キョン「クワガタとハルヒを戦わすぞ!!!」 (60)

部室には、長門と古泉と俺しかいなかった…。
それは、いつも通りにsos団部室で過ごしていた時のことだった…。
古泉が俺とオセロをしてる途中に、急にこんな事を言い出した…。


古泉「涼宮さんとクワガタ…。 どちらが強いんでしょう?」



一瞬の沈黙………。

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俺は古泉がとうとうおかしくなっちまったんだろうなと思った…。

長門がこちらを振り向いた。
どうやら古泉が急に変なことを言い出したから気になるらしい。

キョン「ハルヒのほうがでかいし、強いに決まってんだろ」

古泉「では、涼宮さんがクワガタと同じ大きさだったら?」

キョン「う~ん…」

不覚にも悩んでしまった…。

キョン「それは、分からないなぁ…。 だが、ハルヒが負けるのは考えづらい」

古泉「僕は最近、クワガタを飼ってるんですよ。 名前はいっちゃんです」

キョン「そうかい…」

馬鹿らしい…。どんだけ自分が好きなんだこいつは…。

古泉「いっちゃんは強いですよ!! 火の玉を触覚から出せます!!」

キョン「おまえなぁ、疲れてるんだったら部活休めよ…」

古泉「……はぁ…」ブン! ビシュ!

古泉の手刀が俺の脳天に炸裂!!

ゴキン!!

キョン「イッて~~~~~!!! 何しやがる!!」ゴロゴロ

古泉「疲れてないし、ふざけてる訳でもありません!!」

キョン「あぁ、そうかい…」

キョン(古泉を精神科に連れてかないと…)

古泉「証拠を見せましょう。いっちゃんは今、かばんの中にいますよ。」ゴソゴソ

キョン「」

古泉「これが、いっちゃんです!!」ジャーン

古泉の手のひらから、現れたクワガタは赤色だった。

キョン「おぉ!! 本当に火を出せそう!!!」

古泉「出せますよ!! いっちゃん!! いつものやって見せてくれ!!」

古泉がそう言うと、クワガタは古泉の手の上で大あごを2~3回動かした!!
しかし、炎などはやはりでなかった…。

古泉「MPが不足しているようです…。 困りました!!」

誰かこいつを止めてくれ…。

キョン「長門…、古泉がおかしいが、ハルヒの影響か?」

長門「…違う…涼宮ハルヒには現在異常は見られていない。古泉一樹にも異常はry」

キョン(う~ん…。 てことは古泉は本気でこんなアホな事を言っているのか…)

古泉「おや!! 彼女が来ましたよ!!」

古泉がそう言うと、ドアが勢い良くひらく!!

バァン!!

ハルヒ「やっほー! おまたせぇ!!」

みくる「どうも。 みなさん」

キョン(ここに神と天使降臨!!)

古泉「どうも涼宮さん! 今日も元気ですねぇ!」

ハルヒ「うん。ありがとっ!! それよりそのクワガタは?」

古泉「涼宮さんの対戦相手です。 気をつけてください。火を出しますよ!!」

ハルヒ「あはっ!!!古泉君!!冗談がうまくなったわねぇ」

キョン(ハルヒ…、古泉はガチらしいぞ…)

みくる「うわぁ、クワガタだぁ!! かわいいなぁ!!!」

古泉「うふふふふ。 そうでしょう!! このクワガタはいっちゃんって言います」

古泉「挨拶もしっかりできますよ!! いっちゃん。 ほら挨拶!」

古泉「いっちゃんです。仲良くしてねぇ!!」(裏声)

みくはる「うわぁ!? 本当に喋った!!」

古泉「馬鹿ですねぇ!! 腹話術ですよ!!!」

古泉「ahhhhhhhhhhhhhhh!!」

古泉以外の一同「」

ハルヒ「ちょっとキョン!! 古泉君どうしたのよ!?」コソコソ

キョン「俺に聞くな…。 こっちが知りたいくらいだ」コソコソ

みくる「古泉君こわいですぅ~」ゴニョゴニョ

キョン「どうしたもんかなぁ…」コソコソ

長門「…」

ハルヒ「めんどくさいわねぇ…。私が単刀直入に古泉君に何があったか、聞いてあげる!!」キリッ

ながみくきょん「おぉ!! さすが団長!!」

ハルヒ「行ってくるわ!!」キリッ

ハルヒ「ちょっと…古泉k」

古泉「あぁん? 何だよ?」

ハルヒ「」

古泉「MPの補給。やっと完了したか…」

古泉「涼宮さん!! 僕のペットのいっちゃんと戦ってください」

ハルヒ「え?…え?…何?」

古泉「長門さん!!」

長門「」コクッ

長門が頷くと、ハルヒがちょうどクワガタのサイズになった。

古泉「涼宮さんをかごの中へ!!」

長門「」コクッ

長門がハルヒを捕まえ、かごの中に放り込んだ!!

