 目つぶって歯食いしばんなさいっ!」

岡部「のわぁあ!? やめっ、考え直せクリスティーナぁあっ!!」


チュッ

岡部「…………へ?」

紅莉栖「…………」

岡部「紅莉、栖……今」

紅莉栖「~~~~~///」

紅莉栖「……うるさいっ、こ、こっち見んなっ。見えないように、もっと、抱きしめなさいよっ……」

岡部「ああ……こ、こうか?」ギュッ

紅莉栖「ちがっ……腰に手を回してくれないと、むぎゅーって……くっつけないでしょっ」

岡部「では、こうか」ムギューッ

紅莉栖「ふぁんっ/// そ、そう……///」

岡部「にしても華奢だなお前。ちゃんと食ってるのか?」

紅莉栖「こら。女の子に言う言葉じゃないだろ。というか、私は、その……」

紅莉栖「お、岡部が抱きやすいように、なってるんだもん……///」

岡部「そ、そうか……///」

紅莉栖「…………」

岡部「…………」

岡部「く、紅莉栖」

紅莉栖「ねえ、岡部……」

岡部「っ、何だ?」

紅莉栖「私……もう、がまんしなくていいんだよね?」

岡部「あ、ああ」

紅莉栖「岡部……いいの? 本当にいいの?」

紅莉栖「私、岡部が驚くくらい甘えちゃうよ? いっぱいべたべたしちゃうよ? 私の愛は……重いんだからね?」

岡部「愚問だ。受け止めてやる」

紅莉栖「……っぁ///」

岡部「く、くりす?」

紅莉栖「……あの……えっと///」

岡部「ん?」

紅莉栖「……その、ね……」


紅莉栖「すき……です……」

岡部「紅莉栖……」

紅莉栖「私、は……あなたがすきです。岡部倫太郎のことが、だいすきです」

紅莉栖「あなたのことしか考えられないくらい……いっぱいいっぱい……すき」

紅莉栖「あ……愛してる……かも……///」

岡部「っ……///」

紅莉栖「…………」

紅莉栖「岡部は……あなたは、私のこと……」

岡部「…………」

岡部「……その、お前にはいつも、先を行かれてしまうな……情けない限りだ」

岡部「俺も、お前のことが好きだぞ」

岡部「あ……愛しているっ」

紅莉栖「……ぁ」

紅莉栖「うん……ありがと……私もすき……///」

紅莉栖「だいすき……おかべ///」

紅莉栖「んっ……んぅっ……おかべぇ……///」スリスリ

岡部「なっ、何はともあれ、これで俺たちも晴れて恋人どうしになれたというわけだなっ、実にめでたいっ」

紅莉栖「だ、だめっ、ちがうそれっ」

岡部「っ?」

紅莉栖「ら……らぶらぶな……恋人どうし、でしょっ……///」

岡部「う、うむ。その……うむ」

紅莉栖「むぅーっ/// おかべ今、目そらした……私とらぶらぶするの、いやなのっ?///」

岡部「そっ、そうではなく!」

紅莉栖「いいもん……勝手にむぎゅーってするから……」ムギュー

紅莉栖「逃がさないもん……///」スリスリ

岡部「俺はその……壁を、越えられそうだと思ったのだ」

紅莉栖「……壁?」

岡部「俺とお前で、合わせて10000通に達すれば問題ない」

岡部「DCメールは停止する」

紅莉栖「あ……」

紅莉栖「そうか……そういう、ことよね……」

岡部「俺たちならいけるはずだ。1万通なんてどうということはない。そうだろう紅莉栖?」

紅莉栖「うっ……うん……おかべと……///」カァーッ

岡部「何故……赤くなっているのだ?」

紅莉栖「なっ、何でもない……なんでもないよ……///」

岡部「ふむ。しかしまあ、これからのことは明日以降にしたほうがいいかもしれん」

紅莉栖「え……?」

岡部「色々なことがあったしな。お前も疲れただろう。俺もいささか疲れたよ」

岡部「今日は帰って、ゆっくり休め。……な?」

紅莉栖「…………」

岡部「……紅莉栖?」


ブゥーン

岡部「な、メールっ……?」

紅莉栖「……や、やだ……///」ムギューッ

岡部「…………」

紅莉栖「……見ないでっ///」スリスリ

岡部「いや見る」

紅莉栖「やんっ、ちょっとぉっ!!///」ムギュゥーーーッ


  from 紅莉栖:……キス、したい……


岡部「っ……」


  from 紅莉栖:まだ、はなれたくないよ……全然たりないもん……まだらぶらぶじゃないもん……

  from 紅莉栖:岡部ともっとキスしたい……もっともっと、くっつきたい……

  from 紅莉栖:ちゅー……したい///


岡部「…………」

紅莉栖「//////」カァーッ

岡部「フ……フフッ……フハハッ、そうかっ、そうかそうかぁ!!」

岡部「まったく処女のくせに生意気だなクリスティーナ! いや処女だけにカップル願望は人一倍強いのかぁ!?」

紅莉栖「……///」プイッ

岡部「しかしいいか!? 俺たちは恋人になったばかりなのだぞ!? そういった類のことはこれからゆっくり」


ブゥーン


岡部「あっ」

紅莉栖「!! メールっ……」

岡部「あちょっ、みっ、見るでなぁああいっ!!」

紅莉栖「やだ見るもん。ほら、だめっ、あっち行きなさいよぅ」

岡部「あぁぁあ頼む紅莉栖ぅうううっ!!」


  from 岡部:俺もしたいっ。紅莉栖と……キスがしたい


紅莉栖「……ぁっ///」

岡部「~~~~~」

紅莉栖「おかべ……///」

岡部「なっ、あっ」

紅莉栖「お、岡部もしたかったんじゃない。まったく、ほんと素直じゃないんだから……えへへ///」ムギュー

岡部「~~~ぉおおおおおおっ、わかった俺が悪かったよそりゃ俺もこのまま別れるのは少しさびしかったよ!! 
    お前ならわかってくれるだろぉっ!」

紅莉栖「ぷっ……ふふっ」

岡部「へぇえ!?」

紅莉栖「かわいい……岡部///」

岡部「ぬがぁあああっ!! えぇいこっちを向けぇ紅莉栖っ、そして目を閉じるがいい!!」

岡部「先ほどはお前に奪われてしまったからなっ! 今度はお前のファーストキスを奪い返してやるのだっ!!」

紅莉栖「ざっ、残念だったわね……私、別に、ファーストキスじゃないし……」

岡部「え」

岡部「……え? 本当、なのか?」

岡部「い、いつだ……?」

紅莉栖「そんなの……とっくに忘れたわよ……」

紅莉栖「いつだったか、忘れたけど……あんたがラボで昼寝してるときに……その、がまんできなくて……」


紅莉栖「し、しちゃったのっ……キス……///」


岡部「」

紅莉栖「なっ、なによぅ! 別にいいでしょっ!? ついでに白衣くんかくんかなんて全然してないんだし!」

岡部「おい。おいそこの助手」

紅莉栖「あまつさえ岡部の腕とか胸とかほっぺとかにすりすりむぎゅーっなんてするわけないんだからっ!!///」

岡部「いや、その、こっちを向いてくれないか紅莉栖。……こっちを向いて、目を閉じ」

紅莉栖「んー……///」

岡部(はやっ)

岡部(コイツもうDCメールとかいらないんじゃないのか……)

紅莉栖「おかべぇ……///」ムギューッ

岡部「あ、ああ。……その、いいんだな?」

紅莉栖「うん……いいよ……///」

岡部「…………」

紅莉栖「あの、ね……頭がまっしろになるくらい……」


紅莉栖「こわれるくらいにしちゃっても……へいきだから……」


岡部「――――」

岡部「紅莉栖」

紅莉栖「おかべ? ひゃっ、んむぅうっ!!??」

岡部(紅莉栖っ、紅莉栖! 紅莉栖!!)

