ゲンドウ「久しぶりだな、キタキタオヤジ」 (129)
キタキタオヤジ「3年ぶりですなー、ゲンドウ殿ー」
ゲンドウ「」フッ
ゲンドウ「出撃……」
ミサト「そんなっ! 無茶です! 彼、腰ミノしかつけてないんですよ!」
キタキタオヤジ「?」
リツコ「ミサト、今は人類の存亡がかかっている時よ。この際、パイロットの服装は問いません」キリッ
ミサト「服装以前に人間性を問いなさいよ! どう見ても変態オヤジじゃない!」
キタキタオヤジ「」ガーンッ!!
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キタキタオヤジ「」トボトボ……
リツコ「ミサト、何て事を言うの。見なさい、彼が傷ついて帰って行こうとしているじゃない」
ミサト「私が悪いの!? おかしいでしょ、それ! 大体、オヤジにエヴァは乗れないわよ!」
リツコ「失礼よ、ミサト。彼はこう見えてもれっきとした14歳の少年なんだから」
ミサト「嘘でしょ!? あんたじゃないけど、有り得ないわよ!」
キタキタオヤジ「」ガーンッ!!
キタキタオヤジ「」ショボン……
リツコ「ミサト、キタキタオヤジさんが落ち込んでるじゃない。彼に謝って」
ミサト「あんた、思いっきりオヤジって言ってるじゃない! それはいいの!?」
ゲンドウ「葛城一尉……」
ミサト「はい?」
ゲンドウ「謝るなら早くしろ、でなければ帰れ……!」
ミサト「ちょっ!! 何で私が!?」
シンジ「ミサトさん……」
ミサト「な、何よ、シンジ君……」
シンジ「ミサトさんは何の為にここにいるんですか? 使徒を倒す為にここにいるんじゃないんですか?」
ミサト「え?」
シンジ「ダメですよ、嫌な事から逃げ出してちゃ。何より、キタキタオヤジさんに謝る事から」
ミサト「いいっ!?」
キタキタオヤジ「」チラッ……
ミサト(見てる……)
キタキタオヤジ「」ジーッ……
ミサト(めっちゃ見てる、このオヤジ……! 腹立つー!)
ドオンッ!
グラグラ……
ゲンドウ「奴め……ここに気付いたか……」
リツコ「ミサト、時間がないわ。早く謝って」
シンジ「ミサトさん、大人げないですよ」
ミサト「わ、わかったわよ! 謝ればいいんでしょう、謝れば!」
ミサト「」クルッ
ミサト「キ、キタキタオヤジさん、すみませんでした……」ペコリ……
キタキタオヤジ「いやー、わざわざ謝る程の事でもありませんですぞー」ハッハッハ
ミサト(あー、もう!! イライラする、このオヤジ!)
リツコ「ごめんなさいね、キタキタオヤジさん。私からも謝るわ」
キタキタオヤジ「いえいえ、なんのその」ハッハッハ
リツコ「それで、改めてお願いするけど、あのエヴァという兵器に乗ってもらえるかしら?」
キタキタオヤジ「お任せ下され! このアドバーグ、人類の為と言うのであれば、この命を惜しみませんぞー!」キリッ
リツコ「あら、助かるわ。それじゃあ、早速案内するわね。こっちよ」テクテク
シンジ「えっと……父さん、僕は……?」
ゲンドウ「シンジはこっちに来て、見物していくといい。私の横に椅子を用意させる」
シンジ「うん……ありがとう、父さん」
ゲンドウ「……そうか」フッ
ミサト「なにこの和やかな雰囲気」
【エントリープラグ】
キタキタオヤジ「ほほう、これがエヴァの中ですかな……」キョロキョロ
《キタキタオヤジさん、聞こえるかしら?》
キタキタオヤジ「バッチリですぞー、リツコ殿!」
《そう。それなら、今からLCLという、水に良く似た液体を入れるわ。その液体は肺に直接酸素を取り込んでくれるから、絶対に溺れる事はないの。パニックにならないよう気をつけてね》
キタキタオヤジ「わかりましたですぞー!」
【発令所】
ミサト「ずいぶんと親切ね、リツコ。LCLの説明を前もってするなんて」ムスッ
リツコ「あら、パイロットが不安にならないようにする為の当然の配慮よ。あなたの方こそどうかしてるんじゃなくて?」
ミサト「あー、そうですか!」フンッ
マヤ「ハーモニクス全て正常、神経接続も問題ありません…………」
リツコ「流石ね。シンクロ率100%よ。まるでエヴァに乗る為に生まれてきたような子ね……」
マヤ「ですが私は…………うっ!!」ガバッ
リツコ「どうしたの、マヤ? 急に口をおさえて……?」
マヤ「ダメです、もう見れません! オヤジのスネ毛なんてこれ以上はもう……!! 私、無理です!」
リツコ「潔癖症は辛いわよ、マヤ。これからは毎日オヤジのスネ毛を見る事になるのだから……」
マヤ「そんなっ!」
リツコ「全ては慣れの問題よ、マヤ。その内あなたもオヤジのスネ毛を見ながらご飯を食べれるようになる日がきっと来るわ」
マヤ「嫌です! 私そんなの嫌です! なりたくありません! 嫌ぁっ!!」
日向「システム、オールグリーン」
青葉「初号機、いつでも発進出来ます」
ミサト「あっそ」ブスッ
日向「……葛城さん、もうちょっとやる気を出して下さいよ」
青葉「そうです。士気に関わってきますから」
ミサト「わかったわよ、もう!」
ミサト「」ハァ……
ミサト「……司令、本当の本当の本当に発進させても宜しいんですか?」
ゲンドウ「無論だ。使徒を倒さぬ限り、我々人類に未来はない」
ミサト「じゃあ、エヴァンゲリオン、発進で」
バシュッ!!
ウィーン……ガション!!
《最終安全装置、解除》
《エヴァンゲリオン、リフトオフ!》
サキエル「……」ノッシ、ノッシ
キタキタオヤジ「……ほほう、これが使徒ですかな?」キラーン
《ええ、そうよ。キタキタオヤジさん、まずは踊る事だけを考えて》
《ちょっ! 戦う事を考えなさいよ! 何よ、踊》
キタキタオヤジ「お任せ下されー!!」パアッ!
《ダメよ、そんなの! まずは歩》
《ミサト、あなたは少し黙ってて!》
《何でよ! 意味わかんない、どうい》
ヒーラリヒラヒラ、ヒヒラリラー♪
キタキタオヤジ「これでいかがですかなー!」クイッ、クイッ♪ クイッ、クイッ♪
初号機「」クイッ、クイッ♪ クイッ、クイッ♪
《おおっ!!》
《踊った!!》
《だから何なのよ!!》
キタキタオヤジ「見てくだされー、ミサト殿ー! この腰のキレ! この足の捌き!」クイッ、クイッ♪
初号機「」クイッ、クイッ♪
《バカな事言ってるんじゃないわよ! 使徒がもう、すぐそこまで来てるのよ!》
サキエル「」ノッシノッシ……
サキエル「」ジッ……
初号機「」クイッ、クイッ♪ クルッ♪
サキエル「」イラッ
サキエル「」ガシッ!!
初号機「!?」
キタキタオヤジ「!?」
日向「初号機、躍りながら回っていたところ、使徒に尻を掴まれました!」
リツコ「何ですって!?」
ミサト「当たり前の事でしょ! あんた、アホじゃないの!?」
《何をするのですかー! 離して下されー!!》
青葉「初号機、必死で抵抗!」
マヤ「駄目です! 逃げられません!」
ガション!! ガション!! ガション!!
日向「尻に連続攻撃!!」
《アッー!! アッー!! アッー!!》
マヤ「嫌ぁーーーー!!! 不潔ーーーーー!!!」
冬月「いかん! このままではマヤ君の精神がもたんぞ!」
冬月「初号機からの音声を60%カットだ! 急げ!」
青葉「はいっ!」
ミサト「何の意味があるんですか、それにっ!!」
ガッシャーン!!!
