使者「神託が下った、貴殿が新たなる『勇者』だ」勇者「はぁ?」 (3)

使者「勇者承認式は夕刻の七時となっている、貴殿も承知しているだろうが重要な式典だ。決して遅れることがないように」

勇者「いや、勇者に立候補した覚えがないんだが……。」

使者「?、しかしこちらの勇者新書には貴殿の名がしかと記されているが?」ペラペラ、ペシ!

勇者「」

使者「何かの間違いであろうとも、我らが崇める神の御意志だ。異論はないな!?」ズィ!

勇者「」

使者「よろしい。では私は城に戻るとしよう。く れ ぐ れ も 遅れないように!」クルッ、バタン

勇者「……夜逃げの準備でもするか」

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ーー夕刻六時ーー

勇者(誰もいないな?)キョロキョロ

勇者(今の内に逃げよう)ソローリソローリ

女「どちらへ?」スゥー

勇者「ひゃい!?」ビクッ

女「『勇者』様、どちらへ?」

勇者「え、えーと、その、教会の方n」

女「教会はこっち」

勇者「周りの家にご挨s」

女「そっちは森」

勇者「だから……、その……」タラーリ

女「夜逃げ?」

勇者「すみませんでした!見逃してください!」ズサー

女「断る」

勇者「そこをなんとか!」

女「……」ジー

勇者「お願いします!」

女「なんでも……いうこと聞く?」

勇者「は、はい!何でも聞きます!」コクコク

女「私もついて行く」

勇者「へ?」

女「魔王討伐」

勇者「いや……それは……」

女「何でも聞くって言った」

勇者「そ、それは言葉の綾で……」アセアセ

女「王様n」

勇者「あーもういいよ!どうにでもなれよ!」

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