アルミン「劇の話し合い?」(448)

※巨人中学校とは無関係な学パロです

ミーナ「そうなの。今度の学園祭で劇をすることになったんだけど、いろいろ決めることがあるからアルミンにも参加してほしくて」

アルミン「別にいいけど…こういうのは、クラス皆で話し合うべきじゃないかな」

ミーナ「本当は昨日のHRを使う予定だったんだけどね」

アルミン「あー昨日は台風で休みだったから…」

ミーナ「そう。もう時間が取れないのよねー」

アルミン「わかった、参加するよ」

ミーナ「ほんと!?助かる!」

アルミン「でも、どうして僕なの?」

ミーナ「今朝ミカサに相談したらね、『アルミンには正解を導く力がある』って言ってたから」

アルミン「ミカサが?」

ミーナ「うん。じゃ、放課後にね!」

アルミン「あ、うん」

アルミン(……ミカサか。僕を信頼して出た言葉なのか?それとも……)

コロコロID変わるけど>>1です

ミカサ「アルミン」

アルミン「ミカサ…来ると思ったよ」

ミカサ「アルミン、今度の学園祭でうちのクラスは劇をやるらしい」

アルミン「ミーナから聞いたよ」

ミカサ「なら話が早い。今日の放課後に話し合いがあるので、それに参加して、エレンを王子様、私を相手役にしてほしい」

アルミン「そんなことだろうと思ったけど」

ミカサ「アルミン、お願い」

アルミン「うーん…上手くいくかなぁ……」

ミカサ「アルミンなら大丈夫」

アルミン(いろんなところから批判が飛びそうなんだよな……)

ミカサ「アルミン、駄目?」

アルミン「やってみるけど……上手くいくとは限らないからね」

ミカサ「ありがとう」

アルミン(そういえば、劇の演目も聞いてなかったな)

~放課後~

エレン「アルミン、帰ろうぜ!」

アルミン「あ、ごめんねエレン、今日は一緒に帰れないんだ」

エレン「用事か?」

アルミン「うん…ちょっとね」

エレン「待ってるよ。それか、手伝おうか?」

アルミン「え…いや、いい」

アルミン(エレンが来たら面倒なことになりそうだ)

ミカサ「どうして?エレンにも参加してもらえばいい」

アルミン「!」

アルミン(いつの間に…)

エレン「ミカサ。参加するって、何にだ?」

ミーナ「みんな、今日は劇の話し合いに集まってくれてありがとう!」

ミカサ「問題ない」

ジャン(ミカサと共演ミカサと共演ミカサとミカサミカサミカサ)

マルコ「ジャンきもちわるいじゃん」

アニ「……」ワクワク

ベルトルト「アニかわいいあに」

エレン「早くはじめようぜ!」

アルミン「はぁ……」

ミーナ「今回104が演じる劇の演目は『シンデレラ』です!」

アルミン(またありきたりな)

ミカサ(エレンが王子様で私がシンデレラ……いける!)

エレン「シンデレラ?」

ミーナ「そう!シンデレラ!」

誰も見てないかも知れないけど一時中断

ミーナ「で、早速配役を決めたいと思うんだけど……うちのクラスのなかで、適任だと思う人、誰かいないかな?」

ミカサ「」スッ

ミカサ「王子様はエレンがいいと思う」

アルミン(流石ミカサ、行動が速い……!)

エレン「はぁ?」

ジャン「はあっ!?」

エレン「何で俺」

ジャン「何でエレンなんだよ!こいつのどこに王子様の要素が――」

ミカサ「ジャン、少し黙って」

ミカサ「アルミン」

アルミン(ここで僕に振るのか…!)

アルミン「えーと…エレンは……」

アルミン(どうしよう…何を言えばいいんだ……?)チラッ

ミカサ「…」コクッ

アルミン(…コクッじゃ無いんだよ!というか、こういう説明はミカサの方が適任だろ!?)

他の面々「」ジー

アルミン(ああ…やるしかないのか…)

アルミン「ええっと、まずは見た目についてだけど、王子様って言うとやっぱりみんな格好いい人を想像するよね」

アルミン「その点エレンは、少し目付きが凶悪で悪人面だけど、顔は整っている」

アルミン「体も適度に引き締まっているし、王子様役に相応しいと言えるんじゃないかな?」

アルミン「それに、シンデレラなら、やっぱり舞踏会のシーンがあるよね?」

ミーナ「その予定よ」

アルミン「エレンは運動神経もいいし、ダンスも完璧にこなせると思うんだ」

ミーナ「なるほど…確かに、ミカサやアルミンの言う通り、適役かもね!」

ミカサ「その通り。そしてそのエレンの相手役であるシンデレラは、エレンのことをよく知る私がいいと思う」

エレン「はあ?」

ジャン「はあっ!?」

マルコ(二回目じゃん)

ジャン「ミカっ…」

ミカサ「」ゴゴゴ…

ジャン「」

エレン「俺が王子でミカサがシンデレラ?無いな」

アルミン(君ってやつは…!)

ミカサ「エレン……!」

エレン「だってさ、俺とお前身長同じなんだぜ?無理だろ」

ミカサ「でも……」

エレン「シンデレラやりたいのか?なら俺が降りるよ相手役は…ベルトルトとかいいんじゃないか?」

ベルトルト「」

ミカサ(アルミン…何とかして!)

アルミン(むりだよ!)

ジャン「ミ、ミカサ、シンデレラがやりたいなら俺が相手役に……」

ミカサ「ジャンには馬車を引く馬の役がお似合い」

アニ「」ブフォッ

ジャン「」

マルコ「ジャン死んじゃったじゃん」

ベルトルト「……」

ベルトルト(何故、僕がここにいるのか)

ベルトルト(答えは簡単、ライナーに頼まれたからだ)

ライナー『頼むベルトルト…!部活で行けない俺の変わりに、俺とクリスタの配役をセッティングしてくれ……!』

ベルトルト(なんの役がいいのか聞くの忘れたな)

ベルトルト(魔法使いと兵士辺りでいいか)

アニ(魔法使いやりたい…)

もうすぐ夕飯なので一時中断!

時間があったのでちょっと更新

ミカサ「ベルトルトじゃ駄目」

エレン「はぁ?ベルトルトに失礼だろ!誰が相手役ならいいんだよ」

ミカサ「エレン……」

エレン「俺が王子だったらなぁ……シンデレラは俺より背の低いミーナとか……」

ミーナ「!」

エレン「アニとか……」

アニ「!?」

ミカサ「」

アルミン(これ以上はヤバい!)

エレン「クリ……」

アルミン「エレン!」ガッ

エレン「……スタブっ!」

エレン「何すんだよアルミン!」

マルコ(いいアッパーじゃん)

アルミン「いいから少し黙ってて!」

エレン「どうしたんだよ突然」

ミーナ「……」

アルミン「大体エレンは鈍感過ぎるんだよいっつもいっつも僕がどれだけ……」

エレン(俺なんかしたのか?)

ミーナ「……アルミン」

アルミン「…何?ミーナ」

ミーナ「アルミン!」

アルミン「え…だから何って……」

ミーナ「アルミンアルミン!」

アルミン(こわい)

ミーナ「アルミンがいいわ!」

アルミン「へ……?」

ミーナ「見た目も可愛いし、身長もちょうどいい!幼馴染みなら相性もいいはず!」

ミーナ「完璧じゃない!!」

アルミン(何を……言っているんだ……?)

ジャン「」ムクリ

マルコ(ミーナの大声でジャンが起きちゃったじゃん)

もしかして原作読んでないの?

>>38
5巻くらいからずっと集めてるけど

お風呂いくので中断

ぐだぐだいってんのは気にすんな
そのままでいい 面白い

ミーナ「みんな!アルミンがシンデレラでどうかな?」

ジャン「いいんじゃないか!」

ジャン(ミカサをシンデレラにしてたまるか!)

ジャン(あ…でもシンデレラなミカサも見てみたい……)

マルコ「いいんじゃん?」

ベルトルト「いいんじゃない?(適当)」

アニ「まぁ…いいんじゃない?(アルミンがシンデレラ…!ますます魔法使いやりたい!!)」

アルミン「ちょ、ちょっと待ってよ!」

>>48
ありがとう!

アルミン「僕男だよ!?シンデレラなんて出来るわけ無いじゃないか!」

ミーナ「アルミンなら大丈夫だって!自信持ちなよ!」

アルミン「なんの自信!?あとダンスも出来ないし!演技とか無理だし!」

エレン「いや、それなら俺も…」

アルミン「エレンは黙ってて!!!」

アルミン「……とにかく、僕には無理だから」

アルミン(そしてさっきから一言も喋らないミカサがこわい)

ミーナ「アルミン…どうしてもだめ?」

アニ(アルミンのシンデレラ…)

ジャン「やれよアルミン!男だろ!?」

マルコ「ジャン、男だから嫌なんじゃん?」

ミカサ「…」

アルミン(どうする僕……)

アルミン(もし…もしも、エレンとの共演が無理だと諦めたミカサが、他の女子との共演を阻むために僕にシンデレラをやれと言われたら、やる覚悟はある)

アルミン(犠牲を減らす為だ…仕方ない)

アルミン(でも、そうじゃなかった場合は……僕が死を見ることになる!)

アルミン(どっちだ?どっちなんだ?答えを間違えるな、アルミン・アルレルト!!)

アルミン(……って言うか、なにかしゃべってよミカサぁ!)

ミカサ「…確かに」

アルミン「!」

ミカサ「確かにアルミンは可愛い」

アルミン「!?」

ミカサ「…が、嫌がっている人に無理矢理やらせるのは間違っている」

アルミン「! そ、そうだよ!僕はやりたくないからね!」

ミーナ「駄目かぁ…」

アニ(アルミン……)

ベルトルト(あ、いつライナーとクリスタの話しよう)

ミーナ「じゃあ誰がいいかな……」

ミカサ「わt」

ピーンポーンパーンポーン
『……文化祭実行委員会の皆さんは、至急会議室にお集まりください……』

ミーナ「あっ!いかなきゃ!…ごめんねみんな、話し合いはまた明日!」

ベルトルト(言いそびれた……)

エレン「よし、終わったな!帰ろうぜ」

ミカサ「アルミン」

アルミン「あー…ごめんねエレン、僕まだやることがあるんだ」

エレン「そうなのか?待ってるよ」

アルミン「いや、先に帰っててくれ。長くなりそうだから…」ハァ…

エレン「そうか…」

アニ(…アルミンのシンデレラ…)

アニ「…」ウン

ジャン「おいマルコwwみんなに王子がエレンでシンデレラはアルミンだって言いふらそうぜwwwwww」

ジャン(ミカサは俺が守る!)

マルコ「ジャン最低じゃん」

最近ここだけじゃなくてもSSの展開に文句つける奴が出てきてるけど
作者には気にせず書きたいように書いて欲しい

アルミン「ごめんミカサ、上手くいかなくて」

ミカサ「…謝らなくていい。アルミンのせいじゃない。あれは不可抗力だった」

アルミン「ミカサ…」

アルミン(怒って…ない……?)

ミカサ「ただ」

今のままで十分面白いよ!無理やり進路変更しなくてもいいと思う
支援

>>59
ありがとう、そうさせてもらいます

酉忘れてた



ミカサ「配役は決定した訳じゃない……」

ミカサ「エレンに悪い虫が付かないようにしないと……」ゴゴゴ

アルミン(それには…僕も入ってるんだろうか……)ゾクッ

>>61
サンクス!

