サシャ「知ってますって」
ジャン「え、そうなの?」
サシャ「むしろ知らない人はいないと思いますけど」
ジャン「………」
ジャン「…まぁそれはともかくとしてだ」
ジャン「俺にベタベタくっつくんじゃねえ」
サシャ「だって寒いじゃないですか」ペッタリ
ジャン「…そもそも!」
ジャン「俺らがここに閉じ込められてんのは!」
ジャン「全部お前のせいだろうが!!」
サシャ「…うぅ。だからすみませんって、さっきから謝ってるじゃないですか」シュン
ジャン「ったくもう…」
――― 2時間前・食堂 ―――
ジャン「…よぉ、今日の倉庫の掃除当番の女子って誰だ?」
サシャ「あっ、備品倉庫ですよね。はいはーい、私でーす!」
ジャン「…チッ、芋かよ」
サシャ「ひどいことを」
ジャン「まぁいいや。とっとと食ってさっさと終わらせちまおうぜ」
サシャ「了解!」
サシャ「では、いただきまーす!」ガツガツモグモグ
クリスタ「…フフ。サシャ、そんなに急いで食べたらのどに詰まっちゃうよ」
クリスタ「ほら、お水も飲んで」
サシャ「…ん。だひじょうぶです」ムグムグ
ユミル「放っとけってクリスタ。コイツ飯の時はいっつもこんな調子じゃんか」
クリスタ「あはは、そうなんだけどね」
サシャ「…ふぅー」ゴクゴク
クリスタ「ところでサシャ、今日掃除当番だったっけ?」
サシャ「ミーナが訓練中に腰を痛めたので代わってあげたんですよ」
クリスタ「え? ミーナ大丈夫なの?」
サシャ「明日にはアザくらいできてるかもしれませんが、大丈夫じゃないですか? …普通にご飯食べてるし」
クリスタ「そう。良かった」
ユミル「で、どこの当番だって?」
サシャ「(第二)備品倉庫です。あ、ユミル、パン半分もらっていいですか?」
ユミル「は?やだよバカ」
サシャ「ひどい!私はこれからまた労働なのに…」
クリスタ「私ので良かったらあげようか?」
サシャ「いいんですか!さすが神!!」スッ
ユミル「甘やかすなクリスタ」パシッ
サシャ「痛!」
ユミル「…仕様がねーな。私のやるから半分で我慢しろよ?」スッ
サシャ「はい!ありがとうございます神様!」モグモグ
サシャ「…さて、全然食べ足りませんがご馳走様でした」
クリスタ「お掃除頑張ってね、サシャ」ニコ
サシャ「はい。では行ってきますね」
ユミル「おう」
サシャ「ジャーン、食べ終わりましたよー!」
ジャン「早えなオイ」
ジャン「ちょっと座って待ってろ」モクモク
サシャ「はい!」
サシャ「………」
サシャ「…あの、もし食べ切れないならもらってあげt」
ジャン「いいから大人しくしてろ」
サシャ「…ハイ」
ジャン「…よっしゃ、ご馳走さんっと」
ジャン「んじゃ行くか」ガタッ
サシャ「そうですね」ガタン
ジャン「」スタスタ
サシャ「(……)」テクテクテク
ユミル「(…ん? 2人?)」
ジャンサシャかジャンミカだったらおれとく
――― 第二備品倉庫 ―――
ジャン「…ほら、お前のモップ」
サシャ「どうも」
ジャン「俺がバケツ持つから、サシャは雑巾とランタン持っとけ」
……ガラッ
ジャン「うっわ、暗えな。サシャ、明かり明かり」
サシャ「ハ、ハイ。…ちょっと待ってください」ヒョイ、ガラガラ
サシャ「…この辺に置いていいですか?」
ジャン「ああ。よし、始めるか」
バシャバシャ ゴシゴシ
>>6 ジャンサシャで
サシャ「…第二って、あんまり物置いてないですよね」
ジャン「まぁ、第一と違って普段使わねえようなモンばっかだしな」
ジャン「いいんじゃねえの?たまにしか掃除しねえでいいし、楽だし」
サシャ「ですねえ…」
…カタン
ジャン「(?)」
ジャン「…よし、後は床にモップかけて終わりだな。意外と早く片付いた」
ジャン「ってお前、自分のモップは?」
サシャ「へっ!?え、モップ?あれ!?」アワアワ
ジャン「さっき渡したよな?」
サシャ「…あ!そうだ。明かり置く前に外に立てかけたんでした。すいません、取ってきます」
サシャ「」…ガッ
サシャ「……」ガッガッ
サシャ「……………ジャン」
ジャン「なんだよもう」
サシャ「…開きません」
ジャン「ハアァ!?なんだそれ。ちょっとどけ」…ガッガッ
ジャン「…サシャ、モップどこ置いた?」
サシャ「どこって、さっき扉の横に立てかけて……ハッ!!」
ジャン「…さっき何か音がしたんだが…。カタッて」
サシャ「……」
ジャン「…これって、モップが突っかえちまってんじゃねえのかよオォ!!!」
サシャ「ひいぃ!ごめんなさいィィ!!」
ジャン「どうすんだよ、まったく。…窓もねえしよ」アグラ
サシャ「まあまあ、大丈夫ですって。ユミルとクリスタにはちゃんと備品庫の掃除だって言ってありますし」タイイクズワリ
ジャン「ちゃんと『第二』って言ったか?」
サシャ「………あ。」
ジャン「あ、じゃねえっての。こんな隅っこ、誰が探しに来てくれんだよ」
ジャン「大体わざわざ扉閉める必要もなかったろうが!!」
サシャ「ア…アハハ」
ジャン「笑ってる場合か!」
サシャ「…イエ。ホント…スミマセン…」ショボーン
ジャン「ハァ…………(こんな所に女と2人っきりてのはどうも…)」チラ
ジャン「(…こんな薄暗えしよ…)」
ジャン「(でもサシャだしな)」
サシャ「…あ、あのぅ…」
ジャン「あ゛ぁ?」
サシャ「お、お詫びといってはなんですが…」
サシャ「…わた…私を好きにしてもいいですよ?」…ポッ///
ジャン「!?」
ジャン「………………」
サシャ「……シカトですか?」
ジャン「………芋女のくせに」ボソッ
サシャ「…なっ、失礼な!こう見えても一人前の女性ですよ!!」
ジャン「どこが一人前だ!そもそも俺にはお前が女に見えたことなんかねえぞ!」
サシャ「…………」
サシャ「…………」
ジャン「」
サシャ「……意外です」
ジャン「何が」ドキドキ
サシャ「男の子は皆、そういうことに興味あるのかと思ってました」
ジャン「イ…イヤ、別に興味ねえわけじゃねえけどよ……」
サシャ「そうですか!」…ジリジリ
ジャン「ちょ…待て、オイ!近寄ってくんなって!」アトズサリ
サシャ「まあまあ、遠慮せずとも」ズイッ
ジャン「…うわっ!だ、だからその……」
ジャン「お、俺はミカサが好きなんだアァー!!」
>>1 の後
ジャン「…だからくっつくなって!」アセアセ
ジャン「それに…そ、そういうのは、好きな相手とするもんだろ?」
サシャ「私はジャンのこと好きですよ?」ペッタリ
ジャン「えっ//!?」
サシャ「……口は悪いですけど、正直で、嘘つかない感じとか好きです。口は悪いですけど」…ギュッ
ジャン「口悪いって何度も言うな(む…胸、当たってるし//)」
ジャン「…け、けど、俺にだって好きな女g「ミカサですよね」
ジャン「………おぅ」
サシャ「…でも、そしたらジャンは多分一生童貞ですよ?」
ジャン「お前、そんなバッサリ……」
サシャ「やーい、腰抜けー。弱虫ー、童貞ー」
サシャ「ジャンは……私のこと嫌いですか?」ギュウ
ジャン「イ…イヤ、嫌いじゃねえけどさ…(い、息が耳にかかる)」
ジャン「女として見てないというか…(ヤバイこれスゴイヤバイヤバイ)」
サシャ「……それなら」
サシャ「…女として見てください」…耳ペロッ
ジャン「(あ……これ俺もうダメだわ)」
もう書き溜めなくなった。寝よ
続き書けたらいいな
続き
ジャン「………後悔すんなよ」
サシャ「しませんよ」
サシャ「……脱ぎましょうか?」
ジャン「う…うん」
サシャ「」ヌギヌギ
サシャ「あの……ジャンも…///」
ジャン「あっ…と、そうだな///」ヌギヌギ
ジャン「俺の服、下敷いとけ。床冷てえだろ」パサッ
サシャ「あ…ハ、ハイ。ありがとうございます///」
ジャン「えーと、明かりを近くに置いて…」
サシャ「なぜ?」
ジャン「見えねえだろ」
サシャ「///」
ジャン「隠すなって。手ェどけろ」
サシャ「は…はぃ…」ソロソロ
ジャン「(…胸!でけえ……)」モミッ
サシャ「…んっ」ビクッ
ジャン「(うっわ、すっげ柔らけえ…手に吸い付く)」モニュモニュモニュモニュ
サシャ「ん…っく、ふぅ…んっ//」
ジャン「…」ペロ
サシャ「ひゃんっ」ビクビクンッ
ジャン「(…イイ!これイイ!)」ハムッ…ペロペロチュゥ
サシャ「は…あぁ…んっ、ふあっ…ぁん」
ジャン「(か…硬くなってきたな…感じてんのか?)」
ジャン「(し、下は…)」…ヌル
サシャ「やっんぁっ…//」ビクン
ジャン「(濡れてる……)」クチュックチッ
サシャ「ふぁっ…んはあぁ…っ」
ジャン「(すげぇ…指が滑る)」クチュクチュチュクッ
ジャン「(これ…もういいのかな…?)」
サシャ「はあぁ…んっ…ジャ、ジャン…っ」
ジャン「どした?」
