久「須賀君の前だと素直になれない」 (182)

我ながら分の悪い賭けがほとほと好きだと思う。
2年の3月も下旬に差しかかろうかという時に、私は自分の決断を思い返しつつ苦笑していた。

1年は私一人で長くを過ごし、2年となってからも結局麻雀部――というよりもはや同好会に近いけれど――に残ってくれたのはまこ一人だった。
そんな始末だったから、自ずと私もまこも連絡こそ取り合うものの互いの私事に追われ、私は議会長としての仕事が主になっていた。

だから、終業式も終え春休みに入った時分にあの旧校舎に向かったのも偶然であれば、その後の事もまったく偶然だったのだ。

――私にとっては、忘れられない日となったけれど。

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「……ここに来るのも、久しぶりよね」

眼前に広がるのは、シートを掛けた唯一の全自動雀卓とベッド、そしてネット回線付きのデスクトップ一台だけだ。
しばらく来ていないだけあって露わな部分は少なからず埃をかぶっていて、時の流れというものを実感せざるを得なかった。

「相変わらずまこも来ていないのね……」

確認めいた独り言をこぼし一つ溜息をつくと、私はロッカーの中から箒と雑巾にバケツを取り出し、人知れず掃除を始めた。
幸いそもそも人が生活する空間ではなかったので、そこまで掃除には苦労はしなかった。蜘蛛の巣には少々辟易させられたが。

「……こんなものかしらね」

ジャージ上下という色気もへったくれもない恰好(といっても汚れて困るような恰好では本末転倒なのだが)で、私は小1時間かけて掃除した室内を見回した。
といっても室外にはさして手を付けていないので、外から見たら大して変わり映えはしないだろうけれど。

「新入生を少なくとも3人以上、かぁ……それも女の子だけで」

周りが片付いたことを確認してからベッドに腰を下ろすと、改めて自分に課した待ちに自嘲をこぼした。
清澄(うち)に来る女の子で麻雀を打てる子が――いや、打ち続けられる子がどれだけいてくれるかは、この2年を見ても察さざるを得ない。
けど。それだからこそ、今年こそは揺り返しが来ると、私はそう信じていた。それに、

『個人で勝ったとしても、そんなのちっとも楽しくないもの』

かつてまこに言って聞かせた言葉を反芻し、私はふと横になった。
何も音のない静寂の中、疲れとともに私はまどろみの中へと落ちていったのだった。

「――ん……」

薄く開いた目を見開き時計を見やると、午後の2時ほどを回った頃だった。
掃除を終えたのが11時ぐらいだったはずだから、3時間ほど眠っていた計算になる。

そもそも、新入生が入る入学式の前に掃除すればそれで済むことだったのだが、
上旬・下旬の月2程度は掃除するという自分のルーチンなのだから今更止められるものでもない。

「……着替えよっか」

中学生じゃあるまいし、いつまでもジャージ姿のままでいるのも居心地悪いと考えた私は来るときに着ていた私服に着替えることにした。
誰が来るわけでもないし鍵をかける必要もないだろう。仮に来たとしてもまこぐらいのものだ。そう思っていた。

そこのドアが開け放たれるまでは。

「!?」
「…………!?」

前者の驚きは私のもので、後者は招かざる客――金髪の少年のものだった。
全く油断していたせいで上下ともに下着姿だった私はおろか、彼の方でさえも時間が止まったように大口を開けて固まった。


これが、彼――須賀京太郎君との割と最低な出会いだった。

続く
練ってるようで大して練ってないストーリーなので適当に流し読んでください

そうだな…わたしは「完結」だけを求めてはいない。
「完結」だけを求めていると、人は近道をしたがるものだ…近道した時大切な物を失うかもしれない。
やる気も次第に失せていく。
大切なのは「完結に向かおうとする意志」だと思っている。
向かおうとする意志さえあれば、今は道のりが遠いとしても、いつかはたどり着くだろう?
向かっているわけだからな…違うかい?