ちょっと休憩

~帰り道~

アルミン(つまり、ミカサはもうエレンとの共演は諦めている)

アルミン(でも、自分がシンデレラになれないからと言って、他の人にエレンの相手役を譲りたくはない……)

アルミン(そしてそれには僕も含まれている、と)

アルミン「……エレンに降りてもらうしかないか」

アルミン(そうすれば僕がシンデレラをやる必要も無くなるし)

クリスタ「あ、アルミン!」

また酉忘れ

アルミン「クリスタ…に、ユミル」

ユミル「よう」

アルミン「学校の外で会うのは珍しいね」

クリスタ「そうだね。……それよりアルミン、聞いたよ!」

アルミン「何を?」

クリスタ「学園祭の劇!アルミンがシンデレラをやるんでしょ?」

アルミン「えっ!」

アルミン(まだ決定じゃないどころか、僕は全力で拒否したのに!)

ユミル「私はクリスタがいいと思ったんだけどな」

ユミル(その場合王子は勿論私だが)

クリスタ「アルミンのシンデレラ…///」キラキラ

アルミン(誰だよ広めたやつうぅぅぅ)

ユミル(クリスタかわいい)

クリスタ「アルミン…頑張ってね!応援してるから…!!」

アルミン「いや、僕は……」

ユミル「おいアルミン」ガシッ

アルミン(ひっ…!?)

ユミル「クリスタがここまで言ってんだ……期待を裏切るなよ??」

アルミン「が、がんばります…」

クリスタ「もうユミル!…アルミン、期待してるね!」

クリスタ「じゃ、また明日学校で!」

ユミル「じゃーな」

アルミン「ア、ハイ」

アルミン(……僕はどうすればいいんだ!)


アニ「……計画通り」

アルミン「ミーナ!」バン

ミーナ「! アルミン」

アルミン「ちょっと相談があるんだけど」

ミーナ「なに?」

ミーナ「………それは無理だわ」

アルミン「どうして!?」

ミーナ「だって…エレンを王子様役から外せなんて……大体、エレンを推したのはミカサとアルミンじゃない」

アルミン「うっ…」

ミーナ「あの時のアルミンの演説が効いてね、私もエレンがいいなーって」

アルミン(ミカサ…!君が僕を使って巻いた種が、こんなところで芽を出してるよ…!)

ミーナ「まあ、エレン以上のスペックの男子がいたら考えてもいいかなぁ…」

アルミン「ほ、本当…!?」

アルミン(考えろ、僕! エレン以上のスペック…エレン以上の……)

アルミン「べ、ベルトルトは?」

ミーナ「ベルトルトかぁー。確かに背も高いし、運動神経もいいし、顔も整ってるけど……」

アルミン「けど?」

ミーナ「逆に身長差が……空きすぎない?」

アルミン「」←163㎝

アルミン(ベルトルトのやろう…無駄に成長しやがって……!)

アルミン(考えろ、考えるんだ…)

アルミン(コニーは背が低いし、ジャンは馬面、ライナーは……なんとなく却下、マルコは最近しゃべり方がおかしい)

アルミン(駄目だこのままじゃ…!エレンより高スペックな男子…男子…男…子……?)

~104HR~

ミーナ「と、言うわけで、学園祭での104の出し物、シンデレラの主演は」

ミーナ「シンデレラ、アルミン・アルレルトと」

ミーナ「王子様、ミカサ・アッカーマンに決定しました!!拍手~!!」

一同「……?」パチパチ

ミーナ「他の役割は、追々決めていこうと思います!みんな、希望があったら声をかけてね!」


ライナー「おい、ベルトルト……俺とクリスタは……?」

ベルトルト「あ」

アニ(魔法使い…立候補してもいいかな……)

ここからエレアルルートとミカアルルートがあるのですが、どちらがいいですか?

再開するまでの間、多数決を取らせてください

アルミン(我ながらいい思いつきだった!)

アルミン(エレンよりも高スペックなミカサでミーナを説得、エレンは劇に出ないのだからミカサが心配する要素は一つもなく、僕はクリスタの期待を裏切らないで済む!)

アルミン(僕とミカサの共演を妬む人なんていないだろうし……)

ジャン「アルミンんんんんー!!!」

アルミン「あ」

アルミン「ジャンか……」

ジャン「おまっ!おまっ!くっそミカサときょうええええ!!」

マルコ「ジャン喋れてないじゃん」

エレン「うるせえなあ」

ジャン「あああああ」

エレン「アルミン、頑張れよ!」

アルミン「うん」

エレン「ミカサもな」

ミカサ「当然」

ジャン「あああああ」

ミカサ「……ジャン」

ジャン「あああああ…あ?」

ミカサ「あなたも頑張って」

ジャン「え…?」

ミカサ「馬車を引く馬の役」

とりあえず今日はここまで!

再開は明日の午前中になると思います

アルミン「ごめんねミカサ、女の子なのに王子様役なんて頼んじゃって」

ミカサ「大丈夫。アルミンだって男の子なのにシンデレラ役をやっている」

アルミン「う…確かにそうだけど」

ミカサ「それに…アルミンはいつも私のことを考えてくれている…」

ミカサ(…そう、本当にアルミンはいつも…)

ミカサ「……?」

ミーナ「さ、二人とも!」ドサッ

アルミン「! こ、これは…」

ミーナ「台本よ!」

ミカサ(分厚い…)

アルミン「よ、よくこんなに書けたね……」

ミーナ「頑張ったんだから!」エッヘン

ミーナ「他の役が決まるまではまだ時間がかかりそうだし、
どっちにしても個々が台詞を覚えないと通し練習は出来ないから、
まずは台詞の多い二人で頑張ってね」

アルミン「わかったよ」

アルミン(どうすればシンデレラをこんなに長く出来るんだ…?)

ミカサ(……台詞じゃ無くて登場人物の描写が細かい…)ペラペラ

~放課後~

ミーナ「じゃ、残りの配役をさくさく決めちゃうよ!」

一同「はーい」

ミーナ「とりあえず今決まっているのは、」

シンデレラ:アルミン

王子様:ミカサ

馬:ジャン

ジャン「っておいぃ!!」ドンッ

マルコ「ジャンやかましいじゃん」

エレン「似合ってんじゃねーか」

ジャン「あぁ!?」

アニ「…」プルプル

ジャン「おいアニ!笑ってんじゃねえぞ!」

アニ「!?」

ミーナ「あと必要なのは、魔法使い、継母、二人の義姉、王子様の側近、舞踏会のモブ、ナレーション位かな?」

サシャ「舞踏会のモブは、美味しいものが食べられますか!?」

エレン(今日はサシャも参加してるのか。それに……)チラッ

ユミル「劇なんだから、出る分けねーだろ!」

クリスタ「サシャったら!」クスクス

エレン(クリスタ、ユミルも)

ユミル(クリスタを変な役にはさせない!)

ジャン「というか、俺はスルーかよ」

マルコ「ジャンかわいそうじゃん」

ベルトルト「はいはい、ライナーは王子様の側近でいいと思います」

ミーナ「ライナーが側近?みんな、異論はないかな」

一同「どーでもいー」

ミーナ「じゃ、決定ね」

王子様の側近:ライナー

ベルトルト「あと、魔法使いはクリスタがいいと思います」

クリスタ「!!?///」

ユミル(なん、だ…と……?)

アニ「」ガタッ

ミーナ「クリスタが魔法使い?うん、適役かもね!」

アニ「」

ベルトルト(ライナー…使命は果たしたよ……!)

クリスタ(ベルトルト…どうして私を推薦してくれたんだろ…///)

ミーナ「みんな、どうかな」

一同「いいんじゃね?」

アニ「…」シュン

ベルトルト(おや?アニの様子が……)

ベルトルト「アニ」ボソ

アニ「……なんだい」

ベルトルト「もしかして、魔法使いやりたかった?」

アニ「!!///」カアッ

アニ「そ、そんなわけ!」

ベルトルトさん「あ、やっぱり魔法使いはアニで、クリスタは……あー義姉でいいんじゃないかな(適当)」

アニ「!」

クリスタ「」

ユミル「おい」

アニ「あんたって…馬鹿だな……///」

ミーナ「みんな、どうかな」

エレン「あーなんかクリスタは可愛い魔法使いで、アニは…魔法使いらしい魔法使いって感じだな」

アニ「……どういう意味だい」

エレン「どっちも似合ってるって意味だよ」

アニ(……嬉しくない)

ミーナ「アニとクリスタはどう?」

アニ「あ、あたしは…別に……」

クリスタ「……私は、どっちの役でも全力でやるよ!」

ミーナ「じゃあ…アニが魔法使い、クリスタが義姉でいいかな」

一同「さんせー」

ユミル「なあ」

ユミル「クリスタが義姉なら、もう一人の義姉は芋女だ」

サシャ「はひ?」モグモグ

ジャン「なに食ってんだよ……」

ユミル「……で、継母は私だ。文句ないな?」

一同「ありませーん」

ミーナ「じゃ、まとめると…」

魔法使い:アニ

継母:ユミル

義姉1:サシャ

義姉2:クリスタ

ミーナ「あとは…モブかな」

エレン「ナレーションは?」

ミーナ「ナレーションは…その、出来れば私がやりたいんだけど……あ、勿論、他にやりたい人が居なかった場合ね!」

エレン「いいんじゃないか?ミーナはこの劇の立役者だし」

一同「たしかにー」

ミーナ「みんな…ありがと!」

ナレーション:ミーナ

ミーナ「モブだけど、女子一人と男子が四人必要なんだけど」

ユミル「? 偉く中途半端だな」

ミーナ「舞踏会のダンスシーンだからね
勿論中心で踊るのはミカサとアルミンだけど、回りに四組くらい配置したいんだ」

ユミル「…あ」

ユミル(しくった……)

ミーナ「そのうち三人の女子は、継母と義姉二人だから!」

ユミル(クリスタの相手役に立候補するんだった!!!)ガーン

エレン「一組はバカ夫婦でいいんじゃないか?」

ミーナ「フランツとハンナね?うん、あとで打診してみる!」

ミーナ「さてと…三人の相手役だけど…
三人とも、何か希望はある?」

クリスタ「特に…ないかな」

クリスタ(あったとしても言えるわけないよ)

ユミル(ううっ…クリスタ……)

サシャ「もぐもぐ」

ミーナ「じゃあ身長から見て…
ユミルはベルトルト
サシャはマルコ
クリスタはエレン
で、どうかな」

ベルトルト「いいよー(適当)」

マルコ「いいじゃん?」

エレン「ああ」

エレン(やっべ、ダンスなんてできねえ)

ミーナ「じゃ、決まり!みんな、今日はお疲れ様でした!」

なんかアルミカって全く想像できない
ミカサは過去にエレンとあんなことあったし
どうなるのか

~一方その頃~

アルミン「」

ミカサ「」

アルミン「と、とりあえず台詞の所だけ拾い読もうと思ったけど……」

ミカサ「……描写が邪魔」

アルミン「ね、ねえ、これさ…本当に書かれている通り演技しなきゃ駄目かな?」

ミカサ「それは……ミーナに聞かないと……」

アルミン「僕無理だよ!シンデレラは白百合のような儚さと強かさで…とか!表現できない!!」

ミカサ「私も…光輝く王子様スマイルはちょっと……」

アルミン「3ページ目で挫折…いや……頑張った方だよね……」

ミカサ「…とりあえず、挑戦だけしてみよう」

アルミン(勇者か)

ミカサ「ほら、アルミン」

アルミン「僕からやるの!?」

>>118
ミカアルですよー(重要)
学パロなので、ミカサとエレンの過去もそんなに重くない設定です

アルミン「え、えと…」

台本『姉に殴られ床に崩れ落ちたシンデレラは、顔を上げて姉を睨み返す
彼女は白百合のように儚く、そしてまた強かだった』

アルミン「…」ドタッ←殴られて倒れ込む演技

アルミン「…お姉さま」キッ←睨み返す演技

ミカサ「……」

アルミン「…やめようミカサ、やっぱり恥ずかしすぎるよ……」ウウッ

ミカサ(……かわいい)

アルミン「さっ!ミカサの番だよ!」

ミカサ「…私はいい」

アルミン「! ずるいよ!」

ミカサ「……じゃあ」

台本『一目見てシンデレラに心奪われた王子は、全てを虜にする光輝く笑顔で、シンデレラに名前を尋ねた』

ミカサ「…」スッ←アルミンの前に膝まづく

ミカサ「…お嬢さん」スッ←アルミンの手をとる

ミカサ「お名前を、教えて頂けませんか?」ニコッ

アルミン(!!?///い、イケメン……!!)カアッ

アルミン「……やっぱりミカサはずるいよ」

ミカサ「そんなことはない。私もちゃんと辱しめを受けた」

アルミン(辱しめって言っちゃってるし……)

アルミン「はぁ…今頃皆は他の配役を決める会議中かな?」

ミカサ「そうだと思う」

アルミン(……あっ!)

