男「殺人卓球部……!?」 (98)
<高校>
男(ボクは幼稚園の頃から卓球を始め──)
男(中学では常に全国大会で上位をキープしてきた)
男(ボクがこの高校を選んだのも、もちろん卓球の強豪校だからだ)
男(だけどボクは、自分の卓球に限界を感じ始めてもいる)
男(このまま普通にやっていても、いずれどこかで頭打ちになる)
男(日本のトップクラスにいる、本物の怪物たちには敵わない、と……)
<教室>
男「殺人卓球部……!?」
友「ああ」
友「この学校って普通の卓球部ともう一つ、殺人卓球部ってのがあるんだって」
男「でも、卓球でどうやって人を殺すんだ?」
男「ボールをぶつけたり、ラケットで殴ったりとか?」
友「さあ……そこまでは俺も知らねえよ」
友「でも、もし気になるんなら、一度行ってみたら?」
男「…………」
男(友人の話によると──)
男(殺人卓球部の活動場所はなぜか視聴覚室らしい)
男(体育館は他の運動部だって使うだろうし、当然といえば当然だろう)
男(なんとも危険かつ、うさん臭い響きのする部活ではあるが)
男(ボクは不思議と殺人卓球部という名前に惹かれていた……)
男(もしかしたら、このボクを新たなステージに導いてくれるのでは、と)
男(えぇ~と、ここが視聴覚室か)
コッ……! カコッ! カコンッ!
男「!」
男(中から卓球ボールの音がする……!)
男(一応、卓球自体はちゃんとやってるみたいだな)
男(とりあえず、中に入ったとたん、いきなり何かされるってのはなさそうだ)
男(よし……入ろう!)キッ
コンコン
男「失礼します!」ガラッ
<視聴覚室>
部長「やぁ、いらっしゃい!」
部長「もしかして、入部希望者かい?」
男(殺人っていうわりに、ずいぶん優しそうな人だな……)
男「いえ、まだどこに入るかは決めてなくて……」
部長「そうかい」
部長「じゃあ、せっかくだし部員の紹介をさせてもらおうかな」
部長「まず、ぼくは部長! よろしく!」
副部長「俺は副部長、ネット間際での台上処理が得意だ」
ドライブマン「オイラはドライブマン」
カットマン「拙者はカットマンでござる」
マネージャー「アタシはマネージャーよ! よろしくね!」ニコッ
男「よろしくお願いします」
男(部員はマネージャー含めてたった五人か……)
男(やっぱり少ないな……)
部長「そうだ! ぼくたちと試合でもしてみるかい?」
男「いいんですか?」
部長「ああ、せっかく来たんだし、君も打ちたいだろう?」
男「そうですね」
男「ぜひお願いします!」
ドライブマン「じゃあまず、オイラが相手になってやるよ」ズイッ
VSドライブマン
ドライブマン「ていっ!」シュッ
男(厳しいコースを突いても、結構拾ってくるな)
男(だけど大して回転もかかってないし……)
男(この程度のドライブの使い手なら、中学にもいくらでもいたよ……)
パシィッ!
ドライブマン「うわっ!」
11-3
男(ホントは0点に抑えることもできたけど……さすがにマズイもんな)
VSカットマン
カットマン「とうっ!」シュバッ
男(たしかにカットはできてるけど……)
男(打球は高いし、ほとんどスマッシュ打って下さいっていってるようなもんだ)
男(ちょっと左右に振ってから強打すれば、簡単に打ち抜ける!)
バシィッ!
カットマン「うむむ……完敗でござる!」
11-2
VS副部長
副部長「ほっ」パシュッ
男(自己紹介するだけあって、たしかに台上処理はうまい)
男(ネット際に落とす短めの玉なら、かなり回転をかけても危なげなく返してくる)
男(でも逆に、深く打ち込むとまるでもろい!)
パチンッ!
副部長「しまったっ!」
11-4
VS部長
部長「サーッ!」パシッ
男(さすがは部長、それなりに強いな)
男(サーブ、レシーブ、スマッシュ、ドライブ、ブロック、ツッツキ、バックハンド)
男(どれもある程度の水準にはある)
男(他の三人はわりと技術が偏ってたけど、オーソドックスな強さを持っている)
男(でも、しょせんはそれなりだ)
男(ボクの相手にはなれない!)
