勇者「ワルプルギスの夜?何それ?」(268)

勇者「……どこだここ」

勇者「確か…俺、死んだはずだよなぁ」

勇者「死んだら、ラダトームに強制送還されて所持金半分にされて生き返るはずなのに」

勇者「所持金は半分になってないし、ここラダトームじゃないし、一体どうなってんだ?」

勇者「……おかしいな……ここは一体、どこなんだ?」

さやか「まどかはあたしの嫁になるのだー!」

まどか「もーさやかちゃんやめてよー」

仁美「禁断の愛……だと……やってられるか!俺は先に教室に行ってるぞ!」

さやか「はいはい死亡フラグ死亡フラグ」


勇者「…お、ちょうど人がいるな、情報収集でもするか」

勇者「すいません、そこのお嬢さん方」

まどか「はい?私たちのことでs……うわぁ!?」

さやか「何だ!?この鎧人間!!」

勇者「鎧人間……えーとですねぇ、ここ、どこですか?」

まどか「ここ?日本の○○県○○町ですけど……」

勇者「ニホン?聞いたことないな……」

さやか「日本知らないって何者なんだよ……」

勇者「……なぁ、ラダトームって国は知ってる?」

まどか「ラダトーム?聞いたことないですね……」

勇者「そうか………」

さやか「まどか、もう行こうよ、頭おかしいんだよきっと」

まどか「さやかちゃん……でもこの人、本気で困ってる感じだよ」

さやか「警察にでも行かせたらいいじゃん、ほら、学校行くよ!」

まどか「あ、もう…すみません!私たち急いでるんで!」

勇者「あ!……参ったな」

勇者「ニホンか………少なくとも、俺のいた世界にそんな国はなかったな」

勇者「となると、ここは別世界か?俺のご先祖様が別の世界から来たって伝説もあるし、別世界なんてものがあっても不思議ではないが」

勇者「あれこれ考えていても仕方がないな、あの子たちの後をつけて行ってみよう」


先生「今日は転校生を紹介します、入って暁美さん」

ガラッ

勇者「おじゃましまーす」

さやか「何ィィィィィイーーーーーーーッ!!?」

まどか「あ、今朝の……」

勇者「あ、心配ないですよ、俺、勇者ですから」スタスタ

さやか「勇者だから何だっていうんだぁーーー!!」

勇者「お、なんだこのタンスみたいなの(注・掃除用具箱)開けてみるか」

勇者「なんだやくそうも入ってないのか、がっかりだよ」

まどか「こんなの絶対おかしいよ」

先生「ちょ、ちょっと!あなたなんなんですか!!?」

勇者「俺か?俺は世界を正す者、人呼んで勇者だ!」キリッ

先生「けけけけけ警察呼びますよ!?」

勇者「え?ケーサツ?何それ魔物か?貴様魔と通じる者か!?」ジャキッ

さやか「抜刀しやがった!!あれ本物だったんだ!!」

まどか「どどどどうしようさやかちゃん!!」

先生「けけけけけっけけけ警察を」

ほむら「それには及ばないわ」

先生「え?」

ドォーーーン

勇者「……あれ!?俺いつの間に外に出たんだ!?今何が起こったんだ!?」


先生「あ、暁美さん……?」

カカカッ キュッキュッ

ほむら「暁美ほむらです、よろしくお願いします」

まどか「……い、今、何が起こったんだろう」

さやか「不思議な奴だよね……あの鎧もそうだけど、こいつも」


勇者「これからどうしよう……」

――夕方

勇者「はぁー……」トボトボ

「何あの鎧」

「警察呼んだ方がいいのかしら」

「い、今あんたの方見たわよ!」

「きゃー!怖い!!」

勇者「腹減ったなぁ」

?「……」キョロキョロ

勇者「ん?なんだあの赤い髪の子は」

?「……」

勇者「なんだ……?あれは、リンゴか?この世界にもリンゴってあったんだな」

?「!」パシッ タタタタタッ

勇者「……あれって……泥棒なのかな、追いかけたほうがいいな」ダダダダダダッ


?「ハァハァ、へへ、ここまで来るりゃ安全だろ!」

勇者「おーい、君!」

?「うわっ!?」

勇者「そのリンゴさ、君のかい?」

?「えと、その、そ、そうだよ!あたしのだよ!」

勇者「嘘をつくな、見てたぞ、それは盗んだものだろ」

?「うぐ……!なんだよ!!警察に突き出すならこっちにだって策が」

勇者「盗みはいけないよ、仕方がないな、俺の金をやるからちゃんと買ってきなさい」

?「え?警察に突き出さないのか?」

勇者「そのケーサツってのを俺はよく知らないんだ、だから、俺のやり方で君を正す」

?「……よくわからない奴だな、お前、変な格好だし」

勇者「異世界の人間だしな、ほら、金やるからちゃんと払ってきなさい」

?「う、うん」チャラッ

?「………」(ゴールド、日本円じゃないよ)

?「んじゃこれはァァァァーーーーッ!!なめてんのかてめえ!!」

勇者「なに!?それは正真正銘ちゃんとした金だぞ!!」

?「てめえ頭おかしいのか!?こんなおもちゃでリンゴが買えりゃあホームレスしてねえよ!!」

勇者「お、おもちゃだと!!貴様ぁぁ!!お金は大事にしなさいって王様から言われなかったのか!?」

?「何だよ王様って!!普通親からだろ!てめえ恰好だけじゃなく頭をファンタジーか!!」

勇者「もう許さん!名乗れ!!たたっ斬ってやる!!」

?「あたしか!?あたしは佐倉杏子ってんだ!冥土の土産に持っていきやがれ!!」

勇者「…お、あのピンクと青い髪は、今朝の女の子たちか?」

杏子「聞いてんのかてめえ!!」

勇者「ふん!命拾いしたな!!用事が出来た!!じゃあな!」ダダダダッ

勇者は にげだした!

杏子「おい!待てよ!!」

杏子「なんだったんだ……あの野郎」

勇者「おい!!」

杏子「うわあ!まだいたのかアンタ!!」

勇者「もう盗みはするなよ!そんなことして手に入れても美味くないぞ!!」

杏子「うっせえ!!早く行けバカ!!」

勇者「言われなくても行くよ!じゃあな!!」ダダダダ

杏子「…なんだよ、仕方がないじゃんか………」



さやか「まどか、あのCDショップ寄っていい?」

まどか「うん、いいよ」

勇者「俺も同行させてもらってもいいかな」

さやか「ぬわーーーーーーーっ!!またお前か!!」

まどか「よく会いますね」

勇者「その、シーディーショップ?ってやつに俺も一緒に行かせてもらうよ」

さやか「ちょ!ふざけんな!!」

まどか「もういいじゃない、さやかちゃん」

さやか「ま、まどかちゃん!!」

まどか「ここまで来たらさ、もう運命だよ」

勇者「そうそう、運命」

さやか「うるさい!バーカ!バーカ!!」



勇者「何これ?」

まどか「これですか?これはヘッドフォンっていって、頭にかけてこうやって」

勇者「かけられない」

まどか「その兜を取らないと」

(助けて)

まどか「!!」キュピキュピーン

勇者「何今の声、精霊様?」

(助けて、死にそう)