アルミン(ま、まずいぞ!今回の演目はシンデレラ、当然舞踏会のシーンがある)

アルミン(と、言うことは、当然僕とミカサ以外にもペアを組んで踊る男女が出てくるわけで)

アルミン(……エレンが、もし誰かと組んで踊ることになったら…!)

アルミン(配役がすべて決まるまで、気を抜くべきでは無かったんだ!!)

アルミン「ミ、ミカサ!ちょっと休憩しようよ!」

ミカサ「アルミン?」

アルミン「その間に、僕がミーナに、台本の解釈について聞いてくるから!」

ミカサ「……わかった」

アルミン(よし!この間に、話し合いの様子を覗いてこよう!)

ミカサ「私もいく」

アルミン(いやああ!!こないでええぇぇぇ!!!)

アルミン(……どうしよう)スタスタ

ミカサ「…」スタスタ

エレン「ん?アルミンとミカサじゃねーか」

アルミン「え、エレン…」

アルミン(このタイミングで君が現れるのか…!)

ミカサ「エレン。話し合いはもう終わったの?」

エレン「ああ」

アルミン「へー、そうなんだーお疲れ様ー。僕たちはミーナに用があるからこれで……」

ミカサ「待ってアルミン」

ミカサ「エレン…配役はどうなった?」

アルミン(あばばばば)

エレン「えーと、確か魔法使いがアニで」

アルミン(以外だ…)

エレン「継母がユミル」

アルミン(似合ってる…)

エレン「義姉がサシャとクリスタ」

アルミン(うん…?)

エレン「王子様の側近がライナーだ」

アルミン(どうでもいいな……)

エレン「…?あと一人、なんか役があったはずなんだが…忘れた」

ジャン「」

アルミン「そっか。それで終わり?じゃあ僕たち急いでるから」

アルミン(セーフ!……か?)

エレン「あ、あと俺も、モブだけど劇に出るぜ」

ミカサ「!」

アルミン「な、なんだってー!」

ミカサ「…何の役……?」

エレン「舞踏会で踊るんだと」

アルミン「あわわわわ」

ミカサ「そう…誰と?」

エレン「クリスタ」

アルミン「あわわわわ」

ミカサ「そう…クリスタ……」

ミカサ「……」スタスタ

アルミン「ちょ、ミカサ!どこにいくんだよ!!」タタタ

ミカサ「クリスタのところ」スタスタ

アルミン「! ミカサ!」グイッ

ミカサ「……離してアルミン」

アルミン(何とか…何とかしないと!!)

アルミン「今回のことは仕方がないよ!嫉妬する気持ちはわかるけど……クリスタは悪くないだろ!?」

ミカサ「……クリスタは、悪くない」

アルミン「だったら…!」

ミカサ「でも、本当は…私がエレンと……」ジワッ

アルミン「!」

アルミン(ミカサ……)

アルミン(そっか…ミカサは、本当にエレンとシンデレラがやりたかったんだ……)

アルミン(それなのに僕は、自分の保身の為に、こんな配役にしてしまった)

アルミン「ミカサ…ごめん」

ミカサ「…どうして、アルミンが謝るの…?」ウルウル

アルミン「ううん…あのね、ミカサ。ミカサは本当は、エレンの相手役が良かったかも知れない」

ミカサ「…」グスッ

アルミン「でも……今の君の相手役は、僕だ」ジッ

ミカサ「…?」

アルミン「だから、今は僕を見ていてほしい」

ミカサ「!!」

ミカサ「……分かった、そうしよう」

アルミン(良かった…)ホッ

ミカサ「…アルミン」

アルミン「? 何?」

ミカサ「…何でもない。早く、ミーナのところに行こう」

~数日後~

ミーナ「今日は、見せ場である舞踏会のシーンの、社交ダンスを練習してもらうね」

アルミン「? ダンスの練習なのに、僕たちだけでいいの?」

ミーナ「うん。他のみんなは踊る時間も短いし、形だけでいいから、とりあえず主役の二人にマスターして貰おうと思って」

ミカサ「分かった」

ミーナ「じゃあ、ダンス部の部室にいってもらえる?話は通してあるから!」

お昼ご飯してきます

ちょっとごたごたしてるので、間が空くかも知れませんが、1レスずつでも投下していきます。

アルミン「社交ダンス、か…今更だけど、僕に出来るのかなぁ……」

ミカサ「アルミンなら大丈夫。やればできる」

アルミン「……そう、かな」

ミカサ「そう。それに、もし上手くいかなくても、私がリードするので問題ない」

アルミン「ミカサ…」

アルミン(なんか格好いいんだよなぁ…。女の子なのに、僕なんか比べ物にならないくらい……)

~ダンス部部室~

アルミン「ここだね」

ミカサ「……」

アルミン「? どうしたの?」

ミカサ「いや…なんか、知ってる声が……」

ガチャ

ライナー「よう。来たな、二人とも」

アルミン「ライナー!」

ミカサ「…どうしてあなたがここに?」

ライナー「おいおい…その反応は、もしかして知らないのか?」

アルミン「何を…?」

ライナー「俺、ダンス部なんだぜ」

ミカアル「!!」

ライナー「本当かよ……」

アルミン「あ、あの、ライナー…ごめんね?その…イメージじゃなくて……」アタフタ

ミカサ「…ごめんなさい」シュン

ライナー「いや、本気で謝らないでくれ」

ライナー(余計傷つく…)

ライナー「まあ…入れよ」

ミカアル「失礼します」

ペトラ「こんにちは」

アルミン「こんにちは…ライナー、この人は?」

ライナー「紹介しよう。今回、俺と一緒にお前たちにダンスを教えてくれる、ペトラ先輩だ」

ペトラ「よろしくね」

ミカアル「よろしくお願いします」

ペトラ「あれ?あなた……」

ミカサ「…?」

ペトラ「あなた、陸上部のミカサ・アッカーマン?」

ミカサ「はい」

ペトラ「そう!オルオが言ってたわ。すごい新人が入ってきたって」

ミカサ「オルオ先輩が…」

ミカサ(……誰だっけ)

ペトラ「今日は部活はないの?」

ミカサ「……休みを貰いました」

ペトラ「そう」

ライナー「先輩、そろそろいいですか?」

ペトラ「あ、そうね。始めましょう」

ライナー「じゃ、まず俺と先輩が手本を見せるから、ミカサとアルミンはそれを真似してみてくれ」

ミカアル「分かった」

ペトラ「じゃあまず、向かい合って立ってくれる?」

ミカサ「アルミン、こっち」

アルミン「うん」

ペトラ「じゃあ、まずミカサが右腕を伸ばして、アルミンが左腕……え?なに、ライナー…逆?」

アルミン「……」

ペトラ「あ、あ!そっか、ミカサが王子様でアルミンが……」

アルミン「……」

ペトラ「ごめんね二人とも、ミカサは左腕を伸ばして、アルミンが右腕を……」

アルミン(当たり前のようにシンデレラ役だと思われていないことを喜ぶべきか?)

ペトラ「じゃ、そのまま手を繋いで」

ミカサ「はい」ギュ

アルミン「!」ドキッ

アルミン(と、当然と言えば当然の事だけど、ダンスって結構密着するんだよね…)

アルミン(……今まで、女の子とこんなに引っ付いたこと無かったかも……)

アルミン(女の子だけじゃない。エレンとだって、ここまで近かった事なんか……)

ペトラ「そう!そのままミカサが腰に手を回して……アルミンは肩に手を添えて?」

ミカサ「…アルミン、もう少し近づいて。腰に手を回せない」

アルミン「う、うん…」

ミカサ「……」グイッ

アルミン「……!///」

~数十分後~

ペトラ「よし!基本の動きはこれでOKよ」

ライナー「二人とも、初めてにしてはよく出来てたぞ」グッ

アルミン「そ、そうかな…」

ミカサ「そう。アルミン、よく頑張ってた」

アルミン「ありがとう…///」

アルミン(……なんか、ミカサを直視出来ない)

ミカサ「…?」

ペトラ「じゃあ、次は二組に分かれて…」

ミカサ「ちょっと待って!……アルミン、顔が赤い。大丈夫?」

アルミン「!?…そ、そんなことないよ!!!///」カアァッ

ミカサ(益々赤くなった…)

ライナー「ちょっと休憩するか?」

アルミン「ううん!大丈夫!!///」

ミカサ「そう……」

~翌日~

エレン「アルミン!」タタッ

アルミン「あ、エレン。おはよう」

エレン「おはよう」

アルミン「ミカサは……一緒じゃないの?」

エレン「今日は朝練だとよ」

アルミン「そっか……」

アルミン(ほっとしたような、残念なような……)

アルミン(って、僕は何を考えているんだ!?)

アルミン(……昨日から、僕は少しおかしい)

アルミン(ミカサと別れ、家に帰った後も、何故かふとしたときに、ミカサの顔が浮かんでくる)

アルミン(台本を開いてもそう)

アルミン(僕がこの台詞を言えば、ミカサがこの台詞を言って……)

アルミン(イメージトレーニングは大事だけど、問題はイメージをした時の僕だ)

アルミン(……もしかして僕は、ミカサの事を)

エレン「アルミン?」

アルミン「!」

エレン「どうした、急に黙りこんで」

アルミン「あ、いや、何でもない」

アルミン(……違う。僕はそんなんじゃない。
仮にそうだとして、ミカサにはエレンがいるじゃないか)

エレン「……ミカサがいなくて寂しいのか?」

アルミン「えっ!?」

エレン「お前ら最近仲いーよなー
ミカサもさ、口を開けばアルミンの事ばっかりだぜ?」

アルミン「そ、そうなの…?」

アルミン(嘘、ミカサはエレンの事ばっかりだよ)

エレン「そうだよ。昨日も帰ってきたと思ったらさ」

エレン『アルミンにはダンスの才能がある』キリッ

エレン「だってさ」

アルミン「それは……もしかして、ミカサの真似なの……?」

エレン「ああ」

アルミン(似てない……)

ミカサ「おはよう二人とも」

アルミン「! お、おはよう」

エレン「おう。朝練終わったのか?」

ミカサ「終わった。……アルミン」

アルミン「なに?」

ミカサ「……ごめんなさい。しばらく、放課後は練習出来そうにない」

アルミン「どうして…?」

ミカサ「オレオ先輩に怒られてしまった。最近部活を休みすぎだと」

アルミン「そっか……」

ミカサ「本当にごめんなさい」シュン

アルミン「し、仕方ないよ!部活は大事だし……」

アルミン(……オルオ先輩じゃ無いのかな……)