パシィッ!
部長「う~ん、参った!」
11-3
部長「いやぁ~強いね」
部長「もしかしたら、中学でも相当強かったんじゃないかい?」
男「ええ、一応……」
男(殺人卓球部、なんて名前に惹かれて来てみたけど)
男(ようするに、強豪である普通の卓球部じゃ通用しない卓球好きの集まり……)
男(同好会みたいなもんか)
男(とんだ期待外れだ……)
マネージャー「すっごぉ~い!」
マネージャー「アナタならすっごい使い手になれるよ!」
マネージャー「ね、入って、入って!」
男「!」ドキッ
男(マネージャーさんは結構可愛いな……)
男(だけど、ボクは遊びじゃなくスポーツとして卓球をやりたいんだ)
男(同好会なんかに入るわけにはいかない……)
男「今日はありがとうございました」ペコッ
男「でも、ここに入るかどうかは、他の部も回ってから決めたいと思います」
部長「そうかい」
部長「ぜひウチに決めてくれることを、期待しているよ」
男「はい……」
男(やっぱり、普通の卓球部に入ろう)
男(卓球に近道はない)
男(上達するには、強い人たちと一緒に普通に練習するのが一番なんだ)
視聴覚室を出て──
男(う~ん、中途半端な時間になっちゃったな)
男(今から普通の卓球部に行っても、もう練習の真っ最中で迷惑だろうし)
男(入部届けを出すのは明日にしよう)
男(今日はどうしようかな……)
男(行きつけの卓球場で、ちょっと打っていこうかな)
男(もし青年さんがいたら、相手してもらおう)
<卓球場>
ギャハハハ…… ワイワイ……
DQN「ほ~れっ!」パチンッ
ビッチ「いやぁ~ん、つよぉ~い」
男「なんですか、アイツらは……」
男「普段着のままで、土足じゃないですか……」
男「しかも禁煙だってのに、タバコまで……」
青年「アイツらは、最近よく来るようになったグループでね」
青年「人数も多いし、うかつに注意できないんだよ」
青年「警察なんか呼んだら、どんな仕返しされるか分からないしね」
男「ここは、彼らが来るような場所じゃないですよ」
男「遊びで卓球がやりたければ、他にいくらでもそういう場所があるじゃないですか」
青年「たしかに最近はゲーセンとかでも卓球台を置いてるところは多い」
青年「でもああいうところって30分何百円とかするし、結構高いんだよ」
青年「一方ここは同じぐらいの代金で、時間無制限だからね……」
青年「ああいう連中の溜まり場には都合がいいんだろうさ」
男「…………」ムカムカ…
男「ボク……ちょっと注意してきます!」
青年「いや、やめた方がいい!」
青年「なにされるか分からないぞ!」
男「でも、ああいう連中はボク、許せないんです!」
男「なあに、ヤンキーってのは意外とメンツを重視するって聞きますから」
男「そういう方向から攻めてみせますよ」
青年(大丈夫かなぁ……)
男「あの……」
DQN「あ?」
男「ここは卓球をやる場所で、溜まり場にする場所じゃありません」
男「マジメに卓球をやる気がないんなら、出てって下さい」
DQN「なにほざいてんだ、ガキ。俺たちゃちゃんと金払ってんだぜ?」
ビッチ「なに仕切ってんの、キモ~イ」
男「……なら、ボクと卓球で勝負しませんか?」
男「ボクから一点でも取れたら、ずっとここにいていいです」
DQN「一点!?」
DQN「ヒャハハ、おもしれえ! いいぜ、受けて立ってやるよぉ!」
パシッ!
DQN「うわぁっ!」
ビシャアッ!
ピアス「は、はやっ──」
ズバッ!
