書き溜め少ないんで投下遅いかもです。
ーーー小鳥が煩い。
ーーー朝が来た。
ーーーいつもと変わらない、朝。
ーーーいつもと、変わらない…
ξ゚⊿゚)ξ…ふあぁ
ξ゚⊿゚)ξパラレルワールドのようですζ(゚ー゚*ζ
…布団から出たくない。今日は学校休もうかな。今まで慎ましくそれなりに真面目に生きてきた私だもの。ズル休みくらいいいよね…ってダメか。休み癖がついちゃう。一度休み癖がついたら抜け出すのは難しい。そんな手間をかけるくらいなら、この布団から出た方が賢明だ。
ξ゚⊿゚)ξ朝ごはんは…パンでいいや。
ξ゚⊿゚)ξ…だるい
朝ごはんを食べ、顔を洗い、歯を磨く。ク○アクリーンは嫌いだ。
部屋に戻り、制服を着る。
私には、制服を着崩すメリットが分からない。着崩した所でダサいだけだし、教師が煩い。制服は普通に着るのが一番なのである。一番。
鞄を持ち、ソックスを履く。少し早いが、そろそろ出るとしよう。
ξ゚⊿゚)ξ…行ってきます
またやってしまった。誰もいないこの家に向かって行ってきますの挨拶。我ながら実に馬鹿馬鹿しく、それこそメリットの存在しない行為。だが、人間というものは不思議なもので、一度ついた癖はなかなか抜けないのだ。
(*゚ー゚)あ…津出さん、おはよう。
彼女の名前は椎野美玲。周りからはしぃと呼ばれてる。プロポーションもなかなかのもので性格も良く、男女共に一定の評価を得ている。
ξ゚⊿゚)ξ椎野さん。…おはよ
クラスで彼女を椎野さんだなんて他人行儀に呼ぶのは、恐らく、私一人だろう。まぁ別に悪いことをしてるわけではない、はず。特に親しくもない彼女をいきなりあだ名で呼ぶというのも、アレだ、アレ。
(*゚ー゚)…
ξ゚⊿゚)ξ…
会話が続かない。まぁそうだろう。私は必要最小限のコミュ力しか持ち合わせておらず、人と話を合わせ、展開する、なんていう某テレビ番組に出て来るような神業は、私には、不可能だ。そのせいなのか、私に、友人は存在しない。別に嫌ではない。むしろ、ありがたいくらいだ。コミュ力の乏しい私にとって、人と特別親しくするというのは、苦痛以外の何物でもない。私の通っている高校は、それなりの進学校なので、いじめもなく、不都合は特に無い。
从 ゚∀从お、しぃじゃんか!
(*゚ー゚)ハイン!おはよう!
(*゚ー゚)えっと…津出さん、ごめんね。
ξ゚⊿゚)ξ別に…いいよ。
彼女の名前は入野美和。苗字の「入野」をもじって「ハイン」というあだ名がついている。若干中二病も患っているのか知らないが、ボーイッシュな喋り方が特徴だ。
椎野さんは、私から離れられて少しホッとしてる。私はというと、
从 ゚∀从お、津出もいんなー!おはよー!
ξ゚⊿゚)ξお…おはよ
彼女のお陰で気まずい雰囲気は脱却できたものの、私は彼女が、苦手だ。
从 ゚∀从それでさ!昨日のTVなんだけどな!
ξ゚⊿゚)ξうん…うん…
いつも独りの私の事を気にかけているのか、やたら私に絡んでくる。だけど…
ξ゚⊿゚)ξご…ごめん、私委員会の仕事があるから!じゃあね!
从 ゚∀从おう!健闘を~祈る!
勿論委員会なんて嘘だ。はっきり言って私はコイツが鬱陶しい。早く教室に行って一人で、寝たい。
ξ-⊿-)ξzzz
眠くてもう何も考えられない…眠気だけが私の体を侵食していく。朝のHRまでは寝ていよう。
ξ゚⊿゚)ξ…あ…
また、ここだ。
最近、眠りについたと思えば、決まってここに来る。この、不思議な空間に。
ξ゚⊿゚)ξ…どこなんだろ。ここ。そして…
ξ゚⊿゚)ξ誰なんだろ、あれ。
ζ( )ζ
ここに来ると、いつも向こうに誰かが立ってる。いつも同じ子だ。ぼやけててよく見えない。
ζ( )ζ…
ξ゚⊿゚)ξ…どんな子なんだろ。
無論ここが夢の世界である事は承知の上だ。だが、興味というのか、何度も夢に出てくる少女がどんな姿をしているのか、一度お目にかかりたいという気持ちはあるのだ。ふふ、私もまだ感情は死んでいなかったか。
まだ書き始めたばっかりの癖に寝落ちします。起きたらまた投下します。
続きです。
ξ゚⊿゚)ξ…ねえ!
ζ( )ζ……
ξ゚⊿゚)ξあなたは誰?
ζ( )ζ……
ξ゚⊿゚)ξねぇ…何でいつもここ…にいる…の…
あ、ヤバい。意識がフェードアウトしてきた。もっとここにいたい。現実にいたってつまらないだけなのに。この子がだれなのかも知りたい。あぁ…現実世界の声が私の耳に、流れ込んで…くる…
「津出さん!津出麗華さん!!」
ξ;゜⊿゜)ξハッ!!
( ・∀・)起きてください。HRが始まりますよ!!
クスクス…クスクス…
ξ;゜⊿゜)ξあ…えーと…すみません…
( ・∀・)…と。さて。出席を取りまーす。
あーあ、やっちゃったよ。周りの視線が痛い…注目されるのは嫌いなのに……私はこの世界で、目立たないように、地味に生きていきたい。
分かってる。単調な人生だって。でも、それでいいんだ。だって…もう…周りからの好奇の目は嫌だから。
あっ…まただ、封印していた記憶が…フラッシュバックする……痛い。痛い。痛い。痛い……
( ´ー`)『おーい、貧乏人!」
(´・ω・`)『また給食費持ってきてないのかよwww」
(,,゚Д゚)『津出、ただで食う給食はうまいか?」
(゚、゚トソン从'ー'从『ヒソヒソ…』
痛い。痛い。嫌だ。助けて。誰か助けてよ…
( ・∀・)…です。これで今日のHRを終了とします。
……はぁ。担任の藻羅先生の声で私は現実に引き戻される。助かった。でも…この痛みからは、永遠に逃れられないんだろうな…
ξ゚⊿゚)ξ……
まぁいいや。持病みたいなもんだろう。過去を消し去る事は出来ないんだから。
私は頬杖をつき、外を見る。ぼんやりとまだ咲かない向日葵を眺めた。
プロローグ~完~
とまぁこんな感じで投下していきたいです。拙い文ですが、よろしくお願いします。
キーンコーンカーンコーン
ξ゚⊿゚)ξふぅ…
放課後のチャイムが響いた。運動部の連中はジャージを持って更衣室まで走る。文化部もそれぞれ思い思いの部室へ向かう。
私?部活なんかする訳ないじゃん。学校は自分の面子(不登校だと色々と厄介だ)を保つため&勉強する為だけに行ってる。勉学に関係ない部活なんて、時間の無駄。それに…
ξ゚⊿゚)ξいらっしゃいませー
('A`)あの…トイレを…
ξ゚⊿゚)ξトイレはあちらです。ご自由にどうぞー。
('A`)あ…はい…
私はアルバイトをしてる。
川 ゚ -゚)これとこれだ
ξ゚⊿゚)ξはい、213円になりまーす
ξ゚⊿゚)ξ温めますかー?
川 ゚ -゚)頼む
アパート住まいで一人暮らしの私にとって、バイトは生命線だ。部活なんかしてたら、バイトする暇がない。
ξ゚⊿゚)ξありがとーございましたぁー
(・∀ ・) おつかれー。いやー、麗華ちゃんもだいぶウチの仕事に慣れてきたね。いっそ学校辞めてここで働いたらー?
ξ゚⊿゚)ξえっと…それはいいです。学校もありますし…
(・∀ ・) ははは、冗談だよ。
彼はこのコンビニエンスストアの店長、待木修司(43)。気のいい人で、シフトのわがままも聞いてくれるので、助かる。
(・∀ ・) じゃあ今日の給料ね。はいこれ。
ξ゚⊿゚)ξありがとうございます。
( ^ω^)どうもおー
(・∀ ・) あ、内藤くん。麗華ちゃんがちょうど終わったとこだから、交代よろしく。
( ^ω^)はいですおー。じゃあ津出さん、後は任せるお。お疲れー。
ξ゚⊿゚)ξあ、うん。よろしく…
彼の名前は内藤洞意存。私と同じ高校2年生だ。ちょっとぽっちゃりした体型と、いつも笑顔なのが特徴的だ。実は私と同じ高校だが、私が人と関わらない主義なせいか、校内で顔を合わせることはほとんどない。
そんな事はどうでもいいとして、私は、帰路につく。はぁ、夜なのに暑い。夏だなぁ…
ξ゚⊿゚)ξ……はぁ
家に帰ってきた。手を洗い、部屋着に着替えると、晩御飯も食べず、体をベッドに放る。疲れた。今日はこのまんま寝ちゃおう…
ξ゚⊿゚)ξ……
また、ここか。
ζ( )ζ……
ξ゚⊿゚)ξ……
いつもと同じ、夢。そして、いつもと変わらない、彼女。手を触れれば、この空間に溶けてしまいそうに柔らかく、脆く、ぼやけている。
ξ゚⊿゚)ξあんたさぁ…本当に誰なの?
ζ( )ζ……
ξ゚⊿゚)ξ黙ってないでさ…何か言いなよ…
ξ゚⊿゚)ξ……ねえ
ねぇ。あなたは本当に誰なの?答えてよ。いつも同じ場所にいて…何も喋らず、ただ、そこに佇んでいるあなたは誰?答えて。その声を聴かせて。
ζ( )ζ……
ξ゚⊿゚)ξ…ねえってば!!
無視はやめてよ。無視されるのは嫌だ。そりゃ、人とはあまり関わりたくない。でも…無視されるのは辛いよ。無視だけは…やめて…
ξ゚⊿゚)ξ『おかーさん!』
|゚ノ )『……』
ξ゚⊿゚)ξ『おかーさん!!』
過去が、フラッシュバックする。やめて。やめて。無視しないで。私の声を、聞いて…
「……ふふふっ」
ξ゚⊿゚)ξえ?
ζ(ー*ζクルリ
ξ゚⊿゚)ξ!!
ζ(ー*ζ…
彼女が…振り向いた。だけど…まだぼんやりしてる。うぅー、あと一歩なのに。ぼやけてて、顔がよく見えない。
ζ(ー*ζ……
あ、意識が現実に引き戻される…もう少し、もう少しなの…ベッドの感触を感じる…もう少し……なの…に…ーーーーーーーーーーー
すみませんちょっとでかけてきます
遅くなりましたー!
ξ゚⊿゚)ξハッ…
ξ゚⊿゚)ξ……あの子…
目が、覚めてしまった。もう朝だ。二度寝するわけにはいかない。学校行かないと…
でも…あの子の事が気になって仕方が無い。なんせ、ぼやけてたとはいえ、あの子の顔を見られたのは初めてだから。それにしても……………彼女と、どこかで出会ったような気がしてならない。
いや、毎日夢で会ってるので当然といえば当然だが。夢を見出した頃よりもっと、ずっと前から知っているような…
そして、もう一つ気になるのが、あの笑い声だ。
『ふふふっ』
頭の中に鮮明に残っている。不思議な笑い声だ。叫びたくなるような、頭を抱えたくもなるような…頭の中にこだましては、溶けていく。
そんな事を思いながら私は洗面所の鏡の前に立つ。朝ごはんは今日はいいや。
顔を洗い、鏡を見る。
ξ゚⊿゚)ξ…?
何だか自分の顔じゃないみたいだ。自分の顔だけど、自分の顔じゃない。変な事を考えていたせいだろうか。自分の顔なのに…別の誰かの顔のように見えてくる。ただ、それが誰の顔なのかは、分からない。
ξ゚⊿゚)ξ……バッカみたい
本当に、馬鹿みたい。ただの夢に振り回され、自分の顔に違和感を覚え。何考えてるんだろ、私。 深く物事を考えず、穏便に生きようと思っていたのに。
馬鹿な考えをどうにか払拭し、洗面台から離れ、部屋に戻った。
制服を着て、鞄を持ち、ソックスと靴を履いて家を出る。
ξ゚⊿゚)ξ行ってきます
……また、やっちゃった。
誰も居ないと分かっているのに。言ってしまう。ひょっとしたら、いってらっしゃいって、返ってくるかもって、心の奥深くで、期待してる。お生憎様、それはないよ。独りの私に、行ってらっしゃいって返してくれる人は、いないから。
私はアパートの門を出て、歩き出す。
もしかして見づらくしないと死ぬ呪いがかかってるとか…
>>37
そんなに見辛いですか!?ちゃんと改行してるんですが…
学校に到着した。上履きに履き替え、教室に入る。
从 ゚∀从おーす津出ぇ!!
ξ゚⊿゚)ξ…おはよ
元気のいい彼女の手には、鋸とベニヤ板があった。
ξ゚⊿゚;)ξ…どうしたの?
从 ゚∀从おいおいやだなぁ、文化祭の準備だよ!文化祭!!
ξ゚⊿゚)ξ…あ、そうだよね、ごめん。
そういえば…そろそろ文化祭の季節だっけ。
从 ゚∀从んもー、やだなぁ津出は。昨日のHRで藻羅Tが言ってたじゃん!
从 ・∀・从文化祭が近くなってきました。明日からは本腰入れて準備をしましょう!準備の時間は取りますが、それ以外にも空いた時間にコツコツやって下さいね!
从 ゚∀从って感じでさ!どう?似てる?
……あまり似ていない。
しかし、満面の笑みで私の返答を期待してる彼女にこう言うのも野暮というものなので、
ξ゚⊿゚)ξ…うん。結構似てるよ。
…と答えておいた。
从 ゚∀从おぉー、やっぱりか!アタシ、物真似得意なんだよなー!
ξ゚⊿゚)ξうん…
彼女は満足そうに言うと、ベニヤ板を鋸で切り始めた。
从 ゚∀从うんしょ、うんしょ、そうだ、津出も手伝えよー!
まぁ、そうなるよね。はぁ…面倒だけどここで下手に断るのも厄介なので、
ξ゚⊿゚)ξうん、分かった。
OKしておいた。
从 ゚∀从おーし、とりあえず外の倉庫からベニヤ板取ってきてよ!
ξ゚⊿゚)ξどのくらい?
从 ゚∀从そうだな…わりとたくさん欲しいけど…
ガラッ。教室のドアが開いた。
(*゚ー゚)ベニヤ板持ってきたよー!
( ´_ゝ`)ほらよ、これでいいか?
<丶`∀´>報酬はキムチ一パックニダ
从 ゚∀从ありがとな。とまぁこんな感じでクラスの奴らに持ってきてもらってるから一二枚位でいいよ。
ξ゚⊿゚)ξ…うん。
こういう場面で、彼女の顔の広さを実感する。そして、どうしてだろう少し哀しくなってしまう。
私は入野達から、そして、哀しさに背中を向け、外の倉庫へと向かう。本当に暑い。30℃は軽く超えているはず。マジでキツい。
えーっと倉庫は…あっと、ここだ。ドアに手をかけ、横に引く。ガラガラと耳障りな音が響いた。
ξ゚⊿゚)ξ…
私が来ても、誰も声を掛けてこない。まぁ、当然だろう。私には友達というものが存在しない。こういう場面で、「あっ、麗華じゃーん!」だなんて声を掛けてきてくれるのは、大抵友達という人種なのだろう。まあ、ぶっちゃけどうでもいいんだけど。
私は何も言わずベニヤ板を持った。そういえば小学生の頃よく男子達は見栄を張るためにこういうやつは片手で持ち上げてみせて、「こんなの持つの位ちょろいなーw軽い軽い!」なんて言っていたものだ。本当は軽くなんてない癖に。小学生男子に12ミリ片手ベニヤ板は死ぬほど重いだろうに。
人といると、見栄というものを張りたくなるのだろう。友達がいなくて本当に良かった。私は勉強も運動もそんなに出来ないし、お洒落なんてものは一切分からん。ネイルだなんて、爪を伸ばしてゴテゴテ飾って何が楽しいのやら。
('、`*川*(‘‘)*川д川ペチャクチャ
('、`*川*(‘‘)*川д川でさーあれがねーえー臭くない?
ベニヤ板を持ち倉庫を出る私の前を、JK三人組がくっちゃべりながら歩いている。こいつらもクラスメイトで、ベニヤ板を持っている。くっそ、邪魔なんだよ、どけよ。暑いしだるいし疲れてんだよこっちは。何が臭いんだよアホか。てめぇらの脳が腐ってるから息がくせぇのか?あぁ?