アルミン「大丈夫だよ、一人でも練習出来るし、まだ本番は先だからね」

ミカサ「それはそう、だけど…」

アルミン「どうしても練習が足りないときは、休みの日にでもやればいいし…ね?」

ミカサ「……分かった」

~放課後~

エレン「アルミン、まだ帰らないのか?」

アルミン「うん。ミカサはいないけど、自主練習しなきゃね。
ミカサも部活が終わった後に、顔出すって言ってたし」

エレン「そっか」

アルミン「エレンは練習しなくていいの?」

エレン「それがなぁ……あれ、見ろよ」

ユミル「ほら、クリスタ。次は左足だぞ」

クリスタ「あ、待ってユミル!えーと、左足の次は右足でいいのよね?」

ユミル「当たり前だろ」


アルミン「あー…」

エレン「せめて練習の間はクリスタと練習したいんだと。あいつも女パートなのにな?」

アルミン「ダンスは相手がいないと練習出来ないもんね」

エレン「そうなんだよ…」

アルミン「ユミルの相手役は?」

エレン「ベルトルトか?」

アルミン「二人で練習すれば…って、無理か」

エレン「両方男パートだからな」

エレン「あ」

アルミン「なに?」

エレン「俺とアルミンが組めばいいじゃん」

アルミン「あ、そっか」

エレン「よしっ!練習しようぜ!」

ミカサ(大分遅くなってしまった)タッタッ

ミカサ(…アルミンはまだ残って練習しているだろうか)タッタッ

ミカサ(あ…明かりがついている……)タッタッ

ミカサ(アルミン――)

アルミン「え?次は右足でしょ?」

ミカサ(……?)コソッ

エレン「ん?だからアルミンが右足で、俺が左足じゃないのか?」

アルミン「えっ、違うよ。ほらここ…」

エレン「あ、わりぃ。1つステップ飛ばしてた。
……ダンスは苦手なんだよなぁ」

アルミン「エレンって運動神経はいいのにね。ふふっ」

エレン「……笑うなよ」ムッ

アルミン「ごめんごめん!」クスクス

エレン「まだわらってるじゃねえか!……プッ、ははっ!」

ミカサ(……)

ミカサ(…アルミンもエレンも楽しそう)

ミカサ(アルミン…すごく笑ってる。私の時と違って、あんなにエレンに引っ付いて)

ミカサ(……)

ガラッ

エレン「あ、ミカサ」

アルミン「! ミ、ミカサ!お疲れさま///」

ミカサ(アルミン……また顔が赤い)

ミカサ(あなたは、どうしてそんな表情をしているの…?)

ミカサ「別に…疲れてはいない」

アルミン「!」

エレン「? ミカサ、なんか怒ってんのか」

アルミン(あ…)

ミカサ「……? 私はいつも通り」

アルミン(もしかして…)

エレン「いや、今の言い方はちょっとおかしいだろ」

ミカサ「そんなことはない。……エレン、もう遅い。帰ろう」グイッ

エレン「いや、ちょっとお前…待てよ!」

エレン「お前…アルミンに謝れよ」

ミカサ「……」

アルミン(やっぱり…!)

エレン「アルミンはなぁ、お前を待って、こんなに遅くまで――」

アルミン「いいよ、エレン」

エレン「アルミン……?」

アルミン「いいから……ほら、早く帰らないと」

ミカサ「……」

アルミン(やっぱり、僕は…)

アルミン(ミカサに、嫉妬されているんだ……)

とりあえず今日はここまでです!

平日はどれくらい更新出来るか分かりませんが、
少しずつでも進めていきます

乙ありがとうございます!
ちょっと再開

パタン

エレン「……追い出されちまった」

ミカサ「……」

エレン「なあミカサ、何があったんだよ」

ミカサ「……」

エレン「お前は、何もないのにアルミンにあんな態度とったりしないだろ?」

ミカサ「……私は」

ミカサ「…私は、王子様役をやるべきでは無かったのかも知れない」

パタン

アルミン「……」

アルミン(……僕は何をやってるんだろう)

アルミン(少し考えれば分かることだ。
ミカサにとって、僕だって充分嫉妬の対象になり得るって事が)

アルミン(大体、それが原因で今の配役になってるって言うのに)

アルミン(……怒らせちゃったな)

アルミン(エレンに叶うわけなんか無いのに)

アルミン(最近、前よりもエレン抜きで一緒にいることが増えたから、勘違いしちゃった)

アルミン「……」

アルミン「…馬鹿だな、僕って」ボソッ

アルミン「……」

アルミン「…帰ろ」

エレン「何言ってんだよ」

ミカサ「アルミンは…きっと、そっちの方が良かった」グスッ

エレン「ミカサ……?」

ミカサ「私が我が儘なんか言わずに、エレンが王子様のままの方が…!」ポロポロ

エレン「!」

ミカサ「私なんかより、エレンとの方が息だって合うし、気を使わなくていいし、それに……」ポロポロ

ミカサ(何より…あんなに楽しそうに……)

エレン「ミカサ!」

ミカサ「」ビクッ

エレン「お前なあ…何言ってんだよ」ハァ

ミカサ「……?」

エレン「確かに、俺の方がアルミンとの付き合いは長いし、普段だって一緒にいる時間は長い」

ミカサ「……やっぱり」グスッ

エレン「でもな、あいつの相手役は、お前だろ?」

エレン「アルミンは、相手役がおまえだから頑張ってるんだぜ」

ミカサ「!」

エレン「部活で大変なお前の、せめて足だけでも引っ張らないように」

ミカサ(アルミン……本当に……?)

エレン「それをお前は…」

ミカサ「…エレン」

エレン「ん?」

ミカサ「私が悪かった」

エレン「……俺じゃなくてアルミンに言えよな」

ミカサ「分かってる。……ただ、もうアルミンと練習しないでほしい」

エレン「…お前、今の話聞いてたか?」

ミカサ「聞いていた」

エレン「じゃあ…」

ミカサ「アルミンとは私が練習する。…私が、アルミンの相手役なので」

エレン「……わかったよ。ほんと、最近ミカサはアルミンの事好きだよなぁ」

ミカサ「!……え、エレンの事も好きだから」

エレン「はいはい」

ミカサ(……でも、アルミンはエレンとはもっと別の……)

風呂です

~翌日、放課後~

アルミン「…」ハァ

アルミン(結局、今日はミカサと話せなかった…)

アルミン(……避けてたのは僕の方だけど)

エレン「アルミーン、今日はどうするんだ?」ヒョコッ

アルミン「あ、エレン。…今日は帰るよ。
…ミカサも、もう部活に行っちゃったみたいだし」

エレン「そっか…。じゃ、帰ろうぜ」

アルミン「うん」

ダダダダダダダ パアンッ

サシャ「パァン!」

クリスタ「」ビクッ

ユミル「やかましい」

コニー「おいお前ら、大変だ!」ハァハァ

エレン「なんだ?騒がしいな」

アルミン「何かあったの?」

コニー「ミカサが、グラウンドでおもしれぇことしてるぞ!」

エレアル「!!」

~グラウンド~

ミカサ「文化祭までの間、しばらく休ませてください」ペコリッ

キース「……アッカーマン。そんなことが許されると思っているのか?」

ミカサ「……お願いします」

オルオ「おい新人!ちょっと早く走れるからって調子にのってんじゃねえぞ…」

ミカサ「………お願いします」

キース「貴様は…練習の必要性が分かっていないようだな……?」

ミカサ「……それは、人は何ゆえ練習をするのか、という話でしょうか?」

キース「!」

オルオ「おいガキ!何を…」

ミカサ「私は…速い!ここにいる誰よりも速い」

ミカサ「……ので、練習をしなくてもスピードは落ちないと言うことを証明します。」

ミカサ「私はここ数日、ずっと練習に参加していませんでした」

ミカサ「確かに練習は大事。ですが、それは部活以外でも同じです」

ミカサ「私は…みんなと、文化祭の劇を成功させたい」

ミカサ「だから……もし、今から私が自己最高記録を更新することができたら、」

ミカサ「文化祭までの間、部活を休ませてください。お願いします」



アルミン「ミカサ……」

エレン「あいつ……先輩たちに向かってケンカ売ってるな……」

コニー「大丈夫なのか、あれ」

アルミン「……」

アルミン(ミカサ、どうして……)

アルミン(そんなにエレンが僕と練習するのが嫌だったの?)

中途半端だけど一時中断

オルオ「何ふざけたこと言って――」

キース「…良いだろう」

オルオ「んだ!?」

ミカサ「! ありがとうございます」

キース「スタート位置につけ」

ミカサ「はい!」

ミカサ(アルミン)

ミカサ(結局昨日のことを謝れていない)

ミカサ(……)

ミカサ(…できる、出来ないじゃない)

キース「位置について」

ミカサ「……」スッ

コニー「?表情が変わったな」

アルミン「……エレンが見てるからじゃない?」

エレン「は?何言ってんだよ。あれはさ、」

アルミン「?」


キース「よーい」


エレン「アルミンのためだろ?」



ミカサ(私は、やる!)

パァンッ

サシャ「パァン!」

クリスタ「」ビクッ

ユミル「またかよ…」

クリスタ「びっくりしたぁ」

サシャ「すみません…つい」エヘッ

クリスタ「二人は、グラウンドに行かなくて良かったの?」

ユミル「ミカサか?別にいいよ。野次馬じゃねえんだ」

サシャ「本当は少し気になりますけどね。でも……」

ユミル「頑張ってるクリスタを置いていけねえよ」

サシャ「そう言うことです」

クリスタ「二人とも……」

ユミル「にしても、よくそんな面倒くさいこと引き受けるよな」

クリスタ「小物作りのこと?いいの、好きだから」

サシャ「クリスタは器用ですねー」

クリスタ「そうかな…ね、これ。アルミンに似合うと思わない?」

サシャ「可愛いですね、髪飾りですか?」

クリスタ「そうっ!」

ユミル「クリスタの方が似合うだろ」

クリスタ「ユミルったら」

ユミル「でもまあ…何でクリスタが小物作りやらメイクやらを引き受けているのか分かったよ」

クリスタ「!」

サシャ「なんでです?」

ユミル「アルミンをきせかえ人形にしたいのさ」

クリスタ「ユミル!」

ユミル「ちょっと違うか。
……まあ、何だ。妹ができた感じってところかな?男だけど」

クリスタ「むぅ…」

サシャ「へー図星何ですねー」

ユミル「もう一人似たようなのがいるが」



アニ「……ねえミーナ、この台詞は…その、本当に必要なのかい…?」

ミーナ「当然よ!アルミンを変身させるための、だーいじな呪文だからね!
さ、言ってみようか!」

アニ「……『ミラクルミラクルミラクルルン♪魔法の力で、カボチャよ馬車になーあれ!』」

パァンッ

ミカサ「…」ダッ

オルオ「!?」

コニー「はえぇ!」

エレン「いけ!ミカサ!」

キース「……」

アルミン(ミカサ!)ギュッ

ピッ

キース「……記録は?」

コニー「」ワクワク

エレン「」ドキドキ

アルミン「」ハラハラ

記録係のリコさん「…アッカーマンの……最高記録と、同じです」

ミカサ「…っ!!」

オルオ「なっ!?」

コニー「ど、どうなるんだ!?」

エレン「……駄目、だろうな。条件は、記録を更新することだ」ハァ…

アルミン「……」


キース「アッカーマン……」

ミカサ「…はい」

キース「貴様は、記録を更新すると言ったな」

ミカサ「はい」

キース「が、結果はどうだ?」

ミカサ「……すみませんでした」

キース「先輩にケンカまで売っておいて」

ミカサ「……罰は覚悟しています」

キース「良いだろう……校庭20周だ」

キース「それから……」

ミカサ「…? はい」

キース「罰として、文化祭終了まで、部活は禁止だ。頭を冷やせ」

ミカサ「! は、はい!」

コニー「あー、終わった終わった。良かったな、アルミン」

アルミン「う、うん!」

エレン「さてと。この後どうするんだ?」

アルミン「僕は…ミカサが終わるまで、もうちょっと待ってるよ」

エレン「わかった。俺は教室に戻ってるな」ポン

アルミン「うん。あの…エレン」

エレン「ん?」

アルミン「ありがと、ね」

エレン「…はは、なにがだよ。…じゃ、後でな」

アルミン(エレンが教えてくれなきゃ、きっと僕は気づけなかった)

ミカサ「アルミン…?」

アルミン「あ!ミカサ、これ……」つタオル

ミカサ「ありがとう」

アルミン「ミカサ、あの…その……」ソワソワ

ミカサ「……?」

アルミン「えっと、」

ミカサ「! アルミン、」

アルミン「な、何?」

ミカサ「……少し、疲れた」

アルミン「! お、お疲れさま!」

ミカサ「……ふふっ」

アルミン(わ、わらった!)ドキッ

ミカサ「疲れた」

アルミン「うん…お疲れさま」

ミカサ「つーかーれーたー」

アルミン「お疲れさまってば…」

アルミン(……嘘つき)

アルミン(あれだけ走って、汗一つかいてないじゃないか)

ミカサ「……アルミン」

アルミン「なに?」

ミカサ「昨日は…悪かった」

アルミン「あ…」

アルミン(そんなの……今のやり取りだけで、全然良かったのに)

ミカサ「私は多分、冷静じゃ無かった」

アルミン(……どういう、意味だろう)

アルミン(やっぱり、嫉妬されてたのかな……)

ミカサ「アルミン、お願いがある」

アルミン「え…?」

ミカサ「アルミンは、私の相手役はアルミンだから、自分の事を見ていろといった」

アルミン「う、うん…」

アルミン(そう言えばそんなことあったな…)

ミカサ「……アルミンも、私が相手役なのだから、私だけを見ていてほしい」

アルミン「え…?」

アルミン「……」

アルミン「………え!!!???」

アルミン「み、みみみ、ミカサ!!?///」

ミカサ「……だめ?」

アルミン「だめっ!」

ミカサ「!」

アルミン「あっ、ちがっ、だだだ、だめじゃなくてっ!!」

ミカサ「アルミン、落ち着いて」

アルミン(誰のせいだよお!!)

アルミン「……い、いいよ」

ミカサ「本当?」

アルミン「本当…ミカサだけ、見てる」

ミカサ「……嬉しい」

アルミン「…っ///」

アルミン(かわいい…)

アルミン(ああ、僕って、ミカサの事が好きだったんだ)

今日はここまで!

コメント、支援くれた人ありがとうございました!

乙ありですー


アニ「……ミラクルミラクル……」ブツブツ

マルコ「サシャ足踏んでるじゃん」

サシャ「あ!ごめんなさいマルコ!!」

ジャン「なあ…本当にこの着ぐるみを着るのか?」

ミーナ「当然!」


アルミン「みんな頑張ってるね」

ミカサ「劇まであと二週間。当然気合いも入る」

アルミン「さてと…僕たちもいい加減、この台本を読み込まないとなあ」ハァ…

ドーン

ミカサ「……頑張ろう」

エレン「まだ全部読んでないのか?」

アルミン「……台詞は覚えたんだけど、ね」

エレン「?」

アルミン「それよりエレン」

エレン「何だ?」

アルミン「ダンスの練習は――」



ユミル「ほーらクリスタ、ターンして!」

クリスタ「もうユミル!いい加減ベルトルトと練習してあげてよ!」

ベルトルト「遠慮します」

クリスタ「私もそろそろエレンと練習しなきゃ!」

ユミル「ほっとけ」



アルミン「……出来そうに無いね」

酉忘れてた

エレン「ああ…この前アルミンとして以来だな」

アルミン「えっ、大丈夫なの?」

エレン「何とかなるだろ。脇で適当にやってれば……」

ミカサ「エレン」

エレン「目立たないだろ……何だ、ミカサ」

ミカサ「アルミンと練習すればいい」

アルミン「!」

エレン「……いいのか?」

ミカサ「構わない。練習は大事」

エレン「ふーん…余裕だな」

ミカサ「……ふふ」

アルミン「………?」

エレン「じゃあ頼むな、アルミン」

アルミン「う、うん」

アルミン(ミカサ…どうしたんだろ)

ミカサ「では私は用事があるので、行ってくる」

エレン「おう」

アルミン「あ…いってらっしゃい」

エレン「……さてと」

フランツ「ハンナ…」キラキラ

ハンナ「フランツ…」キラキラ

マルコ「また足踏んでるじゃん」

サシャ「ごめんなさい!」モグモグ

ジャン「芋食ってんなよ」

ユミル「ほーれ」

クリスタ「めがまわる~」クルクル

ライナー「結婚しよ」



エレン「……ここじゃ練習出来ねえな。空き教室行こうぜ」

~空き教室~

アルミン「ここが使えそうだね」

エレン「ああ。…よいしょ」トン

アルミン「プレーヤー?どうしたの、それ」

エレン「借りてきた。舞踏会の音楽流そうぜ!」

アルミン「曲決まったんだ」

エレン「昨日決まったばっかだってさ」

お風呂です

アルミン「ステップは覚えた?」

エレン「あー…まあ、何となくは」

アルミン「そう。じゃ、始めよっか」


~♪

アルミン(右、左、右……)

アルミン(……何だ、ちゃんと覚えてるじゃん)

アルミン「エレン、本当に練習してないの?」

エレン「ん?ああ。相手がいないからな。……一人では、やってたけど」

アルミン「やっぱり」

エレン「分かるのか?」

アルミン「うん。凄く上達してる」

エレン「そりゃ良かった」

アルミン「……いい曲だね」

エレン「だな」

アルミン「誰の選曲?」

エレン「ダンス部のペトラさんらしいぜ」

アルミン「そうなんだ。このダンスに凄くあってる」

エレン「……」

アルミン「……」

エレン「……最近、ミカサとはどうだ?」

アルミン「……うまくやってるよ。お陰様で」

エレン「そっか…」

アルミン「うん」

アルミン(……エレン、なんかいつもと違うような気がする)

エレン「……」

アルミン「……」

アルミン(……何かあったのかな)

アルミン「……ねえ――」

エレン「アルミン」ギュッ

アルミン「!」

アルミン「エレン?」

エレン「……」

アルミン「どうしたの?」

エレン「もし、ミカサとアルミンが特別な関係になっても」

アルミン「!」

エレン「俺たちの関係は、変わらないよな…?」

アルミン「……僕とミカサは、そんなんじゃないよ」

エレン「……もし、って言ってるだろ」

アルミン「……そんなの、決まってるじゃないか」

アルミン「僕がもし、万が一にでもミカサと――」

アルミン「――ミカサだけじゃない。もし、誰か特別に大事な人が出来たとしても」

アルミン「僕達が親友な事に変わりはない。当たり前じゃないか」

アルミン「ミカサだって…きっと、エレンを一番大事に思ってるよ」

エレン「……そっか。そうだよな」

エレン「悪いな。変なこと聞いちまって」

アルミン「ううん」

アルミン(……何か変な感じだな)

アルミン(その心配をしていたのは、この前まで僕の方だったのに)

アルミン「さ、練習を再開しよう」

エレン「んー…まだいいんじゃ無いか?」

アルミン「しょうがないなぁ…」

アルミン(つまり目的は、練習じゃ無くてこの話だったわけか)

エレン「……アルミン」

アルミン「なに?」

エレン「ミカサのこと…頼むな」

アルミン「…だから、僕とミカサはそんなんじゃ無いって」

エレン「いいから聞けよ」

エレン「あいつはああ見えて、寂しがりやだし、嫉妬深いと思う」

エレン「あいつを心配させたり、悲しませたりしないでやってほしい」

アルミン「エレン……」

アルミン「何て言うか……君がそれを言う?」

エレン「? どういう意味だ?」

アルミン「分からないならいいよ」

アルミン(エレン…ちゃんとミカサのこと分かってたんだなぁ……)

アルミン(……もしかして、エレンは)

アルミン「……ねえエレン」

エレン「んー?」

アルミン「エレンはさ、もしかしてミカサのこと――」

ガラッ

エレン「!」パッ

アルミン「! み、ミカサ!」

ミカサ「……」

アルミン(み、見られた!?)

ミカサ「……アルミン、ミーナが呼んでいた」

アルミン「ミーナが…」

アルミン(怒って…ない、のか……?)

ミカサ「そう。ミーナが」

アルミン「分かった。ちょっと行ってくるね」

エレン「ああ」

パタン


ミカサ「……エレン」

エレン「何だ?」

ミカサ「……私のことも、抱き締めるといい」

エレン「! ……見てたのか」

ミカサ「さあ」

エレン「……いや、いいって」

ミカサ「エレン、聞いてほしい」

エレン「なんだよ」

ミカサ「私は、多分…アルミンが、特別に好きなんだと思う」

エレン「……知ってるよ」

ミカサ「でも、エレンの事も大好き」

エレン「!」

ミカサ「エレンは、私の大切な家族」

ミカサ「両親を失った私の、新しい家族になってくれた、大事な人」

ミカサ「おじさんの事も、おばさんの事も、ずっと大好き」

ミカサ「だから……心配しなくていい」

エレン「……ったく、しかたねえな」ギュッ

エレン「ほら、これで満足か?」

ミカサ「……ふふっ」ギュッ

エレン「……」

ミカサ「エレン…応援、してくれる?」

エレン「……当たり前だろ」

アルミン「ミーナ?」


ベルトルト「僕はちょっと空気と同化するのが得意なだけ」

ライナー「何言ってんだこいつ」

マルコ「サシャ……」

サシャ「……」モグモグハフッムシャッ

ジャン「マルコの足が……」

ユミル「ほーれ」クルクル

クリスタ「」クルクル

アニ「ミラクルルン……?」ブツブツ


アルミン(……あれ、いない?)

アルミン(戻ってミカサに聞くか)

アルミン(ミカサ……怒って、無かったよね?)


カラ…

アルミン「…っ!」

アルミン(何だ?エレンとミカサが……あんなに近くに……)

アルミン「あ……」

ミーナ「あ!アルミンいたいた!」タッタッ

アルミン「! 静かにして!」

ミーナ「? 教室に何かあるの?」

アルミン「何もないよ!あっちで話そう」グイグイ

ミーナ「え、うん…」


アルミン(ばかばかばかばかばか!)

アルミン(エレンのばか!)

アルミン(なーにが、アルミンとミカサが特別な関係になっても、だ!)

アルミン(フラグがたっているのは君じゃないか!)

アルミン(ミカサのばか!)

アルミン(何が、アルミンだけ見てる、だ!)

アルミン(君の目にはいつだってエレンしか写ってないじゃないか!)

