上条「…インデックス、まだ生きてるか…」(174)

インデックス「…まだ平気だよ、とーま…」

上条「そうか…、まだ平気か…。そいつは良かった…」

インデックス「とーまは、あとどれくらい持ちそう…?」

上条「分からねぇ…。まだ、もう少しくらいは…」

インデックス「とーま…」

インデックス「とーま…」グスッ

上条「…?どうした、インデックス…?」

インデックス「とーま…、死んじゃ嫌だよ…」グスッ

上条「インデックス…」

上条「大丈夫…」

インデックス「とーま…?」

上条「お前を残しては死なないよ…」

インデックス「とーま…」グスッグスッ

インデックス「もし、もしもだよ?いよいよ駄目な時には…」

上条「ああ…。一緒に逝ってやるよ…。安心しろ…」

インデックス「とーま…」グスッグスッ

上条「泣くなって…」

インデックス「ねぇ…、これまで色々あったよね…」

上条「あぁ…、色々あったよな…」

インデックス「悪い魔術士から助けてくれたり、二人で海に行ったり…」

上条「あの時も大変だったよなぁ…」

インデックス「もし、もしもだよ?いよいよ駄目な時には…」 ボリッボリッ クッチャクッチャ

上条「ああ…。一緒に逝ってやるよ…。安心しろ…」

インデックス「とーま…」 ハムッ ハフハフッ ハムッ

上条「泣くなっ…お前、何か食ってないか?」

インデックス「!」

上条「あの時は右腕が吹っ飛ばされたり、土御門が大変なことになってたっけ…」

インデックス「そういえば、何時もとーまは無茶してたんだよ…。どれだけ心配したか分からないかも…」

上条「インデックス…」

インデックス「でも、それも今なら良い思い出なんだよ…」

インデックス「ねぇ…、わたし、何時もとーまに甘え過ぎてたかも…」

上条「……」

インデックス「気に入らない事があれば、何時も噛みついて…」

インデックス「最低なんだよ…」

上条「……」

インデックス「もし、もしもだよ…?次に生まれて来る時にも、一緒に居てくれるかな…?」

上条「…あぁ、一緒に居てやるよ…」

インデックス「とーま…」ウッウッ…

上条「泣くなよ…」

インデックス「その時には、絶対とーまに噛みつかないんだよ…。とーまに可愛いって、言ってもらえるような女の子になるんだよ!!」

上条「いや…、今のままで構わないぞ…」

インデックス「ううん、今度生まれる時は、とーまを助けるために生きていくんだよ!!」ポロポロ

上条「インデックス…」

上条「ありがとな、インデックス…。そう言って貰えただけで上条さんの人生には意味がありましたよ…」

インデックス「とーま…」

上条「本当に、ありがとう…」

インデックス「とーま…」グスッ

上条「なぁ…、もう一緒に逝ってやる力も残ってないけど…」

インデックス「………」

上条「せめて、最後までこうして…」

インデックス「………」

上条「おい、インデックス…?」

上条「何だ…、先に逝っちまったのか…」

上条「そうか…。でも、安心しろインデックス…」

上条「上条さんも、すぐに逝きますから…」

上条「また向こうで楽しくやろうぜ…」

上条「じゃあな、みんな…。元気でな…」









「寝るなーー!!」

「起きろー!!目を覚ませー!!」ガクガク

上条「…何だ。随分怒りっぽい天使だな…」

「誰が天使じゃ、誰が!?」

上条「…という事は、ここは天国か…?」

「私は天使でもなけりゃ、ここは天国でもない!!あんた、私の事わかる!?」

上条「…いやぁ、奇遇ですね…。丁度、そっくりな奴がいまして…」

「私よ、私!?御坂美琴よ!!」

上条「いやぁ…、同姓同名でしたとは…」

御坂「だから、本人だってんだろが!!」

御坂「んで、何であんたらそんな餓死寸前になってた訳?」トントン…

上条「………」

インデックス「………」

上条「…止むに止まれぬ事情がありまして…」

御坂「どんな事情よ、一体」グツグツ

インデックス「一言じゃ言い切れないんだよ…」

御坂「そう?まあ、とりあえず簡単なものだけど作ったから、これでも食べて落ち着きなさい」コトッ

インデックス「おおっ、とっても美味しそうなんだよ!!」

上条「十日ぶりの食事だな!!」

御坂「一体、どんだけ食べてなかったのよ…」ハァ…

インデックス「いっただきまーすなんだよ!!」

上条「こらこら、あんまりがっつくなよ」

御坂「まだたくさんあるから、あわてずに食べなさい」

インデックス「もう待てないんだよ!!」パクッ

インデックス「!!?」バタッ

上条「ど、どうしたインデックス!?」

インデックス「ピクピク」

上条「どうしたんだよ、一体!?」

インデックス「ブクブク」

御坂「泡まで口から吹いてるし!?」

上条「と、とりあえず救急車を!?」ピッピッ

御坂「どうしたの!?」

上条「そういや、携帯止められてた…」

上条「ついでにガスも電気も水道も止められてます…」

御坂「だから、何があったんだぁぁぁ!?」

上条「…それは、ちょっと…」

御坂「難くなに拒むわね…」