サシャ「あぁ…っ、わ、私にも…させ…て…ください//」
サシャ「…ん」…ハムッ
ジャン「う…っ(く、咥えただと…っ)」
サシャ「…あむ…ん…っ」ジュルッ レロレロ
ジャン「…くぅ…っ(ヤベ、自分でやんのと全然違っ…)」
ジャン「(く…口と手と両方使って…)ん…っく」
ジャン「(だ、唾液でニュルニュルして…)」
サシャ「ん……むぅ」ペロッジュルジュル
ジャン「サ、サシャ…」
サシャ「…はぃ」ジュポッ
ジャン「……い…挿れていいか?」
サシャ「ハ、ハイ」
ジャン「ん…っと、よく見えねえな」モゾモゾ
サシャ「よ、よく見ないでください…///」
ジャン「…そういえばこれって、生はマズイんじゃないのか? 俺、外出す余裕なんかねえぞ?」
サシャ「あっ、きょ、今日は大丈夫のはずです」
ジャン「そんなの分かんの?」
サシャ「一応女ですから…他の子も大体知ってると思います…」
ジャン「そっか…。ん…ここか…?」
サシャ「ハ…ハイ…」
ジャン「ン…っ」…グッ
サシャ「!」
サシャ「い゛……………っっ!!」
ジャン「どした?」ググ…ッ
サシャ「…イ…イェ、なんでも…っ、ふぐぅ…っ」
ジャン「…入った…う、動いていいか?」
サシャ「ジャ、ジャン…お願い。ゆ…ゆっくり…」ハァハァ
ジャン「(…あったかくって、超気持ちいい)」…ズッ…ズッ
サシャ「んっ!やっ…あぁっ!」
ジャン「サシャ…ダメだ我慢できない…っ」パンッパンッ
サシャ「はぁ…っあ…やっんぁっ...ふぁっ...んはあぁっ!」
ジャン「…サシャ…んっ…イク…っ!!」ビュッ…ビュルビュル
ジャン「…ハァハァ」
ジャン「え…っと、何か拭く物…」
サシャ「…あ…私の服のポケットに小さいタオルが…」
ジャン「…」ゴソゴソ
サシャ「…終わったら私にも貸してください」
ジャン「ん」
サシャ「…///」モソモソ
ジャン「…悪い。タオル、汚しちまったな」
サシャ「いえ、いいですよ。そんなの」
ジャン「……………」
サシャ「……………」
ジャン「…冷えるから服着るか」
サシャ「そ、そうですね…」
モゾモゾモゾモゾ(着替え中)
ジャン「(……………なんだろう、これ)」
ジャン「(…なんか気まずいんですけど)」
ジャン「(なんか達成感と…満足感と、あとすげえ罪悪感が……)」
ジャン「………誰も来ねえな」
サシャ「…そうですね。もうすぐ消灯になっちゃいますね」
サシャ「まぁ、なんとかなりますよ」
ジャン「ハァ…。お前は能天気だな」
サシャ「よく言われます」
ジャン「………あのよ」
ジャン「ヤッといてこんな事言うのもアレなんだけど……」
サシャ「何です?」
ジャン「お前、能天気も結構だけどさ…」
ジャン「…頭も軽い上に尻も軽いんじゃあ嫁に行けねえぞ?」
サシャ「!!」
サシャ「………………」
サシャ「………知らないくせに」ボソッ
ジャン「え?」
サシャ「…ジャンだって知らないくせに」
サシャ「……私は悩みもないんだとか」
サシャ「…頭悪いとか、しっ…尻軽だとか…」
サシャ「………わた…私だって初めてだったのに…」ポロッ
ジャン「!?」
サシャ「…い、痛いの…我慢したのに…」ポロポロ
サシャ「…ちゃんと好きだって言ったじゃないですか!」
サシャ「初めての人が誰でもいいわけないじゃないですかぁ!!」ボロボロボロッ
ジャン「…エッ!? ちょっ…」
ユミルハヤクー。コッチコッチー、イソイデー
ワカッタッテーソンナハシンナヨー
クリスタ『あー、これが突っかえて出られなかったのね』
クリスタ『サシャー、今開けてあげるからね』
マルコ『ジャンもいるのー?』
ユミル『オーイ、早く出て来い芋女ー』
……ガラガラッ
サシャ「ウワァーーン、クリスター!!」ガバァ
クリスタ「ごめんねぇ、こっちだと思わなくて…。第一に行ったら誰もいないから…」
サシャ「ふえぇーん」ダキッ
クリスタ「…どうしたの? 何かあった?」ヨシヨシ
ジャン「」ビクッ
サシャ「………エット…わ…忘れられたかと……」ヒック
クリスタ「もうー、忘れてなんかいないよー」ヨシヨシ
ユミル「…………」チラッ
ジャン「…………」
ユミル「…とにかく帰るぞ。こんなとこいたら風邪引いちまう」
サシャ「…ハイ」ショボショボ
マルコ「ジャン、僕達も帰ろう。もうすぐ消灯の時間だよ」
ジャン「…おぅマルコ、来てくれたのか」
マルコ「ジャンを探してたらクリスタ達に会ってね。サシャと一緒だって言うから僕も来たんだ」
ジャン「ああ、…サンキュ」
とりあえずここまで。
もっとホニャララした話のはずだったのにおかしいな
続き
――― 翌朝 ―――
ジャン「(………)」
ジャン「(…全然眠れなかった)」
ジャン「(今日の午前は座学か…)」
ジャン「(…なんか寝ちまいそうだ)」
ジャン「(…………顔、合わせずれえな)」ハァー
――― 食堂 ―――
サシャ「…おはようございます!昨日はありがとうございました」
クリスタ「おはよう、サシャ」ニッコリ
クリスタ「起こそうと思ったんだけど、よく眠ってたみたいだから先に来ちゃった」
サシャ「…ああ、すみません。なんか疲れてたみたいです。…でもおかげさまで、今日はとっても元気ですよ!」
クリスタ「そぉ?良かった」
ユミル「……サシャ、目ェ赤いぞ」
サシャ「…そうですか? おかしいですねぇ、いっぱい寝たはずなのに……」
ユミル「……」
ザワザワザワザワ
ジャン「(あ……、いた)」
ジャン「(思ったより大丈夫そう……なのか?)」
ジャン「(とりあえず謝らねえと………)」
ジャン「…よ、よお。おはよう」
クリスタ「あっ、おはようジャン。昨日はお疲れ様」
サシャユミル「……」
ジャン「…サシャ、良かったらこのパンやr 」
サシャ「あっ、結構です!」
ジャンクリユミ「「「!?」」」
サシャ「ダイエット始めたんで!」
ジャン「」シュン
ジャン「」…トボトボ
――― 座学の時間
ジャン「(…結局、謝れなかったが…)」
ジャン「(でも他の皆もいたしな。今度2人になる機会を待ってからでもいいか…)」
ジャン「(……こうして見ると)」チラ
ジャン「(…サシャって結構美人だよな)」
ジャン「(同期で美人って言ったら…まずミカサだろ、それからクリスタにアニに…)」
ジャン「(…うっ、女として見てなかっただけで、サシャだって引けを取らねえくらい綺麗だぞ)」
ジャン「(104期の4大美人といっていい)」
ジャン「(スタイルだって良いしよ…)」
ジャン「(胸だってデカくて)」
ジャン「(…肌、柔らかくてスベスベだった)」
ジャン「(……俺の咥えてた時の上目遣いとか、喘ぎ声とか)」
ジャン「(すげえ色っぽかったな…)」
ジャン「(涙目で俺にしがみついて…超可愛かった)///」
マルコ「…ジャン、どうかした?」ヒソ
ジャン「…何でもねえ」ゴソゴソ
ジャン「……(サシャ『私はジャンのこと好きですよ』)」
ジャン「……(サシャ『…正直で、嘘つかない感じとか好きです』)」
ジャン「(俺のこと、好きだって言ってくれたっけ)」
ジャン「…(サシャ『…知らないくせに』)」
ジャン「……(サシャ『私だって初めてだったのに…』)」
ジャン「…(サシャ『初めての人が誰でもいいわけないじゃないですか!』)」
ジャン「」ズーン
ジャン「(……俺、ひでえ奴だな)」
ジャン「(…あんなに泣かして)」チラ
ジャン「(さっき目ェ少し赤かった。……あ、今アクビした)」
ジャン「(………アイツも眠れなかったのかな)」
ジャン「(ちゃんと言わねえと……)」
サシャ「……アニ、午後の格闘訓練、私と組んでもらえませんか?」
アニ「…ハ? 珍しいこともあるもんだね。アンタはいっつもコニーと馬鹿やってるだけだと思ってたけど?」
サシャ「私は真面目になったんです!」
サシャ「……というかですね。私、防御の方はそこそこできないこともないんですが、攻撃はからっきしでして…」
サシャ「そこで!攻撃力No.1のアニに!是非教えていただきたいんです!!」
アニ「…攻撃力No.1って…、アイツがいるだろ?」チラ
サシャ「あれは練習してどうにかなるものではありません!」キッパリ
アニ「…確かにね。わかった。組んであげるけど、遠慮はしないよ」
サシャ「望むところです! あ、エレンとコニーには私から言っておきますから」
ミカサ「?」
――― 格闘訓練
アニ「…とりあえず木剣は私が持つから、遠慮しないでかかっておいでよ」
サシャ「わかりました。…では」スチャ
アニ「ちょっと待った。…何ソレ」
サシャ「死せる餓狼の構えです」ガルル
アニ「…生きてんじゃん」
サシャ「まあそうなんですが。じゃ、行きますよ」キラーン
――シュバッ!ドオォォォ!!
