夢見りあむ「現地参戦!ただしVR!」砂塚あきら「踊るネット民」 (39)

アイドルが遠くに遊びに行く話
のはずでした。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1550845507













砂塚あきらのウワサ.0
舌を噛むと大惨事になるらしい。



















りあむ「赤城みりあちゃんと夢見りあむで『ダブル・ミリア』というユニットを組みたい・・・ホント組みたい」

あきら「ダブル・・・?ああ、『ゆめ・みりあ・む』の語呂合わせか・・・多分それユニットとは言わないデス」

りあむ「そ、その心は・・・?」

あきら「バーターだと思われて終わりデスよ」

りあむ「うえーん!!ぼく添え物ー!?」

あきら「実力も違いすぎますし、あっちは何枚もCDを出してる一線級アイドル、こっちはビギナー、オーケー?」

りあむ「おーえー・・・・・・あきらちゃんにマウント取られた・・・みりあちゃんに泣きつこう・・・あとさりげなくサインもらおう、最終的にユニット案をちらつかせて・・・にゅひひ」

あきら「芸歴7年の11歳児に虎視眈々としすぎ、クレクレ厨はネットでクソ嫌われますよ」




りあむ「はれっ?みりあちゃんって11歳から数えて芸歴7年じゃあ・・・」

あきら「いやいや、それなら今頃りあむサンと同い年くらいのはずじゃあ・・・」



りあむ「・・・・・・」

あきら「・・・・・・」

りあむ「・・・・・・芸能界、こわっ」

あきら「#芸能界の闇を見た」

りあむ「やむ?」

あきら「やみ、デス。病むのはりあむサンだけでいいんで・・・」



りあむ「見放された!ぼくたちは今一蓮托生なのにー!同舟の身なのにぃ!」

あきら「新幹線に乗ってきただけだし、しかも二人で。ちゃんとPサンに連絡しましたよね?」

りあむ「あきらちゃんを誘ったことはラインで知らせたよ、だめ?」

あきら「ライン・・・・・・なら問題ないデスね」

りあむ「だ、だよねー!ラインは未読な方が悪だもんねぇ!」

あきら「それはJKの界隈だけデスよ」

りあむ「あきらちゃんはJKでしょ」

あきら「自分はプロフィール欄に『コメント返信は遅くなるかもしれません』って明記してますから」

りあむ「それはライン以外のSNSの反応欲しがりオタクども対策だよ!ぼくはしてないけど」

あきら「また人に聞かれたら炎上しそうなことを・・・どっちみち自分らはまだ土日のレッスン以外で呼び出されることもないから気楽な身デスよね。・・・今から凸する相手に比べれば」



りあむ「そう、今から会うかもしれない相手はぼくらより超忙しいアイドル・・・そう考えるとドキドキしてきた。落ち着けー落ち着けー・・・やむなやむなー・・・」

あきら「もにょもにょするのは結構デスが、そろそろ降りる駅では」

りあむ「相手はみりあちゃんより後発デビュー、みりあちゃんより後発デビュー、みりあちゃんより後発デビュー・・・」

あきら「・・・・・・#メンタル保持のおまじない#無礼」










『間もなく新大阪、新大阪です』








プシュー、ピンポーンピンポーン



あきら「おおー、人が多いし、お店の看板だらけで全体的にデパートみたいな構造デスね、よく知らなかったんデスけど大阪の駅って都会系?月曜日なのに混んでいるのは今日が#建国記念日だからデスかね?」

