男「ああ、まただよ」

幼「……え？」

男「そんなつもりないのに、つい愚痴っぽくなっちまうだろ。だから嫌なんだよ」

幼「……」

男「別に他人に八つ当たりしたって誰も帰ってこないのにな」

幼「ぐす……うう」

男「お前が泣いてどうすんだよ……そんなわけでさ、こういうダメな自分が人に迷惑かけてるのも辛いんだ」

幼「そんな！迷惑だなんて！」

男「とにかく、もう少し時間がいると思う。ちゃんと全部受け入れる時間と言うか、そういうのがさ」

幼「……」

男「話が長くなっちまった。今日はありがとな」

幼「……また、来るからね！」

男「他人の家族の線香上げるのに、そんなに毎日来るやつがあるかよ」

幼「あたしだって今までお世話になってきたんだもん……それくらい、させてよ」

男「……そっか」

幼「じゃあね、晩御飯冷蔵庫に入れといたから、レンジで……」

男「あー、わかってるって、ありがとな」

バタン

男「……」

男「広いなあ、この家」

男「年取るにつれて狭くなっていく気がしたけど」

男「……からっぽになっちまった」

男「……」

男「……なんか嘘みてー」

男「嘘じゃないのになあ」

男「……はは」

幼「ただいま」

母「ああ、おかえり」

幼「はあ」

母「……どうだった、男ちゃんの様子」

幼「……」

母「どうかしたの？」

幼「あたしね、何にもしてあげられないんだなあ、って」

母「あんた……」

幼「だって、目の前にいるやつは、今まで生きてきた中で今が絶対一番辛いはずなのに、かけてあげる言葉もわからないんだよ」

母「ほんと、急な不幸だったものね……」

幼「いつまで留守番してても、帰ってこないんだよ？」

母「出かける前に、私たまたま見かけて挨拶したのよ。……それが、交通事故だなんて」

幼「……まだ信じられないよ」

そして少女は死者蘇生の禁忌を犯す

幼「これで・・・男の笑顔が見れる・・・」

しかし・・・
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鋼(ry

母「それにしても……男ちゃん、これからどうするのかねえ」

幼「どうって、何が」

母「何がってあんた、そりゃ生活に決まってるじゃない」

幼「え……？」

母「あそこの家ってほら、ご両親どっちも兄弟とかいらっしゃらないし、頼れる親戚っていっても……ねえ」

幼「おじいちゃんとかも、もう亡くなってるんだよね」

母「援助も無いのに、学生が一人で生きていくなんて中々大変よ」

幼「で、でも」

母「そりゃ私たちでも、できる限りのことはしてあげたいと思うけど」

幼「……」

母「なんであの子がこんな目に会わないといけなかったんだろうねえ」

幼「……」

～翌日～

ピンポーン

男「はーい」

幼「お、おっす」

男「なんだお前かよ」

幼「お前かよはないでしょ！せっかく人がご飯持ってきてあげたのに！」

男「あ、いや、悪いね。いつもいつも」

幼「家に食べに来ればいいのに……」

男「いや、こうやって頂けるだけでもうほんとに感謝してるよ」

男「これ以上迷惑かけたら、もう俺なんと言っていいか……」

幼「だから！迷惑じゃないっていってるでしょ！」

男「……」

男「なんかな、怖いんだよ」

幼「……男？」

男「誰かに会うとさ、みんな俺のこと可哀そうな目で見るんだよ」

男「同情してくれてるんだろうな、って思って、それは当たり前のことなのかもしれないけど」

男「そういう目で見られるたびに、ああそうだ、親が死んだからなんだ、って再認識させられるというか」

幼「あ……」

男「それが、怖くてさ……はは、ダメだな俺は」

幼「……だめじゃないよ」

男「……幼？」

幼「だめじゃない……そんなの、だれだって」

男「ま、まあとにかくそういうわけでな、あんまり人と会いたくないんだよ、今さ。昨日も似たようなこと言ったかもしれんが」

幼「……」

男「あ、ありがとな！飯とか自分で作れないからさ、すごい助かってるぜ！」

幼「あ、ああ、いえ」

幼「あ！それより！」

男「な、なんだよ」

幼「あんた今日大学来てなかったでしょ」

男「よくわかったな」

幼「電話しても、メールしても返事ないし……」

男「……ああ、電池切れてたかな」

幼「もう！何してたのよ」

男「何って、見てわからんか？」

幼「……え？」

男「いるものといらないものを分けてるんだよ、ダンボールにさ。小須田部長、懐かしいだろ？」

幼「う、うん……ってそうじゃなくて！」

男「実際問題、塞ぎ込んでる暇も与えてもらえなくてな」

男「とりあえず、この家は出る」

幼「……え？」

男「ここ貸家だからな。これからの生活を考えると、一人で住むのに釣り合う家賃じゃないだろ」

幼「ちょ、ちょっと！聞いてないわよ！？」

男「当たり前だろ、言ってないんだから」

幼「そんな……急すぎるよ」

男「でも時間は待ってはくれないんだなあ」

男「保険金も僅かながら出るから、当面路頭に迷うことはないとは思うけど、それだって長くは続かないさ」

幼「そんなのって……」

男「昨日安いアパート見つけたんだ。敷金とか礼金もあんまり掛からないみたいだし」

幼「……嘘でしょ」

男「実の所、俺も嘘だと思ってるんだよ、まだ。だから割と冷静なのかもな」

男「でも、一人でこの家片付けるのは大変だよ」

男「まだ半分も終わってねえし」

男「忘れてたようなもんが次から次へと出てくるんだよ、それこそ押入れやらクローゼットやらからさ」

男「まったく、母さんがここまで整理の出来ない女だとは思ってなかったね」

幼「……」

男「で、そういうの見かける度にさ、なんかこう、感傷に耽っちゃったりなんかして」

男「はは、ほんとにドラマみたいなんだぜ」

幼「あ……あの、あたし」

男「？」

幼「……だめだ、また見つかんない」

男「なんだよ」

幼「あんたになんていって言いかわかんないよ」

男「そうだろうなあ」

男「だって、何言われたってだめなんだ、きっと」

幼「男……」

～数日後～

幼「ほんとに全部これ、捨てちゃうの？」

男「ああ、だって俺のアパート6畳だぞ？どう考えたって入らんだろ」

幼「でも」

男「持ってても、思い出して辛くなるだけだし」

幼「そんな」

男「ああ、ありがとな。結局色々手伝わせちゃって」

幼「いいよ、そんなの……」

男「よーし、これからは心機一転、新しい生活が始まるんだな」

幼「男……」

男「ははは……あー」

男「なんでこんなことになっちゃったかなあ」

幼「泣いてるの？」

男「泣いてねえよ」

幼「……そっか」

幼「ねえ、やっぱうちに来なよ？」

男「ばっか、お前そんなことできるわけねえだろ！」

幼「だって、一人暮らしなんて」

男「別に周りで下宿してる連中なんていくらでも居るだろ」

幼「あたしの家だったら、お母さんもお父さんもあんたのこと昔から知ってるし……」

男「あのなあ」

幼「部屋だって、お父さんの書斎とか潰しちゃえばいいし……」

男「おい、親父さん泣くよ？」

幼「だって……だって」

男「ありがとな。でも、そんなの無理だ」

男「お互い気まずくなるだけさ、いつも良くしてもらってるし、いくら感謝してもし足りないくらいだけど」

男「……やっぱり他人なんだよ」

幼「そんな……」

男「いいのいいの、少し一人暮らしって興味あったし」

幼「男！」

男「どうせ、大学卒業したら一人暮らしせにゃならんかった訳で、それが少し早くなっただけだろ」

幼「なんで……？」

男「？」

幼「もっと頼っていいんだよ？もっと助けてもらっていいんだよ？」

男「……なんで？」

幼「だ、だって」

男「親が死んだからか？身寄りがないからか？」

幼「それは……」

男「俺は、惨めか？不幸か？」

幼「あ、あの……」

男「……すまん」

幼「あんたが謝ることじゃないよ……ひっく……ぐす」

男「……ごめんな」

～翌日～

男「ふぅ、これで粗方荷物は入ったな……」

男「とりあえずカーテン付けてっと……あれ」

幼「あれ……？地図だとこの辺だよね……？」

ガラッ

男「おーい」

幼「え？あ！いた！」

男「よく迷わず来れたな、方向音痴の癖に」

幼「へ、へへ！いつまでも地図が読めないバカだと思ってもらっては困るわね！スイスイよ、こんなの！」

男「おー、そうか。まあ上がって来いよ！入り口裏手な！」

幼「あ、うーん！」

幼「（本当は二時間くらい彷徨ったけど……）」

男「（ありゃ二時間ぐらい探し回ってたな……）」

幼「お邪魔しまーす」

男「ほいほい、長旅ご苦労様」

幼「え？」

男「いやいや、なんでもない」

幼「ほえー、ここがあんたの家かぁ」

男「どうだ、ボロイだろ」

幼「お世辞にも綺麗とは言えないねえ」

男「ま、男が一人で住む分には困らんさ。なにせ安いからな」

幼「うーん」

男「それよりも、だ」

幼「？」

男「むしろこの部屋を自分で快適な環境に変えていくことに男はやりがいを感じるのさ……フフフ」

幼「おお……！」

男「いかに金を使わず！いかに快適なスペースを作るか！」

幼「なんかアレね、子供のときに秘密基地を作る感覚なのね……」

幼「あ、そうそう。食材いっぱい買ってきたから、今からなんか作ってあげるよ」

男「おお、悪いねえ」

幼「ほんとは家で作って持ってきてもよかったんだけど、ちょっと遠いから冷めても……ね」

男「ああ、そうだ。なんなら俺も一緒に作るよ」

幼「え？」

男「俺も一人暮らしする以上は、料理覚えねえとな」

幼「あ……じゃ、じゃあ、これからはあたしが教えに来たげるよ！」

男「ほんと？助かるわー」

幼「ふふ、あんたでも簡単に出来そうなのから教えてあげるから、最初は横で見てなさい！」

男「おう」

幼「♪」

幼「じゃあ、あたし帰るね」

男「おう、ありがとな」

幼「まだ冷蔵庫にポテトサラダあるから、明日までに食べてよ？」

男「ああ」

幼「うん、じゃあ、ばいばい」

男「うぃーす」

バタン

幼「……はー」

幼「あたし、役に立てたよね」

幼「今日は男も喜んでくれたみたいだし……」

幼「あたしでも、できることあったんだ」

幼「あたしも頑張らなきゃ」

幼「……うん！」

男「これくらいの部屋だと、俺一人でも丁度いいな」

男「……」

男「もう、ほんとに一人なんだな」

男「あー」

男「……風呂入るか」

～浴室～

男「そろそろ大学行かないとな」

男「奨学金があるから大学辞めない方が資金繰りには困らないってのはありがたいよな」

男「ああ、勉強して国公立入ってよかった」

男「そうだ、バイトも探さないと……」

男「やることはいっぱいある」

男「そのほうが、いいのかもな。色々考えなくて済むから」

男「……」

～翌日・大学構内～

男「おーす」

友「！」

男「ん？」

友「お、おう……」

男「なんだ？」

友「あの、お前さ、その……」

男「……」

男「いいよ、普段通りで」

友「いや、でも……」

男「（鬱陶しいな……）」

男「ありがとな、大丈夫だから」

友「お、おう。元気出せよ」

男「（なんじゃそら……）」

男「……」

男「（なんか俺がいると周りがざわつくな……気のせいだろうか）」

男「はあ」

男「（めんどくせ、もう帰ろ……）」

幼「（あれ……男のやつ、授業中にどこ行くんだろ）」

バタン

男「あー、被害妄想なのか？」

男「……被害ってなんだよ、ったく」

男「帰ってバイト探すかな」

俺だって本当は幼って使いたくないんだよ
でも、この後もう一人女出てくるから仕方なく……
女1、女2って嫌だろ

男「コンビニは楽そうだけど時給がなー」

男「時給で見るならパチンコ屋か塾講師……」

男「もうでも受験勉強から二年も経ってるし、塾は無理かな……」

男「パチンコ屋かぁ……うーん」

男「……コンビニでいいか。深夜なら時給も少しは上がるだろ」

ピンポーン

男「はーい、新聞なら間に合って……」

幼「うっす」

男「なんだ、お前か」

幼「あれ……元気そうね。あんた、なんで今日途中で帰ったの？」

男「え？……ああ、いや」

幼「サボり癖ついたんじゃないの？なんか体調でも悪かったのかと思って心配したのに」

男「いやー、ははは。そうかもな」

幼「あのねえ」

幼「あ、そうだ。ちょっと今から買い物行くからついてきなよ」

男「？」

幼「料理もそうだけど、まずは自分で買い物できるようにならないとね」

男「おい、はじめてのおつかいじゃないんだぞ！馬鹿にすんな！」

幼「じゃあ、あんた豚肉百グラムってどれくらいの値段か、相場わかる？」

男「え？……そんなもん、お前」

幼「……いくら？」

男「さ、三百……円くらい？」

幼「あんたは毎日国産黒豚でも食べるつもり？」

男「……」