紅莉栖「んちゅっ、おかべっ、おかべぇ……ちゅっ、ちゅぱっ、おかべっ」


ブゥーン

くそっ…


俺ってなんで生きてるんだろ…



  from 紅莉栖:おかべっ、すき、だいすき……岡部すきぃ……


岡部「んっ、んんぅ……んんっ」


  from 岡部:紅莉栖……好きだ、大好きだっ……紅莉栖、紅莉栖っ


紅莉栖「ちゅぅっ、ちゅぱ、ちゅむっ……岡部ぇ、もっと、もっとぉ」

岡部「んううっ」

紅莉栖「んむっ、おかべぇ/// ちゅるっ、ちゅぷん、ちゅぅうっ……はぁっ、おかべぇっ」

紅莉栖「はぅんっ、んぅっ///」ムギューーッ


  from 岡部:愛してるからな! ずっと離さないからな!

  from 岡部:もう見てみぬフリなんて、絶対にしないからっ……


紅莉栖「おかべぇ……んぅっ、ちゅぅっ、ちゅぷ、すきっ、すきっ」

岡部「ああっ……んっ、俺もっ、んぅうっ、俺も好きだ、大好きだ紅莉栖……」

紅莉栖「ちゅるっ、ちゅぱぁ……はぁあ、すきぃ……おかべっ、おかべぇっ……///」

紅莉栖「ちゅむ、あんっ……んぅっ、ちゅっ、くふんっ」ムギューーーッ

紅莉栖「ふぁっ、すきなのっ、だいすき……ちゅぅっ、あなたが好き、岡部ぇっ……ちゅぅううっ」


  from 紅莉栖:どうして……どうしてこんなにきもちいいの 岡部とのキス……

  from 紅莉栖:だいすきな人とだから? 岡部のこと、いっぱいいっぱい愛してるから……?

  from 紅莉栖:わかんない……しあわせすぎて、わかんないよ……あぁ、だめっ、とろけちゃう……///

  from 紅莉栖:……もっと、めちゃくちゃにしてほしい……飽きるまで、ちゅっ、ちゅって……

  from 紅莉栖:岡部のものに……してほしいよぉ……


紅莉栖「ちゅぱぁっ……んぅっ、岡部……あのっ……」

岡部「……ん?」

紅莉栖「はぁっ……あの……」スリスリ

紅莉栖「あの、ね……」

紅莉栖「……おとなのキス……したい……」

岡部「そう、か……」

岡部「……おっ……俺は、知っての通り、そういう経験がない……」

岡部「だからその……リードとかっ、うまくできるかわからないがぁっ!? んむぅうう!?」

紅莉栖「ちゅぅうううっ、ちゅるるっ、ちゅぷっ」


  from 紅莉栖:愛しい……愛しいよぅ、おかべっ、んぅっ、おかべぇっ……


紅莉栖「いっしょに……知っていけばいいの……二人で、いろんなこと……ね?」

岡部「そうだな……いっしょに、お前と……んぅっ」

紅莉栖「んむぅっ!? んんっ……ちゅぷうっ、ちゅぱ、んぅっ、くふぅんっ」ムギューーッ

紅莉栖「ちゅぅうううっ///」

岡部「んっ!? んんっ、ふぅっ、んんぅっ!!」

紅莉栖「ふぁっ、んっ、ちゅうぅっ」



   from 紅莉栖:ふぁあっ、はげしいっ、はげしいよぅ岡部っ、もっと、もっとぉっ
   
   from 岡部:もっと深く、紅莉栖とつながりたい。もっとっ……もっとだ紅莉栖っ


岡部「んぅうっ、ふっ、はぁっ、んんっ……」

紅莉栖「ちゅるぅっ、ちゅりゅっ、くふっ、うぅんっ」

紅莉栖「はふっ、あんっ、おかべっ、おかべぇっ///」ギュウウーーッ


   from 紅莉栖:すきすきっ、岡部すきぃっ……おさえきれないのっ、あなたが好きなのっ
   
   from 岡部:くりすっ……紅莉栖! 好きだ、好きだっ、好きなんだっ


紅莉栖「すきっ、おかべ、んむっ、ちゅぅうっ、おかべぇっ」

岡部「んぅうっ、んんんっ……」


――――――――――――――

――――――――――

―――


岡部「んぅっ……んんっ……」

岡部「…………」

岡部「ん……」

岡部「…………」

岡部「――――」


ガバッ


岡部「……朝だ」

岡部「…………」

岡部「夢、か……?」



ブゥーン




  新着メール:554件



岡部「夢じゃなぁあああああいっ!!!! おおおおおお多いっっっ!!!!!」

岡部「うわっ、うわぁ……何だよこれぇっ……新手のサイバーテロかよぉ」

岡部「…………」

岡部「ひとまず、よ、読んでみるか……しかしこの量……」


ピッ  
  from 紅莉栖:おかべっ……おかべっ……///

ピッ
  from 紅莉栖:おかべ……あぁ、おかべぇっ///

ピッ
  from 紅莉栖:岡部……ふふっ、おかべ……///


岡部「ぬぐっ……」


ピッ

  from 紅莉栖:おかべ……んぅ~~~おかべぇ~~~///   
  

岡部「他にないのかよ!!」

岡部「他にないのかよっ!! さ、さばききれん!! こんなの全部読んでいられないぞ!!」

岡部「えぇいクソっ、そもそも数が多すぎるのだぁああ~~~っ」ピッピッピッピッピッ
  
岡部「……む」


  from 紅莉栖:キス……ちゅー……岡部と、しちゃった……

  from 紅莉栖:何回も……ちゅっ、ちゅって……

  from 紅莉栖:しちゃったしちゃったしちゃった~~~//////


岡部「う……カップルに、なれたんだよな……紅莉栖と……」

  
  from 紅莉栖:あいたっ!


岡部「!?」

 
  from 紅莉栖:いたた……もうっ、何よぅ、ちょっと狭すぎるんじゃないのこのベッドっ……

  from 紅莉栖:抱き枕を岡部に見立てて、ほんの少しごろごろむぎゅーってしただけなのに…… 
  
  from 紅莉栖:ふんだ、これも岡部のせいね……そうっ、もうぜんぶ岡部のせいよ……


  from 紅莉栖:岡部の……えへへっ、おかべ……/// あぁん、すきすきぃっ、おかべぇっ///


岡部「…………」



  from 紅莉栖:ふふっ、昨日の岡部……かっこよかったなぁ……///

  from 紅莉栖:ぜんぶ受け入れてやるって、言ってくれて……私のために、存在してるって……

  from 紅莉栖:……私のこと、す、すきだって……

  from 紅莉栖:きゃ~~~きゃ~~~///  


岡部「ぐふっ……」


  from 紅莉栖:だめぇっ、どうしよう……あぁっ、なんでっ、どうしてあんなにかっこいいの///  

  from 紅莉栖:でもでも、キスしてくれた時とかは、真っ赤になって、一生懸命で……

  from 紅莉栖:私のこと、ぎゅーって抱きしめてくれて、でも、唇はふるえてたりとかして……

  from 紅莉栖:すっごく……かわいいんだもん……///

  from 紅莉栖:あぁんもう~~~何なのっ、これがギャップ萌えってやつなの!? ばかなの、しぬの!?///

  from 紅莉栖:きゃ~~~~きゃ~~~~~//////

  from 紅莉栖:あいたっ!


