【艦これ】阿賀野を嫁にしたら家事担当に能代が付いてきた (19)

それから半年後


能代の妊娠が判明した

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阿賀野「」




能代「」




提督「」






阿賀野「本当なの」




俯いたまま能代が頷く


自分はただただ無言。言うべき言葉が思い付かず




阿賀野「本当に提督さんの子供が能代の中に」




阿賀野「奥さんの 奥さんの妹と 浮気 したの」




「はい」とだけ答えた

つい数分前までは能代の料理を囲み、三人で楽しく会話をしていたのに


ただ自分が阿賀野が肥えだしたことをからかっただけで
阿賀野が「能代だって」と言っただけで
突然蒼白になった能代を見て妊娠とその父親が誰か察したのは女の感か
自分はまるで気がつけなくて


暖かい食卓は突如、極寒の処刑場と化す。



提督「妊娠 何ヵ月」


能代「4か月です」


阿賀野「結婚半年なのに…そんなに」


毎晩のように食卓を囲んでいた3人
まだわずかの新婚生活
たったその6ヶ月…の半分以上前からの裏切りに気が付いたとき


阿賀野の目から光は消えた。

阿賀野「提督も酷い」


阿賀野「なんで浮気なんてしたの? 阿賀野のことは…もう」


提督「違うんだただの そう気の迷いで」


提督「あの日は二人とも  どうかしてたんだ」




あの暑い夜
阿賀野は不在で二人は若く
蝉の声がよく聞こえて


阿賀野「気の迷い? 一回だけなの?」


阿賀野「たった一回だけで妊娠なんて」


阿賀野「能代? 何回したのか正直に答えてちょうだい」


能代「たぶん…十回くらい です」


阿賀野「……二桁かぁ」


阿賀野「一回とは思ってなかったけど」

阿賀野「…十回が気の迷い?」


提督「いや違くて」


阿賀野「じゃあ何回なの」


提督「それはまあ12。いや13回か」


阿賀野「さらに増えたぁ」


提督「いや あの 違う 一回は一回で」


阿賀野「さっき13回って!?」


提督「13ってのは…回じゃなくて…その発というか」


提督「浮気自体は一晩の気の迷いなんだよ」


阿賀野「一回で13発!?」

提督「だから…一回なのは嘘じゃない」


阿賀野「えっ、ごめんね。そこよりも疑問が」


阿賀野「…阿賀野の聞き間違えかな? 13回戦とかありえるわけが」


能代「もう最後の方はあそこがひりひりしちゃって」
提督「マラソンを走りきったかのような疲労と脱力が」 


阿賀野「細かい内容は言わなくていい」

能代「あっ、そうだ。ねぇ提督。途中で仮眠があったから」
提督「…うーむ、確かに。理屈上、浮気は二回になるかも」


阿賀野「誤差の話はいいよ」


阿賀野「どんだけ?  ねぇどんだけ?」


提督「我ながら凄まじかったと思う」


提督「一ダースを使い切った後のあの一発…あの一発が」


阿賀野「十三発目のが一発で」


阿賀野「阿賀野とする時はいつも一回なのに」

「えっ」って顔をした能代が慌てて真顔を作るが
時すでに遅し、阿賀野はこの世の終わりを見たような顔で


「そんなに よかったんだ」
か細い声で僕らを責める


「そんなに 違ったんだ」


怒鳴ってくれたほうがどれだけマシか

提督「なんとか なんとか許してもらうわけにはいかないか」


阿賀野「もう妊娠しちゃってるんだよ?」


阿賀野「それとも 中絶するの?」


能代はお腹を押さえ首をふる
彼女の性格を考えると当然であろう

阿賀野「そうだよね? その気があるならもう」


提督「なら三人で いや四人で家族を作ろう  別にこだわる必要なんてないじゃないか。」


提督「いままでも三人で暮らしてきてたんだ」


提督「ただ関係が少し変わるだけで「想像してみて」


阿賀野「嫁さんが自分の弟と浮気してて妊娠済みで十三発で」


阿賀野「明日から三人で仲良く営もうって言われてできる?」


阿賀野「弟とは仲良しなものとする」


提督「」


想像するだけでこみ上げる嫌悪感
甘かった


三人でなんて都合のよい案
いや、 そもそも丸く納めようとすること事態が


甘かった

提督「阿賀野の気持ちはわかった…」


提督「離婚という選択肢を取るのであれば……やむおえないだろう」


阿賀野「そうだね、 別れたい  別れたいよ」


阿賀野「でも もう 阿賀野も」


と言って阿賀野はお腹を抑えた


自分は絶句し、能代は 頭を抱える
二人ともだったんだ
姉妹揃って同じ男の子供を

阿賀野「だからね 阿賀野は赦す」


阿賀野「二人を許す」


阿賀野「妹と浮気と考えると 認められない」


阿賀野「だけど阿賀野は思うことにする」

阿賀野「能代と私は一心同体」


阿賀野 「能代 阿賀野とあなたは二人で一つ」


阿賀野「産まれてくる二人は阿賀野たち二人の子」


阿賀野「四人は駄目だけど 五人なら…家族に…なるよ」


阿賀野「それじゃ だめかな?」


泣き崩れ土下座をする能代
それを助け起こし
抱き寄せる阿賀野


よくわからない…が全てが 素晴らしい方向に決着したらしい


能代の頭を撫でる阿賀野は
まさに聖母であった

ああ、続くんだ…
これまでの幸福な日々が続くんだ…


一瞬、失うことを覚悟した途端
2人と笑顔で笑い会っていた日々がとてつもなく尊いものだと理解できた




「誓うよ」


「これからは君たちだけのために」


「君たちのためだけに生きていくんだ」


その光景を見て、口をついたのは我ながら臭い言葉
だけど心からの言葉

これからは5人が一人の家族
ああ、なんと尊い間柄であろうか


内容的には醜聞だが
その実は尊い。美しい関係。


自慢半分、恥ずかしさ半分でそういった事実を告白しなければならないまずは身内から


というわけで呼んだ
矢矧は腹部を擦り、想い詰めた顔で現れて今度は全てを察した。


はい、ただ一縷の望みを託した言葉を大きな声で


「し、姉妹は一心同体!!」


その後、法的協議を経て養育費を三人分払うことになったのは言うまでもない


おわり

パソコン壊れたらコテハンがわからなくなった
ぴゃぁ…

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