ミサト「今度は何!?」
日向「初号機、使徒に吹き飛ばされました!!」
リツコ「まずいわ! 状況は!?」
日向「臀部破損! 損害不明!」
青葉「神経接続が次々とカットされていきます!」
リツコ「何ですって!?」
ミサト「そりゃ当然よね」フンッ
ミサト「茶番はここまでよ! 初号機をすぐに戻」
ヒュイン
日向「臀部復元!」
ミサト「そんな! 一瞬にして!?」
リツコ「パイロットの状況は!?」
《いやー、危なかったですなー》ハッハッハ
《ですが、このアドバーグ! これしきの事でやられるような男ではありませんぞー!》クイッ、クイッ♪ クイッ、クイッ♪
ミサト「……何なの、一体、このオヤジ…………!」
続く
予告(シンジ)
使徒はキタキタオヤジさんによって倒されました
でも、それはミサトさんにとって悪夢のような毎日の始まりでしかありませんでした
強制的に義務づけられた同居生活、遠慮のない居候……
そして、まだ出番のない綾波……。彼女はキタキタオヤジさんを見て何を思うんでしょうか?
次回、『見知らぬオヤジ』
この次も、サービスしちゃいます♪
先に言っとくとラミエル戦で終わりにするから
それ以上は話が続かん上、おもろないし、無駄に長い
【ネルフ本部】
ミサト「ちょっと待ってよ! 何で私がこのオヤジと同居しなきゃいけないのよ!!」
《ミサト、これは碇司令からの命令よ。パイロットの保護管理はあなたの仕事なんだから》
ミサト「冗談じゃないわよ! 職権濫用よ! 横暴よ! 襲われたらどうすんのよ!」
《あら、平気よ。キタキタオヤジさんは紳士なんですもの。襲ったりなんてしないわ》
ミサト「はあ!? 腰ミノ一丁の紳士なんている訳な」プツッ
プープープー…………
ミサト「なんて無責任!!」ガチャンッ!!
キタキタオヤジ「話はまとまりかしたかなー?」
ミサト「……!!」
キタキタオヤジ「それでは早速参りましょうかな、ミサト殿ー。私、お腹が空いておりましてなー」ハッハッハ
ミサト「!!」クルッ、ツカツカ……
キタキタオヤジ「おや、ミサト殿は足が早いですなー」ハッハッハ
ミサト「」ツカツカ、ツカツカ……
【車の中】
ミサト「…………」ブロロロ……
キタキタオヤジ「いやー、素晴らしい景色ですなー。CDとか、かけても宜しいですかな?」ガチャッ、ウィーン……
ヒーラリヒラヒラ、ヒヒラリラー♪
ミサト「…………!」ブロロロ……
キタキタオヤジ「いやー、それにしても素晴らしい景色ですなー。ビルがニョキニョキ地面から生えておりますぞー」
ミサト「…………」ブロロロ……
キタキタオヤジ「これが私が守った町ですかな?」チラッ
ミサト「…………」ブロロロ……
【ミサトの家の前】
ミサト「…………」ガチャッ
キタキタオヤジ「ほほう、今日からここが私の家ですか。いやー、立派な家ですなー」
ミサト「…………」
キタキタオヤジ「それではお先に……。ただいまですぞー」トコトコ……
ミサト「……このクソオヤジ……!!」
【ミサトの家の中】
ゴチャゴチャ……
キタキタオヤジ「ふうむ、散らかっておりますなあ」
ミサト「ええ、仕事が忙しいから片づける暇なんてなくてね……!」
キタキタオヤジ「ミサト殿は結構面倒くさがり屋なのですかな?」
ミサト「うるさいわよ!」
キタキタオヤジ「という事は図星ですかな」ハッハッハ
ミサト「ああ、もう!!」
キタキタオヤジ「これでは結婚も出来ませんぞー。ミサト殿も、 もうよいお年なのですからな」ハッハッハ
ミサト「大きなお世話よ!!」
キタキタオヤジ「さて、それでは私は早速向こうの部屋を使わせてもらいますぞ」トコトコ
ミサト「勝手に決めるんじゃないわよ! ここ私の家よ!」
キタキタオヤジ「あ、あとご飯はいつになりますかな?」
ミサト「もう嫌よ、私!!!」バンバンッ
キタキタオヤジ「ミサト殿は短気ですなー。とはいえ壁パンはよした方がよいですぞー」ハッハッハ
【しばらく後、リビング】
ミサト「はぁ…………もう悪夢よ、これ……」
ミサト「あのクソオヤジは勝手に風呂に入ってくし……。後でお湯の張り替えしなきゃ……」
ミサト「飲まなきゃやってらんないわよ、こんなの」グビグビ
\ クエエエエーーーー!! /
ミサト「しまった! ペンペンが!!」
【風呂終了後、キタキタオヤジの部屋】
キタキタオヤジ「いやー、いいお湯でしたなー」ポカポカ
キタキタオヤジ「さて、今日は色々な事がありましたし、もう寝ますかな」ハッハッハ
キタキタオヤジ「」トコトコ、ポフッ……
キタキタオヤジ「…………」ゴロン……
キタキタオヤジ「」zzZ zzZ
【数時間前……】
《さあー、使徒とやら、どこからでもかかってきなされー!》クイッ、クイッ♪
初号機「」クイッ、クイッ♪
ミサト「ちょっと、リツコ」
リツコ「なに、ミサト?」
ミサト「あのオヤジは一体何なの? あんたや碇司令が、シンジ君じゃなくてあのオヤジをエヴァに乗せたがる理由って何!?」グイッ
リツコ「ミサト、今はそんな事言ってる場合じゃな」
《グオオオオォォォッ!!!》
ミサト「え?」
シンジ「勝ったね、父さん」
ゲンドウ「ああ、流石の母さんも我慢の限界を超えたようだ」
冬月「……………」
初号機「グオオオォォォ!!」ダダダダッ!! ビョインッ!!
《まさか!?》
《暴走!?》
《キタキタオヤジさん、キタキタオヤジさん、聞こえますか!?》
キタキタオヤジ「何ですかな?」
《…………あ、いえ、何でもないです》
キタキタオヤジ「それにしても、何だか懐かしい感じがしますなー、この中。なかなか快適ですぞー」ハッハッハ
《……………………》
キタキタオヤジ「見てくだされー! 絶好調ですぞー!」クイッ、クイッ♪
初号機「グオオオォォォッ!!」バリンッ!!
《初号機、使徒のATフィールドを粉砕!!》
《そんなっ! 中和もなしで!?》
初号機「グギャッァァァ!!!」バキンッ!!!
《コアを一撃で破壊!!》
《嘘でしょ!?》
サキエル「!!!」ドサッ…………
《使徒、完全に活動を停止……。殲滅しました……》
初号機「グギャアアァォォォッ!!!」
キタキタオヤジ「皆さん、ご安心くだされー! 私の踊りで敵はやっつけましたぞー!!」クイッ、クイッ♪ クイッ、クイッ♪
《おかしいわよ! こんなのーーーーっ!!!》
【病室、仮設モニター】
《おかしいわよ! こんなのーーーーっ!!!》
初号機「」ノッシノッシ、ノッシノッシ
看護師「綾波さん、そろそろモニターを切るから……」
レイ「待って下さい……。この映像を最初から巻き戻す事って出来ますか……?」
看護師「えっ……。まあ……録画はしてあるから大丈夫だとは思うけど……」
レイ「お願いします……」
看護師「そう……? わかったわ……」キュルキュル……
ヒーラリヒラヒラ、ヒヒラリラー♪
初号機「」クイッ、クイッ♪ クイッ、クイッ♪
レイ「……これが……キタキタ踊り…………!!」
続く
予告(レイ)
無理矢理押し付けられた同居生活……
それは葛城一尉にとって苦痛でしかなかった……
だけど、そんな事は気にせずキタキタオヤジさんは葛城一尉のプライベートにズカズカと踏み込んでくる……
イライラする心がおさまらない葛城一尉……
気にしないキタキタオヤジさん……
ヤマアラシのジレンマはとてつもない事態を発生させる事となったわ……
次回、『剃らないムダ毛』
この次も、サービスだから……
すげー面白い乙ー
この世界ではニケやククリはいないのかな
>>38
ありがと、書いた甲斐があるわ、嬉しい
オヤジだけ
【朝、ミサトの家】
ヒーラリヒラヒラ、ヒヒラリラー♪
キタキタオヤジ「おはようございますですぞー、ミサト殿ー」クイッ、クイッ♪
ミサト「…………」イライラ
キタキタオヤジ「おや、目の下にクマが出来ておりますなー。昨日はよく眠れなかったのですかな?」
ミサト「おかげさまでね……!!」
キタキタオヤジ「寝不足は美容の大敵ですぞー。どうですかな、ミサト殿。シェイプアップがわりに、キタキタ踊りを始められては?」クイッ、クイッ♪
ミサト「死んでもやらないわよ!」
キタキタオヤジ「残念ですなー……。早起きして腰ミノも用意したのですが……」シュン
ミサト「あんた、なにやってんのよ、ホントに!」
キタキタオヤジ「ところで、ミサト殿」
ミサト「何よ?」イライラ
キタキタオヤジ「朝御飯はまだですかな? それとお弁当も」
ミサト「自分で用意しなさいよ、自分でー!!」バンッ
キタキタオヤジ「」ビクッ
キタキタオヤジ「ですが、ミサト殿。私、料理はさっぱりでしてな」
ミサト「だったらこれからは食費を渡すわよ! だから自分で用意しなさい! いい大人のくせして、甘えるんじゃないわよ!」
キタキタオヤジ「大人?」キョトン
ミサト「あー、もう!!」
キタキタオヤジ「何の事ですかな、ミサト殿?」
ミサト「そういやそうだったわね! わかったわよ、私が用意するわよ!!」
キタキタオヤジ「」パアッ
ミサト「あー、腹立つー!!」バンバンッ
【学校】
先生「えー……今日からこの学校に転校してきた碇シンジ君とキタキタオヤジ君です。皆さん、仲良くするように」
シンジ「皆さん、宜しくお願いします」ニコッ
キタキタオヤジ「よろしくですぞー」ハッハッハ
クラスメイト「」
キタキタオヤジ「それでは、お近づきの印として、私の故郷に伝わる踊りを披露させてもらいますぞー!」
ヒーラリヒラヒラ、ヒヒラリラー♪
キタキタオヤジ「」クイッ、クイッ♪ クイッ、クイッ♪
クラスメイト「」ザワザワ、ヒソヒソ、ザワザワ、ヒソヒソ
【授業中】
ピピッ
キタキタオヤジ(メール? 一体、何ですかな?)カチッ
『腰ミノはあなたの制服? Y/N』
キタキタオヤジ「…………」
キタキタオヤジ「」キョロキョロ
クラスメイト「………………」
キタキタオヤジ「…………」
『Y』ポチッ
ピピッ
『あなたは本当に中学生? Y/N』
キタキタオヤジ「…………」
『Y』ポチッ
ピピッ
『あなたがあのロボットのパイロットって本当? Y/N』
キタキタオヤジ「…………」
『Y』ポチッ
クラスメイト「………………」
【授業中】
シンジ「…………」カタカタ
ピピッ
シンジ(ん? メール?)