まどか「こっちから……!」

勇者「行くのかい?」

まどか「なんか、行かなくちゃって感じがするの」

勇者「ついて行くよ、その方が心強いだろ?」

まどか「じゃあ、お願いしますね!」ダッ

さやか「あれ?まどか?どこ行くんだろ、つーかあの鎧も一緒かよ、怪しすぎ」


まどか「こっちかな?」

勇者「あ、なんかいる!!」

まどか「あなたなの?私を呼んだのは」

?「ハァハァ」

まどか「この子、すごい怪我……!!」

勇者「任せろ、かの者の傷を癒したまえ、ベホイミ!!」

テロリロリロリン♪

?「ふぅ、ありがとう!鹿目まどか!!あと知らん鎧!!」

賢者「ワルプルギスの夜とは、妖精や悪魔が一同に介して騒ぎまくる日のことです」

魔法使い「そして、別に不幸な事ではなく、むしろヨーロッパ圏ではごく自然的なイベントです。お祭りもやるんですよ」

武闘家「日本で言うお盆、ですね。めでたいことなんです」

僧侶「従って、ファウストのイメージでワルプルギスを語るなんて言語道断ですし」

魔王「ましてや、いえ、なんでもありません、ただ認識として、お盆だと思ってください、お盆が来る……、と絶望してるラノベは滑稽でしょ」

王様「いやまあ、地獄の蓋があくと考えればあるいは」

まどか「ど、どうして私の名前を!?」

勇者「知らん鎧って……俺、勇者なのに」

QB「僕の名前はQB!!ところで、僕の傷を治してくれたのは誰だい?」

勇者「俺だよ、俺!!」

QB「もしかして、今の魔法かい!?」

勇者「魔法だよ!」

QB「君は……魔法少女なのかい!!」

勇者「誰が少女だ!?俺は勇者だ!!ラダトーム出身の勇者!!」

ほむら「そこまでよ、インキュベーター」

勇者「うわ!出た!!」

QB「暁美ほむら、また君かい」

ほむら「まどかから離れなさい」

勇者「貴様!ここで会ったが百年前!!」

ほむら「なんであなたもいるの」

勇者「俺が勇者だから……かな」

ほむら「……インキュベーター、まどかから離れなさい!!」

勇者「無視された、こんな気持ちを味わったのはせっかく話しかけた村人に『ここはガライの村です』と返された日以来だ」

QB「わけがわからないよ」

?「QBから離れなさい、暁美ほむらさん」

勇者「おっぱいでっか!マイラのパフパフ娘とどっちが大きいかな」

?「なに!?出てきていきなり胸の話!?」

QB「マミ!早く助けてよ!」

マミ「暁美さん、今日はもう帰りなさい」

ほむら「そういうわけにはいかないわ、まどかが……」

マミ「鈍いわね、見逃してやるって言ってんのよ」

ほむら「……くっ」



マミ「はじめまして、あなたが鹿目まどかさんね」

まどか「どうして、私の名を……」

マミ「QBから聞いたのよ」

勇者「QB、それがこの魔物の名前か」

QB「誰が魔物だい、鹿目まどか!僕、君にお願いがあるんだ!」

まどか「お願い?」

QB「僕と契約して、魔法少女になってほしいんだ!!」

さやか「おーい、まどかぁー」

まどか「あ、さやかちゃん!」

勇者「いたんだ」

さやか「いたんだ、じゃないよ!!」

QB「君は……美樹さやかだね!」

さやか「うわ何このナマモノ!!」

QB「ナマモノ……」

マミ「……しっ、QB、来たわよ」

QB「うん、どうやらそのようだね、頼んだよマミ」

まどか「え?何?なんなの?」

勇者「まどか、さやか、下がってて」

マミ「あら?あなた、魔法少女じゃないのによくこの気配に気づいたわね」

勇者「勇者を舐めんなぱふぱふ娘、こいつは何なんだ」

マミ「ぱふぱふ娘……これは魔女よ」

勇者「魔女?魔物か?」

マミ「ま、ある意味近いわね!」

まどか「な、なに?ここはどこ?」

QB「魔女の結界だよ」

さやか「結界?」

QB「来たよ!マミ!!」

魔女「ウボァー」

勇者「なんだこのヒゲ!!」

マミ「こいつが魔女よ勇者さん!!」

勇者「魔『女』なのにヒゲとはようわからん奴だな!!」

マミ「そこらにうじゃうじゃいるわよ!!」パンパン!

勇者「うお!?なんだその武器、見たことないぞ!!」

マミ「銃っていうのよ、知らないの!?」

勇者「知らん!へぇー銃っていうのか、剣と違って遠くの敵も攻撃できるのか」

マミ「ぼうっとしてないで!!近くに一匹いるわよ勇者さん!!」

勇者「ン?もう斬ったぞ」

魔女「ギャアアアアアアアアアアアアアアアア」

マミ「え?い、いつ……!?」

勇者「おい!アンタこそぼうっとしてるんじゃない!伏せろ!ベギラマ!!」テロリロリン♪

マミ「え?きゃあ!」

魔女「ヌワーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ」ボシュウ

マミ「な、何?今の…雷?」

勇者「こいつで最後だな!とりゃ!!」

魔女「ノォォォォォォォォォォ」ザシュッ

マミ「つ、強い……あ、あなた、一体何者なの?」

勇者「え?さっきも言っただろ?」

勇者「俺は勇者!世界を正す者だ」



さやか「なんなのあいつ!強いじゃない!!」

まどか「ほんと!勇者って言ってたけど本当かもね!」

QB(予想外だ、イレギュラーだ!いったいどこから現れた?一体彼は何者なんだ?)