岡部「学習しろよ! 天才なのかアホなのか!!」

岡部「クソっもうダメだぁ、読んでられないっ、耐えられなぁい!!」

岡部(恋文かポエムを読んでいる気分だ……俺に筒抜けだとわかってるのかっ、確信犯じゃないのかコイツ!)

岡部(……いや、たぶん何も考えていないのだろうな……目に見えて浮かれまくってるようだし……)

岡部「はぁ……」

岡部(だが待て。悪いことばかりではない、むしろ朗報だ)

岡部(このペースで行けば、1万通も夢ではない……近い現実だ!)

岡部「うむ……ふむ……」

岡部「…………」

岡部「昨日は、あれからどうなったんだったか」

岡部(確かずるずると紅莉栖に引き止められていちゃいちゃしているうちに、いつの間にか日が暮れていて)

岡部(二人でラボに下りたらまゆりとダルに嵐のごとき質問攻めに会い)

岡部(逃げるようにしてラボを出て、紅莉栖をホテルへ送っていったのだが……)


  紅莉栖『あの、ね……別れる前に、最後にもう一回、ちゅー……したい……』
  
  紅莉栖『いっ、一回だけだから……すぐに終わるから……ちゅ、ちゅって、するだけだし……』

  紅莉栖『ちゅぅううっ、ちゅむっ、ちゅぷんっ……あぁ岡部、すきっ、すきぃ、ちゅぅっ、ちゅぅうう』

  
岡部(またしてもずるずる流されて夜遅くラボに帰還したというわけだ)

岡部(残っていたダルに爆発物を見るような目を向けられたのは言うまでもない)

岡部「フハッ……ハハッ……」

岡部(だって仕方ないだろっ!! あのうるうるした上目遣いとか、おねだりする時の甘い声とか!)

岡部(キスしたあとのぽーっとした顔とか! 名残惜しそうにすりすりしてくる仕草とか!)

岡部(ぜんぶっ、ずぇええ~~~んぶっっ、反則級の可愛さだろっ)

岡部「――はっ!?」

岡部「あ……ああ……」

岡部(待て……待て待てまてまて忘れていたぁああっ)

岡部(俺もアイツにDCメールを送っているのだった!!)

岡部(ああああ……だからっ、だから昨日のアイツは真っ赤になってっ、こうなることを予期してっ)

岡部(ということは今の俺の思考も筒抜けに――)


ガチャッ


紅莉栖「…………」



岡部「…………」

紅莉栖「…………」

紅莉栖「はっ、は……はろー……///」


紅莉栖「//////」ボンッ


岡部(うわあああああああああああああああああああああああああああああ)

岡部「orz」

紅莉栖「//////」カァーッ

岡部(バカップルすぎる……バカップルの極み……バカップラー岡部……)

紅莉栖「だっ、べっ、別に、だいじょうぶだからっ……」

岡部「…………」

紅莉栖「岡部の本音とか聞いても……べつに私っ、なんとも思ってないし……」

紅莉栖「そんな、急に、かわいいとか言われても……」

紅莉栖「……ふふっ……えへへ/// なんとも思ってないもんっ/// ふふふっ///」 

紅莉栖「かわいいってなによそれ/// もう岡部ったら……私がいないとダメダメなんだからっ/// えへへっ///」

岡部「……せろ……」

紅莉栖「ふぇっ!?」

岡部「見せろぉおっ、お前の携帯を! 俺のDCメールはどうなっているのだぁああっ!!」

紅莉栖「きゃああ!? だめだめっ、ぜったいだめぇえっ!!」

岡部「よいではないか、よいではないかぁっ!! お前にとって減るものではなかろぉおおう!!」

紅莉栖「やだやだぁっ、ぜったいに見せないもんっ!!」

岡部「いいかげん観念しろ紅莉栖ぅうう!!」

紅莉栖「やだもんっ、これはぜったいに見せないっ」

紅莉栖「これを見ていいのは私だけだもん! 私だけが見るんだもん!」


紅莉栖「ホテルに帰って一人で見て、いっぱいにやにやするんだからぁっ!!///」


岡部「…………」

紅莉栖「…………」

岡部「orz」

紅莉栖「だ、だいじょうぶ、だいじょうぶよっ……そんなに何回も見るわけじゃないし……///」

紅莉栖「たまに、ちらって見るだけだから……それに、見るのは私だけだしっ」

紅莉栖「アメリカにいるママに……さっそく今のメールを自慢したりなんかしてないもん……えへ、えへへ///」

岡部「 ○| ̄|_ 」

岡部(近年まれに見る……そう、これはチャールズ一世以来の歴史的公開処刑……)

岡部(だがっ、情けない、逆らえないのだ……)

紅莉栖「やだもうっ、ママってば……『お似合いね』だなんて、別にそんなっ、」

紅莉栖「そんなこと……あるかも……ふふっ、えへへ///」

岡部(ああクソ、やっぱり笑うとかわいいなコイツ……)

紅莉栖「!!??」

岡部(しまっ――今のも――)

紅莉栖「…………」

岡部(……殺してくれ……いっそ殺してくれ……)

紅莉栖「その……」

紅莉栖「……はぅう///」

ブゥーン

岡部「!!」

紅莉栖「やっ! だめぇっ、見ちゃやぁっ、見るなぁっ」

岡部「そうはいかんだろそうはいかんだろぉおおお」



  from 紅莉栖:岡部のほうが……かっこいいもん……///


岡部「…………」

紅莉栖「うぅ……はぅう……」

ブゥーン

紅莉栖「!」

  
  from 岡部:いいや、紅莉栖のほうが断然かわいい


バカップルが…


くそっ…



くそっ…(´;ω;`)ブワッ

紅莉栖「…………」

岡部「っ」

 
  from 紅莉栖:そんなことないっ。岡部のほうがかっこいいもん! 
  
  from 紅莉栖:岡部はやさしいし、私のこと大切にしてくれるし、理想的すぎて言うことないんだから!