シンジ(なんだろ、とりあえず開いて……)カチッ
『あなたはあのオヤジの友達? Y/N』
シンジ「…………」
シンジ(N、と……)ポチッ
女子A「良かった!」ガタッ
女子B「本当に良かった!」ガタッ
女子C「これから宜しくね、碇君!」ガタッ
シンジ「え……?」
ケンスケ「」カタカタ
『トウジ。あのオヤジ、エヴァのパイロットだそうだけど、殴るの? Y/N』
トウジ「」カタカタ
『無理や、絶対無理や、話しかける事すら無理や、あいつ腰ミノやで』
【昼休み】
トウジ「にしても、ケンスケ」
ケンスケ「ん、なに?」
トウジ「あのオヤジ、エヴァのパイロットやそうやけど、お前確かエヴァのパイロットに憧れて……」
ケンスケ「言わないでよ、トウジ。その夢は今日壊れたんだからさ……」グスッ
トウジ「すまん……悪い事言うたわ……」
シンジ「お昼か……。父さん、僕が作ったお弁当、食べてくれてるかな?」
シンジ「一応、好物を結構入れといたんだけど……」パカッ
女子A「あっ、碇君、お弁当?」
シンジ「あ、うん……」
女子B「私たちもお弁当なんだー。一人で食べるのも淋しいでしょ。一緒に食べよ♪」
シンジ「……いいの?」
女子C「いいに決まってるじゃない。ほら、こっちに机寄せなよ」
シンジ「うん……。ありがとう」ニコッ
女子一同(碇君って、可愛い……♪)キュン
キタキタオヤジ「…………」
キタキタオヤジ「」ゴソゴソ……
キタキタオヤジ「さて、ミサト殿が作ってくれたお弁当でも食べますかな」パカッ
キタキタオヤジ「…………」
トウジ「おい、ケンスケ」ヒソヒソ
ケンスケ「何?」
トウジ「あのオヤジの弁当、ご飯しか入っとらへんで。日の丸にもなっとらへんがな」ヒソヒソ
ケンスケ「まさか、そん……ホントだ…………」
トウジ「おまけに誰も声かけへん。なんか可哀想になってきたで」ヒソヒソ
ケンスケ「そうだね……でもあれは完全に自業自得だよな」ヒソヒソ
キタキタオヤジ「」ガタッ
キタキタオヤジ「」トコトコ……
トウジ「って思てたら、教室から出てってもうたな……」
ケンスケ「いたたまれなくなったのかな……。便所飯とかちょっと可哀想だよな……。明日は声かけるか?」
トウジ「いや、それは無理やわ」
ケンスケ「……だよな」
【校内】
《目標は一階校舎の家庭科室に移動。双眼鏡からでは中の様子まで確認出来ない。そちらで監視を頼む》
諜報部員A「了解」ピッ
諜報部員B「それにしても、あのオヤジ、弁当を持ってわざわざそこまで移動する事もないだろうに……」テクテク
諜報部員A「家庭科室……ここか」テクテク
\ ほっ、ほっ、ほっ、ほっ /
諜報部員A「なんだ、この声は?」
諜報部員B「中を覗いてみるか」ソーッ……
キタキタオヤジ「ほっ、ほっ、ほっ、ほっ」ギュム、ギュム、ギュム、ギュム
諜報部員A、B「わ、わきの下でおにぎりをっ!!!」
【ネルフ本部】
リツコ「キタキタオヤジさん、転校初日からわきの下でおにぎりを作ってたそうじゃない」
ミサト「」ブハッ!!
リツコ「それも、かなりのスピードで。大したものね」
ミサト「」ゲホッ、ゲホッ!!
リツコ「あら、どうしたの、ミサト? 諜報部からの報告を聞いてなかったの?」
ミサト「き、聞くわけ、な」ゲホッ、ゲホッ!!
リツコ「全く呆れたものね。フォースオヤジレンの監視はあなたの仕事だというのに」フゥ……
ミサト「何よ、オヤジレンって! そんな単語存在しないわよ!」
リツコ「それよりもミサト。オヤジさんのお弁当が白米だけというのはどういう事かしら? 子供をいじめて楽しいの、あなたは? 人として最低の行為よ」
ミサト「だって、無理でしょ、あんなのと暮らすなんて! 文句言うんだったら、あんた、代わりなさいよ!」
リツコ「あなたの代わりなんて出来ないわよ、ミサト。あなたはあなた一人しかいないのだから。大人だったらしっかりと責任を全うしなさい」
ミサト「なんで私が無責任みたいな感じになってるの!? 無理矢理押し付けられたのよ、私!!」
続く
予告(アスカ)
キタキタオヤジの事を巡って、リツコとミサトの対立は日毎に悪化していくばかり
エヴァの訓練においてもそれは一緒で、二人の方向性の違いは、軋轢と摩擦を徐々に生み出していく一方だわ
そんな中に襲来した新たな使徒。あーあ、来ちゃった
ミサトが救われる日は本当に来るのかしらね?
次回、『雨、干せない腰ミノ』
この次も、サービスだっちゅーの♪
【数日後、ネルフ本部】
リツコ「それではオヤジさん、これから新たな訓練を始めます」
キタキタオヤジ「任せてくだされー」ブラーン、ブラーン
リツコ「今、あなたは天井から吊り下げられている状態ですが、そのまま箸を使って真下にある焼き肉を食べて下さい」
キタキタオヤジ「む、意外と掴むのが難しいですなー……」ヒョイ、スカッ。ヒョイ、スカッ
リツコ「照準を焼き肉に入れてパクッ。このリズムよ」
キタキタオヤジ「わかりました。こうですかな?」ヒョイ、パクッ、モグモグ
リツコ「間髪入れずに次も。放っておくと、どんどんと焦げていくから急いで」
キタキタオヤジ「照準を焼き肉に入れてパクッ。照準を焼き肉に入れてパクッ。照準を焼き肉に入れてパクッ」モグモグ、ムグムグ
ミサト「…………リツコ、この訓練に何か意味があるの?」
リツコ「全くないわ」
ミサト「じゃあ何でこんな事させてるのよ! 何にも意味がない上、焼き肉の匂いが気になるじゃないの!」
リツコ「それはわかってるわよ。でも、彼、シンクロ率はもう100%だし、言うまでもなくキタキタ踊りについては文句を言えないレベルなのよ」
ミサト「踊りなんかどうだっていいでしょうが! 戦闘訓練をしなさいよ!」
リツコ「ミサト、あなた何を言っているの? この前の使徒戦をあなたも見てたでしょ? 彼は踊りだけで使徒を倒してしまったのよ」
ミサト「踊りじゃなくて、あれは初号機が暴走したからでしょうが!」
リツコ「その暴走を呼んだのはキタキタ踊りよ。そうじゃなくて?」
ミサト「いや、そりゃそうだけど……!」
リツコ「結論から言わせてもらえれば、彼に戦闘訓練は必要ないの。暴走を呼ぶキタキタ踊りさえマスターしてればそれでいいわ」
ミサト「良くないわよ!」
リツコ「だから、させる訓練なんて本当は何もないのだけど、訓練をしないという訳にもいかないから、仕方なくこれを……」
ミサト「なんか他にあるでしょ、させる事が!!」
キタキタオヤジ「照準を焼き肉に入れてパクッ……。慣れてはきましたがやはりなかなか難しいですなー」ヒョイ、パクッ、モグモグ
【後日、学校、屋上】
シンジ「…………」ゴロリ……
シンジ「風、気持ちいいなあ……」
レイ「」トコトコ……
シンジ「?」
レイ「非常召集……」
シンジ「ああ、そうなんだ」ムクリ……
レイ「…………」
シンジ「使徒が来たんだね……」
レイ「ええ……碇司令があなたもって……」
シンジ「うん、わかった。すぐ行くよ。……キタキタオヤジさんは?」
レイ「ヘリが迎えに来て、もう飛んでったわ。私たちは予備だから徒歩でって……」
シンジ「そっか。……一緒に行く、綾波?」
レイ「ええ。そのつもり……」コクン
シンジ「そっか。良かった。断られたらどうしようかって思ってた」ニコッ
レイ「…………断る…理由がないから」
シンジ「そっか……」スクッ……
【ネルフ本部、発令所】
マヤ「解析結果出ました! パターン青、使徒です!」
日向「前回は15年前……今回は3週間ですか。こっちの都合なんかお構いなしですね」
ミサト「まるであいつとおんなじね。女性に嫌われるタイプだわ」フンッ
青葉「あいつって誰ですか、葛城さん?」
ミサト「こっちの事よ。それより、住民の避難は?」
青葉「既に完了しています。問題ありません」
日向「葛城さん、日本政府からエヴァの出撃要請が来ています」
ミサト「うるさい連中ね。言われなくったって出撃させるわよ」
ミサト「」ハァ……
ミサト「キタキタオヤジさん。発進準備はいい?」
《いつでもオーケーですぞー》
ミサト「そう……」チラッ
ミサト「リツコ、最後にもう一度確認するけど、ガトリングガンは本当に装備させないでいいのね?」
リツコ「いいわよ。私はキタキタオヤジさんを信用してるから」キリッ
ミサト「あっそ」クルッ
ミサト「それじゃ、エヴァンゲリオン初号機、発進させちゃって」
マヤ「了解です」
青葉「いまいちなんかこう、気合いが入らないな」
日向「ミサトさんがあれだからな……仕方がないさ」
バシュッ、ガション!!
キタキタオヤジ「ふむ、あれが次の敵ですな」キラーン
シャムシエル「」フワンッ……
《キタキタオヤジさん、まずは様子を見る為にも踊ってもらえるかしら》
《だから戦えって何回言わせるのよ! 踊》
キタキタオヤジ「お任せくだされー!」パアッ
ヒーラリヒラヒラ、ヒヒラリラー♪
キタキタオヤジ「見てくだされー! 今日も絶好調ですぞー!」クイッ、クイッ♪
初号機「」クイッ、クイッ♪
シャムシェル「」イラッ
シャムシエル「」ヒュイン、ヒュイン!!
《まずい、触手が! オヤジ、踊ってる場合じゃないわよ! 一旦その場から離れて!》
キタキタオヤジ「」クイッ、クイッ♪
初号機「」クイッ、クイッ♪
《だからっ!! 踊ってないで、命令をききなさいよ、このバカオヤジ!》バンッ
《いいえ、ミサト、あれを見て!》
《なにを見……いいっ!?》
シャムシエル「」ヒュイン、ヒュイン!!
初号機「」パシッ、パシッ!!
《信じられません! 触手を全て踊りではたき落としています!》
《流石、キタキタ踊りね》
《有り得ないわよ、そんなのっ!!》
シャムシエル「」スパッ、スパッ!!
初号機「」ヒョイ、ヒョイ!!
《今度は攻撃を全て紙一重でかわしています!》
《信じられない動きです! 触手との距離を算出したら平均七ミリの距離でかわしています!》
《どう、ミサト、これがキタキタオヤジさんの実力よ》フッ
《なんであんたがそんな得意気なの!? あんたがした事って、ただ、焼き肉食べさせてただけじゃない!!》
キタキタオヤジ「むっ、はっ、よっ、ふっ!」クイクイッ、クイクイッ♪
初号機「」ヒョイ、パシッ、クイッ、ヒョイ!!
シャムシエル「」ヒュイン、ヒュイン、スパッ、スパッ!!
《使徒、攻撃の速度をアップ!》
《それに合わせて、キタキタオヤジさんも踊りの速さをアップさせていってます!》
《大丈夫、キタキタオヤジさん!?》
キタキタオヤジ「ま、まだまだいけますぞー!」クイクイッ、クイクイッ♪
《ミサト、ああは言ってるけど、声に余裕がなくなってきてるわ。ここは一旦パイロットを休憩させる為に、退却を提案します!》キリッ
《あいつ、何にもしてないじゃない!? 何の為に出撃し》
初号機「グギャァアァオオォォッ!!!」
《初号機、咆哮!》
《どっちかっていうと悲鳴でしょ、アレ!?》
《……また勝ったわね、碇君》
《そうだね。やったね、父さん》
《ああ、母さんは流石だな》
《……ユイ君…………》フゥ……
続く
予告(シンジ)
使徒を二体もあっさりと倒してしまったキタキタオヤジさん
なげやりな状態になっているミサトさんの前に、強敵、ラミエルが襲来します
ミサトさんに降格を告げる父さん、誰もそれを擁護しない状況……
果たして本当にミサトさんに救いはあるんでしょうか……?
次回、『オヤジ、扉の向こうに』
この次もサービス×2です♪
【ネルフ本部】
リツコ「綾波レイ、14歳……。マルドゥック機関によって選出された最初の適格者……。それ以外の経歴は全て抹消済み……」
ミサト「いや、もう、そんなんはいいから。あのオヤジの経歴は?」
リツコ「キタキタ・オヤジ・アドバーグ、14歳……マルドゥック機」
ミサト「ちょい待って。最初の部分からおかしいから」
リツコ「?」
ミサト「彼、日本人じゃないの!? ていうか、キタキタ・オヤジは名前としておかしいでしょ、それ!」
リツコ「ミサト、あなたの常識だけで物事を判断するのはよした方がいいわよ。世界には色々な言語があるのだから、日本人からしたら奇妙に思える名前なんていくらでもあるわ」
ミサト「それはそうかもしれないけど……」
リツコ「わかったら、続けるわよ。キタキタ・オヤジ・アドバーグ、14歳……。マルドゥック機関によって選出された第四の適格者……。キタキタ踊りの唯一の後継者である事以外、他の経歴は全て抹消済み……」
ミサト「何でそこだけ抹消しなかったのよ! やっぱおかしいでしょ、これ!」
【ミサトの家】
ミサト「……オヤジさん、ちょっちいい?」
キタキタオヤジ「何ですかな?」
ミサト「これ、レイの新しいIDカード。あなた暇だろうから、これを届けてきてもらってもいいわよね?」
キタキタオヤジ「レイ? あー、あの無口な子ですな」
ミサト「ええ、そうよ。頼めるかしら」
キタキタオヤジ「いいですぞ。お任せくだされ」ドンッ
ミサト「じゃ、よろしくー。住所を書いたメモはこれね」
キタキタオヤジ「では、早速行ってきますですぞー!」
ガチャ、バタン…………
ミサト「ふんっ、レイにビンタでもされればいいのよ、あんなやつ」プシュッ、グビグビ……
【綾波の家の前】
キタキタオヤジ「どうやらここのようですな」
ドンドン
キタキタオヤジ「レイ殿ー、お邪魔しますですぞー」ガチャッ
バタン
【綾波の家】
キタキタオヤジ「おやおや、何とも殺風景な部屋ですなー」キョロキョロ
キタキタオヤジ「さて、レイ殿はいずこに……?」
キタキタオヤジ「む?」
ヒーラリヒラヒラ、ヒヒラリラー♪
レイ「」クイッ、クイッ♪
キタキタオヤジ「なんと! レイ殿ー、私は嬉しいですぞー!」パアッ
レイ「オヤジさん……!」ビクッ
レイ「あ、これは……///」アタフタ
キタキタオヤジ「いやいや、恥ずかしがる事など何一つありませんぞ。そうだ、今度レイ殿の為に腰ミノを作っ」
レイ「///」バシンッ!!
キタキタオヤジ「ぬがっ!」グラッ、ドシン……
レイ「///」タタタタッ、ガチャッ
バタン!!
キタキタオヤジ「……私、なにか悪い事でもしましたかな……? 頬が痛いですぞ……」ジンジン
【ネルフ本部入り口】
レイ「」スッ……
ビー! ×××
レイ「?」
レイ「」スッ
ビー! ×××
キタキタオヤジ「」トコトコ……
キタキタオヤジ「新しいIDカードならここですぞ。レイ殿」
レイ「…………渡して」
キタキタオヤジ「キタキタ踊りの後継者になるというのであればお渡ししましょう」
レイ「」スッ、スッ、スッ
ビー! ビー! ビー! ××× ××× ×××
キタキタオヤジ「」
シンジ「あれ、綾波にキタキタオヤジさん。どうしたんですか?」
レイ「碇君……」
キタキタオヤジ「シンジ殿ですか、ご機嫌いか」
レイ「IDカードが古くて中に入れないの」
シンジ「ああ、そうなんだ。じゃあ、とりあえず今日は僕ので」スッ
ピンポーン! ○
シンジ「はい、いいよ、綾波」
レイ「あ、ありがとう//」
キタキタオヤジ「あ、あので」
シンジ「キタキタオヤジさんもどうぞ」スッ
ピンポーン! ○
キタキタオヤジ「あ、いや、私は自」
レイ「行きましょう、碇君……。その人は放っておけばいいわ」
シンジ「え、あ、でも……」
レイ「いいから」グイッ
シンジ「あ、手//」
キタキタオヤジ「はっはっは、若いというのはい」
バタン
キタキタオヤジ「」
【後日、ラミエル襲来】
マヤ「解析結果出ました! パターン青! 使徒です!」
ミサト「あっそ」
リツコ「ミサト、なにそのやる気のなさは? 指揮官がそれだと全体に影響が及ぶのよ」
ミサト「どうせ、また暴走で倒すだけじゃない」フンッ
ゲンドウ「…………葛城一尉」
ミサト「はい……?」
ゲンドウ「やる気がないのならば、作戦部長の任を解く。この戦闘が終わったら司令室に来るように」
ミサト「いいっ!?」
リツコ「当然の報いね」フンッ
ミサト「なんで私ばっかりこんな目に遭うのっ!?」
青葉「エヴァ発進準備よろし」
日向「葛城さん、いつでも発進出来ます」
ミサト「……リツコ。零号機は?」
リツコ「調整が済んでないからまだ実戦は無理ね」
ミサト「またあのオヤジだけか…………」ハァ……
ミサト「ええい、もういいわよ! エヴァンゲリオン、発進!」
マヤ「はい!」
バシュッ、シャー……
ラミエル「」キュイーン……
青葉「!?」
日向「目標内部に高エネルギー反応!!」
リツコ「何ですって!?」
ミサト「まずい! オヤジ、避けて!!」
【地上】
ガコッ、ガシャン!
《まずい! オヤジ、避けて!!》
キタキタオヤジ「?」
ラミエル「キィエーー!!」
チュッドーン!
初号機「!!」ジュガッ……!!
キタキタオヤジ「ぐわあああっ!!! 助けてくだされーっ!!!」
【発令所】
《ぐわあああっ!!! 助けてくだされーっ!!!》
マヤ「初号機に直撃!」
ミサト「早く! すぐに戻して!」
青葉「はい!」カタカタ!!
初号機「」ガコッ、ウィーン……
チュッドーン!!
日向「地表面が融解! なんて熱量だ!!」
リツコ「パイロットの状態は!?」
マヤ「パルス反転! 呼吸、心拍数共に不安定! かなり危険な状……えっ!?」
青葉「!? パイロット、一瞬にして全回復しました! 大破していた胸部も一瞬にして復元!!」
《いやー、危うく死ぬとこでしたなー》ハッハッハ
ミサト「何でよっ!?」
続く
予告(レイ)
使徒の攻撃を受けても平気なキタキタオヤジさん……
困惑するラミエル……
降格を目前に焦る葛城一尉……
罪悪感に悩む赤木博士……
ついに出番のきた碇君……
いつまでも出番のない私……
次回、『決戦、スネ毛は死の香り』
この次も、サービスだから……♪
【ネルフ本部、作戦会議室】
日向「現在、目標は我々の直上に進行。ジオフロントに向けて潜攻中です」
ミサト「奴の狙いはこのネルフ本部への直接攻撃か……」
青葉「ダミーバルーン、自走式戦車砲での戦闘データから、目標は一定距離内の外敵を自動排除するものと推察されます」
ミサト「近づく事も不可能なのね……。多分、あのオヤジでも無理よね?」
リツコ「恐らくはね」
ミサト「ATフィールドはどう?」
マヤ「健在です。肉眼で確認出来る程、強力なものが確認されています」
ミサト「攻守共にパーペキか……。まるで空中要塞ね」
青葉「今日まで完成していた22層の特殊装甲板を貫き、本部直上に到達するまでの予測時刻は、あと10時間14分後です」
ミサト「エヴァとパイロットは?」
リツコ「初号機は拘束具の胸部が融解しているけど、本体は完全に無傷ね。パイロットもピンピンしてるわ。一応、精密検査は行わせてるけど、まず問題ないでしょうね」
マヤ「零号機は急遽調整はしましたが、戦闘となると不安ですね。シンジ君もレイも実戦は初めてですので」
ミサト「つまり、初号機とオヤジを上手く使って、あの使徒をどう倒すかという事ね……」
リツコ「ここでいい作戦案を出せなかったら、あなた、間違いなくクビね」
ミサト「わかってるわよ、んなもん!!」
【なんやかんやで、ヤシマ作戦発動】
ミサト「では、本作戦における各担当を伝達します」
ミサト「レイ」
レイ「はい……」
ミサト「あなたはもしもの時に備えて、現場付近で待機」
レイ「はい……」
ミサト「シンジ君」
シンジ「はい」
ミサト「初号機で砲手を担当」
シンジ「はい」
ミサト「キタキタオヤジさん」
キタキタオヤジ「何ですかな?」
ミサト「あなたは零号機に乗って山の上で踊ってちょうだい」
キタキタオヤジ「」パアッ
キタキタオヤジ「お任せくだされー!! 一肌脱ぎますぞー!!」
ミサト「あなたには期待してるわ、よろしくね」ニコッ
キタキタオヤジ「はいっ!!」
シンジ「…………?」
レイ「…………」
リツコ「大人の都合でオヤジを利用するというのは嫌なものね……」フゥ
【ヤシマ作戦前】
キタキタオヤジ「いやー、それにしてもここはいい景色ですなー」ハッハッハ
シンジ「………………」
レイ「………………」
キタキタオヤジ「今宵は良い月も出ておりますし、いい踊りが出来そうですぞー」ハッハッハ
シンジ「………………」
レイ「………………」
キタキタオヤジ「月明かりの下で踊るというのも風流ですからな」ハッハッハ
シンジ「………………」
レイ「………………」
レイ「そろそろ時間よ、行きましょ」スクッ
キタキタオヤジ「そうですな。参りましょうか」ハッハッハ
シンジ「そうだね」スクッ
キタキタオヤジ「それでは私はお先に失礼しますぞー!」スタスタ
シンジ「…………」
レイ「…………」
シンジ「行ったね」
レイ「ええ」
シンジ「……正直、ちょっと怖いんだ。エヴァに乗るの」
レイ「…………」
シンジ「初めての実戦だから……どんな感じかもわからないし……」
レイ「…………」
シンジ「下手したら死ぬかもしれないって……そんな風に考えちゃって……」
レイ「…………大丈夫よ、碇君。……あなたは死なないわ」
シンジ「?」
レイ「オヤジが囮になるもの」
シンジ「…………ああ、そういう事か……」
レイ「ええ……。それじゃ、さよなら」
シンジ「待って、綾波」
レイ「……?」
シンジ「また後で」ニコッ
レイ「…………//」
レイ「ええ、また後で……//」
【ヤシマ作戦、開始】
《時間よ、キタキタオヤジさん、踊って!》
キタキタオヤジ「行きますぞー!!」
ヒーラリヒラヒラ、ヒヒラリラー♪
キタキタオヤジ「」クイッ、クイッ♪
零号機「」クイッ、クイッ♪
ラミエル「」イラッ
ラミエル「」キュイーン……
ラミエル「キャーーーー!!」
チュッドーン!!