―――

まどか「魔法少女、ですか」

さやか「願い事を一つ叶える代わりに、魔女と闘う使命を負う……ですか」

マミ「そう、とても危険な仕事よ」

QB「その代わり、どんな願い事もひとつだけ叶えてあげられる、命をかけるにふさわしい願いを決めると良い」

まどか「うーん……でも……」

マミ「魔法少女っていうのがどんなのか、まだよくわからないのね」

まどか「は、はい」

マミ「なら、しばらく私の仕事を見学すると良いわ」

さやか「魔法少女の見学会ですか!いいですね!」

マミ「QBもそれでいい?」

QB「僕は構わないよ」

勇者「……………………」

――帰り道

勇者「なぁ、お前らさ、本当に魔法少女になるつもりか?」

まどか「え?うーん……まだ分からないです」

勇者「そうか……」

まどか「私、叶えたい願い事とか、見つからないし」

勇者「うーん……」

さやか「あたしは……どうしようかなぁ」

勇者「さやかは叶えたい願い事とか、あるのか?」

さやか「うーん……あるっちゃあるんだけど、どうもねえー」

勇者「やめておけ」

さやか「え?」

勇者「あのQBっての、どうにも胡散臭い、魔法少女になるのはやめておいた方がいい、たとえ叶えたい願いがあったとしてもだ」

さやか「ど、どうしてそう言い切れるのよ」

勇者「俺の勘が、そう告げている、いいか……叶えたい願いってのは、他の力を借りてまで叶えるものじゃない」

さやか「意味がわからないよ」

勇者「お前、他人の為に自分の命をかけるつもりだろ」

さやか「!!」

勇者「お前のような目をした奴を、俺はたくさん見てきた、そいつらがどんな最期を送ったのかも、だから忠告してやれる、やめておけ」

さやか「あんたに……」

勇者「それは、ただの自己満足だぞ」

さやか「あんたに!あたしの何がわかるって言うのよ!!」ダダダダッ

まどか「さ、さやかちゃん!!ごめんなさい、私もここで失礼します!!」タタタタッ

勇者「……ちょっと言い過ぎたかな、やれやれ、けど……あの子はちょっと危ない、かな」

勇者「………忘れてた、宿はどうしよう?」

――病院

まどか「上條君のお見舞いなのに、私も同行しちゃっていいの?」

さやか「いいよいいよ!あいつも多い方が喜ぶし」

勇者「なら俺も加わろうかな」

さやか「~~ッ!……ふう、もう驚かないわよ」

勇者「そうかい?」

さやか「全く!あんたはダメだかんね!」

勇者「えー?」

まどか「…ねえさやかちゃん、勇者さん、ちょっと」

さやか「何?まどか……あ!」

勇者「お……こいつは」

QB「グリーフシードだね」ピョコン

さやか「うおっ!あんたいつの間に!?」

まどか「QBはずっと私と一緒にいたよ?」

さやか「気付かなかった…」

勇者「お前QBには驚くんだな」

さやか「うるさいわね!」

QB「さやか、あまり大声を出しちゃいけない、このグリーフシードはもう孵化しそうだ、刺激を与えちゃいけないんだ」

まどか「ど、どうしよう!」

さやか「マミさんを呼ばなくちゃ……あ、でも番号もメアドも知らない……」

勇者「俺いるからいいんじゃないかな」

さやか「あたし!マミさん呼んでくる!!」ダッ

勇者「……無視か、くそぅ」

まどか「私たちはどうしよう」

勇者「んー、この卵が孵化しないよう見守っておくしかないんじゃないかな」

まどか「そ、そうですね」

QB「それが最善だろうね」

勇者「……」

まどか「……」

勇者「………」

まどか「……あの、勇者さん」

勇者「何だい?」

まどか「昨日は、すみませんでした」

勇者「ああ、いいさ、俺も言い過ぎた、後で彼女にも謝っておくよ」

まどか「……さやかちゃんには、幼馴染がいるんです」

勇者「へえ」

まどか「その人、バイオリンの天才で、でも、事故で指が動かなくなって」

勇者「バイオリンか……琴みたいなやつだったかな?たしか俺のいた世界にもあったような」

まどか「それで、さやかちゃんはきっと」

勇者「願い事として、その人の指を治してあげたいんだね」

まどか「……多分」

勇者「なるほどね……」

QB「確かに、僕なら人の指を治すくらいわけないよ」

勇者「うーむ……」

まどか「でも、そのためにさやかちゃんが犠牲になるのは……」

勇者「他人の為に命をかけるか、人間も魔物も、そこだけは変わらないんだよな」

まどか「え?」

勇者「いや、なんでもないよ」

QB「まどか、もうグリーフシードが孵化しかけてる、危険だ」

まどか「え?」

QB「もうすぐ結界が張られる、大丈夫、マミならたどってこられるから」

まどか「きゃあ!」


――結界

QB「まどか、先に進もう、この先にグリーフシードがある」

勇者「まだ孵化はしてないんだな?」

QB「それは、まだだろうね」

まどか「でも、急いだ方がいいよね」

QB「そうだね、こうなったらいつ孵化するかわからない」

勇者「じゃあ行くか、途中の使い魔とやらは俺に任せろ」

勇者(そういや、仲間を組むっての、俺やったことないや)

勇者「ふんっ!!」

使い魔「イヤン」ズバッ

まどか「あ!あれ!」

QB「うん、あれがグリーフシードだ」

勇者「やれやれ、ここで待機か?」

QB「うん、あとはマミに任せよう」

勇者「そうのんきなことも言ってられないぞ」

ピキピキ

まどか「あ……」

QB「まずいね」

勇者「仕方がないな」

パリィィン

魔女「 」

勇者「……なんだあれ、人形か?」

QB「気をつけて!そいつも立派な魔女だよ!」

勇者「そうなのか?まぁ、スライムも見た目だけは可愛いしな……」

魔女「  」

勇者「呼吸を整えて……よし、こっちから行くぞ!!てりゃあッ!!」

ズバァッ!

魔女「 」グニョン

勇者「ぬお!?なんか妙な手ごたえ……!!」

魔女「  」ズルゥゥゥゥ

勇者「うおおッ!?魔女の中からなんか出たぞ!?」

QB「あれが魔女の本体だ!!」

勇者「何だと!?」

魔女「   」グバァ

勇者「やばい!こっちのターンは終わってんだった……!!」

勇者(復活場所はどこになるんだろ、あーあ、まさか異世界でも死ぬとはなあ)

?「ティロ・フィナーレ!!」

ドッゴォォォォン

しーましぇーん!ちょっと飯食ってきます

もうちょい待ってください
後でもしもしに移行します、忍法帖作ってないよ

勇者「え?」

まどか「あ!」

さやか「ごめんまどか!遅くなった!!」

まどか「さやかちゃん!マミさん!!」

勇者「はぁーーーっ!死ぬかと思った!」

マミ「感謝しなさいよ!勇者さん!」

勇者「ああ、すまない!ありがとう!ついでだが、あいつを引き付けてくれないか?」

マミ「え?」

勇者「俺だって、かっこいいところを見せたいんだよ……勇者だからな!」

マミ「クスっ、しかたないわね!この借りは大きいわよ!!」

勇者「分かってるよ!よし!」

勇者(引き付けておいてくれ、か、一人で旅をしていた時はそんなこと頼めなかったな)

勇者(ただひたすら孤独で、辛い戦いの日々だった、でも今は、頼める仲間がいる)

勇者(なんて心強く、頼もしいのだろう、おかげで、体勢を十分整えられる……攻撃に専念できる!!)

勇者「はぁぁぁぁッ!!」バッ

魔女「!」ピクッ

マミ「おっと!行かせないわよ!」バンバンッ

魔女「  !」

勇者「ナイス援護だマミ!!喰らえ!!」

会心の一撃!

魔女「―――――」

勇者「やったか?」

魔女「    」

マミ「ッ!!まだよ!!」

勇者「なんだと!?」

魔女「           !!!!」ガバァ

マミ「え?」

勇者「マっマミィィーーーー!!」

まどか「マミさん!!」

さやか「マミさーーん!!!」

魔女「       」グバァァァァ

勇者「くそッ!間にあえ!!」ダダダダダッ

マミ「あ……………」

勇者「くそ!ギラ!!」テロリロリロリン♪

バシイィィッ

魔女「 !」

マミ「うわ!」

勇者「マミ!」バッ

マミ「きゃあ!」ガシッ

魔女「  」グバァッ

ガブッ!!


勇者「ぐああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」

まどか「あ!!」

さやか「ゆ、勇者さん!!」

勇者「ぐぅっ!!く!ま、マミ、無事か!?」

マミ「あ、あなた、腕を!!」

勇者「俺の心配は後でいい……早くあいつを!!」

マミ「!」

魔女「   」ニヤァ

マミ「くそっ!」

まどか「マミさん!!」

マミ「よくも!!くらいなさい!ティロ・フィナーレ!!」

魔女「     !!!!!!!」ドッゴォォォォォン

魔女「                 」バラバラ

マミ「やった……!」

勇者「ハァーッ、ハァーッ……やったか、今度こそ……」

まどか「マミさん!勇者さん!!」

さやか「大丈夫!?」

マミ「私は……でも、勇者さんが……」

勇者「俺なら……大丈夫、かな?多分……」

ボトッ  ボトッ

まどか「あ!グリーフシード……と、あれは……」

勇者「ああ!俺の左腕だ、よかった、バラバラになってたら、死ぬまで元に戻らないところだった」

まどか「え?」

勇者「上手く繋がるかな、ベホイミ!!」テロリロリロリン♪

さやか「うわ!くっついた!!」

マミ「すごいわね……あなたもしかして、人間じゃない?」

勇者「精霊の加護を受けてるからね、化け物と形容されてもいいくらい俺の身体は頑丈になってるんだよ」

まどか「で、ちぎれた腕が元に戻るなんて……」

勇者「慣れっこさ」

マミ「どんな生き方をしてきたのかしら……」

勇者「ははは、死んでも所持金半分で生き返るしな」

さやか「ね、ねぇ、ちょっといいかな?」

勇者「何だい?」

さやか「い、今の……今の魔法?あんたの腕、治ったじゃん、その魔法でさ、治してほしい人がいるんだけど……」

勇者「それ、例の幼馴染かい?」

さやか「!どうして、それを?」

勇者「まどかから聞いた、でもな……多分、無理だ、俺には治せない」

さやか「なっ!なんで!?なんでよ!!?」

勇者「ベホイミってのは、傷を瞬時に治す魔法だ、わかるか?傷が瞬時に治るんだ」

勇者「俺は精霊の加護を受けてる分、その急激な変化に耐えられるようになっているが、普通の人間では耐えられないだろう」

さやか「よくわからないよ」

勇者「そうだな、普通……傷を治すには、その箇所にかさぶたが張って、それで治っていくものだろ?」

マミ「そうね……」

勇者「それにはエネルギーがいるんだ、普通の人間なら、減ったエネルギーは睡眠とか食事で補えるものなんだけどさ」

勇者「ベホイミは……無理矢理治してるって感じかな、その急激な変化にはおそらく耐えられないと思う」

勇者「ましてや神経の回復だ、無理だろう……」

さやか「……………」

勇者「ごめんな、役立たずと思ってくれても構わない」

さやか「ううん、そうだね、あたし……ちょっと虫がよすぎたよ」

携帯に移行  ID:goe4wGoQOです

勇者「………」

さやか「うん!ごめんね!気にしなくていいから」

勇者「さやか………君は」

さやか「ほらマミさん、早くグリーフシードもらって、こんな結界出ちゃいましょうよ」

マミ「そ、そうね………」

さやか「まどかもごめんね!待たせちゃって、今度奢るわ」

まどか「う、うん」

勇者「………」

まどか「勇者さん………」

勇者(………心配だ)

勇者「彼女は………きっと、魔法少女になるだろう………」

まどか「え………」

勇者「しかし………俺にはそれは止められないだろう」

勇者(自分の好きな人の為に、命を賭ける、その覚悟と辛さを………俺はよく知ってる………だから………)