岡部「――――」


  from 岡部:いや、紅莉栖のほうがかわいい。紅莉栖だってツンツンしてるようで世話焼きでやさしいし、
  
  from 岡部:俺にだけべたべたになついてくれて、時折見せる甘えた顔が最高にかわいい。かわいすぎる。


紅莉栖「…………」

岡部「…………」


  
  from 紅莉栖:岡部だって、私といちゃいちゃする時は恥ずかしそうにしてて、すっごくかわいいのよ!?

  from 岡部:お前こそキスする時は必ずぎゅーっと懸命に抱きついてきて、愛くるしいにもほどがある!

  from 紅莉栖:むぅーっ! とにかく私のほうが岡部が好きなの! ずっとずっと大好きなの! 証明終了!

  from 岡部:俺のほうが好きなのだっ。紅莉栖のことは一生かけて愛していく自信がある!

  from 紅莉栖:このわからず屋! 私は岡部にめろめろきゅーなんだから! もうべた惚れなんだからぁっ! 

  from 岡部:俺はそんなレベルではない! 紅莉栖におぼれている! お前がいないと生きていけない!

  from 紅莉栖:私だって岡部とらぶらぶしないと死んじゃうもん! 今すぐにでもちゅーしたいもん!

  from 岡部:わかったわかったよ、そんなことを言うならしてやろうではないか! 後悔するなよ!?
  
  from 紅莉栖:ふんっだ、そっちこそ私のあまあまちゅっちゅを見くびらないことね! 後悔するわよ!?



岡部「…………」

紅莉栖「…………」

岡部「~~~~~//////」

紅莉栖「//////」





  「くしゅんっ」



岡部「―――~~~!?」ビクーッ!!

紅莉栖「!!!!????」ビクビクーーッ!!

ダル「ちょっ、まゆ氏くしゃみ自重! もう少しでリア充という爆発危惧種の貴重な爆発シーンが見れたのに」

まゆり「ご、ごめんね~、でものぞき見はよくないと思うな~~」

岡部「…………お、お前たち」

まゆり「あ、オカリン、トゥットゥルー」

岡部「トゥットゥルー……ではなぁい!! なっ、おまっ、みてっ、いつからっっ!!??」

ダル「んー、なんか何かを見たって感じはしないお。むしろ無言のままデレあってるから薄気味悪かったってばよ」

岡部「うるさいうるさぁいっ!!」

まゆり「でもね~、二人とも携帯をじーっと見てて、とってもしあわせそうだったよ~えっへへ~」

岡部「ぐぬぬ……」

紅莉栖「…………」

岡部「? ……紅莉栖?」

紅莉栖「あっ、ううん……その、ね……岡部に、おねがいがあるの」

岡部「お願い?」

紅莉栖「その……私を……」

紅莉栖「だっこ、してほしいの……///」

岡部「」

ダル「ひょええーーーー何でなん!? 僕たちが起爆剤に!? 吹っ切れすぎだろ常考!!」

まゆり「わはー大胆だね~~~」

岡部「何でまた急にそんなことになったのだ紅莉栖っ」

紅莉栖「だってっ、DCメールの停止には強い感情の揺れ動きが必要なわけだしっ、それに」

紅莉栖「してほしいこと……してくれるって言ったもん……うそつき……///」

岡部「ふんぐっ!!」

ダル「鳴かぬなら 壁を殴るぞ ホトトギス」

痛い
拳が

岡部「こっ……これでいいのか?///」

紅莉栖「//////」カァーッ

ダル「すげー、お姫様だっことか初めて見たっす。都市伝説じゃなかったんかお」

紅莉栖「そ、それで……ソファーまで、運んでくれればいいから……」

岡部「うむ、わ、わかった」

まゆり「オカリン力持ちだね~」

岡部「コイツが華奢だからな。……む、というか、お前たち何だその大荷物は」

ダル「あ、これ? 買出しに行ってきたのだぜ」

岡部「買出し?」

ブゥーン

まゆり「えっへへ~、オカリンとクリスちゃんのカップル記念パーティなのです!」

岡部(クソ、手が放せないからメールが見れん……)

まゆり「ほかのラボメンのみんなも呼んで、ぱーっとやるのです、それはもうぱーっとだよ~~」

>>826
俺は心も痛いよブラザー…

紅莉栖「…………」

岡部「パーティか。そこまでしてもらうと気が引けるが……いや、ラボメンたちに言うのも早い方がいいか」

岡部「よっと……紅莉栖、下ろすぞ?」

紅莉栖「ありがと……///」

ダル「なんか少し見ない間に友人からリア充臭がぷんぷんで僕はもう……」

ダル「……というラノベを書いて今度賞に応募しようかと思うお」

岡部「勝手にしろっ」

ダル「はぁ~~あっつぃい、外もあっついし中もあっついぃお~~」

岡部「確かに今日は蒸し暑いな……ドクペでも飲むか」

まゆり「まゆしぃはからあげ食べよ~っと」

岡部「紅莉栖……その、いっしょに飲むか……?」

紅莉栖「う、うん……///」

ダル「もうリアルは放っておいて嫁たちに会いに行こうかな、そうしよう」

まゆり「ジューシーからあげなんっばわ~ん、わーん!」

ダル「昨日はエロシーンまともに見れなかったし」

岡部「ドクペ、ドクペと……」

ダル「オカリン僕にもコーラとって」

岡部「ったく、ほら」

ダル「キンッキンに冷えてやがる……」

岡部「フゥーッハッハッハ! コークなど邪道だぁっ、メァッドサイエンティストは知的飲料一択!」

岡部「ほぅら、紅莉栖、ありがたく受け取れ……先に飲んでいいからな」

紅莉栖「ありがと……///」

岡部「うむ」


ゴトンッ

ダル「んあ?」

まゆり「ん~?」

岡部「…………」

紅莉栖「…………」

岡部「……おいおい、何をやっているのだ」

まゆり「なんの音~?」

岡部「ちゃんと受け取れ紅莉栖、ほら、手を出して……」

紅莉栖「う、うん……」

岡部「いいか? 渡すぞ?」



ゴトンッ


岡部「――――」

ダル「え? どしたん?」

岡部「紅莉、栖っ……」

紅莉栖「…………」

岡部「手を貸せっ!! 受け取れっ、手をっ、手を開いてっ!!」


ゴトンッ


紅莉栖「おか……べ……」

岡部「え……」

ダル「ちょっ」

まゆり「クリスちゃんっ?」

岡部「待て……紅莉栖、嘘だよな?」

紅莉栖「…………」

岡部「おい……紅莉栖……?」

ク…クリスたん?

紅莉栖「…………」

岡部「紅莉栖っ、紅莉栖!? おい紅莉栖っっ!!」

ダル「オカリン揺らすなっ!!」

岡部「――――」

岡部「……っはぁっ……はぁっ、はぁっ……」

ダル「オカリン……ま、牧瀬氏は……」

岡部「ダル……DCメール機……そこにある……」

ダル「わ、わかったお!」

まゆり「なっ、なに……なにが」

ダル「っ」

岡部「どう、なっている……」

ダル「オカリン、何でもいい!! 最近何かDCメールに変わったことはなかったか!?」

岡部「え……」

岡部「変わった、こと……?」

岡部「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」

岡部(異常? 故障? 紅莉栖は? DCメール?)

まゆり「オカリンっ……落ち着いてっ……」サスサス

岡部「――――」

岡部「DCメールが……大量に来た……」

ダル「大量!? 大量ってどのくらいっ!?」

岡部「500通以上……」

ダル「なっ……」

ダル「…………」

岡部「何か、マズ、マズかったのか……」

ダル「マズくないわけないっしょ!! そんなトラフィック想定してないっつーに!!」

岡部「どういう……」

ダル「きっと牧瀬氏の脳に影響が出てるんだ! 僕らじゃ手に負えない!!」

岡部「え……」

まゆり「オカリンっ!? 救急車だよね!?」

岡部「あ……」

岡部「ああ……そうだな……」

ダル「オカリンしっかりしろ!! 牧瀬氏の恋人だろぅっ!?」

岡部「ああ……あぁ……」

まゆり「もしもしっ!? 救急です!!」

岡部「紅莉、栖……」


――――――――――――――

――――――――――

―――


岡部「…………」

岡部「……」


  紅莉栖『だっこ、してほしいの……』


岡部(サインは……)

岡部(サインはあった……気づけなかった……また気づけなかったのだ、俺は……)

岡部「――~~~っ!!」

岡部(クソッ、クソぉおっ!! 何が『紅莉栖を愛する』だ! 何が『見てみぬフリはしない』だっ!!)
  