誕生日なので唐突に京キャプを書きたくなったんですがかまいませんね!(錯乱

未完結の短編のタイトルつけっぱなしなのも構わず書き込む人間の屑

実際今日中に反応がなかったら大人しく続き書きます(´・ω・`)

大き過ぎる……修正が必要だ……(風呂上がりにスレを更新した瞬間の感想)

じゃあ書くけど瞳孔の開き具合と皮膚の温度、筋肉の動きから83%の確率で寝落ちするので

久「あーあー、聞こえてるかしら?」

ゆみ「大丈夫だ」

美穂子「は、はい」

透華「よろしくてよ」

久「みんな問題ないようね。それじゃあ第一回4校合同会議を始めるわね」

美穂子「よ、よろしくお願いします」

ゆみ「よろしく。しかし先日清澄の方から知らせが来た時は何事かと思ったよ」

透華「確か藤田プロの発案でしたかしら?」

久「ええ。こっちに少々コネがあってね。カメラとマイクまで手配してもらって申し訳なかったわね」

透華「今はこの程度の機材ならポンと買えますから良い時代ですわね」

美穂子「これなら機械に触れない私でも話に参加できますからね。華菜たちには手を焼いていただいて申し訳なかったけれど」

久「携帯すら触れないって本当に筋金入りよね福路さんは……」

久「それで手短に本題に入ると、宿の方の手配もあるから人数は早めに決めておいて欲しいとの事でね」

ゆみ「うちは団体戦の5人だけだな」

透華「同じく」

美穂子「私達もそうね。私しか全国に出ないのに心苦しいけれど」

ゆみ「それを言われると弱るがな」

美穂子「す、すみません。そんなつもりじゃ……」フカブカ

(池田)(キャプテン、お辞儀すると危ないし!)

美穂子「ご、ごめんなさい華菜!きゃあっ」ドタドタ

ゆみ「……まあ、別に気にするなという事さ。こちらとて悪気はない」

龍門渕「全くですわ。それで、清澄は件の5人でして?」

久「そうなるわね」

美穂子「……え?」

久「え?」

美穂子「確か、清澄には1人男子生徒がいたような……」

久「ああ、須賀君の事ね。まあ彼は……」

美穂子「連れて行ってあげないのですか?」

久「……彼が来てもお互いのためにならないもの。心苦しいけれど」

美穂子「たった一人だけ置いてけぼりを食らうなんてひどすぎると思いますっ」

ゆみ「気持ちはわからんでもないが……須賀君と言ったか?彼も男1人では正直困るだろうしな」

透華「なら1人でなければよろしいので?」

久「どういうこと?」

透華「そういうことならハギヨシも連れて行きますわ。それで文句はないでしょう」

透華「それに、その清澄の方々と打って堪えていられる男子、少し興味があります」

久「また買いかぶられたものね須賀君も……」

ゆみ「まあ……何にせよ彼がいいと言うのなら私は別に構わない。私とて高校から始めた身だ」

美穂子「皆さん……」

久「……一応、話は通しておくわ。けれど、福路さんはどうしてそんなに」

美穂子「一人ぼっちが寂しいから、というのは勿論ですが……彼とは一度会って話をしてみたいと思っていたので」

久「?」

美穂子「不思議と近しいものを感じるんです。確証は何もありませんが」

久「……わかったわ。それじゃそのように藤田プロにも取り計らってもらうので。今回はこれでお開きとします」

ああうんだめだ寝る・ゼルファー

つかこれ見ようによっては全員とフラグ立ってる気がした
多分気のせい

翌日

久「とまあかくかくしかじかで」

京太郎「はぁ……」

咲「あんまり乗り気じゃないの?京ちゃん」

優希「こんな発情犬を他校と合わせたりしたらすぐ尻尾振って腹ばいになるじょ」

京太郎「という風に思われるだろうというのをまさに代弁してもらいました」

和「そこまで卑屈にならなくても」

まこ「まあ、そこまでわかっとるなら後はおんしの心掛け次第じゃろ」

京太郎「ですけど先輩」

まこ「おんしだってここまでついて来てくれた大事な仲間じゃよ」

京太郎「先輩……!」ダキッ

まこ「……っ、ちょ、調子に乗るな」ガスッ

京太郎「す、すいませんつい」

久「あなたのそういう所は嫌いじゃないけど、合宿中は『つい』は許されないわよ?」

京太郎「うっ」

久「もっともそんなことがあったら即制裁してもらうように龍門淵の執事さんには頼んでもらってるけど」

京太郎「……!」ゾワッ

優希「やっぱ行かせない方がいいんじゃ」

久「さっきも行ったでしょ、私の一存じゃ無理なのよ。もっとも……」

京太郎「……行きますよ。なんでかは知りませんが、そこまで俺を買ってくださっているなら男としてすたります」

久「……意気込むのはいいけど、突っ走らないでよ?」

まこ「……」

京太郎「勿論ですよ」


続く

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