御坂「あー、もう!私が呼んであげるから、アンタはその子の介抱をしなさい!!」

上条「わっ、分かった!」

上条「しっかりしろ、インデックス!!まだ、飯を残してるじゃねーか!?」

御坂「どういう励ましかたよ一体…」

救急隊員「すいませーん、患者さんはどちらですか?」

上条「こっちです!」

隊員「この方ですね?」

インデックス「ピクピク」

上条「そ、そうです!」

隊員「分かりました。では、患者二名搬送と言う事で」

上条「はい?」

上条「あの~、何で上条さんまでキャスターにくくりつけられているのでせうかあああ!?」

隊員「あ、付き添いの方は…」

御坂「え?私!?」

―病院

上条「御坂、インデックスは?!」

御坂「落ち着いて。あの子なら―」

上条「ゴクッ」

御坂「胃痙攣だそうよ」

上条「…何それ?」

御坂「何日もろくに食べてないのに、急にがっついたから、胃が驚いたのよ」

御坂「まあ、何とかなったみたいね」

上条「良かった~」ホーッ

御坂「そんでアンタは栄養失調」

上条「さいですか」

御坂「さいですか、じゃないわよ!?何で揃いも揃って栄養失調な訳!?」

上条「…それには海よりも深い訳が」

御坂「どんな理由よ一体」
上条「………」

御坂「話せない訳か…」

上条「すまん…」

御坂「まあ、無理には聞かないけど、無理だと思ったら相談してね」

上条「…すまん」

御坂「それじゃ、私は帰るけど、アンタは一日入院しろってさ」

上条「ええ~!?」

御坂「思い切り不満顔ね…」

上条「だって、入院代も馬鹿にならないのですのことよ!?」

上条「出席日数だって、足りなくなるし…」

御坂「自業自得ね」

御坂「それじゃね。門限もヤバいから」

上条「あっ、ちょっと、御坂!?」

御坂「まあ、明日もアンタのところに行けたら行ってやるから」

御坂「んじゃね」パタン

上条「……不幸だ」

―翌日

上条「退院して部屋に帰って来たのはいいけど、相変わらず冷蔵庫には何もない…」

上条「不幸だ…」ハァ…

上条「当然、水も出ないし、電気もつかない…」

上条「おまけに、よく見たら玄関の鍵まで壊れてる…」ガチャガチャ

上条「多分、あん時御坂が壊したんだ…」ガチャガチャ

上条「不幸だ…」

上条「テレビも無い、電気もつかないこの一人ぼっちの状態で朝まで待つのか…」

上条「…やべえ、マジで心細くなってきた」

上条「…インデックスでも居たらなぁ…」ハァ…

上条「…アイツがいないから、ベッドは使えるけどな…」ボスッ

上条「まぁ、くよくよしても仕方ない。とりあえず、寝るか」バサッ

上条「そのうち、御坂も来てくれるかもしれねーし。今日は寝よう、うん」

上条「…つっても、もう夜だ。今日は来ねーかもな…」ハァ…

上条「…不幸だ」

―翌日

上条「よく寝た…。そのまま永眠しちまいそうな程に…」

上条「腹減った…」グゥゥ…
上条「…でも、食うもんは無い…」

上条「不幸だ…」ハァ…

上条「せめて、水くらいは…」キュッキュッ…

上条「やっぱ出ねーか…」ハハッ…

上条「もし、この鍋蓋をとったら飯が出てくるとか…」

上条「どんなファンタジーだよ、それ…」パカッ…

上条「…何これ?」

上条「…夢じゃねーよな…」ギューッ

上条「鍋の中に芋が入ってやがる…!?」

上条「…!?こんなところに書き置きが…」ペラッ

『極めつけのバカへ。とりあえず、粉ふきいもと切り干し大根を作っておいたので、それでも食べなさい。あとの事は、明日にでも言うから。
美琴より』

上条「御坂ァァァ…!!」グスッ

『あと、水くらいは飲め。流しの下にミネラル水を何本か突っ込んどいたから、ちゃんと飲むよーに』

上条「これで、あと二、三日は生きていける…!」

上条「ホント、御坂さんには足を向けられませんよ…」グスッ

上条「よし、今日はこれ食ったら学校行こう」

上条「ここまでして貰って、へこたれていられねーよ…!!」

……

上条「よし!張り切って行くか!!」

上条「まぁ、玄関の鍵が壊れているのは頂けねーが…」ガチャガチャ

上条「まぁ、こんな貧乏学生寮に泥棒が入る事も無いでせう」

上条「それじゃ、行ってきまーす」



上条「学校の帰りにインデックスのところに寄ったが、未だにブドウ糖点滴か…」

上条「また入院代がかさむなぁ…」

上条「不幸だ…」

上条「今日は飯食って寝よう…。まだ御坂の作ってくれた分が残ってるし…」

上条「ただいまー、っても、誰もいねーか…」カチャ…
上条「………」

上条「これはどうした事でせう…?」

上条「…部屋が荒らされてる」

上条「まさか、泥棒かよ…」ハァ…

上条「盗むものなんてなんもねーのに、何で入られるんだよ…」

上条「不幸だ…」

上条「とりあえず、警備員に連絡するか…」

上条「……何かとてつもなく嫌な予感がしてきた」

上条「鍋の中を覗いて見ると…」ソーッ…

上条「やっぱり、空っぽだああああ!!!」

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上条「泥棒の奴、ピンポイントに人の飯だけ食っていきやがったぁぁぁ!!」

