幼馴染「やくそく…だよ?」(268)
登校時間
幼馴染「おはよっ男ちゃん!」
男「ああ、おはよう幼」
幼「ふむふむ、ちゃんと待っててくれたみたいだね。感心感心」
男「いつも待ってるじゃん。何言ってんだよ?」
幼「いつもは私が待ってます。今日はめずらしく男ちゃんが先に来ているなと驚いたんだよ」
幼「いつもは寝坊すけ男ちゃんなのにね。全く、昔っから朝弱いんだから…」クスッ
男「…悪かったな」ムスッ
男「幼と約束したからな。先に来て待ってるって」
幼「…そっかぁ」
幼「私との約束はちゃんと守ってくれるわけだね…うれしいな」ニコッ
男「まぁ…そもそもそういう約束だし…」
幼「えへへっ、すなおじゃないんだから」ツンツン
男「…よせって」
男「…そういや、何で俺が先に待ってなきゃ行けなかったんだ?」
男「いつもいっしょに通ってるだろ高校?」
幼「…たまには待ってる男ちゃんに声をかけてみたくて」
男「…なんだそりゃ?」
幼「ごめんね。…でも、このセリフが言いたくって…」
幼「待たせてごめんね」ニコッ
男「…ああ、デートの定番か…」
男「待ってないよ」
男「今来たところさ」ニコッ
男「…こんな感じかな?」
幼「そう…そんな感じ」ニコッ
幼「ありがとう男ちゃん」
幼「じゃあ、これを渡さなきゃね」サッ
男「…なんだこれ?」
幼「お弁当。早く目が覚めたから作ってみたの」
幼「あんまり自信ないけど、食べてくれるとうれしいな」
男「ありがとう。味わって食べるよ」
男「じゃあしっかりお礼しないとな」
男「今度お弁当、俺も作るよ…上手く作れるか分からないけど」
幼「ありがとう男ちゃん、楽しみにしてるよ♪」
幼「じゃ指切りしましょ?私にお弁当作ってくれるって」
男「いつものか…いいよ、わかった」
男「…ちょっと恥ずかしいかな」
幼「まぁいいじゃない。私たちの定番なんだから」
幼「指切りげんまん♪」
男「指切った♪」
幼「やくそくだよ?」
男「わかってる」ニコッ
幼「じゃ、行きましょ?」
男「うん」
男「…なんで待ち合わせしたかったんだろ?あのデートの定番のやりとりは一体?」
幼「…朝から待ち合わせでデート気分♪」ボソッ
マイスターじゃないです。すみません。
……
休み時間
幼「宿題は調べ学習かぁ…」
幼「大変そうだなぁ…」
男「…いっしょにやろうか?」
男「クラス違うけど、俺のとこもいっしょだし…はかどるよ?」
幼「…そだね、いっしょにやろ!」
男「じゃ、約束だ!」
幼「やくそくね」
男「指切りげんまん♪」
幼「指切った♪」
幼「やくそくだよ?」
男「分かった」
男「…なんかガキみたいだな、指切りなんてさ」
幼「じゃ、やめる?」
男「…やめない」
幼「…えへへ」
幼「…私たちの指切り、ちいさい頃からの習慣だもんね」
男「うん」
男「してると落ち着くな俺…」
幼「私も安心するよ」ニコッ
幼「…私、男と指切りして約束すると、なんだか楽しくなるんだよね」
幼「約束できるってことは次の予定ができるってことだもん」
幼「男と予定を立てられるのが嬉しいの♪」
幼「未来に思いを馳せてる感じでね」
男「それは俺もそうだよ」
男「幼と次の予定があるとわくわくするんだよ。大事な計画を立ててるって思えてさ」
男「…些細な計画なんだけどな」
幼「そのささやかな計画がいいんだよ」
幼「毎日を大切にしてるって感じだもん」ニコッ
男「1日1日を大切にか…」
幼「そういうこと」ニコッ
男「…じゃあ今日も楽しく過ごすか」
幼「おおー♪」
……
昼休み
幼「男ちゃん、お昼食べに行こ」
男「うん」
幼「中庭で朝、渡したお弁当食べよ。天気いいから」
男「お弁当、外で食べたほうがうまいもんな」
幼「さっ、早く」
男「おう」
中庭
幼「お弁当おいしい?」
男「うん、すごくうまいよ」モグモグ
幼「良かったー。お料理上手な男ちゃんが、おいしいって言ってくれるなら間違いないね」
幼「あんまり自信なかったんだよ。私、普段料理しないから」
男「そんな。うまいぞこれ。肉じゃがとか春巻きとか」モグモグ
男「栄養バランスもとれてるし」
幼「えへへ」
幼「ほめてくれると私調子に乗るよ?毎日男ちゃんに作るよ、お弁当?」
男「テンション上がりやすいのは知ってる」
幼「もー」プクー
男「ふふ」
男「…いいよ、楽しみだ」
男「俺は幼にお弁当作るからさ」
幼「朝、約束したもんね」
男「幼もお弁当頼んだぞ」
幼「…お互いにお弁当、作りっこするんだね。了解です」
男「うん。約束だぞ?」
幼「うん」ニコッ
幼「じゃあ…」
男「いつものか…」
幼「指切りげんまん♪」
男「指切った♪」
男「約束したよ幼」
幼「わかったよ男ちゃん」ニコッ
幼「よし!頑張るぞー!」フンス
幼「料理上手くなるぞー!」
男「俺も頑張るよ」
幼「うん。お互いに頑張ろ」
フワッ
幼「…春は空気が気持ちいいねぇ」
男「…ああ。いい風だな」
幼「だから外でお昼は食が進むよ」モグモグ
男「幼はいつも食が進んでるじゃん」モグモグ
男「春も秋も夏でさえ。曇ってても雨でも雪でも」
幼「そうだけどさぁ…。情緒がないよ男ちゃんは。こういうときくらい素直に同意してよー」
男「すまん」
幼「…ぶぅ」
幼「…そういえばこないだのお花見楽しかったなぁ」
幼「ちょうど今日みたいなあったかくて気持ちいい日だったよね」
男「うん、楽しかったよな花見。幼のお母さんの弁当もうまかったし」
幼「うん」
幼「今年は二人だけで行ったけど、落ち着いてお花見できてよかったね」
男「今回は内緒の穴場だもんな」
幼「近所の雑木林にあんなところがあったなんてね」