あぁ、イライラする。ベニヤ板が重い。暑い。汗が睫毛にかかる。そして何よりあいつらのつまらん話が鬱陶しい。
('、`*川*(‘‘)*川д川チラッヒソヒソ
何かこっちを見てヒソヒソ言ってるし。何、ぼっちの私を見て馬鹿にしてる訳?ふざけんなよ。ぼっちでお前らに何か迷惑かけたかよ。
('、`*川*(‘‘)*川д川チラッヒソヒソ
何かこっちを見てヒソヒソ言ってるし。何、ぼっちの私を見て馬鹿にしてる訳?ふざけんなよ。ぼっちでお前らに何か迷惑かけたかよ。
('、`*川*(‘‘)*川д川あの子顔真っ赤…大丈夫かな…?
くっそ、イライラする…お友達の何がいいんだよ。お前らはせいぜい仲良しごっこをしてればいいけどな、うざいんだよ。邪魔なんだよ。あぁ、イライラが収まらない。
イライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライラ
頭が痛い…暑い、糞、イライラする、ふざけんな、ふざけ…あれ?
ξ ;-A-)ξ
クラッ……バタン
('、`*川*(‘‘)*川д川キャアアアア!!
大変!津出さん倒れちゃったよー!
熱中症ね
ポカリあるー?
声が…遠くなってく…………意識が………闇に吸い込まれてる………
ξ ;-A・)ξうん…んー?
ζ(゚ー゚*ζ
じぃー
ξ゚⊿゚;)ξキャアアアッ!!
誰よ、あんた。
第一章~完~
ζ(゚ー゚*ζえへへへー、気がついた?
ξ゚⊿゚)ξあー、うん…
あれ?つーか、この女の子…この服装…この姿…まさか!?
ξ゚⊿゚)ξあんたまさか…
ζ(゚ー゚*ζうん!いっつも君の夢に出てきたよ!
……………お姿、拝見。
ξ゚⊿゚)ξあんただったのね…ずっと私の夢に現れてたのは…つーかさっきから聞きたかったんだけど…
ζ(゚ー゚*ζなーに?
ξ゚⊿゚;)ξあんた一体何者!?
ζ(゚ー゚*ζうふふふー、
ζ(゚ー゚*ζ私は、君だよっ!
ξ゚⊿゚)ξハァ?
何を言ってるんだこの人は。
ζ(゚ー゚*ζ私は君と同じ存在。津出麗香だよっ!
いや待て。そういえば確かに声も姿も瓜二つで、唯一性格は全然違うっぽいけど。この子はなんか無邪気で明るい。だけど!何よ同じ存在って意味分からん。
ζ(゚ー゚*ζ簡単に言うとねー、私は君と相対する存在なの!
ますます意味不明。何だ相対する存在って。
ζ(゚ー゚*ζ君は、パラレルワールドって知ってる?
ξ゚⊿゚)ξうん
それぐらいは聞いたことがある。何でも、同じ時間軸に自分達の世界と平行にもう一つの世界があってそこには自分達の世界と同じ人物がいるっていう話。
ζ(゚ー゚*ζなら話が早いや!私はパラレルワールドの君なんだ!
いや待て。にわかにこんな事言われても信じられん。夢の中の人物が話していることだ、どうせデタラメに決まってる。
ξ゚⊿゚)ξじゃあさ、この数式解いてみてよ。
ζ(゚ー゚*ζへ?
これらは全部私の解けない数式だ。私の夢の中の人間は結局私の頭の中の欠片であり、私が分からない事は当然彼女も分からないはず。逆に一問でも正解したら、まぁ、信じてやってもいいだろう。
結果。
ξ゚⊿゚;)ξ全問正解…だと…!?
ζ(゚ー゚*ζ合ってた?
ξ゚⊿゚)ξうん…
ξ;-⊿-)ξはぁ…どうやらあんたは本当にパラレルワールドの私みたいね…
ζ(゚ー゚*ζ?そうだよ!
ξ゚⊿゚)ξで?あんたは平行世界の自分に何をしに来た訳?
ζ(゚ー゚*ζうふふ、私の世界に招待しに来たんだよ!
ξ゚⊿゚)ξ………え?
飯食ってきます
ちょっと待った。
ξ゚⊿゚)ξそれって…パラレルワールドに来いってこと?
ζ(゚ー゚*ζうん!
ξ゚⊿゚)ξ何で?
ζ(゚ー゚*ζうーん…一言で言うなら…
ζ(゚ー゚*ζ『欲しているから』かな?
もう何が何だか。完全に私の常識を超えてやがる。大体私は何を欲しているというんだ私は。でもなぁ…
ξ゚⊿゚)ξ……行ってやろうじゃないの
ζ(゚ー゚**ζ よしっ!
どうせ行先で何があったとしても、失うものなんて私にはない。多分。それに…どうせ退屈な日常。いいスパイスというか…興味がなくも、ない。
ζ(゚ー゚*ζ覚悟は決まったね。よし、行くよ!
その瞬間。
ξ゚⊿゚)ξ………!
この感じ。いつもこの夢から覚める時と同じ感覚。まさか本当にパラレルワールドへ行くのだろうか…私…
やっぱり信じがた…い………………
ξ゚⊿゚)ξハッ!
気がつくと、自室のベッドだった。
ξ゚⊿゚)ξ………
いつもと何ら変わる事のない自室。私の住まいだ。
ξ゚⊿゚)ξなぁんだ、いつもの世界じゃん…
少し期待してしまった自分を心の中で罵る。そうだ。数式が解けたから何だ。結局は夢の住人の戯言…
「ツンー、起きなさーい!」
え?
ちょっと待った。この声は誰の声だ。この家には独り暮らしのはず。
ガチャリ
|゚ノ ^∀^)早くしないと遅刻しちゃうわよー。
ξ゚⊿゚)ξあ…
フラッシュバックが起こる。幼い頃の記憶が、鮮明に蘇る。
ξ゚⊿゚)ξ『お母さん…どうしてうちにはサンタさんが来ないの?』
ξ#゜⊿゚)ξ『こんな汚い服いらんし!バカじゃねーの!?』
『ダメだ、バイタル低い!!』
ξ;⊿;)ξ『いやぁぁ!お母さん!お母さーん!』
ξ゚⊿゚;)ξハァ…ハァ…
|゚ノ ^∀^)どうしたのツン?
ξ゚⊿゚)ξ…!何でもない。
フラッシュバックがようやく、収まった。この人は…間違いない。彼女は私の死んだ母親、津出麗藻奈だ。ではなぜ死んだはずの母親が目の前で喋っているのか。その答えは一つ。
ξ゚⊿゚)ξ(本当にパラレルワールドに来ちゃったのか…)
|゚ノ ^∀^)ツン?ご飯冷めちゃうわよー?
ξ゚⊿゚)ξあ…ごめん
第二章~完~
ξ゚⊿゚)ξモグモグ
|゚ノ ^∀^)どう?おいしい?
ξ゚⊿゚)ξうん…
しかしアレだ。とっくの前に死んだはずの母親を前に朝飯を食べるというのは何とも変な感じがする。まぁいい。この二年間、毎朝自分で料理を作り続けてきた私にとって、何もしなくても料理が出て来るというのはとても、ありがたい。味もそこそこ、まぁまぁ良い朝飯なのではないか。
ξ゚⊿゚)ξ…ごちそうさま
|゚ノ ^∀^)ハイハイ。制服出しとこうか?
ξ゚⊿゚)ξあ、ごめん。お願い。
|゚ノ ^∀^)ええ。
何と。制服の用意サービスまで付いていると。これはむしろパラレルワールドの方が居心地が良いのではないか。ただし…
ξ゚⊿゚;)ξふぅ…死んだ母親と一緒に食事を取るというのもなかなかに疲れるわね…
ただし、あの人をあくまでも「他人」だと割り切った場合に限る。
分かっているんだ。あの人は死んでなんかいないし、私の母親という位置づけではあるものの、私の母親の姿というだけであり、『お母さん』じゃない。
ξ゚⊿゚)ξじゃあ、行ってきます。
|゚ノ ^∀^)はい、行ってらっしゃい。
はぁ…いつぶりだろうか。「行ってきます」といえば「行ってらっしゃい」と返ってくる日は。違和感…だけど、ぶっちゃけ、嫌じゃない、かな。ん!?
(*゚ー゚)ツンー!おっはー!!
あれは椎野さん?
ξ゚⊿゚)ξあ、し、椎野さん。
(*゚ー゚)ちょwww椎野だなんて他人行儀だなぁwwしぃって言ってよ!
ξ゚⊿゚)ξあ…ごめん…
(*゚ー゚)謝る事ないのにー!変なツン!
こっちの椎n…しぃは何だか人懐っこくて明るい。やっぱりパラレルワールド故のものなのか。全く、漫画ではベタな展開だけど、いざ自分が経験すると、やっぱり違うものである。
ということはまさかハインもとい入野は…?
从 ゚∀从あ…しぃちゃんにツンちゃん、おはよぅ…
……全くもって予想通りかつ凄い違和感。この入野は何とも大人しく、気弱な感じがする。
(*゚ー゚)あ、ハイン!一緒に学校行こ?ね、いいでしょ、ツン!
ξ゚⊿゚)ξあ、えーと、うん。
……OKしてしまった。
(*゚ー゚)それでさー!
从 ゚∀从それはだめだよしぃちゃん。
(*゚ー゚)えー、ツンはどう思う?
ξ゚⊿゚)ξ私?べ、別にいいんじゃないの…?
(*゚ー゚)だよねー!こんぐらいさー!
ξ゚⊿゚)ξ……あ、もう学校。
あれ…?こんなに学校近かったっけ?これもパラレルワールド…?いや、道順は同じだから、時間も同じなはず…?ひょっとしてお喋りに夢中になって…いやそれはあり得ない。絶対にあり得ない。人と関わるのが嫌いな私が、絶対に、あり得ない。……
(*゚ー゚)もうすぐ文化祭だねー。
ξ゚⊿゚)ξえ、あー、うん。そうだね。
そっか。こっちの世界でも文化祭を控えてるんだな。
(*゚ー゚)絶対成功させようね!
ξ゚⊿゚)ξ…うん、そうだね
从 ゚∀从楽しみだねー♪
(*゚ー゚)おはよー!
ξ゚⊿゚)ξおはよぅ…
「あー!ツンちゃんだー!」「ツンキター!」「ツンおはよー!」
………ん?
('、`*川やほーツンちゃん!
*(‘‘)*見てー!このストラップ可愛くねー?
川д川彼氏がマジでうけるんだけどw
ξ゚⊿゚;)ξあ、えっと、
これはまずい。考えてみれば決してクラスで注目を浴びることのない私がここでは注目の的というか、女子の中心になるのは当たり前か。って、冷静に分析してる場合じゃない!
ξ゚⊿゚)ξうん、おはよー!
ξ゚⊿゚)ξそうだねー!可愛いよ!
ξ゚⊿゚)ξあはは、何それ!
今日はこのぐらいで終わりますわ
ありがとうございました
これからは暇な時にコツコツ投下しますね
( ・∀・)はーい、HRを始めますよー!
('、`*川やっべ、藻羅先来た!
川д川じゃーまたねツン!
ξ゚⊿゚)ξ分かった…。
ふぅ…慣れない同級生との会話というのは疲れる。これだから人と関わるのは嫌なのだ。だけど、まぁ、完全に、100%、嫌な感じではない。ツンデレ?お前がそう思うならそうなんだろう、お前ん中ではな。
そんな事を考えつつ、ぼんやりHRを過ごす。
ーーーーー時は過ぎ、昼食の時間。
ξ゚⊿゚)ξ学食行こーっと
私は学校で昼食を取る時は、いつも学食を利用している。毎日だとかかるお金も馬鹿にはならないが、毎日弁当を作るのも面倒だ。あと、大体予想は付くだろうが、食べる時はいつも、一人である。
(*゚ー゚)ツーーン!!
从 ゚∀从ツンちゃーん!
むっ、あれは椎野…じゃなくてしぃ。あとハイン。
从 ゚∀从えへへ、一緒に学食行かない?
(*゚ー゚)行こーよ行こーよ!
ξ゚⊿゚)ξえ?でm
(*゚ー゚)ほら早くー!!
グイ
ξ゚⊿゚;)ξあ、ちょ…
……また流されてしまった。
(*゚ー゚)あたし、ラーメンは味噌派なんだー!あ、ツンも味噌だね!
ξ゚⊿゚)ξえ?…あー、うん。
从 ゚∀从私は豚骨派だな。
(*゚ー゚)渋っ!でも割と美味しいよね豚骨!ねぇツンはどう思う!?
ξ゚⊿゚)ξ私は…豚骨は嫌いかな。
(*゚ー゚)えー、美味しいのにー。
从 ゚∀从もし良かったら一口食べる?
おいおい、それは間接キスというものではないのだろうか?いくら女同士であろうとも、うら若き乙女が間接キスとは…まぁ私は別に構わないし、このノリをぶち壊すのもアレではあるので、
ξ゚⊿゚)ξ あーうん。
パクッ
ξ゚⊿゚)ξあ…意外とおいし…
从 ゚∀从やっぱり?美味しいよね♪
ふむ、これには私自身、軽い動揺を隠せない。まさか学食の豚骨ラーメンが意外にも美味しいとは。今度から豚骨ラーメンも頼んでみよう。
(*゚ー゚)でさー!
从 ゚∀从ふーん。
ξ゚⊿゚)ξ本当?
会話もそこそこに弾み、ランチタイムは終わった。
ξ゚⊿゚)ξ
|_ T
授業が始まるまでの僅かな時間、机に頬杖を付く。
ぶっちゃけ、さっきのように会話をしながら昼食を取るというのも、悪くはないものである。ただし勘違いしないで欲しいのが、人と情報交換をしながら昼食を取ることにより、より良い学食のメニューを追究し、ランチタイムをほんの少し、充実させられるというのがメリットであり、お喋りはおまけだ、おまけ。悪くはないが、別に良くもない。
ーーーーーーーーーー放課後。
ξ゚⊿゚)ξこれで…全部かな
帰りのHRも終わり、帰る準備をする。するとそこに、
(*゚ー゚)从 ゚∀从ツン(ちゃん)!
で、出たーwwwいつも私を引き止奴www
ちょっと引っ張らないでよ…グイグイやるなし…
ξ゚⊿゚;)ξなに?私これからバイトなんだけど…
(*゚ー゚)えー、ツンバイトなんかやってないじゃん!
そうなのか。ここでの設定では私はバイトをしていないと。まぁ楽っちゃ楽だな。恐らく生活費は、
( |゚ノ ^∀^))
あの人が捻出しているのだろう。
ξ゚⊿゚)ξ…………
(*゚ー゚)ってかツン一人だけ帰ろうとしないでよ!
从 ゚∀从みんな文化祭の準備してるよ~。ツンちゃんも一緒にやろう?
そうだった。文化祭を控えているのはこっちでも一緒だったんだ。バイトが無い代わりにマンドクセ。
文化祭か…考えてみれば中学の時も高校1年生の時も本気でなんてやってなかった。まぁ今回も適当に雑用をこなして、後はリーダー格の人に任せておけば良いだろう。わざわざ汗水垂らして人と関わりつつ大変な思いをするなどまっぴらごめんである。
(*゚ー゚)じゃあさ、まずは買い出しに行って来てよ!ツンとハインの二人でさ!
从 ゚∀从うん、分かったよしぃちゃん。
ξ゚⊿゚)ξあーうん。いいわよ。
喜んで。喜んでやらせて頂きたい。買い出しごときで点数を楽に稼げるのならぜひとも任せて頂きたいものだ。
ξ゚⊿゚)ξで?何を買ってくればいいの?
(*゚ー゚)これこれ!
なになに…リボン?猫耳?エプロンに蝶ネクタイ、ネームプレート30枚!?ちょっと待った。
ξ゚⊿゚;)ξこんなの、何に使うのよ…
(*゚ー゚)やだーツンったらwwwメイド&執事喫茶をやるからに決まってんじゃんw
あ?
ξ゚⊿゚)ξ…いっぱいあるのね
从 ゚∀从うん。まずはあっちを見よ?
というわけで、私とハインもとい入野は近所の100均にいる。しかし100均はこっちの世界でも良い品揃えである。ついでに何か生活用品でも買って…あ、あの人が買ってくるだろうからいらないか…
しかし100均にはコスプレグッズまで売っているものなのだな。このメイド服なんかそれなりに本格的だ。まぁ、当然モノホンのメイドが着るような奴には及ばないが。まぁ所詮100均だし、予算だって足りないだろう。この程度で充分だ。萌え萌えキュン*
从 ゚∀从あれ、あの人って…
ξ゚⊿゚)ξえ?
|゚ノ ^∀^)ありがとうございましたー!
从 ゚∀从ツンちゃんのお母さんじゃない?
ξ゚⊿゚;)ξえっ!?
|゚ノ ^∀^)いらっしゃいま…あらツン!来てたのね?