まどか「さやかちゃん………」



ほむら「………彼は、一体」

ほむら「……何者………なのかしら」

ほむら「………」

――この数日後

さやかちゃんは、魔法少女になりました

幼馴染みの怪我を治す、という願いと引き替えに

魔女と闘う、という………使命を負うことに、なったのです

彼女は、後悔はしていないと言いました

その時、は………

――そんなある日のことでした

私(鹿目まどか)と、さやかちゃん、そして勇者さんとで、いつものように街に魔女、または使い魔がいないか捜索していた時でした

さやか「あんたさ、いつまでこの世界にいるの?」

勇者「俺だって、元の世界に帰りたいさ、でも方法がわからない」

まどか「勇者さんの世界って、どんなところだったのですか?」

勇者「ん?………ここよりずっと自然に溢れて、空気が澄んでて………いいところだよ、魔物がちょっといるけど」

まどか「へー………見てみたいなぁ」

さやか「どーせろくでもない所だってー」

勇者「そんなことはないぞ!!もし異世界に自由に行けるようになれば、まどかはいつか招待するが、貴様は絶対招待しない!」

さやか「えー何それ!ズルい!!」

勇者「ズルくない!!だいたいお前がだな………!!危ないッ!!」ガッ

まどか「うわぁ!」ドサッ

さやか「キャッ!!」ズサァッ

勇者「この感じは使い魔だ!!さやか!!」

さやか「あいたた………もう!もっと優しくしなさいよ!」

勇者「言ってる場合じゃないぞ」

さやか「もう!使い魔ごときが調子に乗るんじゃないわよ!!」パァァァ←変身

使い魔「ギョー」

勇者「いけ、さやか!!」

さやか「オーケー………うわっ!!」ドカッ

勇者「!!なんだ!?」

?「おいおいアンタ!!何やってんだよ!!」

勇者「誰だお前!!………………ん?なーんか見た覚えがあるような赤い髪の毛………」

?「あれ?あの鎧は………」

勇者「あっ!!確か貴様はさくらあんこ!!」

杏子「佐倉杏子(きょうこ)だ!!この鎧!!」

勇者「そうだ杏子!!お前何でこんな所に!」

杏子「あいにくだけどアンタに構ってる暇はねえ、おいアンタ………確か、美樹さやかだったな」

さやか「な、なによ」

杏子「てめー、今何をしようとした?」

さやか「何って、使い魔を倒そうとしたに決まってんじゃん!」

杏子「馬鹿、使い魔なんて倒したって何の意味もねえじゃんか」

さやか「え?」

杏子「この様子ならあと二、三人食えば魔女になる、そしたら倒したらグリーフシードが貰える、その方かいいじゃねえか」

さやか「ふざけてるの?二、三人食えばって、あたしにその人たちを見殺しにしろっていうの?」

杏子「言っておくけどな、他人の為に何かしようなんて、そんな甘い考えは捨てた方がいいぞ」

さやか「え………?」

杏子「どうせ魔法なんて他人の為になんねえんだ、そんなら、自分の為に魔法を使った方がいいじゃねえか」

さやか「何だって………」

杏子「暁美ほむらって奴から聞いたけどさ、お前、他人の為に魔法少女になったんだってな、馬鹿みてー」

さやか「!」

杏子「んなことしたって、何の意味もねえのにさ………」

さやか「うるさい………!」

杏子「そいつは、お前のおかげだって気づいてないんだぜ?意味がないじゃねえか」

さやか「うるさい!お前に何が分かるって言うんだよ!!」

杏子「やるのか?相手になってやるよ、あたしもアンタみたいな奴は大嫌いだからね!!」ジャキッ


勇者「おいおい………使い魔放って何やってるんだよ………いや、もう倒したけどさ、俺が………」

使い魔「ギャー」

勇者つええww

まどか「どうしよう勇者さん!二人を止めなきゃ………!」

勇者「待て、まだだ、今入ったらさやかがうるさいぞ」

まどか「でも………!」



さやか「うおおおおおおおおおおお!!」

杏子「遅いんだよ!引っ込んでな!!」バシッ

さやか「ぐああっ!!」

杏子「アンタそんな実力で魔法少女やっていけると思ってたのかい?甘すぎるね!!」

さやか「う………うるさい!うるさい!!!!」

杏子「ふん!」

さやか「うわっ………!!」バシィッ

まどか「さやかちゃん!」

勇者「仕方がないな………」

杏子「とどめだよ!!」

さやか「………!!」

勇者「うおっ!」ドカッ

杏子「!!」

さやか「あ………あんた………邪魔、しないでよ………!」

勇者「そんなボロボロの体で、よく言うよ………後は俺が何とかする」

さやか「でも………!」

勇者「お前の気持ちはよく分かる、でもな、あいつの言うこともある意味で正しいんだよ、少し頭冷やしな」

さやか「………」

杏子「なんだい?アンタが相手になってくれるのかい?」

勇者「そうだな、少し相手になってあげてもいいけど」

杏子「なら行くよ!」ブンッ

勇者「ギャア!!話は最後まで聞け!」

杏子「甘いこと言ってるなよ!!」

勇者「ぐえっ!止めろ!!馬鹿!!」

杏子「うっさいな!油断してる方が悪い!!」

勇者「ちくしょう!調子に乗るな!!」ブンッ

杏子「う、わっ………!」バシッ

勇者「ロトの勇者を舐めんな!」

杏子「知らねえよ!なんだロトって、宝くじか!」

勇者「使い魔はもう俺が倒した!もう用はないだろ!今日はもう帰れ!」

杏子「ん………それなら仕方がないか、今日はこれくらいで勘弁してやるよ」

勇者「まともにやってたら俺の勝ちだったわ!タイマンで俺に勝てると思うな!」

杏子「うるせえ!そこの馬鹿にはよく言っとけよ、魔法を人の為に使っても意味がないってな!」

まどか「さやかちゃん!」

さやか「くそ………!なんなんだよあいつ!」

勇者「やれやれ、まどか、さやかを送ってやってくれ」

まどか「は、はい」

勇者「さやか、今日はもう帰った方がいい」

さやか「………」

まどか「あの、勇者さんは………」

勇者「俺か?俺はまだ、やることがあるから、先に行け」

まどか「は、はい………」



勇者「………」

ほむら「………」

勇者「ずっと見てたな、あんた」

ほむら「あなたは、何者………?」

勇者「俺か?俺は勇者だ、ラダトームよりりゅうおう討伐に旅に出た、ロトの子孫、勇者だ!!」

ほむら「そう、あなたがどんな人物かわからないけど、忠告しておくわ」

勇者「わからないって、勇者って言ったじゃん………」

ほむら「もう、彼女たちには関わらない方がいい、あなたの為にも」

勇者「………しかしなぁ」

ほむら「死ぬことになるわよ」

勇者「………俺は、死なないよ」

ほむら「………」スッ

勇者「……どうしたものか、な」

――翌日、俺は彼女と再会した、赤い髪をした、彼女に

勇者「げ、またか」

杏子「よう」

勇者「またたくさんリンゴ持ってるな、また盗んだのか?」

杏子「いいじゃねえか、なぁ、ちょっとついてこいよ」

勇者「………?」

彼女に連れられやって来たのは、古い教会だった、俺はそこで、彼女が魔法少女になった経緯を知った

勇者「なるほどな………そんなことがあったのか」

杏子「そ、だからさ、魔法なんて人の為に使ってもなんにもならない、あいつも………早く気づくべきなんだよ」

勇者「どうかな?」

杏子「え?」

勇者「ま、簡単な問題じゃあないよな………俺は、ずっと一人で旅してたから、自分の思うまま好きにできたからな、考えたことなかったな、そういうこと」

勇者「悪いけど、俺にどうにかできる問題じゃなさそうだ、お前さ、一回さやかと話し合えよ」

杏子「なんであたしが」

勇者「わかりあえないままなんて、寂しいじゃないか」

杏子「………どうでもいいよ」

勇者「ははは、ま、考えておきなよ」

――そのさらに翌日、魔女(と使い魔)を捜索するまどかたちと合流するために、俺はまどかたちを探していた

勇者「お、いたいた………あれ、杏子もいる、あれ………あの黒髪もいやがる、話し合いでもするのかな………って、そんな雰囲気じゃないな、急ぐか」


――同時刻

まどか「さやかちゃん!!ごめん!!!!」ガッ

さやか「え?」

まどか「えいっ!」ポイッ

さやか「あ!あんた、何てこと………」ガクッ

まどか「え………さやか、ちゃん?さやかちゃん?」

杏子「………?」

ほむら「!!!!」バッ

勇者「………!なんか落ちてきた………よっと」パシッ

勇者「なんだこれ、あ!マミも同じようなやつ持ってたな、これってあれだ、ソウルジェムって言ったか」

勇者「青いな、さやかのだろうか、返して方がよさそう………」

ほむら「あなた!今すぐそれを寄越しなさい!!」

勇者「ぬわっ、なんだいきなり」

ほむら「早くしなさい!」

勇者「わ、わかったわかった、けど、これは俺から返す、急いだ方がいいんだな!」ダダダダッ

ほむら「くっ」タタタタタッ

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 ヽ | ヽ.:.:.::.:.|〃 .ん心            V:::::::::::ソ     /.:.:.:.:/ | /─‐ 、 l、.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:│.:|
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俺がさやかたちの元に着いた時、俺は不思議な光景を目にした