アルミン(ばかばか……)

アルミン「……」ジワッ

アルミン「……」グイッ

アルミン(僕の、ばか……)

ミーナ「で、このシーンの事なんだけど――」

アルミン「……」

ミーナ「多分非難が来ると思ったから先に言っておくね」

アルミン「……」

ミーナ「私なりの考えがあって、あえてこのシーンを用意したわけで――」

アルミン「……」

ミーナ「だからできるだけ再現してほしいんだよねー」

アルミン「……」

ミーナ「……」

アルミン「……」

ミーナ「……聞いてる?」

アルミン「え…?」

ミーナ「……問題ないよね?」

アルミン「あ、う、うん…?」

ミーナ「よし!じゃ、ミカサのことも説得しておいてね」

アルミン「うん…?」

アルミン(ミカサ、か……)ハァ

今日はここまでです

支援ありがとうございました


ガラッ

ミカサ「アルミン」

アルミン「! ミカサ…」

ミカサ「話は終わった?」

ミーナ「終わったよ!じゃ、私はいくね…アルミン、よろしくね」

ミカサ「?」

アルミン「うん…」

アルミン(……なんの話だっけ)

ミカサ「……アルミン?」

アルミン「あ……エレンはどうしたの?」

ミカサ「もう帰った」

アルミン「そう……」

アルミン(……一緒に帰らなくていいの、なんて、聞けないや)

ミカサ「さあ、私達は練習を続けよう」

アルミン「……」

ミカサ「アルミン…?」

アルミン「……」

ミカサ「……顔色が良くない。何かあったの?」

アルミン「……ミカサ、」

ミカサ「?」

アルミン「……っ、ごめん。ちょっと気分が良くなくて。今日はもう帰るね」

ミカサ「! 大丈夫!?」

アルミン「大丈夫だよ」

ミカサ「家まで送って――」

アルミン「大丈夫だから」ニコッ

ミカサ「……分かった」

アルミン「じゃあ……また明日」

ミカサ「うん…」

ガラガラ、パタン

ミカサ(アルミン……無理して、笑ってた……?)

アルミン「はぁ……」

アルミン「……ほんと、ばかだな」ボソッ


アルミン(……エレンと帰らなくていいの?)

アルミン(さっき、あの部屋で何してたの?)

アルミン(僕だけ見てるんじゃ無かったの?)



アルミン(やっぱり……エレンの事が好きなの?)

~♪

アルミン「……」

アルミン「……?」モゾ

アルミン「……ん…」ムクリ

アルミン(……真っ暗……)

アルミン(……そっか…帰ってからすぐ寝ちゃったんだ…)

アルミン「……」

アルミン「……携帯」

アルミン(メール……)ピッ

アルミン(………エレン)

『体調悪いんだって?大丈夫か?』

アルミン(ミカサに聞いたのか……)

アルミン「……」ピッピッ

『大丈夫だよ。心配かけてごめんね』

アルミン(送信……)

アルミン「……」

~♪

『良かった。無理するなよ』

アルミン「……」

『大したことないから。ありがとう』

アルミン「……」


アルミン「……僕って嫌なやつだな」

アルミン(エレンだって心配してくれてるだけなのに)

アルミン(こんなメールひとつで、二人の関係を思って嫉妬してしまう)

~翌日~

アルミン(……なんだ)

アルミン(普通に振る舞えるじゃないか)

エレン「おーいアルミン、ミーナが集合しろってさー」

アルミン「わかったー、今行くー」

アルミン「行こっか、ミカサ」

ミカサ「……うん」

アルミン(エレンとミカサもいつも通り)

ミカサ「……」

エレン「ミカサも早くしろよ」

ミカサ「分かってる」

アルミン(……大丈夫。全部終わったら、ちゃんと祝福するから)

アルミン(今は、何も知らないふりをしてよう)

ミカサ「………」

ミーナ「よし、みんな集まったね」

ジャン「何が始まるんだ?」

ミーナ「もう二週間前だから、もうそろそろ全体練習を始めないと」

ジャン「……めんどくせぇなあ」

マルコ「ジャンは馬の役だから練習しなくてもいいじゃん」

ジャン「」

アニ(あの台詞を…言うのか?みんなの前で!?)

ミーナ「じゃ、始めるよー」

~一時間後~

ミーナ「……」

一同「」

ミーナ「……あのさあ」

一同「」

ミーナ「もしかして、誰も、あの台本を全部読んでないの?」

一同「」

ミーナ「アルミンも?」

アルミン「……う、ご、ごめん……」

ミカサ「アルミンは悪くない」

アルミン「ミカサ……」

ミカサ「ミーナの台本は少しくどい。あれを読み込むのはアルミンでも無理」

ミーナ「」

ミカサ「アルミンを怒るのは筋違い」

ミーナ「」

アルミン「ミカサ、」

ミカサ「人を責める前に、一度、客観的に自分の書いた台本を読み返すべき」

ミーナ「」

アルミン「ミカサってば」

ミカサ「大体この台本は――」

アルミン「ミカサ!」

ミカサ「!」

アルミン「言い過ぎだよ!」

ミカサ「!」

アルミン「ミーナ…大丈夫?」

ミーナ「……あ、えーと…」

ミカサ「……」

ミーナ「……うん。何て言うか…ごめんね。確かに台本は自己満足な部分が多かったかも」

ミーナ「みんな…ごめんなさい」

一同「いいよー」

ミーナ「ミカサも…ごめんね」

ミーナ「一番負担が大きいのは、アルミンとミカサだもんね」

ミカサ「……私こそ…ごめんなさい。少し言い過ぎた」

ミーナ「じゃ、今日はここまでにしよっか」

ミーナ「台本は…今更作り直せないから、悪いけど…細かい指定は無視して、台詞と行動だけ覚えてくれるかな?」

一同「りょーかーい」

ミーナ「ありがとう!じゃ、また明日の放課後に」



エレン「さてと…俺は帰るけど」

アルミン「……僕はちょっと残るよ」

ミカサ「じゃあ私も……」

アルミン「ミカサはエレンと帰ったら?」

ミカサ「!……っ、分かった、そうする」

エレン「……今日のアルミン、なんか変だったな」

ミカサ「エレンも…そう思う?」

エレン「ああ…」

ミカサ(アルミン……)

ミカサ(なんだか、私に冷たかった?)

ミカサ(……すこしだけ、心が通ったと思ったのに)

ミカサ(私は……どうすれば……)

今日はここまでです!
支援ありがとうございました!

乙、コメありがとう。
再開。

アルミン「……」トボトボ

「……」ブツブツ

アルミン「……?」

「ん…?このタイミングで登場したらいいのか……?」

アルミン(教室から声が……だれかのこってるのかな)


ガラッ


ジャン「!」

ジャン「……アルミンかよ。おどろかせやがって……」

アルミン「ジャン……練習、してたの?」

ジャン「別に……」

アルミン「台本」

ジャン「……チッ、みんな盛り上がってるのに、俺が失敗したら叩かれっだろ」

アルミン「ジャンはいい人だね」

ジャン「はぁ?」

ジャン「別にそんなんじゃねえよ。失敗して、責められんのがいやなだけだ」

アルミン「皆のためじゃなく、自分のためってこと?」

ジャン「まあ……そんなとこだ」

アルミン「……」

ジャン「……」

アルミン「……本当は、」

アルミン「ミカサのためなんじゃないの?」

ジャン「!!」

アルミン「……あのね、話しておきたいことがあるんだ」

ジャン「……なんだよ」

アルミン「僕、ミカサのことが、好きなんだ」

ジャン「!?」

ジャン「え!?は、おま……え!!?」

アルミン「ジャンもそうなんでしょ?」

ジャン「お、おおお、おれは別に……!」

アルミン「今更隠さないでよ。ばればれなんだから」

ジャン「」

アルミン「ミカサは知らないみたいだけど」

アルミン「……ミカサはきっと、誰から寄せられる好意にも気づかないだろうね」

アルミン「彼女の眼にはずっと、エレンしか映ってないんだから」

アルミン「ジャンもそれはわかってるんでしょう?」

アルミン「この思いが叶わないものなんだって」

ジャン「……」

アルミン「僕は、君を見ていつも思っていた」

アルミン「誰が見ても、どう考えても不毛な恋なのに、どうして諦めようとしないのか」

アルミン「どうしてああも突っかかっていくのか」

アルミン「いい加減諦めればいいのに」

アルミン「諦めが悪いなぁ」

アルミン「ばかだなぁって」

ジャン「……おい」

アルミン「ごめんね。でも、本当にそう思ってたんだ」

アルミン「……つい、数週間前までは」

ジャン「アルミン……」

アルミン「……僕は、知らなかったんだ。子供だったんだよ」

アルミン「知らなかった……この気持ちが……こんなに残酷なんだってことを」

アルミン「諦めたくても諦められるようなものじゃないんだね」

アルミン「諦めたとしても、忘れられるようなものじゃないんだね」

アルミン「仲のいい二人を見ているのは……こんなにも、辛いものなんだね」

アルミン「だから……ごめんね、ジャン」

ジャン「……お前……それがいいたかったのか?」

アルミン「いや……違う、かな。ジャンに謝りたかったわけじゃないんだ」

ジャン「……それはそれでどうかと思うぞ」

アルミン「ごめん……でも、ジャンに謝るのなら、ミカサにも謝らないとなぁ」

ジャン「?」

アルミン「少し前まで僕はね、ミカサがエレンと仲がいい女友達に嫉妬するたびに、呆れてたんだよ」

アルミン「またか、ってね」

アルミン「あのころのエレンはそもそも恋愛に興味がなさそうだったし」

アルミン「ジャンと同じで、ミカサも諦めればいいのにって」

アルミン「いや……望みはあるんだから諦めなくてもいいけど、いちいち嫉妬して僕を巻き込まないでほしい」

アルミン「そう思ってたんだ」

ジャン「意外だな」

アルミン「そうかな……」

ジャン「ああ。お前はむしろ、二人の仲を応援しているんだとばかり」

ジャン(だから邪魔だと思ってたんだが)

アルミン「そうかもね。うん、そうだったと思うよ」

アルミン「でも、今は……」

アルミン「………」

ジャン「……?」


アルミン「……あのころに、戻れたらいいのになぁ」

ジャン「……年寄みたいなこといってんじゃねえよ」

アルミン「うん……」

ジャン「……」

アルミン「……」

ジャン「……」

アルミン「……エレンとミカサは、お似合いだよね」

ジャン「……それを俺に聞くのか?」

アルミン「ごめんね。でも……僕は、そう思うんだ」

ジャン「……そうかよ」

アルミン「だから、ジャンには悪いけど……」

ジャン「なんだよ」

アルミン「僕は、二人を祝福する」

ジャン「……まてよ、それじゃあまるで――」

アルミン「遅かれ早かれ、いずれこうなったんだ」

アルミン「……ふたりが手を取り合って、僕はそれを見ている」

アルミン「悪くないと思うよ」

アルミン「だって、ぼくは……」ジワッ

ジャン「!」

アルミン「二人に、幸せになって――」ポロポロ

ジャン「お前……!」

アルミン「ごめん、ごめんね……」グスグス

ジャン「……ったく、女々しい奴だな」

アルミン「うん……ごめんね」ゴシゴシ

ジャン「お前の言いたいことはわかった」

ジャン「つまり、ミカサのことが好きだけど、幸せになってほしいから身を引くと」

アルミン「うん……」

ジャン「はっ!どうしようもねえお人よしだな」

ジャン「で、なんでそれを俺に話すんだ?まさか、俺にも二人を祝福しろ、なんて言うつもりじゃないだろうな?」

ジャン「言っとくが、そんなのはごめんだぜ」

アルミン「……どうだろうね。でも、そうなったら嬉しいかな」

ジャン「おい」

アルミン「もちろん強要なんかしないよ」

ジャン「あたりまえだ」

アルミン「……誰かに聞いてほしかっただけ、なのかなぁ」

ジャン「なるほど。俺はまんまと利用されたわけだ」

アルミン「……ごめん」

ジャン「今日はえらく謝るな。らしくねえだろ、最近変だしよ」

アルミン「気づいてたの……?」

ジャン「ミカサを見てたら目に入るんだよ」

ジャン(まったくうらやましい)

ジャン「ミカサも最近変だったしな」

アルミン「そっか……ジャンが気付くのなら、やっぱり僕はへんだったんだね」

ジャン「どういう意味だ」

アルミン「深い意味はないよ。ただ君は、ミカサしか見てなさそうだったから」

ジャン「……」

アルミン「うん。僕は、明日からいつも通りの僕に戻るよ」

ジャン「……そーかよ」

アルミン「うん。ありがと、ジャン」

ジャン「俺は別に」

アルミン「僕に利用されてくれて」

ジャン「」

アルミン「……もうこんな時間か。じゃ、僕は帰るね」


カラカラ、パタン


ジャン「……さっそく戻ってんじゃねえか」

一旦切ります。
続きは、書けたら夜にまた来ます。

支援ありがとうございました

乙ありですー
ちょっとだけ再開


~翌日~

エレン「……よ、アルミン」

アルミン「あ、おはようエレン」ニコッ

エレン「お!」

アルミン「?どうしたの?」

エレン(アルミン……なんか、いつも通りに戻ったみたいだな)

エレン「……なんでもねえよ!」ニッ

アルミン「そう?」

アルミン(……もしかして、エレンも心配してくれてたのかな)

アルミン(……エレンはかっこいいな)

アルミン(優しいし、気も使える)

アルミン(ミカサが好きになるのも、頷ける)

アルミン(……)

アルミン(…大丈夫。僕はちゃんと二人を祝福できるぞ!)