アニ「ヒャアァ!!」パシッ
ベルトルト「!?」
-シュタッ
ベルトルト「(…い、今アニが『ひゃあ』って言った!言った!!)」
サシャ「ワーイ、木剣奪えましたー」
アニ「……すごいビックリした。ていうか、度肝抜かれた」
サシャ「この技の欠点は…」
サシャ「相手が油断してる間の最初の1回しか使えないのと…」
サシャ「あと、本物の刃物だった時、私の顔が危険極まりないことですかね」キリッ
アニ「…ダメじゃん」
アニ「……まぁいいや。次は剣なしで組み手でやろう」
サシャ「ハイ!」
アニ「…行くよ」ジリッ
アニ「…シッ!」シュッ
サシャ「おっ」ヒョイ
アニ「(!?)」シュッシュッシュバッ
サシャ「おっ、お? おっと」ヒョイヒョイヒョイ
アニ「チッ(……コイツは…目がいいね)」
アニ「(動体視力がすごい。…しかも、それをギリギリでかわせる反射神経…)」シュッシュッ
サシャ「…ほっ」ヒョイヒョイ
アニ「(真面目に鍛錬すれば結構なモノになるだろう…)」バッ、シュシュッ
サシャ「(…そろそろ攻撃してみますか)」ヒョイヒョイ
サシャ「てぇーい!!」ブンッ
アニ「…フンッ」ガスッ
サシャ「イッタァーイ!!」バタバタ
サシャ「…フッ、本気の本気ですね、アニ」サスリサスリ
アニ「…アンタねぇ。避けんのはいいけど、攻撃が雑過ぎ」
サシャ「そ、それは分かってるんですよぅ…。だから教えてもらいたいなって」
アニ「…基本、私は自分から攻撃しない」
アニ「向かって来る相手の力を利用して、技に持ち込む」
アニ「サシャは目が良さそうだから、避けながら相手の間合いに入って…」
アニ「…相手の隙を狙いつつ、反撃に出たがいいと思う」
サシャ「だからその反撃技っていうのが…」
アニ「…それはこれから教えてあげるよ」スッ…
サシャ「…イッタァーイ!!」
サシャ「…ハァ、えらい目に合いました」イテテテ…
アニ「だから遠慮しないって言ったろ…」
サシャ「イエ、そうじゃないんです!」
サシャ「アニは教え方上手ですよ! 私、口で説明されてもよく分かりませんから…」
サシャ「やっぱりこういうのって、体で覚えるものじゃないですか?」
サシャ「……それにアニって、結構やさしいですよね」
アニ「ハァ!? 私のどこが!///」カアァ
サシャ「前にアニと組んだライナーが一回転してたの見ましたよ?」
サシャ「…遠慮しないって言ってたけど、十分手加減してくれてるのが分かりました」ニコッ
サシャ「修行積んだら、また手合わせしてくれますか?」
アニ「……」
アニ「…うん」
――― 夕食 ―――
クリスタ「サシャ、足大丈夫?さっきお風呂で見た時すごい青アザになってたけど…」
サシャ「こんなの!全然へっちゃらですよ」モグモグ
ユミル「…ところで今朝言ってたけど、お前がダイエット中とは初耳なんだが?」
サシャ「あぁ、あれは嘘です! 本当は昨夜、寝る前にベッドで秘蔵の保存食を食べ過ぎてですねぇ…。 今朝はちょっと気持ち悪かったんです」
クリスタ「寝る直前に食べるのは体に悪いよ?」
サシャ「…今度から気を付けます」エヘ//
ユミル「……」
……ザワザワザワ
ユミル「…クリスタ、サシャと一緒に先に部屋に帰ってろ」
サシャ「ユミル、どうかしましたか?」
ユミル「…私はこの後、片付けの当番なんだよ」
サシャ「そうでしたか。ではクリスタ、一足先にお部屋に帰りましょう!」
クリスタ「そうね。ユミル、また後で!」
ユミル「ん……」
ユミル「……ミーナ」
ミーナ「わ!、びっくりした。ユミルじゃない、どうしたの?」
ミーナ「クリスタは一緒じゃないの?」
ユミル「…クリスタは先に部屋に帰った」
ユミル「………」
ユミル「…ところでミーナ、腰は大丈夫か?」
ミーナ「あーぁ、全然大丈夫よ!ちょっぴり青タンできたけど、転んだだけだし」
ミーナ「…でも、なんで知ってるの?」
ユミル「サシャが言ってた。…そういえば昨日、サシャに掃除当番代わってもらったんじゃなかったのか?」
ミーナ「…へ? サシャが当番代わってくれって言ったんだよ?」
ミーナ「朝食食べた後だったかなぁ…」
ユミル「…そうか、ありがとう。悪いな、食事中に……」
ユミル「(…フーン)」
――― 翌朝・朝食
サシャ「アルミン、アルミーン!」
アルミン「あれ、どうしたのサシャ?」
サシャ「…すみませんが、昨日の座学の授業で分からない所があったので……」
サシャ「いつでも、手が空いた時でいいので、教えてもらえませんか?」
ジャン「!?」
アルミン「…ぼ、僕で良ければ」テレッ//
ジャン「お!俺が教えt」
サシャ「アルミンに教えて欲しいんです!」ニコッ
サシャ「……誰でもいいわけじゃないんで」…ポソッ
ジャン「!!」
エレン「それなら俺も教えて欲しいところが…」
ミカサ「…エレンがするなら私もやる」
サシャ「じゃあ皆さんで頑張りましょう!」
――― 馬術訓練
サシャ「(……馬術は一番好きですね)」パカラッパカラッ
サシャ「(風が涼しくて気持ちいい……)」
サシャ「(こうして風を切って走っていると、嫌な事とか忘れてしまいます)」
サシャ「(………嫌な事、か)」
サシャ「…うぅ~~」パッカパッカ
サシャ「あ~、もう! …コニー、コニー!!」
コニー「何だよ?」パカパカ
サシャ「競争しましょう!ここ3周で」
コニー「お、いいぜ。何か賭けるか?」
サシャ「それはもちろん夕食の…」
コニー「パンか! …へっ、負けねえぞ!」
サシャ「行きますよ~。ヨーーイ!」
コニーサシャ「「ドン!!!」」パカラッパカラッ…
コニー「……あぁ~クソッ、負けちまった!」
サシャ「フッフッフ、まだまだ甘いですね、コニー」ニヤリ
クリスタ「でも、サシャは本当に乗馬上手よね」
サシャ「そうですか?クリスタのが上手いと思いますよ?」
サシャ「…なんていうか、馬に好かれているというか」
サシャ「気持ちが通い合ってる感じがします」
サシャ「私の故郷では馬は生活必需品でしたから…」
ユミル「…手足の如くってヤツか?」
サシャ「そんなようなものです」
ユミル「確かにな。お前なら逆立ちしながらでも乗ってられそうだ」
クリスタ「ユミルったら!」フフッ
――― 夕食
コニー「……サシャ、これ約束のパン」スッ
サシャ「ああ、いいですよ。何か賭けた方が燃えるかと思っただけですから、コニーが食べてください」
コニー「エ、マジか!?…どうしたお前、熱でもあるんじゃねえのか?」オロオロ
サシャ「もう!熱なんかありませんよ。何ですか? 私が食べないのはそんなにおかしいですか?」
コニー「だ、だってよぅ…」
サシャ「じゃあせっかくですから、半分だけ頂戴しますね」ズワッ…
サシャ「ハイ、これでいいですか? コニーもちゃんとしっかり食べてくださいよ?」
コニー「お、おう…」トコトコ
サシャ「……何です? 人の顔じっと見て」
ユミル「…イヤ、一体どうしちまったのかと思ってさ」
ユミル「以前なら、隙あらば他の奴のメシ狙ってただろ?」
クリスタ「…本当に具合でも悪いんじゃないの?」
サシャ「人を食欲魔人みたいに言わないでください!」プンスカ
ユミル「そのまんまじゃんか」
サシャ「…ま、否定はしませんけどね」
クリスタ「(…しないんだ)」
サシャ「人様から奪うのをやめただけですよ」
サシャ「自分の食糧は自分で確保しようかと思いまして」
ユミル「お前!!まさか、また……」
サシャ「違いますよ!食糧庫に盗みに入ったりなんてしません!」
サシャ「今までどれだけ走らされたと思ってるんですか……」
ユミル「…なら、いいけどよ」
クリスタ「……明日はお休みよね」
クリスタ「私はユミルと一緒に街へお買い物に行くんだけど、サシャも良かったら一緒にどう?」
サシャ「あ、私は用事がちょっと…」
クリスタ「あら、そうなの?残念ね」
サシャ「せっかく誘ってもらったのにすみません…」シュン
クリスタ「いいのよぅ。また今度ね」ニコニコ
ユミル「…そういや夏頃からちょくちょくいなくなるが、何やってんだ?」
サシャ「それは秘密です。別に大したことしてる訳でもないんですけどね」
――― 休日の朝・食堂
ジャン「……クリスタ、サシャ知らないか?」
クリスタ「サシャなら用があるって早々と出かけて行ったけど」
ユミル「秋を探しに行くんだとよ。…どうせ秋の味覚だろうがな」
クリスタ「サシャに用事でも?何か伝えることある?」
ジャン「…いや、いいんだ。すまねえな」スタスタ
ユミル「………」
―― ライナー達の部屋
ジャン「…よう、入るぞ」ガチャ
ベルトルト「いらっしゃい、ジャン」
ライナー「何か用か?」
ジャン「いや、暇でよ。…なんだ、マルコもこっちに来てたのか。ていうか、アルミンもいるな」
ジャン「アルミン、エレンは?」
アルミン「ミカサと一緒に街に出たよ。僕はのんびりしたいからって、今日は断ったんだ」
ジャン「ふーん。…ん?何だこれ」ガサッ
ジャン「うわ、エロ本じゃんか。しかも一杯」…パラパラ
ライナー「好きなのあったら持って行っていいぞ」
ジャン「おお」ペラペラ
マルコ「…今ね、同期の女子達の話をしてたんだ。誰が美人かってさ」
ライナー「だから一番はクリスタだと言ってるだろ」
アルミン「ハハ、クリスタは確かに綺麗だけど、美人ていうより可愛いって感じだよね」
ライナー「そう!天使のような愛くるしさだ」
マルコ「…アニは確かに美人だけど、ちょっと近付き難いかな」
ベルトルト「そこがいいんだよ!クールビューティーってヤツさ!」
ベルトルト「強く美しく近付き難い……孤高の存在なのさ!」
ジャン「……ミカサは?」
アルミン「ミカサも文句なしの美人だけど、僕なんかは近くに居過ぎてあんまり意識したことはないかな」
マルコ「ミーナも結構可愛いよね」
ライナー「小動物っぽい可愛らしさだな」
ベルトルト「…ユミルも顔立ちは整ってるね」
ライナー「しかし、いかんせんソバカスがな…」
アルミン「でもスラッとしてて、中性的な美しさがあるよ」
マルコ「クリスタと並んでると、あやしい妄想を掻き立てられるよね」
ジャン「…アルミンは誰が一番美人だと思うんだ?」
アルミン「…ウーン、僕はさっき言ったようにミカサをそういう目では見れないから…」
アルミン「サシャかな」
ジャン「」ビクッ
ライナー「サシャか!それは盲点だったな」
ジャン「…」ドキドキ
アルミン「美人なのに、それを感じさせない気さくさとか…」
アルミン「なんていうんだろ…。押し付けがましくない美しさってやつ?」
ライナー「…ふむ。言わんとしてる事は分かる」
マルコ「なるほど!黙ってれば美人だと思ったのはそういうワケか」
ベルトルト「でも、あの異常なまでの食欲は……」
アルミン「それなんだけどね!」ズイッ
アルミン「コニーに聞いたんだ。昨日、馬術の時間にサシャとパンを賭けて競争したんだって」
ライナー「ほう」
アルミン「…で、サシャが勝ったんでパンをあげようとしたら、なんと返してくれたんだってさ!」
ベルトルト「それは驚きだね」
ライナー「……そういえば、ここ何日か食事の時間が平和だな」
ジャン「…アルミンはサシャが好きなのか?」
アルミン「そういうわけじゃないんだけど……僕の中のエロスがサシャを求めてやまないんだよ」
アルミン「だってさ、想像してごらんよ!」
アルミン「あの胸!あの腰のくびれ!間違いなくスタイルの良さならNo.1さ」
ジャン「(…俺は見た)」
ライナー「……確かにな。俺はクリスタの申し訳なさそうな胸も好きだが、機会さえあれば是非とも触ってみたいもんだ」
ジャン「(俺は触ったぜ!)」
ジャン「(…それだけじゃねえ。吸ったり揉んだり挟んだりしちゃったんだぜ!!)」
ジャン「(……なんて事言えるワケねえけどよ)」
読んでくれてる人ありがとう。ノロイけど頑張るよ
ジャン「フゥ…(有意義な時間……だったのか?)」
ジャン「(…しかしアルミンがあんなに熱く語るとは意外だった)」
ジャン「(可愛い顔して、結構ムッツリだったんだな)」
ジャン「(……アルミンの奴、間違いなくサシャで抜いたことあるな)」
ジャン「(…サシャ、どこ行ったんだ?)」
――― 翌日・格闘訓練
サシャ「…ライナー!」
ライナー「ん?サシャか。どうした?」
サシャ「今日、私と組んでもらえませんか?」
ライナー「お前とか? しかしそれは……」
サシャ「お願いです!無理だと思ったらすぐ代わりますから…。いいですか?ミカサ」
ミカサ「…私は別に構わない」
サシャ「じゃあすみませんがライナー、ひとつよろしくお願いします」
ライナー「…ん、じゃあやってみるか」
ライナー「…じゃ、とりあえず軽くいくぞ」ジリッ…
サシャ「はい!」ジリジリ…
ライナー「…ふん」ブワッ
サシャ「ヨッ」スッ
ライナー「お?」ブンッ
サシャ「…ホッ」ヒョイ
サシャ「(ライナーは力があるから、掴まれたら終わりですね)」ヒョイヒョイ
サシャ「(えーと、アニに教えてもらったように…)」
サシャ「(…まず足を動かす)」スイッ
サシャ「(それから相手の目線や筋肉の動きをよく見て……)」ヒョイッ
サシャ「とにかく避ける!」スイスイッ
ライナー「(かなり手加減してはいるが…)」
ライナー「(…これは相当素早いな)」ブンブンッ
ライナー「(……アルミンの言った通り、いい乳をしている)」
ライナー「(訓練中の事故ということで、なんとか触ってみることはできないか?…)」ブワッ
ジャン「(…)」チラッチラッ
マルコ「あ、ジャン危ない!」…ゴッ
ジャン「」…キュウ
ライナー「(…しかしこうも避けられるとな)」
ライナー「(こちらも本気になってきてしまう…)」…シュッシュバッ
サシャ「(…手数が増えて、スピードも上がってきました)」スッ…スイッ
サシャ「(でもアニほど早くはない…)」
サシャ「(そろそろですかね…?)」ヒョイ
ライナー「…フンッ!」ブゥンッ
サシャ「(来た!大振り!!)」
サシャ「(…これを右手で流しつつ、左へ避けてェ!)」
サシャ「(ここで!!)」…ゴスッ
サシャ「更に!ソオォォイ!!」バキィィッ!