男「いつもみたいに散歩してたら見つけたんだよな」
幼「後日行ったときも桜、綺麗に咲いてて良かったよ」
幼「また二人で行こうね」
男「うん」
幼「人が居なくて静かで桜がきれいで」
幼「すてきなとこだったね…」
男「うん…」
幼「また男ちゃんとのひみつが増えちゃったよ」
男「秘密の場所もな」
男「…全く、幼とは秘密がたくさんだよな」
幼「長い付き合いだもん。ふたりだけのひみつはたくさんあるよ」
幼「…小2のとき、男ちゃんのおねしょした布団を、私のうちで内緒で干したこともね」
男「小4の頃、幼の壊した花瓶を、空き地にふたりでこっそり埋めたこともな」
幼「……」
男「……」
幼「ないしょだよ」
男「内緒だぞ」
幼「…男ちゃん」
幼「またあそこでお花見しようね」
男「わかってる。いいとこだもんな」ニコッ
幼「あとね…」
幼「毎年…これまでとおんなじように…」
幼「いっしょにお花見してね?」
幼「…いいかな?」
男「……」
男「どうした改まって?」
幼「改まって…ってわけじゃないけど…」
男「……」
男「…そんなの当たり前だろ」
男「毎年家族のお花見も含めてお花見してるもんな」
男「来年もさ来年もそのあともずっと幼とお花見するよ」
幼「…そっか」
幼「そっかぁ」ニコッ
男「うん」
男「いつもみたいに指切りして約束するよ」
男「約束だ」サッ
幼「やくそくだね」
ギュッ(指切り)
幼「…えへへ」
男「…ふふ」
幼「……」
幼「…来年もさ来年もかぁ」
幼「がんばんなきゃね…」
男「……」
男「…ずっとずっとか…ふふっ」
おやすみなさいませ マイスターじゃなくてすみませんが、まぁ頑張ります
………
放課後 校門
男「お待たせ幼」
幼「ううん、そんな待ってないよ男ちゃん」
男「待っててくれてありがとな。先生に当番任されてさ」
幼「いいよ、気にしないで」
幼「いつもの約束だからね。それに私もいっしょに帰りたいもん」
男「俺もいっしょに帰れないと寂しいよ。ずっといっしょに帰るのが当たり前だからな」
幼「幼稚園のころにはいっしょに帰ってたもんね、私たち」
幼「こうやって」ギュッ
男「手を繋いでね」ギュッ
幼「えへへっ、懐かしいねぇ」
男「うん」
男「……」ギュッ
幼「……」ギュッ
男「あのさ…幼…」
幼「…男ちゃんなに?」
男「…いや、なんでもない」ギュッ
幼「…そう」
幼「……」
男「…あっ、そうだ」
男「…自転車をこないだ乗ったときから、学校に置いてあるんだけど乗って帰らないか?」
男「雨だから乗らないで帰ったら置き忘れちゃってさ、そろそろ家に持って帰らないと」
幼「…うん」
男「…じゃあ、取って来るな」パッ
幼「…あっ」
幼「…手ぇ、あったかかったな男ちゃん…」
男「……」
男「…ヤバいまだドキドキしてる」
男「…幼」
………
幼「自転車の後ろに乗るね」
男「幼、背中にしっかりつかまれよ、危ないからさ」
幼「うん」ギュウッ
男「じゃあ行くぞ」キコキコ
幼「うん、行こ」
男「……」キコキコ
幼「……」ギュウッ
男「背中があったかい…」
男(…そしてやわらかい)
幼「…男ちゃん」ギュウッ
男「なんだ?」
幼「自転車に乗って帰るのひさびさだね…」
男「小学校の頃は遊びに行った帰りに、よくこうやって幼を後ろに乗せて帰ったな」
幼「えへへ、そうだったよね」
幼「一生懸命、私を乗せて、自転車漕いでる男ちゃんはかわいいかったよ」
男「…どうせ、俺は非力だよ」
幼「そういうことじゃないよ」
幼「頑張ってくれてるなって」
幼「男ちゃん、私を乗せて自転車を漕いでるとき、すごく頑張ってたもんね」
幼「小学生の頃は私たちたいして大きさ変わらなかったのに」
幼「私が交代するって言っても、女の子に苦労させられないって、自分で頑張って…」
幼「男ちゃんは努力家だからね…見てると私も励まされるんだよ、自転車以外でも…いつも…」
男「…俺も幼がいっしょにいると楽しくて励みになるんだよ」
男「細かく気遣ってくれるし」
男「…まぁたかが自転車で大げさなんだけど」
幼「…だね」クスッ
幼「…あとは、女の子扱いしてくれたのが嬉しかったかな」
幼「女の子だから無理すんなって…」
幼「男ちゃんは紳士だよね」
幼「こないだも、買い物でさりげなく荷物持ってくれたし」
幼「電車じゃ私を窓際にして、混雑から自然にかばってくれるし」
幼「…男ちゃんのそういうとこがいいなと思うんですよ」
男「……/////」
幼「…えへへ」
男「……」
男「…今日は川沿いのルートを使って帰ってもいいかな?」
男「あっちは通ると気分いいから」
幼「…うん、いいよ」
………
幼「川沿いの土手は風が気持ちいいね」
男「おう」シャー
男「スピードを上げるからしっかりつかまっておけよ」
幼「うん!」ギュウッ
幼「男ちゃんあったかい…」
男「…幼もあったかいぞ」
男(…そしていい香りがします)
幼「男ちゃん…」
幼「これからもずっといっしょに帰ろうね」
幼「あとね、また自転車乗せてね」
男「もちろん」
男「」ピタッ(自転車を止めました)
男「約束だ」
幼「約束だよ」
男・幼「」キュッ(指切り)
男「…ずっとな」
幼「…うん」
幼「えへへっ」
男「ふふっ」
幼「…小さいころはいつもこうやって、二人いっしょに帰ったねぇ」
男「覚えてるよ…」
………
幼稚園時代
幼「きょうもいっぱいあそんだねっ、おとこちゃん♪」
男「うん、たのしかったよねおさなちゃんっ」
幼「ようちえんのかえりに、こうやっておててつないでるととってもあったかいね」ギュッ
男「うん、あとほっとするよね」ギュッ