ξ゚⊿゚;)ξあ…まぁ…
何ということでしょう。文化祭の買い出しに行ったらその店で母親がアルバイトしていました。
|゚ノ ^∀^)あら、そちらツンのお友達?
从 ゚∀从あ、はい!入野美和って言います!
ξ゚⊿゚)ξここで…働いてたんだ…
|゚ノ ^∀^)あら、言ってなかった?
聞いてません。
|゚ノ ^∀^)ところで二人は何を買うの?
ξ゚⊿゚)ξあ、えっと…文化祭の買い出し。
|゚ノ ^∀^)へー。そういえばもうすぐツンの学校は文化祭だものね。頑張ってね。ツン。美和ちゃん。見に行くからね。
从/// ゚∀///从えー、恥ずかしいですよぅ…
|゚ノ ^∀^)じゃあ頑張ってね。ツン、お母さん応援してるから。
お母さん?
やめて。
お母さんだなんて、言わないで。
あなたには…
私なんかの
お母さんを
名乗って欲しくない…
私が傷付けた
あなたを
私は
あなたを
お母さんだなんて
呼ぶ資格は無いから…
私が殺してしまったんだ…あなたを
ξ゚⊿゚)ξ…っ!
ダッ
从; ゚∀从え、ツンちゃん?
身体中が熱い。過去の記憶が、またフラッシュバックする。
ξ#゜⊿゚)ξ『お母さんのせいでうちは貧乏なんだ!』
ξ#゜⊿゚)ξ『おかーさん!いい加減新しいバッグ買ってよ!私だけ持ってないんだよ!!』
ξ#゜⊿゚)ξ『ふざけんなクソババア!!お前なんか死んじゃえばいいんだ!!』
痛い。痛い。痛い。過去の記憶が槍となって私に突き刺さる。痛い。でも、血も、涙も、流せない。苦しい。苦しい。過去に犯した罪は、私を、縛り続ける……
女子トイレの中。個室に篭り、うずくまった。気持ち悪い。頭が痛い。まだ、私はトラウマからは離れられない。十字架のように、私に、のしかかる。ひょんなことでフラッシュバックしてしまう。罪が。痛みが。
助けて…助けてよ…
コンコン
個室をノックする音が聞こえた。早く出なきゃ…
从 ゚∀从ツンちゃん?いる?
ハインの声。どうやら私を案じて来てくれたのだろう。
从 ゚∀从いきなりトイレに駆け込んで…大丈夫?
ξ゚⊿゚;)ξあー、うん。ちょっと気持ち悪くなっただけ。
从; ゚∀从え?だったら早く帰らないとー。後は私に任せて早く帰りな?ね?
ξ゚⊿゚)ξ…ごめん。迷惑かけて…
从 ゚∀从気にしないで!早く治してね?ツンちゃんのお母さんには伝えておくから。
ξ゚⊿゚)ξ…ありがと。
…いたわられるというものも、悪くない、ものだ。
ーーーーーーーーーーー帰り道。
…ぼんやりと、家への帰り道を歩く。今日は、疲れた。今までとは全く違う一日。早く眠りたい。だけど、家に帰りたくない。あの人の顔を見るたび、心の奥底がチクチクと、痛むから。
ξ゚⊿゚)ξ…
ガチャ
|゚ノ ^∀^)あら、おかえり。
|゚ノ ^∀^)美和ちゃんから聞いたわよ。体、大丈夫?少し横になったら?
やめて。
分かってるんだ。この人は私の『お母さん』ではない。でも。あの人が優しいほど、私の心は痛む。私なんかに優しくしないで。私は、罪を犯した、悪い子だから…
いけない子だったから、サンタさんは来てくれなかった。ごめんねも言えないまま、突然の別れ。きっと憎まれてる。嫌われてる。そんな私に、優しくしないで…
ミスった
○この人
×あの人
いたわられるのは嫌いじゃない。でも、この人にいたわられる資格は、私には、ない。私は…私は……
ーーーあなたに愛される資格なんかないんだーーー
ξ゚⊿゚;)ξハァ…ハァ…うん、そうするよ…
|゚ノ ^∀^)布団は敷きっぱなしになってるから。晩ご飯は食べられそう?
ξ゚⊿゚;)ξううん…無理そう…
|゚ノ ^∀^)そう…疲れてたのかしら。ゆっくり休んでね?
…疲れていたという表現はあながち間違ってはいないかもしれない。この際、現実逃避して、ゆっくり休んでもいいかもしれない。そんな事を思いながら、私は布団に横になった。
ξ゚⊿゚)ξ…あっ
また、ここだ。あの子は…平行世界の私は、いるのかな。
ζ(゚ー゚*ζあ!来たんだね!
いた。
ζ(゚ー゚*ζで?どうだった?パラレルワールドでの生活は?
ξ゚⊿゚;)ξどうって…大変だったわよ。慣れない事ばっかりで。
まぁ、それだけではないのだが。
ξ゚⊿゚)ξでさ。
ζ(゚ー゚*ζなーに?
ξ゚⊿゚)ξこの世界は一体何なの?パラレルワールドって言ってるけどさ。具体的にはどういう世界なの?
ξ゚⊿゚)ξまぁ元の世界では起こり得ないことが起こる世界だってのは分かったけど。
ζ(゚ー゚*ζ一体なんなのと聞かれたら!答えてあげるが世の情け。
ξ゚⊿゚)ξうん、早く答えて。
ζ(゚ー゚*ζもー、つれないなぁ。まぁ、そのうちだそのうち。
ξ゚⊿゚)ξそのうち?
ζ(゚ー゚*ζじきに分かるよ♪
ξ゚⊿゚)ξ…?
ζ(゚ー゚*ζえへへ、んじゃ本題に戻るね?
ζ(゚ー゚*ζ結論から言えば、まだ言えません!
ξ゚⊿゚)ξえー?
ζ(゚ー゚*ζでもねー、一つだけヒントを教えてあげる!
ξ゚⊿゚)ξヒント?
ζ(゚ー゚*ζ世界は数式が作ってる。数式は世界。フィボナッチ数列、微分方程式…
おいおい、いきなりロマンティックな事言い出したぞ。いや、むしろ電波?電波なのか?
ζ(゚ー゚*ζ君は私に数式を解かせた事があったよね?
そういえばあった。この世界が夢なのか確認するため。
ζ(゚ー゚*ζ数式を作るのは世界の創造。あなたは世界を生み出したんだよ。
はいもう分かりませーん。何なのよ世界の創造って。ア○セウスじゃあるまいし。
ξ゚⊿゚;)ξあんたの言ってることが全く理解出来ない。
ζ(゚ー゚*ζおいおい分かればいいよ!それがこの世界の本質にも繋がってくるからね♪
何を言い出すかと思いきや厨二発言か。まだ核心は掴めそうにないな。やれやれである。
ζ(゚ー゚*ζじゃあ、そろそろ朝だよ、もう行かなきゃ!
ξ゚⊿゚)ξあー、分かったわ。
ζ(゚ー゚*ζじゃあ、また次の夜にね!
ξ゚⊿゚)ξうん…
あ、またこの感じだ…体が、溶けてゆく…ベッドの感触を感じ…る……
ーーーーーーーーーーーーーーー
ξ゚⊿゚)ξぁ…
朝だった。小鳥がチュンチュンと鳴いている。
ふと気が付いたら制服だった。そうか、帰ってきて制服のまま寝てしまったんだ…
|゚ノ ^∀^)あら、ツンおはよう。体、大丈夫?
…あの人が部屋に入って来た。
ξ゚⊿゚)ξ…別に大丈夫だよ。学校行けるから。
|゚ノ; ^∀^)でも心配よぉ。
心配なんかいらない。どうせあなたが死ぬ前は風邪引いても学校行かされてたしね。今更……
ξ゚⊿゚)ξ…行ってくる。
|゚ノ ;^∀^)でも…
ξ゚⊿゚)ξいいよ。
|゚ノ; ^∀^)今日は学校…休んだら…?
ξ#゜⊿゚)ξいいって言ってんでしょ!!
|゚ノ ;^∀^)!
ξ゚⊿゚;)ξ…あ…
|゚ノ ;^∀^)……
ξ゚⊿゚;)ξと…とにかく行ってくるから…
やってしまった。引っ越し(?)早々母親的な存在とトラブるとは。何やってるんだ、私。顔を洗い、朝食は取らず制服を着る。
ーーーーー馬鹿みたい。
本当に馬鹿だな私は。とてつもない馬鹿。こんなんだから、色々な物を失ってきたんだろうな。仕方が無い。因果応報、自業自得だ。割り切るって、決めたじゃないか。
ξ;⊿;)ξ『ひぐっ…えっぐ…』
ξ;⊿;)ξ『そうだ…私のせいなんだ…』
ξ;⊿;)ξ『私が全部悪かったんだあああああああああ!!!!!』
涙を流せるだけ流し、そして…
ξ@⊿@)ξ『どんなに願っても、過去は取り戻せないんだ…』
目を真っ赤に腫らし、気付き、諦め、そして、過去は過去と割り切ると決心した。
それがどうだ。過去を未だに捨てきれず、トラウマを抱えて過ごす毎日。本当に、馬鹿…
(*゚ー゚)あ、ツン!
あれは椎野さん(以下、しぃ)だ。
(*゚ー゚)体、大丈夫?
ξ゚⊿゚)ξあー、うん。もう平気。
(*゚ー゚)そっかー、なら良かった!
(*゚ー゚)それはそうと、この前ねー、
……さっきの事で気分が沈んでいた私にとっては、こんな他愛もない話でも薬になる。人間というものは、不思議なものだ。
(*゚ー゚)あ、そーだ!
ξ゚⊿゚)ξなに?
(*゚ー゚)文化祭まで後5日だね、頑張らなきゃ!
ξ゚⊿゚;)ξ…….
ξ゚⊿゚;)ξはいいいいいいいいい!?
いやいやいやいやいや待て。
ξ゚⊿゚;)ξ文化祭までもう後5日しかないの!?
(*゚ー゚)うん。だから頑張らないとね!
ξ゚⊿゚;)ξいやいやいや。
待て待て。後5日しかないだと?頑張って終われる準備じゃないだろう。店の飾りや看板も全くできていないし、接客の練習もしてない。道具だってまだ揃っていないし…幾ら何でも無理があるだろう。いや別にうちのクラスのメイド&執事喫茶がボロボロだろうと私には関係ないが。恥をかいてしまうではないか…注目は嫌いなのに…あ、それだと関係は大いにあるな。全く次から次へとめんどくさい事が目白押しだ。
まぁ仕方あるまい。ここまで来たら、やるしか無いのだろう。できる限りクオリティを高め、文化祭にて赤っ恥をかくことはどうにか避けねばならない。やるっきゃナインだ。
ξ;-⊿-)ξはぁ…だったら早く学校行こ。準備しなきゃでしょ?
(*゚ー゚)そうだね!一緒に頑張ろ!
やれやれ。何でもかんでも適当に済ませる私が文化祭に対してここまでのやる気的なものを出すとは。世の中、分からないものである。
( ^ω^)おはようおー
(*゚ー゚)あ、ブーン君!
( ^ω^)おっおっお。しぃさん、おはようお。
む、この顔、この喋り方、この変な口、どこかで見たような…そうだ、バイトの同僚、内藤洞意存。ブーンと呼ばれているのか。私もそう呼んだ方がいいのかな。
ξ゚⊿゚)ξぶ、ブーン君?おはよ…
( ;^ω^)おっ!?つ、津出…さん?おはようお。
( ;^ω^)そ…それじゃ、またおー!
気まずそうにかけていく彼。何か、あったのか?
(*゚ー゚)…はっはーん
ξ゚⊿゚;)ξ…何?
(*^ー^)惚れてるね
ξ゚⊿゚;)ξえっ!?
(*゚ー゚)だってさ、あの様子、絶対恋してるよ!
(*゚ー゚)最近ブーン君ダイエットしてるらしいけど…絶対ツンに振り向いてもらうためだって!
ξ゚⊿゚)ξそ、そんなわけないじゃーん
(*゚ー゚)あるよー!
(*゚ー゚)だって彼、貧乳好きだもん!
ξ#゜⊿゚)ξ…なに?
ξ#゜⊿゚)ξ私が貧乳だと言いたいのかあああああ!!
(*゚ー゚)きゃはは!
ξ#゜⊿゚)ξ待ああああてえええええ!!
…これが青春って奴なのだろうか。
(*゚ー゚)きゃー!悪の怪人ツンデレヒンヌーに捕まった!!
ξ゚⊿゚)ξまだ言うか!てか、さっさと準備しよーよ。
ガラリ
从 ゚∀从おはよう。
(*゚ー゚)ハイン!おはよー。
ξ゚⊿゚)ξあ、ハイン。おはよう。
从 ゚∀从ツンちゃん!昨日…大丈夫だった?
ξ゚⊿゚)ξあぁ…
そうだった。昨日は気持ち悪くなって買い出しの途中で帰ってしまったのだった。
ξ゚⊿゚)ξ別に大丈夫だけど。それよりもごめんね?迷惑かけて。
从 ゚∀从だ、だいじょうぶだよ!ツンちゃんが元気で良かった…
本当に、申し訳ない。私事情で迷惑をかけてしまったのだから。
ξ゚⊿゚)ξごめん…
从 ゚∀从いいってば!私ツンちゃんを心配してたんだよ?
ξ゚⊿゚)ξそう…
余計なお世話…と言っては野暮だろう。だが、どうして私のような人間を心配なんてしてくれたのだろう。私は態度も素っ気ない上、人とは関わらない主義だ。昨日だって適当に軽く話を合わせてた位だ。なのに…
こ
ん な
私 を どう し
て 心配なんてーーーーーーー
(*゚ー゚)友達なんだからそんなこと気にすること無いのにーw
ξ゚⊿゚)ξえ…?
从 ゚∀从そうだよー。
友達…?いつの間にそんなことになっていたというのか。いや待て。彼女らは勝手に私に絡んできたのであり、決して私自身が仲良しごっこ(笑)を好んでいた訳ではない。断じて。だが、それを口に出すと、明らかに空気が悪くなるので、
ξ゚⊿゚)ξ…まぁね
そういうことにしておいた。
第三章~完~
(*゚ー゚)さて、早く準備しよっ!
从 ゚∀从うん。メイド服はどこに置く?
ξ゚⊿゚)ξ棚にでも掛けておけば?
(*゚ー゚)ハインのメイド服、見てみたいなーぐふふw
从 ゚∀从しぃってば、おじさんみたーい!
ξ゚⊿゚)ξこれだから巨乳は!!
(*゚ー゚)まぁまぁ。
軽口を叩きながら作業をする。私はポスターのイラストを描いている真っ最中だ。
話しながらの作業というのも、案外効率の良いものである。まぁ、ぶっちゃけコミュ力の高くない私にとって、どうでもいいのだが。
(*゚ー゚)これはどうするー?
从 ゚∀从そこにくくりつけておいて。
(*゚ー゚)我ながらいい出来だな♪
ξ゚⊿゚)ξ…
从 ゚∀从ちょっと配色キツくない?
(*゚ー゚)えー?
ξ゚⊿゚)ξ…よし、完成!
(*゚ー゚)わ、いつの間に!?
从 ゚∀从すごい!上手だよ!
ξ゚⊿゚)ξえ…?そ、そうかな…?
(*゚ー゚)どれどれー?わっ、すごいプロみたい!
(*゚ー゚)みんなー!ツンの絵すごいよー!
ξ゚⊿゚;)ξえ!
「えーなにー?」「うおぉすげー!」「これ描いたの!?」
ξ゚⊿゚;)ξちょ、ちょっとしぃ!!
(*゚ー゚)いーじゃんいーじゃん。褒められてるんだから。
川д川ツン凄ーい!
| ^o^ |上手ですね
ξ////)ξ……そ、そう…ありがと…
(*゚ー゚)あはは、照れてる照れてる!
ξ゚⊿゚;)ξて、照れてないっ!!
(*゚ー゚)顔真っ赤にして言われても説得力ないぞー?
ξ////)ξ…!う、うるさい!
(*゚ー゚)ごめんねごめんねーw
从 ゚∀从しぃちゃんそれ古過ぎw
全く…しぃめ…まぁそれはいいとして(いいのだろうか?)この感覚は何?