ライナー「」…ドスッ
サシャ「ヤッタアァァー!!」
ライナー「…イテテ。まさか俺の巨体を転がすとはな」…パンパンッ
サシャ「アニ!アニ!!見てましたか!? 成功しましたよォー!!」
アニ「…うん、見てた」
サシャ「この次は締め技教えてくださいねー!」
アニ「(まさかほんの数日で使えるようになるとはね…)」
アニ「(…生来の動体視力と反射神経、そしてそれを活かすバネか)」
アニ「…なかなかヤルもんだね」…ボソッ
サシャ「…あっ、ライナーすみません。大丈夫でしたか?」
ライナー「イヤ、問題ない」
ライナー「…次は締め技を教わるのか?」
サシャ「はい!アニが教えてくれるなら」ニコッ
ライナー「また相手してやるから、いつでも来い」ニヤッ
ジャン「(…あのエロゴリ野郎!!)」
――― 立体機動訓練
サシャ「ミカサァー!」
ミカサ「…どうしたの?サシャ」
サシャ「今回の立体機動、ミカサの後ろに付いていってもいいですか?」
ミカサ「いいけど…。立体機動だけは私より上手な人がいる」
サシャ「…ジャンでは駄目なんですよ」
ミカサ「何故?」
サシャ「慣性がどうとかって、理屈を言われてもよく分からなくて…」
サシャ「体で覚えたいんです」
ミカサ「…分かった。でも無理はしないで」
サシャ「ありがとうございます!」
ミカサ「そろそろ…出る!」…パシュッ
サシャ「!!」パシュッ
ミカサ「…」-ヒュゥ・・ゥン パシュッ
ミカサ「」ゴオォォォ ダンッ
サシャ「…は、速い!!」ヒュンッ
サシャ「(しゃ、射出から巻き取り…体重移動…)」ゴオォ…
サシャ「(何より体さばきが…スゴイ!!)」タァンッ
サシャ「(…体を回転させて反動と抵抗を最小限に)」
サシャ「(目標より1本先の木にアンカーを刺しているように見えます…)」
サシャ「…くうぅっ」パシュッ ゴオォ
ミカサ「……」ヒュゥウン …チラリ
サシャ「……ハァハァ。し、死ぬかと思いました…」グッタリ
ミカサ「…私はいつもと変わらない速さだった」
ミカサ「サシャはよく付いて来たと思う」
サシャ「そ…それはどうも…」ハァハァ
ジャン「………」チラ
メガネ教官「……サシャ・ブラウス訓練兵は近頃実力を上げてきましたね」
メガネ教官「座学の講義も、最近は集中して受けていますよ」
キース教官「……フン、芋っ娘か」
キース教官「奴はムラッ気は強いが…」
キース教官「元々高い能力を持っていたからな」
メガネ教官「今が伸び時、というヤツですか」
メガネ教官「このまま順調に行けば、10位以内も可能ですかね」
キース教官「フン、知るか」
キース教官「(きっかけが何だったかは知らんが……)」
キース教官「(…願わくば、現在のモチベーションを維持し続けてもらいたいものだな)」
ジャン「(……あれからもう1か月近く経った)」
ジャン「(2人きりになれるような機会もなく…)」
ジャン「(…何も言えないまま時間だけ過ぎちまった)」
ジャン「(休みの度にサシャは朝っぱらからいねえしよ)」
ジャン「(やっぱ避けられてんだよな……)」
ジャン「(……俺、嫌われちまったんだろうな)」ズウゥン
キース教官「………以上で午前の訓練は終了だ」
キース教官「…昼休憩に入る前に、明日の訓練について話をする」
キース教官「明日は2人1組での登山訓練だ」
キース教官「詳しい説明は後でするが、午後の訓練終了時までに各自ペアを組んでおくように」
キース教官「…では、解散!!」
・・・・・ザワザワザワ
ユミル「…サシャ!」
サシャ「何ですユミル?」
ユミル「お前、明日誰と組むつもりなんだ?」
サシャ「…ハァ、まぁ…多分コニーですかねぇ」
ユミル「お前、クリスタと組め!」
サシャ「え?でもクリスタはユミルと組むのでは?」
ユミル「いいんだよ。私もたまには違う奴と組んでみたいからな。……それでいいだろクリスタ?」
クリスタ「別に構わないよ。ユミルは誰と組むつもりなの?」
ユミル「これから声かけてくる。……先に2人で食堂行ってろ」
クリスタ「はーい。……フフッ、こういう訓練でサシャと一緒になるのは初めてね!」キャッキャ
サシャ「いつもユミルと一緒ですもんね。私、山歩きは得意なので任せてください!」ニコニコ
クリスタ「頼りにしてまーす」
ユミル「………」
ユミル「」…キョロキョロ
ユミル「!」スタスタスタスタ
ユミル「……よぉ、ジャン」
ジャン「…ユミルか。何だよ?」
ユミル「お前さ。明日の訓練、私と組んでくれよ」
ジャン「は?ヤダよ。何でお前と…」
ユミル「…頼むよ~」スッ
ジャン「ちょっ! 肩組んでくんじゃねえ! 俺はマルコと組むんだよ」
ユミル「……いいのか?」
ジャン「?」
ユミル「…あの事、皆にバラすぞ?」ボソッ
ジャン「!?」
ジャン「(…サシャの奴、話したのか!? よりによってユミルに…)」
ジャン「…な、何だよ あの事って」ドキドキ
ユミル「そりゃお前のがよく知ってんだろ?」
ユミル「……で、私と組んでくれるよな?」ニヤニヤ
ジャン「……あーもう! 分かったよ!!」バッ
ジャン「組めばいいんだろ組めば!!」
ユミル「…物わかりが良くて嬉しいよ」
ユミル「じゃあな、ジャンさん。あ、夕食後に打ち合わせするからな」
ジャン「勝手にしろ!!」
ユミル「」スタスタスタ…
ジャン「(…何だよこれ。どうなってんだチクショウ!)」
――― 午後の訓練終了後
キース教官「…では、明日の説明をする!」
キース教官「今から渡す地図に、AからFまでの6つのルートが記してある」
キース教官「各ルート5組、1組から5組が30分ずつ時間をおいて出発」
キース教官「折り返し地点の頂上を含め5つのポイントがあり」
キース教官「ポイントには各ルートと組番号が書かれた旗が用意されている」
キース教官「これらを全て集め下山。特にタイムは競わんが、旗の数が足りない場合や、明らかに時間をかけ過ぎた場合などは減点対象となる」
キース教官「では、各ペアから1人ずつクジを引いてもらう。前へ出ろ」
サシャ「…私、あまりクジ運良くないのでクリスタ引いてもらっていいですか?」ヒソ
クリスタ「……あまり期待はしないでね」
キース教官「…地図は行き渡ったか?」
キース教官「ルート等、今日中にペア同士できちんと話し合うように!」
キース教官「また、天候を考慮した準備も怠らぬよう」
キース教官「……以上、解散!!」
――― 夕食
ザワザワ…
サシャ「……2番なら楽勝です」モグモグ
クリスタ「そうね。5番だとスタートから2時間後の出発だもの」
サシャ「最後だと、ちょっと遅れたら夕飯食いっぱぐれちゃいそうですよね」
サシャ「途中で山菜採りとかしたいです!」エヘ
クリスタ「サシャったら、遊びに行くんじゃないのよ?」フフッ
サシャ「秋は山菜の宝庫ですよ!」
クリスタ「ところでユミルは結局誰とペアになったの?」
ユミル「……内緒」
クリスタ「なんでー?教えてよぅ」
ユミル「言ったらヤキモチ焼くから」
クリスタ「なによユミルのいじわるー」プクー
ユミル「ふくれっ面も可愛いなクリスタ。…明日になったら教えてやるよ」
…ザワザワ
ユミル「……ジャン」クイクイッ
ジャン「…あぁ」ガタッ
ジャン「…クリスタは?」
ユミル「先に部屋戻った。これから明日の打ち合わせだと」
ユミル「…ちょっと外行くぞ」スタスタスタ
ジャン「」スタスタスタ
ジャン「………オイ、どこまで歩くんだよ」
ユミル「人気のない場所までだよ」
ユミル「…第二倉庫とか……な」
ジャン「!!」
――― 第二備品倉庫 ―――
ユミル「……で、何があった?」
ジャン「な…何って」
ユミル「あの晩!サシャと何があったんだ?」
ジャン「………聞いたんじゃねえのかよ」ムスッ
ユミル「…私は何も聞いてないよ。サシャは何も話してない」
ジャン「なっ!?騙したのかよ!」
ユミル「私は『あの事』って言っただけだろ。騙される方が悪い」
ジャン「……」
ユミル「キスでもしたか?」
ジャン「…キス…はしてねえが」
ユミル「あぁ…そんで? いいから全部話せよ」
ジャン「………ヤッた」
ユミル「ファッ!?」
ユミル「ヤ、…ヤッたって、どこまでだよ?」
ジャン「……その、一応…最後まで」
ユミル「………」ガクゼン
ユミル「(…マジかよ……)」
ユミル「…それで?」
ジャン「それで…俺が無神経な事言っちまって……」
ユミル「いいからそこんとこ詳しく話せ」
ユミル「…………」
ユミル「…………」
ユミル「…サイッテー。…そりゃお前、最低過ぎんだろ」
ジャン「……」
ユミル「…アレか。お前は勇気を振り絞って告白してきた女に…」
ユミル「…キスのひとつもせず、ヤるだけヤってコトが済んだら」
ユミル「誰にでも股を開く尻軽扱いしたってワケだ!」
ジャン「イ、イヤ、そうは言ってねえだろ!」
ユミル「同じだよ!!」
ジャン「…………」
ユミル「………ハアァァ…」
ユミル「…情けねえ」
ユミル「サシャが気の毒過ぎで涙が出てくるぞ。…よく聞けジャン!」
ジャン「!?」
ユミル「…あのなぁ、あの日の当番は本当はミーナだったんだよ」
ユミル「それを、サシャが代わってくれって言って…」
ユミル「アイツはなぁ、…そりゃ入団式の日に芋食うとか突拍子もないことやったけどさ」
ユミル「当初はこっちがイライラするくらい臆病でビクビクしてて、いっつも不安そうな目をしてたんだ」
ユミル「…多分、それまで人との関わりがあまりなかったんだろうが…」
ユミル「…でもその中で…人に嫌われてでも、ちゃんと自分の意見を言えるお前に憧れたんだろうさ」
ユミル「皆の輪に入れるようになった今でも、人の顔色気にして…場を読んで自分がバカやって…」
ユミル「当番のことだって、前々から調べてたんだろうよ。…こんな小さい倉庫くらいだろ? 2人だけの掃除なんて…」
ユミル「モップ挟まったのだって偶然じゃないかもしれない」
ユミル「…サシャはサシャなりの、足りない頭で考えたのかもしれない」
ユミル「これを逃したら、2人きりになる機会はもうないかもしれないってな…」
ジャン「………」
ユミル「…イヤなんだよ」
ユミル「もう見たくないんだよ…」
