部室には、長門と古泉と俺しかいなかった…。
それは、いつも通りにsos団部室で過ごしていた時のことだった…。
古泉が俺とオセロをしてる途中に、急にこんな事を言い出した…。
古泉「涼宮さんとクワガタ…。 どちらが強いんでしょう?」
一瞬の沈黙………。
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俺は古泉がとうとうおかしくなっちまったんだろうなと思った…。
長門がこちらを振り向いた。
どうやら古泉が急に変なことを言い出したから気になるらしい。
キョン「ハルヒのほうがでかいし、強いに決まってんだろ」
古泉「では、涼宮さんがクワガタと同じ大きさだったら?」
キョン「う~ん…」
不覚にも悩んでしまった…。
キョン「それは、分からないなぁ…。 だが、ハルヒが負けるのは考えづらい」
古泉「僕は最近、クワガタを飼ってるんですよ。 名前はいっちゃんです」
キョン「そうかい…」
馬鹿らしい…。どんだけ自分が好きなんだこいつは…。
古泉「いっちゃんは強いですよ!! 火の玉を触覚から出せます!!」
キョン「おまえなぁ、疲れてるんだったら部活休めよ…」
古泉「……はぁ…」ブン! ビシュ!
古泉の手刀が俺の脳天に炸裂!!
ゴキン!!
キョン「イッて~~~~~!!! 何しやがる!!」ゴロゴロ
古泉「疲れてないし、ふざけてる訳でもありません!!」
キョン「あぁ、そうかい…」
キョン(古泉を精神科に連れてかないと…)
古泉「証拠を見せましょう。いっちゃんは今、かばんの中にいますよ。」ゴソゴソ
キョン「」
古泉「これが、いっちゃんです!!」ジャーン
古泉の手のひらから、現れたクワガタは赤色だった。
キョン「おぉ!! 本当に火を出せそう!!!」
古泉「出せますよ!! いっちゃん!! いつものやって見せてくれ!!」
古泉がそう言うと、クワガタは古泉の手の上で大あごを2~3回動かした!!
しかし、炎などはやはりでなかった…。
古泉「MPが不足しているようです…。 困りました!!」
誰かこいつを止めてくれ…。
キョン「長門…、古泉がおかしいが、ハルヒの影響か?」
長門「…違う…涼宮ハルヒには現在異常は見られていない。古泉一樹にも異常はry」
キョン(う~ん…。 てことは古泉は本気でこんなアホな事を言っているのか…)
古泉「おや!! 彼女が来ましたよ!!」
古泉がそう言うと、ドアが勢い良くひらく!!
バァン!!
ハルヒ「やっほー! おまたせぇ!!」
みくる「どうも。 みなさん」
キョン(ここに神と天使降臨!!)
古泉「どうも涼宮さん! 今日も元気ですねぇ!」
ハルヒ「うん。ありがとっ!! それよりそのクワガタは?」
古泉「涼宮さんの対戦相手です。 気をつけてください。火を出しますよ!!」
ハルヒ「あはっ!!!古泉君!!冗談がうまくなったわねぇ」
キョン(ハルヒ…、古泉はガチらしいぞ…)
みくる「うわぁ、クワガタだぁ!! かわいいなぁ!!!」
古泉「うふふふふ。 そうでしょう!! このクワガタはいっちゃんって言います」
古泉「挨拶もしっかりできますよ!! いっちゃん。 ほら挨拶!」
古泉「いっちゃんです。仲良くしてねぇ!!」(裏声)
みくはる「うわぁ!? 本当に喋った!!」
古泉「馬鹿ですねぇ!! 腹話術ですよ!!!」
古泉「ahhhhhhhhhhhhhhh!!」
古泉以外の一同「」
ハルヒ「ちょっとキョン!! 古泉君どうしたのよ!?」コソコソ
キョン「俺に聞くな…。 こっちが知りたいくらいだ」コソコソ
みくる「古泉君こわいですぅ~」ゴニョゴニョ
キョン「どうしたもんかなぁ…」コソコソ
長門「…」
ハルヒ「めんどくさいわねぇ…。私が単刀直入に古泉君に何があったか、聞いてあげる!!」キリッ
ながみくきょん「おぉ!! さすが団長!!」
ハルヒ「行ってくるわ!!」キリッ
ハルヒ「ちょっと…古泉k」
古泉「あぁん? 何だよ?」
ハルヒ「」
古泉「MPの補給。やっと完了したか…」
古泉「涼宮さん!! 僕のペットのいっちゃんと戦ってください」
ハルヒ「え?…え?…何?」
古泉「長門さん!!」
長門「」コクッ
長門が頷くと、ハルヒがちょうどクワガタのサイズになった。
古泉「涼宮さんをかごの中へ!!」
長門「」コクッ
長門がハルヒを捕まえ、かごの中に放り込んだ!!