りあむ「前に来たときはスーツ姿のおっさんだらけだった気がする・・・」

あきら「写真撮っときましょう、・・・・・・はい、パシャリ」

りあむ「こ、このあとJR京都線に乗り換えるからホーム移動だよ~」



あきら「はいはい・・・・・・よし。#今日のあきらコーデ#関西上陸」

りあむ「・・・・・・はしゃぐあきらちゃん・・・・・・しゅき」

あきら「#!?・・・っそ、それより!自分らが探しているアイドルって本当にこの先にいるんで?」

りあむ「あのアイドルの趣味と寮からでたっぽい手掛かりからして多分絶対間違いないね!名探偵りあむちゃん・・・」

あきら「#多分絶対#とは・・・・・・。おっと、まずは乗り換えデスね。詳細はそこで聞きますか」


りあむ「ん?興味ある・・・?大した経緯はないけど・・・。あ、乗り換えはこっちね、人混みが本当にゴミウザいから手をつないで行こうねー!」

あきら「そんなに強く握らなくても逃げませんって。あと大した経緯もないのに朝っぱらから拉致られたからそのワケを訊いてるんデスよ」

りあむ「だってぇ・・・一人だと惨めな使いっぱしりだけど、二人ならプチ旅行っぽく・・・?」

あきら「ならないデス」




りあむ「ならない・・・?あきらちゃんはこういうイベントに馴染みは、うん、無さそう・・・・・・なんか、えっと、ごめんちゃい?」

あきら「せめて新幹線に乗る前に謝ってくれたら印象も変わったんデスけど。・・・・・・この人シートに座るやいなや爆睡するんだもんなぁ」













りあむ「改めて!さあ!現地参戦するよ!『シンデレラステージ7step』!!」



あきら「目的は荒木サンの捜索デスけどね」












回想
二〇一九年二月十日午後



事務所にて





ベテラントレーナー「荒木ィ!!荒木比奈はいるかああ!!」

りあむ「ぴやぁっ!?」





ベテトレ「む、君は確か新人アイドルの夢見だったな!」

りあむ「はっ、はひっ」

ベテトレ「私はこの事務所のアイドルを受け持つトレーナーの一人で本名を・・・いや!今はいいな!いずれ君のレッスンを担当するだろうから詳しくはその時だ!!」

りあむ「おっ、あ、はい・・・・・・・・・まじかぁ」


ベテトレ「改めて訊く!荒木比奈を見なかったか!最近何かと一緒にいた大西由里子の方でもいい!」

りあむ「えっと、見たって・・・番組とかでじゃなくて・・・生で?」

ベテトレ「そうだ!出演番組が知りたければプロデューサー殿に連絡を取っている!」

りあむ「生の荒木比奈ちゃんとか・・・なにそれしゅごい・・・似顔絵とか書いてもらったら即家宝・・・」





ベテトレ「荒木のやつは寮に書置きを残して消えたのだ!電話も通じん!なので足で探している!何か知らんか!!?」

りあむ「圧が・・・圧がすごい・・・・・・しらにゃいでふ・・・やむ・・・。と、ところで書置きってどんなの?もしかして直筆?荒木比奈直筆の書置きとか欲しすぎる・・・」

ベテトレ「これだ。・・・ここ数日徹夜や睡眠不足といったアイドルにあるまじき素行不良を積み重ねていたらしくてな、説教とペナルティを約束して一時帰宅したのが昨日だ」


りあむ「えーと・・・『てつやしたバツと説教については後日甘んじて受けるので今回だけはカンベンして下さい』・・・・・・ムギッ!?端っこにイラスト付きだぁ・・・!」

ベテトレ「とりあえず一晩ぐっすり眠らせ、さて説教に入ろうとしたらこれだ・・・事情を知っていそうな大西もいないときた。プロデューサーには少し外出する、としか伝えなかったそうで行き先も分からん!!」


りあむ「こ、これはつまり荒木比奈ちゃん直筆イラスト・・・・・・!?額縁に入れなきゃ、飾ってSNSに上げてブルナポオタクに自慢しなきゃ・・・!」

ベテトレ「・・・どうやらお前は何も知らんようだな・・・」

りあむ「とりあえず、折れたりシワにならないように・・・」

ベテトレ「手がかりを普通に持っていこうとするな!!」

りあむ「ひゃぅい!!って、これ・・・裏は同人誌通販の明細書・・・」

ベテトレ「そうだ。秋葉原に足を運ぶ時間がないからよく利用しているらしい」



りあむ「・・・・・・おっほ、R18タイトルが一冊、二冊・・・・・・で、最後は・・・」

ベテトレ「何を数えているんだお前は。とにかく、私は荒木に繋がる手がかりを求めて次の部屋に・・・」





りあむ「カタログ・・・?」






現在

二〇一九年二月十一日(祝日)午前



JR京都線


あきら「それがシンデレラステージ?とやらのカタログだった、ゆえに荒木サンはそこに参加してるって寸法デス?」

りあむ「そーそー・・・・・・荒木比奈ちゃんのサークルで買い物するチャンス!・・・やばい、やばいよこれぇ、バズりの匂いがぷんぷんするぅ・・・!」

あきら「・・・今回自分らは使いっぱしりで、荒木サンがガチで大阪まで来てるんならそれをベテトレさんにチクるとこまでで終わりでしょ?もし荒木サンがペンネームとか隠す派の人だとしたら、サークル暴露とかマズイって、事務所からバンの危機デス」

りあむ「バ、バンはイヤだなぁ・・・サークル名はぼくの心の中にだけしまっとこ」

あきら「それが賢明デス」



りあむ「あぁあ・・・・・・でもぼくSNS育ちだから・・・他人の秘密をバズり欲しさで暴露しちゃうかも・・・ほんとに我慢できるかなぁ・・・・・・?」

あきら「いや知りませんよ・・・・・・そんなことしたら少なくとも荒木サンと仲のいいアイドルから総スカンくらってサインは貰えなくなるでしょうね」

りあむ「むぎぎぎぎぎぎ・・・」

あきら「苦悶の声が・・・・・・SNSに何でもかんでも書くような人間はSNS上でしか相手してもらなくなって現実で詰む運命デス。自分も配信じゃプライバシーにかなり気い遣うし・・・」

りあむ「・・・むぎぃ・・・手に入れたネタを何でもかんでも書き散らかしたくなるぅ・・・ぼくはまさかSNS下痢・・・・・・?」



あきら「SNS下痢・・・?」

りあむ「SNS下痢・・・今考えた!」




あきら「・・・・・・言いたいことは分かるんですが、言葉選びがアイドルのソレじゃない・・・・・・」

りあむ「・・・面白いツイートのできない人間が陥るビョーキ・・・・・・ネタ切れをこじらせた結果・・・自分の周りの人たちの言っちゃいけない情報をリスク無視でダバダバ垂れ流すアレ・・・」

あきら「アレとか言われても知らないんで・・・・・・知らないといえば、そもそも#シンデレラステージって 何なんデス・・・?」

りあむ「あれ、知らないのに着いてきてくれたの・・・?あきらちゃん優しい・・・」

あきら「知らないのに連れてきたのはりあむサンなんデスけど・・・」




りあむ「えっと・・・簡単に言うとアイドル専門の・・・しかも346プロのアイドルに限定したコミケ、同人誌即売会・・・とか?・・・何年か前に同じようなイベに参戦した気がする」