ユミル「…夜中にベッドで声殺して泣いてんのとか…」
ユミル「唇噛んで空見上げてるのとか…」
ユミル「……あんな頑張ってんのに、惚れた男がこんな情けない男だなんて、可哀想過ぎんだろ!」
ユミル「クリスタだって何も言わないけど、多分気付いてる!」
ユミル「…気付かない訳ない。これだけずっと一緒にいたんだから」
ユミル「…アイツがド天然の芋女じゃないと、クリスタの本当の笑顔が見れない…」
ユミル「…頼むよジャンさんよ。……アイツがなけなしの勇気振り絞ったってんなら、お前もオトコ見せてくれよ」
ジャン「………」
ユミル「…明日の訓練、お前やっぱサシャと組め」
ジャン「そんなこと言ってもよ、アイツも相手が……」
ユミル「サシャのペアはクリスタだ」
ユミル「…私がサシャと代わる」
ユミル「私達は兵士だ。…今言えることを言えないでいたら、後で悔やむ時が来るかもしれないだろ」
ジャン「……そうだな」
ジャン「…ユミル」
ユミル「あ?」
ジャン「……ありがとな」
ユミル「礼はいらねえよ。……それより明日はうまくやれ」スタスタ
ジャン「…ああ」
サシャ「……それでですね。普通に食べる分には問題ないんですが、お酒と一緒にお腹に入れると大変なことに…」
クリスタ「へえぇ。そうなんだー」
ユミル「……ただいま」ガチャ
クリスタ「あ、おかえりユミル。ずいぶん遅かったね」
ユミル「…まぁな。何話してたんだ?」
サシャ「毒キノコについてです」
ユミル「なんだそりゃ。明日何しに行くつもりなんだお前らは、まったく…」
クリスタ「でもすごく勉強になったよ」キラキラ
クリスタ「あのねぇ、地面に生えるのと木に生えるのとあってね」
ユミル「わーかったって。…明日も早いんだから、準備ができたんならさっさと寝ちまいな」
サシャ「…そんな意地悪言うなら、ユミルにはキノコ料理ご馳走しませんよ?」
ユミル「……サシャ」
ユミル「」ナデナデ
サシャ「な!ユミルが私の頭を撫でるなんて…」
ユミル「……お前、ちょっと見直したぞ」
サシャ「と、当然です!キノコ博士と呼んでください//」
サシャ「……ちゃんとユミルにもご馳走します」
サシャ「…おやすみなさい」
ユミル「……ん」
――― 翌朝
クリスタ「…おはようサシャ。見て、今日はすごくいい天気よ」ニコニコ
サシャ「おはようございます……本当にいい天気ですねえ。…あ、でも雨具は出しちゃダメですよ?」
サシャ「山の天気は変わりやすいですからね」
ユミル「…サシャ!」
サシャ「あ、おはようございますユミル。どうかしましたか?」
ユミル「悪いがやっぱりクリスタと組みたくなった。…代われ」
サシャ「エ!? い、今更そんなこと言われても……」
クリスタ「そうよユミル。サシャだって困っちゃうよ?」
ユミル「…駄目だ。やっぱり1日でもクリスタと離れてられない」
ユミル「…恩人の言うことは聞くもんだろ?」
サシャ「恩人って……もう時効かと…」
ユミル「一度受けた恩は何度だって返すもんなんだよ」
クリスタ「ユミルわがまま過ぎだよー」プンプン
サシャ「…もー、仕方ないですねぇ」フゥ…
サシャ「分かりましたよ、代わってあげます」
サシャ「ところで、ユミルのペアはどなたですか?」
ユミル「……ジャン」
サシャ「!!」
サシャ「…あ、あの……それはちょっと…」オロオロ
ユミル「いいから!別にジャンだって問題ないだろ?」
サシャ「………」
ユミル「…とにかく、もう代わるって言ったんだからな!」
ユミル「地図はアイツが持ってるから、メシの時に聞いて来い。…分かったな!」
サシャ「………………ハイ」
――― 食堂
………ザワザワザワ
サシャ「……ジャン」
ジャン「オ、オゥ」アセアセ//
サシャ「…わ、私…ユミルと代わって……」
サシャ「……あの、地図を見せてほしいんですが…」
ジャン「あ…悪ィ、今持ってねえや。後で出発前に見せてやるから…」
サシャ「…そうですか。何番かだけ教えてもらっていいですか?」
ジャン「エット、Dの5番…」
サシャ「…5番……ですか」
サシャ「……結構クジ運悪いんですね」ボソッ
サシャ「…じゃ、後で」トボトボ…
サシャ「(………)」
サシャ「(……こんなんじゃ訓練に身が入りません)」
サシャ「(…う~~~~)」
サシャ「(1日だけ1日だけ1日だけ…)」
サシャ「(…気持ち切り替えて)」
サシャ「よし!」
キース教官「……では、まず1番から出発!」
キース教官「2番以降の者は営庭内にて待機」
キース教官「笛が鳴ったら、次の順番の者達はここに集合せよ!」
ジャン「(……さっきは暗い顔してたが、今は普通に見えるな)」
ジャン「(無理…してるんだろうが……)」
サシャ「…ジャン!地図見せてください」
ジャン「あ、ああ…」カサ
サシャ「えーと、Dルートは……アレ?」
ジャン「どした?」
サシャ「あ、イエ何でも……」
サシャ「(このコースって…)」
サシャ「あの、地図は私が預かっててもいいですか?」
ジャン「…いいけど、何で?」
サシャ「都会育ちのジャンよりも、私が持った方がいいと思います」
ジャン「うっ。まぁ…そうだな」
クリスタ「…サシャ-!!」
サシャ「クリスタ! …クリスタ達は次の出発ですね」
クリスタ「うん。…私、頑張ってキノコ集めてみるからね!」
サシャ「そうですか! 私はラストなんで余裕があったら…ですかね」
ユミル「」チラ
ジャン「……」チラ
ピイィーーーー!!
クリスタ「あ、笛鳴った! じゃあお先にね、サシャ」
サシャ「2人とも行ってらっしゃーい!」
ジャン「……暇だな」
サシャ「あと1時間以上ありますからね」…スタッ
ジャン「どこ行くんだ?」
サシャ「向こうでミカサ達とお話してきます」タッタッタ
ジャン「(……俺もマルコと話してくるか。アイツ俺の前だったよな)」
――― 1時間後
ピイィーーーー!!
サシャ「やっと出発ですか」
ジャン「…やれやれ、待ちくたびれたぜ」
サシャ「行きましょう」
ジャン「おう」
サシャ「……」トコトコトコ
サシャ「!」タタタ… ヒョイ
サシャ「…」キョロキョロ
ジャン「……なぁ。お前、さっきから何やってるワケ?」
サシャ「…キノコを採ってます」ブチッ
ジャン「ハァ!?なんでキノコだよ?」
サシャ「クリスタと組んだ時、一緒にする約束だったんです」
サシャ「…次の休みに、美味しいキノコ料理作ってあげるって」
サシャ「…道は間違ってないですし、ジャンに待ってもらっているワケではないので、問題ないですよね」
ジャン「…そりゃそうだけどよ」
ジャン「(…何でキノコだよ)」
ジャン「(しかもこんな足場悪いってのに、ピョコピョコ動き回りやがって…)」
ジャン「(…ていうか、ロクな会話もできやしねえじゃねえか)」
ジャン「(俺も…体力はあるはずなんだけど…)」
ジャン「(こんなスピードでの山歩きなんて、慣れてないからな…)」ハァハァ…
ジャン「(…アイツ何考えてんだ?)」
ジャン「(……なんか、腹立ってきた)」
ジャン「…オイ!」
サシャ「…あ、第2ポイント見つけました!」
ジャン「あ…そう」
トコトコトコトコ…
ザッザッザッザッ…
ジャン「…あのよ」
サシャ「…何ですか?」
ジャン「さっきから段々ペース上がってきてないか?」…ザクザク
サシャ「…うーん、ちょっと風が変わってきてですね…」
サシャ「なんだか雲行きが怪しい気がします。…もしかしたら降るかもしれません」
ジャン「雨か?」
サシャ「ええ」
サシャ「…急ぎましょう」
ジャン「…お! あれが第3ポイントか」
サシャ「そうみたいですけど…マズイですね」
ジャン「何が?」
サシャ「…D4番の旗が残ったままです」
ジャン「俺たちの前の組…マルコ…とミーナか!」
サシャ「そうですね…マルコ達がコース通りに来ているなら、追い抜いてはいないはずなんですが……」
サシャ「…とりあえず5番の旗を取って…と」
サシャ「少し移動しますよ」
ジャン「あ、ちょっと待てって!」
サシャ「」タタタ…
ジャン「…ちょっと待てって! …これ、コースから外れちまってるんじゃねえか!?」ダダッ
サシャ「いいんです!黙って付いて来てください!」
ジャン「………」
サシャ「………着きました」ハァ
ジャン「え? これ、山小屋か?」…ハァハァ
サシャ「そうです。…あっ、裏に置いてある薪、急いで中に入れてもらえますか?」
ジャン「お、おう…」
サシャ「私はちょっと出掛けるので、火、つけておいてください!」
ジャン「なっ、 どこ行くんだよ!? 雨降り始めてんぞ!」
サシャ「マルコとミーナを探してきます」
ジャン「そ、それなら俺も一緒に…」
サシャ「山に不慣れな人は要りません! …すぐ戻りますから、火を焚いて待っていてください!」タタタッ…
…………パチパチパチ
ジャン「(とりあえず火はついたが…)」
ジャン「(…サシャが帰って来ねえ)」
ジャン「(雨、ひどくなってきたぞ。…待ってられねえ、俺も行くぞ!)」
………バタンッ
ジャン「!!」
ジャン「…サシャ!」
サシャ「……少し戻って脇道も探してみたんですが…いなかったです」
ジャン「お前!ずぶ濡れじゃねえか!!」
サシャ「大丈夫ですよ、雨具付けましたし。…火、おこしてくれたんですね。ありがとうございます」
ジャン「……ビショビショじゃねえか」
サシャ「着替えならあります。…夏物ですけど」
サシャ「…すみませんが、少し後ろを向いてもらっててもいいですか?」
ジャン「あ、うん…」//
……バサッ モソモソ
サシャ「…もういいですよ」
ジャン「!」
ジャン「(夏物のワンピース。それに…か、髪…下ろしてる)」ドキドキ
サシャ「………」
ジャン「………」///
サシャ「…お腹空きましたね」
ジャン「…そういや昼、食ってねえからな」
ジャン「携帯食糧って、味気ねえよな……」
サシャ「…お肉食べますか?」
ジャン「肉? んなモンねえだろ」
サシャ「ありますよ。ちょっと待ってください」…ゴソゴソ
ジャン「あ、それ今さっき帰って来た時に持ってた袋か?」
ジャン「そういやお前、この小屋知ってる風だったが…前に来たことあるのか?」
サシャ「夏頃から休みに度々来てました。着替えも薪も、その時に置いときました」