上条「まさか、流しの下の水も!?」

カラッポ

上条「全部やられたぁぁぁ!!!」

上条「こ、これでどうやって生きていけばいいんでせうか…」ガックリ…

上条「不幸すぎる…」

上条「…はぁ、もういいや…。今日は寝よう…」バサッ

上条「盗られたものは特にねーし…」

上条「空いたのは腹だけか…」グゥゥ…

上条「御坂も全然来てくれねーし…。」

上条「不幸だ…」

―翌朝

上条「最早、生きるためには綺麗事は言ってられねー…」

上条「たとえゲス条と呼ばれようとも、一向に構わねー…!!」

上条「今日から俺は、あらゆる人間にタカり捲る、タカり魔になる…!!」

上条「さぁ、今日から上条さんの―いや、ゲス条の新しい伝説の始まりだ…!!」

上条「待ってろよ、テメーら…。これから、あらゆる人間を骨の髄までしゃぶり尽くしてやるからな…!!」

上条「ウケケケケケ…ッ!!」

上条「そう勢いこんで学校に来たものの、まさかこういう展開になるとは…」

『本日、インフルエンザ流行の為、学校閉鎖』

上条「これじゃ、タカるどころか、クラスメートにも会えやしねぇ…」

上条「不幸だ…」ポロポロ

「おい、貴様。何でそんなところで泣いてるの?」

上条「吹寄か…」

吹寄「理由を聞いてるのよ。ちゃっちゃっと答えなさい」

上条「学校…閉鎖…知らないかったから…」グズグズ

吹寄「そんな事で泣いてた訳!?」

上条「うん…」

吹寄「うん、じゃないわよ」

吹寄「それに貴様、随分顔色が悪いけど、ちゃんと食べてるの?」

上条「いや、あんまり…」

吹寄「あー、分かったから。ちょっと来なさい!」

上条「ちょ、ちょっと吹寄!?」

吹寄「ほら、これでも食べなさい」

上条「ガツガツガツ」

吹寄「どんだけがっつくのよ」ハァ

上条「だって、だって!!」ウルウル

吹寄「一々泣くな!!」

吹寄「そんで、何でそんなに飢えてる訳?」

上条「ピタッ」

吹寄「どうしたの?」

上条「それはちょっと…」

吹寄「答えてもらうわよ。さもなくば、今食べた分の金よこせ」

上条「え~…?」

「私も聞きたいわね」ケホケホ

上条「みっ、御坂!?」

御坂「ちょっと風邪で寝込んでたのよ」ケホケホ

吹寄「貴方、まだ風邪治ってないじゃない」ゴソゴソ

吹寄「これあげるから、舐めてなさい」

御坂「は、はあ」

御坂「…まずっ」

吹寄「良薬口に苦し、よ。さて、理由をきかせなさい」

上条「ううっ」

御坂「ほら、早く」ケホケホ

上条「うううっ」

上条「…わ、分かりましたよ。話しますよ…」

御坂「ようやくね」

吹寄「ほら、ちゃっちゃっと話せ」

上条「うーん…。実は」

吹寄「実は?」

上条「上条さんの口座、差し押さえられてるんですよ…」

御坂「は?」

御坂「口座って、銀行口座?」

上条「ああ…」

御坂「何でそんなのが差し押さえられるのよ?」

吹寄「まさか、貴様どんな借金背負ってるの?てか、何でそんな借金作ったのよ?」

上条「それには、深ーい訳がありまして…」

御坂「どんな訳よ?」

上条「ほら、最近よく入院するだろ?」