あきら「・・・同人誌とかコスプレってゲームや漫画みたいなフィクションを対象にしてるもんだと思ってた・・・さすが天下の346プロ」

りあむ「んー?・・・それはちょっと違うくて、346プロアイドルをモチーフにしたゲームがあって・・・・・・シンステはそれをテーマにしてるとか・・・なんとか・・・」



あきら「はい?・・・・・・346プロを、じゃなくて346プロがテーマのゲームをテーマに・・・ってことで?」

りあむ「そーそー・・・ソシャゲらしいけど・・・そっちはよく知らない」

あきら「知らないのによくカタログだけで判断しましたね」

りあむ「・・・・・・うふふ、う、うまくいったらトレーナーとPサマに褒めてもらえるかなって思ったらつい気持ちが先走って・・・」

あきら「ええ・・・」






『次はー三ノ宮ー、三ノ宮ー』






りあむ「えっとー、このあと三宮のポートライナー?っていうのに乗り換えて市民広場駅ってところで降りたらシンステ会場だってさ!」

あきら「えっ?さんのみや?さんみや?」

りあむ「三ノ宮から三宮まで徒歩二分・・・よく分からんから駅員さんに聞こ・・・」

あきら「そうして下さい」






あきら「会場って海の上なのか・・・地図アプリを見るまで気付かなかった・・・通りで『ポート』ライナーなワケで・・・」

りあむ「・・・手持ちの金額と時刻表、駅のホーム番号さえ合ってればどこにでも参戦できるし・・・ぼくそういうの気にしないなー・・・」

あきら「この駅になんか違和感あるなと思ったらこれアレですね、地面の標示がホームに対して斜めに並ぶよう誘導してますね・・・狭い駅だし#スペース節約術デスか」



りあむ「・・・・・・というかあきらちゃん?」

あきら「・・・なんデス」

りあむ「もっと素直な感想言ってもいいんだよ・・・・・?」

あきら「配信を趣味にする生主としては周囲を敵にする発言はちょっと・・・」

りあむ「デカい鞄とメガネと黒っぽい上着の男しかいない・・・」

あきら「・・・」

りあむ「三宮駅がオタクに埋もれている・・・」

あきら「ちょっと」

りあむ「ホームがオタクまみれ・・・」

あきら「炎上しますって」



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あきら「四角い鉄枠・・・?・・・天井に付いてるコレがつり革みたいなものか・・・・・・やっぱ電車とは違うんデスねぇ#ポートライナー」

りあむ「どうせぼくらにゃ届かない高さだし・・・というか圧が、オタク圧が・・・」

あきら「やめてください、周囲に丸聞こえデスって。というか自分もちょっと気分悪くなってきたような・・・」

りあむ「・・・えっ、うそ、あきらちゃん倒れそう?手繋ぐ?おっぱい吸う?」

あきら「いや、なんでそこまでテンパるんデス?」

りあむ「だ、だって、未成年アイドルを県外に連れ出した上に救急車沙汰になったら炎上どころじゃすまないし・・・」

あきら「うわこの人リアルで自分の身しか可愛がってない・・・」



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市民広場駅
神戸国際展示場




あきら「#シンステ#初参加・・・はい、ぱしゃり」



りあむ「オタクによる長蛇の列・・・・・・うーん、傘持ってくれば良かった・・・雨止むかな・・・・・・このままじゃ濡れTになっちゃう」




あきら「いや、上着着てるでしょあなた。ほら、大丈夫そうですよ見てアレ」

りあむ「あー・・・最後尾が高架下・・・・・・セーフだね!」

あきら「でも列が3回くらい折り返されてて人口密度半端ない・・・」

りあむ「メガネと黒っぽいジャンパーにデカい鞄を装備した人間だらけだぁ・・・・・・」

あきら「いや、ピンクの帽子をかぶっている人も・・・ああスタッフか。あの帽子に書かれた顔って確か安部サンとこのロボット・・・?現シンデレラガールの影響がこんなところにも」




スタッフ『半歩前へお進みくださーい!!』




りあむ「同人誌即売会は詳しくないけど・・・こういうイベントはどこも同じ・・・・・・右も左も期待に満ちた顔でキラキラしてるよねぇ・・・」

あきら「そういうもんなんデスか・・・」

りあむ「うんうん・・・アイドルでもロックバンドでも現地は大抵こう・・・あと季節を問わず、オタクもオタク以外も全員臭いよ、今は二月だからマシだけど」

あきら「油断すると可燃物撒くなこの人・・・・・・しかし自宅で動画配信してる自分には初体験の光景だなー・・・・・・ネットじゃ来場者は数字とコメントでしかないデスし」





スタッフ『前に詰めていただければ列がもう少し短くなりますので半歩お進みくださーい!!』




りあむ「ぼくは自宅から全国に現地参戦してきたけど、あきらちゃんは自宅にいながら全国に動画配信してきたんだねぇ・・・こう見ると対になってる・・・?」

あきら「はぁ・・・そーデスね・・・・・・そうか・・・同じネット民でもエンジョイの仕方は真逆なのか・・・」

りあむ「つまり今日ここおいてはぼくに一日の長があるってことさ・・・!しかも年上・・・あきらちゃんはぼくに頼ってくれてもいいんだよ?」

あきら「#なぜマウントを取りに来る」





スタッフ『もうちょっと前に詰めてぇええー!!』





りあむ「ほら詰めないと!おっぱい枕する?後頭部預ける?」

あきら「#同期の#同性の#同僚に#百合営業はNG」


りあむ「あきらちゃんの方が背が高いからもたれるのは難しい・・・?こう、顔を埋める感じに谷間に顔を突っ込めば・・・」

あきら「具体的に胸枕計画を詰めるのやめてくださいよ・・・・・・なぜここに来て変にアグレッシブ化するんで・・・?」






スタッフ『もっと詰めてスキマ風を殺してぇええー!!』






りあむ「だ、だってぇ、あきらちゃんに嫌わわれたくないからぁ・・・アピるなら胸かなってぇ・・・」

あきら「ホントにメンタル不安定だなこの人」

りあむ「ほらほら、胸の谷間は湿度の高い空気が溜まってるから・・・乾燥しがちなこの時期の喉のケアに・・・・・・?」

あきら「いや、マスクしてるんで結構デスって」

りあむ「ぼくの唯一無二の長所がマスクに負けた・・・がーん」

あきら「知りませんよ・・・・・・・・・しっかし、それにしても人がぎゅうぎゅうデス・・・・・・うっぷ気分ワル・・・・・・手もかじかんできたし・・・・・・手袋は・・・忘れてた」