金髪「こんなの取れるわけねえ!」
ビッチ「なにやってんのよ、ダサ~イ」
DQN「ぐ……!」
男「全員0点に抑えました。約束通り、出ていってもらいましょうか」
DQN「ふざけんなよ、ガキ……! こんな目にあって、このまま帰るとでも──」ギロッ
男「!」ビクッ
青年「そうだそうだ、約束は守れ!」
客A「出ていけ!」
客B「どうしてもここで卓球やりたきゃ、ちゃんと運動する格好でこい!」
DQN「ち……!」タジタジ…
DQN「おい、いくぞ……!」
ゾロゾロ……
卓球分からないけど支援
男「すみません、助かりました……」
男「青年さんたちがいなきゃ、多分殴られてました……」
青年「いやいや、こっちこそ。あそこで口出せなきゃ、卓球やる資格はないからね」
青年「ホントよくやってくれたよ」
青年「あれだけ恥をかけば、アイツらも少しは懲りるだろうさ」
青年「さ、邪魔者もいなくなったし、一汗流してから帰ろうか」ニコッ
男「はい!」
男「今日はありがとうございました」
青年「こちらこそ、いい汗かけたよ」
男「ところで青年さん、殺人卓球って知ってますか?」
青年「…………」
青年「いや……聞いたこともないな」
青年「ま、あんなもの、君のような卓球好きが関わるようなものじゃないよ」
男「そうですよね……変なこと聞いてすみませんでした」
青年「ところで、帰りは寄り道せず、明るいところを通りなよ」
青年「さっきの連中が、なにかしてくるかもしれない」
男「大丈夫ですよ。それじゃ、また!」
フラグ
<町>
男(青年さんの意見を聞いて、スッキリした!)
男(やっぱりボクは普通の卓球選手を目指すんだ!)
男(明日、普通の卓球部に入部届けを出そう!)
男(そうだ、ちょっと卓球ショップに寄ってラバークリーナーを買っていくか)
「オイ、ガキ」
男「!?」
ズラッ……
DQN「よう」
男「ア、アンタたちは……さっきの……」
男(いや、さっきより人数が増えてる! ……囲まれた!)
DQN「さっきはよくもやってくれたな、ガキ」
DQN「とんだ恥ィかかせやがって……」
DQN「やられたら万倍返しってのが俺らの流儀でよ」
DQN「仲間もたっぷり連れてきたし、地獄見せてやるよ」
DQN「二度と卓球ができねえようにしてやっからよ?」ニィッ
男「くっ……!」
DQN「オイ、しっかり押さえとけ」
ピアス「おう」ガシッ
男「は、はなせっ!」グッグッ…
DQN「まずはその右腕、へし折ってやるよ」
DQN「しかも、ちゃんと治らないようにグチャグチャにな!」
男(なんでこんなことに……)
男(ボ、ボクはただ、卓球場で無礼なふるまいをしてたコイツらを注意しただけなのに)
男(なんでこんなことになっちゃうんだ!?)
男(ち、ちくしょう……!)
ガラガラ……
DQN「?」
ピアス「?」
金髪「?」
男「!」
DQN「なんだ、この音」
男(ボクには分かる……何百回、何千回、何万回と聞いた音だ)
男(折り畳まれた卓球台を移動させる際の、タイヤの音!)
男(でも、なんでこんなところでこの音が聞こえるんだ!?)
ガラガラガラガラ……!
「まもなく目的地で~す!」
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
キキィッ……!
ドライブマン「とうちゃ~く! みんな降りてくださ~い!」
ザザザンッ!
DQN「なんだ、こいつら……! 卓球台に乗ってやってきやがった……!」
男「あ、あなたたちは……殺人卓球部の──」
部長「やあ、また会ったね!」
副部長「ふん、一人相手に三十人も集まって……ヒマな奴らだ」
カットマン「日本男児の風上にもおけぬ奴らでござるな」
マネージャー「ウチの学校の生徒をいじめたら、許さないんだから!」
DQN「なんなんだ、てめぇらは!?」
部長「普段は卓球中級者の集団! しかしてその実体は!」
部長「必殺仕事人集団“殺人卓球部”推参!」
熱いな…
DQN「なにが殺人卓球だ! こっちがぶっ殺してやる! みんな、やっちまえ!」
ピアス「オラァッ!」ブンッ
ドライブマン「オイラは卓球台の運転(ドライブ)の達人だけど」
ドライブマン「卓球台戦闘術の達人でもあるのさ!」
ドライブマン「テーブル・サンドイッチ!」グパァ…
バァンッ!
