テレビ『番組の途中ですが、ＩＣＰＯからの全世界同時特別生中継を行います』

美希「？」

リューク「何だ？」

テレビ『……私は全世界の警察を動かせる唯一の人間、リンド・Ｌ・テイラー。通称『Ｌ』です』

美希「…………」

Ｌ『……キラ。お前のしていることは……悪だ！』

リューク「ククッ。随分な言われようだな」

美希「…………」

リューク「……殺さないのか？」

美希「単純な陽動なの」

リューク「ほう」

美希「『全世界同時生中継』って言っても国や地域によって時差とかあるし……どうせ日本だけを狙い打ちにした中継に決まってるの」

リューク「……じゃあ、このＬとかいう奴は既にキラ……っていうかお前が日本にいるって気付いてるってことか？」

美希「うん、多分。ミキが最初に新宿の通り魔を実験的に殺しちゃったからね」

リューク「あー、そういうことか」

美希「それに、正体も殺す手段も分かってない相手に自分の素性を晒すわけないの。だから今テレビに出てる人は間違いなくＬの代役って思うな」

Pが美希以外の765の誰かと結婚したらどうなるの？

リューク「ククッ。成る程な。じゃあこいつに対しては……」

美希「うん。何もしないでテレビ消して寝るの。あふぅ」ﾋﾟｯ

リューク「…………」

美希「？　なんか退屈そうだね？」

リューク「いや、別に……」

美希「あはっ。まあミキもそう簡単にシッポはつかませないの。……ん？　春香から電話なの。もしもし、春香？」ﾋﾟｯ

春香『あ、美希？　良かった～！』

美希「どうしたの？　春香？」

春香『いや、今事務所からの帰り道なんだけどさ……なんか、変な人につけられてるみたいで……』

美希「……えっ？」

春香『夜道っていうのもあってちょっと怖いし……とりあえず駅に着くまででいいから、このまま通話しといてもらえないかなって……』

美希「春香。今どこにいるの？」

春香『えっ？』

美希「早く場所を言うの！」

春香『え？　み、美希？』

～十数分後～

美希「春香！」ﾀﾞｯ

春香「美希！　ごめんね……」

美希「いいの。で、どいつなの？」

春香「え、えっと……多分今、後ろの電柱の陰に隠れてる人……」

美希「…………」

春香「……美希？」

美希「……春香はもう、このまま帰って」

春香「え？　でも……」

美希「大丈夫。実は、ここに来る前にハニーにも電話しといたの。だからもうすぐ来るはずなの」

春香「あ、そ、そっか。プロデューサーさんに言えばよかったのか……私ったら、すっかり気が動転しちゃってて……」

美希「あ、噂をすればハニーから着信なの。……うん、うん。大丈夫、春香は先に帰らせるね。うん……じゃあ、待ってるね。ハニー」

春香「……美希……」

もしかして目の交換したの？

美希「ほら、春香は早く帰るの。ハニーが余計に心配しちゃうし」

春香「う、うん……分かった。ごめんね、美希」ﾀﾞｯ

美希「…………」

リューク「ククッ……なかなか芝居が上手いな。流石はアイドルってとこか」

美希「……リューク」

リューク「ん？」

美希「取引なの」

リューク「え？　もう？」

美希「あいつは春香をこんなにも不安にさせた……万死に値するの」

リューク「……でも、あんな犯罪者でも何でもない奴を殺したらまずくないか？　Ｌとやらに気付かれたら……」

美希「そんなのどうでもいいの」

リューク「……まあ、俺はいいけどよ」ｷｨｨｨｨﾝﾝ

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