男「おさなちゃんとてをつないでるからだね」ニコッ
幼「いつもわたしたち、いっしょだからだもん」
幼「わたしもうれしいよ」
幼「おとこちゃんだいすき」ニコッ
男「ぼくもおさなちゃんのことだいすきだよ」ニコッ
男「ふふっ」
幼「えへへ~」
幼「ずっといっしょにいようね」
男「うん」
幼「ずっといっしょに帰ろうね」
男「うん」
幼「…じゃあ、ゆびきりしてやくそくしようね」
幼「だいじなやくそくはゆびきりしてするんだよ、ママがいってたもん」
男「わかった、ぼくゆびきりするよ」
幼「…じゃあ、まずこゆびをたててね…」
男「…わかったよ」
幼「ずっといっしょだよ」
幼「ゆびきりげんまん♪」
男「うそついたらはりせんぼんのーます♪」
幼・男「ゆびきった♪」
幼「やくそくだよ」
男「やくそくしたよ」
幼「…えへへ」
男「…ふふ」
幼「やくそくできたね、おとこちゃん」
男「うん、できたね」
男「ゆびきりするの楽しいね、おさなちゃん」ニコッ
幼「うん。やくそくするのっていいよね」ニコッ
幼「こんどから、わたしたちがやくそくするときはゆびきりしようね」
男「うん、そうしよう」
男「ゆびきりすることを、ゆびきりしてやくそくしようね」
幼「そうだねっ」
幼「ゆびきりげんまんっ♪」
男「うそついたら、はりせんぼんのまーす♪」
男・幼「ゆびきりきった♪」
幼「これでやくそくしたからね」
幼「ぜったいまもろうね」
男「うん、ぜったいっ」
男「じゃあ手をつないでかえろう、おさなちゃん?」
幼「うん」ギュッ
男「ふふっ」
幼「えへへっ」
……
…
現在
幼「…なつかしいねぇ」
男「…うん」
男「こうやってずっといっしょだったんだよな」
幼「…そうだね」
男「これからも…」
幼「…?」
男「よろしくな」
幼「えへへ…うん」
男「ありがとう」ニコッ
幼「そういえばこの辺、駄菓子屋さんがあったよね」
男「うん、よくおやつ食べたよな」
男「学校帰りや休みの日にお小遣い握りしめてさ」
幼「うんうん」
男「駄菓子ってときどきすごい食べたくなるよな」
幼「久しぶりに行きたいなぁ…」
男「…坂を登れば…」
男「…行くか」
幼「うん」
みんなヤンデレがすきなの?うーむバイオレンス描写は下手くそだからな…
幼馴染は出来るだけ救ってあげたいが…
男「…こっちだな」
幼「だね」
モブ女「…あれ」
モブ女「男君!」
男「ああ…お久しぶりです」ニコッ
モブ女「いやーこんなとこで男君に会えるなんて奇遇だねー!」
男「ええ、びっくりです」
モブ女「すっかりカッコ良くなっちゃってぇ」ポンポン
男「どうもありがとうございます」
幼(…だれだろ?きれいな人だな。親しげな感じだし…)
幼「……」ムッ
モブ女「私は仕事で遠出してるのよ。男君は学校の帰り?高校に通ってるんだっけ?」
男「はい。今高校から帰るところです。相変わらず忙しいんですね」
モブ女「わかってくれるー?」
……
男「…母が久しぶりに会いたがってますよ…」
モブ女「…そう。じゃあ、近いうちに挨拶するわね…」
モブ女「♪」
男「♪」
幼「……」
幼(美人なお姉さんだなぁ…大人で…)
幼(チンチクリンな私と違う…)
幼「」ジッ
モブ女「!」
モブ女「この子が例の…」
男「はい」
モブ女「可愛い子ね」ニコッ
男「…でしょ」
幼「……」
男「じゃ、また」
モブ女「またねー♪お母さんによろしく」
男「はい」
幼「」シュン
男「行こうか?」
幼「…ん」ギュッ
男(…めっちゃ袖掴まれてる)
男(どうした幼?)
おやすみなさいませ。見てくれている方ありがとうございます。
……
幼「……」ギュッ
男「……」
男(…さっきから、自転車から降りて歩いてるんだけど)
男(袖を掴んだままの幼が、妙に無口だ…)
男「…心配だな」
幼「」クイクイ
男「…どうした幼?」
幼「……」ギュッ
幼「……」
男「…さっきの人はね、モブ女さん。俺の親戚のお姉さんだよ」
男「昔からよくしてもらっててね」
幼「…うん」
男「母さんのいとこの娘さんでさ…ってか、幼も会ったことあるよ」
幼「…え?」
男「幼稚園とか小学低学年の小さいころ、俺も幼もよく面倒を見てもらったんだけど」
男「覚えてないかな?」
幼「…えとね…」
幼「…ああ」
男「思い出した?」
幼「うん」
幼「男ちゃんちによくいたお姉さんだよね」
男「昔は近くに住んでたんだよな」
幼「ご飯作ってくれたり」
男「目玉焼きハンバーグライスとかシーフードペペロンチーノとか」
幼「うん、美味しかったよね」
男「みんなで俺んちや幼んちに泊まったり」
幼「三人でおんなじ布団で寝たよね」
幼「優しいお姉さんだったよねぇ…変わってたからわかんなかったよー…」
男「ああ」
幼「美人さんだったなぁ…昔から可愛い人だったけど…」
男「うん」
幼「…むっ」プクー
幼「…私はどうせへちゃむくれだよっ」プイッ
男「…うん?」
幼「…ばかぁ」ジワァッ
男「……」
男「幼は可愛いよ。きれいだし」
幼「…ふぇ!?」
男「こうしてくっついてると暖かいし」ギュッ
幼「…ふぁ/////」
男「なでなですると猫みたいに可愛くリラックスするし」ナデナデ
幼「あふぅ…」
男「料理できるし、家事できるし、いい子だし」ギューッ
男「俺にはもったいない幼馴染だよ」ナデナデ
幼「はぅ…/////」
男「…色々ごめんな。機嫌直してくれるかな、お嬢さん?」
幼「…ゆるす」
幼「…可愛いって言ってくれてありがと/////」
幼「…うれしいよ」
男「事実だし/////」
男「…また自転車に乗るから、背中につかまって…」
幼「…うん」ギュウッ
男「ああ…幼…」
幼「…なぁに?」
男「…もう幼以外には可愛いとか綺麗とか言わないから…」
男「…約束する」
幼「…そんな、いいよ…」
幼「でも…ありがと、男ちゃん…」ギュウッ
男「……」
男(…背中越しで良かったな)
男(…今は顔を見られたくないや)
幼(…顔を合わせるのは恥ずかしいもん)
幼「」ギュッ
幼(…男ちゃんが背中向けててくれて良かった)
幼(私、今きっとへんな顔してるから…)
幼「……」
男「……」
……
男「…坂だな…駄菓子屋行くときに通る」
幼「私、降りようか?」
男「いや、いいよ」
男「このまんま登ってみる」
幼「そう…」
……
坂の途中
男「」キコキコ
幼「…遠回りしないの…」
幼「…私、重くないかな?」
男「全然。軽いよ」ニコッ
幼「…降りて押そうか?」
男「いや。問題ないよ」
男「…ふふっ」
幼「どうしたの、男ちゃん?」
男「…いやね、実は坂を、女の子を乗せて登るのをやってみたくてさ」
幼「…ジブリの、耳をすませば?」
男「その通りっ」
男「あのシーンは憧れるよね」
幼「わかるよ…すてきだよね…」
男「うん」
男「それに、この坂を幼を自転車に乗せて登るのは約束だからさ」
男「思い出したよ」
幼「…あれ?」
男「うん」ニコッ
………
…
小学生時代
男「ぐぬぬ~」キコキコ
幼「…男ちゃんつらそう」
幼「わたしを乗せて、坂を自転車で登るのは大変だよね」
幼「降りていっしょに自転車押すよ?」
男「…だめだよ、そんなのカッコ良くない…」
男「…僕は男だから幼を守ってあげなくちゃ…」
男「だから、ぐぬぬ…」キコキコ
幼「……」
幼「」スタッ
男「幼?降りるのか?」
幼「…守られてばかりのわたしじゃないもん」グイッ
幼「わたしも男ちゃんの隣で頑張るんだもん」
幼「男ちゃんの気持ちは嬉しいけど、わたしは降りて、自転車を押すよっ」フンス
男「…幼」
男「ありがとう」ニコッ
おやすみなさいませ。みてくれたかたお疲れ様です。
男「今はこれでいいよ」
男「…でもいつか必ず、幼ちゃんを乗せて自転車でこの坂を登るんだ」
男「約束したい」
幼「…強くなりたいんだね」ニコッ
男「うん。幼ちゃんを守れるくらい力強く」
幼「…そうだね。やくそくしましょ」
幼「いつかわたしを乗せてここを登ってね」
幼「やくそくだよ」
男「約束する」
(指切りしました)
幼「頑張って」
男「うん」コクリ
幼「…で必ず」
幼「…わたしを守ってね」
男「…ぜったいに」
………
…
現在
幼「あの約束を守ってくれてるんだぁ…」
男「バカみたいだけな…子供ときの口約束なのに…」
幼「ううん…うれしいよ…」
幼「私も覚えてるから…」
幼「ありがと、男ちゃん…」ギュッ
男「…ふふっ」
幼「…えへへ」
幼「……」
幼「…もうひとつの約束も守ってくれますように…」
男「……」
男「…強くなるかぁ…」
男「…頑張るか…」
男「…なぁ幼」キコキコ
幼「…なぁに?」
男「…幼を乗せて自転車で坂を登れて良かったよ」
男「今までいろんな約束したけどさ…」
幼「男ちゃん…?」
男「みんな守るから…」
男「…待っててな…」
幼「…うん」
幼「…待ってるね」ギュウッ
男「うん…」
……
駄菓子屋
男「…この昔ながらのひなびた感じ…変わらんね」
幼「…えへへっ、懐かしいよね」
男「うん」
男「ちびっ子のころはよく来たよなー」
男「ここで買いぐいするのが、幼稚園小学校の1日の楽しみだったんだよ」
幼「わかるわかる」
男「…さて、中に入るか」
幼「…見て男ちゃん、ボンタンアメ」
男「オブラートに入ってる柑橘系のアメだよな。うまいんだよねこれ」
男「…これはきびだんごか、珍しいな」
幼「四角くて、平べったくて、長くて、全然だんごじゃないよね」
男「桃太郎もびっくりだよな」
幼「フエラムネだ~」
男「…俺たち口笛吹けなかったから、このラムネで気分だけ口笛マネるのが楽しかったんだよな…」
幼「そうなんだよ~、口笛吹けるようになりたいなぁ…」
男「俺、こないだできるようになったよ」
男「…ほら」ピューッ
幼「…あっ、いいなー」
幼「自分だけずる~い、今度やり方教えてね」
男「わかった、いっしょに口笛練習しような」
幼「うん」ニコッ
幼「男ちゃんやくそく」
男「わかった、指切り」
幼「…やくそくだよ」
男「…約束な」
キュッ
幼「やくそくしたからね」
男「おっけー」
男「…幼は約束するの大好きだな」クスッ
男「…こんなの指切りしなくても守るよ」
幼「…習慣だし」
幼「…男ちゃんとはたくさん約束したい…」
幼「そしたら…ずっと…」
男「…ずっと…なに?」
幼「…なんでもないよ…」
幼「…指切りは…だめかな?」
男「…いいよ」
男「…俺も幼と指切りするの好きだからな」
男「…幼みたいな可愛い子と手が触れるわけだし」ニコッ
幼「…可愛いなんて/////」
男「……」
男「さて…外のお菓子も見てみるかな…」プイ
幼「……」
幼「…臆病だな、わたし…」
幼「…すなおになりたいよ…」
幼「…一番大切な約束ができるように…」
幼「…うやむやでもいっしょにはいられる、多分ずっと…でも…」
幼「…流されて付き合ってるだけじゃ、さびしいもん…」
幼「…気持ちは伝えなきゃ」
……
男「……」
男「…一応、付き合ってることにはなってるんだよな…まわりから…」
男「…でも、ちゃんと告白したいな…自分の言葉で…」
男「……」
おやすみなさいませ。見てくれた方、お疲れさまです。
男「…だから自分に約束しよう」
幼「…だから私に約束だよ」
「「絶対伝えるって…」」
……
男宅
男「…駄菓子うまいな」モグモグ
幼「うん、懐かしい味だねぇ…」モグモグ
テレビ『…今日はイタリアの観光名所を案内します…』
男「…海外旅行かぁ」
幼「いいよね、憧れるなぁ…」
幼「…男ちゃんも行きたいとことかあるの?」
男「俺は…」
男「…エジプトでピラミッド見たいな」
幼「ふむふむ…」
男「ほら、歴史で必ず習う、世界のみんなが知ってるピラミッド」
男「一度くらい目にしたいよな」
幼「…うんうん、わかるよ」
幼「…わたしだったら、今テレビでやってるイタリアのローマとかがいいかな」
男「ローマの休日みたいな観光とか?」
幼「そうそう」ニコッ
男「幼、あの映画好きだもんな」
幼「うん、大好きっ」
幼「…好きな人とふたりでジェラート食べたり」
男「いいな」
男「…トレビの泉で願掛けしたりか?」
幼「泉にコイン投げ入れるんだよ、うまく入ると幸せになれるの」
幼「…私の幸せはどんなことか決まってるんだけどね…」
幼「…真実の口に手を入れてドッキリしたり」
男「…嘘つくと噛まれちゃうんだっけな」
幼「うん」
幼「手を入れて好きな人に告白したら盛り上げるよ、きっと…」
男「うん、ロマンチックだな」ニコッ
幼「えへへ、わかってもらえる?」
男「ああっ」
男「…でも、告白のとき、真実の口に噛まれちゃったら気まずいよね」
幼「あはは、そうだねっ、確かに」
幼「……」
幼「…私ならぜったい噛まれないもん…」
男「……」
男「…俺は噛まれないで告白できるな…」
男「…まぁ、もし海外旅行に行くなら」
幼「…え?」
男「幼といっしょに行きたいかな」
幼「…私も男ちゃんと行きたい」
男「いっしょだな」
幼「いっしょだね」
幼「…いっしょに海外旅行、指切りして約束しようか?」
男「うん、いつか必ず」
幼「やくそくだよ?」
男「約束だ」
キュッ
幼「えへへ」
男「ふふっ」
幼「楽しみだね」
男「うん」ニコッ
幼「男ちゃん」ニコッ
男「…なんだ?」
幼「あ~ん」ポイッ
男「」パクッ
男「」モグモグ
男「…甘くてうまいな…」
男「幼、これなんだ?」
幼「きな粉棒だよ。駄菓子屋さんで買ったんだよ」
幼「私のお気に入り。気に入ってくれたなら何よりもだよ」
男「うん、すごくうまいな」
男「じゃあお返しだな」
男「あ~ん」ポイッ
幼「」パクッ モグモグ
幼「…チョコバットだね。これすき」ニコッ
男「俺の好物さ」
男「これうまいんだよ、腹持ちいいし」
幼「男ちゃんよく食べてたよね、小学校の帰りとか」
男「あの駄菓子屋で買ってね」
幼「それで、男ちゃん私にもよく分けてくれたよね」
幼「ありがと、お菓子おいしかったよ」ニコッ
男「うん、ふたりで割って食べたよな」
男「…チョコバット以外にも色々分けて食べたなぁ」
幼「分けあって食べるともっとおいしいもんね」
男「うん」ニコッ
男「幼もお菓子もよくくれたしな」
もう少ししたら続き書きますね
生存報告していいですか?
生存報告をします。
最近、忙しくてすみません。
幼馴染「男ちゃんとふたりで食べたほうがお菓子も美味しいもん、えへへっ」
幼「今もね、楽しいよ」
男「…そっか」
男「僕もだな…」
男「…分け合えば仲良し、ってCMがあったけどそんな感じかな」
男「幼とお菓子食べると楽しい」
幼「元から仲良しだけどね…えへへ」
男「まぁな」
幼「…ふぇ…」
幼「…照れないの?」
男「なんで?」
幼「えとね…」
幼「今日はいつもと違うね男ちゃん…」
男「ん?何が?」
幼「男ちゃん、今日は何だか照れたりしないから…」
幼「いつもより積極的というか…」
男「そうかな?いつも変わらないぞ」
男「だいたい幼は俺が照れるようなこと言ってるの?」
幼「ええと…」
幼(いつも攻めてるんだから気付いてよぅ…)
幼「にぶちん…」
幼「……」
男(ヘンなムードに…)
男「……」
幼「……」
幼「男ちゃんはさ…」
男「…な、なにかな…/////」ビクッ
幼「うん/////」モジモジ
幼「あのね…」
幼「……」
男「……」
男(…もしかして…いよいよかな?)
男(出来たら男子の俺から言うべきだろうけど…)
男(いい言葉が聞きたいけど…)
男「…どうしたの幼?」
幼「あのねわたし…わたし…」
幼「/////」スウ
男「うん」ゴクリ
幼「おとこちゃんのことがずっと…ずっと…」
オトコーゴハンヨー!
……
夕食
男「……」ハァ
幼「カツおいしい♪」モグモグ
男母「…ご飯おいしい幼ちゃん?」モグモグ
幼「はい、ごちそうになっちゃってすみません」
男母「いいのよ。昔からよくいっしょにご飯してるもの」
男母「幼ちゃんがいっしょにいたほうが楽しいし、おいしいわ」
男母「…それに」
男「」モグモグ
男母「…男も喜ぶし…」
幼「…?」
男母「男も幼ちゃんがいるとご飯がとっても楽しそうなの」
男母「最近いっしょに食べられなくて寂しいみたいよ」
男「母さん…」
男母「ふふっ」
男「……」モグモグ
幼「…えへへ」モグモグ
幼「男ちゃんの好きな食べ物…」
男母「はい?」
幼「作り方聞いてもいいですか?」
男母「ええ!ぜひいっしょに作りましょう」
幼「はい!!」
男母「いっぱい教えてあげるわね」
幼「はい」
男「」モグモグ
男母「じゃあ約束ね」
幼「約束です!」
男母「しかし、いっしょにキッチンで料理したりしたら…」
男母「お嫁さんみたいね」クスッ
男「な、なっ!!?」
幼「/////」
男母「幼ちゃんみたいな子が男のお嫁さんになってくれたらいいのに…」
幼「そんな…」
男「…どうしたもんかな」
男「」
幼馴染『あなた』
男(…こんなのかな?)
