ルイーダ「アンタ仮にも勇者でしょ?」
勇者「当たり前だ。だから女を寄越せと言っている」
ルイーダ「だから、の意味が分からないんだけど?」
勇者「愚図め、一々説明せんと分からんか。いいか?まずは旅の伴侶に欠かせない僧侶。
一般的なイメージとしては、清楚で巨乳で恥じらいの強い淑女が第一に思い浮かぶだろう」
ルイーダ「まぁ……そういう子を希望する輩は多いけど」
勇者「分 か っ て い な い!!!」ダン!
ルイーダ「ひぃっ!?」
勇者「巨乳はまだ許す!しかし、しかしだ!僧侶とは癒し手の事だ!
当然それには夜の癒しも含まれて然るべきだろう!いやそれがメインだ!!」
ルイーダ「それ……遊び人を選んだ方が……」
勇者「貴様は馬鹿か?」スラリ
ルイーダ「ちょっ!ごめんなさい!だから剣を抜くのは止めて!?」
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勇者「ゴホン、続けよう。つまりだ、俺が所望する僧侶とは、
要するにエロエロで、毎晩迫ってくる様な、それでいて
俺以外に抱かれるのはまっぴらゴメンと言う様な都合の良い女の事だ」
ルイーダ「都合が良いって言い切ったよこの人……」
勇者「続いて魔法使い。これはお姉さん属性が主流だ。
初心な僧侶の後押しをし、からかい半分で勇者に体を密着させる様な……」
ルイーダ「あ!そういう魔法使いなら一人!」
勇者「誰が口を開けと言った!!?」ダン!
ルイーダ「ひぃっ!!ごごごめんなさい!!」ビクビク
勇者「しかしだ、俺が理想とする魔法使いは14歳以下と決まっている!」
ルイーダ「いやあの、流石に未成年は……」
勇者「俺は16だ。この若さで魔王討伐なんて馬鹿げた旅に駆り出された。
14歳?未成年?それがどうした?俺が守れば危険は無い。モーマンタイだ」
ルイーダ(違う意味での危険に満ちている気が……)
勇者「何か言いたそうだな?」スラリ
ルイーダ「イエナニモ」
勇者「何故14歳以下なのか、これは単純明快だ。傍には豊満な体つき、
尚且つエロエロな僧侶が居る。未だ性に疎い少女にとって、その刺激はいかばかりか。
そして徐々に目覚める女としての性。貧乳である事のコンプレックス!!」
ルイーダ(なんで王様はこんなのを勇者にしたのかしら……)
勇者「そして何より、共に旅をする事で芽生える絆。時には艱難辛苦に見舞われるだろう。
しかし!常に先頭に立ち続けるこの俺に!全幅の信頼を寄せるであろう!!
そして、そしていつしか俺を『お兄ちゃん(はぁと)』と呼ぶ様になるのだぁあああ!!!」
ルイーダ「おまわりさんこの人です」
勇者「さて、最後のメンバーだが……ここまで俺の高説を聞いたお前ならば分かるだろう?」
ルイーダ「へぁっ!?え、え、え?僧侶……魔法使い、とくれば……前衛、ですか?」
勇者「ふ……ようやく分かってきたじゃないか。では問おう、俺は所望する職業は?」
ルイーダ(戦士……はゴリラみたいなのばっかりだし、武闘家も負けず劣らずだし……)
ルイーダ「と、盗賊……だったりして……?」
勇者「……貴様にはガッカリだ」スラリ
ルイーダ「待って!お願い待って!!もうワンチャン!!」
勇者「ふむ、まぁいいだろう。俺は心が広いからな。これが最後だぞ?」
ルイーダ(長年この商売やってきたけど、ここまでアレな奴は初めてだわ……もうこうなりゃヤケよ!)
ルイーダ「あなたが望む最後の一人!!それは……商人よ!!」ビシィ
勇者「…………ファイナルアンサー?」
ルイーダ「ファイナルアンサー!」
ルイーダ(あ、これ間違えたら本当にファイナルだ、アハハもう笑うしかないわ)
勇者「……………………」ジー
勇者「正解だ!!よくぞこの俺の嗜好を見抜いた!褒美に魔王討伐のあかつきにはお前を愛人51号にしてやろう!」
ルイーダ「た、助かった……って何で私が51号なのよ!?ってかどんだけ愛人作る気だ!?」
勇者「うむ、まず栄えある愛人1号はこの国の王女だな。世間知らずなあの娘を俺色に染め上げる!!」
ルイーダ「魔王より先にこいつ討伐した方が平和になるんじゃ……」
勇者「おっと、話が逸れたな。でだ、肝心の商人なんだが、色恋に全く興味が無く、
尚且つ男嫌いで長身でスマートでメガネなお姉さんタイプで頼む」
ルイーダ「比較的……さっきまでのよりはハードル低いけど、なんでそのタイプ?」
勇者「ふ、いずれは3人共俺にメロメロになるのだ。一人ぐらい攻略難易度の高い女が居た方が張り合いがある」
ルイーダ「さいですか……。えっと、そうりょ、魔法使い、商人の3人ね。
流石にあなたの要望を満たす人材を揃えるのには骨が折れそうね」
勇者「何、時間はいくらでもある。とは言え、家でじっとしているのも性に合わんな。どれぐらいかかる?
ルイーダ「そうね……一か月頂戴?あなたへの支援は国ぐるみでやってるから、それだけあれば何とかするわ」
勇者「よし、良い子だ。では一か月後にまた会おう」ザッ
ルイーダ「はっや!?……しっかし、どうしたもんかなぁ……」
——ひと月後
勇者「たのもーう!」バタンッ
ルイーダ「ええい!一々扉を蹴破るな!!」
勇者「そんな些細な事はどうでもいい!嬢は揃っているんだろうな?」
ルイーダ「嬢ってあんた……もういいや、突っ込むのも疲れてきたわ。
あんたのご要望の子達じゃ二階よ。話は通してあるから行ってきたら?」
ルイーダ「……ってもう居ないし」
ルイーダ「しかしまぁ、国もエグイ事するなぁ、よりにもよってあの人選とは……」ペラリ
——僧侶
孤児。元は行商人一家だったがモンスターに襲われ奇跡的に少女だけが助かる。
それ以来、教会にて僧侶の術を学ぶが、過去のトラウマが生来の気質か淫行が絶えず、
何度も破門の憂き目に合うが、神父の弁護もあって今も在籍中。噂では肉体関係を持っているとの事。
——魔法使い
奴隷。廃村から連れてこられた少女。先天的な魔法の才能が見られ、
それ以降は罪人の処刑の際の執行人に仕立て上げられる。
——商人
高名な商家の生まれ。元は国の財政の一端を担っていたものの、横領が発覚し投獄。
今回の旅の同行も、魔法使いの監視があればこそ。「隙を見て殺せ、必ずだ」
ルイーダ「最後の一文は大臣のか、相当キテるな、これは」
勇者「ふむふむ、い〜じゃないか!!」
僧侶「貴方が私達の勇者様?ご指名ありがと♪私は役に立つわよぉ?イロイロと、ね」
勇者「うむ!大いに期待させて貰おう!」
魔法使い「初めまして勇者様。ボクは魔法使い、宜しくお願いします」
勇者「ボクっ娘きたぁあああああああああああ!!敬語なのも尚良し!文句無しに合格!」
商人「お初にお目にかかります勇者様。自分は商人、お役に立てる様微力を尽くします」
勇者「おっけぇええい!!才女!才女の香りがする!これでかつる!!」
商人「では自己紹介も済んだ事ですし、まずはどこへ向かわれますか?」
僧侶「ん〜、セオリー的にまずは城周辺でレベル上げかしら?」
魔法使い「お任せします」
勇者「うむ、まずは盗賊の鍵とやらを手に入れねばならん。そこからあたるとしようか」
——道中
僧侶「これは……」
魔法使い「……」
商人「言葉もありません」
勇者「た、たすけ、て……ホイミを……」ボロボロ
商人「まさかスライム一匹に死闘を繰り広げる勇者が存在するとは」
僧侶「言動から、物凄く強いのかと思ったんだけどねぇ」
魔法使い「……よわい」
勇者「いや、だって俺……戦闘とか初めてで……」
商人「ちなみに、旅立ちまでの期間は何を?」
勇者「俺勇者に選ばれたんだぜ〜!って女の子口説いてた」
魔法使い「……燃やしていい?」
僧侶「駄目って言いきれないとこねぇ……」
僧侶「まずは勇者の戦力強化から始めましょう」
魔法使い「無駄な気がする」
商人「とは言え、これはいくらなんでも弱いわ。何か理由があるのでは?」
僧侶「理由って?例えば?」
商人「剣に向いてない。重装備に向いてない。単純に実戦経験に乏しい、あたりよ」
僧侶「あー、確かに剣に振り回されてる感じはしたわね」
魔法使い「攻撃受ける時、目瞑ってました」
3人「どうしようもなくない?」
勇者「あのー……」
商人「なんでしょうか、駄目勇者様」
勇者「あぁっ!頭に駄目って付いた!って、そうじゃなくて、強くなる方法、あるにはあるんだけど……」
僧侶「駄目元で聞いてあげるわ、何?」
勇者「いや、その……絶対に怒らないって約束して貰える?」
魔法使い「内容によりますね」ボゥ
勇者「待って!本当に真面目な話だから!!」
商人「魔法使いさん、一旦収めて下さい。このままでは埒があきませんので、話だけは聞きましょう」
魔法使い「わかりました」
僧侶「で、その方法って?」
勇者「女性の裸を見ると強くなるんです」
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