りあむ「今ならぼくの胸の間、空いてるよ?指入れる?」

あきら「入れませーん」






スタッフ『そんで僕も間に入れてぇえー!!!ここ寒いからぁあー!!』


りあむ「?!?」

あきら「!?!」


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午前11時29分



りあむ「はいこれ、あきらちゃんの分のカタログ!・・・これないと入れないとこだった・・・開場前に間に合ってよかった!りあむセーフ!」

あきら「はいドーモ。二人で来て良かったデスね・・・並ぶ方と買う方に別れられたし。で、おいくらでした?」

りあむ「いやいや、これ必要経費だからあきらちゃんは大丈夫だよ!後でけーひでせーきゅー?してみるし!」

あきら「経費で降りますかね・・・・・・聞いた感じ非公式の依頼っぽいのに」

りあむ「あっ、列が進んだよ!!向こうの傘をさした人らが進んでる!」

あきら「何人か塊で送って、一拍置いて次の塊って感じデス・・・」

りあむ「さぁ、ぼくらもいくよ!カタログは手に持ってね」



スタッフ『カタログは見えるようにしてお進み下さーい』



あきら「・・・・・・おおー進む進む」

りあむ「カタログってどう持とう?谷間に差しといたらいいかな?」

あきら「事あるごとにバストアピールしないで下さい・・・・・・ほらアレ見てください、前の集団、ああやるんですよ」

りあむ「あ、あれは・・・・・・インディアンポーカーの構え!?」

あきら「見た感じ、ああやって頭の上にカタログを掲げて行進する感じデスね・・・儀式かな?」

りあむ「よし!ぼくらもやるよ!あんまり浮きたくないから!」

あきら「スタッフへの気配りとしてやって下さいよ」

りあむ「勝訴の構え!」

あきら「ハイそこふざけないー」








りあむ「と、言うわけで国際展示場にゅう、じょー!」

あきら「・・・・・・#シンデレラステージ、インしまーす」









りあむ「・・・と、ところであきらちゃん」

あきら「なんデス」

りあむ「ぼくらって比奈ちゃんを探しに来ただけで何も買う予定ないからさ・・・・・・冷やかしでしょ?・・・バレたらネットで叩かれないかなぁ・・・?」

あきら「サークルへの冷やかし行為の是非なんて知りませんけど、気にしないでいいでしょ」

りあむ「ほんと?ほんとぉ・・・?」

あきら「こういう世界って新作ゲームみたいに転売厨や原価厨がいるって聞きますし、おかげで冷やかしにまでヘイトは向きませんって・・・」

りあむ「うん・・・あきらちゃんを信じる、あきらちゃんだもん、きっと間違いないよ」

あきら「いや、一日の長があるのはりあむサンでしょうが!なんでそこで自分にプレッシャーかけるんですか!?」




りあむ「・・・それはそれとして、会場は無断撮影禁止だからそのタブレットの録画機能切ってね」

あきら「えっ、こっからなのに!?」







___砂塚あきらのタブレットの録画機能が停止したため、会場内の様子は関係者の証言によるダイジェストでお送りいたします___







あきら「うわー、密度が、圧が・・・」

りあむ「FPSプレイヤーとしてはマシンガンで掃射したくなったり?」

あきら「しません」


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あきら「えっ、ハイ・・・?コスプレ・・・?この格好が・・・?・・・・・・・・・えー、あー、ハイ、そーなんデス!これ砂塚あきらのコスプレデース!!・・・・・・自分、元からギザ歯なんでー!ちょうどいいかなーって!?」

りあむ「なんか向こうの方であきらちゃんがテンパってる・・・珍しいもの見たしあとで呟いとこ・・・・・・あ、この新刊一冊で!」

あきら「ちっ、ちなみに!あっちにいる子は夢見りあむのコスプレだから!あっちの子もすこってあげて下さいねー!」

りあむ「巻き添え!?でもすこられると嬉しい!」


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あきら「人混みに酔いそうデス・・・マスクの中に吐きそう・・・」

りあむ「えぇ・・・ぼくの95の谷間をエチケット袋にする気なの・・・?・・・マジ引く・・・」

あきら「言ってねえよ乳袋・・・」

りあむ「ガ、ガチ切れ・・・・・・」





あきら「もしもしー?こちらコードネーム"サンド"、現在『デ-24』そちらの位置を連絡されたし、オーバー」

りあむ『こちらコードネーム"ダブルミリア"、現在『マ-15』、不安だから迎えに来て欲しい、オーバー』

あきら「『マ』ブロック・・・?そんなのあったかな・・・」

りあむ『えっと、そうじゃなくて・・・その、マー1-5ーで・・・オーバー?』

あきら「迷子じゃん、アウト」


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あきら「なんで手をつないだまま移動するんで?」

りあむ「『君が、もしその手をはーなーしたーらー♪すぐにいなーくなーるーからー♪』」

あきら「なんでここでHOTEL MOONSIDE歌うんで?」

りあむ「もう迷子になるのいやぁ・・・あきらちゃんに呆れられたくないぃい・・・・・・」

あきら「(一回はぐれたせいでメンタルブレイクしてる・・・?)」



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あきら「ついに、たどり着いた・・・やはり荒木サンはここにいた・・・さあ年貢の納め時デス・・・・・・割とガチで体調悪くなってきたんでさっさと凸りましょ」