男(悪くない…)
男「ふふ」
幼馴染「えへへ…」
男母「まぁ…」
男母「楽しみ」
男母「幼ちゃん、ところで今日は止まっていかない?」
男母「もう遅いし、ゆっくりしていってほしいな」
男母「どうかしら?」
男「」
幼「ええと…」
………
幼「お風呂先にいただいたよー。ありがと」
男「いいよ」
幼「ふー」ホカホカ
幼「泊まっちゃってごめんね」
男「あっ…うん…いいよ…」
男(湯上がり幼、色っぽいなぁ)
男(母さんが貸したパジャマ、ぶかぶかしてて余った袖が可愛い…)
幼「気持ち良かったよ。男ちゃんも早く行ったら?」
男「そうするよ」
廊下
男「」スタスタ
男「そういや風呂、幼が先に入ったんだよな」
男「/////」
男「雑念を払うんだ…臨、兵、闘、者、…」
男「…後なんだっけ…?」
客間
幼「私の入ったお風呂に男ちゃんが…」
幼「彼女なら当たり前…」
幼「お嫁さんなら常識…」
幼「/////」
幼「」ギュッ
-枕を抱きしめています-
風呂
男「皆、陣、裂、在、前…だったな…」
男「…このお湯に幼が…」ジー
男「…シャワーだけで済まそうかな…」
男「なんでこんなに緊張してるんだ…?よく泊まってるのに相手の家に、二人とも」
男「思春期かっ!!」
男「はぁ…」
その前
幼「…シャワーだけでいいよね」
幼「湯船に浸かるの、恥ずかしいし…」
幼「今日はなんかいっぱい意識してるなぁ…」
幼「昔からたくさんお互いの家に泊まってるのに…」
幼「むう…」
………
居間
男「あがったよー」
幼「おかえりー」
幼「ジュース飲む?」
男「うん」
幼「ポンジュースどうぞ」コポコポ
男「ありがとう」
幼「飲み物注いであげるのいいな」
男「ん?」
………
居間
男「あがったよー」
幼「おかえりー」
幼「ジュース飲む?」
男「うん」
幼「ポンジュースどうぞ」コポコポ
男「ありがとう」
幼「飲み物注いであげるのいいな」
男「ん?」
幼「…うふみたいだから」
男「どうかした?」
幼「なんでもないよー」
幼「ポンジュース美味しいよねっ」
男「うん」
男「ポンジュース水道から出てきてほしいくらい好きだわ」
幼「手とか洗えないよ?」
男「あはは」
男「あとはC.C.Lemonとかカルピスとかファンタとかも蛇口から出てきたら嬉しい」
幼「もうドリンクバーじゃん」
男「よしサイゼリヤ行こう。ドリンクバー頼む」
幼「勝手に決めないでー」
幼「男ちゃん、ドリンクバー使い過ぎてよくお腹いっぱいになっちゃうよね」
男「ジュース好きだから色々飲みたいんだよな」
幼「じゃあカラオケも行こ?ドリンクバーあるよ」
幼「わたしの歌声披露しちゃうよ。聞きたいでしょ?」
男「幼の歌声は良く聞くけど好きだよ」
男「久しぶりにカラオケで聞きたいかな。俺も歌いたいし」
幼「じゃあ、決定♪」
幼「いやー、予定がどんどん決まるね」
男「だな」
幼「ちゃんと守ってよー予定」
男「もちろん、約束だよ」
幼「うん、約束ね」
幼「…さて、うたうだりらっくすして過ごそうかな」
男「ああ」
幼「テレビ見る?」
男「うん、チャンネル(リモコン)くれ」
幼「はい、男ちゃん」
男「ありがとう」
幼「落ち着くなぁ~」
幼「男ちゃんの家っていいよね。なんか馴染むよー」ノビー
男「それは良かった」
幼「ほとんど赤ちゃんのときから来てるからね」
男「俺も幼のうちに赤ん坊の頃から行ってるから好きだよ」
幼「好き!?」
男「…うん」
幼「へぇ…」
男「……」
幼「ねぇ、頭なでなでして?」
男「こう」ナデナデ
幼「そう…」
男「…明日ひまだよね」
幼「うん、休みだし…知ってるよね」
男「じゃあ、デートしないか?」
幼「いいよ、えへへっ」
男「どこ行きたい?」
幼「そうだねぇ…」
幼「カラオケとかファミレスとか?さっき話したし」
男「せっかくだから普段行かないところに行きたいんだ」
幼「う~ん…」
男「いきなりむちゃぶりしてごめんな」
幼「いいよ、考えるの楽しいもん」
幼「…で、どこ行くの?」ゴクゴク
男「ん」ゴクゴク
男「…春だし(作中時間)、自然の中でピクニックとか?」
幼「いいねー、気持ち良さそう」
幼「電車に乗って自然公園とか行こう」
男「うん、うん」
男「お弁当もってさ、…俺作ろうかな」
幼「じゃあいっしょに作ろうよ?そのほうが楽しいよきっと」
男「いいな」
幼「じゃあ早起きしないとね」
男「だな」
幼「おやつは300円までかな?」
男「遠足じゃないよ」
幼「じゃあ自由かな?わ~い、たくさん持ってけるねー」
男「太るぞー」
幼「失礼だよ男ちゃんは~」
幼「だからモテないんだよ~」
男「モテなくてもいいし、リア充にも興味がないな」
幼「クールキャラ?似合わないよ?」
男「似合わないか…自分ではいいと思ってたんだけど…」
幼「男ちゃんはほっこり癒やされるなごみ系です」
男「そんな普通人よりミステリアスな男になりたいかな」
幼「ミステリアスと呼ぶには男ちゃんのこと、わたしは知り過ぎてるかな」
男「ふふっ、確かにな」
幼「いつも見てるから…昔からずっと…」
幼「…だからわたしのこともちゃんと見ててね?おねがい」
男「うん、ジーって見るよ」
男「アルソックぐらい見守る」
幼「あははっ、それは安心だね」
幼「…でも、恥ずかしいとこは見ちゃダメだよ?」
男「わかった、プライバシーは遵守するよ」
幼「着替えとかお風呂とか覗いちゃだめだよ、約束だよ?」
男「…俺、痴漢とかストーカーとかなの?」
幼「それ以外はそばにいてね」
幼「ず~っとね?」
男「出来うる限りは」
幼「まだ時間早いし、お菓子を見に行こー!」
男「いっしょにコンビニにな」
幼「でも、お弁当の材料はコンビニじゃ揃わないなぁ」
男「食材はあるから弁当は平気だぞ」
幼「じゃあ一応、うちにも寄る?食材、家からも持ってくよ」
男「悪いな、ありがとう」
幼「…すぐ帰れるのになぜ泊まってしまったのかな、わたし?ごめんねいつもいつも…」
男「今更気にするなよ」
男「幼が来ると母さんも喜ぶし、…俺も嬉しいから」
幼「ありがとう…男ちゃん…」
男「じゃあ行こうか」
幼「うん」
男「…じゃあ、というわけで、母さん行ってくるよ」
男母「行ってらっしゃーい」
男母「幼ちゃんと仲良くね」
男「ああ…」
幼「/////」
……
幼「夜道っていつもと違うねぇ」
男「だな」
男「いつも歩いてる道なのにな」
幼「不思議だねぇ…」
幼「見方を変えると色々変わるモノなのね」
男「街灯におぼろげに照らされてるのっていいよな」
男「なんでも儚くて幻想的に見える」
幼「うん…」ギュッ
男「…手を繋ぐのかい?」ギュッ
幼「……」ギュッ
幼「なんか楽しいね男ちゃん」
男「うん、ワクワクするな」
男「…あのさ、幼…」
幼「なぁに、男ちゃん?」
男「…いや、なんでもないよ…」
幼「言いかけて止めないでよ。気になるじゃん」
男「本当に何でもないから」
幼「?」
男(光の中…)
男(…僕にとって一番綺麗に見えたのは幼でした)
男(…なんてね…)
男(夜、あんまり外を歩かないから変な気持ちだな…)
男(しかも幼がいっしょだし…)
幼「♪」
男「ご機嫌だな…」
幼「えへへ、うん」
男(浮き世放れした感覚だ…)
男(色々考えてたら…)
幼「コンビニに着きました」
男「お菓子何買う?」
幼「わたし的にはまずは百円くらいで、たくさん中身が入ってるヤツからがいいかな」
幼「無印のチョコスナックとか」
男「俺はマリービスケット」
幼「それおいしいよね」
男「うん」
幼「あとオレオとかもいいよね」
男「オレオほろ苦くてうまいよな」
幼「うんうん」
幼「わたしたちはお菓子の好みも合うよね」
男「昔からいっしょだからな…おかげで分けやすい」
幼「えへへ…だね」
幼「…そうそう、お菓子の好みといえば…」
幼「きのこの山とたけのこの里、どっちが好き?」
男「…あえてタブーに触れるか…」
幼「この問いでわたしたちの相性が分かります」
幼「…男ちゃんのこと、信じてるよ」
幼「さぁ、答えは?」
男「……」
幼「」ドキドキ
おやすみなさいませ
見ているかた、いらしたらありがとうございます
男「…そうだね」
男「まずは情報を整理させてもらうよ」
幼馴染「うん」
男「たけのこの里はクッキー部分がおいしいよね。味がしっかりしてて」
男「きのこの里はチョコがほろ苦くてうまい」
男「ところで幼はきのことたけのこ、両方入ってるバラエティーパックは知ってるかな?」
幼「うん、小袋がたくさん入ってるやつだね」
男「あれを食べている時、俺には1つのアイデアが思い浮かんだ」
男「きのことたけのこ、いっしょに食べたらどうなるか?」
幼「!?…男…もしかして…?」
男「うん、幼…」
男「たけのこの里のクッキー、きのこの山のチョコ」
男「両方がフィットして非常にうまかった」
男「異なる二つの物でも共存できる」
男「手を取り合い、助け合える」
男「俺はこれを学んだ」
男「俺たちもそうだろう?」
男「幼と俺、ふたりいっしょだからこそ毎日楽しい」
男「同じように、たけのこの里ときのこの山も共にあるべきなんだよ!!」
男「俺は両方大好きだ!!」
幼「男…」
男「だから二つとも買うぞ!」
幼「…むー、深いよ男ちゃん…さすがだよ…」
幼「男ちゃんなら、両方欲しいって言ってくれるとわかってたよ」
幼「私も両方大好きです!」
幼「いっしょだね?」
男「ああ!いっしょだよ!」
男「幼!」
幼「男ちゃん!」
ガシッ (握手)
店員「……」
店員「…あのカップル、お菓子選びにどんだけマジなんだよ…」
………
男「食材揃えたぞー」
幼「明日の準備できたよー」
男「…もう、時間結構遅いな」
幼「だねー」
幼「…じゃあ、おやすみなさい男ちゃん」
男「うん、おやすみ」
幼「えへへ」
幼「また明日ー」
男「また明日な」
幼「…また明日っていうのも約束だよね?」
男「約束だね」
幼「えへへ」
男「幼、テンション高いな」
幼「そうかな?」
幼「男ちゃんとデートできるからかな」
幼「テンションだって上がっちゃうよ」
男「うん」
男「わかるよ」
幼「…でもそれだけじゃないんだよ…」
男「え?」
……
幼母「今日は男ちゃんちに泊まるのよね?」
幼「うん、だから一旦、荷物を取りに来たの」
幼「明日お弁当作るから、冷蔵庫の食材少し持っていくね」
幼母「ええ」
幼母「幼ちゃん」
幼「なぁに?」
幼母「頑張ってね」
幼母「明日も、今晩も…ね」
幼「/////」
幼「も~!!」
男「…幼ー、何してるの?」(隣りの部屋から)
幼「今行くよー」
……
幼「……」
幼「男ちゃん…」
男「何?」
幼「いっしょに寝ない?」
男「え…」
男「…それ、まずくないか。もう俺たちいい年だし」
幼「昔はよくいっしょに寝たよ?」
幼「いいじゃない」
幼「何か問題でも?」
幼「久しぶりなんだし」
男「……」
………
寝室
男「布団は別だよ」
幼「えへへ」
幼「手を握ってあげましょう、幼稚園のお昼寝の時間みたいにね」ギュッ
男「確かに握って寝たけど…」
幼「夢の中でも私を守ってくれるんでしょ?」
男「確かにそんな約束したけど」
幼「怖い夢を見て泣いてる私を慰めてくれたじゃない」
男「あれね」
………
…
幼稚園時代
男『おひるねの時間、おしまいだね…』
男『…幼ちゃん、起きた?』
幼『…ぐすっ』
男『…どうしたの、幼ちゃん?』
幼『へんな夢見た…』
幼『…こわいの…みんないなくなっちゃうの…わたしひとりぼっちなの…』
男『うん…』
男『』ナデナデ
男『へいきだよー』
男『僕はずっとそばにいるよ』
男『それで幼ちゃんを守ってあげるからね…』
男『泣かないでー』
幼『うん…』
幼『ありがとう男ちゃん…』
男『そうだ!寝るとき手をつなげばいいんだよ!』
男『そしたら、はぐれないで夢でもいっしょだよ!』
男『夢の中でも幼ちゃんを守ってあげるからね!』
男『もちろん夢の外でもいっしょだよ!』
男『ずっといっしょだよ』
幼『うん…』ギュッ
幼『…ずっと、ずっといっしょ』ニコ
男『うん!』
……
幼「…って言って、それからずっと手を握って寝てくれたじゃない」
幼「起きてるときだって、よく手をつないでくれた」
幼「いつもそばで守ってくれるって」
幼「とっても嬉しかったんだよ」
幼「ありがとう」
男「なんだか恥ずかしいな」
幼「ふふ」
幼「じゃあおやすみ男ちゃん」
幼「また明日」