注目されるのが大嫌いで、一人でいたい私が、こんな風に注目されて…とても恥ずかしいのに…嫌なのに…心のどこかで舞い上がっている。これが…嬉しいという感情か…?嫌、無い。あり得ない。人間と関わるとロクな事が無いと、もう、知ってしまったから。
ξ;⊿;)ξ『お父さん!何で死んじゃったの!!』
|゚ノ; ∀;)『どうして…借金の保証人なんかに…』
(´・ω・`)『おい津出!また給食費持ってきてないのかよ!』
ガシャーン
ξ゚⊿゚;)ξ『あぁ!私の給食!!』
ガッシボカッゴスッ
ξ;⊿;)ξ『いや!痛い!!やめて!は、離してっ!!』
バシッ
(´・ω・`♯)『えっ…』
ξ゚⊿゚;)ξ『あっ…』
ーーーーーーーーーーーーーーーー
|゚ノ´ ∀`)『この度は何とお詫びしたら良いか…』
(`・ω・´)『全く…今後このような事のないようしっかり躾けてもらいたい!!』
|゚ノ´ ∀`)『はい…ほらツンも謝りなさい。』
ξ゚⊿゚)ξ『ど、どうして私が!!悪いのは向こうだよ!!』
(#`・ω・´)『君!全然反省していないのか!?何事だ!!』
|゚ノ´ ∀`)『すみません…』(ツンごめんね、彼は私の働いてる会社の社長さんなの、下手したら首になっちゃうの、お願い…)ボソボソ
ξ゚⊿゚)ξ『…分かったよ。ごめんなさい。』
(`・ω・´)『…まぁまだ子供ですし、今回は大目に見ましょう。』
|゚ノ´ ∀`)『すみません…ほらツン、行くよ。』
ξ゚⊿゚)ξ『…うん』
(゚、゚トソン『ねぇねぇ前から思ってたんだけどさ』
从'ー'从『なになに?』
(゚、゚トソン『津出さんの服って汚くない?』
lw´-_-ノv『確かにー!お米食べたい。』
(゚、゚トソン『今日からあいつハブらない?』
从'ー'从『わー、賛成賛成!』
lw´-_-ノv『さっそく他の子にも伝えてこよう!お米お米!』
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ξ゚⊿゚)ξ『み、みんな…おはよう…』
シーン
ξ゚⊿゚)ξ『…あれ?』
今まで、人間と関わってきてろくな事が無かった。だから、なるべく一人でいるように努め、繰り返される素朴な日常に満足していた、はず。
なのに…なのに…私は喜んでいるのか?人に褒められて喜んでいるのだろうか。……まぁいいさ。人間は自尊心というものを持っている。そう、この気持ちは生理現象なのだ。仕方ない。今回はこの気持ちを受け入れ、礼の一つでも言うとしよう。
ξ゚⊿゚*)ξ……ありがと、みんな。
ーーーーー時間は飛び、夜…
ξ゚⊿゚)ξじゃ、バイバイ。
(*゚ー゚)ばいばーい!
パラレルワールドの二日目の夜。文化祭の準備に時間を食い、もう七時などとっくに回ってしまった。私は鞄を持ち、帰路につく。すると、前から見覚えのある顔が…
( ;^ω^)おっ…!?つ、津出さん…
ξ゚⊿゚)ξあ…ブーン…君?
彼だ。あだ名はブーン。本名は内藤洞意存。ぽっちゃり体型の男子。
( ;^ω^)…えぇと…
ξ゚⊿゚)ξ奇遇…ね…
何を話したら良いのか全く分からない。彼も何だかテンパっている様子。やっぱり惚れ…ないない、そんな訳ない。私なんかを好きになるわけ…
( ;^ω^)お、送って行くかお!?
ξ゚⊿゚)ξえっ?
えぇと…これはアプローチ?アプローチな訳?それとも…唯、女の子を一人で帰らせる訳にはいかないという紳士心?それとも、成り行きでセクロスしたいとかいうスケベ心から?…まぁいいや。彼の様子を見る限りでは、危ないことはしてきそうにないな。
ξ゚⊿゚)ξ…うん、お願い
( *^ω^)おっおっお!
ξ゚⊿゚)ξへー、じゃあブーン君はサッカー部なんだ。
( ^ω^)あ、ブーンでいいお。こう見えてFWなんだおー。
ξ゚⊿゚)ξへぇ…すごいね。
ブーンは意外とよく喋る。これが本来の彼なのだろうか。会話が弾む。
ξ゚⊿゚)ξ文化祭の準備は大変よー。
( ´ω`)それは僕もだお。体型のせいで、力仕事ばかりやらされるお。
ξ゚⊿゚)ξそっか…あ
気が付くと、家の前だった。
ξ゚⊿゚)ξじゃあね…ブーン
( ;^ω^)あ、ちょっといいかお?
ξ゚⊿゚)ξ…なに?
( ;^ω^)ツン…って呼んでいいかお?その方が呼びやすいお。
ξ゚⊿゚)ξ…え
ξ゚⊿゚)ξ…いいよ
成る程、呼びやすい、か。そういう理由なら仕方あるまい。津出さんといちいち言うのも面倒だろう。別に死ぬ訳でもないので、許可をした。
( ^ω^)ノシありがとうだおー!じゃ!
ξ゚⊿゚)ξノシじゃあね、ブーン。送ってくれてありがとう。
また、明日ーーーーーーーーーーー
ξ゚⊿゚)ξ…そういえば
朝あの人を怒鳴ってしまったのだった。家に入り辛い…だが、入らなければならない。意を決してドアを開けた。そこには会いたかったあの人はおらず、手紙が…などという展開にはならず、
|゚ノ* ^∀^)あらお帰りー!遅かったわね。
やたら嬉しそうなあの人が。
ξ゚⊿゚;)ξ…何かあったの?
|゚ノ *^∀^)懸賞でお洋服が当たったのよーこれこれ!似合うー?
ξ゚⊿゚;)ξ…いいんじゃない?
|゚ノ* ^∀^)やっぱりー?うふふ
…どうやら全くあの事は気にしていないらしい。ひょっとしたら覚えてすらいない可能性もある。まぁ、その能天気さのお陰で、助かった。
ξ゚⊿゚)ξあ、
ζ(゚ー゚*ζやっほー♪
時間は飛び、また、夢の中。
ζ(゚ー゚*ζどう?ここでの生活は!
ξ゚⊿゚)ξ調子狂うわ。色んな事が初めてだもの。
ζ(゚ー゚*ζそれでいーの!だんだん正直になっt…ハッ!
ξ゚⊿゚)ξ……正直?何の事よ…
ζ(゚ー゚*ζ禁則事項!ネタバレ注意!そいじゃーね!
ξ゚⊿゚)ξあ、ちょ……
現実に引き戻される感覚。今日の夢はやけに短い…な…
ξ゚⊿゚)ξふぁーあ…
目が覚めた。ここに来てから、三度目の、朝。私は部屋のドアを開けた。するとそこには、
|゚ノ ^∀^)ねぇ君はもう♪友達じゃない♪友達より♪大事な人♪
剛力彩芽の歌を口ずさみながら料理をするあの人の姿が。Mステでの歌声は酷かったなぁ…
ξ゚⊿゚)ξおはよう…
|゚ノ ^∀^)あらおはよう。今ご飯作ってるとこだから、ちょっと待っててね。
ξ゚⊿゚)ξうん。
|゚ノ ^∀^)そういえば今日何曜日だったっけ?
ξ゚⊿゚)ξえぇと…あ、土曜日だ
私も曜日など忘れていた。まぁ無理もない。元の世界では休日返上でバイトなどザラにあった上、繰り返す単調な毎日。曜日の感覚も失って当然だろう。そう思った矢先、
「ツーーーーーーーーン!!!!」
ξ゚⊿゚;)ξなっ!?
大きな声が玄関から聞こえた。
ガチャ
ξ゚⊿゚)ξはーい…何ですか?
(*゚ー゚)やっほう♪
从 ゚∀从突然ごめんね、ツンちゃん。
ξ゚⊿゚)ξしぃ、ハイン!
(*゚ー゚)うひょっ、ツンの寝起きゲット!
ξ゚⊿゚;)ξだから、あんたおっさん臭いのよ…で、何の用?
(*゚ー゚)これからハインと二人で街に遊びに行こうと思ってたんだけど…ツンも来ない?
……遊びの誘いか。だけど生憎、私の答えは「No thank you.」。休日とは休む為にあるのであり、(といっても元の世界ではバイト三昧だったが)わざわざ遊ぶのはなぜか、わざわざ進んで人と関わるのはなぜか、疑問に思っていた。だから当然答えはNoだ。
ξ゚⊿゚)ξごめん、今日はちょっと…
(*゚ー゚)えー…
ξ゚⊿゚)ξ今日ちょっと疲れてて…ゆっくり休みたいの。ごめんね。
(*´ー`)そっか…
从´∀从じゃあ、仕方ないね。
えぇいやめろ。そんな瞳で私を見ないでくれ。そんな、純粋無垢に残念そうな瞳で。嘘ついた私が心苦しいじゃないか。うぅ…
ξ゚⊿゚)ξあ、でも皆と遊んだら疲れも吹き飛ぶかもしんない!
(*゚ー゚)本当!?
从 ゚∀从やった♪
結局流されてしまった。なんだかんだ言って、押しには弱いのである。私は。
…というわけで、押しに流され、やってきた街中。そういえばこんな所に来た事等、殆ど無かった。お洒落なビルが立ち並び、美味しそうな香りがたちこめる。それはそうとそれよりも…
ξ゚⊿゚)ξねぇ…文化祭の準備はいいの?他の子は皆学校行って準備してるよ?
(*゚ー゚)えーいいじゃん!
从 ゚∀从たまには休憩も必要だよー。
ξ゚⊿゚;)ξ…他の子から顰蹙買うかも…
从 ゚∀从あぁ、それは大丈夫だよ。
(*゚ー゚)差し入れの一つでも買っておけば全部チャラだって!
ξ゚⊿゚;)ξ……
(*゚ー゚)じゃあさ、まずはどこ行く?
从 ゚∀从私、雑貨屋さんとか見たい…
お、40%引き?お得じゃないか。おぉ、こっちのスーパーではタイムセール…といけない。ついいつもの癖で安いものばかり目で追ってしまった。いかんいかん。ここはオサレな街中である。所持金が許す限り、セレブリティに振る舞うザマース。じいや!そこのを全部買うザマース!
(*゚ー゚)ツンはどこ行きたい?
ξ゚⊿゚)ξあーと…私も雑貨屋かな…?
そうそう。やっぱり街中ではセレブリティにインテリジェンスに振る舞うのが正解ザマァス。ってよく考えたら雑貨屋を選んだ理由って、ハンカチや帽子等が安く買えるからではないか。長年の経験により染み付いた貧乏人根性は捨てきれないものだ。やれやれ。
(*゚ー゚)わー!かわいー!!
ξ゚⊿゚)ξあ、これ安い…これも
从 ゚∀从ツンちゃんってば、おばさんみたい!
ξ゚⊿゚;)ξはっ、つい…
そんな訳で雑貨屋に入った私達。しぃとハインの二人は可愛い物に夢中なのに対し、私はいつもの癖で安くて便利な物ばかり見ている。分からん。やっぱ分からん。こんな安っぽいアクセサリーやぬいぐるみのどこが可愛いのだろうか。こんなのを買うぐらいだったら生活に必要な物を買う方が余程効率が良いのに。と思ってしまう。よく小さい頃の経験が人の感性を育てるというが…私にはそんな経験はなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
私の家は、元々は普通の中流家庭だった。金持ちでは無かったが、まぁまぁな暮らしをしていた。
ξ゚⊿゚*)ξ |゚ノ ^∀^)(´ω`ら)
そう、あんな事が起こるまでは……
父が、自殺した。私が小学校に上がった頃だ。どうやら友人の借金の保証人になっており、その友人が失踪したらしい。その友人は相当な金額を借りており、サラ金にも手を出していたそうだ。それから、借金取りが家に押しかけるようになった。強面の男達がドアをガンガン叩き、怖かった。
「オラァいるんだろー!?」「いい加減金返せや!」「保証人だろ!?」
父は必死で働き、返済のため頑張ったが足りず、この世を去った。自らの保険金を残して。
父の保険金も入り、母も働き始め、一応返済は済んだが、我が家は一文無しになった。それもそのはず、保険金以外にも、家のありとあらゆる財産も売り払ったのだから。全てを失った私達は、とあるボロアパートに引っ越した。母は必死で働いたが生活は苦しく、周りの皆がゲームだお洒落だと楽しんでいた物は、一切うちには無かった。
当然、そんな私は、いじめの対象となった。上履きを隠されたり、給食を取られたり。トイレで水をかけられるのは日常茶飯事だった。先生も助けてはくれなかった。給食費もロクに払えない貧乏人に差し伸べる手は無いという事だろう。
私は恨んだ。全ては貧乏が悪い。貧乏である事を激しく恨んだ。
ーーーーーそして、その矛先は母親に向かった。
ξ#゚⊿゚)ξ『おいババア!金よこせよ!!』
|゚ノ♯´∀`)『痛い!ツン、やめて!』
ξ゚⊿゚)ξ『新しい服が欲しいの。金くれよ。』
|゚ノ´ ∀`)『そんなお金無いわ…』
ξ#゚⊿゚)ξ『うっさい!!』
ゲシッ
|゚ノ´ ∀`)『あうぅ』
ξ゚⊿゚)ξ『125円!?すくねぇな、ガキの財布じゃねーんだからよ』
|゚ノ´ ∀`)『お…お給料日…前だから…』
ξ゚⊿゚)ξ『チッ!!』
中学に入った頃から、私は、母親に当たるようになった。暴言を吐き、金をせびり、暴力を振るう事もあった。それは中二の六月頃まで続いた。
そう、六月のあの日までーーーーー
軽い気持ちで言ってしまったあの言葉。
ξ#゚⊿゚)ξ私はこの高校がいいの!!
言わなければ良かった。
|゚ノ´ A`)分かって…ツン、そんな学費の高い高校行かせられないわ…ごめんね…
だけど、もう、戻れない。
ξ#゚⊿゚)ξ行きたい高校すら行かせてくれないのかよ!もう限界!!お前なんか…お前なんか…
ーーー死んじゃえばいいんだーーー
ーーー事故の知らせを聞いたのは、わずか一時間後だった。
ξ゚⊿゚;)ξえ…お母さんが…トラックに…?
…事故の内容を要約するとこんな感じだ。運転手の男が、雨で濡れた路面にてトラックのブレーキが効かず、歩道に突っ込み、五人ばかりの歩行者を轢いてしまったのだ。
その中に、私の母もいた。
即死は免れたが、病院に運び込まれた時には、かなり危険な状態だった。
ξ;⊿;)ξいやぁぁぁ!!お母さん、死んじゃ嫌だああぁぁ!!
さっきまでは死ねと言っていた癖に、掌をころっと返すものだ。我ながら、やれやれである。
「おい!バイタルやばいぞ!!」「電気ショックは!?」「血圧下がってます!!」
そしてついにその時が来た。
ピーーーーーーーーーーーーーーー
雨の激しく降る夜。私の母は、死んだ。
ξ;⊿;)ξあああああああああああああああああああああああああああああ!!
ξ;⊿;)ξおかあさあああああああああああああああああああああん!!!!
「六月二十四日、午前二時三十四分」
「ご臨終です………」
私は、泣いた。涙は止まることを知らなかった。激しい後悔に襲われた。トラックに轢かれたのは、私の為に増やしたアルバイトに行く途中だと知った時はさらに激しく後悔が胸に突き刺さった。痛くて。痛くて。なのに。痛みを感じずに生きる資格は無いのだと思い。泣いた。涙が枯れ果てるまで。
涙が枯れるまで泣き。そして、悟った。
ーー失ったものは取り返せない。ましてや、自分から手放したものは。ーー
ゲームのデータが消えたら二度と復元出来ないと聞いたことがある。お母さんも、復元なんてできない。
ーーーーGAME OVERだーーーー
それから私は施設に入った。施設での暮らしは…酷かった。これまでのいじめよりずっと酷かった。辛い目に遭い、心の荒んだ子達のいじめは、酷いのレベルを超えて、エグいというのが感想である。
泥を食べさせられた。髪の毛を切られた。爪を剥がされた。レイプされかけた事だってある。
辛かったが、行くあても無いので、高校に入ったらアルバイトで一人暮らしをしようと決心し、必死で耐えた。
志望校は学費で選んだ。私のいる(いたと言うべきか?)VIP県の高校の中で、学費の安かったのが、私の通う2ch高校である。レベルは高目だったが、一生懸命勉強した甲斐あり、無事合格。ちなみに県立なので、特待生制度は無し。あっても私の学力では特待生など無理だろう。
高校に受かった時は、合格の喜びよりも施設から出られる安堵の方が大きかった。
その後は園長を説得し、(後見人の問題が大変だった。待木店長を説得し、名目上の後見人となってもらった。いい人で助かった…)施設を出る許可を貰い、高校入学、アルバイトスタート、で、今に至る。
私はこの過去から、二つの事を学んだ。
一つ目は、母を愛する資格が自分には無い事。私が殺したようなものなのに、母の死を悲しみ、空の向こうの母を愛する…などという事は私はしてはいけない。
二つ目は、人と関わったらロクな事がないこと。中二病なんかではなく、本気で思っている。一人でいるのが一番だ。今までどれだけいじめ抜かれてきたか。思い出すだけで寒気がする。そんな過去があるというのに、人と関わることなどできない。傷付くと分かっているのに、なぜ皆人と進んで関わるのか。甚だ疑問である。
とまぁこんな感じで、私は人並みの感性を持ち合わせてはいないのである。残念無念また来年。適当にハンカチか何か買って行くか。
(*゚ー゚)あ、ツンー!!