ハルヒ「くぁwwせdrftgyふじこlp;p;@:」

ハルヒは何かを言っていたが、小さくなったせいで何を言っているのか、聞き取れなかった…。

キョン「ちょっ…、長門?」

みくる「涼宮さんが!? 小さくなった!」

長門「古泉一樹。 早く」

古泉「はい」

そう言うと、古泉はいっちゃんを取り出し、かごの中へ。 
突然の出来事に頭が、俺も朝比奈さんも混乱していた。

―かごの中―

ハルヒ「キョーン!! 助けてぇえぇえ!!!!」ドタドタ バタバタ

ブゥーン

クワガタが飛んでハルヒを追いかける!!

―かごの外―

キョン「おい!! 古泉!! ハルヒをどうするつもりだ!」

古泉「どうするつもりってwwwwwwwwww 戦わすだけですよwwww」

キョン「古泉てめぇ!! 長門も!! こんなことはやめろ!!」

みくる「そうですよ!! 長門さんやめてください!!」

長門「いや」

きょんみく「どうして!!」

長門「嫌だから」

きょんみく「」

長門「♪」

古泉「おっと、かごの中の涼宮さんといっちゃんが戦い始めましたよ」

俺は、かごの中を覗いた…。



―かごの中―

ハルヒ「うらぁあああぁああ!!!!!」ブンブン ←武器(カチューシャ)を振り回す音

ハルヒ「しねぇえぇぇぇええ!!」ブンブン

ハルヒは恐怖のあまり、冷静でいられないようだった…。
カチューシャを武器にして武器を振り回している。

クワガタ「キ、キシェ~~~!!」ブーンブーン ←飛んでる羽の音

クワガタもハルヒになかなか近づけないようだった…。

しばらくすると…、クワガタが観念したのかハルヒから距離をとり始めた。

ハルヒ「はぁはぁ………。はっはっは…、あきらめたようね!! 当たり前よ!!
このsos団団長の、この私が虫なんかに負けるわけないでしょjk!!」

ハルヒは高笑いをした。しかし…

―かごの外―

古泉「いっちゃん…、あれを使え…」ボソッ

古泉がそんなことをいったのだ…。

キョン「?」

キョン(あれってなんだ?)

みくる「涼みや三ガンバ!!」

―かごの中―

クワガタ「きしゃ~~~!!!」モゾモゾ

ハルヒ「あら? まだやる気?wwwwww」


クワガタがあごを動かすとクワガタの二本の触覚から、炎の玉が作られた!!

ハルヒ「何あれ?」

キョン「ハルヒ避けろ!!!!!!」

遅かった…。


気づいたときには、ハルヒの体全体に火が…。


ハルヒ「ぎゃあぁあぁあああぁああぁぁぁぁ!!!!!!!」

ハルヒ「熱いぃぃぃぃいいぃいぃいぃぃぃ!!!!」バタバタ!!

キョン「ハルヒ!!」

みくる「涼宮さん!!」

そこには、水も何もない…。

ハルヒは丸焦げになった…。

ハルヒ「」

―かごの外―

古泉「とうとう…、死んだwwwwwwwwいっちゃんが、涼宮さんを殺したぁぁあぁあ!!」

古泉「毎日、炎を出せるようになるために訓練したかいがありました!!」

古泉「戻れ!! いっちゃん!!」

古泉はそう言うと、いっちゃんを手に取り、かばんの中に大切にしまいこんだ。

キョン「よくも…、よくもハルヒをぉぉぉぉおおお!!!!!」

ブンっ!! ガシ!!

長門「させない」

キョン「俺の本気右ストレートを片手で止めるなんてな…。 さすがだぜ…」

長門「くぁwwせdrftgyふじこlp;」

長門が何かを高速で言うと、俺は意識が遠くなった…。
ぼんやりとした意識の中、朝比奈さんが駆け寄ってくれたのが分かった…

キョンくぅん!! キョンくぅん!!

朝比奈さんの声もだんだん遠くなる。

目を覚ますと、俺は自分の部屋のベッドの上にいた…。

キョン「何だ夢か…」

時刻は7時15分。 遅刻しそうだ。

―放課後、部室―

キョン「ってな夢を見てだなwwwwwwwwww」

古泉「…」

長門「…」

俺は、昨日の夢の話を部室にいた古泉と長門にしてやった。
結構面白い話だと思うのだが、二人は笑わなかった…。

キョン「ふふっ。 しかし本当に火なんか出せるクワガタがいたらなwwwwwwww」

長門「…」

古泉「…」

キョン「…」

キョン「」

部室が静かになった…。

キョン「おいっ!! 何かリアクションしてくれよ!! こっちが恥ずかしい!!」

古泉「あぁ…、すいません。 少々、考え事をしていたもので…」

長門「…」コクッ

確かに、古泉はいつものように、にやけていなかった…。 長門はいつもどおりだが。

キョン「そうかい…」

古泉「こうしていても、暇ですし、ボードゲームでもしましょう。何にします?」ニタっ

古泉にいつものにやけ面が戻った…。

キョン「古泉。 今日は将棋やるぞ」

古泉「はい」

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