吹寄「そうね。しょっちゅうしてるわね」

上条「その入院代がバカにならなくて…」

御坂「どんな頻度で入院してんのよ…」ハァ…

上条「おまけに、保険の効かない手術等もありまして…」

上条「気づけば、病院代がえらい事に…」ペラッ…

吹寄「うわぁ…」

御坂「中々お目にかかれない数字の請求書ね…」

上条「主治医の先生は別に出世払いで構わないって言ってくれるんだけど…」

御坂「それでも、アンタの生涯賃貸の何割にあたる数字ね…」

吹寄「貴様と結婚したら、間違いなく不幸になれるわね…」

上条「そこまで言うなよ…」トホホ…

上条「この支払いを親にも言えず、悩んでいたら…」

御坂「口座を差し押さえられたって訳ね…」

上条「うん…」

吹寄「確かに」ペラリ

吹寄「はい、そうですかと出せる額じゃないわよね…」

御坂「他の誰かに相談したの?」

上条「いや、誰にも…」

吹寄「相談しなさいよ…」ハァ…

上条「いや、係の人に、こんな事に他人を巻き込むのかって言われて…」

御坂「どんなヤクザよ、それ…」

御坂「そもそも、何でそんなに入院してる訳よ?」

吹寄「確かに、そこのところが気になるわね」

上条「え~…」

御坂「ほら、ちゃっちゃっと話す!!」

上条「うーん…」

上条「なあ…、御坂、吹寄」

上条「お前ら、魔術って知ってるか?」

御坂「魔術?」

吹寄「薮から棒に…」

上条「御坂は知ってるだろ、以前、黒いゴスロリ着た…」

御坂「あ~、何かいたわね変な能力者」

上条「アイツは魔術士なんだ」

御坂「そうなの?」

上条「ああ…」

上条「俺はそういうのと、よく戦うんだが…」

吹寄「ストップ」

御坂「何?」

吹寄「何か、頭の悪い中二病患者といる感じなんだけど」

御坂「………」

上条「だから、相談出来なかったんだよ…!」

上条「普通、こんな話しても、まともに取り合ってくれないって…」ポロポロ

御坂「何もマジ泣きしなくても…」

吹寄「いいから、続けなさい」

上条「ぐすん」

上条「そんな奴らと命がけで戦う度に怪我をして…」

吹寄「それでこんな額の請求書が来た訳?」

上条「ああ…」

吹寄「貴様」ハァ

吹寄「嘘ならもうちょっとちゃんとしたものをつきなさい」

吹寄「大方、どっかのスキルアウトの抗争にでも関わってるんでしょ?だとしたら、自業自得よ」フンッ

上条「………」グスン

御坂「………えっと」

上条「だから、嫌だったんだ…。どうせ嘘つきよばわりされるから…」グシュッ…

御坂「あー…。どういえば…」

上条「いいよ…。こんな話、分かってもらう方に無理があるんだから…」

御坂「え~と…」

御坂「あの、私はちょっとぐらいなら…」

吹寄「よしなさい」

吹寄「こんな嘘を肯定してやっても、こいつの為にはならないわ」

上条「嘘じゃないもん…」

吹寄「さてと」ガタン

御坂「あの、どちらに?」

吹寄「決まっているでしょ?こいつのいるスキルアウトに話をつけにいくのよ」

上条「…は?」

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