勇者「さやかが、倒れてる………?」

まどか「さやかちゃん!さやかちゃん!!」

杏子「それじゃああたしたち、ゾンビにされちまったようなもんじゃないか!!!!」

勇者「………?どうしたんだ」

ほむら「早く、美樹さやかにそれを」

勇者「お、おう」スッ

まどか「あ………勇者さん………」

勇者「何があったんだ?まどか」

さやか「………う………」

勇者「お、気がついたか」

勇者「なぁ、一体何があったんだ?QBまでいるじゃないか」

まどか「さやかちゃん!ごめんね!ごめんね………!」

勇者「杏子、何があったんだ?」

杏子「………」

ほむら「私が説明するわ」

勇者「お、助かるよ………えと、名前は確か」

ほむら「暁美ほむら」

勇者「そうだそうだ、ほむら………だったな」

――そして俺は聞かされた、魔法少女の悲しい真実を

勇者「なるほど………な………ある種、俺みたいな感じだな」

杏子「………」

勇者「杏子も知らなかったようだな、マミも知ってるのだろうか」

ほむら「彼女に教えるつもり?」

勇者「そうだな………教えておいた方がいいとは思うが………」

ほむら「彼女に、この事実を受け止められる強さがないかもしれない」

勇者「どうしようか、ん?待てよ、あんたは知ってたのか?この事実を」

ほむら「え?」

勇者「あんただけ、いやに落ち着いているからさ………」

ほむら「………」

勇者「まあいいか、今はさやかたちをなんとかする方が優先か」

ほむら「ごめんなさい」

勇者「………?」

――翌日

勇者「あれ、さやかだ、おーい」

さやか「………」

勇者「この時間は確か、幼馴染みのところに行ってると思ったけど、今日は行かなかったのかい?」

さやか「………」

勇者「………元気出せよ、な」

さやか「………うるさい」

勇者「………」

さやか「あんたに、あたしの気持ちなんて、わかんないよ」

勇者「わかるさ、俺だってゾンビみたいなものさ、死んだらさぁ、気がつきゃ王様の前にいるんだよ、有り金の半分なくなってさ」

勇者「んで『おお勇者よ、死んでしまうとは情けない』だぜ?だったらもっといい武器と防具寄越せよって話なんだよな!!!!」

さやか「………クスッ」

勇者「あ!笑ったな!!このヤロー!………俺だって最初は理不尽だと思ったさ」

さやか「………」

勇者「でもさ、そうでもしないと人間の力じゃとても敵わないってわかってきたんだ、ましてや『りゅうおう』になんて………って」

勇者「さやかも………魔女と闘う為にそんな体になったんだ、だったら、『勇者』になればいいじゃないか」

さやか「勇者………」

勇者「みんながみんな勇者と誉めてくれるわけじゃない、みんながみんなさやかの闘いを知ってるわけじゃない、でも、俺は知ってる」

勇者「さやかは立派な勇者になれる、あれだけ必死なんだ、大事な人の為に闘えるんだ」

さやか「………」

勇者「だからな………元気出せよ」

さやか「………ごめん、勇者」

勇者「………」

さやか「あたしは、あんたが思ってるほど、強くないんだよ」

勇者「さやか………!」

さやか「でも、ありがとう………じゃあね」

勇者「さやか!!」



勇者「………………」

                /:::::/::::::::::::`ヽ、圭ヲ_::::::::::::::::::Z_    _/\/\/|_
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            ∧:{:::::厶r=ミ:、 '  ヒrリ.》    / .}ハ_  \::::::::::: ̄|/\/\/ ̄
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      i, ‐ '         Ⅵ                / ̄ ̄ ⌒ ー 、_    ./
   ,-‐'       |    Ⅶ            /,  v         `ヽ  /
 ̄ ̄{  |   |   |      } ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/   |    |   |  | ̄ ̄ ̄
   i  |   |   l      !           /    :|    |   |  |

――彼女は、壊れてしまったのか

さやか「アハハハハハはハハハはははは!!!!」

さやか「ホントだぁ!!!!そのキになれば痛みなんて簡単に消せちゃうんだァ!!!!」

痛みを感じず、血を流してるのも知らず、ただ剣を振り続ける、その姿は、まさにゾンビだった

まどか「もうやめて………やめてよさやかちゃん!!!」

マミ「杏子さん、もう見てられないわ、私たちが」

杏子「そう………だな………」

さやか「邪魔するな!!!!」

まどか「さやかちゃん!!」

勇者「………」

勇者「マミ、杏子………あの魔女は任せた」

マミ「え?」

杏子「ど、どうするつもりなんだ」

勇者「俺は、さやかを止める、だから君たちに魔女を任せるよ」

マミ「そう………美樹さんのこと、頼んだわよ」

杏子「………すまねえ、頼む!」

勇者「ああ」

さやか「邪魔、邪魔………するなぁっ!!!!」

まどか「勇者さん………」

勇者「やっぱりさ、人助けしてこその勇者ってやつかな」

まどか「さやかちゃんのこと、お願いします!」

勇者「任された!」

さやか「うあああああああああああ!!!!」

勇者「さやか、教えてあげるよ…俺は勇者だ」

勇者「世界を正し、人々に光を与え導く者だ!!」

さやか「ユウシャ………!」

勇者「あの魔女を倒したければ、俺を倒してからにするんだな!!このセリフ、なんかボスっぽいぞ!」


                 f'´   f'´  f'´   f'´
                 易   姓  革   命
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           ∨/////| : :| ヘ弋少  ,`  弋少 | : :| :i :|//γニミ黄三ミ、γ蒼ミミ
           \////VΛ:ハ ,,,,        ,,, | : :| :| :}// {{;;il天{;;illllli;;}}天lli;;}}               
            `<//}从:込、   `     ,ィノハイ从// {{;;;ili當{{;;li;;;}}{{;;己i;;}} 
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               / ゞ:;;;;;;;;:ィ;;|ト、ヾ:;;;;;;;;;;ノ   `ヽ、  圷iil}.{lll}.{ll}.{iiメノ
              /    `ー'´ .|;;|.iΛゞ` -'´     `、  `=ニ(\\='´
                i、         |;;|ハ ヾ;\       /  ヽ、   (\、ヽi 
                l ヽ、       i;;|llllヽ \;;\  /    \  (\  }
                 |   \     /|;;|llllllΛ  VΛ         \入  ノ

さやか「ユウシャァァァァァァァァァァァァ!!」

勇者(一対一の基本!落ち着き、相手の力を見誤らないこと!)

勇者(一対一の闘いに、不測の事態は無きに等しい、ならば、その時点でより強い方が勝者となる!!)

勇者「うおお!!」

ガキィン

さやか「ああああああ!!」

勇者「てりゃあああああ!」

キィン ギィン

さやか「おおお………おおおおおををををををををを!!!!」

勇者(不味いな!さやかは痛みを感じないらしいから、無茶な攻撃をしてくる!)

勇者(本来なら10パーセントくらいの力しか人間は出せないと言うが、さやかは120パーセント出している!!)

勇者「あれじゃ、俺を倒す前に体が潰れるぞ………痛みを感じないか……だから、ゾンビみたいってことか」

さやか「どーしたのユウシャァァァァァァアハハハハハハハハハハ!!痛みなんてっ!痛みなんて簡単に消せちゃうんだ!」

さやか「ゾンビ!ゾンビみたいだぁ!!!!アハハハハハハハハハハ!!!!」

勇者「痛みを感じない………そんなわけあるか!!俺だってゾンビみたいな体だが、かなり痛いぞ!つうこんの一撃とか!!」

さやか「そんなの知らない!」

勇者「お前だって痛いはずなんだ!!ゾンビだって『ギャアアア』とか言いながら死ぬわけだし!」

勇者(しりょうのきしってゾンビなのかな)

ぶっころせ

>>133
屋上

さやか「痛くない!痛くない!!」

勇者「嘘つけ!痛いだろうが!!そんなに体を傷つけて、血を流して!!」

さやか「痛くない!消せるンだもん!!」

勇者「消せてないじゃないか!!」

さやか「消せてる!痛くないもん!!」

勇者「消せてない!!だってお前泣いてるじゃないか!!」

さやか「え………?これは、血………」

勇者「涙すら血になってるが、俺にはわかる!お前は今泣いているんだ!!」

さやか「な、泣いて………?あたし、どこも痛くないのに?」

勇者「違うよ、痛がってるんだよ!君の心が!!」

さやか「え?」

勇者「心まで傷つけて、その痛みまでも忘れようとしているんだよ!!君は!」

さやか「わ、わけがわからないよ、あたしは」

勇者「自分の体と心だけじゃない、君は、大切な人の心も傷つけていることに気がつかないのか!?」


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    |:..:..:..:..:..:..:..:..:∨.:..:.l!         / 廷ヲ:/     |:../|:..:..:..|/    !:..:./   ´       Ⅳ   |:..:..:..|:..:..:..:..:..:
    |:..:./:..:..:..:..:..:..:.∨.:..|    (~: : : .廴_,ノ      |:′∨ ..:!    |:../      ,.x=ミ マ:,  :|:..:..:../.:..:..:..:..:..:
    |:..:′:..:..:..:..:..://∨:|    /´ ⌒  ̄`        |!  ∨.:|    Ⅳ      勺ム沁 マ,  :!:..:../.:..:..:..:..:..:..:
    |:..:!:..:..:..:..:..:.//  Ⅵ  .:                |     Ⅵ          んィ//リ:::}}  l}  |:..:/.:..:.,;,.:..:..:..:..:
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さやか「大切な人?でも、あいつは、私がゾンビみたいな体になったこと、知らない」

勇者「言っただろう!皆が君を知らなくても、俺は君を知ってるって!俺だけじゃない、まどかだって!!」

勇者「お前を知ってる人たちが、お前の姿を見て傷ついてるんだ!!そんなの、そんなの!!」

勇者「『勇者』のすることじゃないだろっ!!!なぁ!!さやか!!」

さやか「ユウシャ、ゆ、勇者………あたし、あたしは………」

勇者「ゾンビだって、自分を傷つけるような真似しないぞ!!さやか!!」

まどか「そうだよさやかちゃん!もう自分を傷つけるのはやめて!!」

まどか「私………もう見てられないよ、さやかちゃんが自分を傷つけるのを見てるだけなんて」

まどか「それを止められずに、見てるだけなんて………!!」

さやか「まどか………」

勇者「わかったかさやか!これ以上大切な人を傷つけたくなかったら、もうやめるんだ」

勇者「ゾンビの体だからって、悲観することないじゃないか、ソウルジェムだって、無茶な使い方をしなきゃいいわけだろ?」

勇者「守りたいってのがお前の願いだったんだろ?これ以上自分も、友人も傷つけるべきじゃない」

さやか「うん………」

勇者「そうだよな、お前も苦しかったよな、俺だって最初は理不尽だと思ったんだからな」

さやか「………」

勇者「もう、大丈夫だよな?さやか」

さやか「………うん」

勇者「ふぅーっ、やれやれ………おかえり、さやか」

まどか「さやかちゃん!!」

さやか「まどか………ごめん、ごめんね………」

マミ「こっちは終わったわよ」

勇者「ああ、お疲れさま」

杏子「さやかは?」

勇者「なんとか」

杏子「そうか、すまねえ」

勇者「やれやれだよ」

杏子「あたしも、後で謝っとくかな」

マミ「あら?あなたが謝るなんて珍しい」

杏子「うっせーな………あたしだって、素直に謝る時もあるよ」

勇者「仲直りかい?いいじゃないか、もうこりごりだぜ、こんなこと」

マミ「フフ、でも、あのさやかさんから邪気を払うなんて、本当に勇者みたいね」

杏子(邪気?)

勇者「勇者みたいって、俺は勇者だよ、世界を正し、人々に光を与え導く者だ」

すいません、ちょっと席はずします

保守

PCに移行します、保守感謝

ほむら「………」

勇者「ん……?いたのか」

ほむら「あなたは………」

勇者「何度も言うが、俺は勇者だ、誇りある勇者ロトの子孫、勇者だ」

ほむら「…………」スタスタスタスタ

勇者「え?な、何?無言で近づかれると怖いんだけど」

ほむら「ん」ギュッ

勇者「え?」

ほむら「時間よ、止まれ」

ドォォーーーーーン

勇者「……あれ?え?何?周りが……みんな、止まってる?」

ほむら「時間を止めたの、これが私の魔法」

勇者「これが魔法!?マミやさやかも魔法少女っていうけど、剣とか銃?とかなんか俺の考えてた魔法少女とは違うかったけど」

勇者「ほむらのこれはさらに上をいってるな……時を止める?なんだそれ聞いたこともないぜ!すごいな!!」

ほむら「いいから、聞いて」

勇者「はい」

ほむら「明日、私の家に来て、場所は今から言う場所覚えて」

勇者「覚えられるかな、俺この世界の子と良く知らないんだけど」

ほむら「分かりやすく教えるから」

勇者「聞かれたら困るのか?」

ほむら「だから、こうして時を止めている」

勇者「ところでさ、いつまで手を握ってるの?」

ほむら「私が触れているものだけ、止まった時の中を動けるの」

勇者「なるほど………」

ほむら「それじゃあ教えるわよ、・・・・・・・・・・・・・・・・・」

――そして翌日、俺はほむらが教えてくれた場所へと足を運んだ
まどかたちには、ばれないようこっそりと
…何回か迷ったけど

勇者「ここ……だよな」コンコン

ガチャ

勇者「お」

ほむら「入って」

勇者「はいはい」

勇者(なんだこの部屋、すごいな……こんな部屋、ラダトーム城にもなかったぞ)

ほむら「適当に座って」

勇者(お、タンスだ―――)