りあむ「いやいや、近くで見たけどあの売り子さんコスプレだったよ!美人だけど本物とは顔の良さみがちがった!」

あきら「ここまできて外れとか・・・つらっ、心身ともにつらっ」

りあむ「まあまあ!向こうの飲食スペースで何か食べながら休も?・・・オリジナルメニューがあるらしいよ・・・・・・ミネストなんとかって料理、あとついでにこれ読みたいし」

あきら「・・・ちゃっかり買い物してるし」








りあむ「エッッッッッッッッッッロ」

あきら「自分は15歳なんで読みません」

りあむ「エッッッッッッッッッッロ」

あきら「・・・・・・・・・」

りあむ「エッッッッッッッッッッロ」

あきら「全ページでその反応するんで?」

りあむ「エッッッッッッッッッッ!!」

あきら「・・・・・・・・・」

りあむ「~~~~~~~~~っ!!」

あきら「#刃牙」




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あきら「『今日はシンデレラステージというイベントに遊びに行った。デレステ大画面プレイやアナログゲームコーナーは回れなかったのが残念だけど閉会前に撤退しまーす#シンステ』っと、はいツイート」


通知1「〇〇さんと他6人があなたのツイートをいいねしました」

通知2「◻︎◻︎さんと他3人があなたのツイートをリツイートしました」



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りあむ「『シンデレラステージに現地参戦!やみくんもやみちゃんも大奮起してた!!#シンステ』・・・ついーとーう!」


リプライ1「イベントに参加できなかった人もいるのにこんなツイートをするなんて信じられません」

リプライ2「事故や病気で行けなかった人達の気持ちを考えたりしないの?」

リプライ3「俺は親戚の不幸で行けなかった。いくらSNSでの発言は自由とはいえここまで無神経な奴っているんだな」

りあむ「むぎぎぎ」



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午後3時25分
JR大阪駅



りあむ「アイドルのライブ以外に参戦するのは久しぶりだったけど楽しかったー
・・・・・・えっと、あきらちゃんは・・・・・・まだしんどい?」

あきら「うぅっぷ・・・ちょっとダウン気味デス・・・・・・それで、結局荒木サンはいたんですかねぇ・・・荒木サンのコスプレした人は何人かいたのに・・・木を隠すなら森の中ってことかな・・・」

りあむ「いやいやいや!アイドルとコスプレイヤーじゃ尊さがちがうでしょ!アイドルは嚢中の錐でしょ!あきらちゃんは分かってないよ!」

あきら「そういうの今はいいんで・・・ちょっと休みましょうよ・・・・・・あと、今更かもなんですけど、途中で電車降りて駅からも出て、ドコ行くんで?あんな・・・馬鹿デカいドームみたいな屋根の駅なんて見覚えない・・・・・・」

りあむ「ん?・・・あー、行きは新大阪からだったから大阪駅見落としたー?・・・・・・でもこっちで安い宿探しといたしそこでお休みしてー、改めて話をしよっか?・・・アイドルの顔の良さみについて」




あきら「・・・・・・・・・・・・ヤド?」





りあむ「あきらちゃんは人混みがダメダメみたいだから、ポートライナーが混み出す前に乗ったけど・・・・・・わざわざ東京から来たならどっかで一泊してからお土産買って帰るのがセオリー・・・・・・みたいな?」

あきら「いや、みたいなって・・・・・・泊まりとか聞いてないんデスけど」

りあむ「でも・・・大阪駅で降りてもなんも言わなかったし・・・?」

あきら「ご、ご飯でも行くのかと思ってました・・・」

りあむ「ご飯も行くよ?大阪に現地参戦したのは初めてじゃないから、クソ安い宿も美味しい穴場も知ってるし・・・・・・まかせて!


あきら「うわいい顔・・・・・・泊まるって・・・でも荒木サンの件はどーするんで?・・・明日改めて捜索でもするつアテがあるんで?」






りあむ「あー、比奈ちゃんのサークルのこと?それならもう解決したよ?比奈ちゃんがシンステ会場にいた証拠は掴んだから後は大阪でおいしーもの食べて休んで帰ろ?」





あきら「はあ?・・・・・・いや、えっと、・・・はあ?聞いてない・・・」

りあむ「だって今初めて言ったし・・・」

あきら「ワオ論破ぁ・・・・・・じゃなくて!いつ荒木サンとあってたんで?迷子になってた時とか?」

りあむ「聞きたい?聞きたい?でもあーとーで!」

あきら「むっかつくぅ・・・・・・うっぷ」

りあむ「ほら、あきらちゃんの顔色も悪いし、駅からも出ちゃったし、詳しく話すと長くなるから先にチェックインしよ?」





あきら「・・・・・・・・・・・・(人の圧と熱気で本気でキツいのは事実なんだけど・・・・・・泊まるならアレがないとなぁ・・・言えば考慮してくれるかな、このSNS育ちのおっぱい厨)」



りあむ「『鳴り出した予感のベル♪降りたいこの環状線♪アリバイを三度ペンでなーぞーれーばー♪』」

あきら「・・・・・・・・・なにゆえ#ホテムン?」



りあむ「あきらちゃんからはダウンの予感、JR環状線のある大阪駅からは降りちゃって、荒木比奈ちゃんの偽装アリバイの説明をしようとしているこの状況にぴったりだし・・・・・・?」

あきら「イラっときたから速水サンにチクってやる・・・・・・炎上しろ・・・・・・おえっぷ」


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クソ安い宿(駅から若干遠い)
午後7時すぎ




りあむ「どう?どう?もう元気?辛くない?おっぱい枕もいらない?」




あきら「キョドり過ぎデスて・・・さっきまで一緒に焼肉食べてたのを忘れたんで・・・?」

りあむ「だってチェックインしてすぐにぐったり寝ちゃって、起きたと思ったらいきなりお腹減ったとか血走った目で言うからぁ・・・・・・溜まってたストレスとかが爆発したのかと思ってちょっと怖かったぁ・・・!」

