P「真がコアラみたいによじ登ってきて降りてくれない」 (29)

春香(天海春香です! 最近キャラの薄さに悩んでます!)

春香(とりあえず今日からおっきな声で挨拶して元気一杯キャラを定着させたいと思います!)

春香「おっはようございまーす!」ガチャ

P「おはよう春香。今日は元気いっぱいだな」イスクルッ

春香「はい、これからはもっと明るく元気いっぱいに……ってうわあっ!」

P「おっ、いいリアクションだな。やっぱり遊園地でジェットコースターに乗りまくる企画は春香で行くか!」

春香「それはちょっと……ってそんなことよりプロデューサーさん、それ何ですか!?」

P「ん? ああ、これか。そうなんだ、実はちょっと困っててな」

真「……」

春香(真がコアラみたいにプロデューサーさんに抱きついてる)


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春香(両手を首に回して、足でプロデューサーさんの腰をホールド。顔は胸に埋めてる)

??(あれは俗にいうだいしゅきホールドの体制ピヨ!)

春香(!?)

春香「うらやま……じゃなくて。確か真、今日はオフでしたよね」

P「ああ。俺、昨日ずっと外回りでデスクワークが出来なくてさ。今日は早く出て来たんだ」

P「少し後に真が来て、いきなり飛びついてきた」

P「何を言っても反応が無いし、降りてもくれないんだ」

春香「……ちなみに他の皆はどんな反応したんですか?」

P「それが今日は皆、直接現場入りでな。見られたのは春香が最初だ」

春香「そ、そうですか」

春香(美希か亜美が見たら一緒になって抱きつきそう)

春香「で、でも息苦しそうだし、ずっとその体制ってきついんじゃ……」

P「うん。俺もその内疲れて降りるだろうと思ってさっきまでずっと立って作業してたんだけどな」スクッ

真「……」

春香(微動だにしない……)

真「……」ズル

春香(あ、少し落ちた)

真「……」モゾモゾ

春香(登りなおした……最初より高い位置にしがみついて、今度は肩口の辺りに顔をうずめてる)

P「こんな感じで俺が先に疲れてしまってな。肩凝るから椅子に座るよ」

春香「あ、どうぞどうぞ」

春香「でもプロデューサーさん、それじゃあお仕事に支障が出るんじゃ……」

P「今日はデスクワークだけの予定だから、まぁ大丈夫といえば大丈夫なんだけどさ」

P「やっぱり少し作業しにくいし、反応がないから困ってるんだよ」

P「まぁ子供みたいで可愛いんだけどな」

真「……」ピクッ

春香(あっ、少し動いた)

春香(正直羨ましい)

春香「……プロデューサーさん、ここは私に任せてください!」

P「任せるって、何をするんだ?」

春香「真がこんなことするにはきっと理由があるはずです。私がその謎を解き明かしてみせます!」

春香「だって私達……」

春香「仲間だもんげ!」

P「お前それ言いたかっただけじゃないのか?」

春香「えへへへへ」

春香(正直、これずっと見せられるのキツいです)






P携帯「スキーダヨーココロコメテースキーダヨーチカラコメテー」

P(春香からメールが来た)

春香(私はみんなに相談して作戦を立ててきます!)

春香(真に作戦がばれない様に内容はメールで送りますね!)

P(とのことだ)

P(……さっきまでの会話を全部聞かれてる時点でアウトだと思うんだけどさ)

P「なぁ真、今日は一体どうしたんだ?」

真「……」ギュー

P(可愛い)

春香(作戦その1! とりあえずお菓子で釣ってみよう!)

律子「ただいまー。駅前に新しいお菓子屋さんが出来てたから買ってきたわよー」

律子「はい、春香。プロデューサーも」

P「ありがとう律子。頂くよ」

春香「ありがとうございます! うん美味しい!」モグモグ

P「確かに。美味いなぁ」モグモグ

律子「そんな急いで食べなくても逃げないわよ。真はどうするの?」

真「……」

春香(さぁ真、どうくる!?)

真「……」ススス

律子「手を伸ばしてー、開いて……あ、この上に乗せるの?」

真「……」コクコク

律子「はい、乗せた」

真「……」モグモグ

P「真、スーツ汚さないでくれよ?」

真「……」ススス

律子「手を伸ばしてももう無いわよ」

真「……」フルフル

律子「違うの? じゃあ何かしら」

真「……」ペタペタ

律子「な、何よ、人の手ぺたぺた触って」

真「……」ギュー

律子「……握手?」

P「お礼のつもりなんじゃないか?」

律子「はぁ、なるほど」

春香(作戦失敗です! 手で掴めないお菓子を買ってきてもらうべきでした!)