岡部(また紅莉栖を傷つけた! アイツに無理をさせた! バカじゃないのか俺はっ!!)

岡部(……あの時)

岡部(メールが来ていた……あれはたぶん、間違いなく、DCメールだ……)

岡部(きっと助けを求めていたんだ……表面は俺のために必死で取り繕ってっ……)

岡部(クソッ……クソぉおおっ……)

岡部(どれだ! どのメールだっ、何でだっ、何でだよ紅莉栖ぅっ!!)

岡部(何で……俺のためなんかに……お前が、こんなっ……)

岡部(っ、これかっ、この、メールか……?)


ピッ


岡部「え……」



  from 紅莉栖:だいすきだからね……おかべ……



岡部「……うっ……ううぅっ……」

岡部「うううぅううっ……うぁあああああああああああああああっ!!!!」



――――――――――――――

――――――――――

―――




ガチャ




ダル「…………?」


バタン


岡部「…………」

ダル「……――」

ダル「っ! オカリンっ……」

岡部「…………」

ダル「オカリン! 心配したんだぞぅ! 携帯にもつながんないし、何ですぐ連絡くれなかったんだお!!」

岡部「……っ」

ダル「それでっ、結果は!?」

こんなのってないよ(´;ω;`)ブワッ

岡部「二、三日安静にしていれば、問題はないそうだ……」

ダル「ほっ……」

岡部「…………」

岡部「……まゆりは?」

ダル「あ、ああ、まゆ氏は……オカリンたちが病院行ってから、急いでどこかに行っちゃったんだ」

岡部「…………」

ダル「お、オカリンっ……オカリンがそんな気に病むことないって」

ダル「今回のは事故みたいなもんっしょ? 1万通に届けばそれも終わるんだしさ……」

ダル「こ、今度からは気をつけて頑張ればいいじゃんっ」

岡部「……ダル」

岡部「お前も言っていたはずだぞ……俺は、紅莉栖の恋人だと」

ダル「あっ……」

岡部「…………」

ダル「そ、それは……」

ダル「…………」

ダル「オカリン……僕にはこんなことくらいしか言えないから、適当に聞き流してくれればいいんだけどさ……」

岡部「…………」

ダル「DCメール機の無線回線に、一時的に……負荷がかかりすぎてた」

ダル「だから、牧瀬氏の脳を読み取るときに不具合が起きたんだ。それで牧瀬氏にも影響が出た」

ダル「……これは、事故だと思うお……」

岡部「ああ事故だな。防げた事故だ」

ダル「オカリンっ!!」

岡部「気づくべきだった……気づけたはずなんだ……通信量の問題なんて、真っ先に……」

ダル「それはっ、僕の説明不足もあったって!」

岡部「またっ……まただ。また俺は同じ過ちを繰り返した。紅莉栖のことなど気遣っていなかったのだ」

ダル「おいオカリンっ、どうしたんだ、オカリンらしくないお!」

岡部「――――っ」

岡部「……メールが……来るんだよ……」

ダル「え……」

岡部「メールが来るんだ……DCメール……紅莉栖から何度も、何度も……」

岡部「何度も何度も何度も何度も何度も何度もっ……!!」


  from 紅莉栖:おかべ……心配しないで……私はだいじょうぶだから……

  from 紅莉栖:これは岡部のせいじゃない。だから、絶対に自分を責めないで……

  from 紅莉栖:これはきっと私のせい……岡部と恋人になれたから、ちょっと興奮しちゃったの……

  from 紅莉栖:おかべ……私はだいじょうぶだから……


岡部「大丈夫だから……心配するな……またやり直そう……自分を責めるな……」

岡部「メールが、何度も来るんだよ……」

岡部「アイツは今、眠っているはずなのに……、一番辛いのはアイツのはずなのにっ……!!」

岡部「メールが来るんだよ!! アイツからぁっ!! 俺を必死に気遣うメールがぁっ!!!!」

ダル「……っ!!」

岡部「1万通に届けば問題ない? バカ言うな……それまでにまた紅莉栖が倒れるかもしれないんだぞ……」

岡部「その前に……アイツの身体が壊れてしまうかもしれないんだ……」

岡部「俺だって、思ってたよ……このまま、このペースで、1万通に到達すればいいって……」

岡部「何かあっても……二人なら乗り越えられるって……」

ダル「オカリン……」

岡部「でも、こんなの……あんまりだろ……」

岡部「どうして紅莉栖がこんな目に遭うんだ……」

岡部「どうすればいいんだよ……」

岡部「どうすればいいんだ!!!!」

ダル「……っ」

岡部「…………」

岡部「……すまない」

ダル「いや……」

岡部「……DCメール機を壊そう」

ダル「は……?」

岡部「もうそれしかない……もうこんなこと続けられない……」

ダル「ちょっと待てよオカリン! 駄目に決まってるだろそんなのっ!!」

岡部「何故だ……?」

ダル「はぁっ!? そんなことしたら牧瀬氏がどうなるかわからない!!」

岡部「だが……何も起こらないかもしれないじゃないか。一か八かに賭けるしかないんだよ……」

ダル「でもっ、そんなのっ、それは無理だって!!」

岡部「だったら他に手があるのか? 何もせずにいろと言うのか」

岡部「こうしているだけで紅莉栖を救えるのか。救えないだろう、違うか?」

ダル「つっ……」

岡部「他に手があるのかよっ!! たとえどこかにあったって、探してる暇なんかない!!」 

岡部「今この瞬間にだって紅莉栖は苦しんでるんだっ……いや、これからだって苦しむかもしれないんだぞ!!」

岡部「こんなこと続けられないんだよ!! 続けてはいけないんだ今すぐにっ……」

岡部「終わらせるべきなんだよっ……」

岡部「最初から……無理だったんだ……」

岡部「無理だったんだ……やめるべきだったんだ……」

岡部「俺のせいだ……」

岡部「俺が……DCメール機を装着したからだ……」

岡部「俺が紅莉栖に、想いを伝えたからだ……」

岡部「あのまま紅莉栖を行かせてやればよかった」

岡部「恋人どうしになんて……ならなければよかった……」

岡部「全部……終わらせるべきなんだよ……」

岡部「この装置を……壊すしか……」



まゆり「なかったことにするの……?」



岡部「――――」

ダル「!!」

岡部「……まゆ、り……」

まゆり「全部、なかったことにしちゃうの? ……オカリン」

岡部「……っ」

まゆり「DCメールがきっかけで、つらいこともあったけど、オカリンたちは恋人どうしになれた……」

まゆり「そうだよね?」

岡部「…………」

まゆり「お互いの本音が知れて、想いが通じあって、オカリンたちはしあわせになれたんだよ……?」

まゆり「オカリンがそれを壊しちゃったら……ぜんぶ全部っ、間違ってたことになっちゃうんだよ?」

まゆり「なかったことになんかしたらだめだよっ!!」

岡部「だがっ!! それでは紅莉栖が!!」

まゆり「それでも!! クリスちゃんとの思い出まで否定していいわけない!!」

岡部「――――!!」

岡部「……だったら……どうすればいい……」

岡部「他に打つ手はないんだぞ? なかったことにするしか……方法はっ」

まゆり「本当に……ないのかな……?」

岡部「まゆ、り?」

まゆり「オカリン……あのね」

まゆり「オカリンは、また悪い考えになってると思う……」

岡部「え……」

まゆり「どうして、一人で抱え込もうとするの?」