あきら「あー、なんかスミマセン・・・?昼食が少なかったのを寝起きの体が思い出しちゃったみたいでで・・・」

りあむ「そういえばシンステ会場の売店でもあんまり食べてなかったね・・・まあ現地参戦中はお腹に物を入れすぎないのは基本だけど、あきらちゃんは体調不良もあったかー・・・」



あきら「とりあえず美味いお肉ゴチでした・・・・・・宿の方も、正直ラブホとか予約してたらPサンに通告してやろうかと思ってたけど、ちっこいとはいえ普通の部屋で、安心して仮眠が摂れましたよ」

りあむ「ラブホはねぇ・・・・・・同性で入るの禁止してるとこもあるし・・・Pサマに領収書見せられなくなるし・・・・・・でも本当に座椅子だけでぐっすり眠れた?」

あきら「ゲーム中に寝オチとかザラなんで自分・・・座ったまま寝るとか#スキルの内にも入らないデスって・・・・・・」

りあむ「でもあきらちゃん、顔が下向いてたせいでヨダレだらだら垂れてたから心配になって・・・ここにある備品のひざ掛けもぐっしょり」

あきら「それは・・・・・・まあ、ワケありなんで。・・・・・・もう体調は元どおりですよ。寝て、起きて、食べて、なんなら今から新幹線で帰ってもオッケーです」

りあむ「のんのん、仮眠じゃなくてちゃんと休まなきゃ、しかもあきらちゃんが寝てるうちに新幹線は明日の早朝でとっちゃったし」

あきら「容量のいいことで・・・これが参戦型のオタ力か」






りあむ「・・・・・・さて!時間つぶしに説明でも聞く?聞いちゃう?」

あきら「#説明#とは」


りあむ「ほら荒木比奈ちゃんのサークルのこと。・・・・・・ほいっ」

あきら「・・・そうだった。そのネタで宿まで引っ張られてきたんだった。奢ってもらった肉のうまさで忘れてた・・・・・・って、また胸の谷間からものを・・・それ同人誌?」

りあむ「あきらちゃんの芸風に被りそうだけど『#シンステ』で検索してー、その中から出展するサークル垢をいくつか絞ってー、荒木比奈ちゃんの裏垢っぽいのを見つけてー・・・で、これがその比奈ちゃんがこっそり書いてた同人誌!」

あきら「#は自分の芸風じゃないデス・・・・・・いや、いやいやいや特定とか無理でしょ。あれは人手があってこそ可能なんであって、それこそSNS下痢相手じゃないとたった一人で特定作業なんてムリゲーもいいとこデスって」




りあむ「んふふ・・・そこらのオタクどもなら確かに不可能な作業だよ?でもぼくらは346プロのアイドル・・・・・・荒木比奈ちゃんの個人情報にすこーしだけ近い・・・・・・」

あきら「・・・・・・個人情報・・・?・・・・・・あー、あああハイハイ、なるほど・・・・・・ベテトレサンか・・・」

りあむ「そう!ぼくはベテトレさんに今日までの数週間分のレッスンのスケジュールを聞いておいたの・・・!」

あきら「理解可能・・・荒木サンがSNSを更新できる時間帯とできない時間帯を割り出せる・・・という寸法デスね・・・」





りあむ「そーう!まず男性だと確定してる垢は論外でしょ?東京住み以外も違うし、それに寮暮らしだから睡眠はともかく食生活は管理されてるはずだし外食の画像をたくさんあげてる垢も除外、普段着はジャージらしいからコーデの自撮りが多いのも除外。ここまでで大体100サークルくらいまで絞れた!」

あきら「あんまり呟かないか、性別不明アカウントもあるでしょうから、そういうのは検証がムズそうデスが」

りあむ「・・・そこでベテトレさん。レッスンがあるはずの時間帯にツイートのある垢はほぼ全部候補から外れる・・・・・・これで大分削れて40サークル。トドメにぼくは落書きとは言え比奈ちゃん直筆のイラストも見た・・・!」

あきら「ってことは・・・どっかのサークルの絵師とかがSNSにアップしたイラストも・・・」

りあむ「もちろんぼくなら比奈ちゃんの絵じゃないと見抜ける・・・比奈ちゃんを一発特定するのはまだ難しいけど比奈ちゃん以外を弾いていくのはできる・・・これで一気に10サークルまで絞れたからあとは実際に見て回るだけ!」

あきら「おお!・・・って、いつそんな選定作業してたんデス?」

りあむ「昨日ベテトレさんとPサマに比奈ちゃん捜索を依頼された時からー・・・・・・今朝になってあきらちゃんを誘うまでの時間ずーーーっと徹夜でスマホ見て調べたの!」

あきら「だから新幹線でこっちの困惑も知らずに爆睡してたんですか・・・・・・うーん、マジ引くレベルの特定力・・・・・・#SNS育ちは伊達じゃない」



りあむ「で、その10サークルの中に比奈ちゃんっぽい画風で描かれたの見つけたってスンポー。サークルスペースに比奈ちゃんっぽい人はいなかったから・・・・・・多分、売り子はどっかの業者に任せて本人は買い物してたのかなー?会場を動き回ってるんじゃぼくらに見つけられるわけないよねー・・・・・・」

あきら「・・・・・・つーか、りあむサン、なに自分の知らないうちに終わらしてるんデスか自分徒労もいいとこじゃんか」

りあむ「ごめーんね?宿代もぼくとPサマが出すからせめてゆっくり休も?乳枕で」

あきら「・・・・・・あー、その、それなんですけど・・・ちょっと無理・・・かも?」





あきら「・・・実は自分、寝る前はマウスピース必須なんで、それなしは熟睡は無理デス。急だったんで持って来てないし」

りあむ「・・・・・・・・・・・・マウス&ピース?」



あきら「歯のカバーみたいなものデス。人生のビギナー・・・子供のころ寝返り打った拍子に舌を噛んじゃって、めちゃくちゃ出血したんデス。で、それ以降ベッドで横になって寝るときは必須ってわけで・・・歯医者に用意してもらったんデス・・・」