ハルヒ「くぁwwせdrftgyふじこlp;p;@:」
ハルヒは何かを言っていたが、小さくなったせいで何を言っているのか、聞き取れなかった…。
キョン「ちょっ…、長門?」
みくる「涼宮さんが!? 小さくなった!」
長門「古泉一樹。 早く」
古泉「はい」
そう言うと、古泉はいっちゃんを取り出し、かごの中へ。
突然の出来事に頭が、俺も朝比奈さんも混乱していた。
―かごの中―
ハルヒ「キョーン!! 助けてぇえぇえ!!!!」ドタドタ バタバタ
ブゥーン
クワガタが飛んでハルヒを追いかける!!
―かごの外―
キョン「おい!! 古泉!! ハルヒをどうするつもりだ!」
古泉「どうするつもりってwwwwwwwwww 戦わすだけですよwwww」
キョン「古泉てめぇ!! 長門も!! こんなことはやめろ!!」
みくる「そうですよ!! 長門さんやめてください!!」
長門「いや」
きょんみく「どうして!!」
長門「嫌だから」
きょんみく「」
長門「♪」
古泉「おっと、かごの中の涼宮さんといっちゃんが戦い始めましたよ」
俺は、かごの中を覗いた…。
―かごの中―
ハルヒ「うらぁあああぁああ!!!!!」ブンブン ←武器(カチューシャ)を振り回す音
ハルヒ「しねぇえぇぇぇええ!!」ブンブン
ハルヒは恐怖のあまり、冷静でいられないようだった…。
カチューシャを武器にして武器を振り回している。
クワガタ「キ、キシェ~~~!!」ブーンブーン ←飛んでる羽の音
クワガタもハルヒになかなか近づけないようだった…。
しばらくすると…、クワガタが観念したのかハルヒから距離をとり始めた。
ハルヒ「はぁはぁ………。はっはっは…、あきらめたようね!! 当たり前よ!!
このsos団団長の、この私が虫なんかに負けるわけないでしょjk!!」
ハルヒは高笑いをした。しかし…
―かごの外―
古泉「いっちゃん…、あれを使え…」ボソッ
古泉がそんなことをいったのだ…。
キョン「?」
キョン(あれってなんだ?)
みくる「涼みや三ガンバ!!」
―かごの中―
クワガタ「きしゃ~~~!!!」モゾモゾ
ハルヒ「あら? まだやる気?wwwwww」
クワガタがあごを動かすとクワガタの二本の触覚から、炎の玉が作られた!!
ハルヒ「何あれ?」
キョン「ハルヒ避けろ!!!!!!」
遅かった…。
気づいたときには、ハルヒの体全体に火が…。
ハルヒ「ぎゃあぁあぁあああぁああぁぁぁぁ!!!!!!!」
ハルヒ「熱いぃぃぃぃいいぃいぃいぃぃぃ!!!!」バタバタ!!
キョン「ハルヒ!!」
みくる「涼宮さん!!」
そこには、水も何もない…。
ハルヒは丸焦げになった…。
ハルヒ「」
―かごの外―
古泉「とうとう…、死んだwwwwwwwwいっちゃんが、涼宮さんを殺したぁぁあぁあ!!」
古泉「毎日、炎を出せるようになるために訓練したかいがありました!!」
古泉「戻れ!! いっちゃん!!」
古泉はそう言うと、いっちゃんを手に取り、かばんの中に大切にしまいこんだ。
キョン「よくも…、よくもハルヒをぉぉぉぉおおお!!!!!」
ブンっ!! ガシ!!
長門「させない」
キョン「俺の本気右ストレートを片手で止めるなんてな…。 さすがだぜ…」
長門「くぁwwせdrftgyふじこlp;」
長門が何かを高速で言うと、俺は意識が遠くなった…。
ぼんやりとした意識の中、朝比奈さんが駆け寄ってくれたのが分かった…
キョンくぅん!! キョンくぅん!!
朝比奈さんの声もだんだん遠くなる。
目を覚ますと、俺は自分の部屋のベッドの上にいた…。
キョン「何だ夢か…」
時刻は7時15分。 遅刻しそうだ。
―放課後、部室―
キョン「ってな夢を見てだなwwwwwwwwww」
古泉「…」
長門「…」
俺は、昨日の夢の話を部室にいた古泉と長門にしてやった。
結構面白い話だと思うのだが、二人は笑わなかった…。
キョン「ふふっ。 しかし本当に火なんか出せるクワガタがいたらなwwwwwwww」
長門「…」
古泉「…」
キョン「…」
キョン「」
部室が静かになった…。
キョン「おいっ!! 何かリアクションしてくれよ!! こっちが恥ずかしい!!」
古泉「あぁ…、すいません。 少々、考え事をしていたもので…」
長門「…」コクッ
確かに、古泉はいつものように、にやけていなかった…。 長門はいつもどおりだが。
キョン「そうかい…」
古泉「こうしていても、暇ですし、ボードゲームでもしましょう。何にします?」ニタっ
古泉にいつものにやけ面が戻った…。
キョン「古泉。 今日は将棋やるぞ」
古泉「はい」
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