まゆり「どうしてまゆしぃたちを頼ってくれないの?」

岡部「…………」

まゆり「みんなで考えれば、他に方法が見つかるかもしれないよ?」

まゆり「みんなで協力すれば、オカリンたちを助けてあげられるかもしれないんだよっ!?」

岡部「っ……」

岡部「だってっ……」

全然成長していない
書ききれないならまゆりを出すな

岡部「だって、これは……俺たちの問題で……」

まゆり「違う……ちがうよ、オカリン……」

岡部「な、何がっ」

まゆり「オカリンは、一度……気づいてくれたはずだよ……?」

岡部「なに、を……」

まゆり「オカリンはずっと、そのことに気づいてなかっただけなんだよ……?」

岡部「――――」

まゆり「たとえ少し忘れちゃってても、もう一度思い出して?」

まゆり「どんなときに、どんな気持ちでも……」


  『どんなにいやなことがあっても、どんなにびっくりすることがあっても……』


岡部「あ……あぁ……」


  『まゆしぃたちは、ラボメンなのです!』

  『えっへへ~。……怖がることなんて、何もないんだよっ、オカリン?』

このまゆり気持ちわる

岡部「あぁ……あああ……」

ダル「…………」

まゆり「オカリン? まゆしぃたちは、いつだってオカリンたちのことを見てるんだよ」

岡部「うっ……ぅううっ……」

まゆり「オカリンがクリスちゃんと恋人どうしになっても……」

まゆり「えへへ……いつかこの先、オカリンとクリスちゃんが結婚することになっても……」

岡部「ううぅっ……ぐぅうううっ……」

まゆり「まゆしぃたちは、ずっとずっと、みんな仲間だもん!」

岡部「……ぐっ……うぅっ……」

まゆり「ね? オカリン……」

岡部「…………」

ダル「オカリン……」

岡部「…………」

岡部「まゆり……」

岡部「ダルっ……」

岡部「お前たちに……」

岡部「……お前たちに……頼みがあるのだ……」

ダル「…………」

まゆり「うんっ。なにかな~?」



岡部「助けてくれ……」



岡部「どうかっ、力を貸してくれ……俺は絶対にっ、あきらめたくないっ……!!」

岡部「こんなところであきらめたくないのだ!! あきらめていいはずがないのだっ!!」

岡部「俺は紅莉栖を救いたいっ!!!! これがっ、俺の本音だっ……!!」

岡部「俺一人では、無理なのだ……どうか、力をっ……」

ダル「…………」

ダル「へへっ」

まゆり「ふふっ」

おまえらマグママグマうるせーよ!


ドゴッ…


うわ、なんだこれ!熱っ!
マグマ!?マグマだ!

岡部「っ……?」

岡部「まゆり……ダル……?」


まゆり「えっへへ~、まゆしぃはその言葉が聞きたかったのです!」


岡部「え……」


ブゥーーン


岡部「――――!!」

岡部「っ……携帯が……」

まゆり「…………」

岡部「まゆり……?」

まゆり「……開けてみて? オカリン」

岡部「――――」

岡部「だがっ、しかし……」

まゆり「いいから~、ほらっ」

ダル「ここは素直に開けてみるべき!」

岡部「――……」

岡部「……いったい、何だというのだ……」


ピッ


岡部「な……んで……」



  キョーマ! 水くさいのニャ! フェイリスを差し置いて一人で悩むニャンて!



岡部「何で……」


  
  from フェイリス:歴戦の戦士であるキョーマらしくないニャ! ここはフェイリスに任せるのニャンっ!



フェイリスたんktkr

岡部「フェイリス……まさかっ……DCメールを……」

岡部「そんな、アイツが……」


ブゥーン


岡部「っ!!」

岡部「……これ、は」

岡部「これ、も……?」

岡部「何でっ、何でだよ……どうしてっ……!!」


  from るか:凶真さんっ、ボクにもお手伝いさせてください! 凶真さんのお役に立ちたいんです!  


岡部「ルカ子……!!」


  from 萌郁:事情は、聞いた……協力する……


岡部「萌郁っ……」

岡部「……ううぅっ、うぐっ……どうしてっ……どうしてっ……!!」

               ,r--―===..、
             /:::::::::::::::::::::::::::::\

                /::/:/i::::::::::::::;:::::::::::::ヽ,
.              /::/  ヽ从/ ∨::::::::::::i
            /;イ    rp.rp  ヽi::::i::::l
             l::l:l    〈     l:::l:::::l  <おかべぇ
              l:::ll     -ァ    /:/:::::l
              l::::::ゝ       ,イ:/::::::::l
              l::入:i\、ー-‐ ニ,r/:/i/:::::i:l
          /\  //Yii ー=彡' /:::::;イ:l

     /⌒/ ̄´.   \i∧_∧_,/ ./::::::∧:l
      /: :./        ト--,/   /::::::/  \___
    ./: :./        .゙i .l´  ./:::/   / ヽ,
    {: : :{  /.      | .|.  //   /: : : :∧
    ゝ: :l ./          | .|  リ    ./: : : : : : ∧
   /: : :{ i        | .| r-----i .//: : : : : : : :j

    i : : :l .',.          | .| i ̄ ̄^゙l i/_,,,__,,/
    l : : ヘ  ゝ       | .| l    ,' 〈_[二]_/ヽ,
   l: : : i:ヽ、 ヽ_      | .| ゝー-='  l: : : : : : l:::iヽ
   l: : : l: : :l          | .|.    __ノi: : : : : : l:::l
   l: : : l: : :l          | .|      .l : : : : : ;liソ
   l: : : l: : :l          ∨        l : : : : : :l


  
  from 鈴羽:岡部倫太郎には世話になったからね。あたしからの恩返しだよっ


岡部「……どうしてっ……どうしてコイツらはぁっ!!」

まゆり「そんなの決まってるよ……みんな、オカリンを助けたいって思ってるから」

まゆり「みんな、オカリンのことが好きで好きで、大好きだから……」

岡部「……こんなっ……うぅう、……うっぐ、こんなのぉっ……」

ダル「まゆ氏が他のラボメンに話をつけてきてくれたんだ。でもさ~、まゆ氏って意外と頑固だから」

ダル「オカリンが『助けてほしい』って言うまで教えないって言うもんだから、僕は内心ひやひやしてたお」

岡部「なっ……」

まゆり「えっへへ~、ごめんね~。でも、オカリンはやっぱり、オカリンだったでしょ~?」

ダル「……うん……まあね」


   from ダル:だがしかしっ、この借りは高くつくのだぜ? フェイリスたんとの一日デート券で手を打つ!