律子「春香、後でお金払いなさいよー」

春香「えっ」

律子「あんたに言われて、あっついのにわざわざ遠回りして事務所に戻ってきたんだからね?」

のワの「」

P(あいつ自分が食べたかっただけなんじゃ……?)

春香(続いて作戦その2! 真が逃げ出したくなるような状況を作ります!)

亜美「たっだーいまーん!」

真美「はるちーん! 約束通り借りて来たよー!」

春香「ありがとう!」

P「借りて来たって……DVD?」

春香「はい! さっそく再生しますね!」ウィーンガショ

TV「クールーキットクルー」

P(リ〇グ!?)

春香(部屋を暗くして……ホラー映画大作戦です!)

TV「キャアアアアアアアアアアア!」

亜美「ひゃん!」

真美「どどどどったのさ亜美、ここ、怖いの~?」

亜美「そそそそんなわけないじゃーん! ままままま真美こそ声震えてるよ~?」

のワの「」

P(春香の意識が無いように見える。無理するから……)

P(一方の真はというと)

真「……」ブルブルブルブル

P(凄く震えている)

P「真、大丈夫か?」

真「……」ブルブルブルブル

P(駄目らしい)

P「……」ギュッ

真「!」

P(軽く受け止めるように真の体に手を回す。震えが少し弱くなった)

真「……」ギュー

P(可愛い)

亜美「」

真美「」

春香「」

真「」

P「死屍累々」

真「」ガッシリ

P「それでも真は離れてくれない」

P(その後も春香は様々な作戦を試した)

P(小鳥さんと二人で真をべた褒めしてみたり)

P(ハム蔵を真の服の中に放ってみたり)

P(雪歩に頼んで持ってきてもらった真の一日署長の時の映像を流したときは危うく絞殺されるところだった)

P(そして万策尽きた春香は羨ましくなんかありません! と捨て台詞を残して泣きながら逃げて行った)

P(そして気が付いたら夜になってしまった)

P(もう事務所には俺と真しかいない)

P「真」

真「……プロデューサー、今日は何月何日ですか」

P「……8月30日」

真「じゃあボクの誕生日は?」

P「8月29日」

P「祝ってやれなかったな。ごめんな」

真「……いえ。分かってるんです、仕方ないんだって」

真「プロデューサーはボク達のためにいつも一生懸命お仕事してくれてて」

真「でも、誕生日ぐらい、プロデューサーと一緒にいたかったんです」

真「……独り占め、したかったんです」

真「お仕事、邪魔してごめんなさい」

真「こんなんじゃ嫌われちゃいますよね……へへ」

真「今、降ります」

P「いいよ、そのままで」

真「えっ?」

P「……」ギュッ

真「えっ……えへへ。もう、苦しいですよ、プロデューサー」

P「誕生日おめでとう、真」

真「……嬉しいです」


P「なぁ真。顔、見せてくれないか?」

真「……はい」

真「えへへ、何か、恥ずかしいですね。一日中一緒にいたのに」

P「やめろよ、こっちまで照れちゃうだろ」

P「……その、な。言い訳すると、本当はもっと前に渡すつもりだったんだ」

P「けど最近、仕事で想定外が続いてな。本当にごめん」スッ

真「……チケット? 遊園地の?」

P「真、次のオフ、俺とデートしてくれないか?」

真「……」ポス

P「あ、あれ? どうした真、顔を隠さないでくれよ」

真「いえ、違うんです。その、なんていうか」

真「嬉し過ぎて、どんな顔していいのか分からなくて」

真「ちょっと待ってくださいね、気合入れなおしますから!」パシパシ

P(真が自分の頬をぺしぺし叩いている)

真「……よしっ」ガバッ

真「プロデューサー、大好きです!」

おしまい

おまけ


真「プロデューサー、次アレ乗りましょう! はーやーく!」

P「おいおい、そんな急ぐことないだろ。待ってくれよ」

真「時間は有限ですからね! たっくさん楽しい思い出作りましょう!」

P「……そうだな、行くか!」

のワの「ぎゃああああああああああああああああああああ!」

真「あれ? 今、聞いたことある声が聞こえたような……」

P「どうした真、早くいくぞー!」

真「あっ、待ってくださいよプロデューサー!」

のワの「あああああああああああああああああああああああ!」

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