ミカサ「……おはよう」

アルミン「!」

ミカサ「……」

アルミン「あ…ミカサ、おはよう!」ニコッ

ミカサ「!お、おはようアルミン!」

アルミン「さっきも聞いたよ、ふふっ」

ミカサ「そ、そうだった!」

ミカサ(ああああ、アルミンがいつも通り)

ミカサ(いや、いつもよりかわいい///)

エレン「なんだ?今日のミカサはテンションが高いな」

ミカサ「そ、んなこと、ない」

エレン「そうか?……まあいいけど」

アルミン「はは、さ、一時限目が始まるよ」

エレン「一時限目は……数学か……」ハァ

ミカサ「エレンはもう少し頑張らないと、次の考査でまた赤点をとってしまう」

エレン「はいはい、わかってるよ」

ミカサ「いや、わかってない。この間も――」

アルミン「そこまで!」

ミカサ「!」

アルミン「ほらほら、先生来ちゃうよ!」

エレン「そうだそうだ、自分の席に戻れ!」

ミカサ「……わかった。そうしよう」

アルミン「エレンのことは僕に任せて、ね」

ミカサ「アルミンがそういうなら。エレン、居眠りしないでね」

エレン「へいへい」



アルミン(……よし、これでいいんだ)

アルミン(すごく簡単なことだった)

アルミン(前みたいに、いつも通り他愛のない話をして)

アルミン(三人で笑い合って)

アルミン(自分でも言ってたじゃないか)

アルミン(特別な人ができても、僕たちは変わらないって)

アルミン(ミカサもエレンも、そうだったってことだ)

アルミン(例え、二人きりでいるときに何をしようが)

アルミン(三人でいるときは、今まで通りでいいんだ)

~放課後~

ミーナ「じゃあ今日は、冒頭から、シンデレラが魔法にかけられるシーンまでをやるね」

ミーナ「アルミン、ユミル、サシャ、クリスタ、アニ、ジャンはここに残って」

ミーナ「それ以外の人は、また各々で自由に練習しててね」

一同「はーい」

ゾロゾロ…

アルミン「ミカサ!」

ミカサ「何?」

アルミン「これが終わったら、個人練習に付き合ってくれないかな」

ミカサ「!勿論!」

クリスタ「シンデレラ!掃除は終わったの?」

アルミン「は、はい!お姉さま!」

クリスタ(お、お姉さま……///)キュン

クリスタ「だ、だめじゃない!まだほこりが残ってるよ!?///)

ライナー「結婚しよ」


ミーナ「カットカット!」

ミーナ「クリスタ!何照れてるの!もっと意地悪にならないと!」

クリスタ「うう…ごめんなさい……」シュン

ミーナ「あとライナー!なんでここにいるの!」

ライナー「ごめんなさい……」シュン

サシャ「シンデレラ!ご飯はまだですか!?」

アルミン「お姉さま、ごめんなさい。今はお掃除を――」

サシャ「掃除なんていいんですよ!ご飯ですご飯!」

アルミン「で、でも――」

サシャ「ええいうるさい、シンデレラを食べちゃいますよ!?」

ミーナ「サシャ!!!」

サシャ「はひっ!」ビクッ

ミーナ「変なアドリブ入れない!」

サシャ「あう…ごめんなさい…」シュン

ユミル「明日、お城で舞踏会があるらしい」

クリスタ「本当ですか、お母様!?」

ユミル「本当さ、私の可愛い娘よ。きれいなドレスを見立ててあげようね」

サシャ「楽しみですね!どんなごちそうが出るんでしょう!」

ユミル「ああ…うん……」

クリスタ「王子様ってどんな方なのかしら……」

ユミル「お前の美貌なら、きっと王子様もメロメロだろうさ」

サシャ「肉は出ますかね!?」

ユミル「ああ…うん……」

ミーナ「まって、ユミルの差別かと思ったけどこれはサシャが悪い」

サシャ「お肉……」シュン

用事があるのでここで切ります

ミーナ「っていうかさ、台詞くらいはちゃんと台本通りやってよ」

サシャ「ごめんなさい…」オニク…

ユミル「小声で肉って言ってんじゃねよ」

サシャ「」シュン

クリスタ「サシャ、帰りに肉まん買ってあげるから」

サシャ「女神!?」ガバッ

クリスタ「きゃっ!」

ユミル「てめー!クリスタにくっついてんじゃねぇ!!」

ギャーギャー


ミーナ「……あそこの三人はもういいや。魔法使いのシーンまで話を進めるね」

アルミン「……そういえば、魔法をかけるシーンってどう表現するの?」

ミーナ「ふふん。ちゃんと考えてます!」

ミーナ「まず、ステージに変身前のそれぞれのアイテム……馬車ならかぼちゃとかね」

ミーナ「それを並べておいて、一旦照明を落とすの。それで……アニ!」

アニ「!?」

ミーナ「アニにスポットライトを当てます!!」

アニ「!!?」

ミーナ「その間、裏方に動いてもらって、並べたアイテムを、変身後のものにすり替えてもらうのね」

ミーナ「兄が順番に魔法をかけて行って、それぞれにスポットライトを当てていく間に……」

ミーナ「アルミンがステージ裏で早着替えする、と」

アルミン「……あー」

アルミン(忘れてたけど僕女装しなきゃいけないんだ……)

アニ(スポットライト……だと?)

ジャン「……俺は?」

ミーナ「ジャンは勿論、馬車の馬用のねずみと入れ替わってもらいます!」

ミーナ「台本見ればわかると思うけど、台詞はないよ」

ジャン「」

アルミン(あわれジャン……)

ミーナ「じゃ、練習行くよ!魔法使いとシンデレラが出会うシーンから――」



アルミン「……やっと終わった」

アニ「」

アルミン(……個性的なセリフだね、なんて言わないほうがいいんだろうな)

ジャン「アニよ……随分個性的なセリフだったな?」

アニ「」ドゴォッ

ジャン「」ゴフッ

アルミン(バカだろ……)

アルミン(さてと、ミカサは……)

ミカサ「アルミン!」

アルミン「!」

ミカサ「……なんでジャンの死体が?……まあいい。練習は終わったの?」

アルミン「ちょうど終わったところだよ。……エレンは?」

ミカサ「先に帰った」

アルミン「そっか……なんか、ごめんね」

ミカサ「……?どうして謝るの?」

アルミン「なんでもないよ。練習しようか」

ミカサ「うん」

アルミン「明日は舞踏会のシーンを練習するらしいから、予め二人で合わせておきたいんだ」

ミカサ「わかった。王子様がシンデレラをダンスに誘うところからでいい?」

アルミン「うん」

ミカサ「……『ああ、なんと美しい女性だろう。お嬢さん、お名前を――』」

ミカサ「『――待ってくれ、シンデレラ』」

ミカサ「……」

アルミン「?どうしたの、ミカサ」

ミカサ「……雨が降ってきた」

アルミン「ん……あ、本当だ」

ミカサ「今日は終わりにしよう」

アルミン「そうだね。ちょうど舞踏会のシーンが終わるところだし」

ミカサ「傘は持ってる?」

アルミン「うん。置き傘があるよ。ミカサは?」

ミカサ「折り畳み傘が……」ゴソゴソ

ミカサ「……あ」

アルミン「?……あ」

ミカアル「傘が、ない」

アルミン「誰かにとられたんだ……」

ミカサ「確かに入れたと思ったのに……」

アルミン「……どうしよっか」

ミカサ「待って……エレンに電話してみる」ピッ

~♪

ミカサ「え……?」

エレン「ナイスタイミング、だな」

アルミン「エレン!帰ったんじゃなかったの?」

エレン「傘持ってきたんだよ。ミカサ、お前忘れてただろ」

ミカサ「!あ、ありがとう。二人とも傘がなくて困っていた。助かる」

エレン「二人とも?……ってことは、アルミンも持ってないのか?」

アルミン「うん……」

エレン「困ったな。傘は二本しかないぞ」

アルミン「大丈夫。おじいちゃんに電話して迎えに来てもらうよ」

エレン「いや、俺が送っていくよ」

ミカサ「!」

アルミン「いいの?じゃあ……」

ミカサ「その必要はない!」

アルミン「!」ビクッ

ミカサ「……」

アルミン「あ……」

アルミン(……そう、だよね。せっかく二人が一緒に帰れるのに、邪魔しちゃ悪いよね)

アルミン(模範解答は、僕が傘を一本借りて、二人で一本の傘を使ってもらうことだ)

アルミン(……でも、悪いけど、まだ二人の相合傘を黙ってみていられるほど、僕もお人よしじゃない)

アルミン「……やっぱり僕――」

ミカサ「アルミンは私が送っていく」」

アルミン「!」

エレン「そうか?じゃあこっちの傘使えよ。大きいから」

ミカサ「ありがとう。エレンは先に――」

アルミン「ま、待って!」

エレン「どうした?」

アルミン「やっぱり悪いからいいよ!おじいちゃん呼ぶから!」

ミカサ「アルミン、遠慮なんてしなくていい」

エレン「ミカサの言うとおりだぞ。俺たちは――」

アルミン「勘違い、されたらどうするんだよ!!」

ミカサ「!」

エレン「アルミン、何言って――」

アルミン「僕とミカサが二人で、しかも相合傘なんかで帰って、勘違いされたらどうするんだって言ってるんだよ!」

ミカサ「……」

エレン「勘違い?誰が何を勘違いするんだよ」

アルミン「わかるだろ!僕たちはもう子供じゃないんだから!」

エレン「アルミン、」

ミカサ「……つまり」

ミカサ「アルミンは、私と二人で帰って、私たちが特別な関係だと勘違いされるのが嫌だって」

ミカサ「……そういうこと?」ジッ

アルミン「……っ、別に……僕が嫌とか、そんなんじゃ」

アルミン(なんで、そんな顔、するんだよ)

アルミン「僕じゃなくて、二人が……」

アルミン(平静を装った、少しだけ……)

アルミン「……勘違いされたら、嫌なんじゃないかなって」

アルミン(悲しそうな顔)

エレン「俺たちが?なんでだよ」

ミカサ「……」

ミカサ「……わかった。アルミンがそういうのなら仕方ない」

エレン「ミカサ」

アルミン「……」

ミカサ「……ただ、アルミンを一人ではおいていけないので、エレンがアルミンを送って行って」

アルミン「!」

ミカサ「私は……一人で帰る」

アルミン「そんなっ……」

ミカサ「いいから」

ミカサ(アルミンが……私と一緒に帰りたくないなら、仕方ない……)