零号機「」ドッコーン!!
キタキタオヤジ「ぐわぁあああああっ!!!」
《零号機! 大破!》
キタキタオヤジ「なんのこれしきー! 負けませんですぞー!」
零号機「」ヒュイン
《零号機、一瞬にして復元!》
ラミエル「ファーッ!?」
キタキタオヤジ「さあ、どこからでもかかってきなされー!!」クイッ、クイッ♪
零号機「」クイッ、クイッ♪
ラミエル「」ムカッ
ラミエル「キャーーーー!! キャーーーー!!」チュドーン!! チュドーン!!
零号機「」ドッコーン!! ドッコーン!!
キタキタオヤジ「ぎゃぁあああああっ!!」
《今よ、シンジ君!》
シンジ「はいっ!!」カチッ、ヒュイン!!
チュッドーン!!
ラミエル「キィエーーーーー!!」
ラミエル「ピィーーーーーー…………」グラッ……
ドシーン……!!
《よっしゃあ!!!》
【初号機付近】
ガコッ……
シンジ「良かった、無事に終わって……」
レイ「」タッタッタ
シンジ「あれ、綾波……?」
レイ「」コクン
シンジ「どうしてここまで……?」
レイ「また会うって約束……したから……//」
シンジ「あ……//」
レイ「碇君、おめでとう……無事で良かった」
シンジ「うん…………」
シンジ「……ありがとう、綾波」ニコッ
レイ「」ニコッ……
ヒーラリヒラヒラ、ヒヒラリラー♪
零号機「」クイッ、クイッ♪
続く
予告(アスカ)
時には暴走で、時には囮として、エヴァよりも汎用性の高いコシミノ
あいつの活躍によって使徒のほとんどは殲滅されていったわ
だけど、14体の使徒を倒した時、急にゼーレから謎のストップがかかったのよね
一体、この世界はどういう終わり方をするのかしら……
次回、『世界の中心で、なんですとー! と叫んだオヤジ』
単なるダイジェストだけど、サービス、サービスよ♪
>>86は訂正
アダムとリリスも含めちゃったんで、倒したのは12体だった
予告(アスカ)
時には暴走で、時には囮として、エヴァよりも汎用性の高いコシミノ
あいつの活躍によって使徒のほとんどは殲滅されていったわ
だけど、12体の使徒を倒した時、急にゼーレから謎のストップがかかったのよね
一体、この世界はどういう終わり方をするのかしら……
次回、『世界の中心で、なんですとー! と叫んだオヤジ』
単なるダイジェストだけど、サービス、サービスよ♪
【???】
モノリス「ここから先の事を全て語るには、あまりにも時間が足りない」
モノリス「よってここでは六体の使徒のみを語る事とする」
『ガギエル襲来前』
アスカ「で、アンタがエコヒイキで選ばれったっていうフォースチルドレン?」
シンジ「いや、僕じゃないよ。僕はサードチルドレンの碇シンジ。フォースチルドレンなら今、向こうに……ほら、あの人」
キタキタオヤジ「なんですかなー?」クイッ♪ クイッ♪
アスカ「へー、アンタがエコヒ………………」
キタキタオヤジ「?」
アスカ「……あのさ、シンジとか言ったけ? アンタ、ちょっとこっち来て。……少し聞きたい事があるんだけど」
シンジ「ああ、うん。大体、何を聞きたいかは想像がつくけど……」
『ガギエル襲来』
アスカ「使徒!?」
シンジ「みたいだね……」
アスカ「チャーンス」ニヤリ
シンジ「?」
アスカ「アンタ、確かまともな実戦した事なかったわよね?」
シンジ「え、あ、うん……。訓練と、あとこの前の使徒の時にでっかい銃を撃っただけかな……」
アスカ「じゃあ、丁度いいわ。実戦をその場で体験させてあげるわよ。こっちいらっしゃい」グイッ
シンジ「えっ、ちょっと惣流! 手を引っ張らないでよ!」
『ガギエル戦後』
アスカ「」ピンポーン
ガチャッ
ゲンドウ「よく来たな、弐号機パイロット」
シンジ「あ、アスカ、よく来たね。部屋はもう用意してあるし、荷物も届いてるよ」ニコッ
アスカ「あ、ありがと……//」
シンジ「どういたしまして」
アスカ「その……悪かったわね、ムリヤリ居候を頼んじゃって」
シンジ「いいよ。ね、父さん?」
ゲンドウ「構わん。自分の家だと思うがいい」
シンジ「そういう事、流石にミサトさんの家に居候は出来ないだろうからさ」
アスカ「まあね、あのコシミノと一緒に暮らす気には流石になれないから」
シンジ「気持ちはわかるよ。とにかく上がって」
アスカ「ええ、それじゃお邪魔します」ペコリ
ゲンドウ「待て」
アスカ「」ビクッ
ゲンドウ「今日からは自分の家だと思うように言ったはずだ。訂正しろ」
アスカ「あ、えと…………」
シンジ「お帰り、アスカ」ニコッ
アスカ「……た、ただいま…//」
『サハクィエル(これだけ新劇版)』
レイ「早く! 私一人じゃ……もたない……!!」
アスカ「わかってるっちゅーの! でも、ちょこまかとコアが動いて、狙いが定まらないのよっ……!」
ヒーラリヒラヒラ、ヒヒラリラー♪
オヤジ「」クイッ、クイッ♪
アスカ「アンタ、バカァ!? 踊ってないで、レイの手伝いをし」
《待って、アスカ!》
アスカ「何よっ!!」
《オヤジの尻を見て! オヤジの尻の動きとコアの動きが一致してるわ! オヤジの尻が真上に来たタイミングを狙って!!》
アスカ「そっか! ここね!!」グサッ、グサッ!!
サハクイエル「ピィエーーーー!!」グラッ……
チュッドーン!!
《使徒、殲滅!》
《やったね! 流石、アスカだよ!》
『イロウル』
《それではこれより実験を開始します》
キタキタオヤジ「…む…?」
《どうしたの、オヤジさん?》
キタキタオヤジ「すみませんが、リツコ殿、少し動きますですぞー」
《?》
模擬エヴァ「」ググッ……ゴシゴシ
イロウル「」プチプチ……
シューン……
《どうしたの、オヤジさん?》
キタキタオヤジ「いえ、そこの壁に何か汚れのようなものを見つけましたのでなー」
《あら、そう。神経質なのはそんなに悪い事ではないけど、でも、今は実験に集中してね》
キタキタオヤジ「すみませんなー」ハッハッハ
【数時間後……】
《それでは実験は終了よ。四人ともあがってちょうだい、お疲れ様》
シンジ「はい」
アスカ「はーい。早く服着たいー」
レイ「はい……」
キタキタオヤジ「いやー。裸と言うのも開放感があってなかなかいいものですがなー」ハッハッハ
《あんただけ、普段と大して変わらないでしょうが!》
『レリエル』
キタキタオヤジ「飲み込まれていきますぞ! 助けてくだされー! ミサト殿ー! リツコ殿ー!」
アスカ「いやー! 助けて! ミサト! シンジ! シンジ!」
レイ「ダメ……! 動けない! 飲み込」ポトン……
《アスカ、レイ!》
《アスカ、綾波!!》
《オヤジさん!!》
ヒーラリヒラヒラ、ヒヒラリラー♪
バリッ!!
《おおっ!!》
初号機「グギャアヒイアアッ!!!」
キタキタオヤジ「ただ今ですぞー」ハッハッハ
《これが……キタキタ踊りの力…………》
《私たち、なんてオヤジをエヴァに乗せているのかしら…………》
アスカ「た、助かった…………」
レイ「良かったわ…………」
『アラエル』
アラエル「」ピカッ
ハーレルヤ、ハーレルヤ♪ ハレルヤ、ハレルヤ、ハレールヤ♪
キタキタオヤジ「これはなかなか良いステージですなー! 負けませんぞー!」
ヒーラリヒラヒラ、ヒヒラリラー♪
四号機「」クイッ、クイッ♪
《……このままではいつまで経ってもらちがあかんな》
《……アスカ、ドグマを降りて槍を使え》
アスカ「OK。任せといて」
《いいのか、碇。ゼーレが黙ってはいないぞ》
《……構わん。……時計の針は元には戻らない。だが、自らの手で進める事は出来る》
ハーレルヤ、ハーレルヤ♪
ヒーラリヒラヒラ、ヒヒラリラー♪
アスカ「それじゃ、行っくわよー……! せーのっ!」
弐号機「」ビュンッ!!