りあむ「・・・・・・あばばば・・・・・・」

あきら「あ、いやいや。一応伝えておきましたけど、座りながら寝れば口は開いちゃうけど寝れなくはないし舌も噛まないんで・・・・・・」

りあむ「み、みみみ未成年を一泊させて体調崩させちゃうのはマズいって・・・炎上じゃすまないし・・・・・・・・・やむ」

あきら「そこまでテンパらなくとも・・・別に一晩でどうこうなるほど弱い体じゃないし」


りあむ「・・・・・・・・・・・・やむを得ない!」

あきら「はい?この部屋狭いから声の反響すごいな」

りあむ「ぼくが何とかする!だからシャワー浴びてパジャマ着て待ってて!」








あきら「なんとかって・・・・・・・・・・・・あー、出ていっちゃった、しかし徹頭徹尾テンション安定しないなあのヒト」

あきら「しかしパジャマ?・・・・・・替えの下着と一緒にサイケデリックなTシャツを買ってたみたいだけど・・・まさかあれお土産じゃなかった・・・?」

あきら「ま、まあいいでしょ。一晩の話なんだし。普段も着の身着のまま寝オチとかザラでしたし・・・・・・明日はあかりサンへのお土産も買わないとなー」



あきら「シャワールームせっっっっっま!?半畳!?」




___________
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りあむ「大阪駅はいいとこだね、東京ほどじゃないけどなんでもあるし」

あきら「・・・・・・・・・」




りあむ「マウスピースって基本オーダーメイドらしいし?薬局じゃあどうしようもないかーって・・・」

あきら「・・・・・・・・・」




りあむ「で、これ・・・プラスチック製のお安いスタンダートセットのうちの一つ。これなら舌も噛まない!いえい!」

あきら「・・・・・・・・・」




りあむ「あと、そのTシャツ着てくれたんだね・・・!あきらちゃんってコーデの自撮りとかアップしててオシャレだから、好みに合わないと思ってた」

あきら「・・・・・・・・・ラブホじゃ」




りあむ「?」

あきら「ラブホじゃあ、なかったはずなのに・・・!」

りあむ「ラブホ?」








あきら「ボールギャグって・・・!ボールギャグって!!」






りあむ「ああ、これは違うよ?大阪駅近くのTENGASH◯Pの4階で買ったの、このお宿はノーマルノーマル!・・・・・・・・・あれ、5階だったかな」

あきら「#SMグッズ!#拘束具デスこれ!#口枷、#セシュター、#猿轡!革製のベルトを用いて穴の空いたボールを相手の口に固定する奴デス!」

りあむ「あぅ・・・言葉がめっちゃハッシュしてるぅ・・・で、でもゴムボールのギャグもあったけど人によっては美味しくないし、息が苦しいかなってぇ」

あきら「もう大前提がおかしいんだから如何なる気配りも無意味なんですって・・・・・・はぁ・・・ボールギャグ、手錠、アイマスク・・・ありふれた宿の一室が散らばったSMグッズ一式によりあっというまにアブノーマル・・・・・・・・・記念に写真撮っとこ」



りあむ「もう何度目か分からないけど、ごめんね?ぼくこんな解決策しか思いつかなくて・・・せめて昨日に泊まりって言っておけば・・・」

あきら「そこは、まぁ、東京から大阪まで日帰りできると思ってた自分も無知というか、甘かったけど。流石にSMグッズつけて寝るのは勘弁デス」

りあむ「でも、じゃあどうしよう。こうなったら残った手段なんて・・・・・・」

あきら「ネカフェは年齢的に不可なんで、明日の朝までファミレスで時間つぶしますよ。寝落ちも徹夜もへっちゃらデス。折角なんでオススメ24時間営業の店でも教えてください」



りあむ「・・・・・・・・・やむを得ない・・・・・・・・・やむ」

あきら「・・・な、なんで立ちふさがるんで?




りあむ「寝ている間にうっかり舌を噛み切っちゃったせいで、あきらちゃんがトーク番組に出られなくなったり、歌を歌えなくなったりすれば、それはぼくのせい。炎上&引退は不可避、ぼくのアイドル人生は終わる」

あきら「そ、そんな気にしなくても、いいですって。自分の寝相と歯ぎしりの問題ですし」

りあむ「ううん、そんな打算だけじゃない・・・・・・ここまでついてきてくれた、やさしいやさしいあきらちゃんに怪我をさせるなんて、やさしい世界出身のぼくは絶対イヤ」

あきら「・・・・・・・・・・・・そりゃドーモ(・・・以前、やさしい世界では牙の生えた生き物には口枷をつけるとか言ってなかったっけ?あ、だからボールギャグを自分に買ってきたのか)」




