P「あ、悪い。急に言われたらびっくりするよな」
夏葉「……ええ。詳しく説明してもらえるかしら」
P「ああ。その……なんて言えばいいのか。たまにストレスがたまるとさ」
夏葉「ええ」
P「もうダメだー、ってなって癒しが欲しくなるわけなんだが……」
夏葉「それで、その……も、モフ? りたくなったってことね」
P「そう。ダメか?」
夏葉「ダメかどうかは別にしても……それ、白昼堂々言うことではないと思うのだけれど」
P「ああ。仕事中に言うことじゃなかったな……すまん。もふもふしたい衝動に駆られて……ふと、な……」
夏葉「ふと、ってそれ言う相手を間違えたらアウトよ?」
P「わかってる。だから夏葉なんだ」
夏葉「……私以外にいないの?」
P「そうだなぁ……ああ、夏葉以外いない」
夏葉「……………………そう」
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P「小宮さんに頼んでもいいんだが、ちょっと小さいから満足感に欠けるしな……」
夏葉「……アナタ、それ冗談でも笑えないわよ?」
P「あ、いや、そういうつもりで言ったんじゃないんだ! 小宮さんがダメとか誰でもいいとか、そういうことを言うつもりは一切ない!」
夏葉「……いいわ。聞かなかったことにしてあげる」
P「ありがとう。それで、なんだが……ダメか……?」
夏葉「…………“私が”いいのよね」
P「ああ」
夏葉「………………“私じゃなきゃ”いけないのよね」
P「ああ!」
夏葉「いいわ。…………というか、そこまで言われたら断れないじゃない。もう」
P「ホントか!?」
夏葉「ええ。でも、場所は選ばせてもらうわ」
P「うん。任せるよ」
夏葉「そう、ね……私の家、というのはどうかしら。時間は今日の仕事終わりでどうかしら」
P「問題ないよ」
夏葉「決まりね。待ってるわ」
○
~夏葉の家~
P「さて、ちょっと緊張してきたな……」
P「………………よし! ぴんぽーん、と」
P「………………」
P「…………」
夏葉「はーい。……あら、早かったのね」
P「ああ。全速力で仕事を片付けてきた」
夏葉「ふふ、良い心掛けじゃない。それに、着替えてきたのね」
P「そりゃあ、まぁ、こんな一大イベントがあるからな」
夏葉「一大イベント……そうね。そう、よね……」
P「夏葉も着替えたんだな」
夏葉「ええ。収録で少し汗もかいたから」
P「そっか。……それで、えっと、本日はお招きいただき……」
夏葉「え、ええ……上がって頂戴?」
P「ああ。あとこれ、つまらないものだけど、良かったら食べてくれ」
夏葉「そんな気を遣う必要なんてないのに」
P「無理を言ってお願いしてる身でそういうわけにもいかないだろ」
夏葉「じゃあ、ありがたくいただくわね」
P「…………」
夏葉「…………」
P「…………」
夏葉「……そ、それでなのだけれど」
P「あ、ああ」
夏葉「……心の準備はいいかしら」
P「ああ。いつでも大丈夫だ」
夏葉「そう。……私の方も、問題ないわ」
P「……その、もう、ここで……リビングでいいか?」
夏葉「ここで!?」
P「あ、だめだったか?」
夏葉「……いえ、取り乱してごめんなさい。いいわよ。私はどこでも」
P「なんかちょっと緊張するなぁ。久々だし」
夏葉「久々……当然なのかもしれないけれど、プロデューサーにもそういう経験があるのね」
P「ああ、でも最後はかなり前だけどな」
夏葉「参考程度に具体的には何年前なのか、聞いてもいい?」
P「何年……そうだなぁ……小学生以来じゃないか」
夏葉「小学生!?」
P「そんなに驚くことか?」
夏葉「ちょっと早過ぎじゃないかしら……」
P「え、もっと前だと思ってた? それこそ幼稚園とか」
夏葉「そんなわけないでしょう!?」
P「めちゃくちゃ食い気味だな」
夏葉「食い気味にもなるわよ。もう」
P「そのときの子は、結構人懐っこい子でさ。ところ構わず触って触ってー、って子でさ」
夏葉「…………」
P「夏葉?」
夏葉「デリカシー、って言葉知ってるわよね」
P「あっ……。いや、比べるつもりはないんだ。ごめん」
夏葉「わかればいいのよ」
夏葉「それにしても……プロデューサーの前の……前の子はそんな感じだったってことは、誰に対してもそうだったんじゃないかしら」
P「……おお、よくわかるな」
夏葉「ちょっと考えたらわかるわよ」
P「さすが夏葉だな」
夏葉「……ねぇ、それ、嫌だとは思わなかったの?」
P「あー。まぁ、ちょっと複雑ではあったよな。結局誰でもいいのかよ! ってさ」
夏葉「でしょうね……」
P「もう昔の話だけどな。夏葉はそんなことないか?」
夏葉「心外ね。見ればわかるでしょう? そんなに軽くないわ」
P「あはは。だよな。賢そうだもんな」
夏葉「賢い、とかそういう話ではない気がするのだけれど……」
P「そうかなぁ」
夏葉「……それじゃあ、その」
P「ああ」
夏葉「いつでもいいわよ」
P「……ああ」
夏葉「目、瞑っているわね」
P「え、そんなに嫌か?」
夏葉「嫌ではないわよ。……でも、ほら、そういうものでしょう?」
P「……そういうものなのか」
夏葉「そういうものなのよ」
P「そうか……。じゃあ、失礼して……っと」
夏葉「…………」
P「………………」
夏葉「…………」
P「かわいいーーー!! このもふもふ感!! カトレア―!」
夏葉「えっ」
P「夏葉から写真見せてもらったり、話を聞いたりする度に会いたかったぞー!」
夏葉「えっ……えっ????」
P「カトレアー! もふもふだなお前ー!」
夏葉「そういう話!?!?!?!?」
おわり
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