ザァァァァ

エレン「……よく降ってるな」

アルミン「うん……」

エレン「学園祭当日は晴れるといいな」

アルミン「うん……」

エレン「肩濡れてないか?」

アルミン「うん……」

エレン「……ミカサはもう帰りついた頃か」

アルミン「……」ピク

エレン「……」

アルミン「……」

アルミン「……エレンが」

エレン「ん?」

アルミン「……エレンとミカサが、一緒に帰ればよかったのに」

エレン「なんでだよ」

アルミン「なんでって……そのほうが自然だから」

エレン「……よくわかんねえなぁ」

アルミン「……」

エレン「だから断ったのか?」

アルミン「ミカサのこと?……そうだよ」

エレン「ふーん……なんていうかさ」

アルミン「なに?」

エレン「最近のアルミンは、ちょっと変だよな」

アルミン「……なんだよ、それ」

エレン「気づいてないのか?」

アルミン「……」

エレン「ここ数日元気がなかったり、急に元気になったり、なんかおかしいと思ってたら、次の日には元に戻ってたり」

アルミン「そんなこと……」

アルミン(……あったんだろうな)

エレン「ちょっと心配した」

アルミン「……ごめん」

エレン「俺だけじゃない、ミカサもだ」

アルミン「……うん」

エレン「それに、前のアルミンは、俺たちの関係について、誰が何を言おうと気にしなかっただろ」

アルミン「……うん」

エレン「ジャンに、べたべたつるんで気持ち悪いって言われたこともあったっけなぁ」

アルミン「ああ、あったね」

エレン「あのときだって、アルミンは変わらなかっただろう」

アルミン「うん」

アルミン(……でもそれは、取るに足りない他人の意見だからだ)

エレン「……あのな、アルミン。お前が何を勘違いして、何を悩んでいるのか俺は知らないし、言うつもりがないのなら聞こうとはおもわねぇ」

アルミン「……勘、違い?」

エレン「ああ。でもな、前に話したことを思い出してほしいんだ」

アルミン「前……?」

エレン「しただろ、ダンスの練習の時に」



エレン『俺たちの関係は変わらないよな?』



アルミン「あ……」

エレン「あの時アルミンは、頷いてくれただろ?」

アルミン「……うん」

エレン「……あんな風に言ってくれたアルミンがそんなだと、俺だって自信が無くなるよ」

アルミン「……ごめんね」

エレン「……いいって。明日から、俺達三人はまた元に戻れる。そうだろ」

アルミン「うん。ありがと、エレン」

エレン「ん。……ほら、家に着いたぞ」

エレン「じゃ、またな」

アルミン「あ、エレン!」

エレン「ん?」

アルミン「ミ、ミカサに、その……」

エレン「……」

アルミン「……なんでもない。自分で言うよ」

エレン「わかった。じゃあな」

アルミン「うん、また明日」


アルミン(明日……ミカサに謝ろう)

お昼ご飯してきます

エレン「ただいまー」

ミカサ「!エレン!」タタタッ

エレン「ん?」

ミカサ「その……アルミンは、どうだった?」

エレン「ああ、心配すんなよ。ちゃんと送ってきたから」

ミカサ「そう……」

ミカサ(アルミン、いつも通りに戻ったと思っていたのに、やっぱり変だった……)

ミカサ(……何か怒っているんだろうか)

エレン「あ、そうだ」

エレン「なあ、ミカサ」

ミカサ「何…?」

エレン「お前、アルミンのこと好きなんだよな」

ミカサ「う、うん……」ドキッ

エレン「あいつ……なんか、勘違いしてるみたいだった」

ミカサ「勘違い……?何を?」

エレン「さあな。……ただ」ジッ

ミカサ「?」

エレン「俺が言うのもあれだけど、あんまり不安にさせるなよ」

ミカサ「!」

ミカサ「そ、それはどういう……!」

エレン「あー、濡れちまった。風呂行ってくるわ」

ミカサ「エレン!」

ミカサ(……行ってしまった)

ミカサ(今のは、どういう意味だろう。勘違い?不安にさせるな?)

ミカサ(……今の私が、アルミンを勘違いさせて不安にさせている……?)

ミカサ(もし、かして……)ドキドキ

ミカサ(もしかして、アルミンは)

~翌日、放課後~

ミーナ「今日は舞踏会のシーンを練習するよ!出番のある人は集まってね」

ジャン「俺は出番なしだな……帰るか」

アニ「ミーナ、私は?」

ミーナ「アニも今日はいいよ」

ミーナ「じゃ、まずは立ち位置から確認しようか!」

ユミル「私はクリスタの隣な」

クリスタ「もうユミル!わがまま言っちゃダメでしょ!」

サシャ「私はごちそうの隣で……」

ミカサ「……」

ミカサ(……今朝、アルミンは私に会うなり、昨日のことを謝ってきた)

ミカサ(その時のアルミンは、いつも通りに見えた)

ミカサ(私が気にしてないというと、嬉しそうに笑って……)

ミカサ(……かわいい……)

ミカサ(……じゃ、なくて)

ミカサ(最近の少しおかしなアルミンが、エレンの言うとおり、私のせいなのだとしたら)

ミカサ(もう、二度とあんなふうになって欲しくない)

ミカサ(なら……私に何ができる?)

ミーナ「ミカサ!」

ミカサ「!」

ミーナ「出番だよ!」

ミカサ「今いく」スタスタ

ミーナ「ぼーっとしてた?」

ミカサ「大丈夫。…アルミン」

アルミン「あ、ミカサ。よろしくね」ニコッ

ミカサ「」キュン

ミカサ(……この笑顔、曇らせたくない)

ミカサ(アルミン。もしあなたが、エレンの言うとおり、何か勘違いしているのなら)

ミカサ(そして、その内容と不安の訳が、私の想像している通りなら)

ミカサ(私は…二度と、あなたを不安にさせないために)

ミカサ(私は……)

ユミル「あー、終わった終わった!」

ライナー「ベルトルトがユミルと踊り、エレンがクリスタと踊り、俺はミカサの側近としてそれを見ているだけ……」

ベルトルト「なぜなのか」

ライナー「おい」

サシャ「コンビに行きましょう!コンビニ!!」

クリスタ「はいはい」

マルコ「足が再起不能じゃん……」



ミカサ「アルミン」

アルミン「なに、ミカサ?」

ミカサ「今日も練習、するんでしょ?」

アルミン「…あー」チラッ

エレン「ん?ああ、俺先に帰ってるよ」

アルミン「……いいの?」

ミカサ「……悪い理由が見当たらない」

アルミン「……?」

アルミン「じゃあ今日は、舞踏会の後のシーンから、もう最後までやっちゃおうか」

ミカサ「うん」

ミカサ(……最後まで)

ミカサ(今日で個人練習も最後……?)

ミカサ「……」

アルミン「じゃあ、王子様がシンデレラを探しに来るシーンから――…」


---

ミカサ「『この靴がぴったり合う方を、私の妃として城に迎えましょう…』」チラッ

アルミン「?」

ミカサ「『……この娘も、この娘も違う。ああ、シンデレラ。君は一体どこにいるんだ』」チラッ

アルミン「??」

アルミン(あれ……なんかミカサ、集中してない?)

アルミン「『私も、履いてみていいですか?』」

ミカサ「『!是非』」

アルミン「……」スッ

ミカサ「『ああ……ぴったりだ。あなたが、シンデレラですね?』」

アルミン「『はい、王子様』」

ミカサ「『シンデレラ、私と――…』」

ミカサ「……」

アルミン「……?」

アルミン「ミカサ?」

ミカサ「……」

ミカサ「……アルミン」






ミカサ「キスシーンが、ある」

アルミン「き……?」

ミカサ「……」

アルミン「……」

ミカサ「……」

アルミン「……!?」

アルミン「き、キスシーン!!?」

アルミン「え、えええええ、え、うそ、ななななんで」

ミカサ「……ここ」トントン

台本『二人は幸せなキスをして終了』

アルミン「……ほ、本当だ」

ミカサ「……」

アルミン「……いやいやいや」

ミカサ「……」

アルミン「……キス」

アルミン「……///」カアッ

ミカサ「……どうする」

アルミン「ど、どうするも何も!」

アルミン「で、できるわけないよ!」

アルミン「大体、なんでキスシーンなんかあるんだよ!」

アルミン「白雪姫でも眠り姫でもないのに必要ないだろ!」

アルミン「誰だよ台本書いたやつ!」

アルミン「ってミーナだ!!!」

ミカサ「……」

アルミン「はぁ、はぁ……」

ミカサ「……」

アルミン「……」チラッ

ミカサ「……」ジッ

アルミン「ぅ……///」

アルミン「僕とミカサがキスなんか……」

アルミン「あ……」

アルミン「……僕なんかが、ミカサと……」

ミカサ「……」

アルミン「……僕、ミーナに言って、台本訂正してもらうね」

ミカサ「……アルミン」

アルミン「もう、こまっちゃうな、ミーナってば……」

ミカサ「アルミン」

アルミン「……はは、ミカサにはエレンがいるんだから……」

ミカサ「…っ、アルミン!」グイッ

アルミン「え……」



ちゅ


アルミン「……え」

アルミン「え、え……な、なに……」

ミカサ「……アルミン」

アルミン「あ…っ……///」カアア

アルミン「え、うそ…なんで……」

アルミン「だって、ミカサは、エレン……」

ミカサ「アルミン」

ミカサ「……エレンは、関係ない」

遅くなってすみません、保守ありがとうございました!


アルミン「で、でも……!」

ミカサ「……アルミン」

ミカサ「私は……アルミンとなら、こういう……」

ミカサ「……キスだって、できる」

ミカサ「そこにエレンは関係ない」

ミカサ「私は……アルミンとだから、できるの」

アルミン「……」

ミカサ「それとも……アルミンは嫌だった?」

アルミン「!い、嫌なわけ無いだろ!僕は……!」

ミカサ「そう……よかった」ニコッ

アルミン「あ……ぅ…///」

アルミン(全部……全部、僕の勘違いだった……?)

ミカサ「……さあ、続きを練習しよう」

アルミン「あ、うん…」

アルミン(……なんでミカサは平然としてるんだ)

ミカサ「……」ニコニコ

アルミン(う……心なしか嬉しそうだ///)

アルミン「……///」

ミカサ(……かわいい)

ミカサ(これでアルミンの誤解は溶けた…はず)

ミカサ(エレンに感謝しないと…私だけじゃ、アルミンの気持ちに気付けなかった)

ミカサ(……)

ミカサ(……勢いでキスしてしまったけど……)

ミカサ(恥ずかしい……///)

アルミン「……///」テレテレ

ミカサ「……///」テレテレ

アルミン(あれ…ミカサ今さら顔が赤い……)チラ

ミカサ(……上目遣いは反則)

ミーナ「二人ともまだ残ってたの?」

ミカアル「!!!」

ミカサ「ミーナ……?」

アルミン「ミーナ……」

ミーナ「……え?え?なに?」

ミカサ(素晴らしい台本をありがとう…と言ってもいいだろうか)

アルミン(無駄なキスシーンに感謝したいような非難したいような)

ミーナ「な、何か言ってよ!」

アルミン(結局このあと、僕はミーナに台本の訂正を求めた)

アルミン(ミーナは『ちゃんと了解はとったじゃない!』と言っていたが、僕にはなんのことだか分からない)

アルミン(ミカサは訂正は必要ないと言っていたが、高校生の劇だし、公式行事と言うことで、納得してもらった)

アルミン(何より僕が恥ずかしい)

アルミン(練習、準備、リハーサル…)

アルミン(悩んでいたことが嘘のように、トントン拍子に事が運んでいく)

アルミン(しかし、本番前日、ついに僕が一番恐れていた時が来てしまった……)

このSSまとめへのコメント

1 :  ミカサlove   2014年11月11日 (火) 00:44:28   ID: fF2JrCI7

やばいです。視界がぼやけました

久しぶりにめっちゃ泣きましたw

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