ほむら「何してるの?早く―――」

勇者「なんだ、下着しかないや」

ほむら「時間よ止まれ」




勇者「気がついたらHPが1になってた」

ほむら「ふざけてるの?次にやったら容赦なく爆破するわよ」

勇者「ごめん、勇者の性分みたいなやつなんだ」

ほむら「まったく……」

勇者「それで、今日俺を呼びだしたわけを聞かせてもらうかな」

ほむら「……あなたは、何者?」

勇者「えー?またその質問?」

ほむら「いえ……本当に、異世界から来たの?」

勇者「ああ、異世界から来た、しかし本当に異世界があるなんてな…俺のご先祖様が異世界の住人だったってのは聞いてるけど」

ほむら「……驚かないで、聞いてくれる?」

勇者「うん?ああ、聞くよ」

ほむら「私はね、何回も同じ時間軸をループしてるの」

勇者「……るうぷ?」

ほむら「同じことを、同じ時間軸で繰り返している……ううん、説明が難しいわね」

勇者「ああ!あれか」

ほむら「え?」

勇者「そんなひどい→いいえ→そんなひどい→いいえ→そんなひどい→いいえry」

ほむら「……まぁ、そんなものね」

勇者「それで?同じ時間軸をループしてるってことは、まどかやさやかたちとは顔見知りってことだよな?」

ほむら「ええ、向こうは私を知らないけど」

勇者「ふーん、自分は知ってるけど、相手は知らないって、結構辛いことだな」

ほむら「ええ、本当に辛いこと……」

勇者「?」

ほむら「鹿目まどか、彼女は、最強の魔法少女よ」

勇者「え?」

―――――
―――

勇者「なるほど、つまりまどかはなぜか魔法少女として、最強の資質を持っている」

勇者「ここでおさらいしておくと、魔法少女は絶望によって魔女になる」

勇者「まどかは、最強の魔法少女であるからこそ、魔女になれば最強の魔女になってしまうというわけか」

ほむら「わたしは何度もまどかを救おうとした、巴マミや、美樹さやか、佐倉杏子を犠牲にしてまでも、まどかだけを救おうとした」

ほむら「私の、一番の友達だから……」

勇者「でも、まどかは君をただの転校生としか思ってないんだろう?」

ほむら「それでもいいの、私は彼女との約束を守りたいだけ、彼女を絶望の運命から救い出したいだけ……」

勇者「でも、なんでそのことを俺に?」

ほむら「今までのどの時間軸においても、あなたは現れなかった」

ほむら「今の時間軸になって、あなたが初めて現れて……そして死の運命にあった二人、巴マミと美樹さやかを救った」

ほむら「あなたなら、きっとまどかの運命も変えられると思った」

勇者「なるほどね……マミもさやかも、別の時間軸じゃ死んでたのか」

ほむら「でもあなたは救った、お願い、私と一緒にまどかを救って!」

勇者「ああ……そうだな………」

ほむら「お願い……!」

勇者「うん、必ずまどかは救ってみせる、俺は勇者だから」

ほむら「じゃあ」

勇者「ただし、君もだ、俺は君も必ず、このループの運命から救ってやる」

ほむら「!!」

勇者「それで、まどかが死ぬという、運命の夜……なんて言ったかな」

ほむら「わ…ワルプルギスの夜よ」

勇者「それは、いつだ?」

――その日は、割と早くやってきた
この夜、一体何人の『鹿目まどか』が死んだのだろう
とにかく、この夜だ
ロトの勇者であるこの俺が、必ずワルプルギスの夜を倒し
まどかと、ほむらを救ってやる
絶対にだ

勇者「……」

マミ「準備はいいかしら、勇者さん?」

さやか「強そうだね」

杏子「気を抜くなよさやか」

ほむら「………」

まどか「みんな……みんなが戦うのに、私だけ見てるだけなんて……」

勇者「気にしなくていいよ、俺が、俺たちが何とかするから」

ワルプル「アハハハハ ウフフフフフ アハハハハハハ………」

勇者「よし……行くぞ!!」

バッ

マミ「くらいなさい!!」バン バンッ

杏子「でりゃあああああああああああああ!!」ブンッ

さやか「うおりゃああ!!」ビュンッ

ほむら「っ!」パン パァン

ワルプル「ウ……アハハ、アハハハハハハハ」

杏子「くっ!きいてねえのかよ!!」

勇者「ベギラマーーーーーッ!!」

バシュンッ!!

ワルプル「アハハ!アハハハハハハハハハ!!」

勇者「……くっ!強い!!」

もしもしに再移行

杏子「あたしとマミが引き付ける!!」

マミ「頼んだわよ、勇者さん!!」

ほむら「私も、彼女たちの援護にいく………!」

勇者「………仲間か………いいもんだな、一対一じゃ、防御も考えながら攻撃しなくちゃいけなかったが」

勇者「仲間が戦ってくれてるおかげで、十分に体勢を整えられる」

勇者「攻撃に………専念できるッ!!!!」

バンッ

杏子「いけっ!!!やれぇっ!!」

マミ「勇者さん!」

ほむら「勇者………!」

勇者「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

勇者「くらえ!!これが勇者の一撃、ロトの一撃だっ!!!!」

ズバァッ!

ワルプル「ウフフ………アハハハハハ………ハ………アハハハハハハ!!」

勇者「う、嘘だろ!?」

杏子「今のでも………駄目なのかよ!!!!」

マミ「強すぎる………」

ほむら「………」



まどか「どうしよう、このままじゃみんなやられちゃうよ………!!」

QB「まどか、彼らを助けたいかい?」

まどか「QB………!!」

QB「君なら、運命を変えられる、君なら、絶望を希望に変えられる」

まどか「………」



勇者「うわあああっ!!」

さやか「くそ!!勇者さやかちゃんを舐めるんじゃないわよ!!」

ワルプル「アハハハハハハハ」

さやか「笑うなちくしょー!!」

まどか「本当に、勇者さんたたを助けられるの?」

QB「もちろん!君の力なら、容易く」

まどか「こんな、悲しい出来事を終わらせられるの?」

QB「君なら、絶対にできる」



杏子「くそぉっ!!!こいつ強すぎる!!!」

マミ「諦めちゃダメ!諦めちゃ………!!」

まどか「私は………」

まどか「私はみんなを助けたい」

QB「それが、君の願いかい?」

まどか「うん………さやかちゃんを」

まどか「杏子ちゃん、マミさん」

まどか「ほむらちゃんに………」

まどか「勇者さんを、助け……」




勇者「それ以上言うな!!まどかぁ!!!!」

まどか「!!」

ほむら「やめて、魔法少女にならないで、まどか!!」

まどか「でも、でも!このままじゃみんなが!!」

勇者「みんな、お前が魔法少女になることを望んでない!!」

まどか「え………?」

勇者「みんな、魔法少女が一体どんな存在なのか知ってる……ゾンビのような体にされ、絶望して自分が魔女になるまで戦わされる」

勇者「そんな悲しい真実を、みんな知ってるから、お前には魔法少女になってほしくないんだよ!!」

まどか「みんなが………?」

マミ「鹿目さん………あなたは、私の大切な後輩、だから、あなただけは必ず守りたいの」

さやか「私の願いは、大切な人を守ること、だから………まどかも、私が絶対に守ってみせる!!」

杏子「あんたには、さやかを救ってくれた借りがあるからね、へへ、今が借りを返す時かな!」

ほむら「まどか……私の、最高の友達、今度こそ………今度こそ、あなたを救いたい!!」

勇者「まどか………」

まどか「勇者、さん」

勇者「俺、ほむらと約束したんだ、お前を絶望の運命から救うって」

勇者「だからさ、俺………今必死に戦ってるんだ、こんなに必死になってるの、向こうの世界でもなかったかもしれない」

勇者「そんな俺の努力をさ………簡単に否定しないでくれ」

勇者「お前が魔法少女になるって、俺を否定しないでくれ!!!!」

まどか「!!」

勇者「お前が魔法少女になるってことは、俺が誰も救えない、勇者なんかじゃないって否定することなんだ!!!!」

まどか「でも、私………どうしたらいいの?みんなが戦ってるのに、私は、何かできないの?」

勇者「なら、信じてくれ」

まどか「え?」

勇者「俺を、信じてくれ!!!!」

勇者「俺たちを信じて………信じてくれ!!!!」

まどか「………!わかりました、私………みんなを信じます!!」

QB「なんだって?」

まどか「みんな!負けないで!!!」

>まどか「みんな!負けないで!!!」
QB「それが君の願いだね?契約は成立だ。」

マミ「でも、どうすればいいの?」

杏子「普通の攻撃じゃあ、あいつが倒れる前にこっちが倒れちまうぞ」

さやか「この勇者さやかちゃんがやるしか………」

ほむら「あなたじゃ無理よ」

勇者「………なあみんな、もう一度、あいつを引き付けてくれないか」

マミ「え?」

勇者「俺が、一撃で仕止める」

杏子「む、無茶だ!!さっきもそれで、ダメだったじゃんか!」

勇者「頼む、俺を信じて欲しい」

さやか「………仕方がないなぁー、いっちょやりますか!!」

ほむら「今度こそ、決めなさい」

勇者「さやか、ほむら………!」

マミ「そこまで言われたら、ね?」

杏子「………やるしかねえよな!」

勇者「マミ、杏子、ありがとう!」

さやか「いい!?このさやかちゃんがとどめを譲ってあげるんだから、しっかり決めてこないと許さないよ!!!!」

勇者「ああ、任せろ!!!!」

マミ「じゃあみんな、散開!!!」

ワルプル「アハハハハハ………」

マミ「こっちよ怪物さん!ティロ・フィナーレ!!」ドォォンッ

さやか「うおおおおおお必殺!さやかちゃんブレイク!!」ズバッ

杏子「惚けてんな化け物!!おりゃあっ!!!」ブンッ

ほむら「任せたわよ、勇者………!!」




勇者「………………」

勇者(かつて、俺のご先祖………初代ロトが使ったと言われる伝説の一撃)

勇者(あれに賭けるしかない、あれを、決めるしかない!!)

勇者(けど、俺にできるのだろうか!?)

勇者(俺に、初代ロトの伝説の一撃を使うことができるのだろうか!?)