ん?
ξ゚⊿゚)ξ…なぁに?
(*゚ー゚)これ!可愛くない?
そう言ってしぃが差し出したのは、赤いペンダントだった。
从 ゚∀从わぁ、綺麗!ルビーみたい!
(*゚ー゚)でっしょー?これ、ツンにピッタリだと思うんだ♪
ふむ。まぁそこそこ綺麗なんじゃないか。ごめんね、感性が豊かじゃないからよくわかんないの。
ξ゚⊿゚)ξふぅん、どれどれ…
一応首にかけてみる。
ξ゚⊿゚)ξ…どう?
(*゚ー゚)おぉー!!可愛い!
从 ゚∀从似合ってるよー!
(*゚ー゚)買っときな!ツンにはそのペンダント、合ってるから!
从; ゚∀从…買ってはあげないんだ
ξ゚⊿゚;)ξ……
(*゚ー゚)仕方ないじゃん!金欠なんだから!じゃあハインが買えばいいのに!
从 ゚∀从私も…ちょっとお金が…
(*゚ー゚)そら見ろー!てことでツン!買いなさい。
てことでってどういう事だ。ていうか買いなさいってほぼ強制じゃね?脅迫じゃね?肩掴まれてるし。
(*゚ー゚)絶対似合うから!!
うぜー……………しゃーないな。
「ありがとうございましたー」
結局買わされてしまった。断ろうと思えば断る事も出来た、はずだが…まぁ、この程度ならいいだろう。なかなか綺麗だし……
ξ*゚ー゚)ξ
()
●
「ありがとうございましたー」
結局買わされてしまった。断ろうと思えば断る事も出来た、はずだが…まぁ、この程度ならいいだろう。どうせ安物だ。それに、よく見ると…なかなか綺麗だし……
ξ*゚ー゚)ξ
()
●
(*゚ー゚)次はゲーセン行こ、ゲーセン!
从 ゚∀从太鼓の達人やりたい!
(*゚ー゚)いいよね、ツン!
ξ゚⊿゚)ξあ、うん…
雑貨屋の次はゲームセンターか。なるべく金が飛ばないように気を付けて遊ばねば…
(*゚ー゚)バナナの皮ー!
ξ゚⊿゚;)ξちょっ!それ卑怯!
从# ゚∀从オラオラオラオラオラ!!
ドコドコドコドコ
(*゚ー゚)あー楽しかった!
ξ#゚⊿゚)ξファイナルラップで逆転されるとは…
从; ゚∀;从汗いっぱいかいちゃった…
ξ゚⊿゚;)ξまぁあんな気迫でやってたらね…
ξ゚⊿゚;)ξってしまった!
何という事だ。私とした事が1500円もゲームにつぎ込んでしまったよ。1500円だぜ1500円。幾ら何でもこれはひどい。ついゲームに夢中になり過ぎちまったい。…まぁいいか。まだ金は残っている。いっそ遊び倒して使い果たすか!なんて。………そういえば最近、まぁいいかが口癖になってるな^^;
(*゚ー゚)それじゃ次はマック行こ!お腹減った!
ーーーーーーーーーーーーーーーー
从 ゚∀从次はカラオケに行きたいな…
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ξ゚⊿゚)ξボートに乗りたい?別にいいけど…
ーーーーーーーーーそして、夕方。
(*゚ー゚)あー楽しかった!
从 ゚∀从もうそろそろ帰ろうか。
(*゚ー゚)そだね!
ξ゚⊿゚;)ξふぅ…
別にオナニーをした直後という訳ではない。朝から夕方まで遊び倒すという経験が今まで無かったので、疲れただけだ。それよりも…
ξ゚⊿゚;)ξ財布がスッカラカンに…
ξ゚⊿゚;)ξやばいわね…残金めっちゃ少ない…
まぁでも。
(*゚ー゚)また遊びに行こうねー!
从 ゚∀从ハンバーガーで許してくれるかな、みんな…
この楽しさは、金では買えないだろう。
私だって人間だ。感情も死に切っていない。楽しいものは楽しいのだ。今日は、遊べて、良かった。
ξ*゚ー゚)ξ…じゃあね、二人とも
从 ゚∀从気を付けて帰ってね!
(*゚ー゚)ロリコンに襲われるなよー!ツンは胸ちっちゃいんだから!
ξ#゚⊿゚)ξうっせー死ね!
(*゚ー゚)あはは、ばいばーい!
ーーーーーーーーーーーー夢の世界
ζ(゚ー゚*ζやっほー!
ξ゚⊿゚)ξ何かいつにも増して楽しそうね
ζ(゚ー゚*ζだって、君が友達と遊んで楽しいって言うなんて…
ξ゚⊿゚)ξ人間なんだから当たり前でしょ。私だって楽しい事は好きよ。
ζ(゚ー゚*ζそれだけじゃないと思うなぁ~?
ξ゚⊿゚)ξ何よそれ…
ζ(゚ー゚*ζまぁいいや。バランスも取れてるし…
ξ゚⊿゚)ξバランスって何…?
ζ(゚ー゚*ζはっ!そ、それはまた今度ね!それより!!
…誤魔化した。
ζ(゚ー゚*ζ楽しかったのは、皆で一緒に騒げたからだと思うな♪
ξ゚⊿゚)ξそ、そんな訳無いじゃない!
それだけはあり得ない。確実に、あり得ない、はず。基本人と関わらない主義の私が友達(笑)と騒げて楽しむなんてそんな事はあり得ません。そういえばネタ画像でアリ○ールのコラ画像にアリエナーイなんてのがあったな。あれで笑うのは小学生男子位だろうが。
ζ(゚ー゚*ζもちろん君の境遇は知ってる。
なぜ知っているのかは少々疑問だが、そんな事はどうでもいい。私の境遇を知っているのならいい加減なこと言うなよ。
ζ(゚ー゚*ζだからこそ楽しかったんだと思うよ!
おいおい何がだからこそ分かるわけだよ。馴れ合いを嫌う私が友達と一緒にいて楽しいとか、そんなのアリエナーイ。池沼の思考回路なんじゃねえのか?と言うか楽しかっただなんて一言も言ってないし。
ξ゚⊿゚)ξ楽しいわけ、無いじゃん。
ξ゚⊿゚)ξ私がどれだけの人に傷付けられたと思ってるの?
ξ゚⊿゚)ξ私があの人をどれだけ傷付けたと思ってるの?
ξ)ξ人と関わってもロクな事ない…楽しいとでも思ってるの?
ζ(゚ー゚*ζ思うよっ!
バカじゃないの?
ζ(゚ー゚*ζそりゃ酷い人はいっぱいいるかもしれない。
ζ(゚ー゚*ζだけどね、優しい人や気が合う人だって一杯いるはず。その事を忘れないで。
ζ(゚ー゚*ζすれ違ったり傷付けあってもきっと元通りになれる。
ζ(゚ー゚*ζ大事な人が、いるはず。できるはず。きっとね。
ξ゚⊿゚)ξはいはい、一般論をどうもありがとう。じゃ、もう行くわ。
ζ(゚ー゚*ζん…まぁ、私の言葉は心の片隅にでも置いといて。最終的には君が動かなきゃいけないから……
私が動く?何の事なんだろ。私がパラレルワールドに送り込まれた理由と、何か関係があるんだろうな……
ーーーーーーーーーーーーーーーー
第四章~完~
ξ゚⊿゚)ξあ
目が覚めた。パラレルワールド四日目の、朝。そういえば今日は日曜日だ。もう少しゆっくり寝ていても良いだろう……
「ツウウウウウウウウウウン!!」
ξ゚⊿゚;)ξなに!?
(*゚ー゚)そおおおい!!
ドンッ
ξ゚⊿゚;)ξきゃあっ!!
从; ゚∀从ちょっとしぃちゃん、ご近所迷惑だよ!ごめんね、ツンちゃん。
何が何だか分からない…(AA略
いきなり寝室にクラスメイトが飛び込んで来ましたよと。一体何の用なんだ。そしてなぜ両親は咎めない。寝起きだとかえって冷静に物事を考えられるようだ。
|゚ノ ^∀^)あらやだ、ツンってばやっと起きたの?お友達が来てるのに起きないんだから。
|゚ノ ^∀^)あんたが起きないから家に入れたの。わざわざ起こしてもらってごめんね?
(*゚ー゚)いいんですよぉ!それよりツン、早く着替えて学校行こ!
ξ゚⊿゚)ξハァ?今日は日曜日…
(*゚ー゚)文化祭の準備!もう時間が無い訳だし休日も頑張んなきゃ!
あぁ、そういう事か。マンドクセ。
(*゚ー゚)さ、早く着替えて行こ!
ξ゚⊿゚;)ξちょ、ちょっと!まだ顔洗ってn
(*゚ー゚)学校で洗えばいいから!ほら制服着て!
从 ゚∀从リボンこれでいいー?
ξ゚⊿゚)ξあ、ありがと!
(*゚ー゚)ほら急いで!用務員のオヤジに鍵締められちゃう!
|゚ノ ^∀^)若いっていいわね~
(*゚ー゚)おばさん、おじさん、行ってきます!
ξ゚⊿゚;)ξい、行ってきます
从 ゚∀从行ってきまーす
|゚ノ ^∀^)気をつけてねー
「行ってらっしゃーい」
…おや!?
今何か野太い男の声が聞こえたような。そして、「おじさん」!?まさか。
(´ω`ら)気ぃ付けろよー、しかし日曜まで学校たぁ大変だなぁ。
お父さん!?
まさか母はおろか父までいる世界だとは。でも今日まで家にいなかったような…いや違う!私が寝た後に帰って来てたんだ、きっと!ははぁ、何というパラレルワールド。しかし懐かしい顔である。まぁ、小学生の時に死んだきりなので当然と言えば当然だが。そして…
(´ω`ら)おっ、ヤクルトが勝ってるぞ!
幸せそうなお父さんの顔を見るのはもっと久しぶりだ。
私が小学校に上がる頃から、彼は多大な借金に悩まされた挙句、保険金自殺をしてしまったのだ。
私は別に「皆が喜ぶと私も嬉しい!」とかいう心の清い人間ではないのだが、彼の幸せそうな顔を見ていると、ほっとする。
ξ*゚ー゚)ξこっちのお父さんが幸せそうで、良かった…
(´ω`ら)?どうしたツン。
ξ゚⊿゚)ξあ、いや別に…
(*゚ー゚)どうしたのツン!早く行くよ!
ξ゚⊿゚;)ξうわっちょっ!
ヨロヨロ
……安堵の余韻は、若干3.6秒で終わった。
ガチャバタン
(*゚ー゚)いっそげーいっそげ!
从 ゚∀从鍵が締まる前に早く行かないと!
ξ゚⊿゚;)ξちょ!二人とも足…早い!
そんな訳で私は学校まで続く道を息も絶え絶えに走っている訳である。足の早い二人に追いつく為、某みさえさんの漕ぐ自転車に負けない位の心意気で全力で駆ける。心の中であのBGMが流れている。あれ、つうか心意気どころかマジで勝てんじゃね?みさえさん抜かせるんじゃね?
バビューン
近くを走っていた自転車にあっさり抜かされた。ちょっと自身喪失なこの頃である。
()ん?
キキッ
私達を抜かした自転車がブレーキをかける。どうしたというんだ。というか運転手のあの顔、見覚えが…
(・∀ ・) おぉ!麗華じゃないか!
待木(以下、またんき)店長!
(・∀ ・) 大きくなったなー、もう高校生か。
何ということだ。立て続けに意外な人物と遭遇するとは。でも、今の私はバイトをしていないはず…じゃあどこで彼と接点を持ってるというのだ。
(*゚ー゚)あ、ツンの叔父さーん!
叔父だとぉ!?
(*゚ー゚)待木さんはどうしてここに来たんですかー?
(・∀ ・) いや、仕事の関係でね。書類を取りに来たのさ。
从 ゚∀从ツンちゃんの叔父さん、お久しぶりですー。
(・∀ ・) 美和ちゃんも大きくなったね。
どうやらこの二人はまたんきてんty…叔父さんと面識があるらしい。
ξ゚⊿゚)ξしぃ、ハイン。
(*゚ー゚)ん?
从 ゚∀从なぁに?
ξ゚⊿゚)ξてんty…叔父さんといつ知り合ったの?
(*゚ー゚)やだツンってばー!小学生の時ツンの家によく遊びに行ってたじゃん?その時に何回か顔合わせたっしょー?
从 ゚∀从もう、ツンちゃんたらー。
あ、それなら納得。というか小学生の頃からこの二人と知り合いだったという事になるのか。俗に言う幼馴染ってやつか。
という事は小学生の頃からこんな騒がしかったのか。こっちの世界の私、御愁傷様。あ、でもこっちの私はζ(゚ー゚*ζああだから別にいいのか。
(・∀ ・) ほら、ツン。おこづかい。
姉さんには内緒だぞ?
ξ゚⊿゚)ξあ…どうも
(*゚ー゚)えーツンだけずるーい!私達にも下さいよ!
从; ゚∀从しぃちゃんそれは図々しいよ…
(・∀ ・) ハハハ、君達ならそう言うと思ってたさ。はい、君達にも。
(*゚ー゚)やったー!ありがとうございますー!
从 ゚∀从す、すみませんわざわざ…
(・∀ ・) いいよいいよ。……あ
(・∀ ・) そうだ。今日はここら辺で夏祭りがあるらしい。そのお金で行ってきたら?
(*゚ー゚)夏祭り!
从 ゚∀从そういえばあったね!ツンちゃん、しぃちゃん!学校終わったら行こうよ!
(*゚ー゚)……いや、私はいいよ。
ξ゚⊿゚)ξえ?
从 ゚∀从どうして?
(*゚ー゚)だってツンはダーリンと行くんだから!
从 ゚∀从ダーリン…?あ!
(*゚ー゚)从 ゚∀从どうぞどうぞ愛しのブーン君とお幸せにー。
ξ゚⊿゚;)ξちょ!私達は別にそんな間柄じゃ…
(・∀ ・) ツンも大人になったなぁ…
ξ゚⊿゚;)ξしみじみしないで下さ…しないで!
(;*゚ー゚)と、こんな事してる場合じゃない!早くいこ!
(・∀ ・) どうしたー?どこ行くんだ?
从 ゚∀从文化祭の準備に学校行くんです!
(・∀ ・) そうかー。日曜日なのに大変だな。じゃあ、頑張れよー
(*゚ー゚)叔父さんさようならー!
从 ゚∀从さようならー
ξ゚⊿゚)ξさ、さようなら…
しかしおらびっくらこいただ。まさかまたんき店長(ちなみにこの名前はあだ名だ。客に親しんで欲しいということで自分で命名したらしい。はっきり言ってセンスを感じさせない名前である。)までが叔父になって登場するとは。パラレルワールドとなると、人との関係も変わってくるのだな。人の生死まで変化させるし…それがVIPクオリt(ry
161:1 ◆CnOd8P.q26 2013/08/07(水) 19:41:54ID:fW6.i4fk
志望校は学費で選んだ。私のいる(いたと言うべきか?)VIP県の高校の中で、学費の安かったのが、私の通う2ch高校である。レベルは高目だったが、一生懸命勉強した甲斐あり、無事合格。ちなみに県立なので、特待生制度は無し。あっても私の学力では特待生など無理だろう。
高校に受かった時は、合格の喜びよりも施設から出られる安堵の方が大きかった。
その後は園長を説得し、(後見人の問題だが、何と待木店長が名目上とはいえ後見人になってくれたのだ。店長はやたらと私を可愛がってくれる。少しうざい時もあるが、いい人で助かった…)施設を出る許可を貰い、高校入学、アルバイトスタート、で、今に至る。
志望校は学費で選んだ。私のいる(いたと言うべきか?)VIP県の高校の中で、学費の安かったのが、私の通う2ch高校である。レベルは高目だったが、一生懸命勉強した甲斐あり、無事合格。ちなみに県立なので、特待生制度は無し。あっても私の学力では特待生など無理だろう。
高校に受かった時は、合格の喜びよりも施設から出られる安堵の方が大きかった。
その後は園長を説得し、(後見人の問題だが、何と待木店長が名目上とはいえ後見人になってくれたのだ。店長はやたらと私を可愛がってくれる。少しうざい時もあるが、いい人で助かった…)施設を出る許可を貰い、高校入学、アルバイトスタート、で、今に至る。
(*゚ー゚)着いたー!