ジャン「(……だから休日いなかったのか)」
サシャ「街にも行って調味料も仕入れたので、割と色んなものが揃ってますよ」
サシャ「…はい、切れました。鹿肉の燻製です」
ジャン「スゲエ! これも街で買ってきたのか?」
サシャ「…これはこないだ自分で獲って作ったものです。時々狩りもしないと、勘が鈍ってしまうので…」
ジャンとサシャが好きな俺には俺得すぎる
つーか原作でも死んで欲しく無いなぁ……この二人と、あとコニーは特に
>>118 もう誰も死んでほしくないよね
ジャン「鹿って獲れるモンなのかよ!?」
サシャ「誰かが獲らなきゃ街でも売れませんって」
ジャン「…そ、そりゃそうだな」
サシャ「けど、そんなに簡単ではありませんよ?」
サシャ「山の中歩き回って、鹿の集まりやすそうな所は大体分かったんですが、逃げられてしまうことも多いですからね」
サシャ「……こう、風下から足音と気配を消しながら近づいて」
サシャ「射る!」
サシャ「木の上で待ってることもあります」
サシャ「鹿の他にウサギやキジも獲れますよ」
ジャン「へえぇ…お前すげえんだな…ていうかコレ、メチャクチャ旨いぞ!!」
サシャ「狩りと料理は私の趣味ですからね!」ヘヘ
ジャン「あ」
ジャン「……今…笑った…」
サシャ「!」///
サシャ「…………」
ジャン「…………」
パチパチパチパチ…
ジャン「…あ…寒くないか?」
サシャ「へ、平気です。火に当たってますし…」
ジャン「…そうか……」
サシャ「…………」
ジャン「…あの…あの時のことなんd」
サシャ「言わないでください!!」
サシャ「……その事は…もう言わないでください」
ジャン「……」
サシャ「…私、ジャンの言った通り、頭悪いんです」
サシャ「あのまま何も言わずにいても良かったのに……」
サシャ「…でも…もうすぐ卒業だと思うと…」
サシャ「…卒業したら、どうなるのか分からない…」
サシャ「明日にでも巨人が攻めてきたら、私達どうなるのか分からない」
サシャ「……そう思ったら怖くて怖くて…」
サシャ「何も言えないまま終わってしまうことが怖くて…」
サシャ「…そしたら居ても立ってもいられなくなって」
サシャ「…当番表調べて、ミーナに代わってもらって」
サシャ「ユミル達に『第二』って言わなかったのもわざとなんです」
サシャ「それであんな…軽はずみな事しちゃって…」
サシャ「…今でも思い出すと、恥ずかしさで全身掻きむしりたくなります」
サシャ「だから……忘れてください」
サシャ「…お願いですから、なかったことにしてください」
ジャン「…そっ」
サシャ「…嫌われるのは仕方ありませんが」
ジャン「ち、違ッ!」
サシャ「どうか軽蔑だけはしないでください」
ジャン「違うって言ってんだろ!!」ガバッ
サシャ「!!」
ジャン「…そうじゃないんだって」ギュッ
サシャ「…ふぇっ?」…ポロポロ
ジャン「俺、今まで誰かに好かれた事なんてねえから…」
ジャン「…お前の言葉、信じらんなくて…」
ジャン「それであんな…無神経な事言って、お前傷付けたけど…」
サシャ「………」ポロポロ
ジャン「……本当は、すげえ嬉しくて…」
ジャン「……あれ以来、どんな訓練の時でもお前に目が行っちまうし…気が付くとサシャの事ばっか考えてる」
ジャン「…俺なんかより、お前のがよっぽど勇敢で度胸もあったってのに…」
ジャン「本当ごめん…」
ジャン「……だからもう、無理して笑ってるとこなんて見たくねえよ」
ジャン「…頼むから、1人で泣かないでくれよ」ギュウ
ジャン「…なかったことになんて、出来るワケねえだろ」
ジャン「忘れろとか言わないでくれよ!」
サシャ「…」ヒック
ジャン「……なぁ、キス…してもいいか?」
サシャ「!?」
ジャン「…イヤか?……もう俺の事なんか、嫌いになっちまったか?」
サシャ「キ、キライになんてなるはずありません!」
ジャン「…ん」涙ペロッ
ジャン「…しょっぱい」…チュ
サシャ「…んっ…んふ…ぅっ」///
サシャ「…ふはぁっ」ハァ…
ジャン「まだ、肌が冷たい」
ジャン「……あっためてやる」
ジャン「(……前の時はランタンの薄明かりしかなかったが)」
ジャン「(こうして見ると…肌真っ白だな)」
ジャン「…すっげぇ綺麗だ」
サシャ「///」
ジャン「(…乳首可愛い)」チュッ
サシャ「んぁっ…」ビクン
サシャ「…んっ…ふ…ぁ//」
ジャン「(…やっぱこの胸、最高だ)」
サシャ「…はぁ…んっ」
ジャン「…ヨッ…と」グイッ
サシャ「…ひぁっ!な、何を//」
ジャン「(濡れ方が前回の比じゃねえ!)」…ヂュゥ
サシャ「…はあぁあんっ、ダッ…ダメですっ!…そんっ…あっ、汚ッ」
ジャン「汚かねえよ」…ジュルッ…チュバ
サシャ「やぁっ…あっ はぁっ// ぁふ」ビクビクッ
ジャン「(どんどん溢れてくる…)」
ジャン「ん…」
サシャ「…ひぁっ ぁ…ん///」…ハァハァ
ジャン「…指、挿れるぞ」
サシャ「…んはぁっ!ひゃぁあんっ// 」
サシャ「…あっ、私… はぅっ! こんっ…な 恥ず…かしっ///」ビクゥッ
ジャン「…ん?何で恥ずかしいの?」…ズリュッ クチッ
ジャン「…気持ちイイから?」
サシャ「はぁんっ///」
ジャン「…いいじゃん。サシャの感じてる顔、もっと見せてよ」クチュックチュ
サシャ「…ひぁっ!あ…っダメッ…へ、変…に なりそ… んはぁっ!」
サシャ「…もぅっ…あっ…あぁ!はぅっ!あ…はあぁぁっ…ん!!」ビクッ ビクビクン
ジャン「………超エロい」
ジャン「ヤバイもう我慢できない…挿れていいか?」
サシャ「///」…ハアッハァ
ジャン「…んっ」ズズッ…
サシャ「…はぁうっ!」
ジャン「……痛くないか?」
サシャ「も、もうっ 大丈…夫…です んはぁっ」
ジャン「…う、動くぞ」…ズッズッ
サシャ「…あっ!あはぁっ…んっ! んくっ」
ジャン「…サシャん中っ、あったかくって…超気持ちイイっ…」パンッパンッ
サシャ「ジャ、ジャン! お…お願いっ…んぁっ! キ…キス…してくださっ…あぁっ!」
ジャン「んっ…」チュゥ
ジャン「…あっ!ゴメ…俺、もう…イキそ」パンッパンッ
ジャン「…んっく、あ…イクっ!!」
ばんつが飛んでった
パンツ駆逐した
>>130 追いかけて!!
>>131 しちゃダメ!!
―― 腕枕中 ――
ジャン「……なぁ、お前さ」
ジャン「何でずっと敬語なワケ?」
サシャ「そ…それはこちらに来るまでに色々と…」
ジャン「別にどんな言葉だって構わねえだろ。自分の言葉なら…」
サシャ「あ! でも変えようと思ったことはあるんですが…」
サシャ「…結局染み付いてしまってですねぇ」
サシャ「もう変えられません…」
サシャ「…それは私の個性だと思ってください」
ジャン「…まぁ、いいんだけどよ…」
ジャン「あとさ…格闘訓練、普通に女同士で組んだら?」
サシャ「…え、そんな事言われても…」
サシャ「アニには時々教えてもらってますけど、私のが格下ですから毎回ではあちらも困るでしょう?」
サシャ「ユミルはいつもクリスタと組んでますし…」
サシャ「…ミカサにはてんで歯が立ちません」
ジャン「…ふーん。そう考えるとお前、女子の中では相当上の方なんだな」
ジャン「なら俺が相手してやろうか?」
サシャ「駄目です! ジャンが格闘真面目にやってるとこなんて、見たことありませんよ!」
ジャン「!?」
サシャ「…私は強くなりたいんです」
サシャ「エレンとは何度か組ませてもらいましたけど…」
サシャ「…本気過ぎて怖いです。駆逐されそうです」
サシャ「ま、そこがいいんですけどね。…でもミカサに許可を取らなきゃだし……」
サシャ「…そうするとライナーが一番頼みやすいんですよね」
サシャ「アニに教えてもらった技、試せるし…。適度に手加減してくれるし…」
ジャン「…ダメだ!ライナーはダメ絶対!!」
サシャ「?」
ジャン「アイツはな…ああ見えて実は……ゴリラなんだ」
ジャン「しかもエロい。…エロゴリだ」
サシャ「そんな、訓練なのに…」
ジャン「…マジ。大マジだ」
ジャン「あのゴリ握力で掴まれてみろ、大惨事だぞ」
ジャン「…あと、アルミンにも要注意だ」
サシャ「アルミンとは格闘で組んだ覚えはありませんけど…」
サシャ「…でもまさか、アルミンに限ってそんな」
ジャン「お前なぁ! もうちょっと自覚しろよ! …自分がエロい体してるってよ」
ジャン「…お、男なんか いつもそんなことばっか考えてんだからな」
サシャ「で…でもなんでいきなり、そんな…」
ジャン「触らせたくないの!!」
ジャン「…この胸も」…サワッ
サシャ「」ビクッ//
ジャン「背中も…足も、指1本だって…他の男には触らせたくないの!!」
ジャン「お…俺は我侭だからな。独占欲も人一倍強えんだよ!」
サシャ「あ…わ、分かりました…」//
サシャ「……前に、ジャンのどんな所が好きかって話ししましたよね?」
ジャン「…ん? ああ、口が悪い所だろ?」
サシャ「そうでなく!」
サシャ「ハッキリ物を言える所です!」
サシャ「…他にもまだあります」
ジャン「へっ?」
サシャ「この…髪の色も、声も、切れ長の目も…優しい所も全部好きですよ?」
ジャン「お、俺は! …優しくなんかねぇよ!」///
サシャ「だってあの時! あの掃除当番の時だって、水の入った重いバケツ持ってくれました…」
サシャ「…自分の服、敷いていいって言ってくれたのも……私すごく嬉しかったんです」//
ジャン「……お前、そんな事で…そんっ…」
ジャン「(…いじらし過ぎんだろ…そんなの。ヤベェ、なんか泣きそう……)」
ジャン「……そんなことくらい、俺がこれから先、いくらだってやってやるからさ…」
サシャ「………雨…上がったみたいですね」
ジャン「…そうだな」
サシャ「行きましょうか」
サシャ「…あ、コレ。お肉…持って帰ってもいいですか?」
サシャ「次の休みに、今日採ったキノコと一緒に皆にご馳走したいです」
ジャン「ん…俺持つから…」
ジャン「サシャ」
サシャ「ハイ?」クルっ
ジャン「」…チュ
サシャ「…」///
ジャン「…で、上に行くのか、下に戻るのか?」
サシャ「もちろん上です!」
サシャ「…脇道にそれてしまいましたが、実はこの山小屋は、第3ポイントに戻るより第4ポイントのが近いんです」
サシャ「雨が降ったとはいえ、減点はイヤです。…駄目ですか?」
ジャン「俺だって減点はヤだよ。…んじゃ行くか」
サシャ「そうですね。…マルコとミーナが無事だといいんですけど…」
ジャン「アイツは…大丈夫だよ。さっき動かなかったなら、そうした方がいいと判断したんだろうさ」
ジャン「……ハアァ…やっと頂上か。 帰りがまた大変だなこりゃ」
サシャ「帰りは今の道ではありませんよ?」
サシャ「…ちょっと迂回することになりますが、なだらかで簡単なルートがあるんです」
ジャン「え、そうなの?」
サシャ「行きと帰りが同じ道なら、帰る途中の誰かとすれ違ってもいいはずじゃないですか」
サシャ「…もう! 昨日ちゃんと地図見たんですか?」
ジャン「ん…まぁ…相手に任せようかと…」
サシャ「…まったく!」プンプン
ジャン「イヤ…怒んなって」アセアセ
サシャ「……フフッ」
ジャン「……ハァー、やっと戻ってきた」ハァハァ
ジャン「…お前、いくら歩きやすい道だったからって、いくらなんでも飛ばし過ぎだろ」
サシャ「だって日が暮れたら困るじゃないですか。さすがに一晩山の中はイヤですよ」
ジャン「地面濡れてるし、何度スッ転びそうになったか…」
サシャ「まぁまぁ、無事帰ってこれたんですし…。 あ!クリスタです!」
サシャ「クリスター!!」タッタッタ…
ジャン「…やれやれ、元気いっぱいだな」フフッ
クリスタ「サシャ! お帰りなさい。 途中で雨降ったから心配したよー」
サシャ「あれくらい余裕です!」
サシャ「ほら、これ見てください!大漁ですよ、大漁!」エッヘン
クリスタ「わっスゴイ!…あのねえ、私達もたくさん採ったのよ」ニコニコ
クリスタ「ユミルも一緒に、ね?」
ユミル「…まあな」チラッ
サシャ「後で見せてくださいね!」
ユミル「」
ジャン「」///
ユミル・ジャン「「 」」…拳 ゴッ
サシャ「……あっ、マルコ達も帰ってきましたよ!」
ジャン「マルコ!無事だったか」
サシャ「旗が残ってたから心配したんですよ!? ミーナ、大丈夫でしたか?」
ミーナ「…ん、ちょっと足挫いちゃってね。でも歩けるし平気よ」
マルコ「第3ポイントの手前でミーナが足を捻っちゃってね」
マルコ「休める所を探してたらちょうど岩穴があってさ。そこで休んでたら雨降ってきちゃって」
マルコ「…結局、雨が止んでから第3ポイントまでは行ったけど、そのまま折り返して帰って来たよ」
ミーナ「…私のせいでごめんねマルコ」シュン
マルコ「気にしてないって。仕方がないよ」
ジャン「まぁとにかく無事に帰れて良かったじゃねえか」
サシャ「そうですよ!」
――― 夕食後・サシャ達の部屋
サシャ「エート…これはそのまま干して、こっちは洗濯…っと」
サシャ「…ユミル! クリスタの分の洗い物も出してあげといた方がいいですかね?」
ユミル「…そうだな。アイツまだ食事の後片付け終わってないだろうし」
サシャ「」…ゴソゴソゴソ
ユミル「…………」
サシャ「……ユミル」
ユミル「ん?」
サシャ「…ありがとうございました」
ユミル「…ん、何の事だ?」
サシャ「いいえ何でも」ニコ
ユミル「………良かったな」
サシャ「…はい!」ニコニコ
クリスタ「ただいま!」ガチャッ
クリスタ「……何してるの?」
サシャ「あ、クリスタ!今ユミルにハグハグしてたんですよ」
クリスタ「ズルーイ!私もするー!!」パタパタ
サシャ「じゃあご一緒に!」
ミーナ「クリスタ、この間借りた本……」ガチャッ
サシャクリスタ「「……ユミルーユミルー」」ワシャワシャ
ミーナ「……何してるの?」
サシャ「今、スキスキユミルしてたんですよー」
ミーナ「楽しそう!私も混ぜて混ぜて!!」
ユミル「…………」
サシャ「 ユミルーユミルー 」 ワシャワシャ
クリスタ「 スキー 」 ワシャワシャ
ミーナ「 スキスキー 」 ワシャワシャ
……ワシャワシャワシャワシャ
ユミル「…だああぁぁっ!もうっ!!」
ユミル「離れろ!鬱陶しいっ!!」
ミーナ「キャー、ユミルが怒ったー」 ケタケタ
クリスタ「ユミル、顔赤いよ?」 クスクス
サシャ「フフッ、…あっそうだ! クリスタ、採ってきたキノコ見せてください!」
クリスタ「そうそう、ハイこれ」 ヨイショ
ミーナ「なあに?キノコなんて採ってきてたの?」
サシャ「…こ、これは!」
サシャ「赤い傘に白いつぶつぶ…毒キノコじゃないですか!!」
ユミル「いや、なんか可愛いじゃん?」
サシャ「そして一見無害そうな外見ですが何だか胡散臭そうなコレも。…極めつけは白く美しいフォルムを持つコレ…」
ミーナ「それも毒なの?」
サシャ「毒ですよ猛毒!普通なら1本食べただけでもあの世行きです!」
ユミル「でも綺麗じゃん?」
サシャ「コレも…コレもコレも、コレも……」 ポイポイポイポイ
サシャ「半分以上毒キノコじゃないですか! 嫌がらせですかユミル!?」 プンプン
ユミル「私がキノコなんか分かるワケないだろ」
サシャ「……でも私のと合わせてこれだけあれば、他の皆にもご馳走できますね」
サシャ「ミーナ、次の休みを楽しみにしててください。私が美味しい料理ご馳走しますから」
ミーナ「ワーイ、やったー!!」
クリスタ「……フフッ、サシャご機嫌ね。何かいい事あったのかな?」
ユミル「あったんだろ?……多分な」
――― 休日・食堂
クリスタ「…サシャ、何か手伝うことある?」
サシャ「あ、じゃあこれ盛り付けてもらっていいですか」
ミーナ「…皆に声かけちゃったんだけど、大丈夫だった?」
サシャ「問題ありませんよ」ニコ
………ワイワイ
ライナー「……飯が食えると聞いて来たんだが…」
ベルトルト「僕達もいいの?」
サシャ「あっ、はい。座って待っててください」
コニー「…肉はあんのか肉は」
アニ「……ミーナに誘われた」
エレン「サシャがご馳走してくれるんだってさ!」
ミカサ「…それは楽しみ」
アルミン「誰かの手料理なんて久しぶりだね」ニコニコ
フランツ「僕は時々ハンナの手料理食べてるけどね!」
ハンナ「もう、フランツったら///」
マルコ「…あれ、ジャンはどこ行ったのかな」
ジャン「…おいサシャ、こんな大勢来るなんて聞いてねえぞ。大丈夫なのか?」 ヒソヒソ
サシャ「私もこんなに集まるとは思ってませんでしたけど…大丈夫ですよ」
サシャ「…実は教官に相談しましてですね。作った料理と引き換えに、少々融通してもらえましたんで問題ありません」
ジャン「そっか。…俺なんか手伝うことあるか?」
サシャ「それなら、もう出来上がったので一緒にお皿を並べてもらえますか?」
ジャン「おう」
…ワイワイガヤガヤ
ミーナ「……こうしてると、何かのお祝いみたいね」
ユミル「ま、お祝いっちゃあお祝いなんじゃないか?」
ミーナ「え? 何の?」
ユミル「……第2のカップル誕生のさ」
クリスタ「ウフフ」ニコニコ
ミーナ「エェ!? …だ、誰と誰が!?」ドキドキ//
ユミル「ホラ。あそこで仲良く皿並べてる、新婚さんみたいな2人だよ」
ミーナ「…エエエェェー!! ジャンとサシャがあァァー!!!?」
…ザワッ
コニー「…な、何だ何だ?」
エレン「ジャンとサシャがどうしたって?」
クリスタ「ミ、ミーナ、そんな大きな声で…」アセアセ
ミーナ「つ、付き合ってるですってエエェェーー!!!???」
全員「「!!??」」
コニー「…えっと、よく聞こえなかったんだが誰と誰が何だって?」
ミーナ「ちょっ!ちょっと!! ホントなのサシャ!!??」
サシャ「……エット、それは…どうなんでしょうか」 オロオロ
ジャン「お前なァ、そこはハッキリ言ってもいいトコだろうが!」 頭ポン
ミーナ「どうなのよジャン!?」
ジャン「ん…まあな」
サシャ「」///
ライナー「…ほう!ジャンとサシャがなぁ!」
アニ「…ビックリ」
フランツ「おめでとう! 僕らに続いて2組目のカップルだね!!」
ミカサ「………3組目」 ボソ
ユミル「」ニヤニヤ
ユミル「…お前は知ってたのか?クリスタ」
クリスタ「直接聞いてはいないけど、分かるよ」
クリスタ「…サシャがこれまでずっと、ジャンを見てたこととか知ってたよ」
クリスタ「しばらく無理してたみたいだけど、こないだの登山の後とっても嬉しそうだったし…」
クリスタ「これだけ一緒にいるんだから、それは…ね?」 ニコ
ユミル「…クリスタはやっぱり私の嫁だな」 ナデナデ
ミーナ「……ジャン」 チョイチョイ
ジャン「ん?ミーナか」
ミーナ「…一体どうしたのよジャンったら。ついこないだまでミカサ一筋だったくせに」
ジャン「……確かに俺はこれまでミカサ一筋だった…が、しかし!」
ミーナ「?」
ジャン「…それ以上に俺は、俺一筋の女に弱いんだよ」 肩ポンポン
ミーナ「!?」///カアァッ
ミーナ「…な、何よ何よっ ノロケちゃって!」//
ミーナ「ジャンのくせに生意気!!」
アルミン「…………」ジーッ
ジャン「アルミン?」
アルミン「…フッ。揉み放題……か」…ボソッ
ジャン「!?」
アルミン「……僕の…エロスを」ボソボソ
ジャン「!!」
サシャ「…とうかしましたか? アルミン」
アルミン「ううん、何でもないよサシャ」クルッ
アルミン「…今、ジャンにおめでとうって言ってたんだ」ニコ
アルミン「ところでこの燻製肉、すっごく美味しいね。サシャが作ったんだって?」
サシャ「はい! アルミンの口に合って良かったです!」
サシャ「…あの、まだいっぱいあるんで、良かったらもう少し切り分けてきましょうか?」
アルミン「ワァ! 嬉しいなあ。…じゃあもう少しだけ貰ってもいい?」
サシャ「ハイ、ちょっと待っててくださいね!」 タッタッ
アルミン「」チラ…
ジャン「…」ドキドキ
アルミン「……チッ」
ジャン「!!」
ジャン「(……こうして俺達は休日を終え、元の訓練生活に戻った)」
ジャン「(日々の訓練は以前と同じように過酷だったが…)」
ジャン「(…だが確実に、俺達の力を底上げしていった)」
アルミン「…………」 ジーッ
ジャン「(時折アルミンの視線を感じたが…)」