男「おやすみ、また明日」
幼「」ギュッ
男「」ギュッ
幼「…なんだか、ホッとするなぁ」
幼「手を繋いでると安心するね」
男「そうだな、少し恥ずかしいけど」
幼「あはは」
男「…で、離さないのか?」
幼「離さない…」
幼「…このまま、おやすみなさい」
男「うん、おやすみ」
幼「えへへ」
……
朝
男「いっしょに料理するの、楽しいな」トントン
幼「そーだね」ジュー
男「幼は料理が上手だなー」
幼「男ちゃんも上手だよー」
幼「……」
幼「これっくらいのお弁当箱に♪」
男「……」
男「おにぎり、おにぎり、チョイとつめて♪」ギュッ
幼「…え~と、ゴマ塩ふって♪」
男「ずいぶん歌詞飛ばしたな」
幼「だって覚えてないんだもん」
男「自分でフったのに」
男「…まぁ、幼稚園の頃の歌だしな」
男「俺もわかんないや」
幼「うろ覚えの歌って多いよね」
幼「幼稚園、小学校あたりで習う曲は特にね」
男「うん」
男「でも歌っちゃうんだよな」
幼「リズムが印象的なのが多いからねー」
幼「まぁ、大事なのはノリだよね」
男「だな」
幼「男ちゃんとノッてるときが一番楽しいよ」
幼「男ちゃんはどうかな?」
男「幼といるときが一番ノリノリです」
幼「いっしょだね!」
男「しかもノリのポイントも共通!」
幼「最高だね!」
男「なっ!」
男「もう夫婦みたいだよな!」
男「このまま結婚しちゃったりしてな!」
幼「…そう、結婚しちゃったり…」
幼「ふぇ!?」
男「…」
男「こうやっていっしょに料理してるとことか、まるで夫婦そのものだよな」
男「ホントに夫婦になりたいなぁ…」
男「幼がホントに好きだから」
男「…結婚してみる?」
幼「え…あー…うん…」
幼「……」
男「……」
幼「ん…」
幼「いいよ。しよ?」
幼「私は男ちゃんが大好きだから…」
幼「いっしょになるなら男ちゃんとがいいな」
幼「いつもいっしょにいてくれたから」
幼「たくさん私と約束して、みんな守ってくれたから」
幼「だから私は男ちゃんが大好き」
幼「…そして、これからも男ちゃんと約束して、未来を作っていきたい」
幼「…いいかな?」
男「俺も幼と過ごす未来がほしい」
男「ずっといっしょにいよう。これからも」
男「たくさん約束しよう」
幼「うん…」
幼「ずっといっしょね」
幼「やくそく…だよ?」
男「約束だ」
幼「うん」
幼「約束…」ギュッ
男「…」ギュッ
男「…ごめんな、長いこと待たして…」
男「…しかもきちんと告白しないで茶化した言いかたして」
男「今までも、ずっとはぐらかして」
男「…ごめんな。…でも俺、幼が大好きなんだ」
男「それだけ言いたいんだ」
幼「気にしないで。私も自分の気持ち、ごまかしてたから」
幼「…私たち、ずっと前から恋人同士なんだよね」
男「うん。そして、これからも…」
幼「」ギュッ
男「」ギュッ
……
自然公園
幼「…あー、天気が良くて気持ちいいー」
男「な、気持ちいいなー。シートを敷いてゴロゴロ最高」
男「膝枕されてる頭がめちゃくちゃ気持ちいいし」
幼「それは良かった」
幼「私も心地いい重さと暖かさを感じるよ」
幼「…彼氏の頭の」
男「…彼女の膝枕もいいよ」
幼「えへへ」
男「ふふっ」
幼「…そういえばモブ女さんが私の事気にしてたけど、なんて言ってたの私のこと?」
男「ああ」
男「俺の彼女だって話しちゃってた」
男「まだ、ちゃんと告白してなかったのにごめんな」
幼「別にいいよ、なんか嬉しいし」
幼「もちろんこれからもずっといっしょなんだよね?」
男「約束する」
幼「ありがと」
……
幼稚園時代
男『僕たちこれからもずっと仲良しだよ!』
幼『やくそくね!』
中学時代
幼『いっしょの高校に入ろうね?』
男『うん、頑張ろうな。約束だ』
……
幼「…ふふっ」
男「…で、モブ女さん陰ながら応援してくれてたんだよ…」
男「アドバイスもくれたし…」
幼「……うん」ボー
男「どうしたの?」
幼「…男ちゃんが私との約束を破ったことなかったなって」
男「幼が破ったこともないだろ」
幼「したいことを誓ってるだけだからね」
男「俺もさ」
幼「いっしょかー」
幼「とりあえずお弁当食べようか?」
男「うん、食べよう」
パカ
男「二人で作ったからうまそうだな」
幼「うん!」
幼「これからもいっしょにご飯作ろうねー」
男「作ろうな」
幼「ねぇ…男ちゃん…」
男「なんだよ?」
幼「ふたりで幸せになろうね?」
男「約束…」
男「…もう充分幸せだよ」
幼「違いないね」
男「!」
男「」ギュッ
男「」チュッ
幼「/////」チュッ
幼「…きす!?」
男「…もっともっと幸せになろうか?」
幼「うん…」コクリ
幼「やくそく…だよ?」
男「うん!」
……
幼稚園時代
幼『私、男ちゃんだいすき!』
男『僕も幼ちゃんだいすき!』
幼『大きくなったら結婚しようね』
男『うん!』
幼『じゃあ、いつもどおり指切りしてやくそくするよー』
男『しよ!』
男『指切りげんまん♪』
幼『ウソついたら針せんぼんのーます♪』
幼・男『指切った♪』
幼『やくそくね』
男『やくそくだよ』
……
幼・男『ぜったい結婚しようね』
男「弁当うまい!」モグモグ
幼「おいしいね」モグモグ
幼(…どうやら昔の約束が本当になる日もそう遠くないみたいです)
おしまい
お付き合いありがとうございます
エピローグ
……
幼「長かったねー」
男「そうかな。なんだかあっという間だった気がする」
幼「長いようで短い月日だね…」
男「うん。とにかく、ここまで来れたな」
幼「きちんと結婚の約束を守ってくれてありがとう男ちゃん」
男「小さい頃からの約束だから」
幼「えへへ…だね」
幼「次は何を約束してくれるの?」
男「幸せな家庭生活かな」
幼「いいね、それ」
トントン
係員「新郎様、新婦様。お時間ですよ」
男「はい」
幼「はーい」
幼「結婚式が始まるね」
男「そうだな。楽しみだね」
幼「えへへ…」
男「じゃあ行こうか?」
幼「うん」
幼「男ちゃん!」
男「はい?」
幼「やくそく守ってくれてありがとう!」
おしまい
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