从 ゚∀从よかった、まだ鍵締まってない。
ξ゚⊿゚;)ξひ、ひ、はぁ~
学校に到着した。二人はピンピンしているが、私はというと息も絶え絶えである。まぁ無理もないだろう。今度こそみさえさんに勝てるレベルで全力疾走してきたのだから。死ぬ、まじで死ぬ…
(*゚ー゚)早くいこ!みんな待ってるよ!
从 ゚∀从うん!
ξ゚⊿゚;)ξま、まってええぇぇ
(*゚ー゚)やっほー!
ガラッ
川д川ちょっと三人共!何で昨日来なかったの!?
( ゚∀゚)土曜日大変だったんだぞ!おっぱい!
ξ゚⊿゚)ξご、ごめ…
(*゚ー゚)まーまーそう言わない!ハンバーガー、買ってきたよ!
「おぉー!!」どよっ
(*゚ー゚)ははは、感謝しろ豚共ー!
「イイェーーース!!」
ξ゚⊿゚;)ξ……買収……
从; ゚∀从……だよね……
(*゚ー゚)おーし作業始めよっか!
从 ゚∀从うん。
ξ゚⊿゚)ξ分かった。
文化祭の準備に取りかかる。作業と言っても黙々と作業を進めていく訳では無い。動き回ったり言葉で指示したりと結構教室は煩くなるのだ。
川д川あれ持ってきて!
<ヽ`∀´>ラジオペンチを取ってくるニダー
( ´∀`)暑いモナ…
(*゚ー゚)おーし作業始めよっか!
从 ゚∀从うん。
ξ゚⊿゚)ξ分かった。
文化祭の準備に取りかかる。と言っても黙々と作業を進めていく訳では無い。動き回ったり言葉で指示したりと結構教室は煩くなるのだ。
川д川あれ持ってきて!
<ヽ`∀´>ラジオペンチを取ってくるニダー
( ´∀`)暑いモナ…
文化祭の準備というものは実に忙しい。特に、文化祭まで後たった二日なのだ。本当はこの時点で準備は96パーセント位は終わらせておくべきなのだが、何をやってたんだ、こいつらは!
(*゚ー゚)持ってきたよ!
从 ゚∀从そこ置いておいて。
<ヽ`∀´>栄養ドリンクいるニダー?
*('')*いるいる!ちょーだい!
ガラガラ
( ・∀・)おー、やってるなー
( ´∀`)先生!来たなら手伝うモナ!
(; ・∀・)え、僕もやるのかい?
(*゚ー゚)書類だとか力仕事だとかやることはいくらでもあるでしょ!ちゃっちゃとして下さい!
(; ・∀・)あ、あぁ…
また、文化祭の準備には先生まで駆り出すという理不尽な側面もある。
そしてそもそも。
从; ゚∀从暑いね…
ξ゚⊿゚;)ξホントね…
私やハインのようなか弱き乙女達が炎天下の中木材を運んでいる今この瞬間が理不尽である。おい今の世の中レディファーストだよ?大切にしてよ。まぁ、でも…
ξ゚⊿゚;)ξひぃ、ひぃ…
(*゚ー゚)お疲れ!はい、冷えたコーラ!
ξ゚⊿゚;)ξあ…
ξ*゚ー゚)ξ…ありがとっ!
プシッ
ごきゅっごきゅっ
ξ*゚ー゚)ξぷはぁ!
ここまで来たからには、絶対に、文化祭、成功させたい。
忙しい上に…
ξ゚⊿゚;;)ξあっつー!!
*('')*今日は33℃あるって!
从; ゚∀;从汗びっしょり!
(*゚ー゚;)お帰りなさいませご主人様!ひー暑い!
(´<_`;;)えーとウエストは62cmで…あぁ汗が目に入った!やり直し!
(;;´_ゝ`)サイダーいる奴手ーあげろ!!
「ハアアアアアイ!!」
とにかく、暑い。
うちの学校にはエアコンだなんて物は無いので、ひたすら炎天下の中私達は作業を進める。目の回るような忙しさ+暑さが襲いかかってくるのである。その辛さは並ではない。
ξ゚⊿゚;)ξポカリくださあああい!!
(*゚ー゚;;)私にもちょうだい!!
;川д川し…死ぬ……
('、`;川生きろぉぉぉぉ!!!
(*゚ー゚)おっし、みんな!設備の準備はこの辺にしといて接客の練習もしよ!
「はーい!!」
怒涛のような仕事の数々を終え、やっと一息つけるか?という考えは残念!無惨に砕け散ってしまった。接客という私の一番嫌な仕事。ルックスとコミュ力のなさが足を引っ張るお仕事である。嗚呼…
(*゚ー゚)じゃあ誰かとペアになっ
て、お互いにシミュレーションしてみて!
(*゚ー゚)ツーン!ペア組も!
ξ゚⊿゚)ξあぁ、いいよ。
(*゚ー゚)おk!じゃあまずはツンがメイド役ね!
ξ゚⊿゚)ξわかった…
はぁ…萌え萌えキュンとかマジでやらなきゃいけないのか…はずい。まじはずい。ぶっちゃけこういう事って女捨てないと出来ないよな。…でも、あくまでも仕事は仕事。プライベートとは一切関係無いのである!割り切る事が大事だ。コンビニバイトで心得た事である。さぁ、恥を捨てて…
ξ゚⊿゚*)ξ萌え萌え~キュン!
(*゚ー゚)ギャハハハハハハハ!!!
(*゚ー゚)ギャハハハwwwぐひょwwwひー、ひーwww腹いてえwww
ξ#゚⊿゚)ξちょっと!そんなに笑う事無いでしょ!
(*゚ー゚)いやだってwwwいとおかしwww誰かwwwビデオカメラwwwww
ξ#゚⊿゚)ξうるせぇ!
ゴチン
(*゚ー゚)あいたー!
(*゚ー゚)ひー、ひー!ごめんごめん!真面目にアドバイスするね!
ξ゚⊿゚)ξ全く。
最初からそうしろ。そりゃ私のような女が萌え萌えキュンとかどう見てもウケ狙いにしか見えないだろう。だが、そこまで笑われると、女のプライドも傷付くってもんよ。
(*゚ー゚)えーと、まずは笑顔が足りない!
ξ゚⊿゚)ξ笑顔?
(*゚ー゚)そう。もっとニコーっとね。
次に声がちっちゃい!
ふむ。真面目にアドバイスするといっても萌え萌えキュンに対して何を真面目にアドバイスするのかと思ったが、萌え萌えキュンにもやり方というものがあるらしい。別にそこまでこだわる必要も無いと思うが、恥をかくのも嫌なので、
(*゚ー゚)もう一回!
アドバイスを受け止め、
(*゚ー゚)せーの!
全力でぶつかるようにっ!
ξ*゚ー゚)ξ萌え萌え~キュン♪
(*゚ー゚)おお!
(*゚ー゚)いーじゃん!次は「お帰りなさいませご主人様」って言う練習!はい!
ξ*゚ー゚)ξお帰りなさいませーご主人様!
(*゚ー゚)もっと控え目に!
ξ゚⊿゚)ξおk!
ξ*゚ー゚)ξお帰りなさいませ、ご主人様♪
(*゚ー゚)服のすそを持って言った方がいいかも!
ξ*゚ー゚)ξお帰りなさいませ、ご主人様♪
馬鹿くさい。すごく、馬鹿くさい。
でも、それだけではない。
こんな形でも一生懸命文化祭の準備に尽力するというのは、私にとって初めての事であり、そして…
ξ*゚ー゚)ξお飲み物をお持ち致しましたー♪
(*゚ー゚)おぉ!最初よりずっと良くなったよ!べりーぐっと!
ξ゚⊿゚;)ξくはぁ!
ガクッ
(*゚ー゚)お疲れさん!
この達成感。嫌いじゃない。
ーーーーーーーーーーーー帰り道。
ξ゚⊿゚)ξじゃあ、お疲れー
(*゚ー゚)お疲れー!
夜の七時頃。私はようやく帰路についた。何かに没頭して汗をかくというのも、悪くないものだ。これからさらに文化祭の準備にも力が入ってくるだろう。…頑張って、みようかな。ん?
( ^ω^)あ、ツンさーん!
目の前に、浴衣を着たブーンの姿。
ξ゚⊿゚)ξあら、ブーン…どうしたの?浴衣なんか着て。
( ^ω^)これから近くの夏祭りに行くんだおー。
ξ゚⊿゚)ξあ、そういえば…
(・∀ ・) 『今日はここら辺で夏祭りがあるらしい。』
成る程。で、ブーンはそれに参加すると。浴衣まで着て、張り切っているようだ。尤も、彼の体型から察するに、夜店の食べ物が目当てだろう。
(*^ω^)あ、そうだ!ツンさんも良かったら来ないかお?
ξ゚⊿゚)ξえ?私…?
何と。誘われてしまった。こやつ、ヘタレそうに見えて意外とアプローチが強…いやいや。別にアプローチなんかではなく、単に一人の知り合いとして誘ってるだけだろう。しかし、出会ってわずか三日(実質二日だが)の女を誘うだろうか?いやいや、送ってもらったあの日は色々喋ったし、ツンって呼んでもらってるし、友達と認定されたのだろう。うん、そうだろう。じゃなくて!
ξ゚⊿゚)ξごめん、帰りが遅くなったら親が心配するかもだから、確認とるね?
( ^ω^)分かったおー。
そうだ。年頃の娘が遅くまで帰ってこなかったら、危ないおじさんに連れて行かれてないかとか色々心配するのが親の心情だろう。尤も、あの人は…私の『お母さん』では、ない、が…そんな事を思いながらケータイ(うん、ガラケーなんだ、すまない。)を開くと、あの人から一通のメールが。
「夏祭り
彼氏と行って来なさい(*^_^*)
母より」
… あの人(・∀ ・) がバラしたんだろうな、きっと。
仕方が無い。ここで断るのも野暮というものだ。体力は一応まだ残ってるし、行ってもいいだろう。
ξ゚⊿゚)ξいいよ。一緒に行こ。
(*^ω^)おっおっおっ!!
あ、でも…
ξ゚⊿゚)ξ浴衣、着た方が良くない?
( ^ω^)別にいいんじゃないかお?私服で来る人もいっぱいいるお。
いや、夏祭りに私服はふさわしくないだろう。周りが浴衣を来て色めき立っているというのに、その中でぽつんと私服の女がいたら、みっともない事この上ない。
ξ゚⊿゚)ξ一旦家に戻って着替えてこよっか?
( ^ω^)いいお。待ってるお。
すると一通のメールが届いた。
「あ、浴衣は我慢してネm(_ _)m
この前間違ってツンの浴衣捨てちゃった(・ω<)てへぺろ
母より」
…Oh……
ξ゚⊿゚;)ξごめん、家に浴衣無いって
( ^ω^)まじかお
これは困った。女のプライドがかかった割と由々しき問題である。若い娘が浴衣無しで夏祭りに行くなど、スギちゃんがワイルドじゃなくなる位の一大事なのだ。別に浴衣無しで行ってもいいのだが、みっともない。近くを歩くスイーツ女共がニヤニヤしながら見てくるだろう。見てこなくてもみっともないだろう。さて、どうしたものか…
チリンチリーン
(*゚ー゚)おいーす
ん?何だしぃか。
ξ゚⊿゚)ξあら、しぃ。今帰り?
(*゚ー゚)いや、ツンにこれを持ってきたの。
そう言って彼女が自転車の籠から取り出したのは、水色の浴衣だった。
(*゚ー゚)夏祭りに来て行きな!あたしの浴衣だけど。
ξ゚⊿゚)ξあ、ありがと…
でもなぜ彼女は私が浴衣を必要としていると分かったのだろうか。
(*゚ー゚)へへー、女の勘で何と無くツンにはこれが必要なんじゃないかなーって思って持って来ちゃった!
……恐るべし女の勘。
そんな訳で、近くの公衆トイレで浴衣に着替えてきた。サイズは合っているが、少し胸がゆるいのは屈辱である。
ξ゚⊿゚)ξ…どう?
( ^ω^)おぉ!ツンさんすごく似合ってるお!
ξ*゚ー゚)ξそ、そうかな
(*゚ー゚)そうだよ!似合ってるって!でも…
(*゚ー゚)少し胸がゆるそう…
ベキッゴスッズバシッ
ξ゚⊿゚)ξさ、ブーン行こ!
(;^ω^)お、おー
(#゚;;-゚) ………
全くしぃめ。胸胸うっせーんだよ。いつまで胸ネタで引っ張る気だ。巨乳のバカ!もう知らない!
(;^ω^)…と…あ、ここだお!
ξ゚⊿゚)ξわぁ、やってるわねー。
到着したのは近くの川沿いのエリア。成る程、人だかりが出来ている上、夜店が沢山並んでいる。
( ^ω^)じゃあまずお店で何か買うお!
ξ゚⊿゚)ξおk。ブーンは何食べたい?
( ^ω^)僕は何でもいいお。ツンさんに任せるおー
ほほう、なかなか紳士的な態度じゃないか。だが、少々ありきたりかな。まぁどうでもいいのだが。
ξ゚⊿゚)ξ…何にしよう。
そういえば、お祭りなんて来た事無かった。家庭がああだったからな。一度、りんご飴とか食べてみたかった。
ξ゚⊿゚)ξじゃ、りんご飴にしようかな。
( ^ω^)じゃあ僕はあんず飴にするお。
ξ゚⊿゚)ξじゃ、買いに行きましょ。
( ^ω^)おっおっおっ!
ξ゚⊿゚)ξこれが…りんご飴…
そんな訳でりんご飴を買ってみた。ハンドベルのような形をしているな。飴というからもっとキャンディみたいな物を想像していたが…
ガブッ
ξ>⊿<)ξがっ!かたっ!
ぐあっ何だこりゃかってえぞ!レプリカかなんかじゃないだろうな!?こんな固いのを何で皆美味しそうに食べてるんだ!?
( ^ω^)え?りんご飴…食べた事ないのかお?
ξ゚⊿゚)ξうん…
( ^ω^)ここの角っこに上の歯を、丸い部分のここに下の歯を当てて食べるといいお。
ξ゚⊿゚)ξふぅん…どれどれ
シャクッ
ξ゚⊿゚)ξあ…食べれた…
( ^ω^)だお?僕も初めて食べた時は固くてびっくりしたお。
ξ゚⊿゚)ξ…おいし
( ^ω^)だお!?
初めて食べたりんご飴は、甘く優しく、なのにどこか切ない味がした。
ξ゚⊿゚)ξ…
シャクシャク
( ^ω^)あんず飴うまいおー
私はシャクシャクとりんご飴を食べ続ける。ブーンはと言うと、あんず飴に夢中だ。
ξ゚⊿゚)ξ…甘酸っぱい…
ξ゚⊿゚)ξ美味しかった…
( ^ω^)あんず飴美味かったお
飴をそれぞれ完食した私達は、棒を備え付けのゴミ箱に捨て、再び歩き出した。
( ^ω^)次はどこ行くお?
ξ゚⊿゚)ξそうね…
辺りを見回せば、チョコバナナや射的、金魚すくいに焼きそば等、様々な店が立ち並ぶ。よし、どうせ夏祭りに来たのだ。一通り体験していこうじゃないか。
ξ゚⊿゚)ξじゃあ次は金魚すくいね!
( ^ω^)おk!
ξ*゚ー゚)ξわぁ!こんなに取れた!
( ^ω^)コツさえ掴めば幾らでも取れるおー
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ξ*゚ー゚)ξチョコバナナ甘くて美味しー!
( ^ω^)だお!
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ξ*゚ー゚)ξ射的で景品ゲット!
( ´ω`)僕は駄目だったお
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ξ*゚ー゚)ξ焼きそば美味しい!
(;^ω^)熱いけど美味しいおね
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ξ*゚ー゚)ξかき氷美味しいね!
( ^ω^)だおね!
ξ゚⊿゚)ξ…あ
ふと我に返ると、自分がいかにはしゃいでいたか気付いた。何度も言うが私だって人間だ。楽しい事は好きだが、こんな風に我を忘れてはしゃぐだなんて、それも人と一緒にいる時に。私もパラレルワールドに馴染んで来たのかねぇ。丸くなったのかな?
( ^ω^)あ、そういえば…
ξ゚⊿゚)ξ…?何?
( ^ω^)今日、
ブーンが何か言いかけた途端。
。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~。~
沢山の流星が空を流れた。
ξ゚⊿゚*)ξ……うわぁっ!
(*^ω^)今日は、ペルセウス座流星群が見られる日なんだお!
「なになにー?」「うわすげー!」
「きれい!」
ξ゚⊿゚*)ξ素敵…
感性というものが皆無な私でも、思わず魅入ってしまった。本当に、綺麗…夜空に宝石が散りばめられているみたい…空が光で溢れかえっている。
( ^ω^)今日は、どうしてもツンさんにこれを見せたくて…連れて来ちゃったお!
ξ゚⊿゚*)ξえ…
ξ*゚ー゚)ξ………ありがとう
( ///ω///)まぁ、それだけじゃないんだお
ξ゚⊿゚)ξえっ?
( ///ω///)僕は、ツンさんに伝えたい事があるんだお!
( ///ω///)このペルセウス座流星群の下で!
まさか…?いや、ないないない。あり得ない、いや、でも…
( ///ω///)僕はツンさんが好きですお!!!
ξ゚⊿゚*)ξえ……!?
( ///ω///)初めて見た時から、惚れてましたお!その瞳、その姿…
え、え、好きってlikeじゃなくてlove?本当に?嘘だよね?ていうかそもそもブーンが惚れたのはパラレルワールドの私であって、私じゃないはず。いやでも私の容姿に惚れたという事はパラレルワールドの私と今ここにいる私の容姿は同じなのだから私に惚れたのと同じって事になって…えっと…
( ///ω///)だから…つ、付き合ってくださいお!
ξ゚⊿゚;;)ξはひ!?え、えっと…
当然、断るつもりだ。なのに…声が、出てこない。身体中が、熱い。心臓がバクバク言ってる。きっと、今の私の顔は真っ赤だろう。これが、告白されるという感覚…?
ξ////)ξえっと……………………
( ///ω///)……………………
長い静寂が続いた。そして、ブーンが口を開いた。
(;^ω^)…もう遅いし、送って行くお。お返事は…じっくり考えてもらってからでいいお。
ξ゚⊿゚;)ξ……あ、うん。
帰り道では、私達は全く口を開かなかった。深い夜の静寂の中、淋しげに私達の足音が響く。それが気まずくて口を開けなくて、それで静寂が続いて…と、私の中では繰り返しループしていた。恐らく、ブーンもだろう。
(;^ω^)………
ξ゚⊿゚;)ξ………
ペルセウス座流星群はもう消えてしまった。他の星は雲に隠され、見えない。淋しい月の光だけが私達を照らす。
そして、ようやく私の家の前に到着した。長い長い時間だった。永遠にも、感じられた。なのに、未だに心臓がドキドキしている。そして、ブーンが口を開いた。
(;^ω^)じゃあ…またお
ξ゚⊿゚;)ξうん
そう言うとブーンは去って行った。
そういえばしぃに制服を預けており、浴衣も返していない。まぁ、制服はスペアがあるし、浴衣も明日学校で返せばいいや。
ガチャリ
玄関のドアの鍵を開けた。
|゚ノ* ^∀^)あらお帰り!どうしたのその浴衣?
(´ω`ら*)友達にでも借りたか?夏祭りに行ったんだろ?
玄関先にはお父さんとあの人がいた。二人ともやたらテンションが高い。
|゚ノ* ^∀^)そーそー彼氏と行ってきたんでしょ!?
(´ω`ら*)ツンも大人になったなぁ~。でも父ちゃんは寂しいぞ!
テンションが上がっている時に申し訳ないのだが、今日は疲れた。文化祭の準備もあるが、
( ///ω///)『僕はツンさんが好きですお!!』
あれが頭から離れなくて。色々頭の中がゴチャゴチャになって。一回眠りたい。
ξ゚⊿゚)ξ……あの、私もう寝たいから…お休み
私は興奮する二人を尻目に部屋着に着替え、ベッドに入った。晩ご飯は…お祭りでたくさん食べたからいいや。
………気が付くと、夢の中だった。
ξ゚⊿゚)ξあれ…?あの子は…?
ζ(゚ー゚*ζ………
いた。だが、何も喋らず向こうを向いている。いや、よく聞くと何かをブツブツと呟いている。
ζ(゚ー゚*ζ…ふぅん…思念体の力が強くなった訳か…彼女の経過も順調だな…割と良い結果が出そう…出てくれないとこっちも困るんだけどね…
思念体?経過?結果?何の事だろう。……私に関係ある事だろうか。だったらどういう意味で…そもそもこの世界はどんな世界か…
Σζ(゚ー゚;*ζハッ!!
ビクッ
ξ゚⊿゚;)ξうわっ!!
ζ(゚ー゚;*ζい、い、いたの?
ξ゚⊿゚;)ξう、うん。さっきから…
ζ(゚ー゚;*ζど、どこまで聞いてた!?
ξ゚⊿゚;)ξえ?し、思念体がどうとか、経過とか…そういうのがボソボソ聞こえただけで…
ζ(゚ー゚*ζ……………はー良かった!そんくらいなら聞かれても大丈夫だ!
ξ゚⊿゚)ξそうなの?
ζ(゚ー゚*ζうん。君をパラレルワールドに連れて来たのにはまぁ目的があるんだけど。
ξ゚⊿゚;)ξまぁ、そうでしょうね。何の気なしに連れて来られてもね。
ζ(゚ー゚*ζうん。それで、目的を達成するには、その目的を今君に知られちゃいけないわけ。
ξ゚⊿゚)ξ…そ。
パラレルワールドの住人にも色々あるらしい。お疲れさん。グロン酸。
ζ(゚ー゚*ζ…さて。今日はブーンに告白されたんだよね?
ξ゚⊿゚;)ξ……あ、うん
ξ////)ξ………
思い出してしまった。あの感覚。身体中が熱くなり、顔が真っ赤に染まる。でも…
ξ゚⊿゚)ξ……でもさ、あのブーンが好きになったのは、あんたであって、私では無いよね?
そうだ。あのブーンが告白したのは『パラレルワールド』の私なのだ。いくら見た目が同じでも、この私が告白を受け止める訳にはいかない。
ζ(゚ー゚*ζふふ、それはどうかな?
何?
ζ(゚ー゚*ζだって考えてもごらんよ?いくら惚れたとはいえ、一度も話した事の無い女の子に告白する男がいると思う?ましてや彼はかなりのオクテなんだから。
まぁ、一理あるな。
ζ(゚ー゚*ζそれにね、女の子の「可愛い」ってのは、その子の性格も含めて決まるんだよ?
成る程確かに。例えば巨乳のおねいさんが性格もSだったら美しさも3倍増しというものだろう。
ζ(゚ー゚*ζ私はブーンとは一度も話した事なかったしねー。君と話してみて告白を決めたんじゃない?
ζ(゚ー゚*ζお祭りではしゃいでる時の君はとっても可愛かったぞー?
ζ(゚ー゚*ζとにかく!ブーンが惚れたのは君なんだから!
ζ(゚ー゚*ζ私と見た目は同じでも、中身は違うんだから!
ζ(゚ー゚*ζブーンは君の中身も含めて好きになったんだから!
ζ(゚ー゚*ζ黙ってOKしなさーい!!!
ξ゚⊿゚;)ξえ…で、でも…
ζ(゚ー゚*ζでもじゃなーい!!
ξ゚⊿゚;)ξだって…
そうだ。私は人と関わらない主義なのだ。今までの経験で学んだじゃないか、人と関わってもロクな事にならないと。また傷つけられる気か、私。しっかりしろ。津出麗華。
ξ゚⊿゚)ξ私は…この告白は、断る。だって…もう傷付けられたくないよ…
そう言うや否や、
ζ(゚ー゚#ζばかやろー!!
バチーン
ξ゚⊿゚♯)ξぶべらっ!
強烈なビンタが飛んで来た。
突然の事に戸惑いつつヒリヒリする頬を押さえながら私が見たのは、激おこぷんぷん丸状態のもう一人の私だった。
ζ(゚ー゚#ζそんな理由で告白を断るなんて絶対ダメ!
ζ(゚ー゚#ζそりゃ君が辛い思いを
突然の事に戸惑いつつヒリヒリする頬を押さえながら私が見たのは、激おこぷんぷん丸状態のもう一人の私だった。
ζ(゚ー゚#ζそんな理由で告白を断るなんて絶対ダメ!
ζ(゚ー゚#ζそりゃ君が辛い思いをしてきたのは分かるよ!
ζ(゚ー゚#ζでも、前にも言ったよね?全員が全員酷い人ばかりじゃないって!
ζ(゚ー゚*ζ………だから、そういうの抜きにしてさ、もう一度ゆっくり考えてみようよ?ね?
ξ゚⊿゚)ξ…う、うん…
ζ(゚ー゚*ζよしっ!じゃあ、私はもう行くね!
ξ゚⊿゚)ξうん…じゃね…
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ξ゚⊿゚)ξ……ふあぁ
目が覚めた。今日でパラレルワールドは5日目…か?というか今日は月曜日だ。学校へ行かなくてはいけない。でも、あんな事があった後だ。ブーンと会ったら気まずいな…
第五章~完~
とまぁこんな経緯で、私は今学校への道を歩いている。頭がブーンの事で一杯だ。はぁ…これから…どうしよう………と頭を抱え、悩んでいた。するとそこへ、
从 ゚∀从あ、ツンちゃん。おはよう。
ハインが歩いて来た。
ξ゚⊿゚)ξあ…ハイン。おはよ。
本当なら声をかけるのも億劫だったが、一応気の無い返事位はしておいた。
从 ゚∀从どうしたの?元気がないみたいだけど…あ!
从 ゚∀从ブーン君の事で悩んでるんでしょー!
ξ゚⊿゚;)ξ!
うぐっ。冷やかし口調の癖に、ピタリと当ててきやがる。
ξ゚⊿゚;)ξ……関係無いでしょ!
スタスタ
从 ゚∀从あ、待ってよツンちゃーん!何があったか教えてよぉー!
知るか、鬱陶しい。
从 ゚∀从しぃみたいに茶化さないから!それに私結構恋愛経験豊富だから、相談位なら乗れるよー!
ξ゚⊿゚;)ξ…え、そうなの?
意外だった。いかにも純情な乙女で、鋼鉄の処女というイメージのハイン(こっちの世界の)が経験豊富だなんて。
从 ゚∀从意外でしょ?ちなみに膜ももう無いです。
ξ゚⊿゚;)ξマジでっ!!?
ξ゚⊿゚)ξ…まぁ、しぃは絶対ふざけるだろうけど、ハインならまだまともに聞いてくれそうだからね。話すわよ。
私はブーンと一緒に帰った日の事や、夏祭りの一部始終を話した。ハインは黙って聞いていた。私が話し終わるまで。
ξ゚⊿゚)ξ…で、今に至るわけ。
从 ゚∀从…なるほど。そうだね……
从 ゚∀从うーん…ツンちゃんはまだ気持ちの整理がついてないみたいだし…ここはブーン君に待ってもらうのも手かもね。
ξ゚⊿゚)ξそっか…
从 ゚∀从それに~、私達には文化祭があるでしょ?
ξ゚⊿゚)ξあー、うん。
从 ゚∀从文化祭の準備とかで忙しくて考えがうまくまとまらなくて、好きなのに振っちゃったりする事もあるかも。
ξ゚⊿゚)ξそういうものなの?
从 ゚∀从そうだね。私も振った後で後悔した事あるもん。
ξ゚⊿゚)ξふーん…
从 ゚∀从だから、お返事は保留にして、今は文化祭に集中した方がいいよ。
从 ゚∀从と言ってもやっぱり考えちゃうよね~。そういう時にはおまじない!
ξ゚⊿゚)ξおまじない?
从 ゚∀从そう!まず、おでこを出してみて。
ξ゚⊿゚)ξこ、こう?
从 ゚∀从そ!それで………………
ゴッチーン!!!
ξ>⊿<)ξあいったぁー!!
ξ>⊿<)ξいっつぅー!
从 ゚∀从大丈夫?荒療治だったけど、これでモヤモヤしてた心も少しはスッキリしたでしょ?
おいおい、勘弁してくれYO、やり方ってもんがあるだろいハニー。キツいぜ、まさにcrazy.
从 ゚∀从よっしそのまま元気良く、ふぁいとー!はいツンちゃんも!
……(こっちの)ハインってこういうキャラだったっけ?
ξ゚⊿゚)ξう、うん…い、いっぱーつ…
ξ゚⊿゚)ξ从 ゚∀从ファイトー!いっぱーつ!!
ξ*゚ー゚)ξ…ふふっ
アホくさ。傍からみたら、間違いなく変な人達だろう。でも、割とスッキリしたような気がした。
从 ゚∀从どう?スッキリしたでしょ?
ξ*゚ー゚)ξ…まーね。
从 ゚∀从さ、学校いこ!文化祭、頑張ろうね!
ξ*゚ー゚)ξ…うん
私達の目標は二日後の文化祭。頑張って、みよう。やってみよう!
…なんてなるはずもなく。
ξ゚⊿゚;)ξいったぁ…ハイン意外と石頭…
从; ゚∀从私も痛いよ…
ただ痛いだけで終わった。
ξ;-⊿-)ξはぁ…こんな事してないで学校いこっか。
从; ゚∀从だね…遅刻しちゃう
从 ゚∀从ξ゚⊿゚)ξ(何やってたんだろ、私達…)
…なんてなるはずもなく。
ξ゚⊿゚;)ξいったぁ…ハイン意外と石頭…
从; ゚∀从私も痛いよ…
ただ痛いだけで終わった。
ξ;-⊿-)ξはぁ…こんな事してないで学校いこっか。
从; ゚∀从だね…遅刻しちゃう
从 ゚∀从ξ゚⊿゚)ξ(何やってたんだろ、私達…)
从 ゚∀从おはよう。
ξ゚⊿゚)ξ……おはよ
(*゚ー゚)あ、おはよーツン!ハイン!
从 ゚∀从おはようしぃちゃん。
(*゚ー゚)ツンもおはよう!
ξ゚⊿゚)ξ………
ボー
(*゚ー゚)……?ツン!?
ビクッ
Σξ゚⊿゚;)ξあっ、ゴメン
(*゚ー゚)でねータモリがね!
从 ゚∀从それでそれで?
ξ゚⊿゚)ξ………
ダメだ。あの事で頭が一杯だ。落ち着け私。文化祭まで後二日、気を確かに、気を…
(( ^ω^))
あの顔が思い浮かぶ。くそっ、頭から離れろ!離れ…
(*゚ー゚)ツン!聞いてる!?
Σξ゚⊿゚;)ξひゃっ!?
(*゚ー゚)どうしたの、ぼーっとして…
ξ゚⊿゚;)ξあぁゴメンゴメン。で、タモリがどうかしたの?
(*゚ー゚)えー?タモリの話はもうとっくに終わったよぉ。今は、ボカロの話してたの!
ξ゚⊿゚;)ξあぁ…そう…
(*゚ー゚)………?
从; ゚∀从………
ξ゚⊿゚)ξ…………
(*゚ー゚)ねぇハイン
从 ゚∀从なに?
(*゚ー゚)今日のツン、変だよね?
从; ゚∀从!
(*゚ー゚)全く喋らないし、話しかけてもうわの空だし…
从 ゚∀从ねぇしぃちゃん、誰にも言わない!?
(;*゚ー゚)へ、何を!?
从 ゚∀从秘密は守れる?
(;*゚ー゚)え、え、あー…
从 ゚∀从女子トイレまでついてきて!
(;*゚ー゚)…何か、あったの?
ーーーーーーーーーーー女子トイレ
Σ(;*゚ー゚)えぇ!?ブーンがツンに告白した!?
从; ゚∀从ちょっと!声大きい…!
(*゚ー゚)ははー、なるほど、あの夏祭りで急接近したのかー♪これはねー!良いね~!
从; ゚∀从聞いてない…
(*゚ー゚)で、返事はどうしたの!!?
从 ゚∀从あ、その事なんだけど…
ーーーーーーーーーーーーーーーー
(*゚ー゚)なるほど…まだツンも気持ちが決まってないのね…
从 ゚∀从うん…文化祭の準備もあって、ツンちゃんも頑張る所なのに…
(*-_-)うーん…恋と学校行事の両立は難しいもんだよねぇ。
从 ゚∀从あぁ、それ分かる!
(;*゚ー゚)…そういやハインは経験豊富だったね…
从 ゚∀从あ、そうだ名案!
(*゚ー゚)へ?なに?
从 ゚∀从ツンが文化祭と恋を両立出来る方法!
(*゚ー゚)と、言うと?
从 ゚∀从耳貸して。
(*゚ー゚)うん。
コソコソコソコソ
(*゚ー゚)なるほどいいね。
从 ゚∀从でしょ?というわけで、しぃにも協力してもらう事になるけど…いい?
(*゚ー゚)もっちろーん!大船に乗ったつもりでいてよ!
从; ゚∀从(泥舟じゃないといいけど…)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ξ゚⊿゚)ξ………はぁ
もうすぐ朝のHRが始まる。それ以外に特筆すべき事は無い。お察しの通り、さっきからブーンの事を考え続けている。まずい。このままでは文化祭に支障が出かねない事は自分でも分かっているが、ブーンの事を考えると、
ξ゚⊿゚*)ξっ……
どうしても集中出来なくなるのだ。
そんな感じでジレンマに悶々としていると、教室のドアが開いた。
(*゚ー゚)ツンー?
しぃだった。
(*゚ー゚)あのねー、ブーン君から手紙来てるよー?
ξ゚⊿゚;)ξ!?