ピアス「げぶぅ……!」ガクッ
男「す、すごい……! 卓球台を一瞬で分離させて、相手を挟み込んだ!」
金髪「ク、クソが!」ギラッ
男(ナイフ!?)
カットマン「あの男は拙者に任せるでござる」チャキッ
男(に、日本刀ッ!?)
男(しかも持ち方がなぜかペン持ち! なんて握力だ!)
スパパパパッ!
金髪「お、俺のナイフが細切れに──」
カットマン「拙者はカットマンでござるからな。拙者に斬れぬもの、無し!」
ドゴォッ!
金髪「ぐ、は……っ!」ドザッ
カットマン「安心せい、峰打ちにござる」
男「た、たしかに卓球のカットマン以上に、カットしてる……!」
ワロタ
タトゥー「なめやがって!」ダダダッ
副部長「!」
男「副部長、危ないっ!」
副部長「ふん」バサッ…
男「あれは卓球のネット!?」
グルグルグル……!
タトゥー「な、なんだこりゃ!?」
男「卓球ネットがタトゥー男の首に巻きついて──」
副部長「少し眠ってろ」グンッ
タトゥー「う、うげぇ……」ガクッ…
男「副部長は台上処理がうまかった……つまりネットの扱いがうまかったのか!」
マネージャー「きゃーっ!」
マッチョ「へへへ、結構可愛いじゃねえかよ。俺の女にしてやろうか?」グイッ
男「マネージャーさん!」
マネージャー「誰がアンタの女なんかになるもんですか!」ジャキッ
男「あ、あれはネットサポート!」
男「卓球台のネットの両側についてるアレだ!」
マネージャー「はああああっ!」ギュルルルルッ
ガツンッ!
マッチョ「が、はぁ……っ!」ドサッ
マネージャー「女だからって甘く見ないでよね!」
男「すごい……まるでトンファーだ!」
男「そういえば、部長は!?」バッ
部長「サーッ! サーッ! サーッ! サーッ! サーッ!」
バキッ! ドカッ! ゴッ! ガスッ! バキッ!
男「ラケットで次々に敵を殴り倒してる!」
男「オーソドックス……だけどそれゆえに強い!」
男「視聴覚室で卓球をやってた時のラケット捌きとは、全然ちがう!」
DQN(な、なんなんだよコイツらは……化け物か!?)
DQN(だったらぁ!)ガシッ
男「ぐぁっ……!」
DQN「てめぇら、大人しくしねえとコイツの顔をナイフで切り刻むぜ!?」チャッ
部長「しまった……!」
卓球強すぎる
部長「もう残る敵はヤツだけだというのに……」
副部長「くそっ……油断したか……!」
ドライブマン「卑怯なヤツめ!」
カットマン「正々堂々勝負するでござる!」
マネージャー「そうよそうよ!」
DQN「うるせえ! 勝負ってのは勝ちゃいいんだよ!」
男「みんな……ボクのことは気にせず……!」ググッ…
DQN「てめぇは黙ってろ!」
DQN「さぁ、まずはてめぇら、お仲間同士で殴り合ってもらおうか!」
??「やれやれ、護衛対象を敵に手中に取られるとは、お前たちもまだまだ未熟だな」
男(こ、この声は!?)
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
スパァンッ!