勇者(いや………)

勇者「みんなが、俺を信じてくれているんだ」

勇者「後は、俺が俺自身を信じてやるだけだ!!!!」

勇者「………」スッ

勇者「剣を空高く掲げ、聖なる雷雲を呼び寄せる………」

ゴロゴロゴロ

勇者「ちょうど、今が嵐で良かったよ……おかげで、すこしはやりやすい」

勇者(その後、聖なる雷雲から打ち出した雷光を剣に乗せる………失敗したら、自身に雷を受け、死んでしまうだろう)

ゴロゴロゴロ

勇者「………信じろ、自分を!!」バッ

ガッシャーン!

勇者「うおおおおお!!」バリバリバリッ

勇者「………出来た………?」

勇者「は、はは、出来た、出来たぞ!!やった!!ハハハハハハ!!!」

杏子「馬鹿笑いしてねーで、出来たならさっさとやりやがれ!!!うわ!なんだそれすげえ!!!」

マミ「雷を宿した剣………心惹かれるわね!」

さやか「すげー!!!これなら、いける!!!」

ほむら「………!」コクッ

まどか「勇者さん!!」

勇者「ありがとう、さやか、ほむら………杏子、マミ、そしてまどか………信じてくれて、こんな俺を信じてくれて!!」

ワルプル「アハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

勇者「その笑いも、もう消してやるよ」

勇者「辛かっただろうな、魔法少女が魔女になるんだったら、お前も生前は魔法少女だったんだろうな」

勇者「今、楽にしてやるよ!!!」

勇者「くらえ、初代ロトが伝説の一撃を!!!」

勇者「みんながくれた、最高の一撃を!!!」








勇者「ギガスラッシュ!!!!」






ズガシャァァァァァァァアアアアアアアアアアアアン!!!!

杏子「おおっ!?」

マミ「すごい、今までとは桁違い!!」

ワルプル「ギ………ギヒヒヒ………」

さやか「やった!!!これはいけたんじゃない!?」

ほむら「ええ………!」

ワルプル「ギヒ………ギヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!」

マミ「!?」

杏子「こいつ、まだ………!!」

勇者「いや………」

ワルプル「ギヒヒヒ………」

勇者「終わったよ」

ワルプル「ゲヒャヒャヒャヒャヒャ!!ヒャヒャヒャ………ヒャ………」

ズズゥ………ン

さやか「や………やっ、た………やったぁ!!!!」

ほむら「まどか………!!」

杏子「あー、終わったかぁ」

マミ「ふふ、お疲れさま」

まどか「みんな!!!」

勇者「とどめはおれにまかせろー」バリバリッ

ほむら「まどか!」

まどか「みんな!ありがとう………!みんなボロボロだね」

さやか「へへ、みんな頑張ったもんね」

杏子「あたしは余裕だったけどな」

マミ「ふふふ、私たちみんなの、もちろん鹿目さんも合わせて、みんなでつかんだ勝利ね」

ほむら「………」

まどか「ほむらちゃん、ありがとう」

ほむら「いえ、私は………」

まどか「ううん、私を助けてくれて、ありがとう」

ほむら「え?」

まどか「私の、最高の友達!!!」

勇者「やれやれ………」

ワルプル「………」

勇者「お前も疲れただろ?もうおやすみ………」

ワルプル「………………」

勇者「………え?」

ワルプル「   」スゥゥゥ

コロン

勇者「グリーフシード、か………」

勇者(最後に、『ありがとう』って聞こえた、空耳じゃないよな、ワルプルギス………)

勇者「かの者に、精霊の導きあれ………」

まどか「勇者さん!本当にありがとう!」

さやか「さすが勇者だね!あんなすごいやつ、あたしたちじゃ無理だったかも」

杏子「あんた、すごい奴だったよ、勇者ってのも、強ち間違いじゃないかもな」

マミ「あなたの最後の一撃、忘れませんわ、ギガスラッシュ………うふふ」

ほむら「ありがとう、全部あなたのおかげよ」

勇者「いや、礼を言うのはこっちの方だ、俺を信じてくれて、本当にありがとう」

杏子「なんだよ、照れくさいな」

さやか「なにあんた、あんたでも照れるの?」

杏子「あたしを何だと思ってやがる!!!」

勇者「ははは………」

シュウウウウウ

勇者「………ん?」

マミ「何かしら、いきなり目の前に光の渦みたいなのが現れたわね」

正直、感動してる

ほむら「これは、一体………」

『よくやりましたね、ロトの勇者よ』

さやか「うわ、な、なに?なんか頭の中に声が聞こえる!」

勇者「ま、まさか………」

『私は精霊ルビス、ここではない、向こうの世界を見守る者です』

勇者「せ、精霊ルビス様!!!」

まどか「ルビス………?」

杏子「何しにきたんだ?」

勇者「コラ!ルビス様に向かってそんな口の聞き方………!」

ルビス『良いのです、ロトの勇者よ、私はあなたを迎えにきたのです』

まどか「迎え………?」

ルビス『あなたが異世界に飛ばされてしまったのは、おそらくワルプルギスの強い魔力が、あなたを引き付けてしまったからでしょう』

マミ「なるほど、強い魔力によって引き付けられてしまったため、逆にその魔力によってこの世界に閉じ込められてしまった、というわけですね」

ルビス『あら、なかなか利発な子ですね』

マミ「うふふ」

ルビス『そうです、そのせいで今まで迎えに来れず、申し訳ありませんでした、ロトの勇者よ』

勇者「い、いえ!私は気になどしておりません!それに、私はここで大切な友人と教訓を得ました」

ルビス『教訓?』

勇者「仲間を信じること、己を信じること、私はやはり勇者としてまだまだで、まだまだ学ぶべきことがたくさんあるということを」

ルビス『それは良かったです、しかし、あなたは立派な勇者ですよ』

さやか「そうそう!立派立派!」

マミ「本当に、かっこよかったですよ、勇者様」

杏子「ああ、素晴らしい勇者様だな」

まどか「あなたには助けられてばっかりでしたね、本当にありがとうございました」

ルビス『では勇者よ、そろそろ別れの時です』

勇者「………はい、名残惜しいが、お別れだな、みんな」

ほむら「あなたには、感謝してもしきれないくらいに感謝している、元気で………」

勇者「ああ、君も」

さやか「さようなら!これからの平和は、勇者さやかちゃんにおまかせ!」

マミ「あなたから学んだこと、これからも忘れません」

杏子「あたしも、あんたの事忘れないよ」

まどか「私も………あなたを忘れません、お元気で………!」

勇者「俺も、みんなのこと忘れない、ここにいた日々を、忘れない」

ルビス『では、行きましょう、我が世界へ!』

勇者「ありがとうみんな、さようなら!!!」

バシュン!

さやか「さようなら!」

杏子「行っちまったか」

マミ「ええ………」

まどか「………」

ほむら「………ありがとう、勇者ロト」

QB「人間になりたい?それが君の願いだね、ホイミン」

QB「やれやれ、エンディングかい?」

QB「エンディングまで空気なんて、訳がわからないよ」

QB「まあいいや、魔法少女がいる限り、魔女は消えない」

QB「まだまだ、終わらないんだ………」

QB「でも、彼女からのエントロピーは、期待できないかな………」

QB「彼女たちは、もう絶望なんてしないだろうから」

――後の世

魔法少女たちがいる世界では、魔法少女の存在と、魔女の存在が消えることはなかったが、暁美ほむらたちは、魔女になることなく、魔法少女として、悲しい運命にある人々を救ったという


勇者の世界では

勇者はりゅうおうを倒し、勇者ロトとして人々から初代ロトと並び、永遠に語り継がれていくことになる
また、勇者ロトと、もう一つ彼にこの称号が与えられた


――『剣神』と――

魔法少女まどか☆マギカ×DRAGON QUEST 1

ショートストーリー

制作
>>1

スペシャルサンクス
支援、保守をくださった方々、その他のこのスレの方々


THE END

というわけで、このSSはこれでお終いです
たくさんの支援、感想ありがとうございました
保守をしてくださった方々も、ありがとうございました

途中ドラクエっぽくないとこもあったり、誤字や実力不足なところもあり、申し訳ありませんでした

それでも最後まで読んでくださった方々に今一度お礼を言わせてもらいます

ありがとうございました!

>>1乙よかった

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