ガタンッ
ξ゚⊿゚;)ξあ…
;川д川(;´・_ゝ・`)<ヽ;`∀´>
他の子達が私を見つめてびっくりしている。まぁいきなり大きな音をたてたのだ。無理もない。私はジェスチャーで彼らに謝罪しておいた。それよりも…
ξ゚⊿゚;)ξブーンからの手紙!?なになに!?
バッ
(*゚ー゚)うおっ引ったくった!
(*゚ー゚)(なるほどねー、初めての告白に動揺してる訳ねー、分かりやすいなぁw)
ξ゚⊿゚)ξありがとねしぃ!
しかし何が書いてあるんだろう。見たい。内容を早く見たい!私は自分の机に戻り、封筒を破いた。
ξ゚⊿゚;)ξ
「_ー」ビリッ
手紙の内容はこうだった。
( ^ω^)『ツンさんこんにちはだお。日曜日はいきなり告白したりしてごめんだお。多分ツンさんめちゃくちゃ動揺したと思うお。その動揺が文化祭で響いたらヤバいお。だから、今は文化祭に集中して、お返事は文化祭の後にしてくれないかお?勝手なお願いごめんだお。でも、僕は、ツンさんに文化祭頑張って欲しいお!応援してるお!
じゃあまたおー
ブーン』
ξ゚⊿゚)ξ………
ξ゚⊿゚)ξ…まずは文化祭だ!客前で醜態は晒せねぇ!
そうだ。ブーンへの返事はいつでもいいが、文化祭は近いのだ。じゃあ文化祭の準備はいつやるの?今でしょ!それに、どうせ振るなら振り方も考えておいた方がいい。振るという行為自体が相手を傷付けるなら、なるべく相手を傷付けたくはない。(( ^ω^))
…あの笑顔は壊せない…
ーーーーーーーーーーー女子トイレ
(*゚ー゚)ぐふふ、効いてる効いてる!
从 ゚∀从作戦が効いたよ!やったねしぃちゃん!
(;*゚ー゚)おいやめろ
从 ゚∀从しかし分からないものなんだねー
(*゚ー゚)まーツンはブーンの字知らないからねーw
ーーーーーーーーーーーーーーーー
(*゚ー゚)『え?ブーンのふりして手紙を書く?』
从 ゚∀从『そう。』
从 ゚∀从『内容は、僕の事はいいから文化祭に集中して、みたいな感じ。』
(*゚ー゚)『なるほど、本人から言われれば効果はあるかもねー』
从 ゚∀从『それでね、私が手紙を書くから、しぃちゃんはそれをツンちゃんに手渡して欲しいの。』
(*゚ー゚)『おk!』
从 ゚∀从『やっぱり友達の恋愛はね…応援してあげたいんだ…』
(*゚ー゚)『え、ハインそんな純粋な気持ちでこんな計画立てたの?』
从 ゚∀从『え?』
(*゚ー゚)『あたしはただ面白いから協力するだけー!もしブーンとツンが付き合ったら思いっきり冷やかすんだー♪』
从; ゚∀从『…しぃちゃんらしいね…』
(*゚ー゚)『それに!ツンが使いものにならないと、こっちの仕事が増えるから、それは阻止しないと!』
从; ゚∀从(一つとして純粋な気持ちが無い…)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
もう迷わない。私は文化祭だけに焦点を置く。文化祭を頑張る。ブーンの為にも。私の為にも。…あれ?ブーンの為?………まあいい。目標は立派なメイド&執事喫茶を作る事だ。それに向けて、頑張らねば……
ξ゚⊿゚)ξ…よっし!
今度こそ吹っ切れた。文化祭を、頑張る。皆と一緒に。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
( ^ω^)…ツンさんにかっこいい所見せるお!
( ^ω^)正義のヒーローブーンマン参上!!
( ∵) やっと現れたかブーンマン!このビコーズ魔人が成敗してやるわ!
ーーーーーーーーーーーーーーーー
(*゚ー゚)…頑張ろうね、ハイン。
从 ゚∀从そうだね!
(*゚ー゚)他校のカッコイイ男子を落とすぞー!
从; ゚∀从それが目的!?
とまぁこんな感じでそれぞれの思いが交差する文化祭な訳で。尤も私以外の人の思いなど、私は知る由もないのだが。
ξ゚⊿゚)ξよっこいしょ…
从 ゚∀从これはこっちー?
*('')*ジュースまだー?
何かに一生懸命になるなど初めてだ。まぁでも少しはいいかもしれない。今私は全力でやってる。そんな感覚も、流れる汗も、気持ちがいい…
ξ゚⊿゚)ξふぅ…疲れた……
身体中を心地良い疲れが纏う。ぶっちゃけ、知らなかっただけかもしれない。こんな感覚を。皆と共に頑張る心地よさを。でも…
(´・ω・`)『きたねー貧乏人www』
从'ー'从『臭いんだよ!』
やはり、過去の事もあり、素直には、浸れない…
ガチャ
ξ゚⊿゚)ξ……ただいま…
|゚ノ ^∀^)あらおかえり。晩御飯あるわよー。
ξ゚⊿゚)ξあ…ありがと
私は制服を脱ぎ部屋着に着替え、手を洗った。
|゚ノ ^∀^)今日はシチューよ。
ξ゚⊿゚*)ξあ…おいしそう…
シチューなどここ何年も食べていない。温かい湯気と調味料の香りが鼻を刺激し、空腹にどストライク。早く食べよう。
ξ゚⊿゚)ξ……頂きます
ξ゚⊿゚)ξ…
カチャカチャ
|゚ノ ^∀^)どう?美味しい?
ξ゚⊿゚)ξうん…
|゚ノ ^∀^)それは良かった。
シチューは美味い。だが、彼女と一緒に食べていると、4割位はますくなる。どうしても、あの人へのトラウマが捨てられないから…
私の残酷が彼女を死まで追い込んだ。彼女を見ていると、表面上は笑っていても、心の底では、私を憎んでいるのではないかと思ってしまい、胸がチクチク痛む。分かっている。ここが現実ではないことくらい。でも…
|゚ノ ^∀^)そう言えば、あんたが生まれた日も、シチューだったなぁ…
ξ゚⊿゚)ξ……え?
|゚ノ ^∀^)お父さんと一緒に作ったシチューを食べてたらね、来たのよ、陣痛が。びっくりしたわぁ。
……その話は、現実世界でも聞いた事がある。ここら辺は現実と変わりないのか?
|゚ノ ^∀^)しかもねあんた難産でさぁ。産むのきつかったわよぉ。
|゚ノ ^∀^)……でもね、あたしは頑張ったの。生まれてくる小さな生命の為に。初めて子供ができて…嬉しかったから。
|゚ノ ^∀^)だからね、ツンはお母さんの宝物なの。いくつになっても、きっと変わらない。
ξ゚⊿゚)ξ………!
気がつけば、考えるより先に、言葉が口を突いていた。
ξ゚⊿゚)ξ……ごめん!
|゚ノ ;^∀^)え?何が?
ξ゚⊿゚)ξ私は…あなたの子供じゃありません!
ξ゚⊿゚)ξあなたが産んだのは、パラレルワールドの私です!私はこの世界の人間ではありません!
|゚ノ; ^∀^)それは…どういう…
気が付くと私は全てを話していた。私の過去、現実世界での出来事、夢の事。全てが口を突いて出た。そして…
ξ゚⊿゚;)ξ(やってしまったあああああ)
酷く冷静になった。
ξ゚⊿゚;)ξ(やばいやばいやばいやばい絶対頭おかしいって思われてるよ)
ξ゚⊿゚;)ξ(ってかこの事口外して良かったのかな!!?)
ξ゚⊿゚;)ξ(あああああああもう何で喋っちゃったんだろ!私のバカ!!)
|゚ノ ^∀^)…………なるほど、事情は理解しました。
ξ゚⊿゚;)ξえ?
ξ゚⊿゚)ξ…信じるの?
|゚ノ ^∀^)高校生にもなってそんな作り話するわけないじゃないのよ~。
ξ゚⊿゚)ξま…まぁね…
|゚ノ ^∀^)それにね…
|゚ノ ^∀^)子供を信じるのが、親の仕事でしょ?
ξ゚⊿゚)ξ……!
ξ;⊿;)ξ……ひぐっ
ξ;⊿;)ξあ、あたしは、お母さんのこどもでいる資格なんてないよおお!
|゚ノ ^∀^)ツン…
ξ;⊿;)ξあんなに暴言吐いて…お母さんは私の為に頑張ってくれたのに…
ξ;⊿;)ξ私はそれを踏みにじったんだ!!
ξ;⊿;)ξうわあああああああああああん
|゚ノ ^∀^)……………
ギュッ
ξ;⊿;)ξ…え?
|゚ノ ^∀^)…バカねぇ
ξ゚⊿゚)ξ…え?
|゚ノ ^∀^)アンタが私を殺したわけじゃないわよ。ただの事故なんでしょ?
ξ゚⊿゚)ξで、でも…
ξ)ξあたしは…お母さんを傷付けたんだ
|゚ノ ^∀^)あんたねーそりゃただの反抗期よ。あたしなんか中学生の頃は母親と毎日バトルしてたわ。
|゚ノ ^∀^)…むしろ、ごめんね。パラレルワールドの私がツンにひもじい思いをさせてたなら。
ξ゚⊿゚)ξそんな…!
|゚ノ ^∀^)そもそもねー。親に反抗できるのも愛があるからでしょ?
ξ゚⊿゚)ξえ…?
|゚ノ ^∀^)反抗期ってのはね?子供が親に対して全力で思いをぶつけてくるものなの。
|゚ノ ^∀^)そんな事ができるのは、親だけでしょ?愛してるからでしょ?
ξ゚⊿゚)ξで…でも!
|゚ノ ^∀^)それに、あんたが本気であんたの世界のあたしを嫌ってたなら別だけど、あんたは私が死んだ時泣いたんでしょ?
|゚ノ ^∀^)あんたの世界のあたしがお仕事頑張ったのだってあんたを思っての事のはず。
|゚ノ ^∀^)親子の根底には…きっと愛があったはずよ、いいえ、あったわ。
ξ゚⊿゚)ξでも…私はお母さんを傷付けた!抱えきれないくらい大きな罪を背負ったんだ…
|゚ノ ^∀^)じゃあ、生きなさい。
ξ゚⊿゚)ξえ…?
|゚ノ ^∀^)精一杯人生を生きて、幸せになるのよ。あんたの世界の私も、そう思っていたはずよ。
|゚ノ ^∀^)あんたは最後には泣いてくれた。それだけでもういいの…
|゚ノ ^∀^)だからお願い。自分の事を嫌いにならないで。幸せで、誇りを持てる自分になって。
ξ;⊿;)ξう、うわああああああん!!!
涙が、止まらなかった。堪えても堪えても嗚咽と涙が溢れ出す。年甲斐もなく、私は泣きじゃくった。
ξ;⊿;)ξうわああん!うわああああああん!!
|゚ノ ^∀^)今は思いっきり泣きなさい…涙は心を洗い流してくれるから…
ξ゚⊿゚)ξ…あっ
ζ(゚ー゚*ζやほ!
気が付くと、夢の中だった。どうやらあのまま泣き疲れて寝てしまったようだ。本当に年甲斐もない…
ζ(゚ー゚*ζ良かったね、母親とのしがらみが解けて!
ξ*゚ー゚)ξ…まぁね
ξ゚⊿゚)ξってか、もしかしてこれが目的でパラレルワールドに連れて来たんじゃなくて?
ζ(゚ー゚*ζいや、そんなんじゃないよー。もっと単純な理由。
ξ゚⊿゚)ξ…そう
ζ(゚ー゚*ζそれより、もうすぐ文化祭だね!
ξ゚⊿゚)ξ後一日ね。
ζ(゚ー゚*ζ(思念エネルギーもいい感じにバランスが取れてる。このままいけば文化祭には…)
ξ゚⊿゚)ξ…?なんか言った?
ζ(゚ー゚;*ζ…あ、ああ、いや、別に?てか、もう行かないとね!!
ξ゚⊿゚)ξ?そーね…
ζ(゚ー゚*ζじゃ、いくよー
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ζ(゚ー゚*ζ…実現率67%。あと少しか。
ξ゚⊿゚)ξ…はっ
ξ゚⊿゚)ξ…もう朝か
意識が戻ると、私はベッドにいた。目覚まし時計は6:30を指している。もう朝か。学校へ行かなければ。私は部屋のドアを開けようとするが、ふと手が止まる。
ξ゚⊿゚;)ξ(…きのうあんな事があった訳だし、お母さんと顔合わせ辛いなぁ…)
そんな訳で、私は躊躇いがちにドアを開けたのである。しかしそこに私の母はおらず、書き置きが残されていた。
『仕事に行ってきます 朝ご飯は勝手に食べてちょ』
…朝早いのに大変だなオイ。
私は適当にパンを焼いて食べ、制服を来て学校へ向かった。
(*゚ー゚)ツンー!おはよ!
从 ゚∀从ツンちゃんおはよう!
ξ゚⊿゚)ξあ、二人ともおはよう
(*゚ー゚)ところでツン。
ξ゚⊿゚)ξ?何よ。
(*゚ー゚)今日は学校に泊まり込みだよ
…what?
(*゚ー゚)いやー文化祭の準備がおくれててさー。泊まり込みで準備しないと終わらないってわけ(笑)
ξ#゚⊿゚)ξ(笑)じゃねーよ!!大事じゃねーか!
ξ#゚⊿゚)ξ大体何でそんなに遅れてんのよ!
(*゚ー゚)しょーがないじゃん、メイド喫茶は色々準備も大変なんだから。接客の練習もあるし。
ξ゚⊿゚;)ξじゃあ何でメイド&執事喫茶なんかになったのよ…
(*゚ー゚)え?言ったじゃん。
(*゚ー゚)逆ナン目当てって。
HUZAKENNA\(^o^)/
ξ#゚⊿゚)ξお前の不純な動機の為に私達を徹夜さす気かよ!!
从# ゚∀从そうだよ!皆は反対してたのに!
(*゚ー゚)いい男一杯来るよ?
从; ゚∀从うう…
ξ゚⊿゚;)ξハイン陥落!?
そんな訳で学校に残って準備をする事になった訳だ。親には事情をメールなりなんなりで説明しておけばいいとして、最初の課題が、最終下校時刻という厄介な代物だ。
<丶`∀´>困ったニダね…教師の目を盗んで学校に残る事は難しいニダ
( ´_ゝ`)当直、見回りの教師や…用務員の人もいる訳だからな。
(*゚ー゚)学校に残れなきゃ準備もクソもないわな。
从 ゚∀从…そうだ!!
(*゚ー゚)何ー?ハイン。いいアイディアでも出た訳?
从 ゚∀从うん。ちょっと危険な賭けだけどね。
ξ゚⊿゚)ξ何?
ーーーーハイン、説明中…ーーーー
从 ゚∀从…ってわけ。
(*゚ー゚;)…うわぁ…
ξ゚⊿゚;)ξ可愛い顔してとんでもない事考えるわねあんた…
从 ゚∀从大丈夫。必要な物は私が用意するから。
(*゚ー゚;)うぅ…でも今んとこはこれしか策が無いからなぁ…しゃーない
从 ゚∀从よし、決まりね!早速何処かに落ちてないか見てくる!
タタタ
ξ゚⊿゚;)ξあ、あたしはカメラ持ってくる!
<ヽ;`∀´>た、確か…写真部室にあったはずニダ
ーーーー夕暮れ時、静まった校内ーーー
( ФωФ)…生徒はもう帰ったようだな…
コツコツ
( ФωФ)ん?これは…
Σ(;ФωФ)え、AVじゃないか!!
(;ФωФ)…ほぉ……うむ……ゴクリ…
パシャッ
Σ(;ФωФ)!!?
从 ゚∀从えへへー。バッチリ撮影出来ましたー。
(*゚ー゚)仮にも教育者であろうものが学校内でAVなんか見ていいんですか!
ξ゚⊿゚;)ξそ…そうよ…最低だわ
从 ゚∀从あ、消そうとしても無駄です!もう既にPCにバックアップを取りました!
(;ФωФ)う、うわああああああ!
ーーーーー遡る事、一時間前ーーーーー
从 ゚∀从見回りの先生の弱みを握ってそれをタネに徹夜を認めてもらうってのはどうかなっ?
(*゚ー゚;)よ、弱み…?ったってねー…
ξ゚⊿゚)ξそー簡単に握れる物でも無いでしょ。
从 ゚∀从弱みがないなら、作ればいいんだよ!!
( ´_ゝ`)作る?
从 ゚∀从例えばー。AVとか拾わせてその現場を撮影してー。
从 ゚∀从それをタネに脅せばころっと一発だよ!
<丶;`∀´>い、入野ってこういうキャラだったニダ?
ξ゚⊿゚;)ξていうか軽く犯罪じゃぁ…
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