P「乃々ー、仕事行くぞー」 乃々「無理だから、いやマジで」 (21)

書き溜め有り。短いからすぐ終わる予定

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P「え、ちょっと、そんなに?」

乃々「前々から言おうと思ってたけど嫌がってる女の子を無理矢理連れて行くとかどうかと思う」

乃々「本当に捕まっちゃえばいいと思う」

P「いや、いつもなら『むーりぃー』とか言いながらも頑張ってくれるじゃん」

乃々「あれは頑張ったらプロデューサーが頭撫でてくれたり褒めてくれたりするからですけど……」

P「じゃ、じゃあ仕事終わったら頭撫でてやるから、いっぱい褒めてやるから。な? だから仕事に行こう」

乃々「私を釣ろうなんてむーりぃー。じゃあ帰りたいんで帰ります」

P「」

P「ちょ、ちょっと待て。いつもなら『帰りたいんですけど……』なのに何で帰るって言い切っちゃてるんだよ」

P「あと、何をしてでもお前を仕事に連れて行くからな」

乃々「私がマネージャーしますからプロデューサーがアイドルすればいいじゃないですか。奇跡的に顔だけはいいですし」

P「お前いつからそんなに饒舌になったんだ」

乃々「私だってストレスは貯まるんですけど。毎日毎日、引きずられて仕事に行って」

乃々「苦手なおしゃべりを強要して。いっぱい恥ずかしい格好させて。挙げ句の果てには私のポエムまで見てるし!」

乃々「私はプロデューサーさんの机の下で静かに暮らしたいんですけど」

P「……え?」

乃々「あ!? な、なんでもないんですけど……」

P「そ、そうか。とにかく分かった。乃々がそこまで言うなら俺が折れるよ。今日は代役として梅を出しておくから」

乃々「……ありがとうございます」

P「でも次は連れて行くからな」

乃々「アイドルとかほんとむーりぃー」トテトテ

P「(休めると思った途端に俺の机の下に行くんだな。てか帰らないんだな)」

乃々「(やっと帰って来れた。やっぱりここが一番落ち着くんですけど。だって、ぷ、プロデューサーさんの匂いが……)」

P「乃々、今日はほんとに行きたくなかったんだな。俺も気持ちを汲むべきだったよ」

乃々「別にいいですけど……」

P「(どうやったらこいつのやる気を掻き立てることができるんだろう?)」

P「じゃあ、俺は梅のところにいくから留守番頼むな」

乃々「留守番とかむーり……いや、留守番くらいならいいですけど」

P「じゃあ行ってくるな」

ガチャ

乃々「(プロデューサーさん、いなくなっちゃったんですけど)」

乃々「一人……か」

乃々「今なら何をしてもバレないんですけど」

Pの上着「」

乃々「やるなら今しかないんですけど。でも……」

P『おい、何してんるんだ? 乃々』

P『お前、そんな趣味があったのか。ちょっと失望したよ』

P『じゃあな、乃々。これからは梅と頑張るよ』

ごめん、海

乃々「何て言われたら……む、む、むーりぃー」ウルウル

乃々「……いやそれでも、チャンスを逃すわけには行かないんですけど」

Pの上着「どうなっても一切の責任は負いません」

乃々「やっぱりいい匂い……」クンカクンカ

乃々「まるで凛さんみたい何ですけど」

乃々「でも止められないんですけど」スーハースーハー

乃々「後、五分」クンカクンカ

乃々「後、三分だけなんですけど」スーハースーハー

乃々「あと、あと、十秒だけ、十秒だけなんですけど!」クンカスーハー


三十分後


乃々「(プロデューサーさんプロデューサーさんプロデューサーさん)」

コツコツ

乃々「(誰か帰ってきた!?……)」

Pの上着「ベットベトしてますが私は関係ありません」

乃々「」

乃々「(非常にまずいんですけど)」

乃々「とりあえず……この上着は私のバックに入れておくんですけど」

ガチャ

P「ただいまー。乃々、大人しく留守番してたかー?」

乃々「(大人しく……とは言えないんですけど)」

P「あれ? 椅子に掛けてた上着は?」

乃々「!?」

乃々「(ここでバレるわけには行かないんですけど)」

P「乃々、なんか知らないか?」

乃々「し、知らないんですけど」

P「(露骨に目を逸らしたな)」

乃々「(バレてないよね?)」

P「(バレてないとでも思っているのか?)」

乃々「ぷ、プロデューサーさんが車に置き忘れたんじゃないの?」

P「(ここは一つ乗ってやるか)」

P「んー、そうかもしれないな。ちょっと見てくるよ」

ガチャ

乃々「……なんとかなったんですど」

乃々「プロデューサーがいない間に上着をクンカクンカしてスーハーした上にその上着を持って帰ろうとしてるって言うなんてむーりぃー」

事務所の外

P「……何てことだ。乃々も凛の仲間だったのか。でもそれで乃々が仕事に勤しんでくれるなら……」

P「今日はとりあえず退こう。何日かすれば返してくれるだろう」

ガチャ

P「乃々ー、やっぱり無かったぞ。今度さがすからお前ももし見つけたら教えてくれ」

乃々「わかったんですけど」

乃々「(今、私のバックの中にあるなんて言えないんですけど……)」

P「じゃあ、今日はもう帰ろう。送っていくから」

乃々「……はい」

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森久保乃々(14)

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杉坂海(18)

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渋谷凛(15)

画像ありがとう

一ヶ月後



P「乃々、仕事行くぞー」

乃々「むーりぃー」

P「そんなこと言ってないで早く行くぞ!」グイ

乃々「軽々しく触らないで欲しいんですけど」パシッ

P「え、ひどくない?」

乃々「嘘なんですけど……上着を貸してくれれば仕事も蝶のように舞って頑張れる気がするんですけど」

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