りあむ「『ねえ、みて、ほら♪きれいな月ーだね♪』」

あきら「・・・なぜ過剰なまでにホテムンを・・・。
窓の外はコンクリの打ちっぱなしデスが」

りあむ「そういう意味じゃなくて!もう月が出てる時間!大阪は20時過ぎに未成年が出歩いていると補導されるの!こんな時間に出歩かせるのもダメダメなの!」

あきら「・・・それは参ったな。じゃあいいデス、徹夜でゲームしてるんで・・・」

りあむ「ん〜!ん〜〜!!」

あきら「えっと、ぴょんぴょん跳ねながらのその表情は怒ってるってことで?・・・・・・胸部の縦振動すごいなしかし」



りあむ「あきらちゃん!」

あきら「おっぱい近っ」

りあむ「良い子はちゃんと寝る!だから一緒に寝よ!」

あきら「た、たしかに布団が二つ並ぶかどうか怪しい広さの部屋デスが・・・・・・結局、自分が舌を噛むリスクが」

りあむ「・・・・・・・・・ん~・・・!」






りあむ「ボ、ボールがダメだっていうなら・・・・・・咥えたまま寝て、いーよ」

あきら「?」

りあむ「あきらちゃんなら、その、咥えて寝ていーよ?」

あきら「#咥える#何を」





りあむ「えっと、ほら!さきっぽ!」

あきら「さき・・・・・・え」







りあむ「お っ ぱ い 枕 の さ き っ ぽ」







りあむ「ぼくにはあきらちゃんを無事におうちに届けるギムがあるムギ、怪我も寝不足も補導もさせないムギ」


あきら「なにそのクソ語尾・・・・・・それに一瞬頼もしく思えましたけど、絵面が地獄すぎる・・・・・・なに考えてんデスかりあむサン。自分が寝ぼけて・・・その・・・・・・・・・先端の、ポッチを噛みちぎったらどうするんデス・・・・・・」


りあむ「あきらちゃんの舌がダメになるよりマシ!」




あきら「断言て・・・・・・それはアイドル活動的な意味で?でも、り、りあむサンは大怪我が怖くないんで?」


りあむ「あのね?いい?あきらちゃん、良く聞いてね?言うよ?」


あきら「さらに近っ、おっぱい同士が潰れ・・・」












りあむ「 アイドルに 乳首は いらない 」







あきら「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もう、気絶したい・・・」












りあむ「説明するね?どんな過激な衣装でも、露出の多い水着でも、アイドルが乳首をポロリすることはないでしょ?」

あきら「・・・・・・・・・・・・(おかしいな、自分はどこで間違えたんだろう)」


りあむ「上乳や下乳、おへそやお尻は見せても恥部は見せないの、アイドルは」

あきら「・・・・・・・・・・・・(昨日、予定を訊かれて、空いてたからって大阪まで掻っ攫われて、シンステはちょっと楽しかったけど体調崩しかけて)」


りあむ「アイドルが乳首を見せるのはAV堕ちした時か引退して子供を産んだ時だけ、だからぼくには乳首はいらないし、なんなら捨てる覚悟もある」

あきら「・・・・・・・・・・・・(宿のちっさい部屋で仮眠して、起きて美味い肉食べに奢ってもらって、あらためてちゃんと寝ようと思ったらコレだよ、うん、別に誰も悪くないな?な・・・・・・・・・あれ?・・・ちょっと待てよ?)」



りあむ「もしもだよ?もしもあきらちゃんがぼくの乳首を噛み千切っちゃっても、それはアイドルの神様とPサマに乳首を捧げただけの話なんだよ?」



あきら「・・・(荒木サンがいなくなったのも、ベテトレさんとPサンから捜索依頼が来たのも・・・そして荒木サンが会場にいたと言う説明も・・・全部、全部全部全部全部!りあむサンの口からしか聞いてない!なんの裏どりも確かな証明もない!?ソースのない情報を信じるなんて、自分もSNS民のバカの方だったってことか・・・!?)」




りあむ「だからあきらちゃんが物怖じしたり遠慮したりすることはないよ・・・?でもぼく同衾ドッキングにドッキドキしちゃう・・・あきらちゃん顔がいいし・・・・・・って聞いてない?・・・やむ」

あきら「#三十六計!!」

りあむ「逃げちゃヤ!」

あきら「うなっ!?握力すげえ!こっちこそイヤデス!なんで大阪くんだりでSMプレイか授乳プレイを強制されなきゃいけないんですか!騙されてたまるか!」


りあむ「だ、騙す・・・?良くわかんないけど大丈夫だって!ちゃんとピンクだし毛も生えてないしモンゴメリー腺も目立たないツルツルニップ!母乳が出る病気も数年前に治ったし・・・」

あきら「なんか炎上しそうな情報も聞こえません!自分はもうサイゼさんちの子になります!手を放してください!」

りあむ「せめてロイホさんちにしなさい!あと手ははーなーさーなーい!『もしその手をはーなーしたーらー、すぐにいなーくなーるーからー♪』」

あきら「頸動脈食いちぎるぞホテムン厨!」


りあむ「『手錠に鍵をーかーけーて♪今夜、今夜、今夜ー♪』・・・とりゃ」



ガチリッ!



あきら「あ・・・て、てじょう・・・・・・ SMセットの・・・!」

りあむ「ぼくの手にも繋いで、と・・・・・・・・・えっと・・・・・・あきらちゃん・・・・・・?」




りあむ「は、初めてだから、優しく噛んでね・・・・・・?」




ガチリ・・・・・・
















夢見りあむのウワサ.0
とれたけどエナドリでくっついたらしい。










読了感謝


あかりちゃんへのお土産はりんごを使ったケーキでした。


モバマスを5年やって初めて推しの一人(ほたる)に声が付いたり

初めて合同誌に寄稿したり、初めてコミック系即売会に遊びに行ったりした喜びをSSにしました。


前作
夢見りあむ「やさしい世界!だけど税率15%!」砂塚「自殺率高そう」


昔々、ある村に浅利七海という心優しい少女がおりました―――


七海「さかなさかなさかな~♪ さかなを食べると~・・・・ん?」


「助けてー!」


仁奈(亀)「誰か助けてくだせー!」
優「やーん、可愛い~♪」ナデナデ
瑞樹「ほっぺもプニプニでお餅みたいね~♪」ツンツン

仁奈「ぬあ~!!!」


七海「た、大変だ!」

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