ドスッ!!
アラエル「ピィエーーーー!!」ボシュンッ!!
《使徒、殲滅!!》
《だが、槍の回収は不可能か…………》
『アルミサエル』
シンジ「キタキタオヤジさん、逃げて!」
アスカ「コシミノ、自爆なんかダメよ! アタシたちでなんとかするから!」
レイ「ダメ……!」
キタキタオヤジ「」フッ……
キタキタオヤジ「みなさま、お元気でー!!!」ニコッ
ドオーンッ!!!
シンジ「キタキタオヤジさんっ!!」
アスカ「コシミノーーーッ!!」
レイ「オヤジ……!」
《…………パターン消滅……。使徒、殲滅……です……》
《オヤジと四号機は!?》
《……………………爆発の影響により今のところ確認が出来ません……。ですが、あれだけの規模の爆発では………………》
《嘘よ! 私は信じないわよ! あのオヤジが死ぬ訳ないもの!! オヤジ、オヤジーッ!!》
キタキタオヤジ「何ですかなー?」
《……………………》
キタキタオヤジ「どうされましたー、ミサト殿ー?」
《死ね!! クソオヤジ!!》
キタキタオヤジ「なんですとー!!!」ガビーン!!
予告
次回、最終話
『Air』
『キタキタを君に』
【学校】
シンジ「ここも淋しくなったね……」
アスカ「使徒のあらかたは倒し終わったみたいだけど……」
レイ「……きっと、あの使徒のせいね」
トウジ「色んなもん、ぶち壊してくれたさかいなあ……あのデブ黒な使徒は…………」
シンジ「キタキタオヤジさんがいなかったら全員死んでいたかも知れないね……」
アスカ「そうね…………」
ケンスケ「そして、この前の大爆発……。みんな、学校どころじゃないんだろうな……」ハァ……
キタキタオヤジ「いやはや、皆さん、暗いですなー。そういう時こそ、キタキタ踊りを!」クイッ、クイッ♪
アスカ「アンタ、ちょっと前にみんなにあれだけ心配かけといて、よくそんな事が言えるわね……」
シンジ「ピンピンしてたからね……。四号機も無事だったし……」
アスカ「アンタのその回復力ってどうなってるのよ、ホントに」
レイ「でも……無事で良かったわ」
シンジ「まあ……そうだね」ニコッ
アスカ「」フンッ
キタキタオヤジ「ささ、みなさんも踊りましょうぞ! こういう時こそ明るくキタキタ踊りを!」クイッ、クイッ♪
アスカ「…………まあ、そうね、たまにはそういうバカな事もいいかもね。ユニゾンの時以来だからもう忘れてるかもしれないけど……」ガタッ
シンジ「あの時はたまったもんじゃなかったな……。日本人は形から入るもんだって、ミサトさんに3人とも腰ミノつけさせられてさ」ガタッ……
レイ「でも、楽しかった……//」ガタッ
キタキタオヤジ「それでは皆様いきますぞー!」クイッ、クイッ♪
シンジ、アスカ、レイ「」クイッ、クイッ♪ クイッ、クイッ♪
トウジ「ワシもエヴァのパイロットになっとったらあないな事、させられとったんかな……」
ケンスケ「多分ね……。まあ、本人たちが楽しそうならそれでいいんじゃないの……」ハァ……
【ミサトの車の中】
ミサト「…………使徒は私たちリリンも含めて、全部で十八体」
ミサト「だけど、私たちが倒した使徒は十二体しかいない……」
ミサト「それなのにネルフ本部施設への立ち入りが禁止された……」
ミサト「一体、これはどういう事……?」
ミサト「使徒はもう来ないという事なの……?」
ミサト「碇司令は何を隠しているの……」
【???】
モノリス「約束の時は来た」
モノリス「ロンギヌスの槍を失った今、リリンによる計画の遂行は出来ぬ。唯一、リリスの分身たるエヴァ初号機によってその遂行を願う」
ゲンドウ「ゼーレのシナリオとは違いますが」
冬月「人はエヴァを生み出す為にその存在があったのです」
ゲンドウ「人は新たな世界へと進むべきなのです。その為のエヴァシリーズです」
モノリス「我らは人の形を捨ててまでエヴァという方舟に乗る事は無い」
モノリス「これは通過儀礼なのだ。閉塞した人類が再生する為のな」
モノリス「滅びの宿命は新生の喜びでもある。神も人も全ての生命が死を持って一つのものになる為に」
ゲンドウ「死は何も生みませんよ。我々は最後まで人として生きる事を望みます」
モノリス「ならば仕方あるまい……」
モノリス「我々の華麗な水中バレエを見て、存分に楽しんだ後は」
モノリス「魚も泳ぐ戦国風呂を味わうがよい」
モノリス「君たちの鼻水を飲み尽くしてくれようぞ……」
ブンッ…………
ゲンドウ「……なにこれ怖い」ブルブル
冬月「……落ち着け、碇」ブルブル
【発令所】
日向「外部との通信、情報回路が一方的に遮断されていきます!」
冬月「目的はマギか……」
青葉「全ての外部端末からデータ侵入!マギへのハッキングを目指しています!」
冬月「やはりか……侵入者は松代のマギ2号か?」
青葉「いえ、少なくともドイツと中国、アメリカからの侵入も確認出来ます!」
冬月「まずいな……マギの占拠は本部のそれと同義だからな……」
リツコ「私が手を打ちます。マヤ、手伝ってちょうだい」
マヤ「はい、先輩!」
ミサト「状況は?」
日向「先ほど、第二東京からAー801が出ました」
ミサト「Aー801?」
日向「特務機関ネルフの特例による法的保護の破棄、及び、指揮権の日本国政府への委譲です」
日向「最後通告ですよ。現在マギがハッキングを受けています。かなり押されています」
マヤ「今、赤木博士がプロテクト作業に入りました」
ミサト「分かったわ。あなた達は全力でサポートして。私は各ゲートの見回りに警戒要請をします」
日向「分かりました」
ミサト「これはちょっちヤバイかもね……」
【第666プロテクト作動後】
ミサト「エヴァの発進準備は!?」
マヤ「零号機、初号機、弐号機はパイロット共々大丈夫です! いつでも発進出来ます!」
日向「ですが、キタキタオヤジさんの四号機だけが……まだ……」
ミサト「どういう事!?」
青葉「パイロットがどこにも見つからないんです。他の三人も居場所を知らないとかで……!」
ミサト「あのオヤジ……! 肝心な時に……!」
日向「どうします、葛城さん!?」
ミサト「とりあえず他の三機はすぐに発進させて! 敵が何をしかけてくるかわからない以上、格納庫に置いておくのは危険よ!」
青葉「わかり」
ドーンッ!!
日向「うわっ!」
マヤ「きゃーっ!」
青葉「爆発!?」
ミサト「どうやら戦自のお出ましのようね……! アスカ、シンジ君、レイ! あいつらを蹴散らして!」
《で、でも、使徒と違って戦闘機だとか戦艦には人が乗っ》
《アンタ、バカァ! 戦わなきゃ、ミサトたちが殺されるのよ! 四の五の言ってる場合じゃないでしょ! ミサト、すぐに出して!》
《葛城三佐、お願いします……!》
ミサト「いいわね、シンジ君? 私たちの命、あなたたちに預けるわよ」
《…………逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ……!!》
《…………わかりました!! お願いします!!》
ミサト「頼んだわよ……! エヴァンゲリオン、発進!!」
《どおりゃあぁぁ!!》
《ごめん! ごめん!》
《……全弾命中……! 次の目標に……》
ミサト「ええ、そうよ。三人でカバーしあいながら片付けていって。特にシンジ君、二人のアンビリカルケーブルの断線には注意してね!」
《はい!》
マヤ「……それで、葛城さん。オヤジさんの方は……?」
ミサト「未だに見つからないの、あのオヤジ!」
日向「ええ、カメラのある場所にはどこにも。もしかしたらネルフ本部にはいないのではないかと……」
ミサト「一体、どこに消えたのよ! 外なら探しようがないわよ!」
青葉「あれ……? そういえば、赤木博士は?」
マヤ「疲れたから休憩するって……すぐに戻ってくるって言ってたはずなんだけど……」
《ミサトさん、外の敵はあらかた片付……?》
日向「これは……! 上空にエヴァシリーズです!」
《エヴァシリーズ……完成していたの……?》
ミサト「シンジ君、アスカ、レイ! そいつらを一匹残らず殲滅して! それは無人機のはずだから、思いっきりやっちゃいなさい!」
《はいっ!》
《任せてよ!》
《了解……!》
ミサト「それと、シンジ君。新兵器のマステマを地上に射出するわ。受け取って」
《訓練でやったアレですか……》
ミサト「ええ、今回ばかりはリツコに感謝ね。頼んだわよ」
《はい……!》
【ターミナルドグマ】
ゲンドウ「……よく来てくれたな、キタキタオヤジ」
キタキタオヤジ「なんですかな、ここは……?」キョロキョロ……
リツコ「」カツカツ、カツカツ……
リツコ「ここはターミナルドグマ、そしてあなたの前にいるのが第二の使徒、リリスよ」
キタキタオヤジ「おや、リツコ殿も、ゲンドウ殿に呼ばれて来たのですかな?」
リツコ「いいえ、違うわ」カチャッ
リツコ「あなたを殺しに来たの、キタキタオヤジさん」
キタキタオヤジ「なんですとーっ!!!」ガビーン!!
ゲンドウ「…………」
リツコ「すっかり騙されたわ。まさか、レイじゃなくあなたにリリスの魂が宿っていたとはね……」
リツコ「地下のリリスをアダムだと思わせていたように……。全てはゼーレの情報操作……」
リツコ「でも、私は立ち入り禁止の地下区域で大量のあなたのクローンを見つけてしまった。あの時ばかりは、流石の私もその場で吐いたわ」
リツコ「そして、リリスだと思っていたレイにはアダムの魂が……最後のシ者が道理で来ない訳ね。もう始めから来ていたのだから!」
ゲンドウ「そこまでだ、赤木博士」カチャッ
リツコ「!?」
ゲンドウ「 」
ダンッ!!
リツコ「……嘘つき…………!」ドサッ……
キタキタオヤジ「撃たれましたぞー! 大丈夫ですかな! リツコ殿ー! リツコ殿ー!」アセアセ
ゲンドウ「さあ、始めよう。約束の時だ」スポッ
ゲンドウ「アダムとリリスの禁じられた融」
キタキタオヤジ「助けてくだされー!」ダダダッ!!
ゲンドウ「」フッ
ゲンドウ「ATフィールド……」スッ……
バシュッ!!
キタキタオヤジ「ぐああっ!!」ドシンッ!!
ゴロゴロ、ドンガラガッシャーン!!
ゲンドウ「観念してもらおう、キタキタオヤジ」スタスタ
ゲンドウ「」ズポッ……ズズッ……
キタキタオヤジ「な、何ですかな、これは!? 手が体の中に!? 嫌ですぞー!!」バシッ!!
ゲンドウ「私を拒否するというのか、キタキタオヤジ……!」
キタキタオヤジ「当たり前ですぞー! 誰か助けてくだされー!」ダダダッ!!
キタキタオヤジ「えっ!?」フワッ……
キタキタオヤジ「何ですかな! 体が勝手に浮いて……!」
キタキタオヤジ「助け……!! 助けてく」
リリス「」スポッ
ゲンドウ「なんて事に……!?」
【地上】
ドオンッ! ドオンッ!
エヴァシリーズ「……!!!」バタッ……
アスカ「ふうっ、良かった……。全部、片付いたわね……。ちょっとグロいけど…………」
シンジ「僕……当分肉は食べれないと思う…………」
アスカ「まあ、でもこれだけ潰せばもう起き上がってはこないでしょ」
レイ「まさか……復活するとは思わなかったわ」
シンジ「本当だよね、この兵器がなかったら危な…………あ、あ……!!」
アスカ「? ……どうしたの、シン…………いっ……!!」
レイ「…………!!」
ズズズズズッ……
巨大オヤジ「」ニカッ……
シンジ、アスカ、レイ「うわぁぁぁああぁぁああぁあぁっっ!!!!!」
【甘き死よキタキタ】
ヒーラリヒラヒラ、ヒヒラリラー……♪
巨大オヤジ「」クイッ、クイッ♪ クイッ、クイッ♪
アスカ「嫌ぁ!! 嫌、嫌、嫌、嫌、嫌ぁぁぁぁっ!!!!!」
シンジ「うわぁぁぁああぁぁああぁあぁっっ!!!!!」
レイ「きゃああぁああぁあああぁあぁっっ!!!!!」
【???】
モノリス「遂に来た……」
モノリス「我らの宿願……」
モノリス「人類キタキタ計画が始まる……」
モノリス「まずは御祓の儀式を……」
モノリス「初号機パイロットの精神のキタキタ化をもって……」
モノリス「全人類を不死のごとき一つのキタキタオヤジに」
モノリス「始まりと終わりは全て同じところにある……。キタキタ、全てはこれで良い……」
【外】
初号機「キィヤーーーー!!」バサッバサッ!!
《光の翼……十五年前と同じ…………》
《これから一体、何が始まると言うの……!》
初号機「」フワッ……
ヒュンッ!!
《ロンギヌスの槍がっ!》
エヴァシリーズ「」ムクッ……フワッ……
フインッ……
《あれほど破壊されたエヴァシリーズがまた……!!》
《あれは……生命の樹……?》
《ゼーレめ、やはり初号機をよりしろとする気か……》
アスカ「シンジ!!」
レイ「碇君!!」
巨大オヤジ「」ニカッ……
シンジ「あ、あっ、あ、いひっ、あひぃっ…………!!」ガクガクブルブル
【地球】
ヒーラリヒラヒラ、ヒヒラリラー♪
巨大オヤジ「」クイッ、クイッ♪
シュバババババババ!!
シュバババババババ!!
《心の壁が強制的に剥がされていく……!》
《これがキタキタ踊りの本当の力……!》
【発令所】
キタキタオヤジA「」クイッ、クイッ♪
キタキタオヤジB「」クイッ、クイッ♪
キタキタオヤジC「」クイッ、クイッ♪
キタキタオヤジD「」クイッ、クイッ♪
キタキタオヤジE「」クイッ、クイッ♪
以下、略
キタキタオヤジZ「」フワッ……クイッ、クイッ♪
マヤ「嫌ぁぁぁぁっ!!!! やめてーーーーーっ!!!!」
ミサト「ひぃっ!! こっち来ないで!! いやーっ!!」
日向「助け!! 助」バンッ
パサッ……
青葉「日向! 日向! 日向ーーーーーーっ!!!」
【シンジの精神世界】
シンジ「ここは……?」
シンジ「なんだろう……? 真っ白な世界……」
シンジ「僕しかいない世界……?」
シンジ「」キョロキョロ……
シンジ「向こうに扉がある……」
シンジ「行ってみよう……」テクテク……
シンジ「なんだろう、この扉……」
ガチャッ、ガチャッ
シンジ「ダメだ……開かないや…………」
シンジ「あれ? 扉の隅っこになんか書いてある……」
シンジ「開けるのには呪文が必要……」
シンジ「………………」
シンジ「開け、ゴマ……」
ギギィ……
シンジ「開いた!?」
ガチャッ……
キタキタオヤジ「絶好調ですぞー!」クイッ、クイッ♪
シンジ「」バタンッ!!
\ ああっ!? シンジ殿ー!! シンジ殿ー!! /
シンジ「帰ろう……。みんなのところに……」スタスタ
\ 待ってくだされー! 是非、キタキタ踊りを世界中にーーー! /
【地球】
巨大オヤジ「!!?」グラッ……
巨大オヤジ「」ズズーン!!!
【現実世界】
アスカ「シンジ! シンジ! シンジッ!」グシュッ、メソメソ
レイ「碇君! 碇君! 碇君!」ユサユサ
シンジ「ん…………」パチッ……
アスカ「シンジ、良かった! 目を覚まして! 私、死んじゃったんじゃないかって……!!」グシュッ
レイ「碇君……良かった……!!」
シンジ「……二人とも……どうしたの…………?」
アスカ「アンタ、バカァ! アンタが無事だったから喜んでるんじゃないの!」グスッ、グシュッ
レイ「本当に良かった……! 碇君がこのまま目を覚まさなかったら私……!」ツー……ポロ、ポロ……
シンジ「そっか…………」
シンジ「ありがとう…………」ニコッ……
倒れた巨大オヤジ「」
終われ
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