使者「勇者承認式は夕刻の七時となっている、貴殿も承知しているだろうが重要な式典だ。決して遅れることがないように」
勇者「いや、勇者に立候補した覚えがないんだが……。」
使者「?、しかしこちらの勇者新書には貴殿の名がしかと記されているが?」ペラペラ、ペシ!
勇者「」
使者「何かの間違いであろうとも、我らが崇める神の御意志だ。異論はないな!?」ズィ!
勇者「」
使者「よろしい。では私は城に戻るとしよう。く れ ぐ れ も 遅れないように!」クルッ、バタン
勇者「……夜逃げの準備でもするか」
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ーー夕刻六時ーー
勇者(誰もいないな?)キョロキョロ
勇者(今の内に逃げよう)ソローリソローリ
女「どちらへ?」スゥー
勇者「ひゃい!?」ビクッ
女「『勇者』様、どちらへ?」
勇者「え、えーと、その、教会の方n」
女「教会はこっち」
勇者「周りの家にご挨s」
女「そっちは森」
勇者「だから……、その……」タラーリ
女「夜逃げ?」
勇者「すみませんでした!見逃してください!」ズサー
女「断る」
勇者「そこをなんとか!」
女「……」ジー
勇者「お願いします!」
女「なんでも……いうこと聞く?」
勇者「は、はい!何でも聞きます!」コクコク
女「私もついて行く」
勇者「へ?」
女「魔王討伐」
勇者「いや……それは……」
女「何でも聞くって言った」
勇者「そ、それは言葉の綾で……」アセアセ
女「王様n」
勇者「あーもういいよ!どうにでもなれよ!」
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