ジャン「(……あまり気にしないよう心掛けた)」
ジャン「(そうしてこれまで通り日々は過ぎ…)」
ジャン「(俺達は新しい年を迎えた)」
――― 850年 ―――
ジャン「(…雪山訓練も無事に終え)」
ジャン「(もうすぐ……卒業)」
――― 卒業まで残り1ヶ月
ジャン「………こんな所にいたのか」
サシャ「…ん…はい」 ゴローン
ジャン「休憩中だからってこんなトコでゴロゴロと…」 …ドサッ
サシャ「…何だか今日はポカポカして気持ち良くて…」
サシャ「もうすぐ春なんですねぇ…」 ウツラウツラ
ジャン「そうだな…」 …ゴロンッ
ジャン「…ん」 グイ
サシャ「腕枕…あ…でも私に付き合わなくていいですよ。…ゆっくりしててください。まだ時間ありますよね…?」 トローン
ジャン「…時間はあるが、起こす奴がいなきゃ、お前休憩終わっても起きないだろ。…いいから寝ろ」
ジャン「お前…卒業試験の勉強で、毎晩遅くまで起きてるって聞いたぞ」
ジャン「…頑張るのはいいけどよ。体壊しちまったら元も子もねえぞ?」
サシャ「…こんなの……今までに比べたら…なんてことありません…」
ジャン「…サシャ、俺…お前のこと好きだぞ」
サシャ「…フフッ…知って…ます……よ」
サシャ「……こんな日が…ずっと…続けば…」……スー
ジャン「(寝ちまったか…)」
ジャン「(…しかし今日は随分暖かいな)」 …ボーッ
ジャン「(……ヤバイ…なんか俺まで眠く…なってきた…)」……
ジャン「zzz…」
ミーナ「♪~」 トコトコ
ミーナ「!?」
ミーナ「///」 タタタッ
クリスタ「……わぁ、2人ともよく眠ってるねー」ニコニコ
ミーナ「…こうして見ると、この2人ってお似合いよね」
ミーナ「2人とも、黙ってれば美男美女なんだから…」
ライナー「…しかし休憩中とはいえ、けしからんな」
アルミン「あっ。サシャ、涎垂れてる」フフッ
コニー「……なんかムカつくな…」
エレン「鼻にこより入れてくすぐってやろうぜ?」
ベルトルト「…顔に落書きするのはどうかな」
アルミン「ハハッ、口の中に草を詰め込もうよ。馬なんだから喜ぶさ」
………ワヤワヤワヤ
ジャン「……ん…」
ジャン「うわっ! 何だ何だ!?」 …ガバァッ
サシャ「…イタッ」ゴチンッ
ジャンが男前でワロタ
これは惚れる
ジャン「…あっ、悪ィ…」
ミーナ「……おはよう2人とも~」
クリスタ「気持ち良さそうに眠ってたねー」
アルミン「サシャ、ヨダレヨダレ…」フフッ
サシャ「…ほぇっ!?」 フキフキ
ライナー「まったく。訓練中に昼寝とは、タルんでるぞ」
ユミル「…エロい夢でも見てたんじゃないのか~」 ニヤニヤ
ミーナ「いーなあぁ~。私も腕枕してくれる人、欲しィ~~い」
マルコ「(ミーナ!)」
ジャン「あぁー、もう! うるせえなお前らは!!」
ジャン「…悔しかったら、お前らもやってもみろってんだ!!
全員「!?」
>>162 たまにはジャンが男前でもいいジャン?
ベルトルト「(ア、アニ!)」
ミカサ「エレンエレン、私悔しい。 ので、うっ 腕枕を…」
エレン「やだよ。腕が潰れちゃうだろ」
ミカサ「そ、それなら私が…」
ミカサ「反対の腕ではアルミンを。…こんな時のために腕は2本ある」
マルコ「(ぼ、僕はミーナを…)」
ミーナ「アニー! アニには私が腕枕してあげるね!」
アニ「…別にいいけど…」
ベル・マルコ「!!」
ライナー「ク、クリス…」
ユミル「クリスタには私が時々やってやってるもんなー」 ダキッ
ライナー「!!」 ガーン
ベルトルト「ハハ…あぶれちゃったね。僕がやってあげようか? ライナー」
ライナー「いるかっ!!」
…ハハハハハハ
ジャン「(…こんな日が、ずっと続けば……か)」
――― 第104期『訓練兵団』解散式 ―――
教官「心臓を捧げよ!!」
全員「「ハッ!!!」」ドンッ
教官「本日、諸君らは『訓練兵』を卒業する…」
教官「その中で最も訓練成績が良かった上位10名を発表する。呼ばれた者は前へ」
教官「首席!ミカサ・アッカーマン」
教官「2番、ライナー・ブラウン」
教官「3番、ベルトルト・フーバー」
教官「4番、アニ・レオンハート」
教官「5番、エレン・イェーガー」
教官「6番、ジャン・キルシュタイン」
サシャ「(…おっ、ジャンが入りましたよ!)」
教官「7番、マルコ・ボット」
ジャン「(……そろそろか? 次あたり来るか?)」ドキドキ
教官「8番、コニー・スプリンガー」
ジャン「(後2人……。頼む…来い!!)」ドキドキ
教官「9番、サシャ・ブラウス」
ジャン「(…ィヨッシャアアァァーー!!!)」
教官「10番、クリスタ・レンズ。……以上10名!」
教官「…本日を以って訓練兵を卒業する諸君らには、3つの選択肢がある」
教官「後日、配属兵科を問う」
教官「本日は、これにて第104期訓練兵団解散式を終える……以上!!」
全員「「ハッ!!!」」
サシャ「…きょーーォかあぁーーーーんっ!!!」ダダダッ
サシャ「…キース教官っ!!」ガバァッ
サシャ「私っ!…私やりましたァー!!」
キース教官「…ウン、ウン。…お前はよく頑張ったからなぁ」ポンポン
サシャ「きょっ、教官の…おかげで…ふぐぅっ」ボロボロ
キース教官「コラコラ、もう訓練兵ではないのだからな。…そんな子供みたいに泣くんじゃない」
サシャ「…ふぇっ…ひっく…」
キース教官「…ハハハ、入団式で芋を食ってたあの娘がなぁ…」
キース教官「この先どうなるものかと心配したが……立派になって…」 ホロリ
キース教官「…どうだ? その後少しは慎みとやらは覚えたのか?」
サシャ「…あっ、ハイ。……おかげさまで///」
ジャン「(……俺んトコ来んじゃじぇえのかよ!)」
ジャン「(……最初に俺んトコ来んじゃねえのかよ!)」
サシャ「…アルミィーン! アルミン!!」 両手ギュッ
アルミン「わっ、サシャ!」
ジャン「(…次はアルミンかよ!)」
サシャ「アルミン、ありがとうございました!!」
アルミン「…そ、そんな僕なんて何も…」///
サシャ「最後の追い込み、アルミンがいなかったら私…」
アルミン「サシャの実力だよ//」
ミカサ「…サシャはよくやったと思う。 いいコ」
エレン「後半すごい追い上げだったもんなぁ」
サシャ「本当に、皆さんのおかげです!!」
ジャン「」イライライラ
ジャン「……オイ!」
サシャ「ジャン!」 …タタ
サシャ「」 ダキッ
ジャン「…おっ//」
サシャ「……やっと…ここまで来れました」 ギュウ
ジャン「…うん。頑張った甲斐があったな」
サシャ「皆さんの力を借りてですが…」
サシャ「…これでやっと、ジャンの相手として相応しい人間になれたんでしょうか」
ジャン「お前、そんな事ずっと……?」 ウルッ
サシャ「……大好きです」 ギュッ
ジャン「…ん」
ジャン「サシャ…。嬉しいんだけど、その……皆見てる//」
サシャ「!!」///
―― 夜・訓練兵送別会 ――
ザワザワザワ………
…キイィ、 パタン
サシャ「…ここにいたんですね。 マルコに聞いたら外に出たって言うから」 …ストン
ジャン「…ん」
ジャン「…お前は何やってたんだ?」
サシャ「ミカサやアニやライナー、それからクリスタにユミル…皆にお礼言って回ってました」
ジャン「…そっか」
ジャン「…さっきエレンが言ったこと聞いてたか?」
サシャ「ええ。…この狭い壁の中を出て、外の世界に行きたいって…」
サシャ「……珍しく、突っかかっていきませんでしたね」
ジャン「ん…」
ジャン「…サシャ」
サシャ「はい?」
ジャン「…もし、俺が調査兵団に行くって言ったらどうする?」
サシャ「へ? 調査兵団に行きますよ?」
ジャン「でもお前、あんなに頑張って10位以内に入ったのに…」
サシャ「私は憲兵になりたくて上位を目指した訳ではありません」
サシャ「ジャンが目指すものに、着いて行くためです」
サシャ「一緒に、肩を並べて戦いたかったからです。…それがどこの兵団でも」
ジャン「…ん」
サシャ「…おや、珍しく気弱になってるんですか?」
サシャ「大丈夫ですよ。…私が守ってあげますから!」
ジャン「抜かせ! 俺の方が成績上じゃねえか!!」
サシャ「…なっ! 格闘と馬術は私の方が上でしたよ!?」
ジャン「人間相手の格闘で、どうやって巨人と戦うんだよ!?」
サシャ「そ、それは…さっ、3m級位ならなんとかいけるかもしれないかと…」
ジャン「それじゃ、うなじ削げねえじゃねえか!!」
サシャ「……うぅ」
ジャン「…プッ、ハハハハハ…」
ジャン「お前いいな。…やっぱイイ女だ」 肩ダキッ
サシャ「…だっ、誰か来るかもしれませんよ!?」//
ジャン「ん?いいじゃん。…訓練兵最後の夜なんだからよ」 …チュッ
サシャ「///」
サシャ「……私は、ジャンの行きたい所なら…壁の外でも、世界の果てでも…」
サシャ「どこへだって、一緒に行きたいです」
ジャン「……」
サシャ「…そのためなら、私はジャンの剣にも盾にもなります」
サシャ「だから…置いていかないでくださいね?」
ジャン「…ん」
ジャン「サシャ……俺より…絶対先に死ぬなよ? …俺は寂しがり屋だからな」
サシャ「ハイ!もちろんです!!」
ジャン「(…コイツに惚れて良かった)」
ジャン「(サシャが俺を好きになってくれて良かった)」
ジャン「(……俺達は、この残酷な世界をこれからどう生きていくんだろう)」
ジャン「(でもきっと、この先俺の左にはコイツがいて…)」
ジャン「(俺の行く道を明るく照らしてくれるだろう)」
ジャン「(……明日からずっと)」
おしまい
サシャ大好きなんだけど、最近本編に出てこないから寂しくてつい書きました。
エロい人・そうでない人、とにかく読んでくれた人、ありがとうございます。
誤字脱字・読みづらい点、多々あってすみませんでした。
乙
後日談みたいなのあったら嬉しい
乙です
数年後に結婚する話か、結婚後の話があればぜひ
このSSまとめへのコメント
これは…いい!!すごくいい!!!
ユミル「ファッ!?」
萌えた
サシャはとてもいい子
私もサシャが言ったのと同様の理由でジャンが大好き
ジャンは幸せになるべき