幼「ほら、おいで」

男「ま、待てよ引っ張るな！鍵くらい締めさせろ！」

男「おい、買わないの？」

幼「これ、あっちのスーパーの方が安かったね」

男「あー、そうだったかなあ」

幼「よし、戻ろ」

男「はあ！？」

幼「だってもったいないじゃん」

男「いや、またあっちのスーパーまで歩く労力を考えろよな」

幼「歩いたらお肉安くなるなら、あたしはいくらでも歩くよ！」

男「わけわからん」

幼「買い物ってね、こういうことなの！」

男「はあ……」

～帰り道～

男「疲れた……」

幼「まあまあの収穫ね」

男「俺やっぱコンビニ弁当でいいかな……」

幼「バカいうな！」

くどくどくどくど

男「（コンビニ弁当がいかにダメかについて、こいつは一体何時間語るつもりだ……）」

幼「ちょっと、聞いてるの？」

男「あー、はいはい」

ごそごそ

幼「あ、ちょっと！何してんのよ」

男「何って腹減ったからさっき買ったハム食ってんだよ」

幼「あんたね……」

幼「今食べるために買ったんじゃないんですけど」

男「いいだろ、一枚くらい……ほら、お前も腹減ってんだろ？」

幼「……」

男「ほれほれ」

幼「あ、あんたがパック開けちゃったから、食べきらないと痛んじゃうから食べるんだからね！」

男「そうだな、うんうん」

幼「……もー」

もぐもぐ

男「（二枚まとめて食ってんじゃねえか……この幼馴染、ノリノリである）」

～帰宅～

男「さて、漢の料理ってもんをみせてやるぜ」

幼「まず手洗ってくれる？」

男「え、汚くないけど？」

幼「お前の目は光学顕微鏡か！」

男「わかったよ……洗えばいいんだろ」

幼「手が綺麗になったら、とりあえず野菜の皮剥いといて」

男「それくらいなら俺にも出来るな」

幼「そうだといいけど」

男「超！絶！包丁さばき見せてやるぜ！」

幼「絶対指切るよこいつ……」

男「じゃがいもって思ったよりいびつな形なんだな……」

幼「今日は買って来たばっかりだからあれだけど、家に置いといたやつは芽が出てないかよく見てね」

男「んー……しょっ」

しゅぱっ

男「うわっ！」

幼「わ！だ、大丈夫！？」

男「ギリギリ指はセーフ……」

幼「変な持ち方するから！」

幼「右手の親指はここ！左手はこうやって添えて……」

男「ふむふむ」

ぎゅっ

幼「……あ、い、いや……その」

男「……？」

幼「……ピ、ピーラー使えばいいんじゃない？」

男「ああ、なるほどな！」

男「で、何作るんだ、今日」

幼「カレーね、やっぱ最初だし」

男「おお！」

幼「これならたくさん作っとけるし、いつでも食べれるでしょ？」

男「隠し味は任せろ！」

幼「あんた何入れるつもり……？」

男「俺辛いのが好きだからさ」

幼「とりあえずキムチは冷蔵庫にしまえ」

男「なんでだよ」

幼「ありえんだろそれ……」

～一時間後～

幼「大体できたわね」

男「うーん、いい匂いだ」

ｔｒｒｒｒｒ、ｔｒｒｒｒｒ

幼「あれ、お母さんから電話だ……もしもし？」

母『あんたこんな遅くまでどこほっつき歩いてるの！』

幼「ひぇ！？」

母『ご飯冷めちゃったじゃないの！いらないならいらないって連絡しろっていってるでしょ！』

幼「あ、いや……」

男「？」

幼「ああ、もう、わかったって！今すぐ帰るから……うん、ご飯も置いといて」

男「ああ、おばさんか」

幼「ごめん、あともうごはんよそうだけだから、自分で出来るでしょ！じゃあねー！」

バタン

男「……」

男「……」

もそもそ

男「……静かだな」

男「一人になってから、それをすごく感じる」

男「今までだったら、朝になれば親が先に起きてて、ドタバタしてたのに」

男「一日中、部屋の中じゃ何の音もしないんだ」

男「洗濯機の音があんなにうるさいなんて、知らなかった」

男「……」

ぱくっ

男「カレー、うまいな……」

男「うまいけど、母さんのとは違う味だ」

男「俺……もう、あのカレー食えないんだ」

男「あ、あれ……なんかダメだ……」

男「うわあああああああ！！！！」

～数日後～

幼「今日もあいつ学校来てないな……」

幼「あんまりメールも返してくれないし」

幼「家も留守のこと多いし……どうしたんだろ」

幼「……なんか心配になってきた」

幼「よし」

友「あれ、幼、どこ行くの？」

幼「あたし、もう今日は帰るわ」

友「え？」

幼「よかったら今度ノート写させてよ」

友「いいけどさ……」

幼「じゃね！」

友「……変なの」

～男宅前～

幼「また電話出ないんだし……」

幼「家着いちゃったよ」

幼「……」

ピンポーン

幼「……いないか」

男「何してんだお前」

幼「ふわああ！？あ、あんたいつの間に」

男「今帰ってきたんだよ……なんか用か？」

幼「い、いや……用ってほどじゃないけど」

男「？」

幼「あ、あんたとりあえず携帯出なさいよ！」

男「あ、ああ、悪い。なんか最近めんどくさくてさ」

幼「せっかく世話焼いてあげようってんだから、返事くらいしなさいよ」

男「……お、おう」

幼「あたしだって、暇じゃないのよ？」

幼「でも、あんたのためだと思って……」

男「あー、はいはい、ありがとうな」

幼「何よそれ、感じ悪いわね」

男「そうか？」

幼「……なんか怒ってない？」

男「別に怒ってねえよ……ただ、そういう目線からなんだなと思って」

幼「え？」

男「お前は俺がかわいそうなんだろ？自分には家で帰りを待ってくれてる家族が居るのに、俺にはいないから」

幼「男……？」

男「……悪い。お前も暇じゃないなら、俺に構ってくれなくても大丈夫だからさ」

幼「ち、ちがっ……あたしはそんなつもりで……！」

男「俺、夜からバイトだからちょっと寝るよ。じゃあな」

バタン

幼「あ……」

幼「あたし……最悪だ」

幼「自分で勝手に役に立ってるとか思い込んで」

幼「男の世話焼いてる自分に酔ってただけだった……」

幼「そんなのあいつのこと傷つけるだけだったのに」

幼「……もう、帰ろう」


男「あー……何言ってんだ俺は」

男「最低じゃねえか」

男「自分が不安だからって、幼に辛く当たって」

男「俺のこと、心配してくれてたのに」

男「ああ……もうわかんねえ」

男「怖えよ……俺、これからどうしたらいいんだ……？」

～コンビニ～

男「いらっしゃいませー」

男「……」

男「いらっしゃいませー」

男「……」

男「すいません、店長」

店長「んー、どうかした？」

男「気分が悪くなったので早上がりさせてください」

店長「え？……あ、そう」

男「すいません、失礼します」

店長「出勤二回目で早退か……最近の子は忍耐が足りないねえ」

店員「聞こえますよ、店長！」

男「……」

～立ち飲み居酒屋～

男「……」

男「（何してんだろうなあ、俺……）」

店員「はい、生ひとつとたこわさね！」

男「……どうも」

ぐび

男「（……こんなまずい酒も初めてだな）」

男「（でも、今はもうなんだっていい）」

男「（辛いことを忘れていられる時間があれば、それで）」

男「（それでいいや……）」

なるぽ保守

幼馴染「ヒッキーとかテラうけるｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

男「・・・」

幼馴染「生きてる意味あんの？ッて感じｗｗｗｗｗｗｗさっさと死んじゃえばｗｗｗｗ」

男「ダメだ死のう」

ハッピーEND

よし、書いたぞ

ぽかぽかしたストーリーですね

男「ほ」
男「ほ」
男「ぬるぽ」
男「　」
男「☆」
男「ほ」
男「し」
男「>>404 ｶﾞｯ」



幼「もうやめてーーーーーーーーーー！！」

な

男「ｼｭｯ」

男「ｼｭｯ」

男「ｼｭｼｭｼｭｯ」

幼「きゃあ！やめてよ変態」



男「……お前、めちゃイケ見たことないだろ？」

女

男

しょうがねぇな

よくある設定てことは、それだけ共感しやすい設定てことなんだよな。

保守

男「もう幼も来ないだろうな。 俺何やってんだろ」
男「とりあえず今日は、コンビニ弁当で済ますか」

朝

男「ん…ああ、昨日はあのまま寝たんだった」

男「しっかりしないとな」

大学

男「おっはよー！」
友「お、おはよ…」
男「暗いなぁ、もっと元気出してこうぜ！」
友達「あ、ああ」

男「おはよう、幼！」
幼「おは……よう」

男「みんな暗いなあ」
幼「どうしたの？」
男「何が？」
幼「何がって…」

男「お、講義始まるぜ！」

幼「……」