DQN「ぐ、は……!」ドシャッ
男「どこからともなく超高速で卓球ボールが飛んできて──」
コロコロ……
男「しかもこの卓球ボール、星が四つ描かれている!」
男「卓球ボールの品質は、三ツ星(スリースター)が最高のはずなのに!」
青年「それは四ツ星(フォースター)……通称“死のボール”さ」ザッ
青年「通常の卓球ボールより重く頑丈な、殺傷専用のボールだよ」
男「せ、青年さん!?」
星とかあんのか
男「青年さんがどうしてここに!?」
青年「君と卓球場で別れた後──」
青年「やはりあの連中が君に仕返しするのでは、と気になってね」
青年「後輩の殺人卓球部に連絡して、君を守るよう依頼していたのさ」
男「え、後輩って──あなたはまさか!?」
青年「そう、オレは殺人卓球部のOBだよ」
男「えええええっ!?」
男「あの……殺人卓球部っていったいなんなんですか……!?」
青年「卓球部を装い、あらゆる仕事を引き受ける仕事人集団さ」
青年「もっとも、普通の卓球部との区別と、カモフラージュのために」
青年「あえて“殺人卓球部”なんて派手な名前を名乗ってるがね」
男「そういうことだったんですか……」
男「どうりでみんな、お強いわけだ……」
青年「一つだけいえることは」
青年「本気で卓球をやりたい君のような人間が入る部ではないってことさ」
男「…………」
青年「すまないが、みんな」
青年「彼は“普通の卓球”で全国レベルの選手だ」
青年「オレも卓球が趣味で、彼と卓球場でしょっちゅう打ってるから分かるが──」
青年「今後の上達次第ではオリンピック出場だって夢じゃない」
青年「彼はあいにく新入部員にはなれない……。かまわないな?」
部長「かまいませんよ、先輩」
部長「人にはそれぞれ、歩むべき道というものがある」
部長「君は殺人卓球など、やっているヒマはないよ」
副部長「全国レベルか……どうりで強いわけだ」
ドライブマン「オイラたちがまともな卓球で勝てるわけないよね!」
カットマン「うむ、ぜひ五輪を目指して欲しいでござる」
マネージャー「残念だけど、しょうがないわ」
青年「さ、そろそろ帰ろう。おっと卓球場にはいつでも来てくれよ」
男「…………」
男「……いえ、待って下さい」
青年「へ?」
男「ボクが求めていたのは、こういう卓球だったんです!」
男「ボクのお利口で上品な卓球を、うち壊してくれるような……」
男「今までにない卓球との出会いを求めていたんです!」
男「どうか……どうか、このボクを殺人卓球部に入れて下さい!」ガバッ
男「殺人卓球を教えて下さい!」
そして──
ワァァ…… ワァァ……
<オリンピック会場>
ワァァ…… ワァァ……
絶対王者「ナンナンダ、コイツハ……」ハァハァ…
絶対王者「日本ニコンナ恐ロシイ選手ガイタナンテ……」ハァハァ…
男「サーッ!」
ドゴォンッ!
実況『あーっとぉ!』
実況『男選手の強烈なサーブを受け止めた絶対王者、会場外までふっ飛んだっ!』
実況『これはもう試合続行は不可能でしょう!』
実況『この瞬間、男選手の金メダルが確定しましたあっ!』
実況『卓球帝国中国の絶対王者を、日本の若きエースが打ち倒しましたっ!』
実況『この瞬間、卓球の歴史にまた一つ新たな伝説が生まれたぁっ!』
ワアァァァァァ……!
殺人wwwww
<応援席>
中年「みごとだ……。殺人卓球を始める前の彼とは別人だよ……」
元部長「ええ、普通の卓球と殺人卓球をミックスさせた新卓球──」
元部長「あれには誰も勝てないでしょう」
元副部長「男君には普通の卓球の才能以上に、殺人卓球の才能があったということか」
ドライブマン「いやぁ~天は二物を与えるってのは、まさにこのことだね」
カットマン「拙者も先輩として嬉しいでござる」
元マネージャー「あとで、みんなで祝賀会を開いてあげましょ!」
<表彰式>
男(夢にまで見たオリンピック金メダル……)キラッ…
男(もし、あのまま普通の卓球を続けていたら──)
男(どんなに頑張ってもオリンピック出場がやっとだったはずだ)
男(こうして世界一になれたのは、殺人卓球部に出会えたおかげだ……)
男(みんな……ありがとう!)
こうして、男によって生み出された普通の卓球と殺人卓球の融合卓球は、
いつしか人々から『テーブルテニヌ』と呼ばれるようになり
卓球界において末永く恐れられることになったという……。
<おわり>
>>1乙
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません