ライナー「ケッコンシヨ」(21)

-立体機動訓練場-

空が暗い…

ユミル「疲れたな…」

クリスタ「怖いよ…ユミル…」

ユミル「何ビビッてんだよ、私が着いてるだろ」

やってしまった…

悪ふざけでクリスタを連れて立体機動訓練場の奥の奥まで来てしまった。
クリスタを脅かそうと思って、なんてことない木々を潜り抜けて行ったんだ。

ユミル「チッ…」

ザッザッ…

クリスタ「…」ビクビク

ザッザッ…

クリスタの制止が逆に面白くって、どんどん進んで行っちまったんだ。
そしたら、急にガスが出なくなって

ユミル「ガスはまだ残ってんだけどな…」

ユミル「故障しちまったのか?」

信煙弾などと言った連絡方法も持ち合わせちゃいないから
私達は兵舎まで歩く事しか出来なかった。

だが、散々歩いたのに人がいる気配もねぇ…
クリスタも歩き疲れて疲労困憊だった。

ユミル「少し休憩するか、お前も疲れただろ?」

クリスタ「うん…ちょっと疲れちゃった…」

しょうがないから今は休憩して、体力の回復を待つことにしたんだ。

木に寄りかかって休憩している間に
空はどんどん暗くなっていった。

偶に吹く風が、木をザワザワと言わせていて
この暗い空間の中では、私達にとって不気味な音にしか聴こえなかった。

どんどん時間は過ぎていき、ふとクリスタの方を見ると
クリスタは寝てしまっていた。

ユミル「(のんきな奴…)」

そんな事を思っていると…
今思い出しても気味が悪い、音なのか、声なのか、分からない感じで



「ケッ・・・コン・・・シヨ・・・」

って、何度も繰り返してるんだ。

私は背筋が凍りついた。


たまらず目を閉じて…
聞き間違いだ…聞き間違いだと、思い込んだんだが…
その音はどんどん近付いて来る…


「ケッ・・・コン・・・シヨ・・・」

その音はすぐそこまで来ていた…
一体、何が居るっていうんだ?

怖くて仕方なかったのに
私は思わず目を開けてしまった。

するとそこには
めちゃくちゃな動きをしながら私達に近付いて来る奇妙な生物がいた。

形は、霊長類で言うゴリラのような形だ。

そいつが、例えるなら

「ケンケンしながら両手をめちゃくちゃに振り回して身体全体をぶれさせながら」

こちらに向かって来る。

ユミル「ひっ…」

めちゃくちゃ怖くて、叫びそうになったけど、なぜかそのときは
「隣で寝てるクリスタが起きないように」

って変なとこに気が回って、叫ぶことも逃げることもできないでいた。

はいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれた

そいつはどんどん私達に近づいてきたんだけど
どうも私の隣を通り過ぎていくようだった。


だが…その時私は垣間見た。


そいつには、首から上が無かったんだ。

ユミル「な…何だよあれ…」

見たこともない生物を目の当たりにした私は
恐怖を感じずにはいられなかった。

ユミル「もう…いないよな…?」

音が遠ざかっていって
後ろを振り返ってもそいつの姿が見えなかったから

ほっとして

ふとクリスタの方を向き直ったら





そいつがクリスタの隣にいた。

近くでみたら、頭がないと思ってたのに胸のあたりに顔がついてる。
思い出したくもない恐ろしい顔でニタニタ笑ってる。

私は怖いを通り越して、クリスタに近づかれたって怒りが沸いてきて、

ユミル「この野郎!!」

って叫んだんだ。
叫んだとたん、そいつは消えて、クリスタが跳ね起きた。

私の怒鳴り声にびっくりして起きたのかと思って
クリスタに謝ろうとしたら、

クリスタが

「はいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれた」


ってぶつぶつ言ってる。

>>14
ネタバレっぽくなるからやめて欲しかった

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom