モバP「んなことねーよ! ウチにはお姫様が2人もいるんだかんな! 妻と、娘がな!」
幸子「……ふふーん! カワイイボクの機敏をわからない貴方の言う事なんて、信じられませんね!」
幸子「大体、娘さん今年5歳でしょう? だったら、まだ両親に甘えたい盛り……そりゃ慕ってない方がおかしいでしょう!」
モバP「ハッ! 大体、機敏だのなんだの言う前に、少しはトレーニング強化案でもして実力を上げろってんだ!」
幸子「む! な、なんですか! カワイイボクには、そんな……」
モバP「だが、負けたんだろう? この前のフェス」
幸子「う……」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1376326014
幸子「あ、アレは……その……」
モバP「幸子よぉ……俺にはわかる。お前は馬鹿じゃねぇ。負ける前は確かに驕っていた……だが、お前は改善点に既に気付いている! そうだろう!?」
幸子「そ、そうです! 歌唱力も……踊り続けるためのスタミナも……まだまだ、足りなかった……!」
モバP「応、ちゃんと意味のある敗北だったわけだ……だが、お前は今、機敏だとかなんだとか理由を付けて、前に進めないでいる!」
幸子「くぅ……!」
モバP「幸子……俺はおめぇを、トップアイドルに足る人材だと確信している……そのカワイイ発言は、決して過言ではないとな」
幸子「そ、そんなことは当然です! 言うまでもなく!」
モバP「だがなぁ……それこそさっきの例を出せば、無条件にカワイさに気付いてくれるのは、基本的に肉親しかいねぇ!」
モバP「あのフェスは、宣伝等の戦略は事前ルールとして差を付ける事が出来なかった……そしておめぇは同じ条件で! 実力で! 他のアイドルに負けた!」
モバP「ファンに……いや! 『輿水幸子』を知らない人に、そのカワイさを届けるには……まだ、てめぇの土台が足りてねぇ!」
幸子「……ぅ……」プルプル
モバP「幸子……おめぇが不安になるのもわかる。なんせ、お前はスタートダッシュがうまく決まった方だからな……躓いたダメージがでかいのもな……」
モバP「だが、ここでお前は実りある挫折をしれたんだ……これはでけぇぜ! 一度折れてから立ち直った人間は、強い!」
モバP「だからよう……ここでいっちょ、もう一度立ってみねぇか? アイドルとして……新生する『輿水幸子』を……俺を含めた皆に、見せつけてやらねぇか?」
幸子「…………やっぱり、わかってない……」ゴシゴシ
機微な。機敏じゃないぞ
モバP「あん? 何がだよ?」
幸子「……プロデューサーさん、まさかそんな調子で娘さんに接してるわけじゃないでしょうね?」
幸子「何と言うか……息子に接しているような感じですよ、今のは……」
モバP「心配すんな! ちゃんと使い分けてる……お前には、この息子式励まし方法が有効と思ったからやっただけだ!」
幸子「息子扱いしないでください! デビュー当初、男の娘疑惑があったの、本気で嫌だったんですからね!」ムキーッ!
>>5ご指摘ありがとう。つまり……こうか!
>>1の一行目
×幸子「……ふふーん! カワイイボクの機敏をわからない貴方の言う事なんて、信じられませんね!」
○幸子「……ふふーん! カワイイボクの機敏をわからない貴方の言う事なんて、信じられませんね!」
なおってねぇ……なんでだ!?
>>7は間違い、無視してくれ!
>>1の2行目
×幸子「……ふふーん! カワイイボクの機敏をわからない貴方の言う事なんて、信じられませんね!」
○幸子「……ふふーん! カワイイボクの機微をわからない貴方の言う事なんて、信じられませんね!」
モバP「あん? 何がだよ?」
幸子「……プロデューサーさん、まさかそんな調子で娘さんに接してるわけじゃないでしょうね?」
幸子「何と言うか……息子に接しているような感じですよ、今のは……」
モバP「心配すんな! ちゃんと使い分けてる……お前には、この息子式励まし方法が有効と思ったからやっただけだ!」
幸子「息子扱いしないでください! デビュー当初、男の娘疑惑があったの、本気で嫌だったんですからね!」ムキーッ!
幸子「あーもう……なんだか、落ち込んでるのが馬鹿らしくなっちゃいました……ちょうど時間ですし、レッスンに向かいますね!」
幸子「そうです……ボクのカワイさを知らしめるためにも、こんなところで立ち止まってはいられません!」
モバP「応! そのいきだ! 今日からマスタートレーナーさんに頼んどいたからきびしくなるぜぇ! 地獄の特訓メニュー、やり遂げてこい!」
幸子「……え”」
モバP「……カワイさを知らしめるためにも、立ち止まっていられないんだろう?」ニヤリ
幸子「は……諮りましたね! プロデューサーさん!」
モバP「いんや? ちゃんと事前に伝えたぜ? 落ち込んでて聞き逃したんじゃないか?」
幸子「くぅぅぅぅ……!! ああもう、イイですよ! お望み通り、その地獄なんたら、正面突破してやろうじゃないですかコンチクショー!」
マストレ「その言葉を待っていた!!」
幸子「はっ……マスタートレーナーさん!?」
マストレ「プロデューサーから話は聞いた……本来は、もう少し実力を付けた子を見るのだがな……」
幸子「ふふーん! そんな危惧……ボクの成長力で吹き飛ばして差し上げます!」
マストレ「ほう……すっかり心に火がともった様だな……面白い、ついてこい!」
幸子「はい! それじゃあ、行ってきますね! プロデューサーさん! 成長したボクを見て……腰を抜かさないでくださいね!」
モバP「おうさ! 楽しみにしてるぜ、幸子ォ!」
モバP「……いったか……やれやれだぜ……」
ちひろ「……正直、肝が冷えましたよ、プロデューサーさん……」
モバP「おっと、ちひろさん……」
ちひろ「負けて落ち込んでる幸子ちゃんに、あんな強い口調で……彼女、繊細なところがあるのに。やめます、とか言われたら、どうしようかと思いました」
モバP「ははは……すみません。ですが……無理にでも、背中を押してやるべき状況だと思ったんで」
ちひろ「もう……デリカシーが足りませんよ!」
モバP「ははは……! 違いない……! 俺には……どうも、ね……」
ちひろ「……まあ、今回は幸子ちゃんも元気になってくれたようですし……今回は、結果オーライということにしておきます。もうちょっと、言葉に気を付けるようにしてくださいね!」
モバP「ええ……ええ……すみませんね……ちひろさん……」
おおう……どうにも誤字が多いようなので、一旦寝て注意力を回復しようと思う。
再開は、またいずれ!
どこかで見たタイトルかと思ったらこれだ
幸子「プロデューサーさん、女の子の扱いを知らないなんて可哀想ですね!」
http://elephant.2chblog.jp/lite/archives/52032749.html
つまりどういうことぞな?
,. . . -―-. . . _
, '" .>: : : ̄: : : : : : : : : : >: .、 ‐┼‐ll
ー . / /:/: .ヽ、: : : : : : : :,:イ´:`ヽ: :>、 ノ | ヽ
、_ 〃 〃:./: /⌒ヽ: : :/: : : : : : :イ^ヽ: :.‘:,:ヽ. . ノ ̄l
. ,- 、. / /: : ; :./ : : ; : : イ: : : : : : j: : : : :‘,: :.i: : ‘, _ノ
. (ノ ) / ,: : :/: : : : :.イ: : ,'!:.j: : : : :..:ト、: : : : ;: : :i: : : :,. ,- 、
≧ 壬 ..,′ ,: /:.i: :.,': : :/l: :./j:.:ト: : : :_: :| ヽ: : : :;: : :i: :, :,. (ノ )
□ L」. l //: :jⅩ!:,イ:,' l:.:厶j:.Ⅳ: :´ :`ト 、ヽ: :..:l: : : !: ‘,.:, ┼┐
| -!- | _彡イ: : j: : Ll斗七!´ !:| ヽ.: : :,リ____`マ!ー: :ト:、: \`ー-... ||
| d、. /: : :.|: : |/,z=== |:! 丶 : |ア¨ ヾ ̄:|.: .:.ト; :`ミ、:_、 ┌‐┐
┼l┐... -=彡イ 7!: : ト´ ( ) リ \! ゝ- ' j.:. .:.|.}: :j _ ̄ ノ
|.. _ j |: : :lヽ.//`¨´ // |: : :|ノ: j| ) _ノ
l_」_. (_ l:.|.: .:.Ⅵ u し ノ: : :|: Ⅵー一 ´ . |
(乂 )  ̄ レヘ.: :.八 ┌―――┐ ,∠!: : : !:/ j ー┼
ニ|ニ Ⅳ.: .:.l:>- ._ ̄ ̄ ̄ ̄<:ィ:/l:j: : :j′ ヽ
(ナヽ | V: :ム\:ヽ ;ノ } ̄ ハx/j/_从!:.j!| l --
| V: ムイ、く´ ̄`「v'}'. ̄`77イj:./x|、. レ(_
.、_ノ .i「ム:.rマ:.||.j ´リrz、 ̄ λニニリニ=ハ. / ̄ン
よ .|l=ニニjニ|/L..ノ,イム \ノヽニニニニ={ [二l二]
_.ニ、 |l=ニニ|ニ|「ヽ__」ニニム__ム||二ニニニ=j _ノ |_ノ
._ノ jlニ二|ニ!!○ニ二二ニ○||二ニニ=l| | ll
_l‐ r Y v Yニ||ニニニ二ニニニニ||:「.Y^YY」 . 、_ノ
(_ノヽ | i ! ! .v.||○ニ二二二○「 | | | l .Y ー‐ァ
/ / | | ! ! l i||ニニニニ二二ニニ} .! ' .' | (_
o o ト / {||○ニ二二ニ○ム ヽ. |
>>9
6のとこと二重投稿になってますね……すみません、カットで……。
>>17
……しまったな……幸子と幸子で被ってしまった……。
事前準備が足りませんでした、申し訳ありません。
スレタイ最初の「プロデューサーさん」部分を削って
輿水幸子「女の子の扱いを知らないなんて可哀そうですね!」
とかなら差異が……とかも思ったけど、今さら変えれないんですよね。
読ませてもらいましたが、内容はだいぶ違うんで……ご容赦ください。
●数日後
モバP「よう幸子、おはようさん!」
幸子「おはようございます……って、遅いですよ! プロデューサーさん!」
モバP「悪ぃ悪ぃ! ちょいと打ち合わせで手間取ってな……と? そりゃあなんだ? 宿題か?」
幸子「ふふーん! 宿題なんかとっくに終わらせてますよ! これは復習を兼ねた、ノートの清書です」
モバP「ほへー……さっちゃんは真面目だなァ!」
幸子「もっと褒めてくれていいんですよ! ……若干、馬鹿にしたような言い方なのが気になりますが……」
モバP「んなことねーよ! 俺なんか、中学生時代なんぞまともに勉強した事なかったぜ!? お陰で就職には苦労したわ……」
幸子「そういえば……プロデューサーさん、高卒でここに入ったんでしたっけ」
モバP「うんにゃ……正確には大学中退だな。その大学の名前も、たぶん言ってもわからねぇと思うぜ」
モバP「そういや同業者には、秋月っていう高校在籍時からアイドルやって、今は敏腕プロデューサーなんて経歴を持ってる、化け物じみた奴もいるらしいが……」
モバP「残念ながら当時の俺は、天才でも秀才でもなく、加えて努力家でもなくてな……」
モバP「学もなく、まったくのペーペーだった俺がこの事務所に入れたのも、単純に人材不足だったかららしい。人事が整った今じゃ、当時の俺見てぇなやつはたぶん採用しねぇだろうな」
モバP「ま……幸子には釈迦に説法だろうが、勉強はきちんとしといたほうがいいぜ! 絶対将来のためになる……人生の先輩からのアドバイスだ!」
幸子「はいはい……自分語り乙です」
モバP「おぅい!? ちょっと冷たいんでねーの!?」
幸子「ま、ボクがカワイク頑張るのは当然ですが……プロデューサーさんだって、今は立派な人じゃないですか」
幸子「おばあちゃんが言っていました……ちゃんと仕事して、自分の家族を養ってるのなら、それで立派なんですよ!」
幸子「だから、ボクが褒めてあげますよ! だから、もっとカワイイボクのために頑張ってくださいね!」ドヤァ…
モバP「…………」
幸子「な、なんですか!? 急に黙らないでくださいよ……」
モバP「……いやー、正直『カワイイボクの旦那様になるなら、高学歴、高身長はもちろん、年収2千万以上は当然ですね!』くらいのセリフは出てくるかなー、と覚悟してたんで……」
幸子「なんですかそれぇええ!? イメージ悪過ぎでしょうが!?」
モバP「はいはい……っと、さて冗談はこれくらいにして、次のライブの打ち合わせをはじめっか」
幸子「ちょっとぉ! スルーしないでくださいよ!?」
モバP「しかし……まだまだ難航してんだよな……今度のライブは、資金が多く使えてパフォーマンスにも制限がねぇ分、中々決めきれねェ……」
幸子「あ、スルー確定なんですね、もういいです……しかし、そんなの悩む必要なんてないでしょう?」
モバP「んぇ? ナンデ?」
幸子「ボクのカワイさを前面に押し出せば、何の問題もありません!」ドヤァ…
モバP「だから、その方法を考えてんだよ……」
幸子「ふふーん! まったくプロデューサーさんはダメダメですね! こんな天使が目の前にいるのに……」
幸子「それこそ、天使が空から舞い降りるくらいの、トップクラスにカワイイ演出が必要ですね!」ドヤァ…
モバP「まったく、簡単に言ってくれるぜ……いや……待てよ……? 舞い降りる、か……ありかも知れねェ!」ニヤッ
幸子「!!(プ……プロデューサーさんが悪い笑顔をしているッ! 一目でわかる……ロクでもないことを考えているとッ……!)」
幸子「(……もしかして……ボクの発言は……ウカツだったのでしょうか……?!)」
●ライブ当日
――バラバラバラバラ……
幸子「…………」
モバP「よしっと! 準備万端だな、幸子」
幸子「プロデューサーさん……確かにボクは……天使なので、空から舞い降りる、だなんて口走ってしまいました……」
モバP「いやー……昔取った杵柄ってやつだな! スカイダイビングのライセンスを持ってた事が、こんな形で訳にたつとは……」
幸子「だからってねぇえ!! 本当に言葉通り、空から舞い降りる企画を考えるなんて、貴方はアホなんですかぁああ!!」
●ライブ当日
――バラバラバラバラ……
幸子「…………」
モバP「よしっと! 準備万端だな、幸子」
幸子「プロデューサーさん……確かにボクは……天使なので、空から舞い降りる、だなんて口走ってしまいました……」
モバP「いやー……昔取った杵柄ってやつだな! スカイダイビングのライセンスを持ってた事が、こんな形で役に立つとは……」
幸子「だからってねぇえ!! 本当に言葉通り、空から舞い降りる企画を考えるなんて、貴方はアホなんですかぁああ!!」
あかん……またしても……
34は無視でお願いします……
モバP「いやぁ、苦労したぜ……幸子のカワイさを前面に押し出すための企画、費用の捻出、安全性の確保、その全てを万全にするのは……」
幸子「努力の方向音痴すぎますよ、プロデューサーさん……」
モバP「だが、これが決まれば大インパクト間違いないし……協力者全てに感謝だな!」
幸子「ボクとしては、この企画にOKを出した全ての人に腹パンでもお見舞いしてやりたいです」
モバP「……幸子……」
幸子「……なんです?」
モバP「……グッドラック!」グッ b
幸子「さわやかにサムズアップしてんじゃねーよコンチクショー!!」
モバP「……いいか、幸子。このフライトは、新しい技術によって安全性はこれまでとは段違いに上がっている……」
モバP「だが、なめてかかれば命がないのは、かわらねぇ……いいか、手筈通りにやるんだぞ」
モバP「途中までは俺も一緒に飛ぶが……一定の高度にまで到達したら、すぐにパラシュートを開け! 後は自動的にステージまで到達するからな!」
幸子「あーもー……もう何を言っても無駄なのは良くわかりました……こーなったら、やってやろうじゃないですか!」
モバP「よっしゃあ! 気合は十分だな……行くぜ幸子ォ!」
幸子「え……あ……ちょ……まだ心の準備が……」
モバP「ウィーキャンフラーイ! イヤッホォォォォオオオオオオウ!!!!」
幸子「ちょまぁあああ!! フギャーーーァアアアアァアァァアアアア!!!!」
……うーむ、どうにもあかん……
一旦区切ります、すみません……
●ライブ後
モバP「応! 幸子……見てだぜ、大成功だったな! 引っ掛かっちまったのはちょっと残念だったが……」
幸子「…………」ポスッ
モバP「んぇ? なんだいきなり……!」ボズッ!
モバP「んぐ……何いきなり、腹パンしてくれてんだ……?」
幸子「…………!」プルプル
幸子「バカ……プリョデューサーしゃんのバガ! こ……怖かったん……でずがらね……」グズグズ
モバP「……すまねぇ、悪ぃ、許せ……」ポンポン
幸子「……頭ぽんぽんだけじゃ、いやでず……もっと優しく撫でてください……」
モバP「ああ……おめぇはよくやったよ……怪我もなく、なによりだ……良く頑張ったな、幸子……」ナデナデ
●数日後
幸子「ふふーん! カワイイボクとデートできるだなんて、プロデューサーさんは幸せモノですね!」
モバP「……こりゃあ、遊びに来たわけじゃなくて、一応次のイベントのための下見なんだがなぁ……」
幸子「でも、実際に遊んでみてもいいんでしょう? 名目上は、オフ返上の仕事ってことなんだから楽しまないと損です!」
幸子「それにプロデューサーさん……他に言うことはないんですか?」
モバP「?」
幸子「もう! 今日はセクシーにオシャレしてきたのに……本当にダメダメですね! そんなんじゃ奥さんも愛想つかしちゃいますよ!」
モバP「……ハハッ、セクシーとか、10年はええよ!」
幸子「なんですか、その言い草!……あ、わかりました! ボクのセクシーさにも気付いてたけど、言えなかったんですね! 奥さんに操を立てるとは……プロデューサーさんは愛妻家ですね! ……それとも恐妻家?」
モバP「……いってろ! ほら……いくぞ!!」
幸子「ほらほら、プロデューサーさん! 次は絶叫マシンに乗りますよ!」
モバP「はいはい……まーったく、元気なモンだねぇ……」
幸子「おお……意外に空いてますね……すぐに乗れそうです!」
モバP「そりゃあいい、俺は面倒が嫌いなんだ……(ん? なんだあのカッパみたいなの……?)」
●絶叫マシーン搭乗、発進後
幸子「……プロデューサーさん、さっきからチラチラボクを見て、何を気にしてるんです?」
モバP「……なあ、幸子。もうお前も気付いてるんだろ?」
幸子「……ええ……ボク達の後ろのお客さん、レインコートみたいなの着てますね……」
モバP「……もしかして……このマシーンって……水がかかるタイプのやつじゃあ……」
幸子「……でも、今さら気付いても、遅いですよおおおお!! フギャー!」バシャーン!!
幸子&モバP「「ガボゴボガボゴボボ!!」」
●絶叫マシーン
幸子「…………」ビチャビチャ
モバP「…………」ビチャビチャ
幸子「……なんで、気がつかなかったんですか! 聞いたら、レインコートが備え付けてあるのを、見つけてたみたいなのに!」
モバP「幸子てめぇ! 俺にそんな察しの良さを求めてんのか!?」
幸子「それ言われると反論できませんね!」
モバP「だろう?!」
幸子「…………プッ! ハハハハハ!! あーもう……2人してびしょ濡れになって何やってんだか……」
幸子「まあ……今回の事は、サプライズの演出ってことにしといてあげます! ハ……クシュン!」
モバP「おっと……流石にそれじゃあ、風邪引くな……俺の上着を……と思ったが、俺も濡れてるんだった……」
幸子「というか、なんか不慣れっぽいですけど、プロデューサーさんは家族をこういう所に連れてきた事がないんですか? だめですよ、家族サービスも考えてあげないと……」
モバP「……ともかく、このままじゃ2人とも風邪ひきかねん。スタッフさんに聞いて、どうにかなるか……」
幸子「……プロデューサーさん……?」
●さらに数日後
幸子「(……あの遊園地の下見の時、明らかにプロデューサーさん、話を逸らしたましたよね……)」
幸子「(もしかして……仕事にかまけて、家庭がうまくいってないとか……)」
幸子「(それならいけませんね……おやすみを上げれるよう、ボクからちひろさんに相談してみましょうか……)」
幸子「……おや、手帳が落ちてる……って、これプロデューサーさんの……」
幸子「……今日はプロデューサーさん、もう営業に出かけちゃってるんでしたっけ。まったく、何をやってるんだか……」
幸子「ちひろさんに、相談がてら届けておきますか……」スッ……バサァ!
幸子「! しまった……挟んであった紙がバラバラに……もー、ボクなにやってんだか……ん?」
幸子「…………そういう……ことだったんですか……プロデューサーさん……」
●さらに数ヵ月後
モバP「……うし……今年も、ちゃんとこの日に休みを取れてよかったぜ……」
モバP「っと……途中で花屋によらねーと……」ピンポーン
モバP「はいはーいっと……やれやれ、出かける前の来訪者とは……」
モバP「新聞なら間に合ってますよー……って、幸子!? なんでここに! それに……それ、花束?」
幸子「……すみません。プロデューサーさん……手帳を落とした事があったでしょう? あの時、ボクがそれを拾ったんですが……その時、中身を見てしまったんです」
モバP「……そうか、そう言う訳か。で……今日花束を持って訪ねてきたってことは……」
幸子「はい……奥さんと、娘さんへの……弔いの花です」
モバP「……俺は今から、墓参りにいくんだが……」
幸子「……一緒に行っても、いいですか? 差し出がましいかもしれませんが……」
モバP「ここまで来といて、今更何言ってんだよ……いいぜ、付いて来な」
モバP「アイツとは高校時代から交際しててなあ……金銭的な余裕がなくなって、大学辞めざる負えなくなり、不貞腐れてた俺を……叱咤してくれたもんさ……」
モバP「就職先が決まって、子供も出来て……俺が、夫と親父ってやつをやれるんだなァ、って思ってた矢先のことだった……」
モバP「今は設備が整ってて……滅多にはそんなことはないんだが……やっぱ、女性が子供産むのは、命がけなんだよな……」
モバP「起きちゃいけねぇ不幸が……そん時に、一気に来やがったんだ……」
幸子「…………」
モバP「ついたぜ……ここだ……」
モバP「……ずいぶんと久々だぜ……仕事仕事だからな……命日だけは、どうにか休みとれるようにしてるがな……」
幸子「プロデューサーさん……もしかして……ボクのことを、死んだ娘さんのように思ってたんですか?」
モバP「あん? いきなり何言ってんだよ?」
幸子「その……奥さんや娘さんが生きてるかのように、今まで話してましたし……」
幸子「あの……結構前ですけど……ボクがフェスで負けた時、息子流励ましなんて言ってましたし……その……」
モバP「はッ! 馬鹿言え! おめーなんざ、俺の妻や娘なんぞと、全然違うね!」
幸子「な! なんですかその言い方……!」
モバP「お前は『輿水幸子』……世界一カワイイ、俺の担当アイドルだろうが! 同一視なんて、妻にも娘にも……何よりお前に失礼な事、とてもじゃねーが、出来ねーよ、バカが」
幸子「! プロデューサーさん……」
モバP「まあ……正直、子供がいたらこんな感じかな、という感想は抱いたことがあるぜ……お前と一緒にいたらな……」
モバP「俺の趣味のスカイダイビングを仕事に入れてみたりしてさ……その辺は、確かに同一視してんじゃねーか、と言われたら、強く返せる言葉はねーな……」
モバP「……指輪も付けたままで、妻や娘がいるみたいに話してたのは……女ばっかの職場で、安心感を持ってもらう意味もあったが……」
モバP「……そうなんだよな……アイツらは……死んでんだよな……もう、いないんだよな……」
幸子「……プロデューサーさん!!」
モバP「なんだよ……そんな大きい声ださんでも、聞こえてるぜ?」
幸子「プロデューサーさんは……ボクといなきゃダメです! ボクを一番にカワイイって言ってくれればいいんです!」
モバP「……幸子?」
幸子「あ……ええと……その……奥さんと娘さんの事を忘れろって言ってるわけじゃなくて……その……」
幸子「ボ、ボクと一緒にいてください! ボクが頑張って、プロデューサーさんをトップアイドルのプロデューサーさんにして上げます!」
幸子「そしたら、奥さんと娘さんにも、きっと誇れる事です……だから……だから……」
モバP「幸子……すまねぇな……気を、遣わせたか……?」
幸子「……そんな、事……」
モバP「でもなぁ……幸子、お前……そんな事いうんじゃねぇよ……! お前は、お前自身のために頑張りゃいいんだ……!」
幸子「……プロデューサーさん……?」
モバP「それに……お前に、そんな風に、いわれるとさぁ……俺……どうしたら、いいか……わからなくなっちまうよ……ッ!」ポロポロ
幸子「(プロデューサーさんは……右手で顔を押さえて……泣きはじめました……)」
幸子「(そんなプロデューサーさんを見たのは初めてで……どうしたらいいのか分からなくなってしまって……ボクはしばらく、そのまま突っ立っていました……)」
幸子「(ふと……プロデューサーさんの、所在なさげな左手を見て……気が付いたら、ボクはその手を握っていました……)」
幸子「(その時……なんとなくですが、奥さんと娘さんが死んでから、プロデューサーさんは、ちゃんと泣いてなかったんじゃないかな、と思ったんです)」
幸子「(ボクがやったことは、良い事かどうか、わかりませんが……ちゃんと泣けたのは、たぶん良いことだった。そう思っているんです……)」
モバP「ち……すまんな、醜態を曝した。年をとると、どうもいけねぇ」ズビッ
幸子「いえ……そんなこと……」
モバP「……うっし、掃除も完了だな!」
幸子「……綺麗になりましたね、お墓」
モバP「ああ……幸子の買って来てくれた花束も立派なもんだ……後は……お祈りだな」
幸子「……はい」
幸子「(……プロデューサーさんの奥さん、娘さん……プロデューサーさんは、立派に仕事をしてくれてます……)」
幸子「(時々、変な方向に張り切りますけどね! まったく……カワイイボクに対して、もっとお姫様扱いしてくれてもいいのに……)」
幸子「(……でも、奥さんが好きになったのも、よくわかります。言葉づかいが乱暴、ちょっと不器用で抜けてる所もあるけど……優しくて、温かい……)」
幸子「(ですから……安心してください。プロデューサーさんにはボクがついています……!)」
幸子「(それに、プロデューサーさんには、ボクが……ボクが……? ……!? ボ、ボク、今何考えて……!!///)」
モバP「………」スクッ
ビクッ! 幸子「プ、プロデューサーさん……?」
モバP「……よし、終わりだ。行くか」
幸子「あ、待って下さいよ! プロデューサーさん! もう……いいんですか?」
モバP「いいんだよ、墓参りなんてこんなもんだ」
幸子「……さっきまでピーピー泣いてたくせに……」
モバP「てめぇ!」
幸子「ふっふーん! 黙っててほしいなら、この後ご飯でも驕ってくださいね!」
モバP「チクショー! まあイイぜ、かまわん! 飯食いに行くぞ、幸子ォ!」
幸子「はい! しっかりとエスコートしてくださいね、プロデューサーさん!」
―終―
そんなわけで終わりです。
今回のSS書いて学んだことは、事前準備は大事だということですな、うん。
乙!アフターストーリーのいちゃいちゃタイムはまだですか?
>>58こうですか、わかりません!
幸子「ふふ……もう、結婚できる年齢になりましたよ、プロデューサーさん!」
モバP「……ガキが粋がってんじゃねえよ……ってのが、素直な感想だな」
幸子「嘘ですね! どれだけ一緒にいたと思ってるんです!?」
モバP「…………」
幸子「そしてだんまりですか……ふぅ……」
幸子「ねぇ……プロデューサーさん……未だに奥さんに操を立ててるんですか? 娘さんを裏切ることになると思ってるんですか?」
モバP「それは……違う……もう、ふっ切った……」
幸子「……やれやれ、強情ですね……じゃあプロデューサーさん、浮気でもいいから……身体だけの関係でもイイって言ったら……?」
モバP「……!! バッキャロウ!! 2度とそんなこと言うんじゃねぇ……はっ倒すぞ!!」
幸子「わかってますよ……こういうことを言えば、貴方が怒る事くらい……でも……それくらい、ボクは本気なんですよ……?」
モバP「……幸子……」
……あれ? なんか違う……?
このSSまとめへのコメント
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