岡部「っ……ふふっ……」



  from まゆり:オカリン……オカリンは、一人じゃないよ? 


岡部「……っ」


  from まゆり:みんながいる。ラボメンがいる。クリスちゃんもいる。

  from まゆり:そのことを……ぜったいに、忘れないで……
  
  from まゆり:忘れちゃっても、まゆしぃが思い出させてあげるからね~、えっへへ~


岡部「…………」

岡部「バカだっ……お前たちは、バカだよ……」

岡部「どうしてこんなことができる……DCメールが、送られてしまうんだぞっ……」

岡部「俺に、協力するためだけで……こんなのっ……」

まゆり「でもね~、これでみんなで合わせていちまんつーは、きっとらくしょーなのです!」

ダル「ま、その代わりDCメールは全部オカリンに届くわけだから、オカリンにも耐えてもらうわけだけどさ?」

ダル「つーかオカリン……言いたいことはそれだけなん?」

岡部「…………」

岡部「……っ」

まゆり「ん~?」

岡部「まゆり……ダル……」

ダル「何ぞ?」

岡部「――――っ」


岡部「ありがとうっ……」


ダル「むふっ、礼には及ばんお」

まゆり「どういたしまして~、えへへっ」



岡部「っ……ふふっ……ったく、」

岡部「本当に、バカなヤツらだ、お前たちはっ……」


岡部「最高の……ラボメンだっ……」


仲間っていいなぁ(´;ω;`)ブワッ



――――――――――――――


――――――――――


―――



岡部「…………」

岡部「…………」

岡部「…………」

岡部「……あー」

岡部「コホンッ」

岡部「…………」

岡部「これよりっ――第185回!!」

岡部「――ラボメン同志たちによるっ、開発評議会を執り行うっ!!」

岡部「勝利の時は来た!!」

岡部「この俺は、あらゆる困難に屈せず!! 幾多の壁を乗り越え、ラグナロックを戦い抜いたのだ!!」

岡部「この戦いのため、我が手足となり、想いを託してくれた仲間たちに、感謝を!!」

岡部「一度は倒れ伏しながら、なおもこの俺を信じてくれた仲間に……感謝をっ……!!」

岡部「訪れるのはっ、俺が望んだ世界であり!!」

岡部「全てはシュタインズ・ゲートの選た――」


鈴羽「そんな長いのどうでもいいからさー、早くしようよー」

岡部「ぬぐぅっ!!!」


るか「あの、待たせちゃうのも悪いと思いますし……」

岡部「んがぁっ!!!」


萌郁「長い……」

岡部「ぬんぐぐぐぐぐぐぅっ……!!」


岡部「むわぁああーーったく何を考えているのだお前たちはぁっ! この俺の華麗な演説をフイにしおって!!」

          /:::::::::::::::::::::::::::ヽ
         /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',

            l:::::::::::::::/ソ、:::i:::::::::::::::l
         l::A::::::::/ナヽ::|:::::::::::::::l  <帰ったら岡部いるのかな……
           l::i代iV 弋歹`|::::::::i"i:::!  <はやく会いたいよぅ、おかべ……///
           l::',  i       !:::::::lソ:::|
         l::ヘ `__     !::::::l::::::::|
.          V:::i 、`´    |:::::ハ:::::::|
         V::| ヽ -‐ "|::::ハ:::::::!

            ∨! ! : :   l:::/ |::::::l_, _, _, _, _, _, _, _, _, _, _, _, _
            ヾ! !: : :  レ  |::::::!                ヽ
             !: : : :    ノ::::/                     ヽ
                 !: : : : . /::::/                     ',
              !: : : :/::/i::/                       }
             '; : :/::/:{:/                       i
                 '; i::/: :|:!                       ,'
                  `リ: : :ソ: .                         !
                  ヾ: : :ヽ:.     .: : : : : : : : : : : : : : : :     ,'
                 ヽ: : :ヘ: : : .   :i" " '' '' '' '' "i:"{: : . .   i
                 ヽ: : :ヘ: : .   ,'       ヽ: '; : : .  !
                     ヽ: : . i: :   i          ヽ:'; : :  i
                    i: : .|ヽ:  i          i:ヽ: : . i
                       i: : !. i: : :i            ): i: : :i
                   L;;;j L;;;j          L;;;L;;;j


フェイリス「キョーマの演説もいいんニャけど~、今は早く彼女に会いたいのニャンっ!」

ダル「フェイリスたんの言う通り!! つーかピザが冷める!!」

まゆり「まゆしぃも同じなのでーす」

岡部「フッ、フハッ……まぁいい、今宵は他でもない、俺たちのために集まってもらったのだからな!」

岡部「この俺ぇっ、狂気のミィアアアッドスワァイエンティスッ、ふぉおおおおおおうおういん凶真とぉ!!」

岡部「助手のカップルパーリィへようこ」


ブゥーン


岡部「ぬぐぐっ……今度は何だっ、たびたび邪魔しおってぇっ!!」



  from 紅莉栖:だから助手じゃないって言っとろーが!!


岡部「…………」

岡部「ククッ……クククッ……」

岡部「フゥウーーーッハッハッハッハッハ!! 今ここにっ、ラグナロックの勝敗は決したぁっ!!」

ダル「マッ、マジ!?」

岡部「絶望的とまで言われていた高き壁……DCメール10000通の壁をっ……」

まゆり「!!」

岡部「俺たちは今っ……突破したのであぁあああああああるっっ!!!!」

まゆり「や……や……」


まゆり「やったぁーーーーーーーーーっ!!」

フェイリス「やったのニャン!! やったのニャンっ!!」

鈴羽「はー……長かったー。さすがにこたえたよー」

るか「やったです! ぐすっ……よかったですっ」

萌郁「よかっ、た……」

 
岡部「ラボメン諸君よ!! 俺はこの日を忘れないぞ! 諸君と力を結集し、壁を乗り越えたこの日を!!」

     殺 伐 と し た ス レ に 牧 瀬 紅 莉 栖 が 登 場 !

    \     ヽ    |     /     /
      \                  /
       \ /::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ        _,,-''
         /:::::::::::::::::ハ::::::::::::::::::ハ    _,,-''
        ,.::::::::::::::://_∨::::::::::::::::l          _,,-''
        |::ハム:::://ャァrト:::::::::r-、|       
        |::;ト'ヾノ  `´ |::::::::} )}:!
        |::ハ .〈.    .|::::::::l/:|  <だから助手じゃないって言っとろーが!!ヽ(*゚д゚)ノカイバー
────  |:::::ヘ. =-   |::::::::: ::: |            `-、、
        {::::::::|\  /}::::ハ::::::::|
        .', :: :| }`::´:. ..|::/. {::::: |

         .ヽ: | |: : : : l:リ  Y:: |──────────-.、
          ヽ| |: : : : ../   ノ:::ノ                 `ヽ
            {: : : : ( /:::/                   ヽ

            ',: : : : :/:::::::/                     ',
             ',: : : //://: . . . .            . . . .}
             ',: Y/: .{:{: : : . . . .    . . . . . : : :./

              ヽ:{: : {{: : : : : : : : . . . . : : : : : /
               リ、: :リ: : : : : : : : :.:.:.: .: .: .: .::.:.::::: : : :.,'
                {: : : ::Y:::.: : : : :,;:::::::::::::::::::::::::::::/:: : : : /

                 Y: : :.ヘ::::: : : : :/  ̄ ̄ ̄ ̄Y::ヘ::::: : : Y
                 .ヽ:::::: :ヽ:: : : :{        ヽ::ヽ::::: : :{
                  ヘ::: : :ハ:: : : }         ヘ::∨::: ::}
                   ヽ::::| }::: ::ノ          Y:Y::::::{
                 .  }::::! }::::/      .     .|:::|::::::ノ
            ヾヾゝ从〃ソソミヾノ从ノ彡ソWYヾヾノソソミリ从彡从ヾヾゝ'

岡部「…………お前たちには、本当に、感謝してもしきれない」

岡部「ありがとうっ……」

まゆり「……オカリン」

フェイリス「キョ、キョーマっ、そんなに改まって言われるとこっちも照れちゃ」

岡部「そしてぇっ!!」

フェイリス「ニャニャ!?」

岡部「紹介しよう! 我がラボメンであり、最愛の恋人っ、マイフェイバリットスッウィートハニー!!」

鈴羽「おおっ!!」

岡部「牧瀬……紅莉栖だ……!!」

ダル「おっ、どこどこ!?」



「はっ……」



紅莉栖「はろー……///」


まゆり「わぁーーいっ、クリスちゃーーんっ!!」

るか「紅莉栖さんっ」パチパチ

萌郁「」パシャ パシャ

フェイリス「クーニャ~~ンっ、もうっ、待ちかねていたニャーぞっ!」

岡部「フゥーッハッハ!! 助手よぉ、何を赤くなっているラボメンの前なのだからもっと堂々べふっ!?」

紅莉栖「何よさっきの紹介の仕方はっ!!/// 恥ずかしいに決まっとろーがっ、それと助手じゃない!」

岡部「おやおや助手よぉ? 確か俺の記憶に間違いがなければ……」

岡部「『私は、岡部の……こいびとになりたかったんだよ……?』とか言っていたのは貴様だったような……」

紅莉栖「わわっ、はわわっ!!///」

岡部「それにいつぞやか……『とにかくそういうことなんだから///』と、助手と呼ぶのも許可されたような……」
  
紅莉栖「わーっ、わぁあーっ!!/// わかったわかったわよっ、私がわるかったぁっ!!///」

ダル「相変わらずのリア充カップルっぷりですな……スグニ爆発スルヨロシ」

まゆり「えっへへ~、やっぱり仲いいね~」

フェイリス「ねぇねぇお二人さんっ? フェイリスは一つ、お願いがあるんニャけど……」

岡部「お願い? 何だ、言ってみるがいい」

フェイリス「ずばりっ……フェイリスはあつあつカップルのあっつ~~~いキッスが見てみたいのニャンっ!!」

岡部「…………」

岡部「はっ、はぁああああ!?//////」

紅莉栖「なっ……ななななっ、にゃにを言ってるのあなたっ!?//////」

鈴羽「わーっ、それ私も私も! カップルどうしのキスなんて生で見るの初めてだよっ」

るか「おっ……お二人の……キス……///」

萌郁「興味、深い……」

岡部「ちょぉおおちょっと待てお前たちっ!! おかしいっ、おかしいぞこの流れはぁっ!!」

フェイリス「そうかニャ~? おかしいことなんて何もニャいと思うんニャけど~」

岡部「まっ……まゆり」

まゆり「えっへへ~、全然おかしくないと思うよ~?」

岡部「なっ!? なぁっ……」

紅莉栖「//////」カァーーーッ

岡部「…………」

岡部「……うむ……うむ」

岡部「紅莉栖……目を、とじろっ」

紅莉栖「ふぇえっ!?/// ほっ、ほんとにやるのぉっ!?///」

岡部「背に腹は代えられん……それに、俺たちがこうしていられるのはラボメンたちのおかげなのだ……」

紅莉栖「断れないってわけ? まったく、変なところで仲間想いなんだからっ」

紅莉栖「……まぁそういうところも大好きなんだけど……///」ブツブツ

岡部「何か言ったか?」

紅莉栖「言ってない!」

岡部「そうか? 何かぶつぶつ言っていたような気が……」

紅莉栖「言ってない! 言ってないもん!///」

フェイリス「お二人さ~ん? 仲がいいのはよろしいですけど、フェイリスは早くキスが見たいのニャ~ン」

岡部「なぁっぐ!! うるさいっ、はやし立てるなぁっ」

紅莉栖「こんなのっ、どうってことないわよっ///」

るか「なんだか……緊張してきました……///」

萌郁「カメラ……ばっちり……」

鈴羽「いけーっ! やっちゃえやっちゃえーっ」

まゆり「えへへっ、やっぱりみんながいると楽しいね~」

ダル「牧瀬氏ーっ、ツンツンしてないでデレデレ本音ちゅっちゅだお! そして爆発しろぉ」

紅莉栖「だから何よそのとんでもなく恥ずかしいネーミングはぁっ!」

紅莉栖「ありえない! 却下! えぇい岡部っ、こっち向けぇっ!」


岡部「のぉわぁっ!! 紅莉栖!?」



ちゅっ



   「だいすきだからね……おかべっ……///」




                                 おしまい

読んでくださった方、支援してくださった方、ありがとうございました
なんとか滑り込みで完結させられました。本当にありがとう

ジョシュタイナーとかデレデレンジとか、そういう感じのシュタゲSSを書いたことがある者です
展開や台詞が似通ってしまった部分もあるので、反省の意味をこめて名乗ってしまいます、さーせん

でもたまにはラボメンに頼るオカリンが書きたかったので、それができていればうれしいです
とにかく楽しんでいただけたなら幸いです。

 ク ソ ス レ に 牧 瀬 紅 莉 栖 が 登 場 !
         ;;;--‐''''::::::::::::::::ヽ.
       /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::、
      /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::、
     .i':::::::::::::::::/、::::::::::::::/:::::::::::::::i.
     .|::::::::::::::/  :、:::::::::/、::::::::::::::::|
     .|::::::::;/ ____ ヽ/___ヾ:::::::::::::|

     |:::::i'  ヾ●)  (●ノ `i:::::::::|
      .゙:、:|    "   i ゙゙    |::/ <だいすきだからね……おかべっ……///
       | |  ///  <   /// |'::|
       |::i     ^t三テ'    ,!::|
       |::::ヽ、        ノ::::|
       |::::::: \___    _/::::::::|
       |::::::: ∩ | ̄ ̄| ∩::::::::::|

   /.:::::::::::::;;;;;;;;.;;;;, <   人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人
 /イ:::::彡゛___, 、_ツ)ヾ < すごい世界線の変動を感じる。今までにない何か大きな運命探知だ。 >

 川r:l:.:.l (゜) (゜)レヘ} < ラウンダー・・・なんだろうやってきてる確実に、着実に、ラボのほうに。.  >
  リ, l:.|.    |  |:l  < 中途半端はごめんだ、とにかく最後までやってやろうではないか。   >  
  j,ーi;|    '  ,N   < この秋葉原には沢山の仲間がいる。助手もいる。決して一人じゃない。>
   "| `ー , ̄; '´    < 信じよう。そしてともに戦おう。いざとなったらタイムリープすればいいし。 >
  ,,rへ   `[゛、_     < これがダイバージェンス8.48184518%の